JP2020125254A - 化粧料、紫外線に対する細胞保護剤、光老化防止剤 - Google Patents

化粧料、紫外線に対する細胞保護剤、光老化防止剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 紫外線による細胞への影響を抑えることができる新規な技術を提供する。【解決手段】 N(1)-アセチル-5-メトキシキヌラミンまたはその塩を含む、化粧料、細胞保護剤、老化防止剤。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば化粧料に関する。
皮膚の老化の一つとして、光老化と称される紫外線による細胞や皮膚組織へのダメージによる老化が挙げられる。該光老化においては、紫外線、あるいは紫外線などの刺激により皮膚組織で発生する活性酸素の影響により、細胞中のDNAの損傷などが引き起こされる。
ヒトの身体は光老化に対する防御機能として損傷を元通りに修復するDNA修復機能のほか、IL-1αなどのインターロイキン類を産生しての炎症を促進する機能や、エンドセリンを放出しメラニン産生を亢進する機能、アポトーシスとよばれる細胞死を引き起こし、損傷した遺伝情報を次世代の細胞に引き継がれるのを防ぐ機構を有している。しかしながらそれでも十分ではなく、慢性的な紫外線の影響で光老化が進行し、皮膚のきめ細やかさが失われたり、しわやシミなどが生じてしまう。
そのため、紫外線による細胞への負荷を抑えて皮膚保護のために作用する上記機能が働かざるを得ない機会をより少なくすることが皮膚老化防止の観点から重要であり、例えば特許文献1に記載の化粧料などが提案されている。
特開2004−359603号公報
上記のような化粧料が提案されている一方で、商品設計の自由度等の観点から様々な方法により紫外線に対する細胞保護を改善できることが好ましく、そのため、さらなる新規な方法が求められている。
本発明は、紫外線による細胞への負荷を抑えることができる新規な技術を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究の結果、脳内におけるメラトニンの代謝により生じる化合物の一つであるN(1)-アセチル-5-メトキシキヌラミン(N(1) -acetyl-5-methoxykynuramine, 以下、AMKとも称する)またはその塩の作用により紫外線による細胞への負荷を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] N(1)-アセチル-5-メトキシキヌラミンまたはその塩を含む、化粧料。
[2] 前記化粧料が水性化粧料であり、
そのpHが6.0以上である、[1]に記載の化粧料。
[3] N(1)-アセチル-5-メトキシキヌラミンまたはその塩を含む、紫外線に対する細胞保護剤。
[4] N(1)-アセチル-5-メトキシキヌラミンまたはその塩を含む、光老化防止剤。
本発明によれば、紫外線による細胞への負荷を抑えることができる新規な技術を提供することができる。
実施例のUV-Bストレス回避試験における細胞生存率測定結果を示すグラフである。 実施例のUV-Bストレス回避試験におけるIL-1α濃度測定結果を示すグラフである。 実施例のAMK・HClについての安定性試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態の一つについて、詳細に説明する。
本実施形態は化粧料に関し、N(1)-アセチル-5-メトキシキヌラミン(AMK)またはその塩を含有する。
AMKは以下の構造を有する化合物である。脳内においてはメラトニンが代謝されてN(1)-acetyl-N(2)-formyl-5-methoxykynuramine(AFMK)が生じるが、AMKはメラトニンの最終代謝産物である。
上述のとおり本実施形態の化粧料においては、AMKに代えて、またはAMKと共にAMKの塩が含有されるようにしてもよい。具体的なAMKの塩としては、塩酸、リン酸等の無機酸との塩、乳酸、酢酸、等の有機酸との塩などが挙げられる。このうち、紫外線による細胞への負荷をより抑えることができるため、AMK塩酸塩が含有されることが好ましい。
AMKまたはその塩としては、特に限定されず、天然由来のものであってもよく、また、合成品などの市販品を利用するようにしてもよい。例えばToronto Research Chemicals社製のものなどを挙げることができる。
本実施形態の化粧料においてAMKまたはその塩の含有量は特に限定されず、当業者が適宜設定できるが、例えば、0.0001〜1.0重量%で化粧料中に配合することができる。特に好ましくは0.001〜0.3重量%で配合することができる。
また、本実施形態の化粧料は例えば組成物とすることができAMKまたはその塩に加えて本発明の目的を達成できる範囲で他の成分を含むようにすることができ、特に限定されない。
