[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム(ゲーム)等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲーム(ゲーム)の結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2は、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dは、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している。
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する始動入賞口(第1始動入賞領域)36が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
可動部材37bは、所謂ベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して回動して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
普通変動入賞装置37の右下方の遊技領域32には、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉39cを有する特別変動入賞装置39が設けられている。特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウントスイッチ39a(大入賞口スイッチ39a、図3参照)が配設されている。また、大入賞口内や大入賞口近傍には、大入賞口を照らす発光部材が配設されている。
第2特別変動入賞装置39の内部には、特定領域86(いわゆるV入賞口)が設けられている。特定領域86(V入賞口)に遊技球が入球した場合に大当り終了後の確変状態(高確率状態、特定遊技状態)が確定する。特定領域86は、確変大当りの場合にのみ、長時間開放されるなどして遊技球が容易に通過できるようにしてよい。なお、遊技制御装置100は、特定領域86への遊技球の通過(V入賞)をセンサ(後述の特定領域スイッチ72)等を介して検知でき、V入賞を検知すると大当り終了後に確変状態に移行することを確定するとともに、後述の演出制御装置300にV入賞があったことを示す情報(特定領域通過コマンド等)を送信する。そして、演出制御装置300は、V入賞を表示装置41などにおいて報知できる。
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、普通変動入賞装置37の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表示部52(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普図表示器、ランプD10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、を有している。特図1保留表示器54はランプD11、D12により構成される。特図2保留表示器55は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器56は、ランプD15、D16により構成される。
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD8)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊技状態表示器、ランプD9)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態表示部、ランプD17)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(ランプD3−D7)が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよい。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器51、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
また、センターケース40の上部に設けられるランプ表示装置80は、図柄(第四特別図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部(LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置300(後述)で制御される。各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部(LED)は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合(表示装置41で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置80のランプ表示部(LED)において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別図柄(第4図柄)が変動する。ランプ表示部の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「点灯」、大当りの場合は「消灯」で停止する。
なお、逆に、第四特別図柄(第4図柄)としてのランプ表示部(LED)の変動表示は、はずれの場合は「消灯」、大当りの場合は「点灯」で停止する構成も可能である。また、各ランプ表示部としてLED(第4図柄LED)を複数設けて、はずれの場合に複数のうちの一つのLEDを点灯させ、大当りの場合に複数の全てのLEDが点灯させるような構成も可能である。
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図1表示器51または特図2表示器52において、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。RAM初期化スイッチ112が押下げられてオン操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100(主基板)は、設定キースイッチ93を備える。設定キースイッチ93は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)に関する設定に応じた確率設定値(設定値)を変更可能な状態にする。なお、RAM初期化スイッチ112は、操作者の操作に応じて確率設定値を変更可能な設定値変更スイッチとしても使用可能である。本実施形態では、確率設定値は、大当り確率や小当り確率(小当りがある場合のみ)などの当選確率を設定するための設定値であるが、確率以外の他の遊技条件(演出など)も確率設定値に応じて変更可能である。設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技条件に関する設定(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)を構成する。なお、RAM初期化スイッチ112ではなく、他のスイッチが、設定値変更スイッチを兼用してもよいし、専用に独自の設定値変更スイッチを設けてもよい。
設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技機10内部の遊技制御装置100上に設けられることによって、前面枠12(本体枠)が開放されなければ操作できない位置(アクセスできない位置)に配置される。即ち、一般の遊技者は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112にアクセスして操作することができない。
後述するように、遊技機10の電源投入(停電復旧、復電)の際に、遊技機10は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112のオン/オフ状態に応じて、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)などの各種状態に、移行することができる。
本実施形態において、確率設定値は、例えば6段階で規定され、確率設定値1(設定1)、確率設定値2(設定2)、確率設定値3(設定3)、確率設定値4(設定4)、確率設定値5(設定5)、確率設定値6(設定6)がある。一般的に、設定1が遊技者に最も不利な設定であり、設定6が遊技者に最も有利な設定である。設定1、2が低設定であり、設定3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定5、6が高設定である。
確率設定変更処理では、操作者によってRAM初期化スイッチ112が押下操作される度に、作業用設定値領域の作業用設定値(設定)が、設定値0(設定1、確率設定値1)→設定値1(設定2、確率設定値2)→設定値2(設定3、確率設定値3)→設定値3(設定4、確率設定値4)→設定値4(設定5、確率設定値5)→設定値5(設定6、確率設定値6)→設定値0(設定1)→設定値1(設定2)→・・・のように変更される。このように、RAM初期化スイッチ112は、設定値変更スイッチとしても機能する。なお、説明の都合上、設定変更状態(設定変更モード)中に、作業用設定値0〜5をそれぞれ確率設定値1〜6に対応して設けるが、作業用設定値と確率設定値は同じ数値範囲(即ち0〜5又は1〜6)に揃えて同じものとして取り扱ってもよい(作業用設定値と確率設定値を同じ数値にする)。
なお、RAM初期化スイッチ112(設定値変更スイッチ)の操作ではなく、設定キースイッチ93を所定の位置に回転操作して確率設定値を変更する構成としてもよい。また、確率設定値は6段階に限られない。そして、選択されている0〜5の作業用設定値に対応する表示用確率設定値が、例えば4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器である性能表示装置152等に表示される。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶する。RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用されるもので、遊技に関する情報(遊技情報)が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段となる。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導出される可能性が異なる(期待度が異なる)リーチ演出の系統(種類)として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、リーチ演出の大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
なお、演出(予告)の期待度は、その演出が選択された場合に大当りになる確率を示唆し、大当りであるときのその演出の選択率及び大当りでないとき(はずれのとき)のその演出の選択率などに基づいて算出することができる。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り図柄乱数(小当りがある場合のみ)、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技制御装置100の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37(普通変動入賞装置)内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
さらに、インタフェースチップ(近接I/F)121は、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ73、アウト球検出スイッチ74に接続される。特定領域スイッチ72は、特定領域86(V入賞口)への遊技球の通過(V入賞)を検出する。残存球排出口スイッチ73は、特別変動入賞装置39からの遊技球を排出する残存球排出口を通過した遊技球を検出する。アウト球検出スイッチ74は、アウト口30bを通過する遊技球のみを検出してもよいし、遊技領域に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出してもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124、又は、第4入力ポート126に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ73、又は、アウト球検出スイッチ74の検出信号は第4入力ポート126に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12(本体枠)等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65からの信号が入力される。
また、第2入力ポート123は、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123、第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、RAM初期化スイッチ112からの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させる大入賞口ソレノイド39b(大入賞口ソレノイド)、レバーを動作させ特定領域86を開放させるレバーソレノイド86bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド39bなどの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりデジット線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力されるシリアルデータ(制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)など)を受けて、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150が設けられている。本実施形態では、性能表示装置152は、複数(4つ)の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、ドライバ150はLEDドライバであるが、これに限られるものではない。
性能表示装置152は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、他の場所に設けられてもよい。例えば、性能表示装置152は、性能表示として、表示用確率設定値や役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である。
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数との合計である。排出球数は、アウト球検出スイッチ74の信号などをカウント(計数)することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口36(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2)、及び、特別変動入賞装置39(大入賞口)が含まれる。
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、或は、大入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置80が含まれてよい。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能である。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能である。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポートを実行する。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行する。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
〔電源投入時の移行状態〕
前述のように、電源投入時のRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93のオンオフ状態によって、4つの状態(モード)へ移行する。
電源投入時に、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93とがオンにされている場合には、確率設定値(設定値)を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する(図5BのA1027−A1036と図6B参照)。
次に、電源投入時に、設定キースイッチ93がオンにされているがRAM初期化スイッチ112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する(図5BのA1031−A1036と図6B参照)。
また、電源投入時に、設定キースイッチ93がオフであるがRAM初期化スイッチ112がオンにされている場合には、RAM初期化状態(RAMクリアモード)に移行し、RAM初期化処理(RAMクリア処理)が実行されて、RAM111cが初期化される(図5BのA1042−1044参照)。
電源投入時に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112とがオフである場合には、通常復電状態(通常復電モード)に移行し、単に復電されるだけの状態になる。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込む(A1006)。即ち、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112からの信号を読み込む。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、待機時間の開始前に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むことで、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても、電源投入時に行った設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1010)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込むなどして、停電が発生しているか否か判定する(A1008)。停電が発生している場合に(A1008の結果が「Y」)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
遊技制御装置100は、停電が発生していない場合には(A1008の結果が「N」)、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1009)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1010)。タイマの値が0でない場合(A1010の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の処理に戻る。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1011)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1012)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1013)。
さらに、ここで、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150を初期設定してもよい。遊技制御装置100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含むコマンドを、第2出力ポート134(シリアル通信回路)の送信バッファに書き込んでドライバ150に送信する。例えば、遊技制御装置100は、初期設定においてデューティ比を設定する。デューティ比は、性能表示装置152の各LED(各セグメント)の明るさに対応する。遊技制御装置100は、初期設定において、性能表示装置152の使用桁数を設定する。本実施形態では、使用桁数は4である。
次に、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1014)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
続いて、遊技制御装置100は、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRAM異常フラグをセットする(A1015)。ここでは、一旦、異常前提のフラグを所定のレジスタにセットしておく。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1016)。そして、正常であれば(A1016の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の所定領域(例えば遊技制御用作業領域)のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1018)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1019)。チェックサムが一致する場合には(A1019の結果が「Y」)、RAMは正常であり、RAMの異常を示すRAM異常フラグをクリアする(A1020)。その後、ステップA1021の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1016の結果が「N」、又は、A1017の結果が「N」)、チェックサムが一致しない場合には(A1019の結果が「N」)、RAM異常フラグをクリアすることなく、ステップA1021の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンであるか否かを判定する(A1021)。遊技制御装置100は、両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、設定可変状態(設定変更モード)に移行し、ステップA1027−A1037の確率設定変更中の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフである場合に(A1021の結果が「N」)、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRAM異常フラグがセットされているか否か判定する(A1022)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1022の結果が「N」)、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A1023)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、ステップA1031−A1037の確率設定確認中(設定確認状態中、設定確認モード中)の処理、ステップA1041−1044のRAM初期化処理(RAMクリア処理)、又は、ステップA1041、A1045、A1046の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1023の結果が「Y」)、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する(A1024)。メイン異常エラー報知のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技制御装置100の異常があったことを報知する。
続いて、遊技制御装置100は、遊技停止時の7セグ表示データ(図9(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152で表示するために性能表示装置152のドライバ150に出力する(A1025)。そして、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)や情報収集端末など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機し、再度、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)をして電源が投入されるのを待つ。なお、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機して待機している間、割込みは禁止されたままであり(A1001)、特図1、2ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能なタイマ割込み処理(図7)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)は実行できない。
