JP2020118999A - 静電容量式センサ装置、及び静電容量式センサ装置の制御方法 - Google Patents

静電容量式センサ装置、及び静電容量式センサ装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】タッチパネルが大型化してもノイズを平均化し低減してS/N比を高めることのできる静電容量式センサ装置を提供する。【解決手段】第1方向に形成された複数の駆動電極と、前記第1方向と交差する第2方向に形成された複数の検出電極との各交点の静電容量を検出する静電容量式センサ装置において、前記駆動電極の全部またはいくつかを同時に駆動するマルチ駆動部と、前記検出電極の少なくともひとつから検出値を得る検出部と、前記マルチ駆動部に駆動信号を出力する制御部と、を有し、前記駆動電極と前記検出電極を有する電極領域は、電気的性質の類似性に基づいて複数のブロックに分けられており、前記制御部は、前記ブロックごとに、当該ブロックに含まれるブロック内駆動電極を同時に駆動する駆動パターンを前記マルチ駆動部に出力し、前記駆動パターンに基づく駆動行列の逆行列である復号行列を用いて前記検出値に対して復号処理する。【選択図】図1

Description

本発明は、静電容量式センサ装置、及び静電容量式センサ装置の制御方法に関する。
タッチパネルを含む静電容量式センサ装置は、相互容量式と自己容量式が知られている。 例えば、相互容量式では、列方向に形成された複数の駆動電極と、行方向に延びる複数の検出電極が異なる層に配置され、駆動電極と検出電極の間は絶縁されている。駆動電極と検出電極の交差位置に静電容量が形成され、容量結合状態になっている。指、スタイラスペン等の操作体でタッチパネルに触れると、接触位置付近の静電容量が変化するので、各交点の静電容量値を読み出せば接触位置がわかる。
相互容量式センサの従来の駆動方式は「1hot駆動方式」と呼ばれており、複数の駆動電極に順番に駆動信号を与え、駆動信号が与えられたときにそれぞれの検出電極の検出値から、駆動電極と検出電極との交点における静電容量値を求める。しかし、1hot駆動方式では、駆動電極に駆動信号が与えられたときに1つの検出電極から1つの交点の静電容量に関する情報だけを得ているため、ノイズの影響が大きくなり、検出すべき静電容量のS/N比が小さくなる。
これに対して、複数の駆動電極に同時に駆動信号を与えるマルチ駆動方式では、1つの検出電極から、その検出電極と複数の駆動電極との間の複数の交点の数に応じた検出値が得られる。そのため個々の交差部の静電容量を求める際に発生するランダムなノイズが平均化されて低減され、S/N比が改善されて相対的に高感度となる。
一方、タッチパネルは、スマートフォンやタブレットのような携帯端末の他、大画面の表示装置への適用が進んでいる。タッチパネルが大型化すると、電極長が増大し、駆動信号の出力から電極交点を経て検出信号の受信に至る信号伝搬経路長に差が生じる。信号伝搬経路長が大きくなるのに応じて、駆動電極に印加する駆動信号の電流が大きくなるように制御する手法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。この手法では、分割領域ごとに駆動信号の電流の大きさを制御し、受信グループごとに駆動信号の周波数を制御している。
特開2013−20479号公報
信号伝搬経路長の増大に応じて駆動信号の電流を大きくする方法では、タッチパネルが大型化すればするほど、信号伝搬経路長が大きくなる分割領域でタッチ検出のための消費電力が大きくなる。また、信号伝搬経路長が長くなると、抵抗成分が同一配線上でばらつき、ノイズを十分に平均化し低減することが困難になる。
本発明は、タッチパネルが大型化してもノイズを平均化し低減してS/N比を高めることのできる静電容量式センサ装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、電気的性質が類似する電極領域をひとつのブロックにまとめ、比較的小さい直交行列を用いて一括駆動及び検出を行う。電気的な性質が類似する分割領域ごとにマルチ駆動を適応し、得られた検出値を逆演算して信号成分を取り出すことでS/N比を高める。
具体的には、第1方向に形成された複数の駆動電極と、前記第1方向と交差する第2方向に形成された複数の検出電極との各交点の静電容量を検出する静電容量式センサ装置において、
前記駆動電極の全部またはいくつかを同時に駆動するマルチ駆動部と、
前記検出電極の少なくともひとつから検出値を得る検出部と、
前記マルチ駆動部に駆動信号を出力する制御部と、
を有し、
前記駆動電極と前記検出電極を有する電極領域は、電気的性質の類似性に基づいて複数のブロックに分けられており、
前記制御部は、前記ブロックごとに、当該ブロックに含まれるブロック内駆動電極を同時に駆動する駆動パターンを前記マルチ駆動部に出力し、前記駆動パターンに基づく駆動行列の逆行列である復号行列を用いて前記検出値に対して復号処理する。
タッチパネルが大型化しても、ノイズを平均化し低減してS/N比を高めることができる。電気的な性質が類似する分割領域をマルチ駆動して得られたれた検出値に対して復号処理することで、容量オフセット等も一括して相殺することができ、信号のS/N比が向上する。
