以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
図1は、実施の形態に係る流体殺菌装置10の構成を概略的に示す上面図である。流体殺菌装置10は、直管20と、直管20の両端のそれぞれに設けられる第1筐体30aおよび第2筐体30bとを備える。流体殺菌装置10は、直管20の内部を流れる水などの流体に紫外光を照射して殺菌処理を施すための装置である。処理対象となる流体は、例えば、第1流通管16aを通じて第1筐体30aの内部に流入し、直管20の内部を矢印Fで示されるように第2筐体30bに向けて通過し、その後、第2流通管16bを通じて外部に排出される。
直管20は、円筒形状であり、第1筐体30aから第2筐体30bに向けて延在する。本明細書において、直管20が延在する長手方向を「軸方向」ということがあり、軸方向と直交する方向を「径方向」ということがある。また、直管20の中心軸周りの方向を「周方向」ということがある。
直管20は、第1筐体30aおよび第2筐体30bに対して直管20の中心軸周りに回転可能となるよう構成される。直管20は、第1規制部材50aにより第1筐体30aに取り付けられ、第2規制部材50bにより第2筐体30bに取り付けられる。第1規制部材50aは、第1筐体30aに対する直管20の軸方向および径方向の変位を規制する一方で、第1筐体30aに対する直管20の周方向の回転を可能にする。同様に、第2規制部材50bは、第2筐体30bに対する直管20の軸方向および径方向の変位を規制する一方で、第2筐体30bに対する直管20の周方向の回転を可能にする。
流体殺菌装置10の内部には、直管20の内面や第1筐体30aおよび第2筐体30bの内面に付着する汚れを除去するための洗浄部(詳細は後述)が設けられる。洗浄部は、第1筐体30aおよび第2筐体30bに対して直管20を回動させることにより、流体殺菌装置10の内部の洗浄すべき表面に接触しながらその表面に対して変位(例えば摺動)して洗浄するよう構成される。直管20は、例えば手動で回転させることができる。
直管20の外周面22には、第1位置合わせマーク28aおよび第2位置合わせマーク28bが設けられる。第1位置合わせマーク28aおよび第2位置合わせマーク28bは、直管20の周方向の位置または回動角の原点を示すためのものである。第1規制部材50aおよび第2規制部材50bのそれぞれには、直管20の位置合わせマーク28a,28bのそれぞれに対応する基準マーク58a,58bが設けられている。直管20の内部で殺菌処理をする通常使用時には、直管20の位置合わせマーク28a,28bと、規制部材50a,50bの基準マーク58a,58bとの位置が揃うように直管20の回動角が設定される。流体殺菌装置10の内部の洗浄時には、直管20の位置合わせマーク28a,28bと、規制部材50a,50bの基準マーク58a,58bとの位置が互いにずれるように直管20を回動させる。
図2は、図1の流体殺菌装置10の構成を概略的に示す断面図であり、図1のA−A線断面に相当する。流体殺菌装置10は、直管20の軸方向に対称となる構成を有しており、図2の紙面において、第1筐体30aと第2筐体30bの内部構成が左右対称となっている。そこで、以下の説明では、主に第1筐体30aの内部構成について主に詳述し、第2筐体30bの内部構成について説明を適宜省略する。図面に付される符号の末尾が「a」となる部材は、紙面の左側に描かれる第1筐体30a側の構造であることを示し、符号の末尾が「b」となる部材は、紙面の右側に描かれる第2筐体30b側の構造であることを示す。
流体殺菌装置10は、直管20と、第1筐体30aと、第2筐体30bと、第1光源40aと、第2光源40bと、第1窓部材43aと、第2窓部材43bと、第1規制部材50aと、第2規制部材50bと、洗浄部60とを備える。洗浄部60は、直管側洗浄部61と、筐体側洗浄部70とを含む。直管側洗浄部61は、内周面洗浄部62を有する。筐体側洗浄部70は、第1窓洗浄部72aおよび第2窓洗浄部72bを有する。
直管20は、処理流路12を区画する円筒形状の部材である。直管20は、第1端部21aおよび第2端部21bを有する。第1端部21aには第1筐体30aが設けられ、第2端部21bには第2筐体30bが設けられる。直管20の材質は特に問わないが、少なくとも直管20の内周面23が紫外光に対する耐久性および反射率が高い材料であることが好ましい。直管20は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂で構成することができる。
直管20の外周面22には、第1外周溝部24a、第1外周凹部25a、第1外周係合部26aおよび第1位置合わせマーク28aが設けられる。直管20の内周面23には、第1内周凹部27aが設けられる。
第1外周溝部24aは、第1規制部材50aの取り付け位置に設けられ、周方向に連続的に形成される。第1外周溝部24aには第1規制部材50aが挿入され、第1規制部材50aにより直管20の軸方向および径方向の変位が規制される。第1規制部材50aは、第1外周溝部24aに沿って直管20に対して回動できる。
