JP2020118897A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 像加熱装置のクリーニングに対してユーザビリティーの向上を図る画像形成装置を提供することを目的とする。【解決手段】 制御部41で判断した設置されている装置の環境温湿度とメモリ部43の汚れフラグカウンタ201のカウント部によりカウントされた値が環境毎に設定した所定の値に達している場合、制御部41は、クリーニング実施直前の加熱フィルム15上に付着したオフセットトナーTx量を予測し、画像形成開始直前に定着クリーニング制御を自動実行する。そして、自動実施を停止させた状態で手動実施を可能とする。【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置は、加熱部材を有する定着部材(像加熱装置)と定着部材を押圧する加圧部材と、を有し、熱と圧で搬送される記録材上に形成された画像を加熱着する。加熱工程時に定着部材や加圧部材に付着したトナーをクリーニングする構成として、汚れを予測して自動的に画像が形成されない記録材を給紙して、定着部材や加圧部材のトナーをクリーニングする構成が挙げられる(引用文献1)。
しかしながら、汚れを予測して自動でクリーニングする場合には、定着部材や加圧部材の温度が低い状態でクリーニングを行うとクリーニング効果を高められるため、クリーニング動作を行った後にユーザーが入力した画像形成ジョブが実行される。一方で、ユーザーの使用状況によっては、画像形成ジョブの出力を優先してクリーニング待機時間を削減したいといった要望がある。それに対応して自動クリーニングをOFFにした場合であっても、簡易に定着装置のクリーニングを行える構成が要求される。
そこで、本発明は、像加熱装置のクリーニングに対してユーザビリティーの向上を図る画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、記録材にトナー像を形成する画像形成部と、記録材に形成されたトナー像を加熱する像加熱部材と、前記像加熱部材を圧し、記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧部材と、を有する画像形成装置において、画像形成ジョブが入力されると画像形成ジョブを実行する前に予め設定された画像が形成された記録材を前記ニップ部に搬送して前記像加熱部材をクリーニングする動作を出力された画像の画像比率に基づいて実行する第一クリーニングモードと、操作者の指示に基づいて予め設定された画像が形成された記録材を前記ニップ部に搬送して前記像加熱部材をクリーニングする動作を実行する第二クリーニングモードと、を実行可能な制御部と、前記第一クリーニングモードの実行を停止させて前記第二クリーニングモードの実行を可能とする入力部と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、記録材にトナー像を形成する画像形成部と、記録材に形成されたトナー像を加熱する像加熱部材と、前記像加熱部材を圧し、記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧部材と、を有する画像形成装置において、画像形成ジョブが入力されると画像形成ジョブを実行する前に予め設定された第一の画像比率の画像が形成された記録材を前記ニップ部に搬送して前記像加熱部材をクリーニングする動作を出力された画像の画像比率に基づいて実行する第一クリーニングモードと、前記第一の画像比率よりも小さい第二の画像比率の画像が形成された記録材を前記ニップ部に搬送して前記像加熱部材をクリーニングする動作を操作者の指示に基づいて実行する第二クリーニングモードと、を実行可能な制御部と、前記第一クリーニングモードの実行を停止させて前記第二クリーニングモードの実行を可能とする入力部と、を有することを特徴とする。
さらに、本発明は、記録材にトナー像を形成する画像形成部と、記録材に形成されたトナー像を加熱する像加熱部材と、前記像加熱部材を圧し、記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧部材と、を有する画像形成装置において、画像形成ジョブが入力されると画像形成ジョブを実行する前に予め設定された画像が形成された記録材を前記ニップ部に搬送して前記像加熱部材をクリーニングする動作を出力された画像の画像比率に基づいて実行する第一クリーニングモードと、画像が形成されない記録材を前記ニップ部に搬送して前記像加熱部材をクリーニングする動作を操作者の指示に基づいて実行する第二クリーニングモードと、を実行可能な制御部と、前記第一クリーニングモードの実行を停止させて前記第二クリーニングモードの実行を可能とする入力部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、像加熱装置のクリーニングに対してユーザビリティーを向上させることができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載される構成はあくまで例示であり、本発明を実施形態に記載されたものだけに限定するものではない。
〔実施例1〕
<画像形成装置100について>
画像形成装置100の全体構成及び動作について説明する。
<画像形成装置100について>
画像形成装置100の全体構成及び動作について説明する。
本実施例の画像形成装置100は、後述する外部加熱方式の定着装置14を備えた画像形成装置100である。図2には、画像形成装置100の一例として、4色の画像形成部を有するフルカラーの電子写真方式の画像形成装置100を示す。画像形成装置100としては、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、および、これらの複数の機能を備える複合機などであってもよい。記録材Pは、画像形成装置100によってトナー像(画像)が形成される媒体である。記録材Pの具体例として、普通紙、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用シートなどがある。尚、便宜上、記録材(シート)Pの扱いを、通紙、給紙、排紙など紙に纏わる用語を用いて説明するが記録材は紙に限定されるものではない。
本実施例における画像形成装置100には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4つの色に対応する4つの画像形成部(ステーション)が一列に配列されている。それぞれのステーションにて形成されたトナー画像が、各ステーションから中間転写ベルト9に順次転写される。
次の画像形成部について説明する。本実施例では、各色の画像形成部は、トナーの色を除いて共通の構成である。ます、画像形成部は、像担持体としてドラム型の電子写真感光体1(感光ドラム)を備えている。
感光ドラム1の周面には、回転方向(矢印R1方向)に沿って順に、帯電手段としての帯電器2、露光手段としての露光装置3、現像手段としての現像装置4、クリーニング手段としてのクリーニング装置7、前露光手段としての前露光器8が配置されている。現像装置4には、感光ドラム1へ現像剤を供給する現像ローラ5が配置されている。
矢印R3方向に回転する中間転写ベルト9の内側には、中間転写ベルト9を介して各ステーションの感光ドラム1と対向する1次転写ローラ10が設けられている。さらに、2次転写部の内側ローラ11と2次転写部の外側ローラ12は、中間転写ベルト9を介して押圧対向している。2次転写部の外側ローラ12は、矢印R4方向に回転する。定着装置14については後述する。
<画像処理について>
次にジョブが入力されてから記録材Pに画像形成されるまでの画像処理工程の概要について図3のブロック図を用いて説明する。
次にジョブが入力されてから記録材Pに画像形成されるまでの画像処理工程の概要について図3のブロック図を用いて説明する。
ジョブ(画像形成ジョブ、印刷ジョブ)とは、画像データ(画像形成信号)、指定された記録材Pの種類、坪量、紙サイズ、枚数、部数、レイアウト、後処理などの印刷条件情報が付加された画像形成指示(画像形成命令)のことである。
図3において入力画像処理部42には、接続されている外部のパーソナルコンピュータ等から画像データが入力される。入力画像処理部42と接続する制御部41は、入力された画像データに基づき、出力画像処理部44で画像形成が可能な指示信号へ変換し、画像信号をプリンタ部45へ送ることにより画像形成部にトナー画像を形成させる。
尚、画像形成装置100は、LANケーブル(通信回線)(不図示)等を介して外部のパーソナルコンピュータ(不図示)と接続可能な構成であり、接続されている外部のパーソナルコンピュータから画像データが入力可能である。また、画像形成装置100に、載置された原稿を読み取る読み取り装置(不図示)を設け、読み取り装置が読み取った画像データが入力画像処理部42に入力される構成としてもよい。
