JP2020126070A - 日射計測装置ならびにこれを使用する照射状態分析装置および光分布測定装置 - Google Patents

日射計測装置ならびにこれを使用する照射状態分析装置および光分布測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 温度変化を補正しつつ日射を計測し得る日射計測装置を提供するとともに、この日射計測装置を使用しつつ、特定波長の照射の状態を計測し、または反射光などの散乱光を含む光の照射分布を測定し得る装置を提供する。【解決手段】 日射測定装置は、光電変換センサ31,32を直列もしくは並列に接続し、その両端に接続された抵抗と、この抵抗に対して直列または並列に接続されたサーミスタ6とを備える。抵抗およびサーミスタによって出力抵抗を形成し、出力抵抗の両端に発生する電圧からオームの法則に基づく略短絡電流値を得るとともに、略短絡電流値の変化量により日射を計測する。光電変換センサにバンドパスフィルタを設置して照射状態を分析し、異なる向きに設置して光分布を測定する。【選択図】 図1

Description

本発明は、日射の状態を計測するための日射計測装置と、この日射計測装置を使用する光の照射状態を分析する分析装置および光分布測定装置に関するものである。
日射を集光するなどして日射エネルギを利用するものには、太陽光発電装置、太陽炉、太陽熱温水器またはビニルハウスもしくは温室などが挙げられる。太陽光発電装置は、広範囲に設置された多数の太陽電池により日射を集光して発電を行うものであり、太陽炉は、日射を多数の鏡面により一点に集光して、生じる熱を供給するものである。また、太陽熱温水器は、集熱器に水を導入し、日射により加熱によって温水を得るものであり、ビニルハウスや温室は、透明な素材の膜または板によって内部に日射を受光させ、内部環境を制御するものであった。
これらのような日射エネルギを利用する各種装置には、日射状態の変更について留意しなければならない。例えば、日射状態は、一年および一日を通して一定ではなく、気象条件により日射の程度は容易に変化し、また、季節や時刻によっても異なる。従って、これらの装置を効率よく使用するためには、日射の状態を確認し、各装置から得られるエネルギが不足するような場合には、代替エネルギによって補充等する必要がある。
例えば、太陽光発電を利用する場合には、日射が減少する際に、他の電力供給を確保するか、または消費電力を抑えるために電力消費装置の出力を低下させるなどが必要となり、太陽炉や太陽熱温水器を利用する場合には、予備加熱機構を作動させるなどの操作が必要となる。また、ビニルハウスや温室を利用する場合には、日射の減少に伴う温度低下または日射不足を補うために、他の加熱手段によって温度を上昇させ、または他の光源による光の照射を行う必要があった。
ところで、これらの日射の減少による代替エネルギの補充等に際しては、全てを手動で行うことが現実的でなく、各種装置の作動を自動化することが一般的である。そして、これらの装置の自動化には、現実の日射の状態を計測し、その測定結果により制御装置によって制御されることが考えられる。このような自動化を実現するためには、日射状態の計測が不可欠であるが、その計測のために高額な機器を導入する場合には、日射エネルギを利用するための装置に付随する機器としては、不適当と言わざるを得ない。すなわち、日射エネルギ利用装置の価格に対し、日射計測機器が高額となる場合には、日射エネルギ利用装置全体の価格の上昇を招来することとなり、当該日射エネルギ利用装置の普及を阻害することとなるものであった。
そこで、本願の発明者らにより、光電変換センサを使用し、当該センサの短絡電流を計測することによって、その短絡電流の変化を換算することにより日射の状態を測定し得る日射計測装置を開発した(特許文献1参照)。この日射計測装置は、複数の光電変換センサによるセンサモジュールを異なる位置に配置し、これらを直列に接続するとともに、全体としての短絡電流を換算することにより、一部のセンサモジュールの機能が低下した場合でも全体としての日射の状態を計測できるようにしたものであり、部分的な日陰の発生による一部の陰を検出し、曇天等の状態と区別し得るように構成したものであった。
特開2010−145254号公報 特開平8−219875号公報 特開2007−334677号公報
前掲の日射計測装置は、前記のような構成であるから、日射の状態を計測することについては適しており、比較的安価に製造できる利点を有している。従って、日射エネルギ利用装置に付属される機器として優れたものということができる。ところが、前記日射計測装置は、日射を受けながら計測するものであるため、日射状態によって装置そのものの温度が変化するものであった。そして、その温度変化により、光電変換センサの機能が僅かながら変化するため、計測される日射の状態についても、当該計測値の変化を日射の変化として処理される可能性があった。このことは、光電変換センサの短絡電流から日射の状態を換算する場合には、厳密な意味において正確な日射を計測しているとは言えないものであった。
他方、照射状態を計測する装置に関しては、格別に先進的に開発されておらず、素材の吸光度を測定するために、被測定材料を通過する光を計測するものがあり、受光素子と発光素子との間にバンドパスフィルタを設置し、当該バンドパスフィルタを通過した特定波長の光について、被測定材料による吸光の程度を計測するもの(特許文献2参照)が存在する程度であった。しかしながら、この技術は、被測定材料の吸光度(特定波長帯の吸光度)を測定するためのものであり、日射等による光の照射の状態を計測するものではなかった。特定波長帯の光の照射の状態を計測することは、例えば、温室等における植物のための有効放射帯域の照射状況を把握することができるものであるが、この種の技術が開発されていないのが現状である。
また、光分布装置についても特段の技術が開発されているものではなく、太陽光発電において、発電による電気エネルギと、熱需要を賄うための電気エネルギとの間で、エネルギ需要に係る収支変動を算出するもの(特許文献3参照)が存在する程度であった。特に、照射される入射のエネルギと反射により放出されるエネルギとの収支や、反射光その他の散乱光が日射エネルギ利用装置または温室内の植物等に与える影響を検出するための光分布を測定することは、日射が有効に利用されているか否かの指標として利用できるものであるが、これらの技術は開発されていないのが現状である。
