JP2020111682A - 導電性組成物 - Google Patents

導電性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2020111682A
JP2020111682A JP2019003894A JP2019003894A JP2020111682A JP 2020111682 A JP2020111682 A JP 2020111682A JP 2019003894 A JP2019003894 A JP 2019003894A JP 2019003894 A JP2019003894 A JP 2019003894A JP 2020111682 A JP2020111682 A JP 2020111682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
conductive composition
copper powder
copper
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019003894A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7002483B2 (ja
Inventor
秀樹 古澤
Hideki Furusawa
秀樹 古澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JX Nippon Mining and Metals Corp
Original Assignee
JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JX Nippon Mining and Metals Corp filed Critical JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority to JP2019003894A priority Critical patent/JP7002483B2/ja
Publication of JP2020111682A publication Critical patent/JP2020111682A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7002483B2 publication Critical patent/JP7002483B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】以下の三つの特性を兼備する導電性組成物を提供する。(1)焼結することで得られる導体の導電性に優れている。(2)セラミックと導体の複合体の生産性向上に寄与する。(3)コファイア法によってセラミックと導体の複合体を製造したときのセラミックとの密着性に優れている。【解決手段】銅粉と、亜酸化銅粉及び酸化銅粉よりなる群から選択される一方又は両方の酸化フィラーと、バインダー樹脂と、分散媒とを含む導電性組成物であって、所定条件で形成した塗膜の算術平均粗さRaが0.2μm以下であり、前記塗膜のXRDにおいて、(111)面における銅粉に対応するピーク面積に対する、(111)面における前記酸化フィラーに対応するピーク面積の比率が、0.05〜0.5であり、前記塗膜を解砕して得られる粉から圧粉体を成形し、所定条件でTMA測定したときの650℃における体積収縮率が15%以下である、導電性組成物。【選択図】なし

