JP2020124212A - ヒト造血幹/前駆細胞のエクスビボ拡大のための組成物および方法 - Google Patents

ヒト造血幹/前駆細胞のエクスビボ拡大のための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】造血幹細胞(HSC)ならびに造血幹および前駆細胞HSPCなどの造血細胞の効率的なエクスビボ拡大につながる方法および組成物を提供する。【解決手段】細胞におけるエピジェネティック状態を標的とする小分子薬物とサイトカイン/成長因子/成長因子との組み合わせを用いる、ヒト臍帯血または末梢動員幹/前駆細胞から単離された細胞を含む細胞の拡大方法。【選択図】図7

Description

政府支援
本発明は、米国国立衛生研究所によって授与されたNIH R01 HL092437の下で政府支援によりなされた。政府は、本発明においてある一定の権利を有する。
発明の分野
造血細胞の効率的なエクスビボ拡大を提供するものとして、および造血移植状況において治療的手法を確立するものとして、再生医学の分野において用途を見出す方法および組成物が本明細書において記載される。
背景
造血幹細胞(HSC)は、自己再生しかつ血中および免疫系内のすべてのタイプの成熟細胞を生じさせる固有の能力を所有する。これらの特質は、HSC移植術の広範な臨床的有用性を提供しているが、HSCの主な供給源(ヒト骨髄、動員後末梢血、および臍帯血)は、ドナー供給量として依然として限定されている。これらの問題は、レシピエントに十分に合致したドナーを探し出す必要性によっていっそう大きくなり、それによって、ドナー材料の適切かつ確実な供給を確保することにおいて、高い複雑性を付加している。さらに、遺伝子変異により生じる疾患に苦しんでいる患者は、自家材料をエクスビボで操作して、是正される遺伝子欠陥の是正後に戻す遺伝子療法技法から大いに恩恵を受けるであろう。様々なタイプの移植カテゴリーにおいて、HSCのエクスビボ拡大および遺伝子操作のための有効な技法を開発することは、既存のドナー基盤の他に容易で再生可能な資源を提供することができ、かつ遺伝子変異によって引き起こされる疾患の治療に対する新しい遺伝子療法技法を確立し得るであろう。
HSC自己再生が内因性および外因性のシグナルの両方によって制御されることは十分に理解されている。インビボでの造血系の自己再生および分化を支持する分子的因子を理解することにおける大きな進歩にもかかわらず、エクスビボでのHSCおよびより原始のヒト造血幹/前駆細胞(HSPC)の自己再生を支配する因子をどのように調節するかについてはあまり分かっていない。加えて、胚性幹細胞(ESC)の場合とは異なり、培養下のHSCおよび/またはHSPCの拡大は、一般的に、「幹細胞性(stemness)」の喪失と引き換えである。新たな調査により、骨髄再増殖(repopulating)潜在能と同時に起こるように見える、CD34およびCD90マーカーを発現する集団などある特定のHSC集団の自己再生および拡大につながるエクスビボ培養条件を確立する可能性が示唆されている。不明なのは、外因性因子を適用して、「幹細胞性」の喪失なしに、HSC集団の拡大をさらに増強することができるかどうかである。そのような細胞が、治療用途において、エクスビボで培養されたHSCの適用に大きな利益をもたらすであろうゲノム改変を受容するかどうかはさらに不明である。ゆえに、再生可能な治療用資源として、移植術のための細胞の利用可能性を増加させる、大量のヒトHSCを生成しかつ拡大させるための方法の必要性が依然として存在する。
エクスビボでの造血幹細胞および前駆細胞の有効な拡大につながる方法および組成物が本明細書において記載される。細胞におけるエピジェネティック状態を標的とする小分子薬物とサイトカイン/成長因子/成長因子との組み合わせを用いて、本発明者らは、TSA、MS-275、またはDOT1阻害剤などの多様な化合物で処理されたHSPCの、少なくとも10倍の拡大を発見した。重要なことに、これらの結果は、ヒト臍帯血および末梢動員幹/前駆細胞(PBSC)の両方に広げることが可能であった。さらに、TSAまたはMS 275などの化合物による処理の後、HSPC機能に関係しているHoxA9、HoxB4、GATA-2、およびSALL4などの複数の遺伝子はかき乱されず、かつレンチウイルスを用いたゲノム編集の効率は、処理後に大いに増強された。これらの新規な手法は、移植状況における臍帯血HSPCの拡大のために、ならびに転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、または規則的な間隔をもってクラスター化された短鎖反復回文配列(CRISPR)などの、遺伝子療法または他のゲノム編集/操作プロセスなどの遺伝子改変のために、治療的に用いられ得る可能性を秘めている。
本明細書において、ある分量の造血細胞を準備する工程、ならびに造血細胞を拡大させることができる少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子の存在下で該ある分量の造血細胞を培養する工程を含む、造血細胞を拡大させる方法が記載される。別の態様において、造血細胞は造血幹細胞(HSC)である。別の態様において、造血細胞は造血幹前駆細胞(HSPC)である。別の態様において、造血細胞は臍帯血から単離される。別の態様において、造血細胞は骨髄から単離される。別の態様において、造血細胞は末梢血から単離される。別の態様において、少なくとも1種類の小分子は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)である。別の態様において、HDACiには、トリコスタチン(TSA)、DLS3、MS275、SAHA、およびHDAC6阻害剤161より選択される1種類または複数種類のHDACiが含まれる。別の態様において、少なくとも1種類の小分子には、5-アザシチジン、JQ1-S、JY1、UNC0638、JMJD3、JQ-EZ-05、SR1、DBZ、dmPGE2、およびUM171より選択される1種類または複数種類の小分子が含まれる。別の態様において、少なくとも1種類の成長因子には、幹細胞因子(SCF)、flt3リガンド(FL)、インターロイキン-3(IL3)、およびインターロイキン-6(IL6)より選出される1種類または複数種類の成長因子が含まれる。
ある分量の造血細胞を準備する工程、ならびに少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子の存在下で該ある分量の造血細胞を培養する工程、該細胞と、各ベクターが少なくとも1つの選択カセットおよび/または少なくとも1種類のヌクレアーゼをコードする1種類または複数種類のベクターとを接触させる工程、ならびに該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する造血細胞を選択する工程であって、該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する細胞が、編集されたゲノムを含む、前記工程、を含む、ゲノム編集の方法が本明細書においてさらに記載される。別の態様において、細胞は造血幹細胞(HSC)である。別の態様において、多能性幹細胞は造血幹前駆細胞(HSPC)である。別の態様において、少なくとも1種類のヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)である。別の態様において、少なくとも1種類のヌクレアーゼは、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)である。別の態様において、少なくとも1種類のヌクレアーゼは、CRISPR関連タンパク質(Cas)ヌクレアーゼである。別の態様において、1種類または複数種類のベクターには、少なくとも1つの選択カセットおよび少なくとも1種類のヌクレアーゼをコードするベクターが含まれる。別の態様において、前記ある分量の造血細胞は、臍帯血、骨髄、または末梢血から単離される。別の態様において、前記方法は、選択された造血細胞を対象に投与する工程を含む。別の態様において、造血細胞は対象と免疫適合性(immunocompatible)である。
ある分量の造血細胞を準備する工程、ならびに少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子の存在下で該ある分量の造血細胞を培養する工程、該細胞と、各ベクターが少なくとも1つの選択カセットおよび/または少なくとも1種類のヌクレアーゼをコードする1種類または複数種類のベクターとを接触させる工程、ならびに該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する造血細胞を選択する工程であって、該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する細胞が、編集されたゲノムを含む、前記工程、を含む、ゲノム編集の方法によって産生されたある分量の細胞が本明細書においてさらに記載される。
臍帯血、骨髄、または末梢血からある分量の造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)を入手する工程、ならびにトリコスタチン(TSA)、DLS3、MS275、SAHA、HDAC6阻害剤161、5-アザシチジン、JQ1-S、JY1、UNC0638、JMJD3、JQ-EZ-05、SR1、DBZ、dmPGE2、およびUM171より選択される少なくとも1種類の小分子、ならびに幹細胞因子(SCF)、flt3リガンド(FL)、インターロイキン-3(IL3)、およびインターロイキン-6(IL6)より選択される少なくとも1種類の成長因子の存在下で、少なくとも48時間の期間HSCまたはHSPCを培養することによってHSCまたはHSPCを拡大させ、それによってHSCまたはHSPCが拡大する工程を含む、造血細胞を拡大させるエクスビボ方法も本明細書において記載される。別の態様において、ある分量のHSPCを入手する工程は、CD34+および/またはCD90+を発現する細胞の単離を含む。別の態様において、少なくとも48時間の期間には、72時間、96時間、120時間、144時間、または168時間が含まれる。
例示的な態様が、参照の図において図解されている。本明細書において開示される態様および図は、制限的なものではなくむしろ例証的なものと見なされるべきであることが意図される。
