JP2020132544A - カルバゾール誘導体、それよりなるホスト材料及びそれを用いた有機el素子 - Google Patents

カルバゾール誘導体、それよりなるホスト材料及びそれを用いた有機el素子 Download PDF

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久宏 笹部
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晃平 中尾
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Abstract

【課題】有機EL素子のホスト材料となり得る、高い三重項エネルギーを有するカルバゾール誘導体、及びこれを用いた有機EL素子の提供。【解決手段】下式の化合物に代表されるカルバゾール誘導体、及び該カルバゾール誘導体よりなるホスト材料、又は有機EL素子。【選択図】なし

Description

本発明は、新規なカルバゾール誘導体、それよりなるホスト材料及びそれを用いた有機EL素子に関する。
有機EL素子では、一対の電極間に電圧を印加することにより、陽極から正孔が、陰極から電子が、発光材料として有機化合物を含む発光層にそれぞれ注入され、注入された電子及び正孔が再結合することによって、発光性の有機化合物中に励起子が形成され、励起された有機化合物から発光を得ることができる。
このような有機EL素子における課題は、発光効率の向上及び耐久性の向上にある。有機化合物が形成する励起子には、一重項励起子(ES1)及び三重項励起子(ET1)があり、一重項励起子(ES1)からの蛍光発光と、三重項励起子(ET1)からのリン光発光とがあるが、素子におけるこれらの統計的な生成比率は、ES1:ET1=1:3であり、蛍光発光を用いる有機EL素子では内部量子効率25%が限界といわれる。そのため、電子からフォトンへの変換効率(内部量子効率)を向上させるべく、三重項励起状態を発光に変換することが可能なリン光材料が開発され、リン光を利用し、かつ、耐久性の向上を目指した有機EL素子の開発が行われている。
また、熱活性化遅延蛍光(TADF)の利用も、有機EL素子の高性能化に重要である。TADF材料は蛍光材料でありながら、リン光材料と同様、理論上100%の励起子生成確率を実現することが可能であり、高効率化に有用である。さらにイリジウムや白金等の貴金属が不要な分子設計につき、開発の低コスト化が可能である。したがって、このTADFを利用した発光材料を開発すれば、低コストでかつ、高効率の発光素子が得られると考えられる。
一方、ホスト材料としては、電子輸送性を有する材料やホール輸送性を有する材料等、様々なキャリア輸送材料を用いることができる。しかしながら、例えば、一般的なホスト材料であるα−NPDは、耐久性は高いが、三重項エネルギーが低く(T1=2.28eV)、リン光又はTADF有機EL素子には不向きである。そこで、高い三重項エネルギーを有する、すなわち、ワイドエネルギーギャップを有するホスト材料の開発されている。シュレーゲルらは青色リン光有機EL素子のホスト材料として、中心のビフェニル骨格に対してカルバゾール基がメタ位に結合した、4種類の4,4’−ビス(9−カルバゾリル)ビフェニル(CBP)誘導体を報告し、これらの誘導体の三重項エネルギーが2.90eVを超え、パラ位に結合したCBP誘導体の三重項エネルギー2.58eVに比べて著しく向上していること、該メタ位に結合したCBP誘導体を選択的にメチル基で置換することでガラス転位点が120℃にまで上昇し、その酸化種は、二量化に対して電気化学的に安定であること、及び、該メタ位に結合したCBP誘導体を、カルベン発光体であるmer−トリス(N−ジベンゾフラニル−N’−メチルイミダゾール)イリジウム(III)(Ir(dbfmi))に対するホスト材料として用いることにより、450nmで青色リン光発光することを報告している(非特許文献1)。一方、鎌田らはTADF有機素子の大面積テレビや固体光(SSL)への実用化に向けて、100cdm-2を超える輝度での駆動寿命と低消費電力とを両立したホール輸送材料として、ヘキサフェニルベンゼン系の立体的に嵩高い、4DBTHPBと呼ばれる化合物からなり、イオン化ポテンシャルが5.8eVで、三重項エネルギーが2.7eVであるホール輸送層を報告した(非特許文献2)。非特許文献2では、前記4DBTHPBを使用したTADF素子では、外部量子効率が21.6%、電力効率が54.3lmW-1、初期輝度1000cd/m2時の輝度50%保持寿命(LT50)が約1万時間であり、最先端の緑色リン光有機EL素子に匹敵する性能を示すことが報告されている。
Pamela Schroegel et al., OrganicElectronics, 12 (2011), 2047-2055 Takahiro Kamata et al., Chem.Eur. J. 2018, 24, 4590-4596