第1外周凹部25aは、第1外周溝部24aよりも第1端部21aの近くに設けられる。第1外周凹部25aは、周方向に連続的に形成されており、第1筐体30aと直管20の間を封止して第1連通路14aを区画するためのOリング46aが配置される。
第1外周係合部26aは、第1外周凹部25aよりも第1端部21aの近くに設けられ、周方向に連続的に形成される段差部である。第1外周係合部26aは、第1筐体30aの第1突起部36aと係合し、第1筐体30aに対する直管20の軸方向の変位を規制する。
第1内周凹部27aは、第1端部21aに設けられ、第1端部21aから内周面23に沿って軸方向に延在している。第1内周凹部27aは、第1窓洗浄部72aを取り付けるための凹部である。第1内周凹部27aは、周方向に連続して形成されず、周方向の特定の位置のみに形成される。
第1位置合わせマーク28aは、第1外周溝部24aよりも第1端部21aから離れた位置に設けられ、第1筐体30aおよび第1規制部材50aを取り付けた状態において流体殺菌装置10の外側に露出する。位置合わせマーク28aは、周方向の特定の位置のみに形成され、例えば、第1窓洗浄部72a(つまり、第1内周凹部27a)が設けられる周方向の位置と反対側(つまり、180度異なる位置)に設けられる。
第1筐体30aは、直管20の第1端部21aの外周を包囲するように設けられる。第1筐体30aは、第1本体部31aおよび第1光源収容部32aを含む。第1本体部31aは、第1流通口33aと、第1連通開口34aと、第1直管支持開口35aと、第1突起部36aと、第1窓支持開口37aと、第1凹部38aと、第1係合孔39aとを有する。
第1流通口33aは、直管20の長手方向と交差する方向(例えば径方向)に延びる開口であり、第1流通管16aの挿入口となる。第1連通開口34aは、第1本体部31aの中央に設けられ、第1流通口33aと処理流路12をつなぐ第1連通路14aを区画する。第1連通開口34aの径方向の開口幅は、直管20の外径よりも大きく、直管20の外周面22の外側に周方向に連続する第1連通路14aが設けられるように第1連通開口34aが形成される。
第1直管支持開口35aは、軸方向に延びる円形開口である。第1直管支持開口35aは、直管20の第1外周凹部25aに設けられるOリング46aと接触して直管20の外周面22を支持し、直管20の径方向の変位を規制する。第1直管支持開口35aの径方向の開口幅は、直管20の外径と同程度である。第1突起部36aは、第1連通開口34aと第1直管支持開口35aの間の位置に設けられ、周方向に連続するように形成される。第1突起部36aは、直管20の第1外周係合部26aと係合して直管20の軸方向および径方向の変位を規制する。
第1窓支持開口37aは、軸方向に延びる円形開口である。第1窓支持開口37aは、第1連通開口34aを挟んで第1直管支持開口35aと反対側に設けられ、第1窓部材43aを支持する。第1窓支持開口37aの径方向の開口幅は、第1窓部材43aの外径と同程度である。第1窓支持開口37aの内側の第1窓部材43aの光出射面45aと対向する面には第1凹部38aが設けられる。第1凹部38aには、第1本体部31aと第1窓部材43aの間を封止して第1連通路14aを区画するためのOリング48aが配置される。
第1係合孔39aは、内周面洗浄部62の第1取付部65aの先端を挿入して固定するための取付孔である。第1係合孔39aは、直管20の第1端部21aと第1窓部材43aの間の位置に設けられ、第1連通開口34aの内周面と、第1窓支持開口37aの内側の第1窓部材43aの光出射面45aと対向する面との間を貫通するように設けられる。第1係合孔39aは、第1連通開口34aの内周面から径方向外側に延在した後、第1窓支持開口37aに向けて軸方向に延在してL字状となるよう構成される。
第1光源収容部32aは、第1本体部31aよりも直管20から軸方向に離れた位置に設けられる。第1光源収容部32aは、第1光源40aが収容される第1光源室18aを区画するとともに、第1本体部31aと第1光源収容部32aの間に第1窓部材43aを挟み込んで固定する。第1光源収容部32aは、例えば、ネジやボルトなどの締結部材(不図示)により第1本体部31aに固定される。
第1筐体30aの材質は特に問わないが、紫外光に対する耐久性の高い材料であることが好ましい。第1本体部31aは、直管20に比べて紫外光の反射率の低い材料で構成されることが好ましく、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂で構成することができる。第1筐体30aの材料として、PTFEよりも紫外光反射率の低いPVDFを用いることで、第1連通路14aの内面にて紫外光が反射され、第1流通口33aを通じて第1筐体30aの外部に向かう紫外光量を低減できる。
第2筐体30bは、直管20の第2端部21bの外周を包囲するように設けられる。第2筐体30bは、第2本体部31bと、第2光源収容部32bとを含む。第2本体部31bは、上述の第1本体部31aと同様に構成され、第2光源収容部32bは、上述の第1光源収容部32aと同様に構成される。