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、温度変化を補正しつつ日射を計測し得る日射計測装置を提供するとともに、この日射計測装置を使用しつつ、特定波長の照射の状態を計測し、または反射光などの散乱光を含む光の照射分布を測定し得る装置を提供することである。
そこで、まず、日射計測装置に係る本発明は、単一の光電変換センサ、複数の光電変換センサにより形成される光電変換センサ群、または該光電変換センサ群を直列もしくは並列に接続してなる光電変換センサモジュールと、前記光電変換センサ、前記光電変換センサ群、前記光電変換センサモジュール、または前記光電変換センサモジュールを直列もしくは直並列に接続してなる光電変換センサモジュール群の中から選択された1つ以上の両端に接続された抵抗と、該抵抗に対して直列または並列に接続されたサーミスタとを備え、前記抵抗および前記サーミスタによって出力抵抗を形成し、該出力抵抗の両端に発生する電圧からオームの法則に基づく略短絡電流値を得るとともに、該略短絡電流値の変化量により日射を計測することを特徴とするものである。
本発明は、単一の光電変換センサを使用し、もしくは複数の光電変換センサの集合体である光電変換センサ群、または光電変換センサ群を複数接続してなる光電変換センサモジュールを形成し、これら単体またはこれらの集合体に対して、その両端に接続される抵抗と、この抵抗に対して直列または並列に接続されるサーミスタを備えることにより、両者の合成抵抗(出力抵抗)の両端に発生する電圧から略短絡電流を検出し、その変化量により日射に換算するものである。従って、温度変化に伴って抵抗値が変化するサーミスタと、このサーミスタが接続される抵抗との合成抵抗は、温度変化に応じて変化することとなり、略短絡電流の補正を可能にしている。
ここで、略短絡電流とは、光電変換センサ等の両極を短絡させることにより得られる電流(短絡電流)と同じ程度の電流を意味し、当該抵抗の値(合成抵抗の値)を著しく小さくすることにより、略短絡電流の値は光電変換センサ等の短絡電流の値とみなすことができるものである。すなわち、略短絡電流の変化を観察することは、光電変換センサ等から得られる電流の変化を観察することとなり、光電変換センサ等から得られる電流値の変化の状態を得ることができるものである。
さらに、光電変換センサ等の出力は、それらの両端に接続した抵抗の両端に発生する電圧を計測することにより、オームの法則から電流値を得ることができる。従って、本発明おける抵抗およびサーミスタによる合成抵抗(出力抵抗)の値は、光電変換センサ等の動作点が短絡電流値に近似するように、両者の抵抗値や接続方法が選択されるべきものである。
ここで使用されるサーミスタは、温度上昇に伴って抵抗値が減少するNTC(Negative Temperature Coefficient(負の温度特性・負特性))の性質を有するサーミスタ(これをNTCサーミスタと称する)を使用することが好適である。
サーミスタを含む出力抵抗の値は、小さい程に短絡電流に近似する値を得ることができる。これは、抵抗が一定の場合における電圧と電流との関係から明らかである。他方、光電変換センサから得られる出力は、温度上昇とともに増大する傾向にある。そのため、光電変換センサが定電流電源として機能するとしても、出力の増大に伴って短絡電流値は当然に上昇する。しかし、略短絡電流を測定するための出力抵抗(合成抵抗)が同じ値である場合には、出力抵抗の両端に発生する電圧と電流との関係は線形となり、測定され得る電圧が大きくなる結果、算出される略短絡電流値は短絡電流に近似しない値(短絡電流の値から離れた電流値)を計測することとなる。そのため、短絡電流値に近似するように合成抵抗の値を減少させるのである。
ところで、前記光電変換センサ、前記光電変換センサ群、前記光電変換センサモジュール、または光電変換センサモジュール群は、ケース内部に収納される構成においては、前記サーミスタは、該ケースの壁面に当接した状態で配置することができる。
光電変換センサ等は、センサ素子の受光面に光を照射させる必要があり、当該光の照射によってセンサ素子の温度上昇を招来させる。これらを構成する固体の温度上昇は、周辺空気の温度(気温)の変化とは異なるものであることから、同じく固体の温度に応じて抵抗値を変化させるため、サーミスタをケースの壁面に当接させるものである。また、ケースの内部に設置することにより、サーミスタはケースに内部壁面に当接されるが、これは、壁面の外部に配置する場合には、光が直接照射される状況が想定されるため、固体の温度変化とは異なる変化を示すことがないようにしたものである。
また、前記光電変換センサ、前記光電変換センサ群、前記光電変換センサモジュール、または光電変換センサモジュール群は、ケース内部に収納される構成においては、前記サーミスタは、前記光電変換センサ、前記光電変換センサ群、前記光電変換センサモジュールまたは光電変換センサモジュール群の裏面に当接した状態で配置することができる。光電変換センサ群、前記光電変換センサモジュールまたは光電変換センサモジュール群の裏面に配置する場合には、これらを構成するいずれかの光電変換センサの裏面に当接した状態で配置されることが好ましい。
これは、前記と同様に、光の照射の状況により変化する温度の状態を光電変換センサの温度変化に合わせるためである。光電変換センサの裏面とは、センサ素子が実装されるプリント基板等の裏面側という意味であり、光電変換センサに連続する部分の温度変化をもって光電変換センサの温度変化とみなして抵抗値を変化させるためである。
前記サーミスタは、ケースの壁面または光電変換センサの裏面のいずれかに1個のみ設置された場合であってもよいが、これに限定されることはなく、双方に設置してもよく、いずれか一方または双方に複数のサーミスタを設置してもよい。特に、前述の出力抵抗(合成抵抗)の変化の範囲を大きくする場合には、複数のサーミスタによって変動範囲を広く設定させることとなる。また、複数の面にサーミスタが当接されることによって、温度変化のブレを矯正するという機能を発揮させ得る。
