以下、本発明をパチンコ遊技機に適用した一実施形態を図1〜図23に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、遊技盤11の前面にガイドレール12で囲まれた略円形の遊技領域R1を備えている。
遊技盤11の前面は、遊技機10の前面に開閉可能に取り付けられた前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技領域R1の全体が視認可能となっている。ガラス窓10Wの上方の両側には、スピーカ25S,25Sが備えられている。また、ガラス窓10Wより下方には、上皿26及び下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右端部には発射用ハンドル28が設けられている。そして、発射用ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
上皿26の上部には、遊技者が押し下げ可能な操作ボタン29が備えられている。また、図示はしないが、操作ボタン29の側方には、上下左右に操作可能な十字キーが設けられている。
遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、異形の遊技盤表示窓11Hが貫通形成されており、その遊技盤表示窓11Hに遊技盤11の裏面側から表示装置13が対向している。表示装置13は、液晶モジュール(例えば、TFT−LCDモジュール)で構成され、その表示画面13G(本発明の「表示部」に相当する。)が、遊技盤11の奥側に配置されている。
遊技盤11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から遊技盤表示窓11Hに嵌め込まれ、遊技盤表示窓11Hの内側に張り出すと共に、遊技盤11の前面から突出している。そして、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23の外側を通過して表示装飾枠23の内側に進入しないように構成されている。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下方における左右方向の中央部には、第1と第2の始動入賞口14A,14B、大入賞口15が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。第1の始動入賞口14Aの左側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に全て取り込まれる。また、表示装飾枠23の左側には、始動ゲート18が設けられている。なお、図示しないが、遊技領域R1には多数の障害釘が植設されている。
次に所要の各部位についてさらに詳説する。一般入賞口20は、所謂、ポケット構造をなして、遊技盤11の前面から突出した部材上面に開放しており、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。そして、一般入賞口20に遊技球が入ると、例えば、10個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
第1と第2の始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技盤11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技盤11の裏側に回収される。
上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。また、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、上述した普通図柄当否判定が当りであった場合に、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる(図1には、横倒しにされた可動翼片14Cが示されている。)。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞(入球)すると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。即ち、本実施形態では、各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞することで、特別図柄に関する当否判定権が発生する。特別図柄当否判定の判定結果は、当否判定権の使用に伴って、表示装置13の表示画面13Gにて報知される。詳細には、当否判定権が使用されると、表示画面13Gには、判定結果の報知に先立って、判定結果に関連した判定演出が行われる。そして、判定結果が当りの場合には、判定結果の報知後、遊技が「大当り遊技状態」に移行し、「大当り遊技」が実行される。これに対し、判定結果が外れの場合には、判定結果の報知後、「大当り遊技状態」ではない通常遊技状態が続く。なお、以下では、特に断りがない限り、単に「当否判定」といえば、特別図柄当否判定を指すものとする。
図1に示すように、大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、「大当り遊技」が行われると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
表示装置13の表示画面13Gには、上述したように、特別図柄当否判定に関連した判定演出が表示される。具体的には、表示画面13Gには、通常、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞して判定演出が行われると、3つの特別図柄13A,13B,13Cが、上下方向にスクロール表示(変動表示)され、所定時間経過後に、例えば、左、右、中の順に停止表示される。そして、停止した特別図柄13A〜13Cの組合せにより、特別図柄当否判定の判定結果を報知するようになっていて、例えば、特別図柄13A〜13Cが全て同じ図柄(ゾロ目)の場合に、当りであることを示し、ゾロ目以外の組み合わせの場合に、外れであることを示すようになっている。このように、判定演出は、特別図柄13A〜13Cを用いた図柄変動演出によって構成されている。なお、本実施形態の遊技機10では、始動入賞口14A、14Bに遊技球が入賞してからその入賞に起因する当否判定結果が表示画面13Gで報知されるまでの間の当否判定遊技が、始動入賞口14A,14Bへの入賞ごとに行われる。
