JP2020118545A - 表示制御装置及び表示制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】レーン毎の道路情報から有益な情報を抽出し、ユーザに分かり易く提示可能な表示制御装置等の提供。【解決手段】HCUは、車両Aにおいて用いられ、前景に重畳される表示を制御する表示制御装置の機能を有している。HCUは、複数のレーンを含む道路について、レーン毎の道路情報を取得すると共に、複数のレーンのうちで自車両である車両Aが走行中である自車レーンLnsを判定する。HCUは、自車レーンLnsについての道路情報を示す虚像Viを、前景における自車レーンLnsに重畳表示させる。【選択図】図4

Description

この明細書による開示は、前景に重畳される表示を制御する表示制御装置及び表示制御プログラムに関する。
従来、例えば特許文献1には、目的地までの経路を案内する誘導表示を、フロントガラス越しに見えるドライバの前方視界に重畳する車両用表示装置が開示されている。一例として、特許文献1では、右左折を案内する交差点に車両が近づくと、右左折の方向を示す矢印が、誘導表示として、前方視界における道路の路面に重畳表示される。加えて、車線数が所定数よりも多い場合、誘導表示の表示タイミングは、通常よりも早められる。
国際公開第2015/118859号
近年、複数レーンを含む道路について、レーン毎の道路情報を生成し、各車両に配信することが試みられている。しかし、特許文献1は、複数レーンを含む車線数の多い道路での具体的な情報提示の方法を、詳細に開示していない。そして、複数レーンの道路情報を表示する場合、例えば複数レーンの道路の中央付近を走行するシーンにて、ドライバは、自車両の走行するレーンについての道路情報が、表示された複数の道路情報のうちのどれであるのかを把握困難となるおそれがあった。
本開示は、レーン毎の道路情報から有益な情報を抽出し、ドライバに分かり易く提示可能な表示制御装置及び表示制御プログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、車両(A)において用いられ、前景に重畳される表示を制御する表示制御装置であって、複数のレーンを含む道路について、レーン毎の道路情報を取得する道路情報取得部(71)と、複数のレーンのうちで車両が走行中である自車レーン(Lns)を判定するレーン判定部(76)と、自車レーンについての道路情報を示す表示像(Vi)を、前景における自車レーンに重畳表示させる表示制御部(77)と、を備える表示制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、車両(A)において用いられ、前景に重畳される表示を制御する表示制御プログラムであって、少なくとも一つの処理部(11)に、複数のレーンを含む道路について、レーン毎の道路情報を取得し(S11,S102)、複数のレーンのうちで車両が走行中である自車レーン(Lns)を判定し(S12,S103)、自車レーンについての道路情報を、前景における自車レーンに重畳表示させる(S14,S107,S109)、ことを含む処理を実行させる表示制御プログラムとされる。
これらの態様では、レーン毎の道路情報が取得されると、自車レーンについての道路情報が、前景における自車レーンに重畳表示される。そのため、車両のドライバは、自車両の走行する自車レーンについての道路情報を、自車レーンに重畳された表示像から容易に把握できるようになる。したがって、レーン毎の道路情報からドライバにとって有益な情報を抽出し、ドライバに分かり易く提示することが可能となる。
さらに開示された一つの態様は、車両(A)において用いられ、前景に重畳される表示を制御する表示制御装置であって、複数のレーンを含む道路について、レーン毎の道路情報を取得する道路情報取得部(71)と、複数のレーンのうちで車両が走行中である自車レーン(Lns)を判定するレーン判定部(76)と、前景における複数のレーンのうちで予め規定された報知情報が道路情報に含まれている報知レーン(Lna)に、報知情報を示す表示像(Vi)を重畳表示させる表示制御部(77)と、を備える表示制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、車両(A)において用いられ、前景に重畳される表示を制御する表示制御プログラムであって、少なくとも一つの処理部(11)に、複数のレーンを含む道路について、レーン毎の道路情報を取得し(S11,S102)、複数のレーンのうちで車両が走行中である自車レーン(Lns)を判定し(S12,S103)、前景における複数のレーンのうちで予め規定された報知情報が道路情報に含まれている報知レーン(Lna)に、報知情報を示す表示像(Vi)を重畳表示させる(S14,S107,S109)、ことを含む処理を実行させる表示制御プログラムとされる。
これらの態様では、予め規定された報知情報を含む道路情報が取得された場合、報知情報を示す表示像が、報知情報と紐付く報知レーンに重畳表示される。そのためドライバは、報知情報の内容と共に、報知レーンの相対位置を、表示像から把握できるようになる。以上のように、報知レーンへの報知情報の重畳表示によっても、レーン毎の道路情報からドライバにとって有益な情報を抽出し、ドライバに分かり易く提示することが可能となる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
本開示の第一実施形態によるHCUを含む車載ネットワークの全体像を示す図である。 車両に搭載されるHUD装置の一例を示す図である。 HCUの概略的な構成の一例を示す図である。 ルート未設定時におけるレーン別道路情報表示の一例を説明するための図である。 ルート設定時におけるレーン別道路情報表示の一例として、パターン1〜3を順に説明するための図である。 図5における第2分岐ポイント通過後の提案表示像の遷移を示す図である。 ルート未設定時に選択実施されるレーン別情報表示処理の詳細を示すフローチャートである。 ルート設定時に選択実施されるレーン別情報表示処理の詳細を示すフローチャートである。 本開示の第二実施形態でのレーン別道路情報表示の一例を説明するための図である。 変形例1でのレーン別道路情報表示の一例を説明するための図である。 変形例2でのレーン別道路情報表示の一例を説明するための図である。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
本開示の第一実施形態による表示制御装置の機能は、図1及び図2に示すHCU(Human Machine Interface Control Unit)100によって実現されている。HCU100は、車両Aにおいて用いられるHMI(Human Machine Interface)システム10を、ヘッドアップディスプレイ(Head Up Display,以下、「HUD」)装置20及び操作デバイス26等と共に構成している。HMIシステム10は、車両Aの乗員(例えばドライバ等)による操作を受け付ける入力インターフェース機能と、ドライバへ向けて情報を提示する出力インターフェース機能とを備えている。
HMIシステム10は、車両Aに搭載された車載ネットワーク1の通信バス99に、通信可能に接続されている。HMIシステム10は、車載ネットワーク1に設けられた複数のノードのうちの一つである。車載ネットワーク1の通信バス99には、例えば周辺監視センサ30、ロケータ40、ナビゲーション装置50、V2X通信器56及び運転支援ECU57等が各ノードとして接続されている。通信バス99に接続されたこれらのノードは、相互に通信可能となっている。
周辺監視センサ30は、車両Aの周辺環境を監視する自律センサである。周辺監視センサ30は、自車周囲の検出範囲から、歩行者、サイクリスト、人間以外の動物、及び他車両等の移動物体、さらに路上の落下物、ガードレール、縁石、走行区画線等の路面表示、及び道路脇の構造物等の静止物体、を検出可能である。周辺監視センサ30は、車両Aの周囲(特に前方範囲)の物体を検出した検出情報を、通信バス99を通じて、運転支援ECU57及びHCU100等に提供する。