このように内部量子効率100%を実現可能な三重項励起子を用いたリン光、又はTADFの利用は有機EL素子の高性能化に重要である。しかしながら、従来のホスト材料は、有機EL素子の駆動安定性と三重項エネルギーとのトレードオフがある。そのため、高い駆動安定性及び高い三重項エネルギーを併せ持つホスト材料の開発が求められている。
そこで、本発明は、高い駆動安定性及び高い三重項エネルギーを併せ持つカルバゾール誘導体、並びにこれを用いたホスト材料及び有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明のカルバゾール誘導体は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
Cz−Ar−Cz ・・・(1)
ただし、一般式(1)中、Czは下記一般式(2)で表されるカルバゾール誘導体を表し、Arは下記一般式(3)で表される置換基を表す。
Figure 2020132544
一般式(2)中、Xは酸素原子又は硫黄原子を表す。
Figure 2020132544
一般式(3)中、R1〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐の炭素原子数1〜6のアルキル基、直鎖もしくは分岐の炭素原子数1〜6のアルコキシ基、又は、直鎖もしくは分岐の炭素原子数1〜6のモノ−もしくはジ−アルキルアミノ基を表す。
前記一般式(3)中、R1〜R28は、それぞれ独立に、水素原子又はフェニル基であることが好ましい。
本発明のホール輸送材料は、前記カルバゾール誘導体よりなるものである。
本発明の有機EL素子は、前記カルバゾール誘導体を用いたものである。
本発明によれば、一般式(1)で示されるカルバゾール誘導体ホスト材料を用いて、高効率な有機EL素子を提供できる。
前記カルバゾール誘導体は、450℃を超える高い5%重量減衰温度(Td5)を有することから、耐久性に優れる。
前記カルバゾール誘導体をホスト材料に用いた緑色TADFデバイスでは、初期輝度1000cd/m2時の輝度半減寿命(LT50)が、一般的なホスト材料であるmCBPを用いた場合と比べて、1.6倍以上向上する。また、緑色リン光デバイスでは、初期輝度1000cd/m2時の輝度90%保持寿命(LT90)が、mCBPを用いた場合と比べて、28倍以上向上する。よって、前記カルバゾール誘導体は、高い三重項エネルギー及び耐久性を併せて持つホスト材料として好適であるといえる。
また、一般式(1)で示されるカルバゾール誘導体のような対称性のアリールアミン誘導体は、工業的に極めて重要であるといえる。
m1BTCBPの1HNMRスペクトル(図1a)及びm4BTCBPの1HNMRスペクトル(図1b)を表す。 4BTCzTTの1HNMRスペクトルを表す。 mCBP、m1BTCBP及びm4BTCBPのUV−vis吸収・PLスペクトル(図3a)、15wt%4CzIPNドープ膜のPLスペクトル(図3b)、15wt%4CzIPNドープ膜の300Kにおける過渡減衰PLスペクトル(図3c)を表す。 ドーパントに4CzIPNを用いた緑色TADFデバイスのエネルギーダイアグラム(図4a)を表し、ELスペクトル(図4b)、電流密度−電圧特性(図4c)、輝度−電圧特性(図4d)を表す。
ドーパントに4CzIPNを用いた緑色TADFデバイスの電力効率−輝度特性(図5a)、電流効率−輝度特性(図5b)、外部量子効率−輝度特性(図5c)、デバイス駆動寿命(図5d)を表す。 ドーパントにIr(ppy)3を用いた緑色リン光デバイスのエネルギーダイアグラム(図6a)、ELスペクトル(図6b)、電流密度−電圧特性(図6c)、輝度−電圧特性(図6d)を表す。 ドーパントにIr(ppy)3を用いた緑色リン光デバイスの電力効率−輝度特性(図7a)、電流効率−輝度特性(図7b)、外部量子効率−輝度特性(図7c)、デバイス駆動寿命(図7d)を表す。 本発明の有機EL素子の構成を表す。
以下、本発明について、詳細に説明する。
[カルバゾール誘導体]
本発明のカルバゾール誘導体は、下記一般式(1)で表される。
Cz−Ar−Cz ・・・(1)
一般式(1)中、Czは下記一般式(2)で表されるカルバゾール誘導体を表し、Arは下記一般式(3)で表される置換基を表す。
Figure 2020132544
一般式(2)中、Xは酸素原子又は硫黄原子を表す。これらのうち、電気陰性度が相対的に大きいため、分子間のパッキングを密にすることができる酸素原子が好ましい。
Figure 2020132544
一般式(3)中、R1〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐の炭素原子数1〜6のアルキル基、直鎖もしくは分岐の炭素原子数1〜6のアルコキシ基、又は、直鎖もしくは分岐の炭素原子数1〜6のモノ−もしくはジ−アルキルアミノ基を表す。