CD34+CD90+細胞を増加させた化合物に関するスクリーニング。(A)培養後のCD34およびCD90発現に対する化合物の効果。各値は、2つの独立した実験の平均±標準誤差を表す。(B)化合物とともに培養されたCD34+CD90+細胞の絶対数。各値は、2つの独立した実験の平均±標準誤差を表す。 UM171はCD34+細胞の分裂に影響を及ぼす。細胞総数は、市販のおよび合成された(ホームと表示された)UMI171およびその中間体を用いた50nM〜500nM(1uM)の間で非常に類似している。 TSAはCD34+細胞の分裂に影響を及ぼす。(A)TSA、MS275、またはDMSOとともに、サイトカイン/成長因子/成長因子の存在下で培養されたCD34+細胞の細胞成長。示されるデータは、3つの独立した実験の平均である。(B)CSFE標識されたCD34+細胞を、TSAまたはDMSO処理とともに、サイトカイン/成長因子/成長因子の存在下で7日間培養した。パネルは、培養の5日後および7日後の、CFSE蛍光強度についての代表的な(2回の実験のうちの1つの)フローサイトメトリープロファイルを示している。矢印は、より少ない細胞分裂を受けた細胞の画分を表す。(C)パネルは、培養の5日後の、CD34+CD90+およびCD34+CD90-細胞のCFSE蛍光強度についての代表的なフローサイトメトリープロファイルを示している。(D)パネルは、培養の7日後の、CD34+CD90+およびCD34+CD90-細胞のCFSE蛍光強度についての代表的なフローサイトメトリープロファイルを示している。(E)TSA、MS275、またはDMSOとともに、サイトカイン/成長因子/成長因子の存在下で培養されたアネキシンV陽性細胞。示されるデータは、2つの独立した実験の平均である。 TSAによるCB細胞の処理は、骨髄再増殖潜在能を増強する。DMSO、TSA、またはMS275との培養後の2×104個のCD34+細胞の子孫を移植した2週間後のNSGマウスのPBにおける、ヒトCD45+細胞生着のレベルを示した散布図。 TSAによるHSPCの処理は、骨髄再増殖潜在能を増強する。移植の8週間後のNSGマウスのPB(A)およびBM(B)における、ヒトCD45+細胞生着のレベルを示した散布図。 TSAによるCD34+細胞の処理は、幹細胞関連遺伝子の発現を調節する。遺伝子(GATA1、GATA2、NOTCH1、BMI1、HOXB4、C-MYC、PU.1、BCL2、P53、P21、P27、MPO、TPO、およびCD34)の相対的転写レベルに対する野生型ペプチド処理の効果を、定量的リアルタイムPCRによって測定した。TSAまたはDMSOとともに、サイトカイン/成長因子/成長因子の存在下における3日間の培養で得られた細胞から、全RNAを抽出した。DMSO処理された細胞に対する、TSA処理された細胞の相対的mRNAレベルを、リアルタイムPCRによって決定した。GAPDHを内部較正因子(対照遺伝子)として用いた。測定結果を、2つの独立したサンプルを用いて、二つ組で得た。 ヒト幹細胞におけるCD34+CD90+拡大の概略的モデル。(A)HSPCは、たとえ細胞がサイトカイン/成長因子/成長因子含有培地による刺激性条件下にあったとしても分化する傾向があった。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)処理されたHSPCは、サイトカイン/成長因子/成長因子含有培地による分化ではなくむしろ拡大した。(B)CD34CD90+細胞の分裂モデルに関する概略的モデル。 CD34+CD90+細胞を解析する手順についての略図。CB CD34+細胞を、Ficoll-Paque、CD34+陽性選択キット(磁気ビーズ)を用いて入手した。次いで、細胞をペプチドで1時間処理し、その後にサイトカイン/成長因子/成長因子(CC100;SCF、FL、IL3、およびIL6)およびウシ胎仔血清(FBS)の添加が続いた。その後、細胞をインビトロおよびインビボで解析した。 CD34+CD90+細胞を増加させた化合物に関するスクリーニングの例。記載される化合物による処理後に拡大した細胞の特性の様々な例。 CD34+CD90+細胞を増加させた化合物に関するスクリーニング。培養後のCD34およびCD90発現に対する化合物の効果が、左側に示されている。結果は、2回の実験のうちの1つの代表的なデータである。右側に記載される化合物とともにサイトカイン/成長因子/成長因子の存在下で培養された、CD34+細胞の細胞成長。示されるデータは、2つの独立した実験の平均である。 CD34+CD90+細胞を増加させた化合物に関するスクリーニング。培養後のCD34およびCD90発現に対する化合物の効果が、左側に示されている。結果は、2回の実験のうちの1つの代表的なデータである。右側に記載される化合物とともにサイトカイン/成長因子/成長因子の存在下で培養された、CD34+細胞の細胞成長。示されるデータは、2つの独立した実験の平均である。 CD34+CD90+細胞を増加させた化合物に関するスクリーニング。培養後のCD34およびCD90発現に対する化合物の効果が、左側に示されている。結果は、2回の実験のうちの1つの代表的なデータである。右側に記載される化合物とともにサイトカイン/成長因子/成長因子の存在下で培養された、CD34+細胞の細胞成長。示されるデータは、2つの独立した実験の平均である。 TSAまたはMS275とのエクスビボ培養の間のCD34+CD90+発現の変化。CD34+細胞をフローサイトメトリーによって選別しかつ解析した。子孫の数を記載した(平均±SDV)。パネルは、代表的なフローサイトメトリープロファイルを示している。 TSAまたはMS275によるCD34+細胞の処理は、エクスビボ培養の間にCD34+CD90+細胞を拡大させた。(A)DMSOまたはTSAとともに培養されたCD34+細胞のパーセンテージ。(B)DMSOまたはTSAとともに培養されたCD34+CD90+細胞のパーセンテージ。(C)DMSOまたはTSAとともに培養されたCD34+細胞の絶対数。(D)DMSOまたはTSAとともに培養されたCD34+CD90+細胞の絶対数。(E)DMSOまたはMS275とともに培養されたCD34+細胞のパーセンテージ。(B)DMSOまたはMS275とともに培養されたCD34+CD90+細胞のパーセンテージ。(C)DMSOまたはMS275とともに培養されたCD34+細胞の絶対数。(D)DMSOまたはMS275とともに培養されたCD34+CD90+細胞の絶対数。各値は、3つの独立した実験の平均±標準誤差を表す。 処理された細胞の特徴付け。(A)TSAとの培養後の大きいコロニー、およびDMSOとの培養後の小さいコロニー。示されるデータは、3つの独立した実験の代表である。(B)コロニーを、大きい(>50個のクラスター)および小さい(50〜5個のクラスター)に分類した。白いバーは、小さいクラスターを表す。黒いバーは、大きいクラスターを表す。(C)コロニー形成細胞(CFC)の数に対する、野生型ペプチド処理の効果。初代CD34+細胞、ならびにDMSO、TSA、およびMS275で処理されたものについてのCFU含有率を決定した。各値は、3つの独立した実験の平均を表す。 TSAまたはMS275への1日間の曝露は、CD34+CD90+細胞の発現を限定する。細胞をDMSO(右上)、TSA(右中央)、またはMS275(右下)とともに24時間培養し、次いで細胞をPBSで洗浄したまたは洗浄しなかった。CD34+CD90+発現を、3日目および5日目に評価した。 TSAによるPBMC CD34+細胞の処理は、遺伝子挿入手法の効率を増加させた。(A)細胞をTSAまたはMS275とともに72時間培養し、次いで細胞を、レンチウイルス粒子を含有する培地中で感染させた。次いで、培養培地を除去しかつ新鮮な培地で置き換えた。(B)GFP発現を、5日目のCD34およびCD90発現に関して解析した。(C)CD34発現の有るまたは無いGFP陽性細胞。(D)CD34+CD90+およびCD34+CD90-細胞でのGFP発現。
発明の詳細な説明
本明細書において引用されるすべての参考文献は、あたかも十分に明記されているかのように、参照によりその全体が組み入れられる。別様に定義されていない限り、本明細書において用いられる技術的および科学的な用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。Allen et al., Remington: The Science and Practice of Pharmacy 22nd ed., Pharmaceutical Press (2012年9月15日);Hornyak et al., Introduction to Nanoscience and Nanotechnology, CRC Press (2008);Singleton and Sainsbury, Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 3rd ed., revised ed., J. Wiley & Sons (New York, NY 2006);Smith, March's Advanced Organic Chemistry Reactions, Mechanisms and Structure 7th ed., J. Wiley & Sons (New York, NY 2013);Singleton, Dictionary of DNA and Genome Technology 3rd ed., Wiley-Blackwell (2012年11月28日);およびGreen and Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual 4th ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press (Cold Spring Harbor, NY 2012)は、本出願において用いられる用語の多くの一般的手引きを当業者に提供している。抗体をどのように調製するかについての参考文献に関しては、Greenfield, Antibodies A Laboratory Manual 2nd ed., Cold Spring Harbor Press (Cold Spring Harbor NY, 2013);Kohler and Milstein, Derivation of specific antibody-producing tissue culture and tumor lines by cell fusion, Eur. J. Immunol. 1976 Jul, 6(7):511-9;Queen and Selick, Humanized immunoglobulins, 米国特許第5,585,089号 (1996年12月);およびRiechmann et al., Reshaping human antibodies for therapy, Nature 1988 Mar 24, 332(6162):323-7を参照されたい。
