JP2020128963A - 流体取扱システムおよびこれに用いるカートリッジ - Google Patents

流体取扱システムおよびこれに用いるカートリッジ Download PDF

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里実 薮内
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Seiichiro Suzuki
誠一郎 鈴木
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Takushi Yamauchi
拓史 山内
優也 大島
Yuya Oshima
優也 大島
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Abstract

【課題】、大がかりな装置を用いることなく、流体を所望のチップ等に、確実に注入することが可能な流体取扱システムおよびこれに用いるカートリッジを提供する。【解決手段】流体取扱システム100は、リザーバ11と、流路チップ14と、一端がリザーバ11の開口部内に嵌め込まれ、他端が流路チップ14の導入部141内に嵌め込まれ、一端および他端を繋ぐ貫通孔120を有するキャップ12と、を有する。流体取扱システム100のキャップ12は、リザーバ11の開口部内に挿入される第1領域と、流路チップの導入部内に少なくとも一部が挿入される、第1領域より貫通孔に垂直な断面の外径が小さい第2領域と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、流体取扱システムおよびこれに用いるカートリッジに関する。
従来、各種流体を検査、分析する際には、流体(サンプル)を貯留するための容器からピペット等により必要な量だけサンプルを分取し、分析のためのチップや装置に注入することが一般的であった。従来、ピペットによるサンプルの分取や、サンプルのチップへの注入を自動で行うことが可能な装置が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
特開2013−150634号公報 国際公開第2013/088913号
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された分析装置では、サンプルをピペット内に吸引するための手段や、ピペットを移動させるための手段等が別途必要であった。また、チップや装置に複数のサンプルや試薬を注入するためには、複数のピペットが必要であり、さらにはこれらを制御する必要もあった。そのため、装置が大がかりになりやすく、コストも増大しやすいとの課題があった。
本発明は、大がかりな装置を用いることなく、流体を所望の流路チップに、確実に注入することが可能な流体取扱システムおよびこれに用いるカートリッジの提供を、その目的とする。
本発明は、以下の流体取扱システムを提供する。
流体を収容するための収容部、ならびに前記収容部の一部に配置された、前記収容部および外部を連通する開口部、を含むリザーバと、前記リザーバの前記開口部と対向するように配置された、流体を導入するための導入部、および前記導入部から導入された流体を流動させるための流路、を有する流路チップと、一端が前記リザーバの前記開口部内に嵌め込まれ、他端が前記流路チップの前記導入部内に嵌め込まれ、一端および他端を繋ぐ貫通孔を有し、可撓性を有するエラストマーからなるキャップと、を有する流体取扱システムであり、前記キャップが、前記リザーバの前記開口部内に挿入される第1領域と、前記第1領域に接続された、前記流路チップの前記導入部内に少なくとも一部が挿入される、前記第1領域より前記貫通孔に垂直な断面の外径が小さい第2領域と、を有し、前記キャップの前記第2領域は、前記第1領域から離れるにしたがい、径が細くなる基部と、前記基部の外周面から径方向外側に張り出す凸部と、を有し、前記リザーバの前記開口部が前記キャップの前記第1領域を、前記貫通孔が塞がるように押圧することで、前記収容部内の流体が前記キャップの前記貫通孔を介して外部に移動しない閉状態となり、前記キャップの前記第1領域を前記閉状態より前記リザーバの前記収容部側または前記流路チップ側に移動させることで、前記キャップの前記第1領域に対する押圧が解除されて、流体が、前記貫通孔を介して、前記リザーバの前記収容部から前記流路チップの前記導入部に向けて移動する開状態となる、流体取扱システム。
本発明は、以下のカートリッジも提供する。
流体を導入するための導入部を含む流路チップと組み合わせて使用されるカートリッジであって、流体を収容するための収容部、ならびに前記収容部の一部に配置された、前記収容部および外部を連通する開口部、を含むリザーバと、一端が前記リザーバの前記開口部内に嵌め込まれ、他端が前記流路チップの前記導入部内に嵌め込まれるように構成され、一端および他端を繋ぐ貫通孔を有し、可撓性を有するエラストマーからなるキャップと、を有するカートリッジであり、前記キャップが、前記リザーバの前記開口部内に挿入される第1領域と、前記第1領域に接続され、前記流路チップの前記導入部内に少なくとも一部が挿入されるように構成された、前記第1領域より前記貫通孔に垂直な断面の外径が小さい第2領域と、を有し、前記キャップの前記第2領域は、前記第1領域から離れるにしたがい、径が細くなる基部と、前記基部の外周面から径方向外側に張り出す凸部と、を有し、前記リザーバの前記開口部が前記キャップの前記第1領域を、前記貫通孔が塞がるように押圧することで、前記収容部内の流体が前記キャップの前記貫通孔を介して外部に移動しない閉状態となり、前記キャップの前記第1領域を前記閉状態より前記リザーバの前記収容部側または前記流路チップ側に移動させることで、前記キャップの前記第1領域に対する押圧が解除されて、流体が、前記貫通孔を介して、前記リザーバの前記収容部から前記流路チップの前記導入部に向けて移動する開状態となる、カートリッジ。
本発明の流体取扱システムやカートリッジによれば、ピペットを駆動する手段やチップを搬送する手段を設けることなく、簡便な方法で、流路チップに流体を注入することが可能である。
