JP2020128232A - ディスペンサ - Google Patents

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上原 一之
Kazuyuki Uehara
一之 上原
徹也 石塚
Tetsuya Ishizuka
徹也 石塚
當麻 徹
Toru Toma
當麻  徹
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Yoshino Kogyosho Co Ltd
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Yoshino Kogyosho Co Ltd
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Abstract

【課題】吐出弁を備えるディスペンサにおいて、液垂れ抑制の機能をより確実に発揮することができるディスペンサを提供する。【解決手段】ディスペンサ(1)は、ポンプ室(11)と吐出口(12)との間に位置する吐出弁収容孔(29)と、吐出弁収容孔に収容され、弁体(50)を有する吐出弁(5)と、を備える。吐出弁収容孔(29)は、弁体(50)を収容する第1孔(29A)と、第1孔よりも径が大きく、段差(290)を介して第1孔(29A)に連続し、第1孔(29A)よりも液状物の吐出方向の下流側に位置する第2孔(29B)と、第2孔の内面(292)から隆起しており、第1孔(29A)に連続している隆起部(29C)と、を備える。ディスペンサは、液状物の吐出時に、弁体(50)が、第1孔(29A)から、第2孔(29B)のうち隆起部(29C)が設けられた領域に移動するように設けられている。【選択図】図7

Description

本発明は、ディスペンサに関する。
従来、液状物を吸入し吐出可能な装置が知られている。例えば、特許文献1に開示される注出容器は、底壁の周縁から起立した周壁を有するノズル付き部材と、ノズル付き部材の周壁の上端部に嵌着された弾性変形可能なドーム状圧搾部材とを備え、ノズル付き部材の周壁およびドーム状圧搾部材により貯留室が形成されている。ノズル付き部材はノズル筒を有し、ノズル筒の貯留室側の基端部に吐出弁が設けられている。ドーム状圧搾部材を圧搾すると、貯留室内が高圧化し、これによって吐出弁が開いて、加圧された貯留室内の流動体がノズル筒を通って外部へ注出される。上記圧搾を解放すると、貯留室内が負圧化し、これによって流動体が吸上げパイプを通って貯留室内に流入貯留される。
また、特許文献2に開示される注出容器は、液垂れ防止用の逆止弁を備える。この逆止弁は、吸入口と吐出口を有する弁室と、この内部を往復動する弁体と、弁体の外周面と接する弁座とからなる。逆止弁の吸入口に、注出ノズルを介して、液体が収納された袋が連結されている。弁室の上部に、拡大部が設けられている。弁室の下部に、筒部が設けられている。筒部は、所定長さにわたって、弁体の外周面と微小な間隙を保持する。液体の注出が終了し、弁体が筒部を移動する際、弁体が閉鎖栓となって弁室を上側の液体と下側の液体とに仕切る。この弁体の移動により、吐出口内に残留した液体の一部を弁室内に吸引させ、液垂れを防止することを図っている。
実開昭64−11970号公報 特開平8−133307号公報
本出願人らは、特許文献1に開示されるような、弾性変形可能な蓋部によりポンプ室が形成される形式のディスペンサにおいて、吐出弁として、特許文献2に開示されるような、液垂れ抑制の機能を有する逆止弁を採用することを着想した。しかし、特許文献2に記載された逆止弁においては、弁室の上部の拡大部と下部の筒部との間に段差がある。よって、液体の注出が終了し、弁体が拡大部から筒部へ向かって移動する際、上記段差に弁体が引っ掛かりうる。この場合、弁体の筒部への移動が遅れる。これにより、筒部の内部を弁体が弁座へ向けて移動することによる、吐出口内に残留した液体の吸引(すなわち液垂れ抑制)の機能が、十分に得られないおそれがあることを、本出願人らは、鋭意研究の結果、見出した。そこで、本発明は、液垂れ抑制の機能をより確実に発揮することができるディスペンサに関する。
上記課題を解決するために、本発明のある観点は、液状物を吸入し吐出口から吐出可能なディスペンサであって、凹部を有するディスペンサ本体と、凹部の開口部を覆い、凹部とともにポンプ室を形成する弾性変形可能な蓋部と、ポンプ室と吐出口との間に位置する吐出弁収容孔と、吐出弁収容孔に収容され、弁体を有する吐出弁と、を備え、吐出弁収容孔は、弁体を収容する第1孔と、第1孔よりも径が大きく、段差を介して第1孔に連続し、第1孔よりも液状物の吐出方向の下流側に位置する第2孔と、第2孔の内面から隆起しており、第1孔に連続している隆起部と、を備え、液状物の吐出時に、弁体が、第1孔から、第2孔のうち隆起部が設けられた領域に移動するように設けられている、ディスペンサに関する。
以上説明したように本発明によれば、液垂れ抑制の機能をより確実に発揮することができる。
本発明の第1の実施形態に係るディスペンサの斜視図である。 同実施形態に係るディスペンサの断面図である。 同実施形態に係るノズル部の正面図である。 同実施形態に係るノズル部の軸方向断面図(図3のIV−IV視に相当。)である。 同実施形態に係るノズル部の軸方向断面図(図3のV−V視に相当。)である。 同実施形態に係る吐出弁の動作(開弁時)を説明するための部分断面図である。 同実施形態に係る吐出弁の動作(閉弁時)を説明するための部分断面図である。 比較例に係る吐出弁の動作を説明するための部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るノズル部の正面図である。 同実施形態に係るノズル部の軸方向断面図(図9のX−X視に相当。)である。 同実施形態に係るノズル部の軸方向断面図(図9のXI−XI視に相当。)である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<第1の実施形態>
まず、構成を説明する。図1,2は、本実施形態のディスペンサ1の動作前(初期状態)における構成を示す。ディスペンサ1は、使用者の操作に応じて吐出口12から液状物を吐出可能な装置である。液状物は、ペースト状のものを含み、例えば、液体洗剤、柔軟剤、漂白剤、シャンプー、リンス、コンディショナー、ボディソープ、化粧液、薬剤、液体調味料等であってよい。ディスペンサ1は、所謂ポンプディスペンサであり、図2に示すように、吸入口10、ポンプ室11および吐出口12を有する。ディスペンサ1は、液状物をそのまま吐出してもよいし、液状物を霧化する機構を備え、霧状に吐出してもよい。
液状物は、ディスペンサ1と別体の容器100に収容されうる。容器100は、例えばボトル形状であり、ディスペンサ1に装着され、ディスペンサ1に液状物を供給する。互いに装着されたディスペンサ1と容器100のセットは、吐出容器として機能する。容器100の形態に応じて、ディスペンサ1の吸入口10に吸入管110が接続されてもよい。容器100として、収容する液状物の減少に伴って収縮する内層を備える所謂デラミ容器を用いる場合、ディスペンサ1に吸入管110が接続されなくてもよい。