周辺監視センサ30は、物体検出のための検出構成として、フロントカメラ31、ミリ波レーダ32及びライダ33等を有している。フロントカメラ31は、車両Aの前方範囲を撮影した撮像データ、及び撮像データの解析結果の少なくとも一方を、検出情報として出力する。ミリ波レーダ32は、ミリ波又は準ミリ波を前方範囲へ向けて照射し、移動物体及び静止物体等で反射された反射波を受信する処理により、外部に出力される検出情報を生成する。ライダ33は、レーザ光を前方範囲へ向けて照射し、移動物体及び静止物体等で反射された反射光を受信する処理により、外部に出力される検出情報を生成する。
ロケータ40は、複数の取得情報を組み合わせる複合測位により、車両Aの高精度な位置情報等を生成する。ロケータ40は、例えば複数車線のうちで、車両Aが走行する車線を特定可能である。ロケータ40は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信器41、慣性センサ42、高精度地図データベース(以下、「DB」)43及びロケータECU44等によって構成されている。
GNSS受信器41は、複数の人工衛星(測位衛星)から送信された測位信号を受信する。GNSS受信器41は、GPS、GLONASS、Galileo、IRNSS、QZSS、Beidou等の衛星測位システムのうちで、少なくとも一つの衛星測位システムの各測位衛星から、測位信号を受信可能である。
慣性センサ42は、例えばジャイロセンサ及び加速度センサを備えている。高精度地図DB43は、不揮発性メモリを主体に構成されており、ナビゲーション装置50にて用いられるよりも高精度な地図データ(以下、「高精度地図データ」)を記憶している。高精度地図データには、例えば区画線及び道路標示に関する情報、路側域にある構造物の3次元形状情報、並びに道路レーン数情報及び3次元形状情報等が含まれている。
ロケータECU44は、プロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えたマイクロコンピュータを主体に構成されている。ロケータECU44は、GNSS受信器41で受信する測位信号、慣性センサ42の計測結果、及び通信バス99に出力された車速情報等を組み合わせ、車両Aの自車位置及び進行方向等を逐次測位する。ロケータECU44は、測位結果に基づく車両A(自車)の位置情報及び方角情報を、通信バス99を通じて、ナビゲーション装置50及びHCU100等に提供する。加えてロケータECU44は、HCU100等からの要求に応じて、必要とされた高精度地図データが高精度地図DB43にあるか否かを判定する。要求された高精度地図データが高精度地図DB43にある場合、ロケータECU44は、該当する高精度地図データを高精度地図DB43から読み出し、要求元であるHCU100に提供する。
ナビゲーション装置50は、HMIシステム10と連携し、乗員によって設定された目的地までのルート案内を実施する車載装置である。ナビゲーション装置50は、ナビゲーション用の地図データベース(以下、「ナビ地図DB」)51及びナビゲーションECU52等によって構成されている。ナビ地図DB51は、不揮発性メモリを主体に構成されており、高精度地図DB43よりも広範囲の地図データを網羅的に記憶している。ナビ地図DB51に格納されたナビ地図データには、道路についてのリンクデータ、ノードデータ、及び形状データ等が記載されている。
ナビゲーションECU52は、プロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えたマイクロコンピュータを主体に構成されている。ナビゲーションECU52は、車両A(自車)の位置情報及び方角情報を、通信バス99を通じてロケータECU44より取得する。
ナビゲーションECU52は、通信バス99及びHCU100を通じて、操作デバイス26に入力された操作情報を取得し、ドライバ操作に基づく目的地を設定する。ナビゲーションECU52は、目的地までの複数経路を、例えば時間優先及び距離優先等の条件を満たすように探索する。探索された複数経路のうちの一つが選択されると、ナビゲーションECU52は、当該設定経路に基づく経路情報を、関連するナビ地図データと共に、通信バス99を通じて、HCU100に提供する。
ナビゲーションECU52は、V2X通信器56にて受信された後述の道路情報を取得可能である。ナビゲーションECU52は、設定経路に紐付く最新の道路情報の内容、例えば工事規制、事故車両の発生、及び渋滞状況等に応じて、設定経路とは異なり、且つ、道路情報の示す混雑(渋滞)を回避する渋滞回避経路を探索する。ナビゲーションECU52は、目的地に到着するまでの所要時間について、現在の設定経路から渋滞回避経路に切り替えた場合に短縮される時間(以下、「差分時間」)も、渋滞回避経路の探索に合わせて算出する。ナビゲーションECU52は、渋滞回避経路及び差分時間についての情報を、HCU100に提供する。その結果、この渋滞回避経路への切り替えをドライバ等が承認すると、ナビゲーションECU52は、渋滞回避経路を新たな設定経路とする。
ナビゲーションECU52は、現在の設定経路に従い、交差点等のような分岐ポイント、目的地、並びに一時停止等の警報ポイントが接近した場合、HMIシステム10へ向けた案内実施要求を出力する。HMIシステム10では、案内実施要求に基づき、ドライバへ向けたルート案内が、HUD装置20等によって実施される。以下の説明では、こうしたドライバへの案内がその手前にて実施される設定経路上のポイントを、「案内ポイント」とする。
V2X(Vehicle to Everything)通信器56は、車両Aに搭載される通信モジュールである。V2X通信器56は、LTE(Long Term Evolution)及び5G等の通信規格に沿ったV2N(Vehicle to cellular Network)通信の機能を少なくとも有しており、車両Aの周囲の基地局との間で電波を送受信する。V2X通信器56は、路車間(Vehicle to roadside Infrastructure,以下「V2I」)通信及び車車間(Vehicle to Vehicle,以下「V2V」)通信等の機能をさらに有していてもよい。V2X通信器56は、V2N通信により、クラウドと車載システムとの連携(Cloud to Car)を可能にする。V2X通信器56の搭載により、車両Aは、インターネットに接続可能なコネクテッドカーとなる。
V2X通信器56は、例えば渋滞状況、交通規制、通行止め、大雨及び積雪等の道路情報を、クラウド上のサーバ(以下、「クラウドサーバ」)より受信可能である。クラウドサーバは、レーン毎の道路情報、具体的には、複数のレーンを含む道路でのレーン別の渋滞情報等を取得している。こうしたレーン毎の道路情報は、多数のコネクテッドカーの走行情報(プローブデータ)をリアルタイムに解析するAI(Artificial Intelligence)処理等に基づき、抽出される。V2X通信器56は、クラウドサーバより受信するレーン毎の道路情報を、ナビゲーション装置50及びHCU100に提供する。
運転支援ECU57は、ドライバの運転操作を支援する運転支援機能、及びドライバの運転操作を代行可能な自動運転機能の少なくとも一方を備えている。運転支援機能又は自動運転機能には、走行速度又は車間距離を制御するACC(Adaptive Cruise Control)機能、車線に合わせて操舵角を制御するLTC(Lane Trace Control)機能等が含まれている。運転支援機能には、車両Aを強制的に減速させるAEB(Autonomous Emergency Braking)機能等がさらに含まれていてもよい。