図1は、本発明の一実施の形態に係る流体取扱システムの分解斜視図である。 図2Aは、図1に示す流体取扱システムのA−A線での断面図であり、図2Bは、図1に示す流体取扱システムのB−B線での断面図であり、図2Aおよび図2Bは、流体取扱システムを閉状態としたときの図である。 図3Aは、図1に示す流体取扱システムのA−A線での断面図であり、図3Bは、図1に示す流体取扱システムのB−B線での断面図であり、図3Aおよび図3Bは、流体取扱システムを開状態としたときの図である。 図4Aは、本発明の一実施の形態に係る流体取扱システムが含むリザーバの正面図であり、図4Bは、当該リザーバの平面図であり、図4Cは、当該リザーバの底面図であり、図4Dは、当該リザーバの側面図である。 図5Aは、図4Cに示すリザーバのA−A線での断面図であり、図5Bは、図4Cに示すリザーバのB−B線での断面図であり、図5Cは、図4Cにおいて破線で囲んだ領域の部分拡大図であり、図5Dは、図4Bにおいて破線で囲んだ領域の部分拡大図である。 図6Aは、本発明の一実施の形態に係る流体取扱システムが含むキャップの上面側の斜視図であり、図6Bは、当該キャップの底面側の斜視図であり、図6Cは、当該キャップの正面図であり、図6Dは、当該キャップの平面図であり、図6Eは、図6Dに示すキャップのA−A線での断面図であり、図6Fは、図6Dに示すキャップのB−B線での断面図である。 図7は、本発明の一実施の形態に係る流体取扱システムが含む流路チップの概略断面図である。 図8は、本発明の一実施の形態に係る流体取扱システムが含む流路チップの本体部の底面図である。 図9Aは、本発明の一実施の形態に係る流体取扱システムが含むキャップの変形例の上面側の斜視図であり、図9Bは、当該キャップの底面側の斜視図であり、図9Cは、当該キャップの正面図であり、図9Dは、図9Aに示すキャップのA−A線での断面図である。 図10Aは、本発明の一実施の形態に係る流体取扱システムが含むキャップの他の変形例の上面側の斜視図であり、図10Bは、当該キャップの底面側の斜視図であり、図10Cは、当該キャップの正面図であり、図10Dは、図10Aに示すキャップのA−A線での断面図である。 図11Aは、本発明の一実施の形態に係る流体取扱システムが含むキャップの他の変形例の上面側の斜視図であり、図11Bは、当該キャップの底面側の斜視図であり、図11Cは、当該キャップの正面図であり、図11Dは、図11Aに示すキャップのA−A線での断面図である。
本発明の実施の形態に係る流体取扱システムについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面に示されている寸法または寸法の比率は、説明をわかりやすくするため、実際の寸法または寸法の比率とは異なる場合がある。
本発明の一実施の形態に係る流体取扱システム100は、図1の分解斜視図に示すように、流体を収容するためのリザーバ11と、当該リザーバ11の重力方向下方に配置された流路チップ14と、当該リザーバ11および流路チップ14の間に配置されるスペーサ15と、一端がリザーバ11の開口部(図示せず)に嵌め込まれ、他端が流路チップ14の導入部141に嵌め込まれるキャップ12と、リザーバ11を覆う蓋部13と、を有する。ただし、当該流体取扱システム100は、リザーバ11、キャップ12、蓋部13、流路チップ14、およびスペーサ15が、それぞれ取り外された状態で流通されてもよい。また、リザーバ11の収容部111内部に流体を貯留する際、キャップ12がリザーバ11の収容部111側に押し込まれることを抑制可能であれば、流体取扱システム100は、スペーサ15を有さなくてもよい。
また、リザーバ11、キャップ12、および必要に応じて蓋部13を組み合わせたものを、カートリッジとして用いてもよい。
図2Aおよび図2Bに、当該流体取扱システム100のリザーバ11の収容部111内に流体を貯留するとき(本明細書では、この状態を流体取扱システム100の「閉状態」とも称する)の概略断面図、すなわち流路チップ14との間にスペーサ15を配置したときの概略断面図を示す。また、図3Aおよび図3Bに、キャップ12の第1領域121を閉状態よりリザーバ11の収容部111側に移動させたとき(本明細書では、この状態を流体取扱システム100の「開状態」とも称する)の概略断面図、すなわち当該流体取扱システム100からスペーサ15を取り外した後の概略断面図を示す。なお、図2Aおよび図3Aは、図1におけるA−A線での断面図である。図2Bおよび図3Bは、図1におけるB−B線での断面図である。
本実施の形態の流体取扱システム100の閉状態では、図2Aおよび図2Bに示すように、リザーバ11の開口部112の外壁がキャップ12の第1領域121を押圧し、キャップ12の貫通孔120を塞ぐ。つまり、キャップ12が、リザーバ11の栓として機能する。
一方で、図3Aおよび図3Bに示すように、スペーサ15を取り外し、キャップ12の第1領域121を収容部111側に移動させると、リザーバ11の開口部112の外壁によるキャップ12(第1領域121)への押圧が解除される。その結果、キャップ12の貫通孔120が本来の形状に戻り、当該貫通孔120が、リザーバ11の収容部111と流路チップ14の導入部141に設けられた連絡流路1412とを繋ぐ流路となる。
以下、本実施の形態の流体取扱システム100を構成する各部材について詳しく説明する。
図4Aにリザーバ11の正面図を示し、図4Bに平面図、図4Cに底面図、図4Dに側面図を示す。また、図5Aに、図4Cに示すリザーバ11のA−A線での断面図を示し、図5Bに、図4Cに示すリザーバ11のB−B線での断面図を示し、図5Cに図4Cにおいて破線で囲んだ部分の部分拡大図を示し、図5Dに、図4Bにおいて破線で囲んだ部分の部分拡大図を示す。
本実施の形態のリザーバ11は、3つの収容部111と、各収容部111の底部にそれぞれ配置された、3つの開口部112とを有する。リザーバ11の形状は、収容部111内に流体を所望の量、収容可能な形状であれば特に制限されず、例えば、略直方体状や円柱状等であってもよい。なお、リザーバ11に配置される収容部111の数や開口部112の数は、特に制限されず、流体取扱システム100の用途に応じて適宜選択される。例えば1つの収容部111に複数の開口部112が配置されていてもよい。また、本実施の形態では、3つの収容部111の形状、および3つの開口部112の形状をそれぞれ同一としているが、これらは互いに異なっていてもよい。
