JP2020125718A - クランク角検出装置及びパワートレーン制御装置 - Google Patents

クランク角検出装置及びパワートレーン制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】適切にクランクシャフトの角度位置を検出することが可能なクランク角検出装置等を提供する。【解決手段】クランク角検出装置を、クランクシャフトと連動してオイルを吐出するオイルポンプ330と、オイルポンプの吐出油圧を検出する油圧センサ350とを備え、オイルポンプは、クランクシャフトの回転と連動して相対回転するアウタロータ331及びインナロータ332を有する内接歯車式ポンプであり、アウタロータ又はインナロータの周上の一部の部位に、当該部位を含む油室から吐出されるオイルの圧力を他の油室から吐出されるオイルの圧力に対して局所的に変化させる吐出圧変化部332cを形成し、オイルポンプの吐出圧力の履歴に基づいてクランクシャフトの角度位置を検出する構成とする。【選択図】図7

Description

本発明は、エンジンのクランク角(クランクシャフトの回転角度位置)を検出するクランク角検出装置、及び、エンジン及び回転電機を有するパワートレーンを制御するパワートレーン制御装置に関する。
例えば乗用車等の自動車に搭載されるエンジンにおいて、運転を停止する際に、出力軸であるクランクシャフトの回転数(回転速度)が、アイドル状態から停止状態まで下降する途中で、エンジンと車体との共振が発生し、振動が大きくなる領域が存在する。
このような振動が発生すると、車体振動によって車両の快適性が損なわれ、特に走行中頻繁にエンジンの停止及び再始動を行うエンジン電気ハイブリッド車両においては問題となりやすい。
これに対し、エンジンのクランクシャフトに負荷トルク(バックトルク・逆転方向のトルク)を与えることが可能なモータジェネレータ等の回転電機を有するエンジン−電気ハイブリッド車両において、エンジンの停止時にクランクシャフトに所定波形の負荷トルクを周期的に与えることにより、振動の抑制を図ることが提案されている。
エンジンのクランク角検出に関する従来技術として、例えば、特許文献1には、インナロータ(ドライブロータ)及びアウタロータ(ドリブンロータ)を有する内接ギヤ式オイルポンプのアウタロータの外周面に磁気塗布層を形成し、磁気塗布層にはクランク角信号用の被検出片及びTDC信号用の被検出片が着磁形成されることが記載されている。
特許文献2には、エンジン−電気ハイブリッド車両の動力分割機構に設けられるオイルポンプの吐出圧に基づいて、入力軸の回転角度を推定演算することが記載されている。
特許文献3には、エンジン−電気ハイブリッド車両のモータジェネレータの回転数を検出するモータ回転数センサを用いてエンジンのクランク角を推定し、モータジェネレータのトルクを制御してエンジンを上死点以外の位置で停止することが記載されている。
特開平11−247747号公報 特開2009− 62825号公報 特開2017−121896号公報
エンジンの運転を停止するときに、クランクシャフトの角度位置(クランク角)をクランク角センサの出力により検出し、角度位置に基づいて推定される周期的なフリクション変化に応じて、クランクシャフトに付加されるバックトルクを可変させることにより、早期に回転速度を降下させるとともに回転速度変動を抑制し、振動の抑制を図ることができる。
クランク角センサは、一般に、クランクシャフトに取り付けられるセンサプレートの外周縁部に形成される凹凸の通過を、クランクケース側に固定された磁気ピックアップで検出することによって、クランクシャフトの回転に応じて電圧が周期的に変動する信号を発生する磁気式の角度センサである。
しかし、クランクシャフトの回転速度が減速する過程で、エンジンと車体との共振が発生し、クランク角センサのセンサプレートに著大な振動が発生すると、クランク角センサの出力信号に乱れが生じ、クランク角の検出不良が発生する場合があった。
クランク角センサの検出不良が発生すると、クランクシャフトに負荷トルクを与える制御の精度が悪化し、過度な負荷トルクによってクランクシャフトが逆回転してしまうなどの問題が懸念される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、適切にクランクシャフトの角度位置を検出することが可能なクランク角検出装置を提供することである。
また、本発明の他の課題は、クランクシャフトに適切な負荷トルクを与えることが可能なパワートレーン制御装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、エンジンのクランクシャフトの角度位置を検出するクランク角検出装置であって、前記クランクシャフトの回転と連動してオイルを吐出するオイルポンプと、前記オイルポンプが吐出した前記オイルの油圧を検出する油圧センサとを備え、前記オイルポンプは、前記クランクシャフトの回転と連動して相対回転するアウタロータ及びインナロータを有する内接歯車式ポンプであり、前記アウタロータ又は前記インナロータの周上の一部の部位に、当該部位が含まれる油室から吐出されるオイルの圧力を他の油室から吐出されるオイルの圧力に対して局所的に変化させる吐出圧変化部を形成し、前記油圧センサが検出する前記オイルポンプの吐出圧力の履歴に基づいて前記クランクシャフトの角度位置を検出する油圧式角度位置検出部を有することを特徴とするクランク角検出装置である。
これによれば、オイルポンプの吐出油圧が周期的に変動(脈動)するなかで、局所的に油圧のピーク値が変化する時期に応じて、アウタロータ又はインナロータが特定の角度位置にある時期を検出することができる。
また、その周期に応じて、アウタロータ又はインナロータの回転速度を検出することができる。
そして、アウタロータ又はインナロータが特定の角度位置にあった時期及び回転速度と、直近の吐出油圧のピーク時期からの経過時間に基づいて、適切にクランクシャフトの角度位置を検出することができる。
請求項2に係る発明は、前記吐出圧変化部は、前記アウタロータにおける前記インナロータとの接触面と、前記インナロータにおける前記アウタロータとの接触面とのいずれか一方を凹ませて形成したことを特徴とする請求項1に記載のクランク角検出装置である。
これによれば、簡単な構成によりオイルポンプの吐出油圧を局所的に変化させてクランクシャフトの角度位置の検出に利用することができる。
請求項3に係る発明は、前記吐出圧変化部は、前記アウタロータ又は前記インナロータの回転軸方向における一部の領域にのみ形成されることを特徴とする請求項2に記載のクランク角検出装置である。
これによれば、アウタロータとインナロータの吐出圧変化部以外における接触状態や相対運動軌跡に影響を及ぼすことなく吐出圧変化部を設けることができる。
請求項4に係る発明は、前記インナロータは、前記クランクシャフトにより前記クランクシャフトと同じ回転速度で駆動され、前記吐出圧変化部は、前記インナロータに設けられることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のクランク角検出装置である。
これによれば、インナロータがクランクシャフトと同じ回転速度で回転する構成の場合に、吐出圧変化部による吐出油圧の変化が、クランクシャフトが一定の角度位置にあるときに発生するため、クランクシャフトの角度位置を演算する処理を簡素化することができる。
請求項5に係る発明は、前記アウタロータは、前記クランクシャフトにより前記クランクシャフトと同じ回転速度で駆動され、前記吐出圧変化部は、前記アウタロータに設けられることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のクランク角検出装置である。
これによれば、アウタロータがクランクシャフトと同じ回転速度で回転する構成の場合に、吐出圧変化部による吐出油圧の変化が、クランクシャフトが一定の角度位置にあるときに発生するため、クランクシャフトの角度位置を演算する処理を簡素化することができる。
請求項6に係る発明は、前記クランクシャフトの回転に応じた信号を出力するクランク角センサと、前記クランク角センサの出力により検出される前記クランクシャフトの角度位置と、前記油圧式角度位置検出部が検出する前記クランクシャフトの角度位置とを、前記クランク角センサの出力と前記エンジンの運転状態との少なくとも一方に応じて切り換えて出力する出力選択部とを有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のクランク角検出装置である。
