JP2020123110A - タッチパネルおよび導電性フィルム - Google Patents

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克行 温井
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Abstract

【課題】狭額縁化と、トレーサビリティとの両立を図ったタッチパネルおよび導電性フィルムを提供する。【解決手段】タッチパネル10は、画像表示部14と、画像表示部の表示面14a側に積層された導電性フィルム12を有する。導電性フィルムは、透明な可撓性基材の少なくとも一方の表面に設けられた、導電層により構成された検出部20と、一端が検出部に電気的に接続され、他端に外部接続端子26が設けられた取出し配線部22と、可撓性基材に設けられ、個体識別情報が記録された個体識別表示部24を有する。導電性フィルムは、定められた折曲位置で折り曲げられて、取出し配線部の外部接続端子と個体識別表示部とが、画像表示部の表示面側とは反対の裏面14b側に配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示部を有するタッチパネル、およびタッチパネルに用いられる導電性フィルムに関し、特に、額縁が狭く、画像表示部の裏面側に個体識別表示部が配置されたタッチパネルおよび、タッチパネルに用いられる導電性フィルムに関する。
現在、タブレット型コンピューターおよびスマートフォン等の携帯情報機器を始めとした各種の電子機器において、液晶表示装置等の表示装置と組み合わせて用いられ、画面に接触することにより電子機器への入力操作を行うタッチパネルがある。タッチパネルは、タッチを検出する検出電極と、検出電極に電気的に接続される取出し配線とを備えるタッチセンサーを有する。
取出し配線は検出電極からの電気信号を取り出し、検出電極の周囲を取り回しFPC(フレキシブルプリント基板)と接続する位置まで配置される。FPCとの接続部分でFPCと取出し配線とが電気的に接続され、FPCを通じてタッチセンサーをコントロールするIC(integrated circuit)に接続される。これにより、タッチセンサーが駆動可能となる。
また、近年、タッチパネルの狭額縁化が進んでいる。タッチパネルを狭額縁とすることによりタッチパネルの画面表示が占める面積が広くなり、実用的な画面サイズが増加し、また意匠性が高いデザインとなる。このため、タッチパネルでは狭額縁化が好まれている。
従来の構成においてはタッチセンサーとFPCの接続部は、1つの基板の同一平面内に配置され、タッチセンサーに接続したFPCが湾曲しタッチセンサーの背面側で制御機構と接続している。しかし、従来の構成においては、FPCの接続部とFPCの湾曲部分の占める面積が広く、狭額縁化としては不十分な状態であった。
近年の検討で、タッチセンサーの取出し配線の取り回しとタッチセンサーの打ち抜き形状を変え、取出し配線で折曲げ、取出し配線の先端をタッチセンサーの裏面に回し、その先でFPCに接続させ、FPCを制御機構に接続させることにより、額縁領域の省スペース化を実現する形態が提案されている。
例えば、特許文献1には、タッチパネル用可撓性電極部材を用いたタッチパネルが記載されている。タッチパネル用可撓性電極部材は、本体部と本体部から突き出した引き出し部とを一体として有し、本体部および引き出し部に共通の一体となった透明可撓性基材と、本体部の一方の面の面上に形成されたセンサ電極と、一方の面の面上の本体部から引き出し部に亘って連続層として形成されセンサ電極に電気的に接続されセンサ電極を引き出し部にて外部回路に電気的に接続するための取り出し回路とを有し、センサ電極と取り出し回路とが同一材料で連続層として形成されている。
一方、タッチセンサーに、個体識別情報を記録した個体識別表示部を設けることは、製造品の品質管理をする観点で重要である。個体識別表示部に製造番号等を記入しておくことにより、出荷後の製品異常時の解析の際、製造時期等の情報を利用することができる。
従来の構成においては、FPCの接続部をタッチセンサーと、1つの基板の同一面内に設ける構成であり、タッチセンサーと同一面内の空いたスペースに個体識別表示部を配置している。例えば、特許文献2のタッチパネルセンサでは、タッチパネルセンサの製品名または製造番号等のID情報を表示するよう利用される第2ID領域と、第2透明導電パターンと、第2透明導電パターンに接続された第2取出導電パターンと、第2取出導電パターンに接続された第2端子部とが全て基板の同一面上に形成されている。
特開2014−149608号公報 特開2012−203565号公報
しかしながら、特許文献2の構成において、周辺配線の細線化および高密度化によりスペースの低減を進めていく先で、個体識別表示部の面積分だけ狭額縁化が行えず、十分な狭額縁化を達成できないという問題点が生じる。
加えて、タッチセンサーと同一面内において空いたスペースに個体識別表示部を配置した場合、タッチパネルでは、加飾層で隠される部分に個体識別表示部が配置されるため、タッチパネルの表面からは個体識別表示部を確認することができない。このため、タッチパネルの故障解析を行う際、タッチセンサーのトレーサビリティのため個体識別表示部の確認が必要な場合、タッチパネルを分解する必要がある。
個体識別表示部を確認するためにタッチパネルを分解することは大変な労力と時間を要し、トレーサビリティが困難である。さらには、分解作業中に個体識別表示部を傷つけて個体識別情報の取得を失敗する恐れがある。また、分解作業中に怪我をする恐れもある。
このように、従来のタッチパネルでは、狭額縁化と、トレーサビリティとの両立を図ることが実現されていない。
本発明の目的は、前述の従来技術に基づく問題点を解消し、狭額縁化と、トレーサビリティとの両立を図ったタッチパネルおよび導電性フィルムを提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明は、導電性フィルムと、画像表示部とを有し、画像表示部の表示面側に導電性フィルムが積層されたタッチパネルであって、導電性フィルムは、透明な可撓性基材の少なくとも一方の表面に設けられた、導電層により構成された検出部と、一端が検出部に電気的に接続され、他端に外部接続端子が設けられた取出し配線部とを有し、さらに、可撓性基材に設けられた、個体識別情報が記録された個体識別表示部を有し、導電性フィルムは、定められた折曲位置で折り曲げられて、取出し配線部の外部接続端子と個体識別表示部とが、画像表示部の表示面側とは反対の裏面側に配置される、タッチパネルを提供するものである。
可撓性基材は、帯状の突出し部を有し、突出し部に取出し配線部が設けられていることが好ましい。
導電性フィルムの折曲位置に、検出部および取出し配線部のうち、取出し配線部だけがあることが好ましい。
導電性フィルムの折曲位置に、検出部があることが好ましい。
個体識別表示部に記録される個体識別情報は、文字列、1次元バーコード、2次元バーコード、および特定のマークのうち、少なくとも1つで表されることが好ましい。
個体識別表示部は面積が60mm以下であることが好ましい。
個体識別表示部は、検出部と同一材料で形成されることが好ましい。
個体識別表示部は、導電性材料により構成されることが好ましい。
本発明は、透明な可撓性基材の少なくとも一方の表面に設けられた、導電層により構成された検出部と、一端が検出部に電気的に接続され、他端に外部接続端子が設けられた取出し配線部とを有し、さらに、可撓性基材に設けられた、個体識別情報が記録された個体識別表示部を有し、可撓性基材は、定められた折曲予定位置で折り曲げられるものであり、折り曲げ予定位置で折り曲げられる折曲部に、取出し配線部の外部接続端子と個体識別表示部とがある、導電性フィルムを提供するものである。
可撓性基材は、帯状の突出し部を有し、突出し部に取出し配線部が設けられていることが好ましい。
可撓性基材の折曲予定位置に、検出部および取出し配線部のうち、取出し配線部だけがあることが好ましい。
可撓性基材の折曲予定位置に、検出部があることが好ましい。
個体識別表示部に記録される個体識別情報は、文字列、1次元バーコード、2次元バーコード、および特定のマークのうち、少なくとも1つで表されることが好ましい。
個体識別表示部は面積が60mm以下であることが好ましい。
個体識別表示部は、検出部と同一材料で形成されることが好ましい。
個体識別表示部は、導電性材料により構成されることが好ましい。
本発明によれば、狭額縁化と、トレーサビリティとの両立を実現でき、トレーサビリティを確保することができる。
本発明の実施形態の導電性フィルムを有するタッチパネルの第1の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態の導電性フィルムの第1の例を示す模式図である。 本発明の実施形態の第1の例の導電性フィルムの検出部の構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態の導電性フィルムを有するタッチパネルの第2の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態の導電性フィルムの第2の例を示す模式図である。 本発明の実施形態の導電性フィルムの第3の例を示す模式図である。 本発明の実施形態の導電性フィルムの第4の例を示す模式図である。 本発明の実施形態の導電性フィルムの検出部の電極構成を示す模式図である。 本発明の実施形態の導電性フィルムの検出部のメッシュパターンの形状の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態の導電性フィルムの検出部の構成を示す模式的断面図である。 導電性フィルムを有するタッチパネルの参考例を示す模式的断面図である。 導電性フィルムの参考例を示す模式図である。 導電性フィルムの他の参考例を示す模式図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のタッチパネルおよび導電性フィルムを詳細に説明する。
