JP2020131991A - 操舵補助システム - Google Patents

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Takashi Ito
貴志 伊東
健太郎 西川
Kentaro Nishikawa
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Abstract

【課題】制御パラメータを自在に調整できて、路面状況等に応じた制御パラメータとすることができ、またヨーモーメント・コントロールにおけるヨーモーメントの立ち上がりが速く、車両応答性や直進安定性を向上させることができる操舵補助システムを提供する。【解決手段】車両1にヨー運動を発生させるヨー運動発生装置100と、車両1の状況に応じ操舵角とヨー角速度との関係が二次の伝達関数で表されるヨー運動を前記車両に発生させるように前記ヨー運動発生装置100を制御する制御装置111とを備える。前記制御装置111は、減衰率補正パラメータλが固有振動数補正パラメータαの逆数1/αとされて前記固有振動数補正パラメータαのみが制御パラメータとして設定されている。ヨー運動発生装置100は、例えば、左右輪で独立して駆動トルクおよび回生トルクを発生する電動発電機102である。【選択図】図1

Description

この発明は、緊急回避等の急峻な操舵時に、ヨーモーメント・コントロールにより車両応答性または直進安定性を向上させる操舵補助システムに関する。
緊急回避等の急峻な操舵時に、車両応答性や直進安定性が不足することがある。その対策として、左右の駆動力配分を変更することでヨーモーメントを制御するダイレクト・ヨーモーメント・コントロール(以下、「DYC」と略記する)がある。
例えば特許文献1に、車両の速度、操舵角等から目標とするヨー角速度を決定し、各車輪の駆動力差によりこれを実現する車両の旋回駆動装置が提案されている。
特許文献2は、駆動アシストに係る技術であるが、一般的な車輪用軸受、ブレーキ、足回りフレーム部品等の大きな構成変更や設計変更が不要で、走行用の主駆動源と併用して駆動アシストによる走行性能、制動性能、燃料消費量等を向上させる補助動力装置付き車輪用軸受装置が提案されている。
特許第6333917号公報 特開2018−52482号公報
特許文献1では、主駆動源を兼ねた駆動源によって、目標とするヨー角速度を実現するためのヨーモーメントを発生している。しかし、DYCを行うにつき、後に述べる課題がある。
特許文献2は、走行用の主駆動源と併用する駆動アシスト用の補助動力装置の発明であり、この補助動力装置を用い、その制御に特許文献1のDYCに係る技術を適用することが考えられる。しかし、その場合、電動発電機のトルクが不足して、目標とするヨーモーメントを発生できない場合がある。また電動発電機のトルクが小さくなるように制御パラメータを調整すると、操縦性や安定性を向上させる効果が小さくなる。
<特許文献1等に示された従来のDYCの課題>
特許文献1等に示された従来のDYCでは、目標とするヨー角速度を、固有振動数補正パラメータαと、減衰率補正パラメータλを用いた数式によって決定する。なお、車両は、固有振動数ωが等価的にα倍になったような車両応答を示す。また、減衰率ζが等価的に1/λ倍になったような車両応答を示す。
従来のDYCは、前記固有振動数補正パラメータαと、減衰率補正パラメータλとがそれぞれ独立して設定されたヨーモーメント演算式に従い、操舵の角速度および角加速度に依存してヨーモーメントを発生する。しかし、操舵角の角速度の立ち上がりは角加速度の立ち上がりよりも遅いため、ヨーモーメントの立ち上りも遅くなり、応答性や直進安定性の改善効果が小さくなる。また、改善効果を大きくするように固有振動数補正パラメータαまたは減衰率補正パラメータλを調整すると、前記ヨーモーメント演算式における操舵角速度に依存する項によりヨーモーメントが大きくなり、DYCを行う駆動装置に要求されるトルクも大きくなる。
そのため、特に、DYC用の駆動装置が主駆動源を担わず出力が小さい場合は、要求されるトルクに対してDYC用の駆動装置のトルクが不足し、目標とするヨーモーメントを実現できない場合がある。
この発明の目的は、制御パラメータを自在に調整できて、路面状況等に応じた制御パラメータとすることができ、またヨーモーメント・コントロールにおけるヨーモーメントの立ち上がりが速く、車両応答性や直進安定性を向上させることができる操舵補助システムを提供することである。
