JP2020116715A - 工作機械の撮像システムおよび撮像方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加工物の加工に伴って生じる飛散物に起因して画像にフレアが生じることを実質的に低減または排除することにより、鮮明な撮像画像を得て、工作機械による精緻な加工を実現する撮像システムおよび撮像方法を提供する。【解決手段】撮像システムは、工作機械内に配置された被加工物を照明する複数の照明部と、前記照明部で照明された前記被加工物を撮像する撮像部と、前記照明部および前記撮像部に接続された制御部と、を備え、前記制御部は、前記撮像部で撮像された画像に基づいて、前記被加工物の加工に伴って生じる飛散物を照明する前記照明部を特定するとともに、特定された前記照明部からの照明光の特性を調整する。【選択図】図4

Description

本発明は、コンピュータ数値制御(CNC)工作機械に用いられる撮像システムおよび撮像方法に関し、とりわけ工作機械内に配置された被加工物を照明する複数の照明部と、照明部で照明された被加工物を撮像する撮像部と、照明部および撮像部に接続された制御部とを備えた撮像システムおよびこれを用いた撮像方法に関する。
従来より、カメラによってCNC工作機械の内部を撮影し、その画像を工作機械の外部に配置されたディスプレイ装置で表示するシステムが知られていた。例えば特許文献1には、加工領域を外部と隔てるカバー体を備えた工作機械が記載され、このカバー体は、扉部を介して、加工領域と外部とを連通させる開口部を有するが、外部から加工領域を視認できる窓部が設けられていない。また特許文献1の工作機械は、加工領域の画像を撮像するカメラと、撮像された画像を表示するディスプレイ装置とを備える。こうして撮像された画像は、ディスプレイ装置を介してリアルタイムでオペレータに表示され、コントローラにより加工の進捗状況等を解析するための画像データを提供して、工作機械による加工の制御にフィードバックされる。よって特許文献1の工作機械において、カメラで撮像された画像が鮮明であるほど、工作機械による精緻な加工を実現することができる。
一般に、工作機械は、加工領域において大量のクーラント液を研削または切削等の工具の刃先に向けて噴射して、工具の刃先を冷却するように構成されている。光源として、小型で信頼性の高い複数のLED光源が用いられる。刃先に向けて噴射されたクーラント液は、被加工物および刃先に衝突して飛散する。すなわち被加工物の加工に伴って、クーラント液の小滴(霧状の液滴)等の飛散物が形成される。このとき複数のLED光源からの光が、飛散物で反射するが、CCDカメラ等の撮像部に強い光が入ると、画像の一部または全体が白っぽくなる現象が生じる(以下、本願では、このような現象を「フレア」現象、または単に「フレア」という。)。フレアが生じた画像では、被加工物または加工時に生じた切削屑の堆積物の輪郭(加工状態)がぼやけることがあり、工作機械による精緻な加工を阻害する虞があるため、フレアを排除することが強く望まれていた。
特開2017−159407号
そこで本発明の1つの態様は、被加工物の加工に伴って生じる飛散物に起因して撮像画像にフレアが生じることを実質的に低減または排除することにより、鮮明な撮像画像を得て、工作機械による精緻な加工を実現することを目的とする。
本発明に係る第1の態様は、工作機械に用いられる撮像システムに関し、この撮像システムは、工作機械内に配置された被加工物を照明する複数の照明部と、前記照明部で照明された前記被加工物を撮像する撮像部と、前記照明部および前記撮像部に接続された制御部と、を備え、前記制御部は、前記撮像部で撮像された画像に基づいて、前記被加工物の加工に伴って生じる飛散物を照明する前記照明部を特定するとともに、特定された前記照明部からの照明光の特性を調整する。
また本発明に係る第2の態様は、工作機械に用いられる撮像方法に関し、この撮像方法は、複数の照明部を用いて、工作機械内に配置された被加工物を照明する照明工程と、撮像部を用いて、前記照明部で照明された前記被加工物を撮像する撮像工程と、撮像された画像に基づいて、前記被加工物の加工に伴って生じる飛散物を照明する前記照明部を特定する特定工程と、特定された前記照明部からの照明光の特性を調整する調整工程と、を備える。
本発明に係る態様によれば、被加工物の加工に伴って生じる飛散物に起因して画像にフレアが生じることを実質的に低減または排除することにより、鮮明な撮像画像を得て、工作機械による精緻な加工を実現することができる。
本発明の実施形態1に係る工作機械の全体的構成を示す概略斜視図である。 実施形態1に係る撮像システムの概略的構成を示す拡大斜視図である。 実施形態1に係る撮像システムの概略的構成を示すブロック図である。 加工時の図2の撮像システムの平面図である。 実施形態1に係る変形例1の加工時の撮像システムの斜視図である。 実施形態2に係る撮像システムの概略的構成を示すブロック図である。 実施形態2に係る撮像システムの撮像部および照明部を示す正面図である。 実施形態2に係る撮像システムの撮像方法を示すフローチャートである。 実施形態2に係る撮像システムの複数の照明部のそれぞれのオンオフ動作を示すタイミングチャートである。 実施形態2の変形例2に係る撮像方法を示すフローチャートである。 実施形態2の変形例2の撮像システムの複数の照明部のそれぞれのオンオフ動作を示すタイミングチャートである。 実施形態3に係る撮像システムの撮像部および照明部を示す正面図である。 実施形態3に係る撮像方法を示すフローチャートである。 実施形態3の撮像システムの複数の照明部のそれぞれのオンオフ動作を示すタイミングチャートである。 実施形態3の変形例3に係る撮像方法を示すフローチャートである。 実施形態3の変形例3の撮像システムの複数の照明部のそれぞれのオンオフ動作を示すタイミングチャートである。 実施形態4に係る撮像方法を示すフローチャートである。 実施形態4の撮像システムの複数の照明部のそれぞれのオンオフ動作を示すタイミングチャートである。
