JP2020111149A - シートベルト装置 - Google Patents

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Yusuke Kano
祐輔 加納
智哉 西多
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智哉 西多
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Akira Iwasaki
明 岩崎
悠 揚村
Yu Agemura
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Abstract

【課題】ウェビングを巻き取るためのモータおよびプリテンショナを備えるシートベルト装置において、プリテンショナの作動がモータに与える影響を最小限に抑制する。【解決手段】ウェビング41と、リトラクタ50とを備えるシートベルト装置において、リトラクタ50が、スプール51と、スプール51をドリブンギヤ64を介して回転させるモータ61と、スプール51を強制的に回転させるプリテンショナ機構70とを備え、ドリブンギヤ64が、モータ61の回転に連動して回転するアウタギヤ641と、スプール51と一体的に回転するインナギヤ642と、インナギヤ642に取り付けられ、アウタギヤ641と着脱可能に噛み合うクラッチ643と、プリテンショナ機構70の作動によるインナギヤ642の回転に伴いクラッチ643をアウタギヤ641から離反させるバネ644およびウェイト645を含むようにした。【選択図】図4A

Description

本発明は、自動車等の車両に装備されるシートベルト装置に関する。
下記特許文献1には、ベルトリールと、ベルトリールを回転駆動するモータ及びプリテンショナとを含むシートベルトリトラクタを備えるシートベルト装置において、車体が備える衝突予測部が衝突を予測した場合にモータを正回転させてシートベルトを巻き取る一方、モータの逆回転を検出することによりプリテンショナがシートベルトの巻き取りを完了したか否かを判定するようにしたものが開示されている。
特開2011−93431号公報
上述したシートベルト装置の巻取り機構にモータ及びプリテンショナを備える技術においては、モータとプリテンショナとが、ベルトリールを介して接続された状態となるため、プリテンショナの作動時には、モータが通常時に比較して高速に回転することとなり、逆起電力が発生し、過大な電流が流れて回路やモータの損傷につながるおそれがあるという問題があった。また、ベルトリールとモータとを連結するギヤにも負荷がかかるため、ギヤの損傷につながるおそれがあるという問題もあった。
このようなことから本発明は、ウェビングを巻き取るためのモータおよびプリテンショナを備えるシートベルト装置において、プリテンショナの作動がモータに与える影響を最小限に抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係るシートベルト装置は、乗員をシートに拘束するウェビングと、前記ウェビングの引出量を調整可能なリトラクタとを備えるシートベルト装置において、前記リトラクタが、車両に固定された筺体に回転可能に支持されるとともに前記ウェビングの一端が固定されて前記ウェビングを巻き取り可能なスプールと、前記スプールを動力伝達機構を介して回転させるモータと、前記スプールを強制的に回転させて前記ウェビングを巻き取るプリテンショナ機構と、を備え、前記動力伝達機構が、前記スプールと同軸に前記スプールに取り付けられたギヤを含み、前記ギヤが、前記スプールに対して相対的に回転可能であって前記モータの回転に連動して回転するアウタギヤと、前記アウタギヤと同軸に設けられ、前記スプールと一体的に回転するインナギヤと、前記インナギヤに取り付けられ、前記アウタギヤと着脱可能に噛み合うクラッチと、前記プリテンショナ機構の作動による前記インナギヤの回転に伴い前記クラッチを前記アウタギヤから離反させる係合解除手段とを含むことを特徴とする。
また、第2の発明に係るシートベルト装置は、第1の発明において、前記係合解除手段は、前記インナギヤと前記クラッチとの間に介在して前記クラッチを前記アウタギヤ側へ付勢する弾性体と、前記インナギヤの回転に伴う遠心力により少なくとも径方向外側へ移動して前記弾性体の付勢力に抗して前記クラッチの前記アウタギヤとの噛み合い部を前記アウタギヤから離反させて前記クラッチと前記アウタギヤとの係合状態を解除する錘とを含むことを特徴とする。
