JP2020110726A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】主制御手段の記憶領域を有効に使用できる遊技機を提供すること。【解決手段】第1入球口A64ついての入賞の保留回数(特図A保留球数NA)、または、第1入球口B640ついての入賞の保留回数(特図B保留球数NB)が変化した場合には、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して、値が変化した後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの2つの値を示す保留数コマンドが送信される。主制御装置110は、保留数コマンドを演算作成する場合に、テーブルなど(例えば、保留球数−保留数コマンド対応テーブル)を用いずに、保留数コマンドを演算作成する。よって、テーブルなどを予めROM等に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できるので、遊技機に新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、主制御手段の記憶領域を有効に使用できる。【選択図】図13

Description

本発明は、パチンコ機等に代表される遊技機に関するものである。
近年、複数の始動口(例えば、始動口Aおよび始動口Bの2つ)を設け、遊技球が入賞した始動口に応じて変動演出などを変化させて、遊技の興趣向上を図ったパチンコ機が知られている。この種のパチンコ機では、遊技球がいずれかの始動口へ入賞した場合に、入賞した始動口に応じた変動演出が液晶画面上で開始される。また、その変動演出中に、新たな遊技球がいずれかの始動口へ入賞した場合には、実行中の変動演出が終了するまで、新たな入賞が始動口ごとに保留(待機)されると共に、その保留状態が、始動口ごとに設けられている保留ランプの点灯数などより示される。
この種のパチンコ機の中には、遊技の主な制御を実行する主制御装置と、遊技に関する周辺制御(液晶画面の表示制御や、ランプの点灯および消灯制御や、スピーカからの音声出力制御など)を実行する周辺制御装置とを有した構成のものがあり、そのような場合には、主制御装置から周辺制御装置へ送信される各種コマンドに基づいて、周辺制御装置の動作が制御される。
例えば、始動口Aまたは始動口Bにおいて、新たな遊技球が入賞した場合や、保留されていた入賞に対応する演出が開始された場合など、保留されている入賞の数(以下「保留数」と称する)が増減した場合には、主制御装置から周辺制御装置へ、始動口Aの保留数および始動口Bの保留数を示す保留数コマンドが送信される。周辺制御装置では、保留数コマンドを受信した場合に、受信した保留数コマンドが示す保留数と同一数の保留ランプを始動口ごとに点灯させる。
なお、図32(a)に示すように、保留数コマンドを含む各種コマンドは、例えば、それぞれ2バイトで構成され、各種コマンドの上位バイト(1バイト)が命令の種別を示し、各種コマンドの下位バイト(1バイト)が各種命令に対するパラメータを示している。
上述した主制御装置では、始動口Aの保留数および始動口Bの保留数と、保留数コマンドとを対応づけた保留数コマンドテーブル(図31(b)参照)を予め記憶領域に記憶している。例えば、始動口Aの保留数、および、始動口Bの保留数が、「0〜4」(5種類)の範囲の値となる場合には、5種類×5種類で25通りの保留数コマンドが設けられる。よって、保留数コマンドテーブルの大きさは、2バイト×25種類の50バイトで構成される。この保留数コマンドテーブルでは、始動口Aの保留数および始動口Bの保留数に応じたアドレスに、その始動口Aの保留数および始動口Bの保留数を示す保留数コマンドが格納されており、例えば、始動口Aの保留数「1」、および、始動口Bの保留数「4」に応じたアドレスには、始動口Aの保留数「1」および始動口Bの保留数「4」を示す保留数コマンド「D052H」が格納されている。
主制御装置は、始動口Aまたは始動口Bの保留数の変化を検出した場合に、上述した保留数コマンドテーブルから、始動口Aの保留数および始動口Bの保留数に対応する保留数コマンドを取得し、その取得した保留数コマンドを周辺制御装置に対して送信する。
特開2008−054999号公報
しかしながら、保留数コマンドテーブルの容量が大きくなる場合には、遊技に関する制御を削減などしてプログラム容量を小さくしなければならないが、反面、パチンコ機に多様な遊技性などを持たせるためには、それぞれの遊技に対応する制御が必要となるので、プログラム容量が大きくなって、所定容量以下に収めることが困難になるという問題点がある。なお、この問題点は、始動口が複数ある場合だけでなく、一つの場合でも同様である。
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、主制御手段の記憶領域を有効に使用できる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、識別情報を表示する識別情報表示手段と、遊技媒体が入球する第1入球口と、その第1入球口への遊技媒体の入球を検出する第1検出手段と、前記第1入球口とは別に設けられ遊技媒体が入球する第2入球口と、その第2入球口への遊技媒体の入球を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第1動的表示を行わせると共に前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第2動的表示を行わせる周辺制御手段と、その周辺制御手段を制御すると共に遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えたものであり、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う情報を取得し記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記識別情報表示手段に識別情報の前記第1動的表示または第2動的表示を実行させる動的表示制御手段と、前記第1入球口または第2入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報を取得する保留数情報取得手段と、その保留数情報取得手段により取得された保留数情報を加工して、その保留数情報に応じた保留数コマンドを作成するコマンド作成手段と、そのコマンド作成手段により作成される保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するコマンド送信手段とを備えている。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記周辺制御手段は、前記主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドを受信するコマンド受信手段と、そのコマンド受信手段により受信された保留数コマンドを加工して未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報を抽出する保留数情報抽出手段と、その保留数情報抽出手段により抽出された保留数情報に応じて、未実行の第1動的表示の数を表示する第1未実行情報表示手段と、未実行の第2動的表示の数を表示する第2未実行情報表示手段とを備えている。
請求項3記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、前記保留数情報のうち未実行の第1動的表示の数に対応する値と未実行の第2動的表示の数に対応する値とを示す保留数情報部とを有して構成され、前記主制御手段のコマンド作成手段は、前記保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、特定の情報を付加したものを前記保留数情報部の値とするものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、前記入球情報記憶手段、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものである。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記主制御手段は、前記識別情報の第1動的表示または第2動的表示を新たに開始させる場合に、前記入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報を更新する入球情報更新手段を備え、前記主制御手段は、その入球情報更新手段により更新された更新後の前記入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものである。
請求項6記載の遊技機は、請求項1から5のいずれかに記載の遊技機において、前記主制御手段は、前記第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に遊技者に第1の遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段と、前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、前記第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値を遊技者に付与する第2遊技価値付与手段とを備えている。
請求項7記載の遊技機は、請求項6記載の遊技機において、前記第1遊技価値付与手段は、前記第1の遊技価値を前記第1動的表示の終了時に遊技者に付与すると共に、前記第2遊技価値付与手段は、前記第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値を前記第2動的表示の終了時に遊技者に付与するものであり、前記主制御手段の動的表示制御手段は、前記入球情報記憶手段に入球に伴う情報が記憶されている場合に、前記未実行の第2動的表示を未実行の第1動的表示に優先して前記周辺制御手段に実行させるものである。
請求項8記載の遊技機は、請求項1から7のいずれかに記載の遊技機において、前記周辺制御手段は、前記第1動的表示と第2動的表示とを異なった態様で表示するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、主制御手段では、第1入球口への遊技媒体の入球または第2入球口への遊技媒体の入球が、第1検出手段または第2検出手段により検出されると、その入球に伴う情報が取得されて入球情報記憶手段に記憶され、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、識別情報表示手段において識別情報の第1動的表示または第2動的表示が動的表示制御手段により実行させられる。また、第1入球口または第2入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報が保留数情報取得手段により取得される。そして、その取得された保留数情報が加工されて、その保留数情報に応じた保留数コマンドがコマンド作成手段により作成され、その作成された保留数コマンドが周辺制御手段へコマンド送信手段により送信される。一方、周辺制御手段では、主制御手段から送信された保留数コマンドに応じた処理が行われる。
保留数情報に対応する保留数コマンドを取得するために、例えば、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを主制御手段の記憶手段に記憶しておく構成とすると、テーブル情報の情報量分の記憶領域が消費されてしまう。また、保留数情報は、第1動的表示の数と、第2動的表示の数とをそれぞれ示すので、何れか一方の動的表示の数だけを示す場合よりも、多くの種類の保留数情報が設けられることとなり、その結果、テーブル情報の情報量が多くなるので、記憶領域がより多く消費されることになる。しなしながら、主制御手段では、保留数情報を加工して保留数コマンドを作成するので、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できる。よって、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、主制御手段の記憶領域を有効に使用できるという効果がある。
なお、第1動的表示と第2動的表示の動的表示の態様は、異なった態様でも、同様の態様でも良い。また、保留数情報を加工するとは、例えば、保留数情報そのものを加工することや、保留数情報そのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、周辺制御手段では、主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドがコマンド受信手段により受信され、その受信された保留数コマンドが加工されて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報が保留数情報抽出手段により抽出される。そして、その抽出された保留数情報に応じて、未実行の第1動的表示の数が第1未実行情報表示手段に表示され、未実行の第2動的表示の数が第2未実行情報表示手段に表示される。
保留数コマンドに対応する保留数情報を取得するために、例えば、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを周辺制御手段の記憶手段に記憶しておく構成とすると、テーブル情報の情報量分の記憶領域が消費されてしまう。また、保留数情報は、第1動的表示の数と、第2動的表示の数とをそれぞれ示すので、何れか一方の動的表示の数だけを示す場合よりも、多くの種類の保留数情報が設けられることとなり、その結果、テーブル情報の情報量が多くなるので、記憶領域がより多く消費されることになる。しなしながら、周辺制御手段では、保留数コマンドを加工して保留数情報を抽出するので、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できる。よって、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、周辺制御手段の記憶領域を有効に使用できるという効果がある。
なお、保留数コマンドを加工するとは、例えば、保留数コマンドそのものを加工することや、保留数コマンドそのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1または2に記載の遊技機の奏する効果に加え、保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、保留数情報のうち未実行の第1動的表示の数に対応する値と未実行の第2動的表示の数に対応する値とを示す保留数情報部とを有して構成されている。そして、主制御手段のコマンド作成手段では、保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、特定の情報を付加したものを保留数情報部の値としている。よって、主制御手段のコマンド作成手段により保留数コマンドを作成した場合や、周辺制御手段のコマンド受信手段により保留数コマンドを受信した場合などに、その保留数コマンドの保留数情報部に特定の情報が付加されていなければ、遊技機において何らかのエラーが生じていると判別できるという効果がある。
なお、「特定の情報を付加」とは、保留数情報と特定の値とを加算、減算、乗算または除算することなどをいう。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、主制御手段では、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、入球情報記憶手段、保留数情報取得手段、コマンド作成手段、コマンド送信手段が実行され、その結果、保留数コマンドが周辺制御手段へ送信される。よって、第1入球口または第2入球口に遊技媒体が入球して、未実行の第1動的表示の数または未実行の第2動的表示の数が増加した場合に、その旨を迅速に周辺制御手段へ通知できるので、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数についての最新の状態を示すことができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、主制御手段では、識別情報の第1動的表示または第2動的表示を新たに開始させる場合に、入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報が入球情報更新手段により更新される。そして、その更新後の入球情報記憶手段の内容に基づいて、保留数情報取得手段、コマンド作成手段、コマンド送信手段が実行され、その結果、保留数コマンドが周辺制御手段へ送信される。よって、未実行の第1動的表示または第2動的表示が新たに開始されて、未実行の第1動的表示の数または未実行の第2動的表示の数が減少した場合には、その旨を迅速に周辺制御手段へ通知できるので、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数についての最新の状態を示すことができるという効果がある。
請求項6記載の遊技機によれば、請求項1から5のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、主制御手段では、第1検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、遊技者に第1の遊技価値が第1遊技価値付与手段により付与され、第2検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値が遊技者に第2遊技価値付与手段により付与される。よって、第1入球口および第2入球口のうち、遊技媒体が入球した入球口に応じて、異なる遊技価値を遊技者に付与することができるので、遊技者は、遊技媒体が入球する入球口に応じて一喜一憂することになる。従って、遊技者に高い興趣性遊技を提供できるという効果がある。
請求項7記載の遊技機によれば、請求項6記載の遊技機の奏する効果に加え、第1の遊技価値は、第1遊技価値付与手段により第1動的表示の終了時に遊技者に付与される一方、第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値は、第2遊技価値付与手段により第2動的表示の終了時に遊技者に付与される。そして、主制御手段では、入球に伴う情報が入球情報記憶手段に記憶されていると、動的表示制御手段によって未実行の第2動的表示が未実行の第1動的表示より優先されて周辺制御手段で実行させられる。よって、第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値を優先して遊技者に付与できるので、遊技全体の遊技価値を向上させることができ、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるという効果がある。
請求項8記載の遊技機によれば、請求項1から7のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、周辺制御手段では、第1動的表示と第2動的表示とが異なった態様で表示されるので、遊技媒体が第1入球口に入球したのか、又は、第2入球口に入球したのかを遊技者に認識させることができるという効果がある。
一実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタの概要を模式的に示した模式図である。 (a)は、保留球実行エリアの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、特図A,B保留球カウンタの内容を模式的に示した模式図である。 音声ランプ制御装置のROMに設けられている保留数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、表示画面が横スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図であり、(b)は、表示画面が縦スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図である。 主制御装置の立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置の変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置の保留球格納エリア順送り処理を示すフローチャートである。 主制御装置の保留数コマンド設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置の変動開始処理を示すフローチャートである。 主制御装置のタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置の第1始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置の第2始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置および払出制御装置のNMI割込処理を示すフローチャートである。 保留数コマンド設定処理を説明するための模式図である。 払出制御装置の立ち上げ処理を示すフローチャートである。 払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置の立ち上げ処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置のコマンド判定処理を示すフローチャートである。 音声ライン制御装置のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置の保留個数表示更新処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置の保留個数表示更新処理A(変形例)を示すフローチャートである。 保留個数表示更新処理Aを説明するための模式図である。 主制御装置の保留数コマンド設定処理A(変形例)を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置の保留個数表示更新処理B(変形例)を示すフローチャートである。 第3図柄表示装置に表示される変動表示の変形例を示す模式図である。 従来の遊技機を説明するための模式図である。 主制御装置の保留数コマンド設定処理B(変形例)を示すフローチャートである。 保留数コマンド設定処理Bを説明するための模式図である。 音声ランプ制御装置の保留個数表示更新処理C(変形例)を示すフローチャートである。 保留個数表示更新処理Cを説明するための模式図である。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64,640等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ(図示せず)がオンされると共に可変抵抗器(図示せず)の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ(図示せず)および打ち止めスイッチ(図示せず)がオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口A64、第1入球口B640、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この図2は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口A64、第1入球口B640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数の発行ダイオード(以下、「LED」と略す。)37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bにも同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37BのLED37Aa,37Baは、いずれもパチンコ機10の遊技状態を表示するものであり、パチンコ機10が確変中であるか、時短中であるか、通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か、停止図柄が時短大当たりに対応した図柄か、停止図柄が外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。また、7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、いずれも、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
第1図柄表示装置37Aには、主に第1入球口A64への入賞(入球)に対応する遊技状態が表示され、第1図柄表示装置37Bには、主に第1入球口B640への入賞(入球)に対応する遊技状態が表示される。
このパチンコ機10では、大当たりの抽選結果として、「第1の確変大当たり」と、「第2の確変大当たり」と、「第1の時短大当たり」と、「第2の時短大当たり」と、「外れ」との5つの抽選結果が設けられている。そして、第1入球口A64へ入賞した場合には、「第1の確変大当たり」であるか、「第1の時短大当たり」であるか、「外れ」であるかが抽選され、第1入球口B640へ入賞した場合には、「第2の確変大当たり」であるか、「第2の時短大当たり」であるか、「外れ」であるかが抽選される。
そして、抽選の結果、パチンコ機10が「第1の確変大当たり」、または、「第2の確変大当たり」となった場合には、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態となり、さらに、後述する第2図柄の当たり確率がアップして、第1入球口B640(図2参照)に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口B640へ入球し易い遊技の状態となる。
また、パチンコ機10が「第1の時短大当たり」、または、「第2の時短大当たり」となった場合には、大当たり確率が通常の状態で、第2図柄の当たり確率のみがアップして、第1入球口B640に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口B640へ入球し易い遊技の状態となる。また、パチンコ機10が通常中(または、外れ)となった場合には、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)となる。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口B640に付随する電動役物を開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
なお、本実施の形態における「第1の確変大当たり」とは、最大ラウンド数が8ラウンドである大当たりの後に、大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は第2図柄の当たり確率もアップする確変大当たり(8R確変大当たり)のことであり、「第2の確変大当たり」とは、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後に、大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は第2図柄の当たり確率もアップする確変大当たり(16R確変大当たり)のことである。
また、「第1の時短大当たり」とは、最大ラウンド数が8ラウンドである大当たりの後に、大当たり確率が低確率状態(大当たり確率が通常の状態)へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は第2図柄の当たり確率がアップする時短大当たり(8R時短大当たり)のことであり、「第2の時短大当たり」とは、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後に、大当たり確率が低確率状態(大当たり確率が通常の状態)へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は第2図柄の当たり確率がアップする時短大当たり(16R時短大当たり)のことである。
なお、本実施の形態では、「第1の確変大当たり」、「第2の確変大当たり」、「第1の時短大当たり」、「第2の時短大当たり」の何れかとなった場合には、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しているが、その代わりに、次の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率のアップを継続するように構成しても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦又は横にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bにおいて、停止図柄(確変大当たり図柄、時短大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口A64へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第1図柄表示装置37Aにより示されると共に、特図A保留ランプ85Aの点灯個数においても示される。以後、第1入球口A64についての保留回数のことを、特図A保留球数NAと称する。なお、特図A保留ランプ85Aは、最大保留数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の上方左側に配設されている。
同様に、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bにおいて、停止図柄(確変大当たり図柄、時短大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口B640へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第1図柄表示装置37Bにより示されると共に特図B保留ランプ85Bの点灯個数においても示される。以後、第1入球口B640についての保留回数のことを、特図B保留球数NBと称する。なお、特図B保留ランプ85Bもまた、最大保留数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の上方右側に配設されている。
なお、本実施の形態においては、第1入球口A64への入賞が最大4回まで保留され、第1入球口B640への入賞が最大4回まで保留されるように構成したが、それぞれの最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口A64についての最大保留回数と、第1入球口B640についての最大保留回数とが異なっていても良い。また、特図A保留ランプ85Aや特図B保留ランプ85Bを削除し、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留回数が示されるので、特図A保留ランプ85Aや特図B保留ランプ85Bにより点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施の形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口B640に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口B640へ入球し易い状態となるように構成されている。球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37Aにより表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67(スルーゲート)ついての球の保留回数は、第1入球口A64と同様に、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37Aにより保留回数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口A64が配設されている。この第1入球口A64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口Aスイッチ208a(図4参照)がオンとなり、その第1入球口Aスイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaで示される。そして、第1入球口A64の下方には、球が入球し得る第1入球口B640が配設されている。この第1入球口B640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口Bスイッチ208b(図4参照)がオンとなり、その第1入球口Bスイッチ208bのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1入球口A64および第1入球口B640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施の形態においては、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第1入球口B640の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、その抽選のトリガとなった第1入球口A64又は第1入球口B640に応じた第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37BのLED37Baを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図4参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37BのLED37Baが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,640,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。なお、主制御装置110から該サブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
この主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、後述する各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の具体的構成については、図5を参照しつつ後述する。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更にRAM203は、保留球A格納エリア203aと、保留球B格納エリア203bと、保留球実行エリア203cと、特図A保留球カウンタ203dと、特図B保留球カウンタ203eと、コマンド作成エリア203fと、ワークエリア203gとを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図10参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図9参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行される。
保留球A格納エリア203aは、球が第1入球口A64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1(図5参照)、第1当たり種別カウンタC2(図5参照)、及び停止パターン選択カウンタC3(図5参照)の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。この保留球A格納エリア203aには、第1入球口A64への一の入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)される。この保留球A格納エリア203aの具体的構成については、図5を参照しつつ後述する。
保留球B格納エリア203bは、球が第1入球口B640へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1(図5参照)、第1当たり種別カウンタC2(図5参照)、及び停止パターン選択カウンタC3(図5参照)の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。この保留球B格納エリア203bには、保留球A格納エリア203aと同様に、第1入球口B640への一の入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)される。なお、この保留球B格納エリア203bの具体的構成についても、図5を参照しつつ後述する。
保留球実行エリア203cは、大当たりの判定や、第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定等の処理の実行時に参照されるデータ(各カウンタC1〜C3の各値)と、そのデータが第1入球口A64への入賞によるものであるか、第1入球口B640への入賞によるものであるかを示す始動口入賞情報とが記憶されるメモリである。
大当たりの判定や、第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定などの処理が実行される場合には、上述した保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bに記憶されている各入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)のうち、一の入賞に対応するデータが、この保留球実行エリア203cにシフトされてくる。なお、本実施の形態におけるシフトとは、データが記憶されている領域から、そのデータを別の領域へ移動させることを示す。また、この保留球実行エリア203cの具体的構成については、図6を参照しつつ後述する。
特図A保留球カウンタ203dは、第1入球口A64ついての入賞の保留回数、即ち、特図A保留球数NAを計数するカウンタであり、特図B保留球カウンタ203eは、第1入球口B640についての入賞の保留回数、即ち、特図B保留球数NBを計数するカウンタである。また、これらの特図A,B保留球カウンタ203d,203eは、いずれも最大値が「4」であり、いずれもRAMの初期設定(S113参照)時に「0」に初期化される。
なお、特図A保留ランプ85A(図2参照)では、特図A保留球数NAと同一数のランプが点灯され、特図B保留ランプ85B(図2参照)では、特図B保留球数NBと同一数のランプが点灯される。より具体的には、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)うち、一方のカウンタ値が変化すると、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して、一方のカウンタ値が変化した後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの2つの値を示す一の保留数コマンドが送信される。音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留数コマンドを受信した場合に、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプを特図A保留ランプ85Aにおいて点灯させ、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプを特図B保留ランプ85Bにおいて点灯させる。また、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBは、それぞれ5種類の数値(「0〜4」)のいずれかとなるので、パチンコ10における特図A保留球数NAと、特図B保留球数NBとの組合せは、(5種類×5種類)25通りとなり、それに応じて保留数コマンドも25種類設けられている(図7参照)。
コマンド作成エリア203fは、後述する保留数コマンド設定処理(図13参照)において、保留数コマンドをデータ演算やデータ加工などにより作成する(以後、「演算作成」と称する)ための領域であり、2バイトの領域により構成されている。上述したとおり、保留数コマンドを含む各種コマンド(保留数コマンドも含む)は、それぞれ2バイトで構成されており(図32(a)参照)、各種コマンドの上位バイト(1バイト)が、命令の種別を示し、各種コマンドの下位バイト(1バイト)が、各種命令に対するパラメータを示している。
また、主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A、第1図柄表示装置37B、第2図柄表示部83、第2図柄保留ランプ84や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払い出し制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力設定、特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bにおけるランプの点灯数の設定、電飾部29〜33や表示ランプ34などにおけるランプの点灯および消灯の設定、変動演出や大当たり演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。これらの制御は、主制御装置110から送信される各種コマンドに基づいて実行される。例えば、特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bにおけるランプの点灯や消灯に関する制御は、主制御装置110から送信される保留数コマンドに基づいて実行される。
音声ランプ制御装置113には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU221が搭載されている。MPU221には、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223などの各種回路が内蔵されている。また、MPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、特図A保留ランプ85A、特図B保留ランプ85B、電飾部29〜33、及び、表示ランプ34などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113のROM222には、保留数テーブル222aが格納されている。保留数テーブル222aとは、主制御装置110から送信される保留数コマンドを受信した場合に、その受信した保留数コマンドから、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を抽出するためのテーブルである。
ここで、図7を参照して保留数テーブル222aについて説明する。図7は、保留数テーブル222aの内容を模式的に示した模式図である。なお、上述したように、保留数コマンドは25種類設けられており、一の保留数コマンドによって、一の特図A保留球数NAと、一の特図B保留球数NBとの2つの値が示される。
この保留数テーブル222aは、保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)に基づいて、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBとを抽出するためのテーブルである。この保留数テーブル222aには、25種類設けられている保留数コマンドのそれぞれに対応する特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBが格納されている。なお、プログラム(例えば、アセンブラやC言語などで)によりテーブルを作成する場合、一の情報(例えば、カウンタ値など)を記憶する領域の大きさを、1バイト単位で指定し確保することになる。よって、保留数テーブル222aでは、一の特図A保留球数、および、一の特図B保留球数を記憶するために、それぞれ1バイトの領域が確保されるので、この保留数テーブル222aは、(25種類×2バイト)50バイトで構成されている。
より具体的には、この保留数テーブル222aでは、それぞれの保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)に応じたアドレスに、それぞれの保留数コマンドに応じた特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBが格納されている。これ以後、データに関する説明をする場合に、10進数の数値を示す場合は数値のみを記載し(例えば、「2」)、2進数の数値を示す場合は数値の後に「B」を加えて記載し(例えば、「10B」)、16進数の数値を示す場合は数値の後に「H」を加えて記載し(例えば、「2H」)、それぞれを区別する。
例えば、保留数テーブル222aにおいて、保留数コマンドの下位バイト「11H」に応じたアドレスには、特図B保留球数NB「00H(0)」および特図A保留球数NA「00H(0)」が格納されており、また、保留数コマンドの下位バイト「23H」に応じたアドレスには、特図B保留球数NB「01H(1)」および特図A保留球数NA「02H(2)」が格納されている。その他の保留数コマンドについても同様に、それぞれの保留数コマンドの下位バイトに応じたアドレスに特図B保留球数NBおよび特図A保留球数NAが格納されている。よって、保留数テーブル222aにおいて、保留数コマンドの下位バイト(1バイト)に応じたアドレスを参照することにより、その保留数コマンドに対応する一の特図A保留球数NAおよび一の特図B保留球数NBを抽出することができる。
音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留数コマンドを受信した場合に、受信した保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)が抽出される。そして、保留数テーブル222aにおいて、抽出された下位バイト(1バイト)に応じたアドレスが参照され、一の特図A保留球数NAおよび一の特図B保留球数NBが抽出される。そして、抽出された特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、抽出された特図B保留球数と同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
なお、本実施の形態の保留数テーブル222aは、保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)に応じたアドレスに、その保留数コマンドに対応する一の特図A保留球数NAおよび一の特図B保留球数NBを格納したテーブルであるが、保留コマンド全体(2バイト)と、その保留数コマンドに対応する一の特図A保留球数および一の特図B保留球数とを関連づけたテーブルであっても良い。この場合、受信した保留数コマンドの下位バイトを抽出してからテーブルを参照しなくても、受信した保留数コマンドから直接テーブルを参照できるので、より早く特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを取得することができる。
ここで、図4に戻り説明を続ける。音声ランプ制御装置113のRAM223は、MPU221の内部レジスタの内容やMPU221により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM233は、保留数コマンド受信フラグ223aと、コマンド保存エリア223bとを有している。保留数コマンド受信フラグ223aは、主制御装置110から送信される保留数コマンドを受信したか否かを示すフラグであり、主制御装置110から送信された保留数コマンドを受信した場合にオンに設定される。また、受信した保留数コマンドに基づいて、特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bの点灯や消灯に関する制御が終了した場合(即ち、保留個数表示更新処理(図26参照)が終了した場合)や、または、RAM223の初期値設定(図22のS1011)が実行された場合に、オフに設定される。
コマンド保存エリア223bは、保留数コマンドを含め、主制御装置110から送信される各種コマンドを一時的に記憶するためのエリアである。主制御装置110から送信されてきたコマンドは、まず、このコマンド保存エリア223bに記憶される。MPU221は、コマンド保存エリア223bから一つずつコマンドを取得し、取得したコマンドに応じた処理を実行する。このコマンド保存エリア223bは、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われるように構成されているので、受信したコマンド順に各種コマンドに応じた処理が実行される。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図24参照)が実行されると、コマンド保存エリア223bに記憶されている未処理のコマンドのうち、最初に記憶されたコマンドが読み出され、S1203、S1205の処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。なお、MPU221により取得されたコマンドは、このコマンド保存エリア223bから削除される。なお、FIFO形式によるデータの読み書きが可能であれば、コマンド保存エリア223bは、リングバッファ以外のバッファで構成しても良い。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示(変動演出)や大当たり演出を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの当選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から出力される表示用変動パターンコマンドや、表示用停止図柄コマンドなどに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、変動開始フラグ233aを有している。
変動開始フラグ233aは、音声ランプ制御装置113によって設定される変動演出や大当たり演出の態様を指示する表示用変動パターンコマンドを、音声ランプ制御装置113から受信した場合にオンに設定され、第3図柄表示装置81において変動表示が開始されるとオフに設定されるフラグである。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)などのキャラクタ情報が記憶されたキャラクタ情報メモリ235aを有している。このキャラクタ情報メモリ235aに記憶されているキャラクタ情報としては、変動表示される第3図柄のキャラクタ図柄や、背景図柄や、予告キャラクタ図柄などが記憶されている。
キャラクタ情報メモリ235aには、記憶するデータ量を少なくするために、上記のようなキャラクタ情報が圧縮形式のデータで記憶されている。本実施の形態では、キャラクタ情報は約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのキャラクタ情報が、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタ情報メモリ235aに記憶されている。キャラクタ情報メモリ235aに圧縮形式のデータとして記憶されているキャラクタ情報は、読み出されると、解凍された後にキャラクタ情報記憶領域234bに書き込まれる。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(変動表示の演出パターンや、リーチ演出時の演出内容など)に対応する演出データが記憶される表示用記憶領域234aと、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリ235aに記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を解凍したデータが記憶されるキャラクタ情報記憶領域234bとを有している。
表示用記憶領域234aは、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、その表示用記憶領域234aの内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。キャラクタ情報記憶領域234bには、背景図柄や装飾図柄などの素材となるキャラクタデータが記憶され、このキャラクタ情報記憶領域234bから第3図柄表示装置81に表示するための必要なデータが読み出されて表示用記憶領域234aに書き込まれる。
なお、キャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域234bに記憶させるのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためであり、キャラクタ情報をキャラクタROM235から読み出し、表示用記憶領域234aに直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有し、スムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。更に、RAMにおいて表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるためである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208や、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧のうち、各制御装置110〜114等が必要とする電圧を各々に供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図18参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2が入力されると、RAM203におけるバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図5を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている保留球A格納エリア203aや、保留球B格納エリア203bや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等について説明する。図5は、各種カウンタや、保留球A格納エリア203aおよび保留球B格納エリア203bの構成を模式的に示した模式図である。
保留球A格納エリア203aや、保留球B格納エリア203bや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等は、大当たりの判定や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示部83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度(図10および図15参照)、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
これらの各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、メイン処理(図10参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203のワークエリア203gに設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。なお、各種の制御プログラムの実行に際して、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の各値が参照される場合には、カウンタ用バッファに記憶されている各カウンタの各値がそれぞれ参照される。
図5に示すように、RAM203には、保留球A格納エリア203aと、保留球B格納エリア203bとが設けられている。上述したとおり、保留球A格納エリア203aは、球が第1入球口A64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶するためのメモリであり、保留球B格納エリア203bは、球が第1入球口B640へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。
保留球A格納エリア203aには、4つの保留エリア(保留A第1エリア〜保留A第4エリア)が設けられており、保留球B格納エリア203bにも同様に、4つの保留エリア(保留B第1エリア〜保留B第4エリア)が設けられている。
この保留球A格納エリア203aには、球が第1入球口A64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留A第1エリア〜保留A第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。また、保留球A格納エリア203aの4つの保留エリア(保留A第1エリア〜保留A第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3とが設けられている。各格納エリア203a1〜203a3には、各カウンタC1〜C3の値が記憶される。
一方、保留球B格納エリア203bには、球が第1入球口B640へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留B第1エリア〜保留B第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。また、保留球B格納エリア203bの4つの保留エリア(保留B第1エリア〜保留B第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3とが設けられている。各格納エリア2031〜203b3には、各カウンタC1〜C3の値が記憶される。
なお、本実施の形態では、保留球A格納エリア203aの中に、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3とを設けているが、3つの各エリア203a1,203a2,203a3が必ず保留球A格納エリア203aの中に設けられている必要はない。例えば、保留球A格納エリア203aとは別に、新たな格納エリアを設けておき、3つの各エリア203a1,203a2,203a3のうち、一部を保留球A格納エリア203aの中に設け、残りを新たな格納エリアの中に設けても良い。保留球B格納エリア203bについても同様である。
なお、詳細は図6を参照しつつ後述するが、大当たりの抽選が開始される場合には、保留球格納エリア順送り処理(図12参照)により、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bに記憶されている一の入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が、保留球実行エリア203cにシフトされる。そして、保留球実行エリア203cにシフトされたデータは、変動開始処理(図14参照)において参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定され、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bなどに行われることになる。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜738)、タイマ割込処理(図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図10参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口A64に入賞したタイミングでRAM203の保留球A格納エリア203aに記憶され、球が第1入球口B640に入賞したタイミングでRAM203の保留球B格納エリア203bに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時(大当たり確率が通常の状態)と高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)との2種類設定されており、低確率時(大当たり確率が通常の状態)に大当たりとなる乱数の値は2種類で、その値は「373,727」であり、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)に大当たりとなる乱数の値は13種類で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口A64に入賞したタイミングでRAM203の保留球A格納エリア203aに記憶され、球が第1入球口B640に入賞したタイミングでRAM203の保留球B格納エリア203bに記憶される。「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる乱数の値は「1,2,3」であり、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37A,37Bに表示される停止図柄に対応した表示態様は、「確変大当たり」と「時短大当たり」との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
なお、本実施の形態では、球が第1入球口A64へ入賞したタイミングで取得されたデータに基づいて、「大当たり」および「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」と判定された場合には「第1の確変大当たり」となり、「大当たり」および「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」と判定された場合には「第1の時短大当たり」となる。また、球が第1入球口B640へ入賞したタイミングで取得されたデータに基づいて、「大当たり」および「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」と判定された場合には「第2の確変大当たり」となり、「大当たり」および「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」と判定された場合には「第2の時短大当たり」となる。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口A64に入賞したタイミングでRAM203の保留球A格納エリア203aに記憶され、球が第1入球口B640に入賞したタイミングでRAM203の保留球B格納エリア203bに記憶される。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から停止パターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)がMPU201内に設けられており、停止パターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。なお、かかるテーブルは、1の停止パターンを取り得る停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図A保留数カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)や、特図B保留数カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)等に応じて、各停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)で、保留球A格納エリア203aまたは保留球B格納エリア203bに各乱数値が記憶(保留)されていなければ、第1入球口A64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)では、第1入球口A64または第1入球口B640への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、このテーブルは、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図A保留数カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)や、特図B保留数カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に応じてだけでなく、後述する保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じても異なるように構成してもよい。
次に、3つの変動種別カウンタCS1,CS2,CS3について説明するが、まず、2つの変動種別カウンタCS1,CS2について説明する。一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様(表示態様の種別)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2又は中図柄列Z2’の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。そして、変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。
従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。これらの変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図10参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、本実施の形態では、変動種別カウンタCS1,CS2の組み合わせによって図柄変動態様を決定するが、第1変動種別カウンタCS1のみで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
ここで、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)と表示態様の種別とを対応付けたテーブル(図示せず)がMPU201内に設けられており、変動種別カウンタCS1の値から表示態様の種別(大まかな表示態様)を選択する場合には、かかるテーブルが参照される。本実施の形態では、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、1の表示態様の種別を取り得る変動種別カウンタCS1の値の範囲が異なるように2種類のテーブルが設けられており、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、各表示態様の種別の選択比率が異なるように構成されている。
同様に、変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から最終停止図柄が停止するまでの変動時間(変動図柄数)を選択するためのテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。かかるテーブルもまた、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、1の変動時間(最終停止図柄が停止するまでの変動時間)を取り得る変動種別カウンタCS2の値の範囲が異なるように2種類設けられている。
このように、本実施の形態のパチンコ機10では、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じても多種多様な変動パターンが選択されるように構成されている。その結果、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄の各変動パターンは、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて多種多様に現出することとなる。従って、本実施の形態のパチンコ機10によれば、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて異なる印象を遊技者に与えることができるので、遊技者に高い興趣を提供することができる。
次に、変動種別カウンタCS3について説明する。変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、上記した停止パターン選択カウンタC3の場合と同様に、この変動種別カウンタCS3の場合も、変動種別カウンタCS3の値(乱数値)に対して選択される停止パターンの範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。即ち、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図A保留数カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)や、特図B保留数カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるテーブルが設けられている。なお、このテーブルもまた、停止パターン選択カウンタC3に対応するテーブルと同様に、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図A保留数カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)や、特図B保留数カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に応じてだけでなく、後述する保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じても異なるように構成してもよい。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施の形態ではタイマ割込処理(図15参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値は149種類あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図10参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図6(a),(b)を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている保留球実行エリア203c等について説明する。図6(a)は、保留球実行エリア203cの構成を模式的に示した模式図であり、図6(b)は、特図A保留球カウンタ203dおよび特図B保留球カウンタ203eの内容を模式的に示した模式図である。上述したとおり、保留球実行エリア203cは、大当たりの判定や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定等の処理の実行時に参照されるデータ(各カウンタC1〜C3の各値)と、そのデータが第1入球口A64への入賞によるものであるか、第1入球口B640への入賞によるものであるかを示す始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)とが記憶されるメモリである。