出力画像処理部44に入力される画像データは、例えば、R(レッド)、G(グリーン)、及びB(ブルー)の3つの色成分のデータ(以下、RGB画像データと称する。)で構成される。出力画像処理部44は、入力されたRGB画像データをY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(ブラック)の4つの色成分のデータで構成される画像データに変換される。このY、M、C及びKの4つの色成分で構成される画像データは、それぞれの画素について各色の色成分が濃度として表される。例えば、モノクロの画像データにおいて、ある画素がブラックである場合はK成分の濃度信号値が100%、ある画素が薄いグレーである場合はK成分の濃度信号値が20%という具合である。
出力画像処理部44は、YMCK画像データをプリンタ部45に出力する。プリンタ部45は、出力画像処理部44から入力されたYMCK画像データに対応するトナー画像を形成するように、画像形成装置100を制御する。
<画像解析制御における濃度信号値検知処理について>
本実施例では、1画素あたりのY、M、C、及びKの各色成分の濃度を、単色での最大濃度を100%とするときの1画素あたりの各色成分の濃度[%]で表す。即ち、本実施例では、出力画像処理部44は、1画素あたりの単色での最大濃度を100%とし、画素毎に各色成分の濃度信号値[%]で構成されるデータ(以下、YMCK画像データと称する。)に変換する。
本実施例では、1画素あたりのY、M、C、及びKの各色成分の濃度を、単色での最大濃度を100%とするときの1画素あたりの各色成分の濃度[%]で表す。即ち、本実施例では、出力画像処理部44は、1画素あたりの単色での最大濃度を100%とし、画素毎に各色成分の濃度信号値[%]で構成されるデータ(以下、YMCK画像データと称する。)に変換する。
図4に示すのは、YMCKの画像濃度信号の検知方法について説明する図である。出力画像処理部44は、YMCK画像データを所定の領域ごとに分析し、各所定の領域がYMCKの濃度信号値の総和(%)を解析している。
例えば、図4では左上端部を基準位置とし、測定パッチn(=1画素分の大きさ)を主走査方向に1画素ずつずらしながら、各測定パッチにおけるYMCKの濃度信号値の総和(%)を検知する。測定パッチnの主走査方向の位置をX、測定パッチnの副走査方向の位置をYとする。
尚、本実施例では画素数単位で検知しているが、測定パッチnの大きさは装置に応じて適宜設定すればよい。例えば図4における1画素を複数組み合わせた大きさを1つの測定パッチnとしてもよい。
尚、以下では、画像形成部が画像形成すべき画像データの色の濃度に関する説明において、出力画像処理部44により生成されるYMCK画像データが示す濃度信号値(%)を用いて説明する。また、YMCKの濃度信号値の総和とは、1画素あたりの各色成分の濃度信号値[%]の合計したものである。尚、YMCK画像データの生成方法は一例であってこれに限定されるものではない。
また、本実施例では、記録材Pへのトナーの載り量を制御するために、出力画像処理部44は、YMCK画像データにおける1画素あたりの4つの色成分の濃度信号値の総和が最大200%になるように、YMCK画像データに変換する。すなわち、YMCK画像データでの濃度信号値の総和が200%となる時、記録材Pに担持させるトナーの量が最大となる。
<外部加熱方式の定着装置14について>
次に、本実施例の定着装置(像加熱装置)14について、図5を用いて説明する。
次に、本実施例の定着装置(像加熱装置)14について、図5を用いて説明する。
本実施例の定着装置14は、一対の画像加熱部材である定着ローラ18と加圧ローラ19を有する。定着ローラ18表面を定着ローラ18の外部から加熱する外部加熱方式の構成である。外部加熱方式の構成では、定着ローラ18を表面から加熱するので、消費電力を抑えつつ、定着ローラ18の表面を素早く目標温度に到達させることができる。
定着ローラ18は、記録材を挟持搬送するニップ部N1にて記録材Pが担持する未定着のトナー画像Tと接触する回転体であり、定着ニップ部N1にて未定着のトナー画像Tを加熱する。定着ローラ18は、内側から金属製のローラ、弾性層としてのゴム層、表面に離型層が設けられており、定着ローラ18の直径は、例えば、18mmである。
像加熱部材である定着ローラ18は、駆動源としてのモータ(不図示)と接続しており、モータによって回転する。定着ローラ18の外周面には、像加熱部材である加圧ローラ19(加圧部材)が対向しており、定着ローラ18と協働してその間で定着ニップ部N1を形成している。加圧ローラ19は、内側から金属製のローラ、弾性層としてのゴム層、表面に離型層が設けられているローラであり、定着ローラ18に従動回転する。尚、加圧部材としては、内側にバックアップ部材を有するフィルムであってもよい。バックアップ部材は、フィルムと定着ローラ18が定着ニップ部N1を形成するように、フィルムを支持する部材である。加圧部材をフィルムとし、バックアップ部材を金属製とすることで、ニップ部N1の長手方向(定着ローラ18の回転軸方向)の熱伝導率が良くすることができる。これにより、例えば、A3サイズの通紙が可能な定着装置14において、B5サイズやA5サイズのような小サイズの記録材Pを連続で通紙する場合にも、定着ローラ18の長手方向の熱の分布を均すことができる。すなわち、このような場合に、定着ローラ18の非通紙部昇温を抑制することができる。また、定着ローラ18の外表面には、厚み100μmのポリイミド樹脂製の回転可能な加熱フィルム15が当接している。加熱フィルム15は、定着ローラ18と加熱ニップ部N2を形成しており、定着ローラ18により従動回転する。加熱フィルム15の内側には、加熱源としての面状の加熱ヒータ16(ヒータと称する)が設けられている。本実施例のヒータ16は、セラミックヒータである。ヒータ16は、加熱ニップ部N2を形成されている領域で加熱フィルム15の内周面に接触するように設けられている。ヒータ16は、加熱ニップ部N2にて加熱フィルム15を介して定着ローラ18の表面を外部加熱する。また、ヒータ16は、位置ズレやヒータ16の割れを防止するために、ヒータホルダー17に保持されている。また、ヒータ16のヒータホルダー側(加熱フィルム15と接触していない側)に設けられている温度検知センサ20はサーミスタであり、ヒータ16のヒータホルダー側の面に接触している。このサーミスタ20から検知したヒータ16の発熱温度を目標となる定着温調温度を保つようにヒータ16の投入入力電圧を調整して制御している。このように、本実施例では、定着ローラ18は、フィルムとヒータを有する外部加熱ユニットによって定着ローラの外面から加熱される構成である。
定着装置14は、外部加熱手段であるヒータ16からの熱エネルギーを、定着ローラ18を介して未定着のトナー画像Tを担持する記録材Pに付与し、未定着のトナー画像Tを加熱する。
すなわち、未定着のトナー画像Tが転写された記録材Pが定着ニップ部N1に搬送されると、定着ローラ18の表面の熱は、未定着のトナー画像Tと記録材Pに伝わり、記録材Pの表面に定着トナー画像T2として定着される。
<定着装置14の温度調整制御について>
次に、定着装置14における定着ローラ18の温度調整制御について、図6を用いて説明する。ヒータ16は、制御部41と電気的に接続しており、制御部(ヒータ制御部)41によってその通電が制御される。制御部41は、画像形成を実行せずにジョブ(画像形成信号)の入力を待つ待機状態(スタンバイ状態)において、ジョブの入力を受け付けると、ヒータ16の通電をオンにし、定着ローラ18の表面が目標温度となるようにヒータ16の入力電圧を制御する。制御部41は、ヒータ16に接触している温度検知部材であるサーミスタ20と電気的に接続しており、このサーミスタ20の検知結果に基づいて、ヒータ16の入力電圧を制御する。定着ローラ18の表面が目標温度となるようにヒータ16を制御(温度調整制御)している。尚、制御部41はヒータ16の通電のオン、オフを繰り返すことにより温度調整制御するとしてもよい。また、入力済みのジョブに対応する定着処理が全て終了したら、制御部41はヒータ16への通電をオフし、待機状態へと移行する。
次に、定着装置14における定着ローラ18の温度調整制御について、図6を用いて説明する。ヒータ16は、制御部41と電気的に接続しており、制御部(ヒータ制御部)41によってその通電が制御される。制御部41は、画像形成を実行せずにジョブ(画像形成信号)の入力を待つ待機状態(スタンバイ状態)において、ジョブの入力を受け付けると、ヒータ16の通電をオンにし、定着ローラ18の表面が目標温度となるようにヒータ16の入力電圧を制御する。制御部41は、ヒータ16に接触している温度検知部材であるサーミスタ20と電気的に接続しており、このサーミスタ20の検知結果に基づいて、ヒータ16の入力電圧を制御する。定着ローラ18の表面が目標温度となるようにヒータ16を制御(温度調整制御)している。尚、制御部41はヒータ16の通電のオン、オフを繰り返すことにより温度調整制御するとしてもよい。また、入力済みのジョブに対応する定着処理が全て終了したら、制御部41はヒータ16への通電をオフし、待機状態へと移行する。