これによれば、クランク角センサの出力の状態に異常が発生した場合や、異常が発生しやすいエンジンの運転状態であることが既知である場合には、クランク角検出装置の出力を油圧変動に基づいて検出されるクランクシャフトの角度位置に切り換えることにより、検出状態が正常なセンサの出力に基づくクランクシャフトの角度位置を選択し、過大な振動が発生した場合であっても、クランクシャフトの角度位置を適切に出力することができる。
請求項7に係る発明は、前記クランクシャフトの回転に応じた信号を出力するクランク角センサと、前記クランク角センサの出力により検出される前記クランクシャフトの角度位置と、前記油圧式角度位置検出部が検出する前記クランクシャフトの角度位置とを、前記クランク角センサの出力と前記エンジンの運転状態との少なくとも一方に応じた所定の重み付けをして得た前記クランクシャフトの角度位置を出力する重み付け演算部を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のクランク角検出装置である。
これによれば、クランク角センサの出力の状態に異常が発生した場合や、異常が発生しやすいエンジンの運転状態であることが既知である場合には、油圧変動に基づいて検出されるクランクシャフトの角度位置の重み(重み係数)を大きくすることにより、検出状態が正常であるセンサの出力に基づくクランクシャフトの角度位置の重みを大きくし、過大な振動が発生した場合であっても、クランクシャフトの角度位置を適切に出力することができる。
請求項8に係る発明は、エンジン及び前記エンジンのクランクシャフトに負荷トルクを与えることが可能な回転電機を有するパワートレーンを制御するパワートレーン制御装置であって、前記エンジンを停止する際に前記回転電機が前記エンジンに与える負荷トルクを制御する回転電機制御部を備え、前記回転電機制御部は、前記エンジンの停止直前における前記クランクシャフトの回転速度降下中に、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のクランク角検出装置により検出されたクランクシャフトの角度位置に基づいて前記回転電機により前記クランクシャフトに周期的に負荷トルクを与える負荷トルク制御を行うことを特徴とするパワートレーン制御装置である。
これによれば、エンジンの共振などに起因する過大な振動により、クランク角センサによってクランクシャフトの角度位置を直接検出できない場合であっても、上記各手法により適切に検出されたクランクシャフトの角度位置に基づいて負荷トルクを制御することにより、オーバーシュートによるエンジンの逆回転を防止するとともに、エンジン停止時の振動を効果的に抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、適切にクランクシャフトの角度位置を検出することが可能なクランク角検出装置を提供することができる。
また、本発明によれば、クランクシャフトに適切な負荷トルクを与えることが可能なパワートレーン制御装置を提供することができる。
本発明を適用したクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置の第1実施形態が設けられるエンジンの構成を示す図である。 図1のエンジンを有する車両のパワートレーンの構成を示す図である。 図1のエンジンの潤滑装置の構成を模式的に示すブロック図である。 図1のエンジンのオイルポンプの断面図である。 図1のエンジンのオイルポンプの動作を示す図である。 図1のエンジンのオイルポンプにおけるインナロータの外観斜視図である。 図1のエンジンのオイルポンプの吐出圧力履歴を模式的に示す図である。 第1実施形態におけるエンジン停止時のエンジンフリクションとモータトルクの推移の一例を示すグラフである。 クランク角センサの出力値(電圧)及びデジタル変換値の推移の一例を示すグラフである。 第1実施形態のクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置におけるエンジン停止時のクランク角検出及び負荷トルク制御を示すフローチャートである。 本発明を適用したクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置の第2実施形態におけるオイルポンプの断面図である。 第2実施形態のエンジンのオイルポンプにおけるアウタロータの外観斜視図である。 本発明を適用したクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置の第3実施形態におけるクランクシャフト回転数に応じた制御領域分けを示す図である。 本発明を適用したクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置の第4実施形態のオイルポンプにおけるインナロータの外観斜視図である。 第4実施形態のオイルポンプの吐出圧力履歴を模式的に示す図である。 本発明を適用したクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置の第5実施形態のオイルポンプにおけるアウタロータの外観斜視図である。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用したクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置の第1実施形態について説明する。
図1は、実施形態のクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置が設けられるエンジンの構成を示す図である。
エンジン1は、例えば乗用車等の自動車に走行用動力源として搭載される4ストローク水平対向4気筒の直噴(筒内噴射)ガソリンエンジンである。
エンジン1の出力は、後述する動力伝達機構を介して、車両の駆動輪に伝達される。
エンジン1は、出力軸である図示しないクランクシャフトの前端部側(変速機と反対側・縦置き搭載時における前側・図1における上側)から、順次配列された第1気筒10、第2気筒20、第3気筒30、第4気筒40を有する。
エンジン1は、例えば、クランクシャフトが車両の前後方向に沿って縦置き配置される。
第1気筒10、第3気筒30は、車幅方向右側に配置された右側シリンダブロックRB、第2気筒20、第4気筒40は、車幅方向左側に配置された左側シリンダブロックLBに設けられている。
右側シリンダブロックRB、左側シリンダブロックLBの車幅方向外側(クランクシャフト側とは反対側)の端部には、右側シリンダヘッドRH、左側シリンダヘッドLHがそれぞれ設けられている。
第1気筒10と第2気筒20、第3気筒30と第4気筒40は、各気筒のクランクピンのオフセット量だけずらした状態で、クランクシャフトを挟んで対向して配置されている。
エンジン1における点火順序(爆発順序)は、第1気筒10、第3気筒30、第2気筒20、第4気筒40の順に設定され、クランク角において180°毎に等間隔で点火(燃焼)するようになっている。
第1気筒10、第2気筒20、第3気筒30、第4気筒40は、それぞれシリンダ、ピストン、燃焼室、吸排気ポート、吸排気バルブ、動弁駆動機構などの他、インジェクタ11,21,31,41、点火栓12,22,32,42等を有する。
インジェクタ11,21,31,41は、各気筒の燃焼室内に、直接霧化されたガソリンを噴射する噴射装置である。
インジェクタ11,21,31,41の燃料噴射量及び燃料噴射時期は、エンジン1の運転状態に応じてエンジン制御ユニット100によって制御されている。
インジェクタ11,21,31,41は、図示しない燃料ポンプによって加圧された燃料が導入され蓄圧されるとともに、エンジン制御ユニット100から与えられる噴射信号に応じて開弁し、燃料を噴射する。
点火栓12,22,32,42は、各気筒内で形成された混合気に、電気的なスパークによって着火させるものである。
点火栓12,22,32,42の点火時期は、エンジン制御ユニット100によって制御されている。
また、エンジン1は、吸気装置50、排気装置60、さらに図示しないバルブタイミング可変装置、冷却装置、潤滑装置、EGR装置等を有する。
吸気装置50は、各気筒に燃焼用空気を導入するものである。