当業者であれば、本発明の実践において用いられ得る、本明細書において記載されるものと同様のまたは同等の多くの方法および材料を認識するであろう。実際、本発明は、本明細書において記載される方法に決して限定されるわけではない。本発明の目的のために、以下の用語が下記で定義される。
本明細書において用いられる「投与すること」および/または「投与する」とは、薬学的組成物を患者に送達するための任意の経路を指す。送達の経路には、非侵襲的な経口(口を通じた)、局所的(皮膚)、経粘膜的(経鼻、頬/舌下、膣内、眼内、および直腸)、および吸入の経路、それだけでなく非経口経路、ならびに当技術分野において公知の他の方法が含まれ得る。非経口とは、眼窩内、点滴、動脈内、頸動脈内、嚢内、心臓内、皮内、筋肉内、腹腔内、肺内、脊髄内、胸骨内、髄腔内、子宮内、静脈内、くも膜下、被膜下、皮下、経粘膜的、または経気管を含む一般的に注射を伴う送達の経路を指す。非経口経路を介して、組成物は、点滴用もしくは注射用の溶液もしくは懸濁液の形態に、または凍結乾燥粉末として存在し得る。
本明細書において用いられる「調節」または「調節する」または「調節すること」とは、応答の上方制御(すなわち、活性化または刺激)、下方制御(すなわち、阻害または抑制)、または組み合わせられたもしくは別個のそれら2つを指す。
本明細書において用いられる「薬学的に許容されるキャリア」とは、本発明において有用な、従来の薬学的に許容されるキャリアを指す。
本明細書において用いられる「促進する」および/または「促進すること」とは、細胞または生物の特定の挙動の増大を指す。
本明細書において用いられる「対象」には、伴侶動物、家畜、および動物園の動物を含むがそれらに限定されない哺乳動物および他の動物を含むすべての動物が含まれる。「動物」という用語には、例えば哺乳動物、鳥類、サル、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、齧歯類などを含むカテゴリーである、任意の生きた多細胞脊椎動物生物が含まれ得る。同様に、「哺乳動物」という用語には、ヒトおよび非ヒト哺乳動物の両方が含まれる。
本明細書において用いられる「治療上有効量」とは、治療されている対象において所望の効果を達成するのに十分な、指定の組成物、または組成物中の活性作用物質の分量を指す。治療上有効量は、対象の生理学的条件(年齢、性別、疾患のタイプおよびステージ、全般的な身体的条件、所定の投薬量に対する応答性、所望の臨床効果)および投与の経路を含むがそれらに限定されない、多様な因子に応じて変動し得る。臨床および薬理学の技術分野における当業者であれば、日常的な実験を通じて、治療上有効量を決定することができるであろう。
本明細書において用いられる「治療する」、「治療すること」、および「治療」とは、治療的処置および予防的または阻止的手段の両方を指し、たとえ治療が最終的に失敗に終わったとしても、目的は、標的とされる病状、疾患、または障害(まとめて、「病気」)を阻止するまたは減速させる(軽減する)ことである。治療を必要としているものには、すでに病気を有するもの、ならびに病気を有する傾向があるもの、またはそのものにおける病気が阻止されるべきであるものが含まれ得る。
造血幹細胞(HSC)の特性および臨床的適用
造血幹細胞(HSC)およびそれらの原始ヒト造血幹/前駆細胞(HSPC)対応物は、自己再生しかつ血中および免疫系内の成熟細胞を生じさせる固有の能力を所有する。インビトロでの造血幹細胞(HSC)自己再生分裂は明確に生じるものの、インビトロでの自己再生の誘導は困難であり続けている。数十年もの研究の後でさえ、インビトロでの自己再生を刺激する因子の探求は、依然として続いている。HSCおよびHSPCの自己再生は、内因性および外因性シグナルの両方によって制御される。Notchリガンド、Wnt3a、アンジオポエチン様タンパク質、プロスタグランジンE2、プレイオトロフィン、およびSALL4、およびホメオボックスタンパク質B4を含む、その作用がHSCおよびHSPC自己再生に関連しているいくつかの因子が同定されている。インビボでの造血系の自己再生および分化を支持する分子的因子を理解することにおける大きな進歩にもかかわらず、インビトロおよびエクスビボでのHSCおよびHSPCの自己再生を支配する因子をどのように調節するかについてはあまり分かっていない。
科学的に大きな関心対象であるのは、成体の末梢血(PB)、骨髄、臍帯血(CB)から入手可能であるが、多能性幹細胞(PSC)からインビトロでも生成される、HSCおよびHSPCの高い融通性である。これらの供給源のそれぞれに由来する細胞が同一であるまたは少なくとも非常に類似していることを十分に確認するために多大な調査が必要であるものの、明確であることは、それらはすべて、それらの自己再生能および拡大能を促進する技法から大いに恩恵を受けるであろうことである。第一に、そのような能力の実証は、相違性および類似性を機能的に特徴付けするのに役立つであろう。第二に、これらの細胞集団の産生の増強は、それらのさらなる調査を可能にし、かつ達成するのが困難であった治療的に妥当な数の細胞の産生を実現するのに役立つであろう。
注目すべきは、臨床状況において、CD移植術の利用の増加が近年観察されており、それによって、エクスビボ拡大に関するさらなる検討のための魅力的な領域が提示されていることである。しかしながら、造血幹細胞(HSC)供給源としてのCBの使用は、移植片に含有されるHSCの数、および起こり得る原始HSPCの集団によって限定される。CB移植術の成果を向上させかつ適用性を拡大するために、1つの潜在的な解決策は、CBのエクスビボ拡大である。それは、遺伝子療法手法におけるHSCのインビトロ操作にとっても重大である。
新たに単離されたHSCおよび場合により原始HSPCを富化するために、CD34に加えて、CD38、CD45RA、CD49f、およびCD90などの細胞表面マーカーが検討されているが、CD34およびCD90の共発現を有する細胞は、エクスビボ培養後の骨髄再増殖潜在能に関与しているとも考えられる。この理由のために、CD34+CD90+が骨髄再増殖細胞の拡大を判定し得るかどうかを理解することは関心対象である。
運命指定におけるエピジェネティック状態の役割
重要なことに、HSCおよびHSPCの運命が、エクスビボ拡大の間に下方制御される転写因子(TF)によって支配される場合、TFは、細胞分裂の間にエピジェネティックメモリーを「ブックマーク」することによって、HSCおよびHSPCの同一性を維持することに関与し得る。したがって、サイトカイン/成長因子/成長因子とエピジェネティック修飾因子との組み合わせは、HSCおよびHSPCを拡大させ得、または細胞分裂の間に自己再生に有利に働き得、それらは、維持されたTFによって少なくとも部分的に仲介されると考えられる。
拡大能に対するCD34+CD90+細胞という有望な候補集団を考慮して、HSCおよびHSPC細胞を維持しかつ拡大させるのに十分なエクスビボ培養条件の可能性を評価するための、ヒトCD34+CD90+細胞に焦点を合わせたヒトHSC自己再生特性が本明細書において記載される。そのような方法が確立され得た場合、伝統的な遺伝子療法手法、または転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、もしくは規則的な間隔をもってクラスター化された短鎖反復回文配列(CRISPR)関連エンドヌクレアーゼタンパク質(Cas)システムを含む、HSPCの遺伝情報またはゲノムの標的指向化された特異的な改変による遺伝子療法手法の効力が、さらに増強され得る。ゲノム編集のための方法の改善とともに、エクスビボ拡大法を確立することは、免疫学的に可変の移植材料の再生可能な資源を提供すると考えられ、それによって、長い間満たされなかった切迫したかつ緊急の臨床的必要性が満たされる。
ゲノム編集
移植材料の免疫学的適合性を確立する必要性を考慮すると、ゲノム編集は、再生医学適用にとって強力なツールである。、部位特異的染色体組み込みは、所望のヌクレオチド変化を標的とすることができ、染色体内の安全な着地部位に治療用遺伝子カセットを導入すること、特定の対立遺伝子のコードまたは非コード領域を分断すること、および疾患表現型を戻すために遺伝子変異を是正することを含む。ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、および規則的な間隔をもってクラスター化された短鎖反復回文配列(CRISPR)関連エンドヌクレアーゼタンパク質(Cas)システムなどのヌクレアーゼを採用する近年開発された方法論は、二重鎖切断を作製して、遺伝子ターゲティングの頻度を増加させ得る。
簡潔には、ZFNなどのツールを用いたゲノム編集は、関心対象の遺伝子座内への部位特異的DNA DSBの導入に基づき得る。このプロセスの鍵は、相同性配向型修復(HDR)または非相同性末端結合(NHEJ)経路を介して、DSBを効率的に修復するための細胞修復メカニズムである。これらのDNA修復経路のメカニズムは、規定された遺伝的結果を生み出し得る。例えば、NHEJ修復は、2つの切断された末端を迅速かつ効率的にライゲーションすることができ、遺伝情報の獲得または喪失のための機会が提供され、切断の部位における小さな挿入および/または欠失が可能となり、それによって標的遺伝子の分断が可能となる。あるいは、特定の目的で設計された相同的ドナーDNAがZFNと組み合わせて提供され、この鋳型は遺伝子の是正または挿入をもたらし得る。
HSC移植などの細胞または組織移植を必要としている人々の数は、移植術に適した細胞および組織の入手可能な供給量をはるかに上回るため、臨床的適用のためのHSCにおけるゲノム編集の一例には、レシピエントと免疫学的に適合している細胞を確立することが含まれる。HLAは、免疫系が細胞を自己または非自己(外来のまたは身体の外側に由来)のいずれかとして識別するのを助ける細胞表面上タンパク質であり、かつ、主要組織適合遺伝子複合体、すなわちMHCとして知られるヒト第6染色体上に位置する領域を形成する遺伝子のクラスターによってコードされ、移植片拒絶における、MHC遺伝子座によってコードされるこのタンパク質の重要な役割が認識される(したがって、HLAタンパク質はMHCタンパク質とも呼ばれる)。合致した関連するドナーを有しない患者に対して、ドナーバンク内の探索は、合致したHLA型を人に提供し得るが、レシピエントのMHCタンパク質と移植のものとの間の良好な合致は多くの場合不可能である。ホモ接合性または半接合性のHLA細胞を確立するなど、より大きな群の患者集団との広い免疫学的適合性を細胞に提供するためのHSCの生成および操作は、移植材料の入手可能性に大いに役立つであろう。固有の血液型を有する患者、Rh+である患者にとりわけ当てはまるように、輸血のための入手可能な血液において同様の必要性が存在する。O型かつRh陰性である造血細胞の生成は、輸血に普遍的に用いられ得る。HSCを生成し得かつ操作し得る能力は、ヒト疾患の治療および管理に大きな利益をもたらすであろう。さらなる例には、遺伝子変異により生じる疾患に苦しんでいる患者に対する遺伝子療法技法が含まれる。ゲノム編集のための機会の増強は、是正される遺伝子欠陥の是正後に戻される対象となる自家ドナー材料をエクスビボで変化させるという目標を十分に実現するであろう。