第1光源40aは、第1光源室18aに収容され、第1窓部材43aごしに処理流路12に向けて軸方向に紫外光UVを照射するよう構成される。第1光源40aは、複数の発光素子41aと、第1基板42aとを有する。発光素子41aは、いわゆるUV−LED(Ultra Violet-Light Emitting Diode)であり、発光のピーク波長が300nm以下であり、殺菌効率の高い波長である260nm〜290nm付近の紫外光を発する。複数の発光素子41aは、第1基板42aの実装面上にアレイ状に並べられる。第1光源40aは、各発光素子41aから出力される紫外光の配光を整えるためのレンズやリフレクタ(不図示)を有してもよい。レンズやリフレクタは、各発光素子41aと第1窓部材43aの間に配置されてもよいし、第1窓部材43aと一体化されてもよい。
第1窓部材43aは、直管20の第1端部21aと第1光源40aの間に配置され、第1連通路14aと、第1光源室18aとの間を区画する。第1窓部材43aは、第1光源40aからの紫外光が入射する光入射面44aと、光入射面44aとは反対側の光出射面45aとを有する。第1窓部材43aは、紫外光の透過率が高い材料で構成され、例えば石英ガラス(SiO2)やサファイア(Al2O3)などで構成される。
第2光源40bは、第2筐体30bの内部に区画される第2光源室18bに収容され、第2窓部材43bごしに処理流路に向けて軸方向に紫外光を照射するよう構成される。第2光源40bは、上述の第1光源40aと同様に構成される。
第1規制部材50aは、直管20の第1外周溝部24aに差し込まれる第1円形開口53a(後述の図3参照)を有し、第1外周溝部24aと係合した状態で第1筐体30aに固定される。第1規制部材50aは、上下の二つの部材51aおよび52aに分割されている。第1規制部材50aは、直管20の上側から第1上側規制部材51aを取り付け、直管20の下側から第1下側規制部材52aを取り付けた後に第1上側規制部材51aおよび第1下側規制部材52aを第1筐体30aに固定することで一体化される。第1規制部材50aは、ネジやボルトなどの締結部材59a(図3参照)により第1筐体30aに固定される。
第2規制部材50bは、直管20の第2外周溝部24bに差し込まれ、第2外周溝部24bと係合した状態で第2筐体30bに固定される。第2規制部材50bは、第1規制部材50aと同様に構成される。
直管側洗浄部61は、直管20の表面と接触し、直管20の表面に対して摺動することにより直管20の表面を洗浄する。直管側洗浄部61は、第1筐体30aおよび第2筐体30bに固定されており、筐体30a,30bに対して直管20を回動させると、直管側洗浄部61の位置が変わらないまま直管20が回転する。直管20を基準とした視点では、筐体30a,30bに対する直管20の回動時において、直管側洗浄部61が直管20に対して変位して直管20の表面をこすることができる。その結果、直管側洗浄部61は、直管20の回動により直管20を洗浄できる。
直管側洗浄部61は、内周面洗浄部62を含む。内周面洗浄部62は、内周面接触部63と、支持延在部64と、第1取付部65aと、第2取付部65bとを有する。内周面接触部63は、直管20の内周面23と接触した状態で変位し、内周面23の汚れを除去する。内周面接触部63は、ブラシやスキージなどで構成される。支持延在部64は、直管20の内周面23に沿って軸方向に延在し、内周面接触部63を支持する。支持延在部64の軸方向の長さは、直管20の軸方向の長さよりも長く、支持延在部64の両端が直管20の両端部21a,21bの外側に突出するように構成される。第1取付部65aは支持延在部64の端部から径方向外側に延在し、その先端が第1係合孔39aに挿入されて固定される。同様に、第2取付部65bは、支持延在部64の端部から径方向外側に延在し、その先端が第2筐体30bの第2係合孔39bに挿入されて固定される。
筐体側洗浄部70は、筐体30a,30bや窓部材43a,43bの表面と接触し、筐体30a,30bや窓部材43a,43bの表面に対して摺動することにより筐体30a,30bや窓部材43a,43bの表面を洗浄する。筐体側洗浄部70は、直管20に固定されており、筐体30a,30bに対して直管20を回動させると、直管20と一緒に筐体側洗浄部70が回転する。このとき、筐体30a,30bや窓部材43a,43bの位置は変わらないため、筐体側洗浄部70が筐体30a,30bや窓部材43a,43bに対して変位して筐体30a,30bや窓部材43a,43bの表面をこすることができる。その結果、筐体側洗浄部70は、直管20の回動により筐体30a,30bや窓部材43a,43bを洗浄できる。
