JP2020126241A - パターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスクまたは基板の一方又は双方が円筒面状に配置されていたとしても、大きなマスクパターンを忠実に露光可能とする。【解決手段】透過型又は反射型のマスクパターンが円筒面に沿って形成された円筒マスクを第1中心線の周りに回転させると共に、円筒ドラムによってシート基板の一部を円筒面状に湾曲させて支持しつつ、円筒ドラムを第2中心線の周りに回転させて、マスクパターンの円筒面に沿った速度とシート基板の外周面に沿った速度とを同期させることと、第1中心線と第2中心線とを含む中心面に関して対称的に配置されると共に、マスクパターンを物面、シート基板の表面を像面としたとき、物面から像面に向かう結像光束の主光線のうち、物面を通る主光線の延長線は第1中心線に向かい、像面を通る主光線の延長線は第2中心線に向かうように配置された1組の投影光学系によって、マスクパターンの投影像をシート基板に走査露光することとを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、パターン形成方法に関する。
本願は、2011年12月20日に出願された特願2011−278290号、及び2012年2月7日に出願された特願2012−024058号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
露光装置等の基板処理装置は、例えば下記の特許文献1に記載されているように、各種デバイスの製造に利用されている。基板処理装置は、照明領域に配置されたマスクMに形成されているパターンの像を、投影領域に配置されている基板等に投影することができる。基板処理装置に用いられるマスクMは、平面状のもの、円筒状のもの等がある。
また、デバイスを製造する手法の1つとして、例えば下記の特許文献2に記載されているようなロール・ツー・ロール方式が知られている。ロール・ツー・ロール方式は、送出用のロールから回収用のロールへフィルム等の基板を搬送しながら、搬送経路上において基板に各種処理を行う方式である。基板は、例えば搬送ローラーの間等において、実質的に平面である状態で処理が施されることがある。また、基板は、例えばローラーの表面上等において、湾曲している状態で処理が施されることもある。
特開2007−299918号公報 国際公開2008/129819号
上述のような基板処理装置(露光装置)は、例えばマスク上の照明領域と基板上の投影領域の一方又は双方が所定の曲率で湾曲している場合、露光に用いられる投影光学系の結像性能を考慮すると、特に結像光束の主光線の設定には制限が生じてくる。例えば、半径Rの円筒状回転マスクの外周円筒面に形成されたマスクパターンを、投影光学系により、半径Rの円筒回転ドラム(ローラー)に巻き付けられた基板(フィルム、シート、ウェブ等)の表面に結像投影する場合を想定してみる。この場合、一般的には、マスクパターン(円筒面状)から基板の表面(円筒面状)までの結像光束の主光線が、円筒状回転マスクの回転中心軸と円筒回転ドラムの回転中心軸とを直線的に結ぶような光路を形成する投影光学系を設ければ良い。
しかしながら、円筒状回転マスクの回転軸方向に関して、マスクパターンの寸法が大きい場合は、そのような投影光学系を回転軸の方向に複数個設けるマルチ化が必要となる場合がある。そのようなマルチ化の場合、複数の投影光学系を回転軸の方向に一列に密に並べたとしても、各投影光学系の投影視野(投影領域)同士は鏡筒等の金物の厚さ分だけ、必ず分離してしまい、もはや、大きなマスクパターンを忠実に露光することができない。
また、上述のような基板処理装置は、例えば装置の構成が複雑であると、装置のコストが高くなること、装置のサイズが大型になること等がありえる。結果として、デバイスの製造コストが高くなることがありえる。
例えば、精密なパターニングを施す必要があるときは、基板処理装置として、電子デバイスや表示デバイスのパターンが描かれたマスクを照明し、マスクのパターンからの光を感光層(フォトレジスト等)が形成された基板上に投影露光する露光装置が使われる。ロール・ツー・ロール方式により、連続的に搬送される可撓性の長尺基板(フィルム、シート、ウェブ等)にマスクのパターンを繰り返し露光する場合も、長尺の基板の搬送方向を走査方向とし、マスクを円筒状の回転マスクにした走査型露光装置を用いると、生産性を飛躍的に高められるものと期待されている。
そのような回転マスクには、ガラス等の透明円筒体の外周面に遮光層でパターンを形成した透過方式と、金属性の円筒体(円柱体でもよい)の外周面に反射部と吸収部とでパターンを形成した反射方式とがある。透過型の円筒マスクでは、その円筒マスクの内部に、外周面のパターンに向けた照明光を照射する為の照明光学系(ミラー、レンズ等の光学部材)を組み込む必要があり、円筒マスクの内部中心に回転軸を通すことが難しく、円筒マスクの保持構造や回転駆動系の構成が複雑になることもある。
一方、反射型の円筒マスクの場合は、金属製の円筒体(又は円柱体)が使えることから、マスクを安価に作成できるものの、円筒マスクの外周空間に、露光用の照明光を照射する照明光学系と、外周面に形成されたパターンからの反射光を基板に向けて投影する投影光学系とを設ける必要があり、要求される解像力や転写忠実度等を満たす為の露光装置側の構成が複雑になることがある。
本発明の態様は、マスクまたは基板(フィルム、シート、ウェブ等の可撓性基板)の一方又は双方が円筒面状に配置されていたとしても、大きなマスクパターンを忠実に露光可能とする為の投影光学系を搭載した円筒マスク露光装置を提供することを目的とする。他の目的は、大きなマスクパターンを忠実に露光可能とするパターン形成方法を提供することである。
また、他の目的は、装置の構成をシンプルにできるパターン形成方法を提供することである。また、他の目的は、製造コストを低減できるパターン形成方法を提供することである。
本発明の一態様に従えば、可撓性のシート基板を連続的に長尺方向に送りつつ、そのシート基板上にデバイスの為のパターンを形成するパターン形成方法であって、前記デバイスのパターンに対応した透過型又は反射型のマスクパターンが、第1中心線から一定半径の円筒面に沿って形成された円筒マスクを、前記第1中心線の周りに回転させると共に、前記第1中心線とほぼ平行に離して設定される第2中心線から一定半径の円筒状の外周面を有する円筒ドラムによって前記シート基板の一部を円筒面状に湾曲させて支持しつつ、前記円筒ドラムを前記第2中心線の周りに回転させて、前記マスクパターンの前記円筒面に沿った速度と前記シート基板の前記外周面に沿った速度とを同期させることと、前記第1中心線又は前記第2中心線が延びる方向から見たときに、前記第1中心線と前記第2中心線とを含む中心面に関して対称的に配置されると共に、前記マスクパターンを物面、前記シート基板の表面を像面としたとき、前記物面から前記像面に向かう結像光束の主光線のうち、前記物面を通る主光線の延長線は前記第1中心線に向かい、前記像面を通る主光線の延長線は前記第2中心線に向かうように配置された1組の投影光学系によって、前記マスクパターンの投影像を前記シート基板に走査露光することと、を含むパターン形成方法が提供される。
本発明の態様によれば、マスクと基板の一方、或いは双方が円筒面状の場合でも、コンパクトな投影光学系を備えた円筒マスク露光装置によって、大きなマスクパターンが忠実に露光可能となる。また、本発明の態様によれば、大きなマスクパターンを忠実に露光可能なパターン形成方法を提供することができる。
また、本発明の態様によれば、装置の構成をシンプルにできるパターン形成方法を提供することができる。また、本発明の態様によれば、製造コストを低減できるパターン形成方法を提供することができる。
第1実施形態によるデバイス製造システムの構成を示す図である。 第1実施形態による基板処理装置(露光装置)の全体構成を示す図である。 図2に示す露光装置のマスク保持装置の構成を示す図である。 図2に示す露光装置の第1ドラム部材及び照明光学系の構成を示す図である。 図2に示す露光装置における照明領域及び投影領域の配置を示す図である。 図2に示す露光装置に適用される投影光学系の構成を示す図である。 第2実施形態による露光装置の全体構成を示す図である。 第3実施形態による露光装置の全体構成を示す図である。 図8に示す露光装置における照明領域の投影領域の位置関係の条件を説明する図である。 図9で説明した条件が円筒マスクの半径に応じて変わることを示すグラフである。 第4実施形態による露光装置の全体構成を示す図である。 第5実施形態による露光装置の落射照明方式の構成を示す図である。 第6実施形態による投影光学系の構成を示す図である。 図13に示す投影光学系をマルチ化した場合の構成を示す図である。 図14に示すマルチ化された投影光学系を別の向きから見た図である。 第7実施形態による投影光学系の構成を示す図である。 第8実施形態による投影光学系の構成を示す図である。 第9実施形態による投影光学系の構成を示す図である。 第10実施形態による投影光学系の構成を示す図である。 第11実施形態のデバイス製造システムの構成を示す図である。 第11実施形態の基板処理装置(露光装置)の構成を示す図である。 第11実施形態の光学部材の構成を示す図である。 照明領域から投影領域までの光路を示す模式図である。 第11実施形態の光源装置の構成例を示す図である。 第11実施形態のフライアイレンズアレイの構成例を示す図である。 第11実施形態の照明光学系における絞りの構成例を示す図である。 第11実施形態の光学部材の構成例を示す図である。 第12実施形態のフライアイレンズアレイの構成例を示す図である。 第13実施形態のフライアイレンズアレイの構成例を示す図である。 第14実施形態のフライアイレンズアレイの構成例を示す図である。 第15実施形態の光源像形成部の構成例を示す図である。 第16実施形態の照明光学系の構成例を示す図である。 第16実施形態の照明光学系の構成例を示す図である。 第16実施形態の照明光学系の各部を示す図である。 第16実施形態の照明光学系の各部を示す図である。 第16実施形態の照明光学系の各部を示す図である。 第17実施形態の基板処理装置(露光装置)の構成を示す図である。 第17実施形態の照明領域及び投影領域の配置を示す図である。 第17実施形態の露光装置の構成例を示す図である。 第18実施形態の投影光学系の構成例を示す図である。 第19実施形態の投影光学系の構成例を示す図である。 本実施形態のデバイス製造方法を示すフローチャートである。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態のデバイス製造システム1001の構成を示す図である。図1に示すデバイス製造システム1001は、基板Pを供給する基板供給装置1002と、基板供給装置2によって供給された基板Pに対して所定の処理を実行する処理装置1003と、処理装置1003によって処理が施された基板Pを回収する基板回収装置1004と、デバイス製造システム1001の各部を制御する上位制御装置1005とを備える。
本実施形態において、基板Pは、いわゆるフレキシブル基板等のような可撓性(フレキシビリティ)を有する(シート)基板である。本実施形態のデバイス製造システム1001は、可撓性を有する基板Pによって、可撓性を有するデバイスを製造することができる。基板Pは、例えばデバイス製造システム1001において屈曲した場合に、破断しない程度の可撓性を有するように選択される。
なお、デバイス製造時における基板Pの可撓性は、例えば、基板Pの材質、大きさ、厚さ等によって調整することができ、またデバイス製造時の湿度、温度等の環境条件等によって調整することもできる。また、基板Pは、いわゆるリジッド基板等のような可撓性を有していない基板であってもよい。また、基板Pは、フレキシブル基板とリジッド基板を組み合わせた複合基板であってもよい。
可撓性を有する基板Pは、例えば、樹脂フィルム、ステンレス鋼等の金属又は合金からなる箔(フォイル)等である。樹脂フィルムの材質は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレンビニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂のうち1又は2以上を含む。
基板Pは、例えば、基板Pに施される各種の処理工程において受ける熱による変形量が実質的に無視できるように、熱膨張係数等の特性が設定される。基板Pは、一例として、熱膨張係数が顕著に大きくないものを選定することができる。熱膨張係数は、例えば、無機フィラーを樹脂フィルムに混合することによって、プロセス温度等に応じた閾値よりも小さく設定されていてもよい。無機フィラーは、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化ケイ素等でもよい。また、基板Pは、フロート法等で製造された厚さ100μm程度の極薄ガラスの単層体であってもよいし、この極薄ガラスに上記の樹脂フィルム、箔等を貼り合わせた積層体であってもよい。
本実施形態において、基板Pは、いわゆる多面取り用の基板である。本実施形態のデバイス製造システム1001は、1個のデバイスを製造するための各種の処理を、基板Pに対して繰り返し実行する。各種の処理が施された基板Pは、デバイスごとに分割(ダイシング)されて、複数個のデバイスになる。基板Pの寸法は、例えば、幅方向(短尺方向)の寸法が1m〜2m程度であり、長さ方向(長尺方向)の寸法が10m以上である。
なお、基板Pの寸法は、製造するデバイスの寸法等に応じて、適宜設定される。例えば、基板Pの寸法は、幅方向の寸法が1m以下又は2m以上であってもよいし、長尺方向の寸法が10m以下であってもよい。また、基板Pは、多面取り用の基板である場合に、1枚の帯状の基板であってもよいし、複数の基板が継がれた基板であってもよい。また、デバイス製造システム1001は、1個のデバイスごとに独立した基板によって、デバイスを製造してもよい。この場合に、基板Pは、1個のデバイスに相当する寸法の基板であってもよい。
本実施形態の基板供給装置1002は、供給用ロール1006に巻かれた基板Pを繰り出すことによって、基板Pを処理装置1003に供給する。基板供給装置1002は、例えば、基板Pを巻きつける軸部、この軸部を回転させる回転駆動部等を含む。本実施形態において、基板Pは、その長尺方向へ搬送されて、処理装置1003へ送られる。すなわち、本実施形態において、基板Pの搬送方向は、基板Pの長尺方向と実質的に同じである。
なお、基板供給装置1002は、供給用ロール1006に巻かれた基板Pを覆うカバー部等を含んでいてもよい。また、基板供給装置1002は、例えばニップ式の駆動ローラー等のように、基板Pをその長尺方向に順次送り出す機構を含んでいてもよい。
本実施形態の基板回収装置1004は、処理装置1003を通過した基板Pを回収用ロール1007に巻き取ることによって、基板Pを回収する。基板回収装置1004は、例えば、基板供給装置1002と同様に、基板Pを巻きつける軸部、この軸部を回転させる回転駆動部、回収用ロール1007に巻き取られた基板Pを覆うカバー部等を含む。
なお、処理された基板Pが切断装置によって切断され、基板回収装置1004は、切断された基板を回収してもよい。この場合に、基板回収装置1004は、切断後の基板を重ねて回収する装置でもよい。上記の切断装置は、処理装置1003の一部であってもよいし、処理装置1003とは別の装置であってもよく、例えば基板回収装置1004の一部であってもよい。
処理装置1003は、基板供給装置1002から供給される基板Pを基板回収装置1004へ搬送すると共に、搬送の過程で基板Pの被処理面に対して処理を行う。処理装置1003は、基板Pの被処理面に対して加工処理を行なう加工処理装置1010と、加工処理に対応した条件で基板Pを送る搬送ローラー1008等を含む搬送装置1009とを備える。
加工処理装置1010は、基板Pの被処理面に対してデバイスを構成する素子を形成するための各種処理を実行する1又は2以上の装置を含む。本実施形態のデバイス製造システム1001は、各種処理を実行する装置が基板Pの搬送経路に沿って適宜設けられ、フレキシブル・ディスプレー等のデバイスをいわゆるロール・ツー・ロール方式で生産可能である。ロール・ツー・ロール方式によれば、デバイスを効率よく生産できる。
本実施形態において、加工処理装置1010の各種装置は、成膜装置、露光装置、コーターディベロッパー装置、及びエッチング装置を含む。成膜装置は、例えば鍍金装置、蒸着装置、スパッタリング装置等である。成膜装置は、導電膜、半導体膜、絶縁膜等の機能膜を基板Pに成膜する。コーターディベロッパー装置は、成膜装置によって機能膜が形成された基板Pに、フォトレジスト膜等の感光材を形成する。露光装置は、デバイスを構成する膜パターンに応じたパターンの像を感光材が形成された基板Pに投影することによって、基板Pに露光処理を施す。コーターディベロッパー装置は、露光された基板Pを現像する。エッチング装置は、現像された基板Pの感光材をマスクMとして、機能膜をエッチングする。このようにして、加工処理装置1010は、所望のパターンの機能膜を基板Pに形成する。
なお、加工処理装置1010は、インプリント方式の成膜装置、液滴吐出装置等のように、エッチングによらないで直接的に膜パターンを形成する装置を備えていてもよい。加工処理装置1010の各種装置のうち少なくとも1つは、省略されていてもよい。
本実施形態において、上位制御装置1005は、基板供給装置1002を制御して、加工処理装置1010へ基板Pを供給する処理を基板供給装置1002に実行させる。上位制御装置1005は、加工処理装置1010を制御して、基板Pに対する各種処理を加工処理装置1010に実行させる。上位制御装置1005は、基板回収装置1004を制御して、加工処理装置1010が各種処理を施した基板Pを回収する処理を基板回収装置1004に実行させる。
次に、本実施形態の基板処理装置の構成について図2、図3、図4を参照して説明する。図2は、本実施形態の基板処理装置1011の全体構成を示す図である。図2に示す基板処理装置1011は、上述したような加工処理装置1010の少なくとも一部である。本実施形態の基板処理装置1011は、露光処理を実行する露光装置EXと、搬送装置1009の少なくとも一部とを含む。
本実施形態の露光装置EXは、いわゆる走査露光装置であり、円筒状のマスク(円筒マスク)Mの回転と可撓性の基板Pの送りとを同期駆動させつつ、マスクMに形成されているパターンの像を、投影倍率が等倍(×1)の投影光学系PL(PL1001〜PL1006)を介して基板Pに投影する。なお、図2〜図4において、直交座標系XYZのY軸を円筒状のマスクMの回転中心線(第1の中心線)AX1001と平行に設定し、X軸を走査露光の方向、即ち、露光位置での基板Pの搬送方向に設定する。
図2に示すように、露光装置EXは、マスク保持装置1012、照明装置1013、投影光学系PL、及び制御装置1014を備える。基板処理装置1011は、マスク保持装置1012に保持されたマスクMを回転移動させるとともに、搬送装置1009によって基板Pを搬送する。照明装置1013は、マスク保持装置1012に保持されたマスクMの一部(照明領域IR)を、照明光束EL1によって均一な明るさで照明する。投影光学系PLは、マスクM上の照明領域IRにおけるパターンの像を、搬送装置1009によって搬送されている基板Pの一部(投影領域PA)に投影する。マスクMの移動に伴って、照明領域IRに配置されるマスクM上の部位が変化し、また基板Pの移動に伴って、投影領域PAに配置される基板P上の部位が変化することによって、マスクM上の所定のパターン(マスクパターン)の像が基板Pに投影される。制御装置1014は、露光装置EXの各部を制御し、各部に処理を実行させる。また、本実施形態において、制御装置1014は、搬送装置1009の少なくとも一部を制御する。
なお、制御装置1014は、デバイス製造システム1001の上位制御装置1005の一部又は全部であってもよい。また、制御装置1014は、上位制御装置1005に制御され、上位制御装置1005とは別の装置であってもよい。制御装置1014は、例えば、コンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、例えば、CPU及び各種メモリーやOS、周辺機器等のハードウェアを含む。基板処理装置1011の各部の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、各種処理が行われる。コンピュータシステムは、インターネット或いはイントラネットシステムに接続可能な場合、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含む。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置を含む。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含む。また、プログラムは、基板処理装置1011の機能の一部を実現するためのものでもよく、基板処理装置1011の機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものでもよい。上位制御装置1005は、制御装置1014と同様に、コンピュータシステムを利用して実現することができる。
次に、図2の露光装置EXの各部について、図3、図4を参照して詳しく説明する。図3は、マスク保持装置1012の構成を示す図であり、図4は第1ドラム部材1021及び照明光学系ILの構成を示す図である。
図3(図2)に示すように、マスク保持装置1012は、マスクMを保持する第1部材(以下、第1ドラム部材1021という)、第1ドラム部材1021を支持するガイドローラー1023、第1ドラム部材1021を駆動する駆動ローラー1024、第1ドラム部材1021の位置を検出する第1検出器1025、及び第1駆動部1026を備える。
図4(図2又は図3)に示すように第1ドラム部材1021は、マスクM上の照明領域IRが配置される第1面p1001を形成する。本実施形態において、第1面p1001は、線分(母線)をこの線分に平行な軸(第1中心軸AX1001)周りに回転した面(以下、円筒面という)を含む。円筒面は、例えば、円筒の外周面、円柱の外周面等である。第1ドラム部材1021は、例えばガラスや石英等で構成され、一定の肉厚を有する円筒状であり、その外周面(円筒面)が第1面p1001を形成する。すなわち、本実施形態において、マスクM上の照明領域IRは、回転中心線AX1001から一定の半径r1001(図1参照)を持つ円筒面状に湾曲している。第1ドラム部材1021のうち、第1ドラム部材1021の径方向から見てマスクMのパターンと重なる部分、例えば図3のように第1ドラム部材1021のY軸方向の両端側以外の中央部分は、照明光束EL1001に対して透光性を有する。
マスクMは、例えば平坦性の良い短冊状の極薄ガラス板(例えば厚さ100〜500μm)の一方の面にクロム等の遮光層でパターンを形成した透過型の平面状シートマスクとして作成され、それを第1ドラム部材21の外周面に沿って湾曲させ、この外周面に巻き付けた(貼り付けた)状態で使用される。マスクMは、パターンが形成されていないパターン非形成領域を有し、パターン非形成領域において第1ドラム部材1021に取付けられている。マスクMは、第1ドラム部材1021に対して取り外し(リリース)可能である。
なお、マスクMを極薄ガラス板で構成し、そのマスクMを透明円筒母材による第1ドラム部材1021に巻き付ける代わりに、透明円筒母材による第1ドラム部材1021の外周面に直接クロム等の遮光層によるマスクパターンを描画形成して一体化してもよい。この場合も、第1ドラム部材1021がマスク(第1物体)の支持部材として機能する。
なお、第1ドラム部材1021は、その内周面に薄板状のマスクMを湾曲させて取り付ける構造にしてもよい。また、マスクMは、1個の表示デバイスに対応するパネル用パターンの全体又は一部が形成されていてもよいし、複数個の表示デバイスに対応するパネル用パターンが形成されていてもよい。さらに、マスクMには、パネル用パターンが第1中心軸AX1001の周りの周方向に繰り返し複数個を配置してもよいし、小型のパネル用パターンを第1中心軸AX1001に平行な方向に繰り返し複数配置してもよい。また、マスクMは、第1の表示デバイスのパネル用パターンと、第1の表示デバイスとサイズ等が異なる第2の表示デバイスのパネル用パターンとを含んでいてもよい。また、第1ドラム部材1021の外周面(又は内周面)には、第1中心軸AX1001に平行な方向、或いは周方向に関して、複数の分離した薄板状のマスクMを個別に取り付けられる構造を設けてもよい。