実施形態の静電容量式のセンサ装置の概略図である。 マルチ駆動の原理を説明する図である。 図2の行列の解算出を説明する図である。 電極配置の一例を示す図である。 図4の電極及び配線構成で生じる電気的性質の変動を説明する図である。 電極領域の分割例を示す図である。 電極領域の分割例を示す図である。 電極領域の分割例を示す図である。 電極領域の分割例を示す図である。 電極領域の分割例を示す図である。 別の電極配置例を示す図である。 図11の電極配置での分割例を示す図である。 実施形態の静電容量検出の全体フローを示す図である。 図13のブロック容量検出(S1)の処理フローを示す。 図14の列容量検出(S12)のフローチャートである。 図15の処理をより詳しく説明する図である。 11本の検出電極と11本の駆動電極の交点で得られる容量行列の例を示す図である。 11行×11列のアダマール行列と、このアダマール行列の逆行列を示す図である。 図17の電極構造に図18のアダマール行列と拡張逆行列を適用したときの容量行列の生成フローを示す。
図1は、実施形態の静電容量式のセンサ装置1の概略図である。以下の説明では、電荷の蓄積を指すときは「静電容量」と言い、静電容量値の検出、復号など静電容量の値が意義を持つ場合を「静電容量値」と呼んで区別する。センサ装置1は、複数の駆動電極を一括して駆動するマルチ駆動方式を採用し、かつタッチセンサの電極領域を電気的性質の類似性に基づいて複数のブロックに分割してブロック単位で駆動及び検出を行う。電気的性質には、配線抵抗、寄生容量、温度変化による容量オフセット、配線の引き出し方向、引き出し配線の平形成位置等が含まれる。
センサ装置1は、タッチセンサ10と、タッチセンサ10を駆動するマルチ駆動部40と、タッチセンサ10の検出値を取得する検出部30と、制御部20を有する。制御部20は、プロセッサ201とメモリ202を含み、センサ装置1の動作全体を制御する。プロセッサ201は、タッチセンサ10を駆動する駆動パターンを出力する符号出力部22と、タッチセンサ10の検出値に対して復号処理する復号部21を有する。メモリ202は、センサ装置1の動作に必要な情報を記憶する他、容量行列保存部203と、対応テーブル204を有する。対応テーブル204には、タッチセンサ10の各分割領域(ブロック)に適用する駆動行列と復号行列が記述されている。容量行列保存部203は、一回の駆動及び検出動作ごとにタッチセンサ10の検出値から復号処理された容量行列を保存する。
タッチセンサ10は、複数の駆動電極12−0、12−1、12−2、…(以下、適宜「駆動電極12」と総称する)と、複数の検出電極11−0、11−1、11−2、…11−n(以下、適宜「検出電極11」と総称する)が交差して配置された容量性タッチセンサである。タッチセンサ10の電極領域は、複数のブロックB1〜Bmに分割され、各ブロックに含まれる複数の駆動電極12は、マルチ駆動部40によって一括駆動される。詳細は後述するが、ブロック内の複数の駆動電極12に、そのブロックに含まれる駆動電極12の数と同数の互いに異なる駆動パターンが時系列で順次印加される。一例として、あるブロックで駆動すべき駆動電極12の数をMとすると、M通りの駆動パターンが印加される。M通りの駆動パターンは、符号出力部22から所定のタイミングでマルチ駆動部40に出力される。ある時刻t1に駆動パターン1がブロック内のすべての駆動電極12に一度に印加され、次の時刻t2に別の駆動パターン2がブロック内のすべての駆動電極12に印加される。
検出部30は、駆動パターンの印加タイミングに対応する検出タイミングで、検出電極11から検出値を順次読み出す。駆動パターンごとに各検出電極11で検出される検出値には、その検出電極11とブロック内の複数(M個)の駆動電極12との交点における静電容量値が重畳されている。M個の駆動パターンのそれぞれについて検出値の読み出しが終わると、そのブロックで1回の駆動及び検出動作が完了する。M通りの駆動パターンの印加により、各検出電極11でM個の検出値が得られ、M個の未知数を含むM個の連立方程式が成立する。連立方程式の解が、着目している検出電極11と複数の駆動電極12の交点の静電容量値に比例した量である。
復号部21は、検出部30で得られた検出値に対して所定の復号行列を適用して、各交点の静電容量値を復号処理する。より具体的には、各検出電極11から得られた検出値の行列に、駆動パターンの行列の逆行列を掛けることで復号値を得る。得られた復号値は容量行列として容量行列保存部203に保存される。着目しているブロックで駆動、検出及び復号処理が終了すると、次のブロックの処理が行われる。すべてのブロックで駆動、検出及び復号処理が完了すると、画面全体について1回の動作が完了する。センサ装置1の動作中、上述した駆動、検出及び復号処理が繰り返される。
復号処理された容量行列は、タッチセンサ10における静電容量の分布を表わす。ブロックごとに、各検出電極11から、その検出電極11と複数の駆動電極12との間の交点の数に等しい数の検出値が得られる。個別駆動方式と異なり、各交点の静電容量値を求めるときに発生するランダムなノイズが平均化され、低減されている。その結果、S/N比が改善されて相対的に高感度となる。
