JP2020112070A - 内燃機関の蓄熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱室の負圧漏れによる蓄熱容器の異常を検出する。【解決手段】内燃機関の蓄熱装置は、内燃機関の熱媒の熱を蓄える容器34、および容器を断熱する断熱室36を有する蓄熱容器23と、断熱室に接続された吸引装置28と、蓄熱容器を診断するための診断装置であって、吸引装置の作動時に断熱室の圧力が所定値以下に低下しなかったとき、蓄熱容器を異常と判断する診断装置とを備える。【選択図】図2

Description

本開示は内燃機関の蓄熱装置に係り、特に、内燃機関の熱媒の熱を蓄える蓄熱装置に関する。
内燃機関の運転中に高温となった熱媒(冷却水等)の熱を蓄熱容器に蓄え、この熱を、内燃機関の冷間始動後に内燃機関に供給して、内燃機関の暖機を促進することが行われている。
蓄熱容器は、内燃機関の熱媒の熱を蓄える内側容器と、内側容器を断熱する断熱室とを有する。
例えば特許文献1のシステムでは、蓄熱容器の断熱室を吸引により真空とすることで内側容器内を断熱状態とする。エンジン運転中に高温となった冷却水は、エンジン停止中に内側容器内に保存され、エンジン始動後、内側容器から排出されてエンジンに供給される。
特開2016−200168号公報
ところで、蓄熱容器には、断熱室内の負圧と外部の大気圧との圧力差による圧力ストレスが印加されると共に、内側容器内の高温の熱媒とそれより低温な外気との温度差による温度ストレスが印加される。このため断熱室を、長期に亘って真空状態に維持するのが難しく、こうするためには蓄熱容器の耐力および強度を十分なものとする必要がある。
こうした状況の中、特許文献1のシステムでは、エンジン運転中常に断熱室の吸引を行っているため、断熱室を真空状態に維持できるものの、断熱室に負圧漏れが起こっていたとしても断熱室を強制的に吸引し真空状態にできるため、断熱室が負圧漏れの無い正常な状態か否かを確認することができない。従ってエンジン停止中に吸引を停止した状態で、仮に負圧漏れが起こっていると、内側容器の断熱が不十分となり、内側容器内の冷却水の温度が低下してしまって所望の効果を得られない。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、断熱室の負圧漏れによる蓄熱容器の異常を検出することができる内燃機関の蓄熱装置を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
内燃機関の熱媒の熱を蓄える容器と、前記容器を断熱する断熱室とを有する蓄熱容器と、
前記断熱室に接続された吸引装置と、
前記蓄熱容器を診断するための診断装置であって、前記吸引装置の作動時に前記断熱室の圧力が所定値以下に低下しなかったとき、前記蓄熱容器を異常と判断する診断装置と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の蓄熱装置が提供される。
好ましくは、前記診断装置は、前記吸引装置を所定時間作動させたときに前記断熱室の圧力が所定値以下に低下しなかったとき、前記蓄熱容器を異常と判断する。
好ましくは、前記診断装置は、前記内燃機関の停止時に診断を実行する。
本開示によれば、断熱室の負圧漏れによる蓄熱容器の異常を検出することができる。
本開示の実施形態の構成を示す概略図である。 蓄熱装置の構成を示す概略図である。 冷却水温度制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。 エンジン停止時の制御を示すフローチャートである。 エンジン始動時の制御を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
本明細書において、負圧とは、大気圧より低い圧力を意味し、言い換えれば、大気圧に対する相対圧もしくはゲージ圧が負(マイナス)であることを意味する。負圧が大きいとは、負の相対圧の絶対値が大きいことを意味し、言い換えれば、負の相対圧がマイナス側に大きいことを意味する。真空も、負圧と同様に、対象空間の圧力が大気圧より低い状態、すなわち負圧であることを意味する。