なお、以下に説明する図は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
なお、以下において数値範囲を示す「〜」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α〜数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せばα≦ε≦βである。
「平行」および「直交」等の角度は、特に記載がなければ、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
また、「同一」とは、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
また、光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光等による露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
また、「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表す。また、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
なお、透明とは、特に断りがなければ、光透過率が、波長380〜780nmの可視光波長域において、40%以上のことであり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上のことである。
光透過率は、JIS(日本工業規格) K 7375:2008に規定される「プラスチック−全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
(第1例のタッチパネル)
図1は本発明の実施形態の導電性フィルムを有するタッチパネルの第1の例を示す模式的断面図であり、図2は本発明の実施形態の導電性フィルムの第1の例を示す模式図である。図3は本発明の実施形態の第1の例の導電性フィルムの検出部の構成を示す模式的断面図である。
図1に示す第1例のタッチパネル10は、導電性フィルム12と、画像表示部14とを有し、画像表示部14の表示面14a側に導電性フィルム12が積層されたものである。
タッチパネル10では、導電性フィルム12と画像表示部14とは第1の透明絶縁層15を介して積層されている。導電性フィルム12上に第2の透明絶縁層17を介して保護層16が設けられている。第1の透明絶縁層15は、画像表示部14の表示面14a全域に設けられている。例えば、第1の透明絶縁層15と第2の透明絶縁層17とは、設けられる領域が同じである。このため、保護層16の表面16a側から見た場合、第1の透明絶縁層15と第2の透明絶縁層17とは同じ大きさである。
タッチパネル10では、画像表示部14の表示面14aに表示された表示物(図示せず)が視認できるように画像表示部14の表示面14a側に配置される第1の透明絶縁層15、導電性フィルム12、第2の透明絶縁層17および保護層16はいずれも透明であることが好ましい。
保護層16の表面16aが、タッチパネル10のタッチ面であり、操作面となる。タッチパネル10は、保護層16の表面16aを操作面として入力操作される。なお、タッチ面とは、指またはスタイラスペン等の接触を検出する面のことである。保護層16の表面16aが、画像表示部14の表示面14aに表示された表示物(図示せず)の視認面となる。
画像表示部14の裏面14bにコントローラー13が設けられている。導電性フィルム12が、画像表示部14の側面14cを囲むように折り曲げられている。導電性フィルム12とコントローラー13とが、例えば、フレキシブル回路基板19等の可撓性を有する配線部材で電気的に接続されている。
また、導電性フィルム12には、画像表示部14の表示面14aとは反対側の裏面14b側に位置する領域に、個体識別情報が記録された個体識別表示部24が設けられている。
保護層16の裏面16bに、遮光機能を有する加飾層18が設けられている。加飾層18は、例えば、保護層16の表面16a側から見た場合における、保護層16の外縁に沿って設けられる。加飾層18が設けられている領域が額縁部Dfである。額縁部Dfは加飾層18により、その下側にある構成物を視認させないものである。額縁部Dfの幅が狭いことを狭額縁という。額縁部Dfの幅を狭くすることを狭額縁化という。
コントローラー13はタッチセンサーの検出に利用される公知のものにより構成される。タッチパネル10が静電容量方式の場合、タッチ面である保護層16の表面16aの指等の接触により、静電容量が変化した位置がコントローラー13で検出される。静電容量方式のタッチパネルには、相互容量方式のタッチパネルおよび自己容量方式のタッチパネルがあるが、特に限定されるものではない。
保護層16は、導電性フィルム12を保護するものである。保護層16は、その構成は、特に限定されるものではない。保護層16は、画像表示部14の表示面14aに表示された表示物(図示せず)が視認できるように透明であることが好ましい。保護層16は、例えば、プラスチックフィルム、プラスチック板、およびガラス板等が用いられる。保護層16の厚みはそれぞれの用途に応じて適宜選択することが好ましい。
上述のプラスチックフィルムおよびプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA(酢酸ビニル共重合ポリエチレン)等のポリオレフィン類;ビニル系樹脂;その他、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィン系樹脂(COP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルサルホン(PES)、高分子アクリル樹脂、フルオレン誘導体、および、結晶性COP等を用いることができる。
また、保護層16としては、偏光板、円偏光板等を用いてもよい。
保護層16の表面16aは、上述のようにタッチ面となるため、必要に応じて表面16aにハードコート層を設けてもよい。なお、保護層16の厚みとしては、例えば、0.1〜1.3mmであり、特に0.1〜0.7mmが好ましい。
第1の透明絶縁層15は、透明であり、かつ電気絶縁性を有するものであり、かつ安定して導電性フィルム12と画像表示部14とを固定することができれば、その構成は、特に限定されるものではない。第1の透明絶縁層15としては、例えば、光学的に透明な粘着剤(OCA、Optical Clear Adhesive)およびUV(Ultra Violet)硬化樹脂等の光学的に透明な樹脂(OCR、Optical Clear Resin)を用いることができる。また、第1の透明絶縁層15は部分的に中空でもよい。
なお、第1の透明絶縁層15を設けることなく、画像表示部14の表示面14a上に隙間をあけて導電性フィルム12を離間して設ける構成でもよい。この隙間のことをエアギャップともいう。
また、第2の透明絶縁層17は、透明であり、かつ電気絶縁性を有するものであり、かつ安定して導電性フィルム12と保護層16とを固定することができれば、その構成は、特に限定されるものではない。第2の透明絶縁層17は第1の透明絶縁層15と同じものを用いることができる。
画像表示部14は、画像等の表示物を表示する表示面14aを備えるものであり、例えば、液晶表示装置である。画像表示部14は、液晶表示装置に限定されるものではなく、有機EL(Organic electro luminescence)表示装置でもよい。画像表示部14は、上述のもの以外に、陰極線管(CRT)表示装置、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、電界放出ディスプレイ(FED)、および電子ペーパー等を利用することができる。
画像表示部14は、その用途に応じたものが適宜利用されるが、タッチパネル10の厚みを薄く構成するために、液晶表示パネル、および有機ELパネル等のパネルの形態とすることが好ましい。
加飾層18は、上述のように遮光機能を有するものであり、加飾層18の下にある導電性フィルム12の検出部20および取出し配線部22等の構成物を覆うことにより、検出部20および取出し配線部22等の構成物が不可視とされる。
加飾層18としては、検出部20および取出し配線部22等の構成物を不可視とすることができれば、その構成は特に限定されるものではなく、公知の加飾層を用いることができる。加飾層の形成には、スクリーン印刷法、グラビア印刷法およびオフセット印刷法等の各種の印刷法、転写法、ならびに蒸着法を用いることができる。加飾層18は、保護層16の裏面16bに形成されるが、これに限定されるものではなく、検出部20および取出し配線部22等の構成物上に直接形成してもよい。
なお、不可視とは、加飾層18の下にある構成物を視認できないことをいい、10人の観察者が見た場合、1人も視認できないことを不可視という。
(導電性フィルム)
導電性フィルム12について説明する。
導電性フィルム12は、タッチパネル10においてタッチセンサーとして機能するものである。導電性フィルム12の構成は、タッチセンサーとして機能するものであれば、その構成は、特に限定されるものではない。
例えば、導電性フィルム12は、透明な可撓性基材25の少なくとも一方の表面に設けられた、導電層により構成された検出部20と、一端が検出部20に電気的に接続され、他端に外部接続端子26が設けられた取出し配線部22とを有する。導電性フィルム12では、可撓性基材25の表面24aおよび裏面2bに、それぞれ検出部20および取出し配線部22が設けられている。
さらに、導電性フィルム12は、可撓性基材25に設けられた、個体識別情報が記録された個体識別表示部24を有する。可撓性基材25を有する導電性フィルム12は可撓性を有し、折り曲げることができる。
個体識別表示部24は、例えば、取出し配線部22と可撓性基材25の外縁25cとの間のスペース25dに設けられている。可撓性基材25の外縁25cは、可撓性基材25において検出部20が設けられていない側のY方向の端である。