運転支援ECU57は、周辺監視センサ30から取得する検出情報に基づき、車両Aの周囲の走行環境を認識する。運転支援ECU57は、走行環境の認識結果に基づき、運転支援又は自動運転のための運転操作情報を生成する。運転支援ECU57は、生成した運転操作情報の車両制御ECUへの提供により、加減速制御及び操舵制御を車両制御ECUに実行させる。
運転支援ECU57は、走行環境認識のために実施した検出情報の解析結果を、解析済みの検出情報として、HCU100に提供可能である。一例として、運転支援ECU57は、フロントカメラ31の撮像データ等から抽出された情報、具体的には、走行中の道路の区画線(白線)及び道路端の相対位置情報を、HCU100に提供する。
次に、HUD装置20及びHCU100の詳細を説明する。
HUD装置20は、マルチインフォメーションディスプレイ及びセンターインフォメーションディスプレイ等と共に、複数の車載表示デバイスの一つとして、車両Aに搭載されている。HUD装置20は、虚像Viを用いた拡張現実(Augmented Reality,以下「AR」)表示により、車両Aに関連する種々の情報をドライバに提示する。AR表示される虚像Viは、前景中の重畳対象に相対固定されているように、重畳対象を追って、ドライバの見た目上で移動可能である。
HUD装置20は、HCU100と電気的に接続されており、HCU100によって生成された映像データを逐次取得する。HUD装置20は、ウィンドシールドWSの下方にて、インスツルメントパネル9内の収容空間に収容されている。HUD装置20は、虚像Viとして結像される光を、ウィンドシールドWSの投影範囲PAへ向けて投影する。ウィンドシールドWSに投影された光は、投影範囲PAにおいて運転席側へ反射され、ドライバによって知覚される。ドライバは、投影範囲PAを通して見える前景中の重畳対象に、虚像Viが重畳された表示を視認する。
HUD装置20は、プロジェクタ21及び拡大光学系22等によって構成されている。プロジェクタ21は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル及びバックライトを有している。プロジェクタ21は、LCDパネルの表示面を拡大光学系22へ向けた姿勢にて、HUD装置20の筐体に固定されている。プロジェクタ21は、映像データの各フレーム画像をLCDパネルの表示面に表示し、当該表示面をバックライトによって透過照明することで、虚像Viとして結像される光を拡大光学系22へ向けて射出する。拡大光学系22は、合成樹脂又はガラス等からなる基材の表面にアルミニウム等の金属を蒸着させた凹面鏡を、少なくとも一つ含む構成である。拡大光学系22は、プロジェクタ21から射出された光を反射によって広げつつ、上方の投影範囲PAに投影する。
HCU100は、HMIシステム10において、HUD装置20を含む複数の車載表示デバイスによる表示を統合的に制御する電子制御装置である。HCU100は、処理部11、RAM12、記憶部13、入出力インターフェース14、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体に構成されている。処理部11は、RAM12と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部11は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。処理部11は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)及び他の専用機能を備えたIPコア等をさらに含む構成であってよい。記憶部13は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部13には、処理部11によって実行される種々のプログラム(表示制御プログラム等)が格納されている。
図1〜図3に示すHCU100は、記憶部13に記憶されたプログラムを処理部11によって実行し、複数の機能部を備える。具体的に、HCU100には、道路情報取得部71、経路情報取得部72、位置情報取得部73、外界情報取得部74、道路形状認識部75、レーン判定部76及び表示生成部77等の機能部が構築される。道路情報取得部71、経路情報取得部72、位置情報取得部73及び外界情報取得部74は、通信バス99から情報を取得する機能部である。
道路情報取得部71は、V2X通信器56にて受信された最新の道路情報を取得する。車両Aが複数レーンを含む道路を走行する場合、或いは進行方向又は設定経路上に複数レーンを含む道路がある場合、道路情報取得部71は、複数レーンを含む道路についてのレーン毎の道路情報を取得する。
経路情報取得部72は、ナビゲーション装置50に目的地が設定されている場合に、目的地までのルート案内に関する経路情報と、ルート案内に用いられるナビ地図データとを、ナビゲーションECU52から取得する。加えて経路情報取得部72は、案内ポイントへの接近に基づき、ナビゲーションECU52によって出力される案内実施要求を、経路情報及びナビ地図データ等と共に取得する。さらに経路情報取得部72は、ナビゲーション装置50にて渋滞回避経路が探索された場合、進行方向の渋滞を回避可能な回避経路を示す渋滞回避情報と、当該回避経路の選択によって短縮可能な差分時間とを、ナビゲーション装置50から取得する。
経路情報取得部72は、ナビ地図データと共に、又はナビ地図データに替えて、高精度地図データをロケータ40から取得する処理を実施できる。経路情報取得部72は、ナビゲーションECU52から取得した経路情報に基づき、関連する高精度地図データの提供をロケータECU44に要求する。こうして要求された高精度地図データが高精度地図DB43に格納されている場合、経路情報取得部72は、ロケータECU44から返信される高精度地図データを取得する。
位置情報取得部73は、車両A(自車両)の位置情報及び方角情報を、自車位置情報としてロケータECU44から取得する。
外界情報取得部74は、周辺監視センサ30及び運転支援ECU57の少なくとも一方から、車両Aの前方範囲についての検出情報を取得する。検出情報は、フロントカメラ31によって撮影された前方範囲の撮像データ等であってもよく、或いは周辺監視センサ30又は運転支援ECU57での走行環境認識によって得られた解析結果であってもよい。検出情報が解析結果である場合、当該解析結果には、上述したような前方範囲における区画線又は道路端の相対位置を示す情報が含まれている。
道路形状認識部75は、経路情報取得部72にて取得されるナビ地図データ及び高精度地図データの少なくとも一方と、位置情報取得部73にて取得される自車位置情報とに基づき、車両Aの進行方向における道路の形状を認識する。具体的に、道路形状認識部75は、ドライバから見て投影範囲PAと重なる範囲(重畳範囲)の道路について、その形状を認識する。道路形状認識部75は、進行方向の道路形状の認識に、外界情報取得部74にて取得される進行方向の検出情報を利用してもよい。
道路形状認識部75は、例えば重畳範囲の道路のカーブ曲率が所定値よりも大きい場合に、進行方向の道路がカーブ形状であると判定する。道路形状認識部75は、進行方向の道路がカーブ形状であると判定した場合、カーブ形状を示す判定結果を生成し、表示生成部77に通知する。
レーン判定部76は、複数レーンを含む道路を車両Aが走行している場合に、複数のレーンのうちで車両Aが走行中である走行レーン(以下、「自車レーンLns」)を判定する。レーン判定部76は、経路情報取得部72にて取得される高精度地図データ、位置情報取得部73にて取得される自車位置情報、及び外界情報取得部74にて取得される区画線等の相対位置情報等を組み合わせて、自車レーンLnsを特定する。尚、ロケータ40に自車レーンLnsの特定機能がある場合、レーン判定部76は、ロケータ40から位置情報取得部73に提供される特定情報を利用し、自車レーンLnsを特定可能である。