図6は、ヒータ16の目標温度と、その目標温度により定着ニップ部N1にてトナーが加熱される温度(すなわち、定着ニップ部N1での定着ローラ18の表面温度)の関係を示している。
ここで、ヒータ16の目標温度とは、ヒータ16に接触しているサーミスタ20が検知する温度である。尚、図5に示す値は、一例であり、これに限定されるものではない。定着ローラ18の目標温度は、記録材Pに載り得る未定着のトナー画像Tのトナー量が最大のときに定着に必要な熱量が不足しない温度を採用している。上述したように、本実施例の画像形成装置100では、YMCKの濃度信号値の総和200%がトナーの載り量が最大値となる。図6に示す例では、ヒータ16の目標温度が180℃未満のとき、定着ニップ部N1での定着ローラ18の表面温度は100℃未満という低い温度となる。このとき、定着ニップ部N1にてトナー画像Tに十分な熱量が与えられないので、トナーが溶ききれずに記録材Pに定着しない恐れがある。すなわち、定着不良が発生する恐れがある。また、図6に示す例では、ヒータ16の目標温度が230℃以上のとき、定着ニップ部N1での定着ローラ18の表面温度が130℃以上という高い温度になる。このとき、定着ニップ部N1にてトナー画像Tに過剰な熱量が供給されるため、トナーを溶かしすぎてしまう。これにより、定着ニップ部N1を通過したトナーが、記録材Pではなく定着ローラ18の表面側に付着してしまう恐れがある。そして、定着ローラ18の表面に付着したトナーが、定着ローラ18が1周した以降に記録材Pの画像面に汚れとして転移する恐れがある(ホットオフセットによる画像不良)。そこで、本実施例の定着装置14では、定着不良およびホットオフセットによる画像不良を発生させずに、定着性が確保できる温度領域(図6における通常定着領域。ヒータ16の目標温度でいうと、180℃以上230℃未満)で温度調整制御を行う。
<加熱フィルム15が汚れるメカニズムについて>
本実施例の外部加熱式の定着装置14は定着ローラ18が蓄熱されている状態で記録材Pへの定着処理を繰り返すと、定着ローラ18にオフセットしたオフセットトナーTxが加熱フィルム15に転移し、加熱フィルム15にトナー汚れが蓄積する場合がある。
本実施例の外部加熱式の定着装置14は定着ローラ18が蓄熱されている状態で記録材Pへの定着処理を繰り返すと、定着ローラ18にオフセットしたオフセットトナーTxが加熱フィルム15に転移し、加熱フィルム15にトナー汚れが蓄積する場合がある。
以下では、加熱フィルム15の表面に汚れが溜まるメカニズムについて、図7と表1を用いて説明する。まず、定着ローラ18へのトナーのオフセットについて説明する。
上述したように、定着装置14では、制御部41により、最大のトナー載り量(すわなち、YMCKの濃度信号値の総和=200%)での定着性が確保される温度領域で温度調整制御を行っている。そのため、記録材Pのある領域において、トナーの載り量が少ない画像(例えば、濃度の低いハーフトーン画像)が形成された場合、その画像に対しては過定着気味となる。上述したホットオフセットによる画像不良ほどではないが、ホットオフセットと同様の原理でトナーがわずかに定着ローラ18の表面へ付着してしまう(図5におけるオフセットトナーTx)。
次に、定着ローラ18に付着したオフセットトナーTxが加熱フィルム15に転移するメカニズムについて図7を用いて説明する。
図7は図5の定着装置14において、加熱フィルム15と定着ローラ18の加熱ニップ部N2を拡大した図である。尚、図7において加圧ローラ19は省略されている。
説明のために、加熱ニップ部N2を図7に示すように3つの位置(上流側ニップ部N3、中央ニップ部N4、下流側ニップ部N5)に分割する。加熱フィルム15の回転方向において、加熱ニップ部N2の上流側に位置する点を上流側ニップ部N3、加熱ニップ部N2の中央に位置する点を中央ニップ部N4、中央ニップ部N4の下流側に位置する点を下流側ニップ部N5と称する。
表1は、連続通紙に伴い定着ローラ18が蓄熱された場合を示す一例として、定着装置14に記録材Pを50枚連続通紙した場合の各ニップ部での、加熱フィルム15の表面温度と定着ローラ18の表面温度を示したものである。
本実施例の加熱フィルム15は、定着ローラ18のように弾性層を有しない。且つ、膜厚が薄いので放熱性が非常に高く、ほとんど蓄熱されない。一方、定着ローラ18は、蓄熱層(ゴム層)を有しており、連続通紙に伴い蓄熱される。そのため、上流側ニップ部N3において、加熱フィルム15の表面温度は80℃となり、上流側ニップ部N3における定着ローラ18の表面温度が110℃になっているのに比べて、加熱フィルム15の方が表面温度の低い状態になる。
中央ニップ部N4では、ヒータ16が加熱フィルム15の内面を接触しているので、ヒータ16により急速に加熱される。したがって、加熱フィルム15の表面は、目標の温調温度である120℃に達する。中央ニップ部N4における加熱フィルム15の表面温度が120℃となるとき、加熱フィルム15を介してヒータ16からの熱を受ける定着ローラ18の表面温度は、116℃になる。尚、定着ローラ18表面も加熱フィルム15を介して加熱されるので瞬間的には120℃近くまで温度上昇し得るが、定着ローラ18の蓄熱層に表面の熱を奪われるため、定着ローラ18の表面は116℃付近までしか上昇しない。ただし、記録材Pの通紙枚数が増えるに連れて定着ローラ18の蓄熱量も増えるため、連続通紙を続けるにつれて、中央ニップ部N4での定着ローラ18の表面温度は120℃に到達する。
下流側ニップ部N5では、ヒータ16の発熱体から離れるため、放熱性が高い加熱フィルム15の表面温度は、110℃まで瞬時に下がってしまう。一方、定着ローラ18は、蓄熱層があるために放熱量が少なく、下流側ニップ部N5でもその表面温度は114℃までしかは下がらない。すなわち、下流側ニップ部N5では、定着ローラ18の表面温度よりも加熱フィルム15の表面温度の方が低くなる。
検証検討で定着ローラ18に付着したオフセットトナーTxは、定着ローラ18よりも表面温度が低いローラやフィルムに接触すると、表面温度が低い側へと移動する傾向がある。
そのため、下流側ニップ部N5において、定着ローラ18に付着したオフセットトナーTxが、より表面温度の低い加熱フィルム15の表面へと移動してしまう。
表1に示した温度関係では、中央ニップ部N4では加熱フィルム15の表面温度よりも定着ローラ18の表面温度の方が低い。したがって、表1に示した温度関係では下流側ニップ部N5にて加熱フィルム15の表面に移動したオフセットトナーTxは、中央ニップ部N4にて、その一部が再び定着ローラ18に転移する。
しかしながら、上述したように、連続通紙を続けるにつれて、定着ローラ18が蓄熱されることにより中央ニップ部N4での定着ローラ18の表面温度は120℃に到達する。そのため、連続通紙を続けると、中央ニップ部N4では加熱フィルム15の表面に付着したオフセットトナーTxが再び定着ローラ18に転移するという現象が起こりにくくなる。また、定着ローラ18の蓄熱が進むと、下流側ニップ部N5での加熱フィルム15と定着ローラ18との温度差も大きくなるため、より加熱フィルム15側にオフセットトナーTxが転移しやすくなる。
以上のように、定着装置14に記録材Pが連続通紙される枚数が増えることで定着ローラ18の表面温度が上がる。これにより、定着ローラ18に付着したオフセットトナーTxが加熱フィルム15側に転移しやすくなるため、加熱フィルム15がオフセットトナーTxを溜め続けてしまう。
<濃度信号値の総和(%)と加熱フィルム15の汚れ濃度ΔDについて>
ここで、YMCKの濃度信号値と加熱フィルム15上のオフセットトナーTxの付着量の関係について図8を用いて説明する。
ここで、YMCKの濃度信号値と加熱フィルム15上のオフセットトナーTxの付着量の関係について図8を用いて説明する。
前記で説明したように、定着ローラ18の表面温度が上昇し続け、加熱フィルム15<定着ローラ18の表面温度の関係になることで、加熱フィルム15上にオフセットトナーTxが付着してしまう。このオフセットトナーTxの付着量は、出力される単位面積当たりのYMCK画像の濃度信号値の総和(単位面積当たりのYMCKのフルカラー画像の画像比率)(%)によって変動する。なお、本実施例では、単位面積は1mm×1mmとした。