なお、前記各構成の発明において、前記光電変換センサとしては、太陽電池、フォトダイオード、フォトトランジスタ、焦電素子または光電セルの1種以上を使用することができ、また、前記日射としては、日射強度(W/m2)、日射量(J/m2)、照度(lx)、光量子束密度(μmol・m-2・s-1)、太陽光依存性抵抗(Ω)、太陽光発電電力(kW/m2)または太陽熱集熱量(kW/m2)の1つ以上を選択することができる。
また、本発明の日射計測装置は、前記光電変換センサモジュール群が、日射を計測すべき対象区画内に2個以上の前記光電変換センサモジュールを、間隔を有して接続されたものであり、個々の光電変換センサモジュールの光電変換センサまたは光電変換センサ群にはバイパスダイオードが配置される構成とすることができる。
この構成は、対象区画内における日射計測において一時的な影などの影響を排除することができる。すなわち、対象区画内に2個以上の光電変換センサモジュールを配置することにより、そのうちの1個が影などによって一時的に日射が遮断された場合、他の光電変換センサモジュールによる出力の検出が可能となる。ここで、各光電変換センサモジュールを構成する光電変換センサまたは光電変換センサ郡についてバイパスダイオードを配置することにより、日射の遮断により一部の光電変換センサまたは光電変換センサ郡の出力が低下した場合であっても、その出力低下を略短絡電流の値に影響を及ぼさないものとすることができる。
ここで、光電変換センサ、光電変換センサ群、光電変換センサモジュール、または光電変換センサモジュール群のいずれかをケース内部に収納する場合、該ケースは、開口部を有し、または波長300nm以上における波長帯域の光が透過可能である透光面を有しており、前記光電変換センサの受光面、または前記光電変換センサ群を構成する個々の光電変換センサの各受光面が、前記開口部を介して外方に露出し、または透光面に向かって配置されるように構成することが好ましい。
これは、日射計測に際し、光電変換センサの受光面に日射が照射されるための構成であり、ケース開口部から受光面を露出させることは日射を直接受光面に照射させる目的であり、透光面が300nm以上の波長帯域の光の透過を可能にしたものは、紫外光から遠赤色光に至る範囲の光を照射させるためである。ケースに収納することにより、基板、抵抗およびサーミスタを保護するためであるが、前記構成により、基板に実装される光電変換センサの受光面に計測すべき波長帯の照射を可能にするものである。
前記構成においては、前記光電変換センサの受光面、または前記光電変換センサ群を構成する個々の光電変換センサの各受光面は、特定波長帯域の光を限定的に透過するバンドパスフィルタを備え、または前記透光面が、特定波長帯域の光を限定的に透過するバンドパスフィルタによって構成されるものとすることができる。
このような構成によれば、光電変換センサは、日射光のうち、バンドパスフィルタを透過した特定波長帯域の光の測定を可能にする。これは、例えば、温室等のように、植物を生育する施設に対する日射計測において、特定波長帯域の光の照射量が植物成長に影響がある場合、日射光に含まれる特定波長帯域の光に限定して照射量を測定することができるのである。
照射状態分析装置に係る本発明は、前記受光面が、特定波長帯域の光を限定的に透過するバンドパスフィルタを備える日射計測装置、または前記透光面が、特定波長帯域の光を限定的に透過するバンドパスフィルタによって構成される日射計測装置を使用するものであって、複数の前記日射計測装置を個別に配置するとともに、各日射計測装置に使用される前記バンドパスフィルタが、透過光の波長帯域を相互に異ならせたものであることを特徴とするものである。
上記のような構成によれば、複数の日射計測装置のそれぞれが異なる波長帯域の透過光を計測することとなり、同一光源により照射される光(例えば日射)のうち、各波長帯域の光が照射される状態について分析することが可能となる。このような照射状態分析装置は、特定波長帯域の照射を必要とし、または特定波長帯域の照射を不要とするなど、波長帯域に特化して日射等の照射状態を制御する場合に使用され得るものである。
前記構成においては、複数の日射計測装置が、波長300nm以上2800nm未満の波長帯域の光を透過するバンドパスフィルタが使用される全域計測装置と、波長300nm〜2800nmの範囲を複数に分割した波長帯域の光を透過するバンドパスフィルタが使用される特定領域計測装置とに区分されるものとすることができる。
このような構成の場合には、全域計測装置によって紫外光から遠赤色光までの範囲の光の照射状態と、特定領域計測装置によって、特定波長帯域の光の照射状態とが計測できることから、全照射光のうち、特定波長帯域の光の照射状態を分析することが可能となる。特定領域計測装置は、全波長(300nm〜2800nm)の範囲内において、必ずしも間断なく測定する必要はなく、計測値の差分によって特定波長の照射状態を分析してもよい。例えば、温室における植物の生育に必要な特定波長帯域の照射状態を分析する場合には、300nm〜800nmの波長帯域の光について適宜間隔で分割計測し、特に、800nmを超える波長については全域計測装置との差分によって計測することが好ましい。
また、前記構成における複数の特定領域計測装置としては、5nm〜100nmを単位として複数に区分されるものとすることができる。すなわち、5nm〜10nmを単位とする限定的な波長領域を計測するほかに、50nm〜100nmを単位として、光の種類ごとの波長領域を計測するように区分することができる。
特定波長帯域としては、50nm〜100nmの波長を単位とすることにより、紫外線、青色光、青緑色光、緑色光、黄色光、橙色光、赤色光、赤外線などに分けて照射される光の状態を計測することができる。なお、700nmを超える波長についてはすべて赤外線としてまとめた値を計測してもよい。この場合、全域計測装置との差分によって求める方法としてもよい。さらには、測定範囲の領域が5nm〜10nmを単位とするものであり、限定的な波長領域の光の状態が計測可能であることにより、例えば、特定種類の葉緑素に対して機能的に作用する光の照射状態を計測するなど、詳細な分析が可能となる。