このように、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされている場合に異常があったとして、A1024−A1026の処理を実行する。例えば、確率設定変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合などに、設定変更の操作を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされることがある。
一方、遊技制御装置100は、RAM異常フラグがセットされている場合も(A1022の結果が「Y」)、遊技制御装置100(メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信し(A1024)、遊技停止時の7セグ表示データ(図9(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152のドライバ150に出力し(A1025)、外部装置にRAM異常を知らせるために、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、前述と同様に、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、確率設定変更中(設定可変状態中)の処理を開始して、まず、RAM異常フラグがセットされているか否かを判定する(A1027)。RAM異常フラグがセットされている場合に(A1027の結果が「Y」)、確率設定値が正しいものであるか不明であるため、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている確率設定値をクリアし初期値(例えば最低設定値「1」)にしてから(A1028)、確率設定変更中であることを示す確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1027の結果が「N」)、確率設定値をクリアせずに、確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。次に、確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1030)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定変更中であることを表示装置41などにおいて報知する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフであり(A1021の結果が「N」)、RAM異常フラグがセットされておらず(A1022の結果が「N」)、且つ、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、設定キースイッチ93がオンであるか否かを判定する(A1031)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1031の結果が「Y」)、RAM初期化スイッチ112はオフということになり、確率設定確認中(設定確認状態中)の処理が開始して、確率設定確認中であることを示す確率設定確認中フラグをセットする(A1032)。そして、確率設定確認中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1033)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることを表示装置41などにおいて報知する。
ステップA1030又はステップA1033の後に、遊技制御装置100は、確率設定変更中と確率設定確認中の共通の処理として、ステップA1034からA1040の処理を実行する。
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中と確率設定確認中においてセキュリティ信号を出力するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128ms(所定時間)をセーブする(A1034)。なお、セキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、後述の確率設定変更/確認処理(図6B)において実行されるが、確率設定変更又は確率設定確認が早期に終了した場合には、残りのセキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、外部情報編集処理(A1321)で実行される。確率設定変更中と確率設定確認中において、少なくとも50msは、セキュリティ信号は出力される。
次に、遊技制御装置100は、割込みを許可する(A1035)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能となる。そして、設定キースイッチ93がオフであるか否かを判定する(A1036)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1036の結果が「N」)、停電が発生しているか否かを判定する(A1037)。停電が発生していない場合に(A1037の結果が「N」)、ステップA1036の処理に戻る。一方、停電が発生している場合に(A1037の結果が「Y」)、ステップA1055−A1061の停電発生時の処理を実行する。
このように、設定キースイッチ93がオンであり、停電が発生していない限り、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、又は、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)が継続される。
一方、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1036の結果が「Y」)、割込みを禁止し(A1038)、報知終了のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A1039)。なお、報知終了のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることの報知又は確率設定変更中であることの報知を終了する。
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否か、即ち、これまで確率設定変更中であったか否かを判定する(A1040)。確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1040の結果が「Y」)、即ち、これまで確率設定変更中であった場合に、ステップA1042−A1044のRAM初期化処理(後述)を実行する。一方、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1040の結果が「N」)、即ち、これまで確率設定確認中であった場合に、ステップA1045以降の電源投入時(電源復旧時)の通常の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1031の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する(A1041)。RAM初期化スイッチ112がオンである場合に(A1041の結果が「Y」)、RAM111cにおいて、確率設定値を記憶するための確率設定値領域以外のRAM領域を0クリアする(A1042)。即ち、確率設定値領域で記憶されている確率設定値を除いて、RAM111cに記憶された遊技情報は0クリアされる。さらに、前述の確率設定変更中フラグもここでクリアされる。また、ここで、確率設定値領域の他に、スタック領域や未使用領域をクリアしない構成や、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしない構成も可能である。なお、性能情報は、入賞により得られた賞球数に基づいて導出されるもので、例えば、出玉率、ベース値(通常遊技状態における出玉率)、役物比率、排出球数などである。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1043)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1044)、ステップA1047の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がオフである場合に(A1041の結果が「N」)、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112が両方ともオフであるため、通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を開始し、停電復旧処理を実行する(A1045)。例えば、初期化すべき領域に停電復旧時(復電時)の初期値をセーブする。また、前述の確率設定確認中フラグもここでクリアされる。次に、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1046)、ステップA1047の処理に移行する。
なお、ステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンド及びステップA1046の処理で送信される停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態(高確率状態又は低確率状態)や時短状態の有無を示す確率情報コマンド、所定の演出モードで特図変動表示ゲームが実行された回数を示す演出回数情報コマンド、電源投入されたこと示す停電復旧コマンドが含まれる。
さらに、RAM初期化時のコマンド及び停電復旧時のコマンドには、遊技機10の確率設定値(設定値)の情報である設定値情報(設定情報)を示す設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマンド)も含まれる。RAM初期化のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。また、停電復旧時のコマンドには、表示装置41の画面の表示内容を指定する画面指定のコマンドが含まれる。なお、画面指定のコマンドは、特図1、2について共に普段処理中では(変動中でも当り中でもないとき)、客待ちデモコマンドであり、それ以外なら復旧画面コマンドである。
ステップA1044又はステップA1046の後に、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1047)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する大当り図柄乱数の初期値(大当り図柄初期値乱数)、小当り図柄を決定する小当り図柄乱数の初期値(小当り図柄初期値乱数)(小当りがある場合のみ)、普図の当りを決定する当り乱数の初期値(当り初期値乱数)、転落抽選で使用する転落抽選乱数の初期値(転落抽選初期値乱数)等)のスタート値としてRWMの所定領域にセーブし(A1048)、割込みを許可する(A1049)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数のスタート値(初期値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1050)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数、転落抽選乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
続いて、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(A1051)、性能情報やその表示(性能表示)を編集する性能表示編集処理を実行する(A1052)。ここで、性能情報(役物比率や出玉率など)を計算してよい。また、RAM異常フラグがレジスタにセットされていた場合に、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしてもよい(ステップA1042でクリアされていないなら)。その後、割込みを許可する(A1053)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能となる。
次に、遊技制御装置100は、停電が発生しているか否かを判定する(A1054)。停電が発生していない場合に(A1054の結果が「N」)、ステップA1050の処理に戻る。これにより、停電が発生するまで、ステップA1050−A1054の処理が繰り返される。
停電が発生した場合に(A1054の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電発生時の処理を開始し、一旦割込みを禁止し(A1055)、全出力ポートにオフデータを出力する(1056)。その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1057)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1058)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1059)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1060)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1061)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6Aは、タイマ割込み処理(割込み処理プログラム)の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。次に、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグに基づいて、確率設定変更中又は確率設定確認中であるか否かを判定する(A1304)。確率設定変更中又は確率設定確認中である場合に(A1304の結果が「Y」)、確率設定値を変更又は確認するための確率設定変更/確認処理を実行する(A1305)。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(A1304の結果が「N」)、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(例えば大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御やLEDの駆動制御(発光制御)などを行うための出力処理を実行する(A1306)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とする。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1307)、さらに、乱数更新処理1(A1308)、乱数更新処理2(A1309)を実行する。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口で遊技球の異常排出が発生中であるか否かを判定する(A1311)。後述の異常排出監視処理(A1318)によって異常排出発生中フラグが設定された場合に、異常排出が発生中であると判定できる。異常排出が発生中である場合に(A1311の結果が「Y」)、ステップA1315以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、異常排出が発生中でない場合に(A1311の結果が「N」)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1312)。なお、特図ゲーム処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1313)。遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1314)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1315)。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1316)。
その後、遊技制御装置100は、振動センサ65からの入力に基づいて振動による不正を監視する振動不正監視処理を実行する(A1317)。次に、大入賞口からの異常排出を監視する異常排出監視処理を実行する(A1318)。異常排出監視処理では、特別変動入賞装置39における大入賞口スイッチ39a、特定領域スイッチ72(V入賞口スイッチ)、残存球排出口スイッチ73からの入力に基づいて、特別変動入賞装置39の異常排出を監視し、異常排出が発生した場合に異常排出発生中フラグが設定される。なお、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aを通過した遊技球は、特定領域スイッチ72(V入賞口スイッチ)又は残存球排出口スイッチ73を通過して排出される。
次に、遊技制御装置100は、各種外部装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1319)。そして、性能表示装置152の表示を制御する性能表示モニタ制御処理を実行する(A1320)。その後、タイマ割込み処理を終了する。
なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔確率設定変更/確認処理〕
次に、タイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(A1305)の詳細について説明する。図6Bは、確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。確率設定変更/確認処理では、確率設定値が変更又は確認できる。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値が正常範囲内であるか否かを判定する(A2401)。ここでの確率設定値は、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている。
遊技制御装置100は、確率設定値が正常範囲内である場合に(A2401の結果が「Y」)、確率設定値に対応する確率設定値表示データを設定して(A2402)、性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404)。確率設定値が正常範囲内でない場合に(A2401の結果が「N」)、確率設定値表示データとして消灯データを設定して(A2403)、性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404)。
ここで、確率設定値表示データは、性能表示装置152で表示される表示用確率設定値のデータであり、確率設定値表示データ領域に記憶されている。なお、ホール関係者等の混乱を防止するため、確率設定値が異なっても同じ大当り確率(及び小当たり確率)であれば、表示用確率設定値を大当り確率(及び小当たり確率)に対応付けて同じにしてよい。即ち、同じ表示用確率設定値は、同じ大当り確率(及び小当たり確率)を意味してよい。
次に、遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新する(A2405)。セキュリティ信号制御タイマは、ステップA1034で設定された128ms(所定時間)である。続いて、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。
その後、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A2407)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A2407の結果が「N」)、即ち、確率設定確認中である場合に、何もせずに確率設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A2407の結果が「Y」)、即ち、確率設定変更中である場合に、電源投入後の最初のタイマ割込み処理であるか否かを判定する(A2408)。電源投入後の最初のタイマ割込み処理である場合に(A2408の結果が「Y」)、確率設定変更/確認処理を終了する。これは、RAM初期化スイッチ112を押しっぱなしだった場合に、意図せずに確率設定値の更新がされる事態を防止するためである。
遊技制御装置100は、電源投入後の最初のタイマ割込み処理でない場合に(A2408の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112の入力があるか否かを判定する(A2409)。RAM初期化スイッチの入力がない場合に(A2409の結果が「N」)、確率設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112の入力がある場合に(A2409の結果が「Y」)、作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)の作業用設定値を0〜5の範囲で+1更新するとともに、作業用設定値に対応して確率設定値領域の確率設定値1〜6を+1更新する(A2410)。これにより、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、確率設定値領域の確率設定値が1ずつ更新される。その後、確率設定変更/確認処理を終了する。なお、設定変更モードに入ったときに作業用設定値を格納する作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)に、確率設定値領域から読み出した確率設定値に対応する値(確率設定値から1減算した値)が格納されてよい。