また、第3の発明に係るシートベルト装置は、第2の発明において、前記アウタギヤは、有底の筒状をなし、筒状部の内周面に周方向に沿って複数の第一の溝を備え、前記インナギヤは、円盤状をなして前記筒状部に挿通され、軸方向一端面に直径方向に延びて一端が外周面に達する第二の溝を備え、前記クラッチは、柱状をなして前記第二の溝内に径方向に移動可能に配置され、前記弾性体は、前記第二の溝と前記クラッチとの間に前記クラッチを径方向に押圧するように配設され、前記錘は、前記弾性体と前記インナギヤの回転中心との間で前記クラッチに固定されていることを特徴とする。
また、第4の発明に係るシートベルト装置は、第3の発明において、前記第一の溝及び前記クラッチの前記アウタギヤとの噛み合い部が、曲面状に形成されていることを特徴とする。
また、第5の発明に係るシートベルト装置は、第2の発明において、前記アウタギヤは、有底の筒状をなし、筒状部の軸方向一端面に周方向に沿って複数の第一の溝を備え、前記インナギヤは、円盤状をなして前記筒状部に挿通され、軸方向一端面に周方向に沿って複数の第二の溝を備えるとともに、前記第二の溝の径方向外側から軸方向に向かって突出する複数の突起部を備え、前記クラッチは、柱状をなして前記第二の溝から前記アウタギヤにわたって対向するように周方向に複数配設され、前記ギヤの軸心側を中心として前記アウタギヤに接触および離反可能に前記インナギヤに軸支されると共に、前記突起部に係合する穴部と、前記第一の溝に係合する突出部とを有し、前記弾性体は、前記インナギヤの軸方向一端面と前記クラッチの前記インナギヤに対向する面との間に前記クラッチを前記インナギヤ側に付勢するように配設され、前記錘は、球状をなして前記第二の溝と前記クラッチとの間に配設され、前記第二の溝は、径方向外側へ向かうにしたがって浅くなるように形成されていることを特徴とする。
また、第6の発明に係るシートベルト装置は、第5の発明において、前記第二の溝は、軸方向他端側に向かって膨出するように、曲面状に形成されていることを特徴とする。
また、第7の発明に係るシートベルト装置は、第5又は第6の発明において、前記第一の溝及び前記突出部が、曲面状に形成されていることを特徴とする。
本発明に係るシートベルト装置によれば、ウェビングを巻き取るためのモータおよびプリテンショナを備えるシートベルト装置において、プリテンショナの作動がモータに与える影響を最小限に抑制することができる。
本発明の実施例1に係るシートベルト装置を有する車両を示す概略図である。 本発明の実施例1に係るシートベルト装置を示す概略図である。 図2に示したシートベルト装置のA−A線矢視図である。 本発明の実施例1に係るシートベルト装置の通常回転時におけるドリブンギヤの状態を示す概略図である。 本発明の実施例1に係るシートベルト装置の高速回転時におけるドリブンギヤの状態を示す概略図である。 図4Aに示したドリブンギヤの縦断面図である。 本発明の実施例2に係るシートベルト装置のドリブンギヤを示す概略図である。 図6に示すドリブンギヤの通常回転時の状態を示す概略図である。 図6に示すドリブンギヤの高速回転時の状態を示す概略図である。
以下、本発明に係るシートベルト装置の実施の形態について、図1〜図7Bを参照して説明を行う。
[実施例1]
図1から図5を用いて本発明の実施例1に係るシートベルト装置について説明する。
図1に示すように、本実施例のシートベルト装置40は、自動車等の車両10に装備され、乗員11のシート(図示省略)からの飛び出しをウェビング41で阻止して、乗員11を保護する安全装置である。
シートベルト装置40は、後述の図2及び図3に示すように、モータ61を備えており、このモータ61の動作を含めて、シートベルト制御装置20により制御されている。このシートベルト制御装置20には、少なくとも、乗員情報センサ、車両情報センサ及び衝突予測センサを有するセンサ部30が接続されており、シートベルト制御装置20は、これらのセンサからの入力に基づいて、シートベルト装置40を制御している。
なお、ここで、乗員情報センサは、例えば、乗員11の重量を測定する乗員重量センサや乗員11の着座位置を検出するシートポジションセンサ等であり、車両情報センサは、例えば、車両10の速度を検出する車両速度センサ等であり、衝突予測センサは、例えば、衝突対象物を検知するレーダ、ソナー、カメラ等である。
