(第1実施形態)
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2Aを参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2Aは、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2Aに示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dは、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している。上部演出ユニット40cは、発光することで大当りの確定を報知する発光役物481を含んでよい。発光役物481は、変動表示ゲームが大当りの場合のみ発光する大当り確定報知LED481aを有し、発光すると大当りが確定する。大当り確定報知LED481a(ひいては発光役物481)は、変動表示ゲームがはずれの場合には発光しない。
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する始動入賞口(第1始動入賞領域)36が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
可動部材37bは、所謂ベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して回動して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
普通変動入賞装置37の右下方の遊技領域32には、大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉39cを有する特別変動入賞装置39が設けられている。特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。また、大入賞口内や大入賞口近傍には、大入賞口を照らす大入賞口LED39dが配設されている。
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、普通変動入賞装置37の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表示部52(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普図表示器、ランプD10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、を有している。特図1保留表示器54はランプD11、D12により構成される。特図2保留表示器55は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器56は、ランプD15、D16により構成される。
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD8)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊技状態表示器、ランプD9)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態表示部、ランプD17)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(ランプD3−D7)が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよい。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器51、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
また、図2Bは、センターケース40の上部に設けられるランプ表示装置80の構成を示す図である。ランプ表示装置80は、図柄(後述の第四特別図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部3−6(LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置300(後述)で制御される。
ランプ表示部1、2は、特図変動表示ゲームの変動表示として所定の点滅周期(例えば200msec(ミリ秒))で点滅する。一括表示装置50の特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53における変動表示が遊技制御装置100で制御されるのに対して、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2の変動表示は演出制御装置300(後述)で制御される。なお、ランプ表示部1(特図1第4図柄LED)は、特図1変動表示ゲーム用の第四特別図柄(第4図柄)を表示し、ランプ表示部2(特図2第4図柄LED)は、特図2変動表示ゲーム用の第四特別図柄(第4図柄)を表示する。
ランプ表示部3、4(特図1保留LED1、特図1保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同様に、ランプ表示部5、6(特図2保留LED1、特図2保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図2保留数(第2始動記憶数)を表示する。ランプ表示部3−6は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合(表示装置41で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別図柄(第4図柄)が変動する。ランプ表示部1、2の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「点灯」、大当りの場合は「消灯」で停止する。
なお、逆に、第四特別図柄(第4図柄)としてのランプ表示部1、2の変動表示は、はずれの場合は「消灯」、大当りの場合は「点灯」で停止する構成も可能である。また、各ランプ表示部1、2としてLED(第4図柄LED)を複数設けて、はずれの場合に複数のうちの一つのLEDを点灯させ、大当りの場合に複数の全てのLEDが点灯させるような構成も可能である。
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ(39a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100には初期化スイッチ112が設けられている。初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出の系統として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
また、遊技機10は、遊技条件に関する設定を変更可能な設定変更装置42(設定変更手段)を有しており、インタフェースチップ(近接I/F)121は設定変更装置42に接続されて設定変更装置42からの信号が入力される。例えば、設定変更装置42は、通常スロットマシンに設けられる設定変更装置でよく、キースイッチ、ボタンスイッチ、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成されるものでよい。設定変更装置42は、遊技機10内部に設けられ、例えば前面枠12を開けなければ操作できない位置(アクセスできない位置)に設けられる。即ち、一般の遊技者は、設定変更装置42にアクセスして操作することができない。なお、設定変更装置42を遊技制御装置100上(主基板上)に組み付けるようにして設けてもよい。
設定変更装置42によって、大当りの確率や確変突入率などの遊技条件に関する設定を変更することができる。本実施形態において、遊技条件に関する設定は、設定1、設定2、設定3があり、設定1が遊技者に最も不利な設定(低設定)であり、設定2が中間の設定(中間設定)であり、設定3が遊技者に最も有利な設定(高設定)である。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号が入力される。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第2入力ポート123に入力されるようにしてもよい。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置250へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置250との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置80が含まれてよい。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポートを実行する。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行する。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込む(A1006)。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1012)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(A1008)、停電監視信号がオンである否かを判定する(A1009)。
遊技制御装置100は、停電監視信号がオンである場合には(A1009の結果が「Y」)、ステップA1008の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1010)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1010の結果が「N」)、ステップA1009の停電監視信号がオンであるか否かを判定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンでない場合(A1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1011)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1012)。タイマの値が0でない場合(A1012の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の停電監視信号のチェック回数を設定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1012の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1013)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1014)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1015)。
続いて、遊技制御装置100は、設定変更装置42がオンであるか否か、即ち、設定変更装置42が設定を変更可能な状態となっているか否かを判定する(A1016)。例えば、キーが差し込まれるなどして設定変更装置42のキースイッチがオンしている場合に、設定変更装置42がオンであると判定できる。
遊技制御装置100は、設定変更装置42がオンである場合に(A1016の結果が「Y」)、設定変更を行う設定変更処理を実行する(A1017)。設定変更処理では、操作者によって設定変更装置42のボタンスイッチが押される度に、遊技機10の設定を設定1→設定2→設定3→設定1・・・のように変更して選択する。なお、ボタンスイッチの操作ではなく、キーを所定の位置に回転操作して設定を変更する構成としてもよい。そして、選択されている1〜3の設定値が、設定変更装置42の7セグメント型の表示器に表示される。キーが抜かれるなどして設定変更装置42のキースイッチがオフした際に、設定(即ち設定値)が確定してRWM(記憶手段)内の設定情報記憶領域に記憶され、設定変更処理は終了する。設定変更装置42の7セグメント型の表示器は、電気回路を介してボタンスイッチの操作に直接連動して変化させてよいし、遊技用マイコン111を介して変化させてもよい。
遊技制御装置100は、設定変更装置42がオンでない場合に(A1016の結果が「N」)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチ112がオンにされたか否かを判定する(A1018)。ここでは、RAM領域をクリアする初期化を実行するか否かを判定している。
遊技制御装置100は、初期化スイッチ112がオフである場合には(A1018の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1019)。そして、正常であれば(A1019の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1020)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1020の結果が「Y」)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(正当性判定手段)を実行し(A1021)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1022)。チェックサムが一致する場合には(A1022の結果が「Y」)、図5BのステップA1023の処理に移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を実行する。
なお、ステップA1021とA1022の処理を、RWM内の設定情報記憶領域と遊技情報記憶領域とで別々で行うようにした場合は、後のステップA1028−A1032において、不一致が検出された方の領域のみを、初期化(遊技情報記憶領域に対して)するか又はデフォルト設定(設定情報記憶領域に対して)にするようにしてもよいし、一方の領域で不一致が検出された場合でも、両方の領域を初期化(遊技情報記憶領域に対して)及びデフォルト設定(設定情報記憶領域に対して)にするようにしてもよい。例えば、設定情報記憶領域の異常(チェックサムの不一致)を検出した場合、後のステップA1031において、誤った設定情報が設定情報記憶領域にセーブされているとして、設定情報記憶領域にデフォルト設定として所定の設定情報(例えば設定1)を初期値としてセーブできる。なお、遊技情報記憶領域は、遊技(変動表示ゲーム)に関する遊技情報(例えば乱数、客待ちデモの情報、演出モードの設定など)を記憶する領域である。
また、遊技制御装置100は、設定変更処理が行われる場合(A1016の結果が「Y」)、初期化スイッチ112がオンである場合(A1018の結果が「Y」)、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1019の結果が「N」、又は、A1020の結果が「N」)、チェックサムが正常でない場合には(A1022の結果が「N」)、図5BのステップA1028の処理に移行して初期化処理を実行する。すなわち、設定変更装置42や初期化スイッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。なお、設定変更する場合には、初期化スイッチ112がオンにされたか否かを判定する前に設定変更処理後の初期化が行われるため、設定変更による初期化とスイッチ112がオンにされたことによる初期化を重複して行わない構成も可能である。
遊技制御装置100は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A1023)。初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。設定情報記憶領域は、初期化すべき領域から除かれている。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(A1024)。
ここで、遊技制御装置100は、遊技状態が高確率状態でない場合には(A1024の結果が「N」)、ステップA1025及びステップA1026の処理をスキップして、ステップA1027の処理に移行する。また、遊技状態が高確率状態である場合には(A1024の結果が「Y」)、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(A1025)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(A1026)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信し(A1027)、ステップA1033の処理を実行する。
一方、ステップA1018,A1019,A1020,A1022の実行後にステップA1028の処理を実行する場合には、遊技制御装置100は、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定する(A1028)。さらに、設定情報記憶領域を除くすべてのRAM領域(ビジー信号ステータス領域を含む)を0クリアし(A1029)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(A1030)。ステップA1029の処理は、記憶手段(RAM)における設定情報記憶領域以外の領域を初期化(クリア)する初期化手段を構成する。
そして、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1031)。ここでの初期化すべき領域とは、例えば、遊技情報記憶領域の一部の領域(客待ちデモの情報に係る領域及び演出モードの設定に係る領域など)である。なお、基本的に設定情報記憶領域は初期化すべき領域ではないが、例外的にチェックサムが正常でない場合には(A1022の結果が「N」)、誤った設定情報が設定情報記憶領域にセーブされている可能性もあるため、初期値として、設定情報記憶領域に規定の設定情報(例えばデフォルト設定である設定1)をセーブしてもよい。なお、前述のようにRWM内の設定情報記憶領域と遊技情報記憶領域とでチェックサムを別々で計算してもよく、設定情報記憶領域と遊技情報記憶領域のいずれかのチェックサムが正常でない場合には、正常でない領域のみに値や情報をセーブしてよいし、或は両方の領域に値や情報をセーブしてもよい。さらに、遊技制御装置100は、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信し(A1032)、ステップA1033の処理を実行する。
なお、ステップA1027の処理で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1032の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。さらに、停電復旧時のコマンド及びRAM初期化時のコマンドには、遊技機10の設定の情報(設定値、設定情報)を示す設定情報コマンド、及び、電源の復旧(投入)があったことを示す復旧画面コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。なお、RAMの初期化は電源の復旧(投入)の際に行われるため、RAM初期化時のコマンドには、停電復旧時のコマンドに加えて、RAMが初期化(クリア)したことを示すRAM初期化コマンドも含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一度だけ設定情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、演出制御装置300は以降自身が記憶した設定情報を参照して演出制御を行う。
遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1033)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
ステップA1033のCTC起動処理の実行後、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1034)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)等)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブし(A1035)、割込みを許可する(A1036)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1037)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