本実施の形態におけるリザーバ11の収容部111は略直方体状の有底の凹部である。収容部111の形状は、流体を所望の量、収容可能な形状であれば略直方体状に制限されず、例えば角錐台状や円柱状、円錐台状等、種々の形状であってもよい。また、本実施の形態では、収容部111の底面が、収容される流体の表面に略平行となるように設定しているが、底面の一部または全部が、開口部112に近づくにつれて深くなるように傾斜していてよい。
一方、開口部112は、収容部111内部とリザーバ11の外部とを連通させる孔である。本実施の形態では、リザーバ11の底面から流路チップ12に向かって、開口部112を囲む壁の一部が突出している。
ここで、図5A〜図5Dに示すように、開口部112は、リザーバ11の外部側に配置された、略楕円柱状の開口を有する押圧領域112aと、リザーバ11の収容部111側に配置された、略円柱状の開口を有する開放領域112bとを有する。
押圧領域112aは、流体取扱システム100を閉状態とするときに、キャップ12の第1領域121を、その中心軸に向かって押圧し、貫通孔120を塞ぐための領域である。押圧領域112aの開口形状は、略楕円柱状である。後述のように、キャップ12の第1領域121の形状は略円柱状である。そのため、略楕円柱状の押圧領域112a内に略円柱状のキャップ12の第1領域121を挿入すると、押圧領域112aの外壁によってキャップ12の第1領域121が、その中心軸に向かって押圧される。そして、キャップ12の貫通孔120が塞がれて、流体の排出が抑制される。
押圧領域112aの形状は、キャップ12の第1領域121を挿入したとき、少なくとも一部の貫通孔120を塞ぐことが可能な形状であればよい。押圧領域121は、例えばリザーバ11の外部側から開放領域112b側に向かって、均一な開口断面積を有していてもよい。ただし、本実施の形態では、押圧領域112aにキャップ12の第1領域121を挿入しすいように、リザーバ11の外部側の押圧領域112aの開口断面積を、開放領域112b側より広くしている。
一方、開放領域112bは、流体取扱システム100を開状態とするときに、キャップ12の貫通孔120が塞がらないようにするための領域である。本実施の形態では、開放領域112bの開口断面積を、押圧領域112aの開口断面積より広くしている。これにより、開口部112の外壁からキャップ12の第1領域121の中心方向にかかる力を小さくし、貫通孔120の形状を本来の形状に戻しやすくしている。
また、本実施の形態では、開放領域112bの開口形状を、キャップ12の第1領域121の外形と相似形状(円柱状)としている。円柱状の第1領域121を、円柱状の開放領域112b内に収容すると、第1領域121が本来の円柱状に戻る。その結果、貫通孔120が十分に開き、キャップ12の貫通孔120内を流体が移動することが可能となる。
ただし、開放領域112bとキャップ12の第1領域121との間に隙間が生じると、当該隙間を通じて、流体が収容部111の外部に漏れ出ることがある。そこで、本実施の形態では、開放領域112bの開口径(直径)を、キャップ11の円柱状の第1領域121の直径と同等、もしくはそれより小さく設定している。
ここで、上述の収容部111および開口部112を有するリザーバ11は、収容部111内に収容される流体によって浸食されない樹脂等で構成される。リザーバ11を構成する材料の例には、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリエチレン、ポリプロピレン、およびシクロオレフィン樹脂等のポリオレフィン;ポリエーテル;ポリスチレン;シリコーン樹脂;ならびに各種エラストマー等の樹脂材料等が含まれる。また、上記リザーバ11は、例えば射出成形等により成形される。
次に、図6Aに、本実施の形態のキャップ12の上面側の斜視図を示し、図6Bに底面側の斜視図を示す。また、図6Cに、当該キャップ12の正面図、図6Dに平面図を示す。なお、図6Eは、図6Dに示すキャップ12のA−A線での断面図であり、図6Fは、図6Dに示すキャップ12のB−B線での断面図である。
本実施の形態のキャップ12は、略円柱状の第1領域121と、略円錐台状の第2領域122とが接続された構造を有し、これらの中心軸CAに略平行に貫通孔120が形成されている。
当該キャップ12の第1領域121は、上述のリザーバ11の開口部112内に挿入される領域である。そして、当該第1領域121が、上述のリザーバ11の開口部112の押圧領域112aに収容されるとその貫通孔120が塞がり、流体取扱システム100が閉状態となる。一方、当該第1領域121が上述のリザーバ11の開口部112の開放領域112bに収容されるとその貫通孔120が元の形状に戻り、流体取扱システム100が開状態となる。
第1領域121の直径(外径)は、上述のリザーバ11の開口部112(押圧領域112aおよび開放領域112b)の開口幅や開口断面積に応じて適宜設定される。また、第1領域121の高さは特に制限されず、上述のリザーバ11の開口部112(押圧領域112aおよび開放領域112b)の形状に合わせて適宜選択される。本実施の形態では、流体取扱システム100の開状態、すなわち第1領域121がリザーバ11の開放領域112b内に収容されたときに、キャップ12の第1領域121側の端部が収容部111内に突出しないような高さとしている。キャップ12の第1領域121の高さが、リザーバ11の開口部112の開放領域112bの高さ以下であると、流体取扱システム100を開状態としたとき、流体がキャップ12の貫通孔120に流れ込みやすくなる。
また、中心軸CAに垂直な断面における、第1領域121内の貫通孔120の開口形状は、第1領域121が上述のリザーバ11の押圧領域112a内に収容された際、隙間なく塞がる形状であれば特に制限されない。例えば、スリット状とすることができる。本明細書において「スリット状」とは、キャップ12の中心軸CAに垂直な断面において、一方向に長い隙間であって、短軸方向に沿って両側から押圧した際に、線状に閉じる隙間をいう。本実施の形態では、図6Aに示すように、中心軸CAに垂直な断面における第1領域121の貫通孔120の開口形状を、一方の対角線が他方の対角線に対して十分に長いひし形形状としている。スリットの幅は、流体の種類や、所望の流体の流量によって適宜選択される。