Description

本開示は導電性組成物に関する。
従来、セラミック基板の表面に電極又は回路を形成する場合など、セラミックと導体の複合体を製造するための導電性材料として、Ag、Cu、Ni又はPtなどの金属粒子と低軟化点のガラス粉末とを有機ビヒクル中に混合した導電性組成物が一般的に知られている。セラミックと導体の複合体を製造する方法として、セラミックを含むグリーンシートと、導電性組成物とを同時に焼成する方法(コファイア法)が知られている。例えば、チップ積層セラミックコンデンサーは、スクリーン印刷法によりグリーンシート(誘電体シート)上に電極層用の導電性組成物を印刷した後、1000℃前後の高温で行う焼成工程を経て製造される。
このような導電性組成物には焼成後においてセラミック基板との優れた密着性が要求される。そこで、例えば、特開2006−73836号公報(特許文献1)は、セラミック素体との密着力を向上させるために、松脂から取れるロジン又はテルペン油重合樹脂を含むセラミック電子部品用導電性組成物を開示している。
また、特開2005−267858号公報(特許文献2)は、ニッケル粉を含有する内部電極用導電性ペーストにおいて、焼成終了後の降温時に焼結体内で発生するデラミネーションを抑制するために、誘電体層と同種又は類似のセラミック粉末を共材として導電性ペーストに添加して、誘電体層と内部電極層間の熱収縮挙動差を抑制する技術を開示している。
特開2006−73836号公報 特開2005−267858号公報
セラミックと導体の複合体を工業的に生産する場合、両者間の密着力が高いことはもちろん重要な特性であるが、それのみならず、導体の高い導電性、及び、高い生産性をも更に兼備することが望ましい。
そこで、一側面における本開示の目的は、以下の三つの特性を兼備する導電性組成物を提供することである。
(1)焼結することで得られる導体の導電性に優れている。
(2)セラミックと導体の複合体の生産性向上に寄与する。
(3)コファイア法によってセラミックと導体の複合体を製造したときのセラミックとの密着性に優れている。
本発明者は上記課題を解決するためにまず、コファイア法を用いてセラミックと導体の複合体を製造する場合の生産性向上について検討した。そして、グリーンシート中に含まれるバインダー樹脂、及び導電性組成物中に含まれるバインダー樹脂の脱離速度を向上させるために、水蒸気雰囲気で焼成することが有効であることを見出した。これは、加熱水蒸気の被焼成物への浸透作用が大きいことに起因する。
本発明者は次に、セラミックと導体との間の密着性を向上する手段について検討した。焼成後の冷却過程でのセラミックと導体との剥離(≒密着性の低下)を抑制するために、導電性組成物に含まれる金属粉とセラミックとの間の熱収縮挙動差を小さくすることが求められる。その一つの手段として、導電性組成物に含まれる金属粉の焼結開始温度を上昇させる、換言すれば焼結遅延性を高めることが有効である。
この点に関して、本発明者は鋭意研究したところ、銅粉を含有する導電性組成物中に亜酸化銅粉及び酸化銅粉の少なくとも一方を所定量混入させることが有効であることを見出した。当該手法によれば、導電性組成物を水蒸気雰囲気で焼成する場合においても焼結遅延性を向上する効果が発現すると共に、導電性に優れる焼結体が得られることが分かった。
本発明は上記知見に基づいて完成したものであり、以下に例示される。
(1)
銅粉と、亜酸化銅粉及び酸化銅粉よりなる群から選択される一方又は両方の酸化フィラーと、バインダー樹脂と、分散媒とを含む導電性組成物であって、
前記導電性組成物を25μmギャップのアプリケーターを用いて5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃で10分間乾燥させた後の塗膜の、触針式粗さ計による塗工方向の算術平均粗さRaが0.2μm以下であって、
前記塗膜のXRDにおいて、(111)面における銅粉に対応するピーク面積に対する、(111)面における前記酸化フィラーに対応するピーク面積の比率が、0.05〜0.5であって、
前記塗膜を解砕して得られる0.5gの粉から、4.7±0.2gcm-3の密度の直径5mmの円柱状の圧粉体を成形し、98mNの負荷を圧粉体の上底面に与えながら、全圧1atm、水蒸気分圧0.05atmの残部窒素雰囲気で1℃/分の昇温速度でTMA測定したときの650℃における体積収縮率が15%以下である、
導電性組成物。
(2)
前記導電性組成物を全圧1atm、水蒸気分圧0.03atmの残部窒素雰囲気、1℃/分の昇温速度で850℃まで昇温し、850℃で30分焼成して得られる焼結体をICP発光分光分析法により測定したときのSi、Ti、Al及びZrの合計濃度が1000〜10000質量ppmである(1)に記載の導電性組成物。
(3)
前記導電性組成物を全圧1atm、水蒸気分圧0.03atmの残部窒素雰囲気、850℃まで0.75℃/分の速度で昇温し、850℃で20分焼成して得られる焼結体の比抵抗が3.0μΩ・cm以下である(1)又は(2)に記載の導電性組成物。
(4)
前記銅粉及び/又は前記酸化フィラーは、カップリング剤で表面処理されている(1)〜(3)の何れか一項に記載の導電性組成物。
(5)
銅粉と、亜酸化銅粉及び酸化銅粉よりなる群から選択される一方又は両方の酸化フィラーと、バインダー樹脂と、分散媒とを混練することを含む(1)〜(4)の何れか一項に記載の導電性組成物の製造方法。
(6)
前記銅粉は、固めかさ密度が3.0g/cm3以下である(5)に記載の導電性組成物の製造方法。
(7)
前記銅粉のBET比表面積に対する前記酸化フィラーのBET比表面積の比率が、0.2〜3.0である(5)又は(6)に記載の製造方法。
(8)
前記銅粉及び前記酸化フィラーの合計質量に対する前記酸化フィラーの質量の比率が、0.05〜0.35である(5)〜(7)の何れか一項に記載の製造方法。
(9)
(1)〜(4)の何れか一項に記載の導電性組成物を使用して製造されたセラミックと導体の複合体。
(10)
(1)〜(4)の何れか一項に記載の導電性組成物を使用して製造された積層セラミックコンデンサー。
(11)
(1)〜(4)の何れか一項に記載の導電性組成物を使用して製造されたセラミック回路基板。
本開示に係る導電性組成物は一実施形態において、焼結体としたときの導電性に優れる。また、本開示に係る導電性組成物は一実施形態において、生産性向上のための水蒸気雰囲気下での焼成に適している。また、本開示に係る導電性組成物は一実施形態において、コファイア法によってセラミックと導体の複合体を製造したときのセラミックとの密着性に優れている。
以下に本開示を、実施形態を挙げて詳細に説明する。本開示は以下に挙げる具体的な実施形態に限定されるものではない。
[導電性組成物]
本開示に係る導電性組成物は一実施形態において、銅粉と、亜酸化銅粉及び酸化銅粉よりなる群から選択される一種以上の酸化フィラーと、バインダー樹脂と、分散媒とを含む。導電性組成物は、これらの各種成分を混練することで作製可能である。混練は公知の手段を使用して行うことができる。導電性組成物は一実施形態において、ペーストとして提供される。
一実施形態において、導電性組成物を25μmギャップのアプリケーターを用いて5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃で10分間乾燥させた後の塗膜の、触針式粗さ計による塗工方向の算術平均粗さRaが0.2μm以下である。当該算術平均粗さRaは、JIS B0633:2001に準拠し、触針式粗さ計で複数個所計測したときの平均値として表される。当該算術平均粗さRaが大きくなると、コファイア法によってセラミックと導体の複合体を製造したときの導体とセラミックの界面に空隙が生じやすく、両者間の接合強度が低下しやすい。当該算術平均粗さRaは好ましくは0.1μm以下であり、より好ましくは0.05μm以下である。
一実施形態において、前記塗膜に対してXRD(X線回折)測定すると、(111)面における銅粉に対応するピーク面積に対する、(111)面における酸化フィラーに対応するピーク面積の比率が、0.05〜0.5である。当該比率が0.05以上、好ましくは0.1以上であることで焼結遅延性が有意に向上する。また、当該比率が0.5以下、好ましくは0.3以下であることで、優れた導電性を確保することができる。
なお、(111)面における銅粉に対応するピーク面積は、(111)面における銅のピーク面積を表す。(111)面における酸化フィラーに対応するピーク面積は、酸化フィラーとして亜酸化銅粉のみを用いる場合は(111)面における亜酸化銅のピーク面積を表し、酸化フィラーとして酸化銅粉のみを用いる場合は(111)面における酸化銅のピーク面積を表し、酸化フィラーとして亜酸化銅粉および酸化銅粉の両方を用いる場合は(111)面における亜酸化銅のピーク面積と酸化銅のピーク面積との合計を表す。
一実施形態において、前記塗膜を解砕して得られる0.5gの粉から、4.7±0.2gcm-3の密度の直径5mmの円柱状の圧粉体を成形し、98mNの負荷を圧粉体の上底面に与えながら、全圧1atm、水蒸気分圧0.05atmの残部窒素雰囲気で1℃/分の昇温速度でTMA測定したときの650℃における体積収縮率が15%以下である。当該体積収縮率が小さいことは、水蒸気雰囲気下での焼結遅延性が優れていることを意味する。当該体積収縮率は15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。当該体積収縮率は0%であることが最も好ましいが、通常は2%以上であり、典型的には5%以上である。
好ましい実施の態様において、導電性組成物を全圧1atm、水蒸気分圧0.03atmの残部窒素雰囲気、1℃/分の昇温速度で850℃まで昇温し、850℃で30分焼成して得られる焼結体をICP発光分光分析法により測定したときのSi、Ti、Al及びZrの合計濃度が1000〜10000質量ppmである。当該合計濃度が1000質量ppm以上であると、水蒸気雰囲気下における焼結遅延性が更に向上する。当該合計濃度が10000質量ppm以下であることで、焼結体の導電性及び放熱性が劣化するのを抑制可能である。当該合計濃度は、好ましくは1500〜7000質量ppmであり、より好ましくは1500〜4000質量ppmである。
前記導電性組成物を、全圧1atm、水蒸気分圧0.03atmの残部窒素雰囲気、850℃まで0.75℃/分の速度で昇温し、850℃で20分焼成して得られる焼結体の比抵抗は、好ましくは3.0μΩ・cm以下であり、より好ましくは2.5μΩ・cm以下であり、例えば、1.7〜3.0μΩ・cmとすることができる。
一実施形態において、本開示に係る導電性組成物を使用して、セラミックと導体の複合体を製造することができる。セラミックと導体の複合体を製造する方法としては、セラミックを含むグリーンシート(誘電体シート)と、導電性組成物とを同時に焼成する方法(コファイア法)が好適に採用可能である。特に、本開示に係る導電性組成物を利用することで、生産性を高めるために水蒸気雰囲気下での焼成を行っても、導体の比抵抗が小さく、且つ、セラミックと導体間の密着性に優れた導体・セラミックス複合体を得ることができる。当該特性は、導電性組成物に含まれる酸化フィラーが水蒸気雰囲気下でも優れた焼結遅延性を有することに少なくとも部分的に起因する。
本開示に係る導電性組成物を焼成して得られる焼結体は導体であることから、例えば、電極又は回路として使用され得る。例えば、積層セラミックコンデンサーは、スクリーン印刷法等によりグリーンシート上に電極層用の導電性組成物を塗布した後、例えば500〜1000℃の焼成工程を経て製造可能である。この場合、導電性組成物の焼結体は、積層セラミックコンデンサーの内部電極として使用される。同様に、セラミック回路基板は、スクリーン印刷法等によりグリーンシート上に回路形成用の導電性組成物を塗布した後、例えば400〜1000℃の焼成工程を経て製造可能である。