図2は、実施形態のセンサ装置1の動作の前提となるマルチ駆動をより詳細に説明する図である。説明を簡単にするために、検出電極11−kが4つの駆動電極12−0〜12−3と交差する例を用いる。駆動電極12−0〜12−3に駆動パターンを印加することで、各交点に静電容量C〜Cが形成される。駆動パターンは、「1」と「−1」の配列で特定される。たとえば、正位相の電圧パルスを印加する電極を「1」、逆位相の電圧パルスを印加する電極を「−1」と表現して行列にする。行列中の各行で特定される駆動パターンごとに、駆動電極12−0〜12−3は同時に駆動される。行ごとに用いられる駆動パターンはすべて異なる。
時刻t0で「1,1,1,1」という駆動パターンが印加され、時刻t1で「1,−1,1,−1」という駆動パターンが印加され、時刻t2で「1,1,−1,−1」という駆動パターンが印加され、時刻t3で「1,−1,−1,1」という駆動パターンが印加される。これらの駆動パターンは互いに重複しない。「1」と「−1」で表現される駆動パターンを用いたマルチ駆動を「符号化駆動」と呼んでもよい。一度の駆動動作で時系列に印加される複数の駆動パターンの行列を「駆動行列」と呼ぶ。
検出電極11−kは、4つの駆動パターンに対応して、4つの検出値AD、AD、AD、ADを順次出力する。検出電極11−kの出力ADkに中には、時系列で読み出されるAD、AD、AD、ADが含まれている。AD、AD、AD、ADの各々には、印加される駆動パターンによって交点に形成される静電容量値C、C、C、Cが重畳されている。
交点の静電容量値Cxと、検出されるAD値(デジタル変換値)は、図2の行列式で表される関係となる。すべての検出電極11で、その検出電極が交差する駆動電極12との交点で、図2と同じ関係の検出値AD〜ADが得られる。
図3において、図2の行列式の両辺に駆動行列の逆行列を掛け合わせて、Cxについて解く。この逆行列は、復号行列として分割領域と対応付けられて制御部20の対応テーブル204に記憶されている。逆行列を掛けあわせた式を展開すると、
4AC=AD+AD+AD+AD
4AC=AD−AD+AD−AD
4AC=AD+AD−AD−AD
4AC=AD−AD−AD+AD
という4つの解が得られる。この例で用いられている行列はアダマール行列といわれるもので、逆行列は元の行列の転置行列の整数倍と等しくなる。
1つの検出電極11から得られたM個(この例では4個)のAD値を加算または減算するだけで目的の静電容量値が算出される。上記の計算では4倍のCxが計算されるが、ADkに含まれているノイズはランダムなので、4つの検出値を足し合わせてもノイズは4倍にはならず、実際は少量増えるだけである。4Cxを4で割って1倍相当の値にすれば、相対的にノイズは低減され、S/N比が良くなる。一般に、同時に駆動する駆動電極12の数をnとすると、ノイズは1/√nに低減される。すなわち、同時に駆動する電極数が多いほどノイズ低減効果が大きい。
S/N比向上の目的で行列数を増やすことが考えられる。これは、タッチパネルの大型化の要請にも一致する。ただし、この場合、各交点での個々の検出値(静電容量の分布)がゼロを中心とした狭い範囲に分布している必要がある。しかし、電極の長さや配線長が大きくなると、配線抵抗、寄生容量、容量オフセット等のばらつきが大きくなる。センシングのゲインを上げると検出値の分布範囲も拡大するので、ゲインを上げることができず、信号の大きさを十分にとることができないという新たな問題が発生する。
そのため、実施形態では、タッチセンサ10の電極領域で電気的性質の似た部分をひとつのブロックにまとめて、複数の領域に分割する。各領域に比較的小さな直交行列(駆動行列及び復号行列)を適用することで、S/N比を向上する。
図4は、電極配置の一例を示す図である。図4(A)は、タッチセンサ10の基板面と垂直な方向で下側の層に配置される駆動電極12と、駆動電極12に接続される配線121を示す。図4(B)は、タッチセンサ10の基板面と垂直な方向で上側の層に配置される検出電極11、検出電極11に接続される配線111を示す。図4(C)は、駆動電極12の上に絶縁層を介して検出電極11を重ねた状態を示す。図4で、タッチセンサ10の電極領域の電気的な性質は、電極の長さ、幅、配置形状の他に、配線111、121の引き出し方によっても変化する。
相互容量検出では高感度の検出のために、(1)指などの操作体の作用をいかに大きくするか、(2)いかに遠くから検出するか、(3)いかにリニアに動作させるか、(4)いかにノイズを低減するか、などの諸事情を勘案して、電極のパターンが決定される。指でタッチパネルを操作する場合、パネル表面への接触時の直径が数ミリ程度であるため、電極のピッチは4〜6mm程度に設計されている。
図5は、図4の電極及び配線構成で生じる電気的性質の変動を説明する図である。図5(A)は検出電極11と配線111の配置関係を示し、図5(B)は駆動電極12と配線121の配置関係を示す。図5(B)において、駆動電極12は、一面の透明導電物質を短冊状に切って形成されており、長手方向の両端から配線121が引き出されている。駆動電極12が、タッチパネルのほぼ全領域を覆う構成とすることで、タッチパネル表面からのノイズをカットすることができる。