図8は印刷される画像のYMCKの濃度信号値の総和(%)と加熱フィルム15上に付着しているオフセットトナーTxによる汚れ濃度ΔDの関係を示している。
汚れ濃度ΔDは、オフセットトナーTxの付着していない加熱フィルム15表面の反射濃度Dxを基準とし、オフセットトナーTxにより汚れた加熱フィルム15表面の反射濃度Dyの濃度差分の値を汚れ濃度ΔD(=トナー汚れ付着度)としている。反射濃度とは、加熱フィルム15の表面の色の濃度であり、市販の測定器にて測定できる。
図8は、本実施例の構成において、YMCKの単位面積当たりの濃度信号値の総和(%)の画像に対応する未定着のトナー画像が形成された記録材Pを120枚連続通紙する際の加熱フィルム15表面の汚れ濃度ΔDを示している。この検討では、記録材一面に亘って所定のYMCKの濃度信号値の総和となる画像をおのおの記録材に形成して検討を行った。本実施例の構成では、YMCKの濃度信号値の総和が30〜50%のときに汚れ濃度ΔDが0.15以上と高めの値になり、YMCKの濃度信号値の総和が40%前後に汚れのピークがある。
図9に示すのは、加熱フィルム15に汚れが溜まりやすいYMCKの濃度信号値の総和40%の画像において、画像形成回数と加熱フィルム15表面の汚れ濃度ΔDとの関係を示す図である。
YMCKの濃度信号値の総和40%画像を10枚刻みで120回まで画像形成した結果によれば、85回までは汚れ濃度ΔDが0.15未満である。すなわち、現状の吐き出し制御で85回までは画像形成されても、加熱フィルム15に蓄積したオフセットトナーTxの量は成果物を汚すことは無く、吐き出し制御で記録材Pに吐き出されたオフセットトナーTxは視認されないレベルである。しかし、YMCKの濃度信号値の総和40%の画像が86回以上画像形成され定着されると、汚れ濃度ΔDが0.15以上となる。すなわち、YMCKの濃度信号値の総和(%)が20〜60%の濃度域で通紙され、加熱フィルム15上の汚れ濃度ΔDが0.15以上になった状態で印刷が終了し、次の印刷で記録材Pの裏面にオフセットトナーTxを吐き出した場合には、記録材Pの汚れとして認識できてしまうレベルになってしまう。
尚、120枚連続通紙を濃度信号値が30%以下の場合にはオフセットしても異常画像として認識されないレベルで、加熱フィルム15上に汚れトナーが溜まる程度となる。また、濃度信号値が60%を超えてくると、トナー同士の接触面積が増え、結合力が上がるためにオフセットしなくなる傾向がある。
<成果物へのトナー汚れの発生について>
次に、加熱フィルム15の表面に蓄積したオフセットトナーTxにより、成果物にトナー汚れが付着するメカニズムについて図10を用いて説明する。
次に、加熱フィルム15の表面に蓄積したオフセットトナーTxにより、成果物にトナー汚れが付着するメカニズムについて図10を用いて説明する。
上述したように、この成果物へのトナー汚れの付着は、加熱フィルム15の表面にオフセットトナーTxが蓄積している状態で印刷ジョブが終了し、次のジョブが入力されて前回転制御を開始した際に発生する恐れがある。
より具体的には、加熱フィルム15の表面にオフセットトナーTxが蓄積している場合において、画像形成装置100にジョブが入力されたとき、加熱フィルム15と定着ローラ18の表面温度差が大きくなる前回転制御が開始され、当該ジョブの1枚目の裏面にトナー汚れが付着する恐れがある。
例えば、図10において、C1に示すのは、定着温度調整制御を開始されてサーミスタ20の検知温度が目標温調温度の230℃に向かって昇温していく推移である。
環境センサ25の検知結果とサーミスタ20の検知温度が同様の温度の場合、目標温度まで到達するためには100%の投入電力をヒータ16に通電することで、数秒で目標温度の230℃まで到達する。
C2に示すのは、定着温度調整制御を開始したヒータ16の発熱の影響を受け、加熱フィルム15の表面温度が昇温していく推移、C3に示すのは、加熱フィルム15を介して定着ローラ18の表面温度が昇温していく推移を示している。
加熱フィルム15の表面温度C2と定着ローラ18の表面温度C3は、加熱ニップ部N2での表面温度である。温度調整制御が開始される前は、ヒータ16はオフ状態であり、温度:25℃、湿度:50%の環境に馴染んでいるため、加熱フィルム15と定着ローラ18の表面温度は共に約25℃である。温度調整制御が開始されると加熱フィルム15は熱容量が小さいため、加熱ニップ部N2ではヒータ16からの熱を受けて素早く昇温する。
一方、定着ローラ18では蓄熱層や芯金に熱が伝わるので、定着ローラ18の表面温度C3は加熱フィルム15と比べてゆっくりと上昇する。ヒータ16が目標温調温度である230℃へ向けて加熱し始めると、加熱フィルム15の表面温度C2が120℃に達するとき、定着ローラ18の表面温度C3は105℃までしか上昇しない。
制御部41は、待機状態でジョブが投入されたことに応じて、ヒータ16をオンにし、温度調整制御を開始する。待機状態におけるジョブの投入から、ジョブの1枚目が出力されるまでの時間を短縮するために、制御部41は、加熱フィルム15が120℃に達するタイミングで当該ジョブの1枚目の記録材Pの先端が定着ニップ部N1に突入するように記録材Pを搬送する。
定着装置14が温度:25℃、湿度:50%の環境で温度調整制御を開始する場合、温度調整制御が開始されてから記録材Pの先端が定着ニップ部N1に突入するまでの間に亘って定着ローラ18の表面温度C3は、加熱フィルム15の表面温度C2よりも低い。
ゆえに、図10に示す状況で温度調整制御を開始する前の時点で既に加熱フィルム15にオフセットトナーTxが転移していた場合、加熱フィルム15の表面に蓄積したオフセットトナーTxは、定着温度への立ち上げの間に定着ローラ18の表面へと移動する。
表2は、図10に示す状況下で定着装置14の温度調整制御を行った場合において、1枚目の記録材Pの先端が定着ニップ部N1に到達した際の加熱ニップ部N2の各ニップ部での加熱フィルム15及び定着ローラ18の表面温度を示したものである。
表2において、上流側ニップ部N3の位置ではまだヒータ16に到達していないので、加熱フィルム15の表面温度C2が80℃である。また、上流側ニップ部N3の位置では定着ローラ18の表面温度C3は66℃である。したがって、加熱フィルム15の表面に付着しているオフセットトナーTxは、定着ローラ18の表面に転移する。
中央ニップ部N4の位置では、加熱フィルム15の表面温度C2が目標温調温度である120℃になる。一方、冷めた状態から温度調整制御を開始する場合、定着ローラ18の表面温度C3が105℃までしか上昇しない。ここでも定着ローラ18の表面温度C3が加熱フィルム15の表面温度C2よりも低いため、加熱フィルム15の表面に付着しているオフセットトナーTxは定着ローラ18の表面へと移動する。
下流側ニップ部N5の位置では、加熱フィルム15はヒータ16と接触していない領域なので、加熱フィルム15の表面温度C2が110℃まで低下する。一方、定着ローラ18の表面温度C3は103℃程度に低下する。ここでも定着ローラ18の表面温度C3が加熱フィルム15の表面温度C2よりも低いため、加熱フィルム15の表面に付着しているオフセットトナーTxは定着ローラ18の表面へと移動する。また、加圧ローラ19は内部にヒータ16を有しておらず、また放熱させている面積が定着ニップ分多いため、定着ローラ18と同じか定着ローラ18よりも低い表面温度となる。温度調整制御において、定着ローラ18と加圧ローラ19は当接している。したがって、温度調整制御が開始されてから定着ニップ部N1に記録材Pが到達するまでの間に加熱フィルム15から定着ローラ18へ移動したオフセットトナーTxは、定着ローラ18から加圧ローラ19へと移動する。
尚、図10で示すように、記録材Pが定着ニップ部N1に通紙され始めると、通紙により定着ローラ18の表面の熱が記録材Pに奪われるので、定着ローラ18の表面温度は、一時的に105℃から低下する。ただし、記録材Pに供給する熱量が不足するほどではない。
さらに連続通紙を続けると、連続通紙中の紙間でヒータ16から受けた熱が蓄熱層(ゴム層)に蓄熱される。やがて、加熱ニップ部N2での加熱フィルム15と定着ローラ18との温度関係は、表1のようになる。
表1の例と共に前項で述べたように、連続通紙に伴い定着ローラ18が蓄熱された状態では、下流側ニップ部N5における加熱フィルム15と定着ローラ18の表面温度の関係は、加熱フィルム15<定着ローラ18である。そのため、定着処理時に定着ローラ18に付着したホットオフセットトナーTxは、加熱フィルム15へと移動する。そして、加熱フィルム15に溜まり続ける。
しかしながら、図10及び表2の例と共に本項で述べたように、記録材Pの定着処理を開始した場合、加熱フィルム15と定着ローラ18の表面温度の関係は、次のようになる。