吸気装置50は、外気(大気)を燃焼用空気として導入する図示しないインテークダクト、ダスト等の異物を濾過する図示しないエアクリーナ、さらにスロットルバルブ51、インテークマニホールド52、吸気圧センサ53等を有する。
スロットルバルブ51は、エンジン1の出力調整のため空気流量を制御するものである。
スロットルバルブ51は、電動アクチュエータによって開閉されるバタフライバルブ(スロットルバルブ)を有する電動スロットルであり、ドライバのアクセル操作に応じて設定される要求トルクに応じてエンジン制御ユニット100によって開度を制御される。
インテークマニホールド52は、スロットルバルブ51を通過した空気を、各気筒の吸気ポートに導入する分岐管である。
吸気圧センサ53は、インテークマニホールド52内の圧力(吸気管負圧)を検出する圧力センサである。
吸気圧センサ53の出力は、逐次エンジン制御ユニット100に伝達される。
排気装置60は、各気筒10,20,30,40の燃焼室から、排気ポートを経由して排出される排ガス(既燃ガス)を排出するものである。
排気装置60は、エキゾーストマニホールド61、エキゾーストパイプ62、触媒コンバータ63、サイレンサ64、空燃比センサ65、リアOセンサ66等を有して構成されている。
エキゾーストマニホールド61は、各気筒10,20,30,40の排気ポートから出た排ガスを集合させる集合管である。
エキゾーストパイプ62は、エキゾーストマニホールド61において集合した排ガスを外部へ排出する管路である。
触媒コンバータ63は、エキゾーストパイプ62の中間部に設けられた排ガス後処理装置である。
触媒コンバータ63は、例えばアルミナ等の担体に白金、ロジウム、パラジウム等の貴金属を担持させた三元触媒である。
触媒コンバータ63は、エンジン1の空燃比がストイキ近傍となる所定の活性領域において、排ガス中のHC、CO、NOを低減する機能を有する。
サイレンサ64は、エキゾーストパイプ62における触媒コンバータ63の下流側(出口側)に設けられ、音響エネルギを低減させる消音器である。
空燃比センサ65は、触媒コンバータ63の入口近傍に設けられ、エンジン1における空燃比に応じて異なった出力電圧を発生するものである。
エンジン制御ユニット100は、空燃比センサ65の出力に応じて、エンジン1における空燃比が三元触媒の活性範囲内となるように燃料噴射量を設定する空燃比フィードバック制御を行う。
リアOセンサ66は、触媒コンバータ63の出口近傍に設けられ、排ガス中のO濃度に応じて異なった出力電圧を発生するものである。
リアOセンサ66の出力はエンジン制御ユニット100に伝達される。
エンジン1は、さらに、クランク角センサ70、水温センサ80等を有する。
クランク角センサ70は、エンジン1の出力軸である図示しないクランクシャフトの角度位置(クランク角・CA)を検出する磁気式の角度センサである。
クランク角センサ70は、センサプレート71、ポジションセンサ72等を有して構成されている。
センサプレート71は、クランクシャフトの後端部に固定された円盤状の部材であって、外周縁部には所定の角度間隔で複数のベーン(歯)が放射状に突き出して形成されたスプロケット状の形状となっている。
ポジションセンサ72は、センサプレート71の外周縁部に対向して配置された磁気ピックアップであり、マグネット、コア、コイル、ターミナル等を有する。
ポジションセンサ72は、直前をセンサプレート71のベーンが通過した際に、所定のパルス信号を出力するようになっている。
エンジン制御ユニット100は、クランク角センサ70の出力に基づいて、エンジン1の回転数(クランクシャフト回転速度)、及び、クランク角を演算可能となっている。
水温センサ80は、シリンダヘッド及びシリンダに形成された冷却水流路であるウォータージャケット内を流れる冷却水(クーラント)の温度を検出するものである。
クランク角センサ70、水温センサ80の出力は、エンジン制御ユニット100に伝達される。
エンジン制御ユニット(ECU)100は、エンジン1及びその補器類を統括的に制御するものである。
また、エンジン制御ユニット100は、エンジン1の停止時にモータジェネレータ制御ユニット220と協調制御を行う機能を備えている。この点に関しては、後に詳しく説明する。
エンジン制御ユニット100は、例えば、CPU等の情報処理装置、RAMやROM等の記憶装置、入出力インターフェイス及びこれらを接続するバス等を有して構成されている。
エンジン制御ユニット100は、例えば、ドライバのアクセル操作等に基づいて設定される要求トルクに応じて、実際のトルクが要求トルクと実質的に一致するよう図示しないスロットルバルブの開度、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、バルブタイミング等を制御する。
エンジン制御ユニット100は、クランク角検出部101(図2参照)を有する。
クランク角検出部101は、クランク角センサ70、油圧センサ350等の出力に基づいて、クランクシャフトの角度位置を検出するクランク角検出装置である。
クランク角検出部101の機能については、後に詳しく説明する。
エンジン1の出力は、以下説明する動力伝達機構を介して各車輪に伝達される。
図2は、図1のエンジンを有する車両のパワートレーンの構成を示す図である。
図2に示すように、車両は、トルクコンバータ110、エンジンクラッチ120、前後進切替部130、バリエータ140、出力クラッチ150、フロントディファレンシャル160、リアディファレンシャル170、トランスファクラッチ180、モータジェネレータ190、トランスミッション制御ユニット210、モータジェネレータ制御ユニット220等を備えたエンジン電気ハイブリッドAWD車両である。
トルクコンバータ110は、エンジン1の出力をエンジンクラッチ120に伝達する流体継手である。
トルクコンバータ110は、車両が停止状態からエンジントルクを伝達可能な発進デバイスとしての機能を有する。
また、トルクコンバータ110は、トランスミッション制御ユニット210によって制御され、入力側(インペラ側)と出力側(タービン側)とを直結する図示しないロックアップクラッチを備えている。
エンジンクラッチ120は、トルクコンバータ110と前後進切替部130との間に設けられ、これらの間の動力伝達経路を接続又は切断するものである。
エンジンクラッチ120は、例えば、車両がモータジェネレータ190の出力のみによって走行するEV走行モード時等において、トランスミッション制御ユニット210からの指令に応じて切断される。
前後進切替部130は、エンジンクラッチ120とバリエータ140との間に設けられ、トルクコンバータ110とバリエータ140とを直結する前進モードと、トルクコンバータ110の回転出力を逆転させてバリエータ140に伝達する後退モードとを、トランスミッション制御ユニット210からの指令に応じて切り換えるものである。
前後進切替部130は、例えば、プラネタリギヤセット等を有して構成されている。
バリエータ140は、前後進切替部130から伝達されるエンジン1の回転出力、及び、モータジェネレータ190の回転出力を、無段階に変速する変速機構部である。
バリエータ140は、例えば、プライマリプーリ141、セカンダリプーリ142、チェーン143等を有するチェーン式無段変速機(CVT)である。
プライマリプーリ141は、車両の駆動時におけるバリエータ140の入力側(回生発電時においては出力側)に設けられ、エンジン1及びモータジェネレータ190の回転出力が入力される。
セカンダリプーリ142は、車両の駆動時におけるバリエータ140の出力側(回生発電時においては入力側)に設けられている。
セカンダリプーリ142は、プライマリプーリ141と隣接しかつプライマリプーリ141の回転軸と平行な回転軸回りに回動可能となっている。
チェーン143は、環状に形成されてプライマリプーリ141及びセカンダリプーリ142に巻き掛けられ、これらの間で動力伝達を行うものである。
プライマリプーリ141及びセカンダリプーリ142は、それぞれチェーン143を挟持する一対のシーブを有するとともに、トランスミッション制御ユニット210による変速制御に応じて各シーブ間の間隔を変更することによって、有効径を無段階に変更可能となっている。
出力クラッチ150は、バリエータ140のセカンダリプーリ142と、フロントディファレンシャル160及びトランスファクラッチ180との間に設けられ、これらの間の動力伝達経路を接続又は切断するものである。