次に、図2及び図3を参照して、シートベルト装置40の構成を説明する。シートベルト装置40は、乗員11をシートに拘束するウェビング41と、ウェビング41の引出量を調整可能な巻き取り装置であるリトラクタ50を有している。
リトラクタ50は、スプール51とロックホイール52とELRホイール53とトーションバー54とを有している。
スプール51は、概ね円筒状に形成されて、リトラクタ50の筐体50aに回転可能に支持されている。ウェビング41の一端がスプール51に固定されており、バネ(不図示)の付勢力によりスプール51が回転することにより、ウェビング41を巻き取ることになる。スプール51の両方の端部51a、51bは、ウェビング41を巻き取る部分と比較して、大径に形成されており、ウェビング41を巻き取る際のガイドとなっている。
ロックホイール52は、概ね円盤状に形成されて、筐体50aに回転可能に支持されている。ロックホイール52は、引出加速度検知部55によりウェビング41の引出加速度が所定値を超えたと検知されたとき、及び、ロックホイール52にELRホイール53に対するウェビング引き出し方向の相対的な回転力が生じたときに、ロックホイールロック部材56により回転を阻止されるように構成されている。
ELRホイール53は、概ね円盤状に形成されて、ロックホイール52の軸方向外側に配設され、筐体50aにロックホイール52と共に回転可能に支持されている。ELRホイール53は、車体加速度検知部57により車両10の車体加速度が所定値を超えたと検知されたときに、ELRホイールロック部材58により回転を阻止されるように構成されている。
トーションバー54は、スプール51に挿通され、一端がロックホイール52に支持されると共に、他端が端部51aに支持されている。つまり、リトラクタ50において、スプール51とロックホイール52との間で、トーションバー54を介した回転運動(回転力)が伝達されるようになっている。
本実施例においては、ロックホイール52、ELRホイール53、引出加速度検知部55、ロックホイールロック部材56、車体加速度検知部57、ELRホイールロック部材58等によりELR機構が構成される。
加えて、本実施例においては、ドライブギヤ62、カウンタギヤ63及びドリブンギヤ64を介して、モータ61の回転力がスプール51に伝達されるように構成されている。モータ61は、モータ駆動制御装置(不図示)を介して、シートベルト制御装置20に接続されて、制御されている。なお、ここでは、ウェビング引き込み方向となるモータ61の回転を正回転とし、ウェビング引き出し方向となるモータ61の回転を逆回転とする。
具体的には、モータ61は、筐体50aに取り付けられており、モータ61の出力軸にドライブギヤ62が取り付けられている。カウンタギヤ63は、筐体50aに回転可能に支持されて、ドライブギヤ62とドリブンギヤ64の間に配置されると共に、ドライブギヤ62とドリブンギヤ64に噛み合うように配置されている。ドリブンギヤ64は、スプール51と同軸にスプール51に取り付けられている。つまり、ドライブギヤ62、カウンタギヤ63及びドリブンギヤ64は、モータ61の動力伝達機構となっている。
なお、モータ駆動制御装置は、モータ61の正回転、逆回転と、トルク調整(定電流回路の電流調整)または無負荷(回路遮断)を制御可能なものである。例えば、PWM制御回路、Hブリッジ回路、コンパレータ(オペアンプ)定電流回路などが使用可能である。このようなモータ駆動制御装置を用いることにより、ウェビング41の引出し量や引出し速度によらず、一定のトルクを作用させることができる。
また、ドリブンギヤ64の軸方向外側には、リングギヤ71、ケース72、ボール73、ガスジェネレータ(不図示)等を有するプリテンショナ機構70が配設されている。具体的には、リングギヤ71は、スプール51と同軸にドリブンギヤ64に取り付けられ、ケース72内には、複数のボール73が環状に配置されている。そして、プリテンショナ機構70は、車両10の衝突時にガスジェネレータを爆発駆動することで、複数のボール73を押し出し、押し出された複数のボール73の押圧力により、リングギヤ71を回転させており、これにより、瞬時にスプール51をウェビング引き込み方向に回転させて、ウェビング41を巻き取り、ウェビング張力を増加させている。