添付図面を参照して本発明に係る工作機械に用いられる撮像システムおよび撮像方法の実施形態を以下説明する。各実施形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上下」および「X軸、Y軸、Z軸」等)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。なお各図面において、工作機械の各構成部品の形状または特徴を明確にするため、これらの寸法を相対的なものとして図示し、必ずしも同一の縮尺比で表したものではない。また、各図面において同一の構成部品には同一の符号を用いて示す。
[実施形態1]
図1〜図5を参照しながら、本発明に係る撮像システムおよび撮像方法の実施形態1について以下詳細に説明する。図1は、本発明の各実施形態に係る工作機械100の全体的構成を示す概略的な斜視図であり、図2は、工作機械100の内部に配置された実施形態1に係る撮像システム1の構成部品を示す模式的な斜視図である。また、図3は、図2の撮像システム1の概略的構成を示すブロック図であり、図4は、被加工物Wを加工しているときの図2の撮像システム1の平面図である。
実施形態1に係る工作機械100は、図1に示すように、工場等のフロアに直接的に据え置かれた工作機械チャンバ101(以下、単に「チャンバ」ともいう。)を備える。また工作機械100は、チャンバ101内に配置されたベッド102と、ベッド102からZ方向(図1の上方向)に延びるコラム103と、コラム103からX方向(図1の左方向)に延びるサドル104と、サドル104に固定された主軸頭105と、主軸頭105に着脱自在に取り付けられた研削ツール21と、被加工物W(以下、「ワーク」ともいう。)を固定して支持する載置台106(以下、「テーブル」ともいう。)とを備える。
本発明に係る工作機械100は、研削ツール21の代わりに穿孔ツール(ドリル)または研磨ツール(砥石、ともに図示せず)等の任意の適当な加工ツールを取り付けることにより、テーブル106に載置されたワークWを穿孔加工または研磨加工等を行うことができる。また各実施形態に係る工作機械100は、好適には、X軸、Y軸、Z軸、回転軸および傾斜軸を制御して、ワークWをワンチャッキングで多面加工することができる5軸複合加工機械であってもよい。
図1および図2に示すように、被加工物Wは、テーブル106に固定されており、Z軸を中心とした円形の凸部Tを有するものである。研削ツール21は、駆動ロッド22を介して主軸頭105に取り付けられ、Z軸に平行な中心軸周りに回転するように構成されている。実施形態1の工作機械100において、回転する研削ツール21が被加工物Wの凸部Tの垂直面(Z軸方向に沿った側面)に当接することにより、被加工物Wの凸部Tが任意の半径を有するように研削加工することができる。
また、研削ツール21の回転方向とは逆方向に被加工物W(テーブル106)を回転させながら、研削ツール21を被加工物Wの凸部Tの垂直面に当接させて研削加工してもよい。その他、被加工物WをZ軸周りに回転させ、主軸頭105に固定したフライスを上下方向に移動させることにより、被加工物Wの凸部Tを研削加工してもよい。すなわち、工作機械100による加工手法は、本発明を限定するものではない。同様に、被加工物Wの加工は、上述の単純な形状に限定されるものではなく、本発明は、5軸複合加工機械で実現されるさまざまな形状および加工に対して適用可能である。
図3は、実施形態1に係る撮像システム1の概略的構成を示すブロック図であり、図4は、工作機械100が被加工物を加工しているときの撮像システム1の平面図である。
図2〜図4に示すように、実施形態1に係る撮像システム1は、概略、研削ツール21(および/またはテーブル106)を回転駆動する加工部20、被加工物Wおよび研削ツール21を冷却するために、これらに向けて大量のクーラント液を噴射するノズル31を含む冷却部30と、加工時の被加工物Wならびに研削ツール21およびこれらの背景の画像を撮像(モニター)するCCDカメラ等の撮像部40と、加工時の被加工物Wを照明するLED等の複数の照明部50(照明部1および照明部2)と、上記構成部品を制御する制御部60とを備える。なお、図4ではテーブル106を省略している。
工作機械100の加工時、制御部60は、主軸頭105内に配置されたモータ(加工部20)を用いて研削ツール21をZ軸周りに回転させながら、被加工物Wの凸部Tに当接させるとともに、大量のクーラント液をノズル31(冷却部30)から被加工物Wおよび研削ツール21に向けて噴射し、これらを冷却する。図4の黒点で示すように、ノズル31から噴射されたクーラント液は、被加工物Wおよび研削ツール21に衝突して飛散し、霧状の液滴(霧状クーラントC)を形成する。なお、被加工物の加工の際に生じる飛散物には、霧状クーラントCの他、加工時に被加工物から生じる切子や切削屑等の粉砕物、および/または機械摺動面に供給される潤滑油、あるいは粉砕物もしくは潤滑油を包含した霧状クーラントCが含まれ、本願ではこれらを総称して「飛散物」という。
撮像部40は、加工時の被加工物Wならびに研削ツール21およびこれらの背景の画像を撮像し、制御部60は、撮像部40から得た画像データを解析して、加工部20による加工の制御にフィードバックする。照明部50は、オンオフの応答速度が速く信頼性の高い発光ダイオードランプ(以下、単に「LED」という。)を用いて、被加工物Wおよび研削ツール21を照明する。例えば、研削ツール21による被加工物Wの研削加工が進むにつれ、研削ツール21の位置がZ軸に接近するが、一般に、加工の進捗に応じて、被加工物Wおよび研削ツール21の位置が変化する。そこで制御部60は、加工部20の制御手順(制御プログラム)に応じて、冷却部30のノズル31、撮像部40、および照明部50の位置および指向角度を任意に調整できるように構成されている。すなわち制御部60は、ノズル31、撮像部40、および照明部50の位置および指向角度を常に認識し、制御することができる。