出力クラッチ150は、車両の走行時には通常接続状態とされるとともに、例えば車両の停車中にエンジン1の出力によってモータジェネレータ190を駆動してバッテリの充電を行う場合等に切断される。
フロントディファレンシャル160は、出力クラッチ150から伝達される駆動力を、左右の前輪に伝達するものである。
フロントディファレンシャル160は、最終減速装置、及び、左右前輪の回転速度差を吸収する差動機構を備えている。
出力クラッチ150とフロントディファレンシャル160との間は、直結されている。
リアディファレンシャル170は、出力クラッチ150から伝達される駆動力を、左右の後輪に伝達するものである。
リアディファレンシャル170は、最終減速装置、及び、左右後輪の回転速度差を吸収する差動機構を備えている。
トランスファクラッチ180は、出力クラッチ150からリアディファレンシャル170へ駆動力を伝達する後輪駆動力伝達機構の途中に設けられ、これらの間の動力伝達経路を接続又は切断するものである。
トランスファクラッチ180は、例えば、接続時の締結力(伝達トルク容量)を無段階に変更可能な油圧式あるいは電磁式の湿式多板クラッチである。
トランスファクラッチ180の締結力は、トランスミッション制御ユニット210によって制御されている。
トランスファクラッチ180は、締結力を変更することによって、前後輪の駆動トルク配分を調節可能となっている。
また、トランスファクラッチ180は、車両の旋回時や、ブレーキのアンチロック制御、車両挙動制御などの実行時に、前後輪の回転速度差を許容する必要がある場合には、締結力を低下(開放)させスリップさせることによって回転速度差を吸収する。
モータジェネレータ190は、車両の駆動力を発生するとともに、減速時に車輪側から伝達されるトルクによって回生発電を行い、エネルギ回生を行う回転電機である。
モータジェネレータ190は、バリエータ140のプライマリプーリ141と同心(同軸上)に設けられている。
プライマリプーリ141は、モータジェネレータ190の図示しないロータと回転軸を介して接続されている。
モータジェネレータ190として、例えば、永久磁石式同期電動機が用いられる。
モータジェネレータ190は、モータジェネレータ制御ユニット220によって駆動時の出力トルクや回生発電時の回生エネルギ量(入力トルク)を制御されている。
トランスミッション制御ユニット210は、トルクコンバータ110のロックアップクラッチ、エンジンクラッチ120、前後進切替部130、バリエータ140、出力クラッチ150、トランスファクラッチ180等を統括的に制御するものである。
モータジェネレータ制御ユニット220は、モータジェネレータ190の出力トルクや回生エネルギ量等を制御する回転電機制御部である。
これらの各ユニットは、それぞれCPU等の情報処理手段、RAMやROM等の記憶手段、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を有して構成されている。
また、エンジン制御ユニット100、トランスミッション制御ユニット210、モータジェネレータ制御ユニット220は、例えば車載LANシステムの一種であるCAN通信システム等を介して、相互に通信し、必用な情報の伝達が可能となっている。
エンジン制御ユニット100、トランスミッション制御ユニット210、モータジェネレータ制御ユニット220は、協働して本発明を適用したパワーユニット制御装置の第1実施形態を構成する。
また、エンジン1は、以下説明する潤滑装置を備えている。
潤滑装置は、エンジン1内の軸受部や摺動部に潤滑油(エンジンオイル)を供給するものである。
図3は、図1のエンジンの潤滑装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図3に示すように、潤滑装置300は、オイルパン310、オイルストレーナ320、オイルポンプ330、オイルフィルタ340、油圧センサ350等を有して構成されている。
オイルパン310は、エンジン1のシリンダブロック(右側シリンダブロックRB、左側シリンダブロックLB)の下部に設けられたトレイ状の部材である。
オイルパン310は、エンジン1の潤滑油であり、かつ、可変バルブタイミング機構やハイドロリックラッシュアジャスタの作動油であるオイルが貯留されるものである。
オイルパン310には、オイルの温度(油温)を検出する油温センサ311が設けられている。
油温センサ311の出力は、エンジン制御ユニット100に伝達される。
オイルストレーナ320は、オイルポンプ330の吸入口に接続されたオイルの取入部である。
オイルストレーナ320の入口側の端部は、オイルパン310の内部に配置されている。
オイルストレーナ320は、例えば金網等のスクリーンによって、オイル中の比較的大きい異物片を除去する機能を有する。
オイルポンプ330は、オイルストレーナ320を介して取り入れられたオイルを、加圧してエンジン1の各部に搬送(圧送)するものである。
オイルポンプ330は、吐出側の油圧が過大となることを防止する図示しないリリーフバルブを備えている。
オイルポンプ330の構成については、後に詳しく説明する。
オイルフィルタ340は、例えばペーパエレメントを用いて、オイルポンプ330が吐出するオイルを濾過するフルフロー・カートリッジ式のものである。
オイルフィルタ340から出たオイルは、右側シリンダブロックRB、左側シリンダブロックLBの内部に形成されたオイルギャラリ(油路)にそれぞれ圧送される。
油圧センサ350は、オイルポンプ330からオイルフィルタ340にオイルを搬送する油路に設けられ、オイルポンプ350が吐出するオイルの圧力(油圧)を検出する圧力センサである。
油圧センサ350の出力は、エンジン制御ユニット100に伝達される。
右側シリンダブロックRB、左側シリンダブロックLBに供給されたオイルの一部は、ジャーナルベアリング、及び、コネクティングロッドベアリングに供給されてこれらのベアリングを潤滑する。
その後、このオイルは、潤滑対象部から漏出した後に、自然落下によってオイルパン310に戻る。
また、一部のオイルは、飛沫によってコネクティングロッドの小端部や、シリンダ内壁部を潤滑する。
右側シリンダブロックRBに供給されたオイルの他の一部は、右側シリンダヘッドRHにも供給され、動弁駆動系等を潤滑した後、オイルパン310に戻る。
左側シリンダブロックLBに供給されたオイルの他の一部は、左側シリンダヘッドLHにも供給され、動弁駆動系等を潤滑した後、オイルパン310に戻る。
以下、上述したオイルポンプ330の構成について、より詳細に説明する。
図4は、図1のエンジンのオイルポンプの断面図である。図4は、アウタロータ331及びインナロータ332の軸方向における中央部を、軸方向と直交する平面で切って見た断面を示している。(後述する図12において同じ)
オイルポンプ330は、内接歯車ポンプであって、ポンプボディ333内で組み合わされたアウタロータ331、インナロータ332等を有して構成されている。
アウタロータ331は、円筒状の部材の内周面に複数の凹部331aを、周方向に等間隔に分布させて複数形成した内歯歯車である。
アウタロータ331は、エンジン1のクランクケースに固定されたポンプボディ333(図4では図示しない。図5を参照。)に対して回転可能に保持されている。
隣接する凹部331aの間隔には、内径側に凸となる凸部331bが形成されている。
アウタロータ331の内周面を軸方向から見た形状は、トロコイド曲線となっている。
インナロータ332は、円筒状の部材の外周面に複数の凸部332aを、周方向に等間隔に分布させて複数形成した外歯歯車である。
インナロータ332は、ポンプボディ333に対して、アウタロータ331の回転中心軸とは偏心して配置された回転中心軸回りに回転可能に保持されている。
隣接する凸部332aの間隔には、内径側に凹んだ凹部332bが形成されている。
インナロータ332の外周面を軸方向から見た形状は、トロコイド曲線となっている。
インナロータ332の歯数(凸部332aの個数)は、アウタロータ331の歯数(凹部331aの個数)に対して、1個少なく設定される。
例えば、図4に示す例においては、アウタロータ331の歯数は5であり、インナロータ332の歯数は4となっている。
インナロータ332は、アウタロータ331の内径側に、アウタロータ331の回転中心軸に対して偏心した軸回りに相対回転可能な状態で挿入されている。
図5は、図1のエンジンのオイルポンプの動作を示す図である。