すなわち、下流側ニップ部N5において、加熱フィルム15>定着ローラ18になる。また、定着ニップ部N1において、定着ローラ18>加圧ローラ19になる。そのため、加熱フィルム15に蓄積していたオフセットトナーTxが、定着ローラ18側に移動する。そして、定着ローラ18側に移動したオフセットトナーTxが加圧ローラ19に転移する。そのタイミングで記録材Pが定着ニップ部N1に到達すると、記録材Pの裏面(即ち、加圧ローラ19と接触する側の面)にオフセットトナーTxが付着してしまう。
<本発明における自動定着クリーニング制御について>
ここで、本実施例で実施する定着装置14の自動定着クリーニング制御について説明する。
ここで、本実施例で実施する定着装置14の自動定着クリーニング制御について説明する。
まず、ヒータ16の目標温度について説明する。自動定着クリーニング制御中のヒータ16の目標温度は、230℃に設定される。一方で、ユーザーが出力する通常画像時のヒータ16の目標温度は、210℃に設定される。このように、自動定着クリーニング制御時のヒータ16の温度は通常画像形成時のヒータ16の温度よりも高く設定されている。なお、後述する手動定着クリーニング制御中のヒータ16の目標温度は、自動定着クリーニング制御中のヒータ16の目標温度と同じである。
上述したように、オフセットトナーTxは表面温度が低いローラへ移動する性質を持つ。
この性質を利用し、加熱ニップ部N2(特に下流側ニップ部N5)での表面温度の関係を加熱フィルム15>定着ローラ18の状態にすることで、加熱フィルム15の表面に溜まったオフセットトナーTxを定着ローラ18に移動させることができる。
また、前記で述べたように、加圧ローラ19との表面温度に関しては定着ローラ18が必ず高い関係になるため、定着ローラ18側へオフセットトナーTxを移動すれば、加圧ローラ19にオフセットトナーTxが移動する。オフセットトナーTxが移動した加圧ローラ19へ移動したタイミングで記録材Pを通紙させることで、記録材Pをクリーニング部材として加圧ローラ19からオフセットトナーTxを吐き出すクリーニングを実施したい。
そこで、本実施例の定着クリーニング制御では、画像診断結果と画像形成回数に応じて、成果物に汚れが発生するタイミングを予測し、印刷ジョブ前に自動定着クリーニング(第一クリーニングモード)を実施する。
より具体的には、画像解析結果から通紙1枚当たりの濃度信号値の総和(%)を検知する。そして、その結果から濃度信号値の総和が閾値である20〜60%の画像部を有する画像形成された回数をカウント(積算)する。そのカウント値が所定閾値以上で印刷が終了した場合、次の印刷ジョブが入力されてこのジョブを実行する前にクリーニングする記録材Pを通紙し、定着装置14のクリーニングを実施する。
図11に示すのは、加熱フィルム15上のオフセットトナーTx、すなわち汚れ具合を予測するための制御に係る構成を示したブロック図である。
本実施例の定着クリーニング制御の実施タイミングはメモリ部43に格納されている、汚れフラグカウンタ(カウント部、積算部)201にカウント値に応じて、次ジョブの最初の画像形成前に定着クリーニング制御を割り込ませて実施する。
オフセットトナーTxによる定着装置14の汚れを予測する方法について説明する。制御部41から出力画像処理部44へ送られたRGB画像データから、YMCK画像データへ変換したときのYMCK濃度信号値の総和(%)が20〜60%の範囲内か解析し、該当した場合には画像解析結果として制御部41から汚れフラグカウンタ201へ+1カウントする。
また、YMCK濃度信号値の総和(%)が20〜60%の範囲内に該当した所定エリアがあった場合、画像解析結果として制御部41から汚れフラグカウンタ201へ+1カウントする。
この汚れフラグカウンタ201のカウント値を次ジョブ印刷開始前に読み込み、その結果に応じて画像形成前に定着クリーニング制御を行う。そして、加熱フィルム15と定着ローラ18の表面温度関係を加熱フィルム15>定着ローラ18にさせて加熱フィルム15の表面に溜まったオフセットトナーTxをクリーニングすることが可能となり、正常な状態を保つことが可能になる。
本実施例における濃度信号値の閾値については、汚れ発生閾値を超えていなくてもユーザー(操作者)の使用方法に影響を受ける場合があるため、加熱フィルム15の汚れ具合にマージンを持って20〜60%を閾値とした。
本実施例では次の印刷開始時に成果物が汚れるような状態で印刷が終了したと判断した場合、クリーニング効果のある前回転制御時にクリーニング用記録材Pを通紙することで、成果物への汚れ発生を抑制することが可能となる。
汚れても問題なく使用できるユーザーで記録材Pを使用したくないという場合もある。それに対応して、本実施例の画像形成装置は自動クリーニングモードの実行をOFFし、操作部からの入力により手動で動作する定着クリーニングモード(第二クリーニングモード)を有する。画像形成装置に画像形成信号を入力するための操作部を有する場合には、定着クリーニングモードの実行の入力ボタン(入力部)は、画像形成装置からユーザーが希望する画像を出力するコピーボタン等の入力ボタンとは異なるものである。また、外部から画像形成信号を入力する場合には、定着クリーニングモードの実行の入力ボタン(入力部)は、ユーザーが希望する画像を出力する出力ボタンと異なる。
尚、これらの値は一例であり、装置の構成に応じて適宜設定すれば良い。定着クリーニングモードの実行の画像形成装置への入力は、ユーザーが希望する画像を出力する入力とは異なる。すなわち、定着クリーニングモードの実行信号が入力されると画像形成装置は定着クリーニングモードを実行する。
<画像の印字エリアと加熱フィルム15の汚れ濃度ΔDについて>
濃度信号値の総和(%)と加熱フィルム15の汚れ濃度ΔDについて説明したように、画像形成された濃度信号値の総和によってオフセットトナーTxが加熱フィルム15の表面に付着しやすい条件を説明した。
濃度信号値の総和(%)と加熱フィルム15の汚れ濃度ΔDについて説明したように、画像形成された濃度信号値の総和によってオフセットトナーTxが加熱フィルム15の表面に付着しやすい条件を説明した。
図9でも説明したように、本実施例の定着構成だと加熱フィルム15汚れは濃度信号値の総和が26〜50%付近の画像が連続印刷されると、汚れ発生閾値を超えて加熱フィルム15が汚れる。この検証の中で搬送方向(以下、副走査方向という)に続く印字エリアの長さによっても汚れ具合に影響があることがわかった。
図12に示すのは、印字エリアの長さと加熱フィルム15表面の汚れ濃度ΔDとの関係を示した図である。
図12の点αは例として1枚の記録材Pにおいて、画像の濃度信号値が40%固定で印字され、印字エリア長さが記録材Pの搬送方向において80mmとなる画像データに基づき、画像形成を連続40枚繰り返した場合の汚れ濃度ΔDを示す。
図12の横軸は、40枚連続の画像形成に用いる画像データとして、1枚の記録材PにおいてYMCKの濃度信号値の総和が40%の画像が印字されているエリアの長さの違いを示す。なお、主走査方向の長さは1mmに固定して検証した結果である。尚、図に示す値は一例であって、これに限定されるものではない。
例えば、図12に示す点αでは、記録材Pの搬送方向にYMCKの濃度信号値の総和が40%の画像が80mm以上連続で続く画像データに基づいて繰り返し画像形成処理を行うと、汚れ濃度ΔDが0.15以上となる。加熱フィルム15の汚れ濃度ΔDが0.15以上の場合とは、定着装置14が冷えた状態から画像形成を開始すると、最初の記録材Pに付着するオフセットトナーTxが人の目で認識できるレベルである。
そこで、制御部41は、出力画像処理部44より生成されるYMCK画像データのYMCK濃度信号値の総和が所定の濃度範囲である画像(以下では、画像Dと称する。)が記録材Pの搬送方向に所定の長さ以上続くデータである場合には、汚れフラグカウンタ201へ1カウント加算する。汚れフラグが加算するということは、即ち、当該画像データに対応するトナー画像が形成された記録材Pの定着処理により、加熱フィルム15にオフセットトナーTxが転移する恐れがあることを示す。
本実施例では、所定の長さは、一例として80mmとする。尚、これらの値は一例であり、装置の構成に応じて適宜設定すればよい。
図13に示すのは画像Dの検知エリアおよびエリア分割された場合の一例を示す図である。