なお、ここで、特別図柄13A〜13Cのうち1番目と2番目に停止表示された特別図柄13Aと特別図柄13Cとが同じ図柄で、最後に停止表示される特別図柄13Bが変動表示中である状態のことを、「リーチ」状態といい、このリーチ状態のときに表示画面13Gで行われる演出をリーチ演出という。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出よりも大当りに対する期待度が高いスペシャルリーチ演出(以下、「SPリーチ演出」という。)の2種類が設けられている。
判定演出の最中(即ち、特別図柄13A〜13Cの変動表示中)又は大当り遊技中に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞(入球)した場合、その入賞に起因した当否判定権は、例えば、4回分まで保留され、各当否判定権に対する判定結果及び判定演出に関する情報が保留記憶される。そして、実行中の判定演出又は大当り遊技が終了すると、保留されていた当否判定権が用いられ、その当否判定権に対応した判定演出が行われる。このとき、当否判定権は、原則として、発生順に用いられる。図1に示すように、当否判定権が保留されると、その判定結果の報知待ちの当否判定権(以下、適宜、「保留権利」という。)に対応した保留表示体13Hが表示画面13Gに表示される(図1の例では、保留権利が3つ存在する場合が示されている。)。
本実施形態の遊技機10では、大当り遊技の終了後に、回数限定の確変遊技、所謂、スペシャルタイム(以下、「ST」という。)が実行されるようになっている。具体的には、STでは、特別図柄当否判定が当りとなる確率が通常遊技状態のときよりも高くなる確変遊技状態になると共に、普通図柄当否判定が当りとなる確率も高くなる時短状態にもなる。STは、大当り遊技が終了後、連続して外れの当否判定が行われたときの連続外れ回数が、予め設定された規定上限回数(例えば、100回)に到達するまで継続する。そして、連続外れ回数が規定上限回数に到達した後は、STが終了して「通常(非確変)遊技状態」へと移行する。なお、本実施形態では、STの上限回数よりも時短遊技の上限回数の方が大きい値に設定されていて、STが終了したときに、時短状態のみが継続するように構成されている。
また、本実施形態の遊技機10では、ST中又は時短中において、表示画面13Gに、当否判定権の発生とは無関係な特定の演出(以下、「ST時短演出」という。)が表示される。図9(A)〜図9(C)に示すように、ST時短演出では、表示画面13Gの全体に、例えば、サッカーの試合の様子が表示され、遊技の主人公が属するチームが得点すれば、大当りとなる。なお、ST時短演出が行われている間、特別図柄13A〜13Cは、表示画面13Gの隅部に縮小表示される。
ST時短演出において表示画面13Gに表示される演出の場面、即ち、演出シーン80(図9参照。本実施形態の例では、サッカーの試合のシーンとなっている。)には、複数種類が設けられている。具体的には、図2に示すように、演出シーン80には、演出シーンA−1〜D−4の16種類が設けられている。これら複数の演出シーンA−1〜D−4は、演出シーンA−1、演出シーンA−2、・・・、演出シーンD−4の順番(図2の右欄の順番)に表示されると、一連のストーリーを形成するように構成されている。以下、図2の右欄に示した順番を「ストーリー順」と呼ぶことにする。なお、ストーリー順は、本発明の「予め設定された順番」に相当する。
また、複数の演出シーンA−1〜D−4は、ストーリー順が連続する複数の演出シーン80(例えば、演出シーンA−1〜A−4)を一括りにしたステージA〜D(本発明の「演出シーン群」に相当する。)に区分けされる。なお、本実施形態では、各ステージに含まれる複数の演出シーン80の間では、演出要素(例えば、サッカーの試合における対戦相手)が共通し、ステージ間では、その演出要素が異なっている。
ST時短演出における演出シーン80は、予め設定された演出シーン切替条件が成立したときに切り替えられる。演出シーン80の切替態様には、既定順切替モードとランダム切替モードの2種類が設けられている。既定順切替モードでは、演出シーン80がストーリー順に切り替えられる。また、ランダム切替モードでは、演出シーン80がランダムに切り替えられる。以下、既定順切替モードとランダム切替モードにおける演出シーン80の切替について詳説する。
まず、既定順切替モードにおける演出シーン80の切替について説明する。図3(A)→図3(B)→図3(E)→図3(F)の流れ及び図4(A)→図4(B)→図4(E)→図4(F)の流れに示すように、既定順切替モードでは、大当りを契機にして演出シーン80が切り替えられる。ここで、本実施形態の遊技機10では、ST中又は時短中においては、必ず、SPリーチ演出を経由して大当りとなる(図3(B)→図3(E)の流れ及び図4(B)→図4(E)の流れを参照)。従って、既定順切替モードでは、SPリーチ演出が行われて、大当りとなったときに、演出シーン80が切り替えられることになる。一方、図3(A)→図3(B)→図3(C)→図3(D)の流れ及び図4(A)→図4(B)→図4(C)→図4(D)の流れに示すように、SPリーチ演出が行われても、当否判定結果が外れである場合には、演出シーン80は切り替えられない。なお、遊技機10においては、SPリーチ演出は、サッカーの試合で遊技の主人公が属するチームが得点するか否かによって、大当りとなるか否かを報知する内容となっている。
既定順切替モードでは、演出シーン80がストーリー順に切り替えられる。なお、図3の例では、図3(A)から図3(F)への変化に示すように、ストーリー順が1番目の演出シーンA−1からストーリー順が2番目の演出シーンA−2へと切り替わり、図4の例では、図4(A)から図4(F)への変化に示すように、ストーリー順が8番目の演出シーンB−4からストーリー順が9番目の演出シーンC−1へと切り替わっている。
次に、ランダム切替シーンにおける演出シーン80の切替について説明する。図5(A)→図5(B)→図5(C)→図5(D)の流れ及び図5(A)→図5(B)→図5(E)→図5(F)の流れに示すように、ランダム切替モードでは、SPリーチ演出を契機にして演出シーン80が切り替えられる。ここで、ランダム切替モードにおける演出シーン80の切替には、SPリーチ演出における判定結果の当り外れは関係しない。従って、ランダム切替モードでは、上述した既定順切替モードよりも、演出シーン80が切り替えられる頻度が高くなっている。