図5(A)において、検出電極11の長さ方向で、配線領域までの距離によって抵抗値が異なる。検出電極11の配線111に近いか遠いかによって、抵抗値が変化し、ゲイン及び/または容量オフセットが変わってくる。検出電極11の配列方向では、配列方向の検出電極11の幅、隣接電極までの距離等によって寄生容量が変化する。検出値への影響は、主として検出電極11の配線抵抗と寄生容量によるものである。検出電極11側の配線抵抗と寄生容量の影響により、静電容量の検出信号の大きさと容量オフセットが変化する。
図2の静電容量値C〜Cの各々をCxと表し、Cx=C'x+Cxofstとしたときに、検出電極11の長さ方向の位置によってCxofstが異なると、復号行列で復号処理されたときに駆動符号(正または負)によって打ち消されるはずのオフセット容量が残り、残存するオフセット容量の和がばらつく。ばらつきの影響は画面が大きくなるほど顕著になる。そこで、配線抵抗、寄生容量などの電気的性質が似た領域に比較的小さな駆動行列と復号行列が適用されるように、電極領域を複数のブロックに分割する。
図6〜図10は、電極領域の分割例を示す。電極領域の電気的な性質は配線の引き出し方によっても変化する。図6では、電極領域は、検出電極11の長さ方向と直交する境界Lで分割されて、ブロックB1〜B3が形成されている。分割されるブロックの大きさは必ずしも同じでなくてもよく、含まれる交点の数もブロックごとに異なってもよい。たとえば、ブロックB1とB2が第1のサイズまたは形状(境界Lで区画されるブロックの面積と形)を有し、ブロックB3が第1のサイズまたは形状と異なる第2のサイズまたは形状を有していてもよい。図6の例では、ブロックB1とB2は、ブロック内に含まれる3つの駆動電極12と11本の検出電極11で決まるサイズと形状(交点数が3×11の長方形)を有する。ブロックB1、B2のサイズと形状を第1のサイズまたは第1の形状とすると、ブロックB3は、ブロックB1、B2のサイズまたは形状と異なり、4つの駆動電極12と11本の検出電極11で決まるサイズと形状(交点数が4×11の長方形)を有する。ブロックB3のサイズまたは形状を第2のサイズまたは第2の形状とする。
検出電極11用の配線130Sと、駆動電極12用の配線130Dは、検出電極11の長さ方向に引き出されている。検出電極11の長さ方向で分割するのは、検出電極11の長さ方向の位置によって、すなわち配線130Sまでの距離によって配線抵抗がばらつきやすいからである。配線130Sから最も遠いブロックB1内では、その電気的性質が比較的似ている。配線130Sの近くに位置するブロックB3も電気的性質は似ているが、ブロックB1と電気的性質が異なる。ブロックB1とB3の間に位置するブロックB2のその内部の電気的性質は似ているが、ブロックB1、B3とは異なる。ブロックB3がブロックB1,B2よりも広く設定されているのは、配線130Sと配線130Dの引き出し方向に近く、配線の影響を受ける範囲がやや広いからである。
ブロックB1、B2、B3ごとに、駆動及び検出の動作が行われる。ブロックB1とB2では、1回の駆動動作で、3つの異なる駆動パターンが時系列でブロック内の3本の駆動電極12に印加される。3×3の駆動行列が用いられ、各駆動パターンは、3本の駆動電極12に一度に印加される。検出動作では、3つの駆動パターンに対応して、各検出電極11から3つの検出値が順次読み出される。検出値には、そのブロック内の駆動電極12との交点における静電容量情報が重畳されており、駆動行列の逆行列を用いて各静電容量値が復号処理される。
ブロックB3では、1回の駆動動作で、4つの異なる駆動パターンが時系列でブロック内の駆動電極12に印加され、各検出電極11から4つの検出値が順次読み出される。検出値は、駆動行列の逆行列を用いて復号処理される。駆動行列と復号行列は、分割領域の設定時にブロックB1〜B3の各々について個別に設定されてもよいし、画面全体の駆動行列と復号行列のうち、ブロックB1〜B3に対応する部分を選択して用いてもよい。
図7は、分割パターンの別の例を示す。図7では、検出電極11の長さ方向の両端に配線130Sと130Sが配置され、検出電極11は1本置きに配線130Sと配線130Sのどちらかに接続されている。駆動電極12の配線130Dは、電極領域の片側に配置されている。配線130Sと配線130Sを検出電極11の長さ方向の両側に配置したことで、配線130Sと配線130Sのそれぞれを配置するための配線領域の幅を低減することができる。
配線130Sと130S、及び配線130Dは、駆動電極12の長さ方向に引き出されている。図6と同様に、検出電極11の長さ方向での抵抗ばらつきを低減するために、検出電極11と直交する方向に境界Lが配置されている。図6と異なる点は、配線130Sに近い両側のブロックB1とB3が同じサイズに設定され、中央のブロックB2がブロックB1、B3よりも広く設定されている。この例では、たとえばブロックB1とB3が第1のサイズまたは第1の形状を有し、ブロックB2が第1のサイズまたは第1の形状と異なる第2のサイズまたは第2の形状を有する。これは、ブロックB1とブロックB3は、それぞれ対応する配線130Sと配線130Sの影響を受け、互いに領域内の電気的性質が似ているが、ブロックB2では両側の配線130Sと配線130Sの影響がブロックB1、B3と比較して小さく電気的な性質が均一化しているからである。なお、電気的性質の類似性に基づいて分割したブロックのサイズと形状が同じになった場合も本発明の範囲内であることは言うまでもない。