この発明の操舵補助システムは、車両1にヨー運動を発生させるヨー運動発生装置100と、前記車両1の状況に応じ操舵角とヨー角速度との関係が二次の伝達関数で表されるヨー運動を前記車両1に発生させるように前記ヨー運動発生装置100を制御する制御装置111とを備え、前記車両1のステアリング装置107による操舵の補助を行う操舵補助システムであって、
前記制御装置111は、減衰率補正パラメータλが固有振動数補正パラメータαの逆数1/αとされて前記固有振動数補正パラメータαのみが制御パラメータとして設定されている。
なお、前記ヨー運動発生装置100は、例えば、左右輪で独立して駆動トルクおよび回生トルクを発生する電動発電機102を用いることができるが、車両にヨー運動を制御可能に発生させることができる装置であれば、どのような装置であってもよい。
前記固有振動数補正パラメータαは、固有振動数ωn が等価的にα倍になるような車両応答を示すことを表す制御パラメータである。
前記減衰率補正パラメータλは、減衰率ζが等価的に1/λ倍になるような車両応答を示すことを表す制御パラメータである。
この構成によると、制御装置111はヨー運動発生装置100に操舵角とヨー角速度との関係が二次の伝達関数で表されるヨー角速度を車両に発生させるが、減衰率補正パラメータλを固有振動数補正パラメータαの逆数1/αとするため、減衰率補正パラメータλと固有振動数補正パラメータαとの関係の調整を行う必要がなく、前記二次の伝達関数における分母の二次の係数に含まれる制御パラメータとなる固有振動数補正パラメータαのみを自由に調整できる。
そのため、例えば、アスファルト路等の路面摩擦係数が高い路面や、速度が遅い場合は、車両1がスピンを生じ難いため、α>1として操舵応答性を向上させ、逆に、凍結路や圧雪路等の路面摩擦係数が低い路面や、速度が速い場合は、車両がスピンを生じ易いため、α<1として直進安定性を向上させることができる。
また、減衰率補正パラメータλを固有振動数補正パラメータαの逆数1/αとすることで、制御式に含まれる減衰項が零となって発生するヨーモーメントが小さくなり、ヨー運動発生装置100の電力消費量が低減する。
なお、上記のように、減衰率補正パラメータαが固有振動数補正パラメータλの逆数1/αとされて前記固有振動数補正パラメータαのみが制御パラメータとして設定されることで、次式によって目標とするヨー角速度γ(s)を決定することになる。この式は、発明を実施するための形態の説明欄では、式(11)として示している。
Figure 2020131991
Figure 2020131991
この発明の操舵補助システムにおいて、
前記ヨー運動発生装置100が、左右輪で独立して駆動トルクおよび回生トルクを発生する電動発電機102であり、
前記制御装置111が、直流電源106と前記電動発電機102の間に設けられトルク指令を受けてこのトルク指令に対応する電流または電圧を前記電動発電機102に与える電力変換回路105と、少なくとも前記車両1の速度と前記ステアリング装置107の操舵角を受けて目標トルクを演算してトルク指令として出力する制御器110とを有し、この制御器110が出力する前記目標トルクでDYCによって前記電動発電機102を駆動し前記ヨー角速度を車両1に発生させるようにしてもよい。
この構成の場合、ヨー運動発生装置100となる左右輪の電動発電機102の電力消費量が低減する。
なお、前記電動発電機102は、走行の主駆動源を担う電動発電機であっても、また操舵補助に専用に用いられる電動発電機であってもよい。主駆動源を担う電動発電機である場合、前輪かまたは後輪の2輪を駆動する電動発電機であっても、4輪をそれぞれ駆動源する電動発電機であってもよい。
このようにDYCを行う構成の場合に、前記電動発電機102が、前記車両1の車輪用軸受2と一体化された電動発電機付き車輪用軸受10として搭載され、この電動発電機付き車輪用軸受10の全体が、ブレーキロータ12におけるブレーキキャリパ16が押し付けられる部分となる外周部12aよりも内側で、かつ前記車輪用軸受2のハブフランジ7と前記電動発電機付き車輪用軸受10の車体取り付け面10aとの間に位置するようにしてもよい。
このような車輪101内に収まる程度の小さな電動発電機付き車輪用軸受10を設ける場合、一般的な構成の車両において、車輪回りの大きな設計変更を行うことなく、主走行駆動源に追加して走行アシスト用の電動発電機102を設けることができる。その反面、このような小さな電動発電機102をDYCに利用する場合、前述のように、従来のDYCの技術では電動発電機102のトルクが不足して、目標とするヨーモーメントを発生できない場合がある。また電動発電機102のトルクが小さくなるように制御パラメータを調整すると、操縦性や安定性を向上させる効果が小さくなる。