ランダム切替モードでは、演出シーン80がストーリー順とは無関係にランダムに切り替えられる。詳細には、ランダム切替モードでは、上述したステージA〜D(図2参照)の中から一のステージが選択されていて、その選択されたステージに含まれる複数の演出シーンの中で演出シーン80がランダムに切り替える。図5には、ステージAが選択されている例が示されていて、図6には、ステージBが選択されている例が示されている。なお、図6(A)から図6(F)への変化に示すように、ランダム切替モードでは、演出シーン80の切替が行われても、それまで表示されていた演出シーン80(図6(A)の演出シーンB−4)と同じ演出シーン80(図6(F)の演出シーンB−4)が表示されることがある。
なお、本実施形態の遊技機10では、ランダム切替モードには、予め設定されたモード移行条件が成立したときにのみ移行可能となっている。モード移行条件の1つは、既定順切替モードで全ての演出シーン80が表示され、最後の演出シーン80が表示されているときに大当りとなることである。このモード移行条件によれば、ランダム切替モードにおいて、演出シーン80の順番がバラバラになった場合であっても、全ての演出シーン80が既に表示されているので、ランダム切替モードで表示された演出シーン80の一連のストーリーにおける意味を遊技者に認識させることが可能となる。
また、別のモード移行条件は、遊技の進行に応じて発生する特定期間中に大当りとなることである。特定期間は、リアルタイムクロックにより管理されていて、例えば、毎時30分〜35分の間の5分間に設定されている。この別のモード移行条件によれば、既定順切替モードでは未表示の演出シーン80を、ランダム切替モードで表示させることが可能となる。
図7及び図8のタイムチャートに示すように、本実施形態の遊技機10では、表示画面13Gに表示中の演出シーン80に対応する演出シーン字幕81が表示されると共に、その演出シーン字幕81に対応する字幕音声82が出力される。具体的には、演出シーン字幕81は、サッカーの試合を実況する内容となっていて、表示画面13Gの下部の帯状領域R2(図9参照)にスクロール表示される。また、字幕音声82は、演出シーン字幕81を読み上げたものとなっている。ここで、演出シーン字幕81は、特別図柄13A〜13Cがスクロールする縦方向と直交する横方向にスクロールするので、演出シーン字幕81のスクロールを遊技者に認識させ易くすることが可能となっている。
図2のテーブルに示すように、演出シーン字幕81としては、各演出シーンA−1〜D−4に対応する演出シーン字幕A’−1〜D’−4の複数種類が設けられ、字幕音声82としては、演出シーン字幕A’−1〜D’−4に対応する字幕音声a−1〜d−4が設けられている。なお、図7には、既定順切替モードにおける演出シーン80の切替と、その切替に伴う演出シーン字幕81及び字幕音声82の切替が示されていて、図8には、ランダム切替モードにおける演出シーン80の切替と、その切替に伴う演出シーン字幕81及び字幕音声82の切替が示されている。
図9〜図11に示すように、演出シーン字幕81には、通常字幕81Aと、先読字幕81Bの2種類が設けられている。通常字幕81Aは、遊技の当り外れ、即ち、当否判定結果とは無関係な内容となっている一方、先読字幕81Bは、大当りの可能性を示唆する内容となっている。具体的には、通常字幕81Aは、試合に大きな変化が見られないことを示唆する内容となっていて、先読字幕81Bは、遊技の主人公が属するチームに得点のチャンスが訪れたことを示唆する内容となっている。
図9(A)〜図9(C)の流れに示すように、通常字幕81Aは、当否判定権の発生に起因して行われる特別図柄13A〜13Cを用いた判定演出(図柄変動演出)とは無関係に、一方向(図9(A)の左側へ向かう方向)に一定の速度でスクロール表示される。一方、先読字幕81Bは、図10(A)から図10(B)への変化に示すように、当否判定権の発生(即ち、第2の始動入賞口14Bへの入賞)に起因して、通常字幕81Aに代わってスクロール表示される。別の見方をすれば、当否判定権の発生に起因して、帯状領域R2に表示されている通常字幕81Aの全体が、先読字幕81Bに差し替えられる。なお、図12には、通常字幕81Aと先読字幕81Bのタイムチャートが示されている。
ここで、本実施形態の遊技機10では、先読字幕81Bへの差し替えは、上述したSPリーチ演出が実行される当否判定権が保留記憶されるタイミング、即ち、SPリーチ演出が実行される保留権利(以下、適宜、「SPリーチ保留」という。)が発生するタイミングで行われ、先読字幕81Bは、図10(B)→図11(A)→図11(B)の流れに示すように、そのSPリーチ演出(図11(B)参照)が開始されるまで表示される。このように、本実施形態の遊技機10では、通常字幕81Aが先読字幕81Bに差し替えられると、SPリーチ演出が実行されるので、先読字幕81Bによって、大当りに対する期待を遊技者に抱かせることが可能となる。
また、本実施形態では、先読字幕81Bは、通常字幕81Aとは異なる態様で表示され、これにより、先読字幕81Bが表示されたことを遊技者に気付かせ易くすることが可能となっている。具体的には、通常字幕81Aは、白文字で表示され、先読字幕81Bは、白以外の色、例えば、青色や赤色や金色で表示される(図10(B)及び図11(A)の例では、先読字幕81Bと通常字幕81Aの表示態様の相違が、字体(フォント)の相違により表現されている。)。なお、先読字幕81Bのスクロール速度は、通常字幕81Aのスクロール速度と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、上述したように、本実施形態では、演出シーン字幕81のスクロール表示に伴って、演出シーン字幕81に対応した字幕音声82が出力される。字幕音声82には、通常字幕81Aに対応する通常字幕音声82Aと、先読字幕81Bに対応する先読字幕音声82Bと、が設けられていて、各字幕81A,81Bが表示されるタイミングで、各字幕音声82A,82Bが出力される(図12参照)。