筐体側洗浄部70は、第1窓洗浄部72aおよび第2窓洗浄部72bを含む。第1窓洗浄部72aは、第1窓接触部73aと、第1支持部74aと、第1取付部75aとを有する。第1窓接触部73aは、第1窓部材43aの光出射面45aと接触した状態で変位し、光出射面45aの汚れを除去する。第1窓接触部73aは、ブラシやスキージなどで構成される。第1支持部74aは、第1窓部材43aの光出射面45aに沿って径方向に延在し、第1窓接触部73aを支持する。第1窓接触部73aおよび第1支持部74aの径方向の長さは、直管20の内径(直径)の半分程度である。第1支持部74aは、直管20の第1端部21aから直管20の中心軸Cまで径方向に延びる。なお、第1窓接触部73aおよび第1支持部74aの径方向の長さは、図示されるものより長くてもよく、中心軸Cを越えて径方向に延在してもよい。第1窓接触部73aおよび第1支持部74aの径方向の長さは、直管20の内直径の60%〜90%程度であってもよい。
第1取付部75aは、直管20の内周面23に沿って軸方向に延び、第1内周凹部27aに取り付けられる。第1取付部75aは、ネジやボルトなどの締結部材76aにより直管20の第1端部21aの近傍に固定される。なお、第1取付部75aは、直管20の外周面22に取り付けられてもよいし、直管20の外周面22と内周面23の双方に接触して直管20の円筒壁を挟み込むようにして第1端部21aに取り付けられてもよい。
第2窓洗浄部72bは、第1窓洗浄部72aと同様に構成される。第2窓洗浄部72bは、直管20の第2端部21bに取り付けられ、直管20の回動により第2窓部材43bの表面(第2光出射面45b)の汚れを除去するように構成される。
洗浄部60は、紫外光に対する耐久性の高い材料で構成されることが好ましく、フッ素樹脂などの樹脂材料またはステンレスなどの金属材料で構成される。内周面接触部63や第1窓接触部73aなどの接触部は、フッ素樹脂で構成されるブラシやスキージで構成されることが好ましい。支持延在部64や第1支持部74aなどの支持部は、紫外光の反射率が高い材料で構成されることが好ましく、PTFEで構成されることがより好ましい。洗浄部60の支持部をPTFEで構成することで、洗浄部60を設けることによる処理流路12の内部での紫外光量の減衰を抑制できる。
図2に示される構成において、殺菌処理の対象となる流体は、第1流通管16a、第1流通口33a、第1連通路14a、処理流路12、第2連通路14b、第2流通口33b第2流通管16bの順に通過する。第1光源40aおよび第2光源40bは、処理流路12を矢印Fで示されるように流れる流体に対し、軸方向に紫外光UVを照射する。これにより、処理流路12において流体に対する殺菌処理がなされる。
図3は、図1の流体殺菌装置10の構成を概略的に示す断面図であり、図2のB−B線断面に相当する。図3では、分かりやすさのため、直管20および内周面洗浄部62については断面を示す一方で、第1規制部材50aについては断面ではなく、軸方向に見た外観を示している。また、図3では、直管20の内部を軸方向に見たときの複数の発光素子41aの配置および第1窓洗浄部72aの位置を示している。
複数の発光素子41aは、軸方向に見た平面視において二次元アレイ状に配置されており、図示されるように四角格子状に配置される。第1窓洗浄部72aは、アレイ状に配置される複数の発光素子41aと重ならない位置に配置されており、隣接する二つの発光素子41aの隙間に対応する位置を通るように延在している。第1窓洗浄部72aは、発光素子41aの隙間に対応する範囲に収まるように周方向の幅が細く形成される。第1窓洗浄部72aを発光素子41aと重ならない位置に配置することで、第1窓洗浄部72aを設けることによる処理流路12の内部の紫外光量の低下を抑制できる。
なお、複数の発光素子41aの配列は、四角格子に限られず、三角格子状に配置してもよいし、同心円状に並べてもよいし、不規則に配置されてもよい。いずれの場合であっても、第1窓洗浄部72aが複数の発光素子41aの隙間に対応する範囲に収まるように配置されることが好ましい。図示する例において、第1窓洗浄部72aは、径方向に直線的に延びているが、途中で屈曲するように構成されてもよい。例えば、複数の発光素子41aの配列に応じて、複数の発光素子41aの隙間を縫うように屈曲しながら第1窓洗浄部72aが第1窓部材43aに沿って延在してもよい。
第1規制部材50aは、直管20の第1外周溝部24aと係合する第1円形開口53aから径方向内側に向けて突出する第1内側突出部54aを有する。第1内側突出部54aは、直管20の円筒壁を挟んで内周面洗浄部62の反対側に設けられており、内周面洗浄部62と周方向の位置が一致するように設けられる。
直管20は、周方向の一部箇所において第1外周溝部24aから径方向外側に向けて突出する第1外側突出部29aを有する。第1外側突出部29aは、第1外周溝部24aを周方向に部分的に形成しないことで、直管20の外周面22と同じ高さのままとなる箇所であるとも言える。第1外側突出部29aは、第1窓洗浄部72aと周方向の位置が一致するように設けられる。
第1内側突出部54aおよび第1外側突出部29aは、直管20の回動範囲を制限し、直管20の回動により内周面洗浄部62と第1窓洗浄部72aとが接触して破損するのを防ぐようにする。具体的には、図3の状態から直管20を約180度回転させた場合に、第1内側突出部54aに第1外側突出部29aが接触して直管20の回動を規制することにより、直管20がさらに回動して内周面洗浄部62と第1窓洗浄部72aとが接触する回動角になるのを妨げるようにする。
