JP2020122382A - 壁の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】積みブロックで構成する塀の倒壊を防ぐ補強構造及びそれ用の補強部材を提供する。【解決手段】壁10を、その両面で延長方向Xに沿わせて挟持する平鉄を第一部材20とし、壁10の一面で該壁10との間に上記第一部材20を介在させ、その水平部位32を壁10の奥行方向Zで平面視凸形にして立設する側面視L字状の形鋼を第二部材30とし、第一部材20、壁10及び第二部材30とを串刺して螺合するボルト40、ナット41で三者を一体化した壁の補強構造において、L字状をなす第二部材30の水平部位32に、該水平部位32と直交する竿部材1を固着し、張り出し状をなす竿部材1の下方に土中に埋設する転倒防止部材2を一体化する。又、転倒防止部材2を平面視長方形で、その上側に収納部3aを設けたコンクリートブロック3とし、該コンクリートブロック3の長辺側を壁10の奥行方向Zに向けた状態で竿部材1に一体化する。【選択図】図1

Description

本発明は、壁、例えてコンクリート製、更に詳しくは、積みブロックで構成する塀の倒壊を防ぐ補強構造及びそれ用の補強部材に関するものである。
従来、ブロック製の壁は、地震時によって倒壊し易く、通行人が倒壊した壁の下敷きになるという甚大な被害が発生している他、崩れた壁が緊急車両や避難者の通行の妨げとなり、二次災害を引き起すという課題がありこれらを解決するべく、例えば、下記の特許文献1に記載されているように、ブロック製の壁の一面に沿わせて立設する側面視L字状の部材を用いた補強構造が開示されている。
特開2017−71931号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、壁の一面に沿わせて立設するL字状部材を地盤に固定しようとする杭位置が平面視で壁の奥行方向に設けられているため、杭を複数本使用した場合は壁が転倒しようとする際の支点(壁側面の最下端)から各杭までの水平距離(アーム)が夫々共なる。
従って、壁の転倒に伴い該杭が引き抜かれる際に生じる摩擦力(抵抗力)に均等性を欠くとともに、これを多数本に増設しようとしても限界がある。
又、L字状部材と壁を介在して対向する垂直位置に平鉄を設けているが壁を補強している箇所は、L字状部材が設けられている場所に止まるため、壁の延長方向で断続的に未補強部が生じ、該所での一体的を欠いて倒壊する危険性がある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、地震や風圧などによって転倒しようとする力に耐え得る壁の補強構造及び補強部材を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明の壁の補強構造は、請求項1記載の如く、壁をその両面で延長方向に沿わせて挟持する平鉄を第一部材とし、壁の一面で該壁との間に上記第一部材を介在させ、且つその水平部位を壁の奥行方向で平面視凸形にして立設する側面視L字状の形鋼を第二部材とし、第一部材、壁及び第二部材とを串刺して螺合するボルト、ナットで三者を一体化した壁の補強構造において、L字状をなす第二部材の水平部位に、該水平部位と直交する竿部材を固着するとともに、張り出し状をなす竿部材の下方に土中に埋設する転倒防止部材が一体化されてなるものである。
又、本発明の壁の補強構造は、請求項2記載の如く、請求項1の壁の補強構造において、第一部材が間隔を有して立設する第二部材間で分断して突き合せ接合されるとともに、接合部に当接したプレートと共に壁を串刺して螺合するボルト、ナットで一体化してなるものである。
又、本発明の壁の補強部材は、請求項3記載の如く、請求項1又は2の壁の補強構造における転倒防止部材が、平面視長方形で、その上側に収納部を設けたコンクリートブロックであるとともに、躯体の長辺側を壁の奥行方向に向けた状態で竿部材に一体化してなるものである。
又、本発明の壁の補強部材は、請求項4記載の如く、請求項1又は2の壁の補強構造における転倒防止部材が、先端を尖鋭させた摩擦杭で、その頭部に有する係止部位により竿部材に一体化してなるものである。