ここでは、上述した構成のプリテンショナ機構70を例示したが、プリテンショナ機構70としては、他の公知の構成を利用してもよい。
次に、図4Aから図5を参照して、本実施例のドリブンギヤ64の構成を説明する。本実施例においてドリブンギヤ64は、アウタギヤ641と、インナギヤ642と、噛み合いクラッチ643とを含んで構成されている。
アウタギヤ641は、有底の筒状をなし、その底部(以下、アウタギヤ底部と称する)641aの軸心がスプール回転軸51cに回転自在に支持されてスプール51に対して相対的に回転可能となっているとともに、その円筒部(以下、アウタギヤ円筒部と称する)641bの内周面には周方向に沿って複数の第一の溝(以下、アウタギヤ溝と称する)641cが形成されている。アウタギヤ溝641cは、その底部及び周方向に隣り合うアウタギヤ溝641cとの間が曲面状(R形状)に形成されている。このアウタギヤ641はカウンタギヤ63と噛み合っている。
インナギヤ642は、円盤状をなしてアウタギヤ円筒部641bに隙間を介して挿通され、その軸心がスプール回転軸51cに当該スプール回転軸51cと一体的に回転可能に支持されているとともに、その軸方向一端面(図5に示す例では、アウタギヤ底部641aとは反対側の面)642aに第二の溝(以下、インナギヤ溝と称する)642bが形成されている。インナギヤ溝642bは、インナギヤ642の軸心を通り径方向に沿って延びるように形成され、その径方向一端側がインナギヤ642の外周面に達している一方、径方向他端側がインナギヤ642の外周面から離間している。
噛み合いクラッチ643は、柱状に形成されており、インナギヤ溝642bの内部に径方向に移動可能に配置されて、アウタギヤ641と着脱可能に噛み合うように構成されている。すなわち、噛み合いクラッチ643の長手方向の長さはインナギヤ642の直径よりも短く、その長手方向一端部(以下、噛み合い部という)643aはアウタギヤ溝641cに相似したR形状に形成されて、アウタギヤ溝641cに対して抜き差しができるようになっている。さらに、噛み合いクラッチ643にはスプール回転軸51cを挿通する貫通孔643cが形成されている。貫通孔643cは噛み合いクラッチ643の長手方向に沿って延びる長穴となっている。
また、噛み合いクラッチ643の長手方向他端部643bとインナギヤ溝642bの径方向他端部との間には弾性体としてのバネ644が取り付けられている。噛み合いクラッチ643はその噛み合い部643aがアウタギヤ溝641c側へ突出するようにバネ644によって付勢(押圧)されている。また、噛み合いクラッチ643の長手方向他端部643bと貫通孔643cとの間には錘としてのウェイト645が固定されている。
ここで、バネ644の弾性力およびウェイト645の重量は、通常のスプール51の回転時(例えば、乗員によりウェビング41が引き出される場合やモータ61によりウェビング41をスプール51に巻き取る場合)と、プリテンショナ機構70の作動によるスプール51の回転時とで、噛み合いクラッチ643の径方向の位置が変化するように設定されている。具体的には、通常のスプール51の回転時には、図4Aに示すようにウェイト645にかかる遠心力F1に対して噛み合いクラッチ643にかかる遠心力F2とバネ反力F3との和が大きくなって(遠心力F1<遠心力F2+バネ反力F3)、噛み合いクラッチ643がインナギヤ溝642bから突出してアウタギヤ溝641cに係合し、プリテンショナ機構70の作動によるスプール51の回転時には、図4Bに示すようにウェイト645にかかる遠心力F1に対して噛み合いクラッチ643に掛かる遠心力F2とバネ反力F3との和が小さくなって(遠心力F1>遠心力F2+バネ反力F3)、噛み合いクラッチ643がインナギヤ溝642b内に収納されてアウタギヤ溝641cとの係合状態が解除されるようになっている。つまり、バネ644およびウェイト645は係合解除手段となっている。
次に、本実施例のシートベルト装置40の動作について、通常時及び衝突前と衝突時及び衝突後に分けて説明を行う。
(通常時及び衝突前)
乗員11が車両10に乗り込んで、シートベルト着用のために、ウェビング41を初期位置から引き出すとき、シートベルト制御装置20は、モータ61を停止状態としている。そのため、乗員11は、容易にウェビング41を引き出すことができる。