保留球実行エリア203cは、一のエリアのみで構成されており、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3と、始動口入賞情報格納エリア203c4とを有している。大当たりの判定や、第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定などの処理が実行される場合には、上述した保留球A格納エリア203aの保留A第1エリア、または、保留球B格納エリア203bの保留B第1エリアに記憶されている一方のデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が、この保留球実行エリア203cの各エリア203c1〜203c3にそれぞれシフトされる。
さらに、保留A第1エリアからデータがシフトされる場合には、保留球実行エリア203cに記憶されているデータが、第1入球口A64への入賞によるものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「0」)が、始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶される。一方、保留B第1エリアからデータがシフトされる場合には、保留球実行エリア203cに記憶されているデータが、第1入球口B640への入賞によるものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「1」)が、始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶される。
なお、データのシフトは、後述する保留球格納エリア順送り処理(図12参照)により実行されるが、保留球A格納エリア203a、および、保留球B格納エリア203bの両方にデータが記憶されている場合には、保留球B格納エリア203bに記憶されているデータを優先的に、保留球実行エリア203cへシフトしている。これは、主制御装置110おいて大当たりの抽選がなされる場合に、保留球B格納エリア203bに記憶されているデータに基づく抽選で大当たりと判定された方が、保留球A格納エリア203aに記憶されているデータに基づく抽選で大当たりと判定されるよりも、大当たり時のラウンド数が多い(最大16ラウンド)からである。つまり、遊技価値の有利度の高い抽選を優先的に行うためである。これにより、遊技全体の遊技価値を向上させることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。また、遊技価値の有利度の高い大当たりが当選するという遊技者の期待感も高めることができるので、遊技者の第1入球口B640への入球意欲を高めることができ、その結果、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
具体的には、保留A第1エリアからデータがシフトされた場合には、保留A第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1の乱数値が、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトされる。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2の乱数値が、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へシフトされ、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3の乱数値が、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3へシフトされる。さらに、始動口入賞情報格納エリア203c4に、始動口入賞情報としてビット値「0」が記憶される。
一方、保留B第1エリアからデータがシフトされた場合には、保留B第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1の乱数値が、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトされる。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2の乱数値が、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へシフトされ、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3の乱数値が、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3へシフトされる。さらに、始動口入賞情報格納エリア203c4に、始動口入賞情報としてビット値「1」が記憶される。
上述したように、本実施の形態のパチンコ機10によれば、第1入球口A64への入賞に応じたデータと、第1入球口B640への入賞に応じたデータとが区別されて、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bに記憶(保留)される。よって、保留球A格納エリア203aから、または、保留球B格納エリア203bからデータを保留球実行エリア203cにシフトした場合に、シフトしたデータが第1入球口A64への入賞によるものか、第1入球口B640への入賞によるものかを示す始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)を保留球実行エリア203cに記憶させることができる。
従って、保留されていた入賞に対応する処理(変動開始処理(図14参照))を実行する場合に、例えば、変動表示を、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bのいずれかで表示するように切り換えることができる。また、そのような第1図柄表示装置37A,37Bでの変動表示に対応する装飾的な変動表示を第3図柄表示装置81において行う場合に、その変動態様を、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて変更(本実施の形態では、縦スクロール又は横スクロール)することができる。
そして、保留球実行エリア203cへのデータのシフトが終了すると、保留A第1エリアまたは保留B第1エリアの一方が空き状態となるため、後述する保留球格納エリア順送り処理(図12参照)により、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理が行われる。なお、本実施の形態では、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bにおいて、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、保留球A格納エリア203aにおいてのデータシフトについて説明する。例えば、特図A保留球カウンタ203dの値が「4」であり、保留球A格納エリア203aの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、保留A第1エリアのデータが、保留球実行エリア203cへシフトされ、保留A第1エリアが空き状態となると、他のエリア(第2〜第4)のデータがそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトされる。すなわち、保留A第2エリアのデータが、保留A第1エリアへシフトされ、保留A第3エリアのデータが、保留A第2エリアへシフトされ、保留A第4エリアのデータが、保留A第3エリアへシフトされる。また、例えば、図6(b)に示すように、特図A保留球カウンタ203dの値が「2」であれば、保留A第2エリアのデータのみが、保留A第1エリアへシフトされ、以上でデータのシフトが終了する。
なお、保留球B格納エリア203bにおいてのデータシフトは、保留球A格納エリア203aのデータシフトと同様になされるので、その説明は省略する。
上述したように、本実施の形態では、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第2〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。なお、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくできるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
また、本実施の形態では、保留球A格納エリア203a、および、保留球B格納エリア203bに記憶されているデータの数(保留数)を、特図A保留数カウンタ203d、および、特図B保留数カウンタ203eにより計数しており、第1入球口A64において新たな入賞が生じた場合には、特図A保留数カウンタ203dが示す値(特図A保留球数NA)に応じた保留エリア(保留A第1エリア〜保留A第4エリア)に、新たな入賞に対応するデータを記憶し、第1入球口B640において新たな入賞が生じた場合には、特図B保留数カウンタ203eが示す値(特図B保留球数NB)に応じた保留エリア(保留B第1エリア〜保留B第4エリア)に、新たな入賞に対応するデータを記憶している。
よって、保留球A格納エリア203a、および、保留球B格納エリア203bにおいて、新たな入賞に対応するデータが、保留エリアに記憶(保留)されているデータに上書きされることがないので、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアせずに、そのまま残すことができる。従って、データのシフト後に、シフト元のエリアのデータをクリアする場合と比較して、制御的負担を軽減することができる。なお、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成しても良い。
また、本実施の形態では、第1入球口A64,B640への入賞に応じたデータを、保留球A格納エリア203aと、保留球B格納エリア203bとの2つのエリアに分けて記憶しているが、1つのエリア内(例えば、保留球格納エリアを設ける)に共に記憶する構成としても良い。この場合には、保留球格納エリア内に、保留エリアを8個設け、各保留エリアには、上述した第1当たり乱数カウンタ格納エリアと、第1当たり種別カウンタ格納エリアと、停止パターン選択カウンタ格納エリアとに加え、さらに、始動口入賞情報格納エリアを設ける。
そして、一の保留エリアに第1入球口A64への入賞に応じたデータを記憶する場合には、その保留エリアの始動口入賞情報格納エリアに、データが第1入球口A64への入賞によるものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「0」)を記憶する。一方、一の保留エリアに第1入球口B640への入賞に応じたデータを記憶した場合には、その保留エリアの始動口入賞情報格納エリアに、データが第1入球口B640への入賞によるものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「1」)を記憶する。これにより、第1入球口A64への入賞に応じたデータと、第1入球口B640への入賞に応じたデータとを区別して、保留球格納エリア内に共に記憶(保留)することができる。なお、保留球格納エリア内の各保留エリアに記憶されているデータを、保留球実行エリアにシフトさせる場合には、一の保留エリアの各格納エリア内のデータを、保留球実行エリア内の対応する各格納エリアへそれぞれシフトする。
次に、図8を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図8は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図であり、図8(a)は、表示画面が横スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図であり、図8(b)は、表示画面が縦スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列を構成している。
また、本実施の形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」に移行する場合は、奇数番号に対応する主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」に移行する場合は、偶数番号に対応する主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。本実施の形態のパチンコ機10においては、第3図柄表示装置81に表示される変動表示が、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて異なるように構成されている。
具体的には、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報がビット値「0」である場合、即ち、第1入球口A64への入賞に起因する変動表示である場合には、図8(a)に示すように、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって右から左(矢印X方向)へスクロール(横スクロール)するように変動表示される。なお、図8(a)に示すように、かかる横スクロール時には、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。この場合、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
一方で、始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報がビット値「1」である場合、即ち、第1入球口B640への入賞に起因する変動表示である場合には、図8(b)に示すように、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって上から下(矢印Y方向)へスクロール(縦スクロール)するように変動表示される。なお、図8(b)に示すように、かかる縦スクロール時には、各図柄列は、左・中・右の3つの図柄列Z1’,Z2’,Z3’が表示される。この場合、左図柄列Z1’においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2’及び右図柄列Z1’においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
図8(a)及び図8(b)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面には、それぞれ、各図柄列(Z1〜Z3又はZ1’〜Z3’)毎に左・中・右又は上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。
ここで、第3図柄表示装置81の表示画面には、縦スクロール時及び横スクロール時のいずれの場合も5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図8(a)に示すように、横スクロール時には、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。また、図8(b)に示すように、縦スクロール時には、上ラインL1’、中ラインL2’、下ラインL3’、右上がりラインL4’、左上がりラインL5’の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
そして、毎回の遊技に際して、縦又は横にスクロールする変動表示の停止時にいずれかの有効ライン上に、大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。なお、横スクロールの場合(図8(a))には、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、縦スクロールの場合(図8(b))には、左図柄列Z1’→右図柄列Z3’→中図柄列Z2’の順に変動表示が停止する。
次に、図9から図18のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図9参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図10参照)と、定期的に(本実施の形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理(図15参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図18参照)とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
まず、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図15は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、MPU201により例えば2ms周期で繰り返し実行される処理である。タイマ割込処理では、まず、各種スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。ここでは、例えば、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込み、各種の入賞口(一般入賞口63、特定入賞口65a、第1入球口A64、第1入球口B640など)に設けられているスイッチにおいて入賞が検出されている場合には、当該入賞口に対応する賞球数の球を払出制御装置111により払い出しさせるための賞球コマンドを、RAM203の所定領域に設定(記憶)する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のワークエリア203gに設けられている第1初期値乱数カウンタバッファに記憶する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のワークエリア203gに設けられている第2初期値乱数カウンタバッファに記憶する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のワークエリア203gに設けられている各カウンタC1〜C4に対応するバッファに記憶する。
その後は、第1入球口A64への入賞に伴う第1始動入賞処理(図16参照)を実行し(S504)、第1入球口B640への入賞に伴う第2始動入賞処理(図17参照)を実行し(S505)、発射制御処理を実行して(S506)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ(図示しない)が操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1始動入賞処理(S504)について説明する。図16は、第1始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。第1始動入賞処理(S504)は、第1入球口A64への入賞を検出した場合に、その入賞に応じたデータを、保留球A格納エリア203aに記憶(保留)するための処理であり、上記したタイマ割込処理(図15参照)の中で実行される処理である。
この第1始動入賞処理(S504)では、まず、第1入球口Aスイッチ208aの状態(オンまたはオフ)を読み取り、球が第1入球口A64に入賞(入球)したか否かを判別する(S651)。S651の処理において、第1入球口Aスイッチ208aの状態がオフであり、第1入球口A64への入賞がないと判別された場合には(S651:No)、何も行うことなく、この第1始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図15参照)へ戻る。
一方で、第1入球口Aスイッチ208aの状態がオンであり、球が第1入球口A64に入賞(入球)したと判別された場合には(S651:Yes)、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が、予め規定されている上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S652)。
S652の処理において、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が4である場合、即ち、既に上限値に到達している場合には(S652:No)、S653〜S655の各処理をスキップし、この第1始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図15参照)へ戻る。一方、S652の処理において、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が4未満であれば(S652:Yes)、特図A保留球カウンタ203dに1を加算する(S653)。
次に、タイマ割込処理(図15参照)におけるS503の処理により更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球A格納エリア203aの空き保留エリア(保留A第1エリア〜保留A第4エリア)のうち、特図A保留球数NAに応じたエリアの中の各格納エリア203a1〜203a3に記憶する(S654)。
例えば、S653の処理により更新された特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が「1」である場合には、保留A第1エリアの各格納エリア203a1〜203a3に、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶する。すなわち、特図A保留球数NAが「X」であれば、保留A第Xエリアの各格納エリア203a1〜203a3に、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶する。
次に、保留数コマンド設定処理を実行する(S360)。詳細については後述するが、保留数コマンド設定処理(S360)は、音声ランプ制御装置113へ出力する保留数コマンドを設定する処理である。上述したとおり、保留数コマンドは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)うち、一方のカウンタ値が変化した場合に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力されるコマンドである。この保留数コマンドにより、一方の値が変化した後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBがそれぞれ示される。
なお、保留数コマンド設定処理(S360)により設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
次に、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)に応じて、第1図柄表示装置37AにおけるLED37Aaを点灯させ、新たな保留回数を点灯状態により示す(S655)。S655の処理が終了したら、この第1始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図15参照)へ戻る。
以上の図16の第1始動入賞処理(S504)によれば、第1入球口Aスイッチ208aにより、第1入球口A64への入賞が検出された場合に、その入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を、保留球A格納エリア203aの空き保留エリア(保留A第1エリア〜保留A第4エリア)のうち、エリア番号の最も小さいエリアに記憶することができる。よって、保留球A格納エリア203aにおいて、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータを記憶することができるので、時間的な入賞の順序(入賞順序)を持たせて、データを記憶することができる。また、保留球A格納エリア203aに記憶されているデータは、第1入球口A64への入賞を契機として得られたものであると識別することができる。
次に、図13及び図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される保留数コマンド設定処理(S360)について説明する。図13は、保留数コマンド設定処理(S360)を示すフローチャートであり、図19は、保留数コマンド設定処理を説明するための模式図である。保留数コマンド設定処理(S360)は、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に基づいて、各カウンタ203d,203eの2つの値を示す一の保留数コマンドを演算作成するための処理である。また、上記した第1始動入賞処理(図16参照)、後述する第2始動入賞処理(図17参照)、及び、後述する保留球格納エリア順送り処理(図12参照)の中で実行される処理である。
なお、データに関する説明を行う場合に、10進数の数値を示す場合は数値のみを記載し(例えば、「2」)、2進数の数値を示す場合は数値の後に「B」を加えて記載し(例えば、「10B」)、16進数の数値を示す場合は数値の後に「H」を加えて記載し(例えば、「2H」)、それぞれを区別する。
この保留数コマンド設定処理(S360)では、まず、RAM203のコマンド作成エリア203f(2バイト)をクリアする(S371)。すなわち、コマンド作成エリア203fに「0」を記憶し、全ビット値を「0B」と設定する。なお、1バイトは、8ビットで構成されている。次に、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を取得し、その値を、コマンド作成エリア203f(2バイト)の下位バイト(1バイト)に記憶する(S372)。
例えば、図19(a)に示すように、特図A保留球カウンタ203dの値が「3」であり、特図B保留球カウンタ203eの値が「2」であるとする。「2」は、2進数で表すと「10B」となるので、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)には、「00000010B」という数値が記憶される。
次に、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)において、各ビットをそれぞれ上位方向(左)へ4ビットシフトする(S373)。S373の処理により、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)は、「00100000B」という数値に設定される。ここでは、例えば、データを1ビット左へシフトするシフト命令(例えば、SLA命令)を4回繰り返す。または、データを1ビット左へローテートするローテート命令(例えば、RLC命令)を4回繰り返しても良い。または、データに対して「32」を乗算するようにしても良い。
次に、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を取得し(S374)、取得した値(1バイト)と、コマンド作成エリア203f(2バイト)の下位バイト(1バイト)との論理和を、レジスタ(1バイト)において算出する(S375)。この論理和の演算により、レジスタの1バイト(8ビット)の上位4ビットに特図B保留球カウンタ203eの値を設定し、下位4ビットに特図A保留球カウンタ203dの値を設定することができる。特図A保留球カウンタ203dの値は「3」であり、2進数で表すと「11B」となるので、図19(c)に示すように、レジスタには、「00100011B」という数値が設定される。
なお、本実施形態では、S375の処理で、特図A保留球カウンタ203dの値(1バイト)と、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)との論理和を演算しているが、論理和に代えて、加算による演算を行っても良い。本実施の形態では、S373の処理によって、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)の下位4ビットが、「0(0000B)」に設定されるので、論理和でも加算でも、演算結果は同様となる。
また、S372〜S375までの処理を、データを4ビット単位でローテートするローテート命令(例えば、RLD命令)を用いて実施しても良い。詳細については後述するが(図33参照)、Z80系のMPUであれば、Accレジスタ(1バイト)に特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を記憶し、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)に特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を記憶しておく。そして、HLレジスタ(2バイト)にコマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)の記憶場所を示すアドレス値を記憶し、その後、RLD命令を実行する。
RLD命令が実行されると、HLレジスタが示す記憶場所(即ち、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト))において、下位4ビットが上位方向(左)へ4ビットローテートされ、その下位4ビットにAccレジスタの下位4ビットがローテートされてくるので、HLレジスタが示す記憶場所(即ち、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト))には、「00100011B」という数値が設定される。このようすれば、一命令で済むので、1ビットシフト命令や1ビットローテート命令を4回繰り返す場合よりも、プログラムのステップ数を軽減することができるので、プログラムの容量を小さくすることができ、ROM202の空き容量を増やすことができる。
そして、S375の演算に用いたレジスタ(1バイト)の値に「11H(「00010001B」)」(1バイト)を加算し、その演算結果を、コマンド作成エリア203f(2バイト)の下位バイト(1バイト)に記憶する(S376)。すなわち、図19(d)に示すように、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)には、「00110100B」という数値が記憶される。なお、ここで「11H」を加算する理由については後述する。
次に、コマンド作成エリア203f(2バイト)の上位バイト(1バイト)に、「D0H」(1バイト)を記憶する(S377)。これにより、図19(e)に示すように、保留数コマンド「D034H」(2バイト)が演算作成される。そして、コマンド作成エリア203f(2バイト)内に記憶されている2バイトのデータを、RAM203の所定領域に保留数コマンドとして設定(記憶)し(S378)、この保留数コマンド設定処理を終了して、この保留数コマンド設定処理が実行される前の各処理(第1始動入賞処理、第2始動入賞処理、または、保留球格納エリア順送り処理)へ戻る。
なお、S378の処理により設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
以上の図13の保留数コマンド設定処理(S360)によれば、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に基づいて、2つの値(特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NB)を示す一の保留数コマンドを演算作成することができる。よって、各カウンタ203d,203eの値に対応する保留数コマンドを1つずつ演算作成し、演算作成した保留数コマンドをそれぞれ音声ランプ制御装置113へ送信する場合と比較して、保留数コマンドの送信回数を軽減することできるので、制御的負担を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側にとっても、保留数コマンドの受信回数を軽減することができるので、制御的負担を軽減することができる。
また、パチンコ機10において何らかのエラーが生じている場合には、演算結果や、RAM203から取得されるデータなどが、全ビット「0B」となったり、全ビット「1B」となることが多い。保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を演算作成する場合に、特図A保留球カウンタ203dの値、および、特図B保留球カウンタ203eの値をそのまま用いると、各カウンタ203d,203eの値がそれぞれ「0」である場合に、エラーが生じていている場合でも共に、値が正常にカウントされている場合でも、全ビットが「0B」、即ち、「00H」(1バイト)となるので、エラーを区別することが困難である。
そこで、本実施の形態のように、保留数コマンド(2バイト)を演算作成する場合に、その保留数コマンドの下位バイト(1バイト)に、「11H」(1バイト)を加算すれば、各カウンタ値203d,203eの値がそれぞれ最小値「0」であっても、演算作成される下位バイトを「11H」とすることができる。よって、演算作成された下位バイトが「00H」である場合や、「11H」未満(例えば、「10H」、「01H」など)である場合には、何らかのエラーが生じていると判別できる。また、各カウンタ値203d,203eの値は、それぞれ最大値が「4」であるので、演算作成された下位バイトが「55H」を超える場合も、何らかのエラーが生じていると判別できる。また、「11H」を加算するという簡単な処理で、何らかのエラーが生じていると判別できる。
また、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信した場合に、その保留数コマンドの下位バイト(1バイト)が、「11H」未満であるか、または、「55H」を超えているかを判断するように構成すれば、音声ランプ制御装置113でも何らかのエラーが生じていると判定することができるので、パチンコ機10のエラーの判定精度を向上させることができる。
また、保留数コマンド設定処理(S360)では、保留数コマンドを演算作成する場合に、「11H」(1バイト)を加算しているが、代わりに「AAH」(1バイト)を加算するように構成しても良い。つまり、各カウンタ203d,203eの最大値が「4」である場合に、保留数コマンドの下位バイトが「EEH」となる数値「AAH」を加算するのである。すなわち、各カウンタ203d,203eの最大値が「X」であれば、数値「(E−X)(E−X)H」を加算する。
このようにすれば、各カウンタ値203d,203eの値がそれぞれ「0」である場合に、「AAH」を加算すると、演算作成される下位バイトは「AAH」となる。一方、各カウンタ値203d,203eの値がそれぞれ最大値「4」である場合に、「AAH」を加算すると、演算作成される保留数コマンドの下位バイトは「EEH」となる。よって、演算作成された下位バイトが「00H」である場合や、「FFH」である場合には、何らかのエラーが生じていると判別できる。なお、「11H」〜「EEH」までの任意の数値を加算するように構成しても良い。
また、保留数コマンド設定処理(S360)では、保留数コマンドを演算作成する場合に、「11H」(1バイト)を加算しているが、その代わりに、特定の値を減算するように構成しても良いし、特定の値を乗算または除算するように構成しても良い。
また、保留数コマンド設定処理(S360)では、保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を演算作成する場合に、下位バイト(1バイト)の上位4ビットを特図B保留球数NBに対応させ、下位バイト(1バイト)の下位4ビットを特図A保留球数NAに対応させているが(S375の処理)、上位4ビットを特図A保留球数NAに対応させ、下位4ビットを特図B保留球数NBに対応させても良い。
また、例えば、パチンコ機10が特図A保留球数NAのみを計数する場合(即ち、第1入球口A64についての入賞のみ保留する場合)には、下位バイト(1バイト)全体を特図A保留球数NAに対応させても良いし、下位バイト(1バイト)の下位4ビットのみを特図A保留球数NAに対応させても良い。また、パチンコ機10が特図B保留球数NBのみを計数する場合(即ち、第1入球口B640についての入賞のみ保留する場合)には、下位バイト(1バイト)全体を特図B保留球数NBに対応させても良いし、下位バイト(1バイト)の上位4ビットのみを特図B保留球数NBに対応させても良い。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2始動入賞処理(S505)について説明する。図17は、第2始動入賞処理(S505)を示すフローチャートである。第2始動入賞処理(S505)は、第1入球口B640への入賞を検出した場合に、その入賞に応じたデータを、保留球B格納エリア203bに記憶(保留)するための処理であり、上記したタイマ割込処理(図15参照)の中で実行される処理である。
この第2始動入賞処理(S505)では、まず、第1入球口Bスイッチ208bの状態(オンまたはオフ)を読み取り、球が第1入球口B640に入賞(入球)したか否かを判別する(S671)。S671の処理において、第1入球口Bスイッチ208bの状態がオフであり、第1入球口B640への入賞がないと判別された場合には(S671:No)、何も行うことなく、この第2始動入賞処理(S505)を終了してタイマ割込処理(図15参照)へ戻る。
一方で、第1入球口Bスイッチ208bの状態がオンであり、球が第1入球口B640に入賞したと判別された場合には(S671:Yes)、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が、予め規定されている上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S672)。
S672の処理において、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が4である場合、即ち、既に上限値に到達している場合には(S672:No)、S673〜S675の各処理をスキップし、この第2始動入賞処理(S505)を終了してタイマ割込処理(図15参照)へ戻る。一方、S672の処理において、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が4未満であれば(S672:Yes)、特図B保留球カウンタ203dに1を加算する(S673)。
次に、タイマ割込処理(図15参照)におけるS503の処理により更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球B格納エリア203bの空き保留エリア(保留B第1エリア〜保留B第4エリア)のうち、特図B保留球数NBに応じたエリアの中の各格納エリア203a1〜203a3に記憶する(S674)。
例えば、S673の処理により更新された特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が「2」である場合には、保留B第2エリアの各格納エリア203b1〜203b3に、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶する。すなわち、特図B保留球数NBが「X」であれば、保留B第Xエリアの各格納エリア203b1〜203b3に、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶する。
次に、保留数コマンド設定処理を実行する(S360)。上述したとおり、保留数コマンド設定処理(S360)は、音声ランプ制御装置113へ出力する保留数コマンドを設定する処理である。保留数コマンドは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)うち、一方のカウンタ値が変化した場合に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力されるコマンドである。この保留数コマンドにより、一方の値が変化した後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBがそれぞれ示される。
この保留数コマンド設定処理(S360)により設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
次に、特図B保留球カウンタ203eの値に応じて、第1図柄表示装置37BにおけるLED37Baを点灯させ、新たな保留回数を点灯状態により表示する(S675)。S675の処理が終了したら、この第2始動入賞処理(S505)を終了してタイマ割込処理(図15参照)へ戻る。
以上の図17の第2始動入賞処理(S505)によれば、第1入球口B640への入賞が検出された場合に、その入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を、保留球B格納エリア203bの空き保留エリア(保留B第1エリア〜保留B第4エリア)のうち、エリア番号の最も小さいエリアに記憶することができる。よって、保留球B格納エリア203bにおいて、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータを記憶することができるので、時間的な入賞の順序(入賞順序)を持たせて、データを記憶することができる。また、保留球B格納エリア203bに記憶されているデータは、第1入球口B640への入賞を契機として得られたものであると識別することができる。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201、および、払出発射制御装置111内のMPU211により実行されるNMI割込処理について説明する。図18は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、実行される処理である。
まず、主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、払出発射制御装置111において実行されるNMI割込処理について説明する。かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図9を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図9は、主制御装置110の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、主制御装置110の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU201がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する(S102)。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、メイン処理(図10参照)のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを払出制御装置111へ送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。一方、主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0でクリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、払出制御装置111を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを払出制御装置111へ送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述する主制御装置110のメイン処理(図10参照)に移行する。
次に、図10を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図10は、主制御装置110のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、パチンコ機10の主要な制御を実行するための処理であり、上記した主制御装置110の立ち上げ処理(図9参照)の終了後に実行され、その後は4ms周期で繰り返し実行される処理である。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
このメイン処理では、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)に送信する(S201)。例えば、タイマ割込処理(図15参照)のS501の処理により、賞球コマンドが設定された場合には、その賞球コマンドを払出制御装置111へ送信する。また、例えば、上述した保留数コマンド設定処理(図13参照)により設定された保留数コマンドや、後述する変動開始処理(図14参照)により設定された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等の各種コマンドをそれぞれ音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。なお、これらのコマンド等の出力データの送信は、コマンド等の出力データが設定された順番に行われる。そして、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から出力された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて、第3図柄表示装置81に表示される変動演出や大当たり演出の態様を指示する表示用変動パターンコマンドや、第3図柄表示装置81に表示される停止図柄を指示する表示用停止図柄コマンドを表示制御装置114へ送信する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3に1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203のワークエリア203gに設けられている各カウンタCS1〜CS3に対応するバッファに記憶する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37A,37Bによる表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図11を参照して後述する。
変動処理(S204)の終了後、パチンコ機10が大当たり状態である場合に、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数(例えば、16ラウンド)繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示部83における第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示部83において第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄における当たりの判定が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口B640に付随する電動役物が所定時間開放され、球が第1入球口B640へ入球し易い状態となる。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201〜S208の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のワークエリア203gに設けられている各カウンタCINI1,CINI2に対応するバッファにそれぞれ記憶する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3に1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203のワークエリア203gに設けられている各カウンタCS1〜CS3に対応するバッファにそれぞれ記憶する。
上述したS201〜S206の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図18のNMI割込処理が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理を実行する。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、立ち上げ処理(図9参照)の初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図11を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S204)について説明する。図11は、変動処理(S204)を示すフローチャートである。変動処理(S204)は、入賞に対応するデータが、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bに記憶(保留)されている場合に、そのデータに対応する変動表示を開始させるための処理であり、メイン処理(図10参照)の中で実行される処理である。
この変動処理(S204)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37A,37Bで表示される大当たり遊技の最中(即ち、「第1確変大当たり」、「第2確変大当たり」、「第1時短大当たり」、「第2時短大当たり」の4つ)と、大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、何も行うことなく、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図10参照)に戻る。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様が変動中でなければ(S302:No)、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を取得する(S303)。そして、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)と、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)とを加算して、全保留球数Nを算出する(S304)。
そして、全保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別し(S305)、S305の処理により確認した結果、全保留球数Nが0であれば(S305:No)、S306,S307の処理をスキップし、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図10参照)に戻る。一方で、全保留球数Nが1以上であれば(S305:Yes)、大当たりの判定に用いるデータを、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bから保留球実行エリア203cへシフトする保留球格納エリア順送り処理を実行し(S306)、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの変動表示を開始する変動開始処理を実行する(S307)。そして、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図10参照)へ戻る。なお、保留球格納エリア順送り処理については、図12を参照して後述し、変動開始処理については、図14を参照して後述する。
また、この変動処理(S204)は、メイン処理において実行されるサブルーチンであるので、4ms毎に実行されるが、大当たり中の場合(S301:Yes)、または、変動中の場合(S302:Yes)には、S306〜S307の処理がスキップされるので、変動処理が実行される度に、変動表示が開始されたり、保留中の入賞に対応するデータが消耗されることはない。
S302の処理において、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S308)。第1図柄表示装置37A,37Bの変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S308:No)、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図10参照)へ戻る。
一方、S308の処理において、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの変動時間が経過していれば(S308:Yes)、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる図柄か、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」となる図柄かが決定される。
本実施の形態では、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」になる場合には赤色のLEDが点灯され、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」になる場合には緑色のLEDが点灯され、外れである場合には青色のLEDが点灯される。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
また、第1図柄表示装置37A及び第1図柄表示装置37Bのいずれも、複数のLED37Aa,37Baの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37BにおけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドを設定する(S310)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用停止コマンドを送信し、変動表示の停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。そして、S310の処理が終了したら、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図10参照)へ戻る。
次に、図12を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される保留球格納エリア順送り処理(S306)について説明する。図12は、保留球格納エリア順送り処理(S306)を示すフローチャートである。保留球格納エリア順送り処理(S306)は、大当たりの判定に用いるデータを、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bから保留球実行エリア203cへシフトするための処理であり、変動処理(図11参照)の中で実行される処理である。なお、この処理は、全保留球数N(特図A保留球数NAと、特図B保留球数NBとの加算値)が1以上である場合に実行される処理である。
この保留球格納エリア順送り処理(S306)では、まず、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が0よりも大きいか否かを判別する(S351)。S351の処理において、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が0である場合は(S351:No)、保留球A格納エリア203aにのみ入賞に対応するデータが記憶(保留)されていることになるので、保留球A格納エリア203aの保留A第1エリアに記憶されている各データを、保留球実行エリア203cへシフトする(S356)。
具体的には、保留A第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1に記憶されるデータを、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトする。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2に格納されるデータを、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へ、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3に格納されるデータを、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3へシフトする。
そして、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に、始動口入賞情報であるビット値「0」を記憶する(S357)。上述したとおり、始動口入賞情報格納エリア203c4には、保留球実行エリア203cに記憶されているデータが第1入球口A64への入賞によるものであれば、ビット値「0」が記憶され、第1入球口B640への入賞によるものであれば、ビット値「1」が記憶される。ここでは、第1入球口A64への入賞に対応するデータを、保留球実行エリア203cに記憶させたので、始動口入賞情報格納エリア203c4に、ビット値「0」を記憶している。
次に、保留A第2エリア〜保留A第4エリアに記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3エリア)へシフトする(S358)。そして、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を1減算し(S359)、S360の処理へ移行する。
なお、本実施の形態では、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第2〜第4)については、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。また、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
S351の処理において、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が1以上であれば(S351:Yes)、保留球B格納エリア203bの保留B第1エリアに記憶されている各データを、保留球実行エリア203cへシフトする(S352)。
本実施の形態では、第1入球口A64へ入賞して大当たりと判定された場合には、「第1の確変大当たり(8R確変大当たり)」または「第1の時短大当たり(8R)」となり、第1入球口B640へ入賞して大当たりと判定された場合には、「第2の確変大当たり(16R確変大当たり)」または「第2の時短大当たり(16R)」となる。つまり、遊技価値の有利度(ラウンド数)は、第1入球口Aへ入賞した場合よりも、第1入球口B640へ入賞した場合の方が高いので、S351の判定を行い、第1入球口B640への入賞に対応するデータを優先的に保留球実行エリア203cにシフトさせることにより、第1入球口B640への入賞についての大当たり判定を優先的に行っている。よって、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
S352の処理では、具体的には、保留B第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1に記憶されるデータを、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトする。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2に格納されるデータを、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へ、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3に格納されるデータを、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3へシフトする。
そして、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に、始動口入賞情報であるビット値「1」を記憶する(S353)。ここでは、第1入球口B640への入賞に対応するデータを、保留球実行エリア203cに記憶させたので、始動口入賞情報格納エリア203c4に、ビット値「1」を記憶している。次に、保留B第2エリア〜保留B第4エリアに記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3エリア)へシフトする(S354)。そして、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を1減算し(S355)、S360の処理へ移行する。
なお、本実施の形態では、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行ったが、保留球A格納エリア203aの場合と同様に、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。
そして、S355またはS359の処理が終了したら、次に、保留数コマンド設定処理を実行する(S360)。上述したとおり、保留数コマンド設定処理(S360)は、音声ランプ制御装置113へ出力する保留数コマンドを設定する処理である。この保留数コマンドにより、一方の値が変化した後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBがそれぞれ示される。この保留数コマンド設定処理(S360)により設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
次に、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)に応じて、第1図柄表示装置37AにおけるLED37Aaを点灯させると共に、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に応じて、第1図柄表示装置37BにおけるLED37Baを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示する(S361)。S361の処理が終了したら、この保留球格納エリア順送り処理(S306)を終了して変動処理(図12参照)へ戻る。
以上の図12の保留球格納エリア順送り処理(S306)によれば、S351の判定処理を行うことで、保留A格納エリア203aに記憶されているデータよりも、保留球B格納エリア203bに記憶されているデータを優先して、保留球実行エリア203cへシフトさせることができる。よって、第1入球口Aへの入賞よりも遊技価値の有利度が高い第1入球口B640への入賞についての大当たり判定を優先的に行うことができるので、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
次に、図14を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理について説明する。図14は、変動開始処理(S307)を示すフローチャートである。変動開始処理(S307)は、保留球実行エリア203cに記憶されているデータに基づいて、大当たりであるか外れであるかを判定し、その判定結果に応じた変動表示を開始させるための処理であり、変動処理(図11参照)の中で実行される処理である。
この変動開始処理(S307)では、まず、保留球実行エリア203cに記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。すなわち、保留球実行エリア203cの第1乱数カウンタ格納エリア203a1に記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2に記憶されている第1当たり種別カウンタC2の値と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3に記憶されている停止パターン選択カウンタC3の値と、始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)とを取得する。
そして、S401の処理により取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S402)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値と、その時々のモード(低確率状態または高確率状態)との関係に基づいて判別する。前述した通り、通常の低確率時(大当たり確率が通常の状態)には、第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)には、「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
さらに、大当たりと判別された場合には、S401の処理により取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)とに基づいて、4種類ある大当たり(「第1の確変大当たり(8R確変大当たり)」、「第2の確変大当たり(16R確変大当たり)」、「第1の時短大当たり(8R時短大当たり)」、「第2の時短大当たり(16R時短大当たり)」)のうち、どの大当たりであるか当たり種別を判別する。前述した通り、大当たりの場合に、第1当たり種別カウンタC2の数値(「0〜4」)が「0,4」でれば、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」となり、「1,2,3」であれば、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる。
ここで、大当たり、且つ、確変大当たりと判別され、始動口入賞情報のビット値が「0」である場合は、「第1の確変大当たり(8R確変大当たり)」となり、始動口入賞情報のビット値が「1」である場合は、「第2の確変大当たり(16R確変大当たり)」となる。また、大当たり、且つ、時短大当たりと判別され、始動口入賞情報のビット値が「0」である場合は、「第1の時短大当たり(8R時短大当たり)」となり、始動口入賞情報のビット値が「1」である場合は、「第2の時短大当たり(16R時短大当たり)」となる。
S402の処理において、大当たりであると判別された場合(S402:Yes)、S401の処理により取得した第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様を設定する(S403)。つまり、S403の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」へ移行するか、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」へ移行するかを設定する。大当たり終了後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様(LED37Aa又はLED37Baの点灯状態)が設定される。本実施の形態では、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」になる場合には赤色のLEDが点灯され、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」になる場合には緑色のLEDが点灯され、外れである場合には青色のLEDが点灯される。
また、大当たり終了後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S403の処理により大当たり終了後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。
次に、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報が、ビット値「0」であるかを確認し(S404)、始動口入賞情報がビット値「0」であれば(S404:Yes)、MPU201内に設けられている変動種別カウンタCS1,CS2用のテーブル(図示せず)のうち、第1入球口A64に対応するテーブルを取得する(S405)。一方で、始動口入賞情報がビット値「1」であれば(S404:No)、第1入球口B640に対応するテーブルを取得する(S416)。
S405又はS416の処理後、取得されたテーブルと、RAM203のワークエリアに設けられているカウンタ用バッファに記憶されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づいて、大当たり時の変動パターンを決定する(S406)。即ち、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2又は中図柄列Z2’の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。このS406の処理による変動パターンの決定によって、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
なお、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決めるように構成してもよい。
一方で、S402の処理で大当たりではないと判別された場合には(S402:No)、外れ時の表示態様が設定される(S412)。このS412の処理では、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施の形態では、上述したように、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるか、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるか、特図A保留数カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)や、特図B保留数カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)等に応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報が、ビット値「0」であるかを確認し(S413)、始動口入賞情報がビット値「0」であれば(S413:Yes)、MPU201内に設けられている変動種別カウンタCS1,CS2用のテーブル(図示せず)のうち、第1入球口A64に対応するテーブルを取得する(S414)。一方で、始動口入賞情報がビット値「1」であれば(S413:No)、第1入球口B640に対応するテーブルを取得する(S417)。