ステップA1037の初期値乱数更新処理の後、遊技制御装置100は、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(A1038)、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1039)。停電監視信号がオンでない場合には(A1039の結果が「N」)、ステップA1037の初期値乱数更新処理に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(A1037)の前に割込みを許可する(A1036)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待機させられることで割込み処理が圧迫されることを回避することができる。
なお、ステップA1037の初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要がある。一方、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合には(A1039の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、ステップA1038の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1040)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1040の結果が「N」)、ステップA1039に戻り、停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1040の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止し(A1041)、全出力ポートにオフデータを出力する(A1042)。
その後、遊技制御装置100は、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1043)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1044)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1045)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1046)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1047)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6は、タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。さらに、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理を実行する(A1304)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1305)、さらに、乱数更新処理1(A1306)、乱数更新処理2(A1307)を実行する。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1308)。
さらに、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行し(A1309)、次に、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置100は、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1311)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1312)。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1313)。
その後、遊技制御装置100は、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1314)。その後、タイマ割込み処理を終了する。なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1309)の詳細について説明する。図7は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。なお、大入賞口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、図10にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。例えば、特図変動中処理では、特別図柄の停止を示す図柄停止コマンドや停止図柄パターンに対応する停止表示時間など必要な情報を設定して、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。例えば、特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、ファンファーレコマンドやファンファーレ時間など必要な情報を設定して、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果が大当りでなければ、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。例えば、ファンファーレ/インターバル中処理では、実行するラウンド遊技のラウンドに対応するラウンドコマンドや大入賞口の開放時間など必要な情報を設定して、大入賞口開放中処理に係る処理番号「4」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。例えば、大入賞口開放中処理では、インターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A2613)。例えば、大入賞口開放中処理では、最終ラウンドでなければインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。最終ラウンドであればエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終了処理に係る処理番号「6」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A2614)。例えば、大当り終了処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄番号(大当り図柄番号)に対応する確率変動判定データに基づいて、大当り状態終了後の確率状態や大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)など必要な情報の設定を行い、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。確率変動判定データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の継続ゲーム回数(時間短縮変動回数、電サポ回数)の情報が含まれる。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2615)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2616)。そして、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2617)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2618)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図8は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。始動入賞口36への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口36へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口36に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715)の詳細について説明する。図9は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2910)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2911)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(A2912)、特図保留情報判定処理を実行する(A2913)。特図保留情報判定処理では、セーブした大当り乱数や大当り図柄乱数に基づく停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドや、セーブした変動パターン乱数1から3に基づく前半変動番号(リーチ前変動の番号)及び後半変動番号(リーチ後変動の番号)に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして設定する。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2914)、演出コマンド設定処理(A2915)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図10は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3201)。特図2保留数が0である場合(A3201の結果が「Y」)、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3206)。そして、特図1保留数が0である場合(A3206の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(A3211)、客待ちデモが開始済みでない場合(A3211の結果が「N」)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(A3212)。
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(A3213)、演出コマンド設定処理を行い(A3214)、ステップA3215の処理に移行する。一方、ステップA3211にて、客待ちデモが開始済みである場合(A3211の結果が「Y」)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3215)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3216)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A3217)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A3218)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図2保留数が0でない場合(A3201の結果が「N」)、特図2変動開始処理を実行し(A3202)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3203)、演出コマンド設定処理を実行する(A3204)。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3205)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3206の結果が「N」)、特図1変動開始処理を実行し(A3207)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3208)、演出コマンド設定処理を実行する(A3209)。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3210)、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(A3202)が実行されることとなる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3207)の詳細について説明する。図11は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームに関する特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理では、はずれ時又は大当り時の停止図柄番号と、この停止図柄番号に対応するはずれ停止図柄パターン又は大当り停止図柄パターンをセーブする。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行する。また、停止図柄番号に対応するラウンド数情報(ラウンド上限値)と停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得してセーブする。
さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。
その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3202)の詳細について説明する。図12は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図11に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームに関する特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。最後に、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3507)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図13は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3601)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3602)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3603)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3604)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りである場合(A3605の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3606)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りでない場合(A3605の結果が「N」)、大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図14は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図13に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでない場合(A3705の結果が「N」)、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図2変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3605、A3704)の詳細について説明する。図15は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3004などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3802の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3807)、大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3802の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判定する(A3803)。そして、高確率状態である場合には(A3803の結果が「Y」)、高確率中の上限判定値を設定する(A3804)。一方、高確率状態でない場合には(A3803の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3805)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3806)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3806の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3807)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3806の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3808)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔大当り確率、大当り図柄振分〕
図16(A)(B)は、上述の特図ゲーム処理によって制御される特図変動表示ゲームの大当り確率と大当り図柄振分(大当り内訳)を各設定に対して例示するテーブルである。
図16(A)のように、低確率時の大当り確率と高確率時の大当り確率は、設定値が大きくなる(高い設定になる)とともに高くなり、大当りが発生し易くなり、遊技者に有利となる。なお、大当り確率は、図15の上限判定値と下限判定値の差分を大当り乱数の値の範囲で割ったものである。大当り確率は、上限判定値と下限判定値、又は、大当り乱数の値の範囲を設定情報(設定値)に対応して変更することによって、設定情報に応じて変更できる。別例では、低確率時の大当り確率と高確率時の大当り確率のうち一方だけを、設定値が大きくなるとともに高くするように構成してもよい。
図16(B)は、大当りの種類を示す大当り図柄番号1〜6(停止図柄番号)と振分率との対応等を規定する大当り図柄テーブルを各設定に対して例示する。図16(B)のように、大当り図柄番号(大当りの種類)の振分率は、設定情報に応じて変更でき、確変突入率は設定値が大きくなるほど高くなり遊技者に有利となる。なお、確変突入率は、大当り終了後の確率状態が高確率になる確変大当り図柄が全図柄に対して占める割合である。また、普電サポートの回数は、特に通常大当り(大当り終了後の確率状態が低確率になるもの)に対して、設定値が大きくなるほど大きくなり遊技者に有利となる。なお、ST機では、確変状態の継続回数を設定値が大きくなるほど大きくするような構成も可能である。
