JP2020131244A - 被接合体の加圧具 - Google Patents
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Abstract
【課題】被接合体に、所期した加圧力を容易に作用させることのできる加圧具を提供する。【解決手段】この発明の加圧具1は、被接合体Bbを加圧するものであって、互いに対向して接近する向きに変位し、相互間に配置された被接合体Bbを、該被接合体Bbの厚み方向に挟み込む一対の挟込み部材2、3と、前記挟込み部材2、3の接近変位に伴い圧縮されて、一対の前記挟込み部材2、3間の被接合体Bbを付勢する弾性部材4と、前記挟込み部材の接近変位を規制するストッパー部材8とを備えてなるものである。【選択図】図1
Description
この発明は、被接合体を加圧する加圧具に関するものであり、特には、比較的小さな寸法の被接合体であっても、所要の加圧力を容易に作用させることのできる技術を提案するものである。
近年は、パワー半導体等の半導体の性能の飛躍的な向上に伴い、該半導体の動作時に発生する熱より、その周囲の基板等が晒される温度が高くなっている状況にある。このような状況により、半導体と基板との接合に用いられる銀もしくは銅ペースト又は、はんだ等のダイボンディング剤の、高温下での接合強度や熱伝導性等の性能の向上が求められている。
ここで、半導体と基板を接合するには通常、半導体と基板との間に、上記のダイボンディング剤を介在させ、その被接合体を還元雰囲気等で、数百度の高温の下、たとえば0.1MPa以上といったような高い圧力を作用させることにより行われる。
この際に、大量生産の場合は一般に、ホットプレス機や、各社が独自に作製した加圧装置等が用いられている。かかる加圧装置としては、特許文献1に記載されたもの等がある。
この際に、大量生産の場合は一般に、ホットプレス機や、各社が独自に作製した加圧装置等が用いられている。かかる加圧装置としては、特許文献1に記載されたもの等がある。
ところで、たとえば試験の際のように、小型の加熱炉等を使用して、所定の被接合体を接合させるに当たっては、寸法が比較的小さい被接合体に、所要の大きな加圧力を作用させることが困難である場合がある。たとえば、被接合体上に、重しとして、銅等のインゴットを載せて、所定の加圧力を作用させようとすれば、小さな被接合体には大きな体積のインゴットが必要になり、これにより被接合体に均一な加圧力を作用させつつ、狭い炉内に設置することは、極めて難しい。
この発明は、このようなことに対処するべくなされたものであり、その目的は、被接合体に、所期した加圧力を容易に作用させることのできる加圧具を提供することにある。
この発明の加圧具は、被接合体を加圧するものであって、互いに対向して接近する向きに変位し、相互間に配置された被接合体を、該被接合体の厚み方向に挟み込む一対の挟込み部材と、前記挟込み部材の接近変位に伴い圧縮されて、一対の前記挟込み部材間の被接合体を付勢する弾性部材と、前記挟込み部材の接近変位を規制するストッパー部材とを備えてなるものである。
上記の加圧具は、一対の前記挟込み部材の互いに平行な姿勢での変位を案内するガイド部材をさらに備えてなることが好ましい。
また、上記の加圧具では、前記ガイド部材が、一対の前記挟込み部材のそれぞれに設けた貫通穴に挿入されたガイドロッドを少なくとも三つ含み、一対の挟込み部材は、三つの前記ガイドロッドの長手方向に摺動変位可能に構成されることが好ましい。
この場合、前記ストッパー部材は、前記ガイドロッド上に固定されて設けられ、該ガイドロッドの長手方向に沿う前記挟込み部材の変位を規制するように構成されることが好ましい。
この場合、前記ストッパー部材は、前記ガイドロッド上に固定されて設けられ、該ガイドロッドの長手方向に沿う前記挟込み部材の変位を規制するように構成されることが好ましい。