例えば、本実施形態の化粧料は、医薬品、医薬部外品、化粧料等に使用されている任意の成分、例えば、脂肪酸セッケン、セチル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、ベタイン型、スルホベタイン型、スルホアミノ酸型、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム等の両イオン性界面活性剤、レシチン、リゾフォスファチジルコリン等の天然系界面活性剤、フェノキシエタノール等の防腐剤、保湿剤、ポリマー類、油脂類、炭化水素類、高級脂肪酸、高級アルコール、紫外線吸収剤、アミノ酸誘導体、糖誘導体、香料、水、アルコール、増粘剤、タール系色素、酸化鉄等の着色顔料、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、薬剤等の成分を適宜配合することができる。
油脂類としては、例えばツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油、トリオクタン酸グリセリン、等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ、モクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類が挙げられる。
炭化水素類としては、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えばラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
ポリマー類としてはシリコーンなどが挙げられ、該シリコーンとしては、例えば、鎖状ポリシロキサンのジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等、環状ポリシロキサンのデカメチルシクロペンタシロキサン等が例示できる。
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、シクロデキストリン等が挙げられる。
薬剤としては、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩等のB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD2、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類を挙げることができる。
さらに本実施形態の化粧料は、ゼラチン、カゼイン、デンプン、アラビアガム、カラヤガム、グアガム、ローカストビーンガム、ドラガカントガム、クインスシード、ペクチン、カラギーナン、アルギン酸ソーダ等の天然高分子、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル及びコーポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキシドポリマー等の合成高分子、キサンテンガム等の増粘剤、酸化チタン等の顔料、ジブチルヒドロキシトルエン等の抗酸化剤等を適宜含むようにしてもよい。
また、プラセンタエキス、グルタチオン、トラネキサム酸、アルブチン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、ぶなの木エキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類、常在菌コントロール剤のマルトースショ糖縮合物、塩化リゾチーム等を含むようにしてもよい。
さらに、カミツレエキス、パセリエキス、ツバメの巣エキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス等の各種抽出物を含むようにしてもよい。
本実施形態の化粧料の剤型としては、特に限定されないが、一般に用いられる、アルコール等の有機溶媒溶液、W/O型又はO/W型エマルジョン、適当な腑形剤等を用いて顆粒剤その他の粉末、錠剤等とすることが考えられる。さらに、フリーズドライ等の粉体などから用時調整して使用される態様の化粧料であってもよい。例えば、クリーム、乳液、ローション(化粧水)、エッセンス(美容液)、乳液、クレイパック、ローションマスク等用の含浸液、フレグランス化粧料、クリーム、パック、ゲルスティック、シート、パップ、メイクアップベースローション、メイクアップクリーム、乳液状又はクリーム状あるいは軟膏型のファンデーション、口紅、アイカラー、チークカラー、ハンドクリーム、レッグクリーム、ボディローション、入浴剤、口腔化粧料、毛髪化粧料等のいずれの形態とすることもできる。
本実施形態の化粧料は適宜設定される含有量の原材料を混合するなど通常の方法に従って製造することができ、特に限定されない。例えば乳液等の場合、油相及び水相をそれぞれ加熱溶解したものを乳化分散して冷却する通常の方法により製造することができる。
ここで、本実施形態の化粧料は、水を主な媒体(水が化粧料全体の10重量%以上)とする化粧料(該化粧料を本明細書では水性化粧料と称す)であり、そのpHが6.0以上であることが好ましい。なお、該水性化粧料としては、外観上液体であるもののほか、ジェル状の形態のもの、ローションマスク等の基材にしみ込ませた状態で保持されている形態のもの等であってもよい。
