JP2020123450A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】密閉性を向上させた、二重巻締構造を有する電池の提供。【解決手段】電池100は、一方の端部に開口縁部13を有する筒部11、および、筒部の他方の端部を閉じる底部12を有する電池缶10と、開口縁部13の開口を封口するように筒部11に固定された封口板20と、を備える。封口板20は、蓋部21と、蓋部と連続する周縁部とを有し、開口縁部13と周縁部22とが、二重巻締構造により連結している。二重巻締構造におけるボディーフックの厚みT1は、0.1mm以上0.5mm以下である。二重巻締構造におけるカバーフックの厚みをT2とし、蓋部の厚みをT3とし、チャックウォールの厚みをT4としたとき、(1)T2<T3、(2)0.8≦T2/T1≦1.2、(3)1.0≦T4/T1≦1.8、および(4)T4/T2≧1.1を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、電池缶と、電池缶に収容された発電要素と、電池缶の開口を封口する封口板とを具備する電池に関する。
封口板により電池缶の開口を封口する場合、一般的には電池缶の開口付近を内側に縮径して環状溝が形成される。封口板の周縁部にはガスケットが配されている。電池缶の端部と環状溝との間にガスケットを挟み込み、上下方向から圧縮することで封口板が電池缶に固定される(特許文献1参照)。
また、電池缶の開口端部と金属製の蓋の周縁部とをレーザ溶接して蓋により電池缶の開口を封口することも行われている(特許文献2)。
しかし、特許文献1の方法では、封口部が強度不足となることがある。また、特許文献2の方法では、レーザ装置が高価であるため、電池の製造コストが高くなる。
そこで、二重巻締方式により電池の封口部を形成することが提案されている(特許文献3、4)。
特開平7−105933号公報 特開2017−195165号公報 特開平9−73885号公報 特開2002−343310号公報
二重巻締方式は厚みの薄い容器と蓋とで構成される飲料缶もしくは一斗缶のような大型ケースで多く採用されている。飲料缶の内圧は10気圧未満であるのに対し、電池の内圧は例えば60気圧以上まで高くなることが想定される。この結果、電池缶や蓋が外部方向へ変形し、機器への装着不具合などを引き起こす場合があり得る。筒状構造の電池の場合、強度の高い曲面状を持つ缶側面と比べ、平面状の缶底や蓋の変形が顕著となるため、蓋の厚みを電池缶側面の厚みよりも厚くしておくことが望まれる。
一方、二重巻締方式を電池に採用する場合、飲料缶と比べて高い封口部の密閉性が要求される。しかしながら、素材の厚さが大きいほど、巻締部の加工が難しくなり、密閉性が低下し易い。
本発明の一局面は、一方の端部に開口縁部を有する筒部、および、前記筒部の他方の端部を閉じる底部を有する電池缶と、前記筒部に収容された発電要素と、前記開口縁部の開口を封口するように前記筒部に固定された封口板と、を備え、前記封口板は、蓋部と、前記蓋部と連続する周縁部と、を有し、前記開口縁部と前記周縁部とが、二重巻締構造により連結しており、前記二重巻締構造における前記開口縁部のボディーフックの厚みT1は、0.1mm以上0.5mm以下であり、前記二重巻締構造における前記周縁部のカバーフックの厚みをT2とし、前記蓋部の厚みをT3とし、前記周縁部において前記蓋部から立ち上がるチャックウォールの厚みをT4としたとき、下記の関係式:
T2<T3 (1)
0.8≦T2/T1≦1.2 (2)
1.0≦T4/T1≦1.8 (3)
T4/T2≧1.1 (4)
を満たす、電池に関する。
本開示によれば、二重巻締構造を有する電池の封口部の密閉性が向上する。