さらにここでは、前記ガイドロッドの長手方向に沿う方向で、前記弾性部材、一方の前記挟込み部材、前記ストッパー部材及び、他方の前記挟込み部材の順に配置され、前記他方の挟込み部材が、前記ガイドロッドから取外し可能に構成されていることが好適である。
ここにおいて、前記ストッパー部材が、前記他方の挟込み部材の変位規制位置を変更可能に構成されていることが好ましい。
ここにおいて、前記ストッパー部材が、前記他方の挟込み部材の変位規制位置を変更可能に構成されていることが好ましい。
上記の加圧具は、前記弾性部材による被接合体への付勢力の作用の下、一対の前記挟込み部材が互いに平行になる姿勢で、該挟込み部材の変位を拘束することが可能な変位拘束部材をさらに備えることが好適である。
ここでは、前記ガイドロッドが、ねじ軸部を有し、前記変位拘束部材が、前記ガイドロッドの前記ねじ軸部に嵌まり込んでスライドするナットを含むものとすることができる。
ここでは、前記ガイドロッドが、ねじ軸部を有し、前記変位拘束部材が、前記ガイドロッドの前記ねじ軸部に嵌まり込んでスライドするナットを含むものとすることができる。
上記の加圧具は、前記弾性部材をコイルばねとすることができる。
この場合、上記の加圧具は、コイルばねを一個のみ有するものとすることができる。
この場合、上記の加圧具は、コイルばねを一個のみ有するものとすることができる。
上記の加圧具は、前記弾性部材が、当該加圧具に対して着脱可能に配置されていることが好適である。
また、上記の加圧具は、当該加圧具が備える各部材が、耐熱耐食性を有する材料からなることが好ましい。
また、上記の加圧具は、当該加圧具が備える各部材が、耐熱耐食性を有する材料からなることが好ましい。
上記の加圧具は、試験に用いられるものとすることが特に有効である。
この発明の加圧具によれば、弾性部材を用いて、被接合体に加圧力を作用させることとし、またストッパー部材が、前記挟込み部材の接近変位を規制することにより、先述の重し等を用いる場合に比して、被接合体に、所期した加圧力を容易に作用させることができる。
以下に図面を参照しながら、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1及び2に正面図及び平面図でそれぞれ例示する加圧具1は、たとえば、試験等の目的で、二枚の板状材料P1、P2の間に、図示しない接着剤を挟み込んだ被接合体Bbを、所定の温度下で加圧して、それらの板状材料P1、P2を接合するために用いることができる。
図1及び2に正面図及び平面図でそれぞれ例示する加圧具1は、たとえば、試験等の目的で、二枚の板状材料P1、P2の間に、図示しない接着剤を挟み込んだ被接合体Bbを、所定の温度下で加圧して、それらの板状材料P1、P2を接合するために用いることができる。
上記の接着剤としては、パワー半導体などの半導体チップと、その基板であるダイパッドとを、それらの間の導電性及び熱伝導性を確保しつつ接着する導電性・熱伝導性のダイボンディング剤等とすることができる。このような接着剤として具体的には、銀ペースト、銅ペースト又は、はんだ等を挙げることができる。なお、たとえば、半導体チップや基板を模擬したものとすることができる板状材料P2は、平面視で1mm2〜100mm2の表面積、0.01mm〜1mmの厚みを有するものとすることができる。
図1、2に例示される加圧具1は、主として、それぞれ平板その他の板状等の形状を有し、互いに所定の間隔をおいて平行に対向して配置され、図1の上下方向に沿って相対的に接近する向きに変位可能な一対の挟込み部材2、3と、そのうちの一方の挟込み部材2の背後(図1では、下方側に位置する挟込み部材2の下方側)に設けられたコイルばね等の弾性部材4と、挟込み部材2、3の変位を拘束することのできる変位拘束部材5としてのナットとを備えてなるものである。