図4の黒点で示す霧状クーラントCは、クーラント液の小滴(霧状の液滴)であり、研削ツール21の周りに放射状に飛散する。撮像部40は、照明部50からの光で霧状クーラントCの小滴、被加工物W、研削ツール21、および加工時に生じた切削屑の堆積物を照明することにより、これらの画像を撮像する。このとき、霧状クーラントCの小滴、撮像部40、および照明部50の位置等に依存するが、いずれか一方の照明部50(照明部1または照明部2)からの光が霧状クーラントCの小滴に反射して、撮像部40に部分的に強い光が入り、画像の一部または全体が白っぽくなるフレアが生じる場合がある。フレアが生じた画像では、被加工物Wまたは加工時に生じた切削屑の堆積物の輪郭(加工状態)がぼやけてしまう。
そこで実施形態1に係る制御部60は、撮像部40で撮像された画像にフレアが生じないように、フレアの原因となる霧状クーラントCの小滴の位置を特定するとともに、フレアを引き起こす照明部50(照明部1または照明部2)を減灯(照明部50からの光強度を低減)または消灯させるように構成されている。本願では、便宜上、フレアの原因となる霧状クーラントCを「フレアクーラントFC」といい、フレアを引き起こす照明部を「フレア照明部50」という。
具体的には、まず制御部60は、撮像画像にフレアが生じたか否かを判定する。制御部60は、上述のとおり、撮像部40と照明部50の位置および指向角度を常に認識して制御しているが、フレアが生じた画像に基づいて、撮像部40からフレアクーラントFCまでの距離dと、撮像部40の中心軸に対する傾斜角θとを求める。撮像部40は、タイム・オブ・フライト(ToF:Time of Flight)センサーを含むものであってもよい。制御部60は、フレアクーラントFCまでの距離dおよび傾斜角θから、例えばフレア照明部が「照明部1」であると判定することができる。さらに制御部60は、その後一定期間、照明部1を減灯または消灯させ、照明部2のみを用いて被加工物Wおよび研削ツール21を照明し、これらの画像を得るように制御する。こうして実施形態1に係る制御部60は、被加工物Wまたは加工時に生じた切削屑の堆積物の輪郭(加工状態)を示す鮮明な撮像画像を得て、加工部20による精緻な加工を実現することができる。
また制御部60は、詳細図示しないが、人工知能(AI:Artificial Intelligence)機能を備え、フレアクーラントFCまでの距離dや傾斜角θをはじめ、被加工物Wの構成材料、研削ツール21の種類、クーラントの構成材料、ノズル31から噴出されるクーラントの噴出速度、および照明部50からの照明光の波長をパラメータとして、撮像した画像に関連付け、ディープラーニング等のニューラルネットワークにおける学習済みの重み付け係数と応答関数に基づく演算を行い、フレアクーラントFCの位置/角度およびフレア照明部50を導出するように機械学習してもよい。
このように制御部60は、撮像部40で撮像された画像に基づいて、フレアが生じたことを判定し、フレアクーラントFCの位置/角度を導出し、一定の点灯期間、フレア照明部を減灯または消灯させることにより、フレアが生じない画像を撮像することができる。これにより、制御部60は、被加工物Wまたは加工時に生じた切削屑の堆積物の輪郭(加工状態)を示す鮮明な撮像画像を得て、加工部20による精緻な加工を実現することができる。また制御部60は、一定の点灯期間が経過した後、撮像画像にフレアが生じたか否か、周期的に判定するように構成してもよい。
上記実施形態1の被加工物Wは、テーブル106に固定されており、Z軸を中心とした円形の凸部Tを有するものであったが、本発明は、被加工物Wの態様および加工部20の加工ツール21の種別等に限定されるものではなく、冷却部30を用いてクーラント液を被加工物Wおよび研削ツール21に噴射しながら加工する工作機械100の撮像システムに広く採用することができる。
(変形例1)
図5は、実施形態1の変形例1に係る撮像システム1の斜視図である。図5の撮像システム1において、被加工物Wが側方チャック23に取り付けられ、砥石等の研磨ツール(加工部20)がX軸周りに回転するスピンドル24に接続され、クーラントを噴射するノズル31(冷却部30)が側方のタレット25に取り付けられている。また撮像システム1は、実施形態1と同様、2つの照明部50で被加工物Wおよび加工部20を照明し、撮像部40を用いてこれらの画像を撮像するように構成されている。
図5に示す撮像システムにおいて、制御部60は、同様に、撮像画像にフレアが生じたか否かを判定し、フレアが生じた画像に基づいて、撮像部40からフレアクーラントFCまでの距離dと、撮像部40の中心軸に対する傾斜角θとを求める。そして制御部60は、距離dおよび傾斜角θから、例えばフレア照明部が照明部1であると判定し、その後一定期間、照明部1を減灯または消灯させ、照明部2のみを用いて被加工物Wおよび研削ツール21を照明し、これらの画像を得るように制御する。
このように制御部60は、上記実施形態1と同様、撮像部40で撮像された画像に基づいて、フレアが生じたことを判定し、フレアクーラントFCの位置/角度を導出し、一定の点灯期間、フレア照明部を減灯または消灯させることにより、フレアが生じない画像を撮像することができる。こうして制御部60は、被加工物Wまたは加工時に生じた切削屑の堆積物の輪郭(加工状態)を示す鮮明な撮像画像を得て、加工部20による精緻な加工を実現することができる。
[実施形態2]
図6〜図9を参照しながら、本発明に係る撮像システムおよび撮像方法の実施形態2について以下詳細に説明する。実施形態2の撮像システムは、10個の照明部50を備える点を除き、実施形態1の撮像システム(2個)と同様の構成を有するので、重複する点については説明を省略する。