ディスペンサ1は、ディスペンサ本体2、弾性部材3、吸入弁4、吐出弁5、押圧部材7および付勢ユニット8を備える。
図2に示すように、ディスペンサ本体2は、円盤部20、第1円筒部21A、第2円筒部21B、第3円筒部21C、第4円筒部21D、リブ22、ノズル部23および取っ手部24を有する。円盤部20、第1円筒部21A、第2円筒部21B、第3円筒部21Cおよび第4円筒部21Dは、共通の軸200を有する。以下、軸200に沿う方向で、第1円筒部21Aに対し円盤部20の側を上、円盤部20に対し第1円筒部21Aの側を下とも言う。ただし、上、下という語は、ディスペンサ1における相対的な位置関係を意味しており、鉛直方向の上下を必ずしも意味しない。
円盤部20は、上下方向から見て円形である。円盤部20には、時計皿状の凹部25が形成されている。凹部25は、円盤部20の上側に開口する。円盤部20の下面における外縁側には、有底円筒状の筒状部20Aが設けられている。筒状部20Aの軸は、円盤部20の径方向に延びている。筒状部20Aには、筒状部20Aと同軸に延びる流出通路28が形成されている。流出通路28は、円筒状であり、凹部25の径方向に延びている。流出通路28の軸方向一端は、円盤部20に形成された流出口28Aを介してポンプ室11に接続している。
第1円筒部21Aは、円盤部20の下面から突出している。第1円筒部21Aには、付勢ユニット収容孔26および吸入弁収容孔27が形成されている。付勢ユニット収容孔26は、円筒状であり、軸方向一端が凹部25の底面250に開口している。この開口部は、ポンプ室11への流入口として機能する。吸入弁収容孔27は、付勢ユニット収容孔26の軸方向他端に接続する。吸入弁収容孔27は、付勢ユニット収容孔26よりも小径の円筒状であり、第1円筒部21Aの下端の底部により画される。第1円筒部21Aの下端の底部に、吸入口10が開口する。吸入口10が吸入弁収容孔27と接続することで、吸入口10と凹部25とが連通している。すなわち、吸入口10から吸入弁収容孔27および付勢ユニット収容孔26を介して凹部25に接続する通路は、ポンプ室11への液状物の吸入通路として機能する。凹部25、付勢ユニット収容孔26、吸入弁収容孔27および吸入口10は、共通の軸を有し、この軸に沿って延びている。本実施形態において、この軸は、円盤部20等の軸200と一致している。図2は、軸200および筒状部20Aの軸を含む平面で切ったディスペンサ1の断面を示す。
第2円筒部21Bは、第1円筒部21Aの下端の底部から突出している。第2円筒部21Bは、吸入口10の周りを囲んでいる。第2円筒部21Bに吸入管110が接続されうる。第3円筒部21Cは、円盤部20の外縁から下方に延びている。第4円筒部21Dは、円盤部20の下面から突出し、第1円筒部21Aを取り囲んでいる。第4円筒部21Dは、容器100が取り付けられる取り付け部として機能する。第4円筒部21Dの内面にねじ部211が形成されている。使用者は、第1円筒部21Aの外面と第4円筒部21Dの内面との間の隙間に容器100の口頸部101を挿入し、回転させることで、第4円筒部21Dのねじ部211に口頸部101のねじ部を螺合させることができる。これにより、容器100がディスペンサ1に締結固定され装着されうる。
ノズル部23は、円盤部20の筒状部20Aの軸方向一端に接続しており、円盤部20の外縁から突出し、筒状部20Aと同軸上に、円盤部20の径方向に延びている。ノズル部23は、筒状部20Aよりも大径の円筒状である。ノズル部23には、吐出弁収容孔29が形成されている。吐出弁収容孔29は、段付きの円筒状であり、流出通路28と同軸上に、凹部25の径方向に延びている。吐出弁収容孔29の軸方向一端は、弁座280を介して、流出通路28の軸方向他端に接続している。吐出弁収容孔29の軸方向他端は、吐出口12に連続している。すなわち、ノズル部23の先端にはキャップ23Aが設置される。キャップ23Aの先端部に吐出口12が開口している。吐出弁収容孔29の軸方向他端には、キャップ23Aのうち吐出口12が形成された部分が嵌合する。流出通路28および吐出弁収容孔29は、ポンプ室11と吐出口12との間に位置しており、ポンプ室11からの吐出通路として機能する。
取っ手部24は、板状であり、円盤部20の外縁のうち軸200を挟んでノズル部23の反対側から突出している。取っ手部24は、円盤部20に対し吐出口12の側と反対側に位置する。取っ手部24は、円盤部20の径方向に延びてから折れ曲がり、下方に延びている。
リブ22は、軸200を挟んで2つ設けられ、円盤部20の略径方向に延びている。詳しくは、各リブ22は、ノズル部23と取っ手部24とを結ぶ方向に延びている。各リブ22は、第1部分221、第2部分および第3部分223を有する。第1部分221は、円盤部20の下面から突出しており、第3円筒部21Cに接続する。第2部分は、第1部分221に接続し、円盤部20の径方向外側に第3円筒部21Cの外面から突出している。各リブ22の第2部分は、ノズル部23を挟むように配置されている。第3部分223は、第1部分221に接続し、円盤部20の径方向外側に第3円筒部21Cの外面から突出している。第3部分223は、取っ手部24の下面に沿って延びており、取っ手部24を補強する。
弾性部材3は、円盤部20の上側に設置される。弾性部材3は、例えば合成樹脂を材料として形成されており、可撓性を有する。弾性部材3は、蓋部30、フランジ部31および環状突起32を有する。蓋部30は、弾性変形可能な膜状の部分であり、所定の弾性を有する。蓋部30は、凹部25の開口部を覆い、凹部25とともにポンプ室11を形成する。蓋部30が変形する前の初期状態において、蓋部30は、凹部25の開口部に対し上側、すなわち凹部25の底面250から離れる側に膨らむドーム状であって、例えば球面の一部を切り取った曲面状である。蓋部30は、上側から見た平面視で円形状であるが、楕円状等であってもよい。蓋部30の下面の中央部から、円筒状の係止部34が突出している。フランジ部31は、蓋部30の外周を囲む板状の接続部である。環状突起32は、蓋部30の外周を囲む環状であり、フランジ部31の下面から突出している。フランジ部31の一部および環状突起32が、円盤部20において凹部25を囲んで形成された環状溝に嵌合する。これにより、弾性部材3が円盤部20に取り付けられ、蓋部30が凹部25の開口部を閉塞する。
押圧部材7は、蓋部30を挟んでポンプ室11の反対側に、蓋部30の上面に対向して配置されている。押圧部材7は、レバー(梃子)71と一体に設けられており、例えば合成樹脂を材料としてレバー71と一体に成形される。レバー71は、板状であり、長手方向一端にヒンジ部71Aを有し、長手方向他端に把持部71Bを有する。ヒンジ部71Aは、レバー71の板幅方向両側にそれぞれあり、ノズル部23および各リブ22の第2部分を跨いで挟んでいる。ヒンジ部71Aは、レバー71の支点として機能する。把持部71Bは、レバー71の回転方向でディスペンサ本体2の取っ手部24に対向する。把持部71Bは、レバー71の力点として機能する。例えば使用者が片手で、人差し指その他の指により取っ手部24を把持した状態で、親指により把持部71Bを押圧することできる。