この実施形態の加圧具1は、一対の挟込み部材2、3の互いに平行な姿勢での変位を案内するガイド部材6として、平面視で矩形状の挟込み部材2、3の四隅に設けた貫通穴のそれぞれに挿入された四本のガイドロッドをさらに備える。ガイドロッドは、三本又は、五本以上とすることも可能であるが、貫通穴にガイドロッドが通された挟込み部材2、3の円滑な変位及び、被接合体Bbへの均一な加圧力の作用を実現するとの観点からは、図示のように四本とすることが好適である。加圧具1全体の寸法その他の条件を考慮して、ガイドロッドの本数や外径等を変更することができる。またガイドロッドの本数等に応じて、挟込み部材2、3に設ける貫通穴の個数や位置を適宜決定する。
変位拘束部材5である各ナットは、四本のガイドロッドとしてのガイド部材6のそれぞれの先端側(図1では上端側)の一部に設けたねじ軸部6aに嵌まり込んで取り付けられている。
変位拘束部材5である各ナットは、四本のガイドロッドとしてのガイド部材6のそれぞれの先端側(図1では上端側)の一部に設けたねじ軸部6aに嵌まり込んで取り付けられている。
なお、加圧具1には、加圧具1の載置面に接触し、弾性部材4を隔てて一方の挟込み部材2とは逆側に配置されて、当該逆側から弾性部材4を支える平板等の板状支持部材7を設けることができる。
このような加圧具1で、加圧対象である被接合体Bbは、一対の挟込み部材2、3の相互間に配置されるものである。そして、被接合体Bbは、一対の挟込み部材2、3が互いに接近する向きに変位するに伴い、一方の挟込み部材2の背後で圧縮される弾性部材4の復元による付勢力が、当該一方の挟込み部材2を介して伝達されることにより、挟込み部材2、3の間で挟み込まれて加圧される。
加圧具1による被接合体Bbの加圧動作について、より詳細に説明すれば次のとおりである。
はじめに、一方の挟込み部材2上に、被接合体Bbを配置する。このとき、ガイド部材6としてのガイドロッドから、ナットである変位拘束部材5を取り外して、図3に示すように、他方の挟込み部材3(図1では、上方側に位置する挟込み部材3)を取外し可能に構成することにより、一方の挟込み部材2上への被接合体Bbの配置が容易になる。
はじめに、一方の挟込み部材2上に、被接合体Bbを配置する。このとき、ガイド部材6としてのガイドロッドから、ナットである変位拘束部材5を取り外して、図3に示すように、他方の挟込み部材3(図1では、上方側に位置する挟込み部材3)を取外し可能に構成することにより、一方の挟込み部材2上への被接合体Bbの配置が容易になる。
次いで、一方の挟込み部材2と他方の挟込み部材3との間に、被接合体Bbを位置させた状態で、他方の挟込み部材3を、ガイド部材6の長手方向(図1では上下方向)に沿わせて摺動変位させて、該他方の挟込み部材3を、一方の挟込み部材2側に向けて図1の下方側に変位させる。これにより、一方の挟込み部材2と他方の挟込み部材3との間に、被接合体Bbがその厚み方向に挟み込まれつつ、一方の挟込み部材2も変位して、一方の挟込み部材2の背後にある弾性部材4が圧縮され、その圧縮に伴って復元しようとする弾性部材4の付勢力が、一方の挟込み部材2を介して被接合体Bbへ伝わる。
その後、図4に示すように、変位拘束部材5である各ナットをスライドさせて締めることにより、上述したように、弾性部材4による付勢力が被接合体Bbに作用した状態で、一対の挟込み部材2、3が互いに平行になるようにしながら、挟込み部材2、3の変位を拘束することができる。
なお、変位拘束部材5である各ナットをスライドさせて締めることにより、一方の挟込み部材2を変位させてもよい。変位拘束部材5をナットとしたこの実施形態では、ガイドロッド上にねじ込まれる該ナットが、一対の挟込み部材2、3の互いに離れる向きの離隔変位を制限するだけでなく、挟込み部材2、3の変位量も調整するべく機能する。
なお、変位拘束部材5である各ナットをスライドさせて締めることにより、一方の挟込み部材2を変位させてもよい。変位拘束部材5をナットとしたこの実施形態では、ガイドロッド上にねじ込まれる該ナットが、一対の挟込み部材2、3の互いに離れる向きの離隔変位を制限するだけでなく、挟込み部材2、3の変位量も調整するべく機能する。