そして、ウェビング41のタングをバックル(共に不図示)に取り付けると、シートベルト制御装置20は、バックルに設けたスイッチのオン状態を検知し、モータ61を正回転方向に駆動して、ウェビング張力が所定の張力となるように、ウェビング41を所定量巻き戻している。これにより、シートベルトの弛みを除去することができる。
また、ウェビング41のタングをバックルから取り外すと、シートベルト制御装置20は、バックルに設けたスイッチのオフ状態を検知し、モータ61を正回転方向に駆動して、ウェビング41を初期位置まで巻き戻している。これにより、ウェビング41を迅速且つ確実に巻き戻すことになり、シートベルト着脱時の補助を行うことができる。
このように、乗員によりウェビング41が引き出される場合やモータ61によりウェビング41をスプール51に巻き取る場合、スプール51の回転に伴ってインナギヤ642が回転し、これに伴って図4Aに示すように噛み合いクラッチ643を介してアウタギヤ641が回転する。
また、シートベルト着用時において、センサ部30の車両情報センサにより、急制動や急旋回等の緊急動作が発生したと検知した場合やセンサ部30の衝突予測センサにより、衝突対象物を検知して、衝突を予測した場合には、シートベルト制御装置20は、プリテンショナ機構70を作動させて、ウェビング41をスプール51に巻き取る。これにより、乗員11への危険報知を行うと共に、シートベルト着用時の乗員11の姿勢の適正化を図ることができ、その後、衝突が発生した場合には、乗員11を強く拘束して、乗員11を確実に保護することができる。
このとき、プリテンショナ機構70の作動によるスプール51の回転に伴ってインナギヤ642が回転し、これに伴って図4Aに示すように噛み合いクラッチ643を介してアウタギヤ641が一時的に回転するが、スプール51の回転速度が高速になると、図4Bに示すように噛み合いクラッチ643はその全体がインナギヤ溝642b内に収納され、これによりアウタギヤ641とインナギヤ642との連結が解除されて、モータ61にスプール51の回転が伝達されることが防止される。
その後、ウェビング41の巻き取りが完了してスプール51の回転が止まると、バネ644の反力により噛み合いクラッチ643はその噛み合い部643aがインナギヤ642から径方向外側へ突出するので、再度アウタギヤ溝641cに噛み合って、インナギヤ642がアウタギヤ641、カウンタギヤ63、ドライブギヤ62を介してモータ61の出力軸に連結された状態となる。
(衝突時及び衝突後)
ここでは、図3を参照して説明を行う。衝突時においては、ウェビング41を引き出すために必要な力であるシートベルト引出荷重(ベルト荷重)Fbを、トーションバー54をねじり変形させる力Ftに加えて、モータ61のトルクによる力Fmを用いることで、ベルト荷重Fb(=力Ft±力Fm)を柔軟に設定して、最適なベルト荷重Fbになるようにする。なお、図3では、モータ61の正回転時における力Fmの例を示している。
例えば、衝突時にシートベルト制御装置20がモータ61を逆回転方向に駆動することにより、ウェビング41を引き出す方向の力Fmを作用させるように制御することができ、これにより、ベルト荷重Fb=力Ft+力Fmを設定して、乗員11から見たベルト荷重Fbをトーションバー54のねじり変形による力Ftよりも大きくすることができる。
このとき、噛み合いクラッチ643はアウタギヤ641のアウタギヤ溝641cに噛み合って、モータ61の駆動力が、ドライブギヤ62、カウンタギヤ63、アウタギヤ641、噛み合いクラッチ643、インナギヤ642を介してスプール51に伝達されることとなる。
このように、本実施例に係るシートベルト装置によれば、通常のスプール51の回転時には、噛み合いクラッチ643を介してアウタギヤ641とインナギヤ642とが連結されることでモータ61とスプール51との間で動力が伝達されるのに対し、プリテンショナ機構70の作動によるスプール51の高速回転時には、アウタギヤ641とインナギヤ642との連結が解除されてスプール51とモータ61との間の動力の伝達が遮断されるので、モータ61が高速回転することによる逆起電力の発生に起因して回路やモータ61が損傷することを防止できる。また、ドライブギヤ62、カウンタギヤ63、ドリブンギヤ64に過剰な負荷がかかることを抑制してこれらが損傷することを防止することもできる。