図3に示すガイドローラー1023及び駆動ローラー1024は、第1ドラム部材1021の第1中心軸AX1001に対して平行なY軸方向に延びている。ガイドローラー1023及び駆動ローラー1024は、第1中心軸AX1001と平行な軸周りに回転可能に設けられている。ガイドローラー1023及び駆動ローラー1024は、それぞれ、軸方向の端部の外径が他の部分の外形よりも大きくなっており、この端部が第1ドラム部材1021に外接している。このように、ガイドローラー1023及び駆動ローラー1024は、第1ドラム部材1021に保持されているマスクMに接触しないように、設けられている。駆動ローラー1024は、第1駆動部1026と接続されている。駆動ローラー1024は、第1駆動部1026から供給されるトルクを第1ドラム部材1021に伝えることによって、第1ドラム部材1021を第1中心軸AX1001周りに回転させる。
なお、マスク保持装置1012は、1つのガイドローラー1023と1つの駆動ローラー1024を備えているが、ガイドローラー1023の数は2以上でもよいし、駆動ローラー1024の数は2以上でもよい。ガイドローラー1023と駆動ローラー1024のうち少なくとも1つは、第1ドラム部材1021の内側に配置されており、第1ドラム部材1021と内接していてもよい。また、第1ドラム部材1021のうち、第1ドラム部材1021の径方向から見てマスクMのパターンと重ならない部分(Y軸方向の両端側)は、照明光束EL1に対して透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。また、ガイドローラー1023及び駆動ローラー1024の一方又は双方は、例えば円錐台状であって、その中心軸(回転軸)が第1中心軸AX1001に対して非平行であってもよい。
第1検出器1025は、第1ドラム部材1021の回転位置を光学的に検出する。第1検出器1025は、例えばロータリーエンコーダ等を含む。第1検出器1025は、検出した第1ドラム部材1021の回転位置を示す情報を制御装置1014に供給する。電動モーター等のアクチュエータ含む第1駆動部1026は、制御装置1014から供給される制御信号に従って、駆動ローラー1024を回転させるためのトルクを調整する。制御装置1014は、第1検出器1025の検出結果に基づいて第1駆動部1026を制御することによって、第1ドラム部材1021の回転位置を制御する。換言すると、制御装置1014は、第1ドラム部材1021に保持されているマスクMの回転位置と回転速度の一方又は双方を制御する。
なお、第1検出器1025には、図3中のY軸方向に関する第1ドラム部材1021の位置を光学的に計測するセンサー(以下、Y方向位置計測センサーとする)を付加することもできる。図2、図3に示した第1ドラム部材1021のY方向位置は基本的には変動しないように拘束されているが、基板P上の被露光領域やアライメントマークとマスクMのパターンとの相対的な位置合せの為に、第1ドラム部材1021(マスクM)をY方向に微動させる機構(アクチュエータ)を組み込むことが考えられる。そのような場合は、Y方向位置計測センサーからの計測情報も利用して、第1ドラム部材1021のY方向微動機構を制御することができる。
図2に示すように、搬送装置1009は、第1搬送ローラー1030、第1ガイド部材1031、基板P上の投影領域PAが配置される第2面p1002を形成する第2支持部材(以下、第2ドラム部材1022という)、第2ガイド部材1033、第2搬送ローラー1034、第2検出器1035、及び第2駆動部1036を備える。なお、図1に示した搬送ローラー1008は、第1搬送ローラー1030及び第2搬送ローラー1034を含む。
本実施形態において、搬送経路の上流から第1搬送ローラー1030へ搬送されてきた基板Pは、第1搬送ローラー1030を経由して第1ガイド部材1031へ搬送される。第1ガイド部材1031を経由した基板Pは、半径r1002の円筒状又は円柱状の第2ドラム部材(円筒体)1022の表面に支持されて、第2ガイド部材1033へ搬送される。第2ガイド部材1033を経由した基板Pは、第2搬送ローラー1034を経由して、搬送経路の下流へ搬送される。なお、第2ドラム部材1022の回転中心線(第2の中心線)AX1002と、第1搬送ローラー1030と第2搬送ローラー1034の各回転中心線とは、何れもY軸と平行になるように設定される。
第1ガイド部材1031及び第2ガイド部材1033は、例えば、基板Pの幅方向と交差する方向に移動(図2中のXZ面内で移動)することによって、搬送経路において基板Pに働くテンション等を調整する。また、第1ガイド部材1031(及び第1搬送ローラー1030)と第2ガイド部材1033(及び第2搬送ローラー1034)は、例えば、基板Pの幅方向(Y方向)に移動可能な構成とすることによって、第2ドラム部材1022の外周に巻き付く基板PのY方向の位置等を調整することができる。なお、搬送装置1009は、投影光学系PLの投影領域PAに沿って基板Pを搬送可能であればよく、その構成を適宜変更可能である。
第2ドラム部材1022は、投影光学系PLからの結像光束が投射される基板P上の投影領域PAを含む一部分を円弧状に支持する第2面p1002を形成する。本実施形態において、第2ドラム部材1022は、搬送装置1009の一部であるとともに、露光対象の基板Pを支持する支持部材(基板ステージ)を兼ねている。すなわち、第2ドラム部材1022は、露光装置EXの一部であってもよい。
第2ドラム部材1022は、その中心軸(以下、第2中心軸AX1002という)の周りに回転可能であり、基板Pは、第2ドラム部材1022上の外周面(円筒面)に沿って円筒面状に湾曲し、湾曲した部分の一部に投影領域PAが配置される。
なお、本実施形態では、第1ドラム部材1021の外周面のうちマスクMが巻き付けられる部分の半径r1001と、第2ドラム部材1022の外周面のうち基板Pが巻き付けられる部分の半径r1002とは、実質的に同一に設定される。これは薄板状のマスクMの厚さと基板Pの厚さがほぼ等しい場合を想定したからである。
一方、例えば、第1ドラム部材1021(透過円筒母材)の外周面にクロム層等により直接パターンを形成した場合、そのクロム層の厚さは無視できるので、マスクのパターン面の半径はr1001のままであるのに対し、基板Pの厚さが200μm程度だとすると、投影領域PAにおける基板Pの表面の半径はr1002+200μmになる。そのような場合は、第2ドラム部材1022の外周面のうち基板Pが巻き付けられる部分の半径r1002を、基板Pの厚さ分だけ小さくしておくとよい。
このことから、厳密に条件設定を行なうために、第1ドラム部材1021の外周面に支持されるマスクのパターン面(円筒面)の半径が、第2ドラム部材1022の外周面に支持される基板Pの表面の半径と等しくなるように、第1ドラム部材1021と第2ドラム部材1022の各半径を決めても良い。
本実施形態において、第2ドラム部材1022は、電動モーター等のアクチュエータを含む第2駆動部1036から供給されるトルクによって回転する。第2検出器1035は、例えばロータリーエンコーダ等を含み、第2ドラム部材1022の回転位置を光学的に検出する。第2検出器1035は、検出した第2ドラム部材1022の回転位置を示す情報を制御装置1014に供給する。第2駆動部1036は、制御装置1014から供給される制御信号に従って、第2ドラム部材1022を回転させるトルクを調整する。制御装置1014は、第2検出器1035の検出結果に基づいて第2駆動部1036を制御することによって、第2ドラム部材1022の回転位置を制御し、第1ドラム部材1021と第2ドラム部材1022とを同期移動(同期回転)させる。
ところで、基板Pが薄い可撓性フィルムの場合、第2ドラム部材1022に巻き付くときにシワやねじれが発生することもある。そのため、第2ドラム部材1022の外周面との接触位置まで基板Pをできるだけ真っ直ぐに進入させること、基板Pに与える搬送方向(X方向)のテンションをできるだけ一定にすること等が重要になる。このような観点で、制御装置1014は、第2ドラム部材1022の回転速度ムラが極めて小さくなるように第2駆動部1036を制御する。
なお、本実施形態において、第1ドラム部材1021の第1中心軸AX1001、及び第2ドラム部材1022の第2中心軸AX1002を含む平面を中心面p1003(YZ面と平行)とすると、中心面p1003と円筒状の第1面p1001とが交差する位置付近では、近似的に中心面p1003と第1面p1001とが直交した関係になり、同様に、中心面p1003と円筒状の第2面p1002とが交差する位置付近では、近似的に中心面p1003と第2面p1002とが直交した関係になっている。
本実施形態の露光装置EXは、いわゆる、マルチレンズ方式の投影光学系を搭載することを想定した露光装置である。投影光学系PLは、マスクMのパターンにおける一部の像を投影する複数の投影モジュールを備える。例えば、図2では、中心面p1003の左側に3つの投影モジュール(投影光学系)PL1001,PL1003,PL1005がY方向に一定間隔で配置され、中心面p1003の右側にも3つの投影モジュール(投影光学系)PL1002,PL1004,PL1006がY方向に一定間隔で配置される。
このようなマルチレンズ方式の露光装置EXでは、複数の投影モジュールPL1001〜PL1006によって露光された領域(投影領域PA1001〜PA1006)のY方向の端部を走査によって互いに重ね合わせることによって、所望のパターンの全体像を投影する。このような露光装置EXは、マスクM上のパターンのY方向サイズが大きくなり、必然的にY方向の幅が大きな基板Pを扱う必要性が生じた場合でも、投影モジュールと、それに対応する照明装置1013側のモジュールとをY方向に増設するだけで良いので、容易にパネルサイズ(基板Pの幅)の大型化に適用できると言った利点がある。
なお、露光装置EXは、マルチレンズ方式でなくてもよい。例えば、基板Pの幅方向の寸法がある程度小さい場合等に、露光装置EXは、1つの投影モジュールによってパターンの全幅の像を基板Pに投影してもよい。また、複数の投影モジュールPL1001〜PL1006は、それぞれ、1個のデバイスに対応するパターンを投影してもよい。すなわち、露光装置EXは、複数個のデバイス用のパターンを、複数の投影モジュールによって並行して投影してもよい。
本実施形態の照明装置1013は、光源装置(図示略)及び照明光学系ILを備える。図4に示すように、照明光学系ILは、複数の投影モジュールPL1001〜PL1006の各々に対応してY軸方向に並んだ複数(例えば6つ)の照明モジュールIL1001〜IL1006を備える。光源装置は、例えば水銀ランプ等のランプ光源、又はレーザーダイオード、発光ダイオード(LED)等の固体光源を含む。光源装置が射出する照明光は、例えばランプ光源から射出される輝線(g線、h線、i線)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)等である。光源装置から射出された照明光は、照度分布が均一化されて、例えば光ファイバー等の導光部材を介して、複数の照明モジュールIL1001〜IL1006に振り分けられる。
なお、光源装置は、第1ドラム部材1021の内側に配置されていてもよいし、第1ドラム部材1021の外側に配置されていてもよい。また、光源装置は、露光装置EXと別の装置(外部装置)であってもよい。
複数の照明モジュールIL1001〜IL1006のそれぞれは、レンズ等の複数の光学部材を含む。本実施形態において、光源装置から出射して複数の照明モジュールIL1001〜IL1006のいずれかを通る光を照明光束EL1という。複数の照明モジュールIL1001〜IL1006のそれぞれは、例えばインテグレータ光学系、ロッドレンズ、フライアイレンズ等を含み、均一な照度分布の照明光束EL1によって照明領域IRを照明する。本実施形態において、複数の照明モジュールIL1001〜IL1006は、第1ドラム部材1021の内側に配置されている。複数の照明モジュールIL1001〜IL1006のそれぞれは、第1ドラム部材1021の内側から第1ドラム部材1021を通して、第1ドラム部材1021の外周面に保持されているマスクM上の各照明領域IR(IR1001〜IR1006)を照明する。
本実施形態において、各照明モジュールのことを、−Y側(図2紙面手前側)から+Y側(図2紙面奧側)に向う順に、第1照明モジュールIL1001、第2照明モジュールIL1002、第3照明モジュールIL1003、第4照明モジュールIL1004、第5照明モジュールIL1005、第6照明モジュールIL1006という。すなわち、複数の照明モジュールIL1001〜IL1006のうち、最も−Y側に配置されているのは第1照明モジュールIL1001であり、最も+Y側に配置されているのは第6照明モジュールIL1006である。なお、投影光学系PLが備える投影モジュールの数は、1個以上5個以下でもよいし、7個以上でもよい。
複数の照明モジュールIL1001〜IL1006は、第1中心軸AX1001と交差する方向(例えば、X軸方向)に関して、互いに干渉しないように離間して配置されている。第1照明モジュールIL1001、第3照明モジュールIL1003、及び第5照明モジュールIL1005は、Y軸方向から見て、互いに重なる位置に配置されている。第1照明モジュールIL1001、第3照明モジュールIL1003、及び第5照明モジュールIL1005は、Y軸方向に互いに離れて配置されている。
本実施形態において、第2照明モジュールIL1002は、Y軸方向から見て、中心面p1003に関して第1照明モジュールIL1001と対称的に配置されている。第4照明モジュールIL1004及び第6照明モジュールIL1006は、Y軸方向から見て、第2照明モジュールIL1002と重なる位置に配置されている。第2照明モジュールIL1002、第4照明モジュールIL1004、及び第6照明モジュールIL1006は、Y軸方向には互いに離れて配置されている。
複数の照明モジュールIL1001〜IL1006のそれぞれは、第1ドラム部材1021の第1中心軸AX1001に関する放射方向(径方向)のうち、中心面p1003と交差する第1径方向D1001又は第2径方向D1002に向けて照明光束EL1を照射する。各照明モジュールの照明光束EL1の照射方向は、照明モジュールがY軸方向に並ぶ順に交互に、変化している。例えば、第1照明モジュールIL1からの照明光束の照射方向(第1径方向D1001)は、Z軸方向よりも−X側に傾いており、第2照明モジュールIL1002からの照明光束の照射方向(第2径方向D1002)は、−Z軸方向よりも+X側に傾いている。同様にして、第3照明モジュールIL1003及び第5照明モジュールIL1005の各々からの照明光束の照射方向は、第1照明モジュールIL1001の照射方向と実質的に平行であり、第4照明モジュールIL1004及び第6照明モジュールIL1006の各々からの照明光束の照射方向は、第2照明モジュールIL1002の照射方向と実質的に平行である。
図5は、本実施形態における照明領域IR及び投影領域PAの配置を示す図である。なお、図5には、第1ドラム部材1021に配置されたマスクM上の照明領域IRを−Z側から見た平面図(図5中の左図)と、第2ドラム部材1022に配置された基板P上の投影領域PAを+Z側から見た平面図(図5中の右図)とが図示されている。図5中の符号Xsは、第1ドラム部材1021又は第2ドラム部材1022の移動方向(回転方向)を示す。
第1から第6照明モジュールIL1001〜IL1006は、それぞれ、マスクM上の第1から第6照明領域IR1001〜IR1006を照明する。例えば、第1照明モジュールIL1001は、第1照明領域IR1001を照明し、第2照明モジュールIL1002は第2照明領域IR1002を照明する。
本実施形態における第1照明領域IR1001は、Y方向に細長い台形状の領域として説明するが、後で説明する投影光学系(投影モジュール)PLの構成によっては、この台形領域を包含する長方形の領域としても良い。第3照明領域IR1003及び第5照明領域IR1005は、それぞれ、第1照明領域IR1001と同様の形状の領域であり、Y軸方向に一定間隔を空けて配置されている。また、第2照明領域IR1002は、中心面p1003に関して第1照明領域IR1001と対称的な台形状(又は長方形)の領域である。第4照明領域IR1004及び第6照明領域IR1006は、それぞれ、第2照明領域IR1002と同様の形状の領域であり、Y軸方向に一定間隔を空けて配置されている。
図5に示すように、第1から第6照明領域IR1001〜IR1006のそれぞれは、第1面p1001の周方向に沿って見た場合に、隣り合う台形状の照明領域の斜辺部の三角部が重なるように(オーバーラップするように)配置されている。そのため、例えば、第1ドラム部材1021の回転によって第1照明領域IR1001を通過するマスクM上の第1領域A1001は、第1ドラム部材1021の回転によって第2照明領域IR1002を通過するマスクM上の第2領域A1002と一部重複する。
本実施形態において、マスクMは、パターンが形成されているパターン形成領域A1003と、パターンが形成されていないパターン非形成領域A1004とを有する。そのパターン非形成領域A1004は、パターン形成領域A1003を枠状に囲むように配置されており、照明光束EL1を遮光する特性を有する。マスクMのパターン形成領域A1003は、第1ドラム部材1021の回転に伴って方向Xsに移動し、パターン形成領域A1003のうちのY軸方向の各部分領域は、第1から第6照明領域IR1001〜IR1006のいずれかを通過する。換言すると、第1から第6照明領域IR1001〜IR1006は、パターン形成領域A1003のY軸方向の全幅をカバーするように、配置されている。
図2に示すように、投影光学系PLは、Y軸方向に並ぶ複数の投影モジュールPL1001〜PL1006を備える。複数の投影モジュールPL1001〜PL1006のそれぞれは、第1から第6照明モジュールIL1006のそれぞれと1対1で対応しており、対応する照明モジュールによって照明される照明領域IR内に現れるマスクMの部分的なパターンの像を、基板P上の各投影領域PAに投影する。
例えば、第1投影モジュールPL1001は、第1照明モジュールIL1001に対応し、第1照明モジュールIL1001によって照明される第1照明領域IR1001(図5参照)におけるマスクMのパターンの像を、基板P上の第1投影領域PA1001に投影する。第3投影モジュールPL1003、第5投影モジュールPL1005は、それぞれ、第3照明モジュールIL1003、第5照明モジュールIL1005と対応している。第3投影モジュールPL1003及び第5投影モジュールPL1005は、Y軸方向から見ると、第1投影モジュールPL1001と重なる位置に配置されている。
また、第2投影モジュールPL1002は、第2照明モジュールIL1002に対応し、第2照明モジュールIL1002によって照明される第2照明領域IR1002(図5参照)におけるマスクMのパターンの像を、基板P上の第2投影領域PA1002に投影する。第2投影モジュールPL1002は、Y軸方向から見ると、第1投影モジュールPL1001に対して中心面p1003を挟んで対称的な位置に配置されている。
第4投影モジュールPL1004、第6投影モジュールPL1006は、それぞれ、第4照明モジュールIL1004、第6照明モジュールIL1006と対応して配置され、第4投影モジュールPL1004及び第6投影モジュールPL1006は、Y軸方向から見て、第2投影モジュールPL1002と重なる位置に配置されている。
なお、本実施形態において、照明装置1013の各照明モジュールIL1001〜IL1006からマスクM上の各照明領域IR1001〜IR1006に達する光を照明光束EL1とし、各照明領域IR1001〜IR1006中に現れるマスクMの部分パターンに応じた強度分布変調を受けて各投影モジュールPL1001〜PL1006に入射して各投影領域PA1001〜PA1006に達する光を、結像光束EL2とする。
図5中の右図に示すように、第1照明領域IR1001におけるパターンの像は第1投影領域PA1001に投影され、第3照明領域IR1003におけるパターンの像は、第3投影領域PA1003に投影され、第5照明領域IR1005におけるパターンの像は、第5投影領域PA1005に投影される。本実施形態において、第1投影領域PA1001、第3投影領域PA1003及び第5投影領域PA1005は、Y軸方向に一列に並ぶように、配置される。
また、第2照明領域IR1002におけるパターンの像は、第2投影領域PA1002に投影される。本実施形態において、第2投影領域PA1002は、Y軸方向から見て、中心面p1003に関して第1投影領域PA1001と対称的に配置される。また、第4照明領域IR1004におけるパターンの像は、第4投影領域PA1004に投影され、第6照明領域IR1006におけるパターンの像は、第6投影領域PA1006に投影される。本実施形態において、第2投影領域PA1002、第4投影領域PA1004及び第6投影領域PA1006は、Y軸方向に一列に並ぶように、配置される。
第1から第6投影領域PA1001〜PA1006のそれぞれは、第2面p1002の周方向に沿って見た場合に、第2中心軸AX1002に平行な方向において隣り合う投影領域と、端部(台形の三角部分)が重なるように配置されている。そのため、例えば、第2ドラム部材1022の回転によって第1投影領域PA1001を通過する基板P上の第3領域A1005は、第2ドラム部材1022の回転によって第2投影領域PA1002を通過する基板P上の第4領域A1006と一部重複する。
第1投影領域PA1001と第2投影領域PA1002は、第3領域A1005と第4領域A1006が重複する領域での露光量が、重複しない領域の露光量と実質的に同じになるように、それぞれの形状等が設定されている。
本実施形態において、基板Pにおける露光対象の領域(以下、露光領域A1007という)は、図5中の右図に示すように、第2ドラム部材1022の回転に伴って方向Xsに移動し、露光領域A1007のうちのY軸方向の各部分領域は、第1から第6投影領域PA1001〜PA1006のいずれかを通過する。換言すると、第1から第6投影領域PA1001〜PA1006は、露光領域A1007のY軸方向の全幅をカバーするように、配置されている。
なお、第1投影モジュールPL1001に対する照明光束EL1の照射方向は、例えば第1照明領域IR1001内のいずれかの位置を通る主光線の進行方向としてもよいし、第1照明領域IR1001の中心を通る主光線の進行方向としてもよい。第2から第6投影モジュールPL1002〜PL1006に対する照明光束EL1の照射方向についても同様である。
ところで、第1から第6投影領域PA1001〜PA1006は、そのいずれかを通る基板P上の領域が互いに端部で重複しないように、配置されていてもよい。例えば、第1投影領域PA1001を通る第3領域A1005が、第2投影領域PA1002を通る第4領域A1006と一部重複しなくてもよい。すなわち、マルチレンズ方式であっても各投影モジュールによる継ぎ露光を行なわないこともできる。この場合に、第3領域A1005は、第1のデバイスに対応するパターンが投影される領域であって、第4領域A1006は、第2のデバイスに対応するパターンが投影される領域であってもよい。上記の第2のデバイスは、第1のデバイスと同種のデバイスであって、第4領域A1006に第3領域A1005と同じパターンが投影されてもよい。上記の第2のデバイスは、第1のデバイスと異なる種類のデバイスであって、第4領域A1006に第3領域A1005と異なるパターンが投影されてもよい。
次に、本実施形態の投影光学系PLの詳細構成について図6を参照して説明する。なお、本実施形態において、第2から第6投影モジュールPL1001〜PL1006のそれぞれは、第1投影モジュールPL1001と同様の構成である。そのため、投影光学系PLを代表して、第1投影モジュールPL1001の構成について説明する。
図6に示す第1投影モジュールPL1001は、第1照明領域IR1001に配置されたマスクMのパターンの像を中間像面p1007に結像する第1光学系1041と、第1光学系1041が形成した中間像の少なくとも一部を基板Pの第1投影領域PA1001に再結像する第2光学系1042と、中間像が形成される中間像面p1007に配置された第1視野絞り1043とを備える。
また、第1投影モジュールPL1001は、基板P上に形成されるマスクのパターン像(以下、投影像という)のフォーカス状態を微調整する為のフォーカス補正光学部材1044、投影像を像面内で微少に横シフトさせる為の像シフト補正光学部材1045、投影像の倍率を微少補正する倍率補正用光学部材1047、及び投影像を像面内で微少回転させる為のローテーション補正機構1046、を備える。
フォーカス補正光学部材1044は、第1照明領域IR1001から出射した結像光束EL2が入射する位置に配置され、像シフト補正光学部材1045は、フォーカス補正光学部材1044から出射した結像光束EL2が入射する位置に配置されている。倍率補正用光学部材1047は、第2光学系1042から出射した結像光束EL2が入射する位置に配置されている。