なお、個体識別表示部24は可撓性基材25に設けられていればよいため、設ける位置は特に限定されるものではない。個体識別表示部24は、可撓性基材25の表面25aおよび裏面25bのうち、いずれかに設けられていればよい。しかしながら、個体識別表示部24を設ける位置は、折り曲げた状態で、画像表示部14の裏面14b側に位置するようにするため画像表示部14等の構成の厚み分の距離だけ、後述する折曲位置Bfから外縁25c側に離して設置する。
検出部20は、使用者によって入力操作が可能な入力領域Eである。入力領域Eの外側に位置する外側領域Eに取出し配線部22が配置される。
タッチパネル10では、導電性フィルム12は、設計仕様等により定められた折曲位置Bfで折り曲げられて、取出し配線部22の外部接続端子26と個体識別表示部24とが、画像表示部14の表示面14a側とは反対の裏面14b側に配置される。外部接続端子26に、例えば、フレキシブル回路基板19等の可撓性を有する配線部材が電気的に接続されている。
なお、導電性フィルム12単体の場合、すなわち、導電性フィルム12がタッチパネル10に組み込まれる前の状態であれば、上述の導電性フィルム12の折曲位置Bfは、可撓性基材25の折曲予定位置である。可撓性基材25は折曲予定位置で折り曲げられる。上述の導電性フィルム12の折曲位置Bfと、上述の可撓性基材25の折曲予定位置とは、導電性フィルム12がタッチパネル10に組み込まれているか、導電性フィルム12が単体であるかの違いであり、同じ位置である。
導電性フィルム12において、折曲位置Bfから可撓性基材25の外縁25c迄の範囲を折曲部27という。すなわち、折曲部27は、折曲位置Bfから、可撓性基材25において検出部20が設けられていない側のY方向の端迄の範囲である。折曲部27に、個体識別表示部24と外部接続端子26とが設けられている。図2に示す導電性フィルム12では、折曲位置Bfに、検出部20および取出し配線部22のうち、取出し配線部22だけがあり、検出部20がない構成である。また、折曲位置Bfから検出部20の端部20c迄の領域が額縁部Dfに相当する額縁領域Dsである。
検出部20は、例えば、複数の第1検出電極30と複数の第2検出電極32とを有する。複数の第1検出電極30は、互いに平行にX方向に延びる帯状の電極であり、互いにX方向と直交するY方向に間隔31をあけて、互いにY方向において電気的に絶縁された状態で可撓性基材25の表面25a(図3参照)上に設けられている。複数の第2検出電極32は、互いに平行にY方向に延びる帯状の電極であり、互いにX方向に間隔31をあけて、互いにX方向において電気的に絶縁された状態で可撓性基材25の裏面25b(図3参照)上に設けられている。複数の第1検出電極30と複数の第2検出電極32とは、直交して設けられているが、可撓性基材25により互いに電気的に絶縁されている。
なお、第1検出電極30および第2検出電極32における間隔31は、第1検出電極30または第2検出電極32と分断されており、電気的に接続されていない領域である。このため、上述のように、複数の第1検出電極30は互いにY方向において電気的に絶縁された状態であり、複数の第2検出電極32は互いにX方向において電気的に絶縁された状態である。
図3に示すように検出部20では、第1検出電極30が6つ、第2検出電極32が5つ設けられているが、その数は特に限定されるものではなく複数あればよい。
第1検出電極30と第2検出電極32とは、例えば、金属細線33(図3参照)により構成される。金属細線33は、例えば、メッシュパターン状に配置される。金属細線33のパターンについては後に詳細に説明する。第1検出電極30および第2検出電極32がいずれも導電層に該当する。
取出し配線部22は、第1検出電極30および第2検出電極32に電圧を印加するための役割を担う部材である。取出し配線部22は、一端が第1検出電極30または第2検出電極32に電気的に接続されている。他端である終端部22bに外部接続端子26が設けられている。なお、導電層により取出し配線部22を構成してもよい。
取出し配線部22は、複数の引出し配線23により構成されている。引出し配線23は、それぞれ、一端が上述の第1検出電極30または第2検出電極32と電気的に接続されている。引出し配線23の他端は、まとめて1つの外部接続端子26に電気的に接続されている。複数の引出し配線23の他端は取出し配線部22の終端部22bである。
なお、取出し配線部22の引出し配線23の数は、電気的に接続される検出電極の数と同じである。
図2に示すタッチパネル10では、第1検出電極30にはX方向の端に取出し配線部22が電気的に接続され、第2検出電極32にはY方向の一方の端に取出し配線部22が電気的に接続されており、第1検出電極30および第2検出電極32に対して3方向から取出し配線部22が引き回されている。図2に示すタッチパネル10では、額縁領域Dsに個体識別表示部24を設けるための十分なスペースがない。
なお、検出部20と取出し配線部22とは一体構成であることが好ましい。この場合、検出部20と取出し配線部22とは、例えば、リソグラフィ法等により形成される。
個体識別表示部24は個体識別情報が記録された領域である。
個体識別表示部24は、検出部20と同一材料で形成されることが好ましい。この場合、個体識別表示部24が検出部20と、リソグラフィ法等により、まとめて製造することができるが、他の部材等とは電気的に接続されていない状態、すなわち、電気的に絶縁状態とする。また、個体識別表示部24は、導電性材料により構成することもできる。この場合でも他の部材等と電気的に接続されていない状態、すなわち、電気的に絶縁状態とする。
個体識別表示部24に記録される個体識別情報は、導電性フィルム12を個体識別するためのものであり、例えば、製造番号、製造年月日、製造場所、および製造ロット等である。
個体識別情報は個体識別できれば、表示方法は、特に限定されるものではなく、例えば、文字列、1次元バーコード、2次元バーコード、および特定のマークのうち、少なくとも1つで表される。特定のマークを利用する場合は、製造番号、製造年月日、製造場所、および製造ロット等が予めマークと対応付けておく必要がある。個体識別情報は、製造工程および追跡調査において読み取りやすいものであることが好ましい。1次元バーコード、および2次元バーコードであれば、バーコードリーダーを用いて読み取ることができるため、コンピューターに読み取り情報を容易に入力でき、個体識別情報を容易に照会できる。これにより、トレーサビリティを容易にでき、故障解析も容易に実施することができる。
個体識別表示部24は面積が60mm以下であることが好ましい。個体識別表示部24が60mm以下では、個体識別表示部24の占める面積を抑制することができ、タッチパネル10を狭額縁化できる。
個体識別表示部24の面積は、個体識別情報が表示された領域の面積である。例えば、予め個体識別表示部24を設ける構成であれば、その領域の面積が個体識別表示部24の面積である。個体識別情報が1次元バーコード、または2次元バーコードで表される場合、各バーコードの外縁で囲まれた領域の面積である。個体識別情報が文字列、または特定のマークで表されていれば、文字列、または特定のマークを囲む領域の面積である。
個体識別表示部24の面積については、個体識別表示部24の画像を取得し、取得した画像から個体識別情報が表示された領域を特定し、その領域の面積を求めることにより面積を求めることができる。
個体識別表示部24に記録される個体識別情報は、例えば、接触式マーキング、または非接触式マーキングにより形成される。接触式マーキングは、例えば、打刻、刻印またはマーカーによる記載等である。非接触式マーキングは、例えば、レーザー刻印を用いた記録、またはインクジェットを用いた記録等である。
個体識別表示部24が導電性材料により構成される場合、例えば、刻印により個体識別情報が設けられる。
図1に示すように、個体識別表示部24を画像表示部14の裏面14b側に配置することにより、額縁部Dfを狭くすることができる。さらには、個体識別表示部24が加飾層18の下側に配置されないため、タッチパネル10を分解することなく、導電性フィルム12の個体識別情報を容易に得ることができ、導電性フィルム12のトレーサビリティを容易にできる。このように、タッチパネル10では、狭額縁化と、トレーサビリティとの両立を実現でき、トレーサビリティを確保することができる。
ここで、図11は導電性フィルムを有するタッチパネルの参考例を示す模式的断面図であり、図12は導電性フィルムの参考例を示す模式図である。また、図13は導電性フィルムの他の参考例を示す模式図である。
なお、図11〜図13において、図1に示すタッチパネル10および図2に示す導電性フィルム12と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図11に示すタッチパネル100では、図12に示す導電性フィルム102のように、基板104の表面104aおよび裏面104bに、それぞれ検出部20および取出し配線部22が設けられている。また、基板104の表面104aにおいて、取出し配線部22と基板104の外縁104cとの間のスペース105に個体識別表示部24が設けられている。基板104の外縁104cは、基板104において検出部20が設けられていない側のY方向の端である。
図12に示す導電性フィルム102では、外部接続端子26と検出部20とが基板104の表面104a同一または裏面104bの同一面内に設けられている。
取出し配線部22の終端部22bに設けられた外部接続端子26にフレキシブル回路基板19が電気的に接続されている。
フレキシブル回路基板19に折曲位置Bfがあり、フレキシブル回路基板19が折曲位置Bfで折り曲げられて、図11に示すようにコントローラー13に電気的に接続されている。図11に示すタッチパネル100は、個体識別表示部24が画像表示部14の裏面14b側に配置されない構成である。また、フレキシブル回路基板19を折り曲げる場合、折り曲げ部分の曲率が、導電性フィルム12(図2参照)を折り曲げる場合に比して曲率が大きくなる。このことからも狭額縁化を実現できない。