本開示の一実施形態に係る電池の縦断面模式図である。 同電池の封口部の二重巻締構造の説明図である。 同電池の封口部の二重巻締構造の他の例を示す説明図である。 二重巻締構造を有する電池の製造方法の一例の説明図であり、電池缶準備工程(a)、ネッキング工程(b)、フランジング工程(c)、封口板配置工程(d)、第1巻締工程(e)および第2巻締工程(f)を示す図である。 過放電試験において、カバーフック厚みT2およびチャックウォール厚みT4と、漏液との関係を示すグラフであり、ボディーフック厚みT1が(a)T1=0.1mm、(b)T1=0.2mm、(c)T1=0.3mm、(d)T1=0.4mm、および(e)T1=0.5mmの場合を示すグラフである。 図5のグラフを、T2/T1およびT4/T1と漏液との関係として表したグラフである。 耐衝撃試験において、T2/T1およびT4/T1と漏液との関係を示すグラフである。
本実施形態に係る電池は、一方の端部に開口縁部を有する筒部、および、筒部の他方の端部を閉じる底部を有する電池缶と、筒部に収容された発電要素と、開口縁部の開口を封口するように筒部に固定された封口板と、を備える。封口板は、蓋部と、蓋部と連続する周縁部と、を有し、開口縁部と周縁部とが、二重巻締構造により連結している。
二重巻締構造において、開口縁部のボディーフックの厚みをT1とする。同様に、二重巻締構造において、周縁部のカバーフックの厚みをT2とする。蓋部の厚みをT3とする。また、周縁部において、蓋部から立ち上がるチャックウォールの厚みをT4とする。このとき、T1が0.1mm以上0.5mm以下の範囲で、T1〜T4は下記の関係式(1)〜(4)を満たす。
T2<T3 (1)
0.8≦T2/T1≦1.2 (2)
1.0≦T4/T1≦1.8 (3)
T4/T2≧1.1 (4)
上記構成によれば、二重巻締構造を有する電池の封口部の密閉性が向上する。ここで、封口部とは、電池缶の開口縁部と封口板の周縁部とで形成される二重巻締構造を有する部位をいう。
ここで、二重巻締構造とは、封口板の周縁部および電池缶の開口縁部を相互に巻き込んで締め付ける密閉構造をいう。二重巻締構造内では、開口縁部の最端部により形成されるボディーフックと、封口板の周縁部の最外周部により形成されるカバーフックとが相互に係合している。以下、二重巻締構造を形成するための一連の工程を二重巻締加工と称する。
開口縁部は、電池缶の筒部のうち、一定の内径を有する主要部位から内径が小さくなるように屈曲し始める開口側の縮径開始位置から最端部までの部位である。また、底部は、主要部位から屈曲し始める開口と反対側の屈曲開始位置から最下端までの部位である。
式(1)を満たすことにより、カバーフック部の厚みT2を蓋部の厚みT3よりも薄く形成しておくことで、二重巻締構造への加工が容易となり、封口部の密閉性をばらつきなく維持できる。しかしながら、カバーフックの厚みT2を薄くするために、蓋部に対して周縁部の厚みを一様に薄く形成したのでは、電池としての使用に十分な封口部の密閉性が必ずしも得られない場合がある。電池の内圧は、例えば60気圧以上の高圧になることも想定される。封口部の密閉性が十分でないと、内圧の上昇時に漏液が発生し得る。
内圧の上昇に伴う漏液は、封口板のチャックウォール部分が変形し、チャックウォールと開口縁部との間に隙間が生じて、二重巻締構造が崩れ、密閉性が低下することによって発生するものと考えられる。そこで、本開示に係る電池では、カバーフックの厚みT2を薄く形成する一方で、チャックウォールの厚みT4をT2より厚くした(式(4)参照)。これにより、内圧の上昇時のチャックウォールの変形を抑制し、内圧上昇時においても十分な密閉性を維持できる。
具体的には、式(1)に加え、式(2)〜(4)を満たすことにより、二重巻締構造を有する電池において、内圧上昇時の漏液が顕著に改善され、封口部の密閉性に優れた電池が実現される。また、本開示の電池は、二重巻締構造を形成するための封口板および開口縁部の加工が容易であり、安価に製造できる。
式(1)〜(4)に加えて、さらにT2/T3≧0.4を満たしてもよい。この範囲では、カバーフック部の厚みT2を蓋部の厚みT3よりも薄く形成する鍛造加工が容易であり、安価に製造できる。
式(1)〜(4)に加えて、さらにT4/T2≧1.2を満たしてもよい。この場合、チャックウォールの変形が一層抑制され、電池に衝撃が外部から加わった場合においても二重巻締構造を維持し易く、封口部の密閉をより高度に維持できる。