加えてレーン判定部76は、ドライバから見て投影範囲PAと重なる重畳範囲に位置するレーンを、複数のレーンの中から抽出し、重畳可能レーンとする。レーン判定部76は、道路に含まれるレーンの本数、自車レーンLnsの位置情報、重畳可能レーンの特定情報等を、表示生成部77に通知する。
表示生成部77は、HUD装置20に逐次出力される映像データを生成する処理により、HUD装置20によるドライバへの情報提示を制御する。表示生成部77は、取得した種々の情報に基づき、情報提示に用いるコンテツを選定する機能、コンテンツを描画する機能、及びコンテンツの表示期間を制御する機能等を有している。
表示生成部77は、道路情報取得部71にて取得される道路情報に予め規定された報知情報(例えば渋滞情報等)が含まれている場合、報知情報を提示するコンテンツの元画像を、映像データを構成する各フレーム画像に描画する。加えて、レーン毎の道路情報が道路情報取得部71によって取得されると、表示生成部77は、前景中における各レーンの路面に重畳させたAR表示物としての虚像Viにより、各レーンの道路情報(例えば渋滞具合等)を提示する。以下、こうしたレーン別道路情報の表示の詳細を説明する。
表示生成部77は、車両Aが複数レーンを含む道路を走行中(図4及び図5参照)、レーン判定部76より提供される情報に基づき、全レーンの本数、自車レーンLns及び重畳可能レーンを認識する。表示生成部77は、道路情報取得部71より提供されるレーン毎の道路情報を参照し、予め規定された報知情報の有無を判定する。道路情報に報知情報を含むレーン(以下、「報知レーン」)が重畳可能レーンである場合、表示生成部77は、虚像Viを用いたAR表示での報知情報の提示を実施する。尚、報知レーンが重畳可能レーンでない場合、表示生成部77は、非AR表示にて報知情報を提示する。
表示生成部77は、報知レーンが重畳可能レーンである場合、特定した1つ又は複数の重畳可能レーンに紐付く道路情報に対応するコンテンツを選定し、選定したコンテンツに基づく虚像Viを、重畳可能レーンの路面上に重畳表示させる。表示生成部77は、重畳可能レーンが複数ある場合には、前景中の各重畳可能レーンに、それぞれの道路情報を示す虚像Viを重畳表示させる。
表示生成部77は、車両Aの進行方向における道路形状の認識結果を道路形状認識部75から取得する。表示生成部77は、道路形状認識部75にて進行方向のカーブ形状が認識されている場合、HUD装置20による虚像Viの重畳表示が困難になると推定し、上述のレーン毎の重畳表示を中止する。このとき表示生成部77は、非AR表示にて渋滞情報を提示する。
一方で、進行方向の道路が僅かなカーブ形状であり、道路形状認識部75によるカーブ判定の通知が無い場合には、表示生成部77は、カーブ及び分岐ポイント等の形状に沿った重畳表示を実施する。尚、提示情報の重要度が高い場合、表示生成部77は、表示開始のタイミングをカーブの手前まで早めて、レーン毎の重畳表示を行う調整を実施してもよい。
次に、レーン別道路情報の表示が実施される走行シーンの具体例を、図4及び図5に基づき、図1及び図3を参照しつつ説明する。尚、図4に示すレーン別道路情報表示は、ナビゲーション装置50に目的地が設定されていない場合の一例である。この場合、車両Aの渋滞地点への接近に基づき、情報提示が開始される。一方で、図5に示すレーン別道路情報表示は、ナビゲーション装置50に目的地が設定されている場合の一例である。この場合、ナビゲーション装置50からの案内実施要求の取得に基づき、情報提示が開始される。
尚、実施開始要求は、ナビゲーション装置50にて渋滞報知が必要とされたタイミング、及び渋滞の最後尾までの残距離が所定距離未満となったタイミング等に、HCU100に通知される。また実施開始要求は、設定経路上にあるインターチェンジ、ジャンクション、出入口等の分岐ポイントまでの残距離が所定距離未満となったタイミングにおいても、HCU100に通知される。
<ルート案内がない場合のレーン別道路情報表示>
図4に示す走行シーンにおいて、車両Aは、複数(4つ)のレーンを含む道路を走行しており、全レーンのうちの一部が渋滞している交差点に接近している。交差点の手前では、最も右側の右折レーンが渋滞状態の渋滞レーンLnjとなっており、残りの3レーンは、非渋滞状態の通常レーンLnnとなっている。車両Aは、右から2番目の通常レーンLnnを走行している。
表示生成部77は、レーン判定部76からの提供情報に基づき、右から2番目のレーンを自車レーンLnsとして認識する。加えて表示生成部77は、自車レーンLnsと、自車レーンLnsに対し左右両側となる各レーンLn1,Ln2とを、重畳可能レーンであると認識する。
表示生成部77は、道路情報取得部71にて取得されるレーン毎の道路情報に、右折レーンの渋滞情報があることに基づき、当該渋滞情報の報知を決定する。渋滞レーンLnjに繋がる右側レーンLn2が重畳可能レーンであるため、表示生成部77は、渋滞情報の報知をAR表示によって実施する。表示生成部77は、渋滞の発生している交差点に対して所定距離RD1(例えば700m)手前となる通知ポイントGPにて、右折レーンの渋滞情報の提示を開始し、例えば車両Aが交差点を通過したタイミングにて、渋滞情報の提示を終了する。
表示生成部77は、右折レーンの渋滞情報を右側レーンLn2に紐付けつつ、左側レーンLn1及び自車レーンLnsに、非渋滞情報を紐付ける。表示生成部77は、HUD装置20と協働で、ウィンドシールドWSの投影範囲PA越しに見える自車レーンLns、左側レーンLn1及び右側レーンLn2の各路面に、非渋滞情報及び渋滞情報を報知する虚像Viを重畳表示させる。具体的に、交差点手前が通常レーンLnnとなっている自車レーンLns及び左側レーンLn1には、非渋滞状態を示す非渋滞表示像Vnjが重畳表示される。一方で、交差点手前が渋滞レーンLnjとなっている右側レーンLn2には、渋滞情報を示す渋滞表示像Vjが重畳表示される。
非渋滞表示像Vnjは、ドライバから見て投影範囲PAと重なる自車レーンLns及び左側レーンLn1の各路面を、一様に発光させるようなベタ塗り状の表示像である。非渋滞表示像Vnjは、例えば青色及び緑色等の現状維持を促す発光色にて表示される(図4のドット範囲を参照)。自車レーンLnsに重畳される非渋滞表示像Vnjと左側レーンLn1に重畳される非渋滞表示像Vnjとは、路面上の区画線を境界として互いに僅かに離間してもよく、又は区画線を跨ぐように連続していてもよい。
渋滞表示像Vjは、ドライバから見て投影範囲PAと重なる右側レーンLn2の路面を一様に発光させるようなベタ塗り状の表示像である。投影範囲PAの面積が限られているため、渋滞表示像Vjは、投影範囲PAの上右隅に、進行方向(上方)へ向かうに従って幅が拡大する逆三角形状に表示される。渋滞表示像Vjは、例えばアンバー及び赤色等の注意喚起を促す発光色にて表示される(図4の斜線範囲を参照)。渋滞表示像Vjの発光色は、渋滞の程度に応じて調整可能であり、渋滞の程度が酷い場合には、アンバーから赤色へと切り替えられてもよい。渋滞表示像Vjの発光態様は、渋滞の程度に応じて、連続的に変更されてもよく、又は段階的に切り替えられてもよい。渋滞表示像Vjは、非渋滞表示像Vnjよりも高い誘目性を有するように、非渋滞表示像Vnjよりも高輝度に表示される。渋滞表示像Vjは、自車レーンLns及び右側レーンLn2間の区画線を境界として非渋滞表示像Vnjから僅かに離れていてもよく、又は当該区画線を跨いで非渋滞表示像Vnjと連続していてもよい。
<ルート案内がある場合のレーン別道路情報表示>
図5に示す走行シーンにおいて、車両Aは、複数(3つ)のレーンを含む高速道路を走行しており、全レーンのうちの一部が渋滞している2つの分岐ポイント(高速出口等)に順次接近する。ナビゲーション装置50の設定経路では、1つ目の分岐ポイント(第1分岐ポイントP1)は直進通過するポイントとされており、2つ目の分岐ポイント(第2分岐ポイントP2)は右分岐するポイントとされている。以下、自車レーンLnsが渋滞レーンLnjとなる第1分岐ポイントP1手前、第1分岐ポイントP1通過後、及び第2分岐ポイントP2手前のそれぞれにて実施されるレーン別道路情報表示の各パターン1〜3を順に説明する。