このため、図12に示す導電性フィルム12において周辺配線の細線化および高密度化によりスペースを低減する場合、個体識別表示部24の面積分だけ額縁領域Dsが大きくなり、ひいてはタッチパネル100の額縁部Dfが大きくなり、十分な狭額縁化が達成できない。
図13に示す導電性フィルム103のように、取出し配線部22の配線長さを短くしてスペース105を狭くしても、基板104の表面104aに個体識別表示部24が設けられる構成であるため、個体識別表示部24の面積分が必要になり、額縁領域Dsを小さくするには限界がある。これに対して、図2に示すように導電性フィルム12では、個体識別表示部24を取出し配線部22近傍に設けていないため、個体識別表示部24が額縁領域Dsの面積を増すことに寄与することがない。これにより、狭額縁化が可能である。
さらには、上述のように図2に示す導電性フィルム12は可撓性を有し、導電性フィルム12自体を折り曲げることができる。このため、図12に示す導電性フィルム102および図13に示す導電性フィルム103のようにフレキシブル回路基板19を折り曲げた場合に比して、図2に示す導電性フィルム12は折り曲げの曲率を小さくでき、これにより、タッチパネル10(図1参照)の狭額縁化が可能となる。
また、図11に示すタッチパネル100では、個体識別表示部24が加飾層18の下側に配置される。このため、タッチパネル100の表面からは個体識別表示部24を視認することができず、タッチパネル100を分解し、画像表示部14を取り外して、導電性フィルム102の裏面から個体識別表示部24を観察するか、保護層16側、または画像表示部14側から分解して個体識別表示部24を観察できる。このように、タッチパネル100において、個体識別表示部24の個体識別情報を得るにはタッチパネル100の分解が必要である。このため、個体識別情報を得るには大変な手間がかかり、かつ分解作業中に怪我をする恐れもある。しかも、個体識別表示部24自身を傷つけて個体識別情報の取得を失敗する恐れもある。
これに対して、図1に示すタッチパネル10では、上述のように分解することなく導電性フィルム12の個体識別情報を取得することができるため、トレーサビリティを確保でき、導電性フィルム12の故障解析等を容易に実施することができる。
(第2例のタッチパネル)
次に、タッチパネル10の第2の例について説明する。
図4は本発明の実施形態の導電性フィルムを有するタッチパネルの第2の例を示す模式的断面図であり、図5は本発明の実施形態の導電性フィルムの第2の例を示す模式図である。
なお、図4および図5において、図1に示すタッチパネル10および図2に示す導電性フィルム12と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図4に示す第2の例のタッチパネル10は、図1に示すタッチパネル10に比して、加飾層18の幅が狭く、額縁部Dfがより狭額縁化されたものであり、導電性フィルム12の折曲位置Bfの位置が異なる点、および取出し配線部22と可撓性基材25の外縁25cとの間のスペース25dが狭い点以外の構成は、図1に示すタッチパネル10と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
図4に示すタッチパネル10では、導電性フィルム12の折曲位置Bfには、検出部20および取出し配線部22があり、検出部20および取出し配線部22が折り曲げられる。図5に示すように導電性フィルム12において、検出部20がある折曲位置Bfで折り曲げることにより、額縁領域Dsを実質的にゼロにすることができ、より狭額縁化を実現できる。これにより、図4に示すタッチパネル10では、加飾層18の幅を小さくすることができ、より狭額縁化されたものとなる。
導電性フィルム12の構成としては、上述のものに限定されるものではない。例えば、図6および図7に示す構成でもよい。
(導電性フィルムの他の例)
図6は本発明の実施形態の導電性フィルムの第3の例を示す模式図であり、本発明の実施形態の導電性フィルムの第4の例を示す模式図である。
なお、図6に示す導電性フィルム12において、図2に示す導電性フィルム12と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。図7に示す導電性フィルム12において、図6に示す導電性フィルム12と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図6に示す導電性フィルム12は、図2に示す導電性フィルム12に比して、可撓性基材25が帯状の突出し部29を有する点以外の構成は、図2に示す導電性フィルム12でと同じであるため、その詳細な説明は省略する。
突出し部29に取出し配線部22が設けられており、突出し部29に取出し配線部22の終端部22bがある。終端部22bに設けられた外部接続端子26にフレキシブル回路基板19が電気的に接続されている。
図6に示す導電性フィルム12では、折曲位置Bfは突出し部29にある。折曲位置Bfには検出部20および取出し配線部22のうち、取出し配線部22だけがある。なお、突出し部29は、可撓性基材25を打ち抜くこと、または部分的に切断することにより形成することができる。
個体識別表示部24は、突出し部29において、取出し配線部22が設けられておらず、かつ折曲位置Bfよりも外縁25c側の領域に設けられている。なお、個体識別表示部24は、設ける位置により、その向き、および大きさ等が適宜調整されるものである。図6に示す個体識別表示部24は、図2に示す導電性フィルム12の個体識別表示部24とは配置の向きが異なり、90°回転させて配置されている。
また、突出し部29の位置は、図6に示す導電性フィルム12では、X方向における中央としたが、これに限定されるものではない。突出し部29の位置は、検出部20および取出し配線部22のレイアウト等に応じて適宜決定されるものである。
また、検出部20の大きさにより、フレキシブル回路基板19に接続する部分を複数設けることがある。この場合、突出し部29の数は、フレキシブル回路基板19に接続する箇所の数と同じになる。このため、突出し部29は1つに限定されるものではなく、複数あってもよい。
図7に示す導電性フィルム12は、図6に示す導電性フィルム12に比して、折曲位置Bfが異なる点以外の構成は、図6に示す導電性フィルム12でと同じであるため、その詳細な説明は省略する。図7に示す導電性フィルム12は、上述の図5に示す導電性フィルム12と同じく、折曲位置Bfには、検出部20および取出し配線部22があり、検出部20および取出し配線部22が折り曲げられる。図7に示すように導電性フィルム12において、検出部20がある折曲位置Bfで折り曲げることにより、額縁領域Dsを実質的にゼロにすることができ、より狭額縁化を実現できる。これにより、タッチパネルを構成する場合、加飾層18の幅を小さくすることができ、より狭額縁化されたタッチパネルを得ることができる。
(導電性フィルムの構成)
以下、導電性フィルムを構成する各部材について説明する。
<電極構成等>
図8は本発明の実施形態の導電性フィルムの検出部の電極構成を示す模式図であり、図9は本発明の実施形態の導電性フィルムの検出部のメッシュパターンの形状の一例を示す模式図である。
検出部20の第1検出電極30および第2検出電極32は、上述のように金属細線33により構成される。第1検出電極30および第2検出電極32は、例えば、図8に示すように、複数の金属細線33が交差してなるメッシュパターンを有する。
なお、引出し配線23についても、第1検出電極30および第2検出電極32と同じ構成とすることができる。引出し配線23は、複数の金属細線33が交差してなるメッシュパターンを有するものであってもよい。
第1検出電極30、第2検出電極32および引出し配線23を、メッシュパターンを有する構成とする場合、メッシュパターンのパターンは特に制限されず、正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形等の四角形、(正)六角形、(正)八角形等の(正)n角形、円、楕円、星形等を組み合わせた幾何学図形であることが好ましい。
メッシュパターンのメッシュとは、図9に示すように、交差する金属細線33により構成される複数の開口部35を含んでいる形状を意図する。
開口部35は、金属細線33で囲まれる開口領域である。開口部35の一辺の長さWは、上限は800μm以下が好ましく、600μm以下がより好ましく、400μm以下がさらに好ましく、下限は5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、80μm以上がさらに好ましい。開口部35の一辺の長さWが上述の範囲である場合には、さらに透明性も良好に保つことが可能であり、導電性フィルム12(図1参照)を画像表示部14(図1参照)の表示面14a(図1参照)上に取り付けた際に、違和感なく表示を視認することができる。
可視光透過率の点から、メッシュパターンの開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。開口率とは、導電層を設けられた領域において金属細線を除いた透過性部分、すなわち、開口部が導電層を設けられた領域全体に占める割合に相当する。
検出部20の構成は、図3に示すように、可撓性基材25の表面25aに第1検出電極30が設けられ、裏面25bに第2検出電極32が設けられる構成に限定されるものではない。例えば、第1検出電極30と第2検出電極32とを、それぞれ別々の可撓性基材に設けて積層した構成でもよい。具体的には、第1検出電極30が設けられた可撓性基材25と、第2検出電極32が設けられた可撓性基材25とを、透明、かつ電気的に絶縁な絶縁層を介して積層した構成でもよい。
可撓性基材25の表面24aおよび裏面2bに、それぞれ検出部20を設ける構成に限定されるものではない。図10に示すように、可撓性基材25の一方の面にだけ、例えば、表面25aにだけ検出電極34を有する構成でもよい。図10に示す検出電極34が検出部20として機能する。検出電極34は、第1検出電極30(図8参照)と同様に複数の金属細線33により構成されており、金属細線33が表面25aに設けられている。