一方、第2領域122は、後述の流路チップ14の導入部141内に少なくとも一部が挿入される領域であり、第1領域121より貫通孔120に垂直な断面の外径が小さい領域である。当該第2領域122は、第1領域121側から離れるにしたがって径が細くなる円錐台状の基部122a(図6Eにおいて点線で囲んだ領域)と、当該基部122aの外周面から、第2領域122の径方向外側に張り出す凸部120bと、を有する。本実施の形態において、第2領域122の基部122aとは、後述の流路チップ14の導入部141の凹部1411と略相似状の円錐台状の領域とし、当該円錐台の外周面より径方向外側に突出する領域を凸部122bとする。
キャップ12の第2領域122の基部122aの中心軸CAに垂直な断面の外径は、導入部141の凹部1411の開口径に合わせて適宜設定される。本実施の形態では、キャップ12の第2領域122の基部122aの中心軸CAに垂直な断面の外径を、対応する流路チップ14の導入部141が有する凹部1411(図7参照)の開口径より大きくしている。第2領域の基部122aの外径をこのように設定すると、キャップ12の第2領域122を流路チップ14の導入部141(凹部1411)に挿入した後、キャップ12が抜け難くなり、流体がこれらの隙間から漏れ難くなる。ただし、キャップ12の第2領域122の基部122aの外径が過度に大きいと、キャップ12を流路チップ14の導入部141に挿入する際、第2領域122が後述の凹部122bを有していたとしても、キャップ12が変形しやすくなる。そこで、第2領域122の基部122aの外径は、キャップ12を流路チップ14の導入部141(凹部1411)に挿入した際、貫通孔120が変形しない程度とする。また、後述するが、本実施の形態では、流体取扱システム100を開状態とする際、キャップ12の第2領域122の少なくとも一部が、リザーバ11の開口部112の押圧領域112aの内部に収容される。そこで、第2領域122の基部122aの外径は、対応するリザーバ11の開口部112の押圧領域112aの開口径以下とする。
一方、キャップ12の第2領域122の凸部122bは、キャップ12を流路チップ14の導入部141(凹部1411)内に挿入する際の摩擦を低減するための構造であり、その形状は特に制限されない。
キャップ12の第2領域122の表面が平滑であると、キャップ12を流路チップ14の導入部141内に挿入する際、キャップ12の第2領域122の外周面と凹部1411の壁面との摩擦が大きく、キャップ12が変形することがある。この場合、貫通孔120が塞がったりして、流体が流動し難くなる。これに対し、第2領域122が凸部122aを有すると、流路チップ14の導入部141に挿入する際の摩擦を低減でき、キャップ12の変形等が抑制されやすくなる。
本実施の形態の凸部122bは、基部122aと同心円状の複数の円環状の凸条である。本実施の形態において、各凸条の幅は同一であるが、これらの幅は一定でなくてもよく、凸条ごとに異なっていてもよい。また、本実施の形態では、隣り合う凸条どうしの間隔が一定であるが、これらは一定でなくてもよい。さらに、各凸条の厚みは、キャップ12の第2領域122を、流路チップ14の導入部141(凹部1411)に挿入する際、ひっかかったりしない厚みであれば、特に制限されない。本実施の形態では、キャップ12の中心軸に平行に切断したときの凸条の断面の形状が略三角形であるが、当該断面の形状は半円状であってもよく、矩形状等であってもよい。
また、本実施の形態では、基部122aおよび凸部122bが一体に形成されているが、これらは別々に形成されていてもよい。例えば、基部122aの周囲に、Oリング等を複数配置してもよい。
ここで、キャップ12の第2領域122の高さは、後述する流路チップ14の導入部141の凹部1411の深さ等に応じて適宜設定される。本実施の形態では、キャップ12の第2領域122の高さが、後述の流路チップ14の導入部141の誘導部1413の高さより低くなるように設定されている。ただし、第2領域122の高さは、これに限定されない。
また、中心軸CAに垂直な断面における、第2領域122内の貫通孔120開口形状は、流体の種類や、所望の流体の流量、さらには後述する流路チップ14の導入部141(連絡流路1412)の形状に応じて適宜選択される。当該第2領域122における貫通孔120の開口形状は、第1領域121の貫通孔120の形状と同一であってもよく、異なっていてもよい。本実施の形態では、第2領域122の貫通孔120の中心軸CAに垂直な断面の開口形状を、円形状としており、第1領域121との接続部から第2領域122の先端まで、一定としている。
ここで、キャップ12は、可撓性を有する材料から構成され、当該材料は、公知のエラストマーであってもよい。エラストマー樹脂には、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とがあり、キャップ12は、いずれであってもよい。キャップ12に使用可能な熱硬化性エラストマー樹脂の例には、ポリウレタン系樹脂、ポリシリコーン系樹脂等が含まれ、熱可塑性エラストマー樹脂の例には、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が含まれる。オレフィン系樹脂の具体例としては、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。また、キャップ12の第1領域121および第2領域122は、同一の材料から構成されていてもよく、異なる材料から構成されていてもよい。ただし、製造しやすさ等の観点から、同一の材料からなることが好ましい。また、キャップ12は、例えば射出成形等により成形することができる。