直鎖もしくは分岐の炭素原子数1〜6のアルキル基には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、s−ペンチル基、3−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、及び2,3−ジメチルブチル基等が挙げられる。
直鎖もしくは分岐の炭素原子数1〜6のアルコキシ基には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ネオペントキシ基、イソペントキシ基、s−ペントキシ基、3−ペントキシ基、t−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基、2−メチルペントキシ基、3−メチルペントキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、及び2,3−ジメチルブトキシ基等が挙げられる。
直鎖もしくは分岐の炭素原子数1〜6のモノ−もしくはジ−アルキルアミノ基には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、s−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、s−ペンチルアミノ基、3−ペンチルアミノ基、t−ペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、2−メチルペンチルアミノ基、3−メチルペンチルアミノ基、2,2−ジメチルブチルアミノ基、及び2,3−ジメチルブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、エチルメチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、イソプロピルメチルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、エチルイソプロピルアミノ基、及びイソプロピルプロピルアミノ基等が挙げられる。
これらのうち、R1〜R28は、水素原子又はフェニル基等が好ましく、カルバゾール基がより好ましい。
Xは、酸素原子、硫黄原子、又は、R8及びR9がメチル基又はフェニル基が好ましく、酸素原子がより好ましい。
前記一般式(1)で表されるカルバゾール誘導体は、具体的には、以下の構造式で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 2020132544
前記カルバゾール誘導体はπ共役系が広がった構造を有する。π共役系が広がると、HOMOは上昇し、LUMOは低下する。π共役系を持つ分子は可視領域に光吸収帯を有し、その多くが色素として機能し得ることが知られている。さらに、このような分子に官能基を適宜付加して電子的性質を変えることで、エネルギーギャップを調節することができる。本発明では、カルバゾール誘導体における、一重項励起状態(ES1)と三重項励起状態(ET1)とのエネルギーギャップをできるだけ小さくするよう分子設計することで、いったん三重項励起状態に移ったエネルギーを、再び一重項励起状態に戻すことが可能とし、効率の高い蛍光を取り出すことができる。
本発明のカルバゾール誘導体は、種々の公知の方法で合成できるが、例えば、以下に示すような方法で合成できる。m1BTCBPの合成方法の一例を示す。
Figure 2020132544
3,3’−ジブロモビフェニルと、該3,3’−ジブロモビフェニルに対して2当量の12H−[1]ベンゾチエノ[2,3−a]カルバゾールとを、酢酸パラジウム(II)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート及び炭酸カリウムの存在下、クロスカップリング反応を行うことにより、m1BTCBPを良好な収率で得る。
[ホスト材料、有機EL素子]
本発明のホスト材料及び有機EL素子は、上記カルバゾール誘導体を用いて形成する。
上記有機EL素子は、電極間に有機層を一層又は二層以上積層した構造であり、例えば、図8に示すような、陽極1/ホール注入層2/ホール輸送層3/発光層4/ホールブロック層5/電子輸送層6/電子注入層7/陰極8がこの順に積層した構造や、実施例の形態である、陽極1/ホール輸送層3/発光層4/ホールブロック層5/電子輸送層6/電子注入層7/陰極8がこの順に積層した構造がある。なお、有機層とは、電極以外の層、すなわち、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、ホールブロック層、電子輸送層、及び電子注入層等を指す。