S414又はS417の処理後、取得されたテーブルとRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づいて、外れ時の変動パターンを決定する(S415)。即ち、上記したS406と同様に、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2又は中図柄列Z2’の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。このS415の処理による変動パターンの決定によって、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
ここで、上述したように、MPU201内に設けられている変動種別カウンタCS1,CS2用のテーブル(図示せず)はいずれも、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、1の表示態様の種別を取り得る変動種別カウンタCS1の値の範囲が異なるように2種類のテーブルが設けられており、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、各表示態様の種別の選択比率が異なるように構成されている。よって、S406の処理によって大当たり時の変動パターンを決定する際や、S415の処理によって外れ時の変動パターンを決定する際に使用されるテーブルは、S404,S405,S416、又は、S413,S414,S417の処理により、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じたものが選択されるので、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄の各変動パターンを、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて多種多様に現出させることができ、遊技者に入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じた異なる印象を付与し、その結果として高い興趣を提供することができることになる。
S406の処理またはS415の処理が終わると、次に、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S407)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S406又はS415の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S408)、S403又はS412の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S409)。そして、S407の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定する(S410)。
S410の処理後、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報のビット値に応じた変動方向コマンドを設定し(S411)、この変動開始処理(S307)を終了して変動処理(図10参照)へ戻る。
S411の処理により設定される変動方向コマンドは、第3図柄表示装置81において表示される変動表示を縦スクロールとするか、横スクロールとするかを規定するコマンドである。本実施の形態では、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報が、ビット値「0」である場合には、横スクロールに対応する変動方向コマンドが設定され、始動口入賞情報がビット値「1」である場合は、縦スクロールに対応する変動方向コマンドが設定される。従って、第1入球口A64へ入賞した場合には第3図柄表示装置81において横スクロールの変動表示が行われ、第1入球口B640へ入賞した場合には第3図柄表示装置81において縦スクロールの変動表示が行われる。
この変動開始処理(S307)において設定された各コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。なお、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から出力された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて、第3図柄表示装置81に表示される変動演出や大当たり演出の態様を指示する表示用変動パターンコマンドや、第3図柄表示装置81に表示される停止図柄を指示する表示用停止図柄コマンドを表示制御装置114へ送信する。そして、表示制御装置114は、これらのコマンドに従って、第3図柄表示装置81の表示を制御する。
ここで、第1図柄表示装置37A,37Bや第3図柄表示装置81において変動表示が開始される場合に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるコマンドの順番について説明する。上述したとおり、メイン処理(図10参照)の外部出力処理(S201)では、コマンドが設定された順番に各コマンドが送信される。また、変動開始処理(S307)の実行前には、必ず、保留球格納エリア順送り処理(図11参照)が実行されるので、変動開始処理(S307)よりも先に、保留球格納エリア順送り処理のサブルーチンである保留数コマンド設定処理(図13参照)が実行される。つまり、保留数コマンド設定処理(S360)により、「保留数コマンド」が設定され、その後、変動開始処理(S307)により、「変動パターンコマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」、「変動方向コマンド」の順で、コマンドが設定される。よって、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へは、「保留数コマンド」、「変動パターンコマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」、「変動方向コマンド」の順に各種コマンドが送信される。
なお、「変動方向コマンド」を設けずに、「変動方向コマンド」が示す情報を「変動パターンコマンド」の中に含める構成としても良い。また、「演算時間加算コマンド」を設けずに、「演算時間加算コマンド」が示す情報を「変動パターンコマンド」の中に含める構成としても良い。また、それぞれを組み合わせた構成としても良い。
また、これらのコマンドは、順序を入れ替えて送信しても良い。また、コマンドの設定順序を入れ替えて、送信する順序を入れ替えても良い。例えば、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ「変動パターンコマンド」と「変動方向コマンド」とを真っ先に送信すれば、他のコマンドを送信する前に変動表示を開始して、変動表示を迅速に開始することができる。「保留数コマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」等は、変動表示の開始に影響を与え無いからである。
次に、図20から図21を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU211の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図20を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される立ち上げ処理について説明する。図20は、払出制御装置111の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、払出制御装置111の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU211がリセットされた場合に実行される処理である。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可すると共に(S802)、外部割込ベクタの設定を行う(S803)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してのデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S804)、記憶されていなければ(S804:No)、バックアップデータは記憶されていないので、処理をS811へ移行する。RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S804:Yes)、RAM判定値を算出し(S805)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S806:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS811へ移行する。払出制御装置111のメイン処理(図21参照)のS917の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S811,S812のRAMの初期化処理では、RAM213の全ての領域を0クリアした後(S811)、RAM213の初期値を設定する(S812)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、払出制御装置111のメイン処理(図21参照)へ移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S804:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S806:Yes)、RAM213にバックアップされたデータを保持したまま、電源遮断の発生情報をクリアすると共に(S807)、賞球や貸出球の払い出しを開始させるために、球の払出し許可を設定する(S808)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、後述する払出制御装置111のメイン処理(図21参照)へ移行する。
次に、図21を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理を説明する。図21は、払出制御装置111のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、球の払い出し制御を実行するための処理であり、上記した払出制御装置111の立ち上げ処理の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
このメイン処理では、まず主制御装置110から送信される賞球コマンドや払出復帰コマンド、払出初期化コマンドなどを受信すると共に、それらコマンドの種別を判定するコマンド判定処理を行う(S901)。このコマンド判定処理は、主制御装置110から受信した各種コマンドに応じて、それぞれのコマンドに対応する処理を実行するための処理であり、ここでは、例えば、主制御装置110より送信された払出復帰コマンドや、払出初期化コマンドや、賞球コマンドを受信すると、賞球や貸出球の払い出しが許可される。
コマンド判定処理(S901)が終わると、払い出しが許可されているか否かが判別され(S902)、払い出しが許可されていなければ(S902:No)、未だ主制御装置110は立ち上がった状態にないので、かかる場合には、コマンド判定処理(S901)において払い出しの許可がなされるまでコマンド判定処理(S901)を繰り返し実行する。一方、S902の処理において払い出しが許可されていれば(S902:Yes)、状態復帰スイッチ120をチェックし、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S903)。
その後、下皿50の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S904)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿50の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S905)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には、払出制御装置111に設けた7セグメントLEDにより報知する(S906)。
次に、S907〜S909の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つ記憶した総賞球個数が0でなければ(S907:No,S908:No)、賞球の払い出しを行うために賞球制御処理を開始する(S909)。一方、賞球の払出不可状態(S907:Yes)または総賞球個数が0であれば(S908:Yes)、貸球払出の処理に移行する。
S910〜S912の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S910:No,S911:Yes)、貸球を払い出しために貸球制御処理を開始する(S912)。一方、貸球の払出不可状態(S910:Yes)または貸球払出要求を受信していない場合には(S911:No)、処理をS913へ移行する。また、貸球制御処理(S912)の終了後も、同様に、処理をS913へ移行する。
S913の処理では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ134の制御(バイブモータ制御)を実行する(S913)。その後は、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S914)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S914:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていないので、かかる場合には、処理をS901へ移行して、上述したS901〜S913の各処理を繰り返し実行する。
一方、S914の処理において、電源断の発生情報が記憶されていれば(S914:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図18のNMI割込処理が実行されたということである。よって、かかる場合には、各割込処理の発生の禁止をし(S915)、主制御装置110から送信されるコマンドの受信漏れを防止するために、再度、コマンド判定処理を実行する(S916)。そして、RAM判定値を算出してRAM213に保存し(S917)、RAM213のアクセスを禁止して(S918)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、例えば、RAM判定値は、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S914の処理は、払出制御装置111のメイン処理の1サイクルが終わるタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断前の状態から復帰する場合には、処理を立ち上げ処理の終了後、S901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、メイン処理を開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、払出制御装置111の初期設定の処理(S801)(図20参照)において、スタックポインタを所定値(初期値)に設定することで、処理をS901から開始することができる。従って、払出制御装置111の制御負担を軽減することができると共に、払出制御装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。また、各処理が終わったタイミングで電源断の処理が実行されるので、RAM213にバックアップする情報量を少なくすることができる。
次に、図22から図26のフローチャートを参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、主制御装置110から送信される各種コマンドを受信する度に実行されるコマンド受信割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにコマンド受信割込み処理を説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
まず、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図25は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。コマンド受信割込処理は、主制御装置110から送信される各種コマンドを受信するための割込処理であり、主制御装置110から送信される各種コマンドを受信する度に実行される処理である。
このコマンド受信割込処理では、主制御装置110から送信されきたコマンドを受信し、その受信したコマンドをコマンド保存エリア223bに記憶して(S1230)、処理を終了する。なお、ここで記憶されたコマンドが保留数コマンドであれば、後述する保留個数表示更新処理(図26参照)において取得され、その取得された保留数コマンドに基づいて、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数が更新される。
次に、図22を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図22は、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、音声ランプ制御装置113の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU221がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源投入報知処理を実行する(S1002)。
電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図A保留ランプ85Aや、特図B保留ランプ85Bなどにより行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。
電源投入報知処理が終了したら、次に、今回の立ち上げ処理が、後述する電源断処理(図23のS1114)の実行途中で、MPU221がリセットされたために実行されたものであるのかを、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって判定する(S1003)。
上述した通り、瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)が発生すると、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113などに対して電源断コマンドを送信する。詳細については図23を参照しつつ後述するが、音声ランプ制御装置113では、電源断コマンドを受信すると、電源断コマンドを受信したことを示す電源断の発生情報をRAM223に記憶し、電源断処理(図23のS1114)を実行する。そして、かかる電源断処理の実行前には、電源断処理中フラグをオンし、電源断処理の終了後には、電源断処理中フラグをオフする。
つまり、電源断処理の実行途中で、MPU221がリセットされたか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。なお、電源断処理の実行途中に、または、実行完了した後に電源が完全に遮断された場合には、RAM223のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
より具体的には、電源断処理中フラグがオフである場合は、次の3つの状態の何れかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合である。1つ目の状態としては、電源が完全に遮断された状態である。電源が完全に遮断されると、RAM223のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
2つ目の状態としては、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図23のS1114)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理が完了した後に、MPU221がリセットされた状態である。この場合、電源が遮断されなかったため、RAM223のデータは喪失せずに保持される。また、電源断処理が完了するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
3つ目の状態としては、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221のみがリセットされた状態である。つまり、電源断処理が実行されることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、MPU221がリセットされると、電源断処理中フラグがオフのまま、RAM223のデータが保持される。
上述した3つの状態の何れかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合、即ち、電源断フラグがオフの場合は(S1003:No)、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1004)。なお、ここでデータが破壊されているか否かを確認しているのは、ノイズなどによってMPU221のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合に、RAM223のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1007の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1004:Yes)、S1005へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1004:No)、S1009の処理へ移行する。
より具体的には、電源が完全に遮断された後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1004:Yes)、S1005の処理へ移行する。一方、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図23のS1114)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行が完了した後にMPU221がリセットされて、今回の立ち上げ処理が開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221のみがリセットされた後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1004:No)、S1009の処理へ移行する。
S1003の処理において、電源断処理中フラグがオンである場合は(S1003:Yes)、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図23のS1114)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中でMPU221がリセットされた場合である。この場合は、現在のRAM223の記憶状態が必ずしも正しいとは言えない。よって、かかる場合には制御を継続することが困難であるので、処理をS1005へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1005の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1005)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1006:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1007)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1006:No)、RAM223の異常を報知して(S1008)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良い。
S1009の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1009)。電源断フラグは、電源断処理(図23のS1114)が実行される前にオンされ、電源が完全に遮断されるとオフとなる(図23のS1113参照)。よって、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオンである場合とは、瞬間的な停電が発生したため電源断処理が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中に、または、実行完了してMPU221がリセットされた場合である。
従って、かかる場合には(S1009:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S1010)、RAM223の初期値を設定した後(S1011)、割込み許可を設定して(S1012)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオフである場合とは、例えば、電源が完全に遮断された後に、再度電源が投入された場合(電源断フラグのデータを含むRAM223のデータが喪失している場合)、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221のみがリセットされて、電源断フラグがオンされることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、RAM223のデータが保持されている場合である。
よって、かかる場合には(S1009:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1010をスキップして、処理をS1011へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1011)、割込み許可を設定して(S1012)、メイン処理へ移行する。
なお、S1010のクリア処理をスキップするのは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。また、S1005〜S1007の処理が実行された場合には、S1005の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているので、再度、RAM223の作業エリアをクリアする必要がないからである。
次に、図23を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図23は、音声ランプ制御装置113のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、ランプ表示や音声出力の制御などを実行するための処理であり、上記した音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
メイン処理では、まず、このメイン処理が開始されてから1m秒以上が経過したか否かを判別し(S1101)、1m秒以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1108の処理を行わずにS1109の処理へ移行する。S1101の処理により、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1108が表示(演出)に関する処理であるので、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないからである。対して、S1109の変動表示処理では、演出態様の設定に用いる各カウンタ(図示しない)の更新処理などを実行し、また、S1110のコマンド判定処理では、主制御装置110から受信した各種コマンドに応じて、それぞれのコマンドに対応する処理を実行するので、S1109およびS1110の各処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1110の処理を短い周期で実行することにより、主制御装置110から送信されるコマンドに応じた処理を漏れなく確実に実行できる。
S1101の処理で1m秒以上経過していれば(S1101:Yes)、後述するS1106の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプ(例えば、電飾部29〜33や、表示ランプ34など)の出力を設定する(S1102)。そして、S1103の客待ち演出処理を実行し、その後、保留個数表示更新処理を実行する(S1104)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。また、保留個数表示更新処理では、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンドに基づいて、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数が更新される。なお、保留個数表示更新処理の詳細については後述する(図26参照)。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1105)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1105の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理が実行され(S1106)、その後音編集・出力処理が実行される(S1107)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや、表示ランプ34などが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1107の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1108)、S1109の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1106のランプ編集処理が実行される。なお、S1107の音編集・出力処理も、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1109の処理では、第3図柄表示装置81における変動演出(変動表示)の演出態様を設定し、表示制御装置114に対し、設定した演出態様を指示する表示用変動パターンコマンドや、表示用停止図柄コマンドなどを送信する処理である。表示制御装置114は、これらのコマンドに従って、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。
次に、主制御装置110から受信した各種コマンドに応じて、それぞれのコマンドに対応する処理を実行するコマンド判定処理を行う(S1110)。このコマンド判定処理の詳細については、図24を参照して後述する。
S1110の処理が終わると、RAM223に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1111)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1111の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1111:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1113)、電源断処理を実行する(S1114)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1115)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226、電飾部29〜33、及び、表示ランプ34への出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
S1111の処理において、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1111:No)、RAM223に記憶されるキーワード「55AAh」(図22のS1007の処理参照)に基づき、RAM223が破壊されているか否かを判別し(S1112)、RAM223が破壊されていなければ(S1112:No)、S1101の処理へ戻り、上述したS1101〜S1112の各処理を繰り返し実行する。
一方、S1112の処理において、RAM223が破壊されていれば(S1112:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図A保留ランプ85Aや、特図B保留ランプ85BなどによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図24を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理について説明する。図24は、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理は、主制御装置110から受信した各種コマンドに応じて、それぞれのコマンドに対応する処理を実行するための処理である。
このコマンド判定処理では、まず、コマンド保存エリア223bに未取得のコマンドが記憶されているかを判別し(S1201)、コマンド保存エリア223bに未取得のコマンドが記憶されている場合は(S1201:Yes)、未取得のコマンドを1つ読み取る(S1202)。一方、コマンド保存エリア223bに未取得のコマンドが記憶されていない場合は(S1201:No)、S1202〜S1205の各処理をスキップして、このコマンド判定処理を終了する。
そして、読み取ったコマンドが保留数コマンドであるかを判別する(S1203)。上述した通り、保留数コマンドは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)うち、一方のカウンタ値が変化した場合に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力されるコマンドである。また、この保留数コマンドにより、一方の値が変化した後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBがそれぞれ示される。
S1203の処理において、読み取ったコマンドが保留数コマンドであった場合は(S1203:Yes)、RAM223の保留数コマンド受信フラグ223aをオンに設定し(S1204)、このコマンド判定処理を終了する。一方、S1203の処理において、読み取ったコマンドが保留数コマンドでなかった場合は(S1203:No)、読み取ったコマンドに応じた処理を実行し(S1205)、このコマンド判定処理を終了する。なお、読み取ったコマンドに応じた処理とは、例えば、電源断コマンドを読み取った場合に、RAM223の所定領域に電源断の発生情報を記憶するなどの処理である。
次に、図26を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理(S1104)について説明する。図26は、保留個数表示更新処理を示すフローチャートである。保留個数表示更新処理(S1104)は、受信した保留数コマンドに基づいて、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数を更新する為の処理であり、上記したメイン処理(図23参照)の中で実行される処理である。
この保留個数表示更新処理(S1104)では、まず、RAM223の保留数コマンド受信フラグ223aがオンに設定されているかを判別する(S1301)。なお、保留数コマンド受信フラグ223aは、主制御装置110から送信される保留数コマンドを受信した場合にオンに設定されるフラグである(図24のS1204の処理参照)。また、主制御装置110から送信される各種コマンドを受信した場合には、受信した各種コマンドが、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶される(図25のS1230の処理参照)。
S1301の処理において、保留数コマンド受信フラグ223aがオフである場合は(S1301:No)、何も実行せずに、この保留個数表示更新処理を終了して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図23参照)に戻る。一方、S1301の処理において、保留数コマンド受信フラグ223aがオンである場合は(S1301:Yes)、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を読み込む(S1302)。
次に、ROM222の保留数テーブル222aにおいて、S1302の処理で読み込んだ下位バイト(1バイト)に対応する特図B保留球数NBと、特図A保留球数NAとを取得する(S1303)(図7参照)。そして、取得した特図B保留球数NBと同一数のランプを、特図B保留ランプ85Bにおいて点灯させ、取得した特図A保留球数NAと同一数のランプを、特図A保留ランプ85Aにおいて点灯させる(S1304)。これにより、特図A保留ランプ85Aでは、主制御装置110の特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)と同一数のランプが点灯され、特図B保留ランプ85Bでは、主制御装置110の特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)と同一数のランプが点灯される。
特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bの更新後は、保留数コマンド受信フラグ223aをオフに設定し(S1305)、この保留個数表示更新処理を終了して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図23参照)に戻る。
以上の図26の保留個数表示更新処理(S1104)によれば、コマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンドに基づいて、特図A保留ランプ85Aの点灯数、特図B保留ランプ85Bの点灯数を更新させ、第1入球口A64についての保留数の変化、および、第1入球口B640についての保留数の変化を表示することができる。よって、第1入球口A64または第1入球口B640へ入賞して、特図A保留球数NAや特図B保留球数NBが増加したことを遊技者に認識させることができる。また、変動表示が開始されて、特図A保留球数NAや特図B保留球数NBが減少したことを遊技者に認識させることができる。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機10によれば、大当たりの判定が開始される入球口が2つ(第1入球口A64及び第1入球口B640)設けられており、第1入球口A64についての保留回数(特図A保留球数NA)が、特図A保留球カウンタ203dにより計数され、第1入球口B640についての保留回数(特図B保留球数NB)が、特図B保留球カウンタ203eにより計数される。そのカウンタ203d,203eのうち、一方のカウンタ値が変化した場合には、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して、変化後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの2つの値を示す一の保留数コマンドが送信される。
よって、遊技球が新たに第1入球口A64または第1入球口B640へ入賞して、特図A保留球数NAや特図B保留球数NBが増加した場合や、変動表示が開始されて、特図A保留球数NAや特図B保留球数NBが減少した場合に、その旨を迅速に音声ランプ制御装置113へ通知できる。従って、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの最新の状態を、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプで表示できるので、特図A保留球数NAや特図B保留球数NBが増減したことを、迅速に遊技者に認識させることができる。
また、主制御装置110は、その保留数コマンドを演算作成する場合に、テーブルなど(例えば、保留球数−保留数コマンド対応テーブル)を用いずに、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に基づいて、保留数コマンドを演算作成しているので、テーブルなどを予めROM202等に記憶しておく場合と比較して、記憶領域の使用量(消耗)を抑制できる。よって、主制御装置110のROM202に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、ROM202の記憶領域を有効に使用できる。
また、保留数コマンド(2バイト)を演算作成する場合に、その保留数コマンドの下位バイト(1バイト)に、「11H」(1バイト)を加算しているので、各カウンタ値203d,203eの値がそれぞれ最小値「0」であっても、演算作成される下位バイトは「11H」となる。よって、演算作成された下位バイトが「00H」である場合や、「11H」未満(例えば、「10H」、「01H」など)である場合には、何らかのエラーが生じていると判別できる。また、各カウンタ値203d,203eの値は、それぞれ最大値が「4」であるので、演算作成された下位バイトが「55H」を超える場合も、何らかのエラーが生じていると判別できる。
また、第1入球口A64への入賞に対応するデータに基づいて、大当たりと判定された場合には、「第1の確変大当たり(8R確変大当たり)」または「第1の時短大当たり(8R時短大当たり)」いずれかとなり、第1入球口B640への入賞に対応するデータに基づいて、大当たりと判定された場合には、「第2の確変大当たり(16R確変大当たり)」または「第2の時短大当たり(16R時短大当たり)」のいずれかとなる。つまり、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じて、大当たり時のラウンド数(遊技価値の有利度)が変化する。よって、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
次に、図27および図28を参照して、音声ランプ制御装置113の保留個数表示更新処理(図26参照)の変形例である保留個数表示更新処理Aについて説明する。図27は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理Aを示すフローチャートであり、図28は、保留個数表示更新処理Aを説明するための模式図である。保留個数表示更新処理Aは、図23のメイン処理において、保留個数表示更新処理(S1104)に代えて実行される。
図26の保留個数表示更新処理では、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数を更新する場合に、ROM222の保留数テーブル222aを参照して、受信した保留数コマンドに対応する特図A保留球数NA、および、特図B保留球数NBを取得した。これに対し、図27の保留個数表示更新処理Aは、保留数テーブル222a(図7参照)などのテーブルを一切用いずに、受信した保留数コマンドの下位バイト(1バイト)から直接、特図A保留球数NA、および、特図B保留球数NBを抽出して、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数を更新する為の処理である。保留個数表示更新処理(S1104)に代えて、保留個数表示更新処理Aを実行する構成の場合は、音声ランプ制御装置113において、ROM222の保留数テーブル222aが不用となり、その分、ROM222の記憶領域の使用量(消費)を抑制できる。よって、音声ランプ制御装置113のROM222に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、ROM222の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留個数表示更新処理Aの説明にあたっては、図26の保留個数表示更新処理と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
まず、S1301の処理において、保留数コマンド受信フラグ223aがオフである場合は(S1301:No)、何も実行せずに、この保留個数表示更新処理Aを終了して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図23参照)に戻る。一方、S1301の処理において、保留数コマンド受信フラグ223aがオンである場合は(S1301:Yes)、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を読み込む(S1302)。例えば、図28(a)に示す保留数コマンド「D034H」(2バイト)が、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている場合には、図28(b)に示すように、その保留数コマンドの下位バイトである「34H」(1バイト)を、レジスタに読み込む。
次に、S1302の処理で読み込んだ下位バイトから、「11H」(1バイトを減算する(S1331)。ここで、「11H」を減算することにより、保留数コマンドを演算作成する保留数コマンド設定処理(図13参照)において、保留数コマンドの下位バイトに加算された「11H」(図13のS376の処理)を取り除く。なお、保留数コマンドの下位バイトから「11H」を取り除いた場合、その下位バイトの上位4ビットが、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を示し、下位4ビットが、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を示す(図13のS375の処理参照)。
例えば、保留数コマンドの下位バイト「34H」から、「11H」を減算すると、その演算結果は、図28(c)に示すように、「23H(「00100011B」)」となる。この演算結果の上位4ビット「2H」が特図B保留球数NBを示しており、下位4ビット「3H」が特図A保留球数NAを示している。
次に、その演算結果のデータ(1バイト)から、上位4ビットが示す数値(10進数)を抽出する(S1332)。例えば、S1331の演算結果のデータ(1バイト)を汎用レジスタに読み込み、各ビットをそれぞれ下位方向(右)へ4ビットシフトして、数値を抽出する。
具体的には、演算結果のデータ「23H(「00100011B」)」を、下位方向に4ビットシフトすると、汎用レジスタの値が「2H(00000010B)」となるので、上位4ビットが示す数値だけを抽出できる。なお、データを4ビット下位方向にシフトする場合には、例えば、1ビット右へシフトするシフト命令(例えば、SRL命令)を4回繰り返す。または、データを1ビット右へローテートするローテート命令(例えば、RRC命令)を4回繰り返しても良い。または、データに対して「32」を除算するようにしても良い。
そして、S1332の処理が終了したら、抽出した数値と同一数のランプを、特図B保留ランプ85Bにおいて点灯させる(S1333)。つまり、受信した保留数コマンドが「D034H」である場合には、特図B保留ランプ85Bにおいて、2(「2H」)個のランプが点灯される。
また、S1331の演算結果のデータ(1バイト)から、下位4ビットが示す数値(10進数)を抽出する(S1334)。例えば、S1331の演算結果のデータ「23H(「00100011B」)」と、「0FH(00001111B)」との論理積を算出し、数値を抽出する。これにより、下位4ビットが示す数値だけ、即ち、「3H(00000011B)」だけを抽出できる。
そして、S1334の処理が終了したら、抽出した数値と同一数のランプを、特図A保留ランプ85Aにおいて点灯させる(S1335)。つまり、受信した保留数コマンドが「D034H」である場合には、特図A保留ランプ85Aにおいて、3(「3H」)個のランプが点灯される。
その後は、保留数コマンド受信フラグ223aをオフに設定し(S1305)、この保留個数表示更新処理Aを終了して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図23参照)に戻る。
なお、上述した保留個数表示更新処理Aでは、S1332の処理を実行して特図B保留球数NBを抽出し、S1334の処理を実行して特図A保留球数NAを抽出しているが、データを4ビット単位でローテートするローテート命令(例えば、RRD命令)を用いて、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを一度に抽出しても良い。詳細については後述するが(図35参照)、Z80系のMPUであれば、コマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)から「11H」を減算し、その保留数コマンドの下位バイトの記憶場所を示すアドレス値をHLレジスタ(2バイト)に記憶する。そして、Accレジスタ(1バイト)の全ビットに「0B」を設定(初期化)して、その後、RRD命令を実行する。
RRD命令が実行されると、HLレジスタが示す記憶場所(即ち、保留数コマンドの下位バイト(1バイト))において、下位4ビットがAccレジスタの下位4ビットにローテートされ、上位4ビットが下位4ビットにローテートされ、Accレジスタの下位4ビットが上位4ビットにローテートされてくる。
つまり、Accレジスタには特図A保留球数NAが設定され、HLレジスタが示す記憶場所(即ち、保留数コマンドの下位バイト)には特図B保留球数NBが設定される。例えば、HLレジスタが示す記憶場所に、S1331の演算結果のデータ「23H(「00100011B」)」が記憶されている場合、RRD命令が実行されると、Aレジスタの下位4ビットには「3H(0011B)」が設定され、HLレジスタが示す記憶場所には「2H(0010B)」が設定される。
このようすれば、一命令で済むので、1ビットシフト命令や1ビットローテート命令を4回繰り返す場合よりも、プログラムのステップ数を軽減することができるので、プログラムの容量を小さくすることができ、ROM222の空き容量を増やすことができる。
なお、上述したようにRRD命令を実行した場合には、S1333の処理では、HLレジスタが示す記憶場所に記憶されている値を用いて、S1335の処理では、Accレジスタの値を用いて、各保留ランプ85A,85Bの点灯を行えば良い。
以上の図27の保留個数表示更新処理Aによれば、保留数テーブル222a(図7参照)などのテーブルを一切用いずに、受信した保留数コマンドの下位バイト(1バイト)から直接、特図A保留球数NA、および、特図B保留球数NBを抽出して、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数を更新することができる。
よって、音声ランプ制御装置113において、ROM222の保留数テーブル222aが不用となり、その分、ROM222の記憶領域の使用量(消費)を抑制できる。
次に、図29を参照して、主制御装置110の保留数コマンド設定処理(図13参照)の変形例である保留数コマンド設定処理Aについて説明する。図29は、主制御装置110内のMPU201により実行される保留数コマンド設定処理Aを示すフローチャートである。保留数コマンド設定処理Aは、図12の保留球格納エリア順送り処理(S306)と、図16の第1始動入賞処理(S504)と、図17の第2始動入賞処理(S505)とにおいて、保留数コマンド設定処理(S360)に代えて実行される。
図13の保留数コマンド設定処理は、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に基づいて、各カウンタ203d,203eの2つの値を示す一の保留数コマンドを演算作成する処理である。これに対し、図29の保留数コマンド設定処理Aは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)に基づいて、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)だけを示す一の保留数コマンドを演算作成する処理である。
なお、保留数コマンド設定処理Aの説明にあたっては、図13の保留数コマンド設定処理と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
例えば、この保留数コマンド設定処理Aは、球が入賞した場合に大当たりの抽選がなされる入球口が第1入球口A64の1つのみとされ、第1入球口A64についての入賞の保留回数(特図A保留球数NA)のみが、特図A保留ランプ85Aにおいて点灯表示されるパチンコ機Aにおいて実行される処理である。このパチンコ機Aでは、例えば、第1入球口B640は、球が入賞した場合に賞球を払い出すだけの一般入賞口として設けられる。
保留数コマンド設定処理Aでは、まず、RAM203のコマンド作成エリア203f(2バイト)を0クリアする(S371)。次に、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を取得し、その値を、コマンド作成エリア203f(2バイト)の下位バイト(1バイト)に記憶する(S391)。例えば、特図A保留球カウンタ203dの値が「3」である場合、「3」は2進数で表すと「11B」となるので、コマンド作成エリア203fの下位バイトには、「00000011B」という数値が記憶される。
そして、コマンド作成エリア203fの下位バイトに、「01H(「00000001B」)」(1バイト)を加算する(S392)。上述した通り、パチンコ機Aにおいて何らかのエラーが生じている場合には、演算結果や、RAM203から取得されるデータなどが、全ビット「0B」となったり、全ビット「1B」となることが多い。
ここで、特図A保留球カウンタ203dの値をそのまま用いて、保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を演算作成すると、エラーが生じている場合にも、正常であって特図A保留球カウンタ203dの値が「0」である場合にも共に、保留数コマンドの下位バイトは「00H」(1バイト)となるため、正常であるのか、エラーが生じているのかは判別できない。
そこで、保留数コマンド(2バイト)を演算作成する場合に、その保留数コマンドの下位バイト(1バイト)に、「01H」(1バイト)を加算することにより、カウンタ203dの値が最小値「0」であっても、演算作成される下位バイトを「01H」とすることができる。よって、演算作成された下位バイトが「00H」である場合には、何らかのエラーが生じていると判別できる。また、特図A保留球カウンタ203dの値は、最大値が「4」であるので、演算作成された下位バイトが「05H」を超える場合も、何らかのエラーが生じていると判別できる。また、「01H」を加算するという簡単な処理で、何らかのエラーが生じていると判別できる。
また、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信した場合に、その保留数コマンドの下位バイト(1バイト)が、「00H」であるか、または、「05H」を超えているかを判断するように構成すれば、音声ランプ制御装置113でも何らかのエラーが生じていると判定することができるので、パチンコ機Aのエラーの判定精度を向上できる。
S393の処理が終了したら、次に、コマンド作成エリア203f(2バイト)の上位バイト(1バイト)に、「D0H」(1バイト)を記憶する(S393)。これにより、コマンド作成エリア203fにおいて、保留数コマンド「D004H」(2バイト)が演算作成される。そして、コマンド作成エリア203f(2バイト)内に記憶されている2バイトのデータを、RAM203の所定領域に保留数コマンドとして設定(記憶)し(S394)、この保留数コマンド設定処理を終了して、この保留数コマンド設定処理が実行される前の各処理へ戻る。なお、S394の処理により設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯される。
以上の図29の保留数コマンド設定処理Aによれば、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)に基づいて、特図A保留球数NAを示す一の保留数コマンドを演算作成することができる。
なお、保留数コマンド設定処理Aでは、保留数コマンドを演算作成する場合に、「01H」(1バイト)を加算しているが、代わりに「0AH」(1バイト)を加算するように構成しても良い。つまり、特図A保留球カウンタ203dの最大値が「4」である状態で、保留数コマンドを演算作成した場合に、保留数コマンドの下位バイトが「0EH」となる数値「0AH」を加算するのである。すなわち、特図A保留球カウンタ203dの最大値が「X」であれば、数値「0(E−X)H」を加算する。このようにすれば、特図A保留球カウンタ値203dの値が最小値「0」である場合に、「0AH」を加算すると、演算作成される下位バイトは「0AH」となる。一方、特図A保留球カウンタ値203dの値が最大値「4」である場合に、「0AH」を加算すると、演算作成される保留数コマンドの下位バイトは「0EH」となる。よって、演算作成された下位バイトが「00H」である場合や、「0FH」以上である場合や、「FFH」である場合には、何らかのエラーが生じていると判別できる。なお、「01H」〜「0AH」までの任意の数値を加算するように構成しても良い。
また、保留数コマンド設定処理Aでは、保留数コマンドを演算作成する場合に、「01H」(1バイト)を加算しているが、その代わりに、特定の値を減算するように構成しても良いし、特定の値を乗算または除算するように構成しても良い。
また、この保留数コマンド設定処理Aは、球が入賞した場合に大当たりの抽選がなされる入球口が、第1入球口B640の1つのみ設けられているパチンコ機Bにも適用することができる。即ち、第1入球口B640についての入賞の保留回数(特図B保留球数NB)のみが、特図B保留ランプ85Bにおいて点灯表示されるパチンコ機Bの場合には、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)の代わりに、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に基づいて、特図B保留球数NBを示す一の保留数コマンドを演算作成すれば良い。
また、この保留数コマンド設定処理Aを用いれば、一の入球口についての保留数コマンドを演算作成することができるので、パチンコ機10において、第1入球口A64,B640毎に保留数コマンドを演算作成して、別々に保留数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信しても良い。なお、第1入球口A64,B640毎に保留数コマンドを演算作成して送信する場合には、入賞の保留回数が変更された第1入球口についてのみ、保留数コマンドを演算作成し送信するように構成すれば、主制御装置110における保留数コマンドの送信回数、および、音声ランプ制御装置113における受信回数を軽減することができので、制御的負担を軽減することができる。
次に、図30を参照して、保留個数表示更新処理A(図27参照)の変形例である保留個数表示更新処理Bについて説明する。図30は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理Bを示すフローチャートである。
図30の保留個数表示更新処理Bは、上述した保留数コマンド設定処理A(図29参照)に対応する処理であり、保留数コマンド設定処理Aにより演算作成された保留数コマンドを受信した場合に、保留数テーブル222a(図7参照)などのテーブルを一切用いずに、受信した保留数コマンドの下位バイト(1バイト)から直接、特図A保留球数NAを抽出して、特図A保留ランプ85Aのランプの点灯数を更新する為の処理である。保留個数表示更新処理Bは、図23のメイン処理において、保留個数表示更新処理(S1104)に代えて実行される。なお、保留個数表示更新処理Bの説明にあたっては、図27の保留個数表示更新処理Aと同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
S1301の処理において、保留数コマンド受信フラグ223aがオンである場合は(S1301:Yes)、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を読み込む(S1302)。例えば、RAM223のコマンド保存エリア223bに、保留数コマンド「D004H」(2バイト)が記憶されている場合には、その保留数コマンドの下位バイトである「04H」(1バイト)が、レジスタに読み込まれる。
次に、S1302の処理で読み込んだ下位バイトから、「01H」を減算する(S1351)。ここで、「01H」を減算することにより、保留数コマンド設定処理A(図29参照)において、保留数コマンドの下位バイトに加算された「01H」(図29のS392の処理)を取り除く。なお、保留数コマンドの下位バイトから「01H」を取り除いた場合、その下位バイトは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を示す。例えば、保留数コマンドの下位バイト「04H」から、「01H」を減算すると、その演算結果は「03H」となる。つまり、特図A保留球数NAが「3」であることを示す。
次に、S1351の演算結果のデータ(1バイト)が示す数値(10進数)を抽出し(S1352)、その抽出した数値と同一数のランプを、特図A保留ランプ85Aにおいて点灯させる(S1353)。つまり、受信した保留数コマンドが「D004H」である場合には、特図A保留ランプ85Aにおいて、3(「03H」)個のランプを点灯させる。
その後は、保留数コマンド受信フラグ223aをオフに設定し(S1305)、この保留個数表示更新処理Bを終了して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図23参照)に戻る。
以上の図30の保留個数表示更新処理Bによれば、保留数コマンド設定処理Aにより演算作成された保留数コマンドを受信した場合に、保留数テーブル222a(図7参照)などのテーブルを一切用いずに、受信した保留数コマンドの下位バイト(1バイト)から直接、特図A保留球数NAを抽出して、特図A保留ランプ85Aのランプの点灯数を更新することができる。よって、音声ランプ制御装置113において、ROM222の保留数テーブル222aが不用となり、その分、ROM222の記憶領域の使用量(消費)を抑制できる。よって、音声ランプ制御装置113のROM222に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、ROM222の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留数コマンド設定処理Aにより演算作成される保留数コマンドは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を示すコマンドであるが、例えば、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)の代わりに、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を示す保留数コマンドが演算作成される場合には、受信した保留数コマンドの下位バイト(1バイト)から直接、特図B保留球数NBを抽出して、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数を更新するように構成すれば良い。
次に、図33及び図34を参照して、主制御装置110の保留数コマンド設定処理(図13参照)の変形例である保留数コマンド設定処理Bについて説明する。図33は、主制御装置110内のMPU201により実行される保留数コマンド設定処理Bを示すフローチャートであり、図34は、保留数コマンド設定処理Bを説明するための模式図である。
保留数コマンド設定処理Bは、図12の保留球格納エリア順送り処理(S306)と、図16の第1始動入賞処理(S504)と、図17の第2始動入賞処理(S505)とにおいて、保留数コマンド設定処理(S360)に代えて実行される。
図13の保留数コマンド設定処理は、保留数コマンドの下位バイト(1バイト)を演算作成する場合に、1ビットシフト命令(又は、1ビットローテート命令)および論理演算命令を実行して作成する処理である。これに対し、図33の保留数コマンド設定処理Bは、1ビットシフト命令(又は、1ビットローテート命令)および論理演算命令を実行せずに、代わりに、RLD命令による4ビット単位のローテートを実行して、保留数コマンドの下位バイトを演算作成する処理である。
保留数コマンド設定処理(S360)に代えて、保留数コマンド設定処理Bを実行する構成の場合は、保留数コマンドを演算作成するプログラムのステップ数を軽減することができるので、プログラムの容量を小さくすることができ、主制御装置110のROM202の空き容量を増やすことができる。よって、主制御装置110のROM202に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、ROM202の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留数コマンド設定処理Bの説明にあたっては、図13の保留数コマンド設定処理と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
この保留数コマンド設定処理Bでは、まず、S371〜S372の処理を実行する。そして、特図A保留球カウンタ203dの値を取得し、その数値を、Accレジスタ(1バイト)の中に記憶する(S1401)。
例えば、図34(a)に示すように、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が「3」であり、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が「2」であるとする。S371〜S372の処理が実行されると、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)には、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が記憶されるので、図34(b)の右図に示すように、「00000010B」という数値が記憶される。また、S1401の処理が実行されると、Accレジスタの中には、特図A保留球カウンタ203dの値が記憶されるので、図34の(b)の左図に示すように「00000011B」という数値が記憶される。
次に、コマンド作成エリア203f(2バイト)の下位バイト(1バイト)の記憶場所を示すアドレス値をHLレジスタの中に記憶して(S1402)、RLD命令を実行する(S1403)。なお、S1402の処理が実行されると、HLレジスタによって、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)の記憶場所が示される。また、RLD命令とは、HLレジスタにより示される記憶領域のデータと、Accレジスタの中のデータとを4ビット単位で入れ換える命令である。
ここで、RLD命令が実行されると、図34(c)に示すように、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)の下位4ビット「0010B」が、その下位バイトの上位4ビットにローテートされ、コマンド作成エリア203fの下位バイトの上位4ビット「0000B」が、Accレジスタの下位4ビットにローテートされる。また、Accレジスタの下位4ビット「0011B」が、コマンド作成エリア203fの下位バイトの下位4ビットにローテートされる。
その結果、コマンド作成エリア203fの下位バイトの上位4ビットには、特図B保留球数NB(ここでは、「2H」)が設定され、その下位バイトの下位4ビットには、特図A保留球数NA(ここでは、「3H」)が設定される。
このようにRLD命令を1回実行する構成にすれば、図13に示すS373の処理において、1ビットシフト命令(SLA命令など)や1ビットローテート命令(RLC命令など)を4回繰り返す必要がない。さらに、図13に示すS375の処理において、論理演算を行う必要もないので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができ、ROM202の空き容量を増やすことができる。
次に、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)に、「11H」を加算する(S1404)。その結果、図34(d)に示すように、コマンド作成エリア203fには、「0034H」という数値に書き換えられる。その後、S377の処理を実行して、図34(e)に示すように、保留数コマンド「D034H」(2バイト)を演算作成する。
そして、S378の処理を実行して、この保留数コマンド設定処理Bを終了し、この保留数コマンド設定処理Bが実行される前の各処理(第1始動入賞処理、第2始動入賞処理、または、保留球格納エリア順送り処理)へ戻る。
なお、S378の処理により設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
以上の図33の保留数コマンド設定処理Bによれば、保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を演算作成する場合に、RLD命令を1回実行する構成としているので、図13に示すS373の処理において、1ビットシフト命令(SLA命令など)や1ビットローテート命令(RLC命令など)を4回繰り返す必要がない。さらに、図13に示すS375の処理において、論理演算を行う必要もないので、プログラムのステップ数を軽減することができる。
よって、プログラムの容量を小さくすることができ、主制御装置110のROM202の空き容量を増やすことができるので、ROM202に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、主制御装置110のROM202の記憶領域を有効に使用できる。