遺伝子ターゲティング法を現在制限しているものは、大部分の細胞においてHRが生じる頻度が極めて低いことである。ゲノム内に、具体的には標的遺伝子座に部位特異的DSBを特異的に生成する様々なZFN、TALEN、およびCasシステムは、マウスおよび酵母において用いられたHR誘導性ターゲティングという従来の方法と比較して、HRの頻度を大幅に(by several multitudes)増加させることによって、遺伝子ターゲティングを容易にし得る。これらの新規な技術は、ゲノム操作にとって非常に有望だが、特異的なZFN、TALEN、またはCasシステムを作り出すことは、依然としてまだ技術的に非常に難しくかつ時間のかかる状態であり、ゆえに研究者によるそれらの広範な使用を限定している。これらのゲノム操作手法は、とりわけヒト多能性幹細胞(PSC)、HSPC、およびHSCにおける、HR事象の頻度の低さによってさらに限定される。
本明細書においてさらに記載されるように、TSA、MS-275、またはDOT1阻害剤などの薬物化合物による処理を含む、小分子薬物とサイトカイン/成長因子/成長因子との組み合わせが、精製されたCD34+CD90+ヒト臍帯血または末梢動員幹/前駆細胞(PBSC)のCD34+細胞の拡大において潜在的に(in potential)適用可能であることが確認された。対照で処理された群と比較した場合、薬物化合物で処理されたCD34+細胞は、インビトロにおいて原始HSPC(CD34+CD90+)の11〜16倍の拡大をもたらした。TSAは、エクスビボにおいてCD34+細胞に対するレンチウイルス形質導入も促進した。さらに、TSAまたはMS 275薬物処理の後、本発明者らは、HSPC機能に関係しているHoxA9、HoxB4、GATA-2、およびSALL4遺伝子の発現の増加を観察した。これらの結果は、エピジェネティック修飾因子が、HSPC機能およびいくつかの決定的な遺伝子の発現に影響を及ぼし得ることを実証している。
(a)ある分量の造血細胞を準備する工程、ならびに(b)造血細胞を拡大させることができる少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子の存在下で該ある分量の造血細胞を培養する工程を含む、造血細胞を拡大させる方法が本明細書において記載される。異なる態様において、造血細胞は造血幹細胞(HSC)である。異なる態様において、造血細胞は造血幹前駆細胞(HSPC)である。任意で、HSPCは、CD34+および/またはCD90+を発現する細胞である。他の態様において、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血細胞は、Lin-、CD34+、CD38-、CD90+、CD45RA-を含む1種類または複数種類のマーカーを発現する。他の態様において、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血細胞は、HOXB4、BMI1、GATA2、p21、p27、c-myc、およびMPOを発現する。
異なる態様において、造血細胞は臍帯血から単離される。異なる態様において、造血細胞は骨髄から単離される。異なる態様において、造血細胞は末梢血から単離される。異なる態様において、少なくとも1種類の小分子は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)である。異なる態様において、HDACiには、トリコスタチン(TSA)、DLS3、MS275、SAHA、およびHDAC6阻害剤161の群より選択される1種類または複数種類のHDACiが含まれる。異なる態様において、少なくとも1種類の小分子には、5-アザシチジン、JQ1-S、JY1、UNC0638、JMJD3、JQ-EZ-05、SR1、DBZ、およびdmPGE2、およびUM171の群より選択される1種類または複数種類の小分子が含まれる。様々な態様において、これらの小分子の濃度には、図1に示される多様な例とともに、約2、3、4、5、6、7、8、9、10nMもしくはそれを上回る、または約25、50、100、150、250、500nMもしくはそれを上回る、または約500、600、700、800、900、1000nMもしくはそれを上回る、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10μMもしくはそれを上回る濃度が含まれ得る。異なる態様において、少なくとも1種類の成長因子には、幹細胞因子(SCF)、flt3リガンド(FL)、インターロイキン-3(IL3)、およびインターロイキン-6(IL6)の群より選出される1種類または複数種類の成長因子が含まれる。様々な態様において、これらの成長因子の濃度には、例えば約100ng/mlのFL、約100ng/mlのSCF、約20ng/mlのIL-3、および約20ng/mlのIL-6が含まれ得る。他の態様において、これらの成長因子は、約200〜500ng/mlのFL、約20〜1000ng/mlのSCF、約5〜500ng/mlのIL-3、および約5〜500ng/mlのIL-6の濃度を含み得る。他の態様において、成長因子には、EPO、TPO、FL、VEGF、BMP2、BMP4、およびBMP7のようなBMP、GM-CSF、G-CSF、ならびにHOXB4など、早期のサイトカイン/成長因子/成長因子が含まれる。ある特定の態様において、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血細胞を、メチルセルロース培地の存在下で培養して、血管芽細胞成長を促進する。異なる態様において、少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子の存在下である分量の造血細胞が培養され、該少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子は、少なくとも48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、または168時間の期間のためのものである。
本明細書においてさらに記載される場合、方法は、多様な商業的および臨床的な適用に有用な大量生成のための、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血細胞のインビトロ拡大にも関する。これには、例えば少なくとも10,000、100,000、または500,000個の細胞が含まれる。ある特定の態様において、細胞調製物は、少なくとも1×106個の造血細胞を含む。他の態様において、細胞調製物は、少なくとも2×106個の造血細胞、およびさらなる態様において、少なくとも3×106個の造血細胞を含む。さらに他の態様において、細胞調製物は、少なくとも4×106個の造血細胞を含む。
本発明は、10,000〜400万個またはそれを上回る数のヒト造血細胞を含む溶液、調製物、および組成物に関する。そのような溶液、調製物、および組成物中の造血細胞の数は、10,000〜400万個の範囲にある任意の数またはそれを上回る数であり得る。この数は、例えば20,000、50,000、100,000、500,000、100万などであり得る。本発明は、造血細胞を産生する、保管する、および分配する方法にさらに関する。ある特定の態様において、本発明は、治療を必要としている患者において病状を治療するために、医薬の製造における造血細胞の使用を提供する。あるいは、本発明は、治療を必要としている患者において病状を治療するために、医薬の製造における細胞培養の使用を提供する。本発明は、治療を必要としている患者において病状を治療するために、医薬の製造における薬学的調製物の使用も提供する。
様々な態様において、ヒト造血細胞を拡大させることは、胎盤もしくは臍帯組織由来の臍帯血、末梢血、骨髄、胚性幹細胞、誘導性多能性幹細胞、もしくは他の組織を含む任意の供給源から、または当技術分野において公知の他の任意の手段によって入手された造血細胞を含む。ある特定の態様において、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血細胞を、巨核球、血小板、赤血球などの血液細胞、またはナチュラルキラーもしくは樹状細胞などの免疫細胞を含むがそれらに限定されない造血細胞にさらに分化させることができる。そのような細胞は、移植術または輸血において用いられ得る。本発明の方法は、自家組織移植術が疾患および/または病状を治療するのに役立ち得る多様な療法のための、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血細胞のエクスビボ拡大を可能にする。他の場合には、例えば対象の家族内血縁者を含む、異種組織移植術が疾患および/または病状を治療するのに役立ち得る。ある場合には、これは、例えば遺伝子療法の使用を含む。
(a)ある分量の造血細胞を準備する工程、ならびに(b)少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子の存在下で該ある分量の造血細胞を培養する工程、(c)該細胞と、各ベクターが少なくとも1つの選択カセットおよび/または少なくとも1種類のヌクレアーゼをコードする1種類または複数種類のベクターとを接触させる工程;ならびに該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する造血細胞を選択する工程であって、該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する細胞が、編集されたゲノムを含む、前記工程、を含む、ゲノム編集の方法が本明細書においてさらに記載される。