基板には、透明かつ平滑であって、少なくとも70%以上の全光線透過率を有するものが用いられ、具体的には、フレキシブルな透明基板である、数μm厚のガラス基板や特殊な透明プラスチック等が用いられる。
基板上に形成される、陽極1、ホール注入層2、ホール輸送層3、発光層4、ホールブロック層5、電子輸送層6、電子注入層7、陰極8といった薄膜は、真空蒸着法又は塗布法で積層される。真空蒸着法を用いる場合、通常10-3Pa以下に減圧した雰囲気で、蒸着物を加熱して行う。各層の膜厚は、層の種類や使用する材料によって異なるが、通常、陽極1及び陰極8は100nm程度、発光層4を含む他の有機層は50nm未満である。
陽極1には、仕事関数が大きく、また全光線透過率は通常80%以上である材料が用いられる。具体的には、陽極1から発光した光を透過させるため、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性セラミックス、ポリチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)やポリアニリン等の透明導電性高分子、その他の透明導電性材料が用いられる。
陽極1から正孔を効率良く発光層に輸送するために陽極と発光層4の間に、ホール注入輸送層2や、ホール輸送層3が設けられる。
ホール注入層2を形成するホール注入材料には、例えば、(ポリ(アリーレンエーテルケトン)含有トリフェニルアミン(KLHIP:PPBI)、1,4,5,8,9,11−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル(HATCN)及びPEDOT−PSS等が挙げられる。これらの材料からなるホール注入層はポリマーバッファー層とも呼ばれる。ホール注入層2は、有機EL素子の駆動電圧を下げる効果を発揮する。
ホール輸送層3は、陽極1と発光層4との間に設けられ、陽極1から正孔を効率良く発光層に輸送するための層である。ホール輸送材料には、イオン化ポテンシャルが小さいもの、すなわち、HOMOから電子が励起されやすく、ホールが生成されやすいものが用いられ、例えば、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−アルト−N−(4−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)(TFB)、4,4’−シクロヘキシリデンビス[N,N−ビス(4−メチルフェニル)ベンゼンアミン](TAPC)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)ベンジジン(TPD)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)、4DBFHPB(ヘキサフェニルベンゼン誘導体)、4,4’,4’’−トリ−9−カルバゾリルトリフェニルアミン(TCTA)及び4,4’,4’’−トリス[フェニル(m−トリル)アミノ]トリフェニルアミン)等が挙げられる。
発光層4には、有機EL素子で用いられる他の発光層と同様に、発光材料と共にホスト化合物を併用することが好ましい。発光材料には、例えば、リン光発光材料であるトリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)(Ir(ppy)3)、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−C2,N](ピコリナト)イリジウム(III)(FIrpic)及びトリス[1−フェニルイソキノリン−C2,N]イリジウム(III)(Ir(piq)3)、並びに熱活性化遅延蛍光(TADF)材料である4,4’’−ジ(N−カルバゾリル)−2’,3’,5’,6’−テトラフェニル−p−ターフェニル(CzTT)、(4s,6s)−2,4,5,6−テトラ(9H−カルバゾール−9−イル)イソフタロニトリル(4CzIPN)及び10,10’−(4,4’−スルホニルビス(4,1−フェニレン))ビス(9,9−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン))(DMAC−DPS)等が挙げられる。ホスト化合物には、本発明に係るm1BTCBP、m4BTCBP、及び4BTCzTTが用いられる。前記ホスト材料に加えて、例えば、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルオキシド(DPEPO)、3,6−ビス(ジフェニルホルホリル)−9−フェニルカルバゾール(PO9)、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)−1,1’−ビフェニル(CBP)、3,3’−ビス(N−カルバゾリル)−1,1’−ビフェニル(mCBP)、トリス(4−カルバゾイル−9−イルフェニル)アミン(TCTA)、2,8−ビス(ジフェニルホスホリル)ジベンゾチオフェン(PPT)、アダマンタン・アントラセン(Ad−Ant)、ルブレン、及び2,2’−ビ(9,10−ジフェニルアントラセン)(TPBA)等を用いてもよい。これらは一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。発光材料に対するホスト化合物の添加量は6〜15wt%である。