しかし、この発明の構成によると、電力消費量を抑制しつつ、主駆動源よりも出力が小さい電動発電機102であっても、緊急回避等の急峻な操舵時に、DYCにより車両応答性または直進安定性を向上させることができる。
前記電動発電機102が、前記電動発電機付き車輪用軸受10における電動発電機に限らず、前記車両1の主駆動源を担わない補助駆動源である場合も、従来のDYCの技術では電動発電機102のトルクが不足して、目標とするヨーモーメントを発生できない場合がある。また電動発電機102のトルクが小さくなるように制御パラメータを調整すると、操縦性や安定性を向上させる効果が小さくなる。
しかし、この発明の構成によると、電力消費量を抑制しつつ、主駆動源よりも出力が小さい電動発電機102であっても、緊急回避等の急峻な操舵時に、DYCにより車両応答性または直進安定性を向上させることができる。
この発明において、前記制御器110を備える場合に、前記制御器110は、次の制御式に従って前記ダイレクト・ヨーモーメント・コントロールにおける目標となるヨーモーメントMz(s)を求めるようにしてもよい。
Figure 2020131991
減衰率補正パラメータλが固有振動数補正パラメータαの逆数1/αとされて前記固有振動数補正パラメータαのみが制御パラメータとして設定された場合の目標ヨーモーメントMz(s)の制御は、上記の式によって実現できる。
この発明において、前記車両1の横加速度を検出する横加速度検出器109を備え、前記車両1の速度、車両1の横加速度、前記ステアリング装置108の操舵角に基づいて路面摩擦係数を推定し、前記固有振動数補正パラメータαを変更する機能を前記制御装置111が有していてもよい。
この発明の操舵補助システムは、上記のように固有振動数補正パラメータαを自由に変更可能であり、路面摩擦係数を推定し、前記固有振動数補正パラメータαを自動で変更することで、この発明における固有振動数補正パラメータαの自由な変更の作用を効果的に発揮させ、路面状況に応じたヨーモーメント制御が行える。
この発明の操舵補助システムは、車両にヨー運動を発生させるヨー運動発生装置と、前記車両の状況に応じ操舵角とヨー角速度との関係が二次の伝達関数で表されるヨー運動を前記車両に発生させるように前記ヨー運動発生装置を制御する制御装置とを備え、前記車両のステアリング装置による操舵の補助を行う操舵補助システムであって、前記制御装置は、減衰率補正パラメータが固有振動数補正パラメータの逆数とされて前記固有振動数補正パラメータのみが制御パラメータとして設定されているため、制御パラメータを自在に調整できて、路面状況等に応じた制御パラメータとすることができ、またヨーモーメント・コントロールにおけるヨーモーメントの立ち上がりが速く、車両応答性や直進安定性を向上させることができる。
この発明の一実施形態に係る操舵補助システムの概念構成を示すブロック図である。 同操舵補助システムを適用する車両の一例の概念構成を示す平面模式図である。 同車両の電動発電機付き車輪用軸受の一例の断面図である。 同実施形態に係る操舵補助システムで発生するヨーモーメントと従来のDYCで発生するヨーモーメンを対比して示すグラフである。
この発明の一実施形態を図1〜図4と共に説明する。図1に、この実施形態に係る操舵補助システムの概念構成を示す。
電動発電機102は、車両1の少なくとも前後一方の左右の車輪101に対してそれぞれ設置される。電動発電機102は、同期電動機、誘導電動機、直流電動機等、電気エネルギーと回転エネルギーを相互に変換できればよく、変速機構を備えてもよい。電動発電機102は、車輪101の車輪用軸受2(図3参照)と一体に設置されている。この実施形態においては、電動発電機102は、ヨー運動発生装置100を構成する手段であって、DYCによる目標とするヨーモーメントを発生させるトルクを出力するだけであり、主駆動源として用いる場合と比べて小型化が可能である。このため電動発電機102は、車輪101のタイヤホイール内に容易に収容できる大きさおよび構造とされ、既存の車両に取り付ける場合でも大きな改造は必要ない。
電動発電機102には、この電動発電機102の操舵角を検出する角度検出器103が設けられている。角度検出器103は、レゾルバ、光学式エンコーダ、磁気式エンコーダ、ホールセンサ、MRセンサのいずれかを使用してもよい。
ステアリング装置107は、ハンドル(図示せず)の操舵角に応じて車両の左右の操舵輪を操舵する装置である。操舵輪は、前記電動発電機102が設けられた車輪101であっても、他の車輪であってもよいが、この例では前輪とされる。ステアリング装置107に対して、その回転角度である操舵角を検出する角度検出器108が設けられている。この角度検出器108は、前記ハンドルの回転角度を検出するものであっても、また車輪101の車体に対する角度を検出するものであってもよい。