また、図16(B)では、1回の大当りで付与されるラウンド数(ラウンド遊技の全回数)は設定値に対して変化しないが、ラウンド数を設定値が大きくなるほど大きくするような構成も可能である。また、図16(B)では、特図2変動表示ゲームの大当りに対して、特図1変動表示ゲームの大当りよりも大きなラウンド数が付与され易くなっており、特図2変動表示ゲームの方が特図1変動表示ゲームよりも遊技者に有利になっている。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1310)の詳細について説明する。図17は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7601)。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7604)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7608)。普図普段処理の詳細については、図18にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7609)。例えば、普図変動中処理では、普図表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7610)。例えば、普図表示中処理では、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合に、普図当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする一方、はずれの場合に、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7611)。例えば、普図当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置37を開放するための設定を行った後、普電残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7612)。例えば、普電残存球処理では、普図当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図エンディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7613)。例えば、普図当り終了処理では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以降の処理を実行する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。図18は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理移行設定処理1を実行し(A7923)、普図普段処理を終了する。普図普段処理移行設定処理1では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードする(A7902)。そして、普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A7903)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7904)。なお、高確率中の普図当り確率は250/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(A7904の結果が「N」)、普図低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7905)、普図高確率中である場合(A7904の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値である高確率下限判定値(ここでは1)を設定し(A7906)、ステップA7907の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判定する(A7907)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、ステップA7909の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である場合(A7907の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7908)。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7908の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7909)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7910)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7911)、ステップA7915の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7908の結果が「N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7912)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7913)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7914)、ステップA7915の処理に移行する。なお、当り停止図柄は、数種類存在してよい。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A7915)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(A7916)。次に、普図変動表示ゲームに関連する情報(特に普図変動表示ゲームの当り/はずれの情報)に対応する普図コマンドを演出コマンドとして準備して(A7917)、演出コマンド設定処理を実行する(A7918)。そして、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7919)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A7920)、普図保留数を−1更新する(A7921)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次に、遊技制御装置100は、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7922)、普図普段処理を終了する。普図変動中処理移行設定処理では、普図変動中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「1」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図19は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
その後、演出制御装置300は、RTC(リアルタイムクロック)338から時刻の情報を読み込むRTC読込処理を実行する(B0009)。
RTC読込処理では、所定の周期(例えば2時間おき)でRTC338から時刻の情報を読み込む構成としてもよく、ステップB0009へ処理が移行する度に時刻の情報を読み込む必要はない。演出制御装置300への電源投入(即ち遊技機10への電源投入)の際に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位置を変えて、例えばステップB0003とB0004の間で実行してもよい)。演出制御装置300は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定し、所定の周期でRTC338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけRTC338から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマ(計時手段)をRTC338の時刻に合わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置300は、時刻用タイマを使用して各種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC338から時刻を読み込む処理の回数を低減でき、CPU311の負荷が減少する。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0010)。続いて、遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0011)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B0012)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報がQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を表示装置41に表示できる。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0013)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0014)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図20にて後述する。
続いて、演出制御装置300は、表示装置41で表示される客待ちデモの内容を編集して制御する客待ちデモ編集処理を実行し(B0015)、客待ち中の遊技機10の節電状態を制御する節電制御処理を実行する(B0016)。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等の表示装置(表示手段)に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0017)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0018)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0019)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0019の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0019の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0019の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0020)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0021)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0022)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(B0023)。可動体制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
そして、演出制御装置300は、前述のB0023の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0023までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図20を参照して、上述したメイン処理(図19)における受信コマンドチェック処理(B0014)の詳細について説明する。図20は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y])、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図21にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y])、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図21を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図20)における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図21は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンなどを指令するコマンドであり、例えば変動コマンド(A3407)がある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が大当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、大当り系コマンドは、大当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレ画面を指令するためのファンファーレコマンド(A2610)、ラウンド画面を指令するためのラウンドコマンド(A2611)、インターバル画面を指令するためのインターバルコマンド(A2612)、エンディング画面を指令するためのエンディングコマンド(A2612)などである。そして、MODE部が大当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、大当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が大当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、例えば、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド(A3403、A3503)がある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、例えば、先読み停止図柄コマンド(A2913)がある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、例えば、先読み変動パターンコマンド(A2913)がある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図22を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図21)における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図102は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類(選択機種情報)を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部が、RAMが初期化(クリア)したことを示すRAM初期化コマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化コマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化コマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が、停電復旧(電源投入)を示す停電復旧コマンドを表すか否かを判定する(B1305)。停電復旧コマンドには、例えば、復旧画面コマンドがある。なお、RAMの初期化は電源の復旧(投入)の際に行われるため、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化コマンド以外に停電復旧コマンドも含まれる。そして、MODE部が停電復旧コマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧コマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンド(図10のA3208)を表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンド(図10のA3203)を表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、エラー/不正発生コマンド、エラー/不正報知コマンド、エラー/不正解除コマンド、エラー/不正報知終了コマンドがある。そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部が普図変動表示ゲームに関連する情報を示す普図コマンド(A7917)を表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部が普図コマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、普図変動表示ゲームに関する情報を設定する普図情報設定処理を実行し(B1320)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が普図コマンドを表していない場合には(B1319の結果が「N」)、次に、MODE部が設定情報コマンド(A1027、A1032)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部が設定情報コマンドを表す場合には(B1321の結果が「Y」)、設定情報コマンドに含まれる遊技機10の設定情報(設定値)をRAMに記憶し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。なお、以降、演出制御装置300は、記憶した設定情報を用いて演出制御を実行できる。
演出制御装置300は、MODE部が設定情報コマンドを表していない場合には(B1321の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1323)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンドと特図2の図柄停止コマンドがある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1323の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1324)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1324の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1325)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1326)、単発系コマンド処理を終了する。B1325の処理では、図柄種別(はずれ/大当り図柄)(図23)に応じて、特図変動表示ゲームを行った後の第四特別図柄(第4図柄)の停止態様(はずれの場合は「点灯」、大当りの場合は「消灯」)が決定される。B1326の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1323の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1324の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図23を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図21)における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図23は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ図柄や、図16に示した4R確変大当り図柄(4R−A1、図柄1)、4R通常大当り図柄(4R−A2、図柄2)、8R確変大当り図柄(8R−A1、図柄3)、8R通常大当り図柄(8R−A2、図柄4)、12R確変大当り図柄(12R−A1、図柄5)、12R通常大当り図柄(12R−A2、図柄6)に対応する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図24を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図21)における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図24は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ−1更新する(B1907)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図25を参照して、前述した変動系コマンド処理(図24)における変動演出設定処理(B1905)の詳細について説明する。図25は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B2001の結果が「Y」)、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、設定情報に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2005)。
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。続いて、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B2011)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(B2012)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
次に、演出制御装置300は、変動演出の表示設定を行い(B2013)、予告演出の表示設定を行う(B2014)。続いて、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示が設定される(B2015)。続いて、スピーカの音声による演出態様(音出力態様)を定める音声番号、装飾装置の発光による演出態様を定める装飾番号を設定する(B2016)。装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)は、複数の装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号で定められる発光態様(各LEDの色や発光タイミング等)で発光する。
なお、B2016の処理では、発光役物481において大当りの確定を報知する大当り確定報知LED481aに関して、特図変動表示ゲームが大当りの場合には発光するように装飾番号を設定し、はずれの場合には発光しないように装飾番号を設定する。変動演出設定処理は特図変動表示ゲームの実行中(変動中)の演出を設定するものであるため、ランプ表示部1、2(第4図柄LED、所定の報知部)で特図変動表示ゲームの結果が表示(報知)されるよりも前(即ち変動停止前)に、大当り確定報知LED481aによって事前に大当りであることが報知される。