さらに、前記照射状態分析装置においては、特定波長計測装置により計測される透過光の積算値を算出し、日射を計測すべき対象区画内における特定波長帯域の光の照射総量を検出するものと構成してもよい。
上記構成の場合には、特定波長帯域の光の照射総量を検出し得ることから、広い帯域の光が照射される状態において、当該特定波長帯域の光に限定した照射量を得ることができ、所望帯域の光の照射の状態を分析することができる。所望帯域の光とは、農業分野においては、生理的有効放射といわれる300nm〜800nmの波長帯域の光、または光合成有効放射といわれる400nm〜700nmの波長帯域の光の照射状態を検知することが重要となるため、これらの帯域に限定して、その照射の総量を得ることにより農産物の発育状況をコントロールすることが可能となる。例えば、これらの帯域における光照射の総量が不足する場合には、特定波長の光を発する光源(LED)などを使用し、照射総量を増加させるなどの対応を可能にすることができる。
光分布測定装置に係る本発明は、個々の光電変換モジュールの受光面が、特定波長帯域の光を限定的に透過するバンドパスフィルタを備える日射計測装置、または、個々の光電変換モジュールの前記透光面が、特定波長帯域の光を限定的に透過するバンドパスフィルタによって構成される日射計測装置を複数使用するものであって、前記日射計測装置を単位として、個々の日射計測装置を構成する光電変換センサの受光面または透光面が、異なる角度で設置されていることを特徴とするものである。
上記構成において、日射計測装置が前記光電変換センサ群、前記光電変換センサモジュールまたは光電変換センサモジュール群である場合には、これらを構成する複数の光電変換センサの受光面が同一平面上に配置されるとともに、前記日射計測装置を単位として光電変換センサの受光面が異なる角度で設置されるように構成することができる。
上記構成によれば、個々の日射計測装置は、同じ平面上に設置された光電変換モジュールの受光面または透光面により、当該日射計測装置ごとに特定方向から照射される光(日射等)を計測することとなるが、これら複数の日射計測装置の受光面または透光面が相互に異なる角度を有して配置されることにより、反射光などの散乱光についての計測を可能にするものである。
また、上記構成の光分布測定装置において、複数の日射計測装置のうち、いずれか一つの日射計測装置が日射の直射光に対するものとし、他の日射計測装置は、散乱光に対するものとすることが好ましい。
上記構成は、日射を直接受ける場合の計測装置のみでは計測できない反射光などの散乱光を含めて光分布を測定するものである。例えば、日射光が地上で反射し、その散乱光が十分な光量を有する場合には、日射の直接光以外にも光の効果を受けることができるものであり、農業分野においては、葉の裏面に照射し、光合成に寄与する場合もあることから、これら散乱光を含めた全体の光の分布の状態を把握することができるのである。農業分野における散乱光は、比較的重要視されるものであり、圃場の表面に反射シートを敷設して、散乱光を作物に照射することが日常的に行われている。従って、これらの反射シートの効果を含めた日射の影響を検証する際に有効な測定値を得ることができる。
前記のような日射計測装置の配置角度(受光面または透光面の角度)は、用途に応じて適宜変更・調整すればよく、例えば、受光面または透光面を表裏(相互の角度は180度)に配置した二つの日射計測装置を使用してもよい。この場合には、一方の日射測定装置の受光面または透光面を日射に向かって配置することにより、他方の日射計測装置の受光面または透光面は、その裏面側に向かって配置されることとなるから、一方の日射計測装置により直接日射を計測すると同時に、他方の日射計測装置により、裏面側に向かって反射する光を測定することができる。これを農業分野において、植物の葉面に合わせて(葉の向きまたは高さなどに合わせて)設置すれば、植物の葉面に対する表面および裏面に作用する日射の影響を測定することが可能となる。
日射計測装置にかかる本発明によれば、複数の光電変換センサにより構成される光電変換センサモジュール等または個々もしくは単体の光電変換センサが、温度上昇に伴って当該センサ等の出力が増大する場合に、サーミスタによる抵抗値の変化により出力抵抗値を調整することにより、短絡電流に近似させた略短絡電流を得ることができ、その温度変化を補正しつつ日射計測を可能にするものである。特に、サーミスタをケースの壁面または光電変換センサの裏面に当接させることにより、温度変化を気温ではなく物体温度に応じて抵抗値を変化させることができるため、光電変換センサそのものの温度変化に応じた補正を可能にするものである。
また、照射状態分析装置にかかる本発明によれば、個々の光電変換センサの受光面には特定波長帯域の光を限定的に透過するバンドパスフィルタが備えられており、特定波長帯域の光ごとの照射状態を測定することができる。波長300nm〜2800nmの範囲にある波長帯域の光について、特定領域計測装置による波長帯域の幅を5nm〜100nmの単位で区分することにより、可視光を含む紫外線から赤外線までの広い波長帯における領域を細かく分類して計測することができ、しかも、これらの透過光を積算することにより照射総量を得ることにより、日射全体のうちの特定波長の照射割合を算出することができる。
さらに、光分布測定装置にかかる本発明によれば、日射によって直接照射される光のほかに反射光を含む散乱光の照射状態を測定することができ、所定領域内における光の照射分布を得ることができる。個々の日射計測装置を構成する光電変換センサ等の受光面にバンドパスフィルタを備えていることから、直射光および散乱光等を含む全体の照射光について、特定波長帯域ごとの照射分布を得ることができるとともに、当該特定波長帯域ごとの光エネルギ収支(入射エネルギと放出エネルギとの収支)をも算出することが可能となる。