図1に本実施形態の構成を概略的に示す。本実施形態は、車両(図示せず)に搭載された内燃機関に適用される。車両はトラック等の大型車両であり、これに搭載される車両動力源としての内燃機関(エンジン)1はディーゼルエンジンである。しかしながら、車両および内燃機関の種類、用途等に特に限定はなく、例えば車両は乗用車等の小型車両であってもよいし、エンジン1はガソリンエンジンであってもよい。さらに、エンジン1の適用は車両のように移動する船舶、航空機、産業機械等の移動体に限らず、所定の位置に載置されるものであってもよい。図中、吸気の経路を細い破線矢印で示し、排気の経路を細い一点鎖線矢印で示し、エンジン冷却水の経路を太い実線矢印で示し、空気の経路を太い破線矢印で示す。
エンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2に接続された吸気通路3および排気通路4とを備える。エンジン本体2は、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクケース等の構造部品と、その内部に収容されたピストン、クランクシャフト、バルブ等の可動部品とを含む。エンジン本体2には複数(本実施形態では4つ)のシリンダ5と気筒毎の燃料噴射弁(図示せず)とが設けられる。またエンジン本体2には、その内部で冷却水を循環させるためのエンジン内水路6が設けられる。エンジン内水路6は、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの内部に形成されたウォータジャケットを含む。
吸気通路3は、エンジン本体2に接続された吸気マニホールド10と、吸気マニホールド10の上流側に接続された吸気管11とにより主に画成される。吸気管11には、上流側から順に、ターボチャージャ14のコンプレッサ14Cとインタークーラ15とが設けられる。
排気通路4は、エンジン本体2に接続された排気マニホールド20と、排気マニホールド20の下流側に接続された排気管21とにより主に画成される。排気管21には、ターボチャージャ14のタービン14Tが設けられる。なおタービン14Tより下流側の排気管21には、排気後処理を実行するための図示しない後処理装置が設けられる。後処理装置は例えば、上流側から順に配置された酸化触媒、微粒子捕集フィルタおよび選択還元型NOx触媒を含む。
エンジン1は排気再循環(EGR)装置30をも備える。EGR装置30は、排気通路4内(特に排気マニホールド20内)の排気ガスの一部(EGRガスという)を吸気通路3内(特に吸気マニホールド10内)に還流させるためのEGR通路31と、EGR通路31を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ32と、EGRガスの流量を調節するためのEGR弁33とを備える。
一方、エンジン1の冷却システムについては、エンジン本体2における冷却水の入口部にウォータポンプ40が設けられる。ウォータポンプ40から排出された冷却水は、太線矢印で示すように三方に分岐され、一つはエンジン内水路6に、一つはオイルクーラ7に、一つはEGRクーラ32に送られる。
またEGRクーラ32から排出された冷却水は、車内暖房用のヒータコア41を通過した後、二方に分岐され、一方は後述の入口弁22に送られる。他方は、エンジン本体2における冷却水の出口部に設けられた調整弁42に送られる。この調整弁42にはエンジン内水路6の下流端も接続される。
詳しくは後述するが、入口弁22を通過した冷却水は、蓄熱容器23、出口弁24を順に通過した後、調整弁42に送られる。