次に、図35および図36を参照して、音声ランプ制御装置113の保留個数表示更新処理A(図27参照)の変形例である保留個数表示更新処理Cについて説明する。図35は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理Cを示すフローチャートであり、図36は、保留個数表示更新処理Cを説明するための模式図である。保留個数表示更新処理Cは、図23のメイン処理において、保留個数表示更新処理(S1104)に代えて実行される。
図27の保留個数表示更新処理Aは、1ビットシフト命令(又は、1ビットローテート命令)および論理演算命令を実行して、受信した保留数コマンドの下位バイト(1バイト)から特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを抽出する処理である。これに対し、図35の保留個数表示更新処理Cは、1ビットシフト命令(又は、1ビットローテート命令)および論理演算命令を実行せずに、代わりに、RRD命令による4ビット単位のローテートを実行して、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを抽出する処理である。
保留個数表示更新処理Aに代えて、保留個数表示更新処理Cを実行する構成の場合は、受信した保留数コマンドから特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを抽出するプログラムのステップ数を軽減することができるので、プログラムの容量を小さくすることができ、音声ランプ制御装置113のROM222の空き容量を増やすことができる。よって、音声ランプ制御装置113のROM222に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、ROM222の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留個数表示更新処理Cの説明にあたっては、図27の保留個数表示更新処理Aと同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
この保留個数表示更新処理Cでは、まず、S1301の処理を実行する。S1301の処理において、保留数コマンド受信フラグ223aがオンである場合は(S1301:Yes)、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)の記憶場所を示すアドレス値を取得する(S1501)。
そして、取得したアドレス値を、HLレジスタの中に記憶して(S1502)、コマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンドの下位バイト(1バイト)の中の数値から、「11H」を減算する(S1503)。次に、Accレジスタの中の数値を「0(00H)」に設定して(S1504)、RRD命令を実行する(S1505)。
なお、S1502の処理が実行されると、HLレジスタによって、コマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)の記憶場所が示される。また、RRD命令とは、HLレジスタにより示される記憶領域のデータと、Accレジスタの中のデータとを4ビット単位で入れ換える命令である。
例えば、図36(a)に示す保留数コマンド「D034H」(2バイト)が、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている場合には、S1503の処理が実行されると、保留数コマンドの下位バイトは、図36(b)の右図に示すように「23H(00100011B)」という数値に書き換えられる。
S1504の処理が実行されると、Accレジスタの中には、図36(b)の左図に示すように「00000000B」という数値が設定される。ここで、RRD命令が実行されると、図36(c)に示すように、保留数コマンドの下位バイト(1バイト)の下位4ビット「0011B」がAccレジスタの下位4ビットにローテートされ、その下位バイトの上位4ビット「0010B」が下位4ビットにローテートされる。また、Accレジスタの下位4ビット「0000B」が、保留数コマンドの下位バイトの上位4ビットにローテートされる。
その結果、図36(d)の右図に示すように、コマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンドの下位バイトには、特図B保留球数NBが設定される。また、図36(d)の左図に示すように、Accレジスタの中には、特図A保留球数NAが設定される。
このように、RRD命令を1回実行する構成にすれば、図27に示すS1332の処理において、1ビットシフト命令(SRL命令など)や1ビットローテート命令(RRC命令など)などを4回繰り返す必要がない。さらに、図27に示すS1334の処理において、論理演算を行う必要もないので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができ、ROM222の空き容量を増やすことができる。
次に、コマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンドの下位バイト(1バイト)の中の数値と同一数のランプを、特図B保留ランプ85Bにおいて点灯させる(S1506)。つまり、受信した保留数コマンドが「D034H」である場合には、特図B保留ランプ85Bにおいて、2(「2H」)個のランプが点灯される。
そして、Accレジスタの中の数値と同一数のランプを、特図A保留ランプ85Aにおいて点灯させる(S1507)。つまり、受信した保留数コマンドが「D034H」である場合には、特図A保留ランプ85Aにおて、3(「3H」)個のランプが点灯される。その後は、S1305の処理を実行して、この保留個数表示更新処理Cを終了し、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図23参照)に戻る。
以上の図35の保留個数表示更新処理Cによれば、受信した保留数コマンドから特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを抽出する場合に、RRD命令を1回実行する構成としているので、図27に示すS1332の処理において、1ビットシフト命令(SRL命令など)や1ビットローテート命令(RRC命令など)を4回繰り返す必要がない。さらに、図27に示すS1334の処理において、論理演算を行う必要もないので、プログラムのステップ数を軽減することができる。
よって、プログラムの容量を小さくすることができ、音声ランプ制御装置113のROM222の空き容量を増やすことができるので、ROM222に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、音声ランプ制御装置113のROM222の記憶領域を有効に使用できる。
以上、上記各実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態では、大当たりの判定が開始される入球口として、第1入球口A64及び第1入球口B640を設ける構成としたが、この第1入球口は3つ以上であっても良い。なお、第1入球口を3つ以上設けた場合には、全ての第1入球口に対して各々異なる始動口入賞情報を割り当てる必要はない。即ち、第1入球口と始動口入賞情報の種類(値)とを1対1で対応付ける必要はなく、複数の第1入球口に対して1の始動口入賞情報を割り当てるように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、大当たりの判定が開始される入球口として、第1入球口A64及び第1入球口B640の2つを設けているが、何れか一方の第1入球口A64,B640のみを設けた構成でも良い。
また、上記実施の形態では、始動口入賞情報としてビット値「0」を第1入球口A64への入賞に対応づけ、ビット値「1」を第1入球口B640への入賞に対応づけているが、ビット値「1」を第1入球口A64への入賞に対応づけ、ビット値「0」を第1入球口B640への入賞に対応づけても良い。なお、1ビットのビット値に限らず、複数ビットにより構成されるビット値を、第1入球口A64への入賞や、第1入球口B640への入賞に対応づけても良い。また、第1入球口を3つ以上設けた場合には、それぞれの第1入球口に異なる複数ビット値を対応づけ、各ビット値ごとに異なる変動表示を行わせても良い。例えば、変動表示を縦スクロールや、横スクロールや、斜めスクロールなどを行うように構成する。
また、上記実施の形態では、保留数コマンドは2バイトで構成されており、保留数コマンドの上位バイト「D0H」(1バイト)が命令の種別に対応し、下位バイト(1バイト)が、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に対応しているが、保留数コマンドの上位バイト(1バイト)を、命令の種別および特図B保留球数NBに対応させ、下位バイト(1バイト)を特図A保留球数NAに対応させても良い。例えば、保留数コマンドが「D305H」(2バイト)である場合は、上位バイト(1バイト)の上位4ビットである「DH」が命令の種別に対応し、上位バイト(1バイト)の下位4ビットである「3H」が特図B保留球数NBに対応し、下位バイト(1バイト)である「05H」が特図A保留球数NAに対応する。
また、上記実施の形態では、図1に示すように、第1入球口A64と第1入球口B640とを比較的広く離間し、第1入球口B640に付随する電動役物が閉鎖された状態であっても球が入球可能であるように構成した。これに換えて、第1入球口A64と第1入球口B640との配置間隔を図1に示した場合より狭くし、第1入球口B640に付随する電動役物の開放時には球が入球可能であるが、閉鎖時には球が入球できないように第1入球口A64と第1入球口B640とを配置するような構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報が、ビット値「0」であるか「1」であるかに応じて各々異なる動作の制御(例えば、第3図柄表示装置81に変動表示を縦スクロールで表示するか横スクロールで表示するか)を行うように構成した。これは、始動口入賞情報に応じて各々異なる制御を実行することに限定することを意図するものではなく、上記のように第1入球口を3つ以上設けた結果として3種類以上の異なる始動口入賞情報が設定された場合には、複数の始動入賞情報に対して同じ制御が実行されるような構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、第3図柄表示装置81における変動表示の時間を決定する場合に、変動種別カウンタCS1〜CS3のカウンタ値に基づいて決定しているが、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて、第3図柄表示装置81における変動表示の時間を決定するように構成しても良い。例えば、第1入球口A64に入賞した場合に比べ、第1入球口B640に入賞した場合の方が、変動表示の時間が長くなるように構成しても良い。なお、始動口入賞情報のビット値と、変動種別カウンタCS1〜CS3のカウンタ値とに基づいて、第3図柄表示装置81における変動表示の時間を決定するように構成しても良い。
また、上記実施の形態では、第3図柄表示装置81で表示される演出パターン(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)を決定する場合に、停止パターン選択カウンタC3のカウンタ値に基づいて決定しているが、停止パターン選択カウンタC3を設けずに、その他のカウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、および、変動種別カウンタCS1〜CS3)のカウンタ値に基づいて決定するように構成しても良い。なお、第3図柄表示装置81で表示される演出パターンは、変動種別カウンタCS1〜CS3のうちの一のカウンタ値と、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値と、第1当たり種別カウンタC2のカウンタ値とに基づいて決定しても良いし、変動種別カウンタC1〜C3のうちの複数のカウンタ値と、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値と、第1当たり種別カウンタC2のカウンタ値とに基づいて決定しても良い。
また、上記実施の形態では、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じた特徴的な動作として、(1)変動表示時において第3図柄表示装置81にて表示される変動パターン(スクロール方向の変更、変動パターンの現出確率の変更)や、(2)変動表示に使用する第1図柄表示装置37A,37Bの選択や、(3)点灯される特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bの選択を例示したが、始動口入賞情報に応じた動作として(1)〜(3)が全て実行されることを意図するものではない。例えば、変動態様は始動口入賞情報にかかわらず同じ変動パターンの変動表示が第3図柄表示装置81に表示され、始動口入賞情報に応じて点灯される特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bの選択が実行されるものであってもよい。
また、上記に加えて又は上記以外に、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて、第1当たり乱数カウンタC1の値が「大当たり」となる確率を変更するように構成してもよい。例えば、第1入球口A64に入賞した場合に比べ、第1入球口B640に入賞した場合の方が大当たり確率が高くなるように構成してもよい。かかる構成とした場合、始動口入賞情報に応じて、即ち、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じて、遊技価値の有利度に変化をつけることができる。その結果、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
さらに、上記に加えて又は上記以外に、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて、第1当たり種別カウンタC2の値により「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる確率を変更するように構成してもよい。例えば、第1入球口A64に入賞した場合に比べ、第1入球口B640に入賞した場合の方が、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる確率が高くなるように構成してもよい。かかる構成とした場合、始動口入賞情報に応じて、即ち、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じて、遊技価値の有利度に変化をつけることができる。その結果、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
さらに、上記に加えて又は上記以外に、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて、第1当たり種別カウンタC2の値により「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」となる確率を変更するように構成してもよい。例えば、第1入球口A64に入賞した場合に比べ、第1入球口B640に入賞した場合の方が、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」となる確率が高くなるように構成してもよい。かかる構成とした場合、始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて、即ち、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じて、遊技価値の有利度に変化をつけることができる。その結果、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
さらに、上記に加えて又は上記以外に、大当たり終了後に付与するラウンド数(利益)を、カウンタ値などに基づく抽選により決定するように構成し、その抽選確率を、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて変更するように構成しても良い。例えば、大当たり終了後のラウンド数を2種類(16ラウンドおよび8ラウンド)の中から抽選する場合、始動口入賞情報のビット値が「1」であれば(第1入球口B640への入賞であれば)、100%(一例)の確率で、16ラウンドが選択されるようにし、始動口入賞情報のビット値が「0」であれば(第1入球口A64への入賞であれば)、20%(一例)の確率で16ランドが選択されるように構成する。このようにすれば、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じて、遊技価値の有利度に変化をつけることができるので、その結果、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
また、上記実施の形態では、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて、即ち、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じて、大当たり終了後に付与するラウンド数(利益、遊技価値)が決定されているが、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に関係なく、同一のラウンド数(例えば、16R)が大当たり終了後に付与されるように構成されていても良い。つまり、第1入球口A64への入賞に対する利益(遊技価値)と、第1入球口B640への入賞に対する利益(遊技価値)とを、同一としても良い。
また、上記実施の形態では、第1入球口A64及び第1入球口B640の両方に共通するカウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3など)を共通にするよう構成したが、これらのカウンタの全て又は一部(例えば、第1当たり乱数カウンタC1、第2当たり種別カウンタC2、及び停止パターン選択カウンタC3)を、第1入球口A64用と第1入球口B640用とで別々に設けるように構成してもよい。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1、第2当たり種別カウンタC2、及び停止パターン選択カウンタC3を、それぞれ、第1入球口A64用と第1入球口B640用とで2つずつ設けるように構成してもよい。
かかる場合、第1入球口A64用と第1入球口B640用とに別々設けたカウンタの全範囲(即ち、取り得る値の数)は、同じに構成しても異なるように構成してもよい。例えば、第1当たり乱数カウンタC1を第1入球口A64用と第1入球口B640用とで2つ設けた場合には、第1入球口A64用の第1当たり乱数カウンタC1の全範囲(即ち、取り得る値の数)と、第1入球口B640用の第1当たり乱数カウンタC1の全範囲とをそれぞれ同じに構成しても、互いに異なるように構成してもよい。
また、カウンタの全範囲に対してある態様に対して割り当てた範囲を、第1入球口A64用と第1入球口B640用とで同じに構成しても異なるように構成してもよい。例えば、第1当たり乱数カウンタC1を第1入球口A64用と第1入球口B640用とで2つ設けた場合に、大当たりとなる範囲をそれぞれ同じに構成しても、互いに異なるように構成してもよい。
即ち、第1入球口A64用のカウンタと第1入球口B640用のカウンタとを別々に設けた場合に、カウンタの全範囲やある態様に対して割り当てた範囲の設定によって、ある態様が現出する確率が第1入球口A64へ入賞した場合と第1入球口B640へ入賞した場合とで同じになるように構成しても、互いに異なるように構成してもよい。
例えば、第1入球口A64用の第1当たり乱数カウンタC1と第1入球口B640用の第1当たり乱数カウンタC1とを別々に設けた場合に、「大当たり」の確率を、第1入球口A64へ入賞した場合と第1入球口B640へ入賞した場合とで同じになるように構成しても、互いに異なるように構成してもよい。同様に、第1入球口A64用の第1当たり種別カウンタC2と第1入球口B640用の第1当たり種別カウンタC2とを別々に設けた場合に、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる確率を、第1入球口A64へ入賞した場合と第1入球口B640へ入賞した場合とで同じになるように構成しても、互いに異なるように構成してもよい。また、第1入球口A64用の停止パターン選択カウンタC3と第1入球口B640用の停止パターン選択カウンタC3とを別々に設けた場合に、「前後外れリーチ」などの各種リーチ態様が選択される確率を、第1入球口A64へ入賞した場合と第1入球口B640へ入賞した場合とで同じになるように構成しても、互いに異なるように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、保留球A格納エリア203a、および、保留球B格納エリア203bに記憶(保留)されているデータ(各カウンタC1〜C3の各値)のうち、保留球B格納エリア203bに記憶されているデータを優先的に、保留球実行エリア203cにシフトし、そのデータに基づいて大当たりの判定を行っているが、保留球A格納エリア203a、および、保留球B格納エリア203bに記憶(保留)されたデータの記憶順序を記憶しておき、時間的に古い入賞のデータから順に、保留球実行エリア203cへシフトさせて、そのデータに基づいて大当たりの判定を行う構成としても良い。特に、第1入球口A64、B640へ共に入賞している場合、第1入球口B640への入賞に対応する抽選がなされるまで、有利度の高い(最大16ラウンド)大当たりとなるという遊技者の期待感を強く維持できるので、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
また、上記実施の形態では、保留球A格納エリア203aと、保留球B格納エリア203bとを別々に設けているが、その代わりに、これらの格納エリア203a,203bを一体とした保留球格納エリアを設けても良い。なお、保留球格納エリアに、第1入球口A64への入賞に対応するデータを記憶させる場合には、そのデータに始動口入賞情報(ビット値「0」)を加えて記憶させ、第1入球口B640への入賞に対応するデータを記憶させる場合には、そのデータに始動口入賞情報(ビット値「1」)を加えて記憶させる。保留球格納エリアを一体とすると、保留球格納エリア内のデータが、入賞した時間順に並ぶので、大当たりの判定を時間的に古い順に行うことも、優先順位の高い順に行うことも、それぞれ組み合わせた順序でも簡単に行うことができる。様々な順序を組み合わせて大当たりの判定を行うことで、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
また、上記実施の形態における第1当たり乱数カウンタC1では、0〜738の範囲の数値をカウントしているが、カウントする範囲は適宜決定すれば良い。ここで、0〜738の範囲の数値をカウントするには、少なくとも1バイトの領域(1バイトでカウント可能な範囲は0〜255)が必要である。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が2バイトで構成されているなら、2バイトによりカウント可能な最大範囲である0〜65535の範囲の数値をカウントしても良いし、0〜32768(最上位ビットのみビット値が「1」、その他のビットはビット値「0」)の範囲の数値をカウントしても良い。
同様に、上記実施の形態における第1当たり種別カウンタC2では、0〜4の範囲の数値をカウントし、停止パターン選択カウンタC3では、0〜238の範囲の数値をカウントしているが、カウントする範囲は適宜決定すれば良い。ここで、0〜4の範囲、および、0〜238の範囲の数値をカウントするには、少なくとも2バイトの領域(2バイトでカウント可能な範囲は0〜65535)が必要である。例えば、第1当たり種別カウンタC2、および、停止パターン選択カウンタC3が1バイトで構成されているなら、1バイトによりカウント可能な最大範囲である0〜255の範囲の数値をカウントしても良いし、0〜128(最上位ビットのみビット値が「1」、その他のビットはビット値「0」)の範囲の数値をカウントしても良い。
ここで、カウントする範囲の最大値を分母とし、一のカウント値を分子として確率を算出する場合に、カウントする範囲が広ければ広いほど、様々な確率を設けることが容易となる。例えば、分母が100であれば、1%毎にしか確率を設けることができないが、分母が1000であれば、0.1%毎に確率を設けることができる。つまり、カウントする範囲が広ければ広いほど、確率の微調整を簡単に行うことができる。パチンコ機では、変動演出や大当たり演出が同一で大当たりの確率が異なる機種を製作することが一般的に行われるので、確率の微調整を簡単に行うことができるようパチンコ機を構成することにより、大当たりの確率の微調整を機種毎に簡単に行うことができ、設計負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、第3図柄表示装置81に表示される変動表示のスクロール方向を、第1入球口A64へ入賞した場合には横スクロールとし、第1入球口B640へ入賞した場合には縦スクロールとすることによって、いずれの第1入球口へ入賞したかを区別可能としたが、始動口入賞情報にかかわらずスクロール方向を同じ方向とし、始動口入賞情報に応じた特徴的な表示を第3図柄表示装置81に表示するような構成としてもよい。また、始動口入賞情報にかかわらずスクロール方向を同じ方向とし、始動口入賞情報にかかわらず変動表示を第3図柄表示装置81に表示するような構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、主制御装置110は、第3図柄表示装置81の変動表示の方向を指定するために、音声ランプ制御装置113へ変動方向コマンドを出力しているが、この変動方向コマンドを出力をやめて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力される保留数コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置113が変動表示の方向を指定するように構成しても良い。その場合、例えば、音声ランプ制御装置113において、保留数コマンドに対応する特図A保留球数NA、および、特図B保留球数NBを、RAM223の所定領域に記憶するように構成する。保留数コマンドは、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの変化を通知するコマンドであるので、保留数コマンドを取得した場合に、RAM223に記憶している値(特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NB)と、保留数コマンドが示す特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBとを比較することにより、保留数が減少した第1入球口A64,B640を特定することができる。ここで、保留数が減少する場合とは、入賞に応じた大当たり判定(変動表示)が開始される場合であるので、第1入球口A64についての保留数が減少した場合には、第1入球口A64に応じた変動表示を行わせる。すなわち、表示制御装置114に対して横スクロールの変動表示の指示を行う。一方、第1入球口B640についての保留数が減少した場合には、第1入球口B640に応じた変動表示を行わせる。すなわち、表示制御装置114に対して縦スクロールの変動表示の指示を行う。
また、上記実施の形態では、主制御装置110は、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)うち、一方のカウンタ値が変化した場合に、音声ランプ制御装置113に対して、保留数コマンドを送信しているが、カウンタ値が減少した場合(即ち、変動表示が開始される場合)には、保留数コマンドを送信しないように構成しても良い。その場合、例えば、音声ランプ制御装置113において、保留数コマンドに対応する特図A保留球数NA、および、特図B保留球数NBを、RAM223の所定領域に記憶するように構成する。変動表示が開始される場合(カウンタ値が減少する場合)には、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ、第3図柄表示装置81の変動表示の方向を指定する変動方向コマンドが送信される。その変動方向コマンドにより、横スクロールの変動表示が指定された場合には、第1入球口A64への入賞に対応するデータに基づいて変動表示が開始されたことになるので、RAM223の所定領域に記憶した特図A保留球数NAを1減算すると共に、特図A保留ランプ85Aのランプを1つ消灯させる。一方、変動方向コマンドにより、縦スクロールの変動表示が指定された場合には、第1入球口B640への入賞に対応するデータに基づいて変動表示が開始されたことになるので、RAM223の所定領域に記憶した特図B保留球数NBを1減算すると共に、特図B保留ランプ85Bのランプを1つ消灯させる。これにより、主制御装置110における保留数コマンドの送信回数、および、音声ランプ制御装置113における受信回数を軽減することができので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を共に軽減することができる。
また、上記実施の形態では、「変動方向コマンド」を設けているが、本発明を、「変動方向コマンド」が設けられていないパチンコ機等で実施しても良い。また、上記実施の形態では、「演算時間加算コマンド」を設けているが、本発明を、「演算時間加算コマンド」が設けられていないパチンコ機等で実施しても良い。
また、上記実施の形態では、主制御装置110により、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出が決定されているが、主制御装置110の代わりに、音声ランプ制御装置113が、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出を決定しても良い。例えば、音声ランプ制御装置113は、保留数コマンドを受信した場合に、受信した保留数コマンドに基づいて特図A保留球数NAおよび特図B保留球数を抽出し、その抽出した特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBに基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出を決定する。なお、音声ランプ制御装置113が、抽出した特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBに基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出を決定する場合には、特図A保留ランプ85Aや特図B保留ランプ85Bにより、第1入球口A64,B640についての保留数の表示をしなくても良いし、しても良い。これにより、主制御装置110における保留数コマンドの送信回数を軽減することができので、主制御装置110の制御的負担を軽減することができる。
ここで、かかる構成の一例として、図31を参照して説明する。図31は、第3図柄表示装置81に表示される変動表示の変形例を示す模式図である。図31に示すように、この変形例では、変動表示や停止表示として表示される主図柄や副図柄などの図柄に加え、画面下方の左右両隅にそれぞれシンボル51aとシンボル51bとが第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている。なお、シンボル51aにおける斜線のハッチングはこのシンボル51aが点滅表示していることを表し、シンボル51bにおける黒色のハッチングはこのシンボル51aが停止表示していることを表している。
図31に示すように、第3図柄表示装置81に変動表示又は停止表示がされている最中に、2つのシンボル51a,51bのいずれを点滅表示とするかによって入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)を視覚的に区別させることができる。例えば、第1入球口A64へ入賞した場合には、シンボル51aを点滅表示させてシンボル51bを停止表示させ、一方で、第1入球口B640へ入賞した場合には、シンボル51aを停止表示させてシンボル51bを点滅表示させることによって、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかを遊技者に区別させることができる。
なお、上記のように、始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じた特徴的な表示を第3図柄表示装置81に表示する制御としては、変動パターンコマンドと共に始動口入賞情報に応じたコマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力し、音声ランプ制御装置113又は表示制御装置114において、かかるコマンドに応じた表示を変動表示と共に第3図柄表示装置81に表示するように制御すればよい。
また、上記実施の形態では、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4の始動口入賞情報に応じて、即ち、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、異なる場所に設けられた特図A保留ランプ85A又は特図B保留ランプ85Bの点灯によって保留数の報知がされるように構成したが、かかる保留数の報知は、点灯場所によって区別されることに限定されるものではない。例えば、多色LEDなどの発光色を可変とできる発光体を一列に並べ、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、色を変えるように構成してもよい。あるいは、第3図柄表示装置81に始動口入賞情報に応じて区別される保留数を視覚的に区別可能に表示する(例えば、数字または、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)として表示する)ような構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、特図A保留球数NAを特図A保留ランプ85Aの点灯によって、また、特図B保留球数NBを特図B保留ランプ85Bの点灯によって報知しているが、特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bを設けずに、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを第3図柄表示装置81にそれぞれ表示するように構成しても良い。なお、表示は、保留数を視覚的に区別可能に表示する(例えば、数字または、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)として表示する)ようにする。また、特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bの一方だけを設け、他方の保留ランプ85A,85Bが点灯により示す保留球数NA,NBだけ、第3図柄表示装置81に表示するように構成しても良い。また、特図A保留球数NAを特図A保留ランプ85Aの点灯によって、また、特図B保留球数NBを特図B保留ランプ85Bの点灯によって報知すると共に、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを第3図柄表示装置81にそれぞれ表示するように構成しても良い。
また、上記実施の形態においては、第1入球口A64及び第1入球口B640への入賞は、それぞれ最大4回ずつ保留できるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口A64に対する最大保留回数と第1入球口B640に対する最大保留回数とを異なる数に設定する構成としてもよい。即ち、本実施の形態においては、第1入球口A64及び第1入球口B640共に、最大保留回数が4回であるように構成したが、例えば、第1入球口A64に対する最大保留回数を3回とし、第1入球口B640に対する最大保留回数を5回として構成してもよい。
また、上記実施の形態では、第1入球口A64の特図A保留球数NAを計数するカウンタとして特図A保留球カウンタ203dを設け、第1入球口B640の特図B保留球数NBを計数するカウンタとして特図B保留球カウンタ203eを設けるように構成したが、これらのカウンタ203d、203eを設けずに、必要に応じて(例えば、変動開始の際に)、保留球A格納エリア203aおよび保留球B格納エリア203bの内容を確認する(データがあるエリアの数を計数)ことによって、第1入球口A64の特図A保留球数NAと、第1入球口B640の特図B保留球数NBとを得るように構成してもよい。この場合は、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成する。
また、上記実施の形態では、RAM203内に、特図A保留球カウンタ203d用の領域と、特図B保留球カウンタ203e用の領域とをそれぞれ設けているが、2つを一体とした特図保留球カウンタ用の領域を設けても良い。上記実施の形態では、特図A保留球カウンタ203c、および、特図B保留球カウンタ203dについて、それぞれ1バイトの領域が確保されているが、「0」から「4」までの数値の計数にしか使用されないので、大半が未使用な領域(ビット7〜ビット3)となり、RAM等の記憶領域が無駄に消費されてしまう。そこで、特図保留球カウンタ(1バイト)を設け、上位4ビットを特図B保留球カウンタ203e(4ビット)とし、下位4ビットを特図A保留球カウンタ203d(4ビット)とする。特図A保留球カウンタ203dの領域と、特図B保留球カウンタ203eの領域とを一体に構成すれば、1バイト分の領域が不用となるので、未使用となる領域を抑制することができ、RAM等の記憶領域の消費を抑制することができる。また、このように構成すれば、保留数コマンド設定処理(図13参照)において、S372〜S375の処理のを実行する必要が無くなり、単に、特図保留球カウンタ(1バイト)の値をコマンド作成エリアに記憶させる処理だけで良くなるので、より簡単な処理で保留数コマンドを演算作成することができる。
また、上記実施の形態では、始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)を記憶するために、RAM203の保留球実行エリア203c内に、始動口入賞情報格納エリア203c4を設けているが、例えば、入賞の種類が、第1入球口A64への入賞であれば、入賞タイミングで取得されるカウンタ値に、マイナスの符号を付して、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1に格納し、第1入球口B640への入賞であれば、カウンタ値をそのまま(プラス値)で格納しても良い。このようにすれば、RAM203の保留球実行エリア20c内に、始動口入賞情報格納エリア203c4を設けなくても良いので、RAM等の記憶領域の消費を抑制することができる。なお、保留球実行エリア203c内の第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1に代えて、保留球実行エリア203c内の第1当たり種別カウンタ格納エリア203a1や、保留球実行エリア203c内の停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3において、カウンタ値をプラス値やマイナス値として格納しても良い。
また、上記実施の形態では、変動種別カウンタCS1,CS2用のテーブルについて、始動口入賞情報に応じて異なるテーブルを設けるように構成したが、変動種別カウンタCS1,CS2用のテーブル始動口入賞情報にかかわらず共通するテーブルとして設け、かかるテーブルに基づいて選択された変動パターンに対応する変動パターンコマンドと、始動口入賞情報に対応するコマンドとを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力し、音声ランプ制御装置113又は表示制御装置114での制御によって、始動口入賞情報に応じた変動パターンの変動表示が第3図柄表示装置81に表示されるように構成してもよい。なお、上記実施の形態では、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを別装置として構成したが、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、上記実施の形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦又は横方向にスクロールさせるものに限定されず、L字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、上記実施の形態においては、第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
また、本実施の形態では、大当たりの抽選結果として、「第1の確変大当たり」と、「第2の確変大当たり」と、「第1の時短大当たり」と、「第2の時短大当たり」と、「外れ」との5つの抽選結果が設けられているが、「第1の確変大当たり」および「第2の確変大当たり」を同一の確変大当たりとしても良い。また、「第1の時短大当たり」および「第2の時短大当たり」を同一の時短大当たりとしても良い。また、「第1の確変大当たり」および「第2の確変大当たり」を同一の確変大当たりとし、且つ、「第1の時短大当たり」および「第2の時短大当たり」を同一の時短大当たりとしても良い。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。識別情報を表示する識別情報表示手段と、遊技媒体が入球する入球口と、その入球口への遊技媒体の入球を検出する検出手段と、その検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の動的表示を行わせる周辺制御手段と、その周辺制御手段を制御すると共に、遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段は、前記検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う情報を取得し記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記識別情報表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示制御手段と、前記入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の動的表示の数を示す保留数情報を取得する保留数情報取得手段と、その保留数情報取得手段により取得された保留数情報を加工して、その保留数情報に応じた保留数コマンドを作成するコマンド作成手段と、そのコマンド作成手段により作成される保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するコマンド送信手段とを備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、主制御手段では、入球口への遊技媒体の入球が検出手段により検出されると、その入球に伴う情報が取得されて入球情報記憶手段に記憶され、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、識別情報表示手段において識別情報の動的表示が動的表示制御手段により実行させられる。また、入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の動的表示の数を示す保留数情報が保留数情報取得手段により取得される。そして、その取得された保留数情報が加工されて、その保留数情報に応じた保留数コマンドがコマンド作成手段により作成され、その作成された保留数コマンドが周辺制御手段へコマンド送信手段により送信される。一方、周辺制御手段では、主制御手段から送信された保留数コマンドに応じた処理が行われる。
主制御手段では、保留数情報を加工して保留数コマンドを作成するので、例えば、保留数情報に対応する保留数コマンドを取得するために、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを主制御手段の記憶手段に記憶しておく必要がない。よって、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できるので、遊技機に新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、主制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留数情報を加工するとは、例えば、保留数情報そのものを加工することや、保留数情報そのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
遊技機A1において、前記周辺制御手段は、前記主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドを受信するコマンド受信手段と、そのコマンド受信手段により受信された保留数コマンドを加工して保留数情報を抽出する保留数情報抽出手段と、その保留数情報抽出手段により抽出された保留数情報に応じた表示を行う保留数情報表示手段とを備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、周辺制御手段では、主制御手段のコマンド送信手段により送信された保留数コマンドがコマンド受信手段により受信され、その受信された保留数コマンドが加工されて、保留数情報が保留数情報抽出手段により抽出され、その抽出された保留数情報に応じた表示が、保留数情報表示手段により行われる。周辺制御手段では、保留数コマンドを加工して保留数情報を抽出するので、例えば、保留数コマンドに対応する保留数情報を取得するために、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを周辺制御手段の記憶手段に記憶しておく必要がない。よって、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できるので、遊技機に新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、周辺制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留数コマンドを加工するとは、例えば、保留数コマンドそのものを加工することや、保留数コマンドそのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
遊技機A1またはA2において、前記保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、前記保留数情報に対応する値を示す保留数情報部とを有して構成され、前記主制御手段のコマンド作成手段は、前記保留数情報取得手段により取得された保留数情報に、特定の情報を付加したものを前記保留数情報部の値とするものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、保留数情報に対応する値を示す保留数情報部とを有して構成され、主制御手段のコマンド作成手段では、保留数情報取得手段により取得された保留数情報に、特定の情報を付加したものを保留数情報部の値としている。よって、主制御手段のコマンド作成手段により保留数コマンドを作成した場合や、周辺制御手段のコマンド受信手段により保留数コマンドを受信した場合などに、その保留数コマンドの保留数情報部に特定の情報が付加されていなければ、遊技機において何らかのエラーが生じていると判別できる。
なお、「特定の情報を付加」とは、保留数情報と特定の値とを加算、減算、乗算または除算することなどをいう。
遊技機A3において、前記保留数情報部は、複数のビット値により構成されており、前記主制御手段のコマンド作成手段は、前記保留数情報取得手段により取得された保留数情報が示す未実行の動的表示の数に、1以上の整数を加算したビット値を前記保留数情報部の値とするものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、保留数情報部は、複数のビット値により構成されており、主制御手段のコマンド作成手段では、保留数情報取得手段により取得された保留数情報が示す未実行の動的表示の数に、1以上の整数を加算したビット値が保留数情報部の値とされる。よって、未実行の動的表示の数が0であっても、保留数情報部を1以上の整数を示すビット値とすることができる。遊技機においてエラーが生じている場合には、保留数情報部のビット値が全て0に設定されることが多いので、保留数情報部のビット値が全て0に設定されている場合には、遊技機において何らかのエラーが生じていると判別できる。従って、遊技機において何らかのエラーが生じていることを、1以上の整数を加算するという簡単な処理により判別できる。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、前記入球情報記憶手段、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、主制御手段では、検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、入球情報記憶手段、保留数情報取得手段、コマンド作成手段、コマンド送信手段が実行され、その結果、保留数コマンドが周辺制御手段へ送信される。よって、入球口に遊技媒体が入球して、未実行の動的表示の数が増加した場合に、その旨を迅速に周辺制御手段へ通知できるので、未実行の動的表示の数についての最新の状態を示すことができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記識別情報の動的表示を新たに開始させる場合に、前記入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報を更新する入球情報更新手段を備え、前記主制御手段は、その入球情報更新手段により更新された更新後の前記入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、主制御手段では、識別情報の動的表示を新たに開始させる場合に、入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報が入球情報更新手段により更新される。そして、その更新後の入球情報記憶手段の内容に基づいて、保留数情報取得手段、コマンド作成手段、コマンド送信手段が実行され、その結果、保留数コマンドが周辺制御手段へ送信される。よって、未実行の動的表示が新たに開始されて、未実行の動的表示の数が減少した場合に、その旨を迅速に周辺制御手段へ通知できるので、未実行の動的表示の数についての最新の状態を示すことができる。
識別情報を表示する識別情報表示手段と、遊技媒体が入球する入球口と、その入球口への遊技媒体の入球を検出する検出手段と、その検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の動的表示を行わせる周辺制御手段と、その周辺制御手段を制御すると共に、遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段は、前記検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う情報を取得し記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記識別情報表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示制御手段と、前記入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の動的表示の数を示す保留数情報を取得する保留数情報取得手段と、前記未実行の動的表示の数を示す保留数情報と、その保留数情報に応じた保留数コマンドとを予め対応づけて記憶するコマンド記憶手段と、そのコマンド記憶手段に記憶されている保留数コマンドのうち、前記保留数情報取得手段により取得される保留数情報に応じた保留数コマンドを抽出するコマンド抽出手段と、そのコマンド抽出手段により抽出される保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するコマンド送信手段とを備え、前記周辺制御手段は、前記主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドを受信するコマンド受信手段と、そのコマンド受信手段により受信された保留数コマンドを加工して保留数情報を抽出する保留数情報抽出手段と、その保留数情報抽出手段により抽出された保留数情報に応じた表示を行う保留数情報表示手段とを備えていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、主制御手段では、入球口への遊技媒体の入球が検出手段により検出されると、その入球に伴う情報が取得されて入球情報記憶手段に記憶され、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、識別情報表示手段において識別情報の動的表示が動的表示制御手段により実行させられる。そして、入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の動的表示の数を示す保留数情報が保留数情報取得手段により取得される。また、未実行の動的表示の数を示す保留数情報と、その保留数情報に応じた保留数コマンドとが予め対応づけられてコマンド記憶手段に記憶されており、そのコマンド記憶手段に記憶されている保留数コマンドのうち、保留数情報取得手段により取得された保留数情報に応じた保留数コマンドがコマンド抽出手段により抽出されて、周辺制御手段へコマンド送信手段により送信される。一方、周辺制御手段では、主制御手段のコマンド送信手段により送信された保留数コマンドがコマンド受信手段により受信されると、その受信された保留数コマンドが加工されて、保留数情報が保留数情報抽出手段により抽出され、その抽出された保留数情報に応じた表示が保留数情報表示手段に行われる。また、主制御手段から送信された保留数コマンドに応じた処理が行われる。
周辺制御手段では、保留数コマンドを加工して保留数情報を抽出するので、例えば、保留数コマンドに対応する保留数情報を取得するために、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを周辺制御手段の記憶手段に記憶しておく必要がない。よって、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できるので、遊技機に新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、周辺制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留数コマンドを加工するとは、例えば、保留数コマンドそのものを加工することや、保留数コマンドそのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
識別情報を表示する識別情報表示手段と、遊技媒体が入球する第1入球口と、その第1入球口への遊技媒体の入球を検出する第1検出手段と、前記第1入球口とは別に設けられ遊技媒体が入球する第2入球口と、その第2入球口への遊技媒体の入球を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第1動的表示を行わせると共に前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第2動的表示を行わせる周辺制御手段と、その周辺制御手段を制御すると共に遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う情報を取得し記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記識別情報表示手段に識別情報の前記第1動的表示または第2動的表示を実行させる動的表示制御手段と、前記第1入球口または第2入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報を取得する保留数情報取得手段と、その保留数情報取得手段により取得された保留数情報を加工して、その保留数情報に応じた保留数コマンドを作成するコマンド作成手段と、そのコマンド作成手段により作成される保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するコマンド送信手段とを備えていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、主制御手段では、第1入球口への遊技媒体の入球または第2入球口への遊技媒体の入球が、第1検出手段または第2検出手段により検出されると、その入球に伴う情報が取得されて入球情報記憶手段に記憶され、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、識別情報表示手段において識別情報の第1動的表示または第2動的表示が動的表示制御手段により実行させられる。また、第1入球口または第2入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報が保留数情報取得手段により取得される。そして、その取得された保留数情報が加工されて、その保留数情報に応じた保留数コマンドがコマンド作成手段により作成され、その作成された保留数コマンドが周辺制御手段へコマンド送信手段により送信される。一方、周辺制御手段では、主制御手段から送信された保留数コマンドに応じた処理が行われる。
保留数情報に対応する保留数コマンドを取得するために、例えば、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを主制御手段の記憶手段に記憶しておく構成とすると、テーブル情報の情報量分の記憶領域が消費されてしまう。また、保留数情報は、第1動的表示の数と、第2動的表示の数とをそれぞれ示すので、何れか一方の動的表示の数だけを示す場合よりも、多くの種類の保留数情報が設けられることとなり、その結果、テーブル情報の情報量が多くなるので、記憶領域がより多く消費されることになる。しなしながら、主制御手段では、保留数情報を加工して保留数コマンドを作成するので、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できる。よって、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、主制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
なお、第1動的表示と第2動的表示の動的表示の態様は、異なった態様でも、同様の態様でも良い。また、保留数情報を加工するとは、例えば、保留数情報そのものを加工することや、保留数情報そのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
遊技機B1において、前記周辺制御手段は、前記主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドを受信するコマンド受信手段と、そのコマンド受信手段により受信された保留数コマンドを加工して未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報を抽出する保留数情報抽出手段と、その保留数情報抽出手段により抽出された保留数情報に応じて、未実行の第1動的表示の数を表示する第1未実行情報表示手段と、未実行の第2動的表示の数を表示する第2未実行情報表示手段とを備えていることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、周辺制御手段では、主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドがコマンド受信手段により受信され、その受信された保留数コマンドが加工されて未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報が保留数情報抽出手段により抽出される。そして、その抽出された保留数情報に応じて、未実行の第1動的表示の数が第1未実行情報表示手段に表示され、未実行の第2動的表示の数が第2未実行情報表示手段に表示される。
保留数コマンドに対応する保留数情報を取得するために、例えば、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを周辺制御手段の記憶手段に記憶しておく構成とすると、テーブル情報の情報量分の記憶領域が消費されてしまう。また、保留数情報は、第1動的表示の数と、第2動的表示の数とをそれぞれ示すので、何れか一方の動的表示の数だけを示す場合よりも、多くの種類の保留数情報が設けられることとなり、その結果、テーブル情報の情報量が多くなるので、記憶領域がより多く消費されることになる。しなしながら、周辺制御手段では、保留数コマンドを加工して保留数情報を抽出するので、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できる。よって、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、周辺制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留数コマンドを加工するとは、例えば、保留数コマンドそのものを加工することや、保留数コマンドそのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
遊技機B1またはB2において、前記保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、前記保留数情報のうち未実行の第1動的表示の数に対応する値と未実行の第2動的表示の数に対応する値とを示す保留数情報部とを有して構成され、前記主制御手段のコマンド作成手段は、前記保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、特定の情報を付加したものを前記保留数情報部の値とするものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、保留数情報のうち未実行の第1動的表示の数に対応する値と未実行の第2動的表示の数に対応する値とを示す保留数情報部とを有して構成されている。そして、主制御手段のコマンド作成手段では、保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、特定の情報を付加したものを保留数情報部の値としている。よって、主制御手段のコマンド作成手段により保留数コマンドを作成した場合や、周辺制御手段のコマンド受信手段により保留数コマンドを受信した場合などに、その保留数コマンドの保留数情報部に特定の情報が付加されていなければ、遊技機において何らかのエラーが生じていると判別できる。
なお、「特定の情報を付加」とは、保留数情報と特定の値とを加算、減算、乗算または除算することなどをいう。
遊技機B3において、前記保留数情報部は、複数のビット値により構成されており、前記主制御手段のコマンド作成手段は、前記保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、それぞれ1以上の整数を加算したビット値を前記保留数情報部の値とするものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、保留数情報部は、複数のビット値により構成されており、主制御手段のコマンド作成手段では、保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、それぞれ1以上の整数を加算したビット値が保留数情報部の値とされる。よって、未実行の第1動的表示の数または未実行の第2動的表示の数が0であっても、保留数情報部を1以上の整数を示すビット値とすることができる。遊技機においてエラーが生じている場合には、保留数情報部のビット値が全て0に設定されることが多いので、保留数情報部のビット値が全て0に設定されている場合には、遊技機において何らかのエラーが生じていると判別できる。また、保留数情報部において、未実行の第1動的表示の数を示すビット値または未実行の第2動的表示の数を示すビット値が0に設定されている場合にも、遊技機において何らかのエラーが生じていると判別できる。従って、遊技機において何らかのエラーが生じていることを、1以上の整数を加算するという簡単な処理により判別できる。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、前記入球情報記憶手段、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、主制御手段では、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、入球情報記憶手段、保留数情報取得手段、コマンド作成手段、コマンド送信手段が実行され、その結果、保留数コマンドが周辺制御手段へ送信される。よって、第1入球口または第2入球口に遊技媒体が入球して、未実行の第1動的表示の数または未実行の第2動的表示の数が増加した場合に、その旨を迅速に周辺制御手段へ通知できるので、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数についての最新の状態を示すことができる。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記識別情報の第1動的表示または第2動的表示を新たに開始させる場合に、前記入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報を更新する入球情報更新手段を備え、前記主制御手段は、その入球情報更新手段により更新された更新後の前記入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、主制御手段では、識別情報の第1動的表示または第2動的表示を新たに開始させる場合に、入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報が入球情報更新手段により更新される。そして、その更新後の入球情報記憶手段の内容に基づいて、保留数情報取得手段、コマンド作成手段、コマンド送信手段が実行され、その結果、保留数コマンドが周辺制御手段へ送信される。よって、未実行の第1動的表示または第2動的表示が新たに開始されて、未実行の第1動的表示の数または未実行の第2動的表示の数が減少した場合には、その旨を迅速に周辺制御手段へ通知できるので、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数についての最新の状態を示すことができる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に遊技者に第1の遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段と、前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、前記第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値を遊技者に付与する第2遊技価値付与手段とを備えていること特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、主制御手段では、第1検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、遊技者に第1の遊技価値が第1遊技価値付与手段により付与され、第2検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値が遊技者に第2遊技価値付与手段により付与される。よって、第1入球口および第2入球口のうち、遊技媒体が入球した入球口に応じて、異なる遊技価値を遊技者に付与することができるので、遊技者は、遊技媒体が入球する入球口に応じて一喜一憂することになる。従って、遊技者に高い興趣性遊技を提供できる。
遊技機B7において、前記第1遊技価値付与手段は、前記第1の遊技価値を前記第1動的表示の終了時に遊技者に付与すると共に、前記第2遊技価値付与手段は、前記第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値を前記第2動的表示の終了時に遊技者に付与するものであり、前記主制御手段の動的表示制御手段は、前記入球情報記憶手段に入球に伴う情報が記憶されている場合に、前記未実行の第2動的表示を未実行の第1動的表示に優先して前記周辺制御手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、第1の遊技価値は、第1遊技価値付与手段により第1動的表示の終了時に遊技者に付与される一方、第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値は、第2遊技価値付与手段により第2動的表示の終了時に遊技者に付与される。そして、主制御手段では、入球に伴う情報が入球情報記憶手段に記憶されていると、動的表示制御手段によって未実行の第2動的表示が未実行の第1動的表示より優先されて周辺制御手段で実行させられる。よって、第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値を優先して遊技者に付与できるので、遊技全体の遊技価値を向上させることができ、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記周辺制御手段は、前記第1動的表示と第2動的表示とを異なった態様で表示するものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、周辺制御手段では、第1動的表示と第2動的表示とが異なった態様で表示されるので、遊技媒体が第1入球口に入球したのか、又は、第2入球口に入球したのかを遊技者に認識させることができる。