[銅粉]
銅粉には、銅粉には純銅粉及び銅合金粉(特にCu含有量が80質量%以上の銅合金粉)が含まれる。
銅粉のBET比表面積は、好ましくは1.5〜10m2/gであり、より好ましくは1.5〜5m2/gである。ここで、BET比表面積は、銅粉を真空中で200℃、5時間脱気した後にJIS Z 8830:2013に準拠して測定される。BET比表面積は、例えば、マイクロトラック・ベル社のBELSORP−miniIIを用いて測定可能である。
導電性組成物中の銅粉の濃度は、塗膜密度向上、ひいては電極密度向上の観点からは、20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましい。また、導電性組成物中の銅粉の濃度は、印刷性の観点からは、90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。
銅粉の分散性は高い方が、後述する酸化フィラーが銅紛の隙間に入り込みやすく、焼結遅延性が向上する。また、塗膜の表面粗さを小さくすることができる。このため、銅粉の分散性の指標である固めかさ密度は低い方が好ましい。具体的には、銅粉の固めかさ密度は、3.0g/cm3以下であることが好ましく、2.5g/cm3以下であることがより好ましい。但し、銅粉の固めかさ密度は、低すぎると銅粉のかさが大きくなり導電性組成物調整時の取扱いが困難であることから、1.0g/cm3以上であることが好ましく、1.5g/cm3以上であることがより好ましい。固めかさ密度は、例えば、銅粉をpH8〜14のアルカリ水溶液と接触させるpH処理工程を行うことで解砕性が向上し、低くすることができる。
固めかさ密度は以下の手順で測定される。直径2cmの10ccのカップにガイドを取り付けて10ccを超える粉を入れ、タッピングを1000回行う。次いで、ガイドを残して、10ccの容積を上回っている部分を摺り切り、この状態でカップに入っている粉の重量及びカップの容積(10cc)に基づいて求めた密度が固めかさ密度である。固めかさ密度は、例えば、パウダテスタPT−X(ホソカワミクロン社)を用いて測定可能である。
銅粉は、乾式法によって製造された銅粉、湿式法によって製造された銅粉のいずれも使用することができる。湿式法によって製造された銅粉を用いる場合、後述するカップリング剤による表面処理まで合わせて一貫して湿式プロセスになる点で好適である。
湿式法による銅粉の好適な製造方法を例示的に説明する。当該製造方法は、亜酸化銅粉スラリーに分散剤(例えば、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲンペプチド、界面活性剤等)を添加する工程と、その後にスラリーに希硫酸を5秒以内に一度に添加して不均化反応を行う工程とを含む。好適な実施の態様において、上記スラリーは、室温(20〜25℃)以下に保持するとともに、同様に室温以下に保持した希硫酸を添加して、不均化反応を行うことができる。分散剤の添加量及び希硫酸の添加速度等によって銅粉のBET比表面積(サイズ、固めかさ密度)を制御可能である。一例として、アラビアゴム等の有機物の量が多いとBET比表面積は大きくなり、希硫酸の添加速度が速いとBET比表面積は大きくなる傾向にある。好適な実施の態様において、希硫酸の添加は、スラリーがpH2.5以下、好ましくはpH2.0以下、更に好ましくはpH1.5以下となるように、添加することができる。好適な実施の態様において、スラリーへの希硫酸の添加は、5分以内、好ましくは1分以内、更に好ましくは30秒以内、更に好ましくは10秒以内、更に好ましくは5秒以内となるように、添加することができる。好適な実施の態様において、上記不均化反応は10分以内、例えば、スラリーへの希硫酸の添加が瞬間的に行われる場合は、5秒以内で終了するものとすることができる。好適な実施の態様において、希硫酸添加前の上記スラリー中のアラビアゴム等の分散剤の濃度は、0.2〜1.2g/Lとすることができる。この不均化反応の原理は次のようなものである:
Cu2O+H2SO4 → Cu↓+CuSO4+H2
この不均化によって得られた銅粉は、所望により、洗浄、防錆、ろ過、乾燥、解砕、分級を行うことができる。カップリング剤水溶液により表面処理する場合は、所望により、洗浄、防錆、ろ過を行った後に得られる銅粉スラリーを、乾燥を行うことなく、そのままカップリング剤水溶液と混合することができる。
[酸化フィラー]
銅粉と共に、亜酸化銅粉(Cu2O粉)及び酸化銅粉(CuO)よりなる群から選択される一方又は両方の酸化フィラー、好ましくは焼成時にCuへと還元されて導電率向上に寄与しやすい亜酸化銅粉(Cu2O粉)を導電性組成物中に配合することで、銅粉の焼結開始温度が有意に上昇する。理論によって本発明が限定されることを意図しないが、粒子サイズが同じ場合、亜酸化銅粉及び酸化銅粉は、非還元雰囲気では銅粉よりも焼結されにくく、より高温側で収縮する。銅粉同士の焼結は、銅粉同士が接触した部分を起点として進行するため、このような亜酸化銅粉及び酸化銅が、銅粉間に入り込むことによって、銅粉同士の接触を妨げ、焼結を阻害するものと考えられる。
酸化フィラーのBET比表面積は、好ましくは1〜5m2/gであり、より好ましくは1.5〜4.5m2/gである。ここで、BET比表面積は、酸化フィラー(複数種類を用いる場合はそれぞれの酸化フィラーについて測定する。)を真空中で200℃、5時間脱気した後にJIS Z 8830:2013に準拠して測定される。
銅粉のBET比表面積に対する酸化フィラーのBET比表面積の比率は、大きい方が酸化フィラーが銅粉の隙間に入り込みやすいため、0.2以上であることが好ましい。但し、酸化フィラーが小粒径化して当該比率が大きくなり過ぎると、酸化フィラーの焼結開始温度と銅粉の焼結開始温度との差が小さくなり、導電性組成物中に酸化フィラーを含むことによる焼結遅延性の向上効果が小さくなる恐れがある。このため、銅粉のBET比表面積に対する酸化フィラーのBET比表面積の比率は、3.0以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましく、1.5以下であることが更により好ましい。
前記銅粉及び前記酸化フィラーの合計質量に対する前記酸化フィラーの質量の比率は、焼結遅延性を高めるという観点から、0.05以上であることが好ましい。また、当該比率は、焼結体の導電性を高めるという観点から、0.35以下であることが好ましく、0.30以下であることがより好ましい。
[カップリング剤]
銅粉及び酸化フィラーの少なくとも一方、好ましくは両方は、カップリング剤で表面処理されていることが望ましい。具体的には、Si、Ti、Al及びZrよりなる群から選択される一種又は二種以上の元素を含有するカップリング剤で表面処理されていることがより好ましい。銅粉及び/又は酸化フィラーがカップリング剤により表面処理を受けている場合、導体・セラミックス複合体において、セラミックと導体間の密着性を向上することができる。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、及びジルコネートカップリング剤が挙げられる。カップリング剤は一種を使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。カップリング剤として、シランカップリング剤を使用した場合にはSi、チタネートカップリング剤を使用した場合にはTi、アルミネートカップリング剤を使用した場合にはAl、ジルコネートカップリング剤を使用した場合にはZrを、銅粉及び酸化フィラーの表面にそれぞれ付着させることができる。
シランカップリング剤としては、アミノシランが好適に使用可能である。好ましい実施の態様において、アミノシランとして、1以上のアミノ基及び/又はイミノ基を含むシランを使用することができる。アミノシランに含まれるアミノ基及びイミノ基の数は、例えばそれぞれ1〜4個、好ましくはそれぞれ1〜3個、更に好ましくは1〜2個とすることができる。好適な実施の態様において、アミノシランに含まれるアミノ基及びイミノ基の数は、それぞれ1個とすることができる。アミノシランに含まれるアミノ基及びイミノ基の数の合計が、1個であるアミノシランは特にモノアミノシラン、2個であるアミノシランは特にジアミノシラン、3個であるアミノシランは特にトリアミノシランと、呼ぶことができる。特に、モノアミノシラン及びジアミノシランは好適に使用することができる。好適な実施の態様において、アミノシランとして、アミノ基1個を含むモノアミノシランを使用することができる。好適な実施の態様において、アミノシランは、少なくとも1個、例えば1個のアミノ基を、分子の末端に、好ましくは直鎖状又は分枝状の鎖状分子の末端に、含むものとすることができる。
アミノシランとしては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、1−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、1,2−ジアミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノ−1−プロぺニルトリメトキシシラン、3−アミノ−1−プロピニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることできる。
好ましい実施の態様において、次式Iで表されるアミノシランを使用することができる。
2N−R1−Si(OR22(R3) (式I)
上記式Iにおいて、
1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
2は、C1〜C5のアルキル基であり、
3は、C1〜C5のアルキル基、又はC1〜C5のアルコキシ基である。
好ましい実施の態様において、上記式IのR1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、更に好ましくは、R1は、置換又は非置換の、C1〜C12の直鎖状飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の分枝状飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の直鎖状不飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の分枝状不飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の環式炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の複素環式炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の芳香族炭化水素の二価基、からなる群から選択された基とすることができる。好ましい実施の態様において、上記式IのR1は、C1〜C12の、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素の二価基であり、更に好ましくは、鎖状構造の両末端の原子が遊離原子価を有する二価基である。好ましい実施の態様において、二価基の炭素数は、例えばC1〜C12、好ましくはC1〜C8、好ましくはC1〜C6、好ましくはC1〜C3とすることができる。
好ましい実施の態様において、上記式IのR1は、−(CH2n−、−(CH2n−(CH)m−(CH2j-1−、−(CH2n−(CC)−(CH2n-1−、−(CH2n−NH−(CH2m−、−(CH2n−NH−(CH2m−NH−(CH2j−、−(CH2n-1−(CH)NH2−(CH2m-1−、−(CH2n-1−(CH)NH2−(CH2m-1−NH−(CH2j−よりなる群から選択された基である(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)とすることができる。(ただし、上記(CC)は、CとCの三重結合を表す。)好ましい実施の態様において、R1は、−(CH2)n−、又は−(CH2)n−NH−(CH2)m−とすることができる。(ただし、上記(CC)は、CとCの三重結合を表す。)好ましい実施の態様において、上記の二価基であるR1の水素は、アミノ基で置換されていてもよく、例えば1〜3個の水素、例えば1〜2個の水素、例えば1個の水素が、アミノ基によって置換されていてもよい。