陰極8から電子を効率良く発光層4に輸送するために、陰極8と発光層4の間に、ホールブロック層5や電子輸送層6が設けられる。電子輸送層6を形成する電子輸送材料には、例えば、1,4−ビス(1,10−フェナントロリン−2−イル)ベンゼン(DPB)、8−ヒドロキシキノリノラトリチウム(Liq)、4,6−ビス(3,5−ジ(ピリジン−3−イル)フェニル)−2−メチルピリミジン(B3PymPm)、4,6−ビス(3,5−ジ(ピリジン−4−イル)フェニル)−2−フェニルピリミジン(B4PyPPm)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)、1,3−ビス[5−(4−t−ブチルフェニル)−2−[1,3,4]オキサジアゾリル]ベンゼン(OXD−7)、3−(ビフェニル−4−イル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、バソクプロイン(BCP)、1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)及び3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等が挙げられる。これらのうち、DPB及びLiqの混合層等が好ましい。ホールブロック層5を形成するホールブロック材料には、DBT−TRZ等が用いられる。ホールブロック層5及び電子輸送層6の膜厚は、通常3〜50nmであり、目的の設計に応じて適宜変更できる。
電子注入層7を形成する電子注入材料には、例えば、2−ヒドロキシ−(2,2’)−ビピリジニル−6−イル−フェノラトリチウム(Libpp)等が挙げられる。
陰極8には、仕事関数が低く(4eV以下)、かつ、化学的に安定なものが用いられる。具体的には、Al、MgAg合金、又は、AlLiやAlCa等のAlとアルカリ金属との合金等の陰極材料が用いられる。これらの陰極材料は、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、又はイオンプレーティング法により成膜される。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
〔カルバゾール誘導体の合成〕
合成物の同定に用いた機器及び測定条件は以下のとおりである。
(1)1H核磁気共鳴法(NMR)
日本電子(株)製、400MHz、JNM−EX270FT−NMR
(2)13C核磁気共鳴法(NMR)
日本電子(株)製、100MHz、JNM−EX270FT−NMR
(3)質量分析法(MS)
日本電子(株)製、JMS−K9[卓上 GCQMS]
(4)元素分析装置
Perkin Elmer 2400II CHNS/O アナライザー
測定モード:CHNモード
[実施例1]m1BTCBPの合成
Figure 2020132544
窒素導入管及び還流管を付した25mLの四つ口フラスコに、3,3’−ジブロモビフェニル0.39g(1.25mmol)、12H−[1]ベンゾチエノ[2,3−a]カルバゾール0.68g(2.5mmol)、炭酸カリウム0.86g(6.25mmol)、及びトルエン20mLを加え、1時間窒素バブリングさせた。その後、酢酸パラジウム(II)28.1mg(0.125mmol)、及びトリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート72.5mg(0.25mmol)を加え、16時間加熱攪拌した。TLC及び質量分析にて原料の消費及び目的物の生成を確認し、反応を終了した。メタノールを用いて分散洗浄し、析出した白色粉末のろ物をTLCで目的物と確認し、蒸留水で洗浄して、熱ろ過し、ろ液を濃縮し、メタノールを用いて分散洗浄を行い、得られたろ物が目的物であることをTLC及び質量分析にて確認して、減圧乾燥後、0.42gを回収した(収率48%)。
1HNMR(図1a)、MS及び元素分析の結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CD2Cl2)δ=8.28−8.13(m,6H),8.12−7.98(m,4H),7.95(s,2H),7.82−7.71(m,2H),7.66(dd,J=16.5,7.5Hz,2H),7.52−7.18(m,12H)ppm;
MS:m/z 696[M]+
元素分析(%):理論値C82.73,H4.05,N4.02,S9.20;実測値C83.11,H4.11,N3.92,S9.18.