直流電源106は、電力変換回路105を介して電動発電機102に接続される。直流電源106は、繰り返し充放電が可能な二次電池やコンデンサを使用してもよい。直流電源106は、電動発電機102に専用の電源であっても、車両1の全体に用いられる共用の電源であってもよい。電力変換回路105は、直流電源106の電力を電動発電機102に応じた形式の電力に変換して電動発電機102に供給する装置である。電力変換回路105は、電動発電機102が3相交流電動発電機であれば、直流と3相交流を相互に変換するインバータとされる。
速度演算器104は、2つの電動発電機102の操舵角を角度検出器103より取得し、電動発電機102の回転速度および車両1の走行速度を演算する。横加速度検出器109は車両1の実横加速度を検出する。
制御器110は、車両1の走行速度およびステアリング装置107の操舵角に基づいてDYCによる目標とするヨーモーメントを算出し、この目標とするヨーモーメントを発生させるために電動発電機102で必要なトルクを算出し、電力変換回路105にトルク指令値を与えて左右の電動発電機102の駆動トルクまたは回生トルクを個々に制御する。
制御器110は、操舵角とヨー角速度との関係が二次の伝達関数で表されるヨー運動を車両1に発生させるように前記左右の電動発電機102を制御する構成とされ、その場合に、減衰率補正パラメータλが固有振動数補正パラメータαの逆数1/αとされて前記固有振動数補正パラメータαのみが制御パラメータとして設定される。
制御器110は、具体的には、次式に従って前記DYCにおける目標となるヨーモーメントM(s)を求める。次式は、後述の式(12)であり、その成り立ちについては、後に説明する。また、制御器110は、このように求めた目標となるヨーモーメントM(s)から、後述の式(9)(10)を用い、目標となる左右の電動発電機102のトルクT,Tに変換して制御を行う。
Figure 2020131991
Figure 2020131991

また制御器110は、車両の速度、車両の横加速度、ステアリング装置107の操舵角に基づいて路面摩擦係数を推定し、制御パラメータである固有振動数補正パラメータαを路面摩擦係数に応じて変更する制御パラメータ変更部110aを有している。
図2に、電動発電機102の車両1内の搭載箇所を示す。主駆動源であるエンジン201は、駆動輪204とクラッチ202およびトランスミッション203を介して機械的に接続されており、駆動輪204と機械的に非連結である従動輪となる前記車輪101に、電動発電機102を搭載している。なお、電動発電機102は、エンジン201と連結された駆動輪204に搭載されてもよい。また、主駆動源であるエンジン201は、前輪と後輪のどちらを駆動してもよく、四輪を駆動してもよい。さらに主駆動源は、電動発電機102とは別の電動発電機でもよいし、エンジンと電動発電機を組み合わせたハイブリッドでもよい。
図3に、車輪101に搭載された電動発電機102を構成する電動発電機付き車輪用軸受装置10の断面図を示す。この電動発電機付き車輪用軸受装置10は、車輪用軸受2と電動発電機102とで構成される。車輪用軸受2は、固定輪である外輪4と、この外輪4に複列の転動体6を介して回転自在に支持された内輪5とでなり、内輪5は外輪4から軸方向に突出した箇所にハブフランジ7を有している。外輪4は、ハブフランジ7とは反対側の端部である車体取り付け面4aで、ナックル等の足回りフレーム部品8にボルト9で取付けられ、車体の重量を支持する。前記ハブフランジ7の外輪4と反対側の側面には、車輪10のリム11とブレーキロータ12とが重なった状態で、ハブボルト13により取付けられている。ブレーキロータ12は、ブレーキキャリパ16とでブレーキ17を構成する。前記リム11の外周にタイヤ14が取付けられている。
電動発電機付き車輪用軸受10は、その全体が、ブレーキロータ12におけるブレーキキャリパ16が押し付けられる部分となる外周部12aよりも内側で、かつ前記車輪用軸受2のハブフランジ7と前記電動発電機付き車輪用軸受10の車体取り付け面10aとの間に位置する。
以下では、制御器110(図1)において、電動発電機102のトルクを算出する方法の例について述べる。
なお、次に示す各式(1)〜(12)のうち、制御器110が実際に有している式は、式(9)、(10)、(12)の3つであり、他の各式は原理の説明のための式である。式(11)は、式(12)を導出する過程の一部であり、原理の説明に当たる。
<操舵角およびヨーモーメントに対するヨー角速度の応答>
