JP2020118701A - 自発光型スクリーン - Google Patents
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Abstract
【課題】映像の視認性及びその耐久性に優れた自発光型スクリーンを提供する。【解決手段】自発光型スクリーン10は、第1の透明基材11と、マトリックス及び波長400nmの紫外線によって励起可能な蛍光体を含む蛍光体層13と、樹脂を含み、前記蛍光体を含まず、波長400nmでの紫外線透過率が20%以上である樹脂層15と、マトリックス及び波長400nmの紫外線を吸収可能な紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層17と、第2の透明基材19と、がこの順に積層された積層構造を含み、蛍光体層13及び紫外線吸収層17の少なくとも一方のマトリックスが、無機材料、吸水率が前記樹脂より低くかつ0.8質量%以下の有機材料又はそれらの混合物からなる。【選択図】図1
Description
本発明は、蛍光体を含み、その励起光が投射された部分が発光することによって映像を表示できる自発光型スクリーンに関する。
2枚のガラス板を中間膜で貼り合わせた合わせガラスは、自動車等の車両用窓ガラス、建築物用窓ガラス等として用いられている。中間膜としては、ポリビニルブチラール樹脂等の樹脂を含むものが一般的に用いられている。
近年、合わせガラスの中間膜に蛍光体を含有させ、自発光型スクリーンとして自動車等のヘッドアップディスプレイ装置のスクリーン等に用いることが検討されている。この自発光型スクリーンに投影機から励起光を投射すると、励起光が投射された部分が発光し、映像が表示される。
しかし、上記の自発光型スクリーンにおいては、投影機以外の光源からの光、例えば太陽光によって発光したり劣化したりする問題があった。
近年、合わせガラスの中間膜に蛍光体を含有させ、自発光型スクリーンとして自動車等のヘッドアップディスプレイ装置のスクリーン等に用いることが検討されている。この自発光型スクリーンに投影機から励起光を投射すると、励起光が投射された部分が発光し、映像が表示される。
しかし、上記の自発光型スクリーンにおいては、投影機以外の光源からの光、例えば太陽光によって発光したり劣化したりする問題があった。
そこで、中間膜において、蛍光体を含む層の少なくとも一方に、励起光を遮蔽する層、具体的には紫外線吸収剤を含む層を設けることが提案されている(特許文献1〜2)。
励起光を遮蔽する層によって、太陽光等が蛍光体を含む層に入射することを抑制し、予期しない発光を抑制できる。
しかし、蛍光体を含む層と紫外線吸収剤を含む層とが隣接していると、拡散によって紫外線吸収剤が蛍光体を含む層に移行したり、逆に蛍光体が紫外線吸収剤を含む層に移行したりしやすい。紫外線吸収剤と蛍光体とが同じ層内に混在すると、紫外線吸収剤によって励起光が吸収され、蛍光体の発光が不十分になり、映像の視認性が低下する。
励起光を遮蔽する層によって、太陽光等が蛍光体を含む層に入射することを抑制し、予期しない発光を抑制できる。
しかし、蛍光体を含む層と紫外線吸収剤を含む層とが隣接していると、拡散によって紫外線吸収剤が蛍光体を含む層に移行したり、逆に蛍光体が紫外線吸収剤を含む層に移行したりしやすい。紫外線吸収剤と蛍光体とが同じ層内に混在すると、紫外線吸収剤によって励起光が吸収され、蛍光体の発光が不十分になり、映像の視認性が低下する。
特許文献1では、上記のような拡散を抑制するため、PETフィルムを拡散ブロックとして配置することが提案されている。しかしこの場合、透視ひずみが出るため、スクリーンとしては適さないものとなる。
特許文献2では、上記のような拡散を抑制するため、蛍光体を含む層、紫外線吸収剤を含む層それぞれに、水酸基量の異なるポリビニルアセタール樹脂を用いることが提案されている。しかし、拡散を抑制する効果は充分ではない。
特許文献2では、上記のような拡散を抑制するため、蛍光体を含む層、紫外線吸収剤を含む層それぞれに、水酸基量の異なるポリビニルアセタール樹脂を用いることが提案されている。しかし、拡散を抑制する効果は充分ではない。
本発明の目的は、映像の視認性及びその耐久性に優れた自発光型スクリーンを提供することにある。
本発明は、以下の〔1〕〜〔6〕の構成を有する、自発光型スクリーンを提供する。
〔1〕第1の透明基材と、
マトリックス及び波長400nmの紫外線によって励起可能な蛍光体を含む蛍光体層と、
樹脂を含み、前記蛍光体を含まず、波長400nmでの紫外線透過率が20%以上である樹脂層と、
マトリックス及び波長400nmの紫外線を吸収可能な紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層と、
第2の透明基材と、
がこの順に積層された積層構造を含み、
前記蛍光体層及び前記紫外線吸収層の少なくとも一方のマトリックスが、無機材料、吸水率が前記樹脂より低くかつ0.8質量%以下の有機材料又はそれらの混合物からなる、自発光型スクリーン。
〔2〕前記蛍光体層及び前記紫外線吸収層の両方のマトリックスが、前記無機材料、前記有機材料又はそれらの混合物からなる、〔1〕の自発光型スクリーン。
〔3〕第1の透明基材と、
マトリックス及び波長400nmの紫外線によって励起可能な蛍光体を含む蛍光体層と、
樹脂を含み、前記蛍光体を含まず、波長400nmでの紫外線透過率が20%以上である樹脂層と、
波長400nmの紫外線を吸収可能な紫外線吸収剤を含む第3の透明基材と、
がこの順に積層された積層構造を含む、自発光型スクリーン。
〔4〕前記蛍光体層のマトリックスが、無機材料、吸水率が0.8質量%以下の有機材料又はそれらの混合物からなる〔3〕の自発光型スクリーン。
〔5〕前記樹脂層の厚さが0.1〜1.0mmである、〔1〕〜〔4〕のいずれかの自発光型スクリーン。
〔6〕前記樹脂層の樹脂の吸水率が0.06〜5質量%である、〔1〕〜〔5〕のいずれかの自発光型スクリーン。
〔1〕第1の透明基材と、
マトリックス及び波長400nmの紫外線によって励起可能な蛍光体を含む蛍光体層と、
樹脂を含み、前記蛍光体を含まず、波長400nmでの紫外線透過率が20%以上である樹脂層と、
マトリックス及び波長400nmの紫外線を吸収可能な紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層と、
第2の透明基材と、
がこの順に積層された積層構造を含み、
前記蛍光体層及び前記紫外線吸収層の少なくとも一方のマトリックスが、無機材料、吸水率が前記樹脂より低くかつ0.8質量%以下の有機材料又はそれらの混合物からなる、自発光型スクリーン。
〔2〕前記蛍光体層及び前記紫外線吸収層の両方のマトリックスが、前記無機材料、前記有機材料又はそれらの混合物からなる、〔1〕の自発光型スクリーン。
〔3〕第1の透明基材と、
マトリックス及び波長400nmの紫外線によって励起可能な蛍光体を含む蛍光体層と、
樹脂を含み、前記蛍光体を含まず、波長400nmでの紫外線透過率が20%以上である樹脂層と、
波長400nmの紫外線を吸収可能な紫外線吸収剤を含む第3の透明基材と、
がこの順に積層された積層構造を含む、自発光型スクリーン。
〔4〕前記蛍光体層のマトリックスが、無機材料、吸水率が0.8質量%以下の有機材料又はそれらの混合物からなる〔3〕の自発光型スクリーン。
〔5〕前記樹脂層の厚さが0.1〜1.0mmである、〔1〕〜〔4〕のいずれかの自発光型スクリーン。
〔6〕前記樹脂層の樹脂の吸水率が0.06〜5質量%である、〔1〕〜〔5〕のいずれかの自発光型スクリーン。
本発明の自発光型スクリーンは、映像の視認性及びその耐久性に優れる。
以下、本発明の自発光型スクリーンについて、添付の図面を参照し、実施形態を示して説明する。なお、図1〜2における各層の寸法比は、説明の便宜上のものであり、実際のものとは異なったものである。
〔第一実施形態〕
図1は、本発明の第一実施形態の自発光型スクリーン10の模式断面図である。
本実施形態の自発光型スクリーン10は、第1の透明基材11と、蛍光体層13と、樹脂層15と、紫外線吸収層17と、第2の透明基材19とがこの順に積層された積層構造を含む。
図1は、本発明の第一実施形態の自発光型スクリーン10の模式断面図である。
本実施形態の自発光型スクリーン10は、第1の透明基材11と、蛍光体層13と、樹脂層15と、紫外線吸収層17と、第2の透明基材19とがこの順に積層された積層構造を含む。
蛍光体層13は、マトリックス及び波長400nmの紫外線によって励起可能な蛍光体(以下、「蛍光体(1)」ともいう。)を含む。樹脂層15は、樹脂を含み、蛍光体(1)を含まず、波長400nmでの紫外線透過率(以下、「紫外線透過率(400nm)」ともいう。)が20%以上である。紫外線吸収層17は、マトリックス及び波長400nmの紫外線を吸収可能な紫外線吸収剤(以下、「紫外線吸収剤(1)」ともいう。)を含む。
樹脂層15の「紫外線透過率(400nm)」は、分光光度計を使用して樹脂層15の400nmの透過率測定によって測定される。
樹脂層15の「紫外線透過率(400nm)」は、分光光度計を使用して樹脂層15の400nmの透過率測定によって測定される。
蛍光体層13及び紫外線吸収層17の少なくとも一方のマトリックスは、無機材料、吸水率が樹脂層15の樹脂より低くかつ0.8質量%以下の有機材料(以下、「低吸水性有機材料」ともいう。)又はそれらの混合物からなる。以下、無機材料、低吸水性有機材料及びそれらの混合物をまとめて「材料(I)」ともいう。
蛍光体層13のマトリックス及び紫外線吸収層17のマトリックスのうち、材料(I)からなるのは、いずれか一方でもよく両方でもよい。より優れた耐久性が得られることから、蛍光体層13のマトリックス及び紫外線吸収層17のマトリックスの双方が材料(I)であることが好ましい。
蛍光体層13のマトリックス及び紫外線吸収層17のマトリックスのうち、いずれか一方のみが材料(I)からなり、他方のマトリックスは材料(I)でない場合、他方のマトリックスは、樹脂層15の樹脂とは異なる樹脂であることが好ましい。
材料(I)については後で詳しく説明する。
蛍光体層13のマトリックス及び紫外線吸収層17のマトリックスのうち、材料(I)からなるのは、いずれか一方でもよく両方でもよい。より優れた耐久性が得られることから、蛍光体層13のマトリックス及び紫外線吸収層17のマトリックスの双方が材料(I)であることが好ましい。
蛍光体層13のマトリックス及び紫外線吸収層17のマトリックスのうち、いずれか一方のみが材料(I)からなり、他方のマトリックスは材料(I)でない場合、他方のマトリックスは、樹脂層15の樹脂とは異なる樹脂であることが好ましい。
材料(I)については後で詳しく説明する。
蛍光体層13のマトリックスが材料(I)からなると、蛍光体(1)の光劣化を抑制でき、耐光性が高まる。そのため、少なくとも蛍光体層13のマトリックスが材料(I)からなることが好ましい。
映像の視認性及びその耐久性、蛍光体層13の耐光性の点から、蛍光体層13及び紫外線吸収層17の両方のマトリックスが材料(I)からなることが特に好ましい。
映像の視認性及びその耐久性、蛍光体層13の耐光性の点から、蛍光体層13及び紫外線吸収層17の両方のマトリックスが材料(I)からなることが特に好ましい。
自発光型スクリーン10の第1の面10a(第1の透明基材11側の最表面)は、投影機から蛍光体(1)を励起する励起光が投射される側の表面である。また、典型的には、第1の面10aが屋内側の表面であり、第1の面10aとは反対側の第2の面10b(第2の透明基材19側の最表面)が屋外側の表面である。
(透明基材)
第1の透明基材11及び第2の透明基材19(以下、まとめて「透明基材」ともいう。)の材料は、ガラス、透明樹脂等が挙げられる。各透明基材の材料は、同じものであってもよく、異なるものであってもよい。透明基材を構成するガラスとしては、特に限定されず、例えばソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラスが挙げられる。
透明基材は、耐久性を向上させるために、化学強化、物理強化、ハードコーティング等が施されたものであってもよい。ガラス板としては、軽量性と強度との両立の点から、化学強化ガラス板が好ましい。