押圧部材7は、押圧部70を有する。押圧部70は、レバー71におけるヒンジ部71Aと把持部71Bとの間に設けられ、レバー71の下面から突出している。押圧部70は、レバー71の回転方向で蓋部30に対向する。押圧部70は、複数、例えば7枚の板部701からなる。各板部701は、レバー71の下面に対して直角方向に広がり、レバー71の長手方向に延びている。各板部701の先端を共通して通る仮想の包絡面を想定できる。この包絡面は、例えば球面の一部を切り取った曲面状である。上記包絡面の少なくとも一部は、凹部25の底面250に沿った形状であり、例えば底面250と等しい曲率を有する。
付勢ユニット8は、第1支持部材81、第2支持部材82およびコイルスプリング80を有する。両支持部材81,82は、コイルスプリング80の軸方向に沿って、互いにスライド可能である。コイルスプリング80は、第1支持部材81のフランジ部810と、第2支持部材82のフランジ部820との間に、常時押し縮められた状態で設置される。第2支持部材82は、付勢ユニット収容孔26に設置される。第1支持部材81のフランジ部810は、蓋部30に対向しており、蓋部30に接触しうる。第1支持部材81のフランジ部810の内周に、蓋部30の係止部34が嵌合する。これにより、蓋部30の径方向における第1支持部材81の移動が規制される。
吸入弁4は、合成樹脂製のディスク弁であり、吸入弁収容孔27に設置される。吸入弁4は、弁体と、戻しばねと、基体とを一体に有する。基体は、円筒状の部分であり、吸入弁収容孔27の内周面に対向して配置される。弁体は、ディスク状の部分であり、基体の内側に配置される。戻しばねは、基体の内周に沿って延びる線状の部分であり、一端が基体に接続され、他端が弁体に接続されている。戻しばねは、基体の周方向に複数(例えば3つ)並んで設けられている。吸入弁4の弁体は、吸入口10を塞ぐように、第1円筒部21Aの下端の底部に設置される。第1円筒部21Aの内部の圧力が第2円筒部21Bの内部の圧力よりも低くなり、それらの圧力差による推力が、上記戻しばねの付勢力を上回ると、弁体が第1円筒部21Aの上記底部から離れ、吸入口10が開く。第1円筒部21Aの内部の圧力が上昇し、上記圧力差による推力が、上記戻しばねの付勢力を下回ると、弁体が第1円筒部21Aの上記底部に接し、吸入口10が閉じる。第1円筒部21Aの内部の圧力が第2円筒部21Bの内部の圧力以上のとき、吸入口10が閉じた上記状態が保たれる。
吐出弁5は、ボール弁であり、ボール形状の弁体50と、戻しばね51を有する。吐出弁5は、吐出弁収容孔29に収容される。弁体50は、第1孔29Aに収容され、弁座280に着座することで、吐出通路(流出通路28,吐出弁収容孔29)におけるポンプ室11と吐出口12との間を塞ぐ。戻しばね51は、コイルスプリングであり、キャップ23Aと弁体50との間に押し縮められた状態で設置され、弁体50を弁座280に向けて常時付勢する。
以下、図3〜5を参照して、吐出弁収容孔29について説明する。図3は、キャップ23Aが外された状態のノズル部23を、吐出口12の側から見た正面図である。吐出弁収容孔29は、第1孔29Aおよび第2孔29Bを備える。第1孔29Aおよび第2孔29Bは、円筒状であり、共通の軸29Eを有する。この軸29Eは、流出通路28の軸と共通である。図4,5は、軸29Eを含む平面で切ったノズル部23等の断面を、吐出弁5を省略して示す。
第1孔29Aは、弁座280に連続する。弁体50は、第1孔29Aに収容され、第1孔29Aの内部を、軸29Eに沿う方向に往復移動可能である。第1孔29Aの径は、吐出弁5の弁体50の径よりも所定値だけ大きい。この所定値は、第1孔29Aの内部を弁体50が円滑に移動可能である限り、第1孔29Aと弁体50との間の隙間ができるだけ小さくなり、この隙間を通る液状物の流通が抑制されるような値に設定されることが好ましい。例えば、上記所定値を、液状物の粘度が高いときは低いときよりも、大きい値に調整してもよい。
第2孔29Bは、第1孔29Aよりも吐出口12の側、すなわち液状物の吐出方向の下流側に位置しており、第1孔29Aよりも径が大きく、段差290を介して第1孔29Aに連続する。軸29Eに沿って第1孔29Aから第2孔29Bに向かうにつれて徐々に径(すなわち軸29Eに直交する方向における段差290の径)が大きくなるように、段差290が設けられている。すなわち、段差290は、第1孔29Aの内面291および第2孔29Bの内面292に対して所定の勾配を有する。第2孔29Bの内壁には、隆起部29Cが設けられている。隆起部29Cは、第2孔29Bの内面292から隆起し、第1孔29Aに連続する。隆起部29Cは、第2孔29Bの内周のうち下側、すなわち、軸29Eを挟んで押圧部材7と反対の側、言い換えると、蓋部30に対して凹部25の底面250の側に設けられている。さらに言い換えると、隆起部29Cは、軸29Eに対して、容器100が取り付けられる第4円筒部21Dの側に設けられている。
隆起部29Cが有する複数の面のうち、第2孔29Bの内面292からの距離(高さ)が他の面よりも大きい、言い換えると軸29Eからの距離が他の面よりも小さい、ひとまとまりの面を、隆起部29Cの頂面293という。頂面293は、軸29Eに沿って延びている。頂面293の、軸29Eの周り方向における曲率は、第1孔29Aの内面291の上記曲率に等しい。図3に示すように、軸29Eに沿う方向から見て、頂面293と第1孔29Aの内面291は重なっている。頂面293は、第1孔29Aの内面291に、滑らかに、言い換えると段差なく、連続している。頂面293は、軸29Eの周り方向において30度以上の範囲、具体的には略90度の範囲にわたって広がっている。軸29Eの周り方向において頂面293が占める角度θは、略90度である。軸29Eに沿う方向における頂面293の寸法は、通常の使用状態で戻しばね51が最大限縮んだときにも、軸29Eに沿う方向で弁体50の中心が頂面293と重なるような寸法、言い換えると弁体50の外周面が頂面293と接しうるような寸法に設定される。
隆起部29Cが有する複数の面のうち、軸29Eの周り方向で頂面293の両側にある面を、側面294という。側面294は、円盤部20等の軸200に直交する平面である。隆起部29Cが有する複数の面のうち、軸29Eに沿う方向で頂面293に対して吐出口12の側にある面を、先端面295という。頂面293から吐出口12の側に向かうにつれて徐々に径(すなわち軸29Eに直交する方向において互いに対向する先端面295と第2孔29Bの内面292との間の距離)が大きくなるように、先端面295が設けられている。すなわち、先端面295は、頂面293および第2孔29Bの内面292に対して所定の勾配を有する。先端面295の上記勾配は、段差290の上記勾配よりも小さい。
以下、ディスペンサ1の動作を説明する。押圧部材7が操作されると、すなわちレバー71の把持部71Bが初期位置から押下げられると、押圧部70がレバー71の作用点として機能し、蓋部30を下方へ押圧する。押圧部70は、蓋部30を、凹部25の底面250に向かう側、すなわちポンプ室11の容積が小さくなる側に押圧して弾性変形させる。複数の板部701は、それらの包絡面が先端面である1つの凸部として機能する。蓋部30は、上記包絡面に倣う形状、すなわちポンプ室11の内部に向かって凸の曲面状に変形する。蓋部30が変形してポンプ室11の容積が小さくなると、ポンプ室11の内部の圧力が、外部の圧力、例えば大気圧よりも高くなる。吸入弁4が閉じ、吐出弁5が開いて、ポンプ室11から吐出通路28,29を通って液状物が吐出口12から吐出される。使用者は、押圧部材7の操作量すなわちレバー71の押下げ量を調整することで、吐出量を適宜調整可能である。