日射計測装置に係る実施形態の概略を示す説明図である。 図1におけるII−II線による断面図である。 日射計測装置に係る実施形態における配線の状態を例示する説明図である。 日射計測装置に係る本発明の実施形態の概略を示す説明図である。 光分布測定装置に係る実施形態の説明図である。 光分布測定装置に係る他の実施形態を示す説明図である。 光分布測定装置に係る他の実施形態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、日射計測装置に係る実施形態を示す概略図である。図1(a)は分解した状態を示し、図1(b)は一体化した状態を示す。こられの図に示されるように、本実施形態は、箱形のケース本体1と、蓋部2とで中空のケースが構成され、このケースの内部に、光電変換センサモジュール3と、基板4とを収納する構成としている。本実施形態の光電変換センサモジュール3としては、2個の光電変換センサ31,32を備えるものとしており、ケース本体1には光電変換センサ31,32と同形状の開口部11,12が設けられている。従って、ケース内部に収納された光電変換センサモジュール3の各光電変換センサ31,32の表面(受光面)は、当該開口部11,12を介してケースから露出させることができる。なお、この開口部11,12は、外部から照射される日射を透光させるためのものであるため、特定波長の光が透過できる透光面で構成してもよい。この場合の特定波長の光が透過できるものとして、波長300nm以上における波長帯域の光が透過可能である透明なガラス製の板などを使用することができる。
サーミスタ5は、基板4から立設して設けられており、光電変換センサモジュール3の横を通過し、または当該光電変換センサモジュール3の近傍において、ケース本体1の内側壁面に当接して設けられる構成としている。なお、ケース本体1の内側壁面に当接できない場合には、光電変換センサモジュール3の裏面に当接させて設置してもよい。このようなサーミスタ5の設置状態は、サーミスタ5が受ける温度変化の対象が、光電変換センサ31,32の温度変化に合わせるためである。そのために、基板4を光電変換センサモジュール3とは区別して設け、さらに、ケース本体1の内側壁面(特に開口部11,12の近傍)または光電変換センサモジュール3の裏面に当接できるように、基板4から突出するように立設しているのである。
ところで、光電変換センサ31,32は、直列または並列に接続されており、全体として光電変換センサモジュール3が形成されるものであり、基板4には、前記光電変換センサモジュール3の両側端子間(両端)に抵抗が接続される配線部(図示せず)を有しており、さらに、この抵抗に対して直列または並列に接続される配線と、この配線に接続されたサーミスタ5を備えている。
ここで、光電変換センサ31,32としては、太陽電池、フォトダイオード、フォトトランジスタ、焦電素子または光電セルなどを使用することができ、2個を同じ種類のものを使用してもよいが、異なる種類のものを用いてもよい。他方、本実施形態のサーミスタ3としては、温度上昇に伴って抵抗値が減少するNTCサーミスタを使用している。なお、抵抗およびサーミスタは、光電変換センサ31,32に対して直列または並列に接続されるものであるが、これらの抵抗等が接続される両端に端子が設けられ、この端子間における電流値(略短絡電流値)を測定することによって、光電変換センサ31,32から得られる電流の変化を観察することが可能となり、この電流の変化によって日射の計測を可能としている。また、略短絡電流値を測定するための電流計は、ケース内部に収納してもよいが、別途設ける構成でもよい。
ところで、上述のサーミスタ5は、一般的に先端において温度が検出される。そこで、当該先端を検出すべき部分に当接させることにより、当該部分の温度変化に伴って抵抗値を変化させることができる。従って、サーミスタ5の先端の当接位置については種々の形態が考えられる。
そこで、図2に各種の形態を示す。この図2は、図1中に記載のII−II線による断面図であるが、サーミスタ5の数および位置については、種々の形態ごとに変更したものである。まず、図2(a)は、単一のサーミスタ5の先端をケース本体1の上面部の裏面(壁面)に当接させたものである。ここで、光電変換センサモジュール3は、光電変換センサ31を前述の開口部11に嵌合させたものであるが、その際、光電変換センサモジュール3の表面とケース本体1の上面部裏面との間は、シリコーン接着剤Xによって貼着させている。この場合には、当該シリコーン接着剤Xを利用して、サーミスタ5の先端をケース本体1の裏面に当接しつつ貼着固定させている。
上記のように、サーミスタ5の先端をケース本体1の上面部裏面(壁面)に当接させることによって、光電変換センサモジュール3に照射される日射量に応じて生じる温度に応じた抵抗値を得ることができる。すなわち、使用されるサーミスタ5がNTC型であるため、日射量が大きい場合には、光電変換センサ31の出力が増大することに応じて、温度上昇による抵抗値の低下を可能にするのである。これにより、サーミスタ5に接続される抵抗(図示省略)との合成抵抗が小さくなり、略短絡電流は短絡電流に近似することとなる。なお、実際の電流値は、抵抗の両端に発生する電圧を計測することにより、オームの法則から電流値を得ることができる。
上記のようなサーミスタ5は、単一である必要はなく、複数設置することができる。この状態を図2(b)に示す。この図は、ケース本体1の上面部裏面(壁面)の異なる二個所に、二個のサーミスタ5の先端部分を同様の方法(シリコーン接着剤Xの利用)により、当接させつつ固定したものである。このように複数のサーミスタ5を設置することにより、抵抗値が変化できる範囲を広く設定することができるうえ、温度検出の誤差(ムラ)を修正し得ることとなる。
さらに、サーミスタ5の先端は、光電変換センサモジュール3の裏面に当接させるように設置してもよい。この状態を図2(c)に示す。この図に示すように、サーミスタ5の先端は、光電変換センサモジュール3の裏面に接着剤Yによって貼着されている。ここで使用する接着剤Yは、ケース本体1と光電変換センサモジュール3とを接着するものではないため、接着力が協力である必要はない。そのため、シリコーングリス、放熱用シリコーン、熱伝導グリスなどを使用することができる。また、一般的な接着剤を使用してもよい。ところで、光電変換センサモジュール3の裏面に頭部が当接されたサーミスタ5は、日射量を測定する部分における温度変化によって抵抗を変化させるものであることから、日射量によって現実に出力が増減する光電変換センサモジュール3の温度変化に応じた抵抗値の変化を可能にする。なお、この場合には、光電変換センサモジュール3のうち、光電変換センサ31の裏面が好ましい。日射量計測は、当該光電変換センサ31によるためである。