調整弁42は、エンジン内水路6、ヒータコア41および出口弁24から送られてきた冷却水を、ラジエータ43と、ラジエータ43をバイパスするバイパス通路44との一方または両方に送る。すなわち調整弁42は、ラジエータ43とバイパス通路44を流れる冷却水の流量割合を調整する。本実施形態の場合、調整弁42の開度が大きくなるほどラジエータ43の流量割合が多くなるものとする。例えば、調整弁42の開度が100%のときラジエータ43の流量割合は100%(すなわちバイパス通路44の流量割合は0%)である。逆に、調整弁42の開度が0%のときラジエータ43の流量割合は0%(すなわちバイパス通路44の流量割合は100%)である。調整弁42の開度は連続的に可変である。
本実施形態の場合、調整弁42は電動バルブまたは電磁弁により形成され、その開度が電気的に制御される。そしてエンジン本体2の冷却水出口部には水温センサ45が設けられ、この水温センサ45で検出された水温に基づいて調整弁42の開度が制御されるようになっている。但し調整弁42は、感温型サーモスタットのような機械式であってもよい。
ラジエータ43から排出された冷却水と、バイパス通路44を流れた冷却水とは、いずれもウォータポンプ40に送られる。
他方、エンジン1には、ラジエータ43の通過風を発生させるためのファン46が設けられている。ファン46は車両におけるラジエータ43の後側、かつエンジン本体2の前側に設置される。なお図1の左側が車両の前側である。ファン46は、回転時にラジエータ43の後側から空気を吸引してラジエータ43を通過する通過風を発生させる。但し、空気を吐出して通過風を発生させるようファンを配置および構成してもよい。
本実施形態の場合、ファン46の回転速度(具体的には単位時間当たりの回転数(rpm))、ひいてはファン46の風量(ファン46を通過する風量)を、エンジン回転数等に拘わらず任意に制御できるよう、電動式ファンによりファン46を構成している。しかしながらより一般的な、クラッチを介してクランクシャフトにより駆動される機械式ファンによりファン46を構成してもよい。
次に、本実施形態の蓄熱装置について説明する。蓄熱装置は、エンジンの熱媒である冷却水の熱を蓄える蓄熱容器23と、この蓄熱容器23の入口側に設けられ蓄熱容器23への冷却水の流入を規制する入口弁22と、蓄熱容器23の出口側に設けられ蓄熱容器23からの冷却水の流出を規制する出口弁24とを備える。
図2に詳細に示すように、蓄熱容器23は、冷却水の熱を実質的に蓄える容器すなわち内側容器34と、内側容器34を収容する外側容器35と、内側容器34および外側容器35の間に形成された断熱室36とを有する。
内側容器34の内部には、冷却水が流れる熱交換器37と、熱交換器37の周りに充填された蓄熱材38とが収容される。熱交換器37の入口51は入口弁22に接続され、熱交換器37の出口52は出口弁24に接続される。入口弁22および出口弁24が開のとき、熱交換器37に冷却水が流され、冷却水と蓄熱材38の間で熱交換が行われる。蓄熱材38には周知の潜熱蓄熱材または顕熱蓄熱材が用いられる。特に高温の冷却水が熱交換器37に流されたとき、冷却水の熱が蓄熱材38に伝達され、蓄えられる。
本実施形態では、通常のラジエータのような構造を有する熱交換器37が用いられる。すなわち熱交換器37は、入口51を有する入口ヘッダ53と、出口52を有する出口ヘッダ54と、入口ヘッダ53および出口ヘッダ54を連結する複数のチューブ55と、チューブ55に固設されたフィン(図示せず)とを一体的に備える。但し、熱交換器37の構造はこれ以外であってもよく、任意の構造の熱交換器を採用できる。
断熱室36は、内側容器34を外気から断熱する機能を有する。断熱室36は、基本的にガス漏れの無い気密空間である。断熱室36は、本実施形態では負圧空気のみが存在する単なる空間であるが、任意に、固体の断熱材(発泡樹脂等)を充填してもよい。断熱室36には吸引管56が接続され、断熱室36は唯一、この箇所のみで外部と連通されている。この吸引管56を通じて断熱室36から空気が吸引され、断熱室36は真空状態とされる。
吸引管56には、空気流れ方向(太い破線矢印で示す)上流側から順に、圧力センサ25、開放弁26、逆止弁27、および吸引装置としての真空ポンプ28が設けられる。真空ポンプ28は電動式であり、これが作動(オン)されたとき、逆止弁27が開いて、断熱室36から真空ポンプ28への空気の吸引が行われる。