図4は、直管20の回動を模式的に示す断面図であり、図3の状態から直管20を矢印R1で示すように時計回りに回動させたときの様子を示す。図4では、第1内側突出部54aの左側に第1外側突出部29aが接触しているため、内周面洗浄部62に第1窓洗浄部72aが衝突する手前の位置で直管20の回動が止まる。このようにして直管20の時計回りの回動範囲を制限することにより、内周面洗浄部62と第1窓洗浄部72aとが接触することによる破損を防止できる。なお、矢印R1で示される時計回りの回動により、第1窓部材43aの光出射面45aのうち左側の約半分に相当する網掛領域P1が第1窓洗浄部72aにより洗浄される。また、矢印R1で示される回動により、直管20の内周面23のうちの約半分に相当する太線Q1で示される範囲が内周面洗浄部62により洗浄される。
図5は、直管20の回動を模式的に示す断面図であり、図4とは逆回りに、つまり、図3の状態から直管20を矢印R2で示すように反時計回りに回動させたときの様子を示す。図5では、第1内側突出部54aの右側に第1外側突出部29aが接触しているため、内周面洗浄部62に第1窓洗浄部72aが衝突する手前の位置で直管20の回動が止まる。このようにして直管20の時計反回りの回動範囲も同様に制限することにより、内周面洗浄部62と第1窓洗浄部72aとが接触することによる破損を防止できる。なお、矢印R2で示される反時計回りの回動により、第1窓部材43aの光出射面45aのうち右側の約半分に相当する網掛領域P2が第1窓洗浄部72aにより洗浄される。また、矢印R2で示される回動により、直管20の内周面23のうちの残りの約半分に相当する太線Q2で示される範囲が内周面洗浄部62により洗浄される。
上記の図4の時計回りの回動と、図5の反時計回りの回動とを組み合わせることにより、内周面洗浄部62を用いて直管20の内周面23のほぼ全体を洗浄できる。また、第1窓部材43aの光出射面45aのうち、第1光源40aから直管20の内部に向かう紫外光が透過する領域のほぼ全体を第1窓洗浄部72aを用いて洗浄できる。同様に、第2窓部材43bの光出射面45bのうち、第2光源40bから直管20の内部に向かう紫外光が透過する領域のほぼ全体を第2窓洗浄部72bを用いて洗浄できる。したがって、本実施の形態によれば、筐体30a,30bに対して直管20を回動させるだけで、直管20の内周面23および窓部材43a,43bの光出射面45a,45bを洗浄できる。
筐体30a,30bに対して直管20を回動させるために必要な力は、筐体30a,30bと直管20の間に挟み込まれるOリング46a,46bの摩擦に依存する。直管20がPTFEなどのフッ素樹脂で構成される場合、ゴムなどで構成されるOリング46a,46bに対する摩擦が小さく、フッ素樹脂に対してOリング46a,46bが滑りやすい。そのため、それほど強い力を加えなくても直管20を回動させることができる。例えば、流体殺菌装置10の設置箇所に筐体30a,30bが固定されている状況下であっても、筐体30a,30bを動かすことなく、比較的軽い力で直管20のみを回動させることができる。したがって、本実施の形態によれば、流体殺菌装置10を設置箇所から外したり、分解したりすることなく、流体殺菌装置10の内部を簡便に洗浄することができる。
なお、直管20を回動させて図4または図5に示される配置とした場合、そのままの状態で流体殺菌装置10を使用するのではなく、図2および図3に示される初期配置に戻すことが望ましい。図4または図5に示される配置では、一部の発光素子41aと内周面洗浄部62が重なっており、処理流路12に向けて照射される紫外光が内周面洗浄部62により遮蔽されて殺菌能力が低下してしまう。本実施の形態によれば、直管20を回動させて図3に示される初期配置に簡単に戻すことができるように、第1位置合わせマーク28aおよび第1基準マーク58aが設けられる。第1位置合わせマーク28aは、図2に示されるように、中心軸Cを挟んで第1窓洗浄部72aとは反対側の位置、つまり、第1窓洗浄部72aとと周方向の位置が180度異なるように設けられる。また、第1基準マーク58aは、図3に示されるように、第1内側突出部54aや内周面洗浄部62が設けられる周方向の位置と一致する箇所に設けられる。その結果、第1位置合わせマーク28aおよび第1基準マーク58aの位置を揃えることで、図2および図3に示される初期配置が実現され、処理流路12に照射される紫外光量を最大化させることができる。
なお、直管20の回動範囲を規制する第1外側突出部29aおよび第1内側突出部54aの周方向の位置は、図示される例に限られず、内周面洗浄部62と第1窓洗浄部72aが接触しうる回動範囲を規制できる限りにおいて周方向の任意の位置に配置できる。同様に、第1位置合わせマーク28aおよび第基準マーク58aの周方向の位置は、図示される例に限られず、図2および図3に示される初期配置において両者の周方向の位置が揃うようにして周方向の任意の位置に配置できる。