図6は、実施形態2に係る撮像システム2の概略的構成を示すブロック図であり、図7は、実施形態2に係る撮像システム2の撮像部40および複数の照明部50を示す正面図である。上述のとおり、実施形態2に係る撮像システム2は、10個の照明部50(図6の照明部1〜10)を有し、図7で示すように、中央に配置された撮像部40の周りに照明部50が等角度間隔に配置されている。図7では、各照明部50は、撮像部40と同心円状に36度間隔で配置されているが、この構成に限定されるものではなく、楕円および矩形等の任意の形状に沿って任意の間隔で配置してもよいし、撮像部40と各照明部50を別体として構成してもよい。また図6の撮像システム2は、回転矢印で示すように、任意の直交する回転軸の周りで回転することができ、制御部60は、被加工物Wを加工する加工部20に向けて、撮像部40および各照明部50を任意の方向に指向させることができる。
制御部60は、各照明部50(照明部1〜10)を互いに独立して点灯または消灯(減灯)させることができる。撮像部40は、短いフレーム単位期間で被加工物Wおよび加工部20を撮像して、画像データをリアルタイムで制御部60に送信することができるCCDカメラを採用することが好ましく、例えばフレーム単位期間は1msである。フレーム単位期間とは、撮像部40が連続して撮像できる画像フレームの最小時間であってもよい。また各照明部50は、実施形態1と同様、オンオフの応答速度が速く、信頼性の高いLEDを用いることが好ましく、フレーム単位期間の同等の応答速度(例えば1ms)でオンオフ動作させることができる。
図8は、実施形態2に係る撮像システム2の制御(撮像方法)を示すフローチャートであり、図9は、実施形態2に係る撮像システム2の複数の照明部のオンオフ動作を示すタイミングチャートである。図8および図9を参照しながら、実施形態2に係る撮像方法について詳細に以下説明する。なお、本発明を容易に理解しやすくするために、各照明部50を「LED1〜10」といい、撮像部40を単にカメラ40といい、カメラ40で撮像される被加工物Wならびに研削ツール21およびこれらの背景の画像を「カメラ画像」という。
実施形態2に係る撮像方法によれば、制御部60は、ステップST01において、フレーム単位期間の10倍に相当する所定の全灯期間(例えば10ms)、すべてのLED1〜10が点灯し、カメラ40がカメラ画像を撮像するように制御するとともに、制御部60内のメモリ(図示せず)に各フレーム単位期間に対応するそれぞれのカメラ画像またはその平均値としてのカメラ画像に関する画像データを記憶する。このとき、全灯期間中に撮像されたカメラ画像にフレアが発生しているものとする。カメラ画像にフレアが発生していない場合は、詳細図示しないが、制御部60は、ST01に戻って、全灯期間すべてのLED1〜10を点灯させる。すなわち、この実施形態に係る撮像方法によれば、カメラ画像にフレアが発生しない限り、通常の撮像方法と同様、継続してすべてのLED1〜10を点灯させて、カメラ画像を撮像する。なお、全灯期間は、10msより長く、または短く設定してもよい。
ステップST02において、制御部60は変数iを1に設定する。ステップST03において、全灯期間終了後、制御部60は、LEDiのみをフレーム単位期間(例えば1ms)だけ消灯させ(OFF)、ステップST04において、カメラ画像からフレアが消失したか否かを判定する。ステップST05において、制御部60は、カメラ画像からフレアが消失したときに消灯させたLEDiを制御部60内のメモリ(図示せず)に記憶する。ステップST06において、制御部60は、変数iをインクリメントし、ステップST03〜ST06を反復する。
ステップST07において、制御部60は、変数iが10を超えたとき(i=11)、ステップST08に進み、フレアが消失したときに消灯させたLEDi(例えば図9のLED5)以外の各LEDを所定の照明期間(例えば80ms)だけ点灯させて、カメラ画像を得る。このとき制御部60は、照明期間、フレアが消失したときに消灯させたLEDiを完全に消灯させるのではなく、一定の割合で減灯(LEDiからの光強度を低減)させてもよく、カメラ画像に与えるフレアの程度に応じて減灯させてもよい。
ステップST09において、制御部60は、フレアを排除または実質的に低減させたカメラ画像を得て、被加工物Wまたは加工時に生じた切削屑の堆積物の輪郭(加工状態)を示す鮮明なカメラ画像を解析することにより、加工部20による精緻な加工を実現することができる。制御部60は、ステップST09の後、再びステップST01に戻って、ST01〜09の動作を反復的に行い、継続的に鮮明なカメラ画像を得て、加工部20を用いて正確な加工を行う。
(変形例2)
図10および図11を参照しながら、実施形態2の変形例2について以下説明する。変形例2の撮像方法は、概略、各LED1〜10を順次点灯させて、カメラ画像にフレアが発生するか否かを判定する点以外、実施形態2の撮像方法と同様のものであるので、重複する点については説明を省略する。
図10は、変形例2に係る撮像方法を示すフローチャートであり、図11は、変形例2に係る撮像システム2の複数の照明部のオンオフ動作を示すタイミングチャートである。図10および図11を参照しながら、変形例2に係る撮像方法について以下説明する。
変形例2に係る撮像方法によれば、制御部60は、ステップST11において、制御部60は変数iを1に設定した後、ステップST12でLEDiをフレーム単位期間(例えば1ms)点灯させて(ON)、ステップST13でカメラ画像にフレアが発生したか否かを判定する。またステップST14において、制御部60は、カメラ画像にフレアが発生したときに点灯させたLEDiを制御部60内のメモリ(図示せず)に記憶する。ステップST15において、制御部60は、変数iをインクリメントし、ステップST12〜ST15を反復する。
ステップST16において、制御部60は、変数iが10を超えたとき(i=11)、ステップST17に進み、フレアが発生したときに点灯させたLEDi(例えば図11のLED5)以外の各LEDを所定の照明期間(例えば90ms)だけ点灯させて、カメラ画像を得る。このとき実施形態2と同様、変形例2に係る制御部60は、照明期間、フレアが発生したときに点灯させたLEDiを完全に消灯させるのではなく、一定の割合で減灯(LEDiからの光強度を低減)させてもよく、カメラ画像に与えるフレアの程度に応じて減灯させてもよい。
