JP2020122233A - 筬汚れ試験方法 - Google Patents

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智之 渡邊
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拓也 三浦
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健博 堤
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進之介 冨田
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Abstract

【課題】 織機の筬において、原糸表面の油剤残渣付着物および原糸表面の削れ片が筬に及ぼす影響を精度よく評価するための筬汚れ試験方法を提供する。【解決手段】 給糸スタンドと、該給糸スタンド上に載置した糸パッケージから解舒された糸を巻き取る巻取機と、前記給糸スタンドと巻取機との間で走行する糸と接触かつ糸の走行方向に揺動可能な筬とが配置されている擦過試験装置を用いる、筬汚れ試験方法において、筬のチャンネルと枠に囲まれ、筬羽が横並びに配置された領域で、かつ糸の走行方向に対して垂直な面(筬羽配置領域)を撮影することを特徴とする筬汚れ試験方法。【選択図】図1

Description

本発明は、製織時に発生する、原糸表面の油剤残渣付着物および原糸表面の削れ片による筬汚れを試験する方法に関する。
製織に際して織機に用いる筬の汚れ状態を把握することは重要な関心事である。例えばモノフィラメントは、プリント回路基板のスクリーン印刷用スクリーン紗をはじめ、自動車、家電などに利用される成形フィルター用途などに使用される。なかでも、エレクトロニクス分野ではスクリーン紗の高精細化が進み、モノフィラメントにはより細く、かつ極めて製織性に優れた原糸が要求される。
そのため、製織中にモノフィラメント表面が筬によってしごかれ、原糸表面に過剰に付着していた油剤残渣付着物(スカム)や原糸表面そのものが削れて発生する削れ片が筬に蓄積し、飽和した後に脱落し、スクリーン紗に織り込まれると品位欠点となる。よって、筬の汚れが織物品質に大きな影響を与える。
一般に、織機において筬汚れを織物に脱落させないため、織機稼働の一定時間毎に織機の筬を洗浄している。しかし、筬の洗浄は織機を一旦止め筬羽に洗浄剤を噴射するため、段取りや作業に多くの時間がかかり、織機稼働率の低下を招いているという問題がある。よって、製織時、原糸表面の油剤残渣付着物(スカム)や原糸表面の削れ片を抑制することが極めて重要な課題であるとともに、筬の汚れ状態を把握することが極めて重要である。さらに、実際の製織工程においては、織機停止毎に織機に近づき作業者の目視により筬の汚れ状態を確認しており、筬汚れを定量化できていないことが課題に挙げられる。現状、作業者の判断に委ねて筬の汚れ状態を監視するため、必要以上に織機を停止することで織機稼働率の低下に影響している。
そこで織機用監視装置、監視のための方法として、特許文献1に示す経糸の欠陥を評価する装置が提案されている。より具体的には、織機用監視装置としてカメラ装置が緯糸打ち込み装置に固定され、カメラ装置は複数のセンサ要素によって構成され、経糸及び緯糸に対する欠陥や欠陥の位置を表示する装置及び方法である。
また、製織機料品の耐久性に対する評価装置として、特許文献2に示す糸の抱合力および織機の筬その他の製織機料品の損耗等の耐久性を評価する試験装置が提案されている。より具体的には、給糸スタンドと、その給糸スタンド上に載置した糸パッケージから解舒された糸を巻取る巻取装置と、前記給糸スタンドと巻取装置との間に糸の走行方向に沿って順次配置された複数の製織機料品と、該製織機料品中の作動部材及び前記巻取装置の作動条件を変更および/又は監視するコントローラを含んでおり、前記製織機料品として少なくとも、テンサー、イージング装置および揺動可能な筬が配置されている糸並びに機料品の評価装置である。