上記の通り、本開示の電池では、チャックウォールの厚みT4をカバーフックの厚みT2よりも厚く形成してチャックウォールの強度を高めている。これにより、チャックウォールの変形を抑制し、電池内圧が上昇した場合においても二重巻締構造を維持し、密閉性の低下を抑制する。二重巻締構造を構成しない蓋部の厚みT3は、上記式(1)〜(4)を満たしている限り、特に限定されない。封口板は、蓋部から周縁部の端部(カバーフック)に向かうに従って厚みが薄くなるように(T3>T4>T2)形成されていてもよい。あるいは、チャックウォールの厚みを、蓋部の厚みよりも厚く(T4>T3)形成してもよい。
筒状構造を有する電池では、内部が高圧になった場合、強度の高い曲面状を持つ電池缶側面よりも、平面状の蓋の変形が顕著になり易い。このため、T3をボディーフックの厚みT1より厚くしてもよい。T3は、例えば、T1の1.1〜2.5倍であってもよく、1.3〜2倍であってもよい。また、ボディーフックの厚みを、電池缶の筒部の主要部位における厚みT5よりも薄く形成してもよい。このように電池缶を構成することによって、電池自体の強度を高め、耐衝撃性を向上させることができる。
チャックウォールの厚みT4は、二重巻締構造の上端位置(シーミングパネルと呼ばれる)と二重巻締構造の下端位置(カバーフックラジアスと呼ばれる)との中点の高さにおけるチャックウォールの厚みとする。また、封口板の厚みが、蓋部の中央部から周縁部に向かうに従って一定でないことも考えられる。その場合、蓋部の厚みT3は、蓋部からチャックウォールが屈曲して立ち上がる屈曲箇所近傍における蓋部の厚みとする。ボディーフックの厚みT1およびカバーフックの厚みT2は、それぞれ、カバーフックとボディーフックとが重なり合う領域(オーバーラップと呼ばれる、図2に示す領域X)の上端位置と下端位置との間の中点の高さにおける厚みとする。
ボディーフックの厚みT1は、0.1mm以上0.5mm以下である。T1が0.1mm未満であると、式(1)〜(4)を満たす場合であっても、ボディーフック(および、カバーフック)の厚みが薄くなりすぎ、封口部が変形し易くなる。また、高密度の電池は、落下等の衝撃の影響を受けやすい。T1を0.1mm以上とすることで、内圧の上昇時および衝撃を受けた時に封口部の変形を抑制することができる。一方、T1が0.5mmを超えると、二重巻締加工を容易に行い難くなる。この結果、封口部の均一性が低下し、密閉性が低下し、もしくは封口部が部分的に変形しやすくなる。T1を0.5mm以下とすることで、二重巻締加工による封口部の製造ばらつきを抑制し、安定した密閉性を確保することができる。
汎用性の高い比較的小型(例えば外径50mm以下もしくは40mm以下)の電池(例えば単1、単2、単3、単4形の電池等)では、T1は、0.1mm≦T1≦0.3mmを満たしてもよく、0.1mm≦T1≦0.25mmを満たしてもよい。
汎用性の高い上記のような比較的小型の電池では、飲料缶等に比べて、封口部の寸法を小さくし、体積あたりの容量密度を高くすることが望まれる。よって、二重巻締構造の上端と下端との距離(図1に示すd1)は、例えば、0.6mm〜1.7mmであればよく、0.8mm〜1.5mmであってもよい。また、二重巻締構造の下端と蓋部の最上部との距離(図1に示すd2)は、例えば、0.0mm〜3.0mmであってもよく、1.0mm〜2.0mmであってもよい。
電池の密度は、例えば1.5g/cm以上である。電池の密度は、電池全体の質量を電池全体の体積で除して得られる。電池全体の質量とは、電池缶、発電要素および封口板を包含する全体の質量であり、外装ラベル等を包含する場合もある。例えば乾電池の密度は、2.5g/cm〜3.6g/cm程度であり、重量エネルギー密度の高いリチウム一次電池の密度は、1.5g/cm〜2.5g/cm程度である。一方、例えば飲料を含む飲料缶の場合、飲料の密度は1g/cm〜1.3g/cm程度であるから、飲料を含む飲料缶全体の密度が1.5g/cmを超えることはない。
電池缶および封口板の素材は、いずれも金属が用いられる。金属としては、鉄、および/または鉄合金(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム、アルミニウム合金(マンガン、銅などの他の金属を微量含有する合金など)、ニッケル合金などを用い得る。また、電池缶および封口板は、鋼板であってもよい。鋼板とは、炭素および/または他の元素を含む鉄の合金板をいう。鋼板は、ステンレス鋼であってもよい。素材には、耐食性を向上させるために、めっきを施してもよい。