ステップST18において、制御部60は、フレアを排除または実質的に低減させたカメラ画像を得て、被加工物Wまたは加工時に生じた切削屑の堆積物の輪郭(加工状態)を示す鮮明なカメラ画像を解析することにより、加工部20による精緻な加工を実現することができる。制御部60は、ステップST18の後、再びステップST11に戻って、ST11〜18の動作を反復的に行い、継続的に鮮明なカメラ画像を得て、加工部20を用いて正確な加工を行う。
[実施形態3]
図12〜図14を参照しながら、本発明に係る撮像システムおよび撮像方法の実施形態3について以下詳細に説明する。実施形態3の撮像システム3は、5個の照明部50を備え、各照明部50が互いに異なるピーク波長を有する2つのLED(例えば赤外LEDおよび白色LED)を有する点を除き、実施形態2の撮像システム2(単色)と同様の構成を有するので、重複する点については説明を省略する。
図12は、実施形態3に係る撮像システム3の撮像部40および複数の照明部50を示す正面図である。図示のように、撮像システム3は、中央に配置された撮像部40の周りに5個の照明部50(図12参照)を有し、各照明部50は、例えば赤外LEDチップ(LED/IR)および白色LEDチップ(LED/W)を有する。図12では、各照明部50の赤外LEDおよび白色LEDをそれぞれ「50IR」および「50W」と示す。
実施形態3の撮像部40は、撮像波長を可視帯域から赤外帯域まで撮像可能なCMOSセンサーであるか、あるいは可視帯域で撮像可能な可視光センサーと赤外帯域で撮像可能な赤外センサーを備える。なお白色LEDチップとは、紫外LEDまたは青色LEDチップの周囲に蛍光体を配置したものであってもよいし、青色、緑色および赤色LEDチップを組み合わせたものであってもよい。
ところで、クーラント液は、水、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、および水溶性加工油剤(潤滑油)等のさまざま成分で構成されており、上記各成分は、特定の赤外ピーク波長で高い吸光係数を有する。例えば、水は1450nm、ポリエチレングリコールは1452nm、そしてポリプロピレングリコールは1427nmの吸収波長で高い吸光係数を有する(光をより吸収しやすい)。
そこで実施形態3の各照明部50の赤外LEDチップとして、例えば1450nm付近のピーク波長を有するものを採用することにより、制御部60は、赤外LEDチップから赤外光で照明したときのカメラ画像(以下、「赤外カメラ画像」という。)に基づいて、実施形態1と同様、クーラント液の各小滴の位置/角度を監視することができる。なお本願では、クーラント液(飛散物)が選択的に吸収する光(特定の吸収波長で吸光係数の高い光、例えば赤外光)を「第1のスペクトル光」といい、選択的に吸収しない白色光を「第2のスペクトル光」ともいう。
また制御部60は、上記実施形態と同様、赤外カメラ画像と、白色LEDチップからの白色光で照明したカメラ画像(以下、「白色カメラ画像」という。)にフレアが発生したか否かを判定して、フレアの原因となる飛散物の位置/角度、およびフレア照明部50を特定することができる。
さらに、制御部60は、白色カメラ画像と赤外カメラ画像とを比較することにより、加工時に生じる粉砕物に起因するフレアと、霧状クーラントCに起因するフレアとを区別することができる。すなわち制御部60は、被加工物Wおよび研削ツール21等の背景物に起因するフレアが発生した場合であっても、これを許容し、フレアクーラントFCを検出した場合に限定して、フレア照明部50を消灯または減灯させてもよい。こうして実施形態3に係る撮像方法によれば、フレアクーラントFCに起因するフレアのみを排除または低減し、継続的に鮮明なカメラ画像を解析して、正確な加工を実現することができる。
択一的に、制御部60は、実施形態1で上記説明したように、人工知能(AI)機能を備えることにより、フレアクーラントFCをより確実に特定するように構成してもよい。具体的には、制御部60は、撮像した赤外カメラ画像と白色カメラ画像を比較し、霧状クーラントCに起因するフレアが発生したときのフレアクーラントFCまでの距離dや傾斜角θ等の上記パラメータをビッグデータとして蓄積した後(学習済みの重み付け係数と応答関数を得た後)、白色カメラ画像に発生するであろうフレアクーラントFCまでの距離dや傾斜角θを、赤外カメラ画像のみから予測する。そして制御部60は、より短い検出期間(例えば5ms=1ms×5)、各赤外LEDチップで照明して赤外カメラ画像を得ることにより、実施形態1と同様、フレアクーラントFCおよびフレア照明部50を導出してもよい(図示せず)。こうして制御部60は、フレアクーラントFCをより迅速かつ確実に特定し、フレア照明部50を消灯または減灯させ、フレアクーラントFCに起因するフレアのみを排除または低減し、継続的に鮮明なカメラ画像を得て、加工部20を用いて正確な加工を行うことができる。
概略的に上記説明した実施形態3に係る撮像方法について、図13および図14を用いて詳細に以下説明する。図13は、実施形態3に係る撮像システム3の撮像方法を示すフローチャートであり、図14は、実施形態3に係る撮像システム3の複数の照明部のオンオフ動作を示すタイミングチャートである。実施形態3に係る撮像システム3は、照明部50として、赤外LEDチップ(LED1〜5/IR)および白色LEDチップ(LED1〜5/W)を備える。