車両1に固定した座標系について、前後輪ともに左右のタイヤ特性および横すべり角が等しいとみなして平面2自由度モデルを用いて車両運動を記述すると、車両1の横方向の運動および車両重心点を通る鉛直軸回りのヨーイング運動は、反時計回りを正としてそれぞれ式(1)、式(2)で表される。
Figure 2020131991
Figure 2020131991
式(1)および式(2)をラプラス変換して整理すると、操舵角およびヨーモーメントに対するヨー角速度は式(3)で表される。
Figure 2020131991
Figure 2020131991
式(3)より、操舵角により発生するヨー角速度γδ(s)およびヨーモーメントにより発生するヨー角速度γ(s)はそれぞれ式(4)、式(5)で表される。
Figure 2020131991
<目標とするヨー角速度および要求ヨーモーメント、電動発電機のトルクの算出>
DYCでは一般的に、目標とするヨー角速度γt(s)を任意に決定し、操舵角により発生するヨー角速度γδ (s)との差分を、ヨーモーメントにより発生するヨー角速度γ(s)で補うことで、ヨー角速度の応答を制御する。よって、γ(s)は式(6)となる。
Figure 2020131991

従来(特許文献1)のDYCでは、目標とするヨー角速度γt(s)を式(7)のように決定する。
Figure 2020131991
ここで、αは固有振動数補正パラメータであり、固有振動数ωが等価的にα倍になったような車両応答を示す。同様に、λは減衰率補正パラメータであり、減衰率ζが等価的に1/λ倍になったような車両応答を示す。
従来のDYCで必要なヨーモーメントM(s)は、式(4)、式(5)、式(6)、式(7)より、式(8)となる。
Figure 2020131991
前後輪のうち電動発電機102が搭載された側のトレッドをD、電動発電機102が搭載されたタイヤ205の動的有効半径をRとすると、左右の電動発電機102のトルクT,Tは、それぞれ式(9)、式(10)で表される。ただし、T,Tは車両を前進させる方向(駆動)が正である。
Figure 2020131991
従来のDYCは、式(8)より操舵の角速度および角加速度に依存してヨーモーメントを発生する。操舵角速度の立ち上がりは角加速度の立ち上がりよりも遅いため、ヨーモーメントの立ち上りも遅くなり、応答性や直進安定性の改善効果が小さくなる。また、改善効果を大きくするようにαまたはλを調整すると、式(8)の操舵角速度に依存する項によりヨーモーメントが大きくなり、電動発電機102に要求されるトルクも大きくなる。そのため、電動発電機102が主駆動源を担わず出力が小さい場合は、要求されるトルクに対して電動発電機102のトルクが不足し、目標とするヨーモーメントを実現できない場合がある。この実施形態のDYC(以下「本DYC」と称す)では、こを解決するために、式(7)においてλ=1/αとし、目標とするヨー角速度γ(s)を式(11)のように決定する。
Figure 2020131991
式(11)より、本DYCでは、目標とするヨー角速度γ(s)と操舵角δ(s)の関係は、二次の伝達関数
Figure 2020131991
で表され、伝達関数分母の二次の係数に含まれる制御パラメータαのみを自在に調整できる。
本DYCで必要なヨーモーメントは、式(8)においてλ=1/αとすると、式(12)となる。
Figure 2020131991
Figure 2020131991
例えば、アスファルト路等の路面摩擦係数が高い路面や、速度が遅い場合は、車両がスピンしにくいため、α>1として操舵応答性を向上させる。逆に、凍結路や圧雪路等の路面摩擦係数が低い路面や、速度が速い場合は、車両がスピンしやすいため、α<1として直進安定性を向上させる。
<従来のDYC(特許文献1)と本DYCの比較>
図4に、式(8)および式(12)において、緊急回避を想定して急峻な操舵を行った時のヨーモーメントを示す。曲線aは本DYCのヨーモーメント、曲線bは従来のDYCのヨーモーメント、曲線cは操舵角の変化を示す。従来のDYCと比較して、本DYCは必要なヨーモーメントが小さい。よって電動発電機102のトルクも小さくなり、電力消費量は低減される。また、ヨーモーメントの立ち上がり(曲線aのa部)が速いため、ヨー角速度の立ち上がりも速くなり、急峻な操舵時に応答性や直進安定性が向上する。
本DYCは、従来のDYCと比較して電動発電機102に必要なトルクが小さいため、電動発電機102を小さくすることができ、特許文献2のような主駆動源を担わない電動発電機にも適用できる。