好ましい実施の態様において、上記式Iのn、m、jは、それぞれ独立に、1以上12以下の整数、好ましくは1以上6以下の整数、更に好ましくは1以上4以下の整数とすることができ、例えば、1、2、3、4から選択された整数とすることができ、例えば、1、2又は3とすることができる。
好ましい実施の態様において、上記式IのR2は、C1〜C5のアルキル基、好ましくはC1〜C3のアルキル基、更に好ましくはC1〜C2のアルキル基とすることができ、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、又はプロピル基とすることでき、好ましくは、メチル基又はエチル基とすることができる。
好ましい実施の態様において、上記式IのR3は、アルキル基として、C1〜C5のアルキル基、好ましくはC1〜C3のアルキル基、更に好ましくはC1〜C2のアルキル基とすることができ、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、又はプロピル基とすることでき、好ましくは、メチル基又はエチル基とすることができる。また、上記式IのR3は、アルコキシ基として、C1〜C5のアルコキシ基、好ましくはC1〜C3のアルコキシ基、更に好ましくはC1〜C2のアルコキシ基とすることができ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、又はプロポキシ基とすることでき、好ましくは、メトキシ基又はエトキシ基とすることができる。
チタネート系カップリング剤としては、例えば、次の式II:
(H2N−R1−O)pTi(OR2q (式II)
(ただし、上記式IIにおいて、
1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
2は、直鎖状又は分枝を有する、C1〜C5のアルキル基であり、
p及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4である。)
で表されるアミノ基含有チタネートを挙げることができる。
上記式IIのR1としては、上記式IのR1として挙げた基を好適に使用することができる。上記式IIのR1として、例えば、−(CH2n−、−(CH2n−(CH)m−(CH2j-1−、−(CH2n−(CC)−(CH2n-1−、−(CH2n−NH−(CH2m−、−(CH2n−NH−(CH2m−NH−(CH2j−、−(CH2n-1−(CH)NH2−(CH2m-1−、−(CH2n-1−(CH)NH2−(CH2m-1−NH−(CH2j−よりなる群から選択された基(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)とすることができる。特に好適なR1として、−(CH2n−NH−(CH2m−(ただし、n+m=4、特に好ましくはn=m=2)を挙げることができる。
上記式IIのR2としては、上記式IのR2として挙げた基を好適に使用することができる。好適な実施の態様において、C3のアルキル基を挙げることができ、特に好ましくは、プロピル基、及びイソプロピル基を挙げることができる。上記式IIのp及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4であり、好ましくはp=q=2の組み合わせ、p=3、q=1の組み合わせを挙げることができる。
上記では、末端がアミノ基であるカップリング剤を用いて説明したが、カップリング剤による、銅粉及び酸化フィラーの表面処理は、末端にアミノ基を有しないカップリング剤(非アミノ系カップリング剤)を用いても好適に実施することができる。非アミノ系カップリング剤としては、例えば、末端にエポキシ基、メルカプト基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、酸無水物基等の有機官能基を有するカップリング剤が挙げられる。
エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
メタクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ビニル基を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
酸無水物基を有するシランカップリング剤としては、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
カップリング剤は、銅粉及び/又は酸化フィラーと混合する前に、自己縮合反応を促進させるための前処理をしておくことが好ましい。一実施形態においては、前処理は、アンモニア水、NaOH水溶液、KOH水溶液、モノエタノールアミン水溶液などのアルカリ性水溶液をカップリング剤に加えて、好ましくはpH11.5以上13.5以下、より好ましくはpH12.0以上13.5以下に調整したカップリング剤水溶液を調製する工程と、当該カップリング剤水溶液を10℃〜40℃に保持しながら撹拌する工程を含む。
pHが高い方がカップリング剤の自己縮合反応を促進させることができるが、自己縮合反応を促進させ過ぎると、カップリング剤がゲル化し、銅粉及び/又は酸化フィラーの分散性が低下する。その結果、塗膜が粗くなってしまう。また、撹拌時間が長い方が自己縮合反応をある程度促進させることができるが、撹拌時間が長いと、生産性が悪くなってしまう。そのため、撹拌時間は、好ましくは1〜72時間、より好ましくは6〜24時間とすることができる。
前処理後のカップリング剤水溶液は、公知の方法によって銅粉及び/又は酸化フィラーの表面処理に供することができる。例えば、前処理後のカップリング剤水溶液を銅粉及び/又は酸化フィラーと混合して分散液とした後、適宜、公知の方法によって撹拌することで銅粉及び/又は酸化フィラーとのカップリング反応を促進することができる。好適な実施の態様において、撹拌は、例えば、常温で行うことができ、例えば、5〜80℃、10〜40℃、20〜30℃の範囲の温度で行うことができる。また、撹拌は、銅粉及び/又は酸化フィラーとカップリング剤の間のカップリング反応を促進するため、1分以上実施することが好ましく、30分以上実施することがより好ましい。
カップリング剤水溶液中のカップリング剤の濃度は、自己縮合反応を促進するために10体積%以上であることが好ましく、20体積%以上であることがより好ましい。また、カップリング剤水溶液中のカップリング剤の濃度は、過度に自己縮合反応が進行してゲル化するのを防止するために60体積%以下であることが好ましく、45体積%以下であることがより好ましい。
ある実施の態様において、撹拌は超音波処理により行ってもよい。超音波処理の処理時間は、分散液の状態に応じて選択するが、好ましくは1〜180分間、より好ましくは3〜150分間、更により好ましくは10〜120分間、最も好ましくは20〜80分間とすることができる。好ましい実施の態様において、超音波処理は、100mLあたり、好ましくは50〜600W、より好ましくは100〜600Wの出力で行うことができる。好ましい実施の態様において、超音波処理は、好ましくは10〜1MHz、より好ましくは20〜1MHz、更により好ましくは50〜1MHzの周波数で行うことができる。
カップリング剤による表面処理後、銅粉及び/又は酸化フィラー分散液から表面処理された銅粉及び/又は酸化フィラーを分離・回収することができる。この分離・回収には、公知の手段を使用することができ、例えば、ろ過、遠心分離、デカンテーション(decantation)などを使用することができる。
分離・回収後のケークの乾燥には、公知の手段を使用することができ、例えば、加熱による乾燥を行うことができる。加熱乾燥は、例えば、50〜400℃、60〜350℃の温度で、例えば、5〜180分間、30〜120分間の加熱処理によって、行うことができる。加熱乾燥に続けて、銅粉及び/又は酸化フィラーに対して、所望により、更に解砕処理を行ってもよい。また、回収された表面処理された銅粉及び/又は酸化フィラーに対しては、防錆、あるいは、ペースト中での分散性を向上させること等を目的として、有機物等を更に表面処理された銅粉及び/又は酸化フィラーの表面に吸着させてもよい。
好適な実施の態様において、表面処理された銅粉及び/又は酸化フィラーは、カップリング剤による表面処理を受けた後に、更に表面処理を行ってもよい。このような表面処理として、例えば、ベンゾトリアゾール、イミダゾール等の有機防錆剤による防錆処理を挙げることができ、このような通常の処理によっても、カップリング剤による表面処理層が脱離等することはない。したがって、優れた焼結遅延性を失わない限度内で、当業者はそのような公知の表面処理を、所望により行うことができる。すなわち、本開示に係る表面処理された銅粉及び/又は酸化フィラーの表面に、優れた焼結遅延性を失わない限度内で、更に表面処理を行って得られた銅粉及び/又は酸化フィラーもまた、本開示の範囲内である。
[バインダー樹脂]
導電性組成物に使用されるバインダー樹脂としては、例えばセルロース系樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール、ケトン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンを挙げることができる。バインダー樹脂は一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。導電性組成物中のバインダー樹脂は、銅粉の質量に対して例えば0.1〜10%、好ましくは1〜8%の比率となるように含有させることができる。バインダー樹脂の配合割合を当該範囲とすることで、導電性組成物の構造安定性、均一塗布性を高めることができる。
[分散媒]
導電性組成物に使用される分散媒としては、例えばアルコール溶剤(例えばテルピネオール、ジヒドロテルピネオール、イソプロピルアルコール、ブチルカルビトール、テルピネルオキシエタノール、ジヒドロテルピネルオキシエタノールからなる群から選択された1種以上)、グリコールエーテル溶剤(例えばブチルカルビトール)、アセテート溶剤(例えばブチルカルビトールアセテート、ジヒドロターピネオールアセテート、ジヒドロカルビトールアセテート、カルビトールアセテート、リナリールアセテート、ターピニルアセテートからなる群から選択された1種以上)、ケトン溶剤(例えばメチルエチルケトン)、炭化水素溶剤(例えばトルエン、シクロヘキサンからなる群から選択された1種以上)、セロソルブ類(例えばエチルセロソルブ、ブチルセロソルブからなる群から選択された1種以上)、ジエチルフタレート、またはプロピネオート系溶剤(例えばジヒドロターピニルプロピネオート、ジヒドロカルビルプロピネオート、イソボニルプロピネオートからなる群から選択された1種以上)を挙げることができる。分散媒は一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。導電性組成物中には、銅粉の質量に対して例えば10〜400%の比率となるように分散媒を含有させることができる。
[その他の添加剤]
本開示に係る導電性組成物には、ガラスフリット、分散剤、増粘剤及び消泡剤等の公知の添加剤を適宜含有することができる。