図6は、変形例に係る流体殺菌装置110の構成を概略的に示す断面図である。本変形例では、光源140が第1筐体30a側にのみ設けられ、第2筐体130b側に光源が設けられていない点で上述の実施の形態と相違する。また本変形例では、洗浄部160により洗浄可能となる箇所が上述の実施の形態よりも多く、直管20の外周面22や筐体30a,130bの連通開口34a,34bの内周面も洗浄可能となるよう構成される。以下、本変形例について、上述の実施の形態との相違点を中心に説明する。
流体殺菌装置110は、直管20と、第1筐体30aと、第2筐体130bと、光源140と、窓部材143aと、対向部材143bと、第1規制部材50aと、第2規制部材50bと、洗浄部160とを備える。洗浄部160は、直管側洗浄部161と、第1筐体側洗浄部170aと、第2筐体側洗浄部170bとを含む。
第2筐体130bは、第2本体部31bおよび対向部材固定部132bを含む。第2本体部31bは、上述の実施の形態と同様に構成される。対向部材固定部132bは、上述の実施の形態の第2光源収容部32bの代わりに第2本体部31bに取り付けられる。第2本体部31bと対向部材固定部132bの間には対向部材143bが挟み込まれる。対向部材143bは、直管20の第2端部21bと対向するように設けられる。対向部材143bは、直管20の第2端部21bと対向する対向面145bを有する。対向部材143bは、紫外光反射率の高い部材で構成されることが好ましく、例えばPTFEなどのフッ素樹脂で構成される。
光源140は、上述の第1光源40aと同様、第1光源室18aに収容される。光源140は、基板142の実装面上にアレイ状に配置される複数の発光素子141を含み、処理流路12に向けて軸方向に紫外光を照射する。窓部材143aは、光源140からの紫外光が入射する光入射面144aと、光入射面144aとは反対側の光出射面145aとを有する。
直管側洗浄部161は、第1筐体30aの第1係合孔39aに挿入される第1取付部165aと、第2筐体130bの第2係合孔39bに挿入される第2取付部165bとを有し、筐体30a,130bに固定されている。直管側洗浄部161は、内周面洗浄部162、第1外周面洗浄部167aおよび第2外周面洗浄部167bを有する。内周面洗浄部162は、上述の実施の形態の内周面洗浄部62と同様に構成され、内周面接触部163および支持延在部164を有する。
第1外周面洗浄部167aは、第1筐体30aの内部に位置する直管20の外周面22と接触し、直管20の外周面22に対して摺動することにより直管20の第1端部21aの近傍の外周面22を洗浄する。第1外周面洗浄部167aは、第1外周面接触部168aと、第1外周支持部169aとを有する。第1外周面接触部168aは、直管20の第1端部21aの近傍の外周面22と接触した状態で変位し、外周面22の汚れを除去する。第1外周面接触部168aは、ブラシやスキージなどで構成される。第1外周支持部169aは、第1取付部165aから直管の外周面22に沿って軸方向に延在し、第1外周面接触部168aを支持する。
第2外周面洗浄部167bは、第2筐体130bの内部に位置する直管20の外周面22と接触し、直管20の外周面22に対して摺動することにより直管20の第2端部21bの近傍の外周面22を洗浄する。第2外周面洗浄部167bは、第2外周面接触部168bと、第2外周支持部169bとを有し、第1外周面洗浄部167aと同様に構成される。第2外周面接触部168bは、直管20の第2端部21bの近傍の外周面22と接触した状態で変位し、外周面22の汚れを除去する。第2外周支持部169bは、第2取付部165bから直管の外周面22に沿って軸方向に延在し、第2外周面接触部168bを支持する。
第1筐体側洗浄部170aは、第1取付部175aを有し、直管20の第1端部21aに設けられる第1内周凹部27aに第1締結部材76aを用いて固定されている。第1筐体側洗浄部170aは、窓部材洗浄部172aと、第1筐体内面洗浄部177aとを有する。窓部材洗浄部172aは、上述の実施の形態に係る第1窓洗浄部72aと同様に構成され、窓接触部173aと、窓接触部173aを支持する第1径方向延在部174aを有する。第1筐体内面洗浄部177aは、第1筐体内面接触部178aと、第1軸方向延在部179aとを有する。第1筐体内面接触部178aは、第1筐体30aの第1連通開口34aの内周面と接触し、第1連通開口34aの内周面に対して摺動して内周面を洗浄する。第1軸方向延在部179aは、第1径方向延在部174aから軸方向に延在して第1筐体内面接触部178aを支持する。
第2筐体側洗浄部170bは、上述の第1筐体側洗浄部170aと同様に構成される。第2筐体側洗浄部170bは、対向部材洗浄部172bおよび第2筐体内面洗浄部177bを有する。対向部材洗浄部172bは、対向部材143bの対向面145bと接触し、対向面145bに対して摺動することにより対向面145bを洗浄する。第2筐体内面洗浄部177bは、第2筐体130bの第2連通開口34bの内周面と接触し、第2連通開口34bの内周面に対して摺動して内周面を洗浄する。