封口部の密閉性をより高めるために、封口板の周縁部と電池缶の開口縁部との間に、封止剤(シーラント)を介在させてもよい。封止剤は、例えば、ボディーフックとカバーフックとの間に介在させるだけでもよいが、封口板の周縁部および電池缶の開口縁部のできるだけ多くの面積に塗布することが好ましい。封止剤には、例えば、アスファルトのような粘着剤、ブチルゴムのようなゴム状樹脂、ポリアミド系樹脂などを用い得る。
次に、本開示の実施形態に係る電池について図面を参照しながら具体的に説明するが、本開示は以下の記載によって限定されるものではない。また、図1には、本実施形態に係る電池の一例としてアルカリ乾電池の構成を示すが、電池の種類は、アルカリ乾電池に限られない。本開示は、様々な一次電池および二次電池、例えば、各種乾電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウム一次電池、リチウム二次電池、リチウムイオン電池などに適用し得る。
図1は、本実施形態に係る二重巻締構造を具備するアルカリ乾電池100の縦断面模式図である。図2は、電池100の封口部の二重巻締構造の説明図である。
図1において、電池100は、円筒型の有底の電池缶10と、電池缶10に収容された発電要素と、電池缶10を封口する封口板20とを具備する。電池缶10は、筒部11と、底部12とを有する。筒部11の一方の端部には開口縁部13が設けられている一方、筒部11の他方の端部は底部12によって閉じられている。封口板20は、開口縁部13の開口を封口するように筒部11に固定されている。封口板20は、中央領域を含む蓋部21と、蓋部21と連続する周縁部22とを有する。
発電要素は、中空円筒形の正極70と、正極70の中空部内に配された負極80と、これらの間に配されたセパレータ90と、アルカリ電解液(図示せず)とを含み、これらが正極端子を兼ねた電池缶10の内側に収容されている。
正極70は、例えば、正極活物質、導電剤およびアルカリ電解液を含む正極合剤をペレット状に加圧成形することにより得られる。正極活物質には、二酸化マンガンなどが用いられる。導電剤には、カーボンブラック、黒鉛などが用いられる。負極80は、例えば、負極活物質、ゲル化剤およびアルカリ電解液の混合物である。負極活物質には、粉末状の亜鉛、亜鉛合金などが用いられる。ゲル化剤には、吸水性ポリマーなどが用いられる。セパレータ90には、セルロース繊維およびポリビニルアルコール繊維を主体として混抄したシートなどが用いられる。セパレータは1枚のシートで構成してもよく、複数のシートを重ねて構成してもよい。アルカリ電解液としては、例えば水酸化カリウムを含むアルカリ水溶液が用いられる。アルカリ水溶液は、更に酸化亜鉛を含み得る。
図1では、封口板20は、蓋部21を覆う負極端子板30、絶縁部材40、負極集電子50およびガスケット60とともに封口ユニットを構成している。負極集電子50は、胴部51と頭部52とを有する釘状の形態を有する。胴部51は、封口板20を貫通して負極80に挿入されている。頭部52は、負極端子板30の内面中央部に溶接されている。封口板20は正極性を有し得るため、絶縁部材40が封口板20と負極端子板30との間に介在して両者を絶縁している。封口板20の貫通孔の周辺部と負極集電子50との間にはガスケット60が介在して両者を絶縁している。二重巻締構造の上端と下端との距離d1は、飲料缶等に比べて十分に小さく、電池缶の筒部の高さHの3.0%以下である。また、蓋部21の最上部は二重巻構造の下端に対して上部側に位置している。なお、飲料缶では、蓋部の最上部は、通常、二重巻構造の下端より下部側に位置する。
電池缶10および封口板20の素材には、例えばニッケルめっきを具備する鋼板もしくはステンレス鋼を用い得る。電池缶10と正極70との間の密着性を向上させるために電池缶10の内面に炭素被膜を設けてもよい。負極集電子には、例えば、真鍮などが用いられる。