ガラスフリットは、セラミックと導体の密着性を向上させるのに有用である。ガラスフリットとしては、例えばBET比表面積が1〜10m2-1、好ましくは2〜10m2-1、より好ましくは2〜8m2-1のガラスフリットを使用することができる。導電性組成物中には、銅粉の質量に対して例えば0〜5%の比率となるようにガラスフリットを含有させることができる。
分散剤としては、例えばオレイン酸、ステアリン酸及びオレイルアミンを挙げることができる。導電性組成物中には、銅粉の質量に対して例えば0〜5%の比率となるように分散剤を含有させることができる。
消泡剤としては、例えば有機変性ポリシロキサン、ポリアクリレートを挙げることができる。導電性組成物中には、銅粉の質量に対して例えば0〜5%の比率となるように消泡剤を含有させることができる。
なお、導電性組成物における銅粉、酸化フィラー、バインダー樹脂、分散媒の比率は、当該導電性組成物の用途に応じた塗布性を損なわない範囲で、適宜決定すればよい。
以下に実施例をあげて、本開示を更に詳細に説明する。本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
(手順1:実施例1〜4、比較例1、2の銅粉)
50L容器に純水6Lを添加し、液温が70℃となるように加温した。ここに硫酸銅五水和物3.49kgを添加し、350rpmで撹拌しながら、硫酸銅の結晶がすべて溶解したことを目視で確認した。ここにD−グルコース1.39kgを添加した。ここに送液ポンプで5wt%のアンモニア水溶液を300mL/分の速度でpH5に達するまで添加した。pHが5に達したら、スポイトでアンモニア水溶液を滴下し、pH8.4に上昇させた。ここから液温70±2℃、pH8.5±0.1に3時間保持した。pHの調整はアンモニア水溶液で行った。反応終了後、デカンテーション、上澄み排出、純水での洗浄を、上澄み液のpHが8.0を下回るまで繰り返し、亜酸化銅粉スラリーを得た。固形分を一部取り出して、窒素中で70℃で乾燥し、XRDでこの固形分が亜酸化銅であることを確認した。
上記で得られた亜酸化銅粉スラリーの含水率を20質量%に調整し、この亜酸化銅粉スラリー(25℃)に、固形分1kgに対して水分が7Lとなるように純水(25℃)を添加し、更にニカワを4g添加し、500rpmで撹拌した。ここに25vol%の希硫酸2L(25℃)を瞬間的に添加し、pHを0.7とした。デカンテーションで粉体を沈降させ、上澄み液を抜き、純水(25℃)を7L添加し、500rpmで10分間撹拌した。上澄み液中のCu2+由来のCu濃度が1g/Lを下回るまでデカンテーションと水洗の操作を繰り返した。その後、pH13へ調製したアンモニア水3L中に投入して、攪拌した。攪拌は、25℃で1時間行った。その後、吸引ろ過によって固液分離して、pH処理された銅粉のケークを得た。得られたケークを、ろ過後の純水のpHが8を下回ることを目安として純水によって洗浄した。この洗浄ケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。
(手順2:固めかさ密度の測定)
得られた銅粉の固めかさ密度をホソカワミクロン(株)のパウダテスタPT−Xを使って先述した方法により測定した。
(手順3:BET比表面積の測定)
得られた銅粉について、マイクロトラック・ベル社のBELSORP−miniIIを使い、真空中で200℃、5時間加熱する前処理後にBET比表面積を測定した。
(手順4:実施例1〜6、9〜12、15、比較例1〜3の亜酸化銅粉)
50L容器に純水6L、アラビアゴム9gを添加し、液温が70℃となるように加温した。ここに硫酸銅五水和物3.49kgを添加し、350rpmで撹拌しながら、硫酸銅の結晶がすべて溶解したことを目視で確認した。ここにD−グルコース1.39kgを添加した。ここに送液ポンプで5wt%のアンモニア水溶液を300mL/分の速度でpH5に達するまで添加した。pHが5に達したら、スポイトでアンモニア水溶液を滴下し、pH8.4に上昇させた。ここから液温70±2℃、pH8.5±0.1に3時間保持した。pHの調整は水アンモニア水溶液で行った。反応終了後、デカンテーション、上澄み排出、純水での洗浄を、上澄み液のpHが8.0を下回るまで繰り返し行った。その後、吸引ろ過によって固液分離しケーキを得た。得られたケーキを、ろ過後の純水のpHが8を下回ることを目安として純水によって洗浄した。この洗浄ケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。得られた粉はXRDで亜酸化銅粉であることを確認した。手順2、手順3の手順に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。
(手順5:実施例9〜11、14〜16の表面処理銅粉)
手順1で作製した亜酸化銅粉スラリー(25℃)に希硫酸を瞬間的に添加した。デカンテーションで粉体を沈降させ、上澄み液を抜き、純水(25℃)を7L添加し、500rpmで10分間撹拌した。上澄み液のpHが4を上回るまでデカンテーションと水洗の操作を繰り返した。上澄み液を適量取り除き含水率20質量%の銅粉スラリーを得た。また、カップリング剤として、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM603)(以下、「ジアミノシラン」という。)を用意した。このカップリング剤と純水を調合し、更にアンモニア水でpH12.5に調整してカップリング剤水溶液を得た。カップリング剤水溶液中のジアミノシラン濃度は15wt%であった。これを、25℃で14時間撹拌することでカップリング剤の自己縮合反応を促進した。次いで、この前処理を経た水溶液と上記含水率20質量%の銅粉スラリー550gを混合し、25℃、500rpmで1時間撹拌した。その後、吸引濾過で固液分離して、銅粉を試験番号に応じて異なる含水率のケークとして回収した。Si付着量は固液分離後のケークの含水率を増減させることで調整した。ケークの含水率が高いほど、銅粉に付着するSi量が多くなる。得られたケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。手順2、手順3と同様の手順に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。
(手順6:実施例9、14の表面処理亜酸化銅粉)
手順4で得られた純水で洗浄した亜酸化銅粉ケークに純水を加え、含水率20質量%の亜酸化銅粉スラリーを作製した。また、カップリング剤として、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM603)(以下、「ジアミノシラン」という。)を用意した。このカップリング剤と純水を調合し、更にアンモニア水でpH12.5に調整してカップリング剤水溶液を得た。カップリング剤水溶液中のジアミノシラン濃度は15wt%であった。これを、25℃で14時間撹拌することでカップリング剤の自己縮合反応を促進した。次いで、この前処理を経た水溶液と上記含水率20質量%の亜酸化銅粉スラリー1250gを混合し、25℃、500rpmで1時間撹拌した。その後、吸引濾過で固液分離して、亜酸化銅粉のケークを回収した。得られたケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。手順3と同様の手順に従ってBET比表面積を求めた。
(手順7:実施例5の銅粉)
手順1で作製した亜酸化銅粉スラリー(25℃)に希硫酸を瞬間的に添加した。デカンテーションで粉体を沈降させ、上澄み液を抜き、純水(25℃)を7L添加し、500rpmで10分間撹拌した。上澄み液中のCu2+由来のCu濃度が1g/Lを下回るまでデカンテーションと水洗の操作を繰り返した。その後、pH8へ調整したアンモニア水3L中に投入して、攪拌した。攪拌は、25℃で1時間行った。その後、吸引ろ過によって固液分離して、pH処理された銅粉のケーキを得た。得られたケーキを、ろ過後の純水のpHが8を下回ることを目安として純水によって洗浄した。この洗浄ケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。手順2、手順3と同様の手順に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。
(手順8:実施例6の銅粉)
手順1で作製した亜酸化銅粉スラリー(25℃)に希硫酸を瞬間的に添加した。デカンテーションで粉体を沈降させ、上澄み液を抜き、純水(25℃)を7L添加し、500rpmで10分間撹拌した。上澄み液のpHが7に達するまでデカンテーションと水洗の操作を繰り返した。その後、吸引ろ過によって固液分離して、得られたケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。手順2、手順3と同様の手順に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。
(手順9:実施例7の銅粉)
手順1でニカワではなく、分子量5000のコラーゲンペプチドを使用し、亜酸化銅粉スラリー(25℃)に希硫酸を瞬間的に添加した。デカンテーションで粉体を沈降させ、上澄み液を抜き、純水(25℃)を7L添加し、500rpmで10分間撹拌した。上澄み液中のCu2+由来のCu濃度が1g/Lを下回るまでデカンテーションと水洗の操作を繰り返した。その後、pH13へ調整したアンモニア水3L中に投入して、攪拌した。攪拌は、25℃で1時間行った。その後、吸引ろ過によって固液分離して、pH処理された銅粉のケーキを得た。得られたケークを、ろ過後の純水のpHが8を下回ることを目安として純水によって洗浄した。この洗浄ケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。手順2、手順3と同様の手順に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。
(手順10:実施例8の銅粉)
手順1で、亜酸化銅粉スラリー(25℃)に希硫酸を50mL/分で添加した。上澄み液中のCu2+由来のCu濃度が1g/Lを下回るまでデカンテーションと水洗の操作を繰り返した。その後、pH13へ調整したアンモニア水3L中に投入して、攪拌した。攪拌は、25℃で1時間行った。その後、吸引ろ過によって固液分離して、pH処理された銅粉のケークを得た。得られたケークを、ろ過後の純水のpHが8を下回ることを目安として純水によって洗浄した。この洗浄ケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。手順2、手順3と同様の手順に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。
(手順11:実施例12の表面処理銅粉)
手順5のカップリング剤を下記のチタンアミノエチルアミノエタノレート(マツモトファインケミカル製、オルガチックスTC−510)とした以外は手順5と同様の手順で表面処理銅粉を作製し、手順2、手順3に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。
Figure 2020111682
(手順12:実施例13の表面処理銅粉)
手順5のカップリング剤を、ジアミノシランと下記のジルコニウムラクテートアンモニウム塩(マツモトファインケミカル製、オルガチックスZC−300)の70:30(質量比)の混合液に変えた用した以外は手順5と同様の手順で表面処理銅粉を作製し、手順2、手順3に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。
Figure 2020111682
(手順13:比較例3の銅粉)