[実施例2]m4BTCBPの合成
Figure 2020132544
窒素導入管及び還流管を付した25mLの四つ口フラスコに、3,3’−ジブロモビフェニル0.47g(1.5mmol)、5H−[1]ベンゾチエノ−[3,2−c]カルバゾール0.82g(3.0mmol)、炭酸カリウム1.04g(7.5mmol)、トルエン20mLを加え、1時間窒素バブリングさせた。その後、酢酸パラジウム(II)33.7mg(0.15mmol)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート87.0mg(0.30mmol)を加え、14時間加熱攪拌させた。TLC及び質量分析にて原料の残留を確認したため、再び、炭酸カリウム0.51g、酢酸パラジウム(II)16.0mg、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート43mgを加え、6時間加熱攪拌させた。TLC及び質量分析にて原料の消費及び目的物の生成を確認し、反応を終了した。メタノールを用いて分散洗浄を行い、析出した白色粉末のろ物が目的物であることをTLCで確認し、蒸留水で洗浄した。その後、ろ物を減圧乾燥させ、トルエンで加熱ろ過した。ろ物である白色粉末が微量であったため、ろ液を濃縮してメタノールで抽出した。その後、原点抜きカラムを行い、ろ液を濃縮後、メタノールで分散洗浄した。ろ物が目的物であることをTLC及び質量分析で確認し、減圧乾燥後、0.95gを回収した(収率90%)。
1HNMR(図1b)、MS及び元素分析の結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ=8.32(dd,J=6.6,1.6Hz,2H),8.22−8.13(m,4H),8.03−7.96(m,2H),7.96−7.88(m,2H),7.84−7.78(m,2H),7.75(t,J=7.9Hz,2H),7.66(dt,J=7.7,1.6Hz,2H),7.61−7.53(m,4H),7.52−7.41(m,8H)ppm;
MS:m/z 697[M]+
元素分析(%):理論値C82.73,H4.05,N4.02,S9.20;実測値C83.10,H4.01,N3.95,S8.98.
[実施例3]4BTCzTTの合成
Figure 2020132544
還流管を付した50mLのナスフラスコに、化合物(1)834mg(0.90mmol)、ジフェニルアセチレン642mg(3.60mmol)及びo−ジクロロベンゼン(o−DCB)25mLを加え、157時間加熱攪拌させた。TLCにて原料の消費及び目的物の生成を確認し、反応を終了した。反応混合物を濃縮し、トルエンを用いた分散洗浄にて目的物を単離した。TLCにて目的物を確認し、析出した白色粉末のろ物を減圧乾燥して0.75gを回収した(収率77%)。
1HNMR(図2)、MS及び元素分析により4BTCzTTを同定した。
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ=8.26(s,2H),8.19(d,J=7.7Hz,2H),8.13(d,J=8.6Hz,2H),7.97(d,J=7.2Hz,2H),7.50(d,J=5.9Hz,2H),7.41(t,J=7.5Hz,6H),7.15−7.08(m,12H),7.02(d,J=3.6Hz,20H)ppm
MS:m/z 1077[M]+
〔カルバゾール誘導体の評価〕
mCBPとの比較において、実施例1及び2で得られたm1BTCBP及びm4BTCBPを評価した。
[熱・光学物性]
(1)熱特性
熱特性は以下の方法により評価した。
(i)熱重量分析(TGA)
装置:示差熱重量計((株)パーキンエルマージャパン製;TGAダイアモンド)
測定方法:窒素ガス中で昇温速度10℃/minで5%重量減衰温度(Td5)を測定した。
(2)光学特性
光学特性は以下の方法により評価した。
(i)紫外・可視(UV−vis)分光法
装置:紫外可視近赤外分光光度計((株)島津製作所製;UV−3150)
測定条件:スキャンスピード 中速、測定範囲 200〜800nm サンプリングピッチ 0.5nm、スリット幅 0.5nm
(ii)フォトルミネッセンス(PL)測定
装置:蛍光分光光度計((株)堀場製作所製;Fluoro MAX−2)
測定条件:常温(300K)及び低温(5K)において、PLスペクトル、及び、ストリークカメラ(浜松ホトニクス(株)製C4334)を用いた時間分解PLスペクトル(PL過渡スペクトル)を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2020132544