真空ポンプ28が停止(オフ)されたときには、逆止弁27が閉じて、真空ポンプ28側から断熱室36側に大気圧の空気が逆流すること、すなわち断熱室36からの負圧漏れが防止される。
本実施形態では、開放弁26が設けられ、必要に応じて断熱室36を大気開放できるようになっている。開放弁26は電動バルブまたは電磁弁により形成され、その開閉が電気的に制御される。開放弁26は通常オフで、閉の状態にあり、このときには大気開放せず、前述の断熱室36の吸引を可能とする。すなわち断熱室36を真空ポンプ28に接続する。
他方、開放弁26がオンされ、開の状態とされると、開放弁26は断熱室36を大気開放する。すなわち断熱室36を真空ポンプ28に接続せず、代わりに大気と接続する。このとき、矢印aで示すように大気が開放弁26に流入し、次いで吸引管56を通り、断熱室36に流入する。
これにより断熱室36は大気圧となり、蓄熱容器23の外部の大気圧と等しい圧力となる。よって、断熱室36の圧力と容器外の大気圧との圧力差による圧力ストレスは無くなり、蓄熱容器23への機械的負担を大幅に軽減することができる。
圧力センサ25は、吸引管56内の圧力を検出することにより、断熱室36の圧力を間接的に検出する。
このように断熱室36には、共通の吸引管56を介して真空ポンプ28と開放弁26が接続されている。もっとも接続方法は任意であり、真空ポンプ28と開放弁26を断熱室36に個別に接続してもよい。また圧力センサ25も、断熱室36に設置してその圧力を直接検出することができる。
図1に戻って、車両には、車両およびエンジンを制御するための制御装置が搭載されている。制御装置は、制御ユニット、回路要素(circuitry)もしくはコントローラとしての電子制御ユニット(ECU: Electronic Control Unitという)100を含む。ECU100は、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、記憶媒体であるROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)、入出力ポート、ならびにROMおよびRAM以外の記憶装置等を含む。ECU100は、前述のEGR弁33、調整弁42、ファン46、入口弁22、出口弁24、真空ポンプ28および開放弁26を制御するように構成され、プログラムされている。
また制御装置は、センサ類として、前述の水温センサ45と圧力センサ25を含む。
次に、本実施形態の制御について説明する。
まず、基本的な冷却水温度制御の内容を、図3を参照して説明する。図示する制御ルーチンは、ECU100により所定の演算周期τ(例えば10msec)毎に繰り返し実行される。
始めにステップS101で、ECU100は、水温センサ45により検出された水温Twの値を取得する。
次にステップS102で、ECU100は、検出水温Twを所定の目標温度Twtに近づけるよう、調整弁42とファン46を制御する。この制御は様々な方法で実行可能であるが、以下に一例を述べる。
かかる冷却水温度制御は、できるだけファン46を作動させないような態様で実行される。従って基本的にはファン46をオフにした状態で、調整弁42の開度調整だけで水温の調節を行う。検出水温Twが目標温度Twtより低い場合、ECU100は調整弁42の開度を減少してラジエータ43を流れる冷却水の流量(ラジエータ流量)を低下させると共に、バイパス通路44を流れる冷却水の流量(バイパス流量)を増加させる。これにより検出水温Twを上昇させることができる。検出水温Twが目標温度Twtより高い場合は逆の操作を行う。
調整弁42の開度を100%とし、冷却水の全量をラジエータ43に流した場合でもなお検出水温Twが目標温度Twtより高い場合は、ファン46を作動させ、ラジエータ通過風量を増大させる。検出水温Twが目標温度Twtより高くなるほど、ファン回転数Nfを増大し、ラジエータ通過風量を増大させる。これにより検出水温Twを低下させて目標温度Twtに近づけることが可能である。