透明基材を構成する透明樹脂としては、硬化性樹脂の硬化物や熱可塑性樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。透明基材の材料は紫外線透過率の観点からガラスが好ましい。
透明基材としては、スクリーンに表示された映像の視認性及びスクリーンの向こう側の光景の視認性の点から、複屈折がないものが好ましい。
透明基材は、平板状でもよく湾曲部を有する形状であってもよい。
第1の透明基材11及び第2の透明基材19(以下、まとめて「透明基材」ともいう。)の材料は、ガラス、透明樹脂等が挙げられる。各透明基材の材料は、同じものであってもよく、異なるものであってもよい。透明基材を構成するガラスとしては、特に限定されず、例えばソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラスが挙げられる。
透明基材は、耐久性を向上させるために、化学強化、物理強化、ハードコーティング等が施されたものであってもよい。ガラス板としては、軽量性と強度との両立の点から、化学強化ガラス板が好ましい。
透明基材を構成する透明樹脂としては、硬化性樹脂の硬化物や熱可塑性樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。透明基材の材料は紫外線透過率の観点からガラスが好ましい。
透明基材としては、スクリーンに表示された映像の視認性及びスクリーンの向こう側の光景の視認性の点から、複屈折がないものが好ましい。
透明基材は、平板状でもよく湾曲部を有する形状であってもよい。
透明基材の厚さは、基材としての耐久性が保たれる厚さであればよい。透明基材の厚さは、例えば0.5mm以上であってよく、1mm以上であってよく、2mm以上であってよい。また、透明基材の厚さは、例えば10mm以下であってよく、5mm以下であってよい。
第1の透明基材11の表面(第1の面10a)及び第2の透明基材19の表面(第2の面10b)それぞれの算術平均粗さRaは、0.3μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましい。算術平均粗さRaが0.3μm以下であれば、各表面において、投影機から投射された励起光が散乱しにくい。
第1の透明基材11の表面(第1の面10a)及び第2の透明基材19の表面(第2の面10b)それぞれの算術平均粗さRaは、製造のしやすさ、コストの点から、0.001μm以上が好ましい。
「算術平均粗さ(Ra)」は、JIS B 0601:2013(ISO 4287:1997,Amd.1:2009)に基づき測定される算術平均粗さである。粗さ曲線用の基準長さlr(カットオフ値λc)は0.8mmとする。
なお、自発光型スクリーン10の最外層が透明基材ではない場合(例えば、透明フィルム、光散乱層である場合)であっても、自発光型スクリーン10の第1の面10a及び第2の面10bにおける好ましい算術平均粗さRaは、最外層が透明基材である場合と同様である。
第1の透明基材11の表面(第1の面10a)及び第2の透明基材19の表面(第2の面10b)それぞれの算術平均粗さRaは、製造のしやすさ、コストの点から、0.001μm以上が好ましい。
「算術平均粗さ(Ra)」は、JIS B 0601:2013(ISO 4287:1997,Amd.1:2009)に基づき測定される算術平均粗さである。粗さ曲線用の基準長さlr(カットオフ値λc)は0.8mmとする。
なお、自発光型スクリーン10の最外層が透明基材ではない場合(例えば、透明フィルム、光散乱層である場合)であっても、自発光型スクリーン10の第1の面10a及び第2の面10bにおける好ましい算術平均粗さRaは、最外層が透明基材である場合と同様である。
第1の透明基材11の紫外線透過率(400nm)は、70%以上が好ましく、75%以上がより好ましい。第1の透明基材11の紫外線透過率(400nm)が前記下限値以上であれば、第1の面10a側から蛍光体層13に励起光を投射したときに、蛍光体層13から発生する蛍光の強度が充分に強く、映像の視認性がより優れる。
透明基材の「紫外線透過率(400nm)」は、分光光度計を使用して、透明基材の400nmの透過率測定によって測定される。
透明基材の「紫外線透過率(400nm)」は、分光光度計を使用して、透明基材の400nmの透過率測定によって測定される。
第1の透明基材11の可視光線透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。第1の透明基材11の可視光線透過率が前記下限値以上であれば、映像の視認性がより優れる。
透明基材の「可視光透過率」は、次の方法によって求められる。
分光光度計を使用して、入射角0゜で入射した入射光に対する、もう一方の面に透過した全透過光のうち、波長380nm〜780nmにおける分光透過率を測定する。この測定値に、CIE昼光D65のスペクトルと視感度の波長分布から得られる重化係数を乗じて、平均することにより、可視光透過率が求められる。
透明基材の「可視光透過率」は、次の方法によって求められる。
分光光度計を使用して、入射角0゜で入射した入射光に対する、もう一方の面に透過した全透過光のうち、波長380nm〜780nmにおける分光透過率を測定する。この測定値に、CIE昼光D65のスペクトルと視感度の波長分布から得られる重化係数を乗じて、平均することにより、可視光透過率が求められる。
(蛍光体層)
蛍光体層13は、マトリックス及び蛍光体(1)を含む。
蛍光体層13のマトリックスは、前述のとおり、材料(I)からなることが好ましい。
蛍光体層13は、マトリックス及び蛍光体(1)を含む。
蛍光体層13のマトリックスは、前述のとおり、材料(I)からなることが好ましい。
蛍光体(1)としては、波長400nmの紫外線によって励起可能なものであればよく、公知の種々の蛍光体のなかから適宜選定できる。
蛍光体としては、例えば、蛍光顔料、蛍光染料、及び半導体ナノ粒子が挙げられる。
蛍光顔料としては、例えば、Y2O2S:Eu、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu、BaMg2Al16O27:Eu、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、Sr5(PO4)3Cl:Eu、LaPO4:Ce,Tb、MgAl11O19:Ce,Tb、Y2O3:Eu、Y(PV)O4:Eu、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn、Ca10(PO4)6FCl:Sb,Mn、Sr10(PO4)6FCl:Sb,Mn、(SrMg)2P2O7:Eu、Sr2P2O7:Eu、CaWO4、CaWO4:Pb、MgWO4、(BaCa)5(PO4)3Cl:Eu、Sr4Al14O25:Eu、Zn2SiO4:Mn等で示される蛍光体、それらの2種以上からなる複合体、ZnS粒子、GaSe粒子、SiC粒子、CdTe粒子等の粒子型が挙げられる。
蛍光染料としては、例えば、(カルバゾール−ナフタルイミド)染料、(アセトニトリル−トリフェニレンアミン)染料、アリールスルホネートシアニン染料、ペリレン染料、クマリン染料、トリス(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−1,3−ブタンジオネート−O,O’)ビス(トリフェニルフォスフィンオキシド−O−)ユーロピウムが挙げられる。
蛍光体としては、例えば、蛍光顔料、蛍光染料、及び半導体ナノ粒子が挙げられる。
蛍光顔料としては、例えば、Y2O2S:Eu、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu、BaMg2Al16O27:Eu、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、Sr5(PO4)3Cl:Eu、LaPO4:Ce,Tb、MgAl11O19:Ce,Tb、Y2O3:Eu、Y(PV)O4:Eu、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn、Ca10(PO4)6FCl:Sb,Mn、Sr10(PO4)6FCl:Sb,Mn、(SrMg)2P2O7:Eu、Sr2P2O7:Eu、CaWO4、CaWO4:Pb、MgWO4、(BaCa)5(PO4)3Cl:Eu、Sr4Al14O25:Eu、Zn2SiO4:Mn等で示される蛍光体、それらの2種以上からなる複合体、ZnS粒子、GaSe粒子、SiC粒子、CdTe粒子等の粒子型が挙げられる。
蛍光染料としては、例えば、(カルバゾール−ナフタルイミド)染料、(アセトニトリル−トリフェニレンアミン)染料、アリールスルホネートシアニン染料、ペリレン染料、クマリン染料、トリス(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−1,3−ブタンジオネート−O,O’)ビス(トリフェニルフォスフィンオキシド−O−)ユーロピウムが挙げられる。
発光染料としては、紫外線に対する耐久性が高く、これを用いた蛍光体層13の耐候性が優れることから、ナフタルイミド骨格を有する化合物、又はクマリン骨格を有する化合物が好ましい。
上記ナフタルイミド骨格を有する化合物としては、例えば、4−ブロモ−1,8−ナフタルイミド、4−アミノ−1,8−ナフタルイミド、4−メトキシ−N−メチルナフタル酸イミド、ナフタルイミド、4−アミノナフタルイミド、N−メチル−4−アミノナフタルイミド、N−エチル−4−アミノナフタルイミド、N−プロピル−4−アミノナフタルイミド、N−n−ブチル−4−アミノナフタルイミド、4−アセチルアミノナフタルイミド、N−メチル−4−アセチルアミノナフタルイミド、N−エチル−4−アセチルアミノナフタルイミド、N−プロピル−4−アセチルアミノナフタルイミド、N−n−ブチル−4−アセチルアミノナフタルイミド、N−メチル−4−メトキシナフタルイミド、N−エチル−4−メトキシナフタルイミド、N−プロピル−4−メトキシナフタルイミド、N−n−ブチル−4−メトキシナフタルイミド、N−メチル−4−エトキシナフタルイミド、N−エチル−4−エトキシナフタルイミド、N−プロピル−4−エトキシナフタルイミド、N−n−ブチル−4−エトキシナフタルイミド、Lumogen F Violet 570(BASF ジャパン社製)、Lumogen F Blue 650(BASF ジャパン社製)が挙げられる。
上記ナフタルイミド骨格を有する化合物としては、例えば、4−ブロモ−1,8−ナフタルイミド、4−アミノ−1,8−ナフタルイミド、4−メトキシ−N−メチルナフタル酸イミド、ナフタルイミド、4−アミノナフタルイミド、N−メチル−4−アミノナフタルイミド、N−エチル−4−アミノナフタルイミド、N−プロピル−4−アミノナフタルイミド、N−n−ブチル−4−アミノナフタルイミド、4−アセチルアミノナフタルイミド、N−メチル−4−アセチルアミノナフタルイミド、N−エチル−4−アセチルアミノナフタルイミド、N−プロピル−4−アセチルアミノナフタルイミド、N−n−ブチル−4−アセチルアミノナフタルイミド、N−メチル−4−メトキシナフタルイミド、N−エチル−4−メトキシナフタルイミド、N−プロピル−4−メトキシナフタルイミド、N−n−ブチル−4−メトキシナフタルイミド、N−メチル−4−エトキシナフタルイミド、N−エチル−4−エトキシナフタルイミド、N−プロピル−4−エトキシナフタルイミド、N−n−ブチル−4−エトキシナフタルイミド、Lumogen F Violet 570(BASF ジャパン社製)、Lumogen F Blue 650(BASF ジャパン社製)が挙げられる。