なお、図10は本発明の実施形態の導電性フィルムの検出部の構成を示す模式的断面図である。
<可撓性基材>
可撓性基材とは、折り曲げることができることを意味し、具体的には、曲率半径1mmで折り曲げても割れを生じないことを指す。
可撓性基材は、検出部、取出し配線部および個体識別表示部を支持でき、かつ可撓性を有するものであればその種類は制限されず、プラスチックフィルムがより好ましい。
可撓性基材を構成する材料の具体例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)(258℃)、ポリシクロオレフィン(134℃)、ポリカーボネート(250℃)、(メタ)アクリル樹脂(128℃)、PEN(ポリエチレンナフタレート)(269℃)、PE(ポリエチレン)(135℃)、PP(ポリプロピレン)(163℃)、ポリスチレン(230℃)、ポリ塩化ビニル(180℃)、ポリ塩化ビニリデン(212℃)、ポリPVDF(フッ化ビニリデン)(177℃)、PAR(ポリアリレート)(250℃)、PES(ポリエーテルサルホン)(225℃)、高分子アクリル樹脂、フルオレン誘導体(140℃)、結晶性COP(165℃)、または、TAC(トリアセチルセルロース)(290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルムが好ましく、(メタ)アクリル樹脂、PET、ポリシクロオレフィン、または、ポリカーボネートがより好ましい。( )内の数値は融点、または、ガラス転移温度である。
可撓性基材の全光線透過率は、85〜100%であることが好ましい。
可撓性基材の厚みは特に制限されないが、タッチパネルへの応用の点からは、通常、25〜500μmの範囲で任意に選択することができる。なお、可撓性基材の機能の他にタッチ面の機能をも兼ねる場合は、500μmを超えた厚みで設計することも可能である。
可撓性基材の他の好適態様としては、その表面上に高分子を含む下塗り層を有することが好ましい。この下塗り層上に検出部および取出し配線部が形成されることにより、検出部および取出し配線部の密着性がより向上する。
下塗り層の形成方法は特に制限されないが、例えば、高分子を含む下塗り層形成用組成物を可撓性基材上に塗布して、必要に応じて加熱処理を施す方法が挙げられる。下塗り層形成用組成物には、必要に応じて、溶剤が含まれていてもよい。溶剤の種類は特に制限されず、公知の溶剤が例示される。また、高分子を含む下塗り層形成用組成物として、高分子の微粒子を含むラテックスを使用してもよい。
下塗り層の厚みは特に制限されないが、検出部および取出し配線部の密着性がより優れる点で、0.02〜0.3μmが好ましく、0.03〜0.2μmがより好ましい。
<検出部、取出し配線部>
検出部、取出し配線部を構成する金属細線の線幅は特に制限されないが、上限は30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、9μm以下が特に好ましく、7μm以下が最も好ましく、下限は0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。上述の範囲であれば、低抵抗の電極を比較的容易に形成できる。
金属細線が取出し配線部の引出し配線として適用される場合には、金属細線の線幅は500μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。上述の範囲であれば、低抵抗のタッチパネル電極を比較的容易に形成できる。
金属細線の厚みは特に制限されないが、0.01〜200μmが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましく、0.01〜9μmであることが特に好ましく、0.05〜5μmであることが最も好ましい。上述の範囲であれば、低抵抗の電極で、耐久性に優れた電極を比較的容易に形成できる。
金属細線の材料としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の金属または合金等が挙げられる。なかでも、金属細線の導電性が優れる理由から、銀であることが好ましい。
金属細線の中には、金属細線と可撓性基材との密着性の観点から、バインダーが含まれていることが好ましい。
バインダーとしては、金属細線と可撓性基材との密着性がより優れる理由から、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系重合体およびキトサン系重合体からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、または、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体等が挙げられる。
金属細線の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、可撓性基材表面上に形成された金属箔上のフォトレジスト膜を露光、現像処理してレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する金属箔をエッチングする方法が挙げられる。また、可撓性基材の両主面上に金属微粒子または金属ナノワイヤーを含むペーストを印刷し、ペーストに金属めっきを行う方法が挙げられる。また、可撓性基材表面にパターンニングした溝構造をあらかじめ形成し、その溝に金属微粒子または金属ナノワイヤーを含むペーストをスクリーン印刷で埋め込む方法が挙げられる。また、金属微粒子または金属ナノワイヤーを含むインクをインクジェット方式で可撓性基材表面状にパターン印刷を行い、金属細線を形成する方法が挙げられる。
さらに、上述の方法以外にハロゲン化銀を使用した方法が挙げられる。より具体的には、特開2014−209332号公報の段落0056〜0114に記載の方法が挙げられる。
検出部の好適な形態としては、銀細線からなるメッシュパターンを含む態様が挙げられ、上述の可撓性基材の表面に第1検出電極、裏面に第2検出電極が配置されていることが好ましい。
なお、検出部20が折曲位置Bfになく、検出部20を折り曲げない場合には、検出部20は可撓性を有する必要がない。このため、検出部20の第1検出電極および第2検出電極を、金属細線により構成することなく、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、およびカーボンナノバッド(CNB)等の炭素性の導電材料、ITO(Indium Tin Oxide)、およびSnO等の導電性酸化物を用いて構成することができる。
<第1の透明絶縁層および第2の透明絶縁層>
第1の透明絶縁層および第2の透明絶縁層は、可撓性基材の表面および裏面において、検出部および取出し配線部がない領域、および検出部上および取出し配線部上にこれらを覆うように配置されている。第1の透明絶縁層および第2の透明絶縁層は、検出部および取出し配線部を保護する機能を有し、かつ透明であり、かつ電気絶縁性を有するものである。第1の透明絶縁層および第2の透明絶縁層は、導通性が十分に低い。第1の透明絶縁層および第2の透明絶縁層により検出部および取出し配線部は、金属細線間の導電性、および他の部材と導電性が十分に低い状態とされ、金属細線同士の導通、および他の部材との導通が抑制され短絡等が防止される。
第1の透明絶縁層および第2の透明絶縁層を、検出部および取出し配線部の一部が露出するように、すなわち、検出部および取出し配線部の一部を覆わないように配置してもよい。第1の透明絶縁層および第2の透明絶縁層は、上述のように光学的に透明な粘着剤および光学的に透明な樹脂を用いることができるが、これに限定されるものではなく、以下に示すものを用いることができる。以下、第1の透明絶縁層および第2の透明絶縁層をまとめて、単に透明絶縁層という。
なお、1回の塗布工程によって透明絶縁層を形成できる点から、入力領域Eおよび外側領域Eの両方の同一の透明絶縁層が配置されることが好ましい。
透明絶縁層としては、架橋構造が導入され、かつ透明絶縁層の押し込み硬度が所定の範囲に調整されたものを用いることができる。
金属細線のひび割れおよび断線は、保存環境条件を含めた導電性フィルムの折り曲げ形態に伴う応力により発生していると推測される。このため、金属細線の表面に、その応力を緩和すること、および、金属細線の強度を補強する機能を有した透明絶縁層を敷設することにより、金属細線のひび割れ、および断線が防止できる。具体的には、強度を補強する機能を透明絶縁層に付与するために、透明絶縁層に架橋構造が導入され、透明絶縁層の優位な剛性が維持される。また、折り曲げに伴い透明絶縁層にクラックが生じて金属細線が断線することに繋がらないように、透明絶縁層の押し込み硬度が所定の範囲内に調整されている。
透明絶縁層の押し込み硬度は、200MPa以下であり、150MPa以下が好ましく、130MPa以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、10MPa以上が好ましい。押し込み硬度が200MPa以下の場合、所望の効果を得やすい。
透明絶縁層の押し込み硬度は、微小硬度試験機(ピコデンタ―)により測定することができる。
なお、透明絶縁層が上述の押し込み硬度を示すために、透明絶縁層を構成する樹脂の主鎖構造が柔らかい構造であること、または、架橋点間の距離が長い構造であることが好ましい。
透明絶縁層は、50〜90℃における弾性率が1×10Pa以上であることが好ましく、1×10〜1×1010MPaであることがより好ましい。可撓性基材が熱膨張すると、可撓性基材上に形成された可撓性基材よりも膨張率の低い金属細線も同様に延び、これにより金属細線の断線が生じることがある。それに対して、透明絶縁層の50〜90℃における弾性率が上述の範囲内であれば、高温高湿環境下にて導電性フィルムを折り曲げた状態で使用しても、透明絶縁層が硬く延びにくいため、金属細線のひび割れおよび断線が生じにくい。