こうした調整弁42とファン46の制御に際しては、検出水温Twと目標温度Twtの差に応じたフィードバック制御を行うことが可能である。
次に蓄熱装置における制御を説明する。エンジンの運転中に冷却水温度が十分高くなっているとき、ECU100は、入口弁22と出口弁24を開とし、蓄熱容器23内へ高温の冷却水を流通させる。すると、冷却水の熱が熱交換器37を通じて蓄熱材38に伝達され、その熱が蓄熱材38に蓄えられる。
次いで、エンジン1が停止されたとき、ECU100は、図4に示すような手順に従って制御を行う。なお初期状態において、真空ポンプ28は停止(オフ)、開放弁26は閉(オフ)とされているものとする。
ステップS201で、ECU100は、入口弁22と出口弁24を閉とする。これにより、入口弁22から熱交換器37を通過して出口弁24に至るまでの冷却水回路は、それより上流側および下流側の冷却水回路と切り離される。すると、エンジン停止中に前者の回路から後者の回路へと、冷却水を通じて熱が逃げるのを抑制でき、蓄えた熱を好適に保存することができる。
次にステップS202で、ECU100は、圧力センサ25により検出された圧力Pを所定の閾値P1と比較する。この閾値P1は、断熱室36を所望の真空状態にするのに必要かつ十分な圧力の最大値であり、負の相対圧の値を有する。閾値P1は予め実験的に定められる。
検出圧力Pが閾値P1以下の場合、これは、断熱室36が所望の真空状態になっていることを意味するから、ECU100は制御を終了する。このとき、大気圧と断熱室36の圧力との圧力差で逆止弁27が閉じるので、逆止弁27を通じて断熱室36の負圧が漏れるのを防止できる。
他方、検出圧力Pが閾値P1より大きい場合、ECU100はステップS203に進み、真空ポンプ28を作動(オン)させる。これにより真空ポンプ28は逆止弁27を開き、断熱室36から空気を吸引し、断熱室36を負圧ないし真空状態とする。
次いでステップS204で、ECU100は、真空ポンプ28の作動開始時点から所定時間t1以上経過したか否かを判断する。経過してなければステップS203に戻って真空ポンプ28の作動を継続し、経過したならばステップS205に進む。
ステップS205で、ECU100は、再度、圧力センサ25により検出された圧力Pを閾値P1と比較する。
検出圧力Pが閾値P1以下の場合、これは、断熱室36が予定通り真空状態になったことを意味するから、ECU100はステップS206に進み、真空ポンプ28を停止(オフ)させ、制御を終了する。この後も、大気圧と断熱室36の圧力との圧力差で逆止弁27が閉じるので、逆止弁27を通じて断熱室36の負圧が漏れるのを防止できる。
この後のエンジン停止中、断熱室36の真空状態および断熱状態が保持されるので、冷却水から蓄えた熱が蓄熱容器23内に保持される。この蓄えた熱は、後述するように、次にエンジンが始動されたときに蓄熱容器23から放出され、エンジンの暖機促進に利用される。
蓄熱に必要なときだけ断熱室36を吸引して真空状態にできるので、断熱室36内の負圧と、大気圧との圧力差による圧力ストレスに蓄熱容器23が常時曝されることが無い。従って蓄熱容器23を、通常の魔法瓶のように、圧力ストレスに強い構造とする必要がない。よって蓄熱容器23を比較的簡素な構造としてその製造コストを低減できる。
他方、ステップS205で検出圧力Pが閾値P1より大きい場合、これは、十分な時間だけ吸引を行ったにも拘わらず断熱室36が予定の真空状態にならなかったことを意味する。従ってこの場合、ECU100は、ステップS207に進んで、断熱室36の負圧漏れによる蓄熱容器の異常と判断する。そしてステップS206で真空ポンプ28を停止し、制御を終了する。この場合、ECU100により車両の警告装置(警告灯等)を起動し、必要な修理をユーザーに促すのが好ましい。
吸引時間の閾値t1は、断熱室36の負圧漏れが無ければ検出圧力Pを閾値P1以下に低下させるのに必要かつ十分な時間に設定される。