上記クマリン骨格を有する化合物としては、例えば、クマリン環7位に電子供与性置換基を有する誘導体が挙げられる。より具体的には、クマリン環7位にアミノ基を持つことを特徴とする誘導体である3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2’−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)や、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)等のクマリン色素、ベーシックイエロー51等のクマリン色素染料、また、クマリン環7位にヒドロキシ基を持つことを特徴とする7−ヒドロキシクマリン、3−シアノ−7−ヒドロキシクマリン、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノシクロペンタ[c]−クマリン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−8−メチル[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−9−シアノ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−9−カルボ−t−ブトキシ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、7−エチルアミノ−6−メチル−4−トリフルオロメチルクマリン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−9−カルボエトキシ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、7−ジエチルアミノ−3−(1−メチルベンズイミダゾリル)クマリン、7−ジメチルアミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−9−カルボキシ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−9−アセチル[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、3−(2−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチル[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−(トリフルオロメチル)−1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン、7−アミノ−4−メチルクマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン等が挙げられる。
半導体ナノ粒子は、半導体材料の結晶で構成され、量子閉じ込め効果を有する所定の大きさの粒子をいい、その粒径が数nm〜数十nm程度の微粒子であり、量子ドット効果が得られるものを指す。このような効果が得られる微粒子の材料としては、ZnO、Si、ZnSが挙げられる。またコア/シェル構造といわれる構造を有する粒子であってもよい。
コア部の材料としては、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の長周期型周期表第14族元素の単体;リン(黒リン)等の長周期型周期表第15族元素の単体;セレン、テルル等の長周期型周期表第16族元素の単体;炭化ケイ素(SiC)等の複数の長周期型周期表第14族元素からなる化合物;酸化スズ(IV)(SnO2)、硫化スズ(II、IV)(Sn(II)Sn(IV)S3)、硫化スズ(IV)(SnS2)、硫化スズ(II)(SnS)、セレン化スズ(II)(SnSe)、テルル化スズ(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)等の長周期型周期表第14族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、ヒ化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、ヒ化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、ヒ化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の長周期型周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体);硫化アルミニウム(Al2S3)、セレン化アルミニウム(Al2Se3)、硫化ガリウム(Ga2S3)、セレン化ガリウム(Ga2Se3)、テルル化ガリウム(Ga2Te3)、酸化インジウム(In2O3)、硫化インジウム(In2S3)、セレン化インジウム(In2Se3)、テルル化インジウム(In2Te3)等の長周期型周期表第13族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の長周期型周期表第13族元素と長周期型周期表第17族元素との化合物;酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の長周期型周期表第12族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物(あるいはII−VI族化合物半導体)、硫化ヒ素(III)(As2S3)、セレン化ヒ素(III)(As2Se3)、テルル化ヒ素(III)(As2Te3)、硫化アンチモン(III)(Sb2S3)、セレン化アンチモン(III)(Sb2Se3)、テルル化アンチモン(III)(Sb2Te3)、硫化ビスマス(III)(Bi2S3)、セレン化ビスマス(III)(Bi2Se3)、テルル化ビスマス(III)(Bi2Te3)等の長周期型周期表第15族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化銅(I)(Cu2O)、セレン化銅(I)(Cu2Se)等の長周期型周期表第11族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の長周期型周期表第11族元素と長周期型周期表第17族元素との化合物;酸化ニッケル(II)(NiO)等の長周期型周期表第10族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の長周期型周期表第9族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe3O4)、硫化鉄(II)(FeS)等の長周期型周期表第8族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化マンガン(II)(MnO)等の長周期型周期表第7族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;硫化モリブデン(IV)(MoS2)、酸化タングステン(IV)(WO2)等の長周期型周期表第6族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO2)、酸化タンタル(V)(Ta2O5)等の長周期型周期表第5族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化チタン(TiO2、Ti2O5、Ti2O3、Ti5O9等)等の長周期型周期表第4族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の長周期型周期表第2族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr2O4)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr2Se4)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr2S4)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCr2Se4)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO3)等が挙げられる。これらコア部の構成材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シェル部としては、コア部の保護膜として機能する材料であれば、特に制限はなく使用できる。シェル部は、バンドギャップ(禁制帯幅)が、コア部のバンドギャップよりも大きな半導体を含むことが好ましい。シェル部にこのような半導体を用いることによって、半導体ナノ粒子にエネルギー的な障壁が形成され、良好な発光性能を得ることができる。
シェルに好ましく用いられる半導体材料は、用いられるコアのバンドギャップにも依存するが、例えば、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、MgS、MgSe、GaAs、GaN、GaP、GaAs、GaSb、HgO、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InN、InP、InSb、AlAs、AlN、AlP、AlSbからなる群から選択される1種またはそれ以上の半導体、またはそれらの合金もしくは混晶が好ましく用いられる。
これらシェル部の材料の中でも、輝度向上の観点から、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdSeが好ましい。
シェルに好ましく用いられる半導体材料は、用いられるコアのバンドギャップにも依存するが、例えば、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、MgS、MgSe、GaAs、GaN、GaP、GaAs、GaSb、HgO、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InN、InP、InSb、AlAs、AlN、AlP、AlSbからなる群から選択される1種またはそれ以上の半導体、またはそれらの合金もしくは混晶が好ましく用いられる。
これらシェル部の材料の中でも、輝度向上の観点から、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdSeが好ましい。
蛍光体(1)としては、テレフタル酸エステル構造を有する蛍光体が好ましい。かかる蛍光体は、波長400nm付近の励起光により容易に励起することができる。
テレフタル酸エステル構造を有する蛍光体としては、例えば、下式(1−1)で表される化合物、下式(1−2)で表される化合物が挙げられる。
R11−O−CO−Ph1−CO−OR12 ・・・(1−1)
R13−O−CO−Ph2−CO−OR14 ・・・(1−2)
ここで、R11〜R14はそれぞれ独立に有機基を示し、Ph1は1〜4個の水酸基を有するフェニレン基を示し、Ph2は1〜4個のアミノ基を有するフェニレン基を示す。
テレフタル酸エステル構造を有する蛍光体としては、例えば、下式(1−1)で表される化合物、下式(1−2)で表される化合物が挙げられる。
R11−O−CO−Ph1−CO−OR12 ・・・(1−1)
R13−O−CO−Ph2−CO−OR14 ・・・(1−2)
ここで、R11〜R14はそれぞれ独立に有機基を示し、Ph1は1〜4個の水酸基を有するフェニレン基を示し、Ph2は1〜4個のアミノ基を有するフェニレン基を示す。
R11〜R14の有機基としては、炭化水素基が好ましく、炭素数1〜10の炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜5の炭化水素基がさらに好ましく、炭素数1〜3の炭化水素基が特に好ましい。炭化水素基はアルキル基であることが好ましい。
Ph1が有する水酸基の数は、1又は2個が好ましい。水酸基の結合位置は、ベンゼン環の2位及び5位のいずれかが好ましい。
Ph2におけるアミノ基としては、例えば−NR15R16で表される基が挙げられる。R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子又は有機基を示す。有機基としては前記と同様のものが挙げられる。R15及びR16はそれぞれ水素原子が好ましい。