水性化粧料である場合、他の形態の化粧料と比較して皮膚表面からの浸透性が高く、より効率的に紫外線による細胞の保護を高めることができる。また、このとき、pH6.0以上の水性化粧料とすることで、pH6.0未満である場合と比較してAMKまたはその塩の分解を抑えて紫外線に対する細胞保護効果をより高めることができる。
なお、pHの上限値については特に限定されないが、皮膚刺激の観点から例えばpH8.0以下が好ましい。
本実施形態において、化粧料のpHは公知の方法により調整することができ特に限定されず、例えば、公知のpH調整剤、緩衝剤等を用いてpHを調整することができる。pHの調整に用いられるpH調整剤、緩衝剤としては、化粧料等に通常使用されるpH調整剤、緩衝剤を挙げることができる。また、化粧料のpHは、pHメータを用いるなど周知の方法で測定することができる。化粧料のpHは、例えば室温(25℃)にて測定した値である。
以上、本実施形態によれば、AMKまたはその塩を含有することにより、紫外線により細胞が受ける負荷を抑え、アポトーシスなどの皮膚保護のために作用する機能が働かざるを得ない機会を少なくすることができる。その結果、光老化などの皮膚における老化の防止に寄与することができる。
また、本発明の一態様として、AMKまたはその塩を含む紫外線に対する細胞保護剤、AMKまたはその塩を含む光老化防止剤も提供することができる。該細胞保護剤および光老化防止剤は化粧料であってもよく、また、医薬部外品、医薬品等に分類されるものであってもよい。該細胞保護剤および光老化防止剤はその形態に応じて適宜設定できるが、例えば上記化粧料と同様の構成とすることができる。
以下に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、これら実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
[処方例1 モイスチュアローション]
以下のA液にB液を撹拌しながら加えて調製した。
<A液>
AMK・HCl 0.1重量%
グリセリン 3.00重量%
ソルビトール(70%水溶液) 2.00重量%
キサンタンガム 0.05重量%
ヒドロキシエチルセルロース 0.05重量%
アセチルヒドロキシプロリン(AHYP) 5.00重量%
アルギニン 5.00%
ヒアルロン酸Na(1%水溶液) 1.00重量%
クエン酸 0.05重量%
クエン酸Na 0.01重量%
PCA-Na(50%水溶液) 1.00重量%
水 100重量%とする量
<B液>
防腐剤 適量
BG 5.00重量%
水 10.00重量%
[処方例2 化粧水(ナノエマルジョンタイプ)]
以下のA液にB液を撹拌しながら加えて調製した。
<A液>
AMK・HCl 0.3重量%
ヒドロキシプロリン 0.10重量%
BG 1.00重量%
DPG 1.00重量%
PEG-32 0.30重量%
PEG-150 0.20重量%
ペンチレングリコール 2.50重量%
クエン酸 0.03重量%
クエン酸Na 0.04重量%
EDTA-2Na 0.10重量%
防腐剤 適量
水 100.00重量%とする量
<B液>
脂溶性ビタミンC誘導体含有ナノエマルジョンベース 5.00重量%
水 10.00重量%
[処方例3 化粧水(ナノエマルジョンタイプ)]
以下のC液に撹拌しながら組成物Bを添加し、さらにA液に撹拌しながら得られた混合物を加えて調製した。
<A液>
AMK・HCl 0.3重量%
キサンタンガム 0.40重量%
ヒドロキシエチルセルロース 0.40重量%
BG 3.00重量%
グリセリン 3.00重量%
ヒアルロン酸(1%水溶液) 5.00重量%
防腐剤 適量
水 100.00重量%とする量
<組成物B>
リン酸アスコルビルMg 3.00重量%
<C液>
クエン酸Na 0.50重量%
EDTA-4Na 0.10重量%
水 30.00重量%
[処方例4 洗口液]
以下の成分を攪拌しながら混合し、調製した。
AMK・HCl 0.1重量%
エタノール 1.0重量%
ソルビット(60%) 7.5重量%
グリセリン(85%) 7.5重量%
プロピレングリコール 1.5重量%
アルギン酸ナトリウム 0.4重量%
ポリソルベート80 1.5重量%
リン酸一水素ナトリウム 適量
リン酸二水素ナトリウム 適量
トラネキサム酸 0.05重量%
ステビアエキス 0.1重量%
ラウリルジメチルアミノ酪酸ベタイン 0.1重量%
香料 1.0重量%
水 100重量%とする量
[処方例5 ヘアトニック]
以下のA液、B液を室温で溶解後、B液を攪拌しながらA液に加えて均一に調製した。
<A液>
AMK・HCl 0.3重量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5重量%
PEG-60水添ヒマシ油 1.5重量%
エタノール 15.0重量%
防腐剤 適量
<B液>
PEG-8 1.0重量%
BG 5.0重量%
リン酸一水素ナトリウム 適量
リン酸二水素ナトリウム 適量
水 100重量%とする量
[UV-Bストレス回避試験]
正常ヒト表皮角化細胞を用い、50%生存率となるUV-B照射条件(170 mJ)で照射試験を行い、細胞生存率測定、IL-1α量測定を行った。