なお、この実施形態では、目標とするヨー角速度を実現するために、左右輪で独立して搭載された電動発電機102の駆動力差によりヨーモーメントを発生しているが、前輪の操舵角制御により実現してもよいし、後輪の操舵角制御により実現してもよく、左右輪の駆動力差、前輪の操舵角制御、後輪の操舵角制御等を組み合わせて実現してもよい。
以上のように、この操舵補助システムは、電力消費量を抑制しつつ、緊急回避等の急峻な操舵時に、車両応答性または直進安定性を向上させることがDYCによりできる。そのため、ヨー運動発生装置100として、前記構成の電動発電機付き車輪用軸受10を構成する電動発電機102を用いることができ、一般的な車輪用軸受およびブレーキの構成を大きく変えることなく、簡素でかつコンパクトな構成で、リム11の内径側の空間を効果的に活用して車輪101内に全体を収めることができ、足回りフレーム部品8の大きな設計変更も不要で、走行用の主駆動源であるエンジン201と併用して駆動アシストによる走行性能、制動性能、燃料消費量等の車両性能を向上させることができる。
以上、実施形態に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、ここで開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…車両、2…車輪用軸受、4…外輪、5…内輪、7…ハブフランジ、8…足回りフレーム部品、10…電動発電機付き車輪用軸受、11…リム、12…ブレーキロータ、12a…外周部、13…ハブボルト、14…タイヤ、15…ブレーキキャリパ、100…ヨー運動発生装置、101…車輪、102…電動発電機、103…角度検出器、104…速度演算器、105…電力変換回路、106…直流電源、107…ステアリング装置、108…角度検出器、109…横加速度検出器、110…制御器、111…制御装置、201…エンジン(主駆動)、202…クラッチ、203…トランスミッション
204…駆動輪

Claims (6)

  1. 車両にヨー運動を発生させるヨー運動発生装置と、前記車両の状況に応じ操舵角とヨー角速度との関係が二次の伝達関数で表されるヨー運動を前記車両に発生させるように前記ヨー運動発生装置を制御する制御装置とを備え、前記車両のステアリング装置による操舵の補助を行う操舵補助システムであって、
    前記制御装置は、減衰率補正パラメータが固有振動数補正パラメータの逆数とされて前記固有振動数補正パラメータのみが制御パラメータとして設定されている操舵補助システム。
  2. 請求項1に記載の操舵補助システムにおいて、
    前記ヨー運動発生装置が、左右輪で独立して駆動トルクおよび回生トルクを発生する電動発電機であり、
    前記制御装置が、直流電源と前記電動発電機の間に設けられトルク指令を受けてこのトルク指令に対応する電流または電圧を前記電動発電機に与える電力変換回路と、少なくとも前記車両の速度と前記ステアリング装置の操舵角を受けて目標トルクを演算してトルク指令として出力する制御器とを有し、この制御器が出力する前記目標トルクで前記電動発電機を制御するダイレクト・ヨーモーメント・コントロールによって前記ヨー角速度を車両に発生させる操舵補助システム。
  3. 請求項2に記載の操舵補助システムおいて、前記電動発電機が、前記車両の車輪用軸受と一体化された電動発電機付き車輪用軸受として搭載され、この電動発電機付き車輪用軸受の全体が、ブレーキロータにおけるブレーキキャリパが押し付けられる部分となる外周部よりも内側で、かつ前記車輪用軸受のハブフランジと前記電動発電機付き車輪用軸受の車体取り付け面との間に位置する操舵補助システム。
  4. 請求項2に記載の操舵補助システムにおいて、前記電動発電機が、前記車両の主駆動源を担わない補助駆動源である操舵補助システム。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の操舵補助システムにおいて、前記制御器は、次の制御式に従って前記ダイレクト・ヨーモーメント・コントロールにおける目標となるヨーモーメントMz(s)を求める操舵補助システム。
    Figure 2020131991
    Figure 2020131991
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の操舵補助システムにおいて、前記車両の横加速度を検出する横加速度検出器を備え、前記車両の速度、車両の横加速度、前記ステアリング装置の操舵角に基づいて路面摩擦係数を推定し、前記固有振動数補正パラメータを変更する機能を前記制御装置が有する操舵補助システム。
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