マスクMのパターンからの結像光束EL2は、第1照明領域IR1001から法線方向に出射し、フォーカス補正光学部材1044を通って像シフト補正光学部材1045に入射する。像シフト補正光学部材1045を透過した結像光束EL2は、第1光学系1041の要素である第1偏向部材1050の第1反射面(平面鏡)p1004で反射され、第1レンズ群1051を通って第1凹面鏡1052で反射され、再び第1レンズ群1051を通って第1偏向部材1050の第2反射面(平面鏡)p1005で反射されて、第1視野絞り1043に入射する。
第1視野絞り1043を通った結像光束EL2は、第2光学系1042の要素である第2偏向部材1057の第3反射面(平面鏡)p1008で反射され、第2レンズ群1058を通って第2凹面鏡1059で反射され、再び第2レンズ群1058を通って第2偏向部材1057の第4反射面(平面鏡)p1009で反射されて、倍率補正用光学部材1047に入射する。
倍率補正用光学部材1047から出射した結像光束EL2は、基板P上の第1投影領域PA1001に入射し、第1照明領域IR1001内に現れるパターンの像が第1投影領域PA1001に等倍(×1)で投影される。
第1光学系1041と第2光学系1042は、例えばダイソン系を変形したテレセントリックな反射屈折光学系である。本実施形態において、第1光学系1041の光軸(以下、第1光軸AX1003という)は、中心面p1003に対して実質的に直交する。第1光学系1041は、第1偏向部材1050、第1レンズ群1051、及び第1凹面鏡1052を備える。像シフト補正光学部材1045から出射した結像光束EL2は、第1偏向部材1050の第1反射面p1004で反射して第1光軸AX1003の一方側(−X側)に向って進行し、第1レンズ群1051を通って瞳面に配置される第1凹面鏡1052に入射する。第1凹面鏡1052で反射した結像光束EL2は、第1光軸AX1003の他方側(+X側)に進行して第1レンズ群1051を通り、第1偏向部材1050の第2反射面p1005で反射して第1視野絞り1043に入射する。
第1偏向部材1050は、Y軸方向に延びる三角プリズムである。本実施形態において、第1反射面p1004と第2反射面p1005のそれぞれは、三角プリズムの表面に形成された鏡面(反射膜の表面)を含む。第1照明領域IR1001の中心を通った結像光束EL2の主光線EL3は、中心面p1003に対してXZ面内で傾斜した第1径方向D1001に沿って進行して第1投影モジュールPL1001に入射する。
第1偏向部材1050は、第1照明領域IR1001から第1反射面p1004に達する主光線EL3と、第2反射面p1005から中間像面p1007に達する主光線EL3(中心面p1003と平行)とが、XZ面内で非平行となる(交差する)ように、結像光束EL2を偏向する。
以上のような光路を形成する為に、本実施形態では、第1偏向部材1050の第1反射面p1004と第2反射面p1005とが交わる稜線と第1光軸AX1003とを含み、XY面と平行な面をp1006としたとき、この面p1006に対して第1反射面p1004と第2反射面p1005は非対称な角度で配置されている。
第1反射面p1004の面p1006に対する角度をθ1001、第2反射面p1005の面p1006に対する角度をθ1002とすると、本実施形態において、角度(θ1001+θ1002)は、90°未満に設定され、角度θ1001は45°未満、角度θ1002は実質的に45°に設定されている。
第1反射面p1004で反射して第1レンズ群1051に入射する主光線EL3を光軸AX1003と平行に設定することにより、その主光線EL3は第1凹面鏡1052の中心、すなわち瞳面の光軸AX1003との交点に通すことができ、テレセントリックな結像状態を確保できる。その為には、図6において、第1照明領域IR1001から第1反射面p1004に達する主光線EL3(第1径方向D1001)の中心面p1003に対する傾き角をθdとしたとき、第1反射面p1004の角度θ1001は、下記の式(1)を満たすように設定すれば良い。
θ1001=45°−(θd/2)・・・(1)
本実施形態において、第1レンズ群1051に属する複数のレンズのそれぞれは、第1光軸AX1003の回りで軸対称な形状である。第1反射面p1004で反射した結像光束EL2は、面p1006に関する一方側(+Z側)から第1レンズ群1051に入射する。第1凹面鏡1052は、第1光学系1041の瞳面の位置又はその近傍に配置されている。
第1レンズ群1051を通った結像光束EL2の主光線EL3は、第1光軸AX1003と第1凹面鏡1052との交点に入射する。第1凹面鏡1052で反射した結像光束EL2は、第1凹面鏡1052への入射前と比較して、第1レンズ群1051の中を面p1006に関して対称的な光路に沿って進行する。第1凹面鏡1052で反射した結像光束EL2は、第1レンズ群1051の他方側(−Z側)から出射し、第1偏向部材1050の第2反射面p1005で反射して、中心面p1003と平行な主光線EL3に沿って進行する。
第1視野絞り1043は、第1投影領域PA1001の形状を規定する開口を有する。すなわち、第1視野絞り1043の開口の形状が第1投影領域PA1001の形状を規定することになる。従って、図6に示すように、中間像面p1007に視野絞り1043を配置できる場合は、この視野絞り1043の開口形状を先の図5の右図で示したような台形状にすることができ、その場合は、第1から第6照明領域IR1001〜IR1006のそれぞれの形状を、第1から第6投影領域PA1001〜PA1006のそれぞれの形状(台形)と相似にしなくてもよく、各投影領域(視野絞り1043の開口)の台形形状を包含するような長方形にすることができる。
第2光学系1042は、第1光学系1041と同様の構成であり、第1視野絞り1043を含む中間像面p1007に関して第1光学系1041と対称的に設けられている。第2光学系1042の光軸(以下、第2光軸AX1004という)は、中心面p1003に対して実質的に直交する。第2光学系1042は、第2偏向部材1057、第2レンズ群1058、及び第2凹面鏡1059を備える。第1光学系1041から出射して第1視野絞り1043を通った結像光束EL2は、第2偏向部材1057の第3反射面p1008で反射し、第2レンズ群1058を通って第2凹面鏡1059に入射する。第2凹面鏡1059で反射した結像光束EL2は、再び第2レンズ群1058を通って第2偏向部材1057の第4反射面p1009で反射し、倍率補正用光学部材1047に入射する。
第2光学系1042の第2偏向部材1057、第2レンズ群1058、第2凹面鏡1059は、それぞれ、第1光学系1041の第1偏向部材1050、第1レンズ群1051、第1凹面鏡1052と同様である。第2偏向部材1057の第3反射面p1008が第2光軸AX1004となす角度θ1003は、第1偏向部材1050の第2反射面p1005が第1光軸AX1003となす角度θ1002と実質的に同じである。また、第2偏向部材1057の第4反射面p1009が第2光軸AX1004となす角度θ1004は、第1偏向部材1050の第1反射面p1004が第1光軸AX1003となす角度θ1001と実質的に同じである。第2レンズ群1058に属する複数のレンズのそれぞれは、第2光軸AX1004の回りで軸対称な形状である。
第2凹面鏡1059は、第2光学系1042の瞳面の位置又はその近傍に配置されている。
第1視野絞り1043を通った結像光束EL2は、中心面p1003と平行な主光線に沿った方向に進行して第3反射面(平面)p1008に入射する。第3反射面p1008の第2光学系1042の第2光軸AX1004(或いは面p1006や中間像面p1007)に対する傾き角度θ1003はXZ面内で45°であり、ここで反射した結像光束EL2は、第2レンズ群1058の上半分の視野領域に入射する。その第2レンズ群1058に入射する結像光束EL2の主光線EL3は、第2光軸AX1004と平行になり、第2光軸AX1004と第2凹面鏡1059との交点に入射する。
第2凹面鏡1059で反射した結像光束EL2は、第2凹面鏡1059への入射前と比較して、第2光軸AX1004に関して対称的に進行する。第2凹面鏡1059で反射した結像光束EL2は、再び第2レンズ群1058の下半分の視野領域を通って、第2偏向部材1057の第4反射面p1009で反射して、中心面p1003と交差する方向へ進行する。
第2光学系1042から出射して第1投影領域PA1001へ向う結像光束EL2の主光線EL3の進行方向は、第1視野絞り1043を含む中間像面p1007に関して、第1照明領域IR1001から第1光学系1041に入射する結像光束EL2の主光線EL3の進行方向と対称的に設定されている。すなわち、XZ面内で見たとき、第2偏向部材1057の第4反射面p1009の第2光軸AX1004に対する角度θ1004は、先の式(1)と同様に、下記の式(2)を満たすように設定される。
θ1004=45°−(θd/2)・・・(2)
これにより、第2光学系1042から出射した結像光束EL2の主光線EL3は、基板P上の第1投影領域PA1001(円筒面状)の法線方向(図2中の回転中心線AX1002に向かう方向)に進む。
本実施形態において、フォーカス補正光学部材1044、像シフト補正光学部材1045、ローテーション補正機構1046及び倍率補正用光学部材1047は、第1投影モジュールPL1001の結像特性を調整する結像特性調整機構を構成する。結像特性調整機構を制御することにより、基板P上での投影像の投影条件を投影モジュールごとに調整することができる。ここでいう投影条件は、基板P上での投影領域の並進位置や回転位置、倍率、フォーカスのうちの1以上の項目を含む。投影条件は、同期走査時の基板Pに対する投影領域の位置ごとに定めることができる。投影像の投影条件を調整することによって、マスクMのパターンと比較したときの投影像の歪を補正することが可能である。なお、結像特性調整機構は、その構成を適宜変更可能であり、その少なくとも一部を省略できる。
フォーカス補正光学部材1044は、例えば、2枚のクサビ状のプリズムを逆向き(図6中ではX方向について逆向き)にして、全体として透明な平行平板になるように重ね合わせたものである。この1対のプリズムを互いに対向する面間の間隔を変えずに斜面方向にスライドさせることにより、平行平板としての厚さを可変にする。これによって第1光学系1041の実効的な光路長を微調整し、中間像面p1007及び投影領域PA1001に形成されるパターン像のピント状態が微調整される。
像シフト補正光学部材1045は、図6中のXZ面内で傾斜可能な透明な平行平板ガラスと、それと直交する方向に傾斜可能な透明な平行平板ガラスとで構成される。その2枚の平行平板ガラスの各傾斜量を調整することで、中間像面p1007及び投影領域PA1001に形成されるパターン像をX方向やY方向に微少シフトさせることができる。
倍率補正用光学部材1047は、例えば、凹レンズ、凸レンズ、凹レンズの3枚を所定間隔で同軸に配置し、前後の凹レンズは固定して、間の凸レンズを光軸(主光線)方向に移動させるように構成したものである。これによって、投影領域PA1001に形成されるパターン像は、テレセントリックな結像状態を維持しつつ、等方的に微少量だけ拡大または縮小される。なお、倍率補正用光学部材1047を構成する3枚のレンズ群の光軸は、ここを通る傾いた主光線EL3と平行になるようにXZ面内では傾けられている。
ローテーション補正機構1046は、例えば、アクチュエータ(図示略)によって、第1偏向部材1050を第1光軸AX1003に平行な軸周りに微少回転させるものである。このローテーション補正機構1046によって、中間像面p1007に形成されるパターン像を、その中間像面p1007内で微少回転させることができる。
このように、第1投影モジュールPL1001から出射した結像光束EL2は、第2ドラム部材1022の外周面に配置されている基板Pの第1投影領域PA1001に、第1照明領域IR1001に現れるパターンの像を形成する。本実施形態において、第1照明領域IR1001の中心を通った結像光束EL2の主光線EL3は、第1照明領域IR1001から法線方向に出射し、第1投影領域PA1001に対して法線方向から入射する。このようにして、円筒面状の第1照明領域IR1001に現れるマスクMのパターンの像は、円筒面状の基板P上の第1投影領域PA1001に投影される。また、第2から第6照明領域IR1002〜IR1006のそれぞれに現れるマスクMのパターンの像は、同様にして、円筒面状の基板P上の第2から第6投影領域PA1002〜PA1006のそれぞれに投影される。
本実施形態では、図2、図5に示したように、奇数番目の照明領域IR1001、IR1003、IR1005と偶数番目の照明領域IR1002、IR1004、IR1006が中心面p1003に関して対称的な距離に配置されると共に、奇数番目の投影領域PA1001、PA1003、PA1005と偶数番目の投影領域PA1002、PA1004、PA1006も、中心面p1003に関して対称的な距離に配置される。そのため、6つの投影モジュールの各々を全て同じ構成にすることができ、投影光学系の部品の共通化ができ、組立工程、検査工程が簡素化されると共に、各投影モジュールの結像特性(収差等)を一様に揃えることができる。このことは、特に、マルチレンズ方式によって個々の投影モジュールの投影領域間で継ぎ露光を行なう場合に、基板P上に形成されるパネル用パターンの品質(転写忠実度)をパネル内の位置や領域に依らず一定に保つ上で有利である。
また、一般的な露光装置は、投影領域が円筒面状に湾曲していると、例えば投影領域に非垂直な方向から結像光束が入射する場合等に、投影領域の位置によってはデフォーカスが大きくなることがある。結果として、露光不良が発生し、不良デバイスが発生することがある。
本実施形態においては、投影光学系PL(例えば、第1投影モジュールPL1001)の第1偏向部材1050(第1反射面p1004)及び第2偏向部材1057(第4反射面p1009)は、第1照明領域IR1001から法線方向に出射した主光線EL3が第1投影領域PA1001に法線方向から投射されるように、主光線EL3を偏向する。そのため、基板処理装置1011は、投影領域PA1001内での投影像のフォーカス誤差、特に、図5に示した各投影領域PA1001〜PA1006内における投影像のベスト・フォーカス面の全体が、各投影モジュールPL1001〜PL1006の焦点深度(Depth of Focus)の幅から大きく外れることを減らすことができ、露光不良等の発生が抑制される。結果として、デバイス製造システム1001による不良デバイスの発生が抑制される。
本実施形態において、投影光学系PLは、中間像が形成される位置に配置された第1視野絞り1043を含んでいるので、投影像の形状等を高精度に管理することができる。そのため、基板処理装置1011は、例えば第1から第6投影領域PA1001〜PA1006の重ね誤差を減らすことができ、露光不良等の発生が抑制される。また、第1偏向部材1050の第2反射面p1005は、第1照明領域IR1001からの主光線EL3を視野絞り1043と直交するように偏向する。そのため、基板処理装置1011は、投影像の形状等をさらに高精度に管理することができる。
また、本実施形態において、第1から第6投影モジュールPL1001〜PL1006のそれぞれは、マスクMのパターンの像を正立像として投影する。そのため、基板処理装置1011は、マスクMのパターンを第1から第6投影モジュールPL1001〜PL1006に分けて投影する場合に、例えば、投影像が投影された領域(例えば第3領域A1005及び第4領域A1006)を一部重ねる継ぎ露光が可能となるので、マスクMを設計することが容易になる。
本実施形態において、基板処理装置1011は、搬送装置1009が第2面p1002に沿って基板Pを一定速度で連続搬送しながら露光装置EXが基板Pを露光するので、露光処理の生産性を高めることができる。結果として、デバイス製造システム1001は、デバイスを効率よく製造することができる。
なお、本実施形態において、第1反射面p1004と第2反射面p1005は、同一の偏向部材(第1偏向部材1050)の表面に配置されているが、異なる部材の表面に配置されていてもよい。また、第1反射面p1004と第2反射面p1005の一方又は双方は、第1偏向部材1050の内面に配置されており、例えば全反射条件によって光が反射する特性を有していてもよい。
さらに、上述のような第1反射面p1004、第2反射面p1005に関する変形は、第3反射面p1008と第4反射面p1009の一方又は双方に適用することもできる。例えば、第2面p1002の半径r1002を変更した場合等に、第2偏向部材1057の第4反射面p1009は、結像光束EL2が第1投影領域PA1001に対して法線方向から入射するように、角度θ1004を設定すると共に、第1投影領域PA1001の中心点と第2投影領域PA1002の中心点との間の円弧状の周長が、マスクM(半径r1001)上の対応する照明領域IR1001の中心点と照明領域IR1002の中心点との間の円弧状の周長と一致するように配置を設定する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態において、上記の実施形態と同様の構成要素については、上記の実施形態と同じ符号を付してその説明を簡略化または省略することがある。
図7は、本実施形態の基板処理装置1011の構成を示す図である。本実施形態の搬送装置1009は、第1搬送ローラー1030、第1ガイド部材(エア・ターン・バー等)1031、第4搬送ローラー1071、第5搬送ローラー1072、第6搬送ローラー1073、第2ガイド部材(エア・ターン・バー等)1033、及び第2搬送ローラー1034を備える。
搬送経路の上流から第1搬送ローラー1030へ搬送されてきた基板Pは、第1搬送ローラー1030を経由して第1ガイド部材1031へ搬送される。第1ガイド部材1031を経由した基板Pは、第4搬送ローラー1071を経由して第5搬送ローラー1072へ搬送される。第5搬送ローラー1072は、その中心軸が中心面p1003上に配置されている。第5搬送ローラー1072を経由した基板Pは、第6搬送ローラー1073を経由して、第2ガイド部材1033へ搬送される。
第6搬送ローラー1073は、中心面p1003に関して、第4搬送ローラー1071と対称的に配置されている。第2ガイド部材1033を経由した基板Pは、第2搬送ローラー1034を経由して、搬送経路の下流へ搬送される。第1ガイド部材1031及び第2ガイド部材1033は、先の図2に示した第1ガイド部材1031及び第2ガイド部材1033と同様に、搬送経路において基板Pに働くテンションを調整する。
図7における第1投影領域PA1001は、第4搬送ローラー1071と第5搬送ローラー1072の間を直線的に搬送されている基板P上に設定される。第4搬送ローラー1071と第5搬送ローラー1072との間で基板Pは搬送方向に所定のテンションが付与されるように支持され、基板Pは平面状の第2面p1002に沿って送られる。
第1投影領域PA1001(第2面p1002)は、中心面p1003に対して非垂直となるように、傾斜している。第1投影領域PA1001の法線方向(以下、第1法線方向D1003という)は、中心面p1003と直交する面、例えば、図6にも示した中間像面p1007に関して、第1径方向D1001と対称的に配置される。第1投影モジュールPL1001から出射した結像光束EL2の主光線EL3は、第1投影領域PA1001に対して第1法線方向D1003から入射する。換言すると、第4搬送ローラー1071と第5搬送ローラー1072とに掛け渡された基板Pの第1法線方向D1003が、中心面p1003と直交する中間像面p1007に関して第1径方向D1001と対称的になるように、第4搬送ローラー1071と第5搬送ローラー1072は、配置されている。
第2投影領域PA1002は、第5搬送ローラー1072と第6搬送ローラー1073の間を搬送されている基板P上に設定される。基板Pは、第5搬送ローラー1072と第6搬送ローラー1073の間では一定のテンションが付与されるように支持され、平面状の第2面p1002に沿って送られる。
第2投影領域PA1002は、中心面p1003に対して非垂直となるように、傾斜している。第2投影領域PA1002の法線方向(第2法線方向D1004)は、中心面p1003と直交する中間像面p1007に関して、第2径方向D1002と対称的である。第2投影モジュールPL1002から出射した結像光束EL2の主光線EL3は、第2投影領域PA1002に対して第2法線方向D1004から入射する。換言すると、第5搬送ローラー1072と第6搬送ローラー1073とに掛け渡された基板Pの第2法線方向D1004が、中心面p1003と直交する中間像面p1007に関して第2径方向D1002と対称的になるように、第5搬送ローラー1072と第6搬送ローラー1073は、配置されている。
本実施形態の基板処理装置1011は、第4搬送ローラー1071、第5搬送ローラー1072、及び第6搬送ローラー1073によって、先の図2で示した円筒面状の第2面p1002を近似的な平面に近づけたものであり、各投影領域PA1001〜PA1006において基板P上に投影されるパターン像の転写忠実度は、焦点深度(DOF)の観点からも、さらに向上する。また、先の図2のように、基板Pの支持と搬送の為に半径r1002の第2ドラム部材1022を使う場合と比べて、搬送装置1009全体のZ方向の高さを低く抑えることができ、装置全体を小型にできる。
また、図7の装置構成において、第4搬送ローラー1071、第5搬送ローラー1072、及び第6搬送ローラー1073は、搬送装置1009の一部であるとともに、露光対象の基板Pを支持する支持部材(露光装置EX側の基板ステージ)を兼ねている。なお、第4搬送ローラー1071と第5搬送ローラー1072の間と、第5搬送ローラー1072と第6搬送ローラー1073の間に、基板Pの裏面側を流体ベアリングにより非接触で平面支持するベル・ヌイ方式のパッド板を設け、各投影領域PA1001〜PA1006が位置する基板Pの部分的な領域の平坦性をより高めるようにしても良い。
さらに、図7に示した搬送装置1009の搬送ローラーの少なくとも1つは、投影光学系PLに対して固定されていてもよいし、可動であってもよい。例えば、第5搬送ローラー1072は、X軸方向に平行な並進方向、Y軸方向に平行な並進方向、及びZ軸方向に平行な並進方向の3つの並進方向と、X軸方向平行な軸周りの回転方向、Y軸方向に平行な軸周りの回転方向、及びZ軸方向に平行な軸周りの3つの回転方向とを含む6方向(6自由度)のうち、少なくとも1方向(1自由度)において、微少に移動可能でもよい。或いは、第5搬送ローラー1072に対して、第4搬送ローラー1071と第6搬送ローラー1073の一方又は双方のZ軸方向の相対位置を微調整することによって、第1投影領域PA1001の第1法線方向D1003又は第2投影領域PA1002の第2法線方向D1004と、平面化支持された基板Pの表面とがなす角度を微調整することができる。このように、選択されたローラーを微少移動させることにより、各投影領域PA1001〜PA1006におけるパターン投影像面に対する基板Pの表面の姿勢を高精度に合わせ込むことが可能となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について図8を参照して説明する。本実施形態において、上記の各実施形態と同様の構成要素については、上記の各実施形態と同じ符号を付してその説明を簡略化または省略することがある。
図8は、本実施形態の基板処理装置1011としての露光装置EXの構成を示し、基本的な構成は先の図7と同じである。但し、図7の構成と比べて、投影光学系PLの各投影モジュールPL1001〜PL1006内に設けられる第2偏向部材1057の第4反射面p1009の光軸AX1004に対する角度θ1004が45°に設定される点、搬送装置1009により搬送される基板Pが各投影領域PA1001〜PA1006の位置において、中心面p1003と直交した平面(図8中のXY面と平行)になるように支持される点、が大きく異なる。
図8の構成において、基板Pは、搬送経路の上流から第1搬送ローラー1030、第1ガイド部材1031(エア・ターン・バー等)、第4搬送ローラー1071を経由して第8搬送ローラー1076へ搬送される。第8搬送ローラー1076を経由した基板Pは、第2ガイド部材1033(エア・ターン・バー等)と第2搬送ローラー1034を経由して搬送経路の下流へ搬送される。
図8のように、第4搬送ローラー1071と第8搬送ローラー1076の間で、基板PはXY面と平行になるように、所定のテンションを伴って支持され、搬送される。この場合、基板Pが支持される第2面p1002は平面となり、その第2面p1002内に各投影領域PA1001〜PA1006が配置される。