<パターン1:渋滞していない通常レーンLnnへの誘導>
第1分岐ポイントP1の手前では、最も右側の右分岐レーンが渋滞レーンLnjとなっており、残りの2レーンは、非渋滞状態の通常レーンLnnとなっている。車両Aは、最も右側の渋滞レーンLnjを走行している。この走行シーンでは、自車レーンLns及び左側レーンLn1が重畳可能レーンとなる。
表示生成部77は、渋滞の発生している第1分岐ポイントP1に対し所定距離手前となる通知ポイントにて渋滞情報の提示を開始し、車両Aが第1分岐ポイントP1を通過したタイミングにて、渋滞情報の提示を終了する。
表示生成部77は、複数レーンのうちで、経路情報の示す経路に従って車両Aを走行させることが可能な選択可能レーンを選別する。直線通過を予定する第1分岐ポイントP1の手前では、全てのレーンが選択可能レーンに該当する。そのため表示生成部77は、進行方向の渋滞を示す渋滞情報が含まれていない選択可能レーンがあると認識する。
以上のように、自車レーンLnsに渋滞情報があり、且つ、渋滞情報の無い選択可能レーンがある場合、渋滞していない選択可能レーンへの誘導が実施される。具体的に、表示生成部77は、渋滞表示像Vj、非渋滞表示像Vnj、誘導表示像Vg及び残距離表示像Vrを、前景中の路面に重畳表示させる。
渋滞表示像Vjは、自車レーンLnsの路面のうちで、虚像Viを重畳可能な全範囲に一様に重畳表示され、自車レーンLnsの進行方向の渋滞を示す(図5の斜線範囲を参照)。非渋滞表示像Vnjは、左側レーンLn1の路面のうちで、虚像Viを重畳可能な全範囲に一様に重畳表示され、左側レーンLn1の進行方向が渋滞していないことを示す(図5のドット範囲を参照)。尚、渋滞表示像Vj及び非渋滞表示像Vnjの各発光色は、ルート案内がない場合のレーン別道路情報表示に用いられる各表示像と同じ発光色である。
誘導表示像Vgは、自車レーンLnsの路面に重畳表示され、渋滞を回避可能な左側レーンLn1への誘導を行う。誘導表示像Vgによる誘導は、設定経路に従った内容となる。誘導表示像Vgは、ドライバの見かけ上にて、渋滞表示像Vjに重ねて表示される。誘導表示像Vgは、自車レーンLnsから左側レーンLn1へ向かって延伸する矢印状を呈しており、矢印状の先端を非渋滞表示像Vnj内に位置させている。誘導表示像Vgは、非渋滞表示像Vnjと実質同一又は同系統の発光色(例えば青色等)にて表示され、誘導先となる左側レーンLn1が非渋滞状態であることをドライバに示唆する。
残距離表示像Vrは、車両Aから渋滞最後尾までの距離を、数値によってデジタル表示する。残距離表示像Vrは、自車レーンLnsの路面に重畳表示される。残距離表示像Vrは、例えば投影範囲PAの下縁近傍に表示され、ドライバの見かけ上にて、誘導表示像Vgの基端部分に重ねて表示される。残距離表示像Vrは、例えば誘導表示像Vgとは異なる発光色(例えば、白色)等で表示される。尚、残距離表示像Vrの表示位置は、適宜変更されてよい。
<パターン2:渋滞情報にルート案内を重畳>
第1分岐ポイントP1の通過後には、設定経路に基づく第2分岐ポイントP2での右分岐を想定し、最も右側のレーンへの誘導が実施される。第2分岐ポイントP2の近傍では、中央レーン及び右分岐レーンが渋滞レーンLnjとなっており、最も左側の直進レーンのみが非渋滞状態の通常レーンLnnとなっている。第1分岐ポイントP1手前での車線変更により、車両Aは、中央レーンを走行している。この走行シーンでは、全てのレーンが重畳可能レーンとなる。
表示生成部77は、渋滞の最後尾から所定距離手前となる通知ポイントにて、ナビゲーション装置50からの案内実施要求に基づき、右分岐レーンへの車線変更誘導を行う。例えば、右分岐ポイントが2km先であっても、1km先の地点が渋滞の最後尾となっている場合、通常であれば2km手前にて開始される車線変更誘導が、3km手前から開始される(図5 RD2参照)。渋滞発生に起因して案内実施のタイミングが早められる場合、渋滞マーク等のアイコンを表示することにより、通常の案内開始タイミングとの違いをドライバに対し認識させてもよい。表示生成部77は、右分岐レーンへの車線変更が完了したタイミングにて、移動誘導の提示を終了する。
以上の移動誘導のために、表示生成部77は、渋滞表示像Vj及びレーンチェンジ表示像(以下、「LC表示像」)Vlcを、前景中の路面に重畳表示させる。渋滞表示像Vjは、渋滞情報が通知された自車レーンLns及び右側レーンLn2の各路面に跨って重畳表示される。尚、右レーンへの車線変更誘導を行う場合、左側レーンLn1への非渋滞表示像Vnjの重畳表示は、左レーンへの車線変更の指示と誤認される虞があるため、実施されない。
LC表示像Vlcは、渋滞表示像Vj及び非渋滞表示像Vnjとは異なる発光色(例えば白色)にて表示される。LC表示像Vlcは、設定経路に基づき右分岐レーンへの車線変更をドライバに指示する。LC表示像Vlcは、ドライバの見かけ上にて、渋滞表示像Vjに重ねて表示される。LC表示像Vlcは、自車レーンLnsから右側レーンLn2へ向かって延伸する矢印状を呈している。LC表示像Vlcの矢印の先端は、右側レーンLn2(右分岐レーン)にて進行方向を向いている。
<パターン3:渋滞回避経路の提案>
第2分岐ポイントP2の手前では、車両Aが渋滞レーンLnjを走行しており、且つ、設定経路上には渋滞していない選択可能レーンが存在しない状況となる。そのため、第2分岐ポイントP2の手前では、設定経路上の渋滞を認識したナビゲーション装置50により、進行方向の渋滞を回避可能な回避経路が探索される。こうした回避経路を示す渋滞回避情報が経路情報取得部72にて取得された場合、HCU100は、渋滞回避経路の提案を実施する。具体的に、表示生成部77は、渋滞表示像Vj、残距離表示像Vr、提案表示像Va及び差分表示像Vdt等を、前景中の路面に重畳表示させる。
渋滞表示像Vjは、自車レーンLnsの路面に重畳表示される。渋滞表示像Vjは、自車レーンLnsの渋滞情報に加えて、現在の設定経路を示す表示像となる。そのため渋滞表示像Vjは、自車レーンLnsに沿って進行方向(前方)に延伸する矢印状を呈している。残距離表示像Vrは、渋滞表示像Vjの上方(前方)に表示される。
提案表示像Vaは、現在の設定経路から、新たに探索された渋滞回避経路への切り替えを提案する表示像である。提案表示像Vaは、自車レーンLns及び左側レーンLn1の各路面に跨って重畳表示される。提案表示像Vaは、ドライバの見かけ上にて、渋滞表示像Vjに重ねて表示される。誘導表示像Vgは、非渋滞表示像Vnjと実質同一又は同系統の発光色(例えば青色等)にて表示され、回避先が非渋滞状態であることをドライバに示唆する。誘導表示像Vgは、自車レーンLnsから左側レーンLn1へ向かって延伸する矢印状を呈しており、矢印状の先端を左側レーンLn1の路面に重畳させている。
差分表示像Vdtは、経路情報取得部72にて取得される差分時間に基づき、回避経路の選択によって短縮可能な時間を、数値によってデジタル表示する。差分表示像Vdtは、矢印状を呈する提案表示像Vaの先端近傍に、提案表示像Vaと実質同一の表示色にて表示される。一例として、差分表示像Vdtは、提案表示像Vaの先端上方(前方)にて、左側レーンLn1の路面上に重畳表示される。
以上の渋滞回避経路の提案に従い、ドライバが左側の方向指示器を起動させると、図6に示すように、縦矢印状の渋滞表示像Vj、残距離表示像Vr及び差分表示像Vdtの表示が消される。一方で、提案表示像Vaの表示は継続される。提案表示像Vaは、車両Aの挙動に合わせて、渋滞回避経路の案内に適した形状に連続的に変化する。この走行シーンでは、提案表示像Vaは、渋滞回避経路に従う車線変更によって車両Aが最も左側のレーンに移動したタイミング(図5 最も上方の車両A参照)で縦矢印状となり、所定時間の経過後に表示を終了される。