かかる加圧具1による加圧動作により、比較的小さい寸法の被接合体Bbであっても、挟込み部材2、3により、所要の大きな加圧力を、当該被接合体Bbの表面に均一に作用させることができる。また、この加圧具1によれば、先述した重しのような大きなスペースを要しない。それにより、加圧具1の省スペースを実現することができて、たとえば研究開発の現場で用いられるような小型の加熱炉内に配置することも可能になる。
また、図示の加圧具1では、ガイド部材6を有することにより、挟込み部材2、3の平行な変位が維持されやすくなる。仮に被接合体Bbの各部位で厚みに差異があったとしても、ガイド部材6により、そのような厚みの差異に関わらず、被接合体Bbの均一な加圧を実現することができる。なお、ガイド部材は、図示のようなガイドロッド等のロッド状のものに限らず、図示は省略するが、たとえば左右二枚の平板等といったような他の形状のものとすることもできる。
ここにおいて、変位拘束部材5により、一対の挟込み部材2、3が互いに平行になる姿勢での、挟込み部材2、3の変位の拘束をより容易に行い得るようにするため、加圧具1は、図1に示すように、挟込み部材2、3の接近変位を規制するストッパー部材8をさらに備える。この実施形態では、ストッパー部材8は、挟込み部材2、3の相互間で、ガイド部材6としてのガイドロッド上に固定させて設けている。なお、ストッパー部材8は、たとえば図示の実施形態のように、ガイドロッドの周囲を取り囲む円筒その他の筒状のものとして設けることができる。
図示のストッパー部材8は、各ガイドロッドに設けられ、ガイドロッドの長手方向に沿う前記挟込み部材の変位を規制するものである。
より詳細には、挟込み部材2、3が弾性部材4側に変位をする前の状態では、弾性部材4により若干付勢される一方の挟込み部材2が、ストッパー部材8に当接して、一方の挟込み部材2の、他方の挟込み部材3側への変位を規制する。これに対し、挟込み部材2、3が弾性部材4側に変位をして、それらの間に被接合体Bbが所定の加圧力で挟み込まれた状態(被接合体Bbの加圧状態)では、図4に示すように、他方の挟込み部材3がストッパー部材8に当接し、それにより、該ストッパー部材8は、他方の挟込み部材3の、一方の挟込み部材2側への変位を規制して、被接合体Bbに、所期したとおりの大きさの加圧力を作用させるべく機能する。
より詳細には、挟込み部材2、3が弾性部材4側に変位をする前の状態では、弾性部材4により若干付勢される一方の挟込み部材2が、ストッパー部材8に当接して、一方の挟込み部材2の、他方の挟込み部材3側への変位を規制する。これに対し、挟込み部材2、3が弾性部材4側に変位をして、それらの間に被接合体Bbが所定の加圧力で挟み込まれた状態(被接合体Bbの加圧状態)では、図4に示すように、他方の挟込み部材3がストッパー部材8に当接し、それにより、該ストッパー部材8は、他方の挟込み部材3の、一方の挟込み部材2側への変位を規制して、被接合体Bbに、所期したとおりの大きさの加圧力を作用させるべく機能する。
また、図示の実施形態では、被接合体Bbの加圧状態にて、図4に示すように、各ガイドロッドで、ナットである変位拘束部材5とストッパー部材8との間に、他方の挟込み部材3が挟まれて位置決めされる。したがって、各ガイドロッドにおけるストッパー部材8の固定位置を適正なものとすることによって、被接合体Bbの加圧状態で、被接合体Bbへの他方の挟込み部材3の平行な接触がより確実になるとともに、弾性部材4をより均一に圧縮変形させることができる。その結果、被接合体Bbの加圧をより均一にすることが可能になる。この場合、被接合体Bbの加圧状態の再現性も高くなる。
加えて、挟込み部材2上へ被接合体Bbを配置する際、図3に示されるように、ストッパー部材8によって挟込み部材2の位置が固定されている。そのため、挟込み部材2が安定しているため、挟込み部材2上への被接合体Bbの配置が容易になる。