次に、図13を参照しつつ、本実施形態の遊技機10の電気的な構成について説明する。同図に示すように、符号50は、主制御回路50であって、CPU51AとRAM51B及びROM51C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御回路52を結ぶ入出力回路と、大入賞口15等が接続された中継回路及び払出制御回路等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定に関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御回路52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51Bは、特別図柄用保留球数の記憶領域、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、制御データ、変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、特別図柄当否判定及び普通図柄当否判定の判定値等が書き込まれている。
サブ制御回路52は、主制御回路50と同様に、CPU52AとRAM52B、ROM52C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと主制御回路50を結ぶ入出力回路と、表示制御回路70及びランプ制御回路等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御回路70及び音声制御回路55等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、後述するサブ制御回路メインプログラムPG1(図14参照)、特別図柄13A〜13C(図1参照)の変動パターンテーブル、演出シーン80、演出シーン字幕81及び字幕音声82のデータテーブル(図2参照)等が記憶されている。
表示制御回路70は、サブ制御回路52からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画面13Gで表示する表示画像(特別図柄13A,13B,13C、演出シーン80、演出シーン字幕81、背景画像、キャラクター画像、文字画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面13Gに出力される。
音声制御回路55は、サブ制御回路52から出力される制御信号に基づき、スピーカ25S,25Sから発生されるBGMや演出時の音声の選択を行い、音声を制御する。なお、字幕音声82(通常字幕音声82Aと先読字幕音声82B)の音声データテーブル等は、サブ制御回路52のROM52Cに記憶されている。
上記した本実施形態の遊技機10の動作を実現するため、主制御回路50、サブ制御回路52等は、各種プログラムを実行して、情報を処理している。以下では、特に、本発明に関係するプログラムとして、サブ制御回路52が実行するサブ制御回路メインプログラムPG1について説明する。
サブ制御回路52に備えられたCPU52Aは、図14に示したサブ制御回路メインプログラムPG1を、ROM52Cから読み出し実行する。このサブ制御回路メインプログラムPG1では、まずCPU52Aの初期化処理(S21)が行われる。ここでは、CPU52Aの設定や、SIO、PIO及びCTC(割込み時間用コントローラ)等の設定、並びに各種フラグ及びカウンタ値のリセット等が行われる。次に、ステップS22にて、電源断によりRAM52Bにバックアップされたデータが正常か否かを判断する。正常であれば(S22でYes)、ステップS24へ進み、RAM52Bの内容が正常でなければ(S22でNo)、RAM52Bを初期化し、各種フラグ及びカウンタ値がリセットされ(S23)、ステップS24へ進む。なお、これらステップS21〜S23は、サブ制御回路メインプログラムPG1が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS21〜S23によって初期設定が終了すると、割込みが禁止され(S24)、乱数シード更新処理(S25)が実行される。この処理(S25)では、表示画面13Gで行われる演出を、複数の演出候補の中から選択する際に必要な乱数値が更新される。ステップS25が終了すると、割込み許可(S26)を行う。そして、これら処理(S24〜S26)を無限ループで繰り返す。
サブ制御回路メインプログラムPG1では、上述したステップS24〜S26の無限ループに対して、受信割込み処理(S27)、1msタイマ割込み処理(S28)、10msタイマ割込み処理(S29)が割り込んで実行される。サブ制御回路52が主制御回路50からストローブ信号を受けると、他の割込み処理(S28,S29)に優先して受信割込み処理(S27)が実行される。また、1msタイマ割込み処理(S28)は、10msタイマ割込み処理(S29)より優先して実行され、10msタイマ割込み処理(S29)は、1msタイマ割込み処理(S28)間の残余時間に割り込んで実行される。
受信割込み処理(S27)では、図15に示すように、まず、ストローブ信号をチェックする(S271)。ストローブ信号がオンであれば(S271でYes)、主制御回路50からサブ制御回路52に送られた制御信号(変動態様や当否判定に関するデータ、コマンド等)を取り込んでRAM52Bに格納し(S272)、この受信割込み処理(S27)を終了する。ストローブ信号がオンでなければ(S271でNo)、この受信割込み処理(S27)を終了する。
1msタイマ割込み処理(S28)は、サブ制御回路52に1msec周期の割込みパルスが入力される度に実行される。図16に示すように、1msタイマ割込み処理(S28)では、入力処理(S281)、ランプデータ出力処理(S282)、駆動処理(S283)、3D変換IC処理(S284)、ウォッチドックタイマ処理(S285)が実行される。入力処理(S281)では、スイッチ状態に基づく処理を実行するためのスイッチデータをRAM52Bに入力する。スイッチデータは10msタイマ割込み処理(S29)で作成される。ランプデータ出力処理(S282)では、10msタイマ割り込み処理(S29)で作成したランプデータの出力を行う。駆動処理(S283)では、駆動役物を駆動するためのデータの作成、出力等を行う。3D変換IC処理(S284)では、3D表示用の画像データの作成、出力等を行う。ウォッチドックタイマ処理(S285)では、ウォッチドッグタイマをリセットする。
10msタイマ割込み処理(S29)は、サブ制御回路52に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行される。この10msタイマ割込み処理(S29)では、上記の受信割込み処理(S27)で主制御回路50から受信したコマンドの解析処理及び動作設定を行う。具体的には、図17に示すように、10msタイマ割込み処理(S29)では、メインコマンド解析処理(S40)、その他の処理(S41)、ウォッチドッグタイマカウンタ初期化処理(S42)が順に行われる。