次に、エンジン1が始動されたとき、ECU100は、図5に示すような手順に従って制御を行う。なお初期状態において、真空ポンプ28は停止(オフ)、開放弁26は閉(オフ)とされているものとする。
ステップS301で、ECU100は、入口弁22と出口弁24を開とする。これにより冷却水が、熱交換器37を通過して流れるようになる。そして蓄熱材38で蓄えられた熱により加熱された冷却水が、エンジン1のエンジン内水路6等に供給され、エンジン1の暖機が促進される。
次に、ステップS302で、ECU100は、水温センサ45で検出された水温Twを、暖機完了を判定するための所定の閾値Tw1と比較する。水温Twが閾値Tw1より低い場合、ステップS302を繰り返して待機する。
他方、水温Twが閾値Tw1以上に達したら、ECU100は、ステップS303において、開放弁26を開(オン)とする。これにより、断熱室36は大気開放される。すなわち、大気が開放弁26および吸引管56を通じて断熱室36に流入し、断熱室36の負圧は除去され、その代わりに断熱室36の圧力は大気圧と等しくされる。
これにより、断熱室36の圧力と大気圧との圧力差に起因する圧力ストレスを無くすことができ、蓄熱容器23への機械的負担を大幅に軽減することができる。そして、蓄熱容器23の耐久性を向上することができ、蓄熱容器23の寿命を長期化することができる。
こうして開放弁26を開としたら、ECU100は制御を終了する。この後のエンジン運転中、断熱室36は大気圧に維持される。エンジン停止中だけ、図4の制御に従って断熱室36が真空状態とされる。このため、蓄熱容器23に掛かる圧力ストレスを限定的として蓄熱容器23の高耐久化、高寿命化を達成できる。
ちなみにエンジンの冷間始動後、水温Twが閾値Tw1以上に達する暖機完了前に、エンジンが停止されることがある。この場合、開放弁26が開とされないので、断熱室36の負圧は維持される。この停止時、図4の制御において、ステップS202はイエスとなり、真空ポンプ28による吸引が実行されないまま制御が終了される。
このように本実施形態によれば、図4に示したように、蓄熱容器23を診断することができ、真空ポンプ28の作動時に断熱室36の圧力が所定値P1以下に低下しなかったとき、蓄熱容器23を異常と判断するので、断熱室36の負圧漏れによる蓄熱容器23の異常を好適に検出することができる。
また、真空ポンプ28を所定時間t1作動させたときに断熱室36の圧力が所定値P1以下に低下しなかったとき、蓄熱容器23を異常と判断するので、真空ポンプ28の作動時間を必要最小限の時間に制限でき、真空ポンプ28の作動に伴う電力消費量を最小限に抑制できる。また診断に要する時間も最小限に短縮できる。
また、エンジンの停止時に真空ポンプ28を作動させて診断を実行するので、必要なエンジン停止中のみ断熱室36を真空状態にできると共に、この真空ポンプ28の作動の機会を利用して診断を実行できる。このため、診断のために単独で真空ポンプ28を作動させる必要がなく、電力消費量を抑制できる。
一方、本実施形態によれば、断熱室36を大気開放するための開放弁26を設けたので、必要に応じて断熱室36を大気開放し、その負圧を低減もしくは除去できる。よって、断熱室36の負圧と大気圧との圧力差による圧力ストレスを軽減し、もしくは無くすことができ、蓄熱容器23の耐久性を大幅に向上することができる。
また、図5に示したように、エンジンの始動後、好ましくはエンジンの始動後でかつエンジンの暖機が完了したとき(水温Twが閾値Tw1以上に達したとき)に、開放弁26を開くので、容器の断熱が特に必要なくなった暖機完了後に断熱室36を大気開放し、圧力ストレスを除去できる。このため、好適なタイミングで断熱室36を大気開放できる。
また、エンジンが停止されたときには真空ポンプ28を作動させて断熱室36を負圧化し、エンジンが運転されたときには開放弁26を開いて断熱室36を大気開放する。このため、断熱室36の負圧化および大気開放を適時に実行でき、蓄熱およびその熱の利用を効率よく行うことができる。