なお、音声番号や装飾番号を演出内容だけでなく設定情報(設定値)に基づいて設定することも可能である。このようにすると、遊技者は、装飾装置の発光態様、即ち、装飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機10の設定情報(設定値)を推測することを楽しめる。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B2017)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄、識別情報)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B2018)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)で表示される。
なお、RTC338を用いたモード演出の開始前に行われるカウントダウン報知中に、大当りの変動演出を設定して大当り変動を開始する場合には、カウントダウン報知を停止するよう設定する。なお、モード演出はRTC338が特定の時刻になると開始するものである。モード演出の開始をカウントダウン表示(又はカウントダウン音声)で報知するカウントダウン報知は、特図変動表示ゲームと無関係であるため、特図変動表示ゲームの変動開始時に停止すると違和感が生じて、大当り発生の予告となり興趣が向上する。
〔演出出現率〕
図26は、以上の変動演出設定処理によって設定される演出の出現率を、特に予告について示すテーブルである。出現率は、例えば、1回又は数回の変動表示ゲーム当りでその演出が何%で出現するかを示すもので良い。変動演出設定処理において、設定情報に依存する前半又は後半予告振分グループアドレステーブルから、前半又は後半予告振分グループテーブル(グループテーブルのアドレス)が選択され、さらに前半又は後半予告振分グループテーブルから予告種別(セリフ予告、背景変化予告、可動役物動作等)ごとの予告振分テーブル(予告振分テーブルのアドレス)が取得され、予告振分テーブルに基づいて予告が抽選できる。従って、所定の予告(演出)の出現率を、設定情報(設定値)に応じて設定(変更)できることになる。
図26の例では、予告Aや予告Fは、高い設定になるほど(設定値が大きくなるほど)、出現率が大きくなり出現し易くなる。予告Cや予告Eは、高い設定になるほど、出現率が小さくなり出現し難くなる。予告Bや予告Eは、設定によらず出現率は同じである。このため、遊技者は、予告A、C、E、Fなど所定の予告(演出)の出現し易さに注目することによって、遊技機10の設定情報(設定値)を推測することができる。特に、予告Fは設定3(高設定)でのみ出現するため、予告Fが出現すると設定3(高設定)であることが確定する。
〔停電復旧設定処理〕
次に、図27を参照して、前述した単発系コマンド処理(図22)における停電復旧設定処理(B1306)の詳細について説明する。図27は、停電復旧(電源投入)があったことを示す停電復旧コマンドが受信された際に演出制御装置300によって実行される停電復旧設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した停電復旧コマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B2201)。正常なコマンドでない場合に(B2201の結果が「N」)、停電復旧設定処理を終了する。正常なコマンドである場合に(B2201の結果が「Y」)、演出制御装置300のRAMの初期化すべき領域に初期値を設定する(B2202)。そして、停電からの復旧があったことを報知するために、装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)に設けられたLEDの停電復旧時の発光態様を設定する(B2203)。停電復旧時の発光態様として、例えば、所定のLEDを所定の時間だけ点滅させる態様がある。
次に、演出制御装置300は、現在の時刻が所定期間内であるか否かを判定する(B2204)。現在の時刻は、RTC338から取得するか(B0009)、RAM内のタイマ領域に設定しRTC338に時刻合わせした時刻用タイマから取得できる。所定期間は、遊技店(遊技場)の営業時間外の期間、特に開店前の期間であり、例えば、午前9:00から9:30までの期間である。
演出制御装置300は、現在の時刻が所定期間内である場合に(B2204の結果が「Y」)、設定情報を表示装置41等に表示するよう設定情報の表示設定を行うとともに、電源復旧又は電源投入があったことを報知するよう表示装置41等の復旧画面の表示設定を行う(B2205)。その後、停電復旧設定処理を終了する。所定の時間だけ設定情報の表示を行った後に、既定の時間だけ復旧画面を表示するように設定してもよいし、逆に、既定の時間だけ復旧画面を表示した後に、所定の時間だけ設定情報の表示を行ってもよい。或は、既定の時間だけ表示する復旧画面中に所定の時間だけ設定情報の表示を行うように設定してもよい。
演出制御装置300は、現在の時刻が所定期間内でない場合に(B2204の結果が「N」)、復旧画面の表示設定だけを行って、設定情報の表示設定を行わない(B2206)。その後、停電復旧設定処理を終了する。このように、演出制御装置300は、所定期間内に遊技機10の電源復旧(電源投入)があった場合にだけ設定情報(設定値)を表示することになる。
以上の停電復旧設定処理によって、開閉枠(前面枠12、ガラス枠15)を開閉することなく、遊技機10が設置される島設備の電源(島設備電源440)などでの電源復旧(電源投入)を行うだけで、簡単に表示装置41等に設定情報を表示できる。また、所定期間内だけで設定情報を表示するため、設定情報を知る権限のある者(遊技店の責任者など)以外の第三者が設定情報を見る可能性を減少できる。特に、所定期間が営業時間外であるため、遊技者が営業時間中に設定情報を確認する機会はなくなる。
〔演出ボタン入力処理〕
次に、図28を参照して、上述したメイン処理(図19)における演出ボタン入力処理(B0010)の詳細について説明する。図28は、演出制御装置300によって実行される演出ボタン入力処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、現在が演出ボタン25の操作有効期間(操作検出可能期間)であるか否かを判定する(B2301)。操作有効期間でない場合(B2301の結果が「N」)、操作の検出を無効に設定し(B2302)、演出ボタン入力処理を終了する。
演出制御装置300は、操作有効期間である場合(B2301の結果が「Y」)、演出ボタン25の操作があった否か判定する(B2303)。本実施形態では、演出ボタン25(操作手段)の操作は、演出ボタンスイッチ25aに対する押込み操作であるが、タッチパネル25bへの操作でもよい。演出ボタン25の操作がない場合(B2303の結果が「N」)、演出ボタン入力処理を終了する。
演出制御装置300は、演出ボタン25の操作があった場合(B2303の結果が「Y」)、演出ボタン25の操作の操作種別を判定する(B2304)。そして、現在の時刻が所定期間内であるか否かを判定する(B2305)。現在の時刻は、RTC338から取得するか(B0009)、RAM内のタイマ領域に設定しRTC338に時刻合わせした時刻用タイマから取得できる。ここでの所定期間は、前述のステップB2204の所定期間と同じで、電源復旧又は電源投入によって設定情報を表示可能な表示可能期間である。
演出制御装置300は、現在の時刻が所定期間内である場合に(B2305の結果が「Y」)、停電復旧コマンドを受信したか否かを判定する(B2306)。現在の時刻が所定期間内でない場合に(B2305の結果が「N」)、又は、停電復旧コマンドを受信しなかった場合に(B2306の結果が「N」)、判定した操作種別に対応する処理(通常処理)を実行して(B2307)、操作の検出を無効に設定する(B2312)。
演出制御装置300は、停電復旧コマンドを受信した場合に(B2306の結果が「Y」)、判定した操作種別が第1特定操作であるか否かを判定する(B2308)。判定した操作種別が第1特定操作でない場合(B2308の結果が「N」)、ステップB2310の処理に移行する。判定した操作種別が第1特定操作である場合(B2308の結果が「Y」)、設定情報の表示を表示装置41等で開始する(B2309)。
なお、ステップB2308とB2309の処理はオプションであり、削除してもよい。この場合には、停電復旧設定処理で設定情報の表示設定(B2205)を行った後、すぐに、設定情報の表示を表示装置41等で開始する。ステップB2308とB2309を設ける場合には、停電復旧設定処理で設定情報の表示設定(B2205)を行っても、設定情報の表示を第1特定操作があるまで待つことになる。従って、電源復旧(電源投入)が権限のない第三者によって簡単に行える状況でも、設定情報を知る権限のある者が演出ボタン25に対する第1特定操作を行うまで設定情報が表示されず、設定情報が権限のない第三者に知られることを防止できる。なお、設定情報を知る権限のある者だけが、第1特定操作がどのような操作であるか知っているものとする。
次に、演出制御装置300は、判定した操作種別が第2特定操作であるか否かを判定する(B2310)。判定した操作種別が第2特定操作でない場合(B2310の結果が「N」)、演出ボタン入力処理を終了する。判定した操作種別が第2特定操作である場合(B2310の結果が「Y」)、設定情報の表示を終了する表示終了処理を実行する(B2311)。その後、操作の検出を無効に設定して(B2312)、演出ボタン入力処理を終了する。このように、演出ボタン25に対する第2特定操作に対応して設定の情報の表示が終了するため、設定情報を知る権限のある者は、設定情報を確認したらすぐに演出ボタン25に対する第2特定操作を行って、その後に設定情報が第三者に見られることを防止できる。
〔設定情報の表示〕
図29は、遊技島に設置される複数n台の遊技機10、10’、10”が、午前9:00から9:30までの所定期間内の時刻(ここでは午前9:10)に、一斉に電源投入(電源復旧)されて設定情報を表示する様子を示す。複数の遊技機10、10’、10”は、遊技島へ電源供給する島設備電源440のオン/オフスイッチがオン操作されることによって、島設備電源440から同時に電源投入(電源復旧)される。なお、個々の遊技機10の電源スイッチをオン操作して個別に遊技機10に対して電源投入(電源復旧)を行ってもよいが、島設備電源440のオン/オフによって遊技島の複数の遊技機10を一斉に電源投入(電源復旧)することの方が簡単なため通常行われる。
図29では、電源投入(電源復旧)によって、遊技機10、10’、10”の表示装置41に、設定情報が、それぞれ「設定3」「設定1」「設定2」と表示されている。なお、図29では、設定情報は、電源投入(電源復旧)の際に表示開始されるが、前述のように、電源投入(電源復旧)後に演出ボタン25に対する第1特定操作があった際に表示開始されてもよい。そして、表示装置41の設定情報の表示は、演出ボタン25に対する第2特定操作があった際に終了して消される。
〔ホール・遊技者設定モード処理〕
次に、図30を参照して、上述したメイン処理(図19)におけるホール・遊技者設定モード処理(B0011)の詳細について説明する。図30は、演出制御装置300によって実行されるホール・遊技者設定モード処理の手順を示すフローチャートである。
ホール・遊技者設定モード処理によって、ホール(遊技店)の責任者等が遊技機10の各種設定を行えるホール設定モード、又は、遊技者が遊技機10の各種設定を行える遊技者設定モードを起動させることができる。
演出制御装置300は、まず、ホール設定モード中であるか否か判定する(B2401)。後述のホール設定モード中フラグが設定されている場合に、ホール設定モード中であると判定できる。ホール設定モード中である場合に(B2401の結果が「Y」)、B2406−B2417の処理を行って、ホール(遊技店)の責任者等による演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a、タッチパネル25b)の操作に基づいて、各種設定や各種調整を行う。
演出制御装置300は、ホール設定モード中でない場合に(B2401の結果が「N」)、遊技者設定モード中であるか否か判定する(B2402)。後述の遊技者設定モード中フラグが設定されている場合に、遊技者設定モード中であると判定できる。遊技者設定モード中である場合に(B2402の結果が「Y」)、B2421−B2426の処理を行って、遊技者による演出ボタン25の操作に基づいて各種設定や各種調整を行う。
演出制御装置300は、遊技者設定モード中でない場合に(B2402の結果が「N」)、ホール設定モード開始条件が成立したか否か判定する(B2403)。例えば、客待ち中に、ホール設定モードに入るための演出ボタン25の操作が操作信号として演出ボタン入力処理(B0010)で検出された場合などに、ホール設定モード開始条件が成立したと判定できる。なお、客待ち中とは、例えば、表示装置41に客待ち用の映像(客待ちデモ)が表示されるような状態である。ホール設定モード開始条件が成立していない場合に(B2403の結果が「N」)、B2418の処理を実行する。
演出制御装置300は、ホール設定モード開始条件が成立した場合に(B2403の結果が「Y」)、ホール設定モードにおける表示装置41に対する画面描画(ホール設定画面の描画)を開始するための画面描画開始設定を行う(B2404)。そして、ホール設定モード中フラグを設定する(B2405)。
次に、演出制御装置300は、ホールの責任者等による演出ボタン25の操作に基づいて、上スピーカ19a及び下スピーカ19bの音量を調整するホール音量調整処理(B2406)、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの輝度(明るさ)を調整するホールLED輝度調整処理(B2407)、表示装置41の表示部(液晶ディスプレイ等)の輝度を調整する液晶輝度調整処理(B2408)、省電力の設定を行う省電力設定処理(B2409)を実行する。次に、演出制御装置300は、ロゴ役物の発行色等を設定するロゴカラー設定処理を実行する(B2410)。
続いて、演出制御装置300は、設定情報の表示方法を設定するために、設定情報に関する設定処理を実行する(B2411)。ここでは、設定情報を表示するか否かを設定したり、設定情報を表示する前述の所定期間を設定する。演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a、タッチパネル25b)の操作に基づいて、表示装置41のメニュー表示から設定情報の表示の有無を選択し、設定情報を表示するか否かを設定できる。演出ボタン25の操作によって数値を入力することによって、所定期間は、例えば、前述のように開店前の午前9:00から9:30までの期間に設定できる。このように、設定情報を確認可能な所定期間を任意に設定できるため、設定情報を知る権限のない第三者に設定情報が漏えいすることが防止できる。なお、ステップB2411の処理は、設定情報を表示する所定期間を設定する第1設定手段と、設定情報を表示するか否かを設定する第2設定手段を構成する。
そして、設定確定操作入力があったか否か判定する(B2412)。演出ボタン25の設定確定操作による操作信号が演出ボタン入力処理(B0010)で検出された場合に、設定確定操作入力があったと判定できる。設定確定操作入力がない場合に(B2412の結果が「N」)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。
演出制御装置300は、設定確定操作入力があった場合に(B2412の結果が「Y」)、工場出荷時の設定で確定したか否か判定する(B2413)。設定確定操作以外に演出ボタン25の操作がなかった場合に、工場出荷時の設定で確定したと判定できる。工場出荷時の設定で確定しなかった場合に(B2413の結果が「N」)、B2415の処理に進む。工場出荷時の設定で確定した場合に(B2413の結果が「Y」)、工場出荷時の設定で各種設定や各種調整を行う工場出荷時設定処理を実行する(B2414)。工場出荷時の設定は、ROM321等のメモリに記憶されているデフォルトの設定である。次に、B2406−B2410やB2414で決定された音量や各種輝度などのホール設定データ(又はホール調整データ)をバックアップメモリ(例えばFeRAM323)に書き込む(B2415)。
次に、演出制御装置300は、ホール設定モードにおける表示装置41に対する画面描画を終了するための画面描画終了設定を行う(B2416)。そして、ホール設定モード中フラグをクリアする(B2417)。
演出制御装置300は、ホール設定モード開始条件が成立していない場合に(B2403の結果が「N」)、遊技者設定モード開始条件が成立したか否か判定する(B2418)。客待ち中において、遊技者設定モードに入るための演出ボタン25の操作が操作信号として演出ボタン入力処理(B0010)で検出された場合などに、遊技者設定モード開始条件が成立したと判定できる。遊技者設定モード開始条件が成立していない場合に(B2418の結果が「N」)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。
演出制御装置300は、遊技者設定モード開始条件が成立した場合に(B2418の結果が「Y」) 、遊技者設定モードにおける表示装置41に対する画面描画を開始するための画面描画開始設定を行う(B2419)。そして、遊技者設定モード中フラグを設定する(B2420)。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作に基づいて、上スピーカ10a及び下スピーカ10bの音量を調整する遊技者音量調整処理(B2421)と、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの輝度(明るさ)を調整する遊技者LED輝度調整処理(B2422)を実行する。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25等の操作に基づいて演出をカスタマイズ(個別設定)する演出カスタマイズ処理を実行する(B2423)。そして、設定確定操作入力があったか否か判定する(B2424)。設定確定操作入力がない場合に(B2424の結果が「N」)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。設定確定操作入力があった場合に(B2424の結果が「Y」)、遊技者設定モードにおける表示装置41に対する画面描画を終了するための画面描画終了設定を行う(B2425)。そして、遊技者設定モード中フラグをクリアする(B2426)。なお、B2421−B2422で決定された音量や輝度などの遊技者設定データ(又は遊技者調整データ)は、消えてもよいため、バックアップメモリに書き込まない。
〔客待ちデモ編集処理〕
次に、図31を参照して、上述したメイン処理(図19)における客待ちデモ編集処理(B0015)の詳細について説明する。図31は、演出制御装置300によって実行される客待ちデモ編集処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、既に表示装置41で客待ちデモを実行中であるか否かを判定する(B2601)。客待ちデモを実行中でない場合(B2601の結果が「N」)、客待ちデモコマンドを受信したか否かを判定する(B2602)。客待ちデモコマンドを受信していない場合(B2602の結果が「N」)、客待ちデモ編集処理を終了する。客待ちデモコマンドを受信した場合(B2602の結果が「Y」)、客待ちデモコマンド受信フラグをクリアする(B2603)。
次に、演出制御装置300は、表示装置41で客待ちデモを開始するための設定処理(B2604−B2607)を実行する。まず、客待ち制御テーブルの内容を指定する客待ち制御テーブルポインタを0クリアし(B2604)、客待ち制御テーブルポインタ(ここでは0)に対応するデモ制御タイマ(例えば10秒)を設定する(B2605)。そして、デモステータスに図柄表示Aを設定する(B2606)。なお、デモステータスには、客待ちデモの開始から10秒程度の間実行される図柄表示Aの他に、図柄表示Aの終了から110秒程度の間実行される図柄表示B、図柄表示B、Cの終了から30秒程度の間実行されるムービー表示、ムービー表示の終了から120秒程度の間実行される図柄表示Cがある。なお、装飾内容、BGMとからめて更に細分化して、デモステータスの内容を設定してもよい。
続いて、演出制御装置300は、機種指定コマンド等からわかる選択された機種に関する選択機種情報に対応する図柄表示画面の描画設定を行う(B2607)。
一方、演出制御装置300は、既に客待ちデモを実行中である場合(B2101の結果が「Y」)、現在、所定時刻であるか否かを判定する(B2608)。本実施形態で、所定時刻は、前述の所定期間の終了時点の時刻(例えば午前9:30)であるが、所定期間の終りの時刻から開店前の時刻であれば任意の時刻でよい。現在、所定時刻である場合に(B2608の結果が「Y」)、ステップB2604の処理に移行し、既に客待ちデモを実行中であっても、再度、客待ちデモを最初(初期状態)から開始するための設定処理(B2604−B2607)を実行する。客待ちデモの初期状態は、客待ち制御テーブルポインタ=0(即ちデモステータス=図柄表示A)の状態である。このように、所定期間の終了時刻などの所定時刻において、表示装置41で客待ちデモ(客待ち演出)を最初から開始することができ、遊技機間の客待ちデモを揃えることができる。