手順1で作製した亜酸化銅粉スラリー(25℃)に希硫酸を瞬間的に添加した。デカンテーションで粉体を沈降させ、上澄み液を抜き、純水(25℃)を7L添加し、500rpmで10分間撹拌した。上澄み液のpHが7に達するまでデカンテーションと水洗の操作を繰り返した。その後、吸引ろ過によって固液分離して、得られたケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.1mmの孔の篩を通るまで解砕した。手順2、手順3と同様の手順に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。
(手順14:実施例7の亜酸化銅粉)
50L容器に純水6L、アラビアゴム9gを添加し、液温が70℃となるように加温した。ここに硫酸銅五水和物3.49kgを添加し、350rpmで撹拌しながら、硫酸銅の結晶がすべて溶解したことを目視で確認した。ここにD−グルコース1.39kgを添加した。ここに送液ポンプで5wt%のアンモニア水溶液を300mL/分の速度でpH5に達するまで添加した。pHが5に達したら、スポイトでアンモニア水溶液を滴下し、pH8.4に上昇させた。ここから液温70±2℃、pH8.5±0.1に3時間保持した。pHの調整はアンモニア水溶液で行った。反応終了後、デカンテーション、上澄み排出、純水での洗浄を、上澄み液のpHが8.0を下回るまで繰り返し行った。その後、吸引ろ過によって固液分離しケークを得た。得られたケークを、50L容器に純水6L、アラビアゴム9gを添加した水溶液に分散させ、液温が70℃となるように加温した。ここに硫酸銅五水和物3.49kgを添加し、350rpmで撹拌しながら、硫酸銅の結晶がすべて溶解したことを目視で確認した。ここにD−グルコース1.39kgを添加した。ここに送液ポンプで5wt%のアンモニア水溶液を300mL/分の速度でpH5に達するまで添加した。pHが5に達したら、スポイトでアンモニア水溶液を滴下し、pH8.4に上昇させた。ここから液温70±2℃、pH8.5±0.1に3時間保持した。pHの調整はアンモニア水溶液で行った。反応終了後、デカンテーション、上澄み排出、純水での洗浄を繰り返し、上澄み液のpHが8.0を下回るまで行った。その後、吸引ろ過によって固液分離しケークを得た。得られたケークを、ろ過後の純水のpHが8を下回ることを目安として純水によって洗浄した。この洗浄ケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。得られた粉はXRDで亜酸化銅粉であることを確認した。手順3と同様の手順に従ってBET比表面積を求めた。
(手順15:実施例8の亜酸化銅粉)
手順4においてアラビアゴムを分子量5000のコラーゲンペプチドとした以外は手順4に従って亜酸化銅粉を作製した。手順3と同様の手順に従ってBET比表面積を求めた。
(手順16:実施例16の酸化銅粉)
手順4に従い亜酸化銅粉スラリーを作製し、pHが8を下回るまで洗浄を行った。その後、固形分20質量%となるように純水を加え40℃に加温し、2時間、300rpmで撹拌した。その後、吸引ろ過によって固液分離しケークを得た。このケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。得られた粉はXRDで酸化銅粉であることを確認した。手順2、手順3と同様の手順に従ってBET比表面積を求めた。
(手順17:表面処理粉中のカップリング剤由来の金属付着量)
上記手順で得られた実施例及び比較例の各表面処理銅粉、表面処理亜酸化銅粉、及び表面処理酸化銅粉(以下、「表面処理粉」という。)を酸で溶解し、ICP発光分光分析法(日立ハイテクサイエンス社製ICP−OES)により、表面処理粉の単位質量(g)に対する、付着したSi、Ti、及びZrの質量(μg)を求めた。結果を表1に示す。なお、表中には、検出下限未満の元素濃度は記載していない。
(手順18:ペースト作製)
あらかじめテルピネオールとエチルセルロースを自転公転ミキサーAR−100、および3本ロールに通して十分に混練してビヒクルを調製した。次いで、手順1〜16で作製した各種銅粉、亜酸化銅粉、酸化銅粉を表中の酸化フィラー/(銅粉+酸化フィラー)比率により混合した。この混合後の粉末を無機粉末と称する。無機粉末:エチルセルロース:オレイン酸:テルピネオール=80:2.3:1.6:16.1(重量比)となるように混合し、自転公転ミキサーで予備混練した後、3本ロールに通し(仕上げロールギャップ5μm)、自転公転ミキサーを使って脱泡し、実施例(実施例15を除く)及び比較例の各ペーストを作製した。
実施例15については、手順5で作製した表面処理銅粉と手順4で作製した亜酸化銅粉を表1に記載の酸化フィラー/(銅粉+酸化フィラー)比率で混合した無機粉末を用いて、無機粉末:エチルセルロース:ターピネオール=35:1.8:63.2(重量比)となるように上記と同様の手順に従いペーストを作製した。
(手順19:ペースト塗膜の表面粗さ(Ra))
上記手順で得られた実施例及び比較例の各ペーストを25μmギャップのアプリケーターを使って5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃、10分で乾燥させた。得られた塗膜の塗工方向のRa(JIS B0633:2001準拠)を触針式粗さ計で5点計測し、平均値を測定値とした。結果を表1に示す。
(手順20:ペースト塗膜のXRD)
手順19で作製したペーストを25μmギャップのアプリケーターを使って5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃、10分で乾燥させ、乾燥塗膜を得た。この乾燥塗膜に対して以下の条件でXRD測定をし、亜酸化銅、酸化銅、銅の(111)のピークの面積を算出し、Cu2O(111)/Cu(111)、又は、CuO(111)/Cu(111)を求めた。なお、酸化フィラーとして亜酸化銅粉及び酸化銅粉の両方を用いる場合は、{Cu2O(111)+CuO(111)}/Cu(111)を求める。
ピーク面積を算出する際のバックグラウンド処理は、RIGAKU社製の統合粉末X線解析ソフトウェアPDXL2の自動処理モードにより行った。このモードを選択することで、該ソフトウェアが簡易ピークサーチを行い、ピーク部分を取り除いた後、残りのデータに対して多項式をフィッティングしてバックグラウンドを除去する。
装置:Rint 2200 Ultima(RIGAKU製)
X線:CuKα
X線出力:40kV、40mA
スキャンスピード:4°/分
ステップ幅:0.02°
スキャン範囲:20〜80°
発散スリット:2°
発散縦制限スリット:10mm
散乱スリット:2°
発光スリット:0.6mm
ピーク面積算出ソフト:PDXL2
(手順21:ペーストの水蒸気焼成)
手順20で得られた乾燥塗膜をスライドガラスからはがし、乳棒、乳鉢で十分に解砕し、得られた粉0.5gを内径φ5mmの金型を用いてハンドプレスで4.7±0.2gcm-3の密度の円柱状圧粉体を成形した。この圧粉体を金型から外し、中心軸が鉛直方向になるように熱機械分析装置(TMA4000(ネッチ・ジャパン))に装填し、水蒸気発生装置(HC9800(ネッチ・ジャパン))で全圧1atm、水蒸気分圧が0.05atmとなる窒素ガスを100mL/分(22℃換算)で流し、98mNの負荷を圧粉体の上底面に与えながら、1℃/分の速度で20℃から昇温し、650℃における圧粉体の高さ収縮量から体積収縮率を求めた。圧粉体の収縮はバインダー樹脂の燃焼、分解と銅粉の焼結を表す。結果を表1に示す。
(手順22:焼結体の比抵抗)
上記手順で得られた実施例及び比較例の各ペースト及びスクリーン版(ステンレスメッシュ、線径18μm、紗厚38μm、オープニング33μm、開口率42%)を使って、グリーンシート(山村フォトニクス社製GCS71)に、幅5mm、長さ20mmのラインを3本印刷した。全圧1atm、水蒸気分圧0.03atmの残部窒素ガスを2L/分で供給しながら、850℃まで0.75℃/分の速度で昇温し、850℃で20分保持した。その後、水蒸気を含まない純窒素雰囲気で5℃/分の速度で室温まで冷却した。このようにして、ペーストの焼結体をセラミックス基板上に形成して、焼結体・セラミックス積層体を得た。室温まで冷却して得られた幅5mm、長さ20mmの回路の表面抵抗、及び厚みを計測し、比抵抗を3点平均で求めた。結果を表1に示す。
(手順23:テープ剥離試験)
上記手順で得られた回路と基板にカーボン両面テープ(日新EM 社製)を貼った後、JIS Z 0237:2009に従い、テープ剥離試験を引きはがし角度90°、引きはがし速度5mm/sで行い、テープの接着面に回路が付着しないかを確認した。1回の剥離試験で少なくとも一部の回路(焼結体)が基板からはがれた場合は×、2回または3回で剥がれた場合は△、4回以上で剥がれた場合は○と判定した。
(手順24:焼結体中のカップリング剤由来の金属濃度分析)
上記手順で得られた実施例及び比較例の各ペーストを、全圧1atm、水蒸気分圧0.03atmの残部窒素雰囲気、1℃/分の昇温速度で850℃まで昇温し、850℃で30分焼成し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、焼結体を得た。この焼結体を酸で溶解し、ICP発光分光分析法(日立ハイテクサイエンス社製ICP−OES)により、焼結体中のSi、Ti、及びZrの濃度を分析した。結果を表1に示す。なお、表中には、検出下限未満の元素濃度は記載していない。
Figure 2020111682
[考察]
銅粉と酸化フィラー(亜酸化銅及び/又は酸化銅)の配合比(ピーク面積比)、塗膜の表面粗さ(Ra)、及び焼成時の体積収縮率が適切であった実施例1〜16のペーストを用いた場合、水蒸気雰囲気下での焼成を行っても、導体の比抵抗が小さく、且つ、セラミックと導体間の密着性に優れた導体・セラミックス積層体が得られた。
一方、比較例1では、酸化フィラーの配合比が高すぎたことで、比抵抗が大きくなった。
比較例2では、酸化フィラーの配合比が低すぎたことで、焼結遅延性が不十分となり、セラミックと導体間の密着性が不足した。
比較例3では、使用した銅粉の固めかさ密度が大きすぎたため、塗膜の表面粗さが大きくなり、セラミックと導体間の密着性が不足した。
(手順4:実施例1〜6(但し、実施例6は参考例)1013、15、比較例1〜3の亜酸化銅粉)
50L容器に純水6L、アラビアゴム9gを添加し、液温が70℃となるように加温した。ここに硫酸銅五水和物3.49kgを添加し、350rpmで撹拌しながら、硫酸銅の結晶がすべて溶解したことを目視で確認した。ここにD−グルコース1.39kgを添加した。ここに送液ポンプで5wt%のアンモニア水溶液を300mL/分の速度でpH5に達するまで添加した。pHが5に達したら、スポイトでアンモニア水溶液を滴下し、pH8.4に上昇させた。ここから液温70±2℃、pH8.5±0.1に3時間保持した。pHの調整は水アンモニア水溶液で行った。反応終了後、デカンテーション、上澄み排出、純水での洗浄を、上澄み液のpHが8.0を下回るまで繰り返し行った。その後、吸引ろ過によって固液分離しケーキを得た。得られたケーキを、ろ過後の純水のpHが8を下回ることを目安として純水によって洗浄した。この洗浄ケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。得られた粉はXRDで亜酸化銅粉であることを確認した。手順2、手順3の手順に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。
(手順8:実施例6(参考例)の銅粉)
手順1で作製した亜酸化銅粉スラリー(25℃)に希硫酸を瞬間的に添加した。デカンテーションで粉体を沈降させ、上澄み液を抜き、純水(25℃)を7L添加し、500rpmで10分間撹拌した。上澄み液のpHが7に達するまでデカンテーションと水洗の操作を繰り返した。その後、吸引ろ過によって固液分離して、得られたケークを窒素雰囲気下で100℃で2時間乾燥した。得られた乾燥粉を乳棒乳鉢で、0.7mmの孔の篩を通るまで解砕し、ジェットミルでさらに解砕した。手順2、手順3と同様の手順に従って固めかさ密度、BET比表面積を求めた。