上記においては、さらに、複数のサーミスタ5を光電変換センサモジュール3の裏面に設置してもよい。さらに、図2(d)に示すように、ケース本体1の上面部裏面(壁面)と光電変換センサモジュール3の裏面との双方にサーミスタ5の頭部を当接させるように設置してもよい。すなわち、サーミスタ5は、温度上昇時における抵抗値の低下(略短絡電流の補正)のために使用されるものであるため、日射計測装置に対する日射量の変化に応じて昇降する温度変化を反映させることができるように、最適な形態のものを選択すればよいのである。
なお、計測される日射の指標としては、日射強度(W/m2)、日射量(J/m2)、照度(lx)、光量子束密度(μmol・m-2・s-1)、太陽光依存性抵抗(Ω)、太陽光発電電力(kW/m2)または太陽熱集熱量(kW/m2)などがあり、これらの中から1つ以上をもって、本実施形態が計測し得る日射として定めることができる。
次に、個々の光電変換センサ31,32とセンサモジュール3ならびにセンサモジュール群について説明する。図3は、個々の光電変換センサ等の配置例を示している。この図に示されているように、光電変換センサモジュール3の配置の形態は、種々の組合せによって使用することができる。例えば、複数の光電変換センサ31,32によって一つの光電変換センサモジュール3を構成し、さらに複数の光電変換センサモジュール3によって光電変換センサモジュール群30を構成し、これらの両端A,Bにおける略短絡電流の変化を計測してもよい。略短絡電流を測定するために、これらの光電変換センサモジュール3、光電変換センサ31,32、または光電変換センサモジュール群30のいずれかに対して、サーミスタ5および抵抗6を直列または並列に接続するのである。なお、図示のように、光電変換センサモジュール群30による場合には、個々の光電変換センサモジュール3を直列もしくは並列に、または直列および並列に接続してもよく、個々の光電変換センサ31,32は、さらに、直列もしくは並列に、または直列および並列に接続してもよい。
なお、図において示される複数の光電変換センサモジュール3を光電変換センサ31,32に置換する場合には、光電変換センサモジュール群30は、光電変換センサ群となり、さらに、光電変換センサモジュール群30が単一の光電変換センサ31で構成させることも可能である。また、図中のサーミスタ5と抵抗6は直列に接続しているが、これを並列に接続してもよい。
いずれの形態の場合においても、両端の端子A,Bの間における略短絡電流の変化が観察できれば、日照計測が可能となるのである。ここで、略短絡電流とは、光電変換センサモジュール3等の両極A,Bを短絡させることにより得られる電流(短絡電流)と同じ程度の電流を意味するものである。すなわち、サーミスタ5による抵抗値と、抵抗6による抵抗値との合成抵抗の値を著しく小さくすることにより、略短絡電流の値は光電変換センサモジュール3等の短絡電流の値とみなすことができる。そして、略短絡電流の変化を観察することは、光電変換センサモジュール3等から得られる電流の変化を観察することとなり、光電変換センサモジュール3等から得られる電流値の変化の状態を得ることができるのである。
そのためには、サーミスタ5は、温度上昇に伴って抵抗値が減少するNTCサーミスタであることが好ましい。すなわち、サーミスタ6を含む出力抵抗の値は、小さい程に短絡電流に近似する値を得ることができるからである。このことは、抵抗が一定の場合における電圧と電流との関係から明らかである。そして、光電変換センサモジュール3等から得られる出力は、温度上昇とともに増大する傾向にある。これは太陽電池を例にすれば、照射光が強ければ出力は増大するが同時に温度も上昇することを想定すれば明らかである。そのため、光電変換センサモジュール3等が定電流電源として機能するとしても、出力の増大に伴って短絡電流値は当然に上昇する。しかし、略短絡電流を測定するための出力抵抗(合成抵抗)が同じ値である場合には、出力抵抗の両端に発生する電圧と電流との関係は線形となり、測定され得る電圧が大きくなる結果、算出される略短絡電流値は短絡電流に近似しない値(短絡電流の値から離れた電流値)を計測することとなる。そのため、短絡電流値に近似するように合成抵抗の値を減少させるのである。
上記実施形態においては、個々の光電変換センサモジュール3等にバイパスダイオード7を並列に接続する構成としてもよい。この例示を図4(a)に示す。この図に例示されるように、個々の光電変換センサモジュール3にバイパスダイオード7を接続することにより、日射計測対象エリア内(対象区画内)に2個以上(図は3個)の光電変換センサモジュール3を配置させることとなり、これら複数の光電変換センサモジュール3のいずれか1個に対する日射が遮断された場合(影になった場合)であっても当該対象エリア内の両端A,Bにおける略短絡電流の値を維持させることができるのである。
また、図4(b)に示すように、複数の光電変換センサモジュール3を組み合わせた場合には、個々の光電変換センサモジュール3のそれぞれにバイパスダイオード7を接続することにより、いずれかの光電変換センサモジュール3に対す日射が遮断された場合であっても、略短絡電流は維持されることとなる。
なお、図4(b)には最小単位を光電変換センサモジュール3としているが、これが光電変換センサ31,32である場合には、これらの個々の光電変換センサ31,32に対してバイパスダイオード7を接続する構成としてもよい。
また、上記構成の日射計測装置にかかる実施形態においては、個々の光電変換センサ31,32に、特定の波長帯域透過するバンドパスフィルタを受光面または透光面に設置する構成としてもよい。これは、例えば、温室における日射計測において、植物成長に影響のある特定波長帯域の光の照射量を計測する際に利用し得る。
そして、上記構成(バンドパスフィルタを使用する構成)の日射計測装置を使用することにより、照射状態分布装置を構成することができる。すなわち、複数の光電変換センサモジュール3について、それぞれに異なる波長帯域を透過する他種類のバンドパスフィルタを個別に設けることにより、特定波長帯域における光の照射分布を計測することが可能となるのである。例えば、単一光(日射など)から照射される光のうち、どの帯域の光の照射が強いか、または弱いかを分析することができ、人工光によって植物栽培を行う場合の必要な波長帯域の光が照射されているかを検出することに利用できる。