また、各投影モジュールPL1001〜PL1006を構成する第2光学系1042において、第2偏向部材1057の第3反射面p1008と第4反射面p1009は、第2光学系1042から基板Pに出射する結像光束EL2の主光線EL3が実質的に中心面p1003に平行になるように、配置されている。すなわち、投影光学系PL(投影モジュールPL1001〜PL1006)の第1偏向部材1050及び第2偏向部材1057は、円筒面状の各照明領域IR1001〜IR1006から法線方向に出射した各主光線EL3が、共通の平面上に設定される各投影領域PA1001〜PA1006に法線方向から入射するように、結像光路を偏向する。
本実施形態では、マスクMの第1中心軸AX1001に平行な方向から見たXZ面内において、投影領域PA1001(及びPA1003,PA1005)の中心点から投影領域PA1002(及びPA1004,PA1006)の中心点までの第2面p1002(基板Pの表面)に沿った距離DFxは、照明領域IR1001(及びIR1003,IR1005)の中心点から照明領域IR1002(及びIR1004,IR1006)の中心点までの第1面p1001(半径rの円筒面)に沿った距離(弦長、又は周長)DMxと、実質的に等しく設定されている。
ここで、照明領域IRの相互の位置関係と、投影領域PAの相互の位置関係を、模式的に表した図9を参照して、説明する。なお、図9において、符号αは、第1径方向D1001と第2径方向D1002とのなす角度(開き角)[°]を示し、符号rは、第1面p1001の半径[mm]を示す。
図9において、XZ面内における照明領域IR1001の中心点から照明領域IR1002の中心点までの周長DMx[mm]は、角度α及び半径rを用いて、下記の式(3)で表される。
DMx=π・α・r/180 ・・・(3)
また、照明領域IR1001の中心点から照明領域IR1002の中心点までの直線的な距離Dsは下記の式(4)で表される。
Ds=2・r・sin(π・α/360) ・・・(4)
例えば、角度αが30°、半径rが180mmである場合に、周長DMxは約94.248mmになり、距離Dsは約93.175mmになる。すなわち、照明領域IR1001の中心点のX座標と投影領域PA1001の中心点のX座標が一致し、照明領域IR1002の中心点のX座標と投影領域PA1002の中心点のX座標が一致していると仮定すると、マスクMのパターン内で周方向に周長DMxだけ離れた2点を各々投影領域PA1001、PA1002を介して基板Pに投影する場合、その2点は基板P上ではX方向に距離Ds(Ds<DMx)で露光されてしまうことになる。すなわち、先の数値例によると、奇数番の投影領域PA1001、PA1003、PA1005を介して基板P上に露光されるパターンと、偶数番の投影領域PA1002、PA1004、PA1006を介して基板P上に露光されるパターンとが、X方向に関して最大1.073mm程度ずれることを意味する。
そこで本実施態様では、平面化された基板P上において、投影領域PA1001の中心点と投影領域PA1002の中心点との間の直線距離DFxが周長DMxと実質的に等しくなるように、投影光学系PL内の特定の光学部材の配置条件を、先の図6に示した条件から変える。
具体的には、第2偏向部材1057の第4反射面p1009を、先の図6のような位置から、光軸AX1004(X軸)と平行な方向に少しだけずらし、結果的に直線距離DFxが周長DMxと一致するように設置する。先に挙げた数値例によれば、周長DMxと距離Dsとの差分は1.073mmであり、例えば、奇数番の投影モジュールPL1001、PL1003、PL1005の各々に含まれる第2偏向部材1057の第4反射面p1009の位置を、1mm程度、光軸AX1004に沿って第2凹面鏡1059側に平行移動させて配置することは容易である。
しかしながら、それでは、第2偏向部材1057の構成(第4反射面p1009の配置)に関して偶数番の投影モジュールPL1002、PL1004、PL1006と異なる部品が必要になる場合がある。
そこで、全ての投影モジュールPL1001〜PL1006に搭載する第2偏向部材1057の第4反射面p1009の位置を、上記1mmの半分の0.5mm程度だけ光軸AX1004に沿って第2凹面鏡1059側に平行移動させたものとすれば、部品の共通化が図れる。
図10は、図9で説明したマスクMのパターン面(第1面p1001)に沿った周長DMxと、奇数番と偶数番の照明領域の中心間の直線的な距離Dsとの差分と、角度αとの相関を示すグラフであり、縦軸は差分を表し、横軸は開き角αを表す。また、図10のグラフ中の複数の曲線は、マスクMのパターン面(円筒状の第1面p1001)の半径rを、180mm、210mm、240mm、300mmと変えた場合を表している。先に数値例を挙げて説明したように、角度αが30°、半径rが180mmである場合に、周長DMxは約94.248mmになり、距離Dsは約93.175mmになるので、図10のグラフの縦軸に示す差分は、約1.073mmになる。
図10に示すように、マスクMのパターン面(第1面p1001)上の周長DMxと、照明領域IR1001の中心点から照明領域IR1002の中心点までの直線的な距離Dsとの差分量は、第1面p1001の半径rと角度αに応じて変化するので、図10のグラフの関係に基づいて、第2偏向部材1057の第4反射面p1009の位置を設定すれば良い。
なお、基板P上の直線距離DFxとマスクM上の周長DMxとを実質的に等しくするために、第2偏向部材1057の第4反射面p1009のX方向の位置を最適に配置しても、最終的にサブミクロンオーダーでの合わせ込みは難しいことがあるので、数μm〜数十μm以下の残差分は、先の図6中に示した像シフト補正光学部材1045を利用して投影像をX方向に微少シフトさせることにより、充分な精度で直線距離DFxと周長DMxを一致させることができる。
このように、像シフト補正光学部材1045を利用して投影像をX方向に微少シフトさせて、マスクパターン面内の走査露光方向に関する2物点の間隔距離(周長)と、その2物点が基板P上に投影されたときの各像点の走査露光方向に関する間隔距離(周長)とがサブミクロンオーダーで等しくなるように、各投影モジュールPL1001〜PL1006を調整する方法は、先の図2〜図6の装置構成、図7の装置構成においても同様に適用できる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について図11を参照して説明する。図11において、上記の各実施形態と同様の構成要素については、上記の各実施形態と同じ符号を付してその説明を簡略化または省略することがある。
図11は、基板処理装置1011としての露光装置EXの構成を示す図である。本実施形態において、基板Pの搬送装置1009の構成は、先の図2に示した搬送装置1009の構成と同じである。図11に示す基板処理装置1011の構成が先の図2、図7、図8の各装置構成と異なる点は、マスクMを回転円筒マスクではなく、通常の透過型の平面マスクにした点、投影光学系PLの各投影モジュールPL1001〜PL1006内に設けられる第1偏向部材1050の第1反射面p1004の光軸AX1003(面p1006)に対する角度θ1001が45°に設定される点等である。
図11において、マスク保持装置1012は、平面状のマスクMを保持するマスクステージ1078と、マスクステージ1078を中心面p1003と直交する面内でX方向に沿って走査移動させる移動装置(図示略)とを備える。
図11のマスクMのパターン面は実質的にXY面と平行な平面であるので、投影モジュールPL1001〜PL1006のマスクM側の各主光線EL3はXY面と垂直になり、マスクM上の各照明領域IR1001〜IR1006を照明する照明モジュールIL1001〜IL1006の光軸(主光線)もXY面に対して垂直になるように配置される。
本実施形態において、投影モジュールPL1001〜PL1006の第1光学系1041に含まれる第1偏向部材1050の第1反射面p1004と第2反射面p1005は、第1光学系1041から出射する結像光束EL2の主光線EL3が実質的に中心面p1003と平行になるように、配置されている。すなわち、投影モジュールPL1001〜PL1006の各々に含まれる第1偏向部材1050及び第2偏向部材1057は、マスクM上の各照明領域IR1001〜IR1006から法線方向に進む主光線EL3が、円筒面に沿った基板P上に形成される各投影領域PA1001〜PA1006に法線方向から入射するように、結像光束EL2を偏向する。
その為に、第1偏向部材1050の第1反射面p1004と第2反射面p1005は直交するように配置され、第1反射面p1004と第2反射面p1005はいずれも第1光軸AX1003(XY面)に対して実質的に45°に設定される。
また、第2偏向部材1057の第3反射面p1008は、第2光軸AX1004を含み中心面p1003に直交する面(XY面と平行)に関して第4反射面p1009と非面対称になるように、配置されている。そして、第3反射面p1008が第2光軸AX1004となす角度θ1003は実質的に45°、第4反射面p1009が第2光軸AX1004となす角度θ1004は実質的に45°未満であり、その角度θ1004の設定については先の図6にて説明した通りである。
さらに、本実施形態においても、先の図9と同様に、XZ面内で見たとき、マスクM(第1面p1001)上の照明領域IR1001(及びIR1003,IR1005)の中心点から照明領域IR1002(及びIR1004,IR1006)の中心点までの距離は、円筒面状の基板P上の投影領域PA1001(及びPA1003,PA1005)の中心点から第2投影領域PA1002(及びPA1004,PA1006)の中心点までの円筒状の第2面p1002に沿った長さ(周長)と実質的に等しく設定されている。
図11に示す基板処理装置1011においても、先の図2に示した制御装置1014が、マスク保持装置1012の移動装置(走査露光用のリニアモータや微動用のアクチュエータ等)を制御し、第2ドラム部材1022の回転と同期してマスクステージ1078を駆動する。図11に示す基板処理装置1011では、マスクMの+X方向への同期移動で走査露光を行なった後、−X方向の初期位置にマスクMを戻す動作(巻戻し)が必要となる。そのため、第2ドラム部材1022を一定速度で連続回転させて基板Pを等速で送り続ける場合、マスクMの巻戻し動作の間、基板P上にはパターン露光が行なわれず、基板Pの搬送方向に関してパネル用パターンが飛び飛びに(離間して)形成されることになる。しかしながら、実用上、走査露光時の基板Pの速度(ここでは周速)とマスクMの速度は50〜100mm/sと想定されていることから、マスクMの巻戻しの際にマスクステージ1078を、例えば500mm/sの最高速で駆動すれば、基板P上に形成されるパネル用パターン間の基板搬送方向に関する余白を狭くすることができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について図12を参照して説明する。図12において、上記の各実施形態と同様の構成要素については、上記の各実施形態と同じ符号を付してその説明を簡略化または省略することがある。
図12のマスクMは、先の図2、図7、図8と同様の円筒状のマスクMを用いるが、照明光に対して高反射部分と低反射(光吸収)部分とでパターンを作成した反射型マスクとして構成される。その為、先の各実施態様のような透過型の照明装置1013(照明光学系IL)は利用できず、各投影モジュールPL1001〜PL1006側から反射型のマスクMに向けて照明光を投射する落射照明系のような構成が必要となる。
図12では、第1光学系1041を構成する第1偏向部材1050の第1反射面p1004と反射型のマスクMの間に、偏光ビームスプリッタPBSと1/4波長板PKを設ける。先の図6に示した各投影モジュールの構成では、その位置にフォーカス補正光学部材1044と像シフト補正光学部材1045が設けられていたが、本実施態様では、フォーカス補正光学部材1044、像シフト補正光学部材1045は中間像面p1007(視野絞り1043)の手前又は後方の空間に移される。
偏光ビームスプリッタPBSの波面分割面は、第1偏向部材1050の第1反射面p1004の光軸AX1003(面p6)に対する角度θ1001(<45°)によって、中心面p1003に対し角度α/2(θd)だけ傾いて反射型のマスクM上の照明領域IR1001から径方向(法線方向)に進む主光線EL3に対して、約45°に配置される。
照明光束EL1は、例えば偏光特性の良いレーザ光源から射出され、ビーム整形光学系や照度均一化光学系(フライアイレンズやロッド素子等)等を介して、直線偏光(S偏光)となって偏光ビームスプリッタPBSに入射される。偏光ビームスプリッタPBSの波面分割面では照明光束EL1のほとんどが反射され、照明光束EL1は1/4波長板PKを通って円偏光に変換されて、反射型のマスクM上の照明領域IR1001を台形状又は長方形に照射する。
マスクMのパターン面(第1面p1001)で反射された光(結像光束)は、再び1/4波長板PKを通って直線偏光(P偏光)に変換され、偏光ビームスプリッタPBSの波面分割面をほとんど透過して、第1偏向部材1050の第1反射面p1004に向かう。その第1反射面p1004以降の構成や結像光束(主光線EL3)の光路は、先の図6で説明したものと同じであり、反射型のマスクM上の照明領域IR1001内に現れる反射部によるパターンの像が投影領域PA1001内に投影される。
以上のように、本実施態様では、投影モジュールPL1001(及びPL1002〜PL1006)の第1光学系1041に偏光ビームスプリッタPBSと1/4波長板PKとを追加するだけで、反射型の円筒状マスクであっても、簡単に落射照明系を実現できる。また、照明光束EL1は、反射型のマスクMで反射した結像光束の主光線EL3の方向に対して交差する方向から偏光ビームスプリッタPBSに入射させ、反射型のマスクMに向けるように構成されている。そのため、偏光ビームスプリッタPBSのP偏光とS偏光の消光比(分離特性)が多少小さい場合でも、迷光として照明光束EL1の一部が偏光ビームスプリッタPBSの波面分割面から直接的に第1偏向部材1050の第1反射面p1004、基板Pの投影領域PA1001に向かうことが無く、基板P上に投影露光される像の質(コントラスト等)を良好に保ち、マスクパターンの忠実な転写が可能となる。
[第6実施形態]
図13は、第6実施形態による投影光学系PL(第1投影モジュールPL1001)の構成を示す図である。第1投影モジュールPL1001は、第3偏向部材(平面ミラー)1120、第1レンズ群(等倍投影)1051、瞳面に配置される第1凹面鏡1052、第4偏向部材(平面ミラー)1121、及び第5光学系(拡大投影系)1122を備える。照明領域IR(第1照明領域IR1001)が配置される第1面p1001は、円筒状の第1ドラム部材1021に保持されるマスクM(透過型または反射型)のパターン面であり、円筒面となっている。また、投影領域PA(第1投影領域PA1001)が配置される基板P上の第2面p1002は、ここでは平面とする。
なお、第1ドラム部材1021(マスク支持部材)に保持されるマスクMが、先の図12のような反射型の場合は、マスクMと第3偏向部材1120の間に、偏光ビームスプリッタと1/4波長板が設けられる。
図13において、第1照明領域IR1001から出射した結像光束EL2は、第3偏向部材1120の第5反射面p1017で反射して、第1レンズ群1051に入射する。第1レンズ群1051に入射した結像光束EL2は、第1凹面鏡1052で反射して折り返されて第1レンズ群1051から出射し、第4偏向部材1121の第6反射面p1018に入射する。第1レンズ群1051及び第1凹面鏡1052によって、上記の実施形態と同様にして、第1照明領域IR1001内に現れるマスクMのパターンの中間像が等倍で形成される。
第6反射面p1018で反射した結像光束EL2は、中間像の形成位置を通って第5光学系1122に入射し、第5光学系1122を通って第1投影領域PA1001に達する。第5光学系1122は、第1レンズ群1051及び第1凹面鏡1052によって形成された中間像を、所定の拡大倍率(例えば2倍以上)で第1投影領域PA1001に再結像する。
図13において、第3偏向部材1120の第5反射面p1017は、図6で説明した第1偏向部材1050の第1反射面p1004に相当し、第4偏向部材1121の第6反射面p1018は、図6で説明した第1偏向部材50の第2反射面p5に相当する。
図13に示した投影光学系では、第3偏向部材1120とマスクM(円筒状の第1面p1001)の間の主光線EL3の延長線がマスクMの回転中心線AX1001を通るように設定され、平面支持される基板Pの表面(第2面p1002)と垂直な光軸AX1008を有する第2光学系1122と基板P上の投影領域PA1001との間の結像光束EL2の主光線EL3が第2面p1002と垂直になるように、すなわちテレセントリックな結像条件を満たすように設定されている。そのような条件を維持する為に、図13の投影光学系は、第3偏向部材1120又は第4偏向部材1121を図13中のXZ面内で微小回転させる調整機構を備える。
なお、第3偏向部材1120や第4偏向部材1121は、図13中のYZ面内での微小回転の他に、X軸方向やZ軸方向への微小移動、Z軸と平行な軸回りの微小回転を可能とする構成にしてもよい。その場合、投影領域PA1001内に投影される像を、X方向に微小シフトさせたり、XY面内で微小回転させたりすることができる。
なお、投影モジュールPL1001は、全体として拡大投影光学系であるが、全体として等倍投影光学系にしてもよいし、縮小投影光学系にしてもよい。その場合は、第1レンズ群1051と第1凹面鏡1052からなる第1光学系は等倍系なので、その後段の第5光学系1122の投影倍率を等倍または縮小に変えれば良い。
[第6実施形態の変形例]
図14は、第6実施形態による投影光学系を利用した変形例の構成をY軸方向から見た図であり、図15は、図14の構成をX軸方向から見た図である。図14、図15に示した投影光学系は、図13の拡大投影光学系を、Y軸方向すなわち円筒状のマスクMの回転中心軸AX1001の軸方向に、複数配置してマルチ化する場合の変形例を示したものである。
本変形例の投影光学系PLは、図15に示すように、第1投影モジュールPL1001及び第2投影モジュールPL1002を備える。第2投影モジュールPL1002は、第1投影モジュールPL1001と同様の構成であり、図14に示すように、中心面p1003に関して第1投影モジュールPL1001と対照的に配置されるが、図14中のY軸方向については、図15に示すように、互いに離間している。
第1投影モジュールPL1001は、図14に示すように、マスクM上の照明領域IR1001からの結像光束を受ける第3偏向部材1120A、第1レンズ群1051A、第1凹面鏡1052A、第4偏向部材1121A、及び第5光学系(拡大結像系)1122Aを備える。
図14、図15に示す投影モジュールPL1001は、先の各投影光学系(図6や図13)と比べて、マスクMと第3偏向部材1120Aとの間の主光線の傾き方向を変えてある。すなわち、図6の第1偏向部材1050の反射面p1004や図13の第3偏向部材1120の反射面は、マスクMの照明領域IR1001からの主光線EL3を、第1レンズ群1051(1051A)と第1凹面鏡1052(1052A)で構成される第1光学系の光軸AX1003と平行になるように、鈍角(90°以上)で偏向しているのに対し、図14の構成では、照明領域IR1001からの主光線EL3が第1光学系の光軸と平行になるように、鋭角(90°未満)で偏向している。
第2投影モジュールPL1002も、同様にして、図14に示すように、マスクM上の照明領域IR1002からの結像光束を受ける第3偏向部材1120B、第1レンズ群1051B、第1凹面鏡1052B、第4偏向部材1121B、及び第5光学系(拡大結像系)1122Bを備える。
図14、図15に示した投影光学系PL1001,PL1002は、全体として拡大投影光学系であり、図15に示すように、第1照明領域IR1001が配置されるマスクM(第1ドラム部材1021)上の第1領域A1001と、第2照明領域IR1002が配置されるマスクM上(第1ドラム部材1021)上の第2領域A1002とは、Y方向に互いに分離したものとなる。しかしながら、投影光学系PL1001,PL1002の拡大倍率を適切に定めることによって、基板P上の投影領域PA1001に投影される第1領域A1001の第3領域A1005(像領域)と、基板P上の投影領域PA1002に投影される第2領域A1002の第4領域A1006(像領域)とは、YZ面内で見るとY方向に一部重畳するような関係に設定される。これによって、マスクM(第1ドラム部材1021)上の第1領域A1001と第2領域A1002とが、基板P上では、Y方向につながって形成され、大きなパネル用パターンを投影露光することができる。
以上のように、図14、図15に示した投影光学系PLを備える基板処理装置では、先の図13で示した投影光学系を中心面p1003に対して対称的に配置して、Y軸方向に複数配置する場合と比べて、投影光学系全体のX方向の幅寸法をコンパクトにでき、処理装置としてもX方向のサイズを小さくすることができる。
なお、先の図9でも説明したが、XZ面内でみた図14において、マスクM(第1ドラム部材1021)上に規定される照明領域IR1001と照明領域IR1002の各中心点の間の周長DMxと、基板P上の対応する投影領域PA1001、PA1002の各中心点の間の距離DFxとは、投影光学系の拡大倍率をMpとしたとき、DFx=Mp・DMxの関係に設定される。
[第7実施形態]
図16は、第7実施態様による投影光学系の構成を示す図である。円筒状の第1面p1001(マスクパターン面)に形成される第1照明領域IR1001からの結像光束EL2は、第6光学系1131に入射し、第6光学系1131を通って第7偏向部材(平面鏡)1132の第9反射面p1022で反射した結像光束EL2は、第1視野絞り1043が配置される中間像面p1007に達し、この中間像面p1007にマスクMのパターンの像が形成される。
中間像面p1007を通った結像光束EL2は第8偏向部材(平面鏡)1133の第10反射面p1023で反射し、第7光学系1134を通って円筒状の第2面p1002に沿って支持される基板P上の第1投影領域PA1001に達する。図16の第1投影モジュールPL1001は、第1照明領域IR1001におけるマスクMのパターンの像を、正立像として第1投影領域PA1001に投影する。
図16において、第6光学系1131は等倍の結像光学系であり、その光軸AX1010は、第1照明領域IR1001の中心を通った結像光束EL2の主光線と実質的に同軸である。換言すると、光軸AX1010は、図4、または図7〜9に示した第1径方向D1001と実質的に平行である。
第7光学系1134は等倍の結像光学系であり、第6光学系1131が形成した中間像を第1投影領域PA1001に再結像する。第7光学系1134の光軸AX1011は、第1投影領域PA1001の中心を通る円筒状の第2面p1002の第1法線方向(径方向)D1003と実質的に平行である。
本実施形態では、2つの偏向部材1132、1133は、図16中のXZ面において中間像面p1007を挟んで対称的に配置される。簡便には、第6光学系1131の光軸AX1010と第7光学系1134の光軸AX1011が交差する位置に中間像面ができるようにし、その中間像面の位置にYZ面と平行な反射面を持つ1枚の平面鏡を配置して、光路を折り曲げることも考えられる。しかしながら、1枚の平面鏡で済ませる場合、図16中のXZ面内で、第6光学系1131の光軸AX1010と第7光学系1134の光軸AX1011の成す角度が90°よりも大きい場合、その1枚の平面鏡の反射面と各光軸AX1010,AX1011とが成す角度が45°未満の鋭角になり、結像特性が余り好ましくないことがある。例えば、光軸AX1010、AX1011の成す角度が140°程度とすると、1枚の平面鏡の反射面と各光軸AX1010,AX1011とが成す角度は20°になる。そこで、図16のように、2枚の偏向部材(平面鏡)1132、1133を使って光路を折り曲げると、そのような問題が緩和される。
なお、図16の構成において、第6光学系1131を拡大倍率Mfの結像レンズとして、第7光学系1134を縮小倍率1/Mfの結像レンズとし、全体では等倍の投影系としても良い。その逆に、第6光学系1131を縮小倍率1/Mfの結像レンズとして、第7光学系1134を拡大倍率Mfの結像レンズとし、全体では等倍の投影系としても良い。
[第8実施形態]
図17は、第8実施形態による投影光学系PL(第1投影モジュールPL1001)の構成を示す図である。基本的な光学系の構成は、先の図16のものと同じであるが、さらに2つの偏向部材(平面鏡)1140、1143を追加した点が異なる。