更に、アウタギヤ溝641c及び噛み合いクラッチ643の噛み合い部643aをR形状としたことにより、アウタギヤ溝641cに対する噛み合いクラッチ643の抜き差しを円滑に行うことができる。
また、バネ644の反力とウェイト645に作用する遠心力とを利用することにより、スプール51の回転方向に関係なく、その回転速度に応じてアウタギヤ641とインナギヤ642との連結及び連結解除を行うことができるという利点も有する。
なお、本実施例ではアウタギヤ溝641c及び噛み合いクラッチ643の噛み合い部643aをR形状とする例を示したが、アウタギヤ溝641c及び噛み合いクラッチ643の噛み合い部643aは、噛み合い部643aをアウタギヤ溝641cに抜き差しすることができれば他の形状であってもよい。
[実施例2]
図6から図7Bを用いて本発明の実施例2に係るシートベルト装置について説明する。
図6から図7Bに示すように、本実施例のシートベルト装置は、実施例1で説明したドリブンギヤ64に代えて、図6から図7Bに示すドリブンギヤ84を適用するものである。その他の構成は実施例1と同様であり、以下、実施例1において説明した部材と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図6から図7Bに示すように、本実施例においてドリブンギヤ84は、アウタギヤ841と、インナギヤ842と、噛み合いクラッチ843とを含んで構成されている。
アウタギヤ841は、有底の筒状をなし、その底部(以下、アウタギヤ底部と称する)841aの軸心がスプール回転軸51cに回転自在に支持され、その円筒部(以下、アウタギヤ円筒部と称する)841bの軸方向端面には周方向に沿って複数の第一の溝(以下、アウタギヤ溝と称する)841cが形成されている。アウタギヤ溝841cは径方向に沿って半円状(R形状)に形成されている。このアウタギヤ841はカウンタギヤ63と噛み合っている。
インナギヤ842は、円盤状をなしてアウタギヤ円筒部841bに隙間を介して挿通され、その軸心がスプール回転軸51cに当該スプール回転軸51cと一体的に回転可能に支持されている。インナギヤ842には、軸方向一端面(アウタギヤ底部841aとは反対側の面)842aの径方向外側に周方向に沿って複数(図6に示す例では4つ)の第二の溝(以下、インナギヤ溝と称する)842bが形成されている。インナギヤ溝842bは、長手方向が径方向に沿うように形成され、その深さは径方向内側に向かうにしたがって深くなっており、その底面は軸方向他端面側に膨出する曲面となっている。また、インナギヤ842には、インナギヤ溝842bの径方向外側から軸方向に向かって突出する突起部842cが設けられている。
噛み合いクラッチ843は、柱状に形成されており、その長手方向一端側は段部843aを介して長手方向他端側よりも板厚が薄くなっている。噛み合いクラッチ843は、その長手方向が径方向に沿うように且つ段部843aがインナギヤ溝842bに対向するように配置され、その長手方向一端側が、スプール回転軸51cとインナギヤ溝642bとの間で、スプール回転軸51cの接線方向に平行な軸周りに回動可能に取り付けられている。
噛み合いクラッチ843の長手方向他端側は、アウタギヤ841に対向するように、インナギヤ842よりも径方向外側に突出しており、このアウタギヤ841に対向する部分には、アウタギヤ841側に突出してアウタギヤ溝841cに噛み合う突出部843dが設けられている。突出部843dは、アウタギヤ溝841cと相似するように径方向に沿って半円状に突出している。
また、噛み合いクラッチ843には、突起部842cと対向する位置に突起部842cを挿通可能な穴部(以下、噛み合いクラッチ溝と称する)843eが形成されている。
この噛み合いクラッチ843は、噛み合いクラッチ843とインナギヤ842との間に取り付けられた弾性体としてのバネ844によってアウタギヤ841側に付勢されている。本実施例においてバネ844は、噛み合いクラッチ843の長手方向一端側と段部843aとの間に配設されている。
さらに、インナギヤ溝842bと噛み合いクラッチ843との間には、球状の錘としてのウェイト845が移動自在に配設されている。