遊技機B3またはB4において、前記保留数コマンドの保留数情報部は、前記未実行の第1動的表示の数に対応する情報と、前記未実行の第2動的表示の数に対応する情報とが連結された情報であり、前記主制御手段のコマンド作成手段は、前記保留数情報取得手段により取得された保留数情報のうち、前記未実行の第1動的表示の数を示す情報と、前記未実行の第2動的情報の数を示す情報との連結を1命令で行って前記保留数情報部を作成するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、保留数コマンドの保留数情報部は、未実行の第1動的表示の数に対応する情報と、未実行の第2動的表示の数に対応する情報とが連結された情報であり、主制御手段のコマンド作成手段は、保留数情報取得手段により取得された保留数情報のうち、未実行の第1動的表示の数を示す情報と、未実行の第2動的情報の数を示す情報との連結を1命令で行って保留数情報部を作成する。
よって、未実行の第1動的表示の数を示す情報と、未実行の第2動的情報の数を示す情報との連結を複数の命令で行う場合よりも、少ない命令数で保留数情報部を作成できるので、主制御手段の記憶手段に記憶する命令数を少なくできる。従って、主制御手段の記憶領域の消費を抑制できるので、遊技機に新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、主制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
なお、連結された情報とは、一つの情報群として取り扱う情報のことをいう。また、「1命令」とは、その命令の実行途中では割込みなどの他の処理が実行できない範囲の命令単位をいい、例えば、アセンブラ言語の1命令をいう。
遊技機B3またはB4において、前記周辺制御手段の保留数情報抽出手段は、前記コマンド受信手段により受信された保留数コマンドのうち、前記保留数情報部に連結されている前記未実行の第1動的表示の数を示す情報と、前記未実行の第2動的情報の数を示す情報との抽出を1命令で行って前記保留数情報を抽出するものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、周辺制御手段の保留数情報抽出手段は、コマンド受信手段により受信された保留数コマンドのうち、保留数情報部に連結されている未実行の第1動的表示の数を示す情報と、未実行の第2動的情報の数を示す情報との抽出を1命令で行って保留数情報を抽出する。
よって、保留数コマンドの保留数情報部に連結されている未実行の第1動的表示の数を示す情報と、未実行の第2動的情報の数を示す情報との抽出を複数の命令で行う場合よりも、少ない命令数で保留数情報を抽出できるので、周辺制御手段の記憶手段に記憶する命令数を少なくできる。従って、周辺制御手段の記憶領域の消費を抑制できるので、遊技機に新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、周辺制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機C1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機C2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ遊技機(遊技機の一例)
64 第1入球口A(第1入球口の一例)
81 第3図柄表示装置(識別情報表示手段の一例)
85A 特図A保留ランプ(第1未実行情報表示手段の一例)
85B 特図B保留ランプ(第2未実行情報表示手段の一例)
110 主制御装置(主制御手段の一例)
113 音声ランプ制御装置(周辺制御手段の一例)
114 表示制御装置(周辺制御手段の一例)
203a 保留球A格納エリア(入球情報記憶手段の一部)
203b 保留球B格納エリア(入球情報記憶手段の一部)
203d 特図A保留球カウンタ(入球情報記憶手段の一部)
203e 特図B保留球カウンタ(入球情報記憶手段の一部)
208a 第1入球口Aスイッチ(第1検出手段の一例)
208b 第1入球口Bスイッチ(第2検出手段の一例)
640 第1入球口B(第2入球口の一例)
S201 コマンド送信手段の一例
S204,S504 第1遊技価値付与手段の一例
S204,S505 第2遊技価値付与手段の一例
S351〜S359 動的表示制御手段の一例
S372,S374 保留数情報取得手段の一例
S373,S375〜S378 コマンド作成手段の一例
S504、S505 入球情報記憶手段の一部
S1230 コマンド受信手段の一例
S1331,S1332,S1334 保留数情報抽出手段の一例
本発明は、パチンコ機等に代表される遊技機に関するものである。
技の主な制御を実行する主制御装置と、遊技に関する周辺制御(液晶画面の表示制御や、ランプの点灯および消灯制御や、スピーカからの音声出力制御など)を実行する周辺制御装置とを有した構成のものがあり、そのような場合には、主制御装置から周辺制御装置へ送信される各種コマンドに基づいて、周辺制御装置の動作が制御される。
例えば、始動口Aまたは始動口Bにおいて、新たな遊技球が入賞した場合や、保留されていた入賞に対応する演出が開始された場合など、保留されている入賞の数(以下「保留数」と称する)が増減した場合には、主制御装置から周辺制御装置へ、始動口Aの保留数および始動口Bの保留数を示す保留数コマンドが送信される
特開2008−054999号公報
しかしながら、上記例示した遊技機において、さらに好適なコマンドを生成して送信する構成が求められている。
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、好適なコマンドを生成して送信することが可能な遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、識別情報を表示する識別情報表示手段と、遊技媒体が入球する第1入球口と、その第1入球口への遊技媒体の入球を検出する第1検出手段と、前記第1入球口とは別に設けられ遊技媒体が入球する第2入球口と、その第2入球口への遊技媒体の入球を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第1動的表示を行わせ前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第2動的表示を行わせる周辺制御手段と、その周辺制御手段の制御遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えたものであり、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う情報を取得し記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記識別情報表示手段に識別情報の前記第1動的表示または第2動的表示を実行させるための動的表示制御手段と、前記第1入球口または第2入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報を取得する保留数情報取得手段と、その保留数情報取得手段により取得された保留数情報に所定の保留数を示す情報と同様の情報で構成された加工情報を加算することにより加工して、その加工した情報に応じた保留数コマンドを作成するコマンド作成手段と、そのコマンド作成手段により作成される保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するコマンド送信手段とを備え、前記周辺制御手段は、前記主制御手段より受信した保留数コマンドが示す前記加工した情報に基づいて、加工前の保留数情報を判別する判別手段を備えている
請求項1記載の遊技機によれば、識別情報を表示する識別情報表示手段と、遊技媒体が入球する第1入球口と、その第1入球口への遊技媒体の入球を検出する第1検出手段と、前記第1入球口とは別に設けられ遊技媒体が入球する第2入球口と、その第2入球口への遊技媒体の入球を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第1動的表示を行わせ、前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第2動的表示を行わせる周辺制御手段と、その周辺制御手段の制御と遊技に関する主な制御とを行う主制御手段とを備えたものであり、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う情報を取得し記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記識別情報表示手段に識別情報の前記第1動的表示または第2動的表示を実行させるための動的表示制御手段と、前記第1入球口または第2入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報を取得する保留数情報取得手段と、その保留数情報取得手段により取得された保留数情報に所定の保留数を示す情報と同様の情報で構成された加工情報を加算することにより加工して、その加工した情報に応じた保留数コマンドを作成するコマンド作成手段と、そのコマンド作成手段により作成される保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するコマンド送信手段とを備え、前記周辺制御手段は、前記主制御手段より受信した保留数コマンドが示す前記加工した情報に基づいて、加工前の保留数情報を判別する判別手段を備えている。よって、好適なコマンドを生成して送信することができるという効果がある。
一実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタの概要を模式的に示した模式図である。 (a)は、保留球実行エリアの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、特図A,B保留球カウンタの内容を模式的に示した模式図である。 音声ランプ制御装置のROMに設けられている保留数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、表示画面が横スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図であり、(b)は、表示画面が縦スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図である。 主制御装置の立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置の変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置の保留球格納エリア順送り処理を示すフローチャートである。 主制御装置の保留数コマンド設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置の変動開始処理を示すフローチャートである。 主制御装置のタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置の第1始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置の第2始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置および払出制御装置のNMI割込処理を示すフローチャートである。 保留数コマンド設定処理を説明するための模式図である。 払出制御装置の立ち上げ処理を示すフローチャートである。 払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置の立ち上げ処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置のコマンド判定処理を示すフローチャートである。 音声ライン制御装置のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置の保留個数表示更新処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置の保留個数表示更新処理A(変形例)を示すフローチャートである。 保留個数表示更新処理Aを説明するための模式図である。 主制御装置の保留数コマンド設定処理A(変形例)を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置の保留個数表示更新処理B(変形例)を示すフローチャートである。 第3図柄表示装置に表示される変動表示の変形例を示す模式図である。 従来の遊技機を説明するための模式図である。 主制御装置の保留数コマンド設定処理B(変形例)を示すフローチャートである。 保留数コマンド設定処理Bを説明するための模式図である。 音声ランプ制御装置の保留個数表示更新処理C(変形例)を示すフローチャートである。 保留個数表示更新処理Cを説明するための模式図である。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64,640等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ(図示せず)がオンされると共に可変抵抗器(図示せず)の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ(図示せず)および打ち止めスイッチ(図示せず)がオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口A64、第1入球口B640、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この図2は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口A64、第1入球口B640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数の発行ダイオード(以下、「LED」と略す。)37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bにも同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37BのLED37Aa,37Baは、いずれもパチンコ機10の遊技状態を表示するものであり、パチンコ機10が確変中であるか、時短中であるか、通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か、停止図柄が時短大当たりに対応した図柄か、停止図柄が外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。また、7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、いずれも、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
第1図柄表示装置37Aには、主に第1入球口A64への入賞(入球)に対応する遊技状態が表示され、第1図柄表示装置37Bには、主に第1入球口B640への入賞(入球)に対応する遊技状態が表示される。
このパチンコ機10では、大当たりの抽選結果として、「第1の確変大当たり」と、「第2の確変大当たり」と、「第1の時短大当たり」と、「第2の時短大当たり」と、「外れ」との5つの抽選結果が設けられている。そして、第1入球口A64へ入賞した場合には、「第1の確変大当たり」であるか、「第1の時短大当たり」であるか、「外れ」であるかが抽選され、第1入球口B640へ入賞した場合には、「第2の確変大当たり」であるか、「第2の時短大当たり」であるか、「外れ」であるかが抽選される。
そして、抽選の結果、パチンコ機10が「第1の確変大当たり」、または、「第2の確変大当たり」となった場合には、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態となり、さらに、後述する第2図柄の当たり確率がアップして、第1入球口B640(図2参照)に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口B640へ入球し易い遊技の状態となる。
また、パチンコ機10が「第1の時短大当たり」、または、「第2の時短大当たり」となった場合には、大当たり確率が通常の状態で、第2図柄の当たり確率のみがアップして、第1入球口B640に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口B640へ入球し易い遊技の状態となる。また、パチンコ機10が通常中(または、外れ)となった場合には、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)となる。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口B640に付随する電動役物を開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
なお、本実施の形態における「第1の確変大当たり」とは、最大ラウンド数が8ラウンドである大当たりの後に、大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は第2図柄の当たり確率もアップする確変大当たり(8R確変大当たり)のことであり、「第2の確変大当たり」とは、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後に、大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は第2図柄の当たり確率もアップする確変大当たり(16R確変大当たり)のことである。
また、「第1の時短大当たり」とは、最大ラウンド数が8ラウンドである大当たりの後に、大当たり確率が低確率状態(大当たり確率が通常の状態)へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は第2図柄の当たり確率がアップする時短大当たり(8R時短大当たり)のことであり、「第2の時短大当たり」とは、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後に、大当たり確率が低確率状態(大当たり確率が通常の状態)へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は第2図柄の当たり確率がアップする時短大当たり(16R時短大当たり)のことである。
なお、本実施の形態では、「第1の確変大当たり」、「第2の確変大当たり」、「第1の時短大当たり」、「第2の時短大当たり」の何れかとなった場合には、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しているが、その代わりに、次の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率のアップを継続するように構成しても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦又は横にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bにおいて、停止図柄(確変大当たり図柄、時短大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口A64へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第1図柄表示装置37Aにより示されると共に、特図A保留ランプ85Aの点灯個数においても示される。以後、第1入球口A64についての保留回数のことを、特図A保留球数NAと称する。なお、特図A保留ランプ85Aは、最大保留数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の上方左側に配設されている。
同様に、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bにおいて、停止図柄(確変大当たり図柄、時短大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口B640へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第1図柄表示装置37Bにより示されると共に特図B保留ランプ85Bの点灯個数においても示される。以後、第1入球口B640についての保留回数のことを、特図B保留球数NBと称する。なお、特図B保留ランプ85Bもまた、最大保留数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の上方右側に配設されている。
なお、本実施の形態においては、第1入球口A64への入賞が最大4回まで保留され、第1入球口B640への入賞が最大4回まで保留されるように構成したが、それぞれの最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口A64についての最大保留回数と、第1入球口B640についての最大保留回数とが異なっていても良い。また、特図A保留ランプ85Aや特図B保留ランプ85Bを削除し、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留回数が示されるので、特図A保留ランプ85Aや特図B保留ランプ85Bにより点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施の形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口B640に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口B640へ入球し易い状態となるように構成されている。球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37Aにより表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67(スルーゲート)ついての球の保留回数は、第1入球口A64と同様に、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37Aにより保留回数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口A64が配設されている。この第1入球口A64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口Aスイッチ208a(図4参照)がオンとなり、その第1入球口Aスイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaで示される。そして、第1入球口A64の下方には、球が入球し得る第1入球口B640が配設されている。この第1入球口B640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口Bスイッチ208b(図4参照)がオンとなり、その第1入球口Bスイッチ208bのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1入球口A64および第1入球口B640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施の形態においては、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第1入球口B640の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、その抽選のトリガとなった第1入球口A64又は第1入球口B640に応じた第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37BのLED37Baを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図4参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37BのLED37Baが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,640,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。なお、主制御装置110から該サブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
この主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、後述する各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の具体的構成については、図5を参照しつつ後述する。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更にRAM203は、保留球A格納エリア203aと、保留球B格納エリア203bと、保留球実行エリア203cと、特図A保留球カウンタ203dと、特図B保留球カウンタ203eと、コマンド作成エリア203fと、ワークエリア203gとを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図10参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図9参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行される。
保留球A格納エリア203aは、球が第1入球口A64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1(図5参照)、第1当たり種別カウンタC2(図5参照)、及び停止パターン選択カウンタC3(図5参照)の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。この保留球A格納エリア203aには、第1入球口A64への一の入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)される。この保留球A格納エリア203aの具体的構成については、図5を参照しつつ後述する。
保留球B格納エリア203bは、球が第1入球口B640へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1(図5参照)、第1当たり種別カウンタC2(図5参照)、及び停止パターン選択カウンタC3(図5参照)の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。この保留球B格納エリア203bには、保留球A格納エリア203aと同様に、第1入球口B640への一の入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)される。なお、この保留球B格納エリア203bの具体的構成についても、図5を参照しつつ後述する。
保留球実行エリア203cは、大当たりの判定や、第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定等の処理の実行時に参照されるデータ(各カウンタC1〜C3の各値)と、そのデータが第1入球口A64への入賞によるものであるか、第1入球口B640への入賞によるものであるかを示す始動口入賞情報とが記憶されるメモリである。
大当たりの判定や、第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定などの処理が実行される場合には、上述した保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bに記憶されている各入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)のうち、一の入賞に対応するデータが、この保留球実行エリア203cにシフトされてくる。なお、本実施の形態におけるシフトとは、データが記憶されている領域から、そのデータを別の領域へ移動させることを示す。また、この保留球実行エリア203cの具体的構成については、図6を参照しつつ後述する。
特図A保留球カウンタ203dは、第1入球口A64ついての入賞の保留回数、即ち、特図A保留球数NAを計数するカウンタであり、特図B保留球カウンタ203eは、第1入球口B640についての入賞の保留回数、即ち、特図B保留球数NBを計数するカウンタである。また、これらの特図A,B保留球カウンタ203d,203eは、いずれも最大値が「4」であり、いずれもRAMの初期設定(S113参照)時に「0」に初期化される。
なお、特図A保留ランプ85A(図2参照)では、特図A保留球数NAと同一数のランプが点灯され、特図B保留ランプ85B(図2参照)では、特図B保留球数NBと同一数のランプが点灯される。より具体的には、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)うち、一方のカウンタ値が変化すると、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して、一方のカウンタ値が変化した後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの2つの値を示す一の保留数コマンドが送信される。音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留数コマンドを受信した場合に、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプを特図A保留ランプ85Aにおいて点灯させ、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプを特図B保留ランプ85Bにおいて点灯させる。また、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBは、それぞれ5種類の数値(「0〜4」)のいずれかとなるので、パチンコ10における特図A保留球数NAと、特図B保留球数NBとの組合せは、(5種類×5種類)25通りとなり、それに応じて保留数コマンドも25種類設けられている(図7参照)。
コマンド作成エリア203fは、後述する保留数コマンド設定処理(図13参照)において、保留数コマンドをデータ演算やデータ加工などにより作成する(以後、「演算作成」と称する)ための領域であり、2バイトの領域により構成されている。上述したとおり、保留数コマンドを含む各種コマンド(保留数コマンドも含む)は、それぞれ2バイトで構成されており(図32(a)参照)、各種コマンドの上位バイト(1バイト)が、命令の種別を示し、各種コマンドの下位バイト(1バイト)が、各種命令に対するパラメータを示している。
また、主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A、第1図柄表示装置37B、第2図柄表示部83、第2図柄保留ランプ84や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払い出し制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力設定、特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bにおけるランプの点灯数の設定、電飾部29〜33や表示ランプ34などにおけるランプの点灯および消灯の設定、変動演出や大当たり演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。これらの制御は、主制御装置110から送信される各種コマンドに基づいて実行される。例えば、特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bにおけるランプの点灯や消灯に関する制御は、主制御装置110から送信される保留数コマンドに基づいて実行される。
音声ランプ制御装置113には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU221が搭載されている。MPU221には、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223などの各種回路が内蔵されている。また、MPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、特図A保留ランプ85A、特図B保留ランプ85B、電飾部29〜33、及び、表示ランプ34などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113のROM222には、保留数テーブル222aが格納されている。保留数テーブル222aとは、主制御装置110から送信される保留数コマンドを受信した場合に、その受信した保留数コマンドから、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を抽出するためのテーブルである。
ここで、図7を参照して保留数テーブル222aについて説明する。図7は、保留数テーブル222aの内容を模式的に示した模式図である。なお、上述したように、保留数コマンドは25種類設けられており、一の保留数コマンドによって、一の特図A保留球数NAと、一の特図B保留球数NBとの2つの値が示される。
この保留数テーブル222aは、保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)に基づいて、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBとを抽出するためのテーブルである。この保留数テーブル222aには、25種類設けられている保留数コマンドのそれぞれに対応する特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBが格納されている。なお、プログラム(例えば、アセンブラやC言語などで)によりテーブルを作成する場合、一の情報(例えば、カウンタ値など)を記憶する領域の大きさを、1バイト単位で指定し確保することになる。よって、保留数テーブル222aでは、一の特図A保留球数、および、一の特図B保留球数を記憶するために、それぞれ1バイトの領域が確保されるので、この保留数テーブル222aは、(25種類×2バイト)50バイトで構成されている。
より具体的には、この保留数テーブル222aでは、それぞれの保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)に応じたアドレスに、それぞれの保留数コマンドに応じた特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBが格納されている。これ以後、データに関する説明をする場合に、10進数の数値を示す場合は数値のみを記載し(例えば、「2」)、2進数の数値を示す場合は数値の後に「B」を加えて記載し(例えば、「10B」)、16進数の数値を示す場合は数値の後に「H」を加えて記載し(例えば、「2H」)、それぞれを区別する。
例えば、保留数テーブル222aにおいて、保留数コマンドの下位バイト「11H」に応じたアドレスには、特図B保留球数NB「00H(0)」および特図A保留球数NA「00H(0)」が格納されており、また、保留数コマンドの下位バイト「23H」に応じたアドレスには、特図B保留球数NB「01H(1)」および特図A保留球数NA「02H(2)」が格納されている。その他の保留数コマンドについても同様に、それぞれの保留数コマンドの下位バイトに応じたアドレスに特図B保留球数NBおよび特図A保留球数NAが格納されている。よって、保留数テーブル222aにおいて、保留数コマンドの下位バイト(1バイト)に応じたアドレスを参照することにより、その保留数コマンドに対応する一の特図A保留球数NAおよび一の特図B保留球数NBを抽出することができる。
音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留数コマンドを受信した場合に、受信した保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)が抽出される。そして、保留数テーブル222aにおいて、抽出された下位バイト(1バイト)に応じたアドレスが参照され、一の特図A保留球数NAおよび一の特図B保留球数NBが抽出される。そして、抽出された特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、抽出された特図B保留球数と同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
なお、本実施の形態の保留数テーブル222aは、保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)に応じたアドレスに、その保留数コマンドに対応する一の特図A保留球数NAおよび一の特図B保留球数NBを格納したテーブルであるが、保留コマンド全体(2バイト)と、その保留数コマンドに対応する一の特図A保留球数および一の特図B保留球数とを関連づけたテーブルであっても良い。この場合、受信した保留数コマンドの下位バイトを抽出してからテーブルを参照しなくても、受信した保留数コマンドから直接テーブルを参照できるので、より早く特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを取得することができる。
ここで、図4に戻り説明を続ける。音声ランプ制御装置113のRAM223は、MPU221の内部レジスタの内容やMPU221により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM233は、保留数コマンド受信フラグ223aと、コマンド保存エリア223bとを有している。保留数コマンド受信フラグ223aは、主制御装置110から送信される保留数コマンドを受信したか否かを示すフラグであり、主制御装置110から送信された保留数コマンドを受信した場合にオンに設定される。また、受信した保留数コマンドに基づいて、特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bの点灯や消灯に関する制御が終了した場合(即ち、保留個数表示更新処理(図26参照)が終了した場合)や、または、RAM223の初期値設定(図22のS1011)が実行された場合に、オフに設定される。
コマンド保存エリア223bは、保留数コマンドを含め、主制御装置110から送信される各種コマンドを一時的に記憶するためのエリアである。主制御装置110から送信されてきたコマンドは、まず、このコマンド保存エリア223bに記憶される。MPU221は、コマンド保存エリア223bから一つずつコマンドを取得し、取得したコマンドに応じた処理を実行する。このコマンド保存エリア223bは、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われるように構成されているので、受信したコマンド順に各種コマンドに応じた処理が実行される。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図24参照)が実行されると、コマンド保存エリア223bに記憶されている未処理のコマンドのうち、最初に記憶されたコマンドが読み出され、S1203、S1205の処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。なお、MPU221により取得されたコマンドは、このコマンド保存エリア223bから削除される。なお、FIFO形式によるデータの読み書きが可能であれば、コマンド保存エリア223bは、リングバッファ以外のバッファで構成しても良い。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示(変動演出)や大当たり演出を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの当選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から出力される表示用変動パターンコマンドや、表示用停止図柄コマンドなどに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、変動開始フラグ233aを有している。
変動開始フラグ233aは、音声ランプ制御装置113によって設定される変動演出や大当たり演出の態様を指示する表示用変動パターンコマンドを、音声ランプ制御装置113から受信した場合にオンに設定され、第3図柄表示装置81において変動表示が開始されるとオフに設定されるフラグである。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)などのキャラクタ情報が記憶されたキャラクタ情報メモリ235aを有している。このキャラクタ情報メモリ235aに記憶されているキャラクタ情報としては、変動表示される第3図柄のキャラクタ図柄や、背景図柄や、予告キャラクタ図柄などが記憶されている。
キャラクタ情報メモリ235aには、記憶するデータ量を少なくするために、上記のようなキャラクタ情報が圧縮形式のデータで記憶されている。本実施の形態では、キャラクタ情報は約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのキャラクタ情報が、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタ情報メモリ235aに記憶されている。キャラクタ情報メモリ235aに圧縮形式のデータとして記憶されているキャラクタ情報は、読み出されると、解凍された後にキャラクタ情報記憶領域234bに書き込まれる。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(変動表示の演出パターンや、リーチ演出時の演出内容など)に対応する演出データが記憶される表示用記憶領域234aと、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリ235aに記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を解凍したデータが記憶されるキャラクタ情報記憶領域234bとを有している。
表示用記憶領域234aは、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、その表示用記憶領域234aの内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。キャラクタ情報記憶領域234bには、背景図柄や装飾図柄などの素材となるキャラクタデータが記憶され、このキャラクタ情報記憶領域234bから第3図柄表示装置81に表示するための必要なデータが読み出されて表示用記憶領域234aに書き込まれる。
なお、キャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域234bに記憶させるのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためであり、キャラクタ情報をキャラクタROM235から読み出し、表示用記憶領域234aに直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有し、スムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。更に、RAMにおいて表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるためである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208や、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧のうち、各制御装置110〜114等が必要とする電圧を各々に供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図18参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2が入力されると、RAM203におけるバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図5を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている保留球A格納エリア203aや、保留球B格納エリア203bや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等について説明する。図5は、各種カウンタや、保留球A格納エリア203aおよび保留球B格納エリア203bの構成を模式的に示した模式図である。
保留球A格納エリア203aや、保留球B格納エリア203bや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等は、大当たりの判定や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示部83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度(図10および図15参照)、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
これらの各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、メイン処理(図10参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203のワークエリア203gに設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。なお、各種の制御プログラムの実行に際して、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の各値が参照される場合には、カウンタ用バッファに記憶されている各カウンタの各値がそれぞれ参照される。
図5に示すように、RAM203には、保留球A格納エリア203aと、保留球B格納エリア203bとが設けられている。上述したとおり、保留球A格納エリア203aは、球が第1入球口A64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶するためのメモリであり、保留球B格納エリア203bは、球が第1入球口B640へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。
保留球A格納エリア203aには、4つの保留エリア(保留A第1エリア〜保留A第4エリア)が設けられており、保留球B格納エリア203bにも同様に、4つの保留エリア(保留B第1エリア〜保留B第4エリア)が設けられている。
この保留球A格納エリア203aには、球が第1入球口A64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留A第1エリア〜保留A第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。また、保留球A格納エリア203aの4つの保留エリア(保留A第1エリア〜保留A第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3とが設けられている。各格納エリア203a1〜203a3には、各カウンタC1〜C3の値が記憶される。
一方、保留球B格納エリア203bには、球が第1入球口B640へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留B第1エリア〜保留B第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。また、保留球B格納エリア203bの4つの保留エリア(保留B第1エリア〜保留B第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3とが設けられている。各格納エリア2031〜203b3には、各カウンタC1〜C3の値が記憶される。
なお、本実施の形態では、保留球A格納エリア203aの中に、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3とを設けているが、3つの各エリア203a1,203a2,203a3が必ず保留球A格納エリア203aの中に設けられている必要はない。例えば、保留球A格納エリア203aとは別に、新たな格納エリアを設けておき、3つの各エリア203a1,203a2,203a3のうち、一部を保留球A格納エリア203aの中に設け、残りを新たな格納エリアの中に設けても良い。保留球B格納エリア203bについても同様である。
なお、詳細は図6を参照しつつ後述するが、大当たりの抽選が開始される場合には、保留球格納エリア順送り処理(図12参照)により、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bに記憶されている一の入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が、保留球実行エリア203cにシフトされる。そして、保留球実行エリア203cにシフトされたデータは、変動開始処理(図14参照)において参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定され、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bなどに行われることになる。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜738)、タイマ割込処理(図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図10参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口A64に入賞したタイミングでRAM203の保留球A格納エリア203aに記憶され、球が第1入球口B640に入賞したタイミングでRAM203の保留球B格納エリア203bに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時(大当たり確率が通常の状態)と高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)との2種類設定されており、低確率時(大当たり確率が通常の状態)に大当たりとなる乱数の値は2種類で、その値は「373,727」であり、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)に大当たりとなる乱数の値は13種類で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口A64に入賞したタイミングでRAM203の保留球A格納エリア203aに記憶され、球が第1入球口B640に入賞したタイミングでRAM203の保留球B格納エリア203bに記憶される。「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる乱数の値は「1,2,3」であり、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37A,37Bに表示される停止図柄に対応した表示態様は、「確変大当たり」と「時短大当たり」との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
なお、本実施の形態では、球が第1入球口A64へ入賞したタイミングで取得されたデータに基づいて、「大当たり」および「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」と判定された場合には「第1の確変大当たり」となり、「大当たり」および「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」と判定された場合には「第1の時短大当たり」となる。また、球が第1入球口B640へ入賞したタイミングで取得されたデータに基づいて、「大当たり」および「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」と判定された場合には「第2の確変大当たり」となり、「大当たり」および「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」と判定された場合には「第2の時短大当たり」となる。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口A64に入賞したタイミングでRAM203の保留球A格納エリア203aに記憶され、球が第1入球口B640に入賞したタイミングでRAM203の保留球B格納エリア203bに記憶される。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から停止パターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)がMPU201内に設けられており、停止パターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。なお、かかるテーブルは、1の停止パターンを取り得る停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図A保留数カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)や、特図B保留数カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)等に応じて、各停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)で、保留球A格納エリア203aまたは保留球B格納エリア203bに各乱数値が記憶(保留)されていなければ、第1入球口A64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)では、第1入球口A64または第1入球口B640への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、このテーブルは、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図A保留数カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)や、特図B保留数カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に応じてだけでなく、後述する保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じても異なるように構成してもよい。
次に、3つの変動種別カウンタCS1,CS2,CS3について説明するが、まず、2つの変動種別カウンタCS1,CS2について説明する。一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様(表示態様の種別)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2又は中図柄列Z2’の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。そして、変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。
従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。これらの変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図10参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、本実施の形態では、変動種別カウンタCS1,CS2の組み合わせによって図柄変動態様を決定するが、第1変動種別カウンタCS1のみで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
ここで、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)と表示態様の種別とを対応付けたテーブル(図示せず)がMPU201内に設けられており、変動種別カウンタCS1の値から表示態様の種別(大まかな表示態様)を選択する場合には、かかるテーブルが参照される。本実施の形態では、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、1の表示態様の種別を取り得る変動種別カウンタCS1の値の範囲が異なるように2種類のテーブルが設けられており、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、各表示態様の種別の選択比率が異なるように構成されている。
同様に、変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から最終停止図柄が停止するまでの変動時間(変動図柄数)を選択するためのテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。かかるテーブルもまた、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、1の変動時間(最終停止図柄が停止するまでの変動時間)を取り得る変動種別カウンタCS2の値の範囲が異なるように2種類設けられている。
このように、本実施の形態のパチンコ機10では、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じても多種多様な変動パターンが選択されるように構成されている。その結果、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄の各変動パターンは、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて多種多様に現出することとなる。従って、本実施の形態のパチンコ機10によれば、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて異なる印象を遊技者に与えることができるので、遊技者に高い興趣を提供することができる。
次に、変動種別カウンタCS3について説明する。変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、上記した停止パターン選択カウンタC3の場合と同様に、この変動種別カウンタCS3の場合も、変動種別カウンタCS3の値(乱数値)に対して選択される停止パターンの範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。即ち、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図A保留数カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)や、特図B保留数カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるテーブルが設けられている。なお、このテーブルもまた、停止パターン選択カウンタC3に対応するテーブルと同様に、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図A保留数カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)や、特図B保留数カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に応じてだけでなく、後述する保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じても異なるように構成してもよい。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施の形態ではタイマ割込処理(図15参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値は149種類あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図10参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図6(a),(b)を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている保留球実行エリア203c等について説明する。図6(a)は、保留球実行エリア203cの構成を模式的に示した模式図であり、図6(b)は、特図A保留球カウンタ203dおよび特図B保留球カウンタ203eの内容を模式的に示した模式図である。上述したとおり、保留球実行エリア203cは、大当たりの判定や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定等の処理の実行時に参照されるデータ(各カウンタC1〜C3の各値)と、そのデータが第1入球口A64への入賞によるものであるか、第1入球口B640への入賞によるものであるかを示す始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)とが記憶されるメモリである。
保留球実行エリア203cは、一のエリアのみで構成されており、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3と、始動口入賞情報格納エリア203c4とを有している。大当たりの判定や、第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定などの処理が実行される場合には、上述した保留球A格納エリア203aの保留A第1エリア、または、保留球B格納エリア203bの保留B第1エリアに記憶されている一方のデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が、この保留球実行エリア203cの各エリア203c1〜203c3にそれぞれシフトされる。
さらに、保留A第1エリアからデータがシフトされる場合には、保留球実行エリア203cに記憶されているデータが、第1入球口A64への入賞によるものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「0」)が、始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶される。一方、保留B第1エリアからデータがシフトされる場合には、保留球実行エリア203cに記憶されているデータが、第1入球口B640への入賞によるものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「1」)が、始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶される。
なお、データのシフトは、後述する保留球格納エリア順送り処理(図12参照)により実行されるが、保留球A格納エリア203a、および、保留球B格納エリア203bの両方にデータが記憶されている場合には、保留球B格納エリア203bに記憶されているデータを優先的に、保留球実行エリア203cへシフトしている。これは、主制御装置110おいて大当たりの抽選がなされる場合に、保留球B格納エリア203bに記憶されているデータに基づく抽選で大当たりと判定された方が、保留球A格納エリア203aに記憶されているデータに基づく抽選で大当たりと判定されるよりも、大当たり時のラウンド数が多い(最大16ラウンド)からである。つまり、遊技価値の有利度の高い抽選を優先的に行うためである。これにより、遊技全体の遊技価値を向上させることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。また、遊技価値の有利度の高い大当たりが当選するという遊技者の期待感も高めることができるので、遊技者の第1入球口B640への入球意欲を高めることができ、その結果、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
具体的には、保留A第1エリアからデータがシフトされた場合には、保留A第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1の乱数値が、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトされる。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2の乱数値が、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へシフトされ、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3の乱数値が、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3へシフトされる。さらに、始動口入賞情報格納エリア203c4に、始動口入賞情報としてビット値「0」が記憶される。
一方、保留B第1エリアからデータがシフトされた場合には、保留B第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1の乱数値が、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトされる。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2の乱数値が、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へシフトされ、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3の乱数値が、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3へシフトされる。さらに、始動口入賞情報格納エリア203c4に、始動口入賞情報としてビット値「1」が記憶される。
上述したように、本実施の形態のパチンコ機10によれば、第1入球口A64への入賞に応じたデータと、第1入球口B640への入賞に応じたデータとが区別されて、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bに記憶(保留)される。よって、保留球A格納エリア203aから、または、保留球B格納エリア203bからデータを保留球実行エリア203cにシフトした場合に、シフトしたデータが第1入球口A64への入賞によるものか、第1入球口B640への入賞によるものかを示す始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)を保留球実行エリア203cに記憶させることができる。
従って、保留されていた入賞に対応する処理(変動開始処理(図14参照))を実行する場合に、例えば、変動表示を、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bのいずれかで表示するように切り換えることができる。また、そのような第1図柄表示装置37A,37Bでの変動表示に対応する装飾的な変動表示を第3図柄表示装置81において行う場合に、その変動態様を、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて変更(本実施の形態では、縦スクロール又は横スクロール)することができる。
そして、保留球実行エリア203cへのデータのシフトが終了すると、保留A第1エリアまたは保留B第1エリアの一方が空き状態となるため、後述する保留球格納エリア順送り処理(図12参照)により、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理が行われる。なお、本実施の形態では、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bにおいて、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、保留球A格納エリア203aにおいてのデータシフトについて説明する。例えば、特図A保留球カウンタ203dの値が「4」であり、保留球A格納エリア203aの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、保留A第1エリアのデータが、保留球実行エリア203cへシフトされ、保留A第1エリアが空き状態となると、他のエリア(第2〜第4)のデータがそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトされる。すなわち、保留A第2エリアのデータが、保留A第1エリアへシフトされ、保留A第3エリアのデータが、保留A第2エリアへシフトされ、保留A第4エリアのデータが、保留A第3エリアへシフトされる。また、例えば、図6(b)に示すように、特図A保留球カウンタ203dの値が「2」であれば、保留A第2エリアのデータのみが、保留A第1エリアへシフトされ、以上でデータのシフトが終了する。
なお、保留球B格納エリア203bにおいてのデータシフトは、保留球A格納エリア203aのデータシフトと同様になされるので、その説明は省略する。
上述したように、本実施の形態では、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第2〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。なお、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくできるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
また、本実施の形態では、保留球A格納エリア203a、および、保留球B格納エリア203bに記憶されているデータの数(保留数)を、特図A保留数カウンタ203d、および、特図B保留数カウンタ203eにより計数しており、第1入球口A64において新たな入賞が生じた場合には、特図A保留数カウンタ203dが示す値(特図A保留球数NA)に応じた保留エリア(保留A第1エリア〜保留A第4エリア)に、新たな入賞に対応するデータを記憶し、第1入球口B640において新たな入賞が生じた場合には、特図B保留数カウンタ203eが示す値(特図B保留球数NB)に応じた保留エリア(保留B第1エリア〜保留B第4エリア)に、新たな入賞に対応するデータを記憶している。
よって、保留球A格納エリア203a、および、保留球B格納エリア203bにおいて、新たな入賞に対応するデータが、保留エリアに記憶(保留)されているデータに上書きされることがないので、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアせずに、そのまま残すことができる。従って、データのシフト後に、シフト元のエリアのデータをクリアする場合と比較して、制御的負担を軽減することができる。なお、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成しても良い。