特表2016−528400号公報 特公平7−103512号公報
特許文献1には、織物の品位向上のため、経糸及び緯糸用監視装置及び方法が提案されているものの、筬汚れに対する評価方法が記載されていない。特許文献1の監視装置及び方法には、経糸または緯糸の不在や、筬羽の欠陥(破損、歪み)、織物の汚れを検知し、表示する構成が示されているが、近年では、製織時、原糸表面の油剤残渣付着物(スカム)や原糸表面そのものが削れて発生する削れ片が筬に蓄積し、飽和した後に脱落し、織物に織り込まれることが課題であるため、織物の汚れ以前に、筬汚れを事前に把握することで織物欠陥を事前に防ぐことが肝要である。また、該監視装置では、欠陥の有無を判別するに至るが、経時で筬汚れ発生量を測り、筬汚れを判別するには至らない。その上、製織工程で原糸起因の筬汚れを判別したとしても、整経工程及び製織工程で使用した原糸設計の見直しおよび原糸の再製作が必要となる。整経工程及び製織工程以前に、試験装置等を用いて、原糸に対する筬汚れ発生量を知り得ることが重要である。
さらに、特許文献2には、糸の抱合力並びに糸が筬その他の機料品の損傷へ及ぼす影響、さらに機料品の耐久性評価のため、評価試験装置が提案されているものの、筬汚れに対する評価方法が記載されていない。特許文献2の評価試験装置では、織機を用いて評価せずとも、実際の製織に適用できるデータを見出すことができると示されているが、筬の損傷以前に、上記同様筬汚れを事前に把握することで、筬洗浄周期等の製織に適用できるデータを得ることが肝要である。
本発明では、上述した問題点を解決し、織機を用いることなく、製織で生じる筬汚れを精度よく評価するための試験方法を提供することにある。
本発明は以下の構成からなる。
1.給糸スタンドと、該給糸スタンド上に載置した糸パッケージから解舒された糸を巻き取る巻取機と、前記給糸スタンドと巻取機との間で走行する糸と接触かつ糸の走行方向に揺動可能な筬とが配置されている擦過試験装置を用いる、筬汚れ試験方法において、筬のチャンネルと枠に囲まれ、筬羽が横並びに配置された領域で、かつ糸の走行方向に対して垂直な面(筬羽配置領域)を撮影する筬汚れ試験方法。
2.撮影した筬羽配置領域画像の任意の点を中心としたN×N画素の計算領域の輝度値分布を求めて、擦過試験前画像と擦過試験後画像との輝度値分布の相関より得られる一致度から、筬汚れが発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の筬汚れ試験方法。
3.擦過試験後に撮影した筬羽配置領域画像のグレイスケール変換から画素濃度ヒストグラムを作成して、糸が走行していない筬羽配置領域画像から得られた最多度数の濃度値と、糸が走行した筬羽配置領域画像から得られた最多度数の濃度値との間にできる極小度数の濃度値を閾値にして、糸が走行した筬羽配置領域側の累計度数が、全体の総累計度数を占める割合を基に、筬汚れが発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の筬汚れ試験方法。
4.筬汚れが発生しているか否かを判定した記録を経時的に取り続けることを特徴とする請求項2または3記載の筬汚れ試験方法
本発明の筬汚れ試験方法は、実際の織機を用いることなく、原糸表面の油剤残渣付着物および原糸表面の削れ片が織機の筬に及ぼす影響を評価することができ、筬洗浄周期の目安等の、実際の製織に適用できるデータを得ることが可能となる。
本発明の筬汚れ試験方法を具体化した擦過試験装置を示す概略斜視図である。 図1の擦過試験装置を給糸スタンドから巻取機等、製織機料品に組込んだ概略構成図である。 図2の概略構成図を上方から俯瞰した図である。 図1の筬の斜視図である。 図1の筬の分解斜視図である。 実施例において、筬汚れ試験方法を示すフローチャート図である。 実施例において、(a)は試験後の筬羽配置領域を示した画像であり、(b)は筬汚れを分離した画像である。