本発明の請求項1記載の壁の補強構造は、L字状をなす第二部材の水平部位に、該水平部位と直交する竿部材を固着するとともに、張り出し状をなす竿部材の下方に土中に埋設する転倒防止部材が一体化されてなるものであるため、転倒防止部材が派生する抵抗力は、支点(壁側面の最下端)から水平部位と直交する竿部材までの水平距離(アーム)が一定であることから、水平部位に設ける転倒防止部材の奥行方向における位置に左右されることなく均等に加わって、壁の転倒に対する抵抗力を向上させることができる。
本発明の請求項2記載の壁の補強構造は、請求項1記載の第一部材が、間隔を有して立設する第二部材間で分断して突き合せ接合されるとともに、接合部に当接したプレートと共に壁を串刺して螺合するボルト、ナットで一体化してなるものであるため、分断された第一部材で部材の現場搬入や取付け時の手間が省けるうえに、壁との固定箇所が増して、壁全体の一体性を高めることができる。
本発明の請求項3記載の壁の補強部材は、請求項1又は2記載の転倒防止部材が、平面視長方形で、その上側に収納部を設けたコンクリートブロックであるとともに、該コンクリートブロックの長辺側を壁の奥行方向に向けた状態で竿部材に一体化してなるものであるため、コンクリートブロックの重量に加え、収納部に充填する主要土木資材、例えて土砂の重量によって転倒防止機能を高められるとともに、コンクリートブロックの設置個数を必要に応じて壁の延長方向で増減させることによって、壁の高さや地震力、風圧に相応する転倒防止構造を構成することができる。
又、上記土砂は、当該転倒防止部材の埋設に際して生じる掘削土砂を流用土(本来捨てるもの)として再使用することができるという利点もある。
本発明の請求項4記載の壁の補強部材は、請求項1又は2記載の転倒防止部材が、先端を尖鋭させた摩擦杭で、その頭部に有する係止部位により竿部材に一体化してなるものであるため、摩擦杭の本数を必要に応じて壁の延長方向で増減させることによって、壁の高さや地震力、風圧に相応する転倒防止構造を構成することができる。
又、上記摩擦杭は、杭表面とその表面に接する土との間に生じる摩擦力を杭が引き抜かれようとする際の抵抗力とするため、支持杭のように固く深い支持層まで到達させる必要が無く、杭長を短くしてコストダウンが図れるとともに、施工性を向上させることができる。
本発明の壁の補強構造とそれ用の補強部材における第一実施形態を示し、(イ)は壁一面側の一部斜視図、(ロ)は壁他面側の一部斜視図。 同第一実施形態を示し、(イ)は側面図、(ロ)は一面側の一部正面図、(ハ)は一部平面図。 同第一実施形態を示し、図1(イ)のa部拡大図。 同第一実施形態を示し、(イ)は図1(ロ)のb部拡大図、(ロ)は図1(イ)のc部拡大図、(ハ)は図1(イ)のd部拡大図、(ニ)は図1(ロ)のe部拡大図。 同第一実施形態におけるモーメントを示す側面図。 本発明の壁の補強構造とそれ用の補強部材における第二実施形態を示し、(イ)は側面図、(ロ)は一面側の一部正面図、(ハ)は一部平面図。 (イ)乃至(ハ)は第二実施形態に係る転倒防止部材の組立工程図。 同第二実施形態におけるモーメントを示す側面図と平面図。 従来技術におけるモーメントを示す側面図と平面図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1乃至図4は、壁の補強構造に係る第一の実施形態を示し、コンクリート製、更に詳しくは、小型の積みブロックを多数個組積して構築された壁10を、その両面で延長方向Xに沿わせて挟持する長尺状の平鉄を第一部材20とし、壁10の一面で該壁10との間に上記第一部材20を介在させ、且つその水平部位32を壁10の奥行方向Zで平面視凸形にして立設する側面視L字状の形鋼を第二部材30とし、第一部材20、壁10及び第二部材30とを串刺して螺合するボルト40、ワッシャー42、ナット41で三者を一体化した壁の補強構造において、第二部材30は、壁10の延長方向Xで所定間隔を有して複数本が立設されるとともに、その側面視L字状を構成する形鋼、即ち断面略C型をなすチャンネル鋼の開口側を、垂直部位31は壁10の一面側へ、又、水平部位32は上側へ向けてなるものである。
その水平部位32には、開口側の適宣部分を鋼板で蓋33で塞ぎ、その蓋33上には水平部位32と直交して該水平部位32から左右に張り出す鋼板で平面視長方形の竿部材1がボルト43、ワッシャー42、ナット41で締め付け固定されている。
第一部材20は、図1及び図2に示す通り、長尺状の2枚の平鉄、即ち、フラットバーが対をなして壁10の両面を挟み延長方向Xに沿わせて高さ方向Yに一定間隔で並列するとともに、間隔を有して立設する第二部材30間において分断して突き合せ接合するものである。