図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)は、回転中のオイルポンプ330の状態を時系列で順次示すものである。
図5に示す例においては、インナロータ332は、クランクシャフトに固定され、クランクシャフトと同じ回転速度(角速度)で、時計回り方向に回転駆動される。
アウタロータ331は、インナロータ332からの入力により、時計回り方向に回転するが、アウタロータ331、インナロータ332の歯数の差により、アウタロータ331の回転速度は、インナロータの4/5となる。
ポンプボディ333の側面部(軸方向における一方の端面部)には、オイルOが吸入される吸入ポート333a、及び、オイルOが吐出される吐出ポート333bが形成されている。
吸入ポート333a、吐出ポート333bは、アウタロータ331の回転中心軸回りに円弧状に延びて形成され、アウタロータ331の周方向に離間して配置されている。
オイルOは、アウタロータ331の内面とインナロータ332の外面との間に形成される空間部(隙間部)に、吸入ポート333aから導入される。
空間部が吸入ポート333aに隣接する領域においては、空間部はインナロータ332等の回転に応じて容積が増大し、オイルOは吸入ポート333aから空間部内に吸引される。
空間部内に導入されたオイルOは、インナロータ332及びアウタロータ331の回転に伴ってポンプボディ333に対して図5における時計回り方向に搬送され、吐出ポート333bに隣接する領域へ移動する。
空間部が吐出ポート333bに隣接する領域においては、空間部はインナロータ332等の回転に応じて容積が縮小し、オイルOは空間部から吐出ポート333bへ加圧され送出される。
図6は、図1のエンジンのオイルポンプにおけるインナロータの外観斜視図である。
図6に示すように、第1実施形態においては、インナロータ332が有する4つの凹部332bのうち1つに、以下説明する切欠部332cを形成している。
切欠部332cは、凹部332bがアウタロータ331の内面に接する面の一部を、油室の容積が増加するよう凹ませて形成されている。
また、切欠部332cは、アウタロータ331とインナロータ332との接触状態、相対運動軌跡に影響を与えないように、インナロータ332の中心軸方向における一部の領域(例えば中央部)にのみ形成されている。
このような切欠部332cを設けることにより、当該凹部332bが含まれる油室がオイルOを押し出す際には、他の凹部332b(切欠部332cが形成されないもの)が含まれる油室がオイルOを押し出す際に対して、オイルポンプ330の吐出量が減少し、吐出油圧が低くなる。
切欠部332cは、本発明にいう吐出圧変化部として機能する。
図7は、図1のエンジンのオイルポンプの吐出圧力履歴を模式的に示す図である。
図7において、横軸はクランク角を示している。ここで、クランクシャフトの回転速度が一定である場合には、横軸は時間と読み替えることも可能である。
また、縦軸は、油圧センサ350が検出するオイルの圧力(オイルポンプ330の吐出油圧)を示している。
また、第1実施形態における吐出油圧を実線で示し、本発明の比較例における吐出油圧を破線で示している。
比較例におけるオイルポンプは、オイルポンプ330のインナロータ332に上述した切欠部332cを設けていない点を除き、第1実施形態と同様の構成を有する。
比較例のように、インナロータ332に切欠部332cを設けない場合、図7に示すように、吐出油圧は一定の周期で増減し、極大となるピーク値はいずれの周期においても一定となる。
これに対し、第1実施形態においては、切欠部332cが設けられた凹部332bが含まれる油室がオイルOを加圧する際の周期のみ、他の凹部332bが含まれる油室がオイルOを加圧する際の周期に対して、ピーク値が小さくなる。
第1実施形態においては、このようにオイルポンプ330の吐出油圧が他の周期に対して小さいピーク値をとるときのクランクシャフトの角度位置(クランク角)が、例えば第1気筒10の上死点(TDC)と一致するように、クランクシャフトに対するインナロータ332の角度位置を設定している。
したがって、第1実施形態においては、油圧センサ350の検出値をモニタし、オイルポンプ330の吐出油圧のピーク値が小さくなる箇所を検出することにより、第1気筒10が上死点となるタイミングを検出することができる。
以上説明したパワートレーンにおいて、エンジン制御ユニット100は、例えばエンジン1の動力を利用した走行モードから、モータジェネレータ190の動力のみによって走行するEV走行モードに切り替える場合等に、エンジン1の運転を自動的に停止する。
エンジン制御ユニット100は、エンジン1の運転を停止する際に、モータジェネレータ制御ユニット220と協働し、モータジェネレータ190によってクランクシャフトに負荷トルク(バックトルク)を周期的に付加し、車体振動を抑制する負荷トルク制御を実行する。モータジェネレータ制御ユニット220は、本発明にいう負荷トルク制御手段として機能する。
この点について、以下詳細に説明する。
図8は、第1実施形態におけるエンジン停止時のエンジンフリクションとモータトルクの推移の一例を示すグラフである。
縦軸はエンジンのクランクシャフトを回転させる際のフリクション、及び、モータジェネレータからクランクシャフトに付加されるバックトルク(逆転方向のトルク)を示し、横軸はクランクシャフトの角度位置(クランク角)を示している。
上図に示すように、エンジンのフリクションは周期的に変動し、いずれかの気筒における圧縮上死点近傍において極大となる。
第1実施形態の場合には、エンジン1は、等間隔爆発の水平対向4気筒であることから、クランク角にして180°ごとにフリクションは極大となる。
これに対し、図8に示すように、クランクシャフトに負荷(バックトルク)を与えるモータトルクは周期的に変動し、例えばクランク角にして180°周期の三角波状となるように制御される。
このような制御により、効果的に振動を抑制するためには、モータトルクを発生させるタイミングは、エンジンフリクションの増減と極力正確に同期させる必要がある。
通常は、クランク角センサ70の出力により検出されるクランク角に基づいてフリクションの増減を予測し、モータトルクを付加するタイミングを制御すればよいが、クランクシャフトの回転速度がアイドル回転から降下する過程で、エンジン1と車体との共振が発生すると、クランク角センサ70のセンサプレート71が激しく振動してクランク角を正常に検出できない場合がある。
図9は、クランク角センサの出力(電圧)及びデジタル変換値の推移の一例を示すグラフである。
縦軸はクランク角センサ70のポジションセンサ72の出力電圧及びこれを二値化したデジタル変換値を示し、横軸は実際のクランク角を示している。
クランク角センサ70が正常な状態(センサプレート71の振動が比較的小さい状態)においては、ポジションセンサ72の出力(電圧)は、センサプレート71の外周縁部に形成された凹凸に対応した信号となる。
この信号を二値化してカウントすることによって、クランク角を検出することができる。
しかし、図9における領域Aにおいては、センサプレート71に比較的大きい振動が発生し、ポジションセンサ72の出力波形は不規則な状態となってデジタル変換値が正常に得られなくなっている。
このような状態になると、クランク角を正常に検出することが困難となり、オーバーシュートによりクランクシャフトに対して過剰なバックトルクを付加してエンジン1を逆回転させてしまう等の問題が懸念される。
上述した問題に対応するため、第1実施形態においては、クランク角センサ70によるクランク角の検出に支障が生じた場合に、油圧センサ350により検出される油圧の変動(脈動)を利用してクランク角を検出している。
クランク角検出部101は、油圧に基づいてクランク角を検出する油圧式角度位置検出部、及び、クランク角センサ70の出力により検出されるクランク角と、油圧に基づいて検出されるクランク角とを、クランク角センサ70の出力の状態に応じて切換えて出力する出力選択部として機能する。
図10は、第1実施形態のクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置におけるエンジン停止時のクランク角検出及び負荷トルク制御を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS101:エンジン停止フラグ判断>