なお、上記では、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、作業用設定値の更新に対応して確率設定値領域の確率設定値を直接更新するようにしたが、RAM111cの作業用設定値領域に設定変更中の確率設定値(作業用設定値)を記憶するようにし、設定キースイッチ93がオフになり設定変更作業が完了したときに(A1036の結果が「Y」)、作業用設定値領域の作業用設定値に対応する値をはじめて確率設定値領域に格納するようにしてもよい。このようにすれば、設定変更中に停電が発生した場合(A1037の結果が「Y」)に、遊技制御や演出制御等に使用される確率設定値(確率設定値領域に記憶される確率設定値)が意図しない値で変更される事態を防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1312)の詳細について説明する。図7は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。なお、大入賞口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、図10にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。例えば、特図変動中処理では、特別図柄の停止を示す図柄停止コマンドや停止図柄パターンに対応する停止表示時間など必要な情報を設定して、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。例えば、特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、ファンファーレコマンドやファンファーレ時間など必要な情報を設定して、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果が大当りでなければ、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。例えば、ファンファーレ/インターバル中処理では、実行するラウンド遊技のラウンドに対応するラウンドコマンドや大入賞口の開放時間など必要な情報を設定して、大入賞口開放中処理に係る処理番号「4」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。例えば、大入賞口開放中処理では、インターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A2613)。例えば、大入賞口開放中処理では、最終ラウンドでなければインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。最終ラウンドであればエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終了処理に係る処理番号「6」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A2614)。例えば、大当り終了処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄番号(大当り図柄番号)に対応する確率変動判定データに基づいて、大当り状態終了後の確率状態や大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)など必要な情報の設定を行い、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。確率変動判定データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の継続ゲーム回数(時間短縮変動回数、電サポ回数)の情報が含まれる。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2615)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2616)。そして、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2617)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2618)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図8は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。始動入賞口36への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口36へは左打ちの方が入賞し易く、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口36に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715)の詳細について説明する。図9は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2910)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2911)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(A2912)、特図保留情報判定処理を実行する(A2913)。特図保留情報判定処理では、セーブした大当り乱数や大当り図柄乱数に基づく停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドや、セーブした変動パターン乱数1から3に基づく前半変動番号(リーチ前変動の番号)及び後半変動番号(リーチ後変動の番号)に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして設定する。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2914)、演出コマンド設定処理(A2915)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図10は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3201)。特図2保留数が0である場合(A3201の結果が「Y」)、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3206)。そして、特図1保留数が0である場合(A3206の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(A3211)、客待ちデモが開始済みでない場合(A3211の結果が「N」)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(A3212)。
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(A3213)、演出コマンド設定処理を行い(A3214)、ステップA3215の処理に移行する。一方、ステップA3211にて、客待ちデモが開始済みである場合(A3211の結果が「Y」)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3215)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3216)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A3217)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A3218)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図2保留数が0でない場合(A3201の結果が「N」)、特図2変動開始処理を実行し(A3202)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3203)、演出コマンド設定処理を実行する(A3204)。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3205)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3206の結果が「N」)、特図1変動開始処理を実行し(A3207)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3208)、演出コマンド設定処理を実行する(A3209)。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3210)、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(A3202)が実行されることとなる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3207)の詳細について説明する。図11は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームに関する特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理では、はずれ時又は大当り時の停止図柄番号と、この停止図柄番号に対応するはずれ停止図柄パターン又は大当り停止図柄パターンをセーブする。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行する。また、停止図柄番号に対応するラウンド数情報(ラウンド上限値)と停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得してセーブする。
さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。
その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。また、変動開始情報設定処理では、これから開始する特図変動表示ゲームの特図種別(特図1又は特図2)に係る特図保留数を−1更新する(1だけ減少する)。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3202)の詳細について説明する。図12は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図11に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームに関する特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。最後に、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3507)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図13は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3601)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3602)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3603)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3604)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りである場合(A3605の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3606)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りでない場合(A3605の結果が「N」)、大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図14は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図13に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでない場合(A3705の結果が「N」)、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図2変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3605、A3704)の詳細について説明する。図15は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3004などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3802の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3807)、大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3802の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判定する(A3803)。そして、高確率状態である場合には(A3803の結果が「Y」)、高確率中の上限判定値を設定する(A3804)。一方、高確率状態でない場合には(A3803の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3805)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3806)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3806の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3807)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3806の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3808)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における特図情報設定処理(A3404、A3504)の詳細について説明する。図16は、特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態において、確率状態(低確率/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに直接影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
遊技制御装置100は、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4201)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(A4202)。次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4203)、対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4204)。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4205)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(A4206)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4207)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(A4208)。次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4209)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4210)。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4211)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(A4212)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(A3406、A3506)の詳細について説明する。図17は、変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4301)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(A4302)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(A4303)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(A4304)、はずれである場合(A4304の結果が「Y」)、2バイト振り分け処理(A4305)を行って、ステップA4307の処理に移行する。また、はずれでない場合(A4304の結果が「N」)、振り分け処理(A4306)を行って、ステップA4307の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブル(後半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4307)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(A4308)。そして、振り分け処理を実行し(A4309)、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4310)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4311)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4312)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブル(前半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4313)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(A4314)。その後、振り分け処理(A4315)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(A4316)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(A4305)の詳細について説明する。図18は、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4401)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4402の結果が「Y」)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4402の結果が「N」)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4403)。
続けて、ステップA4303にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA4403にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4404)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4405)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4405の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4406)、ステップA4403の処理に移行して、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4403)、その後、前回のステップA4405にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4404)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4405)。
上記の処理をステップA4405にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4405の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップA4405にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4405の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(A4306、A4309、A4315)の詳細について説明する。図19は、振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置100は、まず、対象の選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA4307にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA4313にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4502の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
続けて、遊技制御装置100は、ステップA4303やA4308やA4314にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA4503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4504)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、ステップA4503の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4503)、その後、前回のステップA4505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4505)。上記の処理をステップA4505にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4505の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、遊技制御装置100は、ステップA4505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4505の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A3407、A3507)の詳細について説明する。図20は、変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(A4601)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A4602)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A4603)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A4604)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A4605)。
そして、遊技制御装置100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A4606)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4607)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A4608)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を演出コマンドとして準備して(A4609)、演出コマンド設定処理を行う(A4610)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(A4611)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(A4612)。次いで、乱数格納領域をシフトし(A4613)、シフト後の空き領域をクリアして(A4614)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1310)の詳細について説明する。図21は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7601)。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7604)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7608)。普図普段処理の詳細については、図22にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7609)。例えば、普図変動中処理では、普図表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7610)。例えば、普図表示中処理では、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合に、普図当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする一方、はずれの場合に、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7611)。例えば、普図当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置37を開放するための設定を行った後、普電残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7612)。例えば、普電残存球処理では、普図当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図エンディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7613)。例えば、普図当り終了処理では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以降の処理を実行する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。図22は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理移行設定処理1を実行し(A7923)、普図普段処理を終了する。普図普段処理移行設定処理1では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードする(A7902)。