実施形態3に係る撮像方法によれば、制御部60は、ステップST21において、所定の全灯期間(例えば10ms)において、すべての赤外LEDチップ(LED1〜5/IR)および白色LEDチップ(LED1〜5/W)が交互に点灯し、撮像部40が赤外カメラ画像と白色カメラ画像を撮像するように制御するとともに、制御部60内のメモリ(図示せず)に各フレーム単位期間に対応するそれぞれのカメラ画像またはその平均値としてのカメラ画像に関する画像データを記憶する。このとき、少なくとも白色カメラ画像(および赤外カメラ画像)にフレアが発生しているものとする。白色カメラ画像にフレアが発生していない場合は、詳細図示しないが、ST21に戻って、全灯期間すべてのLED1〜5/IRおよびLED1〜5/Wを点灯させる。すなわちこの撮像方法によれば、少なくとも白色カメラ画像(および赤外カメラ画像)にフレアが発生しない限り、一般の撮像方法と同様、継続してすべてのLED1〜5/IRおよびLED1〜5/Wを点灯させて、赤外カメラ画像および白色カメラ画像を撮像する。制御部60は、LED1〜5/IRの赤外カメラ画像から、クーラント液の各小滴の位置/角度/分布状態を特定することができる。なお、全灯期間は、10msより長く、または短く設定してもよい。
ステップST22において、制御部60は変数iを1に設定する。ステップST23において、全灯期間終了後、制御部60は、LEDi/IRおよびLEDi/Wをそれぞれフレーム単位期間(例えば1ms)だけ消灯させ(OFF)、ステップST24において、白色カメラ画像からフレアが消失したか否か、すなわちフレアクーラントFCを検出したか否かを判定する。このように制御部60は、LED1〜5/Wの白色カメラ画像から、フレアの発生原因となる飛散物または背景物の位置/角度を特定し、赤外カメラ画像から得られたクーラント液の各小滴の位置/角度と比較することにより、フレアの原因となるフレアクーラントFCを検出したか判定する。
ステップST25において、制御部60は、白色カメラ画像からフレアが消失したときに消灯させたLEDi/IRおよびLEDi/Wを制御部60内のメモリ(図示せず)に記憶する。ステップST26において、制御部60は、変数iをインクリメントし、ステップST23〜ST25を反復する。
ステップST27において、制御部60は、変数iが5を超えたとき(i=6)、ステップST28に進み、フレアが消失したときに消灯させたLEDi/IRおよびLEDi/W(例えば図14のLED3/IRおよびLED3/W)以外の各LEDを所定の照明期間(例えば80ms)だけ点灯させて、赤外カメラ画像および白色カメラ画像を得る。このとき、制御部60は、照明期間、フレアが消失したときに消灯させたLEDi/IRおよびLEDi/Wを完全に消灯させるのではなく、一定の割合で減灯(LEDiからの光強度を低減)させてもよく、カメラ画像に与えるフレアの程度に応じて減灯させてもよい。
ステップST29において、制御部60は、クーラントフレアを排除または実質的に低減させたカメラ画像を得て、被加工物Wまたは加工時に生じた切削屑の堆積物の輪郭(加工状態)を示す鮮明なカメラ画像を解析することにより、加工部20による精緻な加工を実現することができる。制御部60は、ステップST29の後、再びステップST21に戻って、ST21〜29の動作を反復的に行い、継続的に鮮明なカメラ画像を得て、加工部20を用いて正確な加工を行う。
(変形例3)
図15および図16を参照しながら、実施形態3の変形例3について以下説明する。変形例3の撮像方法は、概略、各LEDi/IRおよびLEDi/Wを順次点灯させて、少なくとも白色カメラ画像(および赤外カメラ画像)にクーラントフレアが発生するか否かを判定する点以外、実施形態3の撮像方法と同様のものであり、実施形態2に対する変形例2に対応するものであるので、重複する点については説明を省略する。
図15は、変形例3に係る撮像方法を示すフローチャートであり、図16は、変形例3に係る撮像システム3の複数の照明部のオンオフ動作を示すタイミングチャートである。図15および図16を参照しながら、変形例3に係る撮像方法について以下説明する。
変形例3に係る撮像方法によれば、制御部60は、ステップST31において、制御部60は変数iを1に設定した後、ステップST32でLEDi/IRおよびLEDi/Wをフレーム単位期間(例えば1ms)点灯させて(ON)、ステップST33で少なくとも白色カメラ画像(および赤外カメラ画像)にフレアが発生したか否かを判定する。またステップST34において、制御部60は、少なくとも白色カメラ画像(および赤外カメラ画像)にフレアが発生したときに点灯させたLEDi/IRおよびLEDi/Wを制御部60内のメモリ(図示せず)に記憶する。ステップST35において、制御部60は、変数iをインクリメントし、ステップST32〜ST35を反復する。
ステップST36において、制御部60は、変数iが5を超えたとき(i=6)、ステップST37に進み、フレアが発生したときに点灯させたLEDi/IRおよびLEDi/W(例えば図16のLED3/IRおよびLED3/W)以外の各LEDを所定の照明期間(例えば90ms)だけ点灯させて、赤外カメラ画像および白色カメラ画像を得る。このとき実施形態3と同様、制御部60は、照明期間、フレアが発生したときに点灯させたLEDi/IRおよびLEDi/Wを完全に消灯させるのではなく、一定の割合で減灯(LEDiからの光強度を低減)させてもよく、カメラ画像に与えるフレアの程度に応じて減灯させてもよい。
ステップST38において、制御部60は、クーラントフレアを排除または実質的に低減させたカメラ画像を得て、被加工物Wまたは加工時に生じた切削屑の堆積物の輪郭(加工状態)を示す鮮明なカメラ画像を解析することにより、加工部20による精緻な加工を実現することができる。制御部60は、ステップST38の後、再びステップST31に戻って、ST31〜38の動作を反復的に行い、継続的に鮮明なカメラ画像を得て、加工部20を用いて正確な加工を行う。
[実施形態4]
図17および図18を参照しながら、本発明に係る撮像システムおよび撮像方法の実施形態4について以下詳細に説明する。実施形態4の撮像システム4は、5個の照明部50を備え、各照明部50が互いに異なるピーク波長を有する2つのLED(例えば青色LED/Bおよび赤色LED/R)を有する点を除き、実施形態3の撮像システム3(赤外LED/IRと白色LED/W)と同様の構成を有するので、重複する点については説明を省略する。