本変形例によれば、直管20を回動させることにより、連通路14a,14bを区画する部材の表面を洗浄することができ、直管20の外周面22や筐体30a,30bの連通開口34a,34bの内周面を追加的に洗浄できる。したがって、本変形例によれば、洗浄可能な箇所を上述の実施の形態よりも増やすことができ、流体殺菌装置110の内部をより好適に洗浄できる。
本変形例は、上述の実施の形態と同様の第1光源40aおよび第2光源40bの双方が設けられる構成に適用されてもよい。また、本変形例に係る光源140のみが設けられる構成において、上述の実施の形態に係る洗浄部60が適用されてもよい。
図7は、別の変形例に係る流体殺菌装置210の構成を概略的に示す断面図である。本変形例では、第1窓洗浄部272aの径方向の長さが上述の実施の形態より長くなるよう構成されており、第1窓部材43aの光出射面45aの洗浄可能な範囲が上述の実施の形態よりも広くなるよう構成されている。第2窓洗浄部272bも同様である。また本変形例では、直管側洗浄部261の内周面洗浄部262の周方向の幅が上述の実施の形態より大きく、内周面洗浄部262が直管20の内周面23の全体が洗浄可能となるよう構成される。以下、本変形例について、上述の実施の形態との相違点を中心に説明する。
流体殺菌装置210は、直管20と、第1筐体30aと、第2筐体30bと、第1光源40aと、第2光源40bと、第1窓部材43aと、第2窓部材43bと、第1規制部材50aと、第2規制部材50bと、洗浄部260とを備える。洗浄部260は、直管側洗浄部261と、筐体側洗浄部270とを含む。直管側洗浄部261は、内周面洗浄部262を有する。筐体側洗浄部270は、第1窓洗浄部272aおよび第2窓洗浄部272bを有する。
内周面洗浄部262は、内周面接触部263と、支持延在部264と、第1取付部265aと、第2取付部265bとを有する。内周面洗浄部262は、上述の実施の形態に係る内周面洗浄部62と同様に構成されるが、内周面接触部263および支持延在部264の周方向(図7の紙面に直交する方向)の幅が相対的に大きくなるよう構成される。一方で、内周面洗浄部262の第1取付部265aおよび第2取付部265bの周方向の幅は相対的に小さくなるよう構成される。また、第1取付部265aは、第1窓洗浄部272aの第1窓接触部273aおよび第1支持部274aと軸方向にずれた位置に設けられ、直管20の回動時に第1窓接触部273aまたは第1支持部274aに衝突しないように配置される。同様に、第2取付部265bは、第2窓洗浄部272bの第2窓接触部273bおよび第2支持部274bと軸方向にずれた位置に設けられ、直管20の回動時に第2窓接触部273bまたは第2支持部274bに接触しないように配置される。
第1窓洗浄部272aは、第1窓接触部273aと、第1支持部274aと、第1取付部275aとを有する。第1窓接触部273aは、第1窓部材43aの光出射面45aと接触するブラシやスキージなどで構成され、光出射面45aの汚れを除去する。第1支持部274aは、第1窓部材43aの光出射面45aに沿って径方向に延在し、第1窓接触部273aを支持する。第1取付部275aは、直管20の円筒壁の内部に設けられる取付孔227aに挿入され、ネジやボルトなどの締結部材276aにより直管20の第1端部21aに固定される。取付孔227aは、直管20の第1端部21aの端面から軸方向に延びている。本変形例では、第1取付部275aを直管20の円筒壁の内部に収容することで、直管20の回動時に第1窓洗浄部272aの第1取付部275aと、内周面洗浄部262の内周面接触部263および支持延在部264とが接触しないようにしている。第2窓洗浄部272bの第2取付部275bも同様である。
第1窓接触部273aおよび第1支持部274aは、少なくとも直管20の外直径に対応する範囲にわたって径方向に延在し、さらに直管20の外周面22よりも外側に突出するように径方向に延在する。第1窓接触部273aおよび第1支持部274aは、例えば、第1筐体30aの第1連通開口34aの内直径に対応する範囲にわたって径方向に延在する。第1窓接触部273aおよび第1支持部274aは、直管側洗浄部61の第1取付部65aに対して軸方向にずれた位置に設けられており、第1窓部材43aと第1取付部65aの間の隙間を通って直管20の内側から外側に向けて延在している。第2窓洗浄部272bの第2窓接触部273bおよび第2支持部274bも同様である。
図8は、図7の流体殺菌装置210の構成を概略的に示す断面図であり、図7のE−E線断面に相当する。図8では、図面の分かりやすさのため、第1筐体30aの断面のハッチングを省略するとともに、直管20および第1窓洗浄部272aを図7の状態から反時計回りに少しだけ回転させている。