図2に示すように、二重巻締構造では、封口板20の周縁部22の最外周部により形成されるカバーフック221と、電池缶10の開口縁部13の最端部により形成されるボディーフック131とが相互に係合している。
封口板20の周縁部22において、カバーフック221に続く最外壁はシーミングウォール222と称され、シーミングウォール222に続く最内壁はチャックウォール223と称される。シーミングウォール222は、後述するように、二重巻締加工の際にシーミングロールと称されるツールと接触する部位である。チャックウォール223は、二重巻締加工の際にシーミングチャックと称されるツールと接触する部位である。
図2に示す例では、チャックウォール223の厚みT4は、蓋部21の厚みT3よりも薄く、且つカバーフック221の厚みT2よりも厚く、T2<T4<T3を満たし、且つ上記式(1)〜(4)を満たしている。
図3に、電池100における封口部の二重巻締構造の他の例を示す。図3では、電池缶10Aの筒部11Aの(主要部位における)厚みT5が、ボディーフック131の厚さT1よりも厚く形成されている。これにより、電池自体の強度を高めて、さらに耐衝撃性を向上させることができる。具体的には、T5はT1の1.1倍〜2.0倍に設定するとよい。電池缶の加工性を考慮して、T5はT1の1.1倍〜1.6倍に設定してもよい。
次に、図4を参照しながら、二重巻締加工の一例について説明する。二重巻締加工は、通常2段階の巻締工程を有する。
(a)電池缶準備工程
まず、発電要素が充填された電池缶10を準備する。なお、図4では、発電要素の図示は省略している。電池缶10は有底の金属缶であり、ネッキングおよびフランジングを施す前の初期の開口縁部は、主要部位と同様の内径と外径とを有する。
(b)ネッキング工程
ネッキング工程では、電池缶10の開口縁部13の内径および外径を縮径する。ネッキング工程は、どのような方法で行ってもよいが、図4(b)に示すように、筒状で内径が途中で減少するネッキングダイ201と、縮径後の開口縁部13の内径に相当する外径を有するポンチ202とを用いて行い得る。
(c)フランジング工程
次に、開口縁部13の最端部を外側に広げることによりフランジが形成される。フランジング工程は、どのような方法で行ってもよいが、図4(c)に示すように、直径が次第に大きくなるとともに曲率の大きな曲面を有するフランジングダイ203を回転させながら開口縁部13の内側に押し付けることにより行い得る。その際、フランジングダイ203とともに電池缶10を回転させてもよい。
(d)封口板配置工程
次に、フランジが形成された開口縁部13に封口板20を載置する。封口板20は予め底浅のカップ状にプレス成形されている。カップの底部は、封口板20の蓋部21に対応する。カップの側壁部は、チャックウォール223に対応する。封口板20の周縁部22は、電池缶10が具備するフランジよりも十分に大きなフランジ状に加工され、その最外周部は底部側に向けて大きく屈曲している。この屈曲した最外周部はカバーフック221に対応する。チャックウォールに対応するカップの側壁部の厚みT4、および、カバーフックに対応する最外周部の厚みT2は、上記式(1)〜(4)を満たすように形成しておく。
(e)第1巻締工程
第1巻締工程は、電池缶10の開口縁部13および封口板20の周縁部22を変形させて、ボディーフック131となる開口縁部13の最端部の内側に、カバーフック221となる周縁部22の最外周部を巻き込ませる工程である。第1巻締工程では、筒状回転体であるシーミングチャック(図示せず)で封口板20の蓋部21を固定しながら、周縁部22の屈曲面の外側に第1シーミングロール204を押し付ける。第1シーミングロール204は、筒状回転体であり、その周面に周方向に沿って内面が曲面の第1溝204gを有する。電池缶10の開口縁部13および封口板20の周縁部22は、第1溝204gの曲面に沿って変形し、周縁部22の内面と開口縁部13の外面とが適度に密着する。
(f)第2巻締工程