図6と図7では、矩形の電極領域を矩形のブロックに分割したが、ブロック内の電気的性質が似ていれば良いので、ブロックの形状は必ずしも矩形でなくてもよい。
図8は、矩形以外の分割パターンの例を示す。図8(A)の例では、ブロックB1〜B3はミアンダパターンの境界Lで仕切られている。検出電極11は、1本おきに配線130Sと130Sのいずれかに接続されており、配線130Sに接続されている側の端部で、配線130Sの影響が大きくなる。たとえば、ブロックB1で、3本の駆動電極12を3つの異なるパターンで3回駆動(1回ごとに3本の駆動電極を一括駆動)して、図8(A)の奇数本目の検出電極11で3つの交点の静電容量値を検出する。次に、4本の駆動電極12を4つの異なるパターンで4回駆動(1回ごとに4本の駆動電極を一括駆動)して、偶数本目の検出電極11で4つの交点の静電容量値を検出する。センス回路が複数設けられている場合は、奇数本目の検出電極11による検出動作、及び/または偶数本目の検出電極11による検出動作を並列で行うことができる。
たとえば、ブロックB1で3つの駆動電極の一括駆動(すなわち3回の駆動/検出動作)を行い、6つのセンス回路を用いて並列検出することで、6×3=18の交点の静電容量値を検出する。同様に、4つの駆動電極の一括駆動(すなわち4回の駆動/検出動作)を行い、5つのセンス回路を用いて並列検出することで、5×4=20の交点の静電容量値を検出することができる。
この分割例では、検出電極11の長さ方向に分割された領域ごとに各交点の静電容量が確定されるので、比較的近い時刻での容量分布が近傍エリアで得られるという効果を有する。
図8(B)は、図8(A)の変形例を示す。図8(B)で境界Lの位置は図8(A)と同じであるが、電極のグループ分けが図8(A)と異なる。図8(B)で、同じグループに分けられる電極は同じ模様で示されている。たとえば、2つのミアンダパターンの境界Lの間に挟まれる領域は、一括して駆動される駆動電極12の数が同じであり、検出電極11の長さ方向の中央部に位置して電気抵抗が類似しているので、ブロックB2とする。検出電極11の長さ方向の両側で、3本の駆動電極12が同時に駆動される領域をブロックB1とし、4本の駆動電極12が同時に駆動される領域をブロックB3とする。
説明の便宜上、検出電極11に1〜11の番号を付け、駆動電極12に1〜10の番号を付ける。たとえばブロックB1において、2番目の検出電極11と、1〜3番目の駆動電極12との交点を2−1、2−2、2−3と表す。
1〜3番目の駆動電極12を駆動して、2、4、6、8、10番目の検出電極11で検出動作を行った後、8〜10番目の駆動電極12を駆動して、1、3、5、7、9、11番目の検出電極11で検出動作を行って、ブロックB1の処理を完了してもよい。この場合、同じ駆動パターンを使いまわすことができる。
図9は、さらに別の分割パターンの例を示す。携帯端末100の表示/操作画面101は、タッチセンサ10と液晶パネル等の表示装置を組み合わせたタッチパネルで形成されている。表示/操作画面101の一部に透過の必要のない不透過領域102が設けられている場合は、図9のように、不透過領域102に配置されている電極部分を、ひとつのブロックB4にまとめる。不透過領域102にもアイコンが配置されて操作に用いられるが、操作に応じた画像表示は行われない。不透過領域102には、一般に金属配線が配置可能であり、操作画面101に対応する電極より低い配線抵抗であるため、不透過領域102に対応する電極領域でひとつのブロックB4を形成する。
図10は、別の電極配置例を示す。図10(A)では、検出電極11が検出電極11と検出電極11に分割され、駆動電極12が駆動電極12と駆動電極12に分割されている。検出電極11と駆動電極12の長さを短くすることで、電極の長さ方向での電気的性質のばらつきを低減している。この構成は、大面積のタッチパネルのときに有効である。
図10(A)のように検出電極11と駆動電極12をそれぞれ2つに分割する場合、4方向に配線が配置される。配線130Sは検出電極11に接続される。配線130Sは検出電極11に接続される。配線130Dは駆動電極12に接続される。配線130Dは駆動電極12に接続される。4つの配線130S、130S、130D、130Dは、すべて駆動電極12の長さ方向に引き出されている。
図10(B)は、図10(A)の電極構成を採用したときの分割例を示す。検出電極11及び11の長さ方向での電気的性質のばらつきが顕著であるため、検出電極11と直交する境界Lと、検出電極11と直交する境界Lによって、3つのブロックB1、B2、B3に分割される。
たとえば、ブロックB1で駆動及び検出を行う場合、配線130DからブロックB1内の3本の駆動電極12に3通りの駆動パターンが時系列で順次印加され、同時に、配線130DからブロックB1内の3本の駆動電極12に3通りの駆動パターンが時系列で順次印加され、3本の駆動電極12と3本の駆動電極12を一括駆動する。配線130Dに接続される駆動電極12と、配線130Dに接続される駆動電極12に別々の駆動パターンが印加されるが、ブロックB1全体の電気的性質が均一な場合は、同じ駆動パターンを用いてもよい。ブロックB1〜B3で、配線130Dに接続される電極領域と、配線130Dに接続される電極領域との間で電気的性質の差が大きいときは、6つのブロックとして処理してもよい。検出電極11及び11の数が奇数の場合、中央に位置する検出電極111Cと112Cをブロック内のいずれかの電極領域に含めて静電容量検出に用いてもよい。検出電極111Cと112Cは駆動電極12、12と交差していないが、電気力線を捕捉することができるので静電容量値の検出に使用可能である。