Ph1が有する水酸基の数は、1又は2個が好ましい。水酸基の結合位置は、ベンゼン環の2位及び5位のいずれかが好ましい。
Ph2におけるアミノ基としては、例えば−NR15R16で表される基が挙げられる。R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子又は有機基を示す。有機基としては前記と同様のものが挙げられる。R15及びR16はそれぞれ水素原子が好ましい。
式(1−1)で表される化合物としては、例えば、ジエチル−2,5−ジヒドロキシテレフタレート、ジメチル−2,5−ジヒドロキシテレフタレート等が挙げられる。なかでも、コントラストがより一層高い映像を表示できることから、ジエチル−2,5−ジヒドロキシテレフタレートが好ましい。
式(1−2)で表される化合物としては、ジエチル−2,5−ジアミノテレフタレートが好ましい。
これらの蛍光体はいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
式(1−2)で表される化合物としては、ジエチル−2,5−ジアミノテレフタレートが好ましい。
これらの蛍光体はいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
蛍光体層13は、マトリックス及び蛍光体(1)以外の他の成分をさらに含んでもよい。蛍光体層13が含んでよい他の成分としては、例えばシランカップリング剤、分散剤、レべリング剤、消泡剤、可塑剤が挙げられる。
蛍光体層13は、紫外線吸収剤(1)を含まないことが好ましい。
蛍光体層13は、紫外線吸収剤(1)を含まないことが好ましい。
蛍光体層13中の蛍光体(1)の含有量は、マトリックス100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、1.0〜35質量部がより好ましい。蛍光体(1)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、蛍光体層13から発生する蛍光の強度が充分に強く、映像の視認性がより優れる。蛍光体(1)の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、蛍光体(1)のマトリクスへの分散性がより優れる。
蛍光体層13中のマトリックス及び蛍光体(1)の合計の含有量は、蛍光体層13の総質量に対し、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
蛍光体層13の厚さは、0.5〜50μmが好ましく、1.0〜30μmがより好ましい。蛍光体層13の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、蛍光体層13から発生する蛍光の強度が充分に強く、映像の視認性がより優れる。蛍光体層13の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、膜の耐クラック性がより優れる。
(樹脂層)
樹脂層15は、樹脂を含む。樹脂層15は、典型的には、蛍光体層13と紫外線吸収層17とを接着する接着層として機能する。
樹脂としては、合わせガラスの中間膜等に用いられる樹脂として公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄含有ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂はいずれか1種を単独で用いられてもよく2種以上が併用されてもよい。
樹脂としては、上記の中でも、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマーが好ましい。
樹脂層15は、樹脂を含む。樹脂層15は、典型的には、蛍光体層13と紫外線吸収層17とを接着する接着層として機能する。
樹脂としては、合わせガラスの中間膜等に用いられる樹脂として公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄含有ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂はいずれか1種を単独で用いられてもよく2種以上が併用されてもよい。
樹脂としては、上記の中でも、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマーが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化した樹脂である。ポリビニルアセタール樹脂としてはポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、40〜85モル%が好ましく、60〜75モル%がより好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、15〜35モル%が好ましい。
アセタール化度及び水酸基量は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、40〜85モル%が好ましく、60〜75モル%がより好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、15〜35モル%が好ましい。
アセタール化度及び水酸基量は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
樹脂の吸水率は、0.06〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。樹脂の吸水率が前記範囲の下限値以上であれば、接着性が優れる。樹脂の吸水率が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂の耐久性が優れる。
樹脂層15は、蛍光体(1)を含まない。
また、樹脂層15の紫外線透過率(400nm)は、20%以上であり、25%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。上限は特に限定されない。
紫外線透過率(400nm)が20%以上であることは、樹脂層15が、紫外線吸収剤(1)を含まないか、又は紫外線吸収剤(1)の含有量が少ないことを示す。紫外線吸収剤(1)については、後述する紫外線吸収層17において挙げるものと同様のものが挙げられる。
樹脂層15が蛍光体(1)を含まず、また紫外線透過率(400nm)が前記下限値以上であることで、樹脂層15から蛍光体層13に紫外線吸収剤(1)が移行したり、樹脂層15から紫外線吸収層17に蛍光体(1)が移行したりすることを抑制できる。
また、樹脂層15の紫外線透過率(400nm)は、20%以上であり、25%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。上限は特に限定されない。
紫外線透過率(400nm)が20%以上であることは、樹脂層15が、紫外線吸収剤(1)を含まないか、又は紫外線吸収剤(1)の含有量が少ないことを示す。紫外線吸収剤(1)については、後述する紫外線吸収層17において挙げるものと同様のものが挙げられる。
樹脂層15が蛍光体(1)を含まず、また紫外線透過率(400nm)が前記下限値以上であることで、樹脂層15から蛍光体層13に紫外線吸収剤(1)が移行したり、樹脂層15から紫外線吸収層17に蛍光体(1)が移行したりすることを抑制できる。
樹脂層15は、可塑剤を含んでいてもよい。
可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤が挙げられる。
有機エステル可塑剤としては、例えばトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、アジピン酸エステル、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル、アジピン酸ヘキシル等の炭素数6〜8のアジピン酸エステルが挙げられる。
有機エステル可塑剤のうち、多塩基性有機酸エステルとしては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が好ましい。
有機リン酸可塑剤としては、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェートが挙げられる。
可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤が挙げられる。
有機エステル可塑剤としては、例えばトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、アジピン酸エステル、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル、アジピン酸ヘキシル等の炭素数6〜8のアジピン酸エステルが挙げられる。
有機エステル可塑剤のうち、多塩基性有機酸エステルとしては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が好ましい。
有機リン酸可塑剤としては、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェートが挙げられる。
樹脂層15は、樹脂、蛍光体、紫外線吸収剤(1)及び可塑剤以外の他の成分をさらに含んでもよい。
樹脂層15が含んでいてもよい他の成分としては、例えば紫外線吸収剤(1)以外の他の紫外線吸収剤、接着力調整剤、酸化防止剤が挙げられる。
樹脂層15が含んでいてもよい他の成分としては、例えば紫外線吸収剤(1)以外の他の紫外線吸収剤、接着力調整剤、酸化防止剤が挙げられる。
樹脂層15中の樹脂の含有量は、樹脂層15の総質量に対し、10質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。樹脂の含有量が前記下限値以上であれば、第1の透明基材11と第2の透明基材19との間の接着強度がより優れる。樹脂層15中の樹脂の含有量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
樹脂層15中、紫外線吸収剤(1)の含有量は、紫外線吸収剤(1)の種類によっても異なるが、典型的には、樹脂100質量部に対して0〜20質量部である。
樹脂層15が可塑剤を含む場合、可塑剤の含有量は、樹脂100質量部に対して30〜90質量部が好ましい。
樹脂層15中、紫外線吸収剤(1)の含有量は、紫外線吸収剤(1)の種類によっても異なるが、典型的には、樹脂100質量部に対して0〜20質量部である。
樹脂層15が可塑剤を含む場合、可塑剤の含有量は、樹脂100質量部に対して30〜90質量部が好ましい。
樹脂層15の厚さは、0.1〜3.0mmが好ましく、0.1〜1.0mmがより好ましい。樹脂層15の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、自発光型スクリーン10の強度がより優れる。樹脂層15の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、透明基材間の接着性がより優れる。
(紫外線吸収層)
紫外線吸収層17は、マトリックス及び紫外線吸収剤(1)を含む。
紫外線吸収層17のマトリックスは、材料(I)からなるものであることが好ましい。
紫外線吸収層17は、マトリックス及び紫外線吸収剤(1)を含む。
紫外線吸収層17のマトリックスは、材料(I)からなるものであることが好ましい。
紫外線吸収剤(1)としては、波長400nmの紫外線を吸収可能なものであればよく、公知の種々の紫外線吸収剤のなかから適宜選定し得る。紫外線吸収剤(1)は、波長400nm以外の紫外線、例えば波長400nm未満の紫外線も吸収可能なものであってもよい。