ここで、バンドパスフィルタとして、波長300nm以上2800nm未満の波長帯域の光を透過するバンドパスフィルタが使用される全域計測装置と、波長300nm〜2800nmの範囲を複数に分割した波長帯域の光を透過するバンドパスフィルタが使用される特定領域計測装置とに区分するように構成することができる。全域計測装置によって紫外光から遠赤色光までの範囲の光の照射状態と、特定領域計測装置によって、特定波長帯域の光の照射状態とが計測できることから、全照射光のうち、特定波長帯域の光の照射状態を分析することが可能となる。特定領域計測装置は、全波長(300nm〜2800nm)の範囲内において、必ずしも間断なく測定する必要はない。間欠的な波長帯域を測定し、全域計測との計測値の差分によって非測定領域における特定波長の照射状態を算出することも可能となる。例えば、温室における植物の生育に必要な特定波長帯域の照射状態を分析する場合には、300nm〜800nmの波長帯域の光について適宜間隔で分割計測し、特に、800nmを超える波長については全域計測装置との差分によって計測することができる。
また、特定領域計測装置としては、50nm〜100nmを単位として複数に区分することが想定される。さらに、5nm〜10nmを単位として区分することも想定される。50nm〜100nmの波長を単位とする特定領域計測を行うことにより、紫外線、青色光、青緑色光、緑色光、黄色光、橙色光、赤色光、赤外線などに分けて照射される光の状態を計測することができる。ただし、800nmを超える波長については、全てを赤外線としてまとめた値を計測することも想定される。
同様に、特定領域計測装置として、5nm〜10nmを単位として区分する場合には、照射される光のうち、特定波長の光の量を測定することが可能となる。このような比較的狭い領域の波長における光を測定することは、例えば、農業分野では、特定の葉緑素における光合成に最適な光の照射量を測定することができるなどの用途があり得る。
さらに、照射状態分析装置を構成する場合、特定波長計測装置により計測される透過光の積算値を算出し、日射を計測すべき対象区画内における特定波長帯域の光の照射総量を検出するようにしてもよい。特定波長帯域の光の照射総量を検出することによって、広い帯域の光が照射される状態において、当該特定波長帯域の光に限定した照射量を得ることができ、所望帯域の光の照射の状態を分析することができる。所望帯域の光とは、農業分野においては、生理的有効放射といわれる300nm〜800nmの波長帯域の光、または光合成有効放射といわれる400nm〜700nmの波長帯域の光の照射状態を検知することが重要となるため、これらの帯域に限定して、その照射の総量を得ることにより農産物の発育状況をコントロールすることが可能となる。例えば、これらの帯域における光照射の総量が不足する場合には、特定波長の光を発する光源(LED)などを使用し、照射総量を増加させるなどの対応を可能にすることができる。
図5(a)には、複数に分割した波長帯域の光を透過するバンドパスフィルタが使用された光電変換センサを集合させてなる日射状態分析装置100,200,300を示している。この図のように、異なる波長帯域の光を透過するバンドパスフィルタが使用された複数の光電変換センサが近接して設けられることにより、同時に照射される日射について同一条件により測定値を得ることができ、その日射の状態を分析することができる。
また、上記の図5(a)は、光分布測定装置を示している。すなわち、この図は、複数の日射計測装置101,102を一つの集合体とする日射状態分析装置100,200,300を三個所に配置したものである。また、図5(b)は、単一の日射計測装置101,102,103,104を四個所に設置した例である。このように異なる位置に日射計測装置101,102が設置され、これら単一で、または集合体としての日射状態分析装置100〜300が設置されることにより、各場所における光の分布を測定することができる。
上記例は同一平面上に設けているが、これを異なる角度に設ける場合、個々の日射計測装置101,102,103,104(または日射状態分析装置100,200,300)に対する特定方向から照射される光を計測することとなり、反射光を含む散乱光についての計測を可能にするものである。従って、日射を直接受ける場合の計測装置のみでは計測できない散乱光を含めて光分布を測定することが可能となる。
例えば、図6に示すように、日射状態分析装置100,200を傾斜して配置したものが想定される。ここで示す日射状態分析装置100,200は、前述のように、特定の波長帯域の光を透過するバンドパスフィルタが使用されたものであり、個々の日射計測装置が集合したものであるが、単に所定の波長帯域を透過し得る受光面または透光面を有する日射計測装置を配置してもよい。また、図中の日射状態分析装置100,200は、いずれも平板状のケースに設置されていることから、このケースを傾斜させることによって、個々の受光面または透光面を相互に傾斜させた状態としている。この種の構成は、以下においても同様である。
そこで、図6(b)には、受光面または透光面を表裏に逆向きとした状態(相互に180度の角度で配置する状態)を示す。この場合には、一方の日射測定装置(または日射状態分析装置)100の受光面を日射に向かって配置することにより、他方の日射計測装置(または日射状態分析装置)200の受光面は、その裏面側に向かって配置されることとなるから、一方の日射計測装置(または日射状態分析装置)100により直接日射を計測すると同時に、他方の日射計測装置(または日射状態分析装置)200により、裏面側に向かって反射する光を測定することができる。
さらに、図7(a)に示すように、相互に120度の角度を有する三方向に日射計測装置(または日射状態分析装置)100〜300を配置し、結果としてそれぞれの受光面または透光面を120度の角度を有する状態としたものがある。これにより、異なる方向から照射される散乱光を測定し、照射光の分析が可能となる。