Claims (11)

  1. 銅粉と、亜酸化銅粉及び酸化銅粉よりなる群から選択される一方又は両方の酸化フィラーと、バインダー樹脂と、分散媒とを含む導電性組成物であって、
    前記導電性組成物を25μmギャップのアプリケーターを用いて5cm/秒の移動速度でスライドガラス上に塗布し、120℃で10分間乾燥させた後の塗膜の、触針式粗さ計による塗工方向の算術平均粗さRaが0.2μm以下であって、
    前記塗膜のXRDにおいて、(111)面における銅粉に対応するピーク面積に対する、(111)面における前記酸化フィラーに対応するピーク面積の比率が、0.05〜0.5であって、
    前記塗膜を解砕して得られる0.5gの粉から、4.7±0.2gcm-3の密度の直径5mmの円柱状の圧粉体を成形し、98mNの負荷を圧粉体の上底面に与えながら、全圧1atm、水蒸気分圧0.05atmの残部窒素雰囲気で1℃/分の昇温速度でTMA測定したときの650℃における体積収縮率が15%以下である、
    導電性組成物。
  2. 前記導電性組成物を全圧1atm、水蒸気分圧0.03atmの残部窒素雰囲気、1℃/分の昇温速度で850℃まで昇温し、850℃で30分焼成して得られる焼結体をICP発光分光分析法により測定したときのSi、Ti、Al及びZrの合計濃度が1000〜10000質量ppmである請求項1に記載の導電性組成物。
  3. 前記導電性組成物を全圧1atm、水蒸気分圧0.03atmの残部窒素雰囲気、850℃まで0.75℃/分の速度で昇温し、850℃で20分焼成して得られる焼結体の比抵抗が3.0μΩ・cm以下である請求項1又は2に記載の導電性組成物。
  4. 前記銅粉及び/又は前記酸化フィラーは、カップリング剤で表面処理されている請求項1〜3の何れか一項に記載の導電性組成物。
  5. 銅粉と、亜酸化銅粉及び酸化銅粉よりなる群から選択される一方又は両方の酸化フィラーと、バインダー樹脂と、分散媒とを混練することを含む請求項1〜4の何れか一項に記載の導電性組成物の製造方法。
  6. 前記銅粉は、固めかさ密度が3.0g/cm3以下である請求項5に記載の導電性組成物の製造方法。
  7. 前記銅粉のBET比表面積に対する前記酸化フィラーのBET比表面積の比率が、0.2〜3.0である請求項5又は6に記載の製造方法。
  8. 前記銅粉及び前記酸化フィラーの合計質量に対する前記酸化フィラーの質量の比率が、0.05〜0.35である請求項5〜7の何れか一項に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜4の何れか一項に記載の導電性組成物を使用して製造されたセラミックと導体の複合体。
  10. 請求項1〜4の何れか一項に記載の導電性組成物を使用して製造された積層セラミックコンデンサー。
  11. 請求項1〜4の何れか一項に記載の導電性組成物を使用して製造されたセラミック回路基板。
JP2019003894A 2019-01-11 2019-01-11 導電性組成物 Active JP7002483B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019003894A JP7002483B2 (ja) 2019-01-11 2019-01-11 導電性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019003894A JP7002483B2 (ja) 2019-01-11 2019-01-11 導電性組成物