紫外線吸収剤(1)としては、例えば、有機系紫外線吸収剤、金属酸化物等が挙げられる。有機系紫外線吸収剤としては、マロン酸エステル構造を有する化合物、シュウ酸アニリド構造を有する化合物、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物、ベンゾフェノン構造を有する化合物、トリアジン構造を有する化合物、ベンゾエート構造を有する化合物、ヒンダードアミン構造を有する化合物が挙げられる。金属酸化物としては、Fe2O3、TiO2、CeO2、WO3、Nb2O5、Ta2O5、Bi2O3、Eu2O3、Sb2O3、ZrO2等が挙げられる。
紫外線吸収剤(1)としては、例えば、有機系紫外線吸収剤、金属酸化物等が挙げられる。有機系紫外線吸収剤としては、マロン酸エステル構造を有する化合物、シュウ酸アニリド構造を有する化合物、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物、ベンゾフェノン構造を有する化合物、トリアジン構造を有する化合物、ベンゾエート構造を有する化合物、ヒンダードアミン構造を有する化合物が挙げられる。金属酸化物としては、Fe2O3、TiO2、CeO2、WO3、Nb2O5、Ta2O5、Bi2O3、Eu2O3、Sb2O3、ZrO2等が挙げられる。
紫外線吸収層17は、マトリックス及び紫外線吸収剤(1)以外の他の成分をさらに含んでもよい。
紫外線吸収層17が含んでよい他の成分としては、例えば紫外線吸収剤(1)以外の紫外線吸収剤、シランカップリング剤、分散剤、レべリング剤、消泡剤、可塑剤が挙げられる。
紫外線吸収層17は、蛍光体(1)を含まないことが好ましい。
紫外線吸収層17が含んでよい他の成分としては、例えば紫外線吸収剤(1)以外の紫外線吸収剤、シランカップリング剤、分散剤、レべリング剤、消泡剤、可塑剤が挙げられる。
紫外線吸収層17は、蛍光体(1)を含まないことが好ましい。
紫外線吸収層17中の紫外線吸収剤(1)の含有量は、第2の透明基材19とその片面に積層された紫外線吸収層17とからなる積層体の紫外線透過率(400nm)が10%以下となる量が好ましく、3%以下となる量がより好ましい。この積層体の紫外線透過率(400nm)が前記上限値以下であれば、第2の面10b側から蛍光体層13に波長400nmの紫外線が入射することを効果的に抑制でき、映像の視認性、耐光性がより優れる。この積層体の紫外線透過率(400nm)の下限は特に限定されず、0%でもよい。
紫外線吸収層17中の紫外線吸収剤(1)の含有量は、前記積層体の紫外線透過率(400nm)、紫外線吸収剤(1)の種類等に応じて適宜設定し得るが、例えばマトリックス100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。紫外線吸収剤(1)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、第2の面10b側から蛍光体層13に波長400nmの紫外線が入射することを効果的に抑制できる傾向がある。紫外線吸収剤(1)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、スーパーキセノンウェザーメーター(例えばスガ試験機)に設置した際の蛍光体の発光効率の低下が抑制される。
紫外線吸収層17中のマトリックス及び紫外線吸収剤(1)の合計の含有量は、紫外線吸収層17の総質量に対し、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
紫外線吸収層17の厚さは、0.5〜50μmが好ましく、1.0〜30μmがより好ましい。紫外線吸収層17の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、第2の面10b側から蛍光体層13に波長400nmの紫外線が入射することを効果的に抑制できる。紫外線吸収層17の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、膜の耐クラック性がより優れる。
(材料(I))
材料(I)は、無機材料、低吸水性有機材料又はそれらの混合物である。
前述のように、樹脂層15は、接着層として機能し得る。その機能上、樹脂層15の樹脂(ポリビニルアセタール樹脂等)は、水酸基等の親水基を比較的多く含み、吸水性(吸湿性)が高い傾向がある。樹脂の吸水性が高いため、樹脂層15中には所定量の水分が含まれる。
この樹脂層15に蛍光体(1)や紫外線吸収剤(1)が含まれると、自発光型スクリーン10の製造時や使用時の熱によって、蛍光体(1)や紫外線吸収剤(1)が水分に溶解、イオン化することによって移動しやすくなる。
材料(I)は、無機材料、低吸水性有機材料又はそれらの混合物である。
前述のように、樹脂層15は、接着層として機能し得る。その機能上、樹脂層15の樹脂(ポリビニルアセタール樹脂等)は、水酸基等の親水基を比較的多く含み、吸水性(吸湿性)が高い傾向がある。樹脂の吸水性が高いため、樹脂層15中には所定量の水分が含まれる。
この樹脂層15に蛍光体(1)や紫外線吸収剤(1)が含まれると、自発光型スクリーン10の製造時や使用時の熱によって、蛍光体(1)や紫外線吸収剤(1)が水分に溶解、イオン化することによって移動しやすくなる。
従来、合わせガラスに用いられている中間膜も、樹脂層15と同様に、吸水性の高い樹脂を用いており、所定量の水分を含むことから、蛍光体(1)や紫外線吸収剤(1)が混在する問題が生じていたと考えられる。
これに対し、材料(I)は吸水性が低いため、これをマトリックスとする蛍光体層または紫外線吸収層においては、水分を含まないか、含んでもわずかである。そのため、層内で蛍光体(1)又は紫外線吸収剤(1)が移動しにくい。そのため、蛍光体層の蛍光体(1)又は紫外線吸収層の紫外線吸収剤(1)が経時的に層外に移行し、蛍光体(1)と紫外線吸収剤(1)とが同じ層内に混在するようになることを抑制できる。
特に、蛍光体層13のマトリックスが材料(I)からなる場合には、水分量が少ないことで、蛍光体(1)の光劣化も抑制でき、耐光性が向上する。
これに対し、材料(I)は吸水性が低いため、これをマトリックスとする蛍光体層または紫外線吸収層においては、水分を含まないか、含んでもわずかである。そのため、層内で蛍光体(1)又は紫外線吸収剤(1)が移動しにくい。そのため、蛍光体層の蛍光体(1)又は紫外線吸収層の紫外線吸収剤(1)が経時的に層外に移行し、蛍光体(1)と紫外線吸収剤(1)とが同じ層内に混在するようになることを抑制できる。
特に、蛍光体層13のマトリックスが材料(I)からなる場合には、水分量が少ないことで、蛍光体(1)の光劣化も抑制でき、耐光性が向上する。
無機材料としては、例えば、加水分解性金属化合物の加水分解縮合物が挙げられる。
加水分解性金属化合物とは、金属原子と、金属原子に結合した1以上の加水分解性基とを有する化合物(以下、「未加水分解物」ともいう。)群、及びこのような化合物群の1種又は2種以上の部分加水分解(共)縮合物の総称である。
前記加水分解性金属化合物の1種又は2種以上が加水分解すると、金属原子と、金属原子に結合した水酸基とを有する化合物群が生成し、水酸基同士が脱水縮合して縮合物が生成する。この縮合物の骨格は、金属原子と酸素原子との繰り返しからなる。
未加水分解物は、金属原子に結合した非加水分解性基をさらに有していてもよい。未加水分解物が非加水分解性基を有する場合、生成する縮合物も、金属原子に結合した非加水分解性基を有するものとなる。
なお、非加水分解性基が有機基である場合、この縮合物は、有機基を含むものであるが、骨格部分が無機であるため、無機材料として取り扱うものとする。
加水分解性金属化合物とは、金属原子と、金属原子に結合した1以上の加水分解性基とを有する化合物(以下、「未加水分解物」ともいう。)群、及びこのような化合物群の1種又は2種以上の部分加水分解(共)縮合物の総称である。
前記加水分解性金属化合物の1種又は2種以上が加水分解すると、金属原子と、金属原子に結合した水酸基とを有する化合物群が生成し、水酸基同士が脱水縮合して縮合物が生成する。この縮合物の骨格は、金属原子と酸素原子との繰り返しからなる。
未加水分解物は、金属原子に結合した非加水分解性基をさらに有していてもよい。未加水分解物が非加水分解性基を有する場合、生成する縮合物も、金属原子に結合した非加水分解性基を有するものとなる。
なお、非加水分解性基が有機基である場合、この縮合物は、有機基を含むものであるが、骨格部分が無機であるため、無機材料として取り扱うものとする。
金属原子における金属としては、例えばケイ素、スズ、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、鉄、ニッケル、銅、マグネシウム、アンチモンが挙げられる。
加水分解性基としては、例えばアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、オキシム基、アミド基、アミノ基、イミノキシ基、アミノキシ基、アルキル置換アミノ基、イソシアネート基、塩素原子が挙げられる。
非加水分解性基としては、例えばアルキル基、アリール基等の炭化水素基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基等が挙げられる。アルキル基としては、例えば炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、フェネチル基が挙げられる。
加水分解性基としては、例えばアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、オキシム基、アミド基、アミノ基、イミノキシ基、アミノキシ基、アルキル置換アミノ基、イソシアネート基、塩素原子が挙げられる。
非加水分解性基としては、例えばアルキル基、アリール基等の炭化水素基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基等が挙げられる。アルキル基としては、例えば炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、フェネチル基が挙げられる。
加水分解性金属化合物としては、前記金属のアルコキシド、カルボン酸塩、オルガノシロキシド、アセチルアセトナート錯体、硫酸塩、硝酸塩及びこれらの部分縮合物、ならびにこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジブチルチンジエトキシド、テトライソプロポキシチタネート、テトラブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、アルミニウムトリエトキシド等のアルコキシド;ジブチル−ビス(トリエトキシシロキシ)チン等のオルガノシロキシド;ジブチルチンジアセテート、ブチルチントリアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、ジオクチルチンジラウレート、エチルアルミニウムジアセテート等のカルボン酸塩;等が挙げられる。これらの加水分解性金属化合物はいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジブチルチンジエトキシド、テトライソプロポキシチタネート、テトラブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、アルミニウムトリエトキシド等のアルコキシド;ジブチル−ビス(トリエトキシシロキシ)チン等のオルガノシロキシド;ジブチルチンジアセテート、ブチルチントリアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、ジオクチルチンジラウレート、エチルアルミニウムジアセテート等のカルボン酸塩;等が挙げられる。これらの加水分解性金属化合物はいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加水分解性金属化合物は、緻密なSiO2構造を形成する点で、4官能性加水分解性ケイ素化合物を含むことが好ましい。4官能性加水分解性ケイ素化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン等のテトラアルコキシシラン、テトラn−ブチルオキシシラン等が挙げられる。テトラアルコキシシランにおける4つのアルコキシ基はそれぞれ同じでもよく異なってもよい。アルコキシ基の炭素数は、例えば1〜4である。