また、本実施の形態では、第1入球口A64,B640への入賞に応じたデータを、保留球A格納エリア203aと、保留球B格納エリア203bとの2つのエリアに分けて記憶しているが、1つのエリア内(例えば、保留球格納エリアを設ける)に共に記憶する構成としても良い。この場合には、保留球格納エリア内に、保留エリアを8個設け、各保留エリアには、上述した第1当たり乱数カウンタ格納エリアと、第1当たり種別カウンタ格納エリアと、停止パターン選択カウンタ格納エリアとに加え、さらに、始動口入賞情報格納エリアを設ける。
そして、一の保留エリアに第1入球口A64への入賞に応じたデータを記憶する場合には、その保留エリアの始動口入賞情報格納エリアに、データが第1入球口A64への入賞によるものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「0」)を記憶する。一方、一の保留エリアに第1入球口B640への入賞に応じたデータを記憶した場合には、その保留エリアの始動口入賞情報格納エリアに、データが第1入球口B640への入賞によるものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「1」)を記憶する。これにより、第1入球口A64への入賞に応じたデータと、第1入球口B640への入賞に応じたデータとを区別して、保留球格納エリア内に共に記憶(保留)することができる。なお、保留球格納エリア内の各保留エリアに記憶されているデータを、保留球実行エリアにシフトさせる場合には、一の保留エリアの各格納エリア内のデータを、保留球実行エリア内の対応する各格納エリアへそれぞれシフトする。
次に、図8を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図8は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図であり、図8(a)は、表示画面が横スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図であり、図8(b)は、表示画面が縦スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列を構成している。
また、本実施の形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」に移行する場合は、奇数番号に対応する主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」に移行する場合は、偶数番号に対応する主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。本実施の形態のパチンコ機10においては、第3図柄表示装置81に表示される変動表示が、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて異なるように構成されている。
具体的には、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報がビット値「0」である場合、即ち、第1入球口A64への入賞に起因する変動表示である場合には、図8(a)に示すように、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって右から左(矢印X方向)へスクロール(横スクロール)するように変動表示される。なお、図8(a)に示すように、かかる横スクロール時には、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。この場合、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
一方で、始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報がビット値「1」である場合、即ち、第1入球口B640への入賞に起因する変動表示である場合には、図8(b)に示すように、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって上から下(矢印Y方向)へスクロール(縦スクロール)するように変動表示される。なお、図8(b)に示すように、かかる縦スクロール時には、各図柄列は、左・中・右の3つの図柄列Z1’,Z2’,Z3’が表示される。この場合、左図柄列Z1’においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2’及び右図柄列Z1’においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
図8(a)及び図8(b)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面には、それぞれ、各図柄列(Z1〜Z3又はZ1’〜Z3’)毎に左・中・右又は上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。
ここで、第3図柄表示装置81の表示画面には、縦スクロール時及び横スクロール時のいずれの場合も5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図8(a)に示すように、横スクロール時には、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。また、図8(b)に示すように、縦スクロール時には、上ラインL1’、中ラインL2’、下ラインL3’、右上がりラインL4’、左上がりラインL5’の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
そして、毎回の遊技に際して、縦又は横にスクロールする変動表示の停止時にいずれかの有効ライン上に、大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。なお、横スクロールの場合(図8(a))には、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、縦スクロールの場合(図8(b))には、左図柄列Z1’→右図柄列Z3’→中図柄列Z2’の順に変動表示が停止する。
次に、図9から図18のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図9参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図10参照)と、定期的に(本実施の形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理(図15参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図18参照)とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
まず、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図15は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、MPU201により例えば2ms周期で繰り返し実行される処理である。タイマ割込処理では、まず、各種スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。ここでは、例えば、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込み、各種の入賞口(一般入賞口63、特定入賞口65a、第1入球口A64、第1入球口B640など)に設けられているスイッチにおいて入賞が検出されている場合には、当該入賞口に対応する賞球数の球を払出制御装置111により払い出しさせるための賞球コマンドを、RAM203の所定領域に設定(記憶)する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のワークエリア203gに設けられている第1初期値乱数カウンタバッファに記憶する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のワークエリア203gに設けられている第2初期値乱数カウンタバッファに記憶する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のワークエリア203gに設けられている各カウンタC1〜C4に対応するバッファに記憶する。
その後は、第1入球口A64への入賞に伴う第1始動入賞処理(図16参照)を実行し(S504)、第1入球口B640への入賞に伴う第2始動入賞処理(図17参照)を実行し(S505)、発射制御処理を実行して(S506)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ(図示しない)が操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1始動入賞処理(S504)について説明する。図16は、第1始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。第1始動入賞処理(S504)は、第1入球口A64への入賞を検出した場合に、その入賞に応じたデータを、保留球A格納エリア203aに記憶(保留)するための処理であり、上記したタイマ割込処理(図15参照)の中で実行される処理である。
この第1始動入賞処理(S504)では、まず、第1入球口Aスイッチ208aの状態(オンまたはオフ)を読み取り、球が第1入球口A64に入賞(入球)したか否かを判別する(S651)。S651の処理において、第1入球口Aスイッチ208aの状態がオフであり、第1入球口A64への入賞がないと判別された場合には(S651:No)、何も行うことなく、この第1始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図15参照)へ戻る。
一方で、第1入球口Aスイッチ208aの状態がオンであり、球が第1入球口A64に入賞(入球)したと判別された場合には(S651:Yes)、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が、予め規定されている上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S652)。
S652の処理において、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が4である場合、即ち、既に上限値に到達している場合には(S652:No)、S653〜S655の各処理をスキップし、この第1始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図15参照)へ戻る。一方、S652の処理において、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が4未満であれば(S652:Yes)、特図A保留球カウンタ203dに1を加算する(S653)。
次に、タイマ割込処理(図15参照)におけるS503の処理により更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球A格納エリア203aの空き保留エリア(保留A第1エリア〜保留A第4エリア)のうち、特図A保留球数NAに応じたエリアの中の各格納エリア203a1〜203a3に記憶する(S654)。
例えば、S653の処理により更新された特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が「1」である場合には、保留A第1エリアの各格納エリア203a1〜203a3に、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶する。すなわち、特図A保留球数NAが「X」であれば、保留A第Xエリアの各格納エリア203a1〜203a3に、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶する。
次に、保留数コマンド設定処理を実行する(S360)。詳細については後述するが、保留数コマンド設定処理(S360)は、音声ランプ制御装置113へ出力する保留数コマンドを設定する処理である。上述したとおり、保留数コマンドは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)うち、一方のカウンタ値が変化した場合に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力されるコマンドである。この保留数コマンドにより、一方の値が変化した後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBがそれぞれ示される。
なお、保留数コマンド設定処理(S360)により設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
次に、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)に応じて、第1図柄表示装置37AにおけるLED37Aaを点灯させ、新たな保留回数を点灯状態により示す(S655)。S655の処理が終了したら、この第1始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図15参照)へ戻る。
以上の図16の第1始動入賞処理(S504)によれば、第1入球口Aスイッチ208aにより、第1入球口A64への入賞が検出された場合に、その入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を、保留球A格納エリア203aの空き保留エリア(保留A第1エリア〜保留A第4エリア)のうち、エリア番号の最も小さいエリアに記憶することができる。よって、保留球A格納エリア203aにおいて、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータを記憶することができるので、時間的な入賞の順序(入賞順序)を持たせて、データを記憶することができる。また、保留球A格納エリア203aに記憶されているデータは、第1入球口A64への入賞を契機として得られたものであると識別することができる。
次に、図13及び図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される保留数コマンド設定処理(S360)について説明する。図13は、保留数コマンド設定処理(S360)を示すフローチャートであり、図19は、保留数コマンド設定処理を説明するための模式図である。保留数コマンド設定処理(S360)は、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に基づいて、各カウンタ203d,203eの2つの値を示す一の保留数コマンドを演算作成するための処理である。また、上記した第1始動入賞処理(図16参照)、後述する第2始動入賞処理(図17参照)、及び、後述する保留球格納エリア順送り処理(図12参照)の中で実行される処理である。
なお、データに関する説明を行う場合に、10進数の数値を示す場合は数値のみを記載し(例えば、「2」)、2進数の数値を示す場合は数値の後に「B」を加えて記載し(例えば、「10B」)、16進数の数値を示す場合は数値の後に「H」を加えて記載し(例えば、「2H」)、それぞれを区別する。
この保留数コマンド設定処理(S360)では、まず、RAM203のコマンド作成エリア203f(2バイト)をクリアする(S371)。すなわち、コマンド作成エリア203fに「0」を記憶し、全ビット値を「0B」と設定する。なお、1バイトは、8ビットで構成されている。次に、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を取得し、その値を、コマンド作成エリア203f(2バイト)の下位バイト(1バイト)に記憶する(S372)。
例えば、図19(a)に示すように、特図A保留球カウンタ203dの値が「3」であり、特図B保留球カウンタ203eの値が「2」であるとする。「2」は、2進数で表すと「10B」となるので、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)には、「00000010B」という数値が記憶される。
次に、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)において、各ビットをそれぞれ上位方向(左)へ4ビットシフトする(S373)。S373の処理により、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)は、「00100000B」という数値に設定される。ここでは、例えば、データを1ビット左へシフトするシフト命令(例えば、SLA命令)を4回繰り返す。または、データを1ビット左へローテートするローテート命令(例えば、RLC命令)を4回繰り返しても良い。または、データに対して「32」を乗算するようにしても良い。
次に、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を取得し(S374)、取得した値(1バイト)と、コマンド作成エリア203f(2バイト)の下位バイト(1バイト)との論理和を、レジスタ(1バイト)において算出する(S375)。この論理和の演算により、レジスタの1バイト(8ビット)の上位4ビットに特図B保留球カウンタ203eの値を設定し、下位4ビットに特図A保留球カウンタ203dの値を設定することができる。特図A保留球カウンタ203dの値は「3」であり、2進数で表すと「11B」となるので、図19(c)に示すように、レジスタには、「00100011B」という数値が設定される。
なお、本実施形態では、S375の処理で、特図A保留球カウンタ203dの値(1バイト)と、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)との論理和を演算しているが、論理和に代えて、加算による演算を行っても良い。本実施の形態では、S373の処理によって、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)の下位4ビットが、「0(0000B)」に設定されるので、論理和でも加算でも、演算結果は同様となる。
また、S372〜S375までの処理を、データを4ビット単位でローテートするローテート命令(例えば、RLD命令)を用いて実施しても良い。詳細については後述するが(図33参照)、Z80系のMPUであれば、Accレジスタ(1バイト)に特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を記憶し、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)に特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を記憶しておく。そして、HLレジスタ(2バイト)にコマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)の記憶場所を示すアドレス値を記憶し、その後、RLD命令を実行する。
RLD命令が実行されると、HLレジスタが示す記憶場所(即ち、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト))において、下位4ビットが上位方向(左)へ4ビットローテートされ、その下位4ビットにAccレジスタの下位4ビットがローテートされてくるので、HLレジスタが示す記憶場所(即ち、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト))には、「00100011B」という数値が設定される。このようすれば、一命令で済むので、1ビットシフト命令や1ビットローテート命令を4回繰り返す場合よりも、プログラムのステップ数を軽減することができるので、プログラムの容量を小さくすることができ、ROM202の空き容量を増やすことができる。
そして、S375の演算に用いたレジスタ(1バイト)の値に「11H(「00010001B」)」(1バイト)を加算し、その演算結果を、コマンド作成エリア203f(2バイト)の下位バイト(1バイト)に記憶する(S376)。すなわち、図19(d)に示すように、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)には、「00110100B」という数値が記憶される。なお、ここで「11H」を加算する理由については後述する。
次に、コマンド作成エリア203f(2バイト)の上位バイト(1バイト)に、「D0H」(1バイト)を記憶する(S377)。これにより、図19(e)に示すように、保留数コマンド「D034H」(2バイト)が演算作成される。そして、コマンド作成エリア203f(2バイト)内に記憶されている2バイトのデータを、RAM203の所定領域に保留数コマンドとして設定(記憶)し(S378)、この保留数コマンド設定処理を終了して、この保留数コマンド設定処理が実行される前の各処理(第1始動入賞処理、第2始動入賞処理、または、保留球格納エリア順送り処理)へ戻る。
なお、S378の処理により設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
以上の図13の保留数コマンド設定処理(S360)によれば、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に基づいて、2つの値(特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NB)を示す一の保留数コマンドを演算作成することができる。よって、各カウンタ203d,203eの値に対応する保留数コマンドを1つずつ演算作成し、演算作成した保留数コマンドをそれぞれ音声ランプ制御装置113へ送信する場合と比較して、保留数コマンドの送信回数を軽減することできるので、制御的負担を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側にとっても、保留数コマンドの受信回数を軽減することができるので、制御的負担を軽減することができる。
また、パチンコ機10において何らかのエラーが生じている場合には、演算結果や、RAM203から取得されるデータなどが、全ビット「0B」となったり、全ビット「1B」となることが多い。保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を演算作成する場合に、特図A保留球カウンタ203dの値、および、特図B保留球カウンタ203eの値をそのまま用いると、各カウンタ203d,203eの値がそれぞれ「0」である場合に、エラーが生じていている場合でも共に、値が正常にカウントされている場合でも、全ビットが「0B」、即ち、「00H」(1バイト)となるので、エラーを区別することが困難である。
そこで、本実施の形態のように、保留数コマンド(2バイト)を演算作成する場合に、その保留数コマンドの下位バイト(1バイト)に、「11H」(1バイト)を加算すれば、各カウンタ値203d,203eの値がそれぞれ最小値「0」であっても、演算作成される下位バイトを「11H」とすることができる。よって、演算作成された下位バイトが「00H」である場合や、「11H」未満(例えば、「10H」、「01H」など)である場合には、何らかのエラーが生じていると判別できる。また、各カウンタ値203d,203eの値は、それぞれ最大値が「4」であるので、演算作成された下位バイトが「55H」を超える場合も、何らかのエラーが生じていると判別できる。また、「11H」を加算するという簡単な処理で、何らかのエラーが生じていると判別できる。
また、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信した場合に、その保留数コマンドの下位バイト(1バイト)が、「11H」未満であるか、または、「55H」を超えているかを判断するように構成すれば、音声ランプ制御装置113でも何らかのエラーが生じていると判定することができるので、パチンコ機10のエラーの判定精度を向上させることができる。
また、保留数コマンド設定処理(S360)では、保留数コマンドを演算作成する場合に、「11H」(1バイト)を加算しているが、代わりに「AAH」(1バイト)を加算するように構成しても良い。つまり、各カウンタ203d,203eの最大値が「4」である場合に、保留数コマンドの下位バイトが「EEH」となる数値「AAH」を加算するのである。すなわち、各カウンタ203d,203eの最大値が「X」であれば、数値「(E−X)(E−X)H」を加算する。
このようにすれば、各カウンタ値203d,203eの値がそれぞれ「0」である場合に、「AAH」を加算すると、演算作成される下位バイトは「AAH」となる。一方、各カウンタ値203d,203eの値がそれぞれ最大値「4」である場合に、「AAH」を加算すると、演算作成される保留数コマンドの下位バイトは「EEH」となる。よって、演算作成された下位バイトが「00H」である場合や、「FFH」である場合には、何らかのエラーが生じていると判別できる。なお、「11H」〜「EEH」までの任意の数値を加算するように構成しても良い。
また、保留数コマンド設定処理(S360)では、保留数コマンドを演算作成する場合に、「11H」(1バイト)を加算しているが、その代わりに、特定の値を減算するように構成しても良いし、特定の値を乗算または除算するように構成しても良い。
また、保留数コマンド設定処理(S360)では、保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を演算作成する場合に、下位バイト(1バイト)の上位4ビットを特図B保留球数NBに対応させ、下位バイト(1バイト)の下位4ビットを特図A保留球数NAに対応させているが(S375の処理)、上位4ビットを特図A保留球数NAに対応させ、下位4ビットを特図B保留球数NBに対応させても良い。
また、例えば、パチンコ機10が特図A保留球数NAのみを計数する場合(即ち、第1入球口A64についての入賞のみ保留する場合)には、下位バイト(1バイト)全体を特図A保留球数NAに対応させても良いし、下位バイト(1バイト)の下位4ビットのみを特図A保留球数NAに対応させても良い。また、パチンコ機10が特図B保留球数NBのみを計数する場合(即ち、第1入球口B640についての入賞のみ保留する場合)には、下位バイト(1バイト)全体を特図B保留球数NBに対応させても良いし、下位バイト(1バイト)の上位4ビットのみを特図B保留球数NBに対応させても良い。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2始動入賞処理(S505)について説明する。図17は、第2始動入賞処理(S505)を示すフローチャートである。第2始動入賞処理(S505)は、第1入球口B640への入賞を検出した場合に、その入賞に応じたデータを、保留球B格納エリア203bに記憶(保留)するための処理であり、上記したタイマ割込処理(図15参照)の中で実行される処理である。
この第2始動入賞処理(S505)では、まず、第1入球口Bスイッチ208bの状態(オンまたはオフ)を読み取り、球が第1入球口B640に入賞(入球)したか否かを判別する(S671)。S671の処理において、第1入球口Bスイッチ208bの状態がオフであり、第1入球口B640への入賞がないと判別された場合には(S671:No)、何も行うことなく、この第2始動入賞処理(S505)を終了してタイマ割込処理(図15参照)へ戻る。
一方で、第1入球口Bスイッチ208bの状態がオンであり、球が第1入球口B640に入賞したと判別された場合には(S671:Yes)、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が、予め規定されている上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S672)。
S672の処理において、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が4である場合、即ち、既に上限値に到達している場合には(S672:No)、S673〜S675の各処理をスキップし、この第2始動入賞処理(S505)を終了してタイマ割込処理(図15参照)へ戻る。一方、S672の処理において、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が4未満であれば(S672:Yes)、特図B保留球カウンタ203dに1を加算する(S673)。
次に、タイマ割込処理(図15参照)におけるS503の処理により更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球B格納エリア203bの空き保留エリア(保留B第1エリア〜保留B第4エリア)のうち、特図B保留球数NBに応じたエリアの中の各格納エリア203a1〜203a3に記憶する(S674)。
例えば、S673の処理により更新された特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が「2」である場合には、保留B第2エリアの各格納エリア203b1〜203b3に、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶する。すなわち、特図B保留球数NBが「X」であれば、保留B第Xエリアの各格納エリア203b1〜203b3に、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶する。
次に、保留数コマンド設定処理を実行する(S360)。上述したとおり、保留数コマンド設定処理(S360)は、音声ランプ制御装置113へ出力する保留数コマンドを設定する処理である。保留数コマンドは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)うち、一方のカウンタ値が変化した場合に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力されるコマンドである。この保留数コマンドにより、一方の値が変化した後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBがそれぞれ示される。
この保留数コマンド設定処理(S360)により設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
次に、特図B保留球カウンタ203eの値に応じて、第1図柄表示装置37BにおけるLED37Baを点灯させ、新たな保留回数を点灯状態により表示する(S675)。S675の処理が終了したら、この第2始動入賞処理(S505)を終了してタイマ割込処理(図15参照)へ戻る。
以上の図17の第2始動入賞処理(S505)によれば、第1入球口B640への入賞が検出された場合に、その入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を、保留球B格納エリア203bの空き保留エリア(保留B第1エリア〜保留B第4エリア)のうち、エリア番号の最も小さいエリアに記憶することができる。よって、保留球B格納エリア203bにおいて、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータを記憶することができるので、時間的な入賞の順序(入賞順序)を持たせて、データを記憶することができる。また、保留球B格納エリア203bに記憶されているデータは、第1入球口B640への入賞を契機として得られたものであると識別することができる。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201、および、払出発射制御装置111内のMPU211により実行されるNMI割込処理について説明する。図18は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、実行される処理である。
まず、主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、払出発射制御装置111において実行されるNMI割込処理について説明する。かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図9を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図9は、主制御装置110の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、主制御装置110の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU201がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する(S102)。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、メイン処理(図10参照)のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを払出制御装置111へ送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。一方、主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0でクリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、払出制御装置111を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを払出制御装置111へ送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述する主制御装置110のメイン処理(図10参照)に移行する。
次に、図10を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図10は、主制御装置110のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、パチンコ機10の主要な制御を実行するための処理であり、上記した主制御装置110の立ち上げ処理(図9参照)の終了後に実行され、その後は4ms周期で繰り返し実行される処理である。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
このメイン処理では、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)に送信する(S201)。例えば、タイマ割込処理(図15参照)のS501の処理により、賞球コマンドが設定された場合には、その賞球コマンドを払出制御装置111へ送信する。また、例えば、上述した保留数コマンド設定処理(図13参照)により設定された保留数コマンドや、後述する変動開始処理(図14参照)により設定された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等の各種コマンドをそれぞれ音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。なお、これらのコマンド等の出力データの送信は、コマンド等の出力データが設定された順番に行われる。そして、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から出力された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて、第3図柄表示装置81に表示される変動演出や大当たり演出の態様を指示する表示用変動パターンコマンドや、第3図柄表示装置81に表示される停止図柄を指示する表示用停止図柄コマンドを表示制御装置114へ送信する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3に1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203のワークエリア203gに設けられている各カウンタCS1〜CS3に対応するバッファに記憶する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37A,37Bによる表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図11を参照して後述する。
変動処理(S204)の終了後、パチンコ機10が大当たり状態である場合に、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数(例えば、16ラウンド)繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示部83における第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示部83において第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄における当たりの判定が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口B640に付随する電動役物が所定時間開放され、球が第1入球口B640へ入球し易い状態となる。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201〜S208の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のワークエリア203gに設けられている各カウンタCINI1,CINI2に対応するバッファにそれぞれ記憶する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3に1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203のワークエリア203gに設けられている各カウンタCS1〜CS3に対応するバッファにそれぞれ記憶する。
上述したS201〜S206の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図18のNMI割込処理が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理を実行する。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、立ち上げ処理(図9参照)の初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図11を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S204)について説明する。図11は、変動処理(S204)を示すフローチャートである。変動処理(S204)は、入賞に対応するデータが、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bに記憶(保留)されている場合に、そのデータに対応する変動表示を開始させるための処理であり、メイン処理(図10参照)の中で実行される処理である。
この変動処理(S204)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37A,37Bで表示される大当たり遊技の最中(即ち、「第1確変大当たり」、「第2確変大当たり」、「第1時短大当たり」、「第2時短大当たり」の4つ)と、大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、何も行うことなく、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図10参照)に戻る。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様が変動中でなければ(S302:No)、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を取得する(S303)。そして、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)と、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)とを加算して、全保留球数Nを算出する(S304)。
そして、全保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別し(S305)、S305の処理により確認した結果、全保留球数Nが0であれば(S305:No)、S306,S307の処理をスキップし、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図10参照)に戻る。一方で、全保留球数Nが1以上であれば(S305:Yes)、大当たりの判定に用いるデータを、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bから保留球実行エリア203cへシフトする保留球格納エリア順送り処理を実行し(S306)、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの変動表示を開始する変動開始処理を実行する(S307)。そして、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図10参照)へ戻る。なお、保留球格納エリア順送り処理については、図12を参照して後述し、変動開始処理については、図14を参照して後述する。
また、この変動処理(S204)は、メイン処理において実行されるサブルーチンであるので、4ms毎に実行されるが、大当たり中の場合(S301:Yes)、または、変動中の場合(S302:Yes)には、S306〜S307の処理がスキップされるので、変動処理が実行される度に、変動表示が開始されたり、保留中の入賞に対応するデータが消耗されることはない。
S302の処理において、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S308)。第1図柄表示装置37A,37Bの変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S308:No)、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図10参照)へ戻る。
一方、S308の処理において、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの変動時間が経過していれば(S308:Yes)、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる図柄か、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」となる図柄かが決定される。
本実施の形態では、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」になる場合には赤色のLEDが点灯され、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」になる場合には緑色のLEDが点灯され、外れである場合には青色のLEDが点灯される。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
また、第1図柄表示装置37A及び第1図柄表示装置37Bのいずれも、複数のLED37Aa,37Baの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37BにおけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドを設定する(S310)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用停止コマンドを送信し、変動表示の停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。そして、S310の処理が終了したら、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図10参照)へ戻る。
次に、図12を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される保留球格納エリア順送り処理(S306)について説明する。図12は、保留球格納エリア順送り処理(S306)を示すフローチャートである。保留球格納エリア順送り処理(S306)は、大当たりの判定に用いるデータを、保留球A格納エリア203a、または、保留球B格納エリア203bから保留球実行エリア203cへシフトするための処理であり、変動処理(図11参照)の中で実行される処理である。なお、この処理は、全保留球数N(特図A保留球数NAと、特図B保留球数NBとの加算値)が1以上である場合に実行される処理である。
この保留球格納エリア順送り処理(S306)では、まず、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が0よりも大きいか否かを判別する(S351)。S351の処理において、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が0である場合は(S351:No)、保留球A格納エリア203aにのみ入賞に対応するデータが記憶(保留)されていることになるので、保留球A格納エリア203aの保留A第1エリアに記憶されている各データを、保留球実行エリア203cへシフトする(S356)。
具体的には、保留A第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1に記憶されるデータを、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトする。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2に格納されるデータを、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へ、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3に格納されるデータを、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3へシフトする。
そして、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に、始動口入賞情報であるビット値「0」を記憶する(S357)。上述したとおり、始動口入賞情報格納エリア203c4には、保留球実行エリア203cに記憶されているデータが第1入球口A64への入賞によるものであれば、ビット値「0」が記憶され、第1入球口B640への入賞によるものであれば、ビット値「1」が記憶される。ここでは、第1入球口A64への入賞に対応するデータを、保留球実行エリア203cに記憶させたので、始動口入賞情報格納エリア203c4に、ビット値「0」を記憶している。
次に、保留A第2エリア〜保留A第4エリアに記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3エリア)へシフトする(S358)。そして、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を1減算し(S359)、S360の処理へ移行する。
なお、本実施の形態では、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第2〜第4)については、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。また、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
S351の処理において、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が1以上であれば(S351:Yes)、保留球B格納エリア203bの保留B第1エリアに記憶されている各データを、保留球実行エリア203cへシフトする(S352)。
本実施の形態では、第1入球口A64へ入賞して大当たりと判定された場合には、「第1の確変大当たり(8R確変大当たり)」または「第1の時短大当たり(8R)」となり、第1入球口B640へ入賞して大当たりと判定された場合には、「第2の確変大当たり(16R確変大当たり)」または「第2の時短大当たり(16R)」となる。つまり、遊技価値の有利度(ラウンド数)は、第1入球口Aへ入賞した場合よりも、第1入球口B640へ入賞した場合の方が高いので、S351の判定を行い、第1入球口B640への入賞に対応するデータを優先的に保留球実行エリア203cにシフトさせることにより、第1入球口B640への入賞についての大当たり判定を優先的に行っている。よって、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
S352の処理では、具体的には、保留B第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1に記憶されるデータを、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトする。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2に格納されるデータを、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へ、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3に格納されるデータを、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3へシフトする。
そして、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に、始動口入賞情報であるビット値「1」を記憶する(S353)。ここでは、第1入球口B640への入賞に対応するデータを、保留球実行エリア203cに記憶させたので、始動口入賞情報格納エリア203c4に、ビット値「1」を記憶している。次に、保留B第2エリア〜保留B第4エリアに記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3エリア)へシフトする(S354)。そして、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を1減算し(S355)、S360の処理へ移行する。
なお、本実施の形態では、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行ったが、保留球A格納エリア203aの場合と同様に、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。
そして、S355またはS359の処理が終了したら、次に、保留数コマンド設定処理を実行する(S360)。上述したとおり、保留数コマンド設定処理(S360)は、音声ランプ制御装置113へ出力する保留数コマンドを設定する処理である。この保留数コマンドにより、一方の値が変化した後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBがそれぞれ示される。この保留数コマンド設定処理(S360)により設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
次に、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)に応じて、第1図柄表示装置37AにおけるLED37Aaを点灯させると共に、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に応じて、第1図柄表示装置37BにおけるLED37Baを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示する(S361)。S361の処理が終了したら、この保留球格納エリア順送り処理(S306)を終了して変動処理(図12参照)へ戻る。
以上の図12の保留球格納エリア順送り処理(S306)によれば、S351の判定処理を行うことで、保留A格納エリア203aに記憶されているデータよりも、保留球B格納エリア203bに記憶されているデータを優先して、保留球実行エリア203cへシフトさせることができる。よって、第1入球口Aへの入賞よりも遊技価値の有利度が高い第1入球口B640への入賞についての大当たり判定を優先的に行うことができるので、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
次に、図14を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理について説明する。図14は、変動開始処理(S307)を示すフローチャートである。変動開始処理(S307)は、保留球実行エリア203cに記憶されているデータに基づいて、大当たりであるか外れであるかを判定し、その判定結果に応じた変動表示を開始させるための処理であり、変動処理(図11参照)の中で実行される処理である。
この変動開始処理(S307)では、まず、保留球実行エリア203cに記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。すなわち、保留球実行エリア203cの第1乱数カウンタ格納エリア203a1に記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2に記憶されている第1当たり種別カウンタC2の値と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3に記憶されている停止パターン選択カウンタC3の値と、始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)とを取得する。
そして、S401の処理により取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S402)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値と、その時々のモード(低確率状態または高確率状態)との関係に基づいて判別する。前述した通り、通常の低確率時(大当たり確率が通常の状態)には、第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)には、「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
さらに、大当たりと判別された場合には、S401の処理により取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)とに基づいて、4種類ある大当たり(「第1の確変大当たり(8R確変大当たり)」、「第2の確変大当たり(16R確変大当たり)」、「第1の時短大当たり(8R時短大当たり)」、「第2の時短大当たり(16R時短大当たり)」)のうち、どの大当たりであるか当たり種別を判別する。前述した通り、大当たりの場合に、第1当たり種別カウンタC2の数値(「0〜4」)が「0,4」でれば、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」となり、「1,2,3」であれば、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる。
ここで、大当たり、且つ、確変大当たりと判別され、始動口入賞情報のビット値が「0」である場合は、「第1の確変大当たり(8R確変大当たり)」となり、始動口入賞情報のビット値が「1」である場合は、「第2の確変大当たり(16R確変大当たり)」となる。また、大当たり、且つ、時短大当たりと判別され、始動口入賞情報のビット値が「0」である場合は、「第1の時短大当たり(8R時短大当たり)」となり、始動口入賞情報のビット値が「1」である場合は、「第2の時短大当たり(16R時短大当たり)」となる。
S402の処理において、大当たりであると判別された場合(S402:Yes)、S401の処理により取得した第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様を設定する(S403)。つまり、S403の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」へ移行するか、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」へ移行するかを設定する。大当たり終了後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様(LED37Aa又はLED37Baの点灯状態)が設定される。本実施の形態では、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」になる場合には赤色のLEDが点灯され、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」になる場合には緑色のLEDが点灯され、外れである場合には青色のLEDが点灯される。
また、大当たり終了後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S403の処理により大当たり終了後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。
次に、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報が、ビット値「0」であるかを確認し(S404)、始動口入賞情報がビット値「0」であれば(S404:Yes)、MPU201内に設けられている変動種別カウンタCS1,CS2用のテーブル(図示せず)のうち、第1入球口A64に対応するテーブルを取得する(S405)。一方で、始動口入賞情報がビット値「1」であれば(S404:No)、第1入球口B640に対応するテーブルを取得する(S416)。
S405又はS416の処理後、取得されたテーブルと、RAM203のワークエリアに設けられているカウンタ用バッファに記憶されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づいて、大当たり時の変動パターンを決定する(S406)。即ち、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2又は中図柄列Z2’の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。このS406の処理による変動パターンの決定によって、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
なお、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決めるように構成してもよい。
一方で、S402の処理で大当たりではないと判別された場合には(S402:No)、外れ時の表示態様が設定される(S412)。このS412の処理では、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施の形態では、上述したように、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるか、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるか、特図A保留数カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)や、特図B保留数カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)等に応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報が、ビット値「0」であるかを確認し(S413)、始動口入賞情報がビット値「0」であれば(S413:Yes)、MPU201内に設けられている変動種別カウンタCS1,CS2用のテーブル(図示せず)のうち、第1入球口A64に対応するテーブルを取得する(S414)。一方で、始動口入賞情報がビット値「1」であれば(S413:No)、第1入球口B640に対応するテーブルを取得する(S417)。
S414又はS417の処理後、取得されたテーブルとRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づいて、外れ時の変動パターンを決定する(S415)。即ち、上記したS406と同様に、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2又は中図柄列Z2’の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。このS415の処理による変動パターンの決定によって、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
ここで、上述したように、MPU201内に設けられている変動種別カウンタCS1,CS2用のテーブル(図示せず)はいずれも、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、1の表示態様の種別を取り得る変動種別カウンタCS1の値の範囲が異なるように2種類のテーブルが設けられており、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、各表示態様の種別の選択比率が異なるように構成されている。よって、S406の処理によって大当たり時の変動パターンを決定する際や、S415の処理によって外れ時の変動パターンを決定する際に使用されるテーブルは、S404,S405,S416、又は、S413,S414,S417の処理により、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じたものが選択されるので、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄の各変動パターンを、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて多種多様に現出させることができ、遊技者に入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じた異なる印象を付与し、その結果として高い興趣を提供することができることになる。
S406の処理またはS415の処理が終わると、次に、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S407)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S406又はS415の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S408)、S403又はS412の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S409)。そして、S407の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定する(S410)。
S410の処理後、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報のビット値に応じた変動方向コマンドを設定し(S411)、この変動開始処理(S307)を終了して変動処理(図10参照)へ戻る。
S411の処理により設定される変動方向コマンドは、第3図柄表示装置81において表示される変動表示を縦スクロールとするか、横スクロールとするかを規定するコマンドである。本実施の形態では、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報が、ビット値「0」である場合には、横スクロールに対応する変動方向コマンドが設定され、始動口入賞情報がビット値「1」である場合は、縦スクロールに対応する変動方向コマンドが設定される。従って、第1入球口A64へ入賞した場合には第3図柄表示装置81において横スクロールの変動表示が行われ、第1入球口B640へ入賞した場合には第3図柄表示装置81において縦スクロールの変動表示が行われる。
この変動開始処理(S307)において設定された各コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。なお、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から出力された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて、第3図柄表示装置81に表示される変動演出や大当たり演出の態様を指示する表示用変動パターンコマンドや、第3図柄表示装置81に表示される停止図柄を指示する表示用停止図柄コマンドを表示制御装置114へ送信する。そして、表示制御装置114は、これらのコマンドに従って、第3図柄表示装置81の表示を制御する。
ここで、第1図柄表示装置37A,37Bや第3図柄表示装置81において変動表示が開始される場合に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるコマンドの順番について説明する。上述したとおり、メイン処理(図10参照)の外部出力処理(S201)では、コマンドが設定された順番に各コマンドが送信される。また、変動開始処理(S307)の実行前には、必ず、保留球格納エリア順送り処理(図11参照)が実行されるので、変動開始処理(S307)よりも先に、保留球格納エリア順送り処理のサブルーチンである保留数コマンド設定処理(図13参照)が実行される。つまり、保留数コマンド設定処理(S360)により、「保留数コマンド」が設定され、その後、変動開始処理(S307)により、「変動パターンコマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」、「変動方向コマンド」の順で、コマンドが設定される。よって、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へは、「保留数コマンド」、「変動パターンコマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」、「変動方向コマンド」の順に各種コマンドが送信される。
なお、「変動方向コマンド」を設けずに、「変動方向コマンド」が示す情報を「変動パターンコマンド」の中に含める構成としても良い。また、「演算時間加算コマンド」を設けずに、「演算時間加算コマンド」が示す情報を「変動パターンコマンド」の中に含める構成としても良い。また、それぞれを組み合わせた構成としても良い。
また、これらのコマンドは、順序を入れ替えて送信しても良い。また、コマンドの設定順序を入れ替えて、送信する順序を入れ替えても良い。例えば、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ「変動パターンコマンド」と「変動方向コマンド」とを真っ先に送信すれば、他のコマンドを送信する前に変動表示を開始して、変動表示を迅速に開始することができる。「保留数コマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」等は、変動表示の開始に影響を与え無いからである。
次に、図20から図21を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU211の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図20を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される立ち上げ処理について説明する。図20は、払出制御装置111の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、払出制御装置111の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU211がリセットされた場合に実行される処理である。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可すると共に(S802)、外部割込ベクタの設定を行う(S803)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してのデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S804)、記憶されていなければ(S804:No)、バックアップデータは記憶されていないので、処理をS811へ移行する。RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S804:Yes)、RAM判定値を算出し(S805)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S806:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS811へ移行する。払出制御装置111のメイン処理(図21参照)のS917の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S811,S812のRAMの初期化処理では、RAM213の全ての領域を0クリアした後(S811)、RAM213の初期値を設定する(S812)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、払出制御装置111のメイン処理(図21参照)へ移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S804:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S806:Yes)、RAM213にバックアップされたデータを保持したまま、電源遮断の発生情報をクリアすると共に(S807)、賞球や貸出球の払い出しを開始させるために、球の払出し許可を設定する(S808)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、後述する払出制御装置111のメイン処理(図21参照)へ移行する。