以下、本発明の実施態様を図を参照にしながら説明する。
図1は、本発明の筬汚れ試験方法を具体化した擦過試験装置22の形態において、糸パッケージ(図示せず)から供給される原糸1に対し、筬2を配している。筬2の両面には一対の固定冶具3を着脱可能に嵌め合わせしめ、固定冶具3は揺動ブラケット4に接続されている。揺動ブラケット4の下部両端には、原糸1の走行方向に案内するスライダー6が配設されるとともに、スライダー6は底板5に固定されている。また、揺動ブラケット4の下部中央には、駆動装置7が連結され、駆動装置7は底板5に固定されている。さらに、筬2上方にレール8が筬2の織幅方向に配設され、レール8からブラケット9を介して撮影カメラ10が吊下支持されている。撮影カメラ10は筬2の揺動範囲外に配設され、レール8に沿って移動できる。レール8に沿って移動する撮影カメラ10によって、筬2の筬羽配置領域12を撮影する。
本実施態様に係る撮影装置11は、撮影カメラ10等の撮像部と、種々の制御及び処理を行う制御部と、各画像の一致度及び経時変化、各種ソフトウェア等を保存する記憶部、画像を表示するディスプレイで構成されている。制御部は一致度算出部と、グレイスケール変換画像処理部及び筬汚れ判定部を備えている。
図2は、擦過試験装置22を、実際の整経や製織工程を模した給糸スタンド14と巻取機21、製織機料品等を組み込んだ概略構成図である。また、図3は図2の概略構成図を上方から俯瞰した図である。
図2の試験装置全体の構成は、順に試験対象となる原糸1が巻き取られた糸パッケージ13を載置する給糸スタンド14、各糸パッケージ13の中心かつパッケージ端面から任意の距離に設置可能な解舒ガイド15、一平面状に原糸1を引き揃える糸道ガイド17、巻取機21の巻取速度に対して速度差をつけて回転させ、筬2での張力を所望の張力にするテンション付与装置18で構成される。さらに、糸道ガイド17を通り、原糸1の走行方向に対して垂直方向に所望の振幅・速度・折り返し加速度で往復かつ糸道を開口する綜絖枠16、原糸1の走行方向と同じ方向に所望の振幅・速度・折り返し加速度で揺動する筬2、糸道ガイド17、所望の巻き幅に巻き取るためのトラバースガイド20、巻取機21で構成される。また、駆動制御装置19は、綜絖枠16、トラバースガイド20、巻取機21の運転条件を設定でき、かつその運転条件に沿って各要素に指令するものとする。
図4は、筬2の概略構成図である。また、図5は図4の分解斜視図である。
筬2は、一対のチャンネル23の間に多数の細い短冊状の筬羽25を一定の間隔で取り付けられた構造である。また、一定の間隔で取り付けられた多数の筬羽25の両端には一対の枠24が取り付けられている。筬のチャンネル23と枠24に囲まれ、筬羽が横並びに配置された領域で、かつ糸1の走行方向に対して垂直な面を筬羽配置領域12とする。
次に本発明の試験方法について説明する。まず準備段階として、測定対象となる原糸1が巻き取られた糸パッケージ13を給糸スタンド14に載置し、それぞれの糸パッケージ13から原糸1を引き出し、各々の糸パッケージ13に配設された解舒ガイド15を通した後、糸道ガイド17で引き揃え、テンション付与装置18に掛ける。その後、糸道ガイド17、綜絖枠16、筬2を経た後、糸道ガイド17、トラバースガイド20に糸を通し、巻取機21に糸が掛けられる。
その後、駆動制御装置19により、トラバースガイド20、巻取機21が駆動することで、原糸1は、連続的に糸パッケージ13から解舒され、巻取機21に巻き取られる。この巻取機21に向かって走行する原糸1に対し、綜絖枠16は隣接する糸を走行方向に対して垂直方向に開口させ、筬2は原糸1と接触かつ糸の走行方向に揺動する。駆動制御装置19に設けられたタイマーにより予め設定した測定時間を経過後、綜絖枠16、トラバースガイド20、巻取機21、駆動装置7が停止する。その際、過剰に油剤が付着した原糸1は筬羽配置領域12に油剤残渣付着物が堆積しやすく、また過剰に延伸して配向が著しく進んだ原糸や油剤の付着量の著しく少ない原糸は、原糸表面が削れやすく、筬羽配置領域12に原糸表面の削れ片が堆積する。