図18に示すように、メインコマンド解析処理(40)では、まず、主制御回路50から受信したコマンドが特別図柄13A〜13C(図1参照)の変動に関するコマンドであるか否かを判断する(S51)。受信したコマンドが変動に関するコマンドである場合(S51でYes)、ナレーション制御処理(S52)を実行してから、本発明に深く関係しないその他の処理(S53)を行い、このメインコマンド解析処理(S40)を終了する。
図19に示すように、ナレーション制御処理(S52)では、まず、先読カウンタが0でないか否かを判断する(S521)。先読カウンタは、後述する特図2先読み処理(S61)において設定される。具体的には、先読カウンタは、SPリーチ保留の発生に起因して先読字幕81B(図10(B)参照)を表示させるときに保留記憶されている保留権利の数(保留表示体13Hの数)に設定され、SPリーチ保留が消化されるまで保留権利の消化に伴って1つずつ減っていく。
ステップS521において先読カウンタが0でない、即ち、先読字幕81Bが表示中であると判断された場合(S521でYes)、先読カウンタを1減算し(S522)、減算後の先読カウンタが0であるか否かを判断する(S523)。減算後の先読カウンタが0である、即ち、次の変動で先読字幕81Bが表示されなくなる場合(S523でYes)には、ランダム切替モードが設定されているか否かを判断する(S524)。一方、減算後の先読カウンタが0でない、即ち、次の変動でも先読字幕81B(図10(B)参照)が表示される場合(S523でNo)には、このナレーション制御処理(S52)を終了する。
ステップS524においてランダム切替モードが設定されていないと判断された場合(S524でNo)には、このナレーション制御処理(S52)を終了する。一方、ステップS524においてランダム切替モードが設定されていると判断された場合(S524でYes)には、先読字幕81Bの表示によって予告されているSPリーチ演出の終了後に表示させる演出シーン80を、ランダム切替モードにおいて選択されているステージ(ステージA〜Dのうち何れかのステージ)に含まれる複数の演出シーン80から抽選・設定し(S525)、このナレーション制御処理(S52)を終了する。なお、ステップS525で設定された演出シーン80は、図18に示したメインコマンド解析処理(S40)におけるその他の処理(S53)においてSPリーチ演出が実行された後、表示画面13Gに表示される。
ステップS521において先読カウンタが0である、即ち、先読字幕81B(図10(B)参照)が表示されていないと判断された場合(S521でNo)には、ランダム切替モードが設定されているか否かを判断する(S526)。ランダム切替モードが設定されていない、即ち、既定順切替モードに設定されている場合(S526でNo)には、既定順切替モードにおいて現在設定されている演出シーン80に対応した演出シーン字幕81と字幕音声82(図19には、「ナレーション」と表記されている。)の出力を行い(S530)、このナレーション制御処理(S52)を終了する。一方、ランダム切替モードが設定されている場合(S526でYes)には、ランダム切替モードにおいて現在設定されている演出シーン80に対応した演出シーン字幕81と字幕音声82の出力を行う(S527)。
ステップS527で演出シーン字幕81と字幕音声82の出力を行うと、次いで、現在実行中の変動が、演出シーン80の切替契機となる変動(例えば、SPリーチ演出が行われる変動。図19には、「ナレーションが消える変動」と表記されている。)か否かを判断する(S528)。現在実行中の変動が演出シーン80の切替契機となる変動でない場合(S528でNo)、ナレーション制御処理(S52)を終了する。一方、現在実行中の変動が演出シーン80の切替契機となる変動である場合(S528でYes)には、その切替契機となる変動の終了後に表示させる演出シーン80を、ランダム切替モードにおいて選択されているステージに含まれる複数の演出シーン80の中から抽選・設定し(S529)、このナレーション制御処理(S52)を終了する。
図18に示すように、メインコマンド解析処理(S40)のステップ51において、主制御回路50から受信したコマンドが変動に関するコマンドではないと判断された場合(S51でNo)には、受信したコマンドが大当り遊技のオープニングに関するコマンドであるか否かを判断する(S54)。受信したコマンドが大当り遊技のオープニングに関するコマンドである場合(S54でYes)、オープニング処理(S55)を実行してから、本発明に深く関係しないその他の処理(S53)を行い、このメインコマンド解析処理(S40)を終了する。
図20に示すように、オープニング処理(S55)では、まず、受信したコマンドに係る大当り遊技が初当りである(即ち、ST中又は時短中の大当りでない)か否かを判断する(S551)。初当りである場合(S551でYes)、ランダム切替モードへのモード移行条件が成立しているか否かを判断する(S552)。モード移行条件が成立している場合(S552でYes)、ランダム切替モードの選択許可をオンし(S553)、その他の処理(S554)を行って、このオープニング処理(S55)を終了する。一方、モード移行条件が成立していない場合(S552でNo)には、その他の処理(S554)を行って、このオープニング処理(S55)を終了する。
ステップS551において、受信したコマンドに係る大当り遊技が初当りでないと判断された場合(S551でNo)には、ランダム切替モードがオフに設定されているか否かを判断する(S555)。ランダム切替モードがオフに設定されていない、即ち、ランダム切替モードが設定されている場合(S555でNo)には、その他の処理(S554)を行って、このオープニング処理(S55)を終了する。一方、ランダム切替モードがオフに設定されている、即ち、既定順切替モードに設定されている場合(S555でYes)には、現在設定中の演出シーン80が16番目の演出シーン80(ストーリー順が最後の演出シーンD−4)であるか否かを判断する(S556)。
ステップS556において、現在設定中の演出シーン80が16番目の演出シーン80であると判断された場合(S556でYes)には、ランダム切替モードをオンに設定し(S557)、その他の処理(S554)を行って、このオープニング処理(S55)を終了する。一方、現在演出シーンが16番目の演出シーン80でない場合(S556でNo)には、その他の処理(S554)を行って、このオープニング処理(S55)を終了する。なお、ステップS556〜S557の処理から明らかなように、既定順切替モードで全ての演出シーン80が表示されると、自動的にランダム切替モードへと移行する。