図17において、図16中の結像光学系1131に相当する第8光学系1135は、第3レンズ1139と第4レンズ1141で構成され、その光軸は、円筒状の第1面p1001に沿って支持されるマスクM上の第1照明領域IR1001の中心から法線方向に出射する結像光束EL2の主光線と実質的に平行に設定される。第3レンズ1139と第4レンズ1141の間には、第8光学系1135の瞳面が形成され、その位置に第11偏向部材(平面鏡)1140が設けられている。
第1照明領域IR1001から出射して第3レンズ1139を通った結像光束EL2は、第11偏向部材1140の第13反射面p1026で90°又はそれに近い角度で折り曲げられて、第4レンズ1141に入射し、図16中の偏向部材1132に相当する第9偏向部材(平面鏡)1136の第11反射面p1024で反射されて、中間像面p1007に配置された視野絞り1043に至る。これによって、第8光学系1135は、第1照明領域IR1001内に現れるマスクMのパターンの像を、中間像面p1007の位置に形成する。
なお、第8光学系1135は等倍の結像光学系であり、中間像面p1007は中心面p1003と直交するように構成される。また、第3レンズ1139の光軸は、第1照明領域IR1001の中心から法線方向(円筒状の第1面p1001の半径方向)に出射する結像光束EL2の主光線と実質的に同軸又は平行である。
図17の第9光学系1138は、第8光学系1135と同様の構成であり、第1視野絞り1043を含み中心面p1003と実質的に直交する中間像面p1007に関して、第8光学系1135と対称的に配置されている。第8光学系1135と第9偏向部材1136を経て視野絞り1043を通った結像光束EL2は、第10偏向部材(平面鏡)1137の第12反射面p1025で反射されて、第9光学系1138を構成する第5レンズ1142、瞳位置に配置される第12偏向部材1143、及び第6レンズ1144を通って、円筒状の第2面p1002に沿って支持される基板P上の第1投影領域PA1001に達する。図17の構成において、第6レンズ1144の光軸は、第1投影領域PA1001に対して法線方向(円筒状の第2面p1002の半径方向)に進む結像光束EL2の主光線と実質的に同軸または平行に設定されている。
[第9実施形態]
図18は、第9実施形態による投影光学系PL(第1投影モジュールPL1001)の構成を示す図である。図18の第1投影モジュールPL1001は、いわゆるインライン型の反射屈折型の投影光学系である。第1投影モジュールPL1001は、第4凹面鏡1146と第5凹面鏡1147の2枚で構成される等倍の第10光学系1145、第1視野絞り1043(中間像面p1007)、及び図13、14に示したような第2光学系1122を備える。
第10光学系1145は、円筒状の第1面p1001に沿って支持されるマスクM上の第1照明領域IR1001内に現れるパターンの中間像を、視野絞り1043の位置に形成する。本実施態様において、第10光学系1145は、等倍系の光学系である。第4凹面鏡1146及び第5凹面鏡1147のそれぞれは、例えば、回転楕円面の一部として構成される。この回転楕円面は、楕円の長軸(X軸方向)又は短軸(Z軸方向)の周りに楕円を回転させることによって形成される面である。
図18の構成において、第1照明領域IR1001の中央から円筒状の第1面p1001の法線方向(径方向)に出射した結像光束EL2の主光線は、XZ面内でみたとき第1面p1001(第1ドラム部材1021)の回転中心軸AX1001に向かうように設定される。すなわち、マスクM(第1面p1001)から投影モジュールPL1001の第4凹面鏡1146に向かう結像光束EL2の主光線は中心面p1003に対して、XZ面内で傾いたものとなる。
第5光学系1122は、例えば図13において説明したような屈折形の拡大投影光学系であり、第10光学系1145によって視野絞り1043の位置に形成された中間像を、平面状の第2面p1002に沿って支持される基板P上の第1投影領域PA1001に投影する。
第10光学系の第4凹面鏡1146及び第5凹面鏡1147は、第1照明領域IR1001から法線方向に出射した結像光束EL2が第5光学系1122を通って第1投影領域PA1001に対して法線方向から入射するように、結像光束EL2を偏向する。このような投影光学系PLを備える基板処理装置は、上記の実施形態において説明した基板処理装置1011と同様に、露光不良の発生を抑制し、忠実な投影露光を可能とする。なお、第5光学系1122は、等倍の投影光学系であってもよいし、縮小系の光学系であってもよい。
[第10実施形態]
図19は、第10実施形態の投影光学系PL(第1投影モジュールPL1001)の構成を示す図である。図19の第1投影モジュールPL1001は、パワーを有する反射部材を含まない屈折系の光学系である。第1投影モジュールPL1001は、第11光学系1150、第13偏向部材1151、第1視野絞り1043、第14偏向部材1152、及び第12光学系1153を備える。
本実施形態において、円筒状の第1面p1001に沿って保持されるマスクM上の第1照明領域IR1001から出射した結像光束EL2は、第11光学系1150を通ってクサビ状のプリズムからなる第13偏向部材1151によってXZ面内で偏向されて中間像面p1007に配置された第1視野絞り1043に至り、ここにマスクパターンの中間像が形成される。さらに、第1視野絞り1043を通った結像光束EL2は、クサビ状のプリズムからなる第14偏向部材1152によってXZ面内で偏向されて第12光学系1153に入射し、第12光学系1153を通って、円筒状の第2面p1002に沿って支持される基板P上の第1投影領域PA1001に達する。
第11光学系1150の光軸は、例えば第1照明領域IR1001の中心から法線方向(円筒状の第1面p1001の半径方向)に出射した結像光束EL2の主光線と実質的に同軸または平行である。また、第12光学系1153は、第11光学系1150と同様の構成であり、第1視野絞り1043が配置される中間像面p1007(中心面p1003と直交)に関して、第11光学系1150と対称的に配置される。第12光学系1153の光軸は、平面状の第2面p1002の法線に沿って第1投影領域PA1001に入射する結像光束EL2の主光線と実質的に平行に設定される。
第13偏向部材1151は、第11光学系1150を通った結像光束EL2が入射する第9面p1028と、第9面p1028から入射した結像光束が出射する第10面p1029とを有し、第1視野絞り1043(中間像面p1007)の手前または直前に配置される。本実施形態において、所定の頂角をなす第9面p1028及び第10面p1029のそれぞれは、中心面p1003に直交する面(XY面)に対して傾いており、Y軸方向に延びた平面で構成される。
第14偏向部材1152は、第13偏向部材1151と同様のプリズム部材であり、第1視野絞り1043が位置する中間像面p1007に関して、第13偏向部材1151と対称的に配置されている。第14偏向部材1152は、第1視野絞り1043を通った結像光束EL2が入射する第11面p1030と、第11面p1030から入射した結像光束EL2が出射する第12面p1031とを有し、第1視野絞り1043(中間像面p1007)の後方または直後に配置される。
本実施態様において、第13偏向部材1151及び第14偏向部材1152は、第1照明領域IR1001から法線方向に出射した結像光束EL2を、第1投影領域PA1001に対して法線方向から入射するように偏向する。このような投影光学系PLを備える基板処理装置は、上記の実施形態において説明した基板処理装置1011と同様に、露光不良の発生を抑制し、忠実な投影露光を可能とする。
なお、第11光学系1150、或いは第12光学系1153は、拡大投影系であってもよいし、縮小投影系であってもよいが、マスクMや基板Pのいずれか一方を円筒面(又は円弧面)に沿って支持した状態で投影露光する場合は、円筒面の周長方向に離れた2つの投影モジュール間において、物面側での視野の間隔(周長距離)と、最終像面側での投影視野の間隔(周長距離)との比が、投影倍率と一致するように設定してもよい。
[第11実施形態]
図20は、第11実施形態のデバイス製造システム(フレキシブル・ディスプレー製造ライン)の一部の構成を示す図である。ここでは、供給ロールFR1から引き出された可撓性の基板P(シート、フィルム等)が、順次、n台の処理装置U1,U2,U3,U4,U5,・・・Unを経て、回収ロールFR2に巻き上げられるまでの例を示している。上位制御装置2005は、製造ラインを構成する各処理装置U1〜Unを統括制御する。
図20において、直交座標系XYZは、基板Pの表面(又は裏面)がXZ面と垂直となるように設定され、基板Pの搬送方向(長尺方向)と直交する幅方向がY方向に設定されるものとする。なお、その基板Pは、予め所定の前処理によって、その表面を改質して活性化したもの、或いは、表面に精密パターニングの為の微細な隔壁構造(凹凸構造)を形成したものでもよい。
供給ロールFR1に巻かれている基板Pは、ニップされた駆動ローラDR1によって引き出されて処理装置U1に搬送されるが、基板PのY方向(幅方向)の中心はエッジポジションコントローラEPC1によって、目標位置に対して±十数μm〜数十μm程度の範囲に収まるようにサーボ制御される。
処理装置U1は、印刷方式で基板Pの表面に感光性機能液(フォトレジスト、感光性シランカップリング材、UV硬化樹脂液等)を、基板Pの搬送方向(長尺方向)に関して連続的又は選択的に塗布する塗布装置である。処理装置U1内には、基板Pが巻き付けられる圧胴ローラDR2、この圧胴ローラDR2上で、基板Pの表面に感光性機能液を一様に塗布する為の塗布用ローラ等を含む塗布機構Gp1、基板Pに塗布された感光性機能液に含まれる溶剤または水分を急速に除去する為の乾燥機構Gp2等が設けられている。
処理装置U2は、処理装置U1から搬送されてきた基板Pを所定温度(例えば、数10〜120℃程度)まで加熱して、表面に塗布された感光性機能層を安定にする為の加熱装置である。処理装置U2内には、基板Pを折返し搬送する為の複数のローラとエア・ターン・バー、搬入されてきた基板Pを加熱する為の加熱チャンバー部HA1、加熱された基板Pの温度を、後工程(処理装置U3)の環境温度と揃うように下げる為の冷却チャンバー部HA2、ニップされた駆動ローラDR3等が設けられている。
基板処理装置としての処理装置U3は、処理装置U2から搬送されてきた基板Pの感光性機能層に対して、ディスプレー用の回路パターンや配線パターンに対応した紫外線のパターニング光を照射する露光装置である。処理装置U3内には、基板PのY方向(幅方向)の中心を一定位置に制御するエッジポジションコントローラEPC、ニップされた駆動ローラDR4、基板Pを所定のテンションで部分的に巻き付けて、基板P上のパターン露光される部分を一様な円筒面状に支持する回転ドラムDR5、及び、基板Pに所定のたるみ(あそび)DLを与える為の2組の駆動ローラDR6、DR7等が設けられている。
さらに処理装置U3内には、円筒状のマスクMと、回転ドラムDR5によって円筒面状に支持される基板Pの一部分に、円筒状のマスクMのマスクパターンの一部分の像を投影する投影光学系PLと、投影されたマスクパターンの一部分の像と基板Pとを相対的に位置合せ(アライメント)する為に、基板Pに予め形成されたアライメントマーク等を検出するアライメント顕微鏡AM1、AM2とが設けられている。
本実施態様においては、円筒状のマスクMを反射型(外周面のパターンが高反射部と無反射部とで形成される)とするので、投影光学系PLの一部の光学素子を介して露光用照明光を円筒状のマスクMに照射する落射照明光学系も設けられる。その落射照明光学系の構成について、詳しくは後述する。
処理装置U4は、処理装置U3から搬送されてきた基板Pの感光性機能層に対して、湿式による現像処理、無電解メッキ処理等を行なうウェット処理装置である。処理装置U4内には、Z方向に階層化された3つの処理槽BT1、BT2、BT3と、基板Pを折り曲げて搬送する複数のローラと、ニップされた駆動ローラDR8等が設けられている。
処理装置U5は、処理装置U4から搬送されてきた基板Pを暖めて、湿式プロセスで湿った基板Pの水分含有量を所定値に調整する加熱乾燥装置であるが、詳細は省略する。その後、幾つかの処理装置を経て、一連のプロセスの最後の処理装置Unを通った基板Pは、ニップされた駆動ローラDR1を介して回収ロールFR2に巻き上げられる。その巻上げの際も、基板PのY方向(幅方向)の中心、或いはY方向の基板端が、Y方向にばらつかないように、エッジポジションコントローラEPC2によって、駆動ローラDR1と回収ロールFR2のY方向の相対位置が逐次補正制御される。
本実施形態で使用される基板Pは、第1実施形態で例示したものと同様のものを用いることができ、ここでは説明を省略する。
本実施形態のデバイス製造システム2001は、1個のデバイスを製造するための各種の処理を、基板Pに対して繰り返し実行する。各種の処理が施された基板Pは、デバイスごとに分割(ダイシング)されて、複数個のデバイスになる。基板Pの寸法は、例えば、幅方向(短尺となるY方向)の寸法が10cm〜2m程度であり、長さ方向(長尺となるX方向)の寸法が10m以上である。
次に、本実施形態の処理装置U3(露光装置)の構成について説明するが、その前に、本実施形態における露光装置の基本的な構成を、図21〜図23を参照して説明する。
図21に示す露光装置U3は、いわゆる走査露光装置であり、回転中心軸AX2001から半径r2001の円周面を有する反射型の円筒状のマスクMと、回転中心軸AX2002から半径r2002の円周面を有する回転ドラム2030(図1中のDR5)とを備える。そして、円筒状のマスクMと回転ドラム2030とを所定の回転速度比で同期回転させることによって、円筒状のマスクMの外周に形成されたパターンの像が、回転ドラム2030の外周面の一部に巻き付けられた基板Pの表面(円筒面に沿って湾曲した面)に連続的に繰り返し投影露光される。
その露光装置U3には、搬送機構2009、マスク保持機構2012、照明光学系IL、投影光学系PL、及び制御装置2013が設けられ、制御装置2013によって、マスク保持機構2012に保持された円筒状のマスクMの回転駆動や回転中心軸AX2001方向の微動、或いは、基板Pを長尺方向に搬送する搬送機構2009の一部を構成する回転ドラム2030の回転駆動や回転中心軸AX2002方向の微動が制御される。
マスク保持機構2012は、反射型のマスクM(マスクパターン)が外周面に形成された回転ドラム2020に回転中心軸AX2001回りの回転駆動力を与えたり、Y軸と平行な回転中心軸AX2001の方向に回転ドラム2020を微動させたりする為のローラ、歯車、ベルト等の駆動伝達機構2021、2022と、これらの駆動伝達機構2021、2022に必要な駆動力を与える為の回転モータ、微動用のリニアモータやピエゾ素子等を含む第1駆動部2024とを備える。また、回転ドラム2020(マスクM)の回転角度位置や回転中心軸AX2001方向の位置は、ロータリーエンコーダ、レーザ干渉計、ギャップセンサー等を含む第1検出器2023によって計測され、その計測情報はリアルタイムに制御装置2013に送られて、第1駆動部2024の制御に使われる。
同様に、回転ドラム2030には、回転モータ、微動用のリニアモータやピエゾ素子等を含む第2駆動部2032によって、Y軸と平行な回転中心軸AX2002の回りの回転駆動力や回転中心軸AX2002の方向への微動力が与えられる。回転ドラム2030の回転角度位置や回転中心軸AX2002方向の位置は、ロータリーエンコーダ、レーザ干渉計、ギャップセンサー等を含む第2検出器2031によって計測され、その計測情報はリアルタイムに制御装置2013に送られて、第2駆動部2032の制御に使われる。
ここで、本実施態様では、円筒状のマスクMの回転中心軸AX2001と回転ドラム2030の回転中心軸AX2002とは互いに平行で、YZ面と平行な中心面pc内に位置するものとする。
そして、円筒状のマスクMが形成される円筒状のパターン面p2001上の中心面pcと交わる部分に、露光用照明光の照明領域IRが設定され、回転ドラム2030の外周面p2002に沿って円筒状に巻き付けられる基板P上の中心面pcと交わる部分に、照明領域IR内に現れるマスクパターンの一部分の像を投影する為の投影領域PAが設定されるものとする。
本実施態様では、投影光学系PLは、円筒状のマスクM上の照明領域IRに向けて照明光束EL1を射出すると共に、照明領域IR内のマスクパターンで反射回折した光束(結像光束)EL2を入射して、基板P上の投影領域PAにパターンの像を結像するように、照明光学系ILは投影光学系PLの一部の光路を共用する落射方式で構成される。
図21のように、投影光学系PLは、中心面pcに対してXZ面内で45°傾斜し、互いに直交した反射平面2041a、2041bを備えたプリズムミラー2041と、中心面pcと直交した光軸2015aを有し、瞳面pdに配置される凹面鏡2040と複数枚のレンズとで構成された第2光学系2015とを備える。
ここで、光軸2015aを含み、XY面と平行な平面をp2005とすると、その平面p2005を基準とした反射平面2041aの角度θ2001は+45°であり、平面p2005を基準とした反射平面2041bの角度θ2002は−45°である。
投影光学系PLは、例えば、円形イメージフィールドをプリズムミラー2041の上下の反射平面2041a、2041bで分割したハーフ・イメージフィールドタイプの反射屈性型投影光学系(ダイソン光学系の変形タイプ)としてテレセントリックに構成される。その為、照明領域IR内のパターンで反射・回折された結像光束EL2は、プリズムミラー2041の上側の反射平面2041aで反射されて、複数枚のレンズを通って瞳面pdに配置される凹面鏡2040(平面鏡でもよい)に達する。そして、凹面鏡2040で反射された結像光束EL2は、平面p2005に関して対称的な光路を通って、プリズムミラー2041の反射平面2041bに達し、そこで反射されて基板P上の投影領域PAに至り、マスクパターンの像が等倍(×1)で基板P上に結像される。
このような投影光学系PLに対して落射照明方式を適用する為に、本実施態様においては、瞳面pdに配置される凹面鏡2040の反射面p2004の一部に通過部分(窓)を形成し、通過部分を介して面p2003(ガラス面)側から照明光束EL1を入射させるように構成する。
図21では、本実施形態の照明光学系ILのうち、凹面鏡2040の背後に配置される第1光学系2014の一部のみを表し、後述する光源、フライアイレンズ、照明視野絞り等からの照明光のうち、瞳面pdに生成される多数の点光源像の1つの点光源像Sfに係る照明光束EL1のみを示す。
点光源像Sfは、例えばフライアイレンズを構成する複数のレンズ素子の各射出側に形成される点光源像(光源の発光点)と光学的に共役な関係に設定されるので、円筒状のマスクM上の照明領域IRは、投影光学系PLの第2光学系2015とプリズムミラー2041の上側の反射平面2041aを介した照明光束EL1によって、ケーラー照明法により一様な照度分布で照明される。
なお、図21において、照明光学系ILの第1光学系2014の光軸2014aは、投影光学系PLの光軸2015aと同軸に配置され、円筒状のマスクM上の照明領域IRは、円筒状のパターン面p2001の周方向の幅は狭く、回転中心軸AX2001の方向には長くしたスリット状に設定される。
一例として、円筒状のマスクMのパターン面p2001の半径r2001を200mm、基板Pの厚さtfを0.2mmとすると、投影露光する為の条件は、回転ドラム30の外周面の半径r2002がr2002=r2001−tf(199.8mm)となるように設定することができる。
また、照明領域IR(或いは投影領域PA)の周方向の幅(走査露光方向の幅)は、狭ければ狭いほど、微細なパターンまで忠実に投影露光できるが、それと反比例して照明領域IR内の単位面積当りの照度を高める必要がある。照明領域IR(或いは投影領域PA)の幅をどの程度に設定するかは、円筒状のマスクMや回転ドラム2030の半径r2001,r2002、転写すべきパターンの微細度(線幅等)、投影光学系PLの焦点深度、等を勘案することで決められる。
さて、図21において、光軸2015aが通る凹面鏡2040の反射面p2004上の位置を中心点2044とすると、点光源像Sfは中心点2044から紙面(XZ面)内で−Z方向にずれた位置に形成される為、円筒状のマスクM上の照明領域IRで反射された結像光束EL2(回折光を含む)のうちの正規反射光(0次回折光)は、反射面p2004上の中心点2044に関して点対称の位置に点光源像Sf’を形成するように収斂する。従って、反射面p2004上の点光源像Sf’が位置する部分と、その周囲の±1次回折光が分布する部分とを含む領域を反射部としておけば、照明領域IRからの結像光束EL2は、ほぼ損失なく、第2光学系2015の複数枚のレンズとプリズムミラー2041の反射平面2041bとを介して投影領域PAに達する。
その凹面鏡2040は、透過性の光学硝材(石英等)で作られた凹レンズの凹面にアルミニウム等の金属性の反射膜を蒸着して反射面p2004としたものであり、通常、その反射膜の光透過率は極めて小さい。そこで本実施形態では、反射面p2004の裏側の面p2003から照明光束EL1を入射させる為に、反射面p2004を構成する反射膜の一部をエッチング等により除去し、収斂した照明光束EL1が通過(透過)可能な窓を形成する。
図22は、そのような凹面鏡2040の反射面p2004の様子をX方向から見た図である。図22では、説明を簡単にする為に、反射面p2004上で光軸2015aを含む平面p2005(XY面と平行)から−Z方向に一定量だけずれた位置に、3つの窓部2042a、2042b、2042cがY方向に離間して設けられているものとする。この窓部2042a、2042b、2042cは、反射面p2004を構成する反射膜を選択的なエッチングで除去して作られたものであり、ここでは、各点光源像Sfa,Sfb,Sfc(照明光束EL1a,EL1b,EL1c)を遮らない程度の小さな矩形状にするが、その他の形状(円、楕円、多角形等)でも構わない。3つの点光源像Sfa,Sfb,Sfcは、例えば、照明光学系IL内に設けられるフライアイレンズの複数のレンズ素子のうち、Y方向に並んだ3つのレンズ素子によって作られたものである。
反射面p2004内で見たとき、各窓部2042a、2042b、2042cの相互の位置関係は、中心点2044(光軸2015a)に関して点対称ではない関係、即ち非点対称な関係に定められている。ここでは3つの窓部しか示していないが、さらに多くの窓部が作られる場合も、窓部同志は中心点2044に関して互いに非点対称な位置関係に設定される。
そして、窓部2042a内に生成される点光源像Sfaからの照明光束EL1aがほぼ平行光束となって円筒状のマスクMの照明領域IRに照射されると、その反射回折光である結像光束EL2aは、凹面鏡2040の反射面p2004上で、中心点2044に関して窓部2042aと点対称な位置に点光源像Sfa’として収斂される。
同様に、窓部2042b、2042c内に生成される各点光源像Sfb,Sfcからの照明光束EL1b,EL1cもほぼ平行光束となって円筒状のマスクMの照明領域IRに照射されるが、その反射光である結像光束EL2b,EL2cは、凹面鏡2040の反射面p2004上で中心点2044に関して窓部2042b,2042cの各々と点対称な位置に、点光源像Sfb’,Sfc’として収斂される。
また、図22に示すように、点光源像Sfa’、Sfb’、Sfc’となる結像光束EL2a,EL2b,EL2cには、0次回折光(正反射光)と±1次回折光とが含まれるが、各±1次回折光DLa,DLb,DLcは0次回折光を挟んでZ軸方向とY軸方向に広がって分布する。
さらに、反射面p2004上に形成される点光源像Sfa’、Sfb’、Sfc’(特に0次回折光)は、円筒状のマスクMの照明領域IRが円筒面となっていることから、図22の紙面(YZ面)内で、照明光束EL1となる各点光源像Sfa、Sfb、Sfcの形状を、Z方向(円筒マスクの周方向)に引き伸ばしたような形状となって分布する。
図22のように、各点光源像Sfa、Sfb、Sfcが、中心点2044(光軸2015a)を含む平面p2005よりも下側(−Z方向)に位置する場合、図21に示した紙面内(XZ面内)では、照明光束EL1(EL1a、EL1b、EL1c)は第2光学系2015とプリズムミラー2041の上側の反射平面2041aとを介して円筒状のマスクMに達する。それらの照明光束EL1(EL1a、EL1b、EL1c)は、円筒状のマスクMの直前ではいずれも平行光束ではあるが、中心面pcに対しては僅かに傾いている。その傾き量は、反射面p2004内(瞳面pd内)における点光源像Sf(Sfa、Sfb、Sfc)の中心点2044(光軸2015a)からのZ方向変位量に対応している。