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020087758A Division JP2020126855A (ja) 2020-05-19 2020-05-19 導電性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020111682A true JP2020111682A (ja) 2020-07-27
JP7002483B2 JP7002483B2 (ja) 2022-01-20

Family

ID=71665704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019003894A Active JP7002483B2 (ja) 2019-01-11 2019-01-11 導電性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7002483B2 (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01236512A (ja) * 1988-03-16 1989-09-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層セラミック体用内部電極ペースト
JPH01236513A (ja) * 1988-03-16 1989-09-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層セラミック体用内部電極ペースト
JP2010059001A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Dowa Electronics Materials Co Ltd 亜酸化銅粉末およびその製造方法
JP2010108917A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Mitsuboshi Belting Ltd スルーホール充填用銅導体ペースト、銅導体スルーホール充填基板の製造方法、銅導体スルーホール充填基板、回路基板、電子部品、半導体パッケージ
JP2015036444A (ja) * 2013-08-13 2015-02-23 Jx日鉱日石金属株式会社 表面処理された金属粉の製造方法
JP2015036440A (ja) * 2013-08-13 2015-02-23 Jx日鉱日石金属株式会社 表面処理された金属粉、及びその製造方法
JP2015132000A (ja) * 2014-01-14 2015-07-23 Jx日鉱日石金属株式会社 表面処理された銅粉及びその製造方法
JP2017066269A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 Dowaエレクトロニクス株式会社 導電膜形成用塗料および導電膜の製造方法
JP2017133083A (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 住友金属鉱山株式会社 銅粉末の製造方法及び導電ペーストの製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01236512A (ja) * 1988-03-16 1989-09-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層セラミック体用内部電極ペースト
JPH01236513A (ja) * 1988-03-16 1989-09-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層セラミック体用内部電極ペースト
JP2010059001A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Dowa Electronics Materials Co Ltd 亜酸化銅粉末およびその製造方法
JP2010108917A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Mitsuboshi Belting Ltd スルーホール充填用銅導体ペースト、銅導体スルーホール充填基板の製造方法、銅導体スルーホール充填基板、回路基板、電子部品、半導体パッケージ
JP2015036444A (ja) * 2013-08-13 2015-02-23 Jx日鉱日石金属株式会社 表面処理された金属粉の製造方法
JP2015036440A (ja) * 2013-08-13 2015-02-23 Jx日鉱日石金属株式会社 表面処理された金属粉、及びその製造方法
JP2015132000A (ja) * 2014-01-14 2015-07-23 Jx日鉱日石金属株式会社 表面処理された銅粉及びその製造方法
JP2017066269A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 Dowaエレクトロニクス株式会社 導電膜形成用塗料および導電膜の製造方法
JP2017133083A (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 住友金属鉱山株式会社 銅粉末の製造方法及び導電ペーストの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7002483B2 (ja) 2022-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101730305B1 (ko) 금속 분말 페이스트, 및 그 제조 방법
JP6212480B2 (ja) 金属粉ペースト、及びその製造方法
EP3034201B1 (en) Method for producing surface-treated metal powder
JP5986117B2 (ja) 表面処理された金属粉、及びその製造方法
JP6297018B2 (ja) 表面処理された金属粉、及びその製造方法
JP2013171745A (ja) 銅粉ペースト、及びその製造方法
JP2015036440A (ja) 表面処理された金属粉、及びその製造方法
JP2020111682A (ja) 導電性組成物
JP2020126855A (ja) 導電性組成物
JP6866408B2 (ja) 表面処理された金属粉及び導電性組成物
JP5977267B2 (ja) 表面処理された金属粉、及びその製造方法
JP6754852B2 (ja) 導電性組成物
JP5986046B2 (ja) 表面処理された金属粉、及びその製造方法
JP5869538B2 (ja) 表面処理された金属粉の製造方法
JP2020129558A (ja) 導電性組成物
JP6637201B1 (ja) セラミックと導体の複合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190319

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190319

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200110

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200317

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200519

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200519

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200528

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200602

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20200828

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20200901

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210323

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210413

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20211005

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20211102

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20211207

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20211207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211227

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7002483

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151