以下、第1の発明の筬汚れ試験方法について説明する。上記試験方法より、駆動装置7が停止し、巻取機側に筬2が配置されるようにする。撮影カメラ10により、筬2のチャンネル23と枠24に囲まれ、筬羽が横並びに配置された領域で、かつ糸1の走行方向に対して垂直な面(筬羽配置領域12)が撮影される。撮影の際、試験した原糸が撮影領域に映る場合、試験糸を撮影領域から回避させるとよい。撮影された筬羽配置領域12の画像は撮影装置11のディスプレイに表示される。表示された画像を目視することで、筬汚れ状態を、擦過試験装置22から筬2を取り外すことなく、確認することが可能となる。また、この1回の測定で十分な結果が得られた場合は、仕掛けた原糸1を取り外し、筬汚れを除去し、次の測定に移ってもよいし、経時変化を画像で見比べるため、撮影装置11の記憶部に測定結果を記録し、運転を再開させればよい。
次に具体的な第2の発明の筬汚れ試験方法について説明する。まず、試験開始前に、巻取機側に筬が配置された状態で、撮影カメラ10により、筬羽配置領域12を撮影する。そして、試験終了後、試験開始前に撮影した同様の状態で、筬羽配置領域12の撮影を行う。試験前後の撮影された筬羽配置領域12の画像をもって、筬汚れの判別を行う。
筬汚れの判別方法として、撮影装置11の制御部で、各撮影画像の任意の点を中心としたN×N画素の計算領域(サブセット)の輝度値分布を求めて、輝度値分布の相関より得られる一致度を算出する。一致度を測定するには、まず撮影カメラ10で撮影された試験前後の筬羽配置領域12の画像の画素数を縦横に分割する。例えば、500万画素の解像度を有するカメラを用いて、撮影した場合、2448×2048ピクセルで1枚の画像が得られる。それを20×20画素ずつ分割することで、123×103ブロックの計算領域が得られる。次にそれぞれの分割領域の輝度値を求める。輝度値は一般的なグレイスケール変換と同じく、RGBの加重平均を用いるとよい。そして、試験前後で撮影した画像の同じ領域で分割された計算領域の得られた輝度値から、相関値を算出する。相関値の算出方法としては、輝度値の差の絶対値を計算し、その和を算出する方法(SAD)や、輝度値の差の二乗を計算し、その和を算出する方法(SSD)、または輝度値の内積を求める方法(NCC)で求めるとよい。SADまたは、SSDの値は小さいほど一致度が高いとされ、NCCの値は1に近いほど一致度が高いとされる。予め相関値を任意の数値に決定しておくことで、一致度が低い箇所を試験前の画像と比較して汚れ箇所として、分離し、検出することが可能となる。試験前後で撮影する画像は、同じ領域及び撮影条件で、撮影されるものが好ましく、撮影ライトが同方向から照射されるとよい。
また、第3の発明の筬汚れ試験方法について具体的に説明する。まず、試験終了後、巻取機側に筬が配置された状態で、撮影カメラ10により、筬羽配置領域12を撮影する。撮影装置11の制御部では、筬羽配置領域12に堆積した原糸表面の油剤残渣付着物および原糸表面の削れ片を撮影された画像のグレイスケール変換画像から画素の濃度ヒストグラムを作成して、筬汚れ量の検出を行う。さらに詳しくはまず撮影装置11で撮影された筬羽配置領域12を撮影装置11制御部にてグレイスケール画像に変換を行う。グレイスケール変換は上述同様、RGBの加重平均から濃度値を求め、変換するとよい。次に、得られたグレイスケール画像の画素濃度ヒストグラムを作成する。横軸に画素濃度値(1〜256)を、縦軸にその画素濃度値の画素数を表す。筬羽は一般的にステンレス鋼や炭素鋼で製作され、原糸表面に過剰に付着していた油剤残渣付着物や原糸表面そのものが削れて発生する削れ片は一般的に白粉として、筬羽に付着する。