次に、演出制御装置300は、デモ制御タイマを−1更新し(B2609)、デモ制御タイマが0であるか否かを判定する(B2610)。デモ制御タイマが0である場合(B2610の結果が「Y」)、客待ち制御テーブルポインタを+1更新し(B2611)、デモ制御タイマが0でない場合(B2610の結果が「N」)、客待ちデモ編集処理を終了する。
次に、演出制御装置300は、客待ち制御テーブルポインタが上限値以上であるか否かを判定する(B2612)。客待ち制御テーブルポインタが上限値以上である場合(B2612の結果が「Y」)、客待ち制御テーブルポインタに戻り位置のポインタ値を設定し(B2613)、客待ち制御テーブルポインタに対応するデモ制御タイマを設定する(B2614)。客待ち制御テーブルポインタが上限値未満である場合(B2612の結果が「N」)、ステップB2613の処理を行わずに、客待ち制御テーブルポインタに対応するデモ制御タイマを設定する(B2614)。デモ制御タイマは、例えば、客待ち制御テーブルポインタに対応するデモステータが図柄表示Bであれば110秒、図柄表示Cであれば120秒、ムービー表示であれば30秒となる。
その後、演出制御装置300は、客待ち制御テーブルポインタに対応するデモステータスを設定し(B2615)、客待ち制御テーブルポインタに対応する装飾番号を設定し(B2616)、客待ち制御テーブルポインタに対応する音声番号を設定する(B2617)。なお、客待ちデモ開始時には、装飾番号と音声番号は、特図変動表示ゲームの実行中の装飾状態や音声状態をしばらく継続するため設定していない。その後、遊技機の種類を示す選択機種情報に対応する画面の描画設定(ムービー表示又は図柄表示)を行い(B2618)、客待ちデモ編集処理を終了する。上記において、ステップB2617は省略して音声番号を設定しない構成も可能である。
なお、図31では、客待ちデモ中にムービー表示を止めさせたい場合や開始させたい場合に、演出ボタン25を操作する(操作を検出する)ことでデモ区間(例えば図柄表示B、C、ムービー表示)をスキップ(省略)できる処理を追加してもよい。
〔客待ちデモタイミングチャート〕
図32は、客待ちデモ編集処理(図31)の結果として、表示装置41で行われる客待ちデモの様子を例示するタイミングチャートである。図32において、客待ちデモは、開店前における電源投入(電源復旧)後に行われている。説明の都合上、客待ちデモの全体は、内容の異なる3つのデモ区間(客待ちデモ1〜3)からなるものとして示しているが、デモ区間の数はいくらでもよい。客待ちデモは、復旧画面(復旧表示)の後で開始する例を示すが、客待ちデモに重ねて復旧画面(復旧表示)を表示してもよい。なお、復旧画面は、所定期間内(例えば午前9:00から9:30)では設定情報表示を含んでよい。
図32では、電源投入の際に、遊技島に設けられた複数n台の遊技機1〜nのうちの一台(遊技機2)が、設定変更処理(A1017)によって設定変更されている。遊技機2において、設定変更によって、表示装置41における復旧画面とその後の客待ちデモの開始が、他の遊技機1、3〜nよりも遅れてしまう。そのため、開店時に、客待ちデモの内容が遊技機2だけ他の遊技機1、3〜nからずれてしまい、遊技者に遊技機2が設定変更したことが認識されてしまうという問題が生じる。しかし、図32では、客待ちデモ編集処理(図31)によって、1度開始した客待ちデモが、再度、開店前の所定時刻に最初(初期状態、客待ちデモ1の最初)から開始されることになり(B2608)、開店時には客待ちデモの内容が遊技島の全遊技機1〜nで揃った状態になり、遊技機2が設定変更したことは遊技者に認識できなくなる。従って、遊技者間の不公平がなくなる。
なお、前述のように、客待ちデモ中に演出ボタン25を操作することでデモ区間(例えばムービー表示)をスキップできる構成とする場合にも、デモ区間のスキップにより、開店時に客待ちデモの内容が一部の遊技機だけずれてしまう可能性がある。しかし、客待ちデモ編集処理(図31)によって、客待ちデモが、再度、開店前の所定時刻に最初(初期状態)から開始されることになり(B2608)、開店時には客待ちデモの内容が遊技島の全遊技機1〜nで揃った状態となる。
(第1実施形態に係る遊技機)
以上の第1実施形態には、次の(1)〜(13)に示す遊技機が含まれる。
(1)ゲームを実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、前記ゲームに関連する演出を表示手段(表示装置41)に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える遊技機において、
遊技条件に関する設定を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)を備え、
前記遊技制御手段は、前記設定の情報を前記演出制御手段に送信可能であり、
前記演出制御手段は、所定期間において、当該遊技機の電源投入があった場合に前記設定の情報を前記表示手段に表示することを特徴とする遊技機(図3、図5A、図5B、図16、図27)。
(2)時刻を計時するリアルタイムクロックを備え、
前記演出制御手段は、
計時手段(時刻用タイマ)を備え、
当該遊技機の電源投入時に、前記計時手段の時刻を前記リアルタイムクロックの時刻に調整することを特徴とする(1)に記載の遊技機(図4、図19のB0009)。
(3)操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、
前記演出制御手段は、前記操作手段に対する第1特定操作に対応して、前記設定の情報を前記表示手段に表示することを特徴とする(1)に記載の遊技機(図1、図28)。
(4)前記遊技制御手段は、当該遊技機の電源投入の際に、前記設定の情報を前記演出制御手段に送信することを特徴とする(1)に記載の遊技機(図5BのA1032)。
(5)前記演出制御手段は、前記設定の情報に応じて、所定の演出の出現割合を設定することを特徴とする(1)に記載の遊技機(図25、図26)。
(6)前記演出制御手段は、
演出に関連して発光する装飾用発光部を制御可能であり、
前記設定の情報に応じて、前記装飾用発光部の発光態様を設定することを特徴とする(1)に記載の遊技機(図25のB2016)。
(7)操作可能な操作手段を備え、
前記演出制御手段は、前記操作手段に対する第2特定操作に対応して、前記表示手段における前記設定の情報の表示を終了することを特徴とする(1)に記載の遊技機(図1、図28)。
(8)前記演出制御手段は、
前記設定の情報を表示する前記所定期間を設定する第1設定手段と、
前記設定の情報を表示するか否かを設定する第2設定手段と、を備えることを特徴とする(1)に記載の遊技機(図30)。
(9)前記演出制御手段は、
前記所定期間の終了時に、前記表示手段において客待ち演出(客待ちデモ)を最初から開始することを特徴とする(1)に記載の遊技機(図31、図32)。
(10)前記遊技制御手段は、
前記設定の情報を記憶可能な設定情報記憶領域を有する記憶手段(RAM)と、
前記記憶手段における前記設定情報記憶領域以外の領域を初期化する初期化手段(A1030)と、を備えることを特徴とする(1)に記載の遊技機(図5B)。
(11)前記遊技制御手段は、
前記記憶手段に保持された情報の正当性を判定する正当性判定手段(A1021)を備え、
前記正当性判定手段によって、前記記憶手段に保持された情報が正当でないと判定された場合に、前記設定情報記憶領域に規定の設定の情報を記憶することを特徴とする(10)に記載の遊技機(図5A、図5B)。
(12)前記記憶手段は、遊技に関する遊技情報を記憶する遊技情報記憶領域を有し、
前記正当性判定手段は、前記設定情報記憶領域の正当性と前記遊技情報記憶領域の正当性を別々に判定することを特徴とする(11)に記載の遊技機(図5A)。
(13)前記遊技制御手段は、
前記初期化手段による初期化を実行するか否かを判定する前に(A1018の前)、前記設定変更手段による設定変更を行う処理(A1017の設定変更処理)を実行することを特徴とする(10)に記載の遊技機(図5A)。
(第1実施形態の効果)
上記(1)の遊技機によると、遊技機10の電源投入(電源復旧)を行うだけで、簡単に表示装置41等の表示手段に設定情報を表示できる。また、所定期間内だけで設定情報を表示するため、設定情報を知る権限のある者(遊技店の責任者など)以外の第三者が設定情報を見る可能性を減少できる。
上記(2)の遊技機によると、電源投入時(電源復旧時)に一度だけリアルタイムクロックから時刻を読み込めばよく、リアルタイムクロックから時刻を読み込む処理の回数を低減でき、演出制御手段(演出制御装置300)の負荷が減少する。
上記(3)の遊技機によると、電源投入(電源復旧)が権限のない第三者によって簡単に行える状況でも、設定情報を知る権限のある者が操作手段(演出ボタン25)に対する第1特定操作を行うまで設定情報が表示されず、設定情報が権限のない第三者に知られることを防止できる。
上記(4)の遊技機によると、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、遊技機10の電源投入の際に、一度だけ設定情報を演出制御手段に送信するだけで済むため、簡便である。
上記(5)の遊技機によると、設定情報に応じて所定の演出(予告等)の出現割合(出現率)が変化する。このため、遊技者は、所定の演出の出現し易さや出現し難さに注目することによって、遊技機10の設定情報(設定値)を推測することができ、遊技の興趣が向上する。
上記(6)の遊技機によると、遊技者は、装飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機10の設定情報(設定値)を推測することを楽しめ、遊技の興趣が向上する。
上記(7)の遊技機によると、操作手段(演出ボタン25)に対する第2特定操作に対応して設定の情報の表示が終了するため、設定情報を知る権限のある者は、設定情報を確認したら第2特定操作を行って、その後に設定情報が第三者に見られることを防止できる。
上記(8)の遊技機によると、設定情報を確認可能な所定期間と、設定情報の表示の有無とを任意に設定できるため、設定情報を知る権限のない第三者に設定情報が漏えいすることが防止できる。
上記(9)の遊技機によると、客待ち演出(客待ちデモ)が、所定期間の終了時に最初(初期状態、客待ちデモ1の最初)から開始されることになり、開店時に客待ち演出の内容を多数の遊技機の間で揃えることができ、遊技者は設定変更した遊技機を認識できなくなる。従って、遊技者間の不公平がなくなる。
上記(10)の遊技機によると、設定情報記憶領域の設定情報は初期化されないため、一度記憶した設定情報は、設定変更があるまで維持できる。
上記(11)の遊技機によると、記憶手段(RAM)に保持された情報の正当性がない場合に、記憶手段(RAM)の設定情報記憶領域に規定の設定情報を記憶する。このため、何らかの誤動作によって意図しない設定情報が記憶されて遊技店に損害が生じる事態を防止できる。
上記(12)の遊技機によると、設定情報記憶領域の正当性と遊技情報記憶領域の正当性を別々に判定できる。このため、設定情報記憶領域に保持された情報の正当性がない場合にだけ、設定情報記憶領域を初期化する処理(規定の設定情報を記憶する処理)を行えばよいし、遊技情報記憶領域に保持された情報の正当性がない場合にだけ、遊技情報記憶領域を初期化する処理を行えばよいので、簡便である。
上記(13)の遊技機によると、設定変更処理を実行してから初期化手段による初期化を実行するか否かを判定するため、設定変更処理による初期化が行われる場合に、初期化を実行するか否かの判定の結果による初期化を省略することもできる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、LED(発光部)の発光状態の制御に関するものである。以下で述べる構成以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。
〔ネットワーク構成〕
図33は、第2実施形態において、演出制御装置300(マスタIC側)と盤装飾装置46(スレーブIC側)との接続状況(ネットワーク構成)を示す図である。
図33において、演出制御装置300は簡略化して示されているが、主制御用マイコン(CPU)311は演出制御データ(演出制御情報)を編集して、アドレス/データバス340を介して、マスタIC570である盤装飾LED制御回路332に送る。
演出制御装置300のマスタIC570と盤装飾装置46の複数のスレーブIC450、460は、ネットワーク451(シリアル通信ネットワーク)で接続され、シリアル通信を行う。シリアル通信の方式(規格)は特に限定されるものではないが、例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)方式が使用できる(特開2011−206170、特開2012−90901等参照)。盤装飾装置46には、第1スレーブIC450と、複数n個の第2スレーブIC1〜n(460−1、・・・、460−n)が設けられる。
第1スレーブIC450は、複数の発光部(第1発光部)として、特図変動表示ゲームと当該特図変動表示ゲームの結果を示す第四特別図柄(第4図柄)を表示する第4図柄LED80a、80b、保留数を表示する保留LED80c−80f、演出ボタン25に設けられる演出ボタンLED25c(操作発光部)に点灯データを出力して、これら複数の発光部の発光状態(発光態様)を制御する。第1スレーブIC450、第4図柄LED80a、80b、保留LED80c−80f、演出ボタンLED25cは、第1装飾装置46aを構成する。
なお、図2Bのランプ表示部1、2が、各々、特図1変動表示ゲーム用の第4図柄LED80a(特図1第4図柄LED)、特図2変動表示ゲーム用の第4図柄LED80b(特図2第4図柄LED)に相当する。図2Bのランプ表示部3〜6が、各々、保留LED80c−80f(特図1保留LED1、特図1保留LED2、特図2保留LED1、特図2保留LED2)に相当する。演出ボタンLED25cは、演出ボタン25に複数個設けられてよい。
第2スレーブIC1〜n(460−1、・・・、460−n)は、各々、装飾LEDグループ1〜n(462−1、・・・、462−n)に接続される。なお、第2スレーブIC1〜n(460−1、・・・、460−n)を総称して第2スレーブIC460と呼び、装飾LEDグループ1〜n(462−1、・・・、462−n)を総称して装飾LEDグループ462と呼ぶ。
装飾LEDグループ462は、装飾用(演出用)の複数の装飾LED(第2発光部)から構成される。各第2スレーブIC460は、接続される装飾LEDグループ462の複数の装飾LEDに点灯データを出力して、これらの発光状態(発光態様)を制御する。第2スレーブIC1〜n(460−1、・・・、460−n)と装飾LEDグループ1〜n(462−1、・・・、462−n)は、第2装飾装置46bを構成する。第2発光部からなる第2装飾装置46bは、第1発光部からなる第1装飾装置46aとは、異なる装飾を実行する。
なお、演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25aと演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25bの検出信号は、ネットワーク451を介さずに、演出制御装置300に入力されているが、スレーブICとネットワーク451を介して、演出制御装置300に入力されてもよい。
なお、図33では、マスタIC570を盤装飾LED制御回路332としスレーブIC側を盤装飾装置46としたが、マスタIC570を枠装飾LED制御回路333としスレーブIC側を枠装飾装置18としても第2実施形態を適用可能である。
また、盤装飾LED制御回路332と枠装飾LED制御回路333をまとめて一つのマスタIC570とし、マスタIC570は、盤装飾装置46と枠装飾装置18のスレーブICに点灯データを出力して、盤装飾装置46と枠装飾装置18のLED(発光部)の発光状態を制御してもよい。即ち、図33の第2スレーブIC460に枠装飾装置18のスレーブICを含めて、装飾LEDグループ462に枠装飾装置18の複数の装飾LED(第2発光部)を含めてもよい。
以上のように、演出制御装置300は、同一のネットワーク451を介して、装飾装置(盤装飾装置46と枠装飾装置18等)の多数のLEDの発光状態(発光態様)を制御するため、多数のLEDを制御するため必要な配線を簡素化することができる。なお、発光状態(発光態様)には、消灯した状態も含まれる。
〔スレーブIC〕
図34は、第2実施形態に係るスレーブIC450、460の構成を示すブロック図である。ここでは、スレーブIC450、460としてI2CI/Oエクスパンダ615を一例として示すが、スレーブIC450、460は、I2CI/Oエクスパンダ615に限定されない。なお、I2CI/Oエクスパンダ615は、シリアル通信の方式としてI2C方式を使用する場合におけるスレーブICである。
I2CI/Oエクスパンダ615(スレーブIC450、460)は、接続線SDAに接続されるトランジスタ630、接続線SDAに接続されるフィルタ631、接続線SDAに接続されるドライバ632、接続線SCLに接続されるフィルタ633、バスコントローラ634、出力設定レジスタ635、出力コントローラ636、I2CI/Oエクスパンダ615の出力側の各ポート0〜15に接続されるドライバ637、各ポート0〜15に接続されるトランジスタ638A〜638P、及びリセット信号発生回路639を備える。さらに、他のI2CI/Oエクスパンダ615によって接続線SDAが占有されているか否かを判断するためのバス監視WDT(ウォッチドッグタイマ)640、及びI2CI/Oエクスパンダ615自身が接続線SDAを占有しているか否かを判断するための自己占有WDT641を備えている。
接続線SDAは、演出制御装置300のマスタIC570とI2CI/Oエクスパンダ615(スレーブIC450、460)との間でデータ信号を授受するための接続線であり、データ線として機能する。接続線SCLは、接続線SDAでのデータ通信に用いられるクロック信号を入出力するための接続線であり、タイミング信号線として機能する。
フィルタ631は、接続線SDAに接続され、接続線SDAから入力されたデータのノイズを除去し、ノイズが除去されたデータをバスコントローラ634に出力する。ドライバ632は、返答信号を接続線SDAから出力する場合に、トランジスタ630が動作可能な電圧をトランジスタ630に印加する。
ドライバ632は、接続線SDAからデータ(返答信号)を出力する場合に、トランジスタ630が動作可能な電圧をトランジスタ630に印加する。
トランジスタ630は、電力消費を抑えるために電界効果トランジスタ(FET)が用いられており、トランジスタ630のゲートはドライバ632に接続され、ドレインはプルアップ抵抗Rにより所定の電圧が印加された接続線SDAに接続され、ソースは接地されている。
ドライバ632は、データ(返答信号)を接続線SDAから出力する場合に、トランジスタ630にドレインとソースとの間に電流を流すためにトランジスタ630のゲートにトランジスタ630が動作可能な値の電圧を印加する。そして、ドライバ632は、接続線SDAの電圧をHIGHからLOWへ繰り返し変化させることによって、データを接続線SDAから出力する。
フィルタ633は、接続線SCLに接続され、接続線SCLから入力されたデータのノイズを除去し、ノイズが除去されたデータをバスコントローラ634に出力する。
また、I2CI/Oエクスパンダ615には、当該I2CI/Oエクスパンダ615に備わるアドレス設定用端子A0〜A3によって固有のアドレスが設定されており、バスコントローラ634に入力されている。さらに、I2CI/Oエクスパンダ615をリセットするためのアドレスも、あらかじめ設定されている。
バスコントローラ634は、接続線SDAから入力されたデータのアドレスがI2CI/Oエクスパンダ615に設定された固有のアドレスと一致するか否かを判定し、一致している場合に当該データを演出制御データとして取り込む。
また、バスコントローラ634は、接続線SDAから入力されたデータのアドレスがI2CI/Oエクスパンダ615に設定されたリセット用のアドレスと一致するか否かを判定し、一致している場合に当該データを初期化指示データ(初期化コマンドRES)として取り込み、当該I2CI/Oエクスパンダ615を初期化する。
また、バスコントローラ634は、接続線SCLの信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が8回に達し、8ビット目のデータを取り込んだ後、接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、返答信号を接続線SDAからマスタIC570に出力する。さらに、接続線SCLの信号レベルがLOWからHIGHへ変化することが確認され、再度接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、接続線SDAを開放する。つまり、接続線SCLの信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が9回になるタイミングで返答信号を出力する。