次に、ここまで説明したレーン毎での道路情報表示を実現するため、HCU100にて実施されるレーン別情報表示処理の詳細を、図7及び図8に示すフローチャートに基づき、図1及び図3〜図5を参照しつつ、以下説明する。
図7に示すレーン別情報表示処理は、ナビゲーション装置50に目的地が設定されていない場合に選択的に実施される。このレーン別情報表示処理は、報知情報(渋滞情報等)を含むレーン毎の道路情報が取得され、報知情報に関連する通知ポイントGPに到達したタイミングで開始される。
S11では、レーン別道路情報表示に必要な自車位置情報、地図データ及びレーン毎の道路情報の取得し、S12に進む。S11にて取得される地図データには、高速道か一般道かを示す道路種別情報、各レーンの種別情報、実線か破線かを示す区画線の種別情報、及び区画線の色情報等が含まれている。
S12では、S11にて取得した情報に基づき、車両Aが現在走行している自車レーンLnsを判定し、S13に進む。S13では、S11にて取得した地図データ等に基づき、進行方向の道路形状を把握する。S13にて、進行方向の道路について比較的大きなカーブ形状が認識されていた場合、レーン毎の道路情報の表示を中止する。一方で、進行方向の道路が概ね直線状である場合、S14に進む。
S14では、S11にて取得したレーン毎の道路情報に基づき、重畳可能レーンに道路情報を通知する虚像Vi、即ち、渋滞表示像Vj及び非渋滞表示像Vnjを重畳表示させて、S15に進む。S15では、例えば交差点及び分岐ポイント等の通過、並びに渋滞の解消等に基づき、S14にて開始した表示の終了判定を実施する。S15における終了判定の成立に基づき、渋滞表示像Vj及び非渋滞表示像Vnjを消して、レーン別情報表示処理を終了する。
図9に示すレーン別情報表示処理は、ナビゲーション装置50に目的地が設定されている場合に選択的に実施される。このレーン別情報表示処理は、ナビゲーション装置50からの案内実施要求の取得に基づき開始される。
S101では、ルート案内に必要なナビゲーション関連情報、具体的には、自車位置情報、経路情報、及び差分時間を含む回避経路情報等を取得し、S102に進む。S102では、レーン別道路情報表示に必要な地図データ及びレーン毎の道路情報をさらに取得し、S103に進む。レーン毎の道路情報には、渋滞の最後尾までの距離情報等が含まれている。
S103では、S101及びS102にて取得した情報に基づき、車両Aが現在走行している自車レーンLnsを判定し、S104に進む。S102にて取得した地図データ等に基づき、進行方向の道路形状を把握する。S104にて、進行方向の道路について比較的大きなカーブ形状が認識されていた場合、レーン毎の道路情報の表示を中止する。一方で、進行方向の道路が概ね直線状である場合、S105に進む。
S105では、S103にて判定した自車レーンLnsと、S102にて取得したレーン毎の道路情報とを比較し、車両A(自車両)が渋滞レーンLnjを走行しているか否かを判定する。S105にて、車両Aが渋滞レーンLnjを走行していると判定した場合、S106に進む。
S106では、S101及びS102での取得情報に基づき、実施する情報提示のパターン(図5参照)を判定し、S107に進む。S107では、S106にて判定したパターンに対応するレーン別道路情報表示を実施し、S110に進む。S110では、分岐ポイントの通過及び渋滞の解消等に基づき、S107にて開始した重畳表示の終了判定を実施する。S110における終了判定の成立に基づき、虚像Viを適宜消して、レーン別情報表示処理を終了する。
一方、S105にて、車両Aが渋滞レーンLnjを走行していないと判定した場合、S108に進む。S108では、ユーザ(ドライバ等)によって予め設定されたユーザ設定の値を参照し、S109に進む。S109では、S108にて参照したユーザ設定の内容に基づき、ドライバへの渋滞情報の提示を実施し、S110に進む。この場合のS110でも、S109にて開始した重畳表示の終了判定の成立に基づき、虚像Viを適宜消して、レーン別情報表示処理を終了する。
以上のS109では、例えばユーザが自車レーンLns以外への重畳表示を許可していた場合、自車レーンLnsを除く重畳可能レーンへの渋滞表示像Vjの重畳表示が実施される。一方で、ユーザが自車レーンLns以外への重畳表示を許可していない場合、又は、渋滞情報の紐付くレーンが重畳可能レーンではない場合、アイコン等を用いた非AR表示により、渋滞情報が通知される。さらに、ユーザが他のレーンの渋滞情報の通知を望まない場合、煩わしさをドライバに与えないように、渋滞情報の表示は、実施されない。
ここまで説明した第一実施形態では、レーン毎の道路情報が取得されると、自車レーンLnsについての道路情報が、前景における自車レーンLnsに重畳表示される。そのため、車両Aのドライバは、自車レーンLnsについての道路情報を、自車レーンLnsに重畳された虚像Viから容易に把握できる。したがって、レーン毎の道路情報からドライバにとって有益な情報を抽出し、ドライバに分かり易く提示することが可能となる。
加えて第一実施形態では、複数のレーンのそれぞれに、対応する道路情報が重畳表示される。故に、道路情報が複数のレーンのそれぞれに存在していても、ドライバは、例えばどのレーンがこの先で渋滞しているか等のレーン毎に異なる道路情報を、容易に把握可能となる。
また第一実施形態では、複数レーンのうちでAR表示が困難なレーンについての道路情報は、非AR表示によって提示される。故に、虚像Viを表示可能な投影範囲PAが限られていても、自車レーンLnsから遠い他のレーンの道路情報が、ドライバには提示され得る。
さらに第一実施形態では、道路形状認識部75にて進行方向のカーブ形状が認識されている場合、表示生成部77は、レーン毎での路面への重畳表示を中止する。前景中の道路がカーブしている場合、渋滞表示像Vj及び非渋滞表示像Vnjは、重畳対象としたい路面に対してずれ易くなる。故に、カーブ形状の認識に基づく路面への重畳表示の中止は、ドライバの誤認識を防止するのに有効となる。
加えて第一実施形態では、ルート案内のための経路情報が取得された場合に、レーン毎の道路情報の提示は、経路情報の提示と関連した内容となる。以上のように、レーン毎の渋滞情報等がルート案内に組み合わされる情報提示により、ドライバは、目的地までの円滑な経路の選択に、ルート毎の道路情報を有効に利用し易くなる。
また第一実施形態では、自車レーンLnsの道路情報に渋滞情報が含まれており、且つ、自車レーンLnsを除く選択可能レーン(別レーン)の道路情報に渋滞情報が含まれていない場合、この別レーンへの誘導を行う誘導表示像Vgが重畳表示される。以上によれば、ドライバは、車線変更しても問題の無い選択可能レーンのうちで、渋滞していないレーンに適宜移動して、一部のレーンのみに生じている局所的な渋滞を円滑に回避できるようになる。
さらに第一実施形態では、渋滞表示像Vjと誘導表示像Vgとが重ねて表示される。こうした表示によれば、ドライバは、渋滞表示像Vjと誘導表示像Vgとの対比により、自車レーンLnsの渋滞に起因して、別レーンへの誘導が実施されていることを、推測し易くなる。
加えて第一実施形態では、誘導可能な別レーンが無い場合等に、渋滞回避経路の探索が実施される。そして、渋滞回避経路を示す提案表示像Vaが、渋滞表示像Vjと共に表示される。以上によれば、ドライバは、提案表示像Vaの内容に従い、直近の渋滞を回避する別ルートへのルート変更を、円滑に実施可能となる。
また第一実施形態では、渋滞表示像Vjと提案表示像Vaとが重ねて表示される。こうした表示によれば、ドライバは、渋滞表示像Vjと提案表示像Vaとの対比により、自車レーンLnsの渋滞に起因して、別ルートへの誘導が実施されていることを、推測し易くなる。
さらに第一実施形態では、渋滞回避経路の選択によって短縮可能な時間が、差分表示像Vdtによって提示される。故に、ドライバは、提案されたルートへの変更を実施するか否かの判断材料を、容易に取得できる。以上によれば、提案表示像Vaによる別ルートの提示が、ドライバにとっていっそう有益な情報であると感じられ易くなる。