図11は、さらに別の電極配置を示す携帯端末100は、表示/操作画面101に隣接して透過領域103を有する。透過領域103には、表示を切り替えることで、ロータリースイッチと4方向スイッチが表示される。ロータリースイッチはジョグダイヤル形式でもよいし、上下ロータリースイッチの形式であってもよい。透過領域103へのタッチ操作を検出するために、駆動電極12の一部に、他の駆動電極12よりも短い駆動電極12Tが含まれ、検出電極11の一部に、他の検出電極11よりも長い検出電極11Tが含まれる。駆動電極12Tと検出電極11Tが交差する領域は、透過領域103の配置位置に対応する。
図12は、図11の電極配置での分割例を示す。図12(A)では、電極領域はB1〜B5のブロックに分割される。ブロックB5は透過領域103に対応する。ブロックB5では、検出電極11Tが長くなり、駆動電極12Tが短くなっている分、電気的性質が他の電極領域と異なりやすい。そこで、電極領域のうち、透過領域103に対応する部分の電極を、電気的性質が共通するブロックB5としてまとめる。検出電極11Tと駆動電極12Tの長さ変化の影響が大きくない場合は、図12(B)に示すように、ブロックB1〜B4に分割することも可能である。
図13は、実施形態の静電容量検出の全体フローを示す図である。静電容量式センサ装置1の起動中、タッチセンサ10の電極領域の分割されたブロックごとに、静電容量値が検出される(S1)。ブロックごとの静電容量値の検出を便宜上「ブロック容量検出」と呼ぶ。タッチセンサ10の電極領域のすべてのブロックで静電容量値の検出が終了したか否かが判断され(S2)、すべてのブロックで容量が検出されるまで、ステップS1とS2を繰り返す。すべてのブロックについて静電容量値が検出されたならば(S2で肯定判定Y)、検知結果に所定の演算を適用して静電容量の分布を取得し、表示/操作画面101に対する接触操作の有無を検知する(S3)。この処理は、静電容量式センサ装置1の起動中、繰り返し行われる。
図14は、図13のブロック容量検出のステップS1のフローチャートである。ブロック容量検出が開始されると、行番号iを初期値に設定する(i=0)(S11)。行番号iは、着目しているブロックに含まれる検出電極11の番号である。最初の行の検出電極11で検知された列容量を検出する(S12)。列容量は、着目している検出電極11とブロック内で交差する複数の駆動電極12の交点における静電容量値であり、図2のC、C、C、Cに対応する。
最初の行の検出電極11で列容量が検出されると、行番号iをインクリメントし(i=i+1)(S13)、行番号iがそのブロック内の行数よりも小さいか否かを判断する(S14)。ブロック内の行数すなわち検出電極11の数よりも小さい場合は(S14で肯定判定Y)、ステップS12に戻って次の行で列容量を検出する。行番号がブロック内の行数に達するまで(S14で否定判定N)、ステップS12〜S14を繰り返す。行番号がブロック内の行数に達すると(S14で否定判定N)、このブロックでの処理を終了する。
図15は、図14の列容量検出のステップS12のフローチャートである。着目している検出電極11について列容量検出のステップS12が始まると、列番号jを初期値に設定する(j=0)(S121)。列番号jは、駆動行列の行番号と一致する。駆動行列を駆動し、駆動行列の第1行目に相当する駆動パターンをブロック内の駆動電極12に一括印加して、静電容量値を検出する(S122)。この検出値は図2のADに対応し、着目している検出電極11とブロック内で交差する駆動電極12の各交点での静電容量値が重畳されている。
最初の駆動パターンによる一括駆動と、それによる検出値ADが得られると、列番号jをインクリメントして(j=j+1)(S123)、列番号が列数すなわちブロック内で着目している検出電極11と交差する駆動電極12の数よりも小さいか否かが判断される(S124)。ブロック内の列数よりも小さい場合は(S124で肯定判定Y)、ステップS122に戻って、駆動行列の次の駆動パターンをブロック内の駆動電極12に一括して印加し、検出値ADを取得する。列番号がブロック内の列数に達するまで(S124で否定判定N)、ステップS122〜S124を繰り返す。列番号がブロック内の列数に達すると、駆動行列のすべての駆動パターンに対応する検出値、たとえばAD〜ADが得られるので、得られた検出値に逆行列を適用して、着目している検出電極11について、ブロック内の駆動電極12との各交点の静電容量値(C〜C)を算出する。算出された静電容量値(C〜C)は、着目ブロックの容量分布を表わす容量行列の1行分である。容量行列の1行分を容量行列保存部203に保存して(S126)、着目している検出電極11についてステップS12の処理を終了する。