〔緑色TADFデバイスの作製及び評価〕
mCBP及びCzTTとの比較において、実施例1及び2で得られたm1BTCBP及びm4BTCBPを評価した。
Figure 2020132544
有機EL素子の発光特性の評価に用いた機器は以下のとおりである。
装置;(株)浜松ホトニクス製 PHOTONIC MULTI−CHANNEL ANALYZER PMA−1
緑色TADFデバイスの構造及び使用した材料を以下に示す。なお、かっこ内は膜厚を表す。
ITO(100nm)/PTPD−1:PPBi(20nm)/NPD(10nm)/4DBFHPB(10nm)/Host:15wt%−4CzIPN(30nm)/DBT−TRZ(10nm)/DPB:Liq20wt%(40nm)/Libpp(1nm)/Al
ドーパントには4CzIPNを用い、ホスト材料には、mCBP、m1BTCBP、m4BTCBP及びCzTTを用いた。
Figure 2020132544
前記緑色TADFデバイスのエネルギーダイアグラム及び初期特性をそれぞれ、図4及び5に示す。
Figure 2020132544
緑色TADFデバイスを10mA/cm2の定電流密度で駆動させたときの駆動寿命を表3に示す。
Figure 2020132544
緑色TADFデバイスにおいて、本発明のカルバゾール誘導体のうち、m1BTCBPを用いた場合、初期輝度1000cd/m2時の輝度半減寿命(LT50)が一般的なホスト材料mCBPと比べて1.6倍以上向上する。ただし、4CzIPNをドーパントに用いたデバイスにおいて、m1BTCBP及びm4BTCBPをホストに用いた場合、ドーパントとの相互作用が起こり、発光量子収率(PLQY)が低下し、その結果、外部量子効率が低下してしまったと考えられる。
<緑色リン光デバイスの作製>
次に、4CzIPNに比べて浅いLUMO準位を有する緑色リン光材料のIr(ppy)3をドーパントに用いてデバイスを作製した。ホスト材料には、mCBP、m1BTCBP、m4BTCBP、及び4BTCzTTを用いた。
Figure 2020132544
緑色リン光デバイスの構造を以下に示す。かっこ内は膜厚を表す。
ITO(100nm)/PTPD−1:PPBi(20nm)/NPD(10nm)/4DBFHPB(10nm)/Host:6wt%−Ir(ppy)3(30nm)/DBT−TRZ(10nm)/DPB:Liq20wt%(40nm)/Libpp(1nm)/Al
前記緑色リン光デバイスのエネルギーダイアグラム及び初期特性を表4、図6及び図7に示す。
Figure 2020132544
緑色リン光デバイスを10mA/cm2の定電流密度で駆動させたときの駆動寿命を表5に示す。
Figure 2020132544
本発明のカルバゾール誘導体のうち、m1BTCBPを緑色リン光デバイスのホスト材料に用いると、初期輝度1000cd/m2時の輝度90%保持寿命(LT90)が、一般的なホスト材料mCBPを使用した場合と比べて28倍以上向上する。
1 陽極
2 ホール注入層
3 ホール輸送層
4 発光層
5 ホールブロック層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 陰極

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されるカルバゾール誘導体
    Cz−Ar−Cz ・・・(1)
    (一般式(1)中、Czは下記一般式(2)で表されるカルバゾール誘導体を表し、Arは下記一般式(3)で表される置換基を表す。
    Figure 2020132544
    (一般式(2)中、Xは酸素原子又は硫黄原子を表す。)
    Figure 2020132544
    (一般式(3)中、R1〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐の炭素原子数1〜6のアルキル基、直鎖もしくは分岐の炭素原子数1〜6のアルコキシ基、直鎖もしくは分岐の炭素原子数1〜6のモノ−もしくはジ−アルキルアミノ基、又は、アリール基を表す。)。
  2. 前記一般式(3)中、R1〜R28が、それぞれ独立に、水素原子又はフェニル基である、請求項1に記載のカルバゾール誘導体。
  3. 請求項1又は2に記載のカルバゾール誘導体よりなるホスト材料。
  4. 請求項1又は2に記載のカルバゾール誘導体を用いた有機EL素子。
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