上記フラットバーは、図4(イ)に示す通り、部材同士の一体化を図るため、両端部から控えた位置に突起挿入孔20cを、又、両端合端部に欠円状のボルト孔20bを穿設してなり、相互が突き合せ接合された際、接合部20aにおけるボルト孔20bが円形孔となる。
更に、図2(ロ)に示すように、その両端間の適宣箇所にボルト孔20dを少なくとも1つ穿設してなる。
壁10の他面側で分断された第一部材20相互を接合する際は、図1(ロ)及び図4(イ)、(ハ)に示すように、前述の第一部材20の突起挿入孔20cに嵌合し得る突起21b、又、同ボルト孔20bと連通し得る供回り防止孔21a有する長方形の連結プレート21を用い、突起21bと突起挿入孔20cの相互の嵌め合いで夫々の分離を抑制するとともに、四角形に穿設した供回り防止孔21aに挿通する長ボルト40は、そのボルト付根部が上記穿設四角形と略合致する四角形となされてナット螺合時にその供回りが防止される。
壁10の一面側では、第一部材20が壁10に沿うとともに、分断されて相互が当接した接合部20aのボルト孔20bに、前記壁10他面側からの長ボルト40が、壁10を貫いてその先端を臨ませる。
而して、第二部材30を立設する際は、図1(イ)、図3及び図4(ロ)に示すように、ボルト孔20bから臨む長ボルト40にワッシャー42を介しナット41を螺合して、締め付けることで壁10の両面を第一部材20で強固に挟持するとともに、ナット41に続けて高ナット45を螺合して所謂ダブルナット作用で夫々ナットの緩み止め効果を得る。
第二部材30は、その開口側を壁10側へ向け、且つ、垂直部位31に設けた十字孔30aを上記高ナット45に略合致せしめるとともに、その外面からワッシャー42を介しナット43を螺合して締め付けることで、壁10、第一部材20及び第二部材30の三者が一体化する構成を得るものである。
又、第二部材30を有せず、それ自体が分断しない部分での第一部材20の組付けは、図4(ニ)に示すように、壁10の他面側における前出の連結プレート21を、突起21bがなくて供回り防止孔21aのみを有するプレート22に替え、壁10の一面側に沿う第一部材20のボルト孔20dに長ボルト40を挿通するとともに、上述の高ナット45以降の構成を省くもので、即ち、長ボルト40、連結プレート21、ワッシャー42及びナット41により締結するものである。
ここで、第一部材20の接合部20aや、それに相互する第二部材30の垂直部位31における十字孔30a等は、これらが垂直方向の線状にあることのみを条件として、その位置や数については本発明の意図する範囲内で自由である。
次に、第二部材30の水平部位32に設けられる竿部材1は、図1(イ)、図2及び図3に示す通り、平面視長方形の鋼板で水平部位32に直交してその長さ方向略中央部がナット41、ワッシャー42、ボルト43で締め付け固定されることで、水平部位32からの張出し状をなすとともに、該張出し部に後出の転倒防止部材2を取り付けるべく適宣に長穴が開けられている。
転倒防止部材2は、図1(イ)、図2及び図3に示すように、平面視長方形で、側面視略上向きE字状をなし、その上面にインサートナット44が埋設されている。
更に詳しくは、平面視長方体の短辺方向に向く空所を、中央隔壁3bを残置してその両側に設け、両側壁3cとで仕切られる該空所を収納部3aとなすとともに、上記インサートナット44が中央隔壁3bの上面適宣位置にあるコンクリートブロック3である。
而して、水平部位32の竿部材1への取付けは、図3に示すように、その平面視長方形の長辺側を壁10の奥行方向Zに向けるとともに、竿部材1の長穴と略合致せしめた状態のコンクリートブロック3のインサートナット44にボルト43を螺合し締め付け固定する。
ここで、コンクリートブロック3は、水平部位32の左右両側に夫々2個固定されているが、これに限定されず、その個数を壁10の高さや第二部材30の立設数に相応して、後述の所要抵抗モーメントMが得られるべく竿部材1の長さも含めて壁10の延長方向Xで適宣に増減可能である。
コンクリートブロック3の収納部3aには、図5に示す通り、コンクリートブロック3を埋設施工する際に生じる掘削土砂を流用土として再利用したり、主要土木資材(コンクリート、砂利など)を充填する。