照明領域IRで反射・回折する結像光束EL2(EL2a,EL2b,EL2c)は、XZ面内において中心面pcに関して、照明光束EL1(EL1a,EL1b,EL1c)と対称的な傾きを持って、プリズムミラー2041の上側の反射平面2041aに達し、ここで反射して第2光学系2015に入射し、凹面鏡2040の反射面p2004の、平面p2005(中心点2044)よりも上の部分に達する。
以上の図21、図22に示した一例では、凹面鏡2040の反射面p2004内で、投影光学系PLの光軸2015aを含むXY面と平行な平面p2005よりも下側(−Z方向)に、照明光束EL1の点光源像(集光点)Sfを分布させたが、先に説明した条件、すなわち、照明光束の点光源像を通す反射面p2004内の窓部2042の相互の位置関係が、中心点2044に関して点対称ではない関係(非点対称な関係)に定められるのであれば、反射面p2004上の点光源像Sf(窓部2042)の位置は自由に設定できる。
少なくともこのような条件で、照明光束EL1の源となる多数の点光源像Sfが通過する窓部2042を凹面鏡2040の反射面p2004に形成すると、反射面p2004(瞳面pd)上において、照明光束と結像光束とを効率的に空間分離することができる。
多数の窓部2042(照明光束の点光源像Sfa、Sfb、Sfc・・・)を反射面p2004内に一様に分布させつつ、照明光束と結像光束との空間的な分離を良好に保つ為には、結像光束EL2の収斂により形成される各点光源像Sfa’、Sfb’、Sfc’・・・の反射面p2004上での大きさ(±1次回折光DLa,DLb,DLcも含む大きさ)が、隣り合う窓部2042のY方向とZ方向の間隔寸法よりも小さくなるように設定するとよい。換言すれば、窓部2042a、2042b、2042c・・・の個々の寸法を出来るだけ小さくするように、照明光束EL1の各点光源像Sfa、Sfb、Sfc・・・の瞳面pd(反射面p2004)内での寸法を出来るだけ小さく絞ることが有効である。
本実施態様では、光源として、水銀放電ランプ、メタルハライドランプ、紫外LED等を利用可能であるが、照明光束EL1の点光源像Sfa、Sfb、Sfc・・・を小さく絞る為には、高輝度で発振波長帯域が狭い光を放射するレーザ光源を利用することができる。
ここで、図21、図22に示した照明光学系IL(第1光学系2014)の構成の一例を、図23を参照して説明する。なお、図23において、図21、図22中で説明した部材等と同じものには同じ符号を付し、説明を省略する。また、図23では、図21中のプリズムミラー2041を省略し、円筒状のマスクMの円筒状のパターン面p2001上の照明領域IRと第2光学系2015の間の光路と、回転ドラム2030の外周面(又は基板Pの表面)p2002上の投影領域PAと第2光学系2015の間の光路とを展開して示す。
先に説明したように、照明光学系ILには、光源からの光束EL0(照明光束EL0)が入射して多数の点光源像を生成するフライアイレンズ2062と、多数の点光源像の各々からの光束を照明視野絞り(ブラインド)2064上で重畳させるコンデンサーレンズ2065と、照明視野絞り2064の開口を通過した照明光を投影光学系PL(第2光学系2015)の凹面鏡2040に導くレンズ系2066とが設けられている。ケーラー照明法を適用する為、フライアイレンズ2062の射出側で点光源像が生成される面Epは、コンデンサーレンズ2065、レンズ系2066、凹面鏡2040を構成する硝材(凹レンズ状)によって、凹面鏡2040の反射面が位置する瞳面pdと共役に設定される。
YZ面内において、フライアイレンズ2062の射出端の中心はコンデンサーレンズ2065の光軸2065a上に配置され、その光軸2065a上に照明視野絞り2064(開口部)の中心が配置される。さらに、照明視野絞り2064は、レンズ系2066、凹面鏡2040を構成する硝材(凹レンズ状)、第2光学系2015の複数枚のレンズによって、円筒状のマスクM上の照明領域IR(パターン面p2001)と光学的に共役な面2014bに配置される。
また、照明光学系ILの第1光学系2014の光軸2014aは投影光学系PL(第2光学系2015)の光軸2015aと同軸に配置されるが、コンデンサーレンズ2065の光軸2065aは第1光学系2014の光軸2014aに対して、図23の紙面(XZ面)内で−Z方向に偏心して配置される。
ここで、フライアイレンズ2062の射出側の面Epに生成される複数の点光源像のうち、光軸2065aを挟んで、Z方向に非対称に位置する2つの点光源像SPa、SPdを例に、照明光束の振る舞いを説明する。
点光源像SPaからの光束は、コンデンサーレンズ2065によってほぼ平行光束となって照明視野絞り2064を照射する。照明視野絞り2064の開口部(Y方向に細長いスリット状)を透過した照明光束EL1aは、レンズ系2066によって投影光学系PLの凹面鏡2040の反射面に形成された窓内に点光源像Sfaとして収斂される。
点光源像Sfaからの照明光束EL1aは、図21で説明したように、投影光学系PLの第2光学系2015を介して、円筒状のマスクMの円筒状のパターン面p2001上の照明領域IRを照明する。その点光源像Sfaからの照明光束EL1aの照射によりパターン面p2001で発生する結像光束EL2aは、第2光学系2015を逆進して凹面鏡2040上に点光源像Sfa’を再結像する。瞳面pd内において、照明光学系ILからの光束によって作られる点光源像Sfaと、結像光束EL2aによって作られる点光源像Sfa’は、瞳面pd内において点対称な関係で位置する。
同様に、点光源像SPdからの光束は、コンデンサーレンズ2065によってほぼ平行光束となって照明視野絞り2064を照射する。照明視野絞り2064の開口部を透過した照明光束EL1dは、レンズ系2066によって凹面鏡2040の反射面に形成された窓内に点光源像Sfdとして収斂される。点光源像Sfdからの照明光束EL1dは、第2光学系2015を介して、円筒状のパターン面p2001上の照明領域IRを照明する。その点光源像Sfdからの照明光束の照射によりパターン面p2001で発生した結像光束EL2dは、第2光学系2015を逆進して凹面鏡2040上に点光源像Sfd’を再結像する。瞳面pd内において、照明光学系ILからの光束によって作られる点光源像Sfdと、結像光束EL2dによって作られる点光源像Sfd’は、瞳面pd内において点対称な関係で位置する。
凹面鏡2040の反射面にて点光源像Sfa’、Sfd’を形成した結像光束EL2a、EL2dは、基板P上の円筒状の投影領域PA内に投射され、照明領域IR内のマスクパターンの像が基板Pの投影領域PA内に結像投影される。
図24は、図23に示した照明光学系ILのフライアイレンズ2062に入射する照明光束EL0を生成する光源装置2055の構成を示す。光源装置2055は、固体光源2057、エキスパンダーレンズ(凹レンズ)2058、集光レンズ2059、及び導光部材2060を備える。固体光源2057は、例えばレーザーダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)等を含む。固体光源2057から出射した照明光束LBは、エキスパンダーレンズ2058によって発散光束に変換され、集光レンズ2059によって導光部材2060の入射端面2060aに所定の収斂度合(NA)で集光される。
導光部材2060は、例えば光ファイバー等であり、入射端面2060aに入射した照明光束LBは、NA(開口数)を保存して射出端面2060bから射出し、レンズ系2061(コリメータ)によってほぼ平行な照明光束EL0に変換される。レンズ系2061は、フライアイレンズ2062の入射側の面全体を照射するように、照明光束EL0の光束径を調整する。なお、単一の光ファイバーの直径は、例えば300μm程度であるが、固体光源2057からの照明光束LBの光強度が大きい場合は、複数本の光ファイバーを密に束ねたものにしてもよい。
図25は、図23中のフライアイレンズ2062の射出側の面Ep(YZ面と平行)に形成される多数の点光源像SPの配列状態を、コンデンサーレンズ2065側から見たものである。YZ面内において、フライアイレンズ2062の射出側の面Epの中心点を2062aとすると、この中心点2062aは、コンデンサーレンズ2065の光軸2065a上に位置する。
図25に示すように、本実施形態のフライアイレンズ2062は、コンデンサーレンズ2065の光軸2065aに直交する面に配列された複数のレンズ要素2062Eを含む。複数のレンズ要素2062Eの各々は、Y方向に細長い矩形状の断面を有し、Y方向とZ方向に密に束ねられている。各レンズ要素2062Eの射出端の中心には、点光源像(スポット)SPが形成されるが、これは図24中の導光部材2060(光ファイバー)の射出端面2060bの共役像である。そしてYZ面内で見たとき、各点光源像SPが中心点2062a(光軸2065a)に関して互いに非点対称となるように、複数のレンズ要素2062Eが束ねられている。
図25に示した例では、コンデンサーレンズ2065の光軸2065aを含み、XY面と平行な面をp2006としたとき、この面p2006よりも+Z側に位置するレンズ要素2062Eの組を上部レンズ要素群2062U、面p2006よりも−Z側に位置するレンズ要素2062Eの組を下部レンズ要素群2062Dとすると、上部レンズ要素群2062Uと下部レンズ要素群2062Dの間では、レンズ要素2062EのY方向の寸法の1/2だけ位置をずらしてある。その結果、上部レンズ要素群2062U内に点在する複数の点光源像SPと、下部レンズ要素群2062D内に点在する複数の点光源像SPとは、中心点2062aを通るY軸と平行な線に関しても非対称な配置となる。
フライアイレンズ2062の各レンズ要素2062EのYZ面内での断面形状がY方向に延びた長方形に構成されるのは、図23中の照明視野絞り2064のスリット状の開口形状に合わせる為である。その様子を図26も参照して説明する。
図26は、図23中の照明視野絞り2064をYZ面内で見た図である。照明視野絞り2064にはY方向に細長い矩形状(或いは台形状)の開口部2064Aが形成されており、フライアイレンズ2062の各点光源像SPからの光束は、コンデンサーレンズ2065によって照明視野絞り2064上で、開口部2064Aを含む矩形状の照明光束EL1として重畳される。開口部2064Aの開口中心をコンデンサーレンズ2065の光軸2065a上に配置した場合、照明光学系ILの第1光学系2014の光軸2014aは、開口部2064Aの開口中心から+Z方向に偏心した位置を通る。
図27は、図25のフライアイレンズ2062によって生成される点光源像SPの分布に用いることができる凹面鏡2040の反射面p2004(瞳面pdに配置)の様子を、投影光学系PLの第2光学系2015側から見たものである。凹面鏡2040の反射面p2004はフライアイレンズ2062の射出側の面Epと共役なので、図25に示した複数の点光源像SP(レンズ要素2062E)の分布は、図27のように反射面p2004(瞳面pd)内では左右・上下が反転した点光源像Sf(黒丸)の分布となる。
先の図22にて説明したように、凹面鏡2040の反射面p2004には、複数の点光源像Sfを透過する為の窓部2042が、中心点2044(光軸2015a)に関して非点対称に配置される。図27の例では、Z方向に一列に並ぶ複数の点光源像Sfからの各照明光束をまとめて透過させるように、窓部2042はZ方向に細長く延びたスリット状に形成される。そして反射面p2004内のスリット状の窓部2042以外は、円筒状のマスクMの照明領域IR内のパターンからの結像光束を効率的に反射させる高反射部となっている。
複数の点光源像Sfは、第2光学系2015の光軸2015aを含み中心面pc(図21)と直交する平面p2005に関して、非面対称的に配置され、スリット状の各窓部2042のY方向の寸法は、点光源像Sfを遮光しない程度に狭く設定される。図23で説明したように、各窓部2042を通った複数の点光源像Sfの各々からの光束(照明光束EL1)は、第2光学系2015を通って円筒状のマスクMのパターン面p2001上の照明領域IRを重畳して照射する。これにより、照明領域IRは均一な照度分布で照明される。
パターン面p2001の照明領域IR内に現れるマスクパターンからの反射光(結像光束EL2)は、凹面鏡2040の反射面p2004に戻ってくるが、その結像光束EL2は反射面p2004にて、再び点光源像Sf’となって分離した分布となる。図22で説明したように、結像光束EL2によって反射面p2004上に生成される多数の点光源像Sf’(特に0次回折光)の分布は、中心点2044に関して、照明光束EL1となる多数の点光源像Sfの分布と点対称の関係となる。
図27のように、照明光束EL1の源となる多数の点光源像Sfが分布する複数の窓部2042と点対称の関係にある反射面p2004上の領域は、全て高反射部となっている為、反射面p2004上に再結像される点光源像Sf’(1次回折光も含む)は殆ど損失なく反射されて、基板Pに達する。
[第11実施形態の変形例1]
なお、図27において、凹面鏡2040の反射面p2004のうち、投影光学系PL(第2光学系2015)の光軸2015aを含む平面p2005(XY面と平行)と交差する線上の部分に、照明光束の源となる点光源像Sfが位置する場合でも、先の配置条件のように、点光源像Sfが位置する部分を窓部2042とし、中心点2044に関して、その窓部2042と点対称の領域を反射部(遮光部)としておけばよい。
但し、中心点2044に点光源像Sf(窓部2042)が位置するような場合、その点光源像Sfを源とする照明光束が円筒状のマスクM上の照明領域IRを照射すると、そこで反射した結像光束は反射面p2004の中心点2044(窓部2042)において点光源像Sf’を形成するように収斂する為、基板Pに向かう結像光束にはならないことがある。このことから、反射面p2004の中心点2044の付近には、点光源像Sfが位置しないように、フライアイレンズ2062を構成する多数のレンズ要素2062Eの配列を替えたり、中心点2044の位置に対応するレンズ要素2062Eに遮光膜(墨塗り)を施したりするとよい。
また本実施態様では、図25と図27で示したように、フライアイレンズ2062の射出側の面Epに形成される点光源像SPの配置(レンズ要素2062Eの配列)と、凹面鏡2040の反射面p2004に形成される窓部2042の配置とを一対一で合わせるようにしたが、必ずしもその必要はない。すなわち、フライアイレンズ2062の射出側の面Epに形成される多数の点光源像SPのうち、凹面鏡2040の裏側の面p2003から入射して反射面p2004(瞳面pd)に到達し得る一部の点光源像Sfに対しては、窓部2042を設けずに反射面のままにして遮光してもよい。その遮光は、凹面鏡2040の裏側の面p2003内で、遮光すべき点光源像Sfが位置する領域に、遮光膜や光吸収層を形成することでも同様に実現できる。
[第11実施形態の変形例2]
投影光学系PLを構成する第2光学系2015から凹面鏡2040に入射する結像光束EL2(多数の点光源像Sf’)は、凹面鏡2040で必ずしも全てを反射させなくてもよい。例えば、凹面鏡2040の反射面p2004には、透過性の窓部2042と反射部の他に、照明光束EL1の源となる複数の点光源像Sfと、結像光束EL2の収斂により形成される複数の点光源像Sf’の一方又は双方の一部の点光源像を遮蔽する遮光部を設けてもよい。
以上、第11の実施形態について説明したが、本実施形態では、図21または図22に示したように、照明光学系ILからの照明光は、投影光学系PLの瞳面pdに配置される凹面鏡2040の裏側から入射され、投影光学系PLを構成する第2光学系2015とプリズムミラー2041の上側の反射平面2041aとを介して、照明光束EL1として円筒状のマスクM上の照明領域IRに達する。
本実施態様における投影光学系PLの結像光路を、照明領域IR(物体面)から凹面鏡2040(瞳面pd)までの第1光路と、凹面鏡2040(瞳面pd)から投影領域PA(像面)までの第2光路とに分けてみると、その第1光路が、照明光学系ILからの照明光束を照明領域IRに導く為の落射照明用の光路を兼ねている。
このように、本実施形態の処理装置U3(露光装置)では、投影光学系PLの瞳面若しくはその近傍に配置される反射鏡にて、照明光束と結像光束とを効率的に空間分離するような落射照明方式としたので、装置の構成をシンプルにすることができる。また、照明光束と結像光束とを偏光状態の違いにより分離する方式と比較して、大きな偏光ビームスプリッタや波長板等を使う必要が無く、装置構成をシンプルにすることができる。
さらに、照明光束と結像光束を偏光分離する方式では、波長板による波面の乱れや、偏光ビームスプリッタにおける消光比の問題に起因した投影像の特性(コントラスト、収差等)の劣化に対処する必要がある場合があるが、本実施態様では、そのような原因による投影像の特性劣化はほとんど無く、露光不良の発生を抑制できる。また、本実施形態の露光装置U3は、投影光学系の一部の光路を介して照明光を反射型のマスクMに照射する落射照明方式を組み込んでいる為、透過型のマスクの内部に照明光学系を組み込む場合に比べて、特に照明光学系の設計自由度が高くなる。
本実施形態において、図24に示した光源装置2055は、点光源像の寸法を小さくできることから、放射光の指向性が強いレーザ光源(例えば、KrF、ArF、XeF等のエキシマレーザ光)を使うことを想定したが、それに限定されるものではない。例えば、g線、h線、i線等の輝線光を放射するランプ光源、又は放射光の指向性が弱いレーザーダイオードや発光ダイオード(LED)等を使っても良い。
本実施形態のデバイス製造システム2001(図20)は、処理装置U3(露光装置)の構成をシンプルにすることができるので、デバイスの製造コストを低減できる。また、処理装置U3は、基板Pを回転ドラム2030の外周面p2002に沿って搬送しながら走査露光する方式なので、露光処理を効率よく実行することができる。結果として、デバイス製造システム2001は、デバイスを効率よく製造することができる。
[第12実施形態]
次に、第12実施形態について図28を参照して説明する。本実施形態は先の図25、図27で説明したフライアイレンズ2062の構成と凹面鏡2040の反射面p2004内に形成される点光源像Sfの配置を変更したものであり、上記の実施形態と同様の構成要素については、上記の実施形態と同じ符号を付してその説明を簡略化または省略する。
図28は、凹面鏡2040の反射面p2004内において、フライアイレンズ2062の複数のレンズ要素2062Eが等価的にどのように配置するかを、投影光学系PLの光軸2015aと直交するYZ面内で見た図である。複数のレンズ要素2062E(点光源像Sf)が、凹面鏡2040の反射面p2004の中心点2044(光軸2015a)に関して、互いに非点対称的な配列になるように、中心点2044に最も近いレンズ要素2062Eの中心は、中心点2044からY方向及びZ方向に変位している。
本実施態様においても、フライアイレンズ2062の各レンズ要素2062Eの断面形状(YZ面内での形状)は、先の図26で説明したように、照明視野絞り2064の矩形の開口部2064Aを包含する長方形と相似形に設定されるが、ここでは、Y方向の断面寸法PyとZ方向の断面寸法Pzの比Py/Pzがほぼ4に設定されているものとする。その為、反射面p2004(瞳面pd)内に分布する多数の点光源像Sfも、Y方向に断面寸法Pyのピッチで並び、Z方向に断面寸法Pzのピッチで並ぶ。
通常のフライアイレンズであれば、各レンズ要素2062Eの中心がY方向とZ方向の両方に真っ直ぐ並べて配置されるが、本実施態様では、Z方向に隣接するレンズ要素2062E同志をY方向にΔYずつ変位させて配置する。この変位量ΔYを、レンズ要素2062EのY方向の断面寸法(配列のピッチ)Pyの1/4程度にすると、各点光源像Sfは、YZ面内において互いに±45度、±135度のいずれかの方向に離れて位置することになる。
図28において、反射面p2004の中心点2044の直近に位置し、中心点2044を取り囲む4つの点光源像Sfを特定したとき、その4つの点光源像Sfで囲まれる領域(ここでは傾いた長方形になる)の重心位置は中心点2044から変位している。換言すれば、4つの点光源像Sfで囲まれる領域の重心位置は、中心点2044とは異なる位置にある。そのような変位が生ずるように、凹面鏡2040とフライアイレンズ2062のYZ面内での位置関係を設定することによって、全ての点光源像Sfの各々を中心点2044に関して互いに非点対称な関係で配置することができる。このことは、中心点2044に関して各点光源像Sfと点対称な関係となる反射面p2004上の領域を、常に反射部にできることを意味する。
以上のように配置される点光源像Sfの分布に対応して、凹面鏡2040の反射面p2004内には各点光源像Sfを透過させる窓部2042が形成されるが、その窓部の形状、寸法、配置には幾つかの形態が考えられる。単純には、図28に示すように、ひとつの点光源像Sfだけを透過させるような円形の窓部2042Hを、点光源像Sfの配列に合わせて反射面p2004の全面に分布させる形態である。
他の形態としては、反射面p2004上でY方向に対して斜め45度方向に一列に並ぶ全ての点光源像Sfをまとめて透過させるようなスロット状の窓部2042Kでもよい。この窓部2042K内に位置する一連の点光源像Sfを源とする照明光束が円筒状のマスクMの照明領域IRを照射したとき、その反射光束(結像光束)は、凹面鏡2040の反射面p2004上では点光源像Sfを透過させる窓部から変位した反射領域2042K’に点光源像Sf’(1次回折像も含む)となって収斂する。その他、Y方向に対して斜め45度方向に並ぶ2つの点光源像Sfを一組にして、まとめて透過させるような小判形状(或いはひょうたん形)の窓部2042Lでもよい。いずれの窓部2042H,2042K,2042Lであっても、各点光源像Sfからの照明光を部分的に遮蔽しない範囲で、極力小さく形成される。
以上の第12実施態様において、フライアイレンズ2062のレンズ要素2062EのY方向の変位量ΔYは任意に設定でき、レンズ要素2062Eの断面寸法の比Py/Pzも、必ずしも整数倍にする必要は無い。
[第13実施形態]
次に、第13実施形態について図29を参照して説明する。本実施形態も、図28と同様に、フライアイレンズ2062の構成と凹面鏡2040の反射面p2004内に形成される点光源像Sfの配置の変形に係わるものである。図29の構成では、フライアイレンズ2062の複数のレンズ要素2062Eの中心が、YZ面内においてY方向とZ方向に直線的に配列される。
このようなフライアイレンズ2062の場合、各レンズ要素2062Eの射出側に形成される点光源像Sfは、Y方向に断面寸法Pyのピッチで配列され、Z方向に断面寸法Pzのピッチで配列される。このような場合でも、図28の第12実施態様で説明したように、凹面鏡2040の反射面p2004の中心点2044(光軸2015a)の直近に位置し、中心点2044を取り囲む4つの点光源像Sfv1,Sfv2,Sfv3,Sfv4に着目したとき、その4つの点光源像Sfv1〜Sfv4で囲まれる領域(長方形)の重心位置Gcは中心点2044から変位している。換言すれば、重心位置Gcは、中心点2044とは異なる位置にある。
このような変位が生じるように、凹面鏡2040とフライアイレンズ2062のYZ面内での位置関係を設定することによって、全ての点光源像Sfの各々を中心点2044に関して互いに非点対称な関係で配置することができる。従って、中心点2044に関して各点光源像Sfと点対称な関係となる反射面p2004上の領域は、常に反射部にすることができる。
なお、本実施形態の凹面鏡2040の反射面p2004には、点光源像Sfを個別に透過する為の円形の窓部2042Hが、レンズ要素2062E(点光源像Sf)の配列のピッチに合わせて形成されている。
[第14実施形態]
次に、第14実施形態について図30を参照して説明する。本実施形態も、図28、図29と同様に、フライアイレンズ2062の構成と凹面鏡2040の反射面p2004内に形成される点光源像Sfの配置の変形に係わるものである。図30の構成では、フライアイレンズ2062の複数のレンズ要素2062E(断面形状はY方向に細長い長方形)がY方向に断面寸法Pyのピッチで配列され、Z方向に断面寸法Pzのピッチで密に配列されるが、Y方向に並ぶ一列分のレンズ要素2062E群は、Z方向の列毎にPy/2だけ交互にY方向に位置を変えて(ずらして)配列されている。
フライアイレンズ2062の場合、点光源像Sfは光源からの照明光(例えば図24中のEL0)を受ける全ての各レンズ要素2062Eの射出端側に生成されるが、その点光源像Sfのうち、凹面鏡2040の反射面p2004の中心点2044に関して、互いに点対称の配置関係になる2つの点光源像Sfの一方を遮蔽するように、対応するレンズ要素2062Eには遮光体2062sが形成される。
図30の構成では、凹面鏡2040の反射面p2004内において、選択された点光源像Sfがランダムに、且つ、一様に分布するように、対応したレンズ要素2062Eに遮光体2062s(金属薄膜等)が形成される。そのようなフライアイレンズ2062を使う場合も、図30に示すように凹面鏡2040の反射面p2004には、点光源像Sfを透過する為の円形の窓部2042Hが形成される。