レバー71が円盤部20の上面に沿う位置まで押し下げられると、それ以上のレバー71の変位が抑制される。このときの押圧部材7の位置が最大ストローク位置となる。なお、レバー71の変位量の上限を規制するためのストッパが別途設けられてもよい。最大ストローク位置で、蓋部30と凹部25の底面250との間の隙間は最小となり、蓋部30の下面は底面250に沿う。把持部71Bが初期位置に向けて戻されると、押圧部70が上方へ変位し、蓋部30の弾性復元力および付勢ユニット8の付勢力により蓋部30が初期状態へ向けて弾性変形することで、ポンプ室11の容積が大きくなる。ポンプ室11の内部の圧力が、外部の圧力よりも低くなる。吐出弁5が閉じ、吸入弁4が開いて、容器100から吸入通路を通って液状物がポンプ室11に吸入される。
次に、図6,7を参照して、吐出弁5の動作、すなわち吐出弁収容孔29の内部における弁体50の移動について説明する。図6,7は、それぞれ図4,5と同様にノズル部23等の断面を示しており、吐出弁5の戻しばね51を省略して弁体50のみを示す。
レバー71が押下げられると、ポンプ室11の容積が小さくなることで、吐出通路におけるポンプ室11の側、すなわち流出通路28の圧力が高くなる。この圧力による推力が、吐出弁収容孔29の圧力による推力と戻しばね51の付勢力との合計を上回ると、戻しばね51が縮み、吐出弁5の弁体50は、弁座280から離れて第1孔29Aの内部を移動し、さらに、図6において太い矢印で示すように、第1孔29Aから第2孔29Bへ移動する。弁体50が、第1孔29Aを超えて、第2孔29Bまで移動すると、吐出弁5が実質的に開く。図6において一点鎖線の矢印で示すように、流出通路28からの液状物は、第2孔29Bと弁体50との間の隙間を通って吐出口12の側へ流出する。これにより、ポンプ室11からの液状物が吐出口12から吐出される。
このとき、弁体50は、第2孔29Bのうち、第1孔29Aに連続する隆起部29Cの上を移動する。すなわち、隆起部29Cは、第2孔29Bのうち、第2孔29Bの軸29Eを挟んで第4円筒部21Dの側、すなわち容器100の側に設けられている。ディスペンサ1と容器100とが互いに装着された吐出容器は、容器100の側が鉛直方向下側となるように使用されうる。よって、隆起部29Cは、第2孔29Bにおいて鉛直方向下側に位置しうる。そして、弁体50が、隆起部29Cの頂面293の上にとどまり、隆起部29Cの先端面295の上まで移動しないように、戻しばね51の最大縮み量、または、軸29Eに沿う方向における頂面293の寸法等が、設定されている。よって、吐出弁5の動作中に弁体50が接触可能な領域が、第1孔29Aの内面291および隆起部29Cの頂面293に限られ、第2孔29Bの内面292に弁体50が接触することが抑制される。
レバー71が戻されると、ポンプ室11の容積が大きくなることで、吐出通路におけるポンプ室11の側、すなわち流出通路28の圧力が低くなる。この圧力による推力が、第2孔29Bの圧力による推力と戻しばね51の付勢力との合計を下回ると、弁体50は、第2孔29Bから第1孔29Aへ移動する。これにより、吐出弁5が実質的に閉じ、吐出通路におけるポンプ室11と吐出口12との間の連通が遮断される。図7において太い矢印で示すように、弁体50が第1孔29Aの内部を弁座280へ向けて移動する間、第1孔29Aと弁体50との間の隙間は十分に小さいため、この隙間を通る液状物の流通は抑制される。よって、第2孔29Bにおける液状物の一部は、弁体50の上記移動とともに第1孔29Aに引き込まれる。言い換えると、第1孔29Aと第2孔29Bとの間に径の差があることで、第1孔29Aにおいて弁体50がいわばピストンとして機能し、吐出口12から弁体50までの間にある液状物を吐出弁収容孔29の内部に引き込む。これにより吐出口12から外部に液状物が漏れ出すこと(液垂れ)が抑制されうる。弁体50は、最終的に弁座280に着座する。なお、ディスペンサ1は、取っ手部24を備えなくてもよい。
以下、第2孔29Bに隆起部29Cを設けたことによる利点を、比較例を用いて説明する。図8は、比較例のノズル部23等の、図4と同様の断面を示す。比較例では、第2孔29Bに隆起部29Cが設けられていない。第1孔29Aと第2孔29Bとの間の径の差により、吐出弁収容孔29には内面の全周にわたって段差290がある。図8に示すように、比較例では、液状物の吐出が終了し、弁体50が第2孔29Bから第1孔29Aへ向かって移動する際、段差290に弁体50が引っ掛かりうる。これにより、第1孔29Aへ向かう弁体50の移動が遅れ、第1孔29Aの内部を弁体50が弁座280へ向けて移動することによる液状物の引き込み(すなわち液垂れ抑制)の機能が十分に得られないおそれがある。これに対し、本実施形態のディスペンサ1では、吐出弁収容孔29は、隆起部29Cを備える。隆起部29Cは、第2孔29Bの内面292から隆起し、第1孔29Aに連続する。そして、液状物の吐出時には弁体50が、第1孔29Aから、第2孔29Bのうち隆起部29Cが設けられた領域に移動するように設けられている。よって、液状物の吐出が終了し、弁体50が第2孔29Bから第1孔29Aへ戻る際、弁体50が隆起部29Cに沿って移動することで、段差290に引っ掛かることが抑制される。これにより、弁体50の戻りが円滑化され、第1孔29Aの内部を弁体50が移動することによる液状物の引き込み(すなわち液垂れ抑制)の機能をより確実に発揮することができる。なお、第2孔29Bの径を、第2孔29Bと第1孔29Aとの接続部位から吐出口12の側へ向かうにつれて徐々に大きくすることで、段差290をなくすことも考えられる。しかし、この場合、弁体50が第2孔29Bに移動した後にさらに吐出口12の側へ所定距離移動しなければ、弁体50と第2孔29Bとの間の隙間が、吐出流量を十分に確保できる大きさにならない。これに対し、段差290を設けることで、弁体50が第2孔29Bに移動した直後に上記隙間を大きくして吐出流量を十分に確保することが可能となる。
吐出弁5は、吐出弁収容孔29に設けられ、弁体50が着座可能な弁座280と、弁体50を弁座280に向けて付勢する戻しばね51とを備えてよい。この場合、図8に示すように、仮に隆起部29Cがない場合を想定すると、ポンプ室11の拡張時、弁体50が第2孔29Bから第1孔29Aへ向かって移動する際、段差290に弁体50が引っ掛かりうる。これにより、第1孔29Aへ向かう弁体50の移動が遅れ、一点鎖線の矢印で示すように、吐出口12からエアをポンプ室11の側に吸い込んでしまうおそれがある。これに対し、ディスペンサ1は、吐出弁収容孔29が隆起部29Cを備え、液状物の吐出時に、戻しばね51が縮み、弁体50が、第2孔29Bのうち隆起部29Cが設けられた領域に移動するように設けられていてよい。これにより、上記のように弁体50が段差290に引っ掛かることが抑制され、弁体50の戻りが円滑化されることで、吐出弁5の閉弁時のレスポンスが向上し、エアの吸い込みを防止できる。なお、ディスペンサ1は、ポンプ室11を備えなくてもよい。