これにより、壁10、第一部材20、第二部材30及び転倒防止部材2が一体化された補強構造が形成され、本構造にあっては、その一体性に加え、壁10の土中において、転倒防止部材2としての鉛直力mgがコンクリートブロック3自体の重量と流用土や主要土木資材の重量によって増加する。
従って、回転支点A(壁10他面側最下端)、合力P(地震時水平力や風圧力)及び合力Pの作用位置までのアームH(鉛直距離)として得られる転倒モーメントM(P×H)に
Figure 2020122382
Figure 2020122382
ができる。
更に、壁10の高さ変動に相応して、第二部材30の高さ、転倒防止部材2としてのコンクリートブロック3の大きさや該コンクリートブロック3の取付位置(竿部材1の長さ)を適宣に変更可能で、経済的な補強構造となすこともできる。
次に、壁の補強構造における転倒防止部材2の第二の実施形態を図6及び図7に示す。
当該実施形態は、前記第一の実施形態における転倒防止部材2の変形例を示すもので、その余の構成態様(第一部材20、竿部材1を含めた第二部材30)は、第一の実施形態と同様でこれを援用して説明すると、変形例たる転倒防止部材2は、図6(イ)、(ロ)及び図7(イ)に示すように、高さ方向Yに長大な鋼管の先端を尖鋭させるとともに、その頭部の円周縁に沿い鍔状の係止部位4aが突設されてなる摩擦杭4である。
而して、補強構造を構成するにあっては図7に示すように、摩擦杭4をその頭部端面が第二部材30の水平部位32に固着された蓋33の上面と略面一となるまで土中に打ち込む。
次に、図7(ロ)、(ハ)に示すように、摩擦杭4の上部には、第二部材30の水平部位32と直交してボルト43、ワッシャー42、ナット41で締結される竿部材1を位置されるとともに、摩擦杭4の胴部を跨ぐべきU字状の切欠き5bをその長辺側に穿設し、且つ竿部材1の長穴に挿通すべきボルト5aを切欠き5bの両側に立設してなる長方形鋼板を杭留めプレート5として、上記摩擦杭4の係止部位4aを竿部材1と杭留めプレート5とで挟み、竿部材1の上面でボルト5a、ワッシャー42、ナット41による締結を行う。
これによって、図6に示すように、壁10、第一部材20、第二部材30及び転倒防止部材2が一体化された補強構造が形成される。
ここで、摩擦杭4は、水平部位32の左右両側に夫々1本固定されているが、これに限定されず、その本数を壁10の高さや第二部材30の立設数に相応して、後述の所要抵抗モーメントMが得られるべく竿部材1の長さも含めて壁10の延長方向Xで適宣に増減可能である。
本数や形態を同一とする摩擦杭4の配置方法の相違から派生する転倒に対する抵抗力の差を、従来技術を例示して対比すると、本発明にあっては図8に示すように、摩擦杭4の位置が平面視で壁10の延長方向Xに並列状に設けられ、回転支点A(壁10他面側最下端)、合力P(地震時水平力や風圧力)及び合力Pの作用位置までのアームH(鉛直距離)として得られる転倒モーメントM(P×H)に対し、回転支点A、摩擦杭4の引抜き抵
Figure 2020122382
これに対し、従来技術は、図9に示すとおり、杭4′の位置が平面視で壁10の奥行方向Zに直列状に設けられており、前述の転倒モーメントM(P×H)に対し、回転支点A、
Figure 2020122382
即ち、従来技術(図9)においては、回転支点Aからの各杭4′までの水平距離が夫々
Figure 2020122382
体が有する引抜き抵抗力Tを有効に作用させることができない。
一方、本発明(図8)にあっては、回転支点Aから各摩擦杭4までの水平距離が同一で
Figure 2020122382
ると同時に摩擦杭4自体が有する引抜き抵抗力Tが顕著に作用することで、従来技術を卓越した転倒防止効果を奏するものである。
1 竿部材
2 転倒防止部材
3 コンクリートブロック
3a 収納部
4 摩擦杭
4a 係止部位
10 壁
20 第一部材
20a 接合部
21 連結プレート
30 第二部材
31 垂直部位
32 水平部位
40 長ボルト
41 ナット
X 延長方向
Y 高さ方向
Z 奥行方向
本発明は、壁、例えてコンクリート製、更に詳しくは、積みブロックで構成する塀の倒壊を防ぐ補強構造に関するものである。
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、壁の一面に沿わせて立設するL字状部材を地盤に固定しようとする杭位置が平面視で壁の奥行方向に設けられているため、杭を複数本使用した場合は壁が転倒しようとする際の支点(壁側面の最下端)から各杭までの水平距離(アーム)が夫々なる。