図18に示すように、メインコマンド解析処理(S40)のステップS54において、受信したコマンドが大当り遊技のオープニングに関するコマンドでないと判断された場合(S54でNo)には、受信したコマンドが大当り遊技のエンディングに関するコマンドであるか否かを判断する(S56)。受信したコマンドが大当り遊技のエンディングに関するコマンドであった場合、エンディング処理(S57)を実行してから、本発明に深く関係しないその他の処理(S53)を行い、このメインコマンド解析処理(S40)を終了する。
図21に示すように、エンディング処理(S57)では、まず、このコマンドに係る大当り遊技が初当りである(即ち、ST中又は時短中の大当りでない)か否かを判断する(S571)。初当りである場合(S571でYes)には、ランダム切替モードの選択許可がオンになっているか否かを判断する(S572)。ランダム切替モードの選択許可がオンになっている場合(S572でYes)には、ランダム切替モードでの遊技が選択されているか否かを判断する(S573)。ランダム切替モードでの遊技が選択されている場合(S573でYes)、ランダム切替モードがオンに設定され(S574)、その他の処理(S575)を行って、このエンディング処理(S57)を終了する。
ステップS572において、ランダム切替モードの選択許可がオンでない、即ち、ランダム切替モードの選択が禁止されていると判断された場合(S572でNo)、又は、ステップS573において、ランダム切替モードでの遊技が選択されていないと判断された場合(S573でNo)には、ランダム切替モードがオフに設定(即ち、既定順切替モードとなる。)され(S576)、現在設定されている演出シーン80が1番目の演出シーン80(演出シーンA−1)であるか否かが判断される(S577)。
現在設定されている演出シーンが1番目の演出シーンである場合(S577でNo)には、大当り遊技終了後のST時短演出で表示させる演出シーン80として1番目の演出シーン80が設定され(S579)、その他の処理(S575)を行って、このエンディング処理(S57)を終了する。現在設定されている演出シーン80が1番目の演出シーン80でない、即ち、2番目以降の演出シーン80が設定されている場合(S577でYes)には、前回のST時短演出での演出シーン80のつづきから遊技する(つまり、前回のST時短演出と同じ演出シーン80から遊技することになる。)ことが選択されているか否かを判断する(S578)。つづきから遊技することが選択されている場合(S578でYes)には、その他の処理(S575)を行って、このエンディング処理(S57)を終了する。一方、つづきから遊技することが選択されていない場合(S578でNo)には、大当り遊技終了後のST時短演出で表示させる演出シーン80として1番目の演出シーン80が設定され(S579)、その他の処理(S575)を行って、このエンディング処理(S57)を終了する。
図21に示すように、ステップS571において、このコマンドに係る大当り遊技が初当りでない(即ち、ST中又は時短中の大当りである)と判断された場合(S571でNo)には、ランダム切替モードがオフに設定されているか否かを判断する(S580)。ランダム切替モードがオフに設定されている、即ち、既定順切替モードに設定されている場合(S580でYes)には、大当り終了後のST時短演出で表示させる演出シーン80として、現在設定されている演出シーン80よりストーリー順が1つ後の演出シーン80を設定し(S581)、その他の処理(S575)を行って、このエンディング処理(S57)を終了する。一方、ランダム切替モードがオフに設定されてない、即ち、ランダム切替モードに設定されている場合(S580でNo)には、その他の処理(S575)を行って、このエンディング処理(S57)を終了する。なお、後者の場合(S580でNo)における大当り遊技終了後の演出シーン80は、後述するステータスコマンド処理(S59)で設定される。
図18に示すように、メインコマンド解析処理(S40)のステップS56において、受信したコマンドが大当り遊技のエンディングに関するコマンドでないと判断された場合(S56でNo)には、受信したコマンドが遊技のステータスに関するコマンドであるか否かを判断する(S58)。受信したコマンドが遊技のステータスに関するコマンドであった場合(S58でYes)、ステータスコマンド処理(S59)を実行してから、本発明に深く関係しないその他の処理(S53)を行い、このメインコマンド解析処理(S40)を終了する。
図22に示すように、ステータスコマンド処理(S59)では、まず、遊技がST中又は時短中であるか否かを判断する(S591)。遊技がST中でも時短中でもない場合(S591でNo)には、ランダム切替モードをオフに設定し(S594)、このステータスコマンド処理(S59)を終了する。一方、遊技がST中又は時短中である場合(S591でYes)には、ランダム切替モードがオンに設定されているか否かを判断する(S592)。ランダム切替モードがオンに設定されていない、即ち、既定順切替モードに設定されている場合(S592でNo)には、このステータスコマンド処理(S59)を終了する。ランダム切替モードがオンに設定されている場合(S592でYes)には、表示画面13Gに表示させる演出シーン80を、ランダム切替モードにおいて選択されているステージに含まれる複数の演出シーン80の中から抽選・設定し(S593)、このステータスコマンド処理(S59)を終了する。
図18に示すように、メインコマンド解析処理(S40)のステップS58において、受信したコマンドがステータスに関するコマンドでなかった場合(S58でNo)、受信したコマンドが第2の始動入賞口14B(図1参照)への入賞に関するコマンド(以下、適宜、「特図2入賞コマンド」という。)であるか否かを判断する(S60)。受信したコマンドが特図2入賞コマンドでなかった場合(S60でNo)、本発明に深く関係しないその他の処理(S53)を行い、このメインコマンド解析処理(S40)を終了する。受信したコマンドが特図2入賞コマンドであった場合(S60でYes)、特図2先読みコマンド処理(S61)を実行してから、本発明に深く関係しないその他の処理(S53)を行い、このメインコマンド解析処理(S40)を終了する。