低吸水性有機材料は、吸水率が0.8質量%以下である。低吸水性有機材料の吸水率は、0.3質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。有機材料の吸水率が前記上限値以下であれば、これをマトリックスとする層内の水分量が少なく、蛍光体(1)又は紫外線吸収剤(1)が拡散しにくい。層内の水分量が多いと、例えば自発光型スクリーン10の製造時や使用時の熱によって、蛍光体(1)又は紫外線吸収剤(1)が層内の水分に溶解、イオン化して層内を拡散しやすくなる。吸水率の下限は特に限定されないが、例えば0.05質量%であってよい。また、低吸水性有機材料の吸水率は、樹脂層15の樹脂よりも低い。低吸水性有機材料の吸水率が樹脂層15の樹脂よりも低いと、蛍光体(1)又は紫外線吸収剤(1)が拡散しにくい。
有機材料の吸水率は、以下の方法により測定できる。
まず、マトリックスが有機材料である層を、該有機材料を溶解可能な溶媒中に浸漬し、溶解させる。次に、その溶液の10gを、キャスティング法により、アルミニウム製のカップ内に設置し、該カップを110℃で5分間加熱し、溶媒を除去後、室温で1時間放置する。次いで、該カップから、固形物を回収する。得られた固形物から1gの評価試料を採取し、カールフィッシャー装置(CA−200 Moisturemeter:エーピーアイコーポレーション製)を用いて、試料中の水分量(g)を測定する。測定した水分量から、下式により吸水率を算出する。
吸水率(%)=(水分量(g)×100)/試料の質量(g)
本測定方法は、前述の樹脂層15の樹脂においても用いる。
まず、マトリックスが有機材料である層を、該有機材料を溶解可能な溶媒中に浸漬し、溶解させる。次に、その溶液の10gを、キャスティング法により、アルミニウム製のカップ内に設置し、該カップを110℃で5分間加熱し、溶媒を除去後、室温で1時間放置する。次いで、該カップから、固形物を回収する。得られた固形物から1gの評価試料を採取し、カールフィッシャー装置(CA−200 Moisturemeter:エーピーアイコーポレーション製)を用いて、試料中の水分量(g)を測定する。測定した水分量から、下式により吸水率を算出する。
吸水率(%)=(水分量(g)×100)/試料の質量(g)
本測定方法は、前述の樹脂層15の樹脂においても用いる。
低吸水性有機材料としては、公知の有機材料のなかから、吸水率が樹脂層15の樹脂よりも低くかつ0.8質量%以下のものを適宜選定できる。
有機材料は、典型的には樹脂である。樹脂は、直鎖状であってもよく、直鎖状でなくてもよい。樹脂は、架橋構造を含んでいてもよく含んでいなくてもよい。なお直鎖状とは、主鎖が直鎖状であることを意味し、側鎖の有無を限定するものではない。
樹脂の例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、シクロオレフィン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、フルオレン環含有樹脂が挙げられる。これらの樹脂はそれぞれ、種々の吸水率のものが存在するが、疎水性が高いほど、又は水酸基等の親水基の含有量が少ないほど、吸水率が低い傾向があり、吸水率が0.8質量%以下のものを選択する。
シクロオレフィン樹脂としては、例えば下式a又はbで示される重合体が挙げられる。
有機材料は、典型的には樹脂である。樹脂は、直鎖状であってもよく、直鎖状でなくてもよい。樹脂は、架橋構造を含んでいてもよく含んでいなくてもよい。なお直鎖状とは、主鎖が直鎖状であることを意味し、側鎖の有無を限定するものではない。
樹脂の例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、シクロオレフィン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、フルオレン環含有樹脂が挙げられる。これらの樹脂はそれぞれ、種々の吸水率のものが存在するが、疎水性が高いほど、又は水酸基等の親水基の含有量が少ないほど、吸水率が低い傾向があり、吸水率が0.8質量%以下のものを選択する。
シクロオレフィン樹脂としては、例えば下式a又はbで示される重合体が挙げられる。
ただし、R1及びR2はそれぞれ独立に、金属及び金属酸化物のいずれかと反応する官能基、水素原子、又はハロゲン原子を示す。
金属及び金属酸化物のいずれかと反応する官能基としては、例えばアルコキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、カルボニル基、アミノ基、水酸基等が挙げられる。この官能基を有することで、シクロオレフィン主骨格により疎水性(低吸水率)を担保しつつ、他の層との密着性を高めることができる。
金属及び金属酸化物のいずれかと反応する官能基としては、例えばアルコキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、カルボニル基、アミノ基、水酸基等が挙げられる。この官能基を有することで、シクロオレフィン主骨格により疎水性(低吸水率)を担保しつつ、他の層との密着性を高めることができる。
材料(I)としては、樹脂層15との相溶性が低く、蛍光体(1)又は紫外線吸収剤(1)の層外への移行を抑制する効果に優れる点から、無機材料、又は低吸水性有機材料が好ましい。
自発光型スクリーン10全体の「可視光透過率」は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。自発光型スクリーン10全体の可視光線透過率が前記下限値以上であれば、透明感や背景の視認性がより優れる。
自発光型スクリーン10全体の「可視光透過率」は、次の方法によって求められる。まず、分光光度計を使用して、自発光型スクリーン10(測定対象)の第1の面10a側(または第2の面10b側)から入射角0゜で入射した入射光に対する、第2の面10b側(または第1の面10a側)に透過した全透過光のうち、波長380nm〜780nmにおける分光透過率を測定する。この測定値に、CIE昼光D65のスペクトルと視感度の波長分布から得られる重化係数を乗じて、平均することにより、可視光透過率が求められる。
自発光型スクリーン10全体の「可視光透過率」は、次の方法によって求められる。まず、分光光度計を使用して、自発光型スクリーン10(測定対象)の第1の面10a側(または第2の面10b側)から入射角0゜で入射した入射光に対する、第2の面10b側(または第1の面10a側)に透過した全透過光のうち、波長380nm〜780nmにおける分光透過率を測定する。この測定値に、CIE昼光D65のスペクトルと視感度の波長分布から得られる重化係数を乗じて、平均することにより、可視光透過率が求められる。
(自発光型スクリーンの製造方法)
自発光型スクリーン10の製造方法は、特に限定されない。例えば、以下の製造方法(α)や製造方法(β)が挙げられる。
製造方法(α):第1の透明基材11の片面に、マトリックス又はその前駆体と、蛍光体(1)と、液状媒体とを含む第1のコーティング液を塗布し、乾燥して蛍光体層13を形成し、第1の積層体を得る工程と、
第2の透明基材19の片面に、マトリックス又はその前駆体と、紫外線吸収剤(1)と、液状媒体とを含む第2のコーティング液を塗布し、乾燥して紫外線吸収層17を形成し、第2の積層体を得る工程と、
前記第1の積層体の蛍光体層13側の面と、前記第2の積層体の紫外線吸収層17側の面とを、樹脂層15を介して貼り合わせる工程と、
を有し、
前記第1のコーティング液及び前記第2のコーティング液の少なくとも一方のマトリックス又はその前駆体が、材料(I)又はその前駆体である、自発光型スクリーンの製造方法。
なお、第1の積層体を得る工程、第2の積層体を得る工程は、どちらを先に行ってもよい。
自発光型スクリーン10の製造方法は、特に限定されない。例えば、以下の製造方法(α)や製造方法(β)が挙げられる。
製造方法(α):第1の透明基材11の片面に、マトリックス又はその前駆体と、蛍光体(1)と、液状媒体とを含む第1のコーティング液を塗布し、乾燥して蛍光体層13を形成し、第1の積層体を得る工程と、
第2の透明基材19の片面に、マトリックス又はその前駆体と、紫外線吸収剤(1)と、液状媒体とを含む第2のコーティング液を塗布し、乾燥して紫外線吸収層17を形成し、第2の積層体を得る工程と、
前記第1の積層体の蛍光体層13側の面と、前記第2の積層体の紫外線吸収層17側の面とを、樹脂層15を介して貼り合わせる工程と、
を有し、
前記第1のコーティング液及び前記第2のコーティング液の少なくとも一方のマトリックス又はその前駆体が、材料(I)又はその前駆体である、自発光型スクリーンの製造方法。
なお、第1の積層体を得る工程、第2の積層体を得る工程は、どちらを先に行ってもよい。
第1のコーティング液及び第2のコーティング液(以下、まとめて「コーティング液」ともいう。)における液状媒体としては、マトリックス又はその前駆体を溶解可能なものあればよく、例えば水、有機溶剤、それらの混合物が挙げられる。有機溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、シクロペンタノンが挙げられる。
コーティング液の塗布方法としては、特に限定されない。公知の塗布方法としては例えばスプレーコート、ダイコート、バーコートが挙げられる。
コーティング液がマトリックス前駆体(例えば加水分解性金属化合物)を含む場合、塗布したコーティング液を乾燥する際に、マトリックス前駆体がマトリックスとなる。
コーティング液の塗布方法としては、特に限定されない。公知の塗布方法としては例えばスプレーコート、ダイコート、バーコートが挙げられる。
コーティング液がマトリックス前駆体(例えば加水分解性金属化合物)を含む場合、塗布したコーティング液を乾燥する際に、マトリックス前駆体がマトリックスとなる。
製造方法(β):マトリックスと、蛍光体(1)とを混合し、押出法やキャスティング法により蛍光体層13となる膜を得る工程と、
第2の透明基材19の片面に、マトリックス又はその前駆体と、紫外線吸収剤(1)と、液状媒体とを含む第2のコーティング液を塗布し、乾燥して紫外線吸収層17を形成し、第2の積層体を得る工程と、
第1の透明基材、蛍光体層13となる膜、樹脂層15、及び前記第2の積層体の紫外線吸収層17側の面とをこの順で積層し、貼り合わせる工程と、
を有し、
前記第1のマトリックス及び前記第2のコーティング液の少なくとも一方のマトリックス又はその前駆体が、材料(I)又はその前駆体である、自発光型スクリーンの製造方法。
第2の透明基材19の片面に、マトリックス又はその前駆体と、紫外線吸収剤(1)と、液状媒体とを含む第2のコーティング液を塗布し、乾燥して紫外線吸収層17を形成し、第2の積層体を得る工程と、
第1の透明基材、蛍光体層13となる膜、樹脂層15、及び前記第2の積層体の紫外線吸収層17側の面とをこの順で積層し、貼り合わせる工程と、
を有し、
前記第1のマトリックス及び前記第2のコーティング液の少なくとも一方のマトリックス又はその前駆体が、材料(I)又はその前駆体である、自発光型スクリーンの製造方法。
第1の積層体と第2の積層体との貼り合わせは、公知の合わせガラスの製造と同様にして実施できる。例えば、第1の積層体と、樹脂層15(例えば前記熱可塑性樹脂のシート)と、第2の積層体とを、所望の層構成となるように重ねて積層物とし、この積層物を減圧下で加熱して仮接着し、さらに加圧下で加熱して本接着する方法が挙げられる。
仮接着の条件は、例えば圧力0.07〜0.10MPa、温度70〜130℃であってよい。
本接着の条件は、例えば圧力0.5〜1.5MPa、温度80〜150℃であってよい。
仮接着の条件は、例えば圧力0.07〜0.10MPa、温度70〜130℃であってよい。
本接着の条件は、例えば圧力0.5〜1.5MPa、温度80〜150℃であってよい。
(作用効果)
自発光型スクリーン10にあっては、蛍光体(1)を含む蛍光体層13を有するため、プロジェクタ等の投影機から自発光型スクリーン10の第1の面10a側に任意のパターンの励起光(映像光)を投射したときに、励起光が投射された部分の蛍光体(1)が発光し、投射したパターンに対応する映像が表示される。