異なる態様において、細胞は造血幹細胞(HSC)である。異なる態様において、多能性幹細胞は造血幹前駆細胞(HSPC)である。任意で、HSPCは、CD34+および/またはCD90+を発現する細胞である。他の態様において、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血細胞は、Lin-、CD34+、CD38-、CD90+、CD45RA-を含む1種類または複数種類のマーカーを発現する。他の態様において、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血細胞は、HOXB4、BMI1、GATA2、p21、p27、c-myc、およびMPOを発現する。異なる態様において、少なくとも1種類のヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)である。異なる態様において、少なくとも1種類のヌクレアーゼは、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)である。異なる態様において、少なくとも1種類のヌクレアーゼは、CRISPR関連タンパク質(Cas)ヌクレアーゼである。異なる態様において、1種類または複数種類のベクターには、少なくとも1つの選択カセットおよび少なくとも1種類のヌクレアーゼをコードするベクターが含まれる。異なる態様において、前記ある分量の造血細胞は、臍帯血、骨髄、または末梢血から単離される。
(a)ある分量の造血細胞を準備する工程、ならびに(b)少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子の存在下で該ある分量の造血細胞を培養する工程、(c)該細胞と、各ベクターが少なくとも1つの選択カセットおよび/または少なくとも1種類のヌクレアーゼをコードする1種類または複数種類のベクターとを接触させる工程、ならびに該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する造血細胞を選択する工程であって、該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する細胞が、編集されたゲノムを含む、前記工程、ならびに(d)選択された造血細胞を対象に投与する工程を含む、ゲノム編集の方法も本明細書において記載される。異なる態様において、造血細胞は対象と免疫適合性である。
(a)ある分量の造血細胞を準備する工程、ならびに(b)少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子の存在下で該ある分量の造血細胞を培養する工程、(c)該細胞と、各ベクターが少なくとも1つの選択カセットおよび/または少なくとも1種類のヌクレアーゼをコードする1種類または複数種類のベクターとを接触させる工程、ならびに該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する造血細胞を選択する工程であって、該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する細胞が、編集されたゲノムを含む、前記工程を含む、ゲノム編集の方法によって産生されたある分量の細胞も本明細書において記載される。
(a)臍帯血、骨髄、または末梢血からある分量の造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)を入手する工程、ならびに(b)(i)トリコスタチン(TSA)、DLS3、MS275、SAHA、HDAC6阻害剤161、5-アザシチジン、JQ1-S、JY1、UNC0638、JMJD3、JQ-EZ-05、SR1、DBZ、およびdmPGE2の群より選択される少なくとも1種類の小分子、ならびに(ii)幹細胞因子(SCF)、flt3リガンド(FL)、インターロイキン-3(IL3)、およびインターロイキン-6(IL6)の群より選択される少なくとも1種類の成長因子の存在下で、少なくとも48時間の期間HSCまたはHSPCを培養することによってHSCまたはHSPCを拡大させ、それによってHSCまたはHSPCが拡大する工程を含む、造血細胞を拡大させるエクスビボ方法が本明細書においてさらに記載される。様々な態様において、これらの成長因子の濃度には、例えば約100ng/mlのFL、約100ng/mlのSCF、約20ng/mlのIL-3、および約20ng/mlのIL-6が含まれ得る。他の態様において、成長因子には、EPO、TPO、FL、VEGF、BMP2、BMP4、およびBMP7のようなBMP、GM-CSF、G-CSF、ならびにHOXB4など、早期のサイトカイン/成長因子/成長因子が含まれる。ある特定の態様において、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血細胞を、メチルセルロース培地の存在下で培養して、血管芽細胞成長を促進する。他の態様において、これらの成長因子は、約200〜500ng/mlのFL、約20〜1000ng/mlのSCF、約5〜500ng/mlのIL-3、および約5〜500ng/mlのIL-6の濃度を含み得る。異なる態様において、ある分量のHSPCを入手する工程は、CD34+および/またはCD90+を発現する細胞の単離を含む。異なる態様において、少なくとも48時間の期間には、72時間、96時間、120時間、144時間、または168時間が含まれる。
疾患または病状に対して対象を治療する方法が本明細書においてさらに記載され、また、(a)疾患または病状に対する治療を必要としている対象由来の臍帯血、骨髄、または末梢血から、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などのある分量の造血細胞を入手する工程、(b)造血細胞を拡大させることができる少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子の存在下で培養することによってある分量の造血細胞を拡大させる工程、ならびに(c)造血細胞を対象に投与する工程を含む、ゲノム編集の方法も本明細書において記載される。異なる態様において、造血細胞は対象と免疫適合性である。ある特定の態様において、造血細胞を対象に投与する前に、細胞と、各ベクターが少なくとも1つの選択カセットおよび/または少なくとも1種類のヌクレアーゼをコードする1種類または複数種類のベクターとを接触させ、ならびに該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する造血細胞を選択し、ここで、該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する細胞は、編集されたゲノムを含む。ある特定の態様において、(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血幹細胞は、治療を必要としている対象の家族内血縁者から入手される。
異なる態様において、造血細胞は造血幹細胞(HSC)である。異なる態様において、造血細胞は造血幹前駆細胞(HSPC)である。任意で、HSPCは、CD34+および/またはCD90+を発現する細胞である。他の態様において、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血細胞は、Lin-、CD34+、CD38-、CD90+、CD45RA-を含む1種類または複数種類のマーカーを発現する。他の態様において、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血細胞は、HOXB4、BMI1、GATA2、p21、p27、c-myc、およびMPOを発現する。
異なる態様において、少なくとも1種類の小分子は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)である。異なる態様において、HDACiには、トリコスタチン(TSA)、DLS3、MS275、SAHA、およびHDAC6阻害剤161の群より選択される1種類または複数種類のHDACiが含まれる。異なる態様において、少なくとも1種類の小分子には、5-アザシチジン、JQ1-S、JY1、UNC0638、JMJD3、JQ-EZ-05、SR1、DBZ、dmPGE2、およびUM171の群より選択される1種類または複数種類の小分子が含まれる。様々な態様において、これらの小分子の濃度には、図1に示される多様な例とともに、約2、3、4、5、6、7、8、9、10nMもしくはそれを上回る、または約25、50、100、150、250、500nMもしくはそれを上回る、または約500、600、700、800、900、1000nMもしくはそれを上回る、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10μMもしくはそれを上回る濃度が含まれ得る。異なる態様において、少なくとも1種類の成長因子には、幹細胞因子(SCF)、flt3リガンド(FL)、インターロイキン-3(IL3)、およびインターロイキン-6(IL6)の群より選出される1種類または複数種類の成長因子が含まれる。様々な態様において、これらの成長因子の濃度には、例えば約100ng/mlのFL、約100ng/mlのSCF、約20ng/mlのIL-3、および約20ng/mlのIL-6が含まれ得る。他の態様において、これらの成長因子は、約200〜500ng/mlのFL、約20〜1000ng/mlのSCF、約5〜500ng/mlのIL-3、および約5〜500ng/mlのIL-6の濃度を含み得る。他の態様において、成長因子には、EPO、TPO、FL、VEGF、BMP2、BMP4、およびBMP7のようなBMP、GM-CSF、G-CSF、ならびにHOXB4など、早期のサイトカイン/成長因子/成長因子が含まれる。ある特定の態様において、造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)などの造血細胞を、メチルセルロース培地の存在下で培養して、血管芽細胞成長を促進する。異なる態様において、少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子の存在下である分量の造血細胞が培養され、該少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子は、少なくとも48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、または168時間の期間のためのものである。
実施例1
CBおよびPBMCのCD34+細胞の単離およびエクスビボ培養
新鮮なCB収集物を、ダナ・ファーバー癌研究所(DF/HCC;Boston, MA)における細胞操作コア施設(Cell Manipulation Core Facility)から、DF/HCC施設内審査委員会によって確立されたガイドラインに従って入手した。CB細胞を、Ficoll-Paque(Stem Cell Technologies, Vancouver, BC, Canada)上での密度遠心分離によって単離し、かつCD34陽性細胞単離キット(Stem Cell Technologies)を用いて富化した。CD34+細胞の純度は60%〜90%に及んだ。細胞を2×104個/ウェルに配分し、かつ、CC100(SCF、FL、IL3、およびIL6;Stem Cell Technologies)を補充した、30%ウシ胎仔血清(FBS;GIBCO)を含有するIMDM中でインキュベートした。