出力設定レジスタ635には、当該I2CI/Oエクスパンダ615の動作モードやポート0〜15の出力状態が設定される。バスコントローラ634が接続線SDAから初期化指示データを取り込んで、当該I2CI/Oエクスパンダ615が初期化された場合には、出力設定レジスタ635は、すべてのポート0〜15に電流が流れないように初期状態に設定される。
出力コントローラ636は、出力設定レジスタ635に設定されたデータに基づいて、ポートドライバ637を介して、各ポート0〜15に接続された演出装置(ここではLED、発光部)に電流を流すこと(点灯データの出力)によって、演出装置の出力状態(ここでは発光状態)を実際に制御する。この出力状態は、バスコントローラ634が接続線SDAから演出制御データを取り込むと、演出制御データに指定されている内容に更新される。
すなわち、マスタIC570から受信した演出制御データに基づいて、出力設定レジスタ635に設定し、ストップコンディションを受信した時点で、各ポート0〜15の出力状態を更新して演出装置に反映させる。したがって、シフトレジスタのように、LAT信号(ラッチ信号)を受信する必要もなく、すなわち、LAT信号を受信するための配線を必要とすることなく、演出制御を行うことができる。特に、ポート出力状態を、複数のI2CI/Oエクスパンダ615(スレーブIC450、460)で同時に更新する必要がある場合に有効であり、異なるI2CI/Oエクスパンダ615に制御される演出装置であっても、同時に演出動作を実行するように制御できるため、より演出効果を高めることが可能となる。
なお、ストップコンディションを受信した時点で各ポート0〜15の出力状態を更新して演出装置に反映させるのではなく、返答信号出力時に演出装置に反映させることも可能である。同時に演出動作を実行することが要求される演出装置が1つのI2CI/Oエクスパンダ615で制御される場合には、返答信号出力時に演出装置に反映させるようにしてもよい。こうすることによって、マスタIC570がストップコンディションを出力する必要がなく、また、連続して演出制御データを送信することが可能となるため、演出制御を高速に行うことが可能となる。
ドライバ637は、ポートに電流を流す場合に、電流を流すポートに接続されるトランジスタ638A〜638Pが動作可能な電圧を当該トランジスタに印加する。
トランジスタ638A〜638Pのゲートはドライバ637に接続され、ドレインは演出装置を動作させるための電圧が印加された接続線に接続するポート端子に接続され、ソースは接地されている。
トランジスタ638A〜638Pのゲートに印加される電圧がトランジスタ638を動作させる所定値以上であれば、駆動電源からゲートに印加されている所定の電圧が、トランジスタ638のドレインを介して接地されているソースへ電流が流れることによって、ポート端子に接続された演出装置(ここではLED)の出力状態を制御できる。
また、I2CI/Oエクスパンダ615は、I2CI/Oエクスパンダ615のポート端子に接続されたすべての演出装置を同時に制御することが可能であるので、I2CI/Oエクスパンダ615のポート端子に接続された一つの演出装置(ここではLED)を一つのグループとして制御することができる。
そして、I2CI/Oエクスパンダ615同士は、互いに異なる個別アドレスが割り当てられているので、演出装置(ここではLED)が複数のグループに分割された形態となっている。すなわち、各I2CI/Oエクスパンダ615(各スレーブIC450、460)は、演出装置をグループ単位で制御可能なグループ単位制御手段として構成されているものである。
したがって、各I2CI/Oエクスパンダ615(各スレーブIC450、460)を統括する演出制御装置300は、グループ単位制御手段を統括して制御するグループ統括制御手段として機能している。
リセット信号発生回路639には、I2CI/Oエクスパンダ615に電源を供給する接続線Vccに接続されるVcc端子、及び外部からのリセット信号を受け付けるRESET端子が接続されている。
リセット信号発生回路639は、I2CI/Oエクスパンダ615に電源が投入され、電圧が所定値まで立ち上がると、リセット信号を発生させ、発生させたリセット信号をバスコントローラ634、出力設定レジスタ635、及び出力コントローラ636に入力することによって初期化する。
したがって、ハーネスを抜くとロジック用の電源を供給するための接続線Vccが一時的に断線し、ハーネスを再度差し込むと電源供給が復帰して、リセット信号発生回路639がリセット信号を出力することになる。つまり、遊技機の修理や点検作業を行うときに、ハーネスの抜き差しを行うことで、I2CI/Oエクスパンダ615を初期化(リセット)することが可能な構成となっている(パワーオンリセット)。なお、ロジック用の電源を供給するための接続線Vcc、演出装置用(ここではLED用)の駆動電源線、接続線SDA、接続線SCL、及び接地線GNDなどを束ねたものをハーネスという。
なお、外部からLOWレベルのリセット信号が入力された場合には、リセット信号発生回路639はリセット信号を出力するので、演出制御装置300のCPU311からRESET端子にリセット信号を入力するようにしてもよい。
バス監視WDT640は、他のI2CI/Oエクスパンダ615が接続線SDAを占有していることを検出するために用いられる。バス監視WDT640は、リセット信号発生回路639に接続されており、接続線SDAが占有されてから所定の時間が経過すると、自身のリセット信号発生回路639を作動させて、当該I2CI/Oエクスパンダ615を初期化する。
自己占有WDT641は、自身(I2CI/Oエクスパンダ615)による接続線SDAの占有を検出するために使用される。自己占有WDT641が一定時間連続して作動すると、自己占有WDT641は、リセット信号発生回路639にリセット信号を発生させて当該I2CI/Oエクスパンダ615を初期化する。
〔スレーブICのレジスタ構成〕
図35は、第2実施形態に係るスレーブIC450、460に備えられる出力設定レジスタ635に割り当てられたワークレジスタを説明するための図である。
スレーブIC450、460としてのI2CI/Oエクスパンダ615の出力設定レジスタ635には、ワークレジスタ(デバイスレジスタ)と、コントロールレジスタ(制御レジスタ)とが割り当てられている。
ワークレジスタは、I2CI/Oエクスパンダ615に対してあらかじめ定義されている設定を行うための情報や、I2CI/Oエクスパンダ615に接続されている演出装置(ここではLED)への出力態様を特定するための情報を記憶するものである。
また、コントロールレジスタは、ワークレジスタへのデータ書き込み手順を規定する情報を記憶する。なお、ワークレジスタは、複数の情報を異なる記憶領域に分散して記憶する構成となっており、記憶領域毎に異なるレジスタ番号が付与されている。
レジスタ番号「00h」及びレジスタ番号「01h」は、I2CI/Oエクスパンダ615の初期設定を行うためのモードレジスタに対応する。レジスタ番号「00h」の記憶領域にはレジスタ名「MODE1」が付与されている。また、レジスタ番号「01h」の記憶領域にはレジスタ名「MODE2」が付与されている。レジスタ番号「00h」及び「01h」の記憶領域(「MODE1」「MODE2」)に値が書き込まれると、書き込まれた値に基づいて、I2CI/Oエクスパンダ615の初期設定が行われる。
なお、「MODE2」のレジスタのビット3(OCH)は、I2CI/Oエクスパンダ615の出力設定レジスタ635に格納された演出制御データを演出装置に実際に反映させるタイミングを規定するパラメータである。本実施形態では、「0」が設定されており、ストップコンディションを受信した時点で出力設定レジスタ635に格納された演出制御データに基づいて点灯データを出力し、演出装置の出力状態(ここでは発光状態)を実際に制御するように設定されている。なお、「MODE2」のレジスタのビット3(OCH)の値に「1」を設定し、返答信号(ACK)を出力した時点で出力設定レジスタ635に格納された演出制御データに基づいて点灯データを出力し、演出装置の出力状態を実際に制御するような構成も可能である。
ポート0〜15に対応するレジスタ番号「02h」〜「11h」(レジスタ名「PWM0」〜「PWM15」)には、制御対象である演出装置(LED)のパラメータが設定される。レジスタ番号「02h」〜「11h」の記憶領域のいずれかに値が書き込まれると、I2CI/Oエクスパンダ615に接続される発光装置(16個のLED)のうち、値が書き込まれたレジスタ番号に対応するLEDの輝度(明るさ)が、書き込まれた値に基づいて調整される。例えば、レジスタ番号「02h」の記憶領域に値が書き込まれた場合には、ポート0に接続されたLED0の輝度が調整される。
なお、I2CI/Oエクスパンダ615が第1スレーブIC450である場合には、ポート0〜15に接続されたLED0〜15は、各々、第4図柄LED80a(特図1第4図柄LED)、第4図柄LED80b(特図2第4図柄LED)、特図1保留LED1、特図1保留LED2、特図2保留LED1、特図2保留LED2、演出ボタンLED1〜10に対応する。I2CI/Oエクスパンダ615が第2スレーブIC460である場合には、ポート0〜15に接続されたLED0〜15は、装飾用(演出用)の装飾LEDに対応する。
レジスタ番号「12h」(レジスタ名「GRPPWM」)及びレジスタ番号「13h」
(レジスタ名「GRPFREQ」)には、制御対象全体の動作パターンなどを指定するパラメータが設定される。レジスタ番号「12h」及び「13h」の記憶領域に値が書き込まれると、書き込まれた値に基づいて、LED(16個のLED)全体の点滅パターンが設定される。具体的には、レジスタ番号「12h」には、LED全体のオン・オフ比率であるデューティサイクルが設定され、レジスタ番号「13h」には、LED全体の点滅周期が設定される。
レジスタ番号「14h」(レジスタ名「LEDOUT0」)〜「17h」(レジスタ名「LEDOUT3」)には、各ポートで制御されるLEDの出力状態が設定される。各レジスタには、それぞれ4つずつLEDの出力状態を設定することが可能となっている。
レジスタ番号「14h」の記憶領域に値が書き込まれると、書き込まれた値に基づいて、LED0〜LED3の出力状態が設定される。同様に、レジスタ番号「15h」の記憶領域にはLED4〜LED7の出力状態、レジスタ番号「16h」の記憶領域にはLED8〜LED11の出力状態、レジスタ番号「17h」の記憶領域にはLED12〜LED15の出力状態が設定される。
レジスタ番号「18h」〜「1Ah」(レジスタ名「SUBADR1」〜「SUBADR3」)にはサブアドレスが設定される。レジスタ番号「18h」〜「1Ah」の記憶領域に値が書き込まれると、書き込まれた値に基づいて、第1サブアドレス〜第3サブアドレスが設定される。
レジスタ番号「1Bh」(レジスタ名「ALLCALLADR」)にはすべてのスレーブに対する指令を出力するためのオールコールアドレスが設定される。オールコールアドレスは、例えば、電源投入時などに全てのスレーブに対して初期化処理を実行する場合などに使用される。
〔マスタICの演出制御データ〕
図36は、第2実施形態に係るマスタIC570が送信する演出制御データ(送信データ)の構成と、演出制御データを構成する各データの送信順序を説明する図である。
まず、マスタIC570は、演出制御データを送信する対象となるI2CI/Oエクスパンダ615(スレーブIC450、460)の個別アドレス(スレーブアドレス)を特定可能な8ビットのデータを送信する。
次に、マスタIC570は、I2CI/Oエクスパンダ615(スレーブIC450、460)の出力設定レジスタ635のコントロールレジスタに設定されるデータを送信する。コントロールレジスタのデータによって、例えば、オートインクリメントを許可してワークレジスタのすべての記憶領域を更新する設定が可能になる。
さらに、マスタIC570は、MODE2レジスタに書き込む値(合計8ビット)を送信し、以降、レジスタ番号が「02h」〜「1Bh」となる残りの記憶領域のレジスタに対して、順に設定値を送信する。
〔節電制御処理〕
次に、図37を参照して、第2実施形態に係る節電制御処理(節電制御手段)を説明する。図37は、メイン処理(図19)において、演出制御装置300によって実行される節電制御処理(B0016)の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、客待ちデモコマンド(客待ちデモ開始情報)を受信したか否かを判定する(B2801)。なお、客待ちデモコマンドは、特図1保留数と特図2保留数の両方が0の場合に特図普段処理(図10)において設定され、遊技制御装置100から送られてくる(B1307)。客待ちデモコマンドを受信した場合に(B2801の結果が「Y」)、節電タイマをセットし、遊技機10が節電中であることを示す節電フラグをオンする(B2802)。なお、客待ちデモコマンドを受信した場合に、普図ゲームが実行されている場合は、普図ゲームが終了した時点で、節電タイマと節電フラグを設定するようにしてもよい。客待ちデモコマンドを受信していない場合に(B2801の結果が「N」)、変動系コマンド(例えば変動コマンド)を受信したか否かを判定する(B2803)。
演出制御装置300は、変動系コマンドを受信した場合に(B2803の結果が「Y」)、飾り特図変動表示ゲームを開始するため、節電状態を解除する(B2804)。ここで、節電対象のLED(発光部)の輝度を節電前の値(例えば通常値「高」)に変更するように演出制御データ(図36)のPWM0レジスタ値〜PWM15レジスタ値を変更する。また、スピーカからのBGM(音楽)をオンし、遊技機10が節電中であることを示す節電フラグをオフする。さらに、節電タイマをクリアする。なお、普図コマンドを受信した場合でも(B1319の結果が「Y」)、節電状態を解除しない。普図コマンドを受信しても、通常、普図変動表示ゲームに関連する演出を行わないため節電状態を解除しなくても問題を生じず、節電状態を維持することが有益となる。即ち、むやみに節電状態が解除されることを防止している。
演出制御装置300は、変動系コマンドを受信していない場合に(B2803の結果が「N」)、節電タイマをチェックする(B2805)。次に、節電タイマが時間t1であるか否か(即ち、客待ちデモコマンドを受信してから時間t1経過したか否か)判定する(B2806)。節電タイマが時間t1である場合に(B2806の結果が「Y」)、節電対象のLEDの輝度(明るさ)が「高」か否か判定する(B2807)。節電対象のLEDの輝度が「高」である場合に(B2807の結果が「Y」)、節電対象のLEDの輝度を「中」に設定することで減光して節電状態にし(B2808)、節電制御処理を終了する。節電対象のLEDの輝度が「高」でない場合に(B2807の結果が「N」)、そのまま節電制御処理を終了する。なお、第4図柄LED80a、80bや演出ボタンLED25cなど、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)は、節電対象のLEDではない。第2スレーブIC460に接続する装飾LED(第2発光部)は、節電対象のLEDに含まれる。
なお、演出制御装置300は、節電対象のスレーブIC460への輝度指令値(例えば図36のPWMレジスタ値)を主制御用マイコン311のレジスタやRAM等から取得して、LEDの輝度が「高」「中」「低」のいずれであるか判定できる。なお、本実施形態において、LEDの輝度(輝度指令値)は、高中低の3値とし、節電状態以外の通常状態では「高」に設定されているものとするが、これに限られない。
節電タイマが時間t1でない場合に(B2806の結果が「N」)、演出制御装置300は、節電タイマが時間t2であるか否か(即ち、客待ちデモコマンドを受信してから時間t2経過したか否か)判定する(B2809)。節電タイマが時間t2である場合に(B2809の結果が「Y」)、上スピーカ19a及び下スピーカ19bを節電状態にして各種メロディ等のBGMをオフし(B2810)、節電制御処理を終了する。なお、演出制御装置300は、音源LSI314を制御して、上スピーカ19a及び下スピーカ19bから再生させるBGMをオフする(即ち、上スピーカ19a及び下スピーカ19bの音量をゼロとする)。なお、ここではBGMはオンオフを切り替えることとしているが、例えば、BGMの音量の大小を制御するものとしてもよい。
節電タイマが時間t2でない場合に(B2809の結果が「N」)、演出制御装置300は、節電タイマが時間t3であるか否か(即ち、客待ちデモコマンドを受信してから時間t3経過したか否か)判定する(B2811)。節電タイマが時間t3である場合に(B2811の結果が「Y」)、節電対象のLEDの輝度が「中」か否か判定する(B2812)。節電対象のLEDの輝度が「中」の場合に(B2812の結果が「Y」)、節電対象のLEDの輝度(輝度指令値)を「低」に設定することで、減光又は消灯して節電状態にし(B2813)、節電制御処理を終了する。ここでも、第4図柄LED80a、80bや演出ボタンLED25cなど、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)は、節電対象のLEDではない。第2スレーブIC460に接続する装飾LED(第2発光部)は、節電対象のLEDに含まれる。節電対象のLEDの輝度が「中」でない場合に(B2812の結果が「N」)、そのまま節電制御処理を終了する。
節電タイマが時間t3でない場合に(B2811の結果が「N」)、演出制御装置300は、節電タイマが時間t4であるか否か(即ち、客待ちデモコマンドを受信してから時間t4経過したか否か)判定する(B2814)。節電タイマが時間t4である場合に(B2814の結果が「Y」)、節電タイマをリセットし(B2815)、節電制御処理を終了する。一方、節電タイマが時間t4でない場合に(B2814の結果が「N」)、そのまま節電制御処理を終了する。
また、図37の節電制御処理において、演出制御装置300は、客待ちデモコマンドを受信した後、節電対象のスレーブIC460のLEDの輝度(明るさ)を「高」から、「中」、「低」へと段階的に低下させて節電状態にするとともに、これに対応して表示装置41の表示部41aの輝度(明るさ)を段階的に「高」から「中」、「低」へと低下させて節電状態にしてもよい。
以上のように、演出制御装置300は、変動表示ゲームが実行中でない場合に、客待ちデモコマンドを受信して、減光又は消灯することによって第2スレーブIC460に接続する装飾LED(第2発光部)の発光状態を節電状態に変化させた場合でも、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)の発光状態を節電状態に変化させないことになる。このため、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)は、節電対象から外して、必要な情報を伝えることができる。なお、第1スレーブIC450に送信する演出制御データを節電用のデータに設定しないだけで、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)を全て節電対象から外すことができる。
第1スレーブIC450に接続する第4図柄LED80a、80bを節電対象とせず所定の輝度(通常の輝度)での発光を維持することにより、他のLEDが節電状態でも変動停止中の第4図柄の情報を伝えることができる。変動停止中の第4図柄の情報とは、例えば、図2Bのように、直前の特図変動表示ゲームのはずれ結果(第4図柄LED80a、80bの点灯)である。なお、大当り確率(図16)に基づくと、特図変動表示ゲームは、大当り結果よりもはずれ結果となることがほとんどである。
また、第1スレーブIC450に接続する演出ボタンLED25cを節電対象とせず所定の輝度(通常の輝度)と所定の色(例えば緑色)で常に発光させることにより、遊技者等は演出ボタン25に注目することになる。そして、遊技者等によって演出ボタン25の操作があった場合に節電状態を解除するような制御も可能になる。なお、当然のことながら、遊技制御装置100によって制御される一括表示装置50(第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52等)は、節電対象とはならない。
また、大入賞口を照らす大入賞口LED39dを第1スレーブIC450に接続して、大入賞口への不正等を発見できるよう節電対象としなくてよい。上部演出ユニット40cが大当りの確定を報知する発光役物481を含む場合には、この発光役物481の大当り確定報知LED481a(第1発光部)を第1スレーブIC450に接続して、大当りの確定報知のため節電対象としなくてよい。
〔装飾制御処理〕