吐出弁収容孔29の第1孔29Aおよび第2孔29Bの軸29Eは、ディスペンサ1の通常の使用時に、水平方向に延びているか、または、吐出口12へ向かうにつれて鉛直方向下側へ向かうように、水平方向に対し傾いて延びていてよい。この場合、弁体50が第2孔29Bから第1孔29Aへ向かって移動する際、弁体50に重力が鉛直方向下側に作用するため、軸29Eの周り方向で鉛直方向下側に位置する段差290に弁体50が引っ掛かりやすい。よって、ディスペンサ1の使用時に隆起部29Cが鉛直方向下側に位置するように設けることで、吐出弁5の作動時に、弁体50を隆起部29Cの頂面293の上を移動させ、隆起部29Cによる上記利点をより効果的に得ることができる。
ディスペンサ1は、液状物を収容する容器100が取り付けられる取り付け部としての第4円筒部21Dを備えてよい。この取り付け部を介して互いに装着されたディスペンサ1と容器100は、吐出容器として機能しうる。吐出容器は、容器100の側が鉛直方向下側となるように使用されるべく設計されてよい。隆起部29Cは、第2孔29Bの軸29Eに対して取り付け部としての第4円筒部21Dの側に設けられていてよい。この場合、隆起部29Cは、ディスペンサ1の使用時に鉛直方向下側に位置しうる。吐出弁5の作動時に、弁体50は、自重により鉛直方向下側に位置しようとするため、隆起部29Cの頂面293の上を移動することになる。よって、隆起部29Cによる上記利点をより確実に得ることができる。なお、第4円筒部21Dへの容器100の取り付け方法は、螺合に限らず、係合や圧着等によってもよい。
なお、ディスペンサ1の使用時に隆起部29Cが鉛直方向下側に位置するための構成は、隆起部29Cと取り付け部との上記位置関係に限らない。例えば、ディスペンサ1が、ポンプ室11を備える場合、ポンプ室11を圧縮するための押圧部材7をさらに備え、隆起部29Cは、第2孔29Bの軸29Eを挟んで押圧部材7と反対の側に設けられていてよい。ディスペンサ1は、押圧部材7の側が鉛直方向上側となるように使用されるべく設計されてよい。この場合、ディスペンサ1の使用時に、押圧部材7を用いることでポンプ室11がより効率的に圧縮されうるとともに、隆起部29Cは、鉛直方向下側に位置しうる。よって、隆起部29Cによる上記利点をより確実に得ることができる。なお、押圧部材7は、押圧部70を備えていればよく、レバー71を備えなくてもよい。また、ディスペンサ1は、押圧部材7を備えなくてもよい。
また、ディスペンサ1は、凹部25を有するディスペンサ本体2と、凹部25の開口部を覆い、凹部25とともにポンプ室11を形成する弾性変形可能な蓋部30とを備えてよい。このように弾性変形可能な蓋部30によりポンプ室11が形成される場合、ポンプ室11の径を大きくすることができるため、蓋部30および凹部25の軸200に沿う方向におけるディスペンサ1の大型化を抑制しつつ、一回の操作により取り出し可能な液状物の量を多くすることができる。蓋部30は、ディスペンサ1の通常の使用時に、鉛直方向上側に面するのが通常である。よって、第2孔29Bの内面292のうち、蓋部30に対する凹部25の底面250の側に隆起部29Cを設けてもよい。これにより、ディスペンサ1の使用時に、隆起部29Cが鉛直方向下側に位置するようになり、隆起部29Cによる上記利点をより確実に得ることができる。また、ポンプ室11の中心軸である軸200に対し直交する方向に、吐出弁収容孔29の第1孔29Aおよび第2孔29Bが延びていてもよい。この場合、ディスペンサ1の使用時に、第1孔29Aおよび第2孔29Bの軸29Eが、水平方向に延びていることになりやすいため、段差290に弁体50が引っ掛かりやすい。よって、隆起部29Cによる上記利点を効果的に得ることができる。蓋部30は、凹部25の側と反対側に膨出するドーム状であってもよい。すなわち、ディスペンサ1のポンプ室11は、いわゆるドーム形状ポンプであってよい。これにより、ディスペンサ1の大型化を抑制しつつ、一回の操作により取り出し可能な液状物の量をより効果的に多くすることができる。なお、ポンプ室11の形態は、ドーム形状ポンプに限られず、弾性変形可能な蓋部30は、凹部25の側と反対側に膨出していなくてもよい。また、ポンプ室11の容積を可変とするための部材は、弾性部材3に限らず、ピストン等でもよい。ポンプ室11の上記中心軸は、ポンプ室11の容積を可変とするための上記部材の変形または移動の方向に沿って見たときのポンプ室11の中心を通り、上記変形または移動の方向に沿う線であってよい。
隆起部29Cの頂面293は、第1孔29Aの内面291に滑らかに連続してよい。この場合、弁体50が隆起部29Cから第1孔29Aへ移動する際、隆起部29Cの頂面293と第1孔29Aの内面291との間の段差290に弁体50が引っ掛かることが、抑制される。これにより、弁体50の戻りがより円滑化される。なお、隆起部29Cの頂面293と第1孔29Aの内面291との間に段差があってもよい。言い換えると、隆起部29Cは、段差を介して第1孔29Aに連続していてもよい。隆起部29Cは、第2孔29Bの内面292から隆起しているため、隆起部29Cの頂面293と第1孔29Aの内面291との間の段差は、第2孔29Bの内面292と第1孔29Aの内面291との間の段差290よりも小さい。よって、上記引っ掛かりを容易に抑制できる。この場合、隆起部29Cの頂面293と第1孔29Aの内面291との間の段差の勾配が、段差290の勾配よりも小さいことが、上記引っ掛かりの抑制という観点からは、好ましい。
隆起部29Cの頂面293のうち弁体50が接触可能な領域は、第1孔29Aの軸29Eに沿う方向に延びていてよい。この場合、第1孔29Aにおける弁体50の移動方向と隆起部29Cにおける弁体50の移動方向との差が小さくなるため、弁体50の移動がより円滑化される。隆起部29Cの頂面293のうち弁体50が接触可能な領域は、第2孔29Bの軸29Eに沿う方向に延びていてよい。この場合、弁体50が隆起部29Cに沿って吐出口12の側に向かう間、第2孔29Bと弁体50との間の隙間が変化することを抑制できるため、弁体50が安定的に動作することが可能である。なお、隆起部29Cの頂面293のうち弁体50が接触可能な領域が、第2孔29Bの軸29Eに対して所定の勾配を有していてもよい。この場合、第1孔29Aの側から吐出口12の側に向かうにつれて徐々に径(すなわち軸29Eに直交する方向において互いに対向する隆起部29Cの頂面293と第2孔29Bの内面292との間の距離)が大きくなるように、または小さくなるように、隆起部29Cの頂面293が設けられていてよい。特に、徐々に径が大きくなるように隆起部29Cの頂面293が設けられている場合、弁体50が隆起部29Cに沿って吐出口12の側に向かうにつれて、第2孔29Bと弁体50との間の隙間が全体として大きくなるため、この隙間を通る液状物の吐出を円滑化することができる。この場合でも、隆起部29Cの頂面293の勾配が段差290の勾配よりも小さいことにより、弁体50の第2孔29Bから第1孔29Aへの移動を円滑化することができる。