ここで、バネ844の弾性力およびウェイト845の重量は、通常のスプール51の回転時と、プリテンショナ機構70の作動によるスプール51の高速回転時とで、アウタギヤ841と噛み合いクラッチ843との係合状態が変化するように設定されている。具体的には、通常のスプール51の回転時には、ウェイト845にかかる遠心力によりウェイト845が噛み合いクラッチ843を軸方向に押圧する力に対し、バネ反力が大きくなって、図7Aに示すようにアウタギヤ841と噛み合いクラッチ843とが係合し、プリテンショナ機構70の作動によるスプール51の高速回転時には、ウェイト845にかかる遠心力によりウェイト845が噛み合いクラッチ843を軸方向に押圧する力に対し、バネ反力が小さくなって、図7Bに示すようにアウタギヤ841と噛み合いクラッチ843との係合状態が解除されるように構成されている。
次に、本実施例のシートベルト装置40の動作について、通常時及び衝突前と衝突時及び衝突後に分けて実施例1と異なる部分のみ説明を行う。
(通常時及び衝突前)
シートベルト着用時において、センサ部30の車両情報センサにより、急制動や急旋回等の緊急動作が発生したと検知した場合やセンサ部30の衝突予測センサにより、衝突対象物を検知して、衝突を予測した場合に、シートベルト制御装置20により、プリテンショナ機構70を作動させて、ウェビング41をスプール51に巻き取るとき、プリテンショナ機構70の作動によるスプール51の回転に伴ってインナギヤ842が回転し、これに伴って図7Aに示すように噛み合いクラッチ843を介してアウタギヤ841が一時的に回転するが、スプール51の回転速度が高速になると、図7Bに示すように、噛み合いクラッチ843の突出部843dがアウタギヤ溝841cから離反し、これによりアウタギヤ841とインナギヤ842との連結が解除されて、モータ61にスプール51の回転が伝達されることが防止される。
その後、ウェビング41の巻き取りが完了してスプール51の回転が止まると、バネ844の反力により噛み合いクラッチ843はその突出部843dが再度アウタギヤ溝841cに噛み合って、インナギヤ842がアウタギヤ841、カウンタギヤ63、ドライブギヤ62を介してモータ61の出力軸に連結された状態となる。
(衝突時及び衝突後)
衝突時にシートベルト制御装置20がモータ61を正回転方向に駆動することにより、ウェビング41を引き出す方向の力Fmを作用させるように制御するとき、噛み合いクラッチ843はアウタギヤ841のアウタギヤ溝841cに噛み合って、モータ61の駆動力が、ドライブギヤ62、カウンタギヤ63、アウタギヤ841、噛み合いクラッチ843、インナギヤ842を介してスプール51に伝達されることとなる。
このように、本実施例に係るシートベルト装置によれば、通常のスプール51の回転時には、噛み合いクラッチ843を介してアウタギヤ841とインナギヤ842とが連結されることでモータ61とスプール51との間で動力が伝達されるのに対し、プリテンショナ機構70の作動によるスプール51の高速回転時には、アウタギヤ841とインナギヤ842との連結が解除されてスプール51とモータ61との間の動力の伝達が遮断されるので、モータ61が高速回転することによる逆起電力の発生に起因して回路やモータ61が損傷することを防止できる。また、ドライブギヤ62、カウンタギヤ63、ドリブンギヤ84に過剰な負荷がかかることを抑制してこれらが損傷することを防止することもできる。
また、突起部842c及び噛み合いクラッチ溝843eを設けたことにより、ウェイト845をインナギヤ溝842bと噛み合いクラッチ843との間に移動可能に保持することができるという利点も有する。
なお、本実施例では、アウタギヤ溝841cおよび突出部843dを半円状に形成する例を示したが、アウタギヤ溝841cおよび突出部843dは、突出部843dをアウタギヤ溝841cに係合・離反させることができれば他の形状であってもよい。また、噛み合いクラッチ溝843eは噛み合いクラッチ843を貫通していてもよい。
10 車両
11 乗員
40 シートベルト装置
41 ウェビング
50 リトラクタ
50a 筺体
51 スプール
61 モータ
62 ドライブギヤ
63 カウンタギヤ
64,84 ドリブンギヤ
641,841 アウタギヤ
641b,841b 円筒部
641c,841c アウタギヤ溝
642,842 インナギヤ
642a,842a 軸方向一端面
642b,842b インナギヤ溝
643,843 噛み合いクラッチ
644,844 バネ
645,845 ウェイト
842c 突起部
843d 突出部
843e 噛み合いクラッチ溝

Claims (7)