成人由来正常ヒト表皮細胞(NHEK)は、HuMedia-KG2(以下、培地)を用いてT-75フラスコに起眠し、CO2インキュベーター(5% CO2、37℃、湿潤)内で培養した。2〜3日に一回培地交換し、80%コンフルエントに到達した時点で細胞を回収し、試験に用いた。細胞の剥離にはTrypsin-EDTA (0.05%), phenol redを用い、トリプシン中和液でトリプシンを中和、遠心(180g、5分、室温)した後、新たな培地に懸濁し、試験に用いた。
AMK塩酸塩は10-2 Mとなるようエタノールに溶解した後、エタノールで希釈して終濃度の100倍濃度(10-3 M、10-4 M)溶液を調製した。これらを培地に1/100 vol.添加して目的終濃度(10-5 M、10-6 M= , 10, 1 μM)とした。なお、比較例として用いたメラトニン(MEL)、についても同様に溶液を調製した。
<細胞生存率測定>
細胞を、2×104 cells/0.1 mL/ウェルとなるよう96ウェルプレートに播種し、CO2インキュベーター(5%CO2、37℃、湿潤)で培養した。翌日、被験物質添加/非添加培地に置換し、6時間CO2インキュベーター(5%CO2、37℃、湿潤)で培養した後、UV-B照照射装置を用いてUV-B 約1500 μW/cm2(紫外線強度計を用いて強度測定)を、予備試験で決定した50%致死率を与える紫外線強度となるよう、114秒照射した(照射量170 mJ)。なお、別プレートにUV-B非照射条件を設定した。照射後18時間培養した後、wst-8法で生細胞数測定を行った。IL-1αELISA用に培養上清を回収した後、生細胞数測定試薬SFを10%添加した培地に交換し、COインキュベーター内(5%CO、37℃)でインキュベートし、30分後および90分後に吸光度(450 nm、参照波長630 nm)をプレートリーダーで測定し、60分間の吸光度差から相対生細胞数を算出した。
<IL-1α濃度測定>
培養上清中のIL-1α濃度をHuman IL-1 alpha/IL-1F1 Quantikine ELISA Kitを用いて測定した。培養上清はKit付属のCalibrator Diluent RD5-5で4倍希釈して測定に用いた。方法はkit付属のプロトコルに従い、スタンダードの吸光度から検量線を作成し、希釈液中IL-1α濃度を算出し、希釈倍率(4倍)を乗じて培養上清中IL-1α濃度を算出した。
細胞生存率測定結果を図1に示す。
UV-B照射により、細胞生存率がおよそ50%に低下した。被験物質処理群に関しては、MELは10 μMで効果が見られなかったのに対し、AMKは10 μMで効果が見られた(Dunnett’s testおよびStudent’s t test)。
なお、UV-B非照射条件では、被験物質による細胞生存率変化は見られなかった。
次にUV-B照射条件、培養上清中IL-1α濃度測定結果を図2に示す。
UV-B照射により、培養上清中IL-1α濃度がおよそ5倍に増加した。被験物質処理群に関しては、MELは10 μM処理条件において、vehicleコントロールと比較して、培養上清中IL-1α濃度の有意な減少がみられなかったがAMKは10 μMで有意差が見られた(Student’s t test)。
[安定性試験]
<溶液の調製>
10mgのAMK・HClを正確に秤量し、濃度が0.1%となるようにリン酸緩衝溶液(NaHPO4+NaH2PO4から調整)を加え全体で10.000gになるように調整した。
<保存条件>
室温(21℃)、遮光インキュベーター内で各サンプルを3か月整置保存した。
保存後、以下の条件でHPLC分析に供し、AMK・HClの残存率を測定した。
カラム:waters XBridge C18 3.5um 4.6x150mm
ガードカラム:住化分析センター(SCAS)SUMIPAX Filter PG-ODS
温度:室温(21℃)
展開溶液A:0.1vol%HCOOH H2O 0.1%ギ酸水溶液
展開溶液B:0.1vol%HCOOH CH3CN 0.1%アセトニトリル
Flow rate :1.0ml/min
グラジェントプログラム(A:B):
0〜1.0min hold 95:5
1.0〜21.0min linear gradient 5:95
21.0〜30.0min hold 5:95
検出:254nm
装置:waters 600S HPLC system
検出器:日本分光 UV-970
結果を図3に示す。
溶液をpH6.0以上とすることで、AMK・HClの残存率を低下が大きく抑制されていることが理解できる。

Claims (4)

  1. N(1)-アセチル-5-メトキシキヌラミンまたはその塩を含む、化粧料。
  2. 前記化粧料が水性化粧料であり、
    そのpHが6.0以上である、請求項1に記載の化粧料。
  3. N(1)-アセチル-5-メトキシキヌラミンまたはその塩を含む、紫外線に対する細胞保護剤。
  4. N(1)-アセチル-5-メトキシキヌラミンまたはその塩を含む、光老化防止剤。
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