隆起部29Cの頂面293のうち弁体50が接触可能な領域の、第2孔29Bの軸29Eに直交する断面は、凹状、すなわち軸29Eから離れる方向に凹む形状であってよい。この場合、軸29Eの周り方向で弁体50が上記領域の端から脱落することを抑制できる。例えば、上記断面の曲率は、弁体50の外周面の曲率と等しくてよい。この場合、軸29Eの周り方向において上記領域に対する弁体50の接触範囲が増大することで、上記領域が弁体50を保持しまたはガイドする性能を向上できる。隆起部29Cの頂面293の、第2孔29Bの軸29Eの周り方向における曲率は、第1孔29Aの内面の、第1孔29Aの軸29Eの周り方向における曲率に等しくてよい。この場合、弁体50が第1孔29Aから第2孔29Bの隆起部29Cへ移行する際、弁体50の移動方向が変化することを抑制できるため、弁体50が安定的に動作することが可能である。なお、上記断面は、凹状に限らず、例えば直線状であってもよい。言い換えると、隆起部29Cの頂面293のうち弁体50が接触可能な領域は、曲面状に限らず、平面状であってもよい。この場合でも、ディスペンサ1の使用時に上記領域の幅方向(すなわち軸29Eの周り方向)断面が水平方向に延びるように配置されていれば、弁体50が隆起部29Cの頂面293の上を移動する際、弁体50が上記領域の幅方向で偏って位置することが抑制されるため、弁体50が安定的に動作することが可能である。
隆起部29Cの頂面293のうち弁体50が接触可能な領域は、第2孔29Bの軸29Eの周り方向において30度以上の範囲にわたって延びていてよい。この場合、ディスペンサ1または吐出容器が鉛直方向に対し多少傾いて、すなわち第2孔29Bの軸29Eの周り方向における隆起部29Cの中心が鉛直線からズレた状態で使用された場合でも、自重により鉛直方向下側に位置しようとする弁体50が、隆起部29Cの頂面293の上に位置することになる。よって、隆起部29Cによる上記利点をより確実に得ることができる。この観点からは、頂面293のうち弁体50が接触可能な領域が軸29Eの周り方向に占める角度範囲θは、60度以上がより好ましい。一方、弁体50が、第2孔29Bのうち隆起部29Cが設けられた領域にあるとき、第2孔29Bと弁体50との間の隙間を確保してこの隙間を通る流体物の吐出を円滑化する、という観点からは、上記角度範囲θは、180度以下が好ましい。
なお、隆起部29Cの形状は任意であり、例えば、第1孔29Aの側から吐出口12へ向かうにつれて、隆起部29Cの幅(すなわち軸29Eの周り方向における寸法)が小さくなる形状でもよい。また、隆起部29Cは、ノズル部23と一体に形成されていなくてもよく、例えばノズル部23とは別の部材が吐出弁収容孔29に組付けられることで隆起部29Cが形成されてもよい。
<第2の実施形態>
図9〜11は、本実施形態のディスペンサ1の構成を示す、それぞれ図3〜5と同様の図である。以下、第1の実施形態と共通する構成については、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
隆起部29Cは、第2孔29Bの軸29Eの周り方向において複数、具体的には3つ設けられている。軸29Eの周り方向において、各隆起部29Cは、120度の等間隔で配置されている。第2孔29Bの軸29Eに対して、取り付け部としての第4円筒部21Dの側(押圧部材7の側と反対側)に2つの隆起部29Cが設けられており、これら2つの隆起部29Cは、軸29Eを通り鉛直方向に延びる面に対して対称に配置されている。第2孔29Bの軸29Eに対して押圧部材7の側(取り付け部の側と反対側)に1つの隆起部29Cが設けられており、この隆起部29Cは、軸29Eを通り鉛直方向に延びる面と交差している。軸29Eを通る任意の平面を挟んで両側に少なくとも1つの隆起部29Cがある。各隆起部29Cの幅、すなわち軸29Eの周り方向における寸法は、第1実施形態の隆起部29Cの上記幅よりも小さい。
このように、隆起部29Cは、第2孔29Bの軸29Eの周り方向において複数設けられていてよい。これにより、弁体50が、第2孔29Bのうち隆起部29Cが設けられた領域にあるとき、弁体50と第2孔29Bの内面292との間の隙間が軸の周り方向で偏在することを抑制し、上記隙間を通る流体物の吐出を安定化できる。また、各隆起部29Cの幅を小さくすることで、弁体50が、第2孔29Bのうち隆起部29Cが設けられた領域にあるとき、弁体50を隆起部29Cに沿って移動させつつ、弁体50と第2孔29Bの内面292との間の隙間を全体として大きく確保することが容易である。なお、弁体50が、第2孔29Bのうち隆起部29Cが設けられた領域に位置しているとき、第2孔29Bの内面292と弁体50との間の隙間において隆起部29Cが占める割合は、各隆起部29Cの強度を確保し、弁体50を支持する性能を確保するという観点からは、8%以上が好ましく、液状物の円滑な吐出を妨げないという観点からは、50%以下が好ましい。
また、隆起部29Cが上記のように複数あることで、軸29Eの周り方向における隆起部29Cのレイアウト自由度を向上できる。例えば、軸29Eの周り方向において隆起部29Cが分布する範囲を拡大することできる。この場合、ディスペンサ1または吐出容器が鉛直方向に対し多少傾いて使用された場合でも、弁体50がいずれかの隆起部29Cの頂面293の上を移動するように、隆起部29Cを配置することが容易である。よって、隆起部29Cによる上記利点をより確実に得ることができる。なお、隆起部29Cの数は、3に限らず、例えば2または4等でもよい。また、各隆起部29Cが延びる方向は、第2孔29Bの軸29Eに沿う方向に対して傾いていてもよい。例えば、軸29Eの周り方向で隣接する隆起部29Cの間の距離が、第1孔29Aから吐出口12へ向かうにつれて大きくなるかまたは小さくなってもよい。
隆起部29Cは、第2孔29Bの軸29Eを通る任意の平面を挟んで両側に設けられていてよい。この場合、ディスペンサ1または吐出容器が鉛直方向に対し大きく傾いて、例えば90度以上傾いて使用された場合でも、弁体50がいずれかの隆起部29Cの頂面293の上を移動しうる。よって、隆起部29Cによる上記利点をより確実に得ることができる。
第2孔29Bの軸29Eに対して、取り付け部としての第4円筒部21Dの側(言い換えると押圧部材7の側と反対側)における隆起部29Cの数のほうが、第2孔29Bの軸29Eに対して取り付け部の側と反対側(言い換えると押圧部材7の側)における隆起部29Cの数よりも大きくてもよい。この場合、吐出弁5の作動時に、自重により鉛直方向下側に位置しようとする弁体50を、より多くの隆起部29Cによって支持し、弁体50をより確実に隆起部29Cに沿わせることができるとともに、各隆起部29Cの耐久性を向上できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はかかる例に限定されない。本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下のディスペンサまたは吐出容器を開示する。
<1>