[第15実施形態]
次に、第15実施形態について図31を参照して説明する。本実施形態では、今まで説明してきたフライアイレンズ2062を用いることなく、光源像形成部により凹面鏡2040の反射面p2004内に多数の点光源像Sfを形成する。図31は、XZ面と平行で、光軸2015a(中心点2044)を含む面における凹面鏡2040の断面を示し、点光源像Sf(Sfa)が位置する反射面p2004上には、各々窓部2042Hが形成されている。
凹面鏡2040は、例えば低熱膨張率のファインセラミックスやガラスセラミックス製の母材の凹面側には反射膜を形成したものである。その反射膜には先の各実施態様と同様の条件にしたがって複数の窓部2042Hが形成され、本実施形態では、その窓部2042Hの後方の母材に、照明光学系ILの一部である光ファイバーFbsを通す貫通孔(1mm程度の直径)が形成される。
各光ファイバーFbsの射出端は点光源像として機能し、反射面p2004とほぼ同じ面に設置される。各光ファイバーFbsの入射端に照射される照明光は、光ファイバーFbsの射出端から投射される照明光束(例えばEL1a)が、所定の開口数(発散角度特性)を持つように設定される。また、各光ファイバーFbsの射出端からの照明光束の方向は、その射出端(点光源像)を通る主光線の方向と合うように設定される。
図31に示す構成では、フライアイレンズ2062を用いずに、多数の点光源像Sfの各々を光ファイバーFbsの射出端で生成する為、窓部2042Hの数に応じた光ファイバーが必要となるが、光源から凹面鏡2040に至る系、すなわち照明光学系IL全体をコンパクトにすることができる。
また、凹面鏡2040には、光ファイバーFbsの射出端が貫通する小孔が設けられるが、その小孔の各々に、石英製の細い光パイプ(円柱状ロッド)等を埋設し、その光パイプの各々の入射端側に集光レンズ付の紫外線発光ダイオード(LED)を設置し、各光パイプの射出端側を凹面鏡2040の反射面p2004と揃えておく構成にしてもよい。
[第16実施形態]
次に、第16実施形態について図32A、32B、図33A、33B、33Cを参照して説明する。本実施形態では、照明光学系IL内のフライアイレンズ2062の代わりに、ロッドレンズ(角柱状のガラスや石英)を用いて、円筒状のマスクM上の照明領域IRを均一に照明する。
図32Aは、光源の光を導く導光部材2060(光ファイバー)から投影光学系PL(第2光学系2015)までの光路をY軸方向から見た平面図であり、図32Bは図32Aの光路をZ軸方向から見た平面図である。図32A、32Bにおいて、照明視野絞り2064から投影光学系PLに至る光路構成は、先の図23の構成と同じであるので、その部分の説明は省略する。
図32A、32Bに示す照明光学系ILは、図24で説明した導光部材2060、集光レンズ2093、ロッドレンズ2094、照明視野絞り2064、レンズ系2066等を備える。凹面鏡2040以降の投影光学系PL(第2光学系2015)の構成は、先の図21、図23と同様である。
導光部材(光ファイバー)2060から出射した照明光束EL0は、集光レンズ2093によって、ロッドレンズ2094の入射端面2094a、或いはその近傍に収斂される。ロッドレンズ2094のYZ面に沿った断面形状(入射端面2094a,射出端面2094b)は、照明視野絞り2064の台形や長方形の開口部2064A(図26)を含むような長方形に成形されている。その断面形状は、先の図25、図28〜図30に示したフライアイレンズ2062のレンズ要素2062Eの断面形状とほぼ相似形である。
ロッドレンズ2094を用いる場合、入射端面2094aで収斂した照明光束EL0は、ロッドレンズ2094の内部において、XZ面と平行な側面2094cとXY面と平行な側面2094dとの間で多数回に渡って内部反射を繰り返して射出端面2094bまで進む。ロッドレンズの場合、照明光の照度分布が最も均一になるのは射出端面2094bであるが、その均一性は内部反射の繰り返し数が多いほど良くなる。従って、その射出端面2094bは円筒状のマスクM上の照明領域IRと共役な面2014bと一致させて配置される。
本実施形態のロッドレンズ2094は断面が長方形であることから、対向する側面2094cの間での照明光の反射回数は、対向する側面2094dの間での照明光の反射回数よりも少ない。照明光束EL0がロッドレンズ2094の内面で反射する回数は、照度均一性を高める観点から2回以上になるように、ロッドレンズ2094の長さ等が設定される。なお、ロッドレンズ2094の射出端面2094bの形状が照明領域IRの外縁を規定するので、照明視野絞り2064は省略してもよい。
さて、ロッドレンズ2094の入射端面2094aのYZ面内での中心点と、射出端面2094bのYZ面内での中心点とを結ぶ線を中心軸AX2003とすると、この中心軸AX2003は投影光学系PLの光軸2015a(レンズ系2066の光軸2014a)とは平行であるが、Z方向に偏心している。さらに、導光部材2060の射出端は、集光レンズ2093の光軸2093a上に配置されるが、その光軸2093aはロッドレンズ2094の中心軸AX2003に対して、−Y方向に変位して配置される。
その−Y方向への変位によって、凹面鏡2040の反射面p2004内に生成される多数の点光源像Sfを、反射面p2004の中心点2044(光軸2015a)に関して非点対称に配置することができる。そのことを、図33A〜33Cにて詳述する。図33Aはロッドレンズ2094の射出端面2094b側からX軸方向に集光レンズ2093を見た図、図33Bはレンズ系2066側からX軸方向にロッドレンズ2094を見た図、図33Cは凹面鏡2040の反射面p2004をX軸方向から見た図である。
図33Aに示すように、ロッドレンズ2094の断面は、XY面と平行な側面2094dとXZ面と平行な側面2094cとで規定される矩形であり、ロッドレンズ2094の中心軸AX2003と集光レンズ2093の光軸2093aは、相対的にY方向に偏心している。また、図33Bに示すように、レンズ系2066の光軸2014a(2015a)に対して、ロッドレンズ2094の中心軸AX2003はZ方向に偏心している。
このような構成において、凹面鏡2040の母材となる凹レンズとレンズ系2066は、ロッドレンズ2094の射出端面2094bが位置する面2014bのフーリエ変換面(瞳面pd)を、凹面鏡2040の反射面p2004上に形成する。そのため、図33Cに示すように、凹面鏡2040の反射面p2004上には、多数の点光源像SfがY方向にピッチDSy、Z方向にピッチDSzで形成される。それらの点光源像Sfは、ロッドレンズ2094の入射端面2094aで収斂された照明光束EL0のスポット像の虚像として現れる。
複数の点光源像Sfは、ロッドレンズ2094の断面が長方形であることから、その断面の長辺と平行な方向(Y方向)の点光源像Sfの配列のピッチDSyは、短辺と平行な方向(Z方向)の点光源像Sfの配列のピッチDSzよりも長くなる。また、図32A、32Bに示したように、ロッドレンズ2094内での照明光の内部反射回数は、Z方向の方がY方向に比べて多くなる為、凹面鏡2040の反射面p2004上に生成される点光源像Sfの数も、Z方向の方がY方向に比べて多くなる。図33Cの例では、Z方向に5個の点光源像Sfが並び、Y方向には3個の点光源像Sfが並ぶ。
さらに、ロッドレンズ2094の中心軸AX2003と集光レンズ2093の光軸2093aを相対的にY方向に偏心させたことにより、凹面鏡2040の反射面p2004上に生成される点光源像Sfの分布は、中心点2044(光軸2015a)に対して全体的にY方向に偏心することになり、点光源像Sfの各々を、中心点2044に関して互いに非点対称な関係に配置することができる。
先の図27に示した実施態様と同様に、凹面鏡2040の反射面p2004には、Z方向に一列に並ぶ複数の点光源像Sfをまとめて透過させるスロット状の窓部2042が、Y方向にピッチDSyで3列形成されている。各窓部2042のY方向の幅は、点光源像Sfを源とする照明光束を遮蔽しない範囲で、出来るだけ小さく設定されている。これらのスロット状の窓部2042も、中心点2044に関して互いに非点対称な配置になるように形成されている。
図33Cの構成では、凹面鏡2040の反射面p2004(瞳面pd)上において、中心点2044(光軸2015a)に最も近い点光源像Sfから中心点2044までのY方向の距離(Ykとする)が、Y方向に並ぶ窓部2042の間隔(Ywとする)の半分未満、即ち、Yk<(Yw/2)に設定されるように、ロッドレンズ2094の中心軸AX2003と集光レンズ2093の光軸2093aのY方向の偏心量が設定されている。
このように、円筒状のマスクMの照明領域IRを照射する照明光束EL1の源となる点光源像Sfを凹面鏡2040の反射面p2004(瞳面pd)上に配置すると、円筒状のマスクM上の照明領域IRから発生する結像光束EL2は、図33Cに示すように、反射面p2004上においては、点光源像Sfの回折像Sf’(0次光と±1次回折光等を含む)となって分布する。反射面p2004上において、回折像Sf’と照明光束EL1の源である点光源像Sfは、中心点2044に関して点対称に位置する。
本実施形態においては、上記の距離Ykと間隔Ywの関係が、Yk<(Yw/2)に設定されているので、結像光束EL2によって凹面鏡2040(瞳面pd)上に生成される複数の回折像Sf’は、いずれも窓部2042からずれた反射部上に形成される。このようにして、結像光束EL2は殆ど損失することなく、凹面鏡2040の反射部で反射し、先の図21で示したように、外周面p2002に沿って保持される基板P上の投影領域PAに投射される。
以上のように、ロッドレンズ2094を用いる場合でも、ロッドレンズ2094の入射端面2094a上における照明光束EL0の収斂位置を中心軸AX2003から変位させておくことで、多数の点光源像Sfの各々を、凹面鏡2040の反射面p2004の中心点2044に関して、互いに非点対称の関係に設定できる。
[第17実施形態]
次に、第17実施形態による処理装置(露光装置)U3の構成を、図34、図35を参照して説明する。本実施形態の露光装置は、円筒状のマスクMのパターン領域のY方向の寸法や、基板P上のパターン露光領域のY方向の寸法が、先の図21に示した投影光学系PLによる照明領域IRや投影領域PAのY方向の寸法よりも大きいことに対応する為に、複数の投影光学系をY方向に並べて、実効的な露光可能範囲をY方向に広げる構成とした。
その為には、円筒状のマスクMのパターンを正立像として基板P上に投影する必要がある。先の図21に示した投影光学系PLでは、基板P上に投影されるマスクパターン像のX方向は正立しているが、Y方向に関しては反転している。そこで、同様の構成の投影光学系をタンデム(シリアル)に設けることによって、Y方向が反転している投影像を再度Y方向に反転させて、結果的に基板P上の投影領域PA内ではX方向とY方向の両方で正立像にする。
図34は、本実施形態による露光装置の全体の概略構成を示し、図35は複数の投影光学系の各々による照明領域IRと投影領域PAの配置関係を示し、各図の直交座標系XYZは、先の図21の実施形態において設定した座標系と合わせてある。また、先の図21、図23に示した露光装置の部材や要素と同等のものには同じ符号を付してある。
搬送経路の上流から搬送されてくる基板Pは、不図示の搬送ローラやガイド部材等を介して、回転ドラム2030の外周面の一部に巻き付けられた後、不図示のガイド部材や搬送ローラを介して下流へ搬送される。第2駆動部2032は、回転ドラム2030を回転中心軸AX2002の回りに時計回りに回転駆動し、基板Pは一定の速度で送られる。回転ドラム2030の円筒状の外周面のうち、基板Pが巻き付けられる部分には、6つの投影光学系PL2001〜PL2006の各投影領域PA2001〜PA2006が位置する。その6つの投影領域PA2001〜PA2006の各々に対応して、円筒状のマスクMの外周面(円筒状のマスクパターン面)上には、6つの照明領域IR2001〜IR2006が設定される。
その6つの投影光学系PL2001〜PL2006は、いずれも同一の光学構成であり、円筒状のマスクMの回転中心軸AX2001と回転ドラム2030を回転中心軸AX2002とを含む中心面pc(YZ面と平行)に対して、左側(−X方向)に設置される投影光学系PL2001、PL2003、PL2005(まとめて奇数番の投影光学系PLoとも呼ぶ)と、右側(+X方向)に設置される投影光学系PL2002、PL2004、PL2006(まとめて偶数番の投影光学系PLeとも呼ぶ)とに分かれている。
本実施形態の投影光学系PL2001〜PL2006は、図21に示した投影光学系PLと落射照明用の照明光学系IL2001〜IL2006を備えている。その構成は図21と同様であるので、代表して投影光学系PL2001と照明光学系IL2001について簡単に説明する。照明光学系IL2001は、光源装置2055からの照明光束EL0を入射して、投影光学系PL2001の上段のユニット(図21と同様の投影光学系PL)の瞳面に配置される凹面鏡2040の裏側から、反射面p2004に多数の点光源像Sfを生成する。その点光源像Sfを源とする照明光束EL1は、プリズムミラー2041の上側の反射平面2041aで反射され、円筒状のマスクMの外周面上の照明領域IR2001を照射する。
照明領域IR2001内のマスクパターンから反射された結像光束EL2は、反射平面2041aで反射された後、凹面鏡2040で反射されて、プリズムミラー2041の下側の反射面(2041b)で反射されて、面p2007(中間像面p2007)にマスクパターンの空間像(中間像)を形成する。
投影光学系PL2001の後段の投影ユニットも、プリズムミラー、複数枚のレンズ素子、瞳面に配置される凹面鏡2078等を備えたハーフ・フィールドの等倍反射屈折投影系であり、中間像面p2007で中間像を形成した結像光束EL2は、凹面鏡2078で反射した後、プリズムミラー(2076)の下側の反射平面2076bで反射して、基板P上の投影領域PA2001に達し、投影領域PA2001内にはマスクパターンの正立正像が生成される。なお、投影光学系PL2001の後段(中間像面から投影領域まで)の投影ユニットは、中間像面p2007に形成される中間像を基板P上の投影領域PA2001に再結像させるだけで良いので、凹面鏡2078の反射面には、凹面鏡2040の反射面p2004に形成されているような窓部2042は設けられていない。
以上のような構成の投影光学系PL2001(他の投影光学系PL2002〜PL2006も同様)は、いわゆるマルチレンズ方式のひとつの投影系であることから、図21の投影光学系PLのように、照明領域IR内の中心点を通る主光線と投影領域PA2001内の中心点を通る主光線とを、中心面pc内に配置することができないことがある。
そこで、図34に示すように、照明領域IR2001内の中心点を通る主光線の延長線D2001が円筒状のマスクMの回転中心軸AX2001に向かうように、投影光学系PL2001(PL2003,PL2005も同じ)の上側の投影ユニットのプリズムミラー2041の反射平面2041aの角度θ2001(図21参照)は45°以外の値に設定される。同様に、投影領域PA2001内の中心点を通る主光線の延長線D2001が回転ドラム2030の回転中心軸AX2002に向かうように、投影光学系PL2001の下側の投影ユニットのプリズムミラー2076の反射平面2076bの角度はXY面に対して45°以外の値に設定される。
中心面pcに関して、投影光学系PL2001と対称的に配置される投影光学系PL2002(PL2004、PL2006も同じ)についても同様であり、照明領域IR2002内の中心点を通る主光線の延長線D2002が円筒状のマスクMの回転中心軸AX2001に向かうように、上側の投影ユニットのプリズムミラー2041の反射平面2041aの角度θ2001は45°以外の値に設定され、投影領域PA2002内の中心点を通る主光線の延長線D2002が回転ドラム2030の回転中心軸AX2002に向かうように、後段の投影ユニットにおけるプリズムミラー2076の反射平面2076bの角度は、XY面に対して45°以外の値に設定される。
以上のように、主光線の延長線D2001、D2002が中心面pcに関して対照的に傾いた奇数番の投影光学系PLoと偶数番の投影光学系PLeは、XZ面内で見ると、中心面pcに関して対称的に配置されるが、XY面内で見ると、Y方向にずれて配置される。具体的には、円筒状のマスクMのパターン面上に形成される照明領域IR2001〜IR2006と、基板P上に形成される投影領域PA2001〜PA2006が図35の配置関係となるように、各投影光学系PL2001〜PL2006が設置される。
図35は、照明領域IR2001〜IR2006と投影領域PA2001〜PA2006の配置をXY面内で見た図であり、左側の図は、円筒状のマスクM上の照明領域IR2001〜IR2006を、中間像が形成される中間像面p2007側から見たものであり、右側の図は、回転ドラム2030に支持された基板P上の投影領域PA2001〜PA2006を中間像面p2007側から見たものである。また、図35中の符号Xsは、円筒状のマスクM(回転ドラム2020)と回転ドラム2030の移動方向(回転方向)を示す。
図35において、各照明領域IR2001〜IR2006は、中心面pc(Y軸と平行)と平行な上底辺と下底辺とを有してY方向に細長い台形状になっている。このことは、図34に示す照明光学系IL2001〜IL2006の各々が、先の図26で示したような照明視野絞り2064を備えていることを意味する。なお、図34の各投影光学系PL2001〜PL2006は、中間像面p2007に中間像を形成するので、そこに台形状の開口を有する視野絞りを配置する場合は、各照明領域IR2001〜IR2006の形状を単なる長方形状(台形状の開口を包含する大きさ)にしても構わない。
円筒状のマスクMの外周面上において、奇数番の投影光学系PLoによって形成される照明領域IR2001、IR2003、IR2005の各々の中心点は、中心面pcと平行な面Lo(XY面に垂直)上に位置し、偶数番の投影光学系PLeによって形成される照明領域IR2002、IR2004、IR2006の各々の中心点は、中心面pcと平行な面Le(XY面に垂直)上に位置する。
各照明領域IR2001〜IR2006を台形状とし、その下底辺のY方向の寸法をA2002a、上底辺のY方向の寸法をA2002bとすると、奇数番の照明領域IR2001、IR2003、IR2005の各々の中心点はY方向に間隔(A2002a+A2002b)で配置され、偶数番の照明領域IR2002、IR2004、IR2006の各々の中心点もY方向に間隔(A2002a+A2002b)で配置される。但し、奇数番の照明領域IR2001、IR2003、IR2005に対して偶数番の照明領域IR2002、IR2004、IR2006は、Y方向に寸法(A2002a+A2002b)/2だけ相対的にずれている。なお、面Loと面Leの中心面pcからのX方向の距離は互いに等しく設定されている。
本実施形態において、照明領域IR2001〜IR2006のそれぞれは、円筒状のマスクMの外周面の周方向(Xs方向)に沿って見た場合、Y方向に隣り合う照明領域の端部同志(台形の斜辺部)が互いに重なり合う(オーバーラップする)ように構成される。これによって、円筒状のマスクMのパターン領域A2003のY方向の寸法が大きい場合でも、それをカバーする有効露光領域が確保できる。なお、パターン領域A2003は、枠状のパターン非形成領域A2004に囲まれているが、パターン非形成領域A2004は照明光に対して極めて低い反射率(或いは高い光吸収率)を有する材質で構成されている。
一方、図35の右側に示すように、基板P上の投影領域PA2001〜PA2006は、各照明光学系IL2001〜IL2006の中に図26のような照明視野絞り2064が設けられている場合は、円筒状のマスクMの外周面上に形成される照明領域IR2001〜IR2006の配置と形状を反映したもの(相似の関係)となる。従って、奇数番の投影領域PA2001、PA2003、PA2005の各中心点は面Lo上に位置し、偶数番の投影領域PA2002、PA2004、PA2006の各中心点は面Le上に位置する。
なお、図35の右側の図において、基板Pは回転ドラム2030の外周面に沿って、周方向(Xs方向)に一定速度で送られるが、同図中の斜線で示した領域A2007は、6つの投影領域PA2001〜PA2006によって、目標露光量(トーズ量)に対して100%で露光された部分である。
また、例えば照明領域IR2001に対応した投影領域PA2001によって露光される領域A2005のうち、+Y方向の端部(三角形部分)で露光された部分領域A2005aは、目標露光量に達していない。しかしながら、基板PがXs方向(周方向)に送られて、照明領域IR2002に対応した投影領域PA2002による領域A2006の露光の際に、不足している露光量が積算されて、結果的に部分領域A2005aも目標露光量に対して100%で露光される。
このようにして、円筒状のマスクMの外周面に形成されたパターン領域A2003の全体の投影像が、円筒状のマスクMの一回転毎に、基板P上の長尺方向に繰り返し等倍で転写されることになる。
なお、円筒状のマスクM上の各照明領域IR2001〜IR2006から投影光学系PL2001〜PL2006に向う各結像光束EL2の主光線のうち、各照明領域IR2001〜IR2006内の中心点を通る主光線の延長線D2001,D2002を、円筒状のマスクMの回転中心軸AX2001と交差するようにしたが、必ずしもその必要は無く、各照明領域IR2001〜IR2006内のいずれかの点を通る主光線が回転中心軸AX2001と交差すれば良い。同様に、各投影光学系PL2001〜PL2006から基板P上の各投影領域PA2001〜PA2006に向かう結像光束EL2に関しても、その主光線のうちのいずれかの主光線を、回転ドラム2030の回転中心軸AX2002と交差する延長線D2001,D2002と一致させておけばよい。
次に、図34に示した投影光学系PL2001〜PL2006と照明光学系IL2001〜IL2006の具体的な構成を、図36を用いて説明する。図36は、代表して、投影光学系PL2001及び照明光学系IL2001の詳細構成を示すが、他の投影光学系PL2002〜PL2006、照明光学系IL2002〜IL2006の構成も同様である。
図36に示すように、導光部材2060とレンズ系2061を含む光源装置2055(図24参照)からの照明光束EL0は、照明光学系IL2001のフライアイレンズ2062(図25、図28〜30参照)に入射する。フライアイレンズ2062の射出側の面Epに生成される多数の点光源像を源とする照明光束は、コンデンサーレンズ2065によって、照明視野絞り2064が配置されるマスクと共役な面2014bで均一な照度分布にされる。照明視野絞り2064の開口部を通った照明光束は、レンズ系2066、投影光学系PL2001の上側(1段目)の第2光学系2015の凹面鏡2040の母材(石英等)、凹面鏡2040の反射面p2004に形成された窓部(2042)、第2光学系2015を透過し、さらにプリズムミラー2041の上側の反射平面2041aで、延長線D2001に沿う方向に反射され、円筒状のマスクM上の照明領域IRに達する。
先の図23の構成と同様に、凹面鏡2040の反射面p2004は投影光学系PL2001の結像光路中の瞳面pdに配置され、その反射面p2004がフライアイレンズ2062の射出側の面Epと実質的に共役に配置されるので、フライアイレンズ2062の射出端側の面Epに生成される多数の点光源像をリレーしたものが、反射面p2004に形成された窓部2042内に生成される。
また、図36の具体的な構成では、プリズムミラー2041の上側の反射平面2041aと円筒状のマスクMのパターン面p2001との間には、フォーカス補正光学部材2080と像シフト光学部材2081が、傾斜した延長線D2001に沿って設けられている。フォーカス補正光学部材2080は、例えば、2枚のクサビ状のプリズムを逆向き(図36中ではX方向について逆向き)にして、全体として透明な平行平板になるように重ね合わせたものである。この1対のプリズムをスライドさせて、平行平板としての厚さを可変にすることで、結像光路の実効的な光路長が微調整され、中間像面p2007及び投影領域PA2001に形成されるパターン像のピント状態が微調整される。
像シフト光学部材2081は、図36中のXZ面内で傾斜可能な透明な平行平板ガラスと、それと直交する方向に傾斜可能な透明な平行平板ガラスとで構成される。その2枚の平行平板ガラスの各傾斜量を調整することで、中間像面p2007及び投影領域PA2001に形成されるパターン像をX方向やY方向に微少シフトさせることができる。