そして、普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A7903)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7904)。なお、高確率中の普図当り確率は250/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(A7904の結果が「N」)、普図低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7905)、普図高確率中である場合(A7904の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値である高確率下限判定値(ここでは1)を設定し(A7906)、ステップA7907の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判定する(A7907)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、ステップA7909の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である場合(A7907の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7908)。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7908の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7909)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7910)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7911)、ステップA7915の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7908の結果が「N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7912)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7913)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7914)、ステップA7915の処理に移行する。なお、当り停止図柄は、数種類存在してよい。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A7915)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(A7916)。次に、普図変動表示ゲームに関連する情報(特に普図変動表示ゲームの当り/はずれの情報)に対応する普図コマンドを演出コマンドとして準備して(A7917)、演出コマンド設定処理を実行する(A7918)。そして、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7919)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A7920)、普図保留数を−1更新する(A7921)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次に、遊技制御装置100は、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7922)、普図普段処理を終了する。普図変動中処理移行設定処理では、普図変動中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「1」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図23は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
その後、演出制御装置300は、RTC(リアルタイムクロック)338から時刻の情報を読み込むRTC読込処理を実行する(B0009)。
RTC読込処理では、所定の周期(例えば2時間おき)でRTC338から時刻の情報を読み込む構成としてもよく、ステップB0009へ処理が移行する度に時刻の情報を読み込む必要はない。演出制御装置300への電源投入(即ち遊技機10への電源投入)の際に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位置を変えて、例えばステップB0003とB0004の間で実行してもよい)。演出制御装置300は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定し、所定の周期でRTC338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけRTC338から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマ(計時手段)をRTC338の時刻に合わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置300は、時刻用タイマを使用して各種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC338から時刻を読み込む処理の回数を低減でき、CPU311の負荷が減少する。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0010)。続いて、遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0011)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B0012)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報がQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を表示装置41に表示できる。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0013)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0014)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図24にて後述する。
続いて、演出制御装置300は、表示装置41で表示される客待ちデモの内容を編集して制御する客待ちデモ編集処理を実行し(B0015)、客待ち中の遊技機10の節電状態を制御する節電制御処理を実行する(B0016)。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等の表示装置(表示手段)に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0017)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0018)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0019)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0019の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0019の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0019の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0020)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0021)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0022)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の輝度制御(発光制御)を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(B0023)。可動体制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
そして、演出制御装置300は、前述のB0023の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0023までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図24を参照して、上述したメイン処理(図23)における受信コマンドチェック処理(B0014)の詳細について説明する。図24は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y」)、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図25にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y」)、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図25を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図24)における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図25は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンなどを指令するコマンドであり、例えば変動コマンド(A3407)がある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が大当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、大当り系コマンドは、大当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレ画面を指令するためのファンファーレコマンド(A2610)、ラウンド画面を指令するためのラウンドコマンド(A2611)、インターバル画面を指令するためのインターバルコマンド(A2612)、エンディング画面を指令するためのエンディングコマンド(A2612)などである。そして、MODE部が大当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、大当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が大当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、例えば、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド(A3403、A3503)がある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、例えば、先読み停止図柄コマンド(A2913)がある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、例えば、先読み変動パターンコマンド(A2913)がある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図26を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図26は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧コマンドを表すか否かを判定する(B1305)。そして、MODE部が停電復旧コマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧コマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド、不正解除コマンド、状態オフコマンド、状態オンコマンド、磁石不正報知コマンド(磁気エラーコマンド)、盤電波不正報知コマンド(盤電波エラーコマンド)がある。不正発生コマンドとして、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの信号に基づく不正入賞の発生を示すコマンドがある。不正解除コマンドは、不正の解除を示すコマンドである。入賞口スイッチ/状態監視処理(A1310)において、不正入賞の発生と不正の解除が監視されて、不正発生コマンドと不正解除コマンドが送信され得る。状態オンコマンドとして、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号の発生(ガラス枠開放エラー)や、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号の発生(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)を示すコマンドがある。また、状態オフコマンドは、エラーの不発生を示す。入賞口スイッチ/状態監視処理(A1310)において状態オンコマンドと状態オフコマンドが送信され得る。磁気センサスイッチ61からの検出(磁石不正)があった場合に、磁石不正監視処理(A1315)において磁石不正報知コマンドが送信される。電波センサ62からの検出(電波不正)があった場合に、電波不正監視処理(A1316)において盤電波不正報知コマンドが送信される。
そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。エラー/不正設定処理では、エラーや不正の報知音を発生するよう設定する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(特図表示中処理等で設定)を表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部がアウト球数を示すアウト球数コマンドを表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部がアウト球数コマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、アウト球数受信時処理を実行し(B1320)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がアウト球数コマンドを表していない場合には(B1319の結果が「N」)、次に、MODE部がカウントのコマンド(大入賞口カウントコマンド)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部が大入賞口スイッチのカウントのコマンドを表す場合には(B1321の結果が「Y」)、カウント情報設定処理を実行し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B1321の結果が「N」)、MODE部が設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)を表すか否かを判定する(B1323)。設定値情報コマンドは、図6BのステップA1046の停電復旧時のコマンド及びステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドに含まれる。そして、MODE部が設定値情報コマンドを表す場合には(B1323の結果が「Y」)、設定値受信時処理を実行し(B1324)、単発系コマンド処理を終了する。設定値受信時処理では、設定値(確率設定値)をRAM等の記憶部に記憶するとともに必要な処理を実行する。
演出制御装置300は、MODE部が設定値情報コマンドを表していない場合には(B1323の結果が「N」)、MODE部が設定変更系のコマンドを表すか否かを判定する(B1325)。設定変更系のコマンドとして、例えば、確率設定変更中のコマンド(A1030)がある。そして、MODE部が設定変更系のコマンドを表す場合には(B1325の結果が「Y」)、設定変更系情報設定処理を実行し(B1326)、単発系コマンド処理を終了する。設定変更系情報設定処理では、設定変更系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定変更中のコマンドを受信した場合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更中であること報知する設定変更中表示を表示装置41に表示する。
演出制御装置300は、MODE部が設定変更系のコマンドを表していない場合には(B1325の結果が「N」)、MODE部が設定確認系のコマンドを表すか否かを判定する(B1327)。設定確認系のコマンドとして、例えば、確率設定確認中のコマンド(A1033)がある。そして、MODE部が設定確認系のコマンドを表す場合には(B1327の結果が「Y」)、設定確認系情報設定処理を実行し(B1328)、単発系コマンド処理を終了する。設定確認系情報設定処理では、設定確認系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定確認中のコマンドを受信した場合に、設定確認系情報設定処理では、遊技者に設定確認中であること報知する設定確認中表示を表示装置41に表示する。
次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1329)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンド(飾り特図1停止コマンド)と特図2の図柄停止コマンド(飾り特図2停止コマンド)がある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1329の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1330)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1330の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1331)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1332)、単発系コマンド処理を終了する。B1332の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1329の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1330の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
その他、演出制御装置300は、図26には記載されていないコマンドに対する処理を実行してよい。例えば、演出制御装置300は、始動入賞口36及び/又は普通変動入賞装置37に入賞があったことを示す始動入賞コマンドを遊技制御装置100から受信して、始動入賞コマンドに対応してスピーカから始動入賞があったことを遊技者に報知する始動入賞音を発生させるように設定してよい。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図27を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における先読み図柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図27は、演出制御装置300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報であるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマンドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1601の結果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマンドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
演出制御装置300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B1604)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図28を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における先読み変動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図28は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンド(先読み変動パターンコマンド)の受信待ち中であるか否かを判定する(B1701)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1701の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1701の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1702)。
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1703)、先読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(B1704)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT部を取得する(B1706)。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1707)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、ACT部が共に0以外である場合(B1707の結果が「Y」)、変換後のMODE部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(B1708)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B1709)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1710)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になければ長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置300がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、ノーマルリーチ−1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担を軽減する。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1707の結果が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B1710の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B1710の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマンド領域からロードし(B1711)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を実行する(B1712)。先読み演出としては、例えば、連続予告演出(チャンス目先読み演出を含む)、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。続いて、最新保留の先読み演出(保留変化予告等)が発生するか否かを判定する(B1713)。最新保留の先読み演出が発生する場合(B1713の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応するポイント情報を設定する(B1714)。