次に、図38を参照して、第2実施形態に係る装飾制御処理の一例を説明する。図38は、メイン処理(図19)において、演出制御装置300によって実行される装飾制御処理(B0022)の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、節電フラグがオンしているか否かを判定する(B2901)。節電フラグがオンしていない場合に(B2901の結果が「N」)、即ち、遊技機10が節電中でない場合に、第1スレーブIC450と第2スレーブIC460に対して、演出制御データ(図36)を編集して、マスタIC570を介して出力する処理を実行する(B2902)。なお、図19のメイン処理のループによって、遊技機10が節電中でない場合に、第1スレーブIC450と第2スレーブIC460に対する演出制御データは定期的に編集(更新)される。その後、装飾制御処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、節電フラグがオンしている場合に(B2901の結果が「Y」)、即ち、遊技機10が節電中である場合に、第2スレーブIC460に対してのみ、演出制御データ(図36)を編集して、マスタIC570を介して出力する処理を実行する(B2903)。なお、図19のメイン処理のループによって第2スレーブIC460に対する演出制御データは定期的に編集(更新)される。ここでは、第1スレーブIC450に対する演出制御データは編集しても出力しないようにするか、第1スレーブIC450に対する演出制御データは編集そのものを中止するとともに出力もしないようにする。これにより、無駄な処理が削減されて、電力消費が抑制できる。その後、装飾制御処理を終了する。
なお、遊技機10の節電の開始時(B2802等)に各スレーブICに演出制御データを送信するようにして、その後は全てのスレーブICに演出制御データを定期的に送信しないようにする構成も可能である。また、遊技機10の節電中(特に、図39のt3以降)は、節電対象とならない第1スレーブIC450に対しては演出制御データを定期的に送信し、節電対象となる第2スレーブIC460に対しては演出制御データを定期的に送信しない構成も可能である。
〔タイムチャート〕
図39は、第2実施形態に係る節電制御の様子を例示するタイムチャートである。
特図保留数(即ち特図1保留数及び特図2保留数)が0である場合(図10のA3201とA3206の結果が「Y」)に、客待ち状態(客待ちデモ状態)への移行条件が成立し、客待ちデモ中フラグがオンし(A3212)、時間t0において、演出制御装置300で客待ちデモコマンドが受信される(A3213、B1307)。そして、特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が終了し、表示装置41で客待ちデモの表示が開始する(B1308、図31)。
時間t0で客待ち状態(客待ちデモ状態)へ移行した後の時間t1において、第2スレーブIC460に接続する節電対象の装飾LEDの輝度が「高」から「中」に変化する(B2808)。時間t2において、スピーカの音量をゼロにしてBGMがオフする(B2810)。時間t3において、節電対象の装飾LEDの輝度が「中」から「低」に変化する(B2813)。一方、第1スレーブIC450に接続する節電対象でない第4図柄LED80a、80bと演出ボタンLED25cに関して、輝度は変化せず、常に一定の輝度(通常の輝度「高」)に維持される。
時間t4において、遊技球の入賞によって始動口スイッチがオンして、特別図柄の変動(特図変動表示ゲーム)が開始すると、節電状態が解除され、節電対象の装飾LEDの輝度が節電前の値(例えば通常値「高」)に変化し、スピーカからのBGMがオンする(B2804)。この際も、節電対象でない第4図柄LED80a、80bと演出ボタンLED25cに関して、輝度は変化せず、常に一定の輝度(通常の輝度「高」)に維持される。
〔LED輝度調整処理〕
次に、図40を参照して、第2実施形態に係る遊技者LED輝度調整処理及びホールLED輝度調整処理(まとめてLED輝度調整処理と呼ぶ)を説明する。LED輝度調整処理は、LED輝度調整手段を構成する。図40は、ホール・遊技者設定モード処理(図30)において、演出制御装置300によって実行される遊技者LED輝度調整処理(B2422)又はホールLED輝度調整処理(B2407)の手順を示すフローチャートである。遊技者LED輝度調整処理(B2422)とホールLED輝度調整処理(B2407)の手順は同じでよい。
本実施形態では、少なくとも特図変動表示ゲームが実行中でない場合(客待ち中など)に、ホール設定モード開始条件(B2403)と遊技者設定モード開始条件(B2418)が成立可能であり、LED輝度調整処理を実行できる。なお、特図変動表示ゲームが実行中である場合でも、演出ボタン25の操作等によって、ホール設定モード開始条件(B2403)と遊技者設定モード開始条件(B2418)を成立可能とすれば、LED輝度調整処理を実行できる。
演出制御装置300は、まず、設定対象項目は輝度設定であるか否か判定する(B3101)。遊技者設定モードやホール設定モードにおける表示装置41の画面(B2419、B2404)において、メニュー表示として各種の設定項目(輝度、音量等)がゲージとして表示され、演出ボタン25(操作手段)のタッチパネル25b等への操作によって各種の設定項目の中から設定対象項目が選択される(図41参照)。設定対象項目が輝度設定でない場合(B3101の結果が「N」)、LED輝度調整処理を終了する。
演出制御装置300は、設定対象項目が輝度設定である場合(B3101の結果が「Y」)、輝度値を選択する選択操作があったか否かを判定する(B3102)。輝度値の選択操作がない場合(B3102の結果が「N」)、ステップB3107の処理に移行する。輝度値の選択操作があった場合(B3102の結果が「Y」)、LEDの輝度値に対応するゲージの表示設定を行う(B3103)。輝度値の選択操作は、例えば、演出ボタン25(操作手段)のタッチパネル25bへの操作である。
次に、演出制御装置300は、輝度値の確定操作があったか否かを判定する(B3104)。輝度値の確定操作がない場合(B3104の結果が「N」)、ステップB3107の処理に移行する。輝度値の確定操作があった場合(B3104の結果が「Y」)、第1スレーブIC450に接続するLED(第4図柄LED80a、80bと演出ボタンLED25c等の第1発光部)を除いて、LEDの輝度値を更新する(B3105)。第2スレーブIC460に接続する装飾LED(第2発光部)の輝度値は更新される。輝度値に対応して、演出制御データ(図36)のPWM0レジスタ値〜PWM15レジスタ値を設定する。なお、ステップB3104の処理は省略してもよく、輝度値の選択操作があった場合に(B3102の結果が「Y」)、確定操作を必要とすることなく、LEDの輝度値をすぐに更新してもよい。なお、輝度値の確定操作は、例えば、演出ボタン25の演出ボタンスイッチ25aやタッチパネル25bへの操作である。
続いて、演出制御装置300は、スレーブIC450、460へ演出制御データを送信して更新後の輝度値でLEDを発光させる(B3106)。なお、第1スレーブIC450に接続するLED(第4図柄LED80a、80bと演出ボタンLED25c等)は、輝度値が更新されないため、所定の輝度(通常の輝度)で発光する。
次に、演出制御装置300は、設定対象項目の変更操作があったか否かを判定する(B3107)。設定対象項目の変更操作があった場合に(B3107の結果が「Y」)、設定対象項目の表示変更を行って(B3108)、LED輝度調整処理を終了する。設定対象項目の変更操作がない場合に(B3107の結果が「N」)、そのまま、LED輝度調整処理を終了する。
以上のように、演出制御装置300は、少なくとも変動表示ゲームが実行中でない場合に、演出ボタン25(操作手段)の操作に応じて輝度を更新して調整する輝度調整を第2スレーブIC460に接続する装飾LED(第2発光部)に対して実行する一方、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)に対して輝度調整を実行しない。このため、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)は、輝度調整の対象から外して、必要な情報を伝えることができる。なお、第1スレーブIC450に送信する演出制御データを更新しないだけで、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)を全て輝度調整の対象から外すことができる。特に、第1スレーブIC450に接続する第4図柄LED80a、80bを輝度調整の対象とせず所定の輝度(通常の輝度)での発光を維持することにより、他のLEDが輝度調整中で輝度が変化しても、第4図柄の情報を正確に伝えることができる。例えば、第4図柄の情報とは、図2Bのように、直前の特図変動表示ゲームのはずれ結果(第4図柄LED80a、80bの点灯)である。
なお、当然のことながら、遊技制御装置100によって制御される一括表示装置50(第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52等)は、輝度調整の対象とはならない。また、大入賞口を照らす大入賞口LED39dや上部演出ユニット40cの発光役物481の大当り確定報知LED481a(第1発光部)を第1スレーブIC450に接続して、輝度調整の対象としなくてよい。なお、大当り確定報知LED481aは、ランプ表示部1、2(第4図柄LED)で特図変動表示ゲームの結果が表示されるよりも前(即ち変動停止前)に、大当りであることを発光して報知する。大当り確定報知LED481aは、特図変動表示ゲームがはずれの場合には発光しない。
輝度調整を装飾LED(第2発光部)に対して実行する際に、装飾LEDを更新(調整)された輝度で発光させる一方、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)を演出ボタン25(操作手段)の操作に関わらず所定の輝度(通常の輝度)で発光させる。このため、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)は、必要な情報を伝えることができ、遊技者等の誤解を招くことを防止できる。
〔輝度調整中画面〕
図41は、第2実施形態に係る遊技者LED輝度調整処理中における表示装置41の表示画面(調整中画面)の一例を示す図である。なお、ホールLED輝度調整処理中における表示装置41の表示画面も同様である。
LED輝度調整処理中の表示画面において、音量設定とLED輝度設定をするための2種類のゲージ711、713が表示される。2種類のゲージ711、713は、変動表示領域610の飾り特別図柄に重ねるように表示してよい。また、表示画面において、音量設定とLED輝度設定について説明するナビキャラ670が2種類のゲージ711、713ととともに表示されてよい。さらに、表示画面には、三つの飾り縮小図柄(飾り特別図柄より小さい特別図柄)が変動表示される変動表示領域616、保留表示(始動記憶表示)が表示される保留表示部631(始動記憶表示部)、地球儀の枠を模した保留消化領域640、特図1保留数を数字で表示する特図1保留数表示部650、特図2保留数を数字で表示する特図2保留数表示部660などが設けられている。
操作者は、演出ボタン25のタッチパネル25bでの上下方向の指の動き(タッチ箇所の動き)によるスワイプ操作を行い、設定する対象の項目である設定対象項目を選択する。このスワイプ操作によって、ハイライト表示等の特定表示態様(図41のゲージ713の黒枠参照)で表示される設定対象項目が、輝度設定⇔音量設定のように変更される(図40のB3107)。そして、左右方向の指の動き(タッチ箇所の動き)によるスワイプ操作で、輝度や音量の値の選択を行う(図40のB3102)。なお、タッチパネル25bの中央部にタッチすることによって、表示された音量や輝度の値が確定するようにしてよい(図40のB3104)。
このように、音量設定、輝度設定のゲージが表示され、操作者の好みの音量や輝度の値に更新(調整)できる。しかし、第4図柄LED80a、80bや演出ボタンLED25c(操作発光部)等は、輝度値が更新(調整)されないため、所定の輝度(通常の輝度)で発光し続ける。
〔エラー/不正設定処理〕
次に、図42を参照して、第2実施形態に係るエラー/不正設定処理を説明する。図42は、単発系コマンド処理(図22)において、演出制御装置300によって実行されるエラー/不正設定処理(B1316)の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したエラー/不正系のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B3301)。正常なコマンドでない場合に(B3301の結果が「N」)、エラー/不正設定処理を終了する。正常なコマンドである場合に(B3301の結果が「Y」)、エラー/不正系のコマンドが、エラーや不正の発生を示すエラー/不正発生コマンドや、エラーや不正の報知を指令するエラー/不正報知コマンドであるか否かを判定する(B3302)。
演出制御装置300は、エラー/不正系のコマンドがエラー/不正発生コマンドやエラー/不正報知コマンドである場合に(B3302の結果が「Y」)、エラー/不正の報知のためLEDの発光状態を設定する(B3303)。例えば、ここでの発光状態(発光態様)として、LEDを点滅状態に設定する。なお、第2スレーブIC460に接続する装飾LED(第2発光部)の発光状態を設定して変化させるが、第1スレーブIC450に接続するLED(第4図柄LED80a、80bと演出ボタンLED25c等の第1発光部)の発光状態は変化させず、エラー/不正系のコマンドの受信にかかわらず、所定の発光状態(通常発光状態)が維持される。
続いて、演出制御装置300は、表示装置41におけるエラー/不正報知のためにエラー/不正報知画面の表示設定を実行し(B3304)、エラー/不正設定処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、エラー/不正系のコマンドがエラー/不正発生コマンドやエラー/不正報知コマンドでない場合に(B3302の結果が「N」)、エラー/不正系のコマンドがエラー/不正の解除を示すエラー/不正解除コマンドや、エラー/不正の報知終了を指令するエラー/不正報知終了コマンドであるか否かを判定する(B3305)。エラー/不正系のコマンドがエラー/不正解除コマンドやエラー/不正報知終了コマンドでない場合に(B3305の結果が「N」)、エラー/不正設定処理を終了する。
演出制御装置300は、エラー/不正系のコマンドがエラー/不正解除コマンドやエラー/不正報知終了コマンドである場合に(B3305の結果が「Y」)、エラー/不正の報知終了のためLEDの発光状態を設定する(B3306)。例えば、ここでの発光状態(発光態様)として、LEDをエラー/不正の報知を行う前の発光状態(通常発光状態)に設定する。なお、第2スレーブIC460に接続する装飾LED(第2発光部)の発光状態を設定して変化させるが、第1スレーブIC450に接続するLED(第4図柄LED80a、80bと演出ボタンLED25c等の第1発光部)の発光状態は変化させず、エラー/不正系のコマンドの受信にかかわらず、所定の発光状態(通常発光状態)が維持される。
続いて、演出制御装置300は、表示装置41におけるエラー/不正報知終了のためにエラー/不正報知画面の表示終了設定を実行し(B3307)、エラー/不正設定処理を終了する。
以上のように、演出制御装置300は、変動表示ゲームが実行されないエラー/不正の発生時において、第2スレーブIC460に接続する装飾LED(第2発光部)の発光状態をエラー/不正の報知のために変化させた場合でも、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)の発光状態を変化させないことになる。このため、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)は、エラー/不正の報知対象から外して、必要な情報を伝えることができる。なお、第1スレーブIC450に送信する演出制御データを変更しないだけで、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)を全てエラー/不正の報知対象から外すことができる。
特に、第1スレーブIC450に接続する第4図柄LED80a、80bをエラー/不正の報知対象とせず所定の発光状態(通常の発光状態、輝度ゼロの状態も含む)を維持することにより、他のLEDがエラー/不正の報知中でも、第4図柄の情報を正確に伝えることができる。ここで、第4図柄の情報とは、エラー又は不正が特図変動表示ゲームの停止中に発生した場合には、図2Bのように、直前の特図変動表示ゲームのはずれ結果(第4図柄LED80a、80bの点灯)又は大当り結果(第4図柄LED80a、80bの消灯)であるが、エラー又は不正が特図変動表示ゲームの実行中に発生した場合には、エラー又は不正の発生時の第4図柄の態様(点灯又は消灯)である。
〔RAM初期化設定処理〕
次に、図43を参照して、第2実施形態に係るRAM初期化設定処理を説明する。図43は、単発系コマンド処理(図22)において、演出制御装置300によって実行されるRAM初期化設定処理(B1304)の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したRAM初期化コマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B3501)。正常なコマンドでない場合に(B3501の結果が「N」)、RAM初期化設定処理を終了する。正常なコマンドである場合に(B3501の結果が「Y」)、RAMが初期化したことを報知するRAM初期化報知のためにLEDの発光状態を設定する(B3502)。例えば、ここでの発光状態(発光態様)として、LEDを点滅状態に設定する。なお、第2スレーブIC460に接続する装飾LED(第2発光部)の発光状態を設定して変化させるが、第1スレーブIC450に接続するLED(第4図柄LED80a、80bと演出ボタンLED25c等の第1発光部)の発光状態は変化させず、RAM初期化コマンドの受信にかかわらず、所定の発光状態(通常発光状態)が維持される。
続いて、演出制御装置300は、表示装置41におけるRAM初期化の報知のためにエRAM初期化報知画面の表示設定を実行し(B3304)、エラー/不正設定処理を終了する。
以上のように、演出制御装置300は、変動表示ゲームが実行されないRAM初期化時において、第2スレーブIC460に接続する装飾LED(第2発光部)の発光状態をRAM初期化の報知のために変化させた場合でも、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)の発光状態を変化させないことになる。このため、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)は、RAM初期化報知の対象から外して、必要な情報を伝えることができる。なお、第1スレーブIC450に送信する演出制御データを変更しないだけで、第1スレーブIC450に接続するLED(第1発光部)を全てRAM初期化報知の対象から外すことができる。
特に、第1スレーブIC450に接続する第4図柄LED80a、80bをRAM初期化報知の対象とせず所定の発光状態(通常の発光状態、輝度ゼロの状態も含む)を維持することにより、他のLEDがRAM初期化報知中でも、第4図柄の情報を伝えることができる。ここで、第4図柄の情報とは、例えば、電源復旧(電源投入)の際の第4図柄の態様(点灯又は消灯)である。
以上のように、第2実施形態において、変動表示ゲームが実行中でない場合に、装飾LED等の第2発光部の発光状態を変化させた場合でも、第4図柄LED80a、80b、演出ボタンLED25c、大当り確定報知LED481a等の第1発光部の発光状態を変化させないことになる。なお、変動表示ゲームが実行中でない場合とは、遊技機10の節電中、輝度調整中、RAM初期化時、エラー発生時などを含む。
なお、第2実施形態において、第4図柄LED80a、80b、演出ボタンLED25c、大当り確定報知LED481a等を、装飾LEDとは別のスレーブIC(スレーブIC450)に接続するが、変形例として、第4図柄LED80a、80b、演出ボタンLED25c、大当り確定報知LED481aを、装飾LEDと同一のスレーブIC(スレーブIC460)に接続する構成も可能である。この変形例でも、演出制御データのPWMレジスタ値(輝度値)を第4図柄LED80a、80b、演出ボタンLED25c、大当り確定報知LED481a等に対しては変更せずに維持することにより、第4図柄LED80a、80b、演出ボタンLED25c、大当り確定報知LED481a等を節電の対象、輝度調整の対象、エラー/不正の報知の対象、及び、RAM初期化報知の対象から外すことができる。
(第2実施形態に係る遊技機)
以上の第2実施形態には、次の(14)〜(20)に示す遊技機が含まれる。
(14)識別情報を変動表示する変動表示ゲームの結果を報知可能な第1発光部(第4図柄LED80a、80b)と、前記第1発光部と異なる装飾用として設けられた第2発光部(装飾LED)と、前記第1発光部と前記第2発光部の発光状態を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記変動表示ゲームが実行中でない場合に、前記第2発光部の発光状態を変化可能であり、
前記第2発光部の発光状態を変化させた場合でも、前記第1発光部の発光状態を変化させないことを特徴とする遊技機(図33、図37、図40、図42、図43)。
(15)前記演出制御手段は、