図23に示すように、特図2先読み処理(S61)では、まず、遊技がST中又は時短中であるか否かを判断する(S611)。遊技がST中でも時短中でもない場合(S611でNo)、この特図2先読み処理(S61)を終了する。遊技がST中又は時短中である場合(S611でYes)には、先読カウンタが0であるか否か(即ち、先読字幕81B(図10(B)参照)を表示中であるか否か)を判断する(S612)。先読カウンタが0でない場合(S612でNo)、この特図2先読み処理(S61)を終了する。一方、先読カウンタが0である場合(S612でYes)には、先読字幕81B及び先読字幕音声82Bの出力(以下、適宜、「先読みナレーションの実施」という。)について抽選し、その抽選に基づいて、先読ナレーションの実施の可否を判断する(S613)。
先読みナレーションを実施する場合(S613でYes)、保留権利の数に先読カウンタを設定し(S614)、設定された先読カウンタに対応する先読みナレーション(先読字幕81B及び先読字幕音声82B)を設定する(S615)。そして、ステップS615で設定された先読みナレーションを実施(先読字幕81B及び先読字幕音声82Bを出力)して(S616)、この特図2先読み処理(S61)を終了する。一方、先読みナレーションを実施しない場合(S613でNo)には、この特図2先読み処理(S61)を終了する。
以上が、サブ制御回路52が実行するサブ制御回路メインプログラムPG1の説明である。なお、本実施形態では、サブ制御回路52と表示制御回路70とが本発明の「演出シーン表示手段」、「演出シーン記憶手段」及び「演出シーン切替手段」に相当し、SPリーチ演出が本発明の「特定演出」に相当し、サブ制御回路52と音声制御回路55とが、本発明の「演出シーン音声記憶手段」及び「演出シーン音声出力手段」に相当し、字幕音声82が本発明の「演出シーン音声」に相当する。また、SPリーチ演出でシュートを決めることが、本発明の「演出シーンにおいて定められた最終目標」に相当し、特定期間内に大当りとなることが本発明の「特定のミッションを達成した」ことに相当する。
次に、本実施形態の遊技機10の作用効果について説明する。本実施形態の遊技機10では、ST中又は時短中に表示画面13Gに表示されるST時短演出の演出シーン80として、予め設定された順番に表示されたときに一連のストーリーを形成するように構成された複数種類の演出シーン80が設けられていて、演出シーン80は、SPリーチ演出の実行を起因にして、切り替えられる。ここで、本実施形態の遊技機10では、演出シーン80の切替態様として、予め設定された順番に演出シーン80を切り替える既定順切替モードと、複数種類の演出シーン80の中からランダムに選択された演出シーン80に切り替えるランダム切替モードと、が設けられていて、ランダム切替モードにおいては、既定順切替モードよりも、順番が比較的後ろの演出シーン80を表示させ易くすることが可能となる。これにより、演出シーン80の切替態様として既定順切替モードのみを備えた従来の遊技機と比較して、表示される演出シーン80の偏りを抑えることが可能となり、演出シーン80の趣向性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態は、何れの切替モードにおいても、SPリーチ演出が実行されてから演出シーン80が切り替わるので、SPリーチ演出の実行が演出シーン切替の節目である印象を遊技者に与えることが可能となる。しかも、本実施形態においては、既定順切替モードが設定されている場合には、SPリーチ演出で主人公のチームが得点したときに、次の演出シーン80に切り替わるので、複数種類の演出シーン80によるストーリー性を高めることが可能となる。また、ランダム切替モードが選択されている場合には、SPリーチ演出で主人公のチームが得点したか否かに関係なく、演出シーン80が切り替わるので、既定順切替モードと比較して、演出シーン80を切り替える頻度を多くして、より多くの演出シーン80を表示させることが可能となる。さらに、ランダム切替モードでは、選択されたステージに含まれる複数の演出シーン80の中で演出シーン80を切り替えるので、所望の演出シーン80を表示させ易くすることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、演出シーン80の切り替え前に行われるSPリーチ演出で、演出シーン80に対応する字幕音声82の出力が中止される(図7及び図8参照)ので、演出シーン80が切り替わるタイミングで、演出シーン80と字幕音声82が一致しなくなるという不具合を防ぐことが可能となる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用した例を示したが、スロットマシンやアレンジボール等に適用してもよい。
(2)上記実施形態では、ST中又は時短中に表示される演出シーン80に本発明を適用したが、大当り遊技中若しくは確変遊技中に表示される演出シーン又はAT中若しくはART中に表示される演出シーンに本発明を適用してもよい。
(3)上記実施形態では、ランダム切替モードにおける演出シーン80の切替条件は、SPリーチ演出が実行されることであったが、単なるリーチ演出やリーチ以外(即ち、リーチ外れ)の予め設定された演出であってもよい。このような演出であっても、演出シーン80の切替の節目となる演出であるという印象を遊技者に付与することが可能となる。
(4)上記実施形態では、演出シーン字幕81及び字幕音声82の出力が停止される演出がSPリーチ演出であったが、単なるリーチ演出やリーチ以外(即ち、リーチ外れ)の予め設定された演出であってもよい。このような構成であっても、演出シーン80と字幕音声82が一致しなくなるという不具合を防ぐことが可能となる。
(5)上記実施形態は、ランダム切替モードへの移行条件として、[A]既定順切替モードで全ての演出シーン80が表示されることと、[B]特定期間中に大当りになることの2種類が設けられた構成であったが、何れか一方のみが設けられた構成であってもよい。
なお、上記実施形態及び他の実施形態(1)〜(5)には、以下の[1]〜[7]の構成が含まれている。これらの構成は、「遊技の進行に応じて演出を表示部にて実行可能な遊技機」に関し、「従来、この種の遊技機として、大当りが連続するにつれてストーリー性のある一連の演出シーンを順番に表示していくものが知られている(例えば、特許文献1(特開2015−110164号公報(段落[0394]))参照)。」という背景技術について、「上述した従来の遊技機では、順番が比較的後ろの演出シーンが表示され難いため、演出の趣向性に欠けるという問題があった。」という課題をもってなされ、「表示部で表示される演出の趣向性の向上を図ることが可能な遊技機の提供」を目的としてなされたものと考えることができる。