加えて、挟込み部材2上へ被接合体Bbを配置する際、図3に示されるように、ストッパー部材8によって挟込み部材2の位置が固定されている。そのため、挟込み部材2が安定しているため、挟込み部材2上への被接合体Bbの配置が容易になる。
このようなストッパー部材8は、他方の挟込み部材3が最も一方の挟込み部材2側に変位した際の位置(すなわち、他方の挟込み部材3の変位規制位置)を変更できるように構成することが好ましい。このことは、たとえば、ガイドロッドの長手方向の高さが異なる別のストッパー部材に交換できるようにすることや、図示のストッパー部材8よりも他方の挟込み部材3側に、図示は省略するが、他のストッパー部材を取付け可能にすること等により実現することができる。別のストッパー部材への交換は、ストッパー部材8をガイドロッドに、取外し可能な程度の大きさの力で圧入しておくこと等より可能になる。このことによれば、弾性部材4を交換しなくても、被接合体Bbに作用させる加圧力の大きさを適宜変更することができるようになる。
ところで、弾性部材4は、金属製等のコイルばね一個のみを挟込み部材2の中央位置に配置することが好ましい。これにより、挟込み部材2の場所によって弾性部材4からの付勢力が異なることを防止できる。換言すれば、当該構成は、被接合体Bbに均一な付勢力を与えることが出来る。加えて、当該構成とすることで、枚葉処理もしくは少数処理に適した構造となるとともに、全体として加圧具1の小型化にもつながる。但し、弾性部材は、コイルばねを複数個並べて配置したものとすることができる他、所期した復元力を得られるのであれば、板ばねその他のばね又は、金属材料以外のゴム材料等からなるものとすることも可能である。
弾性部材4は、たとえば板状支持部材7及び/又は一方の挟込み部材2の、当該弾性部材4側の表面を、弾性部材4の端面の外輪郭形状に合わせて窪ませて設けた凹状スペースに配置することができる。この場合、被接合体Bbの加圧状態等に際する、弾性部材4の意図しない位置ずれを効果的に防止することができる。
また、弾性部材4は、加圧具1に対し、固着等させずに着脱可能に配置することが、弾性部材4の交換による加圧力の調整が可能になる点で好ましい。
また、弾性部材4は、加圧具1に対し、固着等させずに着脱可能に配置することが、弾性部材4の交換による加圧力の調整が可能になる点で好ましい。
上述した加圧具1では、図1に示すように、ガイド部材6のガイドロッドの長手方向に沿う方向で、板状支持部材7、弾性部材4、一方の挟込み部材2、ストッパー部材8、他方の挟込み部材3及び、変位拘束部材5がこの順序で配置されている。各ガイドロッドは、板状支持部材7側から、他方の挟込み部材3の貫通穴、ストッパー部材8、一方の挟込み部材2の貫通穴及び、変位拘束部材5を貫いて設けられている。
図5、6に、他の実施形態の加圧具11、21をそれぞれ示す。
このうち、図5に示す加圧具11は、互いに対向して接近する向きに変位可能で、相互間に被接合体Bbが配置される一対の挟込み部材12、13と、挟込み部材12、13の接近変位に伴って圧縮されて、それらの挟込み部材12、13間の被接合体Bbを付勢する弾性部材14と、一対の挟込み部材12、13の互いに平行な姿勢での変位を案内するガイド部材16と、ガイド部材16に設けられたストッパー部材18とを備える。
このうち、図5に示す加圧具11は、互いに対向して接近する向きに変位可能で、相互間に被接合体Bbが配置される一対の挟込み部材12、13と、挟込み部材12、13の接近変位に伴って圧縮されて、それらの挟込み部材12、13間の被接合体Bbを付勢する弾性部材14と、一対の挟込み部材12、13の互いに平行な姿勢での変位を案内するガイド部材16と、ガイド部材16に設けられたストッパー部材18とを備える。