前記変動表示ゲームが実行中でない場合に、減光又は消灯することによって前記第2発光部を節電状態に制御する一方、前記第1発光部を節電状態に制御しないことを特徴とする(14)に記載の遊技機(図37、図38)。
(16)操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、
前記演出制御手段は、少なくとも前記変動表示ゲームが実行中でない場合に、前記操作手段の操作に応じて輝度を調整する輝度調整を前記第2発光部に対して実行する一方、前記第1発光部に対して輝度調整を実行しないことを特徴とする(14)に記載の遊技機(図1、図40、図41)。
(17)操作可能な操作手段を備え、
前記演出制御手段は、前記操作手段の操作に応じて輝度を調整する輝度調整を前記第2発光部に対して実行する際に、前記第2発光部を調整された輝度で発光させる一方、前記第1発光部を前記操作手段の操作に関わらず所定の輝度で発光させることを特徴とする(14)に記載の遊技機(図1、図40、図41)。
(18)複数の発光部と、前記複数の発光部の発光状態を制御する演出制御手段と、を備える遊技機において、
操作可能な操作手段(演出ボタン25)と、
前記複数の発光部のうちの一部として、前記操作手段に設けられる操作発光部(演出ボタンLED25c)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記操作手段の操作に応じて、前記操作発光部以外の少なくとも一部の発光部の輝度を調整する輝度調整を実行可能な輝度調整手段(LED輝度調整処理)を備え、
前記輝度調整手段は、前記操作発光部に対して輝度調整を実行しないが、前記操作発光部以外の少なくとも一部の発光部(例えば装飾LED)の輝度調整を実行可能であることを特徴とする遊技機(図40)。
(19)前記演出制御手段は、前記変動表示ゲームが実行中でない場合に、前記複数の発光部のうちの一部を減光又は消灯することによって節電状態に制御可能な節電制御手段(節電制御処理)をさらに備え、
前記節電制御手段は、前記節電状態の制御の対象としない発光部(第4図柄LED80a、80b、演出ボタンLED25c等)に対して、前記節電状態以外において発光状態に関する指令を定期的に送信する一方、前記節電状態において当該指令を送信しないことを特徴とする(18)に記載の遊技機(図38)。
(20)所定の報知部(第4図柄LED等)で変動表示ゲームの結果が報知されるよりも前に、当該変動表示ゲームの結果を事前に報知可能な第1発光部(大当り確定報知LED481a)と、前記第1発光部と異なる装飾用として設けられた第2発光部(装飾LED)と、前記第1発光部と前記第2発光部の発光状態を制御する演出制御手段と、を備える遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記変動表示ゲームが実行中でない場合に、前記第2発光部の発光状態を変化可能であり、
前記第2発光部の発光状態を変化させた場合でも、前記第1発光部の発光状態を変化させないことを特徴とする遊技機。
(第2実施形態の効果)
上記(14)の遊技機によると、変動表示ゲームが実行中でない場合において、第1発光部と異なる装飾用の第2発光部の発光状態を変化させても、変動表示ゲームの結果を報知可能な第1発光部の発光状態を変化させないため、変動表示ゲームの結果を正確に報知し続けることができる。なお、変動表示ゲームが実行中でない場合は、節電制御時、輝度調整時、RAM初期化時、エラー発生時などを含む。さらに、第1発光部と第2発光部の発光状態を同一のネットワークを介して制御する場合には、発光部を制御するため必要な配線を簡素化することができる。
上記(15)の遊技機によると、減光又は消灯することによって第2発光部を節電状態に制御する一方、第1発光部を節電状態に制御しないため、遊技機が節電中でも第1発光部によって変動表示ゲームに関する情報を正確に表示できる。
上記(16)の遊技機によると、操作手段の操作に応じて輝度を調整する輝度調整を第2発光部に対して実行する一方、第1発光部に対して輝度調整を実行しないため、遊技機が輝度調整中でも第1発光部によって変動表示ゲームに関する情報を正確に表示できる。
上記(17)の遊技機によると、操作手段の操作に応じて輝度を調整する輝度調整を第2発光部に対して実行する際に、第2発光部を調整された輝度で発光させる一方、第1発光部を操作手段の操作に関わらず所定の輝度で発光させるため、遊技機が輝度調整中でも第1発光部によって変動表示ゲームに関する情報を正確に表示できる。
上記(18)の遊技機によると、輝度調整手段は操作発光部に対して輝度調整を実行しないため、操作手段(演出ボタン25)に設けられる操作発光部(演出ボタンLED25c)を常に所定の高い輝度で発光することができ、遊技者等に操作手段(演出ボタン25)の操作を促すよう情報を伝達することができる。さらに、複数の発光部の発光状態を同一のネットワークを介して制御する場合には、複数の発光部を制御するため必要な配線を簡素化することができる。
上記(19)の遊技機によると、節電状態の制御の対象としない発光部(第4図柄LED80a、80b、演出ボタンLED25c)に対して、節電状態において発光状態に関する指令を送信しないため、無駄な送信を省いて電力を節約できる。
上記(20)の遊技機によると、変動表示ゲームが実行中でない場合において、第1発光部と異なる装飾用の第2発光部の発光状態を変化させても、変動表示ゲームの結果を事前報知可能(予告可能)な第1発光部の発光状態を変化させないため、変動表示ゲームの結果を正確に報知し続けることができる。さらに、第1発光部と第2発光部の発光状態を同一のネットワークを介して制御する場合には、発光部を制御するため必要な配線を簡素化することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、演出制御データの編集(更新)と送信に関するものである。以下で述べる構成以外の構成は、第1実施形態又は第2実施形態と同様でよい。
〔ネットワーク構成〕
図44は、第3実施形態において、演出制御装置300(マスタIC側)と、盤装飾装置46や盤演出装置44(スレーブIC側)との接続状況(ネットワーク構成)を示す図である。なお、以下で述べる構成以外は、第2実施形態の図33と同じであるため説明を省略する。なお、図44では、簡単のため、第2スレーブIC460は、第2スレーブIC1と第2スレーブIC2だけが示されている。
図44では、第2実施形態の図33と異なり、盤演出装置44が追加されている。演出制御装置300のマスタIC570と、盤演出装置44の複数の第3スレーブIC1、2(464−1、464−2)は、ネットワーク451(シリアル通信ネットワーク)で接続され、シリアル通信を行う。演出制御装置300のマスタIC570は、盤装飾LED制御回路332と盤演出可動体制御回路334がまとめられたものに相当する。
盤演出装置44は、複数の第3スレーブIC1、2(464−1、464−2)と、可動体(可動役物)を駆動する駆動部(駆動手段)として複数のモータ1、2(465−1、465−2)と、複数のモータ1、2の回転位置を検出する複数の位置検出センサ1、2(466−1、466−2)が設けられる。位置検出センサ1、2は、演出役物スイッチ47に含まれる。複数の第3スレーブIC1、2(464−1、464−2)を総称して第3スレーブIC464と呼ぶ。
第3スレーブIC1(464−1)は、演出制御装置300からの演出制御データに基づいてモータ1(465−1)に電流を供給して制御する。モータ1の回転位置を検出する位置検出センサ1(466−1)からの信号は、第3スレーブIC1からネットワーク451を介して、演出制御装置300に入力される。第3スレーブIC2(465−2)は、演出制御装置300からの演出制御データに基づいてモータ2(465−2)に電流を供給して制御する。モータ2の回転位置を検出する位置検出センサ2(466−2)からの信号は、第3スレーブIC2からネットワーク451を介して、演出制御装置300に入力される。即ち、図4と異なり、位置検出センサ1、2からの信号はスイッチ入力回路336を介さず、ネットワーク451を介して演出制御装置300に入力される。
第3スレーブIC464は、スレーブIC450、460と同じく図34の構成を有するが、各ポート0〜15からは、モータ1、2の各相の電流が供給される。なお、モータ1は複数であってよく、第3スレーブIC1(464−1)は複数のモータ1を制御してよい。モータ2も複数であってよく、第3スレーブIC2(464−2)は複数のモータ2を制御してよい。第3スレーブIC464の出力設定レジスタ635に割り当てられたワークレジスタの構成は、図35と異なり、例えば、ポート0〜15の出力に対応するレジスタ番号「02h」〜「11h」(レジスタ名「PWM0」〜「PWM15」)には、各相の電流値や電流のオンオフを示すパラメータが設定され、レジスタ番号「12h」〜「17h」のレジスタは省略してもよい。
各スレーブIC450、460、464は、ハーネス471とそのコネクタ455を介して、ネットワーク451に接続する。ハーネス471のコネクタ455を抜くとロジック用の電源を供給するための接続線Vccが一時的に断線し、ハーネス471のコネクタ455を再度差し込むと電源供給が復帰して、図34のリセット信号発生回路639がリセット信号を出力することになる。つまり、遊技機の修理や点検作業を行うときに、ハーネス471の抜き差しを行うことで、各スレーブIC450、460、464を初期化(リセット)することができる(パワーオンリセット)。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
次に、図45を参照して、第3実施形態に係るメイン処理を説明する。図45は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、図19のメイン処理と同じ処理には同じ番号を付して説明を省略する。
演出制御装置300は、電源投入時(電源復旧時)に、CPU311及びVDP312を初期設定する(B0002、B0003)とともに、マスタIC570と各スレーブIC450、460、464を初期化する(B3701)。演出制御装置300は、各スレーブIC450、460、464を初期化する初期化指示データ(初期化コマンドRES)を、各スレーブIC450、460、464に送信する。
また、演出制御装置300は、装飾制御処理(B0022)とは別に、ステップB0018とB0019との間において、第4図柄LED80a、80bの発光状態を制御する第4図柄LED制御処理を実行する(B3702)。第4図柄LED制御処理では、第1スレーブIC450に送信する演出制御データ(図36)を更新する。第4図柄LED制御処理では、演出制御データ(図36)のうち、第4図柄LED80a、80bの輝度に対応するPWM0レジスタ値とPWM1レジスタ値のみを更新してスレーブIC450に送信してもよいし、第1スレーブIC450が制御する全てのLEDの輝度に対応するPWM0レジスタ値〜PWM15レジスタ値を更新してスレーブIC450に送信してもよい。
メイン処理のステップB0008からB0023のループ処理によって、第4図柄LED80a、80bに対する制御データ(PWM0レジスタ値とPWM1レジスタ値)は、第1更新周期(例えば4msec)で演出制御データを更新することによって更新される。一方、第2スレーブIC460に接続する装飾LED(第2発光部)対する制御データは、第2更新周期(フレーム切替周期、画像表示周期)で、装飾制御処理(B0022)において演出制御データを更新することによって更新される。第1更新周期と第2更新周期は異なり、第1更新周期は第2更新周期よりも短い。従って、変動表示ゲームの結果を表示する第4図柄LED80a、80bの発光状態を、単なる装飾を表示する装飾LEDよりも高速に制御できる。なお、装飾LEDはデューティ比を0〜100%の間で変化させて中間色を実現するが、第4図柄LED80a、80bのデューティ比は100%に固定される。
なお、第3実施形態では、第4図柄LED80a、80bと装飾LEDを同一のスレーブICに接続する構成も可能であるが、この場合でも、演出制御データ中の第4図柄LED80a、80bの制御データの更新周期を装飾LEDの制御データの更新周期より短くする。また、全ての装飾LEDの更新周期を同じにしても、一部の装飾LEDの更新タイミングを他の装飾LEDの更新タイミングからずらして時分割処理としてもよいが、全ての装飾LEDの更新タイミングを揃えた方が、発色がきれいになる。
〔可動体制御タイマ割込み処理〕
図46は、第3実施形態において、演出制御装置300によって実行される可動体制御タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。可動体制御タイマ割込み処理(図46)は、演出制御装置300のメイン処理(図45)に対するタイマ割込み処理の一つとして、制御基本周期(割込み周期)ごとに実行される。本実施形態では、制御基本周期(割込み周期)は1msecである。
演出制御装置300は、まず、割込みを禁止状態に設定する(B3901)。次に、可動体制御処理(図45のB0023)で設定される演出に基づいて、モータ1に関する演出制御データを更新する(B3902)。また、可動体制御処理(図45のB0023)で設定される演出に基づいて、モータ2に関する演出制御データを更新する(B3903)。
演出制御装置300は、次に、モータ1とモータ2に関する演出制御データをポートへ出力する(B3904)。その後、割込みを許可する状態に設定して(B3905)、可動体制御タイマ割込み処理を終了する。
このように、駆動部(モータ1とモータ2)に対する演出制御データの更新周期(第3更新周期)は、制御基本周期(割込み周期)は1msecとなり、第1更新周期と第2更新周期よりも短くなる。従って、駆動部(モータ1とモータ2)をLED(発光部)よりも高速に制御できる。
〔マスタICの演出制御データ〕
図47は、第3実施形態に係るマスタIC570が第1スレーブIC450又は第2スレーブIC460に送信する演出制御データ(送信データ)の構成と、演出制御データを構成する各データの送信順序を説明する図である。なお、図47において、第2実施形態に係るマスタIC570が第1スレーブIC450又は第2スレーブIC460送信する演出制御データ(図36)から先頭に開始コマンド(開始情報)が追加されている。また、マスタIC570が第3スレーブIC464に送信する演出制御データも、先頭に開始コマンド(開始情報)を有する。なお、演出制御データのうち先頭の開始コマンド(開始情報)以外の部分をデータコマンドと呼ぶ。
〔スレーブの処理〕
図48は、スレーブIC450、460、464によって実行される処理の詳細を説明する図である。この処理は、スレーブIC450、460、464に電源が投入されると実行される。
スレーブICは、まず、電源投入時(電源復旧時)の自身の初期化を実行する(B4101)。次に、演出制御装置300(マスタIC570)からの初期化指示データ(初期化コマンドRES)を受信したか否かを判定する(B4102)。初期化指示データを受信した場合に(B4102の結果が「Y」)、スレーブICは自身の初期化を実行する(B4103)。初期化指示データを受信していない場合に(B4102の結果が「N」)、ステップB4104の処理に移行する。
次に、スレーブICは、演出制御データ内の開始コマンド(図47)を受信したか否かを判定する(B4104)。開始コマンド(開始情報)を受信した場合に(B4104の結果が「Y」)、演出制御データ内で開始コマンドの次に送信されるスレーブアドレスが、スレーブICに設定された固有のアドレスに一致するか否かを判定する(B4105)。スレーブアドレスが固有のアドレスに一致する場合に(B4105の結果が「Y」)、演出制御データうちスレーブアドレス以降のデータコマンドを取込んで、反映し(B4106)、ステップB4102の処理に戻る。これにより、開始コマンドを受信した場合には、演出制御データを取込んで、LEDの発光状態(輝度)やモータ1、2の駆動態様(電流値)に反映できる。
一方、開始コマンド(開始情報)を受信していない場合に(B4104の結果が「N」)、又は、スレーブアドレスが固有のアドレスに一致しない場合に(B4105の結果が「N」)、受信バッファをクリアしてデータコマンドを棄却し(演出制御データを棄却する)(B4107)、ステップB4102の処理に戻る。
〔タイムチャート〕
図49は、第3実施形態に係るスレーブIC450、460、464での処理の様子を示すタイムチャートである。図49(A)は、遊技機10の電源投入時(電源復旧時)の処理の様子を示す。図49(B)は、ハーネス471の抜き差しによるパワーオンリセット時の処理の様子を示す。
図49(A)において、遊技機10に電源投入(電源オン)した際に、スレーブIC450、460、464は自身を初期化する初期化動作を実行する(B4101)。その後、演出制御装置300から初期化指示データ(初期化コマンドRES)を受信すると(B3701)、再度、自身を初期化する初期化動作を実行する。初期化後、開始コマンドを受信すると、後続のデータコマンドを取込んで、LEDの発光状態(輝度)やモータ1、2の駆動態様(電流値)に反映する(B4106)。なお、遊技機10に電源投入(電源オン)した際に、初期化指示データ(初期化コマンドRES)によってスレーブIC450、460、464は確実に初期化する。
図49(B)において、ハーネス471の抜き差しの際に、電源供給が途絶えた後に復帰して(電源オフとその後のオン)、スレーブIC450、460、464は自身を初期化する初期化動作を実行する(B4101)。初期化後、開始コマンドを受信すると、スレーブIC450、460、464は、後続のデータコマンドを取込んで、LEDの発光状態(輝度)やモータ1、2の駆動態様(電流値)に反映する。しかし、初期化後、受信したものが開始コマンドでないと、スレーブIC450、460、464は、受信バッファをクリアしてデータコマンドを棄却する(B4107)。従って、初期化動作(パワーオンリセット)直後に正常に受信できずに不確定となった演出制御データ、即ち、点線のように開始コマンドが間に合わず途中から受信された演出制御データは、棄却されるために、スレーブIC450、460、464の誤動作が防止できる。
(第3実施形態に係る遊技機)
以上の第3実施形態には、次の(21)(22)に示す遊技機が含まれる。
(21)遊技の演出を行う複数の演出装置(LED等)と、前記複数の演出装置を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える遊技機において、
前記複数の演出装置(LED等)を複数グループに分割し、該分割されたグループに属する演出装置を制御するためのスレーブをグループ毎に設け、
前記演出制御手段は、前記スレーブとの間でシリアル通信を実行するマスタとして機能し、前記スレーブに初期化指示データと演出制御データを送信可能であり、
前記スレーブは、電源供給が開始された際、又は、初期化指示データを受信した際に、自身の初期化を実行し、
初期化を実行した後、前記演出制御データが先頭に所定の開始情報(開始コマンド)を含む場合にのみ、前記演出制御データを取り込み、前記演出装置の出力態様を更新することを特徴とする遊技機(図44、図45、図47、図48、図49)。
(22)識別情報を変動表示する変動表示ゲームと当該変動表示ゲームの結果を表示可能な第1発光部(第4図柄LED80a、80b)と、前記第1発光部と異なる装飾用として設けられた第2発光部(装飾LED)と、可動体を駆動する駆動部(モータ)と、前記第1発光部と前記第2発光部と前記駆動部とを同一のネットワークを介して制御する演出制御手段と、を備える遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記駆動部へ出力する制御データを、前記第1発光部と前記第2発光部へ出力する制御データの更新周期よりも短い更新周期(第3更新周期)で更新し、
前記第1発光部へ出力する制御データを、前記第2発光部へ出力する制御データの更新周期(第2更新周期)とは異なる更新周期(第1更新周期)で更新することを特徴とする遊技機(図44、図45、図46)。
(第3実施形態の効果)
上記(21)の遊技機によると、初期化を実行した後、演出制御データが先頭に所定の開始情報を含む場合にのみ、演出制御データを取り込み演出装置の出力態様を更新する。従って、初期化動作直後のスレーブへの演出制御データが正常に受信できず不確定になっても適切に対処できる。
上記(22)の遊技機によると、演出制御手段は、高速に制御する必要のある駆動部(モータ1とモータ2)を発光部(LED)よりも高速に制御できる。また、変動表示ゲームに関する情報を表示可能な第1発光部(第4図柄LED80a、80b)と、第1発光部と異なる装飾用として設けられた第2発光部(装飾LED)へ出力する制御データを、第1発光部と第2発光部の各々に適した更新周期で更新できる。さらに、複数の発光部と駆動部とを同一のネットワークを介して制御するため、複数の発光部と駆動部とを制御するため必要な配線を簡素化することができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態の組合せることも可能である。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。