クランク角検出部101は、エンジン制御ユニット100においてエンジン停止動作時に設定されるエンジン停止フラグが、オフからオンへ推移したか否かを判別する。
エンジン停止フラグは、例えば、車両の停車時に自動的にエンジンを停止するアイドルストップ制御の実行時や、エンジンを用いたHV走行モードから電動モータのみを用いたEV走行モードへの切り換え時等にオフからオンへ推移する。
エンジン停止フラグがオフからオンへ推移している場合はステップS102に進み、その他の場合はS103に進む。
<ステップS102:エンジン回転数・油圧検出値保持>
クランク角検出部101は、クランク角センサ70の出力に基づいて算出される現在のエンジン回転数(クランクシャフトの回転速度)、及び、油圧センサ350により検出された現在の油圧の検出値を、メモリに保持する。
その後、ステップS103に進む。
<ステップS103:クランクシャフト減速中判断>
クランク角検出部101は、クランクシャフトがエンジン停止に伴う減速中(回転速度低下中)であるか否かを判別する。
例えば、エンジン停止フラグがオフである場合や、エンジン停止が完了しクランクシャフトが停止した場合等は、クランクシャフトの回転速度が減速中でないと判定される。
クランクシャフトの回転速度が減速中である場合はステップS104に進み、その他の場合は一連の処理を終了する。
<ステップS104:クランク角センサ出力取得>
クランク角検出部101は、クランク角センサ70の出力信号を取得し、その履歴をメモリに記録する。
その後、ステップS105に進む。
<ステップS105:クランク角センサ出力判断>
クランク角検出部101は、クランク角センサ70の出力履歴において、図9の領域Aのような異常がないか判別する。
クランク角センサ70の出力履歴が正常である場合はステップS106に進み、異常が発生している場合はステップS108に進む。
<ステップS106:クランク角センサの出力によりクランク角を検出>
クランク角検出部101は、クランク角センサ70の出力に基づいて検出されたクランクシャフトの角度位置(クランク角)をエンジン制御ユニット100に出力する。
その後、ステップS107に進む。
<ステップS107:モータ負荷トルク制御実行>
エンジン制御ユニット100は、クランク角検出部101が出力したクランク角に基づいて予測されるエンジン1のフリクションに応じて、モータジェネレータ制御ユニット220に負荷トルク(バックトルク)を指示する。
モータジェネレータ制御ユニット220は、エンジン制御ユニット100からの指示に応じてモータジェネレータ190に負荷トルクを発生させる。
このとき、トランスミッション制御ユニット210は、エンジンクラッチ120を締結しかつ出力クラッチ150を開放された状態とする。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS108:油圧センサ出力取得>
クランク角検出部101は、現在の油圧センサ350の出力(油圧)を取得し、メモリに保持する。
メモリは、少なくとも過去クランクシャフトが複数回回転した際の油圧センサ350の出力履歴が保持される。
その後、ステップS109に進む。
<ステップS109:油圧センサ出力判断>
クランク角検出部101は、油圧センサ350の出力に異常があるか否かを判別する。
例えば、現在のエンジン回転数において想定される出力値の範囲を逸脱している場合には、油圧センサ350自体や、その配線等に何らかの異常(故障)が発生していると判別する。
油圧センサ350の出力が正常である場合はステップS110に進み、異常である場合は一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS110:油圧変動から上死点時期推定>
クランク角検出部101は、油圧センサ350が検出するオイルポンプ330の吐出油圧の変動(脈動)に基づいて、エンジン1のクランクシャフトが、第1気筒10の上死点となる時期を検出する。
例えば、図7に示すように、周期的に発生する極大値が、他の周期の極大値よりも小さい場合(一例として、各周期の極大値の平均値に対して所定の閾値以上小さい場合)に、この極大値を得る時期を第1気筒の上死点時期であると推定することができる。
なお、得られた上死点時期が圧縮上死点(圧縮行程の終期かつ膨張行程の始期)であるか、排気上死点(排気行程の終期かつ吸気行程の始期)であるかは、エンジン制御ユニット100から取得する点火時期情報に基づいて判別することが可能である。
上死点時期を推定した後、ステップS111に進む。
<ステップS111:推定された上死点時期に基づくクランク角算出>
クランク角検出部101は、ステップS110において推定された上死点時期に基づいて、クランク角を算出する。
現在のクランクシャフトの回転速度(回転周期)は、例えば、直近(最新)の上死点時期から、その前回の上死点時期までの時間に基づいて算出することができる。
クランク角は、直近の上死点時期からの経過時間と、クランクシャフトの回転周期から演算することが可能である。
また、図7に示すように、オイルポンプ330の吐出油圧は、クランクシャフトの回転角度位置において例えば90°周期で極大値をとるため、吐出油圧波形の波数をカウントし、クランク角の演算に用いることも可能である。
例えば、直近の上死点時期からの吐出油圧波形の波数と、直近に極大値をとってからの経過時間に基づいてクランク角を演算することができる。
クランク角検出部101が油圧変動(脈動)に基づいて算出したクランク角をエンジン制御ユニット100に出力した後、ステップS107に進む。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)オイルポンプ330のインナロータ332の凹部332bの一つに、吐出油圧を局所的に低下させる切欠部332cを設けたことにより、オイルポンプ330の吐出油圧変動に基づいてインナロータ332が特定の角度位置(一例として第1気筒10が上死点)にある時期を検出することができる。
また、その周期に応じて、インナロータ332の回転速度を検出することができる。
そして、インナロータ332が特定の角度位置にあった時期及び回転速度と、直近の吐出油圧のピーク時期からの経過時間に基づいて、適切にクランクシャフトの角度位置を検出することができる。
(2)インナロータ332の凹部332bの表面を凹ませて切欠部332cを設け、吐出油圧を変化させることにより、簡単な構成によりオイルポンプ330の吐出油圧を局所的に変化させてクランクシャフトの角度位置の検出に利用することができる。
(3)切欠部332cを、インナロータ332の軸方向における一部の領域にのみ設けたことにより、アウタロータ331とインナロータ332の切欠部332c以外の部分での接触状態や、相対運動軌跡に影響を及ぼすことなく、吐出圧力を局所的に変化させることができる。
(4)切欠部332cをインナロータ332に設けるとともに、インナロータ332をクランクシャフトと同じ回転速度で駆動することにより、オイルポンプ330の吐出油圧の変化が、クランクシャフトが一定の角度位置にあるときに発生するため、クランクシャフトの角度位置を演算する処理を簡素化することができる。
(5)クランク角検出部101がクランク角センサ70の出力に異常がある場合に、油圧変動に基づいて検出されたクランク角を出力することにより、検出状態が正常なセンサの出力に基づくクランクシャフトの角度位置を選択し、過大な振動が発生した場合であっても、クランクシャフトの角度位置を適切に出力することができる。
(6)エンジンの停止直前におけるクランクシャフトの回転速度降下中に、オイルポンプ330の吐出油圧変動により検出されたクランクシャフトの角度位置に基づいて回転電機によりクランクシャフトに周期的に負荷トルクを与えることにより、エンジンの共振などに起因する過大な振動により、クランク角センサ70によってクランクシャフトの角度位置を直接検出できない場合であっても、クランクシャフトの角度位置を適切に検出し、オーバーシュートによるエンジンの逆回転を防止するとともに、エンジン停止時の振動を効果的に抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用したクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置の第2実施形態について説明する。