この実施形態の加圧具11では、ガイド部材16は、挟込み部材12、13及び弾性部材14の周囲を取り囲む、他方の挟込み部材13側が開口した中空の直方体ないし立方体その他の箱型をなす。図示のガイド部材16は、その内側の底面と、一方の挟込み部材12(図5(b)では、上方側に位置する挟込み部材12)との間で弾性部材14を挟むとともに、内側で、挟込み部材12、13が内面に沿って摺動変位できるように構成されている。このような箱型のガイド部材16の内側には、他方の挟込み部材13側から順に、被接合体Bb、一方の挟込み部材12及び、弾性部材14が配置される。
ストッパー部材18は、箱型のガイド部材16の開口側の端部に設けた孔部を通過して、他方の挟込み部材13の側面に設けた各ピン挿入孔13aに挿入可能な円柱等の計二本のピン状のものとして設けられている。なお、図5に示すところからは明らかではないが、ピン挿入孔13aは、他方の挟込み部材13の反対側の側面まで貫通して設けられており、また、箱型のガイド部材16の背面の側壁の端部にも孔部が設けられている。そして、ストッパー部材18は、箱型のガイド部材16の正面側に設けた孔部から、他方の挟込み部材13のピン挿入孔13aを通って、ガイド部材16の背面側に設けた孔部まで挿入することができる長いピン状のものとしている。これにより、後述するように被接合体Bbを加圧した際に、弾性部材14の復元力を長尺ピン状のストッパー部材18全体で受け止めることができて、ストッパー部材18にかかる力を分散させることができる。かかるストッパー部材は、必要に応じて、その形状を適宜変更することができるとともに、一本又は三本以上とすることも可能である。あるいは、貫通しないピン挿入孔が、他方の挟込み部材の両側面のそれぞれに設けられていて、それらの各ピン挿入孔13aに、たとえば四本の短いピン状のストッパー部材のそれぞれが挿入されるものとしてもよい。
この加圧具11を用いて被接合体Bbを加圧するには、一方の挟込み部材12と他方の挟込み部材13との間に、被接合体Bbを配置した状態で、箱型のガイド部材16を、載置面上に配置された他方の挟込み部材13側に向けて押圧する。それにより、箱型のガイド部材16が他方の挟込み部材13側に近づくに伴い、箱型のガイド部材16の内側で、弾性部材14が圧縮されながら、一方の挟込み部材12が他方の挟込み部材13に向けて接近変位し、被接合体Bbが、一方の挟込み部材12を介して弾性部材14により付勢される。この際に、箱型のガイド部材16の内側にほぼ整合する挟込み部材12、13は、当該ガイド部材16によって、互いに平行な姿勢での変位が案内される。
そして、箱型のガイド部材16の孔部に配置したピン状のストッパー部材18が、他方の挟込み部材13の側面のピン挿入孔13aに挿入できる位置まで、箱型のガイド部材16を押圧し、そこで、ピン状のストッパー部材18をそれぞれピン挿入孔13aに挿入する。これにより、弾性部材14により被接合体Bbに所定の付勢力を作用させつつ、挟込み部材12、13の接近変位を規制することができる。このストッパー部材18は、一対の挟込み部材12、13を、互いに平行な姿勢で拘束できるので、先述の変位拘束部材としても機能する。
なお、箱型のガイド部材16の側壁には、内部を確認できるように、たとえば矩形の切欠き状等の窓部19を設けることができる。
また、図6に示す加圧具21は、ストッパー部材28を、上述したピン状のものに代えて、箱型のガイド部材26及び他方の挟込み部材23の周囲を取り囲む外枠状のものとしたことを除いて、図5の加圧具11と実質的に同様の構成を有するものである。
このストッパー部材28によっても、弾性部材24による被接合体Bbへの所定の付勢力の作用下で、一対の挟込み部材22、23の離隔変位及び接近変位を平行な姿勢で規制することができる。したがって、ストッパー部材28も変位拘束部材として機能し得るものである。
このストッパー部材28によっても、弾性部材24による被接合体Bbへの所定の付勢力の作用下で、一対の挟込み部材22、23の離隔変位及び接近変位を平行な姿勢で規制することができる。したがって、ストッパー部材28も変位拘束部材として機能し得るものである。