また、透明絶縁層の温度85℃および相対湿度85%での弾性率は、1×10Pa以上であることが好ましく、1×10Pa以上であることがより好ましく、1.5×10Pa以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されないが、1×1010MPa以下の場合が多い。弾性率が上述の範囲内であれば、高温高湿環境下にて導電性フィルムを折り曲げた状態で使用しても、金属細線のひび割れおよび断線がより生じにくい。
なお、透明絶縁層の上述の弾性率は、所定の測定環境、例えば、温度85℃および相対湿度85%にて、微小硬度試験機(ピコデンター)により測定することができる。
透明絶縁層の線膨張率は特に制限されないが、1〜500ppm/℃が好ましく、5〜200ppm/℃がより好ましく、5〜150ppm/℃がさらに好ましい。透明絶縁層の線膨張率が上述の範囲内であれば、高温高湿環境下にて導電性フィルムを折り曲げた状態で使用しても金属細線のひび割れおよび断線がより生じにくい。
なお、透明絶縁層の線膨張率は、透明絶縁層からなる測定試料に熱を加えた際のカール値(カールの曲率半径)を測定し、以下の2つの式より算出することができる。
式1:(透明絶縁層の線膨張率−可撓性基材の線膨張率)×温度差=測定試料の歪み
式2:測定試料の歪み={(可撓性基材の弾性率×(可撓性基材の厚み)}/{3×(1−可撓性基材のポアソン比)×透明絶縁層の弾性率×カールの曲率半径}
なお、金属細線の断線をより抑制できる点で、透明絶縁層の線膨張率は、可撓性基材の線膨張率との差が小さいことが好ましく、上限は、差分が300ppm/℃以下であることが好ましく、150ppm/℃以下であることがより好ましい。下限は特に制限されないが、0ppm/℃が挙げられる。
透明絶縁層の厚みは特に制限されないが、厚みが大きいと折り曲げた際に透明絶縁層にクラックが生じやすくなる。クラックを抑制しつつ、検出部および取出し配線部の密着性がより優れ、膜強度がより優れる観点から、1〜20μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。
透明絶縁層は、上述のように光を透過させる性質を有する。
なお、透明絶縁層を含む導電性フィルムの全光線透過率は、可視光領域(波長400〜700nm)に対し、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
なお、上述の全光線透過率は、分光測色計CM−3600A(コニカミノルタ株式会社製)によって測定される。
なお、透明絶縁層自体の全光線透過率は、導電性フィルムが上述の全光線透過率を示すように調整されることが好ましく、少なくとも85%以上であることが好ましい。
透明絶縁層は、検出部および取出し配線部との密着性に優れることが好ましく、具体的には、3M社製「610」よるテープ密着力評価試験で剥離がないことがより好ましい。
また、透明絶縁層は、検出部および取出し配線部だけでなく、可撓性基材(または、下塗り層もしくはバインダー層)の検出部および取出し配線部の形成されていない領域とも接するため、可撓性基材(または、下塗り層もしくはバインダー層)との密着性に優れていることが好ましい。なお、バインダー層とは、可撓性基材上であって金属細線間に配置されるバインダーからなる層であり、ハロゲン化銀法により金属細線を製造する際に形成される場合が多い。
上述のように透明絶縁層と可撓性基材および検出部および取出し配線部との密着性が高い場合、金属細線のひび割れおよび断線をより抑制することができる。
導電性フィルムの表面反射を抑制する観点から、透明絶縁層の屈折率と、可撓性基材の屈折率との屈折率差が小さいほど好ましい。
また、検出部および取出し配線部の金属細線にバインダー成分が含まれている場合には、透明絶縁層の屈折率と、上述のバインダー成分の屈折率との屈折率差が小さいほど好ましく、透明絶縁層を形成する樹脂成分と、上述のバインダー成分とが同じ材料であることがより好ましい。
なお、透明絶縁層を形成する樹脂成分と、上述のバインダー成分とが同じ材料であるとは、バインダー成分および透明絶縁層を形成する樹脂成分のいずれもが(メタ)アクリル系樹脂である場合が一例として挙げられる。
さらに、上述のとおり導電性フィルムを用いてタッチパネルに構成する場合、導電性フィルムの透明絶縁層に、さらに光学的に透明な粘着シートまたは粘着層を貼り合せることがある。透明絶縁層と、光学的に透明な粘着シートまたは粘着層との界面での光散乱を抑制するため、透明絶縁層の屈折率と、光学的に透明な粘着シートの屈折率または粘着層の屈折率との屈折率差は小さいほど好ましい。
透明絶縁層は、架橋構造を含む。架橋構造が含まれることにより、高温高湿環境下にて導電性フィルムを折り曲げた状態で使用しても金属細線の断線が生じにくい。
架橋構造を形成するためには、後述するように、多官能化合物を用いて透明絶縁層を形成することが好ましい。
透明絶縁層を構成する材料は、上述した特性を示す層が得られれば特に制限されない。
なかでも、透明絶縁層の特性の制御が容易である点から、重合性基を有する重合性化合物を含む透明絶縁層形成用組成物を用いて形成される層であることが好ましい。
以下では、透明絶縁層形成用組成物を用いた態様について詳述する。
(透明絶縁層の形成方法)
透明絶縁層形成用組成物を用いて透明絶縁層を形成する方法は特に制限されない。例えば、可撓性基材および検出部および取出し配線部上に透明絶縁層形成用組成物を塗布して、必要に応じて塗膜に硬化処理を施し、透明絶縁層を形成する方法(塗布法)、または、仮基板上に透明絶縁層を形成して、検出部および取出し配線部表面に転写する方法(転写法)等が挙げられる。なかでも、厚みの制御がしやすい観点からは、塗布法が好ましい。
塗布法の場合に、透明絶縁層形成用組成物を可撓性基材および検出部および取出し配線部上に塗布する方法は特に制限されず、公知の方法(例えば、グラビアコーター、コンマコーター、バーコーター、ナイフコーター、ダイコーターもしくはロールコーター等の塗布法式、インクジェット方式、または、スクリーン印刷方式等)を使用できる。
取り扱い性および製造効率の観点からは、透明絶縁層形成用組成物を可撓性基材および検出部および取出し配線部上に塗布し、必要に応じて乾燥処理を行って残存する溶剤を除去して、塗膜を形成する態様が好ましい。
なお、乾燥処理の条件は特に制限されないが、生産性がより優れる点で、室温〜220℃(好ましくは50〜120℃)で、1〜30分間(好ましく1〜10分間)実施することが好ましい。
生産性の観点からは、さらに、透明絶縁層形成用組成物は溶剤成分を含まず、乾燥工程がない状況が好ましい。
なお、塗布法の場合、硬化処理としては、光硬化処理および熱硬化処理のいずれであってもよい。なかでも、可撓性基材へのダメージを軽減し、タクトタイムを短くする観点で、光硬化処理が好ましい。
露光する方法は特に制限されないが、例えば、活性光線または放射線を照射する方法が挙げられる。活性光線による照射としては、UV(紫外線)ランプ、および、可視光線等による光照射等が用いられる。光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、および、カーボンアーク灯等が挙げられる。また、放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、および、遠赤外線等が挙げられる。
塗膜を露光することにより、塗膜中の化合物に含まれる重合性基が活性化され、化合物間の架橋が生じ、層の硬化が進行する。露光エネルギーは10〜8000mJ/cm程度であればよく、好ましくは50〜3000mJ/cmの範囲である。
透明絶縁層形成用組成物には、重合性基を有する重合性化合物が含まれる。重合性化合物中に含まれる重合性基の数は特に制限されず、1つであっても、複数であってもよい。なかでも、透明絶縁層中に架橋構造を形成し得る点で、2以上の重合性基を有する重合性化合物を用いることが好ましい。
重合性基の種類は特に制限されず、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のラジカル重合性基、および、エポキシ基、オキセタン基等のカチオン重合性基等が挙げられる。なかでも、反応性の点で、ラジカル重合性基が好ましく、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
重合性化合物は、モノマー、オリゴマーおよびポリマーから選ばれるいずれの形態であってもよい。つまり、重合性化合物は、重合性基を有するオリゴマーであっても、重合性基を有するポリマーであってもよい。
なお、モノマーとしては分子量が1,000未満である化合物が好ましい。
また、オリゴマーおよびポリマーは、有限個(一般的には5〜100個)のモノマーが結合した重合体である。オリゴマーとは重量平均分子量が3000以下である化合物であり、ポリマーとは重量平均分子量が3000超である化合物である。
重合性化合物は、1種であっても、複数種を併用してもよい。
透明絶縁層形成用組成物の好適態様としては、2以上の重合性基を有する重合性化合物(多官能化合物)、並びに、ウレタン(メタ)アクリレート化合物およびエポキシ(メタ)アクリレート化合物の少なくとも一方を含む態様が挙げられる。
なお、2以上の重合性基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、上述のウレタン(メタ)アクリレート化合物に該当し、多官能化合物には含まれない。また、2以上の重合性基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物は、上述のエポキシ(メタ)アクリレート化合物に該当し、多官能化合物には含まれない。
多官能化合物としては、2以上の重合性基を有していればよく、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。