また、流体取扱システム100における蓋部13は、上述のリザーバ11の収容部111内に流体を収容した際、収容部111の天面側から流体が漏出することを抑制可能な部材であればよい。当該蓋部13は、リザーバ11に着脱可能な構造を有するものであってもよく、リザーバ11に貼り合わせられたフィルム等であってもよい。蓋部13は、例えば、接着剤(ホットメルト型接着剤、感圧型接着剤など)によってリザーバ11に接着されたものとすることができる。
当該蓋部13は、上述の流体によって浸食されない材料からなる膜であればよく、その厚み等は適宜選択される。蓋部13を構成する材料の例には、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリエチレン、ポリプロピレン、およびシクロオレフィン樹脂等のポリオレフィン;ポリエーテル;ポリスチレン;シリコーン樹脂;ならびに各種エラストマー等の樹脂材料や、アルミニウム等の金属が含まれる。
蓋部13は、一部開口部を有していてもよく、当該開口部に上述のキャップ12と同様のキャップが配置されてもよい。蓋部13の開口部の形状は、上述のリザーバ11の開口部の形状と同様とすることができる。蓋部13に設けられた、キャップによって開閉可能な開口部は、空気穴、リザーバへの試薬の充填に用いる導入部などとして利用可能である。
図7に、図1のB−B線における本実施の形態のマイクロ流路チップ14の概略断面図を示す。本実施の形態の流路チップ14は、図7に示すように、流体を導入するための開口を有する導入部141と、導入部141から導入された流体を流動させるための流路142と、流体を排出するための排出部(図示せず)と、を有する。また、当該流路チップ14は、図7に示すように、本体部14aと、当該本体部の一方の面に貼り合わせられたフィルム14bとから構成されている。
本実施の形態の導入部141および排出部(図示せず)は、リザーバ11側に突出する円環状の誘導部1413と、当該誘導部1413に外周を囲まれた、上述のキャップ12を収容するための凹部1411と、これに連通する連絡流路1412と、を有する。
凹部1411は、上述のキャップ12を収容可能な形状であればよく、本実施の形態では、誘導部1413で構成される外周と底面とに囲まれた領域である。凹部1411の底面には連絡流路1412の一端が開口している。凹部1411の形状は、上述のキャップ12の第2領域122の基部122aの形状と相似形状であればよく、本実施の形態では、フィルム14bに近づくにしたがい、開口径が小さくなる略円錐台状である。ただし、凹部1411の形状は当該形状に制限されない。
また、誘導部1413は、リザーバ11側に突出する円環状の構造である。導入部141が誘導部1413を有すると、凹キャップ12を流路チップ14側に挿入する際の位置合わせ等が容易になる。また、当該誘導部1413は、キャップ12の第2領域122を流路チップ14の凹部1411内に挿入した後、キャップ12の外周面を支持する。したがって、導入部141が誘導部1413を有すると、キャップ12が変形したり折れたりし難くなる。
なお、本実施の形態では、誘導部1413が、キャップ12の側面の全周を囲む円環状の構造であるが、その一部に切り欠きを有していてもよい。またその高さは、キャップ12の第2領域122を流路チップ14の凹部1411に挿入する際、邪魔にならない高さであればよい。本実施の形態では、上述のように、誘導部1413の高さが、キャップ12の第2領域122の高さより高い。誘導部1413の高さのほうが、キャップ12の第2領域122の高さより高いと、キャップ12が、流路チップ14の連絡流路1412等に入り込み難い。したがって、流路が塞がり難く好ましい。
また、誘導部1413の厚みは特に制限されない。ただし、本実施の形態では、図3Aおよび図3Bに示すように、流体取扱システム100を開状態とする際、誘導部1413の外側にリザーバ11の開口部112の押圧領域112aの壁が配置される。したがって、本実施の形態では、リザーバ11の開口部112の押圧領域112a内に入り込むことが可能な厚さとする。
一方、導入部141や排出部に配置される連絡流路1412は、キャップ12の貫通孔120と流路チップ14の流路142とを繋ぐ、流路チップ14の本体部14aに設けられた貫通孔である。その開口径は、流体を所望の速度で移動させることが可能であれば、特に制限されない。本実施の形態では、連絡流路1412の径を、上述のキャップ12の貫通孔120の端部の開口径と略同等とする。
一方、流路142は、導入部141および排出部を繋ぐように本体部14a側に配置された溝と、フィルム14bとによって囲まれた領域である。当該流路142の幅や深さは特に制限されず、流体を所望の速度で移動させることが可能であれば特に制限されない。
ここで、流路チップ14における流路142の形状や、導入部141や排出部の位置は、流路チップ14の種類や用途に合わせて、適宜選択される。図8に、流路チップ14の本体部14aの底面図を示す。当該流路チップ14の本体部14aには、流体を導入するための第1の開口(以下、「第1導入口」とも称する)141aおよび第2の開口(以下、「第2開口部」とも称する)141b、流路チップ14から流体を排出するための排出用の開口(以下「排出部」とも称する)145と、これを繋ぐ第1溝部142a、第2溝部142b、および第3溝部142cと、が配置されている。当該流路チップ14では、フィルムと第1溝部142aとに囲まれた領域が第1流路となり、フィルムと第2溝部142bとに囲まれた領域が第2流路となり、フィルムと第3溝部142cとに囲まれた領域が第3流路となる。
このような構造を有する流路チップ14では、例えば第1導入口141aから第1の流体(本実施の形態ではサンプル)を導入し、第2導入口141bから第2の流体(本実施の形態では試薬)を導入する。そして、これらの流体を、第1流路および第2流路を通じて第3流路に流れ込ませ、第3の流路で反応させる。その後、当該反応物を、排出部145からリザーバ11の収容部111内に、キャップ12を介して移動させること等が可能である。
なお、上記本体部14aを構成する材料の例には、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリエチレン、ポリプロピレン、およびシクロオレフィン樹脂等のポリオレフィン;ポリエーテル;ポリスチレン;シリコーン樹脂;ならびに各種エラストマー等の樹脂材料等が含まれる。また、上記各構成を有する本体部14aは、例えば射出成形等により成形することができる。