(a)に示すのは本実施例で検知対象としたいエリアを示した図である。画像Dにおける濃度信号値の総和が20〜60%で搬送方向に対して80mm以上続いている場合は検知対象としている。また、(c)に示すように1枚の記録材Pにおいて画像Dが分割されている場合にも、搬送方向の累積で所定の長さ(本例では、80mm)以上、画像Dが印字される場合には、加熱フィルム15の表面にオフセットトナーTxが蓄積しやすい。例えば、図13(c)に示すように、記録材Pの搬送方向において、画像Dが20mm、その後に余白があり、画像Dが60mm続いた場合にも、加熱フィルム15の表面にオフセットトナーTxが溜まる。すなわち、本実施例では、制御部41は、図13(a)に示すように画像Dが記録材Pの搬送方向(主走査方向)に連続して80mm以上印字されている場合は検知対象とする。また、図13(c)に示すように、記録材Pの1枚中に画像Dが記録材Pの搬送方向に複数に分割されて形成される場合であっても、搬送方向と直交する幅方向(副走査方向)の位置が同じである同一線上に合計80mm以上印字されている場合は検知対象とする。一方、図13(b)に示すように画像Dが記録材Pの搬送方向に連続して60mmしか連続して印字されておらず、幅方向における位置が同じである同一線上に位置する画像Dを1枚の記録材Pの中で累積しても80mmに満たない場合は検知対象から外す。
尚、本実施例の画像解析について説明したように画素単位で検知しているが、検知エリアの大きさは装置に応じて適宜設定すればよい。
また、検知途中でも検知対象に該当した場合には、画像処理工程の短縮や負荷軽減を目的として、画像解析を終了しても問題はない。
<画像データの分析フローについて>
図14は、画像形成装置100に入力された画像データにおいて、画像データにYMCK濃度信号値の総和が20〜60%に該当する画像があるか否かを検知するフローを示すものである。
図14は、画像形成装置100に入力された画像データにおいて、画像データにYMCK濃度信号値の総和が20〜60%に該当する画像があるか否かを検知するフローを示すものである。
画像形成装置100の外部に設けられたパーソナルコンピュータ等から画像形成装置100にジョブが投入されると、入力画像処理部42が入力されたRGB画像データ(RGB信号での画像データ)を読み込む(Step11)。
Step12では、出力画像処理部44が、Step11で読み込んだRGB画像データをYMCK画像データ(YMCK信号での画像データ)に変換する。変換されたYMCK画像データは、制御部41に出力される。
Step13では、制御部41が、読み出すべきYMCK画像データの副走査方向の位置Xを、基準位置となる副走査=1に決定する。
Step14では、制御部41が、読み出すべきYMCK画像データの主走査方向の位置Yを、基準位置となる主走査=1に決定する。
Step15では、制御部41は、YMCK画像データにおけるn[主走査][副走査]の位置でのY、M、C、Kのそれぞれの濃度信号値を読み込み、YMCKの総和の濃度信号値を算出する。本実施例では、Step13、Step14で主走査=1の位置、副走査=1の位置を読み込み開始位置としている。読み込み開始位置では、制御部41は、図4で示す左上端部の濃度信号値を読み込んでいる。
Step16では、Step15で取得したYMCKの総和の濃度信号値をYMCK画像データにおけるn[主走査][副走査]の位置と対応付けて、一時的にメモリ43の記憶領域に記憶させる。
Step17では、制御部41は、主走査方向においてYMCK画像データの画像端部まで読み込みが到達したか判断している。読み込みが完了していない場合、制御部41は、Step18に移行する。読み込みが完了している場合、制御部41は、Step19に移行する。
Step18では、制御部41は、主走査に1を加算する。加算後にStep15に戻すことで、主走査方向の端部に到達するまで濃度信号値を読み込む位置を1画素ずつ主走査方向にずらしながら、濃度信号を読み込むことが可能となる。
Step19では、制御部41は、副走査方向においてYMCK画像データの画像端部まで読み込みが到達したか判断している。読み込みが完了していない場合、制御部41は、Step20に移行する。読み込みが完了している場合、制御部41は、Step21に移行する。
Step20では、制御部41は、副走査に1を加算する。加算後にStep14に戻すことで、濃度信号値を読み込む位置を副走査方向に1画素分移動し、副走査方向に1画素分移動した位置での濃度信号値を主走査方向における左端部から読み始めることが可能となる。
Step21では、制御部41は、1ページ分のYMCK画像データにおいて、主走査方向におけるいずれかの位置Xにおいて、YMCKの総和の濃度信号値が20〜60%の領域があるか否かを判断している。1ページ分のYMCK画像データにおけるYMCKの総和の濃度信号値の分布は、Step13〜Step20のループの中で、Step16にてメモリ部43に記憶されている。主走査方向におけるいずれかの位置Xにおいて、YMCKの総和の濃度信号値が20〜60%の領域がある場合、制御部41は、Step22に移行する。主走査方向におけるいずれの位置にも、YMCKの総和の濃度信号値が20〜60%の領域がない場合、制御部41は、Step26に移行する。
Step22では、制御部41は、入力された画像データに対応する画像形成処理を実行することにより加熱フィルム15に汚れが蓄積すると判断し、汚れフラグをONにする。
Step23では、制御部41は、メモリ部43上でStep22にて汚れフラグONになった回数をカウントしている汚れフラグカウンタ201の値に1を加算する。
Step24では、制御部41は、YMCKの総和の濃度信号値が20〜60%の領域が副走査方向Yに累積印字エリアが80mm以上あるか否かを判断している。
濃度信号値20〜60%の領域が副走査方向に対し、累積印字エリアが80mm以上だった場合、制御部41は、Step25に移行する。副走査方向における累積エリアが80mm以下の場合には、制御部41は、Step27に移行する。
Step25では、制御部41は、入力された画像データに対応する画像形成処理を実行することにより加熱フィルム15に汚れが蓄積すると判断し、汚れフラグをONにする。
Step26では、制御部41は、メモリ部43上でStep25にて汚れフラグONになった回数をカウントしている汚れフラグカウンタ201の値に1を加算する。
Step27では、制御部41は、入力されたジョブに対して、最後のページまで分析が終了したか否かを判断する。最後のページまで分制した場合は、制御部41は、Step28に移行する。最後のページまで分析していない場合は、制御部41は、Step11に戻り、次のページの分析を行う。
Step28では、Step23、およびStep26にてカウントした値をメモリ部43へ保存する。
<自動定着クリーニング制御に関するフローチャート>
図1に示すのは、制御部41が汚れフラグカウンタ201のカウント値から自動定着クリーニング制御の実施を決定するための制御を示すフローチャートである。
図1に示すのは、制御部41が汚れフラグカウンタ201のカウント値から自動定着クリーニング制御の実施を決定するための制御を示すフローチャートである。
まず、待機状態において制御部がジョブの入力を受け付けたことに応じて、図のフローチャートに示す制御が開始される。
待機状態とは、画像形成を実行せずにジョブの入力を待つ状態である。
例えば、予約済みのジョブがすべて終了した後、画像形成装置100は待ち状態となる。
Step31では、制御部41は、汚れフラグカウンタ201のカウント値を読み込む。
Step32では、制御部41は、環境センサ25の温湿度検知結果と汚れフラグカウンタ201のカウント値を比較し、汚れフラグカウンタ201のカウント値が環境別の汚れ閾値よりも値が大きいか判断する。
例えば、汚れフラグカウンタ201のカウント値が60カウント以上である場合には定着クリーニングが必要となるため、カウント値が閾値以上の場合はStep33へ移行する。
反対にカウント値が閾値未満の場合はStep37へ移行する。
Step33はStep32で判断された汚れフラグカウンタ201のカウント値が閾値以上と判断された場合、制御部41は、定着クリーニング制御の設定が『手動実施』に設定されているか否かを判断する。『自動実施』に設定されている場合、Step35へ移行する。『手動実施』に設定されている場合、Step34へ移行する。
Step34では、Step33にて定着クリーニング制御が『手動実施』に設定されている場合に、操作部で定着クリーニング制御の実施を必要とし、『定着クリーニング制御を実施しますか?』という問いに『はい』を選択したか否かを判断する。『はい』を選択された場合にはStep35へ移行、『いいえ』や選択をスキップさせた場合等にはStep37へ移行する。
Step35では、Step33の判断で『自動実施』に設定されている場合、およびStep34で『定着クリーニング制御を実施しますか?』という問いに『はい』を選択した場合に定着クリーニング制御を画像形成開始前に実施する。
Step36では、定着クリーニング制御終了後に汚れが除去されるため、それに伴いメモリ部43の汚れフラグカウンタ201のカウント値をリセットする。
Step37では、加熱フィルム15が汚れていない状態、もしくは定着クリーニング制御が終了した状態で画像形成を開始する。
Step38では、画像形成を終了する。