第2巻締工程は、第1巻締工程に引き続き、電池缶10の開口縁部13および封口板20の周縁部22を更に変形させ、ボディーフック131とカバーフック221とを相互に締め付ける工程である。第2巻締工程では、シーミングチャックで封口板20の蓋部21を固定しながら、周縁部22の屈曲面の外側に第2シーミングロール205を押し付ける。第2シーミングロール205は、筒状回転体であり、その周面に周方向に沿って内底面が略平坦な第2溝205gを有する。電池缶10の開口縁部13および封口板20の周縁部22は、第2溝205gに沿って略平坦形状に変形し、気密に封止された封口部が形成される。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
下記手順(1)〜(3)に従って、厚みT1〜T4が異なる種々の円筒形アルカリ乾電池を作製した。
(1)正極の作製
正極活物質である電解二酸化マンガン粉末(平均粒径(D50)35μm)に、導電剤である黒鉛粉末(平均粒径(D50)8μm)を加え、混合物を得た。電解二酸化マンガン粉末および黒鉛粉末の質量比は92.4:7.6とした。混合物に電解液を加え、充分に攪拌した後、フレーク状に圧縮成形して、正極合剤を得た。混合物および電解液の質量比は100:1.5とした。電解液には、水酸化カリウム(濃度35質量%)および酸化亜鉛(濃度2質量%)を含むアルカリ水溶液を用いた。フレーク状の正極合剤を粉砕して顆粒状とし、所定形状の中空円筒形に加圧成形して、正極ペレットを作製した。
(2)負極の作製
負極活物質である亜鉛合金粉末(平均粒径(D50)130μm)と、上記の電解液と、ゲル化剤とを混合し、ゲル状の負極を得た。ゲル化剤には、ポリアクリル酸およびポリアクリル酸ナトリウムの混合物を用いた。負極活物質と、電解液と、ゲル化剤との質量比は、100:50:1とした。
(3)アルカリ乾電池の組立て
所定サイズのニッケルめっき鋼板製の有底円筒形の電池缶を準備し、その内面に厚み約10μmの炭素被膜を形成した。電池缶内に所定個数の正極ペレットを挿入した後、加圧して電池缶の内壁に密着した状態の正極を形成した。次に、有底円筒形のセパレータを正極の内側に配置した後、上記電解液を注入し、セパレータに含浸させた。この状態で所定時間放置し、電解液をセパレータから正極へ浸透させた。その後、所定量の負極をセパレータの内側に充填した。
厚みT3のニッケルめっき鋼板製の封口板を準備し、鍛造加工により所望のカバーフック厚みT2およびチャックウォール厚みT4となるように周縁部の厚みを変化させた。その後、図4(d)に示す形状に封口板を加工した。
次に、電池缶にネッキングおよびフランジング工程を施し、電池缶の開口縁部に封口板を配置し、第1および第2巻締工程を行い、二重巻締構造を有する封口部を形成し、アルカリ乾電池を完成させた。
[評価]
(過放電試験)
作製した各電池を負荷抵抗装置に接続した。負荷抵抗装置において、負荷抵抗値を3.9Ωに設定し、閉回路電圧が0.1V以下になるまで電池を放電させ、電池を過放電状態とした。その後、過放電状態の電池を、30℃で相対湿度60%の恒湿恒温槽に3ヶ月間置いた。電池を恒湿恒温槽から取り出し、漏液の有無を確認した。
厚みT1〜T4の組み合わせのそれぞれについて、試験電池を10個作製し、10個のうち1個でも漏液が確認された場合、漏液有りとして評価した。図5に評価結果を示す。
図5(a〜e)の各図は、漏液無しと評価された電池を〇とし、漏液有りと評価された電池を×として、厚みT2をX軸とし厚みT4をY軸とするXY平面にプロットした図である。図5(a)は、厚みT1=0.1mmとした場合のプロットであり、図5(b)は、厚みT1=0.2mmの場合のプロットであり、図5(c)は、厚みT1=0.3mmの場合のプロットであり、図5(d)は、厚みT1=0.4mmの場合のプロットであり、図5(e)は、厚みT1=0.5mmの場合のプロットである。なお、二重巻締構造を構成しない蓋部の厚みT3については、二重巻締構造による密閉性には直接影響しないと考えられるため、T2およびT4の値に応じて、T2/T3≧0.4を満たすように適宜変更している。
図5(a〜e)に示すように、チャックウォールの厚みをカバーフックの厚みと同じとした場合(T2=T4)には、T1の値に依らず、過放電試験において漏液を確認した。漏液を確認した電池を調べたところ、チャックウォールの変形が見られ、変形箇所において二重巻締構造が崩れ、漏液が発生していた。