ここで、本体部14aは、光透過性を有するものであってもよく、光透過性を有さないものであってもよい。本体部14aの表面とは反対側の面から流体を観察する場合等には、本体部21aが光透過性を有するように、材料が選択される。
一方、フィルム14bは、本体部14aを覆う平坦な膜とすることができる。フィルムは、流路チップ14内に導入する流体によって浸食されない材料からなる膜であればよく、その厚み等は適宜選択される。フィルムを構成する材料の例には、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリエチレン、ポリプロピレン、およびシクロオレフィン樹脂等のポリオレフィン;ポリエーテル;ポリスチレン;シリコーン樹脂;ならびに各種エラストマー等の樹脂材料等が含まれる。
上述の第3流路に流体を収容した状態で、フィルム側から流体の観察や分析を行う場合には、フィルムが光透過性を有するように、フィルムの材料が選択されている。ただし、本体部14aの表面とは反対側の面から流体を観察する場合や、流体の観察を行わない場合等には、フィルム14bが光透過性を有していなくてもよい。
また、本体部14aとフィルム14bとの接合は、熱融着や、接着剤による接着等、公知の方法で行うことができる。
一方、流体取扱システム100におけるスペーサ15は、リザーバ11と流路チップ14との間に十分な間隔をあけ、流体取扱システム100を閉状態とするとき、キャップ12の第1領域121が、リザーバ11の開口部112の開放領域112b側に押し込まれないように維持するための部材である。
当該スペーサ15は、流体取扱システム100に着脱可能に配置されていればよく、本実施の形態では、リザーバ11と流路チップ14との間に一方向から差し込み可能な櫛形形状の部材としている。ただし、スペーサ15の形状は当該形状に限定されない。また、本実施の形態では、リザーバ11と流路チップ14とが対向する領域の大部分にスペーサ15を配置しているが、リザーバ11と流路チップ14とが対向する領域の一部のみにスペーサ15を配置してもよい。
当該スペーサ15の厚みは、リザーバ11の開口部112の押圧領域112aに収容されたキャップ12の第1領域121が、リザーバ11の自重や、外部からの衝撃等によって、キャップ12が移動しないような厚みであればよい。
スペーサ15を構成する材料は、リザーバ11と流路チップ14との間隙を十分に維持することが可能であり、かつスペーサ15を引き抜くとき等に、リザーバ11や流路チップ14を破損したりすることがないものであれば特に制限されない。スペーサ15の材料の例には、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリエチレン、ポリプロピレン、およびシクロオレフィン樹脂等のポリオレフィン;ポリエーテル;ポリスチレンの樹脂材料等が含まれる。また、上記スペーサ15は、例えば射出成形等により成形することができる。
なお、本実施の形態の流体取扱システム100は、流体取扱システム100からスペーサ15を取り外した後にリザーバ11が流路チップ14から外れたり、流路チップ14に対する位置がずれたりしないよう、リザーバ11を支持するための支持部等をさらに有していてもよい。
(流体取扱方法)
上述の実施の形態の流体取扱システム100を用いた流体取扱方法を、以下、説明する。
まず、図2Aおよび図2Bに示すように、リザーバ11の開口部112と流路チップ14の導入口141とが対向するように配置する。そして、キャップ12の第1領域121を、リザーバ11の開口部112の押圧領域112a内に収容する。より具体的には、キャップ12の第1領域121を、その中心軸CAに向かって、かつひし形の短軸方向に沿って、二方向(図6Aにおいて、矢印で表す方向)から押圧した状態で、リザーバ11の押圧領域112aに収容する。一方、キャップ12の第2領域122の少なくとも一部を、流路チップ14の導入部141の凹部1411内に挿入する。ただし、流体取扱システム100の閉状態では、キャップ12の第2領域を、流路チップ14の導入部141の凹部1411内に必ずしも挿入する必要はなく、流体取扱装置100を開状態とする際に、キャップ12の第2領域122を流路チップ14の導入部141(凹部1411)内に挿入してもよい。
またこのとき、リザーバ11の自重によって、キャップ12がリザーバ11の収容部111側に押し込まれないように、リザーバ11と流路チップ14との間に、スペーサ15を配置する。
上述のように、流体取扱システム100を閉状態とした状態で、リザーバ11の収容部111内に、所望の流体を充填し、蓋部13により収容部111を密閉する。なお、上述した流路チップ14を用いる場合、3つの収容部111のうち、一つにサンプルを充填し、一つに試薬を充填し、残りの一つを流体回収用、すなわち空の状態とする。ただし、流路チップ14の用途によっては、全ての収容部111に流体を充填してもよい。また、予め各収容部111内に流体(試薬やサンプル)が充填されたリザーバ11を用いてもよい。
また、リザーバ11の収容部111に収容する流体の種類は特に制限されず、キャップ12の貫通孔120を介して、流路チップ14側に移動可能であれば特に制限されない。流体は、単一の成分を含んでいてもよく、複数の成分を含んでいてもよい、また、流体は液体に限定されず、例えば溶媒中に固体状の成分が分散されたものであってもよい。また、溶媒中に、当該溶媒と相溶しないドロップレット(液滴)等が分散された流体等であってもよい。
当該流体取扱システム100において、リザーバ11から流体を流路チップ14側に移動させる際には、図3Aおよび図3Bに示すように、スペーサ15を取り外し、キャップ12の第1領域121を開口部112の開放領域112b側に押し込む。なお、キャップ12の第1領域121をリザーバ11の開放領域112b側に押し込む方法としては、リザーバ11の自重を利用してもよい。また、ユーザがリザーバ11を重力方向下方に押しつけてもよい。さらには、各種器具により、流路チップ14とリザーバ11とを挟み込み、これらを互いに押しつけてもよい。当該操作により、キャップ12の貫通孔120が開き、リザーバ11の収容部111側から流路チップ14の導入部141側に流体が移動する。