具体的には、2官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、1,3ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、および、ビスフェノールAテトラエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
3官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、εカプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、および、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。
4官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、および、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
5官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、および、ポリペンタエリスリトールポリアクリレート等が挙げられる。
透明絶縁層形成用組成物中における多官能化合物の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、透明絶縁層形成用組成物中の全固形分に対して、0〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、詳しくは、アクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイルオキシ基、および、メタクリロイル基からなる群から選ばれる光重合性基を1分子中に2つ以上含み、かつ、ウレタン結合を1分子中に1つ以上含む化合物であることが好ましい。このような化合物は、例えば、イソシアネートとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物とのウレタン化反応によって製造することができる。なお、ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、いわゆるオリゴマーであっても、ポリマーであってもよい。
上述の光重合性基は、ラジカル重合可能な重合性基である。光重合性基を1分子中に2つ以上含む多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物は、高硬度な透明絶縁層を形成するうえで有用である。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物1分子中に含まれる光重合性基の数は、少なくとも2つであることが好ましく、例えば、2〜10つがより好ましく、2〜6つがさらに好ましい。なお、ウレタン(メタ)アクリレート化合物に含まれる2つ以上の光重合性基は同一のものであっても、異なるものであってもよい。
光重合性基としては、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物1分子中に含まれるウレタン結合の数は、1つ以上であればよく、形成される透明絶縁層の硬度がより高くなる点で、2つ以上が好ましく、例えば、2〜5つがより好ましい。
なお、1分子中にウレタン結合を2つ含むウレタン(メタ)アクリレート化合物において、光重合性基は一方のウレタン結合のみに直接または連結基を介して結合していてもよく、2つのウレタン結合にそれぞれ直接または連結基を介して結合していてもよい。
一態様では、連結基を介して結合している2つのウレタン結合に、それぞれ1つ以上の光重合性基が結合していることが、好ましい。
上述のように、ウレタン(メタ)アクリレート化合物中において、ウレタン結合と光重合性基は直接結合していてもよく、ウレタン結合と光重合性基との間に連結基が存在していてもよい。連結基は特に限定されるものではなく、直鎖または分岐の飽和または不飽和の炭化水素基、環状基、およびこれらの2つ以上の組み合わせからなる基、等を挙げることができる。上述の炭化水素基の炭素数は、例えば、2〜20程度であるが、特に限定されるものではない。また、環状基に含まれる環状構造としては、一例として、脂肪族環(シクロヘキサン環等)、芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環等)等が挙げられる。上述の基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。
なお、本明細書において、特記しない限り、記載されている基は置換基を有してもよく無置換であってもよい。ある基が置換基を有する場合、置換基としては、アルキル基(例えば、炭素数1〜6のアルキル基)、ヒドロキシ基、アルコキシル基(例えば、炭素数1〜6のアルコキシル基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アシル基、および、カルボキシル基等を挙げることができる。
上述のウレタン(メタ)アクリレート化合物は、公知の方法で合成することができる。また、市販品として入手することも可能である。
合成方法の一例としては、例えば、アルコール、ポリオール、および/またはヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有化合物とイソシアネートとを反応させる方法が挙げられる。また、必要に応じて、上述の反応によって得られたウレタン化合物を(メタ)アクリル酸でエステル化する方法を挙げることができる。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸を包含する意味で用いるものとする。
上述のイソシアネートとしては、例えば、芳香族系、脂肪族系、および、脂環式系等のポリイソシアネートが挙げられ、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、および、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種でもよく2種以上を併用してもよい。
上述のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、および、シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート等が挙げられる。これらは1種でもよく2種以上を併用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物の市販品としては、下記のものに限定されるものではないが、例えば、共栄社化学社製UA−306H、UA−306I、UA−306T、UA−510H、UF−8001G、UA−101I、UA−101T、AT−600、AH−600、AI−600、新中村化学社製U−4HA、U−6HA、U−6LPA、UA−32P、U−15HA、UA−1100H、日本合成化学工業社製紫光UV−1400B、同UV−1700B、同UV−6300B、同UV−7550B、同UV−7600B、同UV−7605B、同UV−7610B、同UV−7620EA、同UV−7630B、同UV−7640B、同UV−6630B、同UV−7000B、同UV−7510B、同UV−7461TE、同UV−3000B、同UV−3200B、同UV−3210EA、同UV−3310EA、同UV−3310B、同UV−3500BA、同UV−3520TL、同UV−3700B、同UV−6100B、同UV−6640B、同UV−2000B、同UV−2010B、同UV−2250EAを挙げることができる。また、日本合成化学工業社製紫光UV−2750B、共栄社化学社製UL−503LN、大日本インキ化学工業社製ユニディック17−806、同17−813、同V−4030、同V−4000BA、ダイセルUCB社製EB−1290K、トクシキ製ハイコープAU−2010、同AU−2020等も挙げられる。
6官能以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、根上工業(株)製のアートレジンUN−3320HA、アートレジンUN−3320HC、アートレジンUN−3320HS、アートレジンUN−904、日本合成化学(株)製の紫光UV−1700B、紫光UV−7605B、紫光UV−7610B、紫光UV−7630B、紫光UV−7640B、新中村化学工業(株)製のNKオリゴU−6PA、NKオリゴU−10HA、NKオリゴU−10PA、NKオリゴU−1100H、NKオリゴU−15HA、NKオリゴU−53H、NKオリゴU−33H、ダイセル・サイテック(株)製のKRM8452、EBECRYL1290、KRM8200、EBECRYL5129、KRM8904、日本化薬(株)製のUX−5000等を挙げることができる。
また、2〜3官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、Nagase(株)製のナトコUV自己治癒、DIC株式会社製のEXP DX‐40等も挙げることができる。
上述のウレタン(メタ)アクリレート化合物の分子量(重量平均分子量Mw)は、300〜10,000の範囲が好ましい。分子量がこの範囲であれば、柔軟性に優れ、且つ、表面硬度に優れた透明絶縁層を得ることができる。
また、エポキシ(メタ)アクリレート化合物としては、ポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加反応により得られるものをいい、分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個有している場合が多い。
透明絶縁層形成用組成物中におけるウレタン(メタ)アクリレート化合物およびエポキシ(メタ)アクリレート化合物の合計含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、透明絶縁層形成用組成物中の全固形分に対して、10〜70質量%が好ましく、30〜65質量%がより好ましい。