尚、第一実施形態において、虚像Viが「表示像」に相当し、表示生成部77が「表示制御部」に相当し、選択可能レーンが「特定レーン」に相当し、HCU100が「表示制御装置」に相当する。
(第二実施形態)
本開示の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態においてHMIシステム10に採用されるHUD装置20は、図9に示すように、第一実施形態よりも広い投影範囲PAをウィンドシールドWSに設定する。HUD装置20の画角は、水平方向及び垂直方向のそれぞれにおいて、第一実施形態よりも拡大されている。その結果、ドライバから見た投影範囲PAの上縁は、例えば前方の水平線よりも上方となっている。加えて第二実施形態では、重畳可能レーンとなり得るレーンの本数、及び虚像Viを重畳可能な各レーンの路面の面積が、第一実施形態に対して増加している。
ここで上記第一実施形態では、渋滞情報等の予め規定された報知情報が道路情報に含まれるレーンを報知レーンLnaとした場合、自車レーンLnsが報知レーンLnaでない場合でも、表示生成部77は、自車レーンLnsに虚像Viを重畳表示させていた。即ち、第一実施形態では、自車レーンLnsへの道路情報の重畳表示が優先的に実施され、他の報知レーンLnaへの道路情報の重畳表示は、任意的な位置づけであった(図4参照)。
一方、第二実施形態の表示生成部77は、自車レーンLnsへの道路情報の重畳表示を任意とし、報知レーンLnaへの報知情報(渋滞情報等)の重畳表示を優先的に実施する。その結果、表示生成部77は、図9に示すように、左側レーンLn1、自車レーンLns及び右側レーンLn2のうちで、渋滞レーンLnj(図4参照)に繋がる右側レーンLn2のみの路面に、渋滞表示像Vjを重畳表示させる。以上のような虚像表示の制限によれば、前景の一部を塗り潰すような虚像Viが前景の視認性を悪化させる虞は、低減される。尚、図9に示すレーン別道路情報表示は、図4に示す走行シーンにて表示される内容である。
ここまで説明した第二実施形態では、予め規定された報知情報を含む道路情報が取得された場合、報知情報を示す虚像Viが、報知情報と紐付く報知レーンLnaに重畳表示される。そのためドライバは、報知情報の内容と共に、報知レーンの相対位置を、虚像Viから把握できるようになる。以上のように、例えば渋滞情報等の報知情報の報知レーンLnaへの重畳表示によっても、レーン毎の道路情報からドライバにとって有益な情報を抽出し、ドライバに分かり易く提示することが可能となる。
(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記第一実施形態の変形例1では、図10に示すように、渋滞表示像Vj及び非渋滞表示像Vnjは、路面にベタ塗り状に表示される態様ではなく、区画線に沿って帯状に延伸する形態とされている。具体的に、自車レーンLnsの非渋滞情報は、自車レーンLnsの両縁の区画線に沿って延伸する一対の非渋滞表示像Vnjによって通知される。一方、右側レーンLn2の渋滞情報は、右側レーンLn2及び自車レーンLns間の区画線に沿って延伸する渋滞表示像Vjによって通知される。以上の変形例1の表示態様であれば、投影範囲PAを重なる前景領域の大部分を虚像Viによって塗り潰してしまうことを回避できる。その結果、レーン別道路情報表示に起因した前景の視認性の悪化も、避けることができる。
上記第二実施形態の変形例2において、表示生成部77は、第一実施形態と同様に、図11に示すようなベタ塗り状の渋滞表示像Vj及び非渋滞表示像Vnjを、各レーンの路面に重畳表示可能である。加えて変形例2の表示生成部77は、重畳範囲に位置する前走車Afの相対位置情報を、外界情報取得部74から取得する。表示生成部77は、自車レーンLnsを走行する前走車Afが存在する場合、渋滞表示像Vj及び非渋滞表示像Vnj等の虚像Viが前走車Afに重畳されないように、前走車Af及び自車両間の車間距離に応じて、虚像Viの上縁位置を下方にシフトさせる。こうした表示制御により、レーン別道路情報表示が前走車Afの視認を難しくする事態は、回避される。
上記実施形態の変形例3では、誘導表示像Vg、LC表示像Vlc及び提案表示像Va(図5参照)を渋滞表示像Vj又は非渋滞表示像Vnjに重ねる表示を行う場合に、各表示像Vg,Vlc,Vaを時間的に変化させる。具体的には、自車レーンLnsを含む重畳可能レーンに渋滞表示像Vj又は非渋滞表示像Vnjを重畳表示させたうえで、各表示像Vg,Vlc,Vaのいずれかを、渋滞表示像Vj又は非渋滞表示像Vnjにさらに重畳表示させる。こうしたアニメーションの使用によれば、レーン別道路情報とルート案内とが、より分かり易くドライバに提示される。
また上記実施形態の変形例4では、各表示像Vg,Vlc,Vaの少なくとも一つは、ドライバの見た目上にて、渋滞表示像Vj又は非渋滞表示像Vnjと重ならないように表示される。
上記実施形態及び変形例のように、レーン別道路情報表示に用いられる虚像Viは、適宜変更されてよい。例えば、重畳可能レーンの全てに、報知情報を示す虚像Viが重畳表示されてよい。また、自車レーンLnsにのみに道路情報が表示されてもよく、又は報知レーンLnaのみに道路情報(報知情報)が表示されてもよい。さらに、ルート案内に関連するレーンのみに、道路情報が表示されてもよい。
さらに、各表示像の形状、発光色、表示位置等も適宜変更されてよい。例えば、上記のパターン1における渋滞表示像Vjは、パターン3の渋滞表示像Vjのような矢印状の表示像であってもよい(図5参照)。
上記実施形態のHMIシステムは、予め設定された基準アイポイント中心から見て、各レーンの路面に、渋滞表示像Vj及び非渋滞表示像Vnj等がずれ無く重畳されるように、各表示像の形状及び投影位置を制御していた。一方で、変形例5のHMIシステムは、例えばドライバのアイポイント位置を検出可能なドライバステータスモニタと連携し、検出された現在のアイポイントから見て各表示像が路面にずれ無く重畳されるように、各表示像の形状及び投影位置を逐次制御する。
上記実施形態の変形例6では、スマートフォン等のユーザ端末が、車載ネットワークに接続されている。ユーザ端末にて実行されるアプリケーションには、ドライバ等のユーザ操作により、目的地までの経路が設定されている。ユーザ端末は、目的地までの経路情報、及び関連するナビ地図データ等を、車載ネットワーク等を通じて経路情報取得部72に提供する。加えてユーザ端末は、設定経路上に生じた渋滞を開始のトリガとして、この渋滞を回避する経路を検索し、渋滞回避経路を示すリルート情報等を、経路情報取得部に提供できる。
また上記実施形態の変形例7の経路情報取得部72は、車外ネットワークを通じて、クラウド上のサーバから経路情報、地図データ、及び渋滞回避のためのリルート情報等を取得できる。以上の変形例6,7のように、スマートフォン又はクラウドサーバからルート案内に必要な情報が取得できるのであれば、ナビゲーション装置は、車両に搭載されていなくてもよい。
上記実施形態の変形例8では、ルート案内とレーン別道路表示との連携は、実施されない。また、レーン別道路表示と連携するルート案内のパターンは、上記のパターン1〜3(図5参照)に限定されない。さらに、上記実施形態の変形例9では、進行方向の道路形状に関わらず、レーン毎の道路情報の提示がAR表示によって実施される。
上記実施形態の変形例10では、HCU100とHUD装置20とが一体的に構成されている。即ち、変形例10のHUD装置20の制御回路には、HCU100の処理機能が実装されている。
重畳表示に用いられるHUD装置のプロジェクタの具体構成は、適宜変更されてよい。例えば変形例11のHUD装置には、LCD及びバックライトに替えて、EL(Electro Luminescence)パネルが設けられている。さらに、ELパネルに替えて、プラズマディスプレイパネル、ブラウン管及びLED等の表示器を用いたプロジェクタがHUD装置には採用可能である。