従って、壁の転倒に伴い該杭が引き抜かれる際に生じる摩擦力(抵抗力)に均等性を欠くとともに、これを多数本に増設しようとしても限界がある。
又、L字状部材と壁を介在して対向する垂直位置に平鉄を設けているが壁を補強している箇所は、L字状部材が設けられている場所に止まるため、壁の延長方向で断続的に未補強部が生じ、該所での一体的を欠いて倒壊する危険性がある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、地震や風圧などによって転倒しようとする力に耐え得る壁の補強構造を提供することを課題としている。
又、本発明の壁の補強構造は、請求項3記載の如く、請求項1又は2記載の転倒防止部材が、平面視長方形で、その上側に収納部を設けたコンクリートブロックであるとともに、躯体の長辺側を壁の奥行方向に向けた状態で竿部材に一体化してなるものである。
又、本発明の壁の補強構造は、請求項4記載の如く、請求項1又は2記載の転倒防止部材が、先端を尖鋭させた摩擦杭で、その頭部に有する係止部位により竿部材に一体化してなるものである。
本発明の請求項3記載の壁の補強構造は、請求項1又は2記載の転倒防止部材が、平面視長方形で、その上側に収納部を設けたコンクリートブロックであるとともに、該コンクリートブロックの長辺側を壁の奥行方向に向けた状態で竿部材に一体化してなるものであるため、コンクリートブロックの重量に加え、収納部に充填する主要土木資材、例えて土砂の重量によって転倒防止機能を高められるとともに、コンクリートブロックの設置個数を必要に応じて壁の延長方向で増減させることによって、壁の高さや地震力、風圧に相応する転倒防止構造を構成することができる。
又、上記土砂は、当該転倒防止部材の埋設に際して生じる掘削土砂を流用土(本来捨てるもの)として再使用することができるという利点もある。
本発明の請求項4記載の壁の補強構造は、請求項1又は2記載の転倒防止部材が、先端を尖鋭させた摩擦杭で、その頭部に有する係止部位により竿部材に一体化してなるものであるため、摩擦杭の本数を必要に応じて壁の延長方向で増減させることによって、壁の高さや地震力、風圧に相応する転倒防止構造を構成することができる。
又、上記摩擦杭は、杭表面とその表面に接する土との間に生じる摩擦力を杭が引き抜かれようとする際の抵抗力とするため、支持杭のように固く深い支持層まで到達させる必要が無く、杭長を短くしてコストダウンが図れるとともに、施工性を向上させることができる。
本発明の壁の補強構造における第一実施形態を示し、(イ)は壁一面側の一部斜視図、(ロ)は壁他面側の一部斜視図。 同第一実施形態を示し、(イ)は側面図、(ロ)は一面側の一部正面図、(ハ)は一部平面図。 同第一実施形態を示し、図1(イ)のa部拡大図。 同第一実施形態を示し、(イ)は図1(ロ)のb部拡大図、(ロ)は図1(イ)のc部拡大図、(ハ)は図1(イ)のd部拡大図、(ニ)は図1(ロ)のe部拡大図。 同第一実施形態におけるモーメントを示す側面図。 本発明の壁の補強構造における第二実施形態を示し、(イ)は側面図、(ロ)は一面側の一部正面図、(ハ)は一部平面図。 (イ)乃至(ハ)は第二実施形態に係る転倒防止部材の組立工程図。 同第二実施形態におけるモーメントを示す側面図と平面図。 従来技術におけるモーメントを示す側面図と平面図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1乃至図4は、壁の補強構造に係る第一の実施形態を示し、コンクリート製、更に詳しくは、小型の積みブロックを多数個組積して構築された壁10を、その両面で延長方向Xに沿わせて挟持する長尺状の平鉄を第一部材20とし、壁10の一面で該壁10との間に上記第一部材20を介在させ、且つその水平部位32を壁10の奥行方向Zで平面視凸形にして立設する側面視L字状の形鋼を第二部材30とし、第一部材20、壁10及び第二部材30とを串刺して螺合するボルト40、ワッシャー42、ナット41で三者を一体化した壁の補強構造において、第二部材30は、壁10の延長方向Xで所定間隔を有して複数本が立設されるとともに、その側面視L字状を構成する形鋼、即ち断面略C型をなすチャンネル鋼の開口側を、垂直部位31は壁10の一面側へ、又、水平部位32は上側へ向けてなるものである。