以下説明する各実施形態において、従前の実施形態と共通する箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
第2実施形態においては、第1実施形態におけるオイルポンプ330のインナロータ332の切欠部332cに代えて、吐出圧変化部としてアウタロータ331に切欠部331cを形成したことを特徴とする。
図11は、第2実施形態のエンジンのオイルポンプの断面図である。
図12は、第2実施形態のエンジンのオイルポンプにおけるアウタロータの外観斜視図である。
図12に示すように、第2実施形態においては、アウタロータ331が有する5つの凹部331aのうち1つに、以下説明する切欠部331cを形成している。
切欠部331cは、凹部331aがインナロータ332の外面に接する面の一部を凹ませて形成されている。
また、切欠部331cは、アウタロータ331とインナロータ332との接触状態、相対運動軌跡に影響を与えないように、アウタロータ331の中心軸方向における一部の領域(例えば中央部)にのみ形成されている。
このような切欠部331cを設けることにより、当該凹部331aが含まれる油室がオイルOを押し出す際には、他の凹部331aが含まれる油室がオイルOを押し出す際に対して、オイルポンプ330の吐出油圧が低くなる。
第2実施形態においては、アウタロータ331が、エンジン1のクランクシャフトと同じ回転速度で駆動されるよう構成されている。
以上説明した第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果((4)項記載のものを除く)と同様の効果に加え、切欠部331cをアウタロータ331に設けるとともに、アウタロータ331をクランクシャフトと同じ回転速度で駆動することにより、オイルポンプ330の吐出油圧の変化が、クランクシャフトが一定の角度位置にあるときに発生するため、クランクシャフトの角度位置を演算する処理を簡素化することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明を適用したクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置の第3実施形態について説明する。
第3実施形態においては、エンジン停止時にクランクシャフトの回転速度(回転数)に応じて、クランク角センサ70の出力により検出されるクランク角と、油圧センサ350の出力から検出されるクランク角とに、所定の重み付けを行って演算したクランク角に基づいて負荷トルク制御を行っている。
第3実施形態においては、クランク角検出部101は、重み付け演算部としての機能を有する。
図13は、本発明を適用したクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置の第3実施形態におけるクランクシャフト回転数に応じた制御領域分けを示す図である。
第3実施形態においては、クランクシャフト回転数の低下による領域1〜4の推移に応じて、クランク角検出手法及び負荷トルク制御の内容を順次変更している。
領域1(例えば、800〜500rpm)は、エンジン1の共振域に入っていない領域である。
領域1においては、第1実施形態のステップS106と同様に、クランク角センサ70の出力により検出されるクランク角に基づいて負荷トルク制御を行う。
領域2(例えば、500〜300rpm)は、エンジンの共振点を通過する領域である。
この領域では、クランク角センサ70のセンサプレート71がエンジン1の振動の影響を受け、クランク角の検出が困難となることが懸念される。
この領域では、第1実施形態のステップS111と同様に、油圧センサ350の出力に基づいて検出されるクランク角に基づいて負荷トルク制御を行う。
領域3(例えば、300〜150rpm)は、エンジン1の共振点を通過する領域から脱する過渡領域である。
この領域では、クランク角センサ70の出力によりクランク角を検出するとともに、油圧センサ350の出力に基づいてクランク角を検出し、それらを併用して、負荷トルク制御に用いるクランク角を演算する。
例えば、以下のように回転領域により各クランク角の重み(重視度合)を変更する。
(1)300〜250rpm クランク角センサ:油圧センサ=3:7
(2)250〜200rpm クランク角センサ:油圧センサ=5:5
(3)200〜150rpm クランク角センサ:油圧センサ=7:3
例えば、重みが3:7である場合、クランク角センサ70の出力により検出されたクランク角と、油圧センサ350の出力に基づいて検出されたクランク角との間を、7:3に内分する点に相当する値を制御に用いるクランク角とする。
領域4(例えば、150〜0rpm)は、エンジン1の共振域に入っていないエンジン停止直前の領域である。
領域1においては、第1実施形態のステップS106と同様に、クランク角センサ70の出力により検出されるクランク角に基づいて負荷トルク制御を行う。
以上説明した第3実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果と同様の効果に加え、エンジン1の運転状態が、過大な振動が発生し得る状態である場合には、予め油圧に基づいて検出されたクランクシャフトの角度位置の重みを大きくすることにより、過大な振動が発生した場合であっても適切な出力を行なうことができる。
<第4実施形態>
次に、本発明を適用したクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置の第4実施形態について説明する。
第4実施形態においては、第1実施形態におけるオイルポンプ330のインナロータ332の切欠部332cに代えて、吐出圧変化部としてインナロータ332に切欠部332dを形成したことを特徴とする。
図14は、第4実施形態のエンジンのオイルポンプにおけるインナロータの外観斜視図である。
図14に示すように、第4実施形態においては、インナロータ332が有する4つの凸部332aのうち1つに、以下説明する切欠部332dを形成している。
切欠部332dは、凸部332aがアウタロータ331の内面に接する面の一部を凹ませて形成されている。
また、切欠部332dは、アウタロータ331とインナロータ332との接触状態、相対運動軌跡に影響を与えないように、インナロータ332の中心軸方向における一部の領域(例えば中央部)にのみ形成されている。
このような切欠部332dを設けることにより、当該凸部332aが含まれる油室がオイルOを押し出す際には、他の油室がオイルOを押し出す際に対して、オイルポンプ330の吐出油圧が低くなる。
図15は、第4実施形態におけるオイルポンプの吐出圧力履歴を模式的に示す図である。
図15において、第4実施形態における吐出油圧を実線で示し、上述した本発明の比較例における吐出波形を破線で示している。
第4実施形態のように、インナロータ332の凸部332aに切欠部332dを設けた場合、オイルポンプ330の吐出油圧が、連続する2周期にわたって、他の周期に対してピーク値が低くなる。
第4実施形態においては、例えば、第1気筒10が圧縮上死点であるときに、ピーク値が低くなる波形の一山目のピークが発生するように、クランクシャフトに対するインナロータ332の角度位置を設定している。
以上説明した第4実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
<第5実施形態>
次に、本発明を適用したクランク角検出装置及びパワートレーン制御装置の第5実施形態について説明する。
第5実施形態においては、第2実施形態におけるオイルポンプ330のアウタロータ331の切欠部331cに代えて、吐出圧変化部としてアウタロータ331に切欠部331dを形成したことを特徴とする。
図16は、第5実施形態のエンジンのオイルポンプにおけるアウタロータの外観斜視図である。
図16に示すように、第5実施形態においては、アウタロータ331が有する5つの凸部331bのうち1つに、以下説明する切欠部331dを形成している。
切欠部331dは、凸部331bがインナロータ332の外面に接する面の一部を凹ませて形成されている。
また、切欠部331dは、アウタロータ331とインナロータ332との接触状態、相対運動軌跡に影響を与えないように、アウタロータ331の中心軸方向における一部の領域(例えば中央部)にのみ形成されている。