次に、図21を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理を説明する。図21は、払出制御装置111のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、球の払い出し制御を実行するための処理であり、上記した払出制御装置111の立ち上げ処理の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
このメイン処理では、まず主制御装置110から送信される賞球コマンドや払出復帰コマンド、払出初期化コマンドなどを受信すると共に、それらコマンドの種別を判定するコマンド判定処理を行う(S901)。このコマンド判定処理は、主制御装置110から受信した各種コマンドに応じて、それぞれのコマンドに対応する処理を実行するための処理であり、ここでは、例えば、主制御装置110より送信された払出復帰コマンドや、払出初期化コマンドや、賞球コマンドを受信すると、賞球や貸出球の払い出しが許可される。
コマンド判定処理(S901)が終わると、払い出しが許可されているか否かが判別され(S902)、払い出しが許可されていなければ(S902:No)、未だ主制御装置110は立ち上がった状態にないので、かかる場合には、コマンド判定処理(S901)において払い出しの許可がなされるまでコマンド判定処理(S901)を繰り返し実行する。一方、S902の処理において払い出しが許可されていれば(S902:Yes)、状態復帰スイッチ120をチェックし、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S903)。
その後、下皿50の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S904)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿50の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S905)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には、払出制御装置111に設けた7セグメントLEDにより報知する(S906)。
次に、S907〜S909の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つ記憶した総賞球個数が0でなければ(S907:No,S908:No)、賞球の払い出しを行うために賞球制御処理を開始する(S909)。一方、賞球の払出不可状態(S907:Yes)または総賞球個数が0であれば(S908:Yes)、貸球払出の処理に移行する。
S910〜S912の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S910:No,S911:Yes)、貸球を払い出しために貸球制御処理を開始する(S912)。一方、貸球の払出不可状態(S910:Yes)または貸球払出要求を受信していない場合には(S911:No)、処理をS913へ移行する。また、貸球制御処理(S912)の終了後も、同様に、処理をS913へ移行する。
S913の処理では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ134の制御(バイブモータ制御)を実行する(S913)。その後は、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S914)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S914:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていないので、かかる場合には、処理をS901へ移行して、上述したS901〜S913の各処理を繰り返し実行する。
一方、S914の処理において、電源断の発生情報が記憶されていれば(S914:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図18のNMI割込処理が実行されたということである。よって、かかる場合には、各割込処理の発生の禁止をし(S915)、主制御装置110から送信されるコマンドの受信漏れを防止するために、再度、コマンド判定処理を実行する(S916)。そして、RAM判定値を算出してRAM213に保存し(S917)、RAM213のアクセスを禁止して(S918)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、例えば、RAM判定値は、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S914の処理は、払出制御装置111のメイン処理の1サイクルが終わるタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断前の状態から復帰する場合には、処理を立ち上げ処理の終了後、S901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、メイン処理を開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、払出制御装置111の初期設定の処理(S801)(図20参照)において、スタックポインタを所定値(初期値)に設定することで、処理をS901から開始することができる。従って、払出制御装置111の制御負担を軽減することができると共に、払出制御装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。また、各処理が終わったタイミングで電源断の処理が実行されるので、RAM213にバックアップする情報量を少なくすることができる。
次に、図22から図26のフローチャートを参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、主制御装置110から送信される各種コマンドを受信する度に実行されるコマンド受信割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにコマンド受信割込み処理を説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
まず、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図25は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。コマンド受信割込処理は、主制御装置110から送信される各種コマンドを受信するための割込処理であり、主制御装置110から送信される各種コマンドを受信する度に実行される処理である。
このコマンド受信割込処理では、主制御装置110から送信されきたコマンドを受信し、その受信したコマンドをコマンド保存エリア223bに記憶して(S1230)、処理を終了する。なお、ここで記憶されたコマンドが保留数コマンドであれば、後述する保留個数表示更新処理(図26参照)において取得され、その取得された保留数コマンドに基づいて、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数が更新される。
次に、図22を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図22は、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、音声ランプ制御装置113の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU221がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源投入報知処理を実行する(S1002)。
電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図A保留ランプ85Aや、特図B保留ランプ85Bなどにより行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。
電源投入報知処理が終了したら、次に、今回の立ち上げ処理が、後述する電源断処理(図23のS1114)の実行途中で、MPU221がリセットされたために実行されたものであるのかを、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって判定する(S1003)。
上述した通り、瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)が発生すると、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113などに対して電源断コマンドを送信する。詳細については図23を参照しつつ後述するが、音声ランプ制御装置113では、電源断コマンドを受信すると、電源断コマンドを受信したことを示す電源断の発生情報をRAM223に記憶し、電源断処理(図23のS1114)を実行する。そして、かかる電源断処理の実行前には、電源断処理中フラグをオンし、電源断処理の終了後には、電源断処理中フラグをオフする。
つまり、電源断処理の実行途中で、MPU221がリセットされたか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。なお、電源断処理の実行途中に、または、実行完了した後に電源が完全に遮断された場合には、RAM223のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
より具体的には、電源断処理中フラグがオフである場合は、次の3つの状態の何れかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合である。1つ目の状態としては、電源が完全に遮断された状態である。電源が完全に遮断されると、RAM223のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
2つ目の状態としては、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図23のS1114)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理が完了した後に、MPU221がリセットされた状態である。この場合、電源が遮断されなかったため、RAM223のデータは喪失せずに保持される。また、電源断処理が完了するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
3つ目の状態としては、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221のみがリセットされた状態である。つまり、電源断処理が実行されることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、MPU221がリセットされると、電源断処理中フラグがオフのまま、RAM223のデータが保持される。
上述した3つの状態の何れかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合、即ち、電源断フラグがオフの場合は(S1003:No)、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1004)。なお、ここでデータが破壊されているか否かを確認しているのは、ノイズなどによってMPU221のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合に、RAM223のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1007の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1004:Yes)、S1005へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1004:No)、S1009の処理へ移行する。
より具体的には、電源が完全に遮断された後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1004:Yes)、S1005の処理へ移行する。一方、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図23のS1114)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行が完了した後にMPU221がリセットされて、今回の立ち上げ処理が開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221のみがリセットされた後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1004:No)、S1009の処理へ移行する。
S1003の処理において、電源断処理中フラグがオンである場合は(S1003:Yes)、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図23のS1114)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中でMPU221がリセットされた場合である。この場合は、現在のRAM223の記憶状態が必ずしも正しいとは言えない。よって、かかる場合には制御を継続することが困難であるので、処理をS1005へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1005の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1005)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1006:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1007)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1006:No)、RAM223の異常を報知して(S1008)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良い。
S1009の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1009)。電源断フラグは、電源断処理(図23のS1114)が実行される前にオンされ、電源が完全に遮断されるとオフとなる(図23のS1113参照)。よって、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオンである場合とは、瞬間的な停電が発生したため電源断処理が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中に、または、実行完了してMPU221がリセットされた場合である。
従って、かかる場合には(S1009:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S1010)、RAM223の初期値を設定した後(S1011)、割込み許可を設定して(S1012)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオフである場合とは、例えば、電源が完全に遮断された後に、再度電源が投入された場合(電源断フラグのデータを含むRAM223のデータが喪失している場合)、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221のみがリセットされて、電源断フラグがオンされることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、RAM223のデータが保持されている場合である。
よって、かかる場合には(S1009:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1010をスキップして、処理をS1011へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1011)、割込み許可を設定して(S1012)、メイン処理へ移行する。
なお、S1010のクリア処理をスキップするのは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。また、S1005〜S1007の処理が実行された場合には、S1005の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているので、再度、RAM223の作業エリアをクリアする必要がないからである。
次に、図23を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図23は、音声ランプ制御装置113のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、ランプ表示や音声出力の制御などを実行するための処理であり、上記した音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
メイン処理では、まず、このメイン処理が開始されてから1m秒以上が経過したか否かを判別し(S1101)、1m秒以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1108の処理を行わずにS1109の処理へ移行する。S1101の処理により、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1108が表示(演出)に関する処理であるので、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないからである。対して、S1109の変動表示処理では、演出態様の設定に用いる各カウンタ(図示しない)の更新処理などを実行し、また、S1110のコマンド判定処理では、主制御装置110から受信した各種コマンドに応じて、それぞれのコマンドに対応する処理を実行するので、S1109およびS1110の各処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1110の処理を短い周期で実行することにより、主制御装置110から送信されるコマンドに応じた処理を漏れなく確実に実行できる。
S1101の処理で1m秒以上経過していれば(S1101:Yes)、後述するS1106の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプ(例えば、電飾部29〜33や、表示ランプ34など)の出力を設定する(S1102)。そして、S1103の客待ち演出処理を実行し、その後、保留個数表示更新処理を実行する(S1104)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。また、保留個数表示更新処理では、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンドに基づいて、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数が更新される。なお、保留個数表示更新処理の詳細については後述する(図26参照)。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1105)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1105の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理が実行され(S1106)、その後音編集・出力処理が実行される(S1107)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや、表示ランプ34などが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1107の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1108)、S1109の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1106のランプ編集処理が実行される。なお、S1107の音編集・出力処理も、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1109の処理では、第3図柄表示装置81における変動演出(変動表示)の演出態様を設定し、表示制御装置114に対し、設定した演出態様を指示する表示用変動パターンコマンドや、表示用停止図柄コマンドなどを送信する処理である。表示制御装置114は、これらのコマンドに従って、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。
次に、主制御装置110から受信した各種コマンドに応じて、それぞれのコマンドに対応する処理を実行するコマンド判定処理を行う(S1110)。このコマンド判定処理の詳細については、図24を参照して後述する。
S1110の処理が終わると、RAM223に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1111)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1111の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1111:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1113)、電源断処理を実行する(S1114)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1115)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226、電飾部29〜33、及び、表示ランプ34への出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
S1111の処理において、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1111:No)、RAM223に記憶されるキーワード「55AAh」(図22のS1007の処理参照)に基づき、RAM223が破壊されているか否かを判別し(S1112)、RAM223が破壊されていなければ(S1112:No)、S1101の処理へ戻り、上述したS1101〜S1112の各処理を繰り返し実行する。
一方、S1112の処理において、RAM223が破壊されていれば(S1112:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図A保留ランプ85Aや、特図B保留ランプ85BなどによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図24を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理について説明する。図24は、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理は、主制御装置110から受信した各種コマンドに応じて、それぞれのコマンドに対応する処理を実行するための処理である。
このコマンド判定処理では、まず、コマンド保存エリア223bに未取得のコマンドが記憶されているかを判別し(S1201)、コマンド保存エリア223bに未取得のコマンドが記憶されている場合は(S1201:Yes)、未取得のコマンドを1つ読み取る(S1202)。一方、コマンド保存エリア223bに未取得のコマンドが記憶されていない場合は(S1201:No)、S1202〜S1205の各処理をスキップして、このコマンド判定処理を終了する。
そして、読み取ったコマンドが保留数コマンドであるかを判別する(S1203)。上述した通り、保留数コマンドは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)うち、一方のカウンタ値が変化した場合に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力されるコマンドである。また、この保留数コマンドにより、一方の値が変化した後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBがそれぞれ示される。
S1203の処理において、読み取ったコマンドが保留数コマンドであった場合は(S1203:Yes)、RAM223の保留数コマンド受信フラグ223aをオンに設定し(S1204)、このコマンド判定処理を終了する。一方、S1203の処理において、読み取ったコマンドが保留数コマンドでなかった場合は(S1203:No)、読み取ったコマンドに応じた処理を実行し(S1205)、このコマンド判定処理を終了する。なお、読み取ったコマンドに応じた処理とは、例えば、電源断コマンドを読み取った場合に、RAM223の所定領域に電源断の発生情報を記憶するなどの処理である。
次に、図26を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理(S1104)について説明する。図26は、保留個数表示更新処理を示すフローチャートである。保留個数表示更新処理(S1104)は、受信した保留数コマンドに基づいて、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数を更新する為の処理であり、上記したメイン処理(図23参照)の中で実行される処理である。
この保留個数表示更新処理(S1104)では、まず、RAM223の保留数コマンド受信フラグ223aがオンに設定されているかを判別する(S1301)。なお、保留数コマンド受信フラグ223aは、主制御装置110から送信される保留数コマンドを受信した場合にオンに設定されるフラグである(図24のS1204の処理参照)。また、主制御装置110から送信される各種コマンドを受信した場合には、受信した各種コマンドが、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶される(図25のS1230の処理参照)。
S1301の処理において、保留数コマンド受信フラグ223aがオフである場合は(S1301:No)、何も実行せずに、この保留個数表示更新処理を終了して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図23参照)に戻る。一方、S1301の処理において、保留数コマンド受信フラグ223aがオンである場合は(S1301:Yes)、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を読み込む(S1302)。
次に、ROM222の保留数テーブル222aにおいて、S1302の処理で読み込んだ下位バイト(1バイト)に対応する特図B保留球数NBと、特図A保留球数NAとを取得する(S1303)(図7参照)。そして、取得した特図B保留球数NBと同一数のランプを、特図B保留ランプ85Bにおいて点灯させ、取得した特図A保留球数NAと同一数のランプを、特図A保留ランプ85Aにおいて点灯させる(S1304)。これにより、特図A保留ランプ85Aでは、主制御装置110の特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)と同一数のランプが点灯され、特図B保留ランプ85Bでは、主制御装置110の特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)と同一数のランプが点灯される。
特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bの更新後は、保留数コマンド受信フラグ223aをオフに設定し(S1305)、この保留個数表示更新処理を終了して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図23参照)に戻る。
以上の図26の保留個数表示更新処理(S1104)によれば、コマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンドに基づいて、特図A保留ランプ85Aの点灯数、特図B保留ランプ85Bの点灯数を更新させ、第1入球口A64についての保留数の変化、および、第1入球口B640についての保留数の変化を表示することができる。よって、第1入球口A64または第1入球口B640へ入賞して、特図A保留球数NAや特図B保留球数NBが増加したことを遊技者に認識させることができる。また、変動表示が開始されて、特図A保留球数NAや特図B保留球数NBが減少したことを遊技者に認識させることができる。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機10によれば、大当たりの判定が開始される入球口が2つ(第1入球口A64及び第1入球口B640)設けられており、第1入球口A64についての保留回数(特図A保留球数NA)が、特図A保留球カウンタ203dにより計数され、第1入球口B640についての保留回数(特図B保留球数NB)が、特図B保留球カウンタ203eにより計数される。そのカウンタ203d,203eのうち、一方のカウンタ値が変化した場合には、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して、変化後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの2つの値を示す一の保留数コマンドが送信される。
よって、遊技球が新たに第1入球口A64または第1入球口B640へ入賞して、特図A保留球数NAや特図B保留球数NBが増加した場合や、変動表示が開始されて、特図A保留球数NAや特図B保留球数NBが減少した場合に、その旨を迅速に音声ランプ制御装置113へ通知できる。従って、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの最新の状態を、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプで表示できるので、特図A保留球数NAや特図B保留球数NBが増減したことを、迅速に遊技者に認識させることができる。
また、主制御装置110は、その保留数コマンドを演算作成する場合に、テーブルなど(例えば、保留球数−保留数コマンド対応テーブル)を用いずに、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に基づいて、保留数コマンドを演算作成しているので、テーブルなどを予めROM202等に記憶しておく場合と比較して、記憶領域の使用量(消耗)を抑制できる。よって、主制御装置110のROM202に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、ROM202の記憶領域を有効に使用できる。
また、保留数コマンド(2バイト)を演算作成する場合に、その保留数コマンドの下位バイト(1バイト)に、「11H」(1バイト)を加算しているので、各カウンタ値203d,203eの値がそれぞれ最小値「0」であっても、演算作成される下位バイトは「11H」となる。よって、演算作成された下位バイトが「00H」である場合や、「11H」未満(例えば、「10H」、「01H」など)である場合には、何らかのエラーが生じていると判別できる。また、各カウンタ値203d,203eの値は、それぞれ最大値が「4」であるので、演算作成された下位バイトが「55H」を超える場合も、何らかのエラーが生じていると判別できる。
また、第1入球口A64への入賞に対応するデータに基づいて、大当たりと判定された場合には、「第1の確変大当たり(8R確変大当たり)」または「第1の時短大当たり(8R時短大当たり)」いずれかとなり、第1入球口B640への入賞に対応するデータに基づいて、大当たりと判定された場合には、「第2の確変大当たり(16R確変大当たり)」または「第2の時短大当たり(16R時短大当たり)」のいずれかとなる。つまり、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じて、大当たり時のラウンド数(遊技価値の有利度)が変化する。よって、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
次に、図27および図28を参照して、音声ランプ制御装置113の保留個数表示更新処理(図26参照)の変形例である保留個数表示更新処理Aについて説明する。図27は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理Aを示すフローチャートであり、図28は、保留個数表示更新処理Aを説明するための模式図である。保留個数表示更新処理Aは、図23のメイン処理において、保留個数表示更新処理(S1104)に代えて実行される。
図26の保留個数表示更新処理では、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数を更新する場合に、ROM222の保留数テーブル222aを参照して、受信した保留数コマンドに対応する特図A保留球数NA、および、特図B保留球数NBを取得した。これに対し、図27の保留個数表示更新処理Aは、保留数テーブル222a(図7参照)などのテーブルを一切用いずに、受信した保留数コマンドの下位バイト(1バイト)から直接、特図A保留球数NA、および、特図B保留球数NBを抽出して、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数を更新する為の処理である。保留個数表示更新処理(S1104)に代えて、保留個数表示更新処理Aを実行する構成の場合は、音声ランプ制御装置113において、ROM222の保留数テーブル222aが不用となり、その分、ROM222の記憶領域の使用量(消費)を抑制できる。よって、音声ランプ制御装置113のROM222に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、ROM222の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留個数表示更新処理Aの説明にあたっては、図26の保留個数表示更新処理と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
まず、S1301の処理において、保留数コマンド受信フラグ223aがオフである場合は(S1301:No)、何も実行せずに、この保留個数表示更新処理Aを終了して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図23参照)に戻る。一方、S1301の処理において、保留数コマンド受信フラグ223aがオンである場合は(S1301:Yes)、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を読み込む(S1302)。例えば、図28(a)に示す保留数コマンド「D034H」(2バイト)が、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている場合には、図28(b)に示すように、その保留数コマンドの下位バイトである「34H」(1バイト)を、レジスタに読み込む。
次に、S1302の処理で読み込んだ下位バイトから、「11H」(1バイトを減算する(S1331)。ここで、「11H」を減算することにより、保留数コマンドを演算作成する保留数コマンド設定処理(図13参照)において、保留数コマンドの下位バイトに加算された「11H」(図13のS376の処理)を取り除く。なお、保留数コマンドの下位バイトから「11H」を取り除いた場合、その下位バイトの上位4ビットが、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を示し、下位4ビットが、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を示す(図13のS375の処理参照)。
例えば、保留数コマンドの下位バイト「34H」から、「11H」を減算すると、その演算結果は、図28(c)に示すように、「23H(「00100011B」)」となる。この演算結果の上位4ビット「2H」が特図B保留球数NBを示しており、下位4ビット「3H」が特図A保留球数NAを示している。
次に、その演算結果のデータ(1バイト)から、上位4ビットが示す数値(10進数)を抽出する(S1332)。例えば、S1331の演算結果のデータ(1バイト)を汎用レジスタに読み込み、各ビットをそれぞれ下位方向(右)へ4ビットシフトして、数値を抽出する。
具体的には、演算結果のデータ「23H(「00100011B」)」を、下位方向に4ビットシフトすると、汎用レジスタの値が「2H(00000010B)」となるので、上位4ビットが示す数値だけを抽出できる。なお、データを4ビット下位方向にシフトする場合には、例えば、1ビット右へシフトするシフト命令(例えば、SRL命令)を4回繰り返す。または、データを1ビット右へローテートするローテート命令(例えば、RRC命令)を4回繰り返しても良い。または、データに対して「32」を除算するようにしても良い。
そして、S1332の処理が終了したら、抽出した数値と同一数のランプを、特図B保留ランプ85Bにおいて点灯させる(S1333)。つまり、受信した保留数コマンドが「D034H」である場合には、特図B保留ランプ85Bにおいて、2(「2H」)個のランプが点灯される。
また、S1331の演算結果のデータ(1バイト)から、下位4ビットが示す数値(10進数)を抽出する(S1334)。例えば、S1331の演算結果のデータ「23H(「00100011B」)」と、「0FH(00001111B)」との論理積を算出し、数値を抽出する。これにより、下位4ビットが示す数値だけ、即ち、「3H(00000011B)」だけを抽出できる。
そして、S1334の処理が終了したら、抽出した数値と同一数のランプを、特図A保留ランプ85Aにおいて点灯させる(S1335)。つまり、受信した保留数コマンドが「D034H」である場合には、特図A保留ランプ85Aにおいて、3(「3H」)個のランプが点灯される。
その後は、保留数コマンド受信フラグ223aをオフに設定し(S1305)、この保留個数表示更新処理Aを終了して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図23参照)に戻る。
なお、上述した保留個数表示更新処理Aでは、S1332の処理を実行して特図B保留球数NBを抽出し、S1334の処理を実行して特図A保留球数NAを抽出しているが、データを4ビット単位でローテートするローテート命令(例えば、RRD命令)を用いて、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを一度に抽出しても良い。詳細については後述するが(図35参照)、Z80系のMPUであれば、コマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)から「11H」を減算し、その保留数コマンドの下位バイトの記憶場所を示すアドレス値をHLレジスタ(2バイト)に記憶する。そして、Accレジスタ(1バイト)の全ビットに「0B」を設定(初期化)して、その後、RRD命令を実行する。
RRD命令が実行されると、HLレジスタが示す記憶場所(即ち、保留数コマンドの下位バイト(1バイト))において、下位4ビットがAccレジスタの下位4ビットにローテートされ、上位4ビットが下位4ビットにローテートされ、Accレジスタの下位4ビットが上位4ビットにローテートされてくる。
つまり、Accレジスタには特図A保留球数NAが設定され、HLレジスタが示す記憶場所(即ち、保留数コマンドの下位バイト)には特図B保留球数NBが設定される。例えば、HLレジスタが示す記憶場所に、S1331の演算結果のデータ「23H(「00100011B」)」が記憶されている場合、RRD命令が実行されると、Aレジスタの下位4ビットには「3H(0011B)」が設定され、HLレジスタが示す記憶場所には「2H(0010B)」が設定される。
このようすれば、一命令で済むので、1ビットシフト命令や1ビットローテート命令を4回繰り返す場合よりも、プログラムのステップ数を軽減することができるので、プログラムの容量を小さくすることができ、ROM222の空き容量を増やすことができる。
なお、上述したようにRRD命令を実行した場合には、S1333の処理では、HLレジスタが示す記憶場所に記憶されている値を用いて、S1335の処理では、Accレジスタの値を用いて、各保留ランプ85A,85Bの点灯を行えば良い。
以上の図27の保留個数表示更新処理Aによれば、保留数テーブル222a(図7参照)などのテーブルを一切用いずに、受信した保留数コマンドの下位バイト(1バイト)から直接、特図A保留球数NA、および、特図B保留球数NBを抽出して、特図A保留ランプ85A、および、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数を更新することができる。
よって、音声ランプ制御装置113において、ROM222の保留数テーブル222aが不用となり、その分、ROM222の記憶領域の使用量(消費)を抑制できる。
次に、図29を参照して、主制御装置110の保留数コマンド設定処理(図13参照)の変形例である保留数コマンド設定処理Aについて説明する。図29は、主制御装置110内のMPU201により実行される保留数コマンド設定処理Aを示すフローチャートである。保留数コマンド設定処理Aは、図12の保留球格納エリア順送り処理(S306)と、図16の第1始動入賞処理(S504)と、図17の第2始動入賞処理(S505)とにおいて、保留数コマンド設定処理(S360)に代えて実行される。
図13の保留数コマンド設定処理は、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に基づいて、各カウンタ203d,203eの2つの値を示す一の保留数コマンドを演算作成する処理である。これに対し、図29の保留数コマンド設定処理Aは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)に基づいて、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)だけを示す一の保留数コマンドを演算作成する処理である。
なお、保留数コマンド設定処理Aの説明にあたっては、図13の保留数コマンド設定処理と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
例えば、この保留数コマンド設定処理Aは、球が入賞した場合に大当たりの抽選がなされる入球口が第1入球口A64の1つのみとされ、第1入球口A64についての入賞の保留回数(特図A保留球数NA)のみが、特図A保留ランプ85Aにおいて点灯表示されるパチンコ機Aにおいて実行される処理である。このパチンコ機Aでは、例えば、第1入球口B640は、球が入賞した場合に賞球を払い出すだけの一般入賞口として設けられる。
保留数コマンド設定処理Aでは、まず、RAM203のコマンド作成エリア203f(2バイト)を0クリアする(S371)。次に、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を取得し、その値を、コマンド作成エリア203f(2バイト)の下位バイト(1バイト)に記憶する(S391)。例えば、特図A保留球カウンタ203dの値が「3」である場合、「3」は2進数で表すと「11B」となるので、コマンド作成エリア203fの下位バイトには、「00000011B」という数値が記憶される。
そして、コマンド作成エリア203fの下位バイトに、「01H(「00000001B」)」(1バイト)を加算する(S392)。上述した通り、パチンコ機Aにおいて何らかのエラーが生じている場合には、演算結果や、RAM203から取得されるデータなどが、全ビット「0B」となったり、全ビット「1B」となることが多い。
ここで、特図A保留球カウンタ203dの値をそのまま用いて、保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を演算作成すると、エラーが生じている場合にも、正常であって特図A保留球カウンタ203dの値が「0」である場合にも共に、保留数コマンドの下位バイトは「00H」(1バイト)となるため、正常であるのか、エラーが生じているのかは判別できない。
そこで、保留数コマンド(2バイト)を演算作成する場合に、その保留数コマンドの下位バイト(1バイト)に、「01H」(1バイト)を加算することにより、カウンタ203dの値が最小値「0」であっても、演算作成される下位バイトを「01H」とすることができる。よって、演算作成された下位バイトが「00H」である場合には、何らかのエラーが生じていると判別できる。また、特図A保留球カウンタ203dの値は、最大値が「4」であるので、演算作成された下位バイトが「05H」を超える場合も、何らかのエラーが生じていると判別できる。また、「01H」を加算するという簡単な処理で、何らかのエラーが生じていると判別できる。
また、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信した場合に、その保留数コマンドの下位バイト(1バイト)が、「00H」であるか、または、「05H」を超えているかを判断するように構成すれば、音声ランプ制御装置113でも何らかのエラーが生じていると判定することができるので、パチンコ機Aのエラーの判定精度を向上できる。
S393の処理が終了したら、次に、コマンド作成エリア203f(2バイト)の上位バイト(1バイト)に、「D0H」(1バイト)を記憶する(S393)。これにより、コマンド作成エリア203fにおいて、保留数コマンド「D004H」(2バイト)が演算作成される。そして、コマンド作成エリア203f(2バイト)内に記憶されている2バイトのデータを、RAM203の所定領域に保留数コマンドとして設定(記憶)し(S394)、この保留数コマンド設定処理を終了して、この保留数コマンド設定処理が実行される前の各処理へ戻る。なお、S394の処理により設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯される。
以上の図29の保留数コマンド設定処理Aによれば、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)に基づいて、特図A保留球数NAを示す一の保留数コマンドを演算作成することができる。
なお、保留数コマンド設定処理Aでは、保留数コマンドを演算作成する場合に、「01H」(1バイト)を加算しているが、代わりに「0AH」(1バイト)を加算するように構成しても良い。つまり、特図A保留球カウンタ203dの最大値が「4」である状態で、保留数コマンドを演算作成した場合に、保留数コマンドの下位バイトが「0EH」となる数値「0AH」を加算するのである。すなわち、特図A保留球カウンタ203dの最大値が「X」であれば、数値「0(E−X)H」を加算する。このようにすれば、特図A保留球カウンタ値203dの値が最小値「0」である場合に、「0AH」を加算すると、演算作成される下位バイトは「0AH」となる。一方、特図A保留球カウンタ値203dの値が最大値「4」である場合に、「0AH」を加算すると、演算作成される保留数コマンドの下位バイトは「0EH」となる。よって、演算作成された下位バイトが「00H」である場合や、「0FH」以上である場合や、「FFH」である場合には、何らかのエラーが生じていると判別できる。なお、「01H」〜「0AH」までの任意の数値を加算するように構成しても良い。
また、保留数コマンド設定処理Aでは、保留数コマンドを演算作成する場合に、「01H」(1バイト)を加算しているが、その代わりに、特定の値を減算するように構成しても良いし、特定の値を乗算または除算するように構成しても良い。
また、この保留数コマンド設定処理Aは、球が入賞した場合に大当たりの抽選がなされる入球口が、第1入球口B640の1つのみ設けられているパチンコ機Bにも適用することができる。即ち、第1入球口B640についての入賞の保留回数(特図B保留球数NB)のみが、特図B保留ランプ85Bにおいて点灯表示されるパチンコ機Bの場合には、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)の代わりに、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に基づいて、特図B保留球数NBを示す一の保留数コマンドを演算作成すれば良い。
また、この保留数コマンド設定処理Aを用いれば、一の入球口についての保留数コマンドを演算作成することができるので、パチンコ機10において、第1入球口A64,B640毎に保留数コマンドを演算作成して、別々に保留数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信しても良い。なお、第1入球口A64,B640毎に保留数コマンドを演算作成して送信する場合には、入賞の保留回数が変更された第1入球口についてのみ、保留数コマンドを演算作成し送信するように構成すれば、主制御装置110における保留数コマンドの送信回数、および、音声ランプ制御装置113における受信回数を軽減することができので、制御的負担を軽減することができる。
次に、図30を参照して、保留個数表示更新処理A(図27参照)の変形例である保留個数表示更新処理Bについて説明する。図30は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理Bを示すフローチャートである。
図30の保留個数表示更新処理Bは、上述した保留数コマンド設定処理A(図29参照)に対応する処理であり、保留数コマンド設定処理Aにより演算作成された保留数コマンドを受信した場合に、保留数テーブル222a(図7参照)などのテーブルを一切用いずに、受信した保留数コマンドの下位バイト(1バイト)から直接、特図A保留球数NAを抽出して、特図A保留ランプ85Aのランプの点灯数を更新する為の処理である。保留個数表示更新処理Bは、図23のメイン処理において、保留個数表示更新処理(S1104)に代えて実行される。なお、保留個数表示更新処理Bの説明にあたっては、図27の保留個数表示更新処理Aと同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
S1301の処理において、保留数コマンド受信フラグ223aがオンである場合は(S1301:Yes)、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を読み込む(S1302)。例えば、RAM223のコマンド保存エリア223bに、保留数コマンド「D004H」(2バイト)が記憶されている場合には、その保留数コマンドの下位バイトである「04H」(1バイト)が、レジスタに読み込まれる。
次に、S1302の処理で読み込んだ下位バイトから、「01H」を減算する(S1351)。ここで、「01H」を減算することにより、保留数コマンド設定処理A(図29参照)において、保留数コマンドの下位バイトに加算された「01H」(図29のS392の処理)を取り除く。なお、保留数コマンドの下位バイトから「01H」を取り除いた場合、その下位バイトは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を示す。例えば、保留数コマンドの下位バイト「04H」から、「01H」を減算すると、その演算結果は「03H」となる。つまり、特図A保留球数NAが「3」であることを示す。
次に、S1351の演算結果のデータ(1バイト)が示す数値(10進数)を抽出し(S1352)、その抽出した数値と同一数のランプを、特図A保留ランプ85Aにおいて点灯させる(S1353)。つまり、受信した保留数コマンドが「D004H」である場合には、特図A保留ランプ85Aにおいて、3(「03H」)個のランプを点灯させる。
その後は、保留数コマンド受信フラグ223aをオフに設定し(S1305)、この保留個数表示更新処理Bを終了して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図23参照)に戻る。
以上の図30の保留個数表示更新処理Bによれば、保留数コマンド設定処理Aにより演算作成された保留数コマンドを受信した場合に、保留数テーブル222a(図7参照)などのテーブルを一切用いずに、受信した保留数コマンドの下位バイト(1バイト)から直接、特図A保留球数NAを抽出して、特図A保留ランプ85Aのランプの点灯数を更新することができる。よって、音声ランプ制御装置113において、ROM222の保留数テーブル222aが不用となり、その分、ROM222の記憶領域の使用量(消費)を抑制できる。よって、音声ランプ制御装置113のROM222に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、ROM222の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留数コマンド設定処理Aにより演算作成される保留数コマンドは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を示すコマンドであるが、例えば、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)の代わりに、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を示す保留数コマンドが演算作成される場合には、受信した保留数コマンドの下位バイト(1バイト)から直接、特図B保留球数NBを抽出して、特図B保留ランプ85Bのランプの点灯数を更新するように構成すれば良い。
次に、図33及び図34を参照して、主制御装置110の保留数コマンド設定処理(図13参照)の変形例である保留数コマンド設定処理Bについて説明する。図33は、主制御装置110内のMPU201により実行される保留数コマンド設定処理Bを示すフローチャートであり、図34は、保留数コマンド設定処理Bを説明するための模式図である。
保留数コマンド設定処理Bは、図12の保留球格納エリア順送り処理(S306)と、図16の第1始動入賞処理(S504)と、図17の第2始動入賞処理(S505)とにおいて、保留数コマンド設定処理(S360)に代えて実行される。
図13の保留数コマンド設定処理は、保留数コマンドの下位バイト(1バイト)を演算作成する場合に、1ビットシフト命令(又は、1ビットローテート命令)および論理演算命令を実行して作成する処理である。これに対し、図33の保留数コマンド設定処理Bは、1ビットシフト命令(又は、1ビットローテート命令)および論理演算命令を実行せずに、代わりに、RLD命令による4ビット単位のローテートを実行して、保留数コマンドの下位バイトを演算作成する処理である。
保留数コマンド設定処理(S360)に代えて、保留数コマンド設定処理Bを実行する構成の場合は、保留数コマンドを演算作成するプログラムのステップ数を軽減することができるので、プログラムの容量を小さくすることができ、主制御装置110のROM202の空き容量を増やすことができる。よって、主制御装置110のROM202に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、ROM202の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留数コマンド設定処理Bの説明にあたっては、図13の保留数コマンド設定処理と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
この保留数コマンド設定処理Bでは、まず、S371〜S372の処理を実行する。そして、特図A保留球カウンタ203dの値を取得し、その数値を、Accレジスタ(1バイト)の中に記憶する(S1401)。
例えば、図34(a)に示すように、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が「3」であり、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が「2」であるとする。S371〜S372の処理が実行されると、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)には、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が記憶されるので、図34(b)の右図に示すように、「00000010B」という数値が記憶される。また、S1401の処理が実行されると、Accレジスタの中には、特図A保留球カウンタ203dの値が記憶されるので、図34の(b)の左図に示すように「00000011B」という数値が記憶される。
次に、コマンド作成エリア203f(2バイト)の下位バイト(1バイト)の記憶場所を示すアドレス値をHLレジスタの中に記憶して(S1402)、RLD命令を実行する(S1403)。なお、S1402の処理が実行されると、HLレジスタによって、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)の記憶場所が示される。また、RLD命令とは、HLレジスタにより示される記憶領域のデータと、Accレジスタの中のデータとを4ビット単位で入れ換える命令である。
ここで、RLD命令が実行されると、図34(c)に示すように、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)の下位4ビット「0010B」が、その下位バイトの上位4ビットにローテートされ、コマンド作成エリア203fの下位バイトの上位4ビット「0000B」が、Accレジスタの下位4ビットにローテートされる。また、Accレジスタの下位4ビット「0011B」が、コマンド作成エリア203fの下位バイトの下位4ビットにローテートされる。
その結果、コマンド作成エリア203fの下位バイトの上位4ビットには、特図B保留球数NB(ここでは、「2H」)が設定され、その下位バイトの下位4ビットには、特図A保留球数NA(ここでは、「3H」)が設定される。
このようにRLD命令を1回実行する構成にすれば、図13に示すS373の処理において、1ビットシフト命令(SLA命令など)や1ビットローテート命令(RLC命令など)を4回繰り返す必要がない。さらに、図13に示すS375の処理において、論理演算を行う必要もないので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができ、ROM202の空き容量を増やすことができる。
次に、コマンド作成エリア203fの下位バイト(1バイト)に、「11H」を加算する(S1404)。その結果、図34(d)に示すように、コマンド作成エリア203fには、「0034H」という数値に書き換えられる。その後、S377の処理を実行して、図34(e)に示すように、保留数コマンド「D034H」(2バイト)を演算作成する。
そして、S378の処理を実行して、この保留数コマンド設定処理Bを終了し、この保留数コマンド設定処理Bが実行される前の各処理(第1始動入賞処理、第2始動入賞処理、または、保留球格納エリア順送り処理)へ戻る。
なお、S378の処理により設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図10参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
以上の図33の保留数コマンド設定処理Bによれば、保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)を演算作成する場合に、RLD命令を1回実行する構成としているので、図13に示すS373の処理において、1ビットシフト命令(SLA命令など)や1ビットローテート命令(RLC命令など)を4回繰り返す必要がない。さらに、図13に示すS375の処理において、論理演算を行う必要もないので、プログラムのステップ数を軽減することができる。
よって、プログラムの容量を小さくすることができ、主制御装置110のROM202の空き容量を増やすことができるので、ROM202に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、主制御装置110のROM202の記憶領域を有効に使用できる。
次に、図35および図36を参照して、音声ランプ制御装置113の保留個数表示更新処理A(図27参照)の変形例である保留個数表示更新処理Cについて説明する。図35は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理Cを示すフローチャートであり、図36は、保留個数表示更新処理Cを説明するための模式図である。保留個数表示更新処理Cは、図23のメイン処理において、保留個数表示更新処理(S1104)に代えて実行される。
図27の保留個数表示更新処理Aは、1ビットシフト命令(又は、1ビットローテート命令)および論理演算命令を実行して、受信した保留数コマンドの下位バイト(1バイト)から特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを抽出する処理である。これに対し、図35の保留個数表示更新処理Cは、1ビットシフト命令(又は、1ビットローテート命令)および論理演算命令を実行せずに、代わりに、RRD命令による4ビット単位のローテートを実行して、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを抽出する処理である。
保留個数表示更新処理Aに代えて、保留個数表示更新処理Cを実行する構成の場合は、受信した保留数コマンドから特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを抽出するプログラムのステップ数を軽減することができるので、プログラムの容量を小さくすることができ、音声ランプ制御装置113のROM222の空き容量を増やすことができる。よって、音声ランプ制御装置113のROM222に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、ROM222の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留個数表示更新処理Cの説明にあたっては、図27の保留個数表示更新処理Aと同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
この保留個数表示更新処理Cでは、まず、S1301の処理を実行する。S1301の処理において、保留数コマンド受信フラグ223aがオンである場合は(S1301:Yes)、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)の記憶場所を示すアドレス値を取得する(S1501)。
そして、取得したアドレス値を、HLレジスタの中に記憶して(S1502)、コマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンドの下位バイト(1バイト)の中の数値から、「11H」を減算する(S1503)。次に、Accレジスタの中の数値を「0(00H)」に設定して(S1504)、RRD命令を実行する(S1505)。
なお、S1502の処理が実行されると、HLレジスタによって、コマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンド(2バイト)の下位バイト(1バイト)の記憶場所が示される。また、RRD命令とは、HLレジスタにより示される記憶領域のデータと、Accレジスタの中のデータとを4ビット単位で入れ換える命令である。
例えば、図36(a)に示す保留数コマンド「D034H」(2バイト)が、RAM223のコマンド保存エリア223bに記憶されている場合には、S1503の処理が実行されると、保留数コマンドの下位バイトは、図36(b)の右図に示すように「23H(00100011B)」という数値に書き換えられる。
S1504の処理が実行されると、Accレジスタの中には、図36(b)の左図に示すように「00000000B」という数値が設定される。ここで、RRD命令が実行されると、図36(c)に示すように、保留数コマンドの下位バイト(1バイト)の下位4ビット「0011B」がAccレジスタの下位4ビットにローテートされ、その下位バイトの上位4ビット「0010B」が下位4ビットにローテートされる。また、Accレジスタの下位4ビット「0000B」が、保留数コマンドの下位バイトの上位4ビットにローテートされる。
その結果、図36(d)の右図に示すように、コマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンドの下位バイトには、特図B保留球数NBが設定される。また、図36(d)の左図に示すように、Accレジスタの中には、特図A保留球数NAが設定される。
このように、RRD命令を1回実行する構成にすれば、図27に示すS1332の処理において、1ビットシフト命令(SRL命令など)や1ビットローテート命令(RRC命令など)などを4回繰り返す必要がない。さらに、図27に示すS1334の処理において、論理演算を行う必要もないので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができ、ROM222の空き容量を増やすことができる。
次に、コマンド保存エリア223bに記憶されている保留数コマンドの下位バイト(1バイト)の中の数値と同一数のランプを、特図B保留ランプ85Bにおいて点灯させる(S1506)。つまり、受信した保留数コマンドが「D034H」である場合には、特図B保留ランプ85Bにおいて、2(「2H」)個のランプが点灯される。
そして、Accレジスタの中の数値と同一数のランプを、特図A保留ランプ85Aにおいて点灯させる(S1507)。つまり、受信した保留数コマンドが「D034H」である場合には、特図A保留ランプ85Aにおて、3(「3H」)個のランプが点灯される。その後は、S1305の処理を実行して、この保留個数表示更新処理Cを終了し、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図23参照)に戻る。
以上の図35の保留個数表示更新処理Cによれば、受信した保留数コマンドから特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを抽出する場合に、RRD命令を1回実行する構成としているので、図27に示すS1332の処理において、1ビットシフト命令(SRL命令など)や1ビットローテート命令(RRC命令など)を4回繰り返す必要がない。さらに、図27に示すS1334の処理において、論理演算を行う必要もないので、プログラムのステップ数を軽減することができる。
よって、プログラムの容量を小さくすることができ、音声ランプ制御装置113のROM222の空き容量を増やすことができるので、ROM222に、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、音声ランプ制御装置113のROM222の記憶領域を有効に使用できる。
以上、上記各実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態では、大当たりの判定が開始される入球口として、第1入球口A64及び第1入球口B640を設ける構成としたが、この第1入球口は3つ以上であっても良い。なお、第1入球口を3つ以上設けた場合には、全ての第1入球口に対して各々異なる始動口入賞情報を割り当てる必要はない。即ち、第1入球口と始動口入賞情報の種類(値)とを1対1で対応付ける必要はなく、複数の第1入球口に対して1の始動口入賞情報を割り当てるように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、大当たりの判定が開始される入球口として、第1入球口A64及び第1入球口B640の2つを設けているが、何れか一方の第1入球口A64,B640のみを設けた構成でも良い。
また、上記実施の形態では、始動口入賞情報としてビット値「0」を第1入球口A64への入賞に対応づけ、ビット値「1」を第1入球口B640への入賞に対応づけているが、ビット値「1」を第1入球口A64への入賞に対応づけ、ビット値「0」を第1入球口B640への入賞に対応づけても良い。なお、1ビットのビット値に限らず、複数ビットにより構成されるビット値を、第1入球口A64への入賞や、第1入球口B640への入賞に対応づけても良い。また、第1入球口を3つ以上設けた場合には、それぞれの第1入球口に異なる複数ビット値を対応づけ、各ビット値ごとに異なる変動表示を行わせても良い。例えば、変動表示を縦スクロールや、横スクロールや、斜めスクロールなどを行うように構成する。
また、上記実施の形態では、保留数コマンドは2バイトで構成されており、保留数コマンドの上位バイト「D0H」(1バイト)が命令の種別に対応し、下位バイト(1バイト)が、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に対応しているが、保留数コマンドの上位バイト(1バイト)を、命令の種別および特図B保留球数NBに対応させ、下位バイト(1バイト)を特図A保留球数NAに対応させても良い。例えば、保留数コマンドが「D305H」(2バイト)である場合は、上位バイト(1バイト)の上位4ビットである「DH」が命令の種別に対応し、上位バイト(1バイト)の下位4ビットである「3H」が特図B保留球数NBに対応し、下位バイト(1バイト)である「05H」が特図A保留球数NAに対応する。
また、上記実施の形態では、図1に示すように、第1入球口A64と第1入球口B640とを比較的広く離間し、第1入球口B640に付随する電動役物が閉鎖された状態であっても球が入球可能であるように構成した。これに換えて、第1入球口A64と第1入球口B640との配置間隔を図1に示した場合より狭くし、第1入球口B640に付随する電動役物の開放時には球が入球可能であるが、閉鎖時には球が入球できないように第1入球口A64と第1入球口B640とを配置するような構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報が、ビット値「0」であるか「1」であるかに応じて各々異なる動作の制御(例えば、第3図柄表示装置81に変動表示を縦スクロールで表示するか横スクロールで表示するか)を行うように構成した。これは、始動口入賞情報に応じて各々異なる制御を実行することに限定することを意図するものではなく、上記のように第1入球口を3つ以上設けた結果として3種類以上の異なる始動口入賞情報が設定された場合には、複数の始動入賞情報に対して同じ制御が実行されるような構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、第3図柄表示装置81における変動表示の時間を決定する場合に、変動種別カウンタCS1〜CS3のカウンタ値に基づいて決定しているが、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて、第3図柄表示装置81における変動表示の時間を決定するように構成しても良い。例えば、第1入球口A64に入賞した場合に比べ、第1入球口B640に入賞した場合の方が、変動表示の時間が長くなるように構成しても良い。なお、始動口入賞情報のビット値と、変動種別カウンタCS1〜CS3のカウンタ値とに基づいて、第3図柄表示装置81における変動表示の時間を決定するように構成しても良い。