[1]
遊技の進行に応じてランダムに発生する当否判定権に起因して遊技の当り外れを判定し、前記当否判定権の発生からその当否判定権に起因した判定結果が報知されるまでの当否判定遊技を複数回実行可能な遊技機であって、
遊技に関する演出を表示可能な表示部と、
複数の前記当否判定遊技に亘って前記表示部に共通の演出シーンを表示可能な演出シーン表示手段と、
複数種類の前記演出シーンを記憶する演出シーン記憶手段と、
前記当否判定遊技において予め設定された演出シーン切替条件が成立したことを起因にして、その次の前記当否判定遊技から前記表示部に表示される前記演出シーンを切り替え可能な演出シーン切替手段と、を備え、
複数種類の前記演出シーンは、予め設定された順番に表示されたときに、一連のストーリーを形成するように構成され、
前記演出シーン切替手段による前記演出シーンの切替態様として、前記予め設定された順番に前記演出シーンを切り替える既定順切替モードと、複数種類の前記演出シーンの中からランダムに選択された前記演出シーンに切り替えるランダム切替モードと、が設けられたことを特徴とする遊技機。
[1]の構成では、複数の当否判定遊技に亘って表示部に表示される共通の演出シーンとして、予め設定された順番に表示されたときに一連のストーリーを形成するように構成された複数種類の演出シーンが設けられ、演出シーンは、予め設定された演出シーン切替条件が成立したことを起因にして、切り替えられる。ここで、構成では、演出シーンの切替態様として、予め設定された順番に演出シーンを切り替える既定順切替モードと、複数種類の演出シーンの中からランダムに選択された演出シーンに切り替えるランダム切替モードと、が設けられていて、ランダム切替モードにおいては、既定順切替モードよりも、順番が比較的後ろの演出シーンを表示させ易くすることが可能となる。これにより、演出シーンの切替態様として既定順切替モードのみを備えた従来の遊技機と比較して、表示される演出シーンの偏りを抑えることが可能となり、演出シーンの趣向性を向上させることが可能となる。
[2]
前記当否判定遊技において各前記演出シーンごとに設定された特定演出を前記表示部で実行可能な特定演出実行手段を備え、
前記演出シーン切替条件には、表示中の前記演出シーンに設定された前記特定演出が実行されたことが含まれ、
前記演出シーン切替手段は、前記特定演出が実行された前記当否判定遊技の次の前記当否判定遊技から前記演出シーンを切り替えることを特徴とする[1]に記載の遊技機。
[2]の構成では、何れの切替モードにおいても、特定演出が実行されてから演出シーンが切り替わるので、特定演出の実行が演出シーン切替の節目である印象を遊技者に与えることが可能となる。
[3]
前記特定演出は、前記演出シーンにおいて定められた最終目標が達成されるか否かを表示することで前記当否判定遊技における前記判定結果を報知するように構成され、
前記演出シーン切替手段は、前記演出シーンの切替態様が前記既定順切替モードに設定されている場合には、前記特定演出で前記最終目標が達成されたときに前記演出シーンを切り替え、前記演出シーンの切替態様としてランダム切替モードが設定されている場合には、前記特定演出で前記最終目標が達成されたか否かに関係なく前記演出シーンを切り替えることを特徴とする[2]に記載の遊技機。
[3]の構成では、既定順切替モードが設定されている場合には、特定演出で演出シーンにおいて定められた最終目標が達成されたときに、次の演出シーンに切り替わるので、複数種類の演出シーンによるストーリー性を高めることが可能となる。また、ランダム切替モードが選択されている場合には、特定演出で最終目標が達成されたか否かに関係なく、演出シーンが切り替わるので、既定順切替モードと比較して、演出シーンを切り替える頻度を多くして、より多くの演出シーンを表示させることが可能となる。
[4]
各前記演出シーンに対応する音声である演出シーン音声を記憶する演出シーン音声記憶手段と、
表示中の前記演出シーンに対応する前記演出シーン音声を出力可能な演出シーン音声出力手段と、を備え、
前記演出シーン音声出力手段は、前記特定演出が表示されている間、前記演出シーン音声の出力を中止することを特徴とする[2]又は[3]に記載の遊技機。
[4]の構成によれば、演出シーンの切り替え前に行われる特定演出で、演出シーンに対応する演出シーン音声の出力が中止されるので、演出シーンが切り替わるタイミングで、演出シーンと音声が一致しなくなるという不具合を防ぐことが可能となる。
[5]
前記ランダム切替モードには、遊技の進行に応じて発生する特定期間内に特定のミッションを達成したときに移行可能となることを特徴とする[1]乃至[4]のうち何れか1に記載の遊技機。
[5]の構成では、ランダム切替モードへの移行は、遊技の進行に応じて発生する特定期間内に特定のミッションを達成したときに可能となる。構成によれば、既定順切替モードでは未表示の演出シーンを、ランダム切替モードで表示させることが可能となる。
[6]
前記ランダム切替モードには、前記既定順切替モードで全ての前記演出シーンが表示されたときに移行可能となることを特徴とする[1]乃至[5]のうち何れか1に記載の遊技機。
[6]の構成では、ランダム切替モードへの移行は、既定順切替モードで全ての演出シーンが表示されたときに可能となる。構成によれば、ランダム切替モードにおいて、演出シーンの順番がバラバラになった場合であっても、全ての演出シーンが既に表示されているので、ランダム切替モードで表示された演出シーンの一連のストーリーにおける意味を遊技者に認識させることが可能となる。
[7]
複数種類の前記演出シーンは、前記予め設定された順番が連続する複数の前記演出シーンを一括りにした複数の演出シーン群に区分けされると共に、
前記演出シーンの切替態様が前記ランダム切替モードに設定されているときに、前記複数の演出シーン群のうち一の演出シーン群を選択する演出シーン群選択手段を有し、
前記演出シーン切替手段は、前記ランダム切替モードに設定されているときには、前記演出シーン群選択手段により選択された前記一の演出シーン群の中で前記演出シーンを切り替えることを特徴とする[1]乃至[6]のうち何れか1に記載の遊技機。
[7]の構成では、ランダム切替モードに設定されている場合、複数の演出シーン群から選択された一の演出シーン群の中で演出シーンを切り替えるので、複数種類の演出シーンのうち所望の演出シーンを表示させ易くすることが可能となる。