記載される方法を通じて、結果は、別様に示されていない限り、適切な場合には平均±SDVとして表現される。統計的差異を、pが0.05またはそれ未満である有意性でスチューデントt検定を用いて評価した。
実施例2
CB CD34+細胞のCFUアッセイ
MethoCult(登録商標)H4434(Stem Cell Technologies)培地のチューブを、4℃の冷蔵庫で一晩解凍した。翌朝、CB CD34+細胞を、10×の要求される最終濃度で調製した。0.3mLあたり2000個の細胞の細胞懸濁液を調製した。細胞を、二つ組培養のために、3mLのMethoCult(登録商標)培地に添加した。3ccの注射器に取り付けた16ゲージの平滑末端針を用いて、細胞およびMethoCult(登録商標)培地を培養ディッシュに分注した。35mmディッシュあたり、1.1mLの細胞を分注した。2枚のディッシュを100mmペトリディッシュ内に置き、3mLの滅菌水を含有する第三の蓋なしの35mmディッシュも加えた。次いで、100mmペトリディッシュ内で、3枚すべてのディッシュに蓋をした。37℃、5% CO2および≧95%湿度で、細胞を14〜16日間インキュベートした。BFU-E、CFU-GM、およびCFU-混合のコロニーを、明視野で観察した。CFUを顕微鏡下でカウントした。
実施例3
フローサイトメトリー解析
フィコエリスリン(PE)またはアロフィコシアニン(APC)と結合した抗ヒトCD34モノクローナル抗体、抗ヒトCD90に結合したフルオレセインイソチオシアネート(FITC)またはAPC、CD38 APC、CD3トリカラー(TC)、CD19 TC、CD11b TC、CD41 TC、CD45 FITC、およびマウスCD45 APCで、細胞を染色した。フローサイトメトリーデータをFACS Caliburフローサイトメーター(Becton Dickinson, San Jose, CA, USA)を用いて収集し、FLOWJOソフトウェアを用いて解析した。
実施例4
細胞分裂を査定するためのカルボキシフルオレセイン二酢酸スクシンイミジルエステル標識
初代CD34+細胞を、PBS中0.5uMのカルボキシフルオレセイン二酢酸スクシンイミジルエステル(CSFE;Invirtogen, NY, USA)で、37℃にて10分間標識した。培養の9日後、細胞をCD34 PEで標識し、かつCSFEの蛍光強度の漸進的な減衰について、FACSCaliburフローサイトメーターを用いて解析した。
実施例5
NSGマウスにおけるCD34+細胞の生着
NSG(NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ, The Jackson Laboratory, ME, USA)マウスを、ボストン小児病院(Children's Hospital Boston)動物施設において飼育しかつ維持した。すべての動物作業は、10-101832プロトコールの下で、IACUCによって承認されかつそのガイドラインに従って行われた。野生型ペプチドおよびスクランブル型ペプチドで処理されたCB CD34+細胞を、亜致死的に照射された(220ラド)8〜16週齢のNSGマウスに尾静脈を通じて静脈内注射した。生着は、照射の24時間以内に果たされた。末梢血(PB)キメラ現象を、移植術の2週間および8週間後にモニターした。骨髄(BM)キメラ現象を、移植術の8週間後にモニターした。その後、これらのサンプルを、FITC結合型抗ヒトCD45抗体およびAPC結合型抗マウスCD45抗体(eBiosciences, CA, USA)を利用したフローサイトメトリー解析に供した。ヒトCD45+細胞のパーセンテージを次のとおりに算出した:ヒトCD45+細胞(%)=ヒトCD45+細胞数/(ヒトCD45+細胞数+マウスCD45+細胞数)×100。0.1%ヒトCD45+細胞である閾値を、陽性生着の信頼できる予測因子として確立した。
実施例6
リアルタイムPCR
本発明者らは、TRIzol(Invitrogen)を用いて、野生型またはスクランブル型ペプチドで処理された細胞からRNAを調製した。本発明者らは、iScript cDNA Synthesisキット(Bio-Rad, CA, USA)を用いて、cDNAを合成した。mRNA発現のレベルを定量するために、本発明者らは、SYBER Green付きiScriptワンステップRT-PCRキット(Bio-Rad)を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅を行い、かつSYBR green技術(ABI, Foster City, CA, USA)の使用によってPCR産物を検出した。GAPDHを内在性対照として用いた。すべてのサンプルを二つ組で実施した。サーマルサイクラー条件は、50℃2分間、95℃10分間、ならびに45サイクルの95℃0.30分間および60℃1分間であった。結果をサイクル閾値(Ct)値として得、かつGAPDHで遺伝子発現を正規化した。データを、CFX Managerソフトウェア(Bio-Rad)を用いて、2-ΔΔCT法に基づいて解析した。QPCRプライマーに関しては、表1を参照されたい。
(表1)QPCRプライマー
Figure 2020124212
実施例7
レンチウイルスの産生および形質導入
レンチウイルスベクターpLL3.7、pHR'8.9ΔVPR、およびpCMV-VSVGを用いた、293T細胞の一過性の共トランスフェクションによって、レンチウイルス粒子を生成した。レンチウイルス粒子および8μg/mlプロタミンを含有する培地中で、CD34+細胞を感染させた。次いで、培養培地を除去しかつ新鮮な培地で置き換えた。
実施例8
CD34+CD90+細胞を増加させるエピジェネティック修飾因子を含む化合物のスクリーニング
TSA、アザシチジンを伴うTSA、バルプロ酸、クラミドシン、およびトラポキシンなど、ある特定の化合物は、CD34+CD90+細胞を拡大させることが報告された。CD34+CD90+細胞を拡大させる分子を同定するまたは確認するために、本発明者らは、PBSC由来の初代ヒトCD34+細胞を用いたアッセイを開発し、かつ培養の4日または5日後に、ハイスループットフローサイトメトリーによってCD34およびCD90発現を評価した。
このアッセイを用いて、本発明者らは、表2に示されるエピジェネティック修飾因子の一団を含むFDA認可の446種の化合物および14種の小分子薬物をスクリーニングした。ヒトPBSC CD34+細胞を精製し、ウシ胎仔血清(FBS;GIBCO;最終濃度30%)およびCC100を有するIMDM(幹細胞因子;SCF、Flt3リガンド;FL、インターロイキン-3;IL3、およびインターロイキン-6;IL6を含有するCD34維持培養培地;Stem Cell Technologies)中で培養した。エクスビボ培養手法は、図8に要約されている。
TSA、DLS3、MS275、SAHA、UNC0638、またはSR1は、DMSO処理されたCD34+細胞のものと比較して、CD34+CD90+集団を拡大させ(図1A、9、および10)、一方でFDA認可の446種の化合物についての調査は、この目的のための潜在的な当たりをもたらさない(データ示さず)ことが観察された。
これらの化合物の大部分は、子孫の細胞総数に影響を及ぼしたため、CD34+CD90+細胞の絶対数を算出した。TSA、MS275、およびJY1は、他の化合物のものよりも、CD34+CD90+細胞の絶対数を拡大させた(図1B)。
これらの知見により、エピジェネティック修飾因子、とりわけ、HDAC6阻害剤を除いたヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)は、CD34+CD90+細胞を優先的に拡大させ、一方でFDA認可の446種の化合物は、CD34+CD90+細胞を拡大させないことが示唆された。
(表2)アッセイにおけるエピジェネティック修飾因子
Figure 2020124212
実施例9
エクスビボ培養の間、PBMC CD34+細胞におけるTSAまたはMS-275は、CD34+CD90+細胞の優先的な拡大につながる
PBMC CD34+細胞の拡大におけるTSAまたはMS-275の役割のさらに検討に対し、図11、図12BおよびFに示されるように、TSA処理は、DMSO処理された細胞と比較して、3日目、5日目、および7日目にCD34+CD90+細胞の優先的な拡大につながった(p<.05)。
DMSO処理された細胞と比較して、MS275処理された細胞において同様の結果が見られた(p<.05)。逆に、TSAおよびMS275による成長率は、DMSOによるものよりも約2倍低かった(図3A;DMSO 10.7×104±1.12対TSA 28.3×104±0.49;p<.05、対MS275 16.7×104±1.06)。CD34+(図11、図12CおよびG)およびCD34+CD90+(図11、図12DおよびH)亜集団の絶対細胞数を定量することによって、CD34+CD90+細胞の絶対数は、5日目〜7日目に、TSAまたはMS275処理のいずれかによって増加することが観察された。
TSA処理された培養物において観察されたより低い有核細胞総数が、分化または増殖の遅延によるものであるかどうかを査定するために、本発明者らは、インビトロ培養後のCD34+細胞の細胞分裂のカウントを可能にする蛍光細胞質色素である、細胞分裂モニタリング色素カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)アッセイを実施した。処理されていないCD34+細胞の66.0%が、5日目までに少なくとも4倍を上回って分裂した一方で、TSA処理された細胞の9.02%のみが、同程度の数の細胞分裂を経た(図3B)。同様の結果が7日目に見られた(図3B)。
次いで、本発明者らは、TSA処理が、表面マーカーによって査定される、自己再生増殖を介したCD34+CD90+細胞の増加につながるかどうかを検討した。対照集団としてCD34+CD90-細胞を用い、TSA処理に基づくCD34+CD90+細胞の細胞分裂プロファイルを、インビトロ培養の5日後および7日後に、CSFEアッセイを用いて解析した。面白いことに、5日目までに、CD34+CD90-細胞のものよりも、CD34+CD90+細胞の31.4%は分裂がより少なく、該細胞の約66.7%は分裂がより多かった。同様の結果が7日目に見られた(図3D)。