励起光の波長は、蛍光体(1)を励起可能であればよく、特に限定されないが、典型的には405nmである。
自発光型スクリーン10にあっては、蛍光体(1)を含む蛍光体層13を有するため、プロジェクタ等の投影機から自発光型スクリーン10の第1の面10a側に任意のパターンの励起光(映像光)を投射したときに、励起光が投射された部分の蛍光体(1)が発光し、投射したパターンに対応する映像が表示される。
励起光の波長は、蛍光体(1)を励起可能であればよく、特に限定されないが、典型的には405nmである。
また、自発光型スクリーン10にあっては、蛍光体層13の第2の面10b側に、紫外線吸収剤(1)を含む紫外線吸収層17を有するため、蛍光体(1)を励起可能な光(太陽光等)が第2の面10b側から蛍光体層13に入射することが抑制されている。そのため、投影機から励起光が投射されていない部分が発光することを抑制でき、映像の視認性が優れる。
また、蛍光体層13と紫外線吸収層17との間に樹脂層15が介在し、蛍光体層13のマトリックス及び紫外線吸収層17のマトリックスの少なくとも一方が材料(I)からなるため、蛍光体層13から紫外線吸収層17への蛍光体(1)の移行、紫外線吸収層17から蛍光体層13への紫外線吸収剤(1)の移行が抑制されている。そのため、経時的に、蛍光体層13や紫外線吸収層17で蛍光体(1)と紫外線吸収剤(1)とが混在したり、蛍光体層13中の蛍光体(1)の含有量が低下したりすることを抑制できる。
また、蛍光体層13と紫外線吸収層17との間に樹脂層15が介在し、蛍光体層13のマトリックス及び紫外線吸収層17のマトリックスの少なくとも一方が材料(I)からなるため、蛍光体層13から紫外線吸収層17への蛍光体(1)の移行、紫外線吸収層17から蛍光体層13への紫外線吸収剤(1)の移行が抑制されている。そのため、経時的に、蛍光体層13や紫外線吸収層17で蛍光体(1)と紫外線吸収剤(1)とが混在したり、蛍光体層13中の蛍光体(1)の含有量が低下したりすることを抑制できる。
紫外線吸収層17に蛍光体(1)が移行すると、投影機から励起光が投射されていない部分が発光したり、太陽光等によって蛍光体(1)が劣化したりするおそれがある。蛍光体層13に紫外線吸収剤(1)が移行すると、励起光が紫外線吸収剤(1)に吸収され、蛍光体(1)の発光が不十分になるおそれがある。
したがって、自発光型スクリーン10にあっては、励起光が投射された部分が充分な発光強度で発光し、投影機から励起光が投射されていない部分が発光することが抑制されているため、映像の視認性が優れる。また、映像の視認性の経時的な劣化が抑制されており、長期に渡って優れた視認性を維持できる。
蛍光体層13のマトリックスが材料(I)からなる場合には、蛍光体(1)の光劣化が抑制され、耐光性にも優れる。
したがって、自発光型スクリーン10にあっては、励起光が投射された部分が充分な発光強度で発光し、投影機から励起光が投射されていない部分が発光することが抑制されているため、映像の視認性が優れる。また、映像の視認性の経時的な劣化が抑制されており、長期に渡って優れた視認性を維持できる。
蛍光体層13のマトリックスが材料(I)からなる場合には、蛍光体(1)の光劣化が抑制され、耐光性にも優れる。
〔第二実施形態〕
図2は、本発明の第二実施形態の自発光型スクリーン20の模式断面図である。なお、以下に示す実施形態において、第一実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の自発光型スクリーン20は、第1の透明基材11と、蛍光体層13と、樹脂層15と、第3の透明基材21とがこの順に積層された積層構造を含む。
本実施形態の自発光型スクリーン20は、紫外線吸収層17及び第2の透明基材19の代わりに第3の透明基材21を備える以外は、第一実施形態と同様である。
図2は、本発明の第二実施形態の自発光型スクリーン20の模式断面図である。なお、以下に示す実施形態において、第一実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の自発光型スクリーン20は、第1の透明基材11と、蛍光体層13と、樹脂層15と、第3の透明基材21とがこの順に積層された積層構造を含む。
本実施形態の自発光型スクリーン20は、紫外線吸収層17及び第2の透明基材19の代わりに第3の透明基材21を備える以外は、第一実施形態と同様である。
自発光型スクリーン20の第1の面20a(第1の透明基材11側の最表面)は、投影機から蛍光体(1)を励起する励起光が投射される側の表面である。また、典型的には、第1の面20aが屋内側の表面であり、第1の面20aとは反対側の第2の面20b(第3の透明基材21側の最表面)が屋外側の表面である。
(第3の透明基材)
第3の透明基材21は、紫外線吸収剤(1)を含む。
第3の透明基材21は、紫外線吸収剤(1)を含むことを必須とする以外は、第一実施形態の透明基材と同様である。具体的には、マトリックスと紫外線吸収剤(1)とを含み、マトリックスとしては、前記で挙げた透明基材の材料と同様のものが挙げられる。
紫外線吸収剤(1)としては、前記と同様のものが挙げられる。
第3の透明基材21は、紫外線吸収剤(1)を含む。
第3の透明基材21は、紫外線吸収剤(1)を含むことを必須とする以外は、第一実施形態の透明基材と同様である。具体的には、マトリックスと紫外線吸収剤(1)とを含み、マトリックスとしては、前記で挙げた透明基材の材料と同様のものが挙げられる。
紫外線吸収剤(1)としては、前記と同様のものが挙げられる。
好ましい一態様において、第3の透明基材21の紫外線透過率(400nm)は、10%以下であり、3%以下が好ましい。第3の透明基材21の紫外線透過率(400nm)が前記上限値以下であれば、第2の面10b側から蛍光体層13に波長400nmの紫外線が入射することを効果的に抑制でき、映像の視認性、耐光性がより優れる。第3の透明基材21の紫外線透過率(400nm)の下限は特に限定されず、0%でもよい。
好ましい他の一態様において、第3の透明基材21は、紫外線吸収剤(1)と、マトリックスとしてガラスを含み、紫外線透過率(400nm)が90%以下(好ましくは50%以下)である。
第3の透明基材21のマトリックスがガラスである場合の紫外線吸収剤(1)は、金属酸化物が好ましい。第3の透明基材21のマトリックスが透明樹脂の場合の紫外線吸収剤(1)は、有機系紫外線吸収剤が好ましい。第3の透明基材21は、紫外線吸収剤(1)を1種以上を含んでよい。
好ましい他の一態様において、第3の透明基材21は、紫外線吸収剤(1)と、マトリックスとしてガラスを含み、紫外線透過率(400nm)が90%以下(好ましくは50%以下)である。
第3の透明基材21のマトリックスがガラスである場合の紫外線吸収剤(1)は、金属酸化物が好ましい。第3の透明基材21のマトリックスが透明樹脂の場合の紫外線吸収剤(1)は、有機系紫外線吸収剤が好ましい。第3の透明基材21は、紫外線吸収剤(1)を1種以上を含んでよい。
第3の透明基材21中の紫外線吸収剤(1)の含有量は、第3の透明基材21の所望の紫外線透過率(400nm)、紫外線吸収剤(1)の種類や第2の透明基材のマトリックス等に応じて適宜設定し得るが、第3の透明基材のマトリックスが透明樹脂である場合は、例えばマトリックス100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。第3の透明基材のマトリックスがガラスである場合、紫外線吸収剤(1)の含有量は、マトリックス100質量部に対し、0.01〜5.0質量部が好ましく、0.02〜3.0質量部がより好ましい。紫外線吸収剤(1)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、第2の面10b側から蛍光体層13に紫外線が入射することを効果的に抑制できる傾向がある。紫外線吸収剤(1)の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、着色が少なく、安定的にガラスを製造できる傾向がある。
(自発光型スクリーンの製造方法)
自発光型スクリーン20の製造方法は、特に限定されない。例えば前記製造方法(α)において、第2の積層体を得る工程を行わず、第2の積層体の代わりに第3の透明基材21を用いることで、自発光型スクリーン20が得られる。
紫外線吸収剤(1)を含む第3の透明基材21は、例えば、ガラス組成に紫外線吸収剤を添加することにより製造できる。紫外線吸収剤(1)を含む透明基材が市販されていれば、該透明基材を第3の透明基材21として用いてもよい。
自発光型スクリーン20の製造方法は、特に限定されない。例えば前記製造方法(α)において、第2の積層体を得る工程を行わず、第2の積層体の代わりに第3の透明基材21を用いることで、自発光型スクリーン20が得られる。
紫外線吸収剤(1)を含む第3の透明基材21は、例えば、ガラス組成に紫外線吸収剤を添加することにより製造できる。紫外線吸収剤(1)を含む透明基材が市販されていれば、該透明基材を第3の透明基材21として用いてもよい。
(作用効果)
自発光型スクリーン20にあっては、第一実施形態の自発光型スクリーン10と同様に、蛍光体(1)を含む蛍光体層13を有するため、投影機から自発光型スクリーン20の第1の面20a側に任意のパターンの励起光(映像光)を投射したときに、励起光が投射された部分の蛍光体(1)が発光し、投射したパターンに対応する映像が表示される。
自発光型スクリーン20にあっては、第一実施形態の自発光型スクリーン10と同様に、蛍光体(1)を含む蛍光体層13を有するため、投影機から自発光型スクリーン20の第1の面20a側に任意のパターンの励起光(映像光)を投射したときに、励起光が投射された部分の蛍光体(1)が発光し、投射したパターンに対応する映像が表示される。
また、自発光型スクリーン20にあっては、蛍光体層13の第2の面20b側に、紫外線吸収剤(1)を含む第3の透明基材21を有するため、蛍光体(1)を励起可能な光(太陽光等)が第2の面20b側から蛍光体層13に入射することが抑制されている。そのため、投影機から励起光が投射されていない部分が発光することを抑制でき、映像の視認性が優れる。
また、蛍光体層13と第3の透明基材21との間に樹脂層15が介在し、第3の透明基材21のマトリックスが無機材料であるガラスであるため、蛍光体層13から紫外線吸収層17への蛍光体(1)の移行、紫外線吸収層17から蛍光体層13への紫外線吸収剤(1)の移行が抑制されている。そのため、経時的に、蛍光体層13や紫外線吸収層17で蛍光体(1)と紫外線吸収剤(1)とが混在したり、蛍光体層13中の蛍光体(1)の含有量が低下したりすることを抑制できる。
したがって、自発光型スクリーン20にあっては、励起光が投射された部分が充分な発光強度で発光し、投影機から励起光が投射されていない部分が発光することが抑制されているため、映像の視認性が優れる。また、映像の視認性の経時的な劣化が抑制されており、長期に渡って優れた視認性を維持できる。
蛍光体層13のマトリックスが材料(I)からなるものであれば、蛍光体(1)の光劣化が抑制され、耐光性にも優れる。
また、蛍光体層13と第3の透明基材21との間に樹脂層15が介在し、第3の透明基材21のマトリックスが無機材料であるガラスであるため、蛍光体層13から紫外線吸収層17への蛍光体(1)の移行、紫外線吸収層17から蛍光体層13への紫外線吸収剤(1)の移行が抑制されている。そのため、経時的に、蛍光体層13や紫外線吸収層17で蛍光体(1)と紫外線吸収剤(1)とが混在したり、蛍光体層13中の蛍光体(1)の含有量が低下したりすることを抑制できる。
したがって、自発光型スクリーン20にあっては、励起光が投射された部分が充分な発光強度で発光し、投影機から励起光が投射されていない部分が発光することが抑制されているため、映像の視認性が優れる。また、映像の視認性の経時的な劣化が抑制されており、長期に渡って優れた視認性を維持できる。