次に、演出制御装置300は、発生する先読み演出(保留変化予告等)が直ちに開始する演出であるか否か判定する(B1715)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出である場合(B1715の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定する(B1716)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715の結果が「N」)、保留シフト時(保留表示の移動時、保留数減少時)の先読み演出に対応する表示を設定、保存する(B1717)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み演出が発生しない場合(B1713の結果が「N」)、又は、発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715の結果が「N」)、そのまま。先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図29を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図29は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ図柄や、4R確変大当り図柄(4R−A1、図柄1)、4R通常大当り図柄(4R−A2、図柄2)、8R確変大当り図柄(8R−A1、図柄3)、8R通常大当り図柄(8R−A2、図柄4)、12R確変大当り図柄(12R−A1、図柄5)、12R通常大当り図柄(12R−A2、図柄6)に対応する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図30を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図30は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ−1更新する(B1907)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図31を参照して、前述した変動系コマンド処理(図30)における変動演出設定処理(B1905)の詳細について説明する。図31は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B2001の結果が「Y」)、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2005)。
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。続いて、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B2011)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(B2012)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
次に、演出制御装置300は、変動演出の表示設定を行い(B2013)、予告演出の表示設定を行う(B2014)。続いて、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示が設定される(B2015)。続いて、スピーカの音声による演出態様(音出力態様)を定める音声番号、装飾装置の発光による演出態様を定める装飾番号を設定する(B2016)。装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)は、複数の装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号で定められる発光態様(各LEDの色や発光タイミング等)で発光する。
なお、音声番号や装飾番号を演出内容だけでなく設定情報(設定値)に基づいて設定することも可能である。このようにすると、遊技者は、装飾装置の発光態様、即ち、装飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機10の設定情報(設定値)を推測することを楽しめる。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B2017)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄、識別情報)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B2018)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)で表示されてもよいし、表示装置41の表示画面上で実行されてもよい。
〔当り系コマンド処理〕
次に、図32を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における当り系コマンド処理(B1208)の詳細について説明する。図32は、演出制御装置300によって実行される当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表すか否かを判定する(B2101)。当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドが大当りファンファーレコマンド(又は小当りがあるなら小当りファンファーレコマンド)である場合、ファンファーレ演出を設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(B2102)。なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含まれている。続いて、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファンファーレ中を設定し(B2103)、当り系コマンド処理を終了する。なお、ラウンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置300は、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さない場合には(B2101の結果が「N」)、当り系コマンドのMODE部がラウンドを表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがラウンドコマンド(又は小当りがあるなら小当り開放中コマンド)である場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B2105、B2106)、当り系コマンド処理を終了する。
受信した当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御装置300は、インターバル演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B2108、B2109)、当り系コマンド処理を終了する。(なお、小当りがあって小当りで大入賞口が一回だけ開放される場合、即ち、小当りが1ラウンドである場合、インターバルコマンドはない。)
受信した当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B2110の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがエンディングコマンド(又は小当りがあるなら小当り終了画面コマンド)である場合、演出制御装置300は、エンディング演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2111、B2112)、当り系コマンド処理を終了する。
なお、受信した当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2110の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、当り系コマンド処理を終了する。
〔音源LSIの構成〕
次に、図33を用いて、音源LSI314の構成について説明する。図33は、音源LSI314の構成を説明する構成図である。音源LSI314は、演出にかかる各種のメロディ(楽曲)や効果音(エラー報知音、始動口入賞音)などの音源の情報(フレーズデータ、音源データ、音声データ)を、内部のデコーダ部721(音源再生手段)のチャンネルに割り当てて音声を発生させる音源発生手段を構成する。なお、音源再生手段には、デコーダ部721の他に、ミキサ部731(後述)、アンプ回路337、スピーカ19を含めてよい。
音源LSI314は、主制御用マイコン311とのインターフェイスとしてのCPUI/F701(CPUインターフェイス)と、制御コマンドが書き込まれるコマンド記憶部702(コマンドレジスタ)と、コマンド記憶部702に格納された各種コマンドにしたがって、音声データを発音する処理動作を一括して制御する音声処理制御モジュール703(サウンドコントロールモジュール)とを有する。また、音源LSI314は、音声データから音声信号を生成する処理を行うメインジェネレータ704と、メインジェネレータ704において生成された音声信号を加工する処理を行うマルチエフェクタ705と、マルチエフェクタ705において処理された音声信号をアンプ回路337へ供給する音声信号I/F706とを有する。音声処理制御モジュール703と、メインジェネレータ704と、マルチエフェクタ705は、メモリI/F707(メモリインターフェイス)を介して音声ROM327と接続されている。
音源LSI314は、図4に示すように、音声ROM327と接続されている。音声ROM327には、遊技機10の演出態様(音出力態様)に応じた各種のメロディ(楽曲)や効果音などの音声の音源の情報が音声データ(以下、「フレーズデータ」と記す場合がある)として格納されている。
演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311は、一回の特図変動表示ゲームの各種演出で使用する音声データ(フレーズデータ)のフレーズ番号(即ち音声番号)を各種演出に応じて設定できる(変動演出設定処理のB2016)。また、主制御用マイコン(CPU)311は、各種演出の実行タイミングで、当該各種演出に対応するフレーズ番号(即ち音声番号、複数可)のフレーズの再生を開始する開始設定として、フレーズ番号と開始コマンド等の必要な情報をコマンド記憶部702のレジスタに書き込む(B0021のサウンド制御処理)。開始コマンドは、例えば、仮想トラック番号xを示すコマンド(後述のレジスタQTRKへのコマンド)、再生を設定するコマンド(後述のレジスタQPLAY_xの値=1)などである。なお、仮想トラック番号xは、使用可能な仮想トラック(未使用の仮想トラック)のうち番号の小さい順に選択されてよい。また、音源LSI314と主制御用マイコン(CPU)311のどちらも適宜仮想トラック番号x(レジスタQTRKへのコマンド)を設定することができる。
音源LSI314は、複数の「仮想トラック」を構成することができ、この「仮想トラック」に、演出に係るフレーズデータを再生するためのデコーダ部721、ミキサ部731等の音源再生手段の複数のチャンネル(例えばデコーダ部721のチャンネル、ミキサ部731の入力チャンネル)うち、いずれかのチャンネルを割り当てて、フレーズデータを再生する処理を行う。
「仮想トラック」とは、音声ROM327のフレーズデータの再生を実行するための各種コマンドを格納するコマンド記憶部702等のレジスタ(メモリ)によって仮想的に構築されるものであり、フレーズデータの再生態様を指定するための制御コマンド等から構成されている。制御コマンドは、再生するフレーズのフレーズ番号を定めるコマンド等からなる。本実施形態においては、音源LSI314は、最大で128個の仮想トラックを構築可能である。
以下、音源LSI314の各構成の詳細について説明する。
〔CPUI/F(CPUインターフェイス)〕
CPUI/F701は、主制御用マイコン311と音源LSI314との間で、各種制御コマンドやステータス情報の送受を行う。CPUI/F701は、複数の読み書き方式に対応するように構成されている。読み書き方式としては、例えば、パラレルインターフェイス、調歩同期式シリアルインターフェイスのいずれかを使用できる。
〔コマンド記憶部(コマンドレジスタ)〕
コマンド記憶部702は、音声処理制御モジュール703、メインジェネレータ704及びマルチエフェクタ705等において使用されるレジスタ群を含んでいる。当該レジスタには、音声処理制御モジュール703を介して制御コマンドが送受される制御レジスタや、音声処理制御モジュール703、メインジェネレータ704及びマルチエフェクタ705からのステータス情報やフラグ等を格納するレジスタがある。なお、制御レジスタに格納される制御コマンドは、音源LSI314の内部(特に音声処理制御モジュール703)からだけでなく、必要に応じて、主制御用マイコン311からも書き込むことができる。
コマンド記憶部702のアドレス空間には、複数のバンクが設定されている。本実施形態では、7つのバンク(レジスタバンク0〜6)が設定されている。
CPUI/F701において、パラレルインターフェイスが選択されている場合には、複数のレジスタバンクは、フレーズデータを再生するための処理に関連するレジスタが割り当てられたレジスタバンク(例えば、レジスタバンク0〜5)と、フレーズデータの再生処理とは別の割込処理の制御に関するレジスタバンク(例えば、レジスタバンク6)に分けられている。レジスタバンク6の制御レジスタへの情報は、FIFO(キュー)に保管されず、音声処理制御モジュール703によって、直接、読取り/書き込みが可能とされている。
また、シリアルインターフェイスが選択されている場合には、データリード時に、すべての制御レジスタへの情報は、主制御用マイコン311から送られた後、音声処理制御モジュール703によってFIFOに一時保管される。また、データリード時も同様に、音声処理制御モジュール703によって、FIFOに一時保管された後、主制御用マイコン311に転送される。
コマンド記憶部702に格納されるレジスタの一例については、後述する。
〔音声処理制御モジュール(サウンドコントロールモジュール)〕
音声処理制御モジュール703は、一括制御部711(一括コントローラ)と、動作制御部712(シーケンサ部)とを機能ブロックとして備え、設定された複数のフレーズ再生順序にしたがって再生制御を行う。一括制御部711と動作制御部712は、演算処理回路等から構成されるが、必ずしも物理的な構成と一対一に対応しなくてもよく、重複して同一の演算処理回路等から構成されてもよい。
一括制御部711は、音声ROM327等の外部ROMに登録された一括制御コード(DBC)を順次読み出す。DBCは、コマンド記憶部702の複数のレジスタの設定や動作制御部712の制御を一括して行うコマンドである。DBCのデータは、DBCコードに対応付けて、音声ROM327等の外部ROMに登録されている。
一括制御部711は、音声ROM327等の外部ROMからDBCを読み出し、コマンド記憶部702に格納する。
本実施形態では、音声ROM327に、最大で8192個のDBCが登録可能とされている。一括制御部711は、これらの8192個のDBCから、一度に最大で任意の異なる4つのDBCを読み出すことができ、4つのDBCに設定されたコマンドを同時に実行することができる。
動作制御部712は、シーケンサであり、コマンド記憶部702に設定されたコマンドに基づいて発音処理する自動演奏機能を実現する。動作制御部712は、複数備えられており、音声ROM327等の外部ROMからシーケンスコードに対応するシーケンスデータを読み出し、シーケンスコードに指定されたレジスタのアドレスに、指定されたシーケンスデータを書き込む。本実施形態では、16チャンネルのシーケンサ(動作制御部712)を備えることが可能である。
シーケンスコードとは、フレーズデータの再生をスタート/ストップする発音の指定と、レジスタの設定を行うタイミングの指定を含む。シーケンスコードに対応するシーケンスデータに基づいて、指定されたフレーズデータの再生が実行される。
本実施形態では、シーケンスコードは、音声ROM327に、最大で8192個が登録可能とされている。一括制御部711は、これらの8192個のシーケンスコードから、一度に最大で任意の異なる8つのシーケンスの再生順序を設定することができる。シーケンスは、1つのシーケンスコードに対応するフレーズ再生を意味する。
動作制御部712は、メモリI/F707を介して音声ROM327等の外部ROMから受け取ったシーケンスコードに対応するシーケンスデータに基づいて、フレーズの再生処理、音声のボリューム調整及びパン処理、エフェクト処理、ポーズ/リジューム、無限ループ、回数設定ループ等の音声再生処理を制御することができる。従って、シーケンスデータは、再生するフレーズのフレーズ番号、仮想トラックの番号(仮想トラック番号)、ボリューム(音量)のデータなどを含むことになる。
〔メインジェネレータ〕
メインジェネレータ704は、再生開始が指定された音源の情報(フレーズデータ、音源データ、音声データ)から音声信号を生成するデコーダ部721と、生成された音声信号に楽曲再生や効果音等に使用可能な周期波形を生成するトーン生成部722(トーンジェネレータ部)とを機能ブロックとして備える。メインジェネレータ704は、フレーズデータから音声信号を生成する。デコーダ部721とトーン生成部722は、演算処理回路等から構成されるが、必ずしも物理的な構成と一対一に対応しなくてもよく、重複して同一の演算処理回路等から構成されてもよい。
メインジェネレータ704は、コマンド記憶部702の制御レジスタの設定内容に従って、フレーズデータの、再生開始、再生停止、一時停止、一時停止位置からの途中再生、繰り返し再生(ループ再生)、再生フェードアウト、フレーズデータの切換処理、モノラル再生、ステレオ再生、連続再生、エラー対応処理を実行することができる。
デコーダ部721は、エンコードされたフレーズデータ(例えば圧縮されたフレーズデータ)をデコードするもので、デコードしようとするフレーズデータに対応するチャンネルを所定数(最大で32)有する。デコーダ部721は、最大で32チャンネルを有し、32チャンネルのフレーズデータを同時再生可能とされている。なお、後述の動的割当において、適宜、32チャンネルのうちから、使用するチャンネル(例えば6チャンネル)を設定できる。
トーン生成部722は、主制御用マイコン311からのコマンドに従って、サイン波、三角波、ノコギリ波、矩形波等の波形「種別」、波形の「振幅」、「周波数」等が定められた周期信号を生成する。
トーン生成部722は、生成した周期信号に基づいて、複数のトーン(単調音)を生成することができる。トーン生成部722は、最大で16チャンネル分の音声再生に対してミックス処理及びエフェクト処理等を実行可能とされている。これにより、音源LSI314は、複数の音源再生(トーン生成)を同時に実行できる。
なお、後述の固定割当では、トーン生成部722に対して、仮想トラック及びトーン生成部722のチャンネル(最大16)の割当を行わず、トーン生成部722は、後述の動的割当においてのみトーン(単調音)を生成することができる。
トーン生成部722は、主制御用マイコン311からの制御パラメータによって再生が選択されると、フレーズデータの場合と同様に、ミキシング処理、エフェクト処理の対象となる32チャンネルのミキシングチャンネルのうちの1チャンネル分として扱われる。また、再生スタート、再生ポーズ、再生リジュームが設定される。
また、トーン生成部722は、音声ROM327等の外部ROMから供給されたサウンドコントロールコードを再生する通常動作と、外部ROMのない場合の動作とがある。通常動作では、フレーズデータが格納された音声ROM327等の外部ROMからダウンロードしたサウンドコントロールコード(SCC)により16音のトーンを発生可能である。
本実施形態において、トーン生成部722は、ブート時(音源LSI314の起動時、演出制御装置300の電源投入時)など特別な場合にのみに使用されるため、基本的には使用されないものとして取り扱う。
メインジェネレータ704は、さらに、再生する音源の情報(フレーズデータ、音源データ、音声データ)を複数の仮想トラックのそれぞれに設定し、再生する音源の情報が設定された仮想トラックを音源再生手段(デコーダ部721等)のチャンネルに動的に割り当てる動的割当部723と、仮想トラックを音源再生手段(デコーダ部721等)のチャンネルに固定的に(一対一で)割り当てる固定割当部724とを備える。以下では、デコーダ721(音源再生手段)のチャンネルを再生チャンネルと表す。また、動的割当の機能のことを、ZAQ機能と呼ぶことがある。なお、動的割当部723と固定割当部724は、メインジェネレータ704ではなく、音声処理制御モジュール703に設けてもよい。動的割当部723と固定割当部724は、割当部725を構成する。
動的割当部723と固定割当部724は、演算処理回路等から構成されるが、必ずしも物理的な構成と一対一に対応しなくてもよく、重複して同一の演算処理回路等から構成されてもよい。動的割当部723と固定割当部724を区別せず、割当部725が動的割当と固定割当の両方の機能を有してもよい。
なお、動的割当部723と固定割当部724は択一的に有効になり、一方が有効な場合には、他方は無効になり機能しない。動的割当部723と固定割当部724のいずれを有効にするか否かの情報は、例えば音声ROM327などのメモリ(記憶部)に記憶される。メインジェネレータ704(音声処理制御モジュール703でもよい)は、動的割当部723と固定割当部724のいずれを有効にするか否かの情報を読み込んで、動的割当部723と固定割当部724の一方を有効にする。なお、主制御用マイコン311が状況に応じて、動的割当部723と固定割当部724のいずれを有効にするか制御コマンドによって音源LSI314に指示してもよい。
・動的割当部
以下、動的割当部723の動作について説明する。動的割当部723は、128個(N個)の仮想トラックから所定数(L個)の仮想トラックを使用する。動的割当部723は、デコーダ部721の最大32個の再生チャンネルのなかから所定数(M個)の再生チャンネルに動的に仮想トラックを割り当てて使用する。動的割当部723は、デコーダ部721の割当がある再生チャンネルのなかからフレーズ再生に寄与していない再生チャンネルを抽出する。割当があり使用可能な再生チャンネルのうちフレーズ再生に寄与していないものを「未使用再生チャンネル」と称する。なお、仮想トラックの数(N個)は、デコーダ部721の再生チャンネルの数(M≦32)よりも大きい。
また、動的割当部723は、128個の仮想トラック(仮想トラック領域)から使用する仮想トラックの仮想トラック番号の範囲(使用対象領域)を指定するレジスタ(例えば、後述のZAQSET_TRK_x)を参照して、所定数(L個)の仮想トラックを使用対象領域として使用する。動的割当部723は、デコーダ部721の最大32個の再生チャンネルのなかから所定数(M個)の再生チャンネルを指定するレジスタ(例えば、後述のZAQSET_DECCH_x)を参照して、所定数(M個)の再生チャンネルを使用する。なお、本実施形態では、簡単のため、動的割当部723が仮想トラックを割り当てることによって使用する再生チャンネルは6チャンネルである(M=6)。これは、ミキサ部731からの6個の出力チャンネル(後述のEL0、ER0、EL1、ER1、ZUB0、ZUB1)に対応付けたものであるが、動的割当部723が使用する再生チャンネルは6個以外でもよい(例えば、6個未満でも最大数の32個でもよい)。
動的割当部723は、一例として、以下に示す5つのモード#1〜#5で動作することができる。
(動的割当モード#1)
動的割当部723は、コマンド記憶部702にフレーズデータ(音声データ)の再生を開始する開始コマンド(開始設定の情報)が書き込まれると、メインジェネレータ704は、未使用再生チャンネルがある場合には、再生する仮想トラックを未使用再生チャンネルに割り当てる。また、動的割当部723は、未使用再生チャンネルがない場合には、再生中のフレーズデータの再生を強制停止して、再生チャンネルを解放し、解放後の再生チャンネルに、再生する仮想トラックを割り当てる。
未使用再生チャンネルがない場合の割当処理の一例として、フレーズデータ再生の開始コマンドが設定された仮想トラックの番号よりも大きな番号の仮想トラックが再生中である場合であれば、この大きな番号の仮想トラックに設定されたフレーズデータの再生を強制停止し、この仮想トラックに割り当てられた再生チャンネルを解放し、新たに再生開始のコマンドが設定された仮想トラックを、先ほど解放されて未使用となった再生チャンネルに割り当てる。これにより、新たに再生開始が指定された仮想トラックに設定されたフレーズデータの再生が開始される。なお、フレーズデータの再生を強制停止する仮想トラックは、新たに再生開始のコマンドが設定された仮想トラックの番号よりも大きな番号の仮想トラックでなくてもよい。
動的割当部723は、未使用再生チャンネルがない場合には、再生チャンネル割当エラーとして、再生開始のコマンドが指定された仮想トラックに設定されたフレーズデータを再生しないようにしてもよい。また、未使用再生チャンネルがない場合であって強制停止できる仮想トラックがない場合も同様に、再生開始のコマンドが指定された仮想トラックに設定されたフレーズデータを再生しないようにしてもよい。これにより、再生中のフレーズデータが強制停止されることがなく、遊技者に不快感が生じない。
(動的割当モード#2)