さて、照明領域IR2001内に現れるマスクパターンの像は、フォーカス補正光学部材2080、像シフト光学部材2081、プリズムミラー2041の反射平面2041a、投影光学系PL2001の上側(1段目)の第2光学系2015、プリズムミラー2041の反射平面2041bを介して、中間像面p2007に結像される。この中間像面p2007には、投影領域PA2001の形状を図35のように台形状にする視野絞り2075を配置することができる。その場合、照明光学系IL2001に設けられる照明視野絞り2064の開口部は、視野絞り2075の台形状の開口部を包含する矩形(長方形)で構わない。
視野絞り2075の開口部で中間像となった結像光束は、投影光学系PL2001を構成する下側(2段目)のプリズムミラー2076の反射平面2076a、第2光学系2077、プリズムミラー2076の反射平面2076bを介して、回転ドラム2030の外周面p2002に巻き付けられた基板P上の投影領域PA2001に投影される。第2光学系2077に含まれる凹面鏡2078の反射面は瞳面pdに配置され、プリズムミラー2076の下側の反射平面2076bは、結像光束の主光線が中心面pcに対して傾いた延長線D2001に沿って進むように、XY面に対する角度が45°未満になるように設定されている。
そして、図36の具体的な構成では、プリズムミラー2076の下側の反射平面2076bと回転ドラム2030に巻き付けられた基板P上の投影領域PA2001との間には、凹レンズ、凸レンズ、凹レンズの3枚を所定間隔で同軸に配置し、前後の凹レンズは固定して、間の凸レンズを光軸(主光線)方向に移動させる倍率補正光学部材2083が設けられる。これによって、投影領域PA2001に形成されるパターン像は、テレセントリックな結像状態を維持しつつ、等方的に微少量だけ拡大または縮小される。
なお、図36には示していないが、プリズムミラー2041、又は2076の何れか一方を、Z軸と平行な軸周りに微小回転可能にするローテーション補正機構も設けられている。このローテーション補正機構は、例えば、図35に示した複数の投影領域PA2001〜PA2006(及び投影されるマスクパターン像)の各々をXY面内で微小回転させるものである。
以上、第17の本実施形態では、図34、図36に示したように、6組の投影光学系PL2001〜PL2006の各々は、円筒状のマスクMの外周面(パターン面)上の各照明領域IR2001〜IR2006を、円筒状のマスクMの回転中心軸AX2001と交差するような主光線を持った照明光で、落射照明することができる。
さらに、各照明領域IR2001〜IR2006から円筒状のマスクMのパターン面p2001の法線方向に進む主光線が、外周面p2002に沿った基板P上の投影領域PA2001〜PA2006の各々にも法線方向から入射するように、結像光束が偏向される。そのため、投影像のデフォーカスを減らすことができ、露光不良等の処理不良の発生が抑制され、結果として不良デバイスの発生が抑制される。
また、投影光学系PL2001〜PL2006の各々は、円筒状のマスクMの外周面からプリズムミラー2041(反射平面2041a)までの間で、結像光束の主光線が中心面pcに対して傾くように構成したので、各投影光学系PL2001〜PL2006の空間的な配置において、互いに干渉(衝突)する条件が緩和される。
なお、投影光学系PL2001〜PL2006の各々の中間像面p2007を通る結像光束の主光線が、中心面pcと平行になるように、プリズムミラー2041の下側の反射平面2041bとプリズムミラー2076の上側の反射平面2076aはXY面に対して45°の角度で設定されている。
[第17実施形態の変形例]
図34〜36に示したマルチレンズ方式の投影光学系を備えた露光装置においては、円筒面状のマスクパターンの像を、円筒面状に支持される基板Pの表面に投影露光したが、マスクMや基板Pは、何れか一方を平面支持してもよいし、両方を平面支持した構成としてもよい。例えば、基板Pは、図34のように回転ドラム2030に巻き付けて円筒面状に支持し、マスクMは、従来のような平行な平面ガラス(石英)に形成してX方向に直線移動させる走査露光方式、逆に、マスクMは、図34のような回転ドラム2020に支持し、基板Pは、平坦な平面ステージやエアパッド式のホルダで支持してX方向に直線的に送る走査露光方式、の何れであっても良い。
また、マスクMや基板Pの支持形態が円筒面状であっても平面状であっても、先の各実施形態による投影光学系と照明光学系を適用可能であるが、XY面と平行な平面状に支持される側については、プリズムミラー2041の上側の反射平面2041aやプリズムミラー2076の下側の反射平面2076bのXY面に対する傾き角度を45°にしておけばよい。換言すれば、マスクM上の照明領域IR(物体面)の中心を通る法線や、基板P上の投影領域PA(像面)の中心を通る法線に合わせて、投影光学系の物体面側の主光線や像面側の主光線をXZ面内で傾けておけばよい。
[第18実施形態]
図37は、第18実施形態による投影光学系PL(マルチレンズ方式の場合はPL2001)の構成を示す図である。本実施形態の投影光学系PL(PL2001)は、円筒状のマスクMの外周面の照明領域IR(IR2001)内のマスクパターンからの結像光束EL2(主光線をEL6とする)を、平面ミラー2100の反射面2100aで反射させ、瞳面に反射面p2004が配置される凹面鏡2040を有する第2光学系2015(ハーフ・フィールドタイプの反射屈折結像系)を介して、平面ミラー2101の反射面2101aで反射させ、中間像面Imに照明領域IR(IR2001)内に現れるマスクパターンの等倍の中間像を形成する。
さらに、中間像面Imに形成された中間像は、例えば2倍以上の倍率を有する拡大結像系2102(Z軸と平行な光軸2102aを有する)によって、XY面と平行な外周面p2002に沿って支持された基板P上の投影領域PA(PA2001)に投影される。基板Pは、表面が平坦な流体ベアリング用のパットを備えた平面ホルダHH上に、流体ベアリング層を介して支持される。本実施形態の場合も、投影光学系PL(PL2001)を構成する凹面鏡2040の反射面p2004には、背後の照明光学系IL(IL2001)からの照明光によって生成される多数の点光源像Sfを透過する為の窓部2042が形成されている。
図37のような拡大投影光学系をマルチレンズ化して、Y方向の寸法が大きいマスクパターンを露光する場合、照明光学系IL(IL2001)と平面ミラー2100、2101を含む投影光学系PL(PL1)の組を、先の図34、図35に示したように、XZ面内では、中心面pcに関して対称に配置し、Y方向に関しては投影領域PA(PA2001)のY方向の端部(三角形部分)で投影像が一部重畳するように、離間させて配置することになる。
本実施形態において、中心面pcが、円筒状のマスクMの回転中心軸AX2001を含み、且つXY面(外周面p2002)と垂直な面だとすると、奇数番の投影光学系PL2001,PL2003・・・の照明領域IR2001,IR2003・・・の各中心点(例えば主光線EL6が通る点)は、マスク側の主光線EL6が中心面pcに対して傾くため、円筒状のマスクMの外周面と中心面pcとの交線から周長では距離DMxだけ離れている。従って、偶数番の投影光学系PL2002,PL2004・・・の照明領域IR2002,IR2004・・・の各中心点も、円筒状のマスクMの外周面と中心面pcとの交線から周長では距離DMxだけ離れることになる。この為、奇数番の照明領域IR2001・・・と偶数番の照明領域IR2002・・・とは、円筒状のマスクM上の周長方向に距離(2DMx)だけ離れる。
一方、奇数番の投影光学系PL2001,PL2003・・・の投影領域PA2001,PA2003・・・の各中心点(主光線EL6が通る点)は、基板P上で中心面pcからX方向に距離DFxだけ離れるので、奇数番の投影領域PA2001・・・と偶数番の投影領域PA2002・・・とは、基板P上でX方向に、距離(2DFx)だけ離れることになる。従って、円筒状のマスクM上に形成される各照明領域IR2001,IR2002・・・ごとのマスクパターンを、周方向に揃えて形成する場合は、投影光学系PL2001,PL2002・・・の拡大倍率をMpとして、Mp・(2DMx)=2DFxの関係を満たすように定めておく必要がある。機構上の都合から、そのような条件で構成できない場合は、円筒状のマスクM上に形成される奇数番の照明領域IR2001,IR2003・・・用のマスクパターンと、偶数番の照明領域IR2002,IR2004・・・用のマスクパターンを、周方向に相対的にずらして形成すれば良い。
[第19実施形態]
図38は、第19実施形態の投影光学系PLの構成を示す図である。本実施形態の投影光学系PLは、レンズ系2103、レンズ系2104、瞳面に配置される凹面鏡(反射光学部材)2040、偏向ミラー2106、2107、及びレンズ系2108で構成される。
本実施形態において、円筒状のマスクMの外周面上の照明領域IRからの結像光束EL2は、レンズ系2103の光軸2103aに関して、−X側の半分のフィールドを介してレンズ系2103に入射し、レンズ系2104(その光軸2104aは光軸2103aと同軸)に入射する。レンズ系2104を通った結像光束EL2は、凹面鏡2040(その光軸は2104a)の反射面p2004で反射し、偏向ミラー2106の反射面2106aで−X方向に反射され、レンズ系2103、2104、凹面鏡2040によって形成される光路の外に導かれた後、偏向ミラー2107の反射面2107aで−Z方向に反射される。
偏向ミラー2107で反射された結像光束EL2は、レンズ系2108を通って投影領域PAに照射される。以上の光路により、投影光学系PLは、円筒状のマスクM上の照明領域IR内に現れるマスクパターンの像を、図37と同様の構成により平面支持される基板P上の投影領域PA内に結像する。本実施形態の投影光学系は、特に拡大投影をコンパクトな系で実現する為に、中間像面を形成しないように設計されている。また、この投影光学系PLの円筒状のマスクM側の主光線EL6の延長線D2001は、円筒状のマスクMの回転中心軸AX2001と交差するように設定され、基板P側の主光線EL6は平面支持される基板Pの表面と垂直に設定される。
図38において、照明領域IR内からの結像光束EL2は、主たる拡大倍率を与えるレンズ系2108の光軸2108a(Z軸と平行で基板Pに対して垂直)の−X側を通るように設計することができる。そのため、レンズ系2108の光軸2108aから+X側の部分で、マスクパターンの投影に寄与しない部分は切り取ってある。これによって、投影光学系PLのX方向(基板Pの走査方向)のサイズを小さくできる。
本変形例においても、先の図21、図23、図31、図32A、32B、図37と同様に、照明光学系ILと光源装置2055が凹面鏡2040の裏側に配置され、凹面鏡2040の反射面p2004(瞳面に配置)に形成された窓部(2042)内には多数の点光源像Sfが生成される。その点光源像の反射面p2004上での分布と反射面p2004内の窓部の形状や配置は、先の図22で説明した条件に則って、図27〜30、或いは図33A〜33Cのように設定される。
上述したような各実施形態や各変形例(図12、図21、図34〜38)において、円筒状のマスクMは、金属、セラミックス、ガラス等の円筒母材の表面に、反射部と非反射部によるパターンを直接形成することを想定したが、平坦性の良い短冊状の極薄ガラス板(例えば厚さ100〜500μm)の一方の面に反射膜でパターンを形成したシート状の反射型マスクとし、それを金属性の回転ドラム2020の外周面に沿って湾曲させて巻き付けて構成してもよい。
そのようなシート状の反射型マスクは、回転ドラム2020の外周面に恒久的に貼り付けても良いし、リリース可能(交換可能)に固定することができる。そのシート状の反射型マスクの反射膜は、例えばアルミニウム等のように照明光束EL1に対して高い反射率を有する材質の膜や誘電体多層膜等を含む。その場合、回転ドラム2020は、シート状の反射型マスクの透明部を通った照明光束EL1を吸収する遮光層(膜)を設けておくとよく、その遮光層が迷光の発生も抑制する。
また、円筒状のマスクMは、全周に渡って、1個のデバイス(1つの表示パネル)に対応するパターンのみを形成したものでもよいし、1個のデバイス(1つの表示パネル)に対応するパターンの複数個を形成したものでもよい。さらに、円筒状のマスクM上のデバイス・パターンは、外周面の周方向に繰り返し配置されていてもよいし、回転中心軸AX2001と平行な方向に複数配置してもよい。また、円筒状のマスクMには、第1のデバイス製造の為のパターンと、第1のデバイスと異なる第2のデバイスを製造する為のパターンとを設けてもよい。
[デバイス製造方法]
次に、デバイス製造方法について説明する。図39は、本実施形態のデバイス製造方法を示すフローチャートである。
図39に示すデバイス製造方法では、まず、例えば有機EL等の自発光素子による表示パネル等のデバイスの機能・性能設計を行い、必要な回路パターンや配線パターンをCAD等で設計する(ステップ201)。次いで、CAD等で設計された各種レイヤー毎のパターン等のデバイスの設計に基づいて、必要なレイヤー分のマスクM(円筒状、又は平面状)を製作する(ステップ202)。また、デバイスの基材である透明フィルムやシート、或いは極薄の金属箔等の基板、又は表示パネルの基材となる可撓性の基板(樹脂フィルム、金属箔膜、プラスチック等)が巻かれたロールを、購入や製造等によって準備しておく(ステップ203)。
なお、このステップ203にて用意しておくロール状の基板は、必要に応じてその表面を改質したもの、下地層(例えばインプリント方式による微小凹凸)を事前形成したもの、光感応性の機能膜や透明膜(絶縁材料)を予めラミネートしたもの、でもよい。
次いで、準備した基板をロール式、パッチ式の製造ラインに投入し、その基板上に表示パネルデバイス等のデバイスを構成する電極や配線、絶縁膜、半導体膜(薄膜半導体)等のTFT等によって構成されるバックプレーン層を形成するとともに、そのバックプレーン層に積層されるように、表示画素部となる有機EL等の自発光素子による発光層を形成する(ステップ204)。ステップ204には、典型的には、基板上の膜の上にレジストパターンを形成する工程と、このレジストパターンをマスクにして上記膜をエッチングする工程とが含まれる。レジストパターンの形成には、レジスト膜を基板表面に一様に形成する工程、上記の各実施形態に従って、マスクMを経由してパターン化された露光光で基板のレジスト膜を露光する工程、その露光によってマスクパターンの潜像が形成されたレジスト膜を現像する工程、が実施される。
印刷技術等を併用したフレキシブル・デバイス製造の場合は、基板表面に機能性感光層(感光性シランカップリング材等)を塗布式により形成する工程、上記の各実施形態に従って、マスクMを経由してパターン化された露光光を機能性感光層に照射し、機能性感光層にパターン形状に応じて親水化した部分と撥水化した部分を形成してパターンを形成する露光工程、機能性感光層の親水性の高い部分にメッキ下地液等を塗工し、無電解メッキにより金属性のパターンを析出形成する工程、等が実施される。
また、このステップ204には、先の各実施形態で説明した露光装置を用いて、フォトレジスト層を露光する従来のフォトリソグラフィ工程も含まれるが、光感応性の触媒層をパターン露光し無電解メッキ法によって金属膜のパターン(配線、電極等)を形成する湿式工程、或いは、銀ナノ粒子を含有した導電性インク等によってパターンを描画する印刷工程、等による処理も含まれる。
次いで、製造するデバイスに応じて、例えばロール方式で長尺の基板上に連続的に製造される表示パネルデバイス毎に、基板をダイシング、或いはカットすることや、別工程で製造された他の基板、例えば保護フィルム(対環境バリア層)、封止機能を持ったシート状のカラーフィルター、又は薄いガラス基板等を各表示パネルデバイスの表面等に貼り合せる工程が実施され、デバイスを組み立てる(ステップ205)。次いで、表示パネルデバイスが正常に機能するか、所望の性能や特性を満たしているか等、デバイスに検査等の後処理(工程)を行う(ステップ206)。以上のようにして、表示パネル(フレキシブル・ディスプレー)等のデバイスを製造することができる。
なお、本発明の技術範囲は、上記の実施形態あるいは変形例に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態あるいは変形例で説明した構成要素の1つ以上は、省略されることがある。また、上記の実施形態あるいは変形例で説明した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
1001・・・デバイス製造システム、1009・・・搬送装置、1011・・・基板処理装置、1021・・・第1ドラム部材、1022・・・第2ドラム部材、1050・・・第1偏向部材、1057・・・第2偏向部材、1078・・・ステージ、1120・・・第3偏向部材、1121・・・第4偏向部材、1132・・・第7偏向部材、1133・・・第8偏向部材、1136・・・第9偏向部材、1137・・・第10偏向部材、1140・・・第11偏向部材、1143・・・第12偏向部材、1151・・・第13偏向部材、1152・・・第14偏向部材、AX1001・・・第1中心軸、AX1002・・・第2中心軸、D1001・・・第1径方向、D1002・・・第2径方向、D1003・・・第1法線方向、D1004・・・第2法線方向、DFx・・・距離、DMx・・・周長、IR・・・照明領域、M・・・マスク、P・・・基板、PA・・・投影領域、PL・・・投影光学系、PL1001〜PL1006・・・投影モジュール、p1001・・・第1面、p1002・・・第2面、p1003・・・中心面、p1007・・・中間像面、2001・・・デバイス製造システム、2005・・・上位制御装置、2013・・・制御装置、2014・・・第1光学系、2015・・・第2光学系、2020・・・回転ドラム、2030・・・回転ドラム、2040・・・凹面鏡、2094・・・ロッドレンズ、U3・・・処理装置(基板処理装置、露光装置)。

Claims (11)

  1. 可撓性のシート基板を連続的に長尺方向に送りつつ、そのシート基板上にデバイスの為のパターンを形成するパターン形成方法であって、
    前記デバイスのパターンに対応した透過型又は反射型のマスクパターンが、第1中心線から一定半径の円筒面に沿って形成された円筒マスクを、前記第1中心線の周りに回転させると共に、前記第1中心線とほぼ平行に離して設定される第2中心線から一定半径の円筒状の外周面を有する円筒ドラムによって前記シート基板の一部を円筒面状に湾曲させて支持しつつ、前記円筒ドラムを前記第2中心線の周りに回転させて、前記マスクパターンの前記円筒面に沿った速度と前記シート基板の前記外周面に沿った速度とを同期させることと、
    前記第1中心線又は前記第2中心線が延びる方向から見たときに、前記第1中心線と前記第2中心線とを含む中心面に関して対称的に配置されると共に、前記マスクパターンを物面、前記シート基板の表面を像面としたとき、前記物面から前記像面に向かう結像光束の主光線のうち、前記物面を通る主光線の延長線は前記第1中心線に向かい、前記像面を通る主光線の延長線は前記第2中心線に向かうように配置された1組の投影光学系によって、前記マスクパターンの投影像を前記シート基板に走査露光することと、
    を含むパターン形成方法。
  2. 請求項1に記載のパターン形成方法であって、
    前記マスクパターンの前記シート基板への露光の為に前記円筒マスクに照射される照明光は、前記第1中心線が延びる方向から見たとき、前記円筒マスクの前記円筒面上の周方向に関して前記中心面を挟んだ対称的な位置の各々に設定される1組の照明領域に照射され、
    前記第2中心線が延びる方向から見たとき、前記1組の投影光学系は、前記1組の照明領域の各々から発生する前記結像光束を、前記円筒ドラムで円筒面状に支持された前記シート基板上の前記中心面を挟んだ対称的な位置の各々に設定される1組の投影領域に投射する、
    パターン形成方法。
  3. 請求項2に記載のパターン形成方法であって、
    前記1組の投影光学系の各々は、前記結像光束の主光線のうち前記照明領域の中心を通って前記照明領域の法線方向に進む第1の主光線が、前記中心面から前記円筒マスクの周方向に90°未満の所定の傾き角となるように、前記照明領域からの前記結像光束を入射して偏向する第1偏向部材と、
    前記結像光束の主光線のうち前記投影領域の中心を通って前記投影領域の法線方向に進む第2の主光線が前記中心面から前記円筒ドラムの周方向に90°未満の所定の傾き角となるように、前記結像光束を前記投影領域に向けて偏向する第2偏向部材と、を備える、
    パターン形成方法。
  4. 請求項3に記載のパターン形成方法であって、
    前記1組の投影光学系の各々は、
    前記中心面と垂直な第1の光軸を有し、前記第1偏向部材で偏向された前記結像光束を入射して、前記パターンの中間像を形成する第1光学系と、
    前記中心面と垂直な第2の光軸を有し、前記中間像となった前記結像光束を入射して、前記第2偏向部材に向けて投射することによって、前記中間像を前記投影領域に再結像する第2光学系と、を備え、
    前記第1中心線又は前記第2中心線が延びる方向から見たとき、前記第1の光軸と前記第1の主光線とは90°以上の鈍角に設定され、前記第2の光軸と前記第2の主光線とは90°以上の鈍角に設定される、
    パターン形成方法。
  5. 請求項4に記載のパターン形成方法であって、
    前記1組の投影光学系の各々は、前記照明領域に現れる前記マスクパターンの一部を前記投影領域に等倍で結像し、
    前記第1の光軸と前記第1の主光線との90°以上の鈍角と、前記第2の光軸と前記第2の主光線との90°以上の鈍角とを等しく設定した、
    パターン形成方法。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載のパターン形成方法であって、
    前記円筒マスクは反射型マスクであり、
    前記1組の投影光学系の各々の前記第1偏向部材と前記円筒マスクの円筒面上の前記照明領域との間に配置される偏光ビームスプリッタと1/4波長板とによって、直線偏光の照明光を円偏光の照明光に変換して前記照明領域に向けて照射すると共に、前記照明領域で反射された円偏光の前記結像光束を直線偏光の結像光束に変換して前記投影光学系に入射させる、
    パターン形成方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のパターン形成方法であって、
    前記円筒ドラムの外周面の半径と前記円筒マスクのパターン面の半径とを同一にする第1の状態と、前記円筒ドラムの外周面に円筒状に支持される前記シート基板の表面の半径と前記円筒マスクのパターン面の半径とを同一にする第2の状態とのいずれか一方に設定される、
    パターン形成方法。
  8. 請求項3〜5のいずれか一項に記載のパターン形成方法であって、
    前記円筒マスクは反射型マスクであり、
    前記1組の投影光学系の各々に対応して設けられる1組の照明系の各々によって前記1組の照明領域の各々を照明光によって落射照明すると共に、前記投影光学系の各々の光路中に配置される光分離部材によって、前記照明領域の各々に照射される前記照明光と前記照明領域の各々からの前記結像光束とを分離する、
    パターン形成方法。
  9. 請求項8に記載のパターン形成方法であって、
    前記光分離部材は、前記1組の投影光学系の各々の瞳の位置に配置されると共に、前記瞳の面内の互いに異なる領域に反射部分と透過部分とを有し、前記照明光は前記光分離部材の前記透過部分を介して前記照明領域に照射され、前記照明領域からの前記結像光束は前記反射部分によって前記投影領域に向かうように反射される、
    パターン形成方法。
  10. 請求項3〜5のいずれか一項に記載のパターン形成方法であって、
    前記1組の投影光学系の各々は、
    前記中心面と垂直な第1の光軸を有し、前記第1偏向部材で偏向された前記結像光束を入射して、前記パターンの中間像を形成する第1光学系と、
    前記中心面と垂直な第2の光軸を有し、前記中間像となった前記結像光束を入射して、前記第2偏向部材に向けて投射することによって、前記中間像を前記投影領域に再結像する第2光学系と、を備え、
    前記第1中心線又は前記第2中心線が延びる方向から見たとき、前記第1の光軸と前記第1の主光線とは90°以上の鈍角に設定され、前記第2の光軸と前記第2の主光線とは90°以上の鈍角に設定される、
    パターン形成方法。
  11. 請求項10に記載のパターン形成方法であって、
    前記第1の光軸と前記第1の主光線との90°以上の鈍角と、前記第2の光軸と前記第2の主光線との90°以上の鈍角とを等しく設定した、
    パターン形成方法。
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