同様に、図7(b)に示すように、相互に900度の角度に日射計測装置(または日射状態分析装置)100〜300を配置し、隣接する受光面または透光面を相互に90度の角度としてもよい。さらには、図示しないが、6面体の各面に日射計測装置(または日射状態分析装置)を配置してもよく、その他の多面体の各面に設置することも可能である。要するに、測定または状態分析を望む散乱光が照射される方向に、受光面または透光面を合わせて設置することにより、各種の状態における光の照射状態を測定または分析することが可能となるのである。
1 ケース本体
2 ケースの蓋部
3 光電変換センサモジュール
4 基板
5 サーミスタ
6 抵抗
7 バイパスダイオード
11,12 開口部
30 光電変換センサモジュール群
31,31a,31b,31z,32,31a,32b,32z,3ia,3ib,3iz 光電変換センサ
101,102 日照計測装置
100,200,300,400 日射状態分析装置または日射計測装置

Claims (15)

  1. 単一の光電変換センサ、複数の光電変換センサにより形成される光電変換センサ群、または該光電変換センサ群を直列もしくは並列に接続してなる光電変換センサモジュールと、
    前記光電変換センサ、前記光電変換センサ群、前記光電変換センサモジュール、または前記光電変換センサモジュールを直列もしくは直並列に接続してなる光電変換センサモジュール群の中から選択された1つ以上の両端に接続された抵抗と、該抵抗に対して直列または並列に接続されたサーミスタとを備え、
    前記抵抗および前記サーミスタによって出力抵抗を形成し、該出力抵抗の両端に発生する電圧からオームの法則に基づく略短絡電流値を得るとともに、該略短絡電流値の変化量により日射を計測する日射計測装置において、
    前記光電変換センサ、前記光電変換センサ群、前記光電変換センサモジュール、または光電変換センサモジュール群は、ケース内部に収納されており、該ケースは、波長300nm以上における波長帯域の光が透過可能である透光面を有しており、前記光電変換センサの受光面、または前記光電変換センサ群を構成する個々の光電変換センサの各受光面が、前記透光面に向かって配置されていることを特徴とする日射計測装置。
  2. 前記サーミスタは、前記ケース内部に収容される前記光電変換センサ、前記光電変換センサ群、前記光電変換センサモジュールまたは光電変換センサモジュール群の裏面、および、前記ケースの壁面から選択された少なくとも1以上の面に当接した状態で配置されている請求項1に記載の日射計測装置。
  3. 前記サーミスタは、前記ケース内部に収容される前記光電変換センサ、前記前記光電変換センサ群、前記光電変換センサモジュールまたは光電変換センサモジュール群の裏面、および、前記ケースの壁面から選択される同じ種類の面に複数設けられたものである請求項2に記載の日射計測装置。
  4. 前記サーミスタは、温度上昇に伴って抵抗値が減少するNTCサーミスタである請求項1ないし3のいずれかに記載の日射計測装置。
  5. 前記光電変換センサは、太陽電池、フォトダイオード、フォトトランジスタ、焦電素子または光電セルの1種以上である請求項1ないし4のいずれかに記載の日射計測装置。
  6. 前記日射は、日射強度(W/m2)、日射量(J/m2)、照度(lx)、光量子束密度(μmol・m-2・s-1)、太陽光依存性抵抗(Ω)、太陽光発電電力(kW/m2)または太陽熱集熱量(kW/m2)の1つ以上である請求項1ないし5のいずれかに記載の日射計測装置。
  7. 前記光電変換センサモジュール群は、日射を計測すべき対象区画内に2個以上の前記光電変換センサモジュールを、間隔を有して接続されたものであり、個々の光電変換センサモジュールの光電変換センサまたは光電変換センサ群にはバイパスダイオードが配置されている請求項1ないし6のいずれかに記載の日射計測装置。
  8. 前記光電変換センサの受光面、または前記光電変換センサ群を構成する個々の光電変換センサの各受光面は、特定波長帯域の光を限定的に透過するバンドパスフィルタを備え、または前記透光面が、特定波長帯域の光を限定的に透過するバンドパスフィルタによって構成されている請求項7に記載の日射計測装置。
  9. 請求項8に記載の日射計測装置を用いた照射状態分析装置であって、複数の前記日射計測装置を個別に配置するとともに、各日射計測装置に使用される前記バンドパスフィルタが、透過光の波長帯域を相互に異ならせたものであることを特徴とする照射状態分析装置。
  10. 前記複数の日射計測装置は、波長300nm以上2800nm未満の波長帯域の光を透過するバンドパスフィルタが使用される全域計測装置と、波長300nm〜2800nmの範囲を複数に分割した波長帯域の光を透過するバンドパスフィルタが使用される特定領域計測装置とに区分されるものである請求項9に記載の照射状態分析装置。
  11. 前記特定領域計測装置は、5nm〜100nmを単位として複数に区分されるものである請求項10に記載の照射状態分析装置。
  12. 前記特定波長計測装置により計測される透過光の積算値を算出し、日射を計測すべき対象区画内における特定波長帯域の光の照射総量を検出するものである請求項10に記載の照射状態分析装置。
  13. 請求項8に記載の日射計測装置を複数使用する光分布測定装置であって、前記日射計測装置を単位として、個々の日射計測装置を構成する光電変換センサの受光面または透光面が、異なる角度で設置されていることを特徴とする光分布測定装置。
  14. 前記日射計測装置は、前記光電変換センサ群、前記光電変換センサモジュールまたは光電変換センサモジュール群であり、これらを構成する複数の光電変換センサの受光面または透光面が同一平面上に配置されるとともに、前記日射計測装置を単位として光電変換センサの受光面が異なる角度で設置されている請求項13に記載の光分布測定装置。
  15. 前記複数の日射計測装置のうち、いずれか一つの日射計測装置が日射の直射光に対するものとし、他の日射計測装置は、散乱光に対するものである請求項13または14に記載の光分布測定装置。
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