そのため、得られた画素濃度ヒストグラムは、筬羽の濃度値と、油剤残渣付着物と削れ片の濃度値との間に明確な谷が現れるような双峰性のヒストグラムとなることが多い。そこで、閾値を定め、油剤残渣付着物や原糸表面そのものが削れて発生する削れ片を画像上で分離する。閾値を求める手法として、二つの峰の谷底を閾値として設定するモード法や、Pタイル法を用いて、閾値を定めるとよい。閾値を境に、筬汚れが筬羽配置領域12を占める累計度数の割合を求め、ある任意の割合を持って、筬汚れが発生したと判定する。上述した第2の発明の筬汚れ試験方法と同様に、使用する筬羽配置領域12の画像を撮影する際、照明条件等によって撮影ムラが生じ、濃度値が画像全体で一定にならない恐れが生じるため、筬の撮影位置及び撮影ライトの照射方向が定められているとよい。
さらに、第4の発明の筬汚れ試験方法として、筬汚れを判定するだけでなく、筬汚れの原因を究明するために、第2の発明の筬汚れ試験方法で得られる各分割領域の輝度値の一致度や、第3の発明の筬汚れ試験方法で得られる筬汚れが筬羽配置領域12を占める累積度数の割合を経時的に記録するとよい。特に、第2の発明の筬汚れ試験方法では、経時で筬汚れによる一致度の変化や、筬汚れが発生した分割領域を記録しておくと、原糸1に対して筬汚れ発生原因を特定しやすくなる。
本発明の筬汚れ試験方法に好適な原糸は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が挙げられ、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリエチレンナフタレートなどに代表されるポリエステルであるが、その中でも特に、ポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル繊維の製造において良好な結果が得られる。また、本発明の効果を損なわない限り共重合成分を加えてもよい。共重合成分の例として、酸成分にはイソフタル酸、フタル酸、ジブロモテレフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルキシエンタンカルボン酸、オキシエトキシ安息香酸等の二官能性芳香族カルボン酸、セバシン酸、アジピン酸、シュウ酸等の二官能性脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。グリコール成分にはプロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAや、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールが挙げられる。さらに、添加物として酸化防止剤、制電剤、可塑剤、紫外線吸収剤、着色剤等を適宜添加してもよい。また、モノフィラメントだけでなくマルチフィラメントを測定対象の原糸としてよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。図6は、本発明の第1〜4の発明の筬汚れ試験方法において行われる処理手順を示すフローチャートである。まず筬汚れを判別するために、図2の配置に従った装置を用いて試験を実施した(ステップS01〜S04)。試験には、繊度18dtexのポリエステルモノフィラメントを使用した。給糸スタンドに糸パッケージを40本設置し、巻取機で80mm/分のローラー速度で巻き取った際に、18cN/本の張力となるようテンションを付与した。綜絖枠を200rpmの速度で、糸の走行方向に対して垂直方向に走行糸を50mm開口させ、筬も同様に200rpmの速度で100mmの間を往復擦過させた。試験を40時間行い、試験後に筬羽配置領域を撮影した(ステップS05)。