続いて、動的割当部723における動的割当モード#2について、図34を用いて説明する。図34は、動的割当部723における割当動作を説明する模式図である。動的割当部723は、128個(N個)の仮想トラックのうち、L個の仮想トラックを、デコーダ部721(音源再生手段)のチャンネルへの割り当て対象領域とする使用対象領域として分類する。また、使用対象領域以外(128−L個)の仮想トラックを使用対象外領域として分類する。そして、動的割当部723は、音声の音源の情報(フレーズデータ、音源データ、音声データ)を使用対象領域の仮想トラックに設定する。使用対象領域を構成する仮想トラックの数(L個)は、デコーダ部721(音源再生手段)のチャンネルの数(M個、例えば6個)以下になるように設定される(L≦M)。
これによって、使用対象領域のL個の仮想トラックに対して、デコーダ部721(音源再生手段)のチャンネルの数(M個)が不足することがなくなり、フレーズデータの再生を強制停止することがなくなる。動的割当モード#2は、所定の条件下、例えば、フレーズデータ(音声データ)がエラーや不正の報知音の発生に使用されるものである場合に、デコーダ部721(音源再生手段)のチャンネルの数(M個)の不足を防止するために使用できる。
なお、遊技機10において、エラー/不正が検知された際には、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド、不正解除コマンド、状態オフコマンド、状態オンコマンド、磁石不正報知コマンド(磁気エラーコマンド)、盤電波不正報知コマンド(盤電波エラーコマンド)等が発行されて、エラー/不正設定処理(B1316)が実行されることにより、エラーや不正の報知音が発生される。
例えば、動的割当部723は、最大128個の仮想トラックの全てを使用せず、デコーダ部721(音源再生手段)の使用可能な再生チャンネルの数(M個、例えば、6個のチャンネル)に対応する連続する仮想トラック(6個)を使用対象領域として設定する(図34(A)の例)。動的割当部723は、仮想トラック領域において不連続な仮想トラックを使用対象領域として設定してもよい(図34(B)の例)。
動的割当部723は、使用対象領域を構成する仮想トラックの数(L個)を、多くともデコーダ部721(音源再生手段)の再生チャンネルの数(M個)と同数に設定する。また、既に再生中のフレーズデータ(先着フレーズという)の再生が終了した後に再生チャンネルが解放されるように設定する。この場合には、仮想トラックに、新たなフレーズデータ(後着フレーズという)の再生の開始コマンドが設定された際には、再生が終了した再生チャンネルから順に解放され、再生が終了した再生チャンネルに後着フレーズが割り当てられる。このため、動的割当モード#2では、フレーズデータの再生途中で強制停止されることがない。
(動的割当モード#3)
動的割当部723は、デコーダ部721の再生チャンネルの数が変更された場合に、変更後の再生チャンネルの数に応じて、仮想トラック領域における使用対象領域を構成する仮想トラックの数を変更する。このモードでは、例えば、スピーカ19の故障等により、再生に寄与する再生チャンネルの数が設定よりも減少した場合において、使用対象領域の仮想トラック領域の数も減少させる。これにより、使用対象領域の仮想トラック領域の数が再生チャンネルの数を上回ることによって、再生中の先着フレーズが強制的に停止され、後着フレーズの再生が開始されてしまうような事態を防止できる。
(動的割当モード#4)
動的割当部723は、仮想トラック領域に設定された使用対象領域を構成する仮想トラックの数に応じて、音源再生が可能な再生チャンネルの数を設定する。このモードでは、デコーダ部721の使用可能な再生チャンネルの数(32個)よりも少ない再生チャンネル(M個)に仮想トラックを割り当てて、現在、音声を発生している場合において、演出に使用されるメロディや効果音などに使われる音源の種類(すなわち、フレーズデータの数)が急激に増加した場合などに、仮想トラックを割り当てる再生チャンネル(M個)を増加させる。これにより、仮想トラック領域の使用対象領域を構成する仮想トラックの数が、現在使用中の再生チャンネルの数を上回ることによって、再生中の先着フレーズが強制的に停止され、後着フレーズの再生が開始されるような事態を防止できる。
(動的割当モード#5)
動的割当部723は、仮想トラック領域における使用対象領域を構成する仮想トラックの数(L個)に応じて、音源の情報(フレーズデータ、音源データ、音声データ)を変更する。このモードでは、例えば、デコーダ部721の再生可能な再生チャンネルの数(32個)よりも少ない再生チャンネル(M個)を用いて、現在、音声を発生している場合に、音源の情報(フレーズデータ、音源データ、音声データ)の数を仮想トラック領域の使用対象領域を構成する仮想トラックの数(L個)に合わせるように制限する。動的割当部723又は演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311は、音源の情報の数(フレーズ番号の数)を制限する。これにより、仮想トラックの数が現在使用中の再生チャンネルの数を上回ることによって、再生中の先着フレーズが後着フレーズによって強制的に停止され、後着フレーズの再生が開始されるような事態を防止できる。
・固定割当部
固定割当部724は、最大128個の仮想トラックのうちの所定数の仮想トラックのみを使用し、デコーダ部721の再生チャンネルの割り当てを、所定数の仮想トラックに固定する(固定割当モード)。本実施形態では、簡単のため、固定割当部724が仮想トラックを割り当てて使用する再生チャンネルは6チャンネルであるため、固定割当モードで動作する際の割当可能な仮想トラックの数も6つに設定されている。すなわち、本実施形態では、固定割当部724は、6つの仮想トラックに、6つの再生チャンネルを1対1で割り当てる。
上述した動的割当モード又は固定割当モードの何れを使用するかは、演出制御装置300の主制御用マイコン311がホール・遊技者設定モード(B0011)により設定してもよい。また、上述した動的割当モード#3,#4,#5は、主制御用マイコン311からの制御コマンドによって実行され、使用対象領域の仮想トラック番号が、主制御用マイコン311によって設定されてもよい。
〔マルチエフェクタ〕
マルチエフェクタ705は、メインジェネレータ704からの音声信号にミキシング処理やエフェクト処理を行い、処理後の音声信号を音声信号I/F706に出力している。マルチエフェクタ705は、図33に示すように、メインジェネレータ704からの音声信号とデジタルオーディオ入力信号とをミックスするミキサ部731と、各種エフェクト処理を行うためのエフェクタ部732とを備える。
図35は、マルチエフェクタ705の基本的なシグナルフローを説明する図である。マルチエフェクタ705の各機能は、図35に示す各構成によって実現される。マルチエフェクタ705は、インプットセレクタ751と、ミキサ752,754,756,758と、インサーションGxブロック(IGX)753と、センドリターンGxブロック(SRGX)755と、マスターGxブロック(MGX)757とを備える。ミキサ部731は、複数のミキサ752,754,756,758から構成される。エフェクタ部732は、IGX753、SRGX755、MGX757から構成される。
IGX753は、単一のフレーズの音声信号に対してエフェクト処理を施す。SRGX755は、エフェクト処理用のバスであるGxバス上にミックスした信号に対してエフェクト処理を施す。MGX757は、3バンドイコライザ361、アコースティックトータルリニアイコライザ362、コンプレッサ363を有する。アコースティックトータルリニアイコライザ362は、遊技機10のサウンドシステムの音響特性を補正する機能であり、音声信号の振幅と位相とを補正することができる。また、アコースティックトータルリニアイコライザ362は、遊技機10の筐体の位相特性と振幅特性に合わせて、位相の歪みを低減し、振幅特性をフラットに近づけることができる。
図35の構成により、マルチエフェクタ705は、ミキサ部731及びエフェクタ部732における、再生チャンネルにおいて再生される音声信号をミックスするチャンネルミックス機能、仮想トラックに設定されたフレーズデータ毎に再生ボリュームを設定するチャンネルボリューム機能、フレーズデータの再生時における左右方向及び上下方向の音量バランス(パンポットという)を調整する機能、エフェクト処理用のGxバスへのレベルを調整する機能及び全ての再生チャンネルからの音声をミックスした後のトータルボリューム調整機能等を実行することができる。
図36は、ミキサ部731(特に、ミキサ752,754)における、チャンネルボリューム機能及びパンポット機能のシグナルフローを説明する図である。ミキサ部731は、デコーダ部721、トーン生成部722、オーディオ入力の各音声信号から最大32チャンネルを入力し、6チャンネルにミックスして、EL0、ER0、EL1、ER1、ZUB0、ZUB1の各音声出力信号として出力することができる。EL0、ER0、EL1、ER1は4個のスピーカによる上下左右の音像定位を想定した信号であり、ZUB0、ZUB1は2つのモノラル信号である。例えば、EL0、ER0、EL1、ER1の音声出力信号は、各々、後段(ミキサ756,758、MGX757など)の処理を受けた後に、左側の上スピーカ19a、右側の上スピーカ19a、左側の下スピーカ19b、右側の下スピーカ19bから音声として出力されることになる。また、例えば、ZUB0、ZUB1は、後段の処理を受けた後に、左右の上スピーカ19a又は左右の下スピーカ19bから音声として出力されることになる。なお、ZUB0、ZUB1に対して専用のスピーカを設けてもよい。
ミキサ部731に入力された信号は、チャンネルボリューム各種(1次ボリューム、2次ボリューム、ZUB0ボリューム、ZUB1ボリューム)と上下左右のパンポット(左右パン、上下パン)により6個の信号に分配され、EL0、ER0、EL1、ER1、ZUB0、ZUB1の6チャンネルの音声信号としてミックスされる。
パンポット機能には、4個のスピーカによる音像定位を想定した4チャンネルモードと、3個のスピーカによる音像定位を想定した3チャンネルモードが設定されている。ミキサ部731は、エフェクタ部732を接続することができ、ミキサ部731とエフェクタ部732との間で入出力信号の受け渡しが行われる。エフェクト処理用のバスとしてGxバスを用いる場合には、ミキサ部731に入力された信号は、Gxバスへ送るセンドレベルにより4個の信号に分配され、Gxバス0〜3の4チャンネルの信号としてミックスされる。
〔音声信号I/F(デジタルオーディオインターフェイス)〕
音声信号I/F706は、アンプ回路337と接続されており、マルチエフェクタ705からの音声信号をデジタルオーディオ信号として、アンプ回路337に出力する。また、音声信号I/F706は、図示されていないコーデック等のオーディオデバイスを介してデジタルオーディオ信号を入力する。本実施形態では、24ビット/最大6チャンネルのデジタルオーディオ信号を入出力可能とされている。
〔メモリI/F(メモリインターフェイス)〕
メモリI/F707は、フレーズデータ、シーケンスデータ、DBCのほか、音源LSI314における音源の発音制御等に必要なデータが格納された外部メモリにアクセス可能とされている。外部メモリは、音声ROM327等の外部ROMを含む。
〔音源LSIの各構成に設定されるレジスタの説明〕
次に、音源LSI314を動作させるためのコマンド記憶部702のレジスタの一例について説明する。図37は、コマンド記憶部702の1つのレジスタバンクに格納されるレジスタの一例を示す図である。レジスタの値(制御コマンド等)は、音源LSI314自身によって設定できるし、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によっても設定できる。
図37に示すレジスタバンクにおいて、Wは、書き込み(ライト)可能であることを示し、Rは、読取り(リード)可能であることを示す。また、SeqWの欄に●があるのは、動作制御部712によって書き込みができるレジスタを表す。同様に、IndWの欄に●があるのは、書き込み経路によって書き込み値が独立しているレジスタを表す。TGの欄に●があるのは、ブート時(音源LSI314の起動時、演出制御装置300の電源投入時)にトーン生成部722において書き込みアクセスが可能なレジスタを表す。TGに●のないレジスタは、ブート時に読み込みは可能であるが、書き込みを行って値を変更することができないことを表す。また、RBの欄は、レジスタバンクの番号を示す。
QN_xyは、フレーズ番号レジスタを表す。QN_xyにおいて、xは仮想トラックの番号(仮想トラック番号)を表し、yは、フレーズを連続的に再生する場合の再生順序であるシーケンシャル番号を表す。このレジスタに指定された番号のフレーズデータが音声ROM327等の外部ROMに登録された最大8192フレーズから選択されて、シーケンシャル番号yに従って番号xの仮想トラックで再生される。
QL_xyは、フレーズループレジスタを表す。このレジスタに指定されたフレーズデータをループする回数(再生の繰り返し回数)が設定される。
BP0_xは、フレーズデータを再生する際における左右方向の音量バランスを設定するパンポットレジスタを表す。
BP1_xは、フレーズデータを再生する際における上下方向の音量バランスを設定するパンポットレジスタを表す。
BV1_xは、フレーズデータを再生する際における1次ボリュームを設定するためのボリュームレジスタを表す。
BV2_xは、フレーズデータを再生する際における2次ボリュームを設定するためのボリュームレジスタを表す。
BV3_x,BV4_xは、フレーズデータを再生する際におけるサブボリュームを設定するためのレジスタを表す。
EARGAIN_xは、バーチャルサラウンド機能を使用する場合の耳元成分のゲインを設定するためのイアゲインレジスタを表す。
GXBUS0V_x、GXBUS1V_x、GXBUS2V_x、GXBUS3V_x、EARGAIN_x、SW3DPAN_xは、マルチエフェクタ705での処理を設定するレジスタを表す。
LOOQ_xは、QN_xyで指定されるフレーズをQNUM_xで示されるフレーズ数分連続して再生する再生動作を、LOOQ_xの値の回数だけループ再生することを設定するためのレジスタを表す。
PVUP_xは、ボリューム設定及びパン設定するためのレジスタであり、1の場合に、ボリューム設定及びパン設定に関連する各レジスタの設定が有効化される。PVUP_x=1が設定された時点のQL_xy、BP0_x、BP1_x、BV1_x、BV2_x、BV3_x、BV4_x、GXBUS0V_x、GXBUS1V_x、GXBUS2V_x、GXBUS3V_x、EARGAIN_x、SW3DPAN_x、LOOQ_xの値が、レジスタQTRK(後述)で指定された番号xの仮想トラックに取り込まれる(設定される)。
QTRKには、仮想トラック番号(番号x)が指定される。ステレオフレーズを登録する場合、QTRKのn番と、QTRKのn+1番の仮想トラックにデータが指定される。このため、ステレオ再生されるフレーズデータの場合には、QTRK=127は指定できない。
QPLAY_xは、仮想トラック番号xの仮想トラックにおいて、QN_xyで指定されるフレーズをQNUM_xで示されるフレーズ数だけ連続して再生することを設定するレジスタを表す。QPLAY_xレジスタに1が書き込まれた場合には、QTRKで指定された番号xの仮想トラックにおいて、QN_xyで指定されるフレーズをQNUM_xで示されるフレーズ数だけ連続して再生する。
QPLAY_PRIは、すでに再生中の先着フレーズと、今回指示された後着フレーズのいずれかの再生を優先することを設定するためのレジスタを表す。QPLAY_xレジスタによるフレーズ再生スタートコマンドの発行時、仮想トラック番号xの仮想トラックが再生中であった場合に、QPLAY_PRIに1が指定されていた場合には、例えば、後着フレーズを優先して再生することができる。
PNRCLは、QTRKで示される仮想トラックの設定をレジスタに反映する。1の場合にはQNUM_x、QPLAY_PRI、QPLAY_xの値が無視される。
QNUM_xは、連続再生するフレーズ数を指定するためのレジスタを表す。例えば、QNUM_xの値が1の場合にはQN_x0およびQN_x1で指定されたフレーズが連続再生される。例えば、QNUM_xの値が7の場合にはQN_x0・・・QN_x7で指定された8つのフレーズが連続再生される。
TVxは、出力される音声のトータルボリュームを設定するためのレジスタを表す。
3CHは、パンモードの切り替えを設定するためのレジスタを表す。3CH=1のとき、L1/R1のパンポット(音量バランス)は、真ん中に固定され、3CH=0のとき、L1/R1のパンポットには、BP0_xレジスタの内容が反映される。
ECLRは、イアゲイン設定を初期値にする設定のためのレジスタを表す。ECLR=1のとき、全仮想トラックのEARGAIN設定が初期値に設定される。
BCLRは、バス設定を初期値にする設定のためのレジスタを表す。BCLR=1のとき、全仮想トラックのGxバス設定が初期値に設定される。
SRCN_xy、SRCL_xy、SRLT_x、TRG_x、SROT_x、SRTM_x、SRSC_xは、シーケンス再生の制御を設定するレジスタを表す。ここで、xは、シーケンサチャンネルの番号であるシーケンス系統番号(シーケンサの番号、0から15)であり、yはシーケンシャル数である。
SRCN_xyは、シーケンスコードを設定するレジスタを表す。外部ROMに登録された最大8192コードから選択された1コードが設定される。
SRCL_xyは、各シーケンス(各シーケンスコード)を繰り返すループ回数を設定するレジスタを表す。
SRLT_xは、シーケンス全体のループ回数を設定するレジスタを表す。
TRG_xは、シーケンスxのオフトリガの有効/無効を設定するレジスタを表し、1であれば有効、0であれば無効が設定される。オフトリガとは、特定の仮想トラックが停止状態になるまでシーケンスのステップの進行を止める処理である。
SROT_xは、動作制御部712(シーケンサ)のオフトリガーチャンネルを設定するレジスタを表す。例えば、SROT_xは、オフトリガに対応する上述の特定の仮想トラックの仮想トラック番号を格納できる。
SRTM_xは、動作制御部712(シーケンサ)のタイマー値を設定するレジスタを表す。タイマー値SRTM_x=0の場合に、シーケンスのステップ(シーケンスコードステップ)を次に進める。
SRSC_xは、動作制御部712(シーケンサ)のストップチャンネルを設定するレジスタを表す。SRSC_xは、各シーケンサチャンネルに対する停止、再生再開を、仮想トラックに対しても同じタイミングで行うために使用する。SRSC_xレジスタの値を、対象とする仮想トラックの指定に用いる。SRSC_xレジスタのビットが、各仮想トラックに対応する。ビットが0の仮想トラックは非対象になる。1の仮想トラックはストップチャンネルの機能の対象となる。シーケンサが停止又はポーズした場合、SRSC_x=1で指定される各仮想トラックの再生を停止又はポーズする。シーケンサが再生再開された場合、SRSC_x=1で指定される各仮想トラックを再生再開する。
SRRCLは、SRCHで示される番号xの動作制御部712(シーケンサ)の内部設定をレジスタの現在の値に反映させる設定を行うためのレジスタを表す。
SRCHは、16系統(16チャンネル)ある動作制御部712において、どの系統(シーケンサチャンネル)でシーケンスを実行するかを指定するためのレジスタを表す。SRCHは、シーケンサチャンネルの番号であるシーケンス系統番号x(シーケンサの番号、0から15)を指定する。
SRS_xは、動作制御部712(シーケンサ)の再生開始、一時停止、終了、再生再開を設定するためのレジスタを表す。0は終了、1は再生開始、2は一時停止、3は再生再開が設定される。
SRNUM_xは、値nを設定し、SRCN_x0からSRCN_nまで、SRNUM_xで指定された範囲(y=0からn)だけを連続してシーケンス再生することを設定するためのレジスタである。
ZAQSET_TRK_xは、動的割当において使用する仮想トラック番号の範囲を設定するためのレジスタを表す。動的割当モード#2(前述)において、この仮想トラック番号の範囲を、所定数(L個)の仮想トラックを含む使用対象領域としてもよいが、使用対象領域を別に設定する場合には、使用対象領域の中からこの仮想トラック番号の範囲を設定してよい。
ZAQSET_DECCH_xは、動的割当において使用するデコーダチャンネル数(デコーダ部721のチャンネル数(M))を設定するためのレジスタを表す。例えば、デコーダチャンネル数Mは6である。
ZAQSETCHは、動的割当を実行するためのZAQセットの番号x、即ちZAQセット設定チャンネルを設定するためのレジスタを表す。ZAQSETCHが書き込まれた際のZAQSET_TRK_x、ZAQSET_DECCH_xが、ZAQSETCHで示されるZAQセットxの値として取り込まれる。
ZAQセット0として、デコーダ部721に関して仮想トラック及びチャンネル(デコーダチャンネル:最大32)の割り当てを設定してよい。例えば、本実施形態では、動的割当モード#1において、ZAQセット0に仮想トラック0〜127、再生チャンネル0〜5が割り当てられる。また、動的割当モード#2においては、例えば、ZAQセット0に仮想トラック0〜4、再生チャンネル0〜5が割り当てられる。なお、動的割当においては、仮想トラックを最大16グループまで分割して制御してもよい(ZAQセット0〜15を使用可能)。
ZAQセットは、トーン生成部722やオーディオ入力に関して仮想トラック及びチャンネル(トーンチャンネル:最大16、オーディオ入力:最大6)の割り当てを設定することにも使用可能である。例えば、ZAQセット1として、トーン生成部722に関して仮想トラック及びトーンチャンネル(最大16)の割り当てを設定してよい。なお、前述のようにミキサ部731の音声信号入力は最大32チャンネルであるため(図36)、トーン生成部722やオーディオ入力に対して、この32チャンネルのうちデコーダチャンネルとして使用しないチャンネルが使用でき、128個のうちフレーズ再生に使用しない仮想トラックが使用できる。
一方、固定割当においては、一例として、ZAQセット0に仮想トラック0〜5、再生チャンネル0〜5が割り当てられる。他の例として、ZAQセット0に仮想トラック0〜31、再生チャンネル0〜31が割り当てられる。このため、固定割当では、トーン生成部722(仮想トラック106〜121)、オーディオ入力(仮想トラック122〜127)に対して再生チャンネルを割り当てることができない。
DBCN_xは、実行させようとする一括制御コード(DBC)を設定するためのレジスタを表す。
SAT_xは、DBCの実行を待ち状態にするためのタイマ機能を設定するためのレジスタを表す。
SA_STS_xは、最大で4つ実行されるDBCの実行ステータスを設定するためのレジスタを表し、0は停止又は一時停止であり、1は実行中であることを示す。
RBは、レジスタバンクの番号を設定するためのレジスタである。
DEVENは、デバイスイネーブルを表し、本音源LSI314に対してコマンドを有効にするか否かの設定を行うためのレジスタである。
IDは、本音源LSI314のIDであり、主制御用マイコン311が音源LSI314のIDを読み出すために使用される。
〔音源LSIの動作〕
音源LSI314は、図33に示す構成を備え、上述したコマンド記憶部702に制御コマンド等のコマンドが設定されることにより、フレーズ再生機能、シーケンシャルフレーズ再生機能、シーケンス再生機能等による音声発生処理が実行可能である。また、これらの音声発生処理によって生成された音声信号に対して、トーン発生機能、ミキサー機能、エフェクタ機能等による音声生成処理が可能である。
以下では、シーケンス再生機能とフレーズ再生機能について説明する。なお、フレーズ再生機能は、シーケンシャルフレーズ再生機能を含む。
・シーケンス再生機能
音源LSI314は、動作制御部712により、フレーズ再生機能や、ボリューム/パン、エフェクト機能等を、音声ROM327等の外部ROMに登録したシーケンスデータに従って制御することによる自動演奏が可能である。また、音源LSI314は、複数のシーケンスをチェイン再生することも可能である(シーケンスチェイン機能)。シーケンス再生は、最大16系統(16チャンネル)を同時に実行可能である。
シーケンス再生機能では、動作制御部712は、音声ROM327等の外部ROMからシーケンスコードを読み出し、シーケンスコードのシーケンスデータ(データ列)にあるコマンドをシーケンスコードで指定されたコマンド記憶部702のアドレスに書き込む。シーケンスコードの内容は、フレーズデータの再生スタート/ストップなどの発音の指定と、それらのレジスタ設定を行うタイミングの指定で構成される。このシーケンスコードにしたがってレジスタ設定が行われることにより、フレーズデータの自動演奏が可能となる。
シーケンス再生は、図37に示すレジスタのうち、SRCN_xy,SRCL_xy,SRLT_x,SRCH=x,SRNUM_x,SRS_x=1等における設定により実行される。また、シーケンス系統番号xのシーケンサ(動作制御部712)に関して、シーケンス再生の停止は、SRCH=x、SRS_x=0における設定により実行される。