TSA処理された培養物において観察されたより低い有核細胞総数が、アポトーシスによるものである可能性があるかどうかを検討するために、TSA、MS275、またはDMSO処理された細胞を用いたアネキシンV染色を3日目、5日目、および7日目に実施した。50nM TSAおよび500nM MS275は、アポトーシス細胞を有意に増加させないことが観察された(図3E)。
まとめると、TSA処理されたCD34細胞のより低い拡大率は、アポトーシスの誘導ではなくより緩徐な細胞分裂によって生じるように見えた。記載されるデータは、TSA処理が、より緩徐な細胞分裂速度およびより低い分化傾向ではあるが、CD34+CD90+細胞の自己再生増殖を誘導したことを示している。
実施例10
インビボにおいて、TSAまたはMS-275によるCB CD34+細胞の処理は、骨髄再増殖潜在能を増強する
CD34+CD90+細胞は、重症複合免疫不全(SCID)再増殖活性(SRA)を有するCD34+亜集団であるため、次に、本発明者らは、TSAまたはMS-275処理によって仲介されるこれらの細胞の優先的な拡大が、インビトロでの造血の分化/増殖の増加およびインビボでのSRA生着につながり得るかどうかを試験する。まず、本発明者らは、TSAまたはMS-275処理でPBMC CD34+細胞を処理し、その後、メチルセルロース中でのインビトロのコロニー形成について査定した。播種の8日後、CFU-GMに由来する、TSAまたはMS275処理されたコロニーの大多数は、対照群よりもはるかに大きかった(図13A)。大きいおよび小さいコロニーを定量化するために、本発明者らは、それぞれ、>50個を大きいとしてかつ5〜50個のクラスターを小さいとして分類した。サイトカイン/成長因子で処理された細胞は、高い比率の小さいコロニーを生成したのに対し、TSA処理された細胞は大きいコロニーを主に生じさせた(図13B)。播種の14日後、PBMC CD34+細胞の処理は、他の対照群と比較して、コロニー形成細胞(CFC)含有率の同程度の分布をもたらし(図13C)、BFU-Eのパーセンテージのわずかな増加にもかかわらず、コロニーの大多数はCFUGMであった。
サイトカイン/成長因子およびサイトカイン単独またはTSAのいずれかを用いたCB CD34+細胞の培養の間、総細胞数は5〜7日目に劇的に増加した。上記で記載されるインビトロ表現型解析に基づき、本発明者らは、サイトカイン単独またはTSAとの5日間または7日間の培養後に、細胞をNSGマウスに移植して、増強したHSPC機能の尺度としての免疫不全(SCID)再増殖活性(SRA)を評価した。Vanheudenらにより、重症複合免疫不全(SCID)再増殖活性(SRA)は、インビトロ培養後のCD34+CD38CD90+CD45RA-細胞によって仲介されることが報告されたため、まず、本発明者らは、移植の2週間後に末梢血(PB)中のSRA活性を解析した。本発明者らは、TSAで処理された2×104個のCB CD34+細胞の5日目子孫を移植されたマウスが、サイトカインで処理されたCB CD34+細胞の子孫と比較して、ヒトCD45+の生着(≧0.1%ヒトCD45+細胞によって規定される)のより高いパーセンテージを有することを観察した(図4)。
実施例11
TSAによるPBMC CD34+細胞の処理は、遺伝子挿入手法の効率を増加させた
次に、本発明者らは、TSAによるCD34+CD90+細胞の拡大が、レンチウイルス形質導入効率に影響を及ぼし得るかどうかを検討した。緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする移入ベクターを、レンチウイルス形質導入ついての評価に用いた。PBMC CD34+細胞をTSAを用いてまたは用いずに3日間培養し、その後に48時間で2回、プロタミンによるレンチウイルス形質導入を行った(図15A)。
TSAで処理されたCD34+GFP+細胞のパーセンテージは、処理なしの細胞のものよりも高いことが観察された(図15BおよびC)。面白いことに、GFP陽性細胞のパーセンテージは、CD34+CD90+細胞と比較して、CD34+CD90-細胞においてより高かった(図15BおよびD)。これらのデータにより、TSAは、エクスビボにおいて、CD34+細胞に対するレンチウイルス形質導入を促進することが示唆された。
実施例12
TSAによるPBSC CD34+細胞の処理は、幹細胞関連遺伝子の発現を調節する
次に、TSA処理後に観察された機能的HSCおよびHSPCの拡大に関与する分子メカニズムを検討するために、本発明者らは、リアルタイムPCRを用いて、幹細胞の自己再生または分化に関わるいくつかの遺伝子の発現レベルを調べた。
本発明者らは、TSAで処理された細胞において、GATA1、GATA2、HOXA9、HOXB4、PTEN、SALL4、p53、TPO、およびCD34遺伝子に対するより高いレベルの転写産物を観察し(図6;p<.05)、これらの因子が、PBSC CD34+細胞における増大した自己再生特性の増加に寄与することが示唆された。
実施例13
考察
異種移植における生着を開始する造血細胞を、運用上、Scid再増殖細胞(SRC)として規定する。このモデルは、ヒトHSC活性を測定する直接定量的インビボアッセイを提供し、かつLin-CD34+CD38-CD90+CD45RA-の臍帯血画分は、SRC活性が増強されている。他方で、新鮮な幹細胞は、培養後に自己再生機能を喪失し、かつCD34+CD38-細胞の増加は、SRCとは相関しないことが報告されている。したがって、培養下の原始HSPC亜集団候補を確認するために、CD90などの他のHSCマーカーが利用されている。
サイトカイン/成長因子を用いたCD34+細胞のインビトロ培養の間、SCID再増殖細胞活性は、わずか2回の分裂を有するCD90+細胞と関連した。数人の研究者により、原始HSCは、比較的コミットした(committed)細胞よりも緩徐に分裂することが報告された。HSCは、多様なサイトカインの組み合わせの存在下で、インビボにおいて緩徐に循環するが、CD34+細胞は、培養下で迅速に循環しかつ繰り返される細胞分裂を受け、通常、多数の分化した前駆体の生成をもたらすが、骨髄再増殖細胞の数は減少する。
興味深いことに、5-アザ-2'-デオキシシチジン(5azaD)およびトリコスタチン(TSA)などのエピジェネティック修飾因子に曝露された臍帯血CD34+CD90+細胞は、アッセイ可能なSRCを維持し、かつサイトカイン/成長因子の存在下において、培養下で5〜10回の細胞分裂を受けていた後でさえ、ヒト多系統造血細胞生着の証拠を有した。このことは、適正なエクスビボ培養条件下で、HSCおよび/またはHSPCを、それらの幹細胞特性を傷つけることなく拡大させることができる可能性があることを示唆している。いくつかの報告により、HDAC阻害剤による臍帯血CD34+細胞の処理は、CD34+CD90+集団の拡大と並行して、ヒストンH4アセチル化および自己再生遺伝子の発現を誘導することがさらに示された。
本発明者らは、対照と比較した、有核細胞全体ならびにCD34+細胞のより低い拡大率にもかかわらず、TSAは、培養下のCD34+CD90+細胞を緩徐に拡大させかつSRAを増加させることを観察した。CD34+CD90+細胞の拡大およびより緩徐な分裂というこれらの特徴は、原始HSPCの内因性特性と一致している。迅速な重症複合免疫不全(SCID)再増殖活性(rSRA)は、培養下のCD34+CD38-CD90+CD45RA-細胞によって仲介されること、および長期SRC(LT-SRC)は、培養細胞中のCD34+CD90+細胞に制限されることが報告されている。HSPC自己再生、より緩徐な細胞分裂、およびHDACの間の関係性を理解するためにはさらなる検討が必要であるが、記載されるデータにより、PBMC CD34+のHDACi処理は、CD90の共発現を有する原始HSPCの拡大につながり得ることが示唆される。
ペプチド仲介によるHSPC拡大の潜在的メカニズムについての探索において、本発明者らは遺伝子発現プロファイルを調べた。PBMC CD34+細胞におけるいくつかの主要なHSPC機能関連遺伝子の発現は、TSAの処理によって影響を受ける。GATA-1は、血液細胞系統の小集団への造血前駆体の分化を推進する一方で、GATA-2は、造血幹細胞および早期前駆細胞において主に発現され、かつ自己再生における中枢的役割を果たす。これは、HSPC様特性を増加させる寄与因子の1つでありそうである。ホメオボックスファミリーの遺伝子のメンバーであるHOXB4の過剰発現は、HSPC拡大の強力な刺激因子になっている。TSAによるCD34+細胞におけるHOXB4転写産物のより大きな発現は、HSPC自己再生における提案される役割と一致している。本発明者らはまた、本発明者らの遺伝子発現プロファイルと、5Aaza/TSAでの処理から得られたものとの比較も行った。5Aza/TSAで処理されたCB CD34+細胞における、HOXB4、BMI1、GATA2、p21、p27、c-myc、およびMPOの発現レベルの増加が報告されている。いかなる特定のものによって拘束されることなく、HDACiとサイトカイン/成長因子との組み合わせの下でエクスビボで培養した場合、転写因子がCD34+CD90+拡大を仲介した可能性がある(図5)。
上記で記載される様々な方法および技法は、本発明を実行するいくつかの方式を提供する。当然のことながら、記載されるすべての目的または利点が、必ずしも本明細書において記載される任意の特定の態様に従って達成され得るわけではないことが理解されるべきである。ゆえに、例えば、当業者であれば、方法は、本明細書において教示され得るまたは示唆され得る他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示される1つの利点または利点の群を達成するまたは最大限に利用する様式で実施され得ることを認識するであろう。多様な有利なおよび不利な代替物が、本明細書において言及されている。一部の好ましい態様は、1つの、別の、またはいくつかの有利な特質を特異的に含み、一方で他のものは、1つの、別の、またはいくつかの不利な特質を特異的に除外し、一方でさらに他のものは、1つの、別の、またはいくつかの有利な特質の包含によって、現在の不利な特質を特異的に緩和することが理解されるべきである。
さらに、当業者であれば、種々の態様から、様々な特質の適用性を認識するであろう。同様に、上記で述べられる様々な要素、特質、および工程、ならびにそのようなそれぞれの要素、特質、または工程に対する他の公知の同等物は、本明細書において記載される原理に従って方法を実施するために、当業者によって混合され得かつ調和され得る。様々な要素、特質、および工程の中でも、多岐にわたる態様において、一部は特異的に含まれ、かつ他のものは特異的に除外される。