また変形例12のHUD装置には、LCD及びバックライトに替えて、レーザモジュール(以下「LSM」)及びスクリーンが設けられている。LSMは、例えばレーザ光源及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スキャナ等を含む構成である。スクリーンは、例えばマイクロミラーアレイ又はマイクロレンズアレイである。変形例12のHUD装置では、LSMから照射されるレーザ光の走査により、スクリーンに表示像が描画される。HUD装置は、スクリーンに描画された表示像を、拡大光学素子によってウィンドシールドに投影し、虚像を空中表示させる。
また変形例13のHUD装置には、DLP(Digital Light Processing,登録商標)プロジェクタが設けられている。DLPプロジェクタは、多数のマイクロミラーが設けられたデジタルミラーデバイス(以下、「DMD」)と、DMDに向けて光を投射する投射光源とを有している。DLPプロジェクタは、DMD及び投射光源を連携させた制御により、表示像をスクリーンに描画する。さらに、変形例14のHUD装置では、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)を用いたプロジェクタが採用されている。またさらに、変形例15のHUD装置には、虚像を空中表示させる光学系の一つに、ホログラフィック光学素子が採用されている。
上記実施形態にて、HCUによって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
また、上記の表示制御方法を実現可能なプログラム等を記憶する記憶媒体の形態も、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、HCUの制御回路に電気的に接続される構成であってよい。さらに、記憶媒体は、HCUへのプログラムのコピー基となる光学ディスク及びのハードディスクドライブ等であってもよい。
HMIシステムを搭載する車両は、一般的な自家用の乗用車に限定されず、レンタカー用の車両、有人タクシー用の車両、ライドシェア用の車両、貨物車両及びバス等であってもよい。さらに、モビリティサービスに用いられる無人運転専用の車両に、HMIシステム及びHCUが搭載されてもよい。また、HMIシステムを搭載する車両は、右ハンドル車両であってもよく、又は左ハンドル車両であってもよい。各コンテンツの表示形態は、車両のハンドル位置等に応じて最適化される。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
A 車両、Lns 自車レーン、Lna 報知レーン、Vi 虚像(表示像)、Vj 渋滞表示像、Vg 誘導表示像、Va 提案表示像、Vdt 差分表示像、11 処理部、71 道路情報取得部、72 経路情報取得部、75 道路形状認識部、76 レーン判定部、77 表示生成部(表示制御部)、100 HCU(表示制御装置)

Claims (12)

  1. 車両(A)において用いられ、前景に重畳される表示を制御する表示制御装置であって、
    複数のレーンを含む道路について、前記レーン毎の道路情報を取得する道路情報取得部(71)と、
    複数の前記レーンのうちで前記車両が走行中である自車レーン(Lns)を判定するレーン判定部(76)と、
    前記自車レーンについての前記道路情報を示す表示像(Vi)を、前記前景における前記自車レーンに重畳表示させる表示制御部(77)と、
    を備える表示制御装置。
  2. 車両(A)において用いられ、前景に重畳される表示を制御する表示制御装置であって、
    複数のレーンを含む道路について、前記レーン毎の道路情報を取得する道路情報取得部(71)と、
    複数の前記レーンのうちで前記車両が走行中である自車レーン(Lns)を判定するレーン判定部(76)と、
    前記前景における複数の前記レーンのうちで予め規定された報知情報が前記道路情報に含まれている報知レーン(Lna)に、前記報知情報を示す表示像(Vi)を重畳表示させる表示制御部(77)と、
    を備える表示制御装置。
  3. 前記表示制御部は、前記表示像を重畳可能な重畳可能レーンが複数ある場合、前記前景における各前記重畳可能レーンに、それぞれの前記道路情報を示す前記表示像を重畳表示させる請求項1又は2に記載の表示制御装置。
  4. 前記車両の進行方向における前記道路の形状を認識する道路形状認識部(75)、をさらに備え、
    前記表示制御部は、前記道路形状認識部にて進行方向のカーブ形状が認識されている場合、前記レーン毎の重畳表示を中止する請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  5. ルート案内のための経路情報を取得する経路情報取得部(72)、をさらに備え、
    前記表示制御部は、前記道路情報の提示を、前記経路情報の提示と関連させる請求項1〜4のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  6. 前記表示制御部は、
    前記経路情報の示す経路に従って前記車両を走行させることが可能な特定レーンを選別し、
    前記自車レーンの前記道路情報に進行方向の渋滞を示す情報が含まれており、且つ、前記特定レーンのうちで前記自車レーンを除く別レーンの前記道路情報に進行方向の渋滞を示す情報が含まれていない場合、前記表示像としての渋滞表示像(Vj)に加えて、前記別レーンへの誘導を行う誘導表示像(Vg)を、前記自車レーンに重畳表示させる請求項5に記載の表示制御装置。
  7. 前記表示制御部は、前記渋滞表示像と前記誘導表示像とを重ねて表示させる請求項6に記載の表示制御装置。
  8. 前記経路情報取得部は、進行方向の渋滞を回避可能な回避経路を示す渋滞回避情報を取得し、
    前記表示制御部は、前記経路情報取得部にて前記渋滞回避情報が取得された場合、前記表示像としての渋滞表示像(Vj)に加えて、前記回避経路を示す提案表示像(Va)を、前記自車レーンに重畳表示させる請求項5〜7のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  9. 前記表示制御部は、前記渋滞表示像と前記提案表示像とを重ねて表示させる請求項8に記載の表示制御装置。
  10. 前記表示制御部は、前記回避経路の選択によって短縮可能な時間を示す差分表示像(Vdt)をさらに表示させる請求項8又は9に記載の表示制御装置。
  11. 車両(A)において用いられ、前景に重畳される表示を制御する表示制御プログラムであって、
    少なくとも一つの処理部(11)に、
    複数のレーンを含む道路について、前記レーン毎の道路情報を取得し(S11,S102)、
    複数の前記レーンのうちで前記車両が走行中である自車レーン(Lns)を判定し(S12,S103)、
    前記自車レーンについての前記道路情報を、前記前景における前記自車レーンに重畳表示させる(S14,S107,S109)、
    ことを含む処理を実行させる表示制御プログラム。
  12. 車両(A)において用いられ、前景に重畳される表示を制御する表示制御プログラムであって、
    少なくとも一つの処理部(11)に、
    複数のレーンを含む道路について、前記レーン毎の道路情報を取得し(S11,S102)、
    複数の前記レーンのうちで前記車両が走行中である自車レーン(Lns)を判定し(S12,S103)、
    前記前景における複数の前記レーンのうちで予め規定された報知情報が前記道路情報に含まれている報知レーン(Lna)に、前記報知情報を示す表示像(Vi)を重畳表示させる(S14,S107,S109)、
    ことを含む処理を実行させる表示制御プログラム。
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