第1窓洗浄部272aの第1支持部274aは、直管20の内直径D1に対応する範囲や直管20の外直径D2に対応する範囲のみならず、第1筐体30aの第1連通開口34aの内直径D3に対応する範囲まで径方向に延在している。その結果、第1窓洗浄部272aは、第1窓部材43aの光出射面45aのうち、直管20の内直径D1に対応する円形領域の内側のみならず、直管20の内直径D1に対応する円形領域の外側も洗浄することができ、より好適に第1窓部材43aの光出射面45aを洗浄することができる。より具体的には、第1窓部材43aの光出射面45aのうち処理対象の流体が触れる範囲の実質的に全てを洗浄することができる。
内周面洗浄部262の内周面接触部263および支持延在部264の周方向の幅w1は、第1取付部265aの周方向の幅w2よりも大きい。内周面接触部263および支持延在部264の周方向の幅w1は、第1窓洗浄部272a(第1窓接触部273aまたは第1取付部275a)の幅をw3としたとき、例えばw1≧w2+2×w3となるように構成される。内周面接触部263および支持延在部264の周方向の幅w1は、例えば規制部材50a,50bの第1内側突出部54a(図3参照)の周方向の幅よりも大きくなるように構成される。これにより、直管20の内周面23の全体を洗浄することができる。
図9は、直管20の回動時における洗浄動作を示す断面図であり、図8に示される直管20を矢印R3で示すように時計回りに約180度回転させた状態を示しており、上述の実施の形態における図4と同様の状態を示している。本変形例では、第1窓洗浄部272aが第1連通開口34aの内直径D3に対応する範囲にわたって延在しているため、直管20を半回転させるだけ第1窓部材43aの光出射面45aのほぼ全体に相当する網掛領域P3を洗浄することができる。
また、本変形例では、内周面洗浄部262の内周面接触部263および支持延在部264と、第1窓洗浄部272aとが直管20の回動時に接触しない構造となっているため、図9に示されるように内周面接触部263および支持延在部264と第1窓洗浄部272aとが軸方向に重なる位置まで直管20を回動させることができる。言いかえれば、内周面洗浄部262の第1取付部265aと第1窓洗浄部272aとが衝突する直前の位置まで直管20を回動させることができる。さらに、内周面洗浄部262の内周面接触部263の周方向の幅w1が大きいため、直管20の回動範囲を越えて内周面23を洗浄することができ、直管20を半回転させたときに直管20の内周面23の半分(180度)以上に相当する太線Q3の範囲を洗浄できる。その結果、反時計回りの回動と組み合わせることで、直管20の内周面23の全体を洗浄できる。したがって、本変形例によれば、上述の実施の形態よりも直管20の内周面23および窓部材43a,43bの光出射面45a,45bの洗浄範囲を広げることができ、より好ましい洗浄を実現できる。
本変形例において、第1窓接触部273aおよび第1支持部274aの径方向の長さは、図示されるものより短くてもよい。第1窓接触部273aおよび第1支持部274aの径方向の長さは、直管20の外直径D2より大きく、第1連通開口34aの内直径D3より小さくてもよい。第1窓接触部273aおよび第1支持部274aの径方向の長さは、直管20の外直径D2と同程度であってもよく、直管20の外直径D2以下であって直管20の内直径D1より大きくてもよい。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
上述の実施の形態および変形例では、洗浄部60,160,260として、直管側洗浄部と筐体側洗浄部の双方が設けられる場合について示した。さらなる変形例では、直管側洗浄部および筐体側洗浄部のいずれか一方のみが設けられてもよい。この場合、直管20の回動による直管側洗浄部と筐体側洗浄部の接触が生じないため、直管20が360度以上回転するように構成されてもよい。例えば、図3に示す第1外側突出部29aおよび第1内側突出部54aを設けないこととし、直管20の回動範囲が制限されないようにしてもよい。
上述の実施の形態および変形例では、直管20を手動で回動させる場合について示した。さらなる変形例では、筐体に対して直管20を回動させる駆動力を与えるよう構成される回動装置が設けられてもよい。この回動装置は、直管20の外周面22に対して回転力を伝達するよう構成されてもよい。例えば、直管20の外周面22の一部にギアとなる凹凸構造を形成し、外周面22のギアと噛み合う駆動ギアを回動装置が回転させるよう構成されてもよい。
上述の実施の形態および変形例では、直管側洗浄部61,161,261を一つだけ設ける場合について示した。さらなる変形例では、直管側洗浄部61,161,261を複数設けてもよく、例えば、周方向の異なる二以上の位置、例えば、0度、60度、90度、120度、180度、240度および270度のうちの二以上の回動角に対応する位置に直管側洗浄部61,161を配置してもよい。同様に、筐体側洗浄部70,170a,170bを複数設けてもよく、周方向の異なる二以上の位置の筐体側洗浄部70,170a,170bそれぞれに設けてもよい。この場合、直管20の回動範囲をさらに制限し、回動範囲が60度未満、90度未満、120度未満または180度未満となるようにしてもよい。