本発明は、ある特定の態様および実施例の背景で開示されているが、本発明の態様は、具体的に開示される態様を超えて、他の代替的な態様および/または使用、ならびにそれらの改変および同等物にまで拡大することが、当業者によって理解されるであろう。
多くの変化および代替的な要素が、本発明の態様において開示されている。なおさらなる変化および代替要素は、当業者に明白であろう。これらの変化の中には、限定することなく、造血細胞を拡大させる方法、記載される技法において用いられる造血細胞を改変する方法、前述の技法によって生成された造血細胞の組成物、本発明の教示に関係する疾患および/または病状の治療、そこで用いられる技法および組成物および解決策の使用、ならびに本発明の教示を通じて創出された産物の特定の使用がある。本発明の様々な態様は、これらの変化または要素のいずれかを特異的に含み得るまたは除外し得る。
一部の態様において、本発明のある特定の態様を記載しかつ主張するために用いられる、成分の分量、濃度、反応条件などの特性を表現する数字は、ある場合には「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、一部の態様において、書かれている説明および添付される特許請求の範囲において示される数的パラメーターは、特定の態様によって獲得されることが求められる所望の特性に応じて変動し得る近似である。一部の態様において、数的パラメーターは、報告される有効桁(significant digit)の数字に照らして、かつ通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。本発明の一部の態様の幅広い範囲を示す数的な値域およびパラメーターは近似であるにもかかわらず、具体的な実施例において示される数値は、実践可能な程度に正確に報告されている。本発明の一部の態様において提示される数値は、それらのそれぞれの試験測定結果において見出される標準偏差から必然的に生じるある特定の誤差を含有し得る。
一部の態様において、本発明の特定の態様を記載する文脈において(とりわけ、以下の特許請求の範囲のある特定のものの文脈において)用いられる「a」および「an」および「the」という用語、ならびに同様の参照記号(reference)は、単数形および複数形の両方を網羅すると解釈され得る。本明細書における値の値域についての記述は、値域内に入るそれぞれ別個の値を個々に指す簡便な方法として働くことが単に意図される。本明細書において別様に示されていない限り、それぞれ個々の値は、あたかもそれが本明細書において個々に記述されているかのように、本明細書に組み入れられる。本明細書において記載されるすべての方法は、本明細書において別様に示されていない限りまたはその他の点で明らかに文脈と矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書におけるある特定の態様に対して提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、本発明をよりよく照らし出すことを単に意図されるものであり、別様に主張される本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる言語も、本発明の実践に必須の主張されていない任意の要素を示すものとして解釈されるべきではない。
本明細書において開示される、本発明の代替的な要素または態様のグループ分けは、限定として解釈されるべきではない。それぞれのグループのメンバーは、個々に、またはグループの他のメンバーもしくは本明細書において見出される他の要素との任意の組み合わせで言及され得るかまたは主張され得る。グループの1つまたは複数のメンバーは、利便性および/または特許性の理由で、グループの中に含まれ得るかまたはグループから削除され得る。任意のそのような包含または削除が生じる場合、本明細書は、改変されたものとしてグループを含有すると本明細書において判断され、ゆえに、添付される特許請求の範囲において用いられるすべてのマーカッシュグループについて書かれている記載が満たされる。
本発明を実行するための本発明者らに知られる最良の様態を含む本発明の好ましい態様が本明細書において記載される。そうした好ましい態様に対する変化は、前述の説明を読めば当業者に明白になるであろう。当業者であれば、そのような変化を必要に応じて採用し得、かつ本発明は、本明細書において具体的に記載されるものとは別様に実践され得ることが企図される。したがって、本発明の多くの態様は、適用法令によって認められているように、本明細書に添付される特許請求の範囲において記述される対象物のすべての改変および同等物を含む。さらに、その考え得るすべての変化における、上記で記載される要素の任意の組み合わせは、本明細書において別様に示されていない限りまたはその他の点で明らかに文脈と矛盾しない限り、本発明によって包含される。
さらに、本明細書を通じて、特許および印刷された刊行物への多数の参照がなされている。上記で引用される参考文献および印刷された刊行物のそれぞれは、参照によりそれらの全体が本明細書に個々に組み入れられる。
締めくくりに、本明細書において開示される本発明の態様は、本発明の原理の例証であることが理解されるべきである。採用され得る他の改変は、本発明の範囲内にあり得る。ゆえに、例として、しかしながら限定ではなく、本発明の代替的な構成が、本明細書における教示に従って利用され得る。したがって、本発明の態様は、示されかつ記載されるものに正確に限定されるわけではない。

Claims (24)

  1. (a)ある分量の造血細胞を準備する工程;ならびに
    (b)造血細胞を拡大させることができる少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子の存在下で該ある分量の造血細胞を培養する工程
    を含む、造血細胞を拡大させる方法。
  2. 造血細胞が造血幹細胞(HSC)を含む、請求項1記載の方法。
  3. 造血細胞が造血幹前駆細胞(HSPC)を含む、請求項1記載の方法。
  4. 造血細胞が臍帯血から単離される、請求項1記載の方法。
  5. 造血細胞が骨髄から単離される、請求項1記載の方法。
  6. 造血細胞が末梢血から単離される、請求項1記載の方法。
  7. 少なくとも1種類の小分子がヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)を含む、請求項1記載の方法。
  8. HDACiが、トリコスタチン(TSA)、DLS3、MS275、SAHA、およびHDAC6阻害剤161からなる群より選択される1種類または複数種類のHDACiを含む、請求項7記載の方法。
  9. 少なくとも1種類の小分子が、5-アザシチジン、JQ1-S、JY1、UNC0638、JMJD3、JQ-EZ-05、SR1、DBZ、dmPGE2、およびUM171からなる群より選択される1種類または複数種類の小分子を含む、請求項1記載の方法。
  10. 少なくとも1種類の成長因子が、幹細胞因子(SCF)、flt3リガンド(FL)、インターロイキン-3(IL3)、およびインターロイキン-6(IL6)からなる群より選出される1種類または複数種類の成長因子を含む、請求項1記載の方法。
  11. (a)ある分量の造血細胞を準備する工程;ならびに
    (b)少なくとも1種類の小分子および少なくとも1種類の成長因子の存在下で該ある分量の造血細胞を培養する工程;
    (c)該細胞と、各ベクターが少なくとも1つの選択カセットおよび/または少なくとも1種類のヌクレアーゼをコードする1種類または複数種類のベクターとを接触させる工程;ならびに
    (d)該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する造血細胞を選択する工程であって、該選択カセットおよび該ヌクレアーゼを発現する細胞が、編集されたゲノムを含む、前記工程
    を含む、ゲノム編集の方法。
  12. 前記細胞が造血幹細胞(HSC)を含む、請求項11記載の方法。
  13. 多能性幹細胞が造血幹前駆細胞(HSPC)を含む、請求項11記載の方法。
  14. 少なくとも1種類のヌクレアーゼがジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を含む、請求項11記載の方法。
  15. 少なくとも1種類のヌクレアーゼが転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)を含む、請求項11記載の方法。
  16. 少なくとも1種類のヌクレアーゼがCRISPR関連タンパク質(Cas)ヌクレアーゼを含む、請求項11記載の方法。
  17. 1種類または複数種類のベクターが、少なくとも1つの選択カセットおよび少なくとも1種類のヌクレアーゼをコードするベクターを含む、請求項11記載の方法。
  18. 前記ある分量の造血細胞が、臍帯血、骨髄、または末梢血から単離される、請求項11記載の方法。
  19. (e)選択された造血細胞を対象に投与する工程
    を含む、請求項18記載の方法。
  20. 造血細胞が対象と免疫適合性である、請求項19記載の方法。
  21. 請求項11記載の方法によって産生された、ある分量の細胞。
  22. (a)臍帯血、骨髄、または末梢血からある分量の造血幹細胞(HSC)または造血幹前駆細胞(HSPC)を入手する工程;ならびに
    (b)以下:
    (i)トリコスタチン(TSA)、DLS3、MS275、SAHA、HDAC6阻害剤161、5-アザシチジン、JQ1-S、JY1、UNC0638、JMJD3、JQ-EZ-05、SR1、DBZ、dmPGE2、およびUM171からなる群より選択される少なくとも1種類の小分子;ならびに
    (ii)幹細胞因子(SCF)、flt3リガンド(FL)、インターロイキン-3(IL3)、およびインターロイキン-6(IL6)からなる群より選択される少なくとも1種類の成長因子
    の存在下で、少なくとも48時間の期間、HSCまたはHSPCを培養することによってHSCまたはHSPCを拡大させ、それによってHSCまたはHSPCが拡大する工程
    を含む、造血細胞を拡大させるエクスビボ方法。
  23. ある分量のHSPCを入手する工程が、CD34+および/またはCD90+を発現する細胞の単離を含む、請求項22記載の方法。
  24. 少なくとも48時間の期間が、72時間、96時間、120時間、144時間、または168時間を含む、請求項22記載の方法。
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