液状物を吸入し吐出口から吐出可能なディスペンサであって、凹部を有するディスペンサ本体と、前記凹部の開口部を覆い、前記凹部とともにポンプ室を形成する弾性変形可能な蓋部と、前記ポンプ室と前記吐出口との間に位置する吐出弁収容孔と、前記吐出弁収容孔に収容され、弁体を有する吐出弁と、を備え、前記吐出弁収容孔は、前記弁体を収容する第1孔と、前記第1孔よりも径が大きく、段差を介して前記第1孔に連続し、前記第1孔よりも前記液状物の吐出方向の下流側に位置する第2孔と、前記第2孔の内面から隆起しており、前記第1孔に連続している隆起部と、を備え、前記液状物の吐出時に、前記弁体が、前記第1孔から、前記第2孔のうち前記隆起部が設けられた領域に移動するように設けられている、ディスペンサ。
<2>
前記吐出弁は、前記吐出弁収容孔に設けられ、前記弁体が着座可能な弁座と、前記弁体を前記弁座に向けて付勢する戻しばねと、をさらに備え、前記液状物の吐出時に、前記戻しばねが縮み、前記弁体が、前記第2孔のうち前記隆起部が設けられた領域に移動するように設けられている、前記<1>に記載のディスペンサ。
<3>
前記弁体はボール形状である、前記<1>または<2>に記載のディスペンサ。
<4>
前記吐出弁収容孔の前記第1孔および前記第2孔の軸は、前記ディスペンサの使用時に、水平方向に延びているか、または、前記吐出口へ向かうにつれて鉛直方向下側へ向かうように、水平方向に対し傾くように配置されている、前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<5>
前記液状物を収容する容器が取り付けられる取り付け部をさらに備え、前記隆起部は、前記第2孔の軸に対して前記取り付け部の側に設けられている、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<6>
前記ポンプ室を圧縮するための押圧部材をさらに備え、前記隆起部は、前記第2孔の軸を挟んで前記押圧部材と反対の側に設けられている、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<7>
前記蓋部は、前記凹部の側と反対側に膨出するドーム状である、前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<8>
前記第1孔および前記第2孔は、前記ポンプ室の中心軸に対し直交する方向に延びており、前記隆起部は、前記第2孔の内面のうち、前記蓋部に対する前記凹部の底面の側に設けられている、前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<9>
前記隆起部の頂面は、前記第1孔の内面に滑らかに連続している、前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<10>
前記隆起部の頂面は、前記第1孔の内面と段差なく連続している、前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<11>
前記隆起部の頂面のうち前記弁体が接触可能な領域は、前記第1孔の軸に沿う方向に延びている、前記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<12>
前記隆起部の頂面のうち前記弁体が接触可能な領域は、前記第2孔の軸に沿う方向に延びている、前記<1>〜<11>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<13>
前記隆起部の頂面のうち前記弁体が接触可能な領域は、前記第2孔の軸に対して勾配を有している、前記<1>〜<11>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<14>
前記隆起部の頂面のうち前記弁体が接触可能な領域は、前記第2孔の軸の周り方向において、30度以上、好ましくは60度以上の範囲にわたって延びている、前記<1>〜<13>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<15>
前記隆起部の頂面のうち前記弁体が接触可能な領域は、前記第2孔の軸の周り方向において、180度以下の範囲にわたって延びている、前記<1>〜<14>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<16>
前記隆起部の頂面のうち前記弁体が接触可能な領域の、前記第2孔の軸に直交する断面は、凹状である前記<1>〜<15>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<17>
前記隆起部の頂面の、前記第2孔の軸の周り方向における曲率は、前記第1孔の内面の、前記第1孔の軸の周り方向における曲率に等しい、前記<1>〜<16>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<18>
前記隆起部の頂面のうち前記弁体が接触可能な領域の、前記第2孔の軸に直交する断面は、直線状である、前記<1>〜<15>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<19>
前記隆起部は、前記第2孔の軸を含む任意の平面を挟んで両側に設けられている、前記<1>〜<18>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<20>
前記隆起部は、前記第2孔の軸の周り方向において複数設けられている、前記<1>〜<19>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<21>
前記液状物を収容する容器が取り付けられる取り付け部をさらに備え、前記第2孔の軸に対して前記取り付け部の側における前記隆起部の数のほうが、前記第2孔の軸に対して前記取り付け部の側と反対側における前記隆起部の数よりも大きい、前記<20>に記載のディスペンサ。
<22>
前記ポンプ室を圧縮するための押圧部材をさらに備え、前記第2孔の軸に対して前記押圧部材の側と反対側における前記隆起部の数のほうが、前記第2孔の軸に対して前記押圧部材の側における前記隆起部の数よりも大きい、前記<20>または<21>に記載のディスペンサ。
<23>
前記<1>〜<22>のいずれか1項に記載のディスペンサと、前記液状物を収容する容器とを備える、吐出容器。
1 ディスペンサ
11 ポンプ室
12 吐出口
2 ディスペンサ本体
200 軸(中心軸)
21D 第4円筒部(取り付け部)
25 凹部
250 底面
280 弁座
29 吐出弁収容孔
29A 第1孔
29B 第2孔
29C 隆起部
29E 軸
290 段差
291 内面
292 内面
293 頂面
30 蓋部
5 吐出弁
50 弁体
51 戻しばね
7 押圧部材
100 容器
吐出弁5は、吐出弁収容孔29に設けられ、弁体50が着座可能な弁座280と、弁体50を弁座280に向けて付勢する戻しばね51とを備えてよい。この場合、図8に示すように、仮に隆起部29Cがない場合を想定すると、ポンプ室11の拡張時、弁体50が第2孔29Bから第1孔29Aへ向かって移動する際、段差290に弁体50が引っ掛かりうる。これにより、第1孔29Aへ向かう弁体50の移動が遅れ、一点鎖線の矢印で示すように、吐出口12からエアをポンプ室11の側に吸い込んでしまうおそれがある。これに対し、ディスペンサ1は、吐出弁収容孔29が隆起部29Cを備え、液状物の吐出時に、戻しばね51が縮み、弁体50が、第2孔29Bのうち隆起部29Cが設けられた領域に移動するように設けられていてよい。これにより、上記のように弁体50が段差290に引っ掛かることが抑制され、弁体50の戻りが円滑化されることで、吐出弁5の閉弁時のレスポンスが向上し、エアの吸い込みを防止できる