以上のように、定着クリーニング制御を次ジョブの画像形成開始前に実施することで、オフセットトナーTxの移動性質を利用し、定着ローラ18を介しての加熱フィルム15の表面に溜まったオフセットトナーTxを記録材Pへ移動させることが可能になる。
クリーニングで使用した記録材Pを排紙トレー23へ排出後、次ジョブの画像形成を開始することで、1枚目に汚れが発生することを抑制することが可能と共に、加熱フィルム15の表面のクリーニング効果を保つことが可能である。
以上のように、画像解析制御による予測によって、画像形成開始前に定着クリーニング制御を実施することで、クリーニング能力を発揮できる状態を保つことが可能となる。
従来技術では、通紙条件によって汚れが発生するタイミングを予測できないため、記録材Pを使用した定着クリーニング制御をクリーニングが必要のないタイミングで実施してしまう。また、汚れが発生したタイミングで加熱フィルム15上の汚れは除去されてしまっているため、クリーニングの意味をなさず、記録材Pや無駄なトナーを使用してしまうことを抑制することが出来る。
〔実施例2〕
実施例1では汚れフラグカウンタ201のカウント値から定着クリーニング制御の実施タイミングを予測して実施した。
実施例1では汚れフラグカウンタ201のカウント値から定着クリーニング制御の実施タイミングを予測して実施した。
実施例2では定着クリーニング制御を実施した際、記録材Pに形成するクリーニング画像を『自動実施』と『手動実施』で切り替える。
尚、以下では実施例1と同様の構成部分については、同一の符号を付すことにより詳細な説明を省略し、実施例1と異なる部分についてのみ説明する。
<定着クリーニング画像について>
次に定着クリーニング制御のクリーニング画像パターンについて、図15を用いて説明する。
次に定着クリーニング制御のクリーニング画像パターンについて、図15を用いて説明する。
図15に示すのは、定着クリーニング実施時に図に示す定着クリーニング制御実施時に記録材Pへ形成する画像パターンの一例である。
本実施例の画像形成装置100では、No.1のクリーニング画像をクリーニング用記録材Pに印字し、定着クリーニング制御を実施していた。
図16のNo.1に示すクリーニング画像はKのべた画像の帯を形成している。帯画像にすることで、トナーT2層で定着フィルム18表面に固着した異物を、トナーT2の付着力を利用して除去する目的がある。また、帯びをV字パターンにすることでトナーT2の付着力の影響で定着ローラ18へ記録材Pが巻付いてしまうことを防止している。尚、本実施例のクリーニング画像は一例であり、且つV字の帯びとしているが、画像クリーニング制御は装置に応じて適宜設定すればよい。
実施例1の外部加熱構成の定着装置14の場合、クリーニング画像に関わらず加熱フィルム15>定着ローラ18の表面温度関係になる次ジョブの画像形成前に定着クリーニング制御を割り込ませることで、オフセットトナーを記録材を介して除去することが可能である。そのため、画像パターンが形成されていなくてもクリーニングが可能である。
しかし、次ジョブの画像形成開始前に定着クリーニング制御を実施することで、加熱フィルム15や定着ローラ18に付着したオフセットトナーTxを除去できる。しかし、『自動実施』の場合には強制的に定着クリーニング制御が実施されるため、クリーニング用記録材Pに何も画像形成せずに出力するとユーザーは自動実施のはずが実施されていないと認識されてしまう可能性がある。また、定着クリーニング用記録材Pがユーザーの成果物に紛れ込む可能性がある。
『手動実施』時には定着クリーニング制御をしていると認識して実施しているため、画像パターンを形成しなくても定着クリーニング用記録材Pとユーザーは認識しているため、画像形成した場合には不要なトナーTを使用してしまうこととなる。
そこで、本実施例では、定着クリーニング用の記録材Pに画像形成する画像パターンを『自動実施』と『手動実施』時で切り替える。すなわち、手動実施の場合には画像を形成せず、自動実施の場合には画像パターンを形成する。或いは、手動実施の場合の画像パターン(記録材一枚当たりの画像比率)は、自動実施の場合の画像パターン(記録材一枚当たりの画像比率)よりも小さくする。手動実施するための入力部は、画像形成装置に画像形成信号を入力するための操作部を有する場合には、画像形成装置からユーザーが希望する画像を出力するコピーボタン等の入力ボタンとは異なるものである。また、外部から画像形成信号を入力する場合には、定着クリーニングモードの実行の入力ボタン(入力部)は、ユーザーが希望する画像を出力する出力ボタンと異なる。
尚、これらの値は一例であり、装置の構成に応じて適宜設定すれば良い。定着クリーニングモードの実行の画像形成装置への入力は、ユーザーが希望する画像を出力する入力とは異なる。すなわち、定着クリーニングモードの実行信号が入力されると画像形成装置は定着クリーニングモードを実行する。
図15に示すように、『自動実施』の場合は定着クリーニングを実施した認識させたいため、No.1のパターンや、No.2の文字パターンを形成する。いずれも記録材一枚当たりの画像比率が30%以上のクリーニング画像で出力する。
画像形成して記録材Pを排出することで、定着クリーニング制御を実施したことと、定着クリーニング用の記録材Pを排出したことをユーザーに認識してもらうことが可能となる。
また、『手動実施』の場合は定着クリーニングを実施したタイミング、および定着クリーニング用記録材Pの存在を認識させる必要が無い。そのため、No.3のようにクリーニング画像のパターンを形成しない(白紙)、もしくはNo.4などといった記録材一枚当たりの画像比率が20%未満のクリーニング画像で出力する。画像比率20%以下であればオフセットトナーTxが付着しても汚れ発生に対する影響はない。また、トナーを無駄に消費してしまうことも抑制することが可能となる。
尚、本実施例のクリーニング画像について説明したように4パターンを一例しているが、これに限るものではない。また、画像クリーニング制御は装置に応じて適宜設定すればよい。
<制御に係る構成>
図16に示すのは、クリーニング画像を『自動実施』と『手動実施』で切り替える定着クリーニング制御に係る構成を示したブロック図である。
図16に示すのは、クリーニング画像を『自動実施』と『手動実施』で切り替える定着クリーニング制御に係る構成を示したブロック図である。
制御部41は汚れフラグカウンタ201のカウント値に応じて、定着クリーニング制御が必要か判断する。必要と判断された場合は定着クリーニング制御が『自動実施』と『手動実施』どちらに設定されているか判断する。定着クリーニング制御の設定が『自動実施』と判断された場合には、定着クリーニング制御で使用する画像データをメモリ部43の自動実施画像データ202を読み込み、出力処理部44へ送付されて記録材Pへ画像形成させる。
定着クリーニング制御の設定が『手動実施』と判断され、且つ『定着クリーニング制御を実施しますか?』という問いにユーザーが『はい』を選択し、定着クリーニング制御を実施すると判断した場合には、定着クリーニング制御で使用する画像データをメモリ部43の手動実施画像データ203を読み込み、出力処理部44へ送付されて記録材Pへ画像形成させる。ここで、『自動実施』のONとOFFの選択は、操作部に設けられた選択部で行うことができる。
定着クリーニング制御の『自動設定』、または『手動設定』に応じて定着クリーニング制御の画像パターンを切り替えることで、『自動設定』では出力物にクリーニング用記録材Pが混載することなく、もし混載しても識別することが可能となる。
『手動設定』ではユーザーの判断で定着クリーニング制御を実施するため、出力物にクリーニング用記録材Pが混載してもユーザーは気付く。そのため画像形成しない、もしくは低濃度で印字することで無駄なトナー消費を抑制することが可能となる。
<画像パターンを切り替える定着クリーニング制御フローについて>
図17に示すのは、定着クリーニング制御を実施する際、『自動実施』と『手動実施』の実施に応じてクリーニング画像パターンを決定するための制御を示すフローチャートである。
図17に示すのは、定着クリーニング制御を実施する際、『自動実施』と『手動実施』の実施に応じてクリーニング画像パターンを決定するための制御を示すフローチャートである。
まず、待機状態において制御部がジョブの入力を受け付けたことに応じて、図1のフローチャートに示す制御が開始される。
Step51では、制御部41は、汚れフラグカウンタ201のカウント値を読み込む。
Step52では、制御部41は、Step51で読み込んだ汚れフラグカウンタ201のカウント値を汚れ閾値と比較し、汚れフラグカウンタ201のカウント値が汚れ閾値よりも値が大きいか判断する。
例えば、汚れフラグカウンタ201のカウント値が60カウント以上である場合には定着クリーニングが必要となるため、カウント値が閾値以上の場合はStep53へ移行する。