  1. 乗員をシートに拘束するウェビングと、前記ウェビングの引出量を調整可能なリトラクタとを備えるシートベルト装置において、
    前記リトラクタが、
    車両に固定された筺体に回転可能に支持されるとともに前記ウェビングの一端が固定されて前記ウェビングを巻き取り可能なスプールと、
    前記スプールを動力伝達機構を介して回転させるモータと、
    前記スプールを強制的に回転させて前記ウェビングを巻き取るプリテンショナ機構と、
    を備え、
    前記動力伝達機構が、前記スプールと同軸に前記スプールに取り付けられたギヤを含み、
    前記ギヤが、
    前記スプールに対して相対的に回転可能であって前記モータの回転に連動して回転するアウタギヤと、
    前記アウタギヤと同軸に設けられ、前記スプールと一体的に回転するインナギヤと、
    前記インナギヤに取り付けられ、前記アウタギヤと着脱可能に噛み合うクラッチと、
    前記プリテンショナ機構の作動による前記インナギヤの回転に伴い前記クラッチを前記アウタギヤから離反させる係合解除手段と
    を含むことを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記係合解除手段は、
    前記インナギヤと前記クラッチとの間に介在して前記クラッチを前記アウタギヤ側へ付勢する弾性体と、
    前記インナギヤの回転に伴う遠心力により少なくとも径方向外側へ移動して前記弾性体の付勢力に抗して前記クラッチの前記アウタギヤとの噛み合い部を前記アウタギヤから離反させて前記クラッチと前記アウタギヤとの係合状態を解除する錘と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  3. 前記アウタギヤは、有底の筒状をなし、筒状部の内周面に周方向に沿って複数の第一の溝を備え、
    前記インナギヤは、円盤状をなして前記筒状部に挿通され、軸方向一端面に直径方向に延びて一端が外周面に達する第二の溝を備え、
    前記クラッチは、柱状をなして前記第二の溝内に径方向に移動可能に配置され、
    前記弾性体は、前記第二の溝と前記クラッチとの間に前記クラッチを径方向に押圧するように配設され、
    前記錘は、前記弾性体と前記インナギヤの回転中心との間で前記クラッチに固定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のシートベルト装置。
  4. 前記第一の溝及び前記クラッチの前記アウタギヤとの噛み合い部が、曲面状に形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のシートベルト装置。
  5. 前記アウタギヤは、有底の筒状をなし、筒状部の軸方向一端面に周方向に沿って複数の第一の溝を備え、
    前記インナギヤは、円盤状をなして前記筒状部に挿通され、軸方向一端面に周方向に沿って複数の第二の溝を備えるとともに、前記第二の溝の径方向外側から軸方向に向かって突出する複数の突起部を備え、
    前記クラッチは、柱状をなして前記第二の溝から前記アウタギヤにわたって対向するように周方向に複数配設され、前記ギヤの軸心側を中心として前記アウタギヤに接触および離反可能に前記インナギヤに軸支されると共に、前記突起部に係合する穴部と、前記第一の溝に係合する突出部とを有し、
    前記弾性体は、前記インナギヤの軸方向一端面と前記クラッチの前記インナギヤに対向する面との間に前記クラッチを前記インナギヤ側に付勢するように配設され、
    前記錘は、球状をなして前記第二の溝と前記クラッチとの間に配設され、
    前記第二の溝は、径方向外側へ向かうにしたがって浅くなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のシートベルト装置。
  6. 前記第二の溝は、軸方向他端側に向かって膨出するように、曲面状に形成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載のシートベルト装置。
  7. 前記第一の溝及び前記突出部が、曲面状に形成されている
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のシートベルト装置。
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