なお、図6に示すところでは、ストッパー部材28は、箱型のガイド部材26及び他方の挟込み部材23をその全周にわたって取り囲むものとしているが、少なくとも、箱型のガイド部材26及び他方の挟込み部材23を、一方の挟込み部材22の変位方向の両側から挟むものであれば、挟込み部材22、23の変位の規制が可能である。
以上に述べた加圧具1、11、21では、当該加圧具1、11、21が備える各部材が、耐熱耐食性を有する材料からなることが好ましい。このことによれば、加熱時に、特に弾性部材4、14、24ではばね定数の変化が小さくなり、また還元ガスや酸性蒸気に耐えることにより、水素やギ酸を用いるダイボンディング剤の焼結に適応する。ここでいう耐熱耐食性とは、加熱時に変形又は変質が生じないこと、及び使用環境において腐食が生じないことを意味する。このような材料の例としては、SUS316、Mo、インコネルX750(「インコネル」は登録商標)等を挙げることができる。
1、11、21 加圧具
2、3、12、13、22、23 挟込み部材
13a ピン挿入孔
4、14、24 弾性部材
5 変位拘束部材
6、16、26 ガイド部材
6a ねじ軸部
7 板状支持部材
8、18、28 ストッパー部材
Bb 被接合体
P1、P2 板状材料
2、3、12、13、22、23 挟込み部材
13a ピン挿入孔
4、14、24 弾性部材
5 変位拘束部材
6、16、26 ガイド部材
6a ねじ軸部
7 板状支持部材
8、18、28 ストッパー部材
Bb 被接合体
P1、P2 板状材料
Claims (13)
- 被接合体を加圧する加圧具であって、
互いに対向して接近する向きに変位し、相互間に配置された被接合体を、該被接合体の厚み方向に挟み込む一対の挟込み部材と、
前記挟込み部材の接近変位に伴い圧縮されて、一対の前記挟込み部材間の被接合体を付勢する弾性部材と、
前記挟込み部材の接近変位を規制するストッパー部材とを備えてなる加圧具。 - 一対の前記挟込み部材の互いに平行な姿勢での変位を案内するガイド部材をさらに備えてなる請求項1に記載の加圧具。
- 前記ガイド部材は、一対の前記挟込み部材のそれぞれに設けた貫通穴に挿入されたガイドロッドを少なくとも三つ含み、
一対の挟込み部材は、三つの前記ガイドロッドの長手方向に摺動変位可能に構成される、請求項2に記載の加圧具。 - 前記ストッパー部材は、前記ガイドロッド上に固定されて設けられ、該ガイドロッドの長手方向に沿う前記挟込み部材の変位を規制するように構成される、請求項3に記載の加圧具。
- 前記ガイドロッドの長手方向に沿う方向で、前記弾性部材、一方の前記挟込み部材、前記ストッパー部材及び、他方の前記挟込み部材の順に配置され、
前記他方の挟込み部材が、前記ガイドロッドから取外し可能に構成されてなる請求項4に記載の加圧具。 - 前記ストッパー部材が、前記他方の挟込み部材の変位規制位置を変更可能に構成されてなる請求項5に記載の加圧具。
- 前記弾性部材による被接合体への付勢力の作用の下、一対の前記挟込み部材が互いに平行になる姿勢で、該挟込み部材の変位を拘束することが可能な変位拘束部材をさらに備える請求項3〜6のいずれか一項に記載の加圧具。
- 前記ガイドロッドが、ねじ軸部を有し、前記変位拘束部材が、前記ガイドロッドの前記ねじ軸部に嵌まり込んでスライドするナットを含んでなる請求項7に記載の加圧具。
- 前記弾性部材がコイルばねである請求項1〜8のいずれか一項に記載の加圧具。
- 前記コイルばねを一個のみ有してなる請求項9に記載の加圧具。
- 前記弾性部材が、当該加圧具に対して着脱可能に配置されてなる請求項1〜10のいずれか一項に記載の加圧具。
- 当該加圧具が備える各部材が、耐熱耐食性を有する材料からなる請求項1〜11のいずれか一項に記載の加圧具。
- 試験に用いられる請求項1〜12のいずれか一項に記載の加圧具。
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