反対にカウント値が閾値未満の場合はStep59へ移行する。
Step53はStep52で判断された汚れフラグカウンタ201のカウント値が閾値以上と判断された場合、制御部41は、定着クリーニング制御の設定が『手動実施』に設定されているか否かを判断する。『自動実施』に設定されている場合、Step55へ移行する。『手動実施』に設定されている場合、Step54へ移行する。
Step54ではStep53にて定着クリーニング制御が『手動実施』に設定されている場合に、操作部で定着クリーニング制御の実施を必要とし、『定着クリーニング制御を実施しますか?』という問いに『はい』を選択したか否かを判断する。『はい』を選択された場合にはStep56へ移行、『いいえ』や選択をスキップさせた場合等にはStep59へ移行する。
Step55では、Step53にて『自動実施』に設定されている場合に定着クリーニング制御の画像データをメモリ部43に格納している自動実施画像データ202を読み込む。
本実施例では、図15に示す一例のNo.1、もしくはNo.2の画像を読み込む。
Step56では、Step54にて操作部で定着クリーニング制御の実施を必要とし、『定着クリーニング制御を実施しますか?』という問いに『はい』を選択された場合、定着クリーニング制御の画像データをメモリ部43に格納している手動実施画像データ203を読み込む。
本実施例では、図15に示す一例のNo.3、もしくはNo.4の画像を読み込む。
Step57では、Step55、またはStep56で読み込んだ定着クリーニング用の画像データに伴い、定着クリーニング制御を実施する。
Step58では、定着クリーニング制御終了後に汚れが除去されるため、それに伴いメモリ部43の汚れフラグカウンタ201のカウント値をリセットする。
Step59では、加熱フィルム15が汚れていない状態、もしくは定着クリーニング制御が終了した状態で画像形成を開始する。
Step60では、画像形成を終了する。
以上、述べてきたように、記録材Pに画像形成する画像パターンを『自動実施』と『手動実施』で切り替えることで、『自動実施』時はクリーニング用記録材Pが強制的に出力されて印刷物に紛れ込んでもユーザーは認識することが可能となる。
また、『手動実施』時は定着クリーニング制御をユーザーの任意で実施するため、クリーニング用記録材Pを認識している状態である。
そのため、クリーニング用記録材Pと認識させる必要が無いため、トナー消費の少ない画像パターン、もしくは白紙で定着クリーニング制御を実施することで、無駄なトナー消費を削減することが可能となる。
なお、上記の実施例では、『自動実施』を停止した状態で『手動実施』を実行する構成であったが、『自動実施』を実行可能状態で『手動実施』を実行可能とする構成であってもいい。
14 定着装置
15 加熱回転体(加熱フィルム)
16 加熱ヒータ
17 ヒータホルダー
18 定着ローラ
19 加圧ローラ
20 温度検知センサ(サーミスタ)
100 画像形成装置
200 枚数カウンタ
201 汚れフラグカウンタ
202 自動定着クリーニング用画像データ
203 手動定着クリーニング用画像データ
P 記録材
15 加熱回転体(加熱フィルム)
16 加熱ヒータ
17 ヒータホルダー
18 定着ローラ
19 加圧ローラ
20 温度検知センサ(サーミスタ)
100 画像形成装置
200 枚数カウンタ
201 汚れフラグカウンタ
202 自動定着クリーニング用画像データ
203 手動定着クリーニング用画像データ
P 記録材
Claims (6)
- 記録材にトナー像を形成する画像形成部と、記録材に形成されたトナー像を加熱する像加熱部材と、前記像加熱部材を圧し、記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧部材と、を有する画像形成装置において、
画像形成ジョブが入力されると画像形成ジョブを実行する前に予め設定された画像が形成された記録材を前記ニップ部に搬送して前記像加熱部材をクリーニングする動作を出力された画像の画像比率に基づいて実行する第一クリーニングモードと、操作者の指示に基づいて予め設定された画像が形成された記録材を前記ニップ部に搬送して前記像加熱部材をクリーニングする動作を実行する第二クリーニングモードと、を実行可能な制御部と、
前記第一クリーニングモードの実行を停止させて前記第二クリーニングモードの実行を可能とする入力部と、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 記録材にトナー像を形成する画像形成部と、記録材に形成されたトナー像を加熱する像加熱部材と、前記像加熱部材を圧し、記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧部材と、を有する画像形成装置において、
画像形成ジョブが入力されると画像形成ジョブを実行する前に予め設定された第一の画像比率の画像が形成された記録材を前記ニップ部に搬送して前記像加熱部材をクリーニングする動作を出力された画像の画像比率に基づいて実行する第一クリーニングモードと、前記第一の画像比率よりも小さい第二の画像比率の画像が形成された記録材を前記ニップ部に搬送して前記像加熱部材をクリーニングする動作を操作者の指示に基づいて実行する第二クリーニングモードと、を実行可能な制御部と、
前記第一クリーニングモードの実行を停止させて前記第二クリーニングモードの実行を可能とする入力部と、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 記録材にトナー像を形成する画像形成部と、記録材に形成されたトナー像を加熱する像加熱部材と、前記像加熱部材を圧し、記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧部材と、を有する画像形成装置において、
画像形成ジョブが入力されると画像形成ジョブを実行する前に予め設定された画像が形成された記録材を前記ニップ部に搬送して前記像加熱部材をクリーニングする動作を出力された画像の画像比率に基づいて実行する第一クリーニングモードと、画像が形成されない記録材を前記ニップ部に搬送して前記像加熱部材をクリーニングする動作を操作者の指示に基づいて実行する第二クリーニングモードと、を実行可能な制御部と、
前記第一クリーニングモードの実行を停止させて前記第二クリーニングモードの実行を可能とする入力部と、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、所定の画像比率の画像部をカウントし、カウントされた値が所定に達したら、次に入力された画像形成ジョブを実行する前に第一クリーニングモードを実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 回転可能なフィルムとヒータを有する加熱ユニットを有し、前記像加熱部材の外面に前記フィルムを当接させて、前記像加熱部材を加熱することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 画像形成装置を操作する操作部を有し、前記操作部は前記第一クリーニングモードの実行と停止を選択する選択部と、前記第二クリーニングモードを実行する入力部と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019011396A JP2020118897A (ja) | 2019-01-25 | 2019-01-25 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019011396A JP2020118897A (ja) | 2019-01-25 | 2019-01-25 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020118897A true JP2020118897A (ja) | 2020-08-06 |
Family
ID=71892023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019011396A Pending JP2020118897A (ja) | 2019-01-25 | 2019-01-25 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020118897A (ja) |
-
2019
- 2019-01-25 JP JP2019011396A patent/JP2020118897A/ja active Pending
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