以上説明した第5実施形態においても、上述した第2実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)エンジン、モータジェネレータ等のパワートレーンの構成や、クランク角検出装置、パワートレーン制御装置の構成は、上述した実施形態に限定されず適宜変更することができる。
例えば、各実施形態においてエンジンはガソリンエンジンであったが、本発明はエンジンとしてガソリン以外の燃料を用いる予混合火花点火エンジンや、予混合圧縮着火(HCCI)エンジン、ディーゼルエンジン等の各種エンジンのクランク角検出や、このようなエンジンとモータジェネレータとを有するパワートレーンの制御にも用いることができる。
また、エンジンの気筒数、シリンダレイアウト、燃料噴射方式、過給の有無、過給機の種類等も特に限定されない。
(2)各実施形態においては、オイルポンプは例えばインナロータが4歯の構成であったが、インナロータ及びアウタロータの歯数は限定されず、適宜変更することが可能である。また、吐出圧変化部の具体的な構成、形状等も特に限定されず、適宜変更することが可能である。
(3)第1実施形態においては、クランク角センサの出力に異常があった場合に、負荷トルク制御に用いるクランク角を油圧変動に基づいて検出されるクランク角に切り換える構成としているが、クランク角センサの出力に異常が発生するエンジンの運転状態(例えばエンジン回転数)が既知である場合には、エンジンの運転状態に応じて切り換えるようにしてもよい。
(4)第3実施形態においては、エンジンの運転状態(エンジン回転数)に応じて、クランク角センサの出力により検出されるクランク角、油圧変動に基づいて検出されるクランク角の重みを変化させているが、クランク角センサの出力に異常があった場合に、油圧変動に基づいて検出されるクランク角の重みを大きくするようにしてもよい。
(5)各実施形態においては、車両の駆動力発生及び回生発電を行なうモータジェネレータによりエンジンのクランクシャフトに負荷トルクを与えているが、回転電気を有するパワーユニットの構成はこれに限定されず、例えば発電のみを行なうジェネレータや、充電制御機能を有するオルタネータによりバックトルクを発生させるようにしてもよい。
また、バックトルクの波形も一例として図8に示したような三角波状に限らず、適宜変更することができる。
(6)各実施形態においては、インナロータ又はアウタロータのうち吐出圧変化部を有するものと、クランクシャフトとが同じ回転速度で駆動される構成としているが、吐出圧変化部を有するインナロータ又はアウタロータとクランクシャフトとの回転速度が異なる場合には、各ロータとクランクシャフトとの回転速度差を考慮した演算によりクランクシャフトの角度位置を求める構成としてもよい。
1 エンジン 10 第1気筒
11 インジェクタ 12 点火栓
20 第2気筒 21 インジェクタ
22 点火栓 30 第3気筒
31 インジェクタ 32 点火栓
40 第4気筒 41 インジェクタ
42 点火栓 50 吸気装置
51 スロットルバルブ 52 インテークマニホールド
53 吸気圧センサ 60 排気装置
61 エキゾーストマニホールド 62 エキゾーストパイプ
63 触媒コンバータ 64 サイレンサ
65 空燃比センサ 66 リアOセンサ
70 クランク角センサ 71 センサプレート
72 ポジションセンサ 80 水温センサ
100 エンジン制御ユニット(ECU)
101 クランク角検出部 110 トルクコンバータ
120 エンジンクラッチ 130 前後進切替部
140 バリエータ 141 プライマリプーリ
142 セカンダリプーリ 143 チェーン
150 出力クラッチ
160 フロントディファレンシャル 170 リアディファレンシャル
180 トランスファクラッチ 190 モータジェネレータ
210 トランスミッション制御ユニット
220 モータジェネレータ制御ユニット
300 潤滑装置 310 オイルパン
311 油温センサ 320 ストレーナ
330 オイルポンプ 331 アウタロータ
331a 凹部 331b 凸部
331c 切欠部 331d 切欠部
332 インナロータ 332a 凸部
332b 凹部 332c 切欠部
332d 切欠部 333 ポンプボディ
333a 吸入ポート 333b 吐出ポート
340 オイルフィルタ 350 油圧センサ
RB 右側シリンダブロック LB 左側シリンダブロック
RH 右側シリンダヘッド LH 左側シリンダヘッド

Claims (8)

  1. エンジンのクランクシャフトの角度位置を検出するクランク角検出装置であって、
    前記クランクシャフトの回転と連動してオイルを吐出するオイルポンプと、
    前記オイルポンプが吐出した前記オイルの油圧を検出する油圧センサとを備え、
    前記オイルポンプは、前記クランクシャフトの回転と連動して相対回転するアウタロータ及びインナロータを有する内接歯車式ポンプであり、
    前記アウタロータ又は前記インナロータの周上の一部の部位に、当該部位が含まれる油室から吐出されるオイルの圧力を他の油室から吐出されるオイルの圧力に対して局所的に変化させる吐出圧変化部を形成し、
    前記油圧センサが検出する前記オイルポンプの吐出圧力の履歴に基づいて前記クランクシャフトの角度位置を検出する油圧式角度位置検出部を有すること
    を特徴とするクランク角検出装置。
  2. 前記吐出圧変化部は、前記アウタロータにおける前記インナロータとの接触面と、前記インナロータにおける前記アウタロータとの接触面とのいずれか一方を凹ませて形成したこと
    を特徴とする請求項1に記載のクランク角検出装置。
  3. 前記吐出圧変化部は、前記アウタロータ又は前記インナロータの回転軸方向における一部の領域にのみ形成されること
    を特徴とする請求項2に記載のクランク角検出装置。
  4. 前記インナロータは、前記クランクシャフトにより前記クランクシャフトと同じ回転速度で駆動され、
    前記吐出圧変化部は、前記インナロータに設けられること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のクランク角検出装置。
  5. 前記アウタロータは、前記クランクシャフトにより前記クランクシャフトと同じ回転速度で駆動され、
    前記吐出圧変化部は、前記アウタロータに設けられること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のクランク角検出装置。
  6. 前記クランクシャフトの回転に応じた信号を出力するクランク角センサと、
    前記クランク角センサの出力により検出される前記クランクシャフトの角度位置と、前記油圧式角度位置検出部が検出する前記クランクシャフトの角度位置とを、前記クランク角センサの出力と前記エンジンの運転状態との少なくとも一方に応じて切り換えて出力する出力選択部とを有すること
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のクランク角検出装置。
  7. 前記クランクシャフトの回転に応じた信号を出力するクランク角センサと、
    前記クランク角センサの出力により検出される前記クランクシャフトの角度位置と、前記油圧式角度位置検出部が検出する前記クランクシャフトの角度位置とを、前記クランク角センサの出力と前記エンジンの運転状態との少なくとも一方に応じた所定の重み付けをして得た前記クランクシャフトの角度位置を出力する重み付け演算部を有すること
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のクランク角検出装置。
  8. エンジン及び前記エンジンのクランクシャフトに負荷トルクを与えることが可能な回転電機を有するパワートレーンを制御するパワートレーン制御装置であって、
    前記エンジンを停止する際に前記回転電機が前記エンジンに与える負荷トルクを制御する回転電機制御部を備え、
    前記回転電機制御部は、前記エンジンの停止直前における前記クランクシャフトの回転速度降下中に、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のクランク角検出装置により検出されたクランクシャフトの角度位置に基づいて前記回転電機により前記クランクシャフトに周期的に負荷トルクを与える負荷トルク制御を行うこと
    を特徴とするパワートレーン制御装置。
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