図16は、図15の処理をより詳しく説明する図である。列容量の検出において(S12)、jを初期値0に設定し(S121)、行列を駆動する(S122a)。ブロック内に含まれる駆動電極12の数を4本とすると、4×4の駆動行列が使用される。4本の駆動電極12に、行列の最初のパターン「1,1,1,1」が一度に印加される。容量検出(S122b)により、最初の駆動パターンに対応する検出値ADが得られる。jの値をインクリメントし(S123)、他に適用すべき駆動パターンがある場合は(S124で肯定判定Y)、行列を駆動して2つ目の駆動パターン「1,−1,1,−1」を4本の駆動電極12に一度に印加する(S122a)。2つ目の駆動パターンに対応する検出値ADを取得し(S122b)、すべての駆動パターンが印加されるまで、S122a、S122b、S123、S124を繰り返す。
駆動電極12に対して、駆動電極12の数と等しい数の駆動パターンがすべて印加されたならば(S124で否定判定N)、検出値AD〜ADに逆行列を適用して各交点の静電容量値(C〜C)を求め(S125)、容量行列の1行分を保存する(S126)。各交点での静電容量値(C〜C)は、駆動パターンに対応して検出された検出値AD〜ADを加算または減算するだけで簡単に求められる。また、交点ごとに静電容量値を個別に求めるときに発生するランダムなノイズが平均化され低減されており、高いS/N比で静電容量値を検出することができる。
逆行列を適用して得られる4つの解4C〜4Cの右辺の4つの項のうち、最初の項ADが列番号j=0に対応し、2番目の項ADが列番号j=1に対応し、3番目の項ADが列番号j=2に対応し、最後の項ADが列番号j=3に対応する。
図17は、11本の検出電極11と、11本の駆動電極12の交点から得られる静電容量値Cx,yの容量行列の例を示す。最初の検出電極11の出力チャネルAD_Aで得られる11個の静電容量値C0,0〜C0,10は、容量行列の第1行目に対応する。次の検出電極11の出力チャネルAD_Bで得られる11個の静電容量値C1,0〜C1,10は、容量行列の第2行目に対応する。同様に、11番目の検出電極11の出力チャネルAD_Kで得られる11個の静電容量値C10,0〜C10,10は、容量行列の第11行目に対応する。
図18は、図17の電極構成で駆動電極12を駆動する11行×11列のアダマール行列と、各チャネルの出力値に適用されるアダマール行列の逆行列を示す図である。図18(A)に示すように、アダマール行列は1または−1の行列要素を有し、各行が互いに直交している。また、各行の符号の合計値が「−1」と小さく、かつ均一になっており、駆動電極12を駆動するときの輻射ノイズを低減することができる。また、復号処理されたときに寄生容量またはオフセット容量をキャンセルしやすい。
電極領域を電気的性質の似た複数のブロックに分割するときは、電極領域に対応する箇所のアダマール行列の一部を用いてもよい。各ブロックと対応する行列部分はあらかじめ対応付けられている。たとえば、図12(A)の左端のブロックB1に含まれる駆動電極12の数が8本のときは、図18(A)のアダマール行列の左上のコーナーから8×8の領域を駆動行列として用いてもよい。ノイズは、各交点で個別駆動するときと比較して、一括駆動する駆動電極の数の兵法近に反比例するので(N=1/√n)、8×8のアダマール行列で駆動するときは、個別駆動のときの1/3程度にまでノイズを低減することができる。同様に、図12の(A)右端のブロックB5に含まれる駆動電極12の数が4本のときは、図18(A)のアダマール行列の対応する領域の4×4の駆動行列を用いて、ノイズを個別駆動のときに半分に低減することができる。
図18(B)の逆行列は、正確には拡張逆行列であり、図18(A)の逆行列に含まれる行列要素「0」を「−1」に置き換えたものである。拡張逆行列も、電極領域の各ブロックに対応する一部分を用いて静電容量値を復号処理することが可能である。拡張逆行列の各部分はあらかじめ電極領域の分割ブロックと対応づけられている。
拡張逆行列を復号行列として用いると、「1」と「−1」でノイズが打ち消されて平均化される。拡張逆行列を適用して得られる復号値は、各交点での本来の静電容量値から所定量だけオフセットした値となる。そこで、図13の検知演算S3のステップで、オフセット値を加算することで、画面全体にわたって目的とする復号値が得られる。
電極領域を、複数の駆動電極を含むブロックに分割することで、容量検出の信号範囲を小さくしつつノイズを低減することがで、さらにアダマール行列を用いた行列演算によっても効果的にノイズをキャンセルすることで、二重にS/N比を向上することができる。付随的な効果として、タッチセンサ10の配線抵抗の抑制を緩和、あるいは配線抵抗のばらつきに対する許容度を高めることができ、配線材料のコストを低減することができる。
図19は、図17の電極構造に図18のアダマール行列と拡張逆行列を適用したときの容量行列の生成フローを示す。最初の検出電極11について、アダマール行列の各行で複数の駆動電極12を一括駆動して、出力チャネルAD_Aで検出値を得る(S21)。アダマール行列は、静電容量式センサ装置1の制御部20のメモリ202の一部であるROMに保存された対応テーブルに記述されている。
11×11のアダマール行列を用いる場合、駆動電極12に11通りの駆動パターンが印加され、出力チャネルAD_Aで、AD_A(0)〜AD_A(10)の11個の検出値が得られる(S22)。出力チャネルAD_Aについての11個の検出値は、メモリ202の一部であるRAMに一時的に保存される。