その水平部位32には、開口側の適宣部分を鋼板蓋33で塞ぎ、その蓋33上には水平部位32と直交して該水平部位32から左右に張り出す鋼板で平面視長方形の竿部材1がボルト43、ワッシャー42、ナット41で締め付け固定されている。
又、第二部材30を有せず、それ自体が分断しない部分での第一部材20の組付けは、図4(ニ)に示すように、壁10の他面側における前出の連結プレート21を、突起21bがなくて供回り防止孔21aのみを有するプレート22に替え、壁10の一面側に沿う第一部材20のボルト孔20dに長ボルト40を挿通するとともに、上述の高ナット45以降の構成を省くもので、即ち、長ボルト40、連結プレート21、ワッシャー42及びナット41により締結するものである。
ここで、第一部材20の接合部20aや、それに相する第二部材30の垂直部位31における十字孔30a等は、これらが垂直方向の線状にあることのみを条件として、その位置や数については本発明の意図する範囲内で自由である。
次に、壁の補強構造における転倒防止部材2の第二の実施形態を図6及び図7に示す。
当該実施形態は、前記第一の実施形態における転倒防止部材2の変形例を示すもので、その余の構成態様(第一部材20、竿部材1を含めた第二部材30)は、第一の実施形態と同様でこれを援用して説明すると、変形例たる転倒防止部材2は、図6(イ)、(ロ)及び図7(イ)に示すように、高さ方向Yに長大な鋼管の先端を尖鋭させるとともに、その頭部の円周縁に沿い鍔状の係止部位4aが突設されてなる摩擦杭4である。
而して、補強構造を構成するにあっては図7に示すように、摩擦杭4をその頭部端面が第二部材30の水平部位32に固着された蓋33の上面と略面一となるまで土中に打ち込む。
次に、図7(ロ)、(ハ)に示すように、摩擦杭4の上部には、第二部材30の水平部位32と直交してボルト43、ワッシャー42、ナット41で締結される竿部材1を位置さるとともに、摩擦杭4の胴部を跨ぐべきU字状の切欠き5bをその長辺側に穿設し、且つ竿部材1の長穴に挿通すべきボルト5aを切欠き5bの両側に立設してなる長方形鋼板を杭留めプレート5として、上記摩擦杭4の係止部位4aを竿部材1と杭留めプレート5とで挟み、竿部材1の上面でボルト5a、ワッシャー42、ナット41による締結を行う。
これによって、図6に示すように、壁10、第一部材20、第二部材30及び転倒防止部材2が一体化された補強構造が形成される。
ここで、摩擦杭4は、水平部位32の左右両側に夫々1本固定されているが、これに限定されず、その本数を壁10の高さや第二部材30の立設数に相応して、後述の所要抵抗モーメントMが得られるべく竿部材1の長さも含めて壁10の延長方向Xで適宣に増減可能である。

Claims (4)

  1. 壁(10)を、その両面で延長方向(X)に沿わせて挟持する平鉄を第一部材(20)とし、壁(10)の一面で該壁(10)との間に上記第一部材(20)を介在させ、且つその水平部位(32)を壁(10)の奥行方向(Z)で平面視凸形にして立設する側面視L字状の形鋼を第二部材(30)とし、第一部材(20)、壁(10)及び第二部材(30)とを串刺して螺合するボルト(40)、ナット(41)で三者を一体化した壁の補強構造において、L字状をなす第二部材(30)の水平部位(32)に、該水平部位(32)と直交する竿部材(1)を固着するとともに、張り出し状をなす竿部材(1)の下方に土中に埋設する転倒防止部材(2)が一体化されてなることを特徴とする壁の補強構造。
  2. 請求項1記載の第一部材(20)が、間隔を有して立設する第二部材(30)間で分断して突き合せ接合されるとともに、接合部(20a)に当接したプレート(21)と共に壁(10)を串刺して螺合するボルト(40)、ナット(41)で一体化してなることを特徴とする壁の補強構造。
  3. 請求項1又は2記載の転倒防止部材(2)が、平面視長方形で、その上側に収納部(3a)を設けたコンクリートブロック(3)であるとともに、該コンクリートブロック(3)の長辺側を壁(10)の奥行方向(Z)に向けた状態で竿部材(1)に一体化してなることを特徴とする壁の補強部材。
  4. 請求項1又は2記載の転倒防止部材(2)が、先端を尖鋭させた摩擦杭(4)で、その頭部に有する係止部位(4a)により竿部材(1)に一体化してなることを特徴とする壁の補強部材。
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