ところで、クーラント液は、被加工物Wおよび研削ツール21に衝突/飛散して形成された霧状の液滴(クーラント液の小滴)であり、一定の径を有する球状の小滴で構成される場合が多い。一般に、球状の小滴は、その径が小さいほど、より長い波長の光を散乱しやすく、より短い波長の光を選択的に反射しやすい(反射率が高い)。なお本願では、クーラント液(飛散物)が選択的に反射する光(特定の反射波長を有する光、例えば青色光)を「第3のスペクトル光」といい、選択的に吸収しない光(例えば赤色光)を「第4のスペクトル光」ともいう。
そこで実施形態4に係る撮像システムおよび撮像方法は、クーラント液の小滴が特定の粒径を有するものと仮定し、照明部50の青色LEDから青色光を照明して得たときのカメラ画像(以下、「青色カメラ画像」という。)と、照明部50の赤色LEDから赤色光を照明して得たときのカメラ画像(以下、「赤色カメラ画像」という。)とを比較して、両者の差異が著しい画像の部分をクーラント小滴に起因するものと判定する。こうして実施形態4に係る制御部60は、実施形態3と同様、青色カメラ画像および赤色カメラ画像から、クーラント液の各小滴の位置/角度を監視することができる。
また制御部60は、青色カメラ画像および赤色カメラ画像にフレアが発生したか否かを判定することにより、フレアの原因となるフレアクーラントFCおよびフレア照明部50を特定することができる。さらに、被加工物Wおよび研削ツール21等の背景物は、照明部50からの光の波長に依存して反射強度が増減することはないので、背景物に起因するフレアが発生した場合であっても、これを許容し、フレアクーラントFCを検出した場合に限定して、フレア照明部50を消灯または減灯させることができる。こうして実施形態4に係る撮像方法によれば、フレアクーラントFCに起因するフレアのみを排除または低減し、継続的に鮮明なカメラ画像を解析して、正確な加工を実現することができる。
概略的に上記説明した実施形態4に係る撮像方法について、図17および図18を用いて詳細に以下説明する。図17は、実施形態4に係る撮像システム4の撮像方法を示すフローチャートであり、図18は、実施形態4に係る撮像システム4の複数の照明部のオンオフ動作を示すタイミングチャートである。実施形態4に係る撮像システム4は、照明部50として、青色LEDチップ(LED1〜5/B)および赤色LEDチップ(LED1〜5/R)を備える。
実施形態4に係る撮像方法によれば、制御部60は、ステップST41において、全灯期間(例えば10ms)、すべての赤色LEDチップ(LED1〜5/R)および青色LEDチップ(LED1〜5/B)が交互に点灯し、撮像部40が赤色カメラ画像と青色カメラ画像を撮像するように制御する。また制御部60は、内部メモリに各フレーム単位期間に対応するそれぞれのカメラ画像またはその平均値としてのカメラ画像に関する画像データを記憶する。このとき、少なくとも赤色カメラ画像(および青色カメラ画像)にフレアが発生しているものとする。赤色カメラ画像にフレアが発生していない場合は、詳細図示しないが、ST41に戻って、全灯期間すべてのLED1〜5/RおよびLED1〜5/Bを点灯させる。すなわちこの撮像方法によれば、少なくとも赤色カメラ画像(および青色カメラ画像)にフレアが発生しない限り、一般の撮像方法と同様、継続してすべてのLED1〜5/RおよびLED1〜5/Bを点灯させて、赤色カメラ画像と青色カメラ画像を撮像する。制御部60は、青色カメラ画像および赤色カメラ画像から、クーラント液の各小滴の位置/角度/分布状態を特定することができる。
ステップST42において、制御部60は変数iを1に設定する。ステップST43において、全灯期間終了後、制御部60は、LEDi/RおよびLEDi/Bをそれぞれフレーム単位期間(例えば1ms)だけ消灯させ(OFF)、ステップST44において、赤色カメラ画像からフレアが消失したか否か、フレアクーラントFCを検出したか否かを判定する。すなわち制御部60は、LED1〜5/Rの赤色カメラ画像から、フレアの発生原因となる飛散物または背景物の位置/角度を特定し、青色カメラ画像から得られたクーラント液の各小滴の位置/角度と比較することにより、フレアの原因となるフレアクーラントFCを検出したか判定する。
ステップST45において、制御部60は、赤色カメラ画像からフレアが消失したときに消灯させたLEDi/RおよびLEDi/Bを制御部60内のメモリ(図示せず)に記憶する。ステップST46において、制御部60は、変数iをインクリメントし、ステップST43〜ST47を反復する。
ステップST47において、制御部60は、変数iが5を超えたとき(i=6)、ステップST48に進み、フレアが消失したときに消灯させたLEDi/RおよびLEDi/B(例えば図18のLED3/RおよびLED3/B)以外の各LEDを所定の照明期間(例えば80ms)だけ点灯させて、赤色カメラ画像および青色カメラ画像を得る。このとき、制御部60は、照明期間、フレアが消失したときに消灯させたLEDi/RおよびLEDi/Bを完全に消灯させるのではなく、一定の割合で減灯(LEDiからの光強度を低減)させてもよく、カメラ画像に与えるフレアの程度に応じて減灯させてもよい。
ステップST49において、制御部60は、クーラントフレアを排除または実質的に低減させたカメラ画像を得て、被加工物Wまたは加工時に生じた切削屑の堆積物の輪郭(加工状態)を示す鮮明なカメラ画像を解析することにより、加工部20による精緻な加工を実現することができる。制御部60は、ステップST49の後、再びステップST41に戻って、ST41〜49の動作を反復的に行い、継続的に鮮明なカメラ画像を得て、加工部20を用いて正確な加工を行う。
なお、詳細図示しないが、実施形態4では、制御部60は、各LEDi/RおよびLEDi/Bを順次消灯させることにより、クーラントフレアが発生するか否かを判定するものであったが、実施形態3の変形例3の撮像方法と同様、各LEDi/RおよびLEDi/Bを順次点灯させて、クーラントフレアが発生するか否かを判定するように構成してもよい。