出力チャネルAD_Aで得られたデータ列に、アダマールの逆行列(より具体的には拡張逆行列)を乗算して各交点の静電容量値を復号処理し(S23)、容量行列の1行分を生成する(S24)。S21〜S25を、検出電極11の各々に適用することで(S25)、ブロック全体の容量行列が生成される(S26)。図19の処理をすべてのブロックについて行うことで、全画面についてノイズを平均化し低減することができる。その結果、タッチパネルが大型化した場合でも、容量検出のS/N比を向上することができる。
1 静電容量式センサ装置
10 タッチセンサ
11、11、11 検出電極
12、12、12 駆動電極
20 制御部
21 復号部
22 符号出力部22
30 検出部
40 マルチ駆動部
100 携帯端末
101 表示/操作画面
102 不透過領域
103 透過領域
111,130S 配線(検出電極用の配線)
121、130D 配線(駆動電極用の配線)
B1〜Bm ブロック
201 プロセッサ
202 メモリ
203 容量行列保存部
204 対応テーブル

Claims (9)

  1. 第1方向に形成された複数の駆動電極と、前記第1方向と交差する第2方向に形成された複数の検出電極との各交点の静電容量を検出する静電容量式センサ装置において、
    前記駆動電極の全部またはいくつかを同時に駆動するマルチ駆動部と、
    前記検出電極の少なくともひとつから検出値を得る検出部と、
    前記マルチ駆動部に駆動信号を出力する制御部と、
    を有し、
    前記駆動電極と前記検出電極を有する電極領域は、電気的性質の類似性に基づいて複数のブロックに分けられており、
    前記制御部は、前記ブロックごとに、当該ブロックに含まれるブロック内駆動電極を同時に駆動する駆動パターンを前記マルチ駆動部に出力し、前記駆動パターンに基づく駆動行列の逆行列である復号行列を用いて前記検出値に対して復号処理する
    ことを特徴とする静電容量式センサ装置。
  2. 前記電気的性質は、配線抵抗、寄生容量、容量オフセット、配線の引き出し方向、引き出し配線の形成位置の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサ装置。
  3. 複数の前記ブロックは、第1のサイズまたは第1の形状の第1ブロックと、前記第1のサイズまたは前記第1の形状と異なる第2のサイズまたは第2の形状を有する第2ブロックを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量式センサ装置。
  4. 複数の前記ブロックの各々に対応した前記駆動行列と前記復号行列を記憶するメモリ、
    を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電容量式センサ装置。
  5. 前記メモリは、前記電極領域の全体に適用される全体駆動行列を記憶し、
    前記制御部は、前記全体駆動行列のうち、前記ブロックの各々に対応する部分を前記駆動行列として用いることを特徴とする請求項4に記載の静電容量式センサ装置。
  6. 前記制御部は、前記ブロック内駆動電極の数に等しい行数と列数を有する正方行列を前記駆動行列として用い、
    前記マルチ駆動部は、駆動対象の前記ブロックに、対応する前記駆動行列の各行で表される駆動パターンを時系列で適用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電容量式センサ装置。
  7. 前記制御部は、前記復号行列として、前記駆動行列の逆行列の行列要素「0」を「−1」に置き換えた拡張逆行列を用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の静電容量式センサ装置。
  8. 前記制御部は、前記ブロックに含まれるブロック内検出電極の各々で得られる検出値に対して復号処理して前記ブロック内の容量分布を表わす容量行列を生成し、
    前記容量行列に所定のオフセット値を加算して各交点の静電容量値を決定することを特徴とする請求項7に記載の静電容量式センサ装置。
  9. 第1方向に形成された複数の駆動電極と、前記第1方向と交差する第2方向に形成された複数の検出電極との各交点の静電容量を検出する静電容量式センサ装置の制御方法において、
    前記駆動電極と前記検出電極を有する電極領域を、電気的性質の類似性に基づいて複数のブロックに分割し、
    分割された前記ブロックごとに、当該ブロックに含まれるブロック内駆動電極の数に等しい数の行数と列数を有する駆動行列を適用し、
    前記駆動行列の各行で表される駆動パターンを前記ブロック内駆動電極に時系列で適用して、前記駆動パターンで前記ブロック内駆動電極を同時に駆動し、
    前記ブロックに含まれるブロック内検出電極の各々で、前記駆動パターンに対応する検出値を検出し、
    前記ブロック内検出電極で得られた検出値に、前記駆動行列の逆行列である復号行列を適用して前記検出値に対して復号処理する、
    ことを特徴とする静電容量式センサ装置の制御方法。
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