なお、キャップ12の貫通孔120内における流体の流動を促進させるため、必要に応じて、流体が収容された収容部111内に圧力をかけたり、特定の収容部111から吸引したりしてもよい。
(効果)
上述の実施の形態に係る流体取扱システムによれば、流路チップの導入部に、キャップの第2領域を挿入した後、当該キャップを収容部側に押し込むだけで、収容部内に収容された流体を排出させることが可能である。また、収容部に複数の液体を収容しておけば、同時にこれらを排出させることも可能である。したがって、大がかりな装置を用いることなく、流体を流路チップに確実に供給することが可能である。また、当該流体取扱システムは、コストや作業効率の観点でも非常に有用である。また、流路チップの導入部に、キャップの第2領域を挿入した後、当該キャップを収容部側に押し込むと、リザーバの収容部内の内圧が上昇する。そのため、上昇した内圧によって収容部内に収容された流体が排出されやすくなる。
また、上述の流体取扱システムでは、キャップの第2領域が、凸部を有する。そのため、キャップの第2領域を流路チップの導入部に挿入する際の摩擦が少なく、キャップが折れたり曲がったりし難い。したがって、キャップの第2領域の貫通孔が閉塞し難く、確実に流体を流路チップ側に移動させることが可能である。
また、当該流体取扱システムでは、リザーバに流体を回収すること等も可能であり、各種流体の検査や分析を効率よく行うことが可能である。
(変形例)
上述の説明では、キャップの第2領域の凸部が複数の円環状の凸条とした。ただし、キャップの第2領域の凸部の形状は当該形状に限定されず、例えば、ランダムもしくは規則的に配置されたドット状や、第2領域の基部の周囲に配置されたらせん状の凸条等であってもよい。
また例えば、図9Aに示すように、凸部222bが、基部222aと同心円状に配置された、1つの円環状の凸条であってもよい。当該キャップ22の上面側の斜視図を図9Aに示し、図9Bに底面側の斜視図を示す。また、図9Cに、当該キャップ22の正面図を示し、図9Dに図9AのA−A線での断面図を示す。
図9Aに示すように、キャップ22の第2領域222の凸部222bが、1つの凸条からなる場合、当該凸条(凸部222b)は、第2領域222の高さ方向の略中央に形成することが好ましい。これにより、キャップ22の第2領域222を流路チップ14の導入部141(凹部1411)に挿入する際の摩擦が少なくなりやすく、キャップ22の変形等が抑制されやすくなる。なお、図9A〜図9Dには、厚さが一定であり、キャップ12の中心軸に平行に切断したときの断面が矩形状である凸条を例に示したが、凸条の厚さや断面形状はこれらに限定されない。例えば断面が三角形状や半円状等であってもよい。またその表面に凹凸等が形成されていてもよい。さらに、円環状の凸条の一部に切り欠きがあってもよい。
また、当該凸条(凸部222b)の幅も特に制限されず、キャップ22を流路チップ14の導入部141に挿入する際の所望の摩擦力に合わせて適宜設定可能である。さらに、図9A〜図9Dに示すキャップ22では、第2領域222の基部222aおよび凸部222bが一体に形成されているが、これらは別々に形成されていてもよい。例えば、基部222aの周囲に、Oリング等を凸部222bとして配置してもよい。なお、キャップ22の第1領域221、および第2領域222の基部222aについては、上述の説明におけるキャップ12の第1領域121、および第2領域121の基部122aと同様である。
一方、上述の説明では、キャップの第1領域および第2領域の接続部が略直角であったが、図10Aに示すように、キャップ32の第1領域321および第2領域323の接続部323は、R面取りされていてもよい。当該キャップ32の上面側の斜視図を図10Aに示し、図10Bに底面側の斜視図を示す。また、図10Cに、当該キャップ32の正面図を示し、図10Dに図10AのA−A線での断面図を示す。本明細書において、第1領域321と第2領域322との接続部323がR面取りされているとは、これらの接続部323が曲面で構成されるように加工されていることをいう。
第1領域321および第2領域322の接続部323がR面取りされていると、キャップ32を流路チップ14の導入部141(凹部1411)に挿入する際、第1領域321および第2領域322の接続部323に応力が集中し難くなる。したがって、キャップ32を挿入する際に、当該接続部323でキャップ32が折れ難くなり、より確実に流体をリザーバ11の収容部111から流路チップ14側に流動させやすくなる。なお、当該キャップ32の第1領域321、および第2領域322の基部322aについては、上述の説明におけるキャップ12の第1領域121、および第2領域121の基部122aと同様である。
また、上述の説明では、キャップの第2領域において、貫通孔の径が一定であったが、図11Aに示すように、キャップ42の第2領域422の貫通孔420の開口径が、第1領域421から離れるにしたがって大きくなるように設定されていてもよい。当該キャップ42の上面側の斜視図を図11Aに示し、図11Bに底面側の斜視図を示す。また、図11Cに、当該キャップ42の正面図を示し、図11Dに図11AのA−A線での断面図を示す。
流路チップ14の導入部141にキャップを挿入する際、凹部1411の壁面等に押圧されて、キャップの第2領域側で貫通孔が閉塞してしまうことがある。これに対し、図11Dに示すように、キャップ42の第2領域422の先端側の貫通孔420の開口径が大きいと、キャップ42が多少変形しても、貫通孔420が閉塞し難い。したがって、より確実に流体をリザーバ11の収容部111から流路チップ14側に流動させやすくなる。なお、図11Dでは、第2領域422の先端側のみ、貫通孔420の径が大きくなっている。ただし、第1領域421と第2領域422との接続部側から第2領域422の先端側にかけて、貫通孔420の径が変化していてもよい。なお、当該キャップ42の第1領域421、および第2領域422の基部422aについては、上述の説明におけるキャップ12の第1領域121、および第2領域121の基部122aと同様である。