シーケンス系統番号xのシーケンサ(動作制御部712)に関して、シーケンス再生制御は、図37に示すレジスタにおけるSRS_xに1が書き込まれたときの、SRCN_xy、SRCL_xy、SRLT_x、TRG_x、SROT_x、SRTM_x、SRSC_xの設定が、SRCH=xで示されるシーケンサチャンネルの設定値として動作制御部712に取り込まることにより実行される。なお、主制御用マイコン(CPU)311は、フレーズ番号ではなくシーケンス系統番号xを音声番号として設定してよい(変動演出設定処理のB2016)。また、主制御用マイコン(CPU)311は、各種演出の実行タイミングで、当該各種演出に対応するシーケンス(複数可)の再生を開始するための開始設定として、シーケンス系統番号とシーケンス開始コマンド等の必要な情報をコマンド記憶部702のレジスタ(SRCH、SRS_x等)に書き込む(B0021)。
例えば、SRS_xレジスタに1が書き込まれた場合には、シーケンス再生中となり、SRCHで指定されるシーケンサチャンネルに対して、SRCN_xy、SRCL_xy、SRLT_x、TRG_x、SROT_x、SRTM_x、SRSC_xで指定された値が設定されて、最初のシーケンスコードから再生が開始される。なお、SRS_xレジスタに0(ストップ)又は2(ポーズ)が書き込まれた場合には、シーケンス再生が停止状態とされる。
また、シーケンス再生では、所定のシーケンスコードに指定されたフレーズデータをループ再生することができる。
図38は、シーケンス再生におけるループ処理を説明する図である。ループ処理では、1つのシーケンスコードに対応するシーケンスの再生が各シーケンスデータの終端に達したとき、SRCL_xyの値を各シーケンスのループ回数として読み込み、指定された回数分、ループ再生を行う。最後のシーケンスをSRCL_xy(SRCL_xn)の値分、ループした後は、SRLT_xレジスタの値をシーケンス全体のループ回数としてループ処理を行う。
図38には、SRCN_x0において指定されたシーケンスコードに対応するシーケンスデータをSRCL_x0において指定された値分、ループ再生し、ループ再生が終了したら、続いて、SRCL_x1において指定されたシーケンスコードに対応するシーケンスデータをSRCL_x1において指定された値分、ループ再生するという再生順序が指定されていることが示されている。各シーケンスコードのシーケンスデータは、SRNUM_x+1において指定される範囲で順次再生され、全体のループ回数をSRLT_xにて指定することができる。
このように、音源LSI314は、シーケンス再生制御にしたがって、所定のフレーズデータから構成されるシーケンスデータを自動演奏することができる。
・フレーズ再生機能
音源LSI314は、メインジェネレータ704によって、音声ROM327等の外部ROMに登録された最大8192個のフレーズデータからフレーズ番号に対応するフレーズを選択して、仮想トラックに設定し、再生チャンネルに振り分けることで自動演奏を行うことができる。また、音源LSI314は、再生スタート/ストップ、ポーズ/リジューム等の再生オン/オフ制御と、無限ループまたは回数指定のループを自動的に実行することができる。
フレーズ再生は、図37に示すレジスタのうち、QN_xy,QL_xy,LOOQ_x,QNUM_x、QPLAY_x等における設定により実行される。
図39は、フレーズ再生におけるループ処理を説明する図である。メインジェネレータ704は、図37に示すレジスタにおけるQPLAY_xに1が書き込まれた場合に、QTRKで指定される1つの仮想トラック(仮想トラック番号x)において、QN_xyで指定されるフレーズをQNUM_xで示されるフレーズ数分だけ連続して再生することが指定できる(シーケンシャルフレーズ再生機能)。また、各フレーズは、QL_xyにおいて指定された回数分、ループ再生されるように指定できる。さらに全体のループ回数をLOOQ_xにより指定することができる。
また、メインジェネレータ704は、フレーズ再生において、フレーズデータの再生音が途切れる場合に、音声出力レベルの急激な変化によるノイズを生じさせないようにするために、フレーズ再生をポーズ/ストップしたときにフェードアウトした後に停止状態にすることができる。ステレオフレーズの場合には、L側チャンネルとR側チャンネル両方のデコーダチャンネルのそれぞれに対してフェードアウトを実行する。
また、メインジェネレータ704は、レジスタQPLAY_PRIの情報を参照して、フレーズデータの切り換え時において、既に再生中の先着フレーズと、今回、再生が指示された後着フレーズのいずれかの再生を優先するようにできる。
メインジェネレータ704は、先着フレーズを優先させる場合には、フレーズデータの再生スタートのコマンドが発行された際に、設定されている仮想トラックが全て停止中であれば、コマンドが発行された先着フレーズの再生を開始する。一方、いずれの仮想トラックも再生中であった場合には、先着フレーズが終端に到達するまで待ってから後着フレーズを再生する。
このように、音源LSI314は、フレーズ再生制御にしたがって、所定のフレーズデータを自動演奏することができる。
メインジェネレータ704は、後着フレーズを優先させる場合には、フレーズデータの再生スタートのコマンドが発行された際、仮想トラックが再生中かどうかによらず、指示された後着フレーズの再生を開始する。この場合、後着フレーズの再生開始処理は、先着フレーズの最後のデコードが完了した時点で実行されるため、先着フレーズの最終フレームが音声発生されるよりも前に、後着フレーズの再生処理が開始されている。この場合、先着フレーズの最終フレームの音声発生が終了する前に、後着フレーズの先頭フレームのデコードが完了し、音声発生可能になる場合がある。このような場合には、先着フレーズの最終フレームの音声発生が完結する前に、後着フレーズの先頭フレームが音声発生される場合がある。
音源LSI314は、上述したシーケンス再生機能とフレーズ再生機能によって、以下の、デコーダ部721による直接発音処理、動作制御部712によるデコーダ部721の発音処理、DBCによるデコーダ部721の発音処理、及びDBCによるトーン生成部722の発音処理が可能となる。
(デコーダ部による直接発音処理)
デコーダ部721による直接発音処理では、以下の工程1〜5が実行される。
1.コマンド記憶部702の仮想トラックに関するレジスタに、主制御用マイコン311が外部ROMにおけるフレーズデータに対応するフレーズ番号の設定と再生の開始設定(開始コマンドの書き込み)とを行う。
2.続いて、メインジェネレータ704(又は音声処理制御モジュール703)等に備えられる割当部725は、再生チャンネルから未使用再生チャンネルを抽出して、再生する仮想トラックのフレーズデータを未使用再生チャンネルに割り当てて発音制御する。なお、仮想トラックを動的割当によって未使用再生チャンネルに割り当てることができる。
3.続いて、デコーダ部721は、メモリI/F707を介して、音声ROM327等の外部ROMからフレーズ番号に対応するフレーズデータを読み込む。
4.続いて、デコーダ部721は、エンコードされたフレーズデータ(圧縮データ等)をデコードし、デコードされて得られたPCMデータをマルチエフェクタ705へ送る。
5.マルチエフェクタ705は、必要な音量に調整する処理及び音響効果処理等を施し、音声信号I/F706を介し、アンプ回路337及びスピーカ19等のオーディオシステムを経由して発音する。
(動作制御部によるデコーダ部の発音処理)
動作制御部712(シーケンサ部)によるデコーダ部の発音処理では、以下の工程1〜6が実行される。
1.主制御用マイコン311からコマンド記憶部702における、シーケンサ再生に関連するレジスタに、実行するシーケンス系統番号x(シーケンス番号)の設定と、シーケンス再生を開始する開始設定とを行う。
2.続いて、音声処理制御モジュール703の動作制御部712は、設定されたシーケンス系統番号xに対応するシーケンスコードを音声ROM327等の外部ROMから所定のフォーマットに従って順次読み出し、シーケンスコードのシーケンスデータ(データ列)にあるコマンドをコマンド記憶部702の該当するレジスタバンクの所定のレジスタに書き込む。
3.続いて、メインジェネレータ704(又は音声処理制御モジュール703)等に備えられる割当部725は、再生チャンネルから未使用再生チャンネルを抽出して、シーケンスデータに含まれるフレーズ番号と再生の開始設定を仮想トラックに設定し、仮想トラックを未使用再生チャンネルに割り当てて、発音制御する。なお、仮想トラックを動的割当によって未使用再生チャンネルに割り当てることができる。
4.続いて、デコーダ部721は、メモリI/F707を介して、音声ROM327等の外部ROMからフレーズ番号に対応するフレーズデータを読み込む。
5.続いて、デコーダ部721は、エンコードされたフレーズデータ(圧縮データ等)をデコードし、デコードされて得られたPCMデータをマルチエフェクタ705へ送る。
6.マルチエフェクタ705は、必要な音量に調整する処理及び音響効果処理等を施し、音声信号I/F706を介し、アンプ回路337及びスピーカ19等のオーディオシステムを経由して発音する。そして、以後、工程2〜5を繰り返す。
(DBCによるデコーダ部の発音処理)
一括制御コード(DBC)によるデコーダ部721の発音処理では、以下の工程1〜6が実行される。
1.主制御用マイコン311からコマンド記憶部702における、DBCに関連するレジスタに、DBC番号の設定とDBCに基づく一括制御再生を開始する設定を行う。
2.音声処理制御モジュール703の一括制御部711は、設定されたDBC番号に対応するデータ列を所定のフォーマットに従って順次読み出し、データ列にあるコマンドをコマンド記憶部702の該当するレジスタバンクの所定のレジスタに書き込む。
3.続いて、メインジェネレータ704(又は音声処理制御モジュール703)等に備えられる割当部725は、再生チャンネルから未使用再生チャンネルを抽出して、データ列に含まれるフレーズ番号と再生の開始設定を仮想トラックに設定し、仮想トラックを未使用再生チャンネルに割り当てて、発音制御する。なお、仮想トラックを動的割当によって未使用再生チャンネルに割り当てることができる。
4.続いて、デコーダ部721は、メモリI/F707を介して、音声ROM327等の外部ROMからフレーズ番号に対応するフレーズデータを読み込む。
5.続いて、デコーダ部721は、エンコードされたフレーズデータ(圧縮データ等)をデコードし、デコードされて得られたPCMデータをマルチエフェクタ705へ送る。
6.マルチエフェクタ705は、必要な音量に調整する処理及び音響効果処理等を施し、音声信号I/F706を介し、アンプ回路337及びスピーカ19等のオーディオシステムを経由して発音する。
(DBCによるトーン生成部の発音処理)
トーン生成部722による発音処理では、以下の工程1〜3が実行される。
1.主制御用マイコン311からコマンド記憶部702における、DBCに関連するレジスタに、DBC番号の設定とDBCに基づく一括制御再生を開始する設定を行う。
2.音声処理制御モジュール703の一括制御部711は、設定されたDBC番号に対応するデータ列を所定のフォーマットに従って順次読み出し、データ列にあるコマンドをコマンド記憶部702の該当するレジスタバンクの所定のレジスタに書き込む。
3.続いて、トーン生成部722は、コマンド記憶部702における所定のレジスタに設定されたコマンドに基づいて、ZAQセットに基づくトーンチャンネルの割り当て(割当部725が割り当ててもよい)、音声波形、周波数、ボリューム、開始/停止設定等の設定を実行し、仮想トラックへの発音設定により波形生成を行い、発音する。
〔音源LSIのその他の形態〕
音源LSI314は、前述の盤装飾LED制御回路332と枠装飾LED制御回路333の代わりに、盤装飾装置46或いは枠装飾装置18に含まれるLEDを駆動するLEDドライバと、LEDドライバの出力を行うペリフェラルインターフェイスとを更に備えていてもよい。ペリフェラルインターフェイスは、外部に接続したLEDドライバに接続されている。ポートに接続されたLEDドライバをLEDシーケンスによって点灯制御することにより、上述した音声発生処理の場合と同様に、多彩な演出が可能となる。
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態に係る遊技機10において、音源発生手段(例えば音源LSI314)により所定の音声を発生させる。音源発生手段は、M個のチャンネルの音源再生が可能な音源再生手段(例えばデコーダ部721、ミキサ部731等)と、M個よりも多く設けられ音源を指定するN個の仮想トラックからなる仮想トラック領域と、仮想トラック領域において指定された音源の情報を音源再生手段(例えばデコーダ部721、ミキサ部731等)のチャンネルに割り当てる割当手段(例えば割当部725)と、を有する。音源発生手段(例えば音源LSI314)は、N個の仮想トラックを、音源再生手段への割り当て対象領域とする使用対象領域と、使用対象領域以外の使用対象外領域とに分類する。音源発生手段は、音源の情報を使用対象領域に割り当てるとともに、使用対象領域とされる仮想トラックの数(L)がM以下になるように設定する。
このような遊技機10によると、使用対象領域のL個の仮想トラックに対して、音源再生手段(例えばデコーダ部721、ミキサ部731)のチャンネルの数(M個)が不足することがなくなり、不足したことによってフレーズデータの再生を強制停止することがなくなる。
音源発生手段(音源LSI314)は、複数の「仮想トラック」を構成することができ、この「仮想トラック」に、演出に係るフレーズデータを再生するための音源再生手段の複数のチャンネルうち、いずれかのチャンネルを割り当てることができるため、フレーズデータを再生する処理を効率的に行うことができる。
第1実施形態に係る遊技機10において、音源発生手段(例えば音源LSI314)が発生させる所定の音声は、遊技に関連する演出とは関係しない特定の報知音を含む。
なお、遊技機10において、エラー/不正が検知された際には、エラー/不正設定処理(B1316)が実行されることにより、エラーや不正の特定の報知音が発生される。
例えば、エラー/不正を知らせる報知音が突発的に発生された場合に、音源再生手段(例えばデコーダ部721、ミキサ部731等)のチャンネル(再生チャンネル)に未使用再生チャンネルが無いと、いずれかの再生チャンネルにおけるフレーズデータの再生が強制停止され、停止により解放された再生チャンネルを使って、再生すべきエラーや不正の報知音が発生される。
このため、強制停止されたフレーズデータが、例えば、演出のための主要なメロディや効果音であった場合には、遊技者にとっては、意識的に聞き取っているメロディや効果音が突然途切れて、エラーや不正の報知音を聞き取ることになるため、違和感を覚え、興趣低下に繋がる。また、報知音かどうかも認識しにくい。
そこで、本実施形態に係る遊技機10では、仮想トラック領域に使用対象領域(及び使用対象外領域)が設定される。使用対象領域を構成する仮想トラックの数は、再生チャンネルの数と多くとも同数に設定され、再生チャンネルは、フレーズデータの再生が終了した後に解放されるように設定される。
このため、再生中の再生チャンネルが強制停止されることが無く、演出のためメロディや効果音などの音声と合わせてエラーや不正の報知音が発生される。これにより、遊技者は、メロディや効果音に重ねて、違和感なく報知音を聞くことができる。
また、例えば、M個の再生チャンネルのうち、いずれか一つを常に解放しておく設定にして、エラーや不正の報知音が設定された仮想トラックを、この常時解放している再生チャンネルに割り当てるようにしてもよい。このようにすることで、演出のための主要なメロディや遊技状態を報知するための効果音を再生中の先着フレーズが、エラーや不正の報知音等の後着フレーズによって途切れることがなく、演出のための主要なメロディや遊技状態を報知するための効果音と合わせて発生される。これにより、遊技者は、メロディや効果音に重ねて、違和感なく報知音を聞くことができ、さらには、報知音による注意喚起に意識が向かいやすくもなる。
また、第1実施形態に係る遊技機10において、音源発生手段(例えば音源LSI314)は、音源再生手段における音源再生が可能なチャンネルの数が変更された場合に、変更後のチャンネル数に応じて、仮想トラック領域における使用対象領域を構成する仮想トラックの数を変更してよい。
これにより、例えば、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)のいずれかが故障等の何らかの要因によって音声発生できなくなり、再生可能な再生チャンネルが減少した場合に、使用対象領域を構成する仮想トラックの数を減少することによって、後着フレーズの再生のために、再生中のいずれかの先着フレーズが強制終了されることを防止できる。
第1実施形態に係る遊技機10において、音源発生手段は、使用対象領域を構成する仮想トラックの数に応じて、音源再生手段の音源再生が可能なチャンネルの数を設定してよい。
これにより、例えば、常時音声の発生に寄与していない再生チャンネルを追加して、再生チャンネル数を増やすことにより、仮想トラック領域の使用対象領域を構成する仮想トラックの数が、現在使用中の再生チャンネルの数を上回る場合に、音源再生手段のチャンネルの数を増加できる。これによって、後着フレーズの再生のために、再生中のいずれかの先着フレーズが強制終了されることを防止できる。
第1実施形態に係る遊技機10において、音源発生手段は、使用対象領域を構成する仮想トラックの数に応じて、音源の情報を変更してよい。
これにより、再生する音源の情報(フレーズデータ)の数を仮想トラック領域の使用対象領域を構成する仮想トラックの数に合わせるように変更できる。例えば、演出に関連するメロディのうち、ベース音に該当するフレーズデータを削除することで、このフレーズデータが割り当てられる仮想トラックの数を節約する。これにより、仮想トラックの数が現在使用中の再生チャンネルの数を上回ることによって、後着フレーズの再生のために、再生中のいずれかの先着フレーズが強制終了されることを防止できる。
第1実施形態に係る遊技機10において、音源発生手段(例えば音源LSI314)は、音源再生手段に、仮想トラック領域において指定された音源の情報を割り当てる未使用チャンネルがない場合において、再生開始が指示された仮想トラックに指定された音源を再生しないようにしてもよい。
これにより、未使用再生チャンネルがない場合や、未使用再生チャンネルがない場合であって強制停止できる仮想トラックがない場合に、現在再生中の音源の情報(フレーズデータ)が強制終了されることを防止でき、遊技者に不快感が生じない。
[第2実施形態]
図40から図42を参照して、第2実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態の実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
〔第2実施形態の演出制御装置〕
図40は、第2実施形態の遊技機10を構成する演出制御装置300とこれに接続する基板等を表すブロック図である。図40に示すように、本実施形態の遊技機10は、電源装置400、遊技制御装置100(遊技制御手段、ここでは不図示)、演出制御装置300(演出制御手段)を備え、演出制御装置300に盤面中継基板915、枠中継基板916、冷却ファン45、LVDS基板918、ROM基板920等がハーネス及びコネクタ(CN)を介して接続されている。
演出制御装置300は、電源装置400に接続され、直流電源(32V、15V、12V、5V)、停電監視信号(5V)、リセット信号(5V)が入力される。また演出制御装置300には、解析ポート955等が接続できるようになっている。
演出制御装置300には、電圧生成部800(電圧生成手段)が設けられている。電圧生成部800は、電源装置400からの直流電源(5V)から、1.05V、1.5V、3.3Vの出力電圧を生成する。
盤面中継基板915は、盤面モータドライバ44a(盤演出装置44の一部)、盤面モータセンサ47a(演出役物スイッチ47)、盤面装飾LEDドライバ46a(盤装飾装置46の一部)との間で信号を送受信するための中継基板である。また、盤面中継基板915には、演出制御装置300を介して電源装置400から直流電源(32V,15V,12V,5V)が供給される。
枠中継基板916は、枠モータドライバ44b(枠演出装置の一部)、演出ボタンスイッチ25a、枠モータセンサ47b、第1枠スピーカ(上スピーカ19a)、第2枠スピーカ(下スピーカ19b)、枠装飾LEDドライバ(枠装飾装置18の一部)との間で信号を送受信するための中継基板である。また、枠中継基板916には、演出制御装置300を介して電源装置400から直流電源(12V,5V)が供給される。
冷却FAN45は、演出制御装置300を介して電源装置400から直流電源(12V)が供給されることで動作する。
LVDS基板918は、演出制御装置300と、表示装置41とを中継する中継基板である。LVDS基板918には、演出制御装置300を介して電源装置400から直流電源(32V,12V,5V)が供給される。またLVDS基板918には、電圧生成部800から直流電源(3.3V)が供給され、当該直流電源を表示装置41に出力する。
LVDS基板918には、電源生成回路919を設けることができる。電源生成回路919は、電源装置400から供給された直流電源(32V)を直流電源(12V)に変換して表示装置41(LEDバックライト917)に出力する。これにより、接続する表示装置41の規格に応じて電源生成回路919を設計することができ、表示装置41を交換する場合でも、LVDS基板918を取り替えるだけで演出制御装置300の改造を行う必要がないので、その分、表示装置41の交換を容易に行うことができる。
ROM基板920は、画像ROM325を備え、画像ROM325に記憶された画像情報をVDP312(ビデオディスプレイプロセッサ)に出力するものである。ROM基板920には、電圧生成部800から直流電源(3.3V)が供給される。
演出制御装置300には、第1VDP−RAM923(記憶手段)及び第2VDP−RAM924(記憶手段)が設けられている。第1VDP−RAM923及び第2VDP−RAM924は、VDP312でデコードされた画像情報(動画、静止画)を一時的に格納する記憶媒体であり、電圧生成部800から直流電源(1.5V)が供給されることで動作する。
演出制御装置300を構成するVDP312(汎用ポート942)は、外部との信号の送受信を3.3Vの信号により行う。しかし、VDP312を構成する内蔵ホストCPU(CPU311、画像処理手段、VDPコア、演算処理手段)は、1.05Vで動作し、第1VDP−RAM923(記憶手段)及び第2VDP−RAM924(記憶手段)に接続するDRAMI/F940は1.5Vで動作する。よって、VDP312は、電圧生成部800から直流電源(1.05V、1.5V、3.3V)が供給されることで動作する。
VDP312の入力側として、演出制御装置300には、電源装置400(停電監視信号、リセット信号)の信号のレベル変換(5.0V→3.3V)を行うレベル変換回路921、遊技制御装置100(演出コマンド)の信号のレベル変換(5.0V→3.3V)を行うレベル変換回路922、盤面モータセンサ47aからの信号のレベル変換(5.0V→3.3V)を行うレベル変換回路926、演出ボタンスイッチ25a及び枠モータセンサ47bからの信号のレベル変換(5.0V→3.3V)を行うレベル変換回路929が設けられている。
また、VDP312の出力側として、演出制御装置300には、盤面中継基板915(盤面モータドライバ44a、盤面モータセンサ47a)に送信する信号のレベル変換(3.3V→5.0V)を行うレベル変換回路925、枠中継基板916(枠モータドライバ44b、演出ボタンスイッチ25a、枠モータセンサ47b)に送信する信号のレベル変換(3.3V→5.0V)を行うレベル変換回路928、LVDS基板918を介して表示装置41(LEDバックライト917)に送信する信号のレベル変換(3.3V→5.0V)を行うレベル変換回路934が設けられている。
さらに、VDP312の双方向通信用として、演出制御装置300には、盤面装飾LEDドライバ46aとI2C通信方式により双方向で送信する信号のレベルシフト(3.3V⇔5.0V)を行うレベルシフト回路927と、枠装飾LEDドライバ(装飾装置18a)とI2C通信方式により双方向で送信する信号のレベルシフト(3.3V⇔5.0V)を行うレベルシフト回路932が設けられている。
演出制御装置300には、電源装置400からの直流電源(15V)が供給され、VDP312から出力される音源データ(音声データ)を増幅するアンプ回路337(第1アンプ回路930、第2アンプ回路931)が設けられている。第1アンプ回路930は、第1枠スピーカ(上スピーカ19a)に増幅後の音源データを出力し、第2アンプ回路931は、第2枠スピーカ(下スピーカ19b)に増幅後の音源データを出力する。
演出制御装置300には、VDP312から出力されるLVDS信号を安定化させる保護回路933が設けられ、保護回路933は、LVDS基板918を介して表示装置41にLVDS信号(3.3V)を出力する。
なお、演出制御装置300には、VDP312の動作を監視するウォッチドッグタイマ回路324、VDP312が実行するプログラムや各種データを格納したPROM321、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、音量調節スイッチ335等が設けられている。また、LVDS基板918には、レベルシフト回路932の高電圧(5V)側に接続されたリアルタイムクロック回路338が設けられている。