撮影装置にはキーエンス製画像センサ(カメラ型式:CA−H2100M、レンズ型式:CA−LMHE0510、ライト型式:CA−DRM10X)を用いた。画素分解能は0.0061mm/pixとした。また、コントローラはキーエンス製CV−X470Fを使用した。図7(a)は撮影画像を示した画像であり、図7(b)は図7(a)の筬汚れ分離画像である。本発明者の検証によれば、図7(a)の筬羽配置領域の画像写真に関して、目視確認により、筬汚れが明らかであると判断した(ステップS11)。また、目視確認により、筬汚れが明らかとなっていない場合は、第2の発明の方法により、筬汚れを判定する(ステップS21〜S25)。さらに、図7(a)で示す筬羽配置領域の写真画像に対して、グレイスケール画像に変換を実施し、画素濃度ヒストグラムを作成した。双峰性のヒストグラムの、二つの峰の谷底であった画素濃度値116を閾値に筬汚れを黒、他を白に画像処理を実施した(ステップS31〜S32)。図7(b)の筬汚れ領域が画像全体を占める割合を測定した結果、24.0%であった(ステップS33)。本発明者の検証によれば、原糸表面の油剤残渣付着物(スカム)や原糸表面の削れ片が筬羽配置領域を占める累積度数が10%を超えた際、筬汚れが発生したと閾値を設けたので、今回の試験では筬汚れが発生したと判定した(ステップS34)。この他に、第4の発明の方法として、第2または第3の発明の方法で筬汚れが発生しておらず、繰り返して試験を行い、筬汚れの判別を行う際は、経時変化も記録し、筬汚れが発生するまで、試験を実施することで判定を行った(ステップS35)
1:原糸
2:筬
3:固定冶具
4:揺動ブラケット
5:底板
6:スライダー
7:駆動装置
8:レール
9:ブラケット
10:撮影カメラ
11:撮影装置
12:筬羽配置領域
13:糸パッケージ
14:給糸スタンド
15:解舒ガイド
16:綜絖枠
17:糸道ガイド
18:テンション付与装置
19:駆動制御装置
20:トラバースガイド
21:巻取機
22:擦過試験装置
23:チャンネル
24:枠
25:筬羽
本発明の筬汚れ試験方法を用いることで、製織せずとも原糸表面の油剤残渣付着物および原糸表面の削れ片が織機の筬に及ぼす影響を精度よく評価することが可能となる。

Claims (4)

  1. 給糸スタンドと、該給糸スタンド上に載置した糸パッケージから解舒された糸を巻き取る巻取機と、前記給糸スタンドと巻取機との間で走行する糸と接触かつ糸の走行方向に揺動可能な筬とが配置されている擦過試験装置を用いる、筬汚れ試験方法において、
    筬のチャンネルと枠に囲まれ、筬羽が横並びに配置された領域で、かつ糸の走行方向に対して垂直な面(筬羽配置領域)を撮影する筬汚れ試験方法。
  2. 撮影した筬羽配置領域画像の任意の点を中心としたN×N画素の計算領域の輝度値分布を求めて、擦過試験前画像と擦過試験後画像との輝度値分布の相関より得られる一致度から、筬汚れが発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の筬汚れ試験方法。
  3. 擦過試験後に撮影した筬羽配置領域画像のグレイスケール変換画像から画素濃度ヒストグラムを作成して、糸が走行していない筬羽配置領域画像から得られた最多度数の濃度値と、糸が走行した筬羽配置領域画像から得られた最多度数の濃度値との間にできる極小度数の濃度値を閾値にして、
    糸が走行した筬羽配置領域側の累計度数が、全体の総累計度数に占める割合を基に、筬汚れが発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の筬汚れ試験方法。
  4. 筬汚れが発生しているか否かを判定した記録を経時的に取り続けることを特徴とする請求項2または3記載の筬汚れ試験方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113109352A (zh) * 2021-04-07 2021-07-13 桂林电子科技大学 一种基于机器视觉的生丝质量检测方法及装置

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