また、入口弁22および出口弁24を設けたので、エンジン停止中に蓄熱容器23内に保持している熱が冷却水と共に容器外に流出するのを抑制でき、蓄えた熱を好適に保存することができる。
本実施形態の蓄熱容器23は、エンジンの停止時から始動時までの間だけ、内部の熱を保持できればよい。例えば車両において、エンジンが停止される一晩程度の間で内部温度の低下量が一定以下となるような気密度を、断熱室36が有していればよい。そのため、通常の魔法瓶のように恒久的に高い気密度を持つ頑強な構造としなくて済み、蓄熱容器23の製造コストを大幅に低減できる。
以上の説明で分かるように、本実施形態のECU100は、蓄熱容器23を診断する診断装置、および、開放弁26を制御するように構成された制御装置を構成する。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態は他にも様々考えられる。
(1)上記実施形態では内側容器34内に熱交換器37と蓄熱材38を配置し、冷却水の熱を熱交換器37を介して蓄熱材38に蓄えるようにした。しかしながら、変形例として、熱交換器37を省略し、内側容器34内に直接冷却水を導入して、その熱を蓄熱材38に蓄えるようにしてもよい。また熱交換器37と蓄熱材38を省略し、内側容器34内に高温の冷却水を蓄えるのみでもよい。
(2)開放弁26と圧力センサ25の少なくとも一方は、吸引管56でなく、蓄熱容器23に直接設けてもよい。
(3)図4に示したエンジン停止時の制御において、上記実施形態では、真空ポンプ28をオンする圧力閾値(ステップS202のP1)と、異常判定する際の圧力閾値(ステップS205のP1)とを等しい値とした。しかしながら、これに限らず、両者の値を異ならせてもよい。例えば、前者の圧力閾値を後者の圧力閾値より高くし、ポンプオンの条件は緩和する一方、ポンプオフおよび異常判定の条件は厳格化することが考えられる。
(4)熱媒は冷却水以外の流体であってもよく、例えばエンジンオイルであってもよい。
(5)真空ポンプ28以外の吸引装置も可能である。例えばエンジンを吸引装置とし、その吸気負圧を利用することもできる。この場合、エンジン運転中に吸引を実行する必要があるから、例えばイグニッションスイッチオフによるエンジン停止信号が入力されてから実際にエンジンが停止されるまでの間に、吸引が行われる。こうしたタイミングもエンジン停止時に含まれる。
(6)もっとも、吸引を行うタイミングは必ずしもエンジン停止時でなくてもよい。
(7)断熱室36を完全ではなく部分的に大気開放し、断熱室36の負圧を低減してもよい。この場合、開放弁26を瞬間的もしくは短時間だけ開にすることができる。
本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関(エンジン)
22 入口弁
23 蓄熱容器
24 出口弁
25 圧力センサ
26 開放弁
28 真空ポンプ
34 内側容器
36 断熱室
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (3)

  1. 内燃機関の熱媒の熱を蓄える容器と、前記容器を断熱する断熱室とを有する蓄熱容器と、
    前記断熱室に接続された吸引装置と、
    前記蓄熱容器を診断するための診断装置であって、前記吸引装置の作動時に前記断熱室の圧力が所定値以下に低下しなかったとき、前記蓄熱容器を異常と判断する診断装置と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の蓄熱装置。
  2. 前記診断装置は、前記吸引装置を所定時間作動させたときに前記断熱室の圧力が所定値以下に低下しなかったとき、前記蓄熱容器を異常と判断する
    請求項1に記載の内燃機関の蓄熱装置。
  3. 前記診断装置は、前記内燃機関の停止時に診断を実行する
    請求項1または2に記載の内燃機関の蓄熱装置。
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