なお、ディスペンサ1の使用時に隆起部29Cが鉛直方向下側に位置するための構成は、隆起部29Cと取り付け部との上記位置関係に限らない。例えば、ポンプ室11を圧縮するための押圧部材7をさらに備え、隆起部29Cは、第2孔29Bの軸29Eを挟んで押圧部材7と反対の側に設けられていてよい。ディスペンサ1は、押圧部材7の側が鉛直方向上側となるように使用されるべく設計されてよい。この場合、ディスペンサ1の使用時に、押圧部材7を用いることでポンプ室11がより効率的に圧縮されうるとともに、隆起部29Cは、鉛直方向下側に位置しうる。よって、隆起部29Cによる上記利点をより確実に得ることができる。なお、押圧部材7は、押圧部70を備えていればよく、レバー71を備えなくてもよい。また、ディスペンサ1は、押圧部材7を備えなくてもよい。
また、ディスペンサ1は、凹部25を有するディスペンサ本体2と、凹部25の開口部を覆い、凹部25とともにポンプ室11を形成する弾性変形可能な蓋部30とを備えてよい。このように弾性変形可能な蓋部30によりポンプ室11が形成される場合、ポンプ室11の径を大きくすることができるため、蓋部30および凹部25の軸200に沿う方向におけるディスペンサ1の大型化を抑制しつつ、一回の操作により取り出し可能な液状物の量を多くすることができる。蓋部30は、ディスペンサ1の通常の使用時に、鉛直方向上側に面するのが通常である。よって、第2孔29Bの内面292のうち、蓋部30に対する凹部25の底面250の側に隆起部29Cを設けてもよい。これにより、ディスペンサ1の使用時に、隆起部29Cが鉛直方向下側に位置するようになり、隆起部29Cによる上記利点をより確実に得ることができる。また、ポンプ室11の中心軸である軸200に対し直交する方向に、吐出弁収容孔29の第1孔29Aおよび第2孔29Bが延びていてもよい。この場合、ディスペンサ1の使用時に、第1孔29Aおよび第2孔29Bの軸29Eが、水平方向に延びていることになりやすいため、段差290に弁体50が引っ掛かりやすい。よって、隆起部29Cによる上記利点を効果的に得ることができる。蓋部30は、凹部25の側と反対側に膨出するドーム状であ。すなわち、ディスペンサ1のポンプ室11は、いわゆるドーム形状ポンプであ。これにより、ディスペンサ1の大型化を抑制しつつ、一回の操作により取り出し可能な液状物の量をより効果的に多くすることができる。ポンプ室11の上記中心軸は、ポンプ室11の容積を可変とするための上記部材の変形または移動の方向に沿って見たときのポンプ室11の中心を通り、上記変形または移動の方向に沿う線であってよい。
<5>
前記液状物を収容する容器が取り付けられる取り付け部をさらに備え、前記隆起部は、前記第2孔の軸に対して前記取り付け部の側に設けられている、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
<6>
前記ポンプ室を圧縮するための押圧部材をさらに備え、前記隆起部は、前記第2孔の軸を挟んで前記押圧部材と反対の側に設けられている、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のディスペンサ。
8>
前記第1孔および前記第2孔は、前記ポンプ室の中心軸に対し直交する方向に延びており、前記隆起部は、前記第2孔の内面のうち、前記蓋部に対する前記凹部の底面の側に設けられている、前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載のディスペンサ。

Claims (10)

  1. 液状物を吸入し吐出口から吐出可能なディスペンサであって、
    凹部を有するディスペンサ本体と、
    前記凹部の開口部を覆い、前記凹部とともにポンプ室を形成する弾性変形可能な蓋部と、
    前記ポンプ室と前記吐出口との間に位置する吐出弁収容孔と、
    前記吐出弁収容孔に収容され、弁体を有する吐出弁と、
    を備え、
    前記吐出弁収容孔は、
    前記弁体を収容する第1孔と、
    前記第1孔よりも径が大きく、段差を介して前記第1孔に連続し、前記第1孔よりも前記液状物の吐出方向の下流側に位置する第2孔と、
    前記第2孔の内面から隆起しており、前記第1孔に連続している隆起部と、
    を備え、
    前記液状物の吐出時に、前記弁体が、前記第1孔から、前記第2孔のうち前記隆起部が設けられた領域に移動するように設けられている、
    ディスペンサ。
  2. 前記液状物を収容する容器が取り付けられる取り付け部をさらに備え、
    前記隆起部は、前記第2孔の軸に対して前記取り付け部の側に設けられている、請求項1に記載のディスペンサ。
  3. 前記吐出弁は、
    前記吐出弁収容孔に設けられ、前記弁体が着座可能な弁座と、
    前記弁体を前記弁座に向けて付勢する戻しばねと、
    をさらに備え、
    前記液状物の吐出時に、前記戻しばねが縮み、前記弁体が、前記第2孔のうち前記隆起部が設けられた領域に移動するように設けられている、請求項1または2に記載のディスペンサ。
  4. 前記ポンプ室を圧縮するための押圧部材をさらに備え、
    前記隆起部は、前記第2孔の軸を挟んで前記押圧部材と反対の側に設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスペンサ。
  5. 前記第1孔および前記第2孔は、前記ポンプ室の中心軸に対し直交する方向に延びており、
    前記隆起部は、前記第2孔の内面のうち、前記蓋部に対する前記凹部の底面の側に設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のディスペンサ。
  6. 前記隆起部の頂面は、前記第1孔の内面に滑らかに連続している、請求項1〜5のいずれか1項に記載のディスペンサ。
  7. 前記隆起部の頂面のうち前記弁体が接触可能な領域は、前記第1孔の軸に沿う方向に延びている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスペンサ。
  8. 前記隆起部の頂面のうち前記弁体が接触可能な領域は、前記第2孔の軸の周り方向において30度以上の範囲にわたって延びている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のディスペンサ。
  9. 前記隆起部は、前記第2孔の軸の周り方向において複数設けられている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のディスペンサ。
  10. 前記隆起部は、前記第2孔の軸を含む任意の平面を挟んで両側に設けられている、請求項9に記載のディスペンサ。
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