VDP312は、遊技制御装置100から送信された演出コマンドを解析するCPU311(内蔵ホストCPU)、CPU311の作業領域を提供するRAM322(内蔵CPUワークメモリ)、CPU311とVDP312内のデータの送受信を行うCPUI/F937、PROM321内のデータをCPU311に送信するとともにCPU311が演出コマンドを解析して得られる各種コマンド(ディスプレイリスト、モータコマンド、ランプコマンド、サウンドコマンド)を出力するHOSTCPUI/F938、VDP312の初期設定を行うシステム制御レジスタ939を有する。
VDP312は、外部と信号を送受信する汎用ポート942、画像ROM325から画像情報を読み取るCGバスI/F941、第1VDP−RAM923及び第2VDP−RAM924との間で画像情報(動画、静止画)の送受信を行うDRAMI/F940を有する。
VDP312は、モータコマンドに基づいてモータ制御データを出力し、ランプコマンドに基づいてLED制御データを出力するコントローラ943を有する。コントローラ943は、モータコマンドに基づいてモータ制御データを生成し、これを盤面モータドライバ44a、盤面モータセンサ47a、枠モータドライバ44b、枠モータセンサ47bに互いに識別できる形で出力する。
また、コントローラ943は、ランプデコーダ944に基づいてランプコマンドをデコードしてLED制御データを生成し、これを盤面装飾LEDドライバ46a、枠装飾LEDドライバ18a(枠装飾装置18の一部)に互いに識別できる形で出力する。
VDP312は、音源データ(音声データ)を記憶する音声ROM327を有する。サウンド回路961(サウンドデコーダ、音源LSI314に対応)は、CPU311からHOSTCPUI/F938を介して送信されたサウンドコマンドに基づいて、音声ROM327の音源データを選択し読み出すとともにデコードし、音量調節スイッチ335による音質調整の下に出力する(再生する)。なお、サウンドコマンドは、フレーズ番号含む。そして、サウンド回路961によって出力された音源データは、ポストエフェクタ945とアンプ回路337を通して第1枠スピーカ(2つの上スピーカ19a)及び第2枠スピーカ(2つの下スピーカ19b)に出力される。なお、第2実施形態のサウンド回路961の内部構成は、第1実施形態の音源LSI314と異なるものでよい。また、音源データが、エンコードされたデータ(圧縮データ等)でないもの(リニアPCM等)であれば、サウンド回路961は、デコードせずに音源データを出力可能である。
VDP312は、ディスプレイリストに基づいて画像処理を行う画像処理回路を備えている。画像処理回路は、ディスプレイリストに基づいて画像ROM325またはVRAM326(記憶手段)から画像情報を読み出すプリローダ回路946と、読み出した画像情報をVRAM326(または、第1VDP−RAM923、第2VDP−RAM924)にデコードするグラフィックスデコーダ947と、VRAM326(または、第2VDP−RAM924)上のフレームバッファに画像情報を描画する描画回路948と、当該画像情報の座標設定を行うジオメトリエンジン949と、VRAM326(または、第1VDP−RAM923、第2VDP−RAM924)において記憶領域を割り当てるインデックステーブル回路950と、VRAM326(または、第1VDP−RAM923、第2VDP−RAM924)に記憶されたフレームバッファデータ等を表示出力する表示回路951(表示A、表示B、表示C)と、フレームバッファデータ等を出力選択回路952を介してLVDS方式等で表示装置41に出力する信号変換回路313と、その他画像処理回路内のデータの送受信を行うデータ転送回路953と、を有し、これらがバス954を通じて相互にデータの送受信を行っている。
VDP312は、アドレスバス935、データバス936を有している。アドレスバス935は、HOSTCPUI/F938、システム制御レジスタ939、DRAMI/F940、CGバスI/F941、汎用ポート942、コントローラ943、音声ROM327、グラフィックスデコーダ947、データ転送回路953、プリローダ回路946、表示回路951、描画回路948の間でアドレスの送受信を行っている。データバス936は、HOSTCPUI/F938、DRAMI/F940、VRAM326、CGバスI/F941、コントローラ943、音声ROM327、グラフィックスデコーダ947、データ転送回路953、プリローダ回路946、表示回路951、描画回路948の間でデータの送受信を行っている。
本実施形態では、第1VDP−RAM923及び第2VDP−RAM924は、DRAMI/F940に接続する共通のアドレスバス959a及びデータバス959bを有する。第1VDP−RAM923は、データバス959bを介して画像情報(16ビット)の上位8ビットにアクセス可能であり、第2VDP−RAM924は、データバス959bを介して画像情報の下位8ビットにアクセス可能な構成となっている。
ここで、画像情報(16ビット)は、一つのアドレスに動画(上位8ビット)のデータと静止画(下位8ビット)のデータが関連付けられる。よって、動画のデータが第1VDP−RAM923に記憶され、静止画のデータが第2VDP−RAM924に記憶される。
これにより、表示回路951が読み出し用に一つのアドレスを指定すると、第1VDP−RAM923に記憶された動画のデータと、第2VDP−RAM924に記憶された静止画のデータと、を同時に読み出すことができるので、表示装置41への画像情報(動画のデータ、静止画のデータ)の転送速度を向上させることができる。
〔サウンド回路の機能ブロック図〕
図41は、サウンド回路961(音源LSI314)の構成と機能を概略的に説明するブロック図である。
サウンド回路961は、サウンド回路961の初期設定を行う初期設定部963と、音声ROM327の音源データを再生する再生部964と、フレーズ数を格納するフレーズ数確認領域966と、フレーズ番号を設定(格納)するフレーズ番号設定領域967と、を備える。再生部964は、コントローラ(音声処理制御モジュール)、デコーダ(メインジェネレータ)、マルチエフェクタ等から構成される。フレーズ数確認領域966とフレーズ番号設定領域967は、種々のレジスタからなるレジスタ部970(コマンドレジスタ)に含まれ、各々、フレーズ数用のレジスタとフレーズ番号用のレジスタに対応する。なお、フレーズ数確認領域966とフレーズ番号設定領域967は、例えば、CPU311内のレジスタやシステム制御レジスタ939として、サウンド回路961の外部に設けてもよい。
初期設定部963(初期設定回路部)は、VDP312へリセット信号が入力された場合や、CPU311によるVDP312の初期設定(図23のB0003)においてレジスタ部970へリセットコマンドが書き込まれた場合に、サウンド回路961を初期化(リセット)するとともに初期設定を実行する。初期設定部963は、初期設定として、レジスタ部970に音声ROM327のヘッダ情報を読み込む。ヘッダ情報には、音声ROM327に収録された音源データの数に相当するフレーズ数が含まれている。特に、初期設定部963は、フレーズ数を、レジスタ部970のフレーズ数確認領域966(フレーズ数用レジスタ)に格納(記憶)する。このように、初期設定部963は、フレーズ数設定手段として機能する。
CPU311は、初期設定部963(フレーズ数設定手段)によるフレーズ数の設定後に、レジスタ部970に含まれるフレーズ番号設定領域967にフレーズ番号を設定する(図23のB0021)。フレーズ番号は、変動演出設定処理(図31)で設定される音声番号(B2016)に対応する。CPU311は、所定演出(本実施形態では、リーチ演出)が実行される場合に、実行される所定演出に対応するフレーズ番号(音声番号)を設定する(B2016)。なお、フレーズ番号は、初期設定部963によるフレーズ数の設定後に再生部964が自動演奏を実行する場合などに、再生部964によってフレーズ番号設定領域967に設定されてもよい。このように、CPU311又は再生部964は、フレーズ番号設定手段を構成する。
フレーズ番号設定領域967(フレーズ番号用レジスタ)は16ビットが使用され、フレーズ番号として格納される値が16進数で「0000h」〜「FFFFh」となる(10進数で0〜65535)。一方、フレーズ数確認領域966(フレーズ数用レジスタ)は、初期化(リセット)時は「0000h」の値が格納されるが、フレーズ数が0となることはあり得ないため、その後の初期設定によって「0000h」以外の値が設定される。このため、フレーズ数確認領域966に格納されるフレーズ数の最大値は、16進数で「10000h」(10進数で65536)となる。従って、好適には、フレーズ数確認領域966は、フレーズ番号設定領域967よりも多い17ビットが使用され、フレーズ数確認領域966の容量(ビット数、ビットサイズ)は、フレーズ番号設定領域967の容量よりも大きくなる。なお、最大値未満のフレーズ数に対して、この17ビットのうちの最上位ビットに不定値ではなく0が格納されるため、フレーズ数がノイズ等で誤った値になることはない。
再生部964(再生回路部)は、フレーズ番号設定領域967にフレーズ番号が設定された後に、再生の指示に応じて、フレーズ番号に対応する音源データ(音声データ)を読み出して再生する。再生部964は、音源データを再生してアンプ回路337やスピーカ(上スピーカ19a及び下スピーカ19b)に向けて出力する。再生部964は、再生手段を構成する。例えば、再生の指示は、フレーズ番号設定領域967にフレーズ番号を設定した後に、CPU311(図23のB0021)又は再生部964が再生コマンドをレジスタ部970に書き込んで実行する。なお、再生部964は、フレーズ番号設定領域967にフレーズ番号が設定されると、再生の指示がなくても再生を開始してもよい。
音声ROM327には、所定演出(本実施形態では、リーチ演出)のフレーズ番号と音源データが対応付けられた形式で収録(記憶)されている。例えば、音源データのヘッダ部分に当該音源データのフレーズ番号が含まれてもよい。また、音声ROM327に収録されている順番(音源データのアドレスの大きい又は小さい順番)をフレーズ番号としてもよい。
また、本実施形態において、PROM321等のメモリ内に、予めフレーズ番号と音源データの楽曲名を対応付けて記憶してよい。これによって、CPU311は選択されたフレーズ番号に対応する楽曲名を表示装置41に表示できる。
本実施形態において、フレーズ数は、音声ROM327に収録された音源データの数に相当し、音源データが全て楽曲であれば音声ROM327の収録曲数(収容曲数)となる。なお、音源データは、楽曲でなく、効果音、セリフの音声であってもよい。
フレーズ数確認領域966のフレーズ数は、種々の状況で利用できる。例えば、CPU311は、音声ROM327の収録曲数としてのフレーズ数を表示装置41に表示でき、遊技者に報知することができる。或は、再生部964は、音声ROM327の音源データを順番に自動演奏を実行する場合に、フレーズ数確認領域966のフレーズ数によって音声ROM327の収録曲数を予め把握しておくと、制御上好ましい。また、例えば、CPU311は、所定演出の実行の際に、未再生又は未選択の音源データ(フレーズ)の数を、再生済みまたは選択済みの音源データの数及びフレーズ数(ここでは音声ROM327の収録曲数)から把握して、表示装置41に表示できる。
本実施形態において、初期設定部963によって設定されるフレーズ数(音声ROM327の収録曲数)は、実行可能な所定演出の種類の数よりも多い。ここで、所定演出はリーチ演出である。例えば、リーチ演出の種類(系統)は5種類あり、第1実施形態と同様に、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチでよい。初期設定部963によって設定されるフレーズ数、即ち、音声ROM327の収録曲数は、10曲であり、例えば、10個のフレーズ番号0〜9(フレーズ0〜9)が、各々、リーチ演出で使用可能なリーチ楽曲A〜J(リーチ音A〜J)に対応する。
一例として、CPU311は、フレーズ番号(音声番号)として、Nリーチに対して0と1の一方を、SP1リーチに対して2と3の一方を、SP2リーチに対して4と5の一方を、SP3リーチに対して6と7の一方を、プレミアリーチに対して8と9の一方を、抽選で選択して設定してよい(B2016)。再生部964は、設定されたフレーズ番号に対応する音源データを読み出して再生する。このようにして、フレーズ数が実行可能な所定演出の種類の数よりも多いことから、所定演出の種類に対してフレーズの選択の幅が広がる。そして、所定演出に関連して(伴って)音による多彩な演出が可能になり、遊技の興趣を向上できる。なお、この例では、所定演出としてのリーチ演出の種類ごとに、異なるフレーズ(リーチ楽曲)のグループの中から一のフレーズを選択できる。
また、一例として、CPU311は、フレーズ番号(音声番号)として、Nリーチに対して0から5のいずれかを、SP1リーチに対して1から6のいずれかを、SP2リーチに対して2から7のいずれかを、SP3リーチに対して3から8のいずれかを、プレミアリーチに対して4から9のいずれかを、抽選で選択して設定してよい(B2016)。再生部964は、設定されたフレーズ番号に対応する音源データを読み出して再生する。このようにしても、所定演出(リーチ演出)の種類に対してフレーズの選択の幅が広がり、多彩な所定演出が可能になって遊技の興趣を向上できる。
なお、リーチ演出の各種類に対して抽選で選択できるフレーズ番号の範囲を、設定値情報(確率設定値)に基づいて定めてもよい。このようにすれば、選択されたフレーズ(リーチ楽曲)から確率設定値を推定することができ、遊技の興趣を向上できる。また、ホール・遊技者設定モード処理(B0011)において、遊技者や遊技場の係員の演出ボタン25の操作などによって、リーチ演出の各種類に対して抽選で選択できるフレーズ番号(音声番号)の範囲、又は、リーチ演出全体で使用可能なフレーズ番号の範囲を設定してもよい。
なお、所定演出を大当りのラウンド演出とする構成も可能であるが、この構成では、例えば、CPU311は、フレーズ番号(音声番号)として、4R確変大当りに対して0と1の一方を、4R通常大当りに対して2と3の一方を、8R確変大当りに対して4と5の一方を、8R通常大当りに対して6と7の一方を、12R確変大当りに対して8と9の一方を、12R通常大当りに対して10と11の一方を、抽選で選択して設定してよい(B2016)。大当りのラウンド演出の種類は、4R確変大当り、4R通常大当り、8R確変大当り、8R通常大当り、12R確変大当り、12R通常大当りに対応して、6種類の演出がある。一方、初期設定部963によって設定されるフレーズ数、即ち、音声ROM327の収録曲数は12曲であり、例えば、12個のフレーズ番号0〜11(フレーズ0〜11)が、各々、大当りのラウンド演出で使用可能な大当り楽曲A〜L(大当り音A〜L)に対応する。フレーズ数(ここでは12)は、実行可能な所定演出(大当りのラウンド演出)の種類の数(ここでは6)よりも多い。再生部964は、設定されたフレーズ番号に対応する音源データを読み出して大当りラウンドで使用する楽曲として再生する。
また、所定演出を、セリフを読み上げるセリフ読み上げ音を発生するセリフ音発生演出とする構成も可能であるが、この構成では、例えば、CPU311は、フレーズ番号(音声番号)として、第1のセリフに対して0と1の一方を、第2のセリフに対して2と3の一方を、第3のセリフに対して4と5の一方を、第4のセリフに対して6と7の一方を、第5のセリフに対して8と9の一方を、抽選で選択して設定してよい(B2016)。セリフ音発生演出の種類は、第1のセリフ、第2のセリフ、第3のセリフ、第4のセリフ、第5のセリフに対応して、5種類の演出がある。一方、初期設定部963によって設定されるフレーズ数、即ち、音声ROM327に収録されたセリフの読み上げ音は10個であり、例えば、10個のフレーズ番号0〜9(フレーズ0〜9)が、各々、セリフ音発生演出で使用可能なセリフ読み上げ音A〜Lに対応する。フレーズ数(ここでは10)は、実行可能な所定演出(セリフ音発生演出)の種類の数(ここでは5)よりも多い。再生部964は、設定されたフレーズ番号に対応する音源データを読み出してセリフ読み上げ音として再生する。こうして、第1から第5のセリフは、それぞれ、2つのセリフ読み上げ音のいずれか一つで読み上げられることになるが、2つのセリフ読み上げ音は、各々、表示装置41で表示される2つのキャラクタ(例えば敵と味方のキャラクタ)に対応してもよい。また、読み上げるセリフは、表示装置41で文字画像として表示されてもよい。
なお、セリフ音発生演出とリーチ演出は、大当りの期待度を示唆可能な所定演出の一例である。
<変形例>
変形例として、図42のように、音源データ(フレーズ)は、一つの楽曲の各パートのデータであってもよく、再生部964は、一つの楽曲を再生する場合には、複数の音源データをミックスして同時に再生してもよい。例えば、各パートは、楽器部分(伴奏部分)であるピアノ音部分、ギター音部分、ベース音部分、ドラム音部分や、歌唱部分などである。歌唱部分は、歌唱する歌手ごとの部分にさらに分かれてよいし、合唱の場合にソプラノ部分、アルト部分、テノール部分、バス部分にさらに分かれてもよい。なお、再生部964は、音源データ(パート)ごとにボリューム(音の大きさ)を変えられる。
この場合、CPU311は、フレーズ番号(音声番号)として、Nリーチに対して0を、SP1リーチに対して0から2の全てを、SP2リーチに対して0から4の全てを、SP3リーチに対して0から6の全てを、プレミアリーチに対して0から9の全てを設定する(B2016)。そして、再生部964は、Nリーチに対してフレーズ番号0のパートAの音源データを、SP1リーチに対してフレーズ番号0〜2のパートA〜Cの音源データを、SP2リーチに対してフレーズ番号0〜4のパートA〜Eの音源データを、SP3リーチに対してフレーズ番号0〜6のパートA〜Gの音源データを、プレミアリーチに対してフレーズ番号0〜9のパートA〜Jの音源データを、全て同時に再生して出力する。ここで、パートAは、全てのリーチ演出で再生される基本パート(歌唱部分など)に設定してある。PROM321は、演出の種類(Nリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチ、プレミアリーチ)とその演出の種類で使用するフレーズ番号(音声番号)を対応付けて記憶してよく、CPU311が演出の種類に応じて一又は複数のフレーズ番号を設定してよい。
このような変形例において、所定演出(リーチ演出)の大当りの期待度の高いほど、再生される音源データ(パート)の数が増えて、音色が豊かになって遊技の興趣が向上する。なお、前述の通り、なお、リーチ演出の大当りの期待度は、Nリーチ<SP1リーチ<SP2リーチ<SP3リーチ<プレミアリーチの順に高くなる。
また、以上のように、Nリーチとなる特図変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)と、SPリーチとなる特図変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)とでは、第1変動表示ゲームよりも期待度の大きい第2変動表示ゲームに関連して再生される音源データ(楽曲のパート)の数は、第1変動表示ゲームに関連して再生される音源データの数よりも多い。このため、期待度の大きい変動表示ゲームを派手にすることができ遊技の興趣が向上する。
なお、CPU311は、フレーズ番号(音声番号)として、Nリーチに対して0と1を、SP1リーチに対して2と3を、SP2リーチに対して4と5を、SP3リーチに対して6と7を、プレミアリーチに対して8と9を設定して(B2016)、再生部964は、フレーズ番号に対応する2つの音源データを全て同時に再生して出力してもよい。このようにすれば、所定演出(リーチ演出)の種類ごとに音色を変えることができ、遊技の興趣が向上する。
また、音源データは、楽曲以外の効果音等を収録してよい。ここでの効果音等には、セリフ読み上げ音を含めてよい。本変形例において、効果音等は楽曲と同時に使用されるものであり、楽曲と効果音等との相乗効果によって演出を盛り上げて遊技の興趣を向上できるが、楽曲と共に使用されるものであれば必ずしも楽曲と同時には使用されなくてもよい。特図変動表示ゲームで同じリーチ演出が発生する場合でも、大当りの場合とはずれの場合で、この特図変動表示ゲームで発生する効果音等の数に違いを設けてもよい。即ち、楽曲と共に再生される効果音等の数が多いほど、特図変動表示ゲームの大当りの期待度が高くなる。逆に言うと、特図変動表示ゲームが大当りとなる期待度が高いほど楽曲と共に再生される効果音等の数が多い。
例えば、効果音は、NリーチからSPリーチへの発展時(チャンスアップ時)の効果音や、大当りの確定演出としての確定音(単発音でも可)として使用される。大当りの確定演出としての確定音は、操作演出として、演出ボタン25(操作部、操作手段)の操作によって発生してよい。この場合の操作演出は、表示装置41において演出ボタン25の操作を遊技者に促す操作促進表示を伴わないような特殊操作演出(裏操作演出)であってよい。
また、効果音は、ステップアップ演出や擬似連続演出のように、関連性のある演出(単演出)が連続するような連続演出において、楽曲と共に単演出ごとに発生するものでもよい。ここで、ステップアップ演出は、複数段階に設定された単演出(副演出)を下位の段階(ステップ)から所定の段階(ステップ)まで順次実行する演出である。擬似連続演出とは、1回の変動表示ゲームにおいて、識別情報を変動及び仮停止させる擬似変動(単演出)を所定回数行う演出である。
<他の変形例>
フレーズ数確認領域966をリーチ演出、大当り演出、セリフ音発生演出等の所定演出ごとに設けて、演出の種類ごとに使用する音源データの数をフレーズ数として記憶してもよい。その場合に、音声ROM327には、各所定演出のフレーズ番号と音源データが対応付けられた形式で収録(記憶)されている。
また、音声ROM327の代わりに、画像ROM325等の他のROMに、音源データ(フレーズ)を格納してもよい。
[第2実施形態の作用・効果]
第2実施形態において、遊技機10は、フレーズ数と、フレーズ番号に対応する音源データと、を記憶する音源記憶手段(例えば音声ROM327)と、音源記憶手段からフレーズ数を読み出して、フレーズ数確認領域に設定するフレーズ数設定手段(例えばサウンド回路961の初期設定部963)と、フレーズ数設定手段によるフレーズ数の設定後に、フレーズ番号設定領域にフレーズ番号を設定するフレーズ番号設定手段(例えばCPU311)と、フレーズ番号設定領域にフレーズ番号が設定された後に、再生の指示に応じて当該フレーズ番号に対応する音源データを読み出して再生する再生手段(例えばサウンド回路961)と、を備える。フレーズ番号設定手段(例えばCPU311)は、所定演出(例えばリーチ演出)が実行される場合に、実行される当該所定演出に対応するフレーズ番号を設定する。フレーズ数設定手段によって設定されるフレーズ数は、実行可能な所定演出の種類の数よりも多い。
このような、遊技機10によると、所定演出に対応するフレーズ番号の選択の幅が広がり、所定演出に関連して(伴って)実行される音による多彩な演出が可能になる。従って、遊技の興趣を向上できる。
第2実施形態において、フレーズ数確認領域の容量(ビット数、ビットサイズ)は、フレーズ番号設定領域の容量(ビット数、ビットサイズ)よりも大きい。従って、好適にフレーズ数をフレーズ数確認領域に設定できる。
第2実施形態において、始動条件の成立(例えば始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への入賞)に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲーム(例えば特図変動表示ゲーム)を実行可能であり、変動表示ゲームの結果が特別結果(例えば大当り)となる場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、複数の音源データを記憶する音源記憶手段(例えば音声ROM327)と、音源データを読み出して再生する再生手段(例えばサウンド回路961)と、を備える。変動表示ゲームは、第1変動表示ゲーム(例えばNリーチとなる特図変動表示ゲーム)と、当該第1変動表示ゲームと異なる第2変動表示ゲーム(例えばSPリーチとなる特図変動表示ゲーム)と、を含む。再生手段が第2変動表示ゲームに関連して再生する音源データ(例えば楽曲のパート)の数は、第1変動表示ゲームに関連して再生する音源データの数よりも多い。
従って、例えば、第1変動表示ゲームよりも特別結果(例えば大当り)となる期待度が高い第2変動表示ゲームにおいて、変動表示ゲームを盛り上げることができ遊技の興趣が向上する。また、音声の演出について、異なる変動表示ゲームで異なる演出となり、遊技者を飽きさせず、遊技の興趣を向上できる。
音源データは、一つの楽曲の各パートのデータである。従って、変動表示ゲームの特別結果(例えば大当り)となる期待度が高いほど、音色が豊かにするなどして、変動表示ゲームを盛り上げることができ遊技の興趣が向上する。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。また、例えば、本発明を他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することもできる。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。