蛍光体層13のマトリックスが材料(I)からなるものであれば、蛍光体(1)の光劣化が抑制され、耐光性にも優れる。
以上、本発明の自発光型スクリーンについて、実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
例えば、本発明の自発光型スクリーンは、積層構造中に、第1〜第3の透明基材11、19、21、蛍光体層13、樹脂層15、紫外線吸収層17以外の他の層をさらに有していてもよい。他の層としては、例えば、第2の透明基材19の第2の面10b側、又は第3の透明基材21の第2の面20b側に、第2の紫外線吸収層をさらに有していてもよい。第2の紫外線吸収層は、例えば紫外線吸収層17と同様のものであってよい。
本発明の自発光型スクリーンにあっては、前記積層構造と他の部材(フレーム、反射防止フィルム等)が組み合わされていてもよい。
例えば、本発明の自発光型スクリーンは、積層構造中に、第1〜第3の透明基材11、19、21、蛍光体層13、樹脂層15、紫外線吸収層17以外の他の層をさらに有していてもよい。他の層としては、例えば、第2の透明基材19の第2の面10b側、又は第3の透明基材21の第2の面20b側に、第2の紫外線吸収層をさらに有していてもよい。第2の紫外線吸収層は、例えば紫外線吸収層17と同様のものであってよい。
本発明の自発光型スクリーンにあっては、前記積層構造と他の部材(フレーム、反射防止フィルム等)が組み合わされていてもよい。
〔用途〕
本発明の自発光型スクリーンは、単体で屋外、屋内等の任意の場所に設置されてもよく、自動車等の車両や膜構造建築物の一部として用いられてもよい。膜構造建築物は、屋根、壁等の少なくとも一部を膜材で構成した建築物であり、たとえば運動施設、温室、アトリウム等が挙げられる。
本発明の自発光型スクリーンの好適な用途の一例として、自動車のヘッドアップディスプレイ装置(以下、「HUD装置」ともいう。)が挙げられる。この場合、本発明の自発光型スクリーンは、自動車のフロントガラス、リアガラス、サイドガラス、天井ガラス等に適用できる。また、建築用のスクリーンとしても使用できる。
本発明の自発光型スクリーンは、単体で屋外、屋内等の任意の場所に設置されてもよく、自動車等の車両や膜構造建築物の一部として用いられてもよい。膜構造建築物は、屋根、壁等の少なくとも一部を膜材で構成した建築物であり、たとえば運動施設、温室、アトリウム等が挙げられる。
本発明の自発光型スクリーンの好適な用途の一例として、自動車のヘッドアップディスプレイ装置(以下、「HUD装置」ともいう。)が挙げられる。この場合、本発明の自発光型スクリーンは、自動車のフロントガラス、リアガラス、サイドガラス、天井ガラス等に適用できる。また、建築用のスクリーンとしても使用できる。
図3は、本発明の自発光型スクリーンを適用したHUD装置の一例を模式的に示す概略構成図である。この例のHUD装置100は、自動車のフロントガラスとして設置された自発光型スクリーン10と、投影機110とを備える。自発光型スクリーン10は、第1の面10a側を車内側(視認者X側)に向けて配置されている。投影機110は、自動車の車内(例えばダッシュボード)に設置されており、車内側から自発光型スクリーン10に映像光L(任意のパターンの励起光)を投射できるようになっている。
投影機110としては、映像光Lを投射できるものであればよく、公知のプロジェクタ等を用いることができる。
投影機110としては、映像光Lを投射できるものであればよく、公知のプロジェクタ等を用いることができる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
例1は実施例、例2は比較例である。
例1は実施例、例2は比較例である。
(例1)
以下の方法により、自発光型スクリーンを製造した。
以下の方法により、自発光型スクリーンを製造した。
まず、第1の透明基材として、厚さ2mmのソーダライムガラスを準備した。
次に、蛍光色素(BASF社製 Lumogen−F570)をシクロペンタノン溶媒中に、濃度2質量%となるように溶解させ、さらにマトリックスとして有機材料1(フルオレン環含有樹脂、大阪ガスケミカル社製「OKP2」)を加え、有機材料1と蛍光色素との合計の質量に対する蛍光色素の割合が15質量%となるように混合しペーストを用意した。
本ペーストを第1の透明基材上へダイコート法により塗布し、110℃で乾燥し蛍光体層を作成した。蛍光体層の厚みは任意の5か所を測定した平均が5μmであった。
次に、蛍光色素(BASF社製 Lumogen−F570)をシクロペンタノン溶媒中に、濃度2質量%となるように溶解させ、さらにマトリックスとして有機材料1(フルオレン環含有樹脂、大阪ガスケミカル社製「OKP2」)を加え、有機材料1と蛍光色素との合計の質量に対する蛍光色素の割合が15質量%となるように混合しペーストを用意した。
本ペーストを第1の透明基材上へダイコート法により塗布し、110℃で乾燥し蛍光体層を作成した。蛍光体層の厚みは任意の5か所を測定した平均が5μmであった。
次に、第2の透明基材として、厚さ2mmの紫外線吸収ガラスの上に紫外線吸収層を設け、波長400nmでの紫外線透過率を10%以下としたガラス基板を準備した。
樹脂層として、厚さ0.38mmのポリビニルブチラール樹脂(以下、「PVB」ともいう。)フィルムを準備した。
樹脂層として、厚さ0.38mmのポリビニルブチラール樹脂(以下、「PVB」ともいう。)フィルムを準備した。
次に、第1の透明基材、蛍光体層、樹脂層、紫外線吸収層、第2の透明基材をこの順に積層して、積層体を構成した。
次に、この積層体を真空パックした状態で、120℃で1時間加熱した。これにより、
透明スクリーン(以下「例1に係る自発光型スクリーン」と称する)が製造された。
次に、この積層体を真空パックした状態で、120℃で1時間加熱した。これにより、
透明スクリーン(以下「例1に係る自発光型スクリーン」と称する)が製造された。
(例2)
例1と同様の方法により、例2に係る自発光型スクリーンを製造した。ただし例2では、マトリックスとして、有機材料2(PVB、積水化学社製「PVB BK1」)を加え、有機材料2と蛍光色素との合計質量に対する蛍光色素の割合が15質量%となるように混合しペーストを用意した。
例1と同様の方法により、例2に係る自発光型スクリーンを製造した。ただし例2では、マトリックスとして、有機材料2(PVB、積水化学社製「PVB BK1」)を加え、有機材料2と蛍光色素との合計質量に対する蛍光色素の割合が15質量%となるように混合しペーストを用意した。
(評価)
例1及び例2に係る自発光型スクリーンを用いて、以下に示す各種評価を実施した。
例1及び例2に係る自発光型スクリーンを用いて、以下に示す各種評価を実施した。
<吸水率>
以下の方法により、例1〜例2に係る自発光型スクリーンにおいて、蛍光体層のマトリックスとして使用した有機材料(有機材料1及び有機材料2)の吸水率を測定した。
以下の方法により、例1〜例2に係る自発光型スクリーンにおいて、蛍光体層のマトリックスとして使用した有機材料(有機材料1及び有機材料2)の吸水率を測定した。
まず、蛍光体層のマトリックスとして使用した有機材料を希釈溶剤に溶解し、次に、キャスティング法により、この溶液をアルミニウム製のカップ内に設置した。その後、カップを110℃で5分間加熱し、希釈溶媒を除去した。
その後、カップから、固形物を回収した。固形物は、自立膜の形態であった。
室温(25℃、60%)で1時間放置した後、得られた自立膜から1gの評価試料を採取した。また、カールフィッシャー装置(CA−200 Moisturemeter:エーピーアイコーポレーション製)を用いて、試料中の水分量を測定した。得られた結果から、(水分量(g)×100)/試料(g)の値(質量%)を求め、有機材料の吸水率とした。
樹脂層に使用したPVBフィルムに含まれるPVBの吸水率は、自立膜をキャスティングで作成する代わりに例1または例2で用いた0.38mmの膜を使用した以外は上記と同様にして測定したところ、1.0質量%であった。
その後、カップから、固形物を回収した。固形物は、自立膜の形態であった。
室温(25℃、60%)で1時間放置した後、得られた自立膜から1gの評価試料を採取した。また、カールフィッシャー装置(CA−200 Moisturemeter:エーピーアイコーポレーション製)を用いて、試料中の水分量を測定した。得られた結果から、(水分量(g)×100)/試料(g)の値(質量%)を求め、有機材料の吸水率とした。
樹脂層に使用したPVBフィルムに含まれるPVBの吸水率は、自立膜をキャスティングで作成する代わりに例1または例2で用いた0.38mmの膜を使用した以外は上記と同様にして測定したところ、1.0質量%であった。
<耐候性評価>
例1〜例2に係る自発光型スクリーンをサンプルとして、耐候性評価を行った。耐候性評価は各サンプルをスガ試験機株式会社製スーパーキセノンウェザーメータ(放射照度150W/m2)に150時間保持することにより実施した。その後サンプルを取出し、黄変の有無を確認し、黄変の程度が大きいものを×、ほとんど見られないものを○とした。
例1〜例2に係る自発光型スクリーンをサンプルとして、耐候性評価を行った。耐候性評価は各サンプルをスガ試験機株式会社製スーパーキセノンウェザーメータ(放射照度150W/m2)に150時間保持することにより実施した。その後サンプルを取出し、黄変の有無を確認し、黄変の程度が大きいものを×、ほとんど見られないものを○とした。
以下の表1に、例1及び例2に係る自発光型スクリーンの評価結果をまとめて示す。
表1から、例1に係る自発光型スクリーンでは、150時間後も黄変が抑えられ、例2に係る自発光型スクリーンに比べて、耐候性が向上していることがわかる。例1に係る自発光型スクリーンでは、樹脂の吸水量が低いことにより、蛍光体の劣化が抑制されるためと考えられる。
10,20 自発光型スクリーン
11 第1の透明基材
13 蛍光体層
15 樹脂層
17 紫外線吸収層
19 第2の透明基材
21 第3の透明基材
100 自動車のヘッドアップディスプレイ装置
110 投影機
11 第1の透明基材
13 蛍光体層
15 樹脂層
17 紫外線吸収層
19 第2の透明基材
21 第3の透明基材
100 自動車のヘッドアップディスプレイ装置
110 投影機
Claims (6)
- 第1の透明基材と、
マトリックス及び波長400nmの紫外線によって励起可能な蛍光体を含む蛍光体層と、
樹脂を含み、前記蛍光体を含まず、波長400nmでの紫外線透過率が20%以上である樹脂層と、
マトリックス及び波長400nmの紫外線を吸収可能な紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層と、
第2の透明基材と、
がこの順に積層された積層構造を含み、
前記蛍光体層及び前記紫外線吸収層の少なくとも一方のマトリックスが、無機材料、吸水率が前記樹脂より低くかつ0.8質量%以下の有機材料又はそれらの混合物からなる、自発光型スクリーン。 - 前記蛍光体層及び前記紫外線吸収層の両方のマトリックスが、前記無機材料、前記有機材料又はそれらの混合物からなる、請求項1に記載の自発光型スクリーン。
- 第1の透明基材と、
マトリックス及び波長400nmの紫外線によって励起可能な蛍光体を含む蛍光体層と、
樹脂を含み、前記蛍光体を含まず、波長400nmでの紫外線透過率が20%以上である樹脂層と、
波長400nmの紫外線を吸収可能な紫外線吸収剤を含む第3の透明基材と、
がこの順に積層された積層構造を含む、自発光型スクリーン。 - 前記蛍光体層のマトリックスが、無機材料、吸水率が0.8質量%以下の有機材料又はそれらの混合物からなる請求項3に記載の自発光型スクリーン。
- 前記樹脂層の厚さが0.1〜1.0mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自発光型スクリーン。
- 前記樹脂層の樹脂の吸水率が0.06〜5質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の自発光型スクリーン。
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