これに対し、T2に対してT4を厚くすることで、漏液の発生が抑制される。ただし、図5(a〜e)からは、T4が厚すぎると漏液が発生する傾向が見られる。これは、チャックウォールの厚みを厚くするほど、封口板の周縁部を蓋部から立ち上げチャックウォールを形成する加工を容易に行い難くなり、加工精度が低下するためと考えられる。図5(a〜e)より、漏液の発生を抑制できる厚みT4の上限値は、T1に依存している。
図5(a〜e)より、カバーフックの厚みT2がある一定の範囲において、漏液の発生が抑制される傾向がある。また、漏液の発生を抑制できる厚みT2の上限値および下限値は、T1に依存している。この理由としては、T2とT1との差が大きくなると、カバーフックとボディーフックの加工性の差が過度に大きくなり、バランスの良い二重巻締加工が困難になることが考えられる。この結果、封口部の均一性が低下し、密閉性が低下し易くなる。
図6は、図5(a〜e)に示す結果をT1で規格化し、T2/T1をX軸としT4/T1をY軸とするXY平面にまとめてプロットした図である。図6の太線で囲まれた領域において、漏液の発生が抑制されている。図6の太線で囲まれた領域は、0.8≦T2/T1≦1.2、1.0≦T4/T1≦1.8を満たす矩形領域の一部であり、且つT4≧1.1×T2を満たす。
(耐衝撃試験)
過放電試験後の電池(漏液無しと評価されたものに限る)を、さらに、封口部を下向きにして100cmの高さからプラスチックタイルの上に落下させ、漏液の有無を調べた。10個のうち1個でも漏液が確認された場合、漏液有りとして評価した。
図7は、特に図6の太線で囲まれた領域に該当する電池について、耐衝撃試験の結果を示している。図7では、漏液無しと評価された電池を〇で、漏液有りと評価された電池を×で示している。過放電試験では漏液を確認できなかった電池であっても、T4/T2が1.1程度の、T2に対してT4が比較的小さい電池では、漏液が発生した。しかしながら、T4≧1.2×T2を満たす領域では、漏液は発生しなかった。
本発明に係る電池は、封口部の密閉性が高いため、例えば携帯機器、ハイブリッド自動車、電気自動車等の電源として使用するのに適している。
10、10A:電池缶
11、11A:筒部
12:底部
13:開口縁部
131:ボディーフック
20:封口板
21:蓋部
22:周縁部
221:カバーフック
222:シーミングウォール
223:チャックウォール
30:負極端子板
40:絶縁部材
50:負極集電子
51:胴部
52:頭部
60:ガスケット
70:正極
80:負極
90:セパレータ
100:電池
201:ネッキングダイ
202:ポンチ
203:フランジングダイ
204:第1シーミングロール
205:第2シーミングロール

Claims (3)

  1. 一方の端部に開口縁部を有する筒部、および、前記筒部の他方の端部を閉じる底部を有する電池缶と、
    前記筒部に収容された発電要素と、
    前記開口縁部の開口を封口するように前記筒部に固定された封口板と、を備え、
    前記封口板は、蓋部と、前記蓋部と連続する周縁部と、を有し、
    前記開口縁部と前記周縁部とが、二重巻締構造により連結しており、
    前記二重巻締構造における前記開口縁部のボディーフックの厚みT1は、0.1mm以上0.5mm以下であり、
    前記二重巻締構造における前記周縁部のカバーフックの厚みをT2とし、前記蓋部の厚みをT3とし、前記周縁部において前記蓋部から立ち上がるチャックウォールの厚みをT4としたとき、下記の関係式:
    T2<T3 (1)
    0.8≦T2/T1≦1.2 (2)
    1.0≦T4/T1≦1.8 (3)
    T4/T2≧1.1 (4)
    を満たす、電池。
  2. さらにT2/T3≧0.4を満たす、請求項1に記載の電池。
  3. さらにT4/T2≧1.2を満たす、請求項1または2に記載の電池。
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