また上記実施形態4では、フレアクーラントFCを検出するために、赤色LEDチップ(LED1〜5/R)を用いたが、蛍光体を採用した白色LEDチップ(LED1〜5/W)を用いてもよいし、各照明部50に緑色LEDチップ(LED1〜5/G)を追加して、3原色LEDチップ(LED1〜5/RGB)を用いてもよい。すなわち制御部60は、クーラントフレアが発生したと判定したとき、照明期間、フレアが消失したときに消灯させた照明部50の各LEDi/RGBの光強度(照明部50の色調)を調整してもよい。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明は、コンピュータ数値制御工作機械に用いられる撮像システムおよび撮像方法に利用することができる。
1〜4…撮像システム、20…加工部、21…加工ツール、22…駆動ロッド、23…側方チャック、24…スピンドル、25…タレット、31…ノズル、30…冷却部、40…撮像部、50…照明部、60…制御部、100…工作機械、101…工作機械チャンバ、102…ベッド、103…コラム、104…サドル、105…主軸頭、106…載置台(テーブル)、W…被加工物、T…被加工物の凸部、C…霧状クーラント、FC…フレアクーラント

Claims (10)

  1. 工作機械内に配置された被加工物を照明する複数の照明部と、
    前記照明部で照明された前記被加工物を撮像する撮像部と、
    前記照明部および前記撮像部に接続された制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記撮像部で撮像された画像に基づいて、前記被加工物の加工に伴って生じる飛散物を照明する前記照明部を特定するとともに、特定された前記照明部からの照明光の特性を調整する、工作機械の撮像システム。
  2. 前記制御部は、特定された前記照明部を、消灯するか、または前記照明部からの前記照明光の強度を低減させる、請求項1に記載の工作機械の撮像システム。
  3. 前記制御部は、検出期間内に前記照明部を特定すること、および前記検出期間より長い照明期間において前記照明部からの照明光の特性を調整することを反復する、請求項2に記載の工作機械の撮像システム。
  4. 前記制御部は、前記撮像部で撮像された前記画像にフレアが発生したとき、前記撮像部および前記照明部に対する前記フレアの位置に基づいて、前記フレアを形成する前記照明部を特定するとともに、特定された前記照明部からの前記照明光の特性を調整する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の工作機械の撮像システム。
  5. 前記制御部は、複数の前記照明部のそれぞれを照明させた後、順次消灯させるように制御するとともに、前記撮像部で前記撮像された画像からフレアが消失したときの前記照明部を特定して、特定された前記照明部からの前記照明光の特性を調整する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の工作機械の撮像システム。
  6. 前記制御部は、複数の前記照明部のそれぞれを順次照明させるように制御するとともに、前記撮像部で撮像された前記画像にフレアが発生したときの前記照明部を特定して、特定された前記照明部からの前記照明光の特性を調整する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の工作機械の撮像システム。
  7. 前記照明部は、前記飛散物が選択的に吸収する吸収波長を含む第1のスペクトル光と、前記吸収波長とは異なる非吸収波長を含む第2のスペクトル光を切り替え可能に照明し、
    前記制御部は、複数の前記照明部のそれぞれを、前記第1のスペクトル光および前記第2のスペクトル光で順次照明させるように制御し、
    前記制御部は、前記第1のスペクトル光を照射したときに撮像した第1のスペクトル画像と、前記第2のスペクトル光を照射したときに撮像した第2のスペクトル画像とを比較することにより、前記飛散物を照明する前記照明部を特定するとともに、特定された前記照明部を消灯させるか、または減光させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の工作機械の撮像システム。
  8. 前記照明部は、前記飛散物が選択的に反射する反射波長を含む第3のスペクトル光と、前記反射波長とは異なる非反射波長を含む第4のスペクトル光を切り替え可能に照明し、
    前記制御部は、複数の前記照明部のそれぞれを、前記第3のスペクトル光および前記第4のスペクトル光で順次照明させるように制御し、
    前記制御部は、前記第3のスペクトル光を照射したときに撮像した第3のスペクトル画像と、前記第4のスペクトル光を照射したときに撮像した第4のスペクトル画像とを比較することにより、前記飛散物を照明する前記照明部を特定するとともに、特定された前記照明部を消灯させるか、または減光させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の工作機械の撮像システム。
  9. 前記飛散物は、前記被加工物の加工の際に前記被加工物に向けて噴射されるクーラント液が前記被加工物に衝突して飛散する霧状クーラント、前記被加工物の加工の際に前記被加工物から生じる粉砕物、および/または機械摺動面に供給される潤滑油を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の工作機械の撮像システム。
  10. 複数の照明部を用いて、工作機械内に配置された被加工物を照明する照明工程と、
    撮像部を用いて、前記照明部で照明された前記被加工物を撮像する撮像工程と、
    撮像された画像に基づいて、前記被加工物の加工に伴って生じる飛散物を照明する前記照明部を特定する特定工程と、
    特定された前記照明部からの照明光の特性を調整する調整工程と、を備えた工作機械の撮像方法。
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