透明絶縁層形成用組成物には、さらに、単官能モノマーが含まれていてもよく、単官能(メタ)アクリレートが含まれていることが好ましい。単官能モノマーは、透明絶縁層中での架橋密度を制御するための希釈モノマーとして機能する。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等の長鎖アルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート等の環状構造を有する(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、および、ジエチエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル等が挙げられる。
透明絶縁層形成用組成物中における単官能モノマーの含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、透明絶縁層形成用組成物中の全固形分に対して、0〜40質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
透明絶縁層形成用組成物には、さらに、重合開始剤が含まれていてもよい。重合開始剤は、光重合開始剤および熱重合開始剤のいずれでもよいが、光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤の種類は特に制限されず、公知の光重合開始剤(ラジカル光重合開始剤、カチオン光重合開始剤)を使用できる。例えば、アセトフェノン、2、2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−シクロヘキシルフェニルケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、メチルベンゾイルホルメート、4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンソフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン等のカルボニル化合物、および、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物等が挙げられる。
重合開始剤は、1種を単独で、または、2種以上を組み合わせて使用できる。
透明絶縁層形成用組成物中、重合開始剤の含有量は特に制限されないが、硬化性の点から、透明絶縁層形成用組成物中の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、2〜5質量%であることがより好ましい。なお、重合開始剤が2種以上使用される場合は、重合開始剤の総含有量が上述の範囲にあることが好ましい。
透明絶縁層形成用組成物には、上述の以外にも、レベリング剤、表面潤滑剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機もしくは有機の充填剤、金属粉、顔料等の粉体、粒子状、または、箔状物等の従来公知の各種の添加剤を使用する用途に応じて適宜添加することができる。それらの詳細については、例えば、特開2012−229412号公報の段落0032〜0034を参照できる。ただしこれらに限らず、光重合性組成物に一般に使用され得る各種添加剤を用いることができる。また、透明絶縁層形成用組成物への添加剤の添加量は適宜調整すればよく、特に限定されるものではない。
レベリング剤としては、透明絶縁層形成用組成物の塗布対象への濡れ性付与作用、表面張力の低下作用を有するものであれば、公知のレベリング剤を用いることができる。例えば、シリコーン変性樹脂、フッ素変性樹脂、および、アルキル変性樹脂等が挙げられる。
なお、透明絶縁層形成用組成物は、取扱い性の点から溶剤を含んでいてもよいが、VOC(揮発性有機化合物)抑制の観点およびタクトタイムの低減の観点から、無溶剤系とすることが好ましい。
なお、透明絶縁層形成用組成物が溶剤を含有する場合、使用できる溶剤は特に限定されず、例えば、水および有機溶剤が挙げられる。
なお、導電性フィルムは、取り扱い時、および搬送時においては、導電性フィルムと、粘着シートと、剥離シートとをこの順で有するタッチパネル用積層体の形態で用いられてもよい。剥離シートは、タッチパネル積層体を搬送時に、導電性フィルムに傷等がつくことを防止するための保護シートとして機能する。このような態様であれば、導電性フィルムの使用時において剥離シートを剥がして、導電性フィルムを所定の位置に貼り付けて用いることができる。
また、導電性フィルムは、例えば、導電性フィルム、粘着シート、および保護層をこの順で有する複合体の形態で取り扱われてもよい。このような態様でも、導電性フィルムに傷等がつくことを防止することができる。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明のタッチパネルおよび導電性フィルムについて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
10 タッチパネル
12 導電性フィルム
13 コントローラー
14 画像表示部
14a 表示面
14b 裏面
14c 側面
15 第1の透明絶縁層
16 保護層
16a 表面
16b 裏面
17 第2の透明絶縁層
18 加飾層
19 フレキシブル回路基板
20 検出部
20c 端部
22 取出し配線部
22b 終端部
23 引出し配線
24 個体識別表示部
25 可撓性基材
25a 表面
25b 裏面
25c 外縁
25d スペース
26 外部接続端子
27 折曲部
29 突出し部
30 第1検出電極
31 間隔
32 第2検出電極
33 金属細線
34 検出電極
35 開口部
100 タッチパネル
102、103 導電性フィルム
104 基板
104c 外縁
105 スペース
Bf 折曲位置
Df 額縁部
Ds 額縁領域
入力領域
外側領域

Claims (16)

  1. 導電性フィルムと、画像表示部とを有し、前記画像表示部の表示面側に前記導電性フィルムが積層されたタッチパネルであって、
    前記導電性フィルムは、透明な可撓性基材の少なくとも一方の表面に設けられた、導電層により構成された検出部と、一端が前記検出部に電気的に接続され、他端に外部接続端子が設けられた取出し配線部とを有し、さらに、前記可撓性基材に設けられた、個体識別情報が記録された個体識別表示部を有し、
    前記導電性フィルムは、定められた折曲位置で折り曲げられて、前記取出し配線部の前記外部接続端子と前記個体識別表示部とが、前記画像表示部の表示面側とは反対の裏面側に配置される、タッチパネル。
  2. 前記可撓性基材は、帯状の突出し部を有し、前記突出し部に前記取出し配線部が設けられている、請求項1に記載のタッチパネル。
  3. 前記導電性フィルムの前記折曲位置に、前記検出部および前記取出し配線部のうち、前記取出し配線部だけがある、請求項1または2に記載のタッチパネル。
  4. 前記導電性フィルムの前記折曲位置に、前記検出部がある、請求記載1または2に記載のタッチパネル。
  5. 前記個体識別表示部に記録される前記個体識別情報は、文字列、1次元バーコード、2次元バーコード、および特定のマークのうち、少なくとも1つで表される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタッチパネル。
  6. 前記個体識別表示部は面積が60mm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタッチパネル。
  7. 前記個体識別表示部は、前記検出部と同一材料で形成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のタッチパネル。
  8. 前記個体識別表示部は、導電性材料により構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタッチパネル。
  9. 透明な可撓性基材の少なくとも一方の表面に設けられた、導電層により構成された検出部と、一端が前記検出部に電気的に接続され、他端に外部接続端子が設けられた取出し配線部とを有し、さらに、前記可撓性基材に設けられた、個体識別情報が記録された個体識別表示部を有し、
    前記可撓性基材は、定められた折曲予定位置で折り曲げられるものであり、前記折り曲げ予定位置で折り曲げられる折曲部に、前記取出し配線部の前記外部接続端子と前記個体識別表示部とがある、導電性フィルム。
  10. 前記可撓性基材は、帯状の突出し部を有し、前記突出し部に前記取出し配線部が設けられている、請求項9に記載の導電性フィルム。
  11. 前記可撓性基材の前記折曲予定位置に、前記検出部および前記取出し配線部のうち、前記取出し配線部だけがある、請求項9または10に記載の導電性フィルム。
  12. 前記可撓性基材の前記折曲予定位置に、前記検出部がある、請求項9または10に記載の導電性フィルム。
  13. 前記個体識別表示部に記録される前記個体識別情報は、文字列、1次元バーコード、2次元バーコード、および特定のマークのうち、少なくとも1つで表される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
  14. 前記個体識別表示部は面積が60mm以下である、請求項9〜13のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
  15. 前記個体識別表示部は、前記検出部と同一材料で形成される、請求項9〜14のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
  16. 前記個体識別表示部は、導電性材料により構成される、請求項9〜15のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
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