また、上述の説明では、流路チップ14の導入部141がリザーバ側に突出する誘導部1413を有し、当該誘導部1413に囲まれた領域を凹部1411としていたが、流路チップ14の導入部141は、誘導部1413を必ずしも有さなくてもよい。平板状の流路チップ14に連絡流路1412と連通する凹みを設け、これを凹部1411としてもよい。
また、上述の説明では、リザーバ11の開口部112における開放領域112bが、当該開口部112の押圧領域112aよりリザーバ11の収容部側111に配置されていた。ただし、リザーバ11の開口部112において、押圧領域112aが、開放領域112bよりリザーバ11の収容部側111に配置されていてもよい。この場合、キャップ12を収容部111側から外部に向けて引っ張り、押圧領域112aに収容されていたキャップ12の第1領域121を開放領域112b側に移動させることで、流体取扱システム100を閉状態から開状態にすることが可能となる。
本発明の流体取扱システムおよびカートリッジは、例えば、各種流体の検査や分析等に適用可能である。
11 リザーバ
12、22、32、42 キャップ
13 蓋部
14 流路チップ
14a 本体部
14b フィルム
15 スペーサ
100 流体取扱システム
111 収容部
112 開口部
112a、212a 押圧領域
112b、212b 開放領域
120、220、320、420 貫通孔
121、221、321、421 第1領域
122、222、322、422 第2領域
122a、222a、322a、422a 基部
122b、222b 凸部
141 導入部
141a 第1導入口
141b 第2導入口
142 流路
142a 第1溝部
142b 第2溝部
142c 第3溝部
145 排出部
323 接続部
1411 凹部
1412 連絡流路
1413 誘導部

Claims (7)

  1. 流体を収容するための収容部、ならびに前記収容部の一部に配置された、前記収容部および外部を連通する開口部、を含むリザーバと、
    前記リザーバの前記開口部と対向するように配置された、流体を導入するための導入部、および前記導入部から導入された流体を流動させるための流路、を有する流路チップと、
    一端が前記リザーバの前記開口部内に嵌め込まれ、他端が前記流路チップの前記導入部内に嵌め込まれ、一端および他端を繋ぐ貫通孔を有し、可撓性を有するエラストマーからなるキャップと、
    を有する流体取扱システムであり、
    前記キャップが、
    前記リザーバの前記開口部内に挿入される第1領域と、
    前記第1領域に接続された、前記流路チップの前記導入部内に少なくとも一部が挿入される、前記第1領域より前記貫通孔に垂直な断面の外径が小さい第2領域と、
    を有し、
    前記キャップの前記第2領域は、前記第1領域から離れるにしたがい、径が細くなる基部と、前記基部の外周面から径方向外側に張り出す凸部と、を有し、
    前記リザーバの前記開口部が前記キャップの前記第1領域を、前記貫通孔が塞がるように押圧することで、前記収容部内の流体が前記キャップの前記貫通孔を介して外部に移動しない閉状態となり、
    前記キャップの前記第1領域を前記閉状態より前記リザーバの前記収容部側または前記流路チップ側に移動させることで、前記キャップの前記第1領域に対する押圧が解除されて、流体が、前記貫通孔を介して、前記リザーバの前記収容部から前記流路チップの前記導入部に向けて移動する開状態となる、
    流体取扱システム。
  2. 前記キャップの前記第2領域の前記凸部が、前記基部の外周を囲む環状の凸条である、
    請求項1に記載の流体取扱システム。
  3. 前記キャップの前記第2領域が、前記環状の凸条を複数有する、
    請求項2に記載の流体取扱システム。
  4. 前記キャップの前記第1領域および前記第2領域の接続部がR面取りされている、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体取扱システム。
  5. 前記キャップの前記第2領域において、前記貫通孔の開口径が前記第1領域から離れるにしたがって大きくなる、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体取扱システム。
  6. 前記流路チップの前記導入部が、前記リザーバ側に突出した、環状の誘導部を有する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体取扱システム。
  7. 流体を導入するための導入部を含む流路チップと組み合わせて使用されるカートリッジであって、
    流体を収容するための収容部、ならびに前記収容部の一部に配置された、前記収容部および外部を連通する開口部、を含むリザーバと、
    一端が前記リザーバの前記開口部内に嵌め込まれ、他端が前記流路チップの前記導入部内に嵌め込まれるように構成され、一端および他端を繋ぐ貫通孔を有し、可撓性を有するエラストマーからなるキャップと、
    を有するカートリッジであり、
    前記キャップが、
    前記リザーバの前記開口部内に挿入される第1領域と、
    前記第1領域に接続され、前記流路チップの前記導入部内に少なくとも一部が挿入されるように構成された、前記第1領域より前記貫通孔に垂直な断面の外径が小さい第2領域と、
    を有し、
    前記キャップの前記第2領域は、前記第1領域から離れるにしたがい、径が細くなる基部と、前記基部の外周面から径方向外側に張り出す凸部と、を有し、
    前記リザーバの前記開口部が前記キャップの前記第1領域を、前記貫通孔が塞がるように押圧することで、前記収容部内の流体が前記キャップの前記貫通孔を介して外部に移動しない閉状態となり、
    前記キャップの前記第1領域を前記閉状態より前記リザーバの前記収容部側または前記流路チップ側に移動させることで、前記キャップの前記第1領域に対する押圧が解除されて、流体が、前記貫通孔を介して、前記リザーバの前記収容部から前記流路チップの前記導入部に向けて移動する開状態となる、
    カートリッジ。
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