また、上記実施の形態では、第3図柄表示装置81で表示される演出パターン(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)を決定する場合に、停止パターン選択カウンタC3のカウンタ値に基づいて決定しているが、停止パターン選択カウンタC3を設けずに、その他のカウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、および、変動種別カウンタCS1〜CS3)のカウンタ値に基づいて決定するように構成しても良い。なお、第3図柄表示装置81で表示される演出パターンは、変動種別カウンタCS1〜CS3のうちの一のカウンタ値と、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値と、第1当たり種別カウンタC2のカウンタ値とに基づいて決定しても良いし、変動種別カウンタC1〜C3のうちの複数のカウンタ値と、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値と、第1当たり種別カウンタC2のカウンタ値とに基づいて決定しても良い。
また、上記実施の形態では、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じた特徴的な動作として、(1)変動表示時において第3図柄表示装置81にて表示される変動パターン(スクロール方向の変更、変動パターンの現出確率の変更)や、(2)変動表示に使用する第1図柄表示装置37A,37Bの選択や、(3)点灯される特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bの選択を例示したが、始動口入賞情報に応じた動作として(1)〜(3)が全て実行されることを意図するものではない。例えば、変動態様は始動口入賞情報にかかわらず同じ変動パターンの変動表示が第3図柄表示装置81に表示され、始動口入賞情報に応じて点灯される特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bの選択が実行されるものであってもよい。
また、上記に加えて又は上記以外に、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて、第1当たり乱数カウンタC1の値が「大当たり」となる確率を変更するように構成してもよい。例えば、第1入球口A64に入賞した場合に比べ、第1入球口B640に入賞した場合の方が大当たり確率が高くなるように構成してもよい。かかる構成とした場合、始動口入賞情報に応じて、即ち、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じて、遊技価値の有利度に変化をつけることができる。その結果、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
さらに、上記に加えて又は上記以外に、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて、第1当たり種別カウンタC2の値により「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる確率を変更するように構成してもよい。例えば、第1入球口A64に入賞した場合に比べ、第1入球口B640に入賞した場合の方が、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる確率が高くなるように構成してもよい。かかる構成とした場合、始動口入賞情報に応じて、即ち、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じて、遊技価値の有利度に変化をつけることができる。その結果、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
さらに、上記に加えて又は上記以外に、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて、第1当たり種別カウンタC2の値により「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」となる確率を変更するように構成してもよい。例えば、第1入球口A64に入賞した場合に比べ、第1入球口B640に入賞した場合の方が、「大当たり終了後に低確率状態(時短大当たり)」となる確率が高くなるように構成してもよい。かかる構成とした場合、始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて、即ち、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じて、遊技価値の有利度に変化をつけることができる。その結果、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
さらに、上記に加えて又は上記以外に、大当たり終了後に付与するラウンド数(利益)を、カウンタ値などに基づく抽選により決定するように構成し、その抽選確率を、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて変更するように構成しても良い。例えば、大当たり終了後のラウンド数を2種類(16ラウンドおよび8ラウンド)の中から抽選する場合、始動口入賞情報のビット値が「1」であれば(第1入球口B640への入賞であれば)、100%(一例)の確率で、16ラウンドが選択されるようにし、始動口入賞情報のビット値が「0」であれば(第1入球口A64への入賞であれば)、20%(一例)の確率で16ランドが選択されるように構成する。このようにすれば、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じて、遊技価値の有利度に変化をつけることができるので、その結果、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
また、上記実施の形態では、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じて、即ち、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に応じて、大当たり終了後に付与するラウンド数(利益、遊技価値)が決定されているが、入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)に関係なく、同一のラウンド数(例えば、16R)が大当たり終了後に付与されるように構成されていても良い。つまり、第1入球口A64への入賞に対する利益(遊技価値)と、第1入球口B640への入賞に対する利益(遊技価値)とを、同一としても良い。
また、上記実施の形態では、第1入球口A64及び第1入球口B640の両方に共通するカウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3など)を共通にするよう構成したが、これらのカウンタの全て又は一部(例えば、第1当たり乱数カウンタC1、第2当たり種別カウンタC2、及び停止パターン選択カウンタC3)を、第1入球口A64用と第1入球口B640用とで別々に設けるように構成してもよい。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1、第2当たり種別カウンタC2、及び停止パターン選択カウンタC3を、それぞれ、第1入球口A64用と第1入球口B640用とで2つずつ設けるように構成してもよい。
かかる場合、第1入球口A64用と第1入球口B640用とに別々設けたカウンタの全範囲(即ち、取り得る値の数)は、同じに構成しても異なるように構成してもよい。例えば、第1当たり乱数カウンタC1を第1入球口A64用と第1入球口B640用とで2つ設けた場合には、第1入球口A64用の第1当たり乱数カウンタC1の全範囲(即ち、取り得る値の数)と、第1入球口B640用の第1当たり乱数カウンタC1の全範囲とをそれぞれ同じに構成しても、互いに異なるように構成してもよい。
また、カウンタの全範囲に対してある態様に対して割り当てた範囲を、第1入球口A64用と第1入球口B640用とで同じに構成しても異なるように構成してもよい。例えば、第1当たり乱数カウンタC1を第1入球口A64用と第1入球口B640用とで2つ設けた場合に、大当たりとなる範囲をそれぞれ同じに構成しても、互いに異なるように構成してもよい。
即ち、第1入球口A64用のカウンタと第1入球口B640用のカウンタとを別々に設けた場合に、カウンタの全範囲やある態様に対して割り当てた範囲の設定によって、ある態様が現出する確率が第1入球口A64へ入賞した場合と第1入球口B640へ入賞した場合とで同じになるように構成しても、互いに異なるように構成してもよい。
例えば、第1入球口A64用の第1当たり乱数カウンタC1と第1入球口B640用の第1当たり乱数カウンタC1とを別々に設けた場合に、「大当たり」の確率を、第1入球口A64へ入賞した場合と第1入球口B640へ入賞した場合とで同じになるように構成しても、互いに異なるように構成してもよい。同様に、第1入球口A64用の第1当たり種別カウンタC2と第1入球口B640用の第1当たり種別カウンタC2とを別々に設けた場合に、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる確率を、第1入球口A64へ入賞した場合と第1入球口B640へ入賞した場合とで同じになるように構成しても、互いに異なるように構成してもよい。また、第1入球口A64用の停止パターン選択カウンタC3と第1入球口B640用の停止パターン選択カウンタC3とを別々に設けた場合に、「前後外れリーチ」などの各種リーチ態様が選択される確率を、第1入球口A64へ入賞した場合と第1入球口B640へ入賞した場合とで同じになるように構成しても、互いに異なるように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、保留球A格納エリア203a、および、保留球B格納エリア203bに記憶(保留)されているデータ(各カウンタC1〜C3の各値)のうち、保留球B格納エリア203bに記憶されているデータを優先的に、保留球実行エリア203cにシフトし、そのデータに基づいて大当たりの判定を行っているが、保留球A格納エリア203a、および、保留球B格納エリア203bに記憶(保留)されたデータの記憶順序を記憶しておき、時間的に古い入賞のデータから順に、保留球実行エリア203cへシフトさせて、そのデータに基づいて大当たりの判定を行う構成としても良い。特に、第1入球口A64、B640へ共に入賞している場合、第1入球口B640への入賞に対応する抽選がなされるまで、有利度の高い(最大16ラウンド)大当たりとなるという遊技者の期待感を強く維持できるので、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
また、上記実施の形態では、保留球A格納エリア203aと、保留球B格納エリア203bとを別々に設けているが、その代わりに、これらの格納エリア203a,203bを一体とした保留球格納エリアを設けても良い。なお、保留球格納エリアに、第1入球口A64への入賞に対応するデータを記憶させる場合には、そのデータに始動口入賞情報(ビット値「0」)を加えて記憶させ、第1入球口B640への入賞に対応するデータを記憶させる場合には、そのデータに始動口入賞情報(ビット値「1」)を加えて記憶させる。保留球格納エリアを一体とすると、保留球格納エリア内のデータが、入賞した時間順に並ぶので、大当たりの判定を時間的に古い順に行うことも、優先順位の高い順に行うことも、それぞれ組み合わせた順序でも簡単に行うことができる。様々な順序を組み合わせて大当たりの判定を行うことで、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
また、上記実施の形態における第1当たり乱数カウンタC1では、0〜738の範囲の数値をカウントしているが、カウントする範囲は適宜決定すれば良い。ここで、0〜738の範囲の数値をカウントするには、少なくとも1バイトの領域(1バイトでカウント可能な範囲は0〜255)が必要である。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が2バイトで構成されているなら、2バイトによりカウント可能な最大範囲である0〜65535の範囲の数値をカウントしても良いし、0〜32768(最上位ビットのみビット値が「1」、その他のビットはビット値「0」)の範囲の数値をカウントしても良い。
同様に、上記実施の形態における第1当たり種別カウンタC2では、0〜4の範囲の数値をカウントし、停止パターン選択カウンタC3では、0〜238の範囲の数値をカウントしているが、カウントする範囲は適宜決定すれば良い。ここで、0〜4の範囲、および、0〜238の範囲の数値をカウントするには、少なくとも2バイトの領域(2バイトでカウント可能な範囲は0〜65535)が必要である。例えば、第1当たり種別カウンタC2、および、停止パターン選択カウンタC3が1バイトで構成されているなら、1バイトによりカウント可能な最大範囲である0〜255の範囲の数値をカウントしても良いし、0〜128(最上位ビットのみビット値が「1」、その他のビットはビット値「0」)の範囲の数値をカウントしても良い。
ここで、カウントする範囲の最大値を分母とし、一のカウント値を分子として確率を算出する場合に、カウントする範囲が広ければ広いほど、様々な確率を設けることが容易となる。例えば、分母が100であれば、1%毎にしか確率を設けることができないが、分母が1000であれば、0.1%毎に確率を設けることができる。つまり、カウントする範囲が広ければ広いほど、確率の微調整を簡単に行うことができる。パチンコ機では、変動演出や大当たり演出が同一で大当たりの確率が異なる機種を製作することが一般的に行われるので、確率の微調整を簡単に行うことができるようパチンコ機を構成することにより、大当たりの確率の微調整を機種毎に簡単に行うことができ、設計負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、第3図柄表示装置81に表示される変動表示のスクロール方向を、第1入球口A64へ入賞した場合には横スクロールとし、第1入球口B640へ入賞した場合には縦スクロールとすることによって、いずれの第1入球口へ入賞したかを区別可能としたが、始動口入賞情報にかかわらずスクロール方向を同じ方向とし、始動口入賞情報に応じた特徴的な表示を第3図柄表示装置81に表示するような構成としてもよい。また、始動口入賞情報にかかわらずスクロール方向を同じ方向とし、始動口入賞情報にかかわらず変動表示を第3図柄表示装置81に表示するような構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、主制御装置110は、第3図柄表示装置81の変動表示の方向を指定するために、音声ランプ制御装置113へ変動方向コマンドを出力しているが、この変動方向コマンドを出力をやめて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力される保留数コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置113が変動表示の方向を指定するように構成しても良い。その場合、例えば、音声ランプ制御装置113において、保留数コマンドに対応する特図A保留球数NA、および、特図B保留球数NBを、RAM223の所定領域に記憶するように構成する。保留数コマンドは、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの変化を通知するコマンドであるので、保留数コマンドを取得した場合に、RAM223に記憶している値(特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NB)と、保留数コマンドが示す特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBとを比較することにより、保留数が減少した第1入球口A64,B640を特定することができる。ここで、保留数が減少する場合とは、入賞に応じた大当たり判定(変動表示)が開始される場合であるので、第1入球口A64についての保留数が減少した場合には、第1入球口A64に応じた変動表示を行わせる。すなわち、表示制御装置114に対して横スクロールの変動表示の指示を行う。一方、第1入球口B640についての保留数が減少した場合には、第1入球口B640に応じた変動表示を行わせる。すなわち、表示制御装置114に対して縦スクロールの変動表示の指示を行う。
また、上記実施の形態では、主制御装置110は、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)、および、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)うち、一方のカウンタ値が変化した場合に、音声ランプ制御装置113に対して、保留数コマンドを送信しているが、カウンタ値が減少した場合(即ち、変動表示が開始される場合)には、保留数コマンドを送信しないように構成しても良い。その場合、例えば、音声ランプ制御装置113において、保留数コマンドに対応する特図A保留球数NA、および、特図B保留球数NBを、RAM223の所定領域に記憶するように構成する。変動表示が開始される場合(カウンタ値が減少する場合)には、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ、第3図柄表示装置81の変動表示の方向を指定する変動方向コマンドが送信される。その変動方向コマンドにより、横スクロールの変動表示が指定された場合には、第1入球口A64への入賞に対応するデータに基づいて変動表示が開始されたことになるので、RAM223の所定領域に記憶した特図A保留球数NAを1減算すると共に、特図A保留ランプ85Aのランプを1つ消灯させる。一方、変動方向コマンドにより、縦スクロールの変動表示が指定された場合には、第1入球口B640への入賞に対応するデータに基づいて変動表示が開始されたことになるので、RAM223の所定領域に記憶した特図B保留球数NBを1減算すると共に、特図B保留ランプ85Bのランプを1つ消灯させる。これにより、主制御装置110における保留数コマンドの送信回数、および、音声ランプ制御装置113における受信回数を軽減することができので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を共に軽減することができる。
また、上記実施の形態では、「変動方向コマンド」を設けているが、本発明を、「変動方向コマンド」が設けられていないパチンコ機等で実施しても良い。また、上記実施の形態では、「演算時間加算コマンド」を設けているが、本発明を、「演算時間加算コマンド」が設けられていないパチンコ機等で実施しても良い。
また、上記実施の形態では、主制御装置110により、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出が決定されているが、主制御装置110の代わりに、音声ランプ制御装置113が、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出を決定しても良い。例えば、音声ランプ制御装置113は、保留数コマンドを受信した場合に、受信した保留数コマンドに基づいて特図A保留球数NAおよび特図B保留球数を抽出し、その抽出した特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBに基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出を決定する。なお、音声ランプ制御装置113が、抽出した特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBに基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出を決定する場合には、特図A保留ランプ85Aや特図B保留ランプ85Bにより、第1入球口A64,B640についての保留数の表示をしなくても良いし、しても良い。これにより、主制御装置110における保留数コマンドの送信回数を軽減することができので、主制御装置110の制御的負担を軽減することができる。
ここで、かかる構成の一例として、図31を参照して説明する。図31は、第3図柄表示装置81に表示される変動表示の変形例を示す模式図である。図31に示すように、この変形例では、変動表示や停止表示として表示される主図柄や副図柄などの図柄に加え、画面下方の左右両隅にそれぞれシンボル51aとシンボル51bとが第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている。なお、シンボル51aにおける斜線のハッチングはこのシンボル51aが点滅表示していることを表し、シンボル51bにおける黒色のハッチングはこのシンボル51aが停止表示していることを表している。
図31に示すように、第3図柄表示装置81に変動表示又は停止表示がされている最中に、2つのシンボル51a,51bのいずれを点滅表示とするかによって入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)を視覚的に区別させることができる。例えば、第1入球口A64へ入賞した場合には、シンボル51aを点滅表示させてシンボル51bを停止表示させ、一方で、第1入球口B640へ入賞した場合には、シンボル51aを停止表示させてシンボル51bを点滅表示させることによって、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかを遊技者に区別させることができる。
なお、上記のように、始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)に応じた特徴的な表示を第3図柄表示装置81に表示する制御としては、変動パターンコマンドと共に始動口入賞情報に応じたコマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力し、音声ランプ制御装置113又は表示制御装置114において、かかるコマンドに応じた表示を変動表示と共に第3図柄表示装置81に表示するように制御すればよい。
また、上記実施の形態では、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c4の始動口入賞情報に応じて、即ち、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、異なる場所に設けられた特図A保留ランプ85A又は特図B保留ランプ85Bの点灯によって保留数の報知がされるように構成したが、かかる保留数の報知は、点灯場所によって区別されることに限定されるものではない。例えば、多色LEDなどの発光色を可変とできる発光体を一列に並べ、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、色を変えるように構成してもよい。あるいは、第3図柄表示装置81に始動口入賞情報に応じて区別される保留数を視覚的に区別可能に表示する(例えば、数字または、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)として表示する)ような構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、特図A保留球数NAを特図A保留ランプ85Aの点灯によって、また、特図B保留球数NBを特図B保留ランプ85Bの点灯によって報知しているが、特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bを設けずに、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを第3図柄表示装置81にそれぞれ表示するように構成しても良い。なお、表示は、保留数を視覚的に区別可能に表示する(例えば、数字または、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)として表示する)ようにする。また、特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bの一方だけを設け、他方の保留ランプ85A,85Bが点灯により示す保留球数NA,NBだけ、第3図柄表示装置81に表示するように構成しても良い。また、特図A保留球数NAを特図A保留ランプ85Aの点灯によって、また、特図B保留球数NBを特図B保留ランプ85Bの点灯によって報知すると共に、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBを第3図柄表示装置81にそれぞれ表示するように構成しても良い。
また、上記実施の形態においては、第1入球口A64及び第1入球口B640への入賞は、それぞれ最大4回ずつ保留できるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口A64に対する最大保留回数と第1入球口B640に対する最大保留回数とを異なる数に設定する構成としてもよい。即ち、本実施の形態においては、第1入球口A64及び第1入球口B640共に、最大保留回数が4回であるように構成したが、例えば、第1入球口A64に対する最大保留回数を3回とし、第1入球口B640に対する最大保留回数を5回として構成してもよい。
また、上記実施の形態では、第1入球口A64の特図A保留球数NAを計数するカウンタとして特図A保留球カウンタ203dを設け、第1入球口B640の特図B保留球数NBを計数するカウンタとして特図B保留球カウンタ203eを設けるように構成したが、これらのカウンタ203d、203eを設けずに、必要に応じて(例えば、変動開始の際に)、保留球A格納エリア203aおよび保留球B格納エリア203bの内容を確認する(データがあるエリアの数を計数)ことによって、第1入球口A64の特図A保留球数NAと、第1入球口B640の特図B保留球数NBとを得るように構成してもよい。この場合は、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成する。
また、上記実施の形態では、RAM203内に、特図A保留球カウンタ203d用の領域と、特図B保留球カウンタ203e用の領域とをそれぞれ設けているが、2つを一体とした特図保留球カウンタ用の領域を設けても良い。上記実施の形態では、特図A保留球カウンタ203c、および、特図B保留球カウンタ203dについて、それぞれ1バイトの領域が確保されているが、「0」から「4」までの数値の計数にしか使用されないので、大半が未使用な領域(ビット7〜ビット3)となり、RAM等の記憶領域が無駄に消費されてしまう。そこで、特図保留球カウンタ(1バイト)を設け、上位4ビットを特図B保留球カウンタ203e(4ビット)とし、下位4ビットを特図A保留球カウンタ203d(4ビット)とする。特図A保留球カウンタ203dの領域と、特図B保留球カウンタ203eの領域とを一体に構成すれば、1バイト分の領域が不用となるので、未使用となる領域を抑制することができ、RAM等の記憶領域の消費を抑制することができる。また、このように構成すれば、保留数コマンド設定処理(図13参照)において、S372〜S375の処理のを実行する必要が無くなり、単に、特図保留球カウンタ(1バイト)の値をコマンド作成エリアに記憶させる処理だけで良くなるので、より簡単な処理で保留数コマンドを演算作成することができる。
また、上記実施の形態では、始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)を記憶するために、RAM203の保留球実行エリア203c内に、始動口入賞情報格納エリア203c4を設けているが、例えば、入賞の種類が、第1入球口A64への入賞であれば、入賞タイミングで取得されるカウンタ値に、マイナスの符号を付して、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1に格納し、第1入球口B640への入賞であれば、カウンタ値をそのまま(プラス値)で格納しても良い。このようにすれば、RAM203の保留球実行エリア20c内に、始動口入賞情報格納エリア203c4を設けなくても良いので、RAM等の記憶領域の消費を抑制することができる。なお、保留球実行エリア203c内の第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1に代えて、保留球実行エリア203c内の第1当たり種別カウンタ格納エリア203a1や、保留球実行エリア203c内の停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3において、カウンタ値をプラス値やマイナス値として格納しても良い。
また、上記実施の形態では、変動種別カウンタCS1,CS2用のテーブルについて、始動口入賞情報に応じて異なるテーブルを設けるように構成したが、変動種別カウンタCS1,CS2用のテーブル始動口入賞情報にかかわらず共通するテーブルとして設け、かかるテーブルに基づいて選択された変動パターンに対応する変動パターンコマンドと、始動口入賞情報に対応するコマンドとを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力し、音声ランプ制御装置113又は表示制御装置114での制御によって、始動口入賞情報に応じた変動パターンの変動表示が第3図柄表示装置81に表示されるように構成してもよい。なお、上記実施の形態では、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを別装置として構成したが、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、上記実施の形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦又は横方向にスクロールさせるものに限定されず、L字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、上記実施の形態においては、第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
また、本実施の形態では、大当たりの抽選結果として、「第1の確変大当たり」と、「第2の確変大当たり」と、「第1の時短大当たり」と、「第2の時短大当たり」と、「外れ」との5つの抽選結果が設けられているが、「第1の確変大当たり」および「第2の確変大当たり」を同一の確変大当たりとしても良い。また、「第1の時短大当たり」および「第2の時短大当たり」を同一の時短大当たりとしても良い。また、「第1の確変大当たり」および「第2の確変大当たり」を同一の確変大当たりとし、且つ、「第1の時短大当たり」および「第2の時短大当たり」を同一の時短大当たりとしても良い。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。識別情報を表示する識別情報表示手段と、遊技媒体が入球する入球口と、その入球口への遊技媒体の入球を検出する検出手段と、その検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の動的表示を行わせる周辺制御手段と、その周辺制御手段を制御すると共に、遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段は、前記検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う情報を取得し記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記識別情報表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示制御手段と、前記入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の動的表示の数を示す保留数情報を取得する保留数情報取得手段と、その保留数情報取得手段により取得された保留数情報を加工して、その保留数情報に応じた保留数コマンドを作成するコマンド作成手段と、そのコマンド作成手段により作成される保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するコマンド送信手段とを備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、主制御手段では、入球口への遊技媒体の入球が検出手段により検出されると、その入球に伴う情報が取得されて入球情報記憶手段に記憶され、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、識別情報表示手段において識別情報の動的表示が動的表示制御手段により実行させられる。また、入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の動的表示の数を示す保留数情報が保留数情報取得手段により取得される。そして、その取得された保留数情報が加工されて、その保留数情報に応じた保留数コマンドがコマンド作成手段により作成され、その作成された保留数コマンドが周辺制御手段へコマンド送信手段により送信される。一方、周辺制御手段では、主制御手段から送信された保留数コマンドに応じた処理が行われる。
主制御手段では、保留数情報を加工して保留数コマンドを作成するので、例えば、保留数情報に対応する保留数コマンドを取得するために、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを主制御手段の記憶手段に記憶しておく必要がない。よって、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できるので、遊技機に新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、主制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留数情報を加工するとは、例えば、保留数情報そのものを加工することや、保留数情報そのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
遊技機A1において、前記周辺制御手段は、前記主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドを受信するコマンド受信手段と、そのコマンド受信手段により受信された保留数コマンドを加工して保留数情報を抽出する保留数情報抽出手段と、その保留数情報抽出手段により抽出された保留数情報に応じた表示を行う保留数情報表示手段とを備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、周辺制御手段では、主制御手段のコマンド送信手段により送信された保留数コマンドがコマンド受信手段により受信され、その受信された保留数コマンドが加工されて、保留数情報が保留数情報抽出手段により抽出され、その抽出された保留数情報に応じた表示が、保留数情報表示手段により行われる。周辺制御手段では、保留数コマンドを加工して保留数情報を抽出するので、例えば、保留数コマンドに対応する保留数情報を取得するために、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを周辺制御手段の記憶手段に記憶しておく必要がない。よって、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できるので、遊技機に新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、周辺制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留数コマンドを加工するとは、例えば、保留数コマンドそのものを加工することや、保留数コマンドそのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
遊技機A1またはA2において、前記保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、前記保留数情報に対応する値を示す保留数情報部とを有して構成され、前記主制御手段のコマンド作成手段は、前記保留数情報取得手段により取得された保留数情報に、特定の情報を付加したものを前記保留数情報部の値とするものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、保留数情報に対応する値を示す保留数情報部とを有して構成され、主制御手段のコマンド作成手段では、保留数情報取得手段により取得された保留数情報に、特定の情報を付加したものを保留数情報部の値としている。よって、主制御手段のコマンド作成手段により保留数コマンドを作成した場合や、周辺制御手段のコマンド受信手段により保留数コマンドを受信した場合などに、その保留数コマンドの保留数情報部に特定の情報が付加されていなければ、遊技機において何らかのエラーが生じていると判別できる。
なお、「特定の情報を付加」とは、保留数情報と特定の値とを加算、減算、乗算または除算することなどをいう。
遊技機A3において、前記保留数情報部は、複数のビット値により構成されており、前記主制御手段のコマンド作成手段は、前記保留数情報取得手段により取得された保留数情報が示す未実行の動的表示の数に、1以上の整数を加算したビット値を前記保留数情報部の値とするものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、保留数情報部は、複数のビット値により構成されており、主制御手段のコマンド作成手段では、保留数情報取得手段により取得された保留数情報が示す未実行の動的表示の数に、1以上の整数を加算したビット値が保留数情報部の値とされる。よって、未実行の動的表示の数が0であっても、保留数情報部を1以上の整数を示すビット値とすることができる。遊技機においてエラーが生じている場合には、保留数情報部のビット値が全て0に設定されることが多いので、保留数情報部のビット値が全て0に設定されている場合には、遊技機において何らかのエラーが生じていると判別できる。従って、遊技機において何らかのエラーが生じていることを、1以上の整数を加算するという簡単な処理により判別できる。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、前記入球情報記憶手段、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、主制御手段では、検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、入球情報記憶手段、保留数情報取得手段、コマンド作成手段、コマンド送信手段が実行され、その結果、保留数コマンドが周辺制御手段へ送信される。よって、入球口に遊技媒体が入球して、未実行の動的表示の数が増加した場合に、その旨を迅速に周辺制御手段へ通知できるので、未実行の動的表示の数についての最新の状態を示すことができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記識別情報の動的表示を新たに開始させる場合に、前記入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報を更新する入球情報更新手段を備え、前記主制御手段は、その入球情報更新手段により更新された更新後の前記入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、主制御手段では、識別情報の動的表示を新たに開始させる場合に、入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報が入球情報更新手段により更新される。そして、その更新後の入球情報記憶手段の内容に基づいて、保留数情報取得手段、コマンド作成手段、コマンド送信手段が実行され、その結果、保留数コマンドが周辺制御手段へ送信される。よって、未実行の動的表示が新たに開始されて、未実行の動的表示の数が減少した場合に、その旨を迅速に周辺制御手段へ通知できるので、未実行の動的表示の数についての最新の状態を示すことができる。
識別情報を表示する識別情報表示手段と、遊技媒体が入球する入球口と、その入球口への遊技媒体の入球を検出する検出手段と、その検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の動的表示を行わせる周辺制御手段と、その周辺制御手段を制御すると共に、遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段は、前記検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う情報を取得し記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記識別情報表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示制御手段と、前記入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の動的表示の数を示す保留数情報を取得する保留数情報取得手段と、前記未実行の動的表示の数を示す保留数情報と、その保留数情報に応じた保留数コマンドとを予め対応づけて記憶するコマンド記憶手段と、そのコマンド記憶手段に記憶されている保留数コマンドのうち、前記保留数情報取得手段により取得される保留数情報に応じた保留数コマンドを抽出するコマンド抽出手段と、そのコマンド抽出手段により抽出される保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するコマンド送信手段とを備え、前記周辺制御手段は、前記主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドを受信するコマンド受信手段と、そのコマンド受信手段により受信された保留数コマンドを加工して保留数情報を抽出する保留数情報抽出手段と、その保留数情報抽出手段により抽出された保留数情報に応じた表示を行う保留数情報表示手段とを備えていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、主制御手段では、入球口への遊技媒体の入球が検出手段により検出されると、その入球に伴う情報が取得されて入球情報記憶手段に記憶され、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、識別情報表示手段において識別情報の動的表示が動的表示制御手段により実行させられる。そして、入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の動的表示の数を示す保留数情報が保留数情報取得手段により取得される。また、未実行の動的表示の数を示す保留数情報と、その保留数情報に応じた保留数コマンドとが予め対応づけられてコマンド記憶手段に記憶されており、そのコマンド記憶手段に記憶されている保留数コマンドのうち、保留数情報取得手段により取得された保留数情報に応じた保留数コマンドがコマンド抽出手段により抽出されて、周辺制御手段へコマンド送信手段により送信される。一方、周辺制御手段では、主制御手段のコマンド送信手段により送信された保留数コマンドがコマンド受信手段により受信されると、その受信された保留数コマンドが加工されて、保留数情報が保留数情報抽出手段により抽出され、その抽出された保留数情報に応じた表示が保留数情報表示手段に行われる。また、主制御手段から送信された保留数コマンドに応じた処理が行われる。
周辺制御手段では、保留数コマンドを加工して保留数情報を抽出するので、例えば、保留数コマンドに対応する保留数情報を取得するために、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを周辺制御手段の記憶手段に記憶しておく必要がない。よって、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できるので、遊技機に新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、周辺制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留数コマンドを加工するとは、例えば、保留数コマンドそのものを加工することや、保留数コマンドそのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
識別情報を表示する識別情報表示手段と、遊技媒体が入球する第1入球口と、その第1入球口への遊技媒体の入球を検出する第1検出手段と、前記第1入球口とは別に設けられ遊技媒体が入球する第2入球口と、その第2入球口への遊技媒体の入球を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第1動的表示を行わせると共に前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第2動的表示を行わせる周辺制御手段と、その周辺制御手段を制御すると共に遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う情報を取得し記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記識別情報表示手段に識別情報の前記第1動的表示または第2動的表示を実行させる動的表示制御手段と、前記第1入球口または第2入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報を取得する保留数情報取得手段と、その保留数情報取得手段により取得された保留数情報を加工して、その保留数情報に応じた保留数コマンドを作成するコマンド作成手段と、そのコマンド作成手段により作成される保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するコマンド送信手段とを備えていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、主制御手段では、第1入球口への遊技媒体の入球または第2入球口への遊技媒体の入球が、第1検出手段または第2検出手段により検出されると、その入球に伴う情報が取得されて入球情報記憶手段に記憶され、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、識別情報表示手段において識別情報の第1動的表示または第2動的表示が動的表示制御手段により実行させられる。また、第1入球口または第2入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報が保留数情報取得手段により取得される。そして、その取得された保留数情報が加工されて、その保留数情報に応じた保留数コマンドがコマンド作成手段により作成され、その作成された保留数コマンドが周辺制御手段へコマンド送信手段により送信される。一方、周辺制御手段では、主制御手段から送信された保留数コマンドに応じた処理が行われる。
保留数情報に対応する保留数コマンドを取得するために、例えば、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを主制御手段の記憶手段に記憶しておく構成とすると、テーブル情報の情報量分の記憶領域が消費されてしまう。また、保留数情報は、第1動的表示の数と、第2動的表示の数とをそれぞれ示すので、何れか一方の動的表示の数だけを示す場合よりも、多くの種類の保留数情報が設けられることとなり、その結果、テーブル情報の情報量が多くなるので、記憶領域がより多く消費されることになる。しなしながら、主制御手段では、保留数情報を加工して保留数コマンドを作成するので、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できる。よって、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、主制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
なお、第1動的表示と第2動的表示の動的表示の態様は、異なった態様でも、同様の態様でも良い。また、保留数情報を加工するとは、例えば、保留数情報そのものを加工することや、保留数情報そのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
遊技機B1において、前記周辺制御手段は、前記主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドを受信するコマンド受信手段と、そのコマンド受信手段により受信された保留数コマンドを加工して未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報を抽出する保留数情報抽出手段と、その保留数情報抽出手段により抽出された保留数情報に応じて、未実行の第1動的表示の数を表示する第1未実行情報表示手段と、未実行の第2動的表示の数を表示する第2未実行情報表示手段とを備えていることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、周辺制御手段では、主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドがコマンド受信手段により受信され、その受信された保留数コマンドが加工されて未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報が保留数情報抽出手段により抽出される。そして、その抽出された保留数情報に応じて、未実行の第1動的表示の数が第1未実行情報表示手段に表示され、未実行の第2動的表示の数が第2未実行情報表示手段に表示される。
保留数コマンドに対応する保留数情報を取得するために、例えば、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを周辺制御手段の記憶手段に記憶しておく構成とすると、テーブル情報の情報量分の記憶領域が消費されてしまう。また、保留数情報は、第1動的表示の数と、第2動的表示の数とをそれぞれ示すので、何れか一方の動的表示の数だけを示す場合よりも、多くの種類の保留数情報が設けられることとなり、その結果、テーブル情報の情報量が多くなるので、記憶領域がより多く消費されることになる。しなしながら、周辺制御手段では、保留数コマンドを加工して保留数情報を抽出するので、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できる。よって、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、周辺制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
なお、保留数コマンドを加工するとは、例えば、保留数コマンドそのものを加工することや、保留数コマンドそのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
遊技機B1またはB2において、前記保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、前記保留数情報のうち未実行の第1動的表示の数に対応する値と未実行の第2動的表示の数に対応する値とを示す保留数情報部とを有して構成され、前記主制御手段のコマンド作成手段は、前記保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、特定の情報を付加したものを前記保留数情報部の値とするものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、保留数情報のうち未実行の第1動的表示の数に対応する値と未実行の第2動的表示の数に対応する値とを示す保留数情報部とを有して構成されている。そして、主制御手段のコマンド作成手段では、保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、特定の情報を付加したものを保留数情報部の値としている。よって、主制御手段のコマンド作成手段により保留数コマンドを作成した場合や、周辺制御手段のコマンド受信手段により保留数コマンドを受信した場合などに、その保留数コマンドの保留数情報部に特定の情報が付加されていなければ、遊技機において何らかのエラーが生じていると判別できる。
なお、「特定の情報を付加」とは、保留数情報と特定の値とを加算、減算、乗算または除算することなどをいう。
遊技機B3において、前記保留数情報部は、複数のビット値により構成されており、前記主制御手段のコマンド作成手段は、前記保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、それぞれ1以上の整数を加算したビット値を前記保留数情報部の値とするものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、保留数情報部は、複数のビット値により構成されており、主制御手段のコマンド作成手段では、保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、それぞれ1以上の整数を加算したビット値が保留数情報部の値とされる。よって、未実行の第1動的表示の数または未実行の第2動的表示の数が0であっても、保留数情報部を1以上の整数を示すビット値とすることができる。遊技機においてエラーが生じている場合には、保留数情報部のビット値が全て0に設定されることが多いので、保留数情報部のビット値が全て0に設定されている場合には、遊技機において何らかのエラーが生じていると判別できる。また、保留数情報部において、未実行の第1動的表示の数を示すビット値または未実行の第2動的表示の数を示すビット値が0に設定されている場合にも、遊技機において何らかのエラーが生じていると判別できる。従って、遊技機において何らかのエラーが生じていることを、1以上の整数を加算するという簡単な処理により判別できる。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、前記入球情報記憶手段、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、主制御手段では、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、入球情報記憶手段、保留数情報取得手段、コマンド作成手段、コマンド送信手段が実行され、その結果、保留数コマンドが周辺制御手段へ送信される。よって、第1入球口または第2入球口に遊技媒体が入球して、未実行の第1動的表示の数または未実行の第2動的表示の数が増加した場合に、その旨を迅速に周辺制御手段へ通知できるので、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数についての最新の状態を示すことができる。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記識別情報の第1動的表示または第2動的表示を新たに開始させる場合に、前記入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報を更新する入球情報更新手段を備え、前記主制御手段は、その入球情報更新手段により更新された更新後の前記入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、主制御手段では、識別情報の第1動的表示または第2動的表示を新たに開始させる場合に、入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報が入球情報更新手段により更新される。そして、その更新後の入球情報記憶手段の内容に基づいて、保留数情報取得手段、コマンド作成手段、コマンド送信手段が実行され、その結果、保留数コマンドが周辺制御手段へ送信される。よって、未実行の第1動的表示または第2動的表示が新たに開始されて、未実行の第1動的表示の数または未実行の第2動的表示の数が減少した場合には、その旨を迅速に周辺制御手段へ通知できるので、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数についての最新の状態を示すことができる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に遊技者に第1の遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段と、前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、前記第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値を遊技者に付与する第2遊技価値付与手段とを備えていること特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、主制御手段では、第1検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、遊技者に第1の遊技価値が第1遊技価値付与手段により付与され、第2検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値が遊技者に第2遊技価値付与手段により付与される。よって、第1入球口および第2入球口のうち、遊技媒体が入球した入球口に応じて、異なる遊技価値を遊技者に付与することができるので、遊技者は、遊技媒体が入球する入球口に応じて一喜一憂することになる。従って、遊技者に高い興趣性遊技を提供できる。
遊技機B7において、前記第1遊技価値付与手段は、前記第1の遊技価値を前記第1動的表示の終了時に遊技者に付与すると共に、前記第2遊技価値付与手段は、前記第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値を前記第2動的表示の終了時に遊技者に付与するものであり、前記主制御手段の動的表示制御手段は、前記入球情報記憶手段に入球に伴う情報が記憶されている場合に、前記未実行の第2動的表示を未実行の第1動的表示に優先して前記周辺制御手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、第1の遊技価値は、第1遊技価値付与手段により第1動的表示の終了時に遊技者に付与される一方、第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値は、第2遊技価値付与手段により第2動的表示の終了時に遊技者に付与される。そして、主制御手段では、入球に伴う情報が入球情報記憶手段に記憶されていると、動的表示制御手段によって未実行の第2動的表示が未実行の第1動的表示より優先されて周辺制御手段で実行させられる。よって、第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値を優先して遊技者に付与できるので、遊技全体の遊技価値を向上させることができ、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記周辺制御手段は、前記第1動的表示と第2動的表示とを異なった態様で表示するものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、周辺制御手段では、第1動的表示と第2動的表示とが異なった態様で表示されるので、遊技媒体が第1入球口に入球したのか、又は、第2入球口に入球したのかを遊技者に認識させることができる。
遊技機B3またはB4において、前記保留数コマンドの保留数情報部は、前記未実行の第1動的表示の数に対応する情報と、前記未実行の第2動的表示の数に対応する情報とが連結された情報であり、前記主制御手段のコマンド作成手段は、前記保留数情報取得手段により取得された保留数情報のうち、前記未実行の第1動的表示の数を示す情報と、前記未実行の第2動的情報の数を示す情報との連結を1命令で行って前記保留数情報部を作成するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、保留数コマンドの保留数情報部は、未実行の第1動的表示の数に対応する情報と、未実行の第2動的表示の数に対応する情報とが連結された情報であり、主制御手段のコマンド作成手段は、保留数情報取得手段により取得された保留数情報のうち、未実行の第1動的表示の数を示す情報と、未実行の第2動的情報の数を示す情報との連結を1命令で行って保留数情報部を作成する。
よって、未実行の第1動的表示の数を示す情報と、未実行の第2動的情報の数を示す情報との連結を複数の命令で行う場合よりも、少ない命令数で保留数情報部を作成できるので、主制御手段の記憶手段に記憶する命令数を少なくできる。従って、主制御手段の記憶領域の消費を抑制できるので、遊技機に新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、主制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
なお、連結された情報とは、一つの情報群として取り扱う情報のことをいう。また、「1命令」とは、その命令の実行途中では割込みなどの他の処理が実行できない範囲の命令単位をいい、例えば、アセンブラ言語の1命令をいう。
遊技機B3またはB4において、前記周辺制御手段の保留数情報抽出手段は、前記コマンド受信手段により受信された保留数コマンドのうち、前記保留数情報部に連結されている前記未実行の第1動的表示の数を示す情報と、前記未実行の第2動的情報の数を示す情報との抽出を1命令で行って前記保留数情報を抽出するものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、周辺制御手段の保留数情報抽出手段は、コマンド受信手段により受信された保留数コマンドのうち、保留数情報部に連結されている未実行の第1動的表示の数を示す情報と、未実行の第2動的情報の数を示す情報との抽出を1命令で行って保留数情報を抽出する。
よって、保留数コマンドの保留数情報部に連結されている未実行の第1動的表示の数を示す情報と、未実行の第2動的情報の数を示す情報との抽出を複数の命令で行う場合よりも、少ない命令数で保留数情報を抽出できるので、周辺制御手段の記憶手段に記憶する命令数を少なくできる。従って、周辺制御手段の記憶領域の消費を抑制できるので、遊技機に新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、周辺制御手段の記憶領域を有効に使用できる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機C1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機C2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
近年、複数の始動口(例えば、始動口Aおよび始動口Bの2つ)を設け、遊技球が入賞した始動口に応じて変動演出などを変化させて、遊技の興趣向上を図ったパチンコ機が知られている。この種のパチンコ機では、遊技球がいずれかの始動口へ入賞した場合に、入賞した始動口に応じた変動演出が液晶画面上で開始される。また、その変動演出中に、新たな遊技球がいずれかの始動口へ入賞した場合には、実行中の変動演出が終了するまで、新たな入賞が始動口ごとに保留(待機)されると共に、その保留状態が、始動口ごとに設けられている保留ランプの点灯数などより示される。
この種のパチンコ機の中には、遊技の主な制御を実行する主制御装置と、遊技に関する周辺制御(液晶画面の表示制御や、ランプの点灯および消灯制御や、スピーカからの音声出力制御など)を実行する周辺制御装置とを有した構成のものがあり、そのような場合には、主制御装置から周辺制御装置へ送信される各種コマンドに基づいて、周辺制御装置の動作が制御される。
例えば、始動口Aまたは始動口Bにおいて、新たな遊技球が入賞した場合や、保留されていた入賞に対応する演出が開始された場合など、保留されている入賞の数(以下「保留数」と称する)が増減した場合には、主制御装置から周辺制御装置へ、始動口Aの保留数および始動口Bの保留数を示す保留数コマンドが送信される。周辺制御装置では、保留数コマンドを受信した場合に、受信した保留数コマンドが示す保留数と同一数の保留ランプを始動口ごとに点灯させる。
なお、図32(a)に示すように、保留数コマンドを含む各種コマンドは、例えば、それぞれ2バイトで構成され、各種コマンドの上位バイト(1バイト)が命令の種別を示し、各種コマンドの下位バイト(1バイト)が各種命令に対するパラメータを示している。
上述した主制御装置では、始動口Aの保留数および始動口Bの保留数と、保留数コマンドとを対応づけた保留数コマンドテーブル(図31(b)参照)を予め記憶領域に記憶している。例えば、始動口Aの保留数、および、始動口Bの保留数が、「0〜4」(5種類)の範囲の値となる場合には、5種類×5種類で25通りの保留数コマンドが設けられる。よって、保留数コマンドテーブルの大きさは、2バイト×25種類の50バイトで構成される。この保留数コマンドテーブルでは、始動口Aの保留数および始動口Bの保留数に応じたアドレスに、その始動口Aの保留数および始動口Bの保留数を示す保留数コマンドが格納されており、例えば、始動口Aの保留数「1」、および、始動口Bの保留数「4」に応じたアドレスには、始動口Aの保留数「1」および始動口Bの保留数「4」を示す保留数コマンド「D052H」が格納されている。
主制御装置は、始動口Aまたは始動口Bの保留数の変化を検出した場合に、上述した保留数コマンドテーブルから、始動口Aの保留数および始動口Bの保留数に対応する保留数コマンドを取得し、その取得した保留数コマンドを周辺制御装置に対して送信する(例えば、特許文献1:特開2008−054999号公報)。
しかしながら、保留数コマンドテーブルの容量が大きくなる場合には、遊技に関する制御を削減などしてプログラム容量を小さくしなければならないが、反面、パチンコ機に多様な遊技性などを持たせるためには、それぞれの遊技に対応する制御が必要となるので、プログラム容量が大きくなって、所定容量以下に収めることが困難になるという問題点がある。なお、この問題点は、始動口が複数ある場合だけでなく、一つの場合でも同様である。
本技術的思想は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、主制御手段の記憶領域を有効に使用できる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、識別情報を表示する識別情報表示手段と、遊技媒体が入球する第1入球口と、その第1入球口への遊技媒体の入球を検出する第1検出手段と、前記第1入球口とは別に設けられ遊技媒体が入球する第2入球口と、その第2入球口への遊技媒体の入球を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第1動的表示を行わせると共に前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第2動的表示を行わせる周辺制御手段と、その周辺制御手段を制御すると共に遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えたものであり、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う情報を取得し記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記識別情報表示手段に識別情報の前記第1動的表示または第2動的表示を実行させる動的表示制御手段と、前記第1入球口または第2入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報を取得する保留数情報取得手段と、その保留数情報取得手段により取得された保留数情報を加工して、その保留数情報に応じた保留数コマンドを作成するコマンド作成手段と、そのコマンド作成手段により作成される保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するコマンド送信手段とを備えている。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1の遊技機において、前記周辺制御手段は、前記主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドを受信するコマンド受信手段と、そのコマンド受信手段により受信された保留数コマンドを加工して未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報を抽出する保留数情報抽出手段と、その保留数情報抽出手段により抽出された保留数情報に応じて、未実行の第1動的表示の数を表示する第1未実行情報表示手段と、未実行の第2動的表示の数を表示する第2未実行情報表示手段とを備えている。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1または2の遊技機において、前記保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、前記保留数情報のうち未実行の第1動的表示の数に対応する値と未実行の第2動的表示の数に対応する値とを示す保留数情報部とを有して構成され、前記主制御手段のコマンド作成手段は、前記保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、特定の情報を付加したものを前記保留数情報部の値とするものである。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、前記入球情報記憶手段、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものである。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想1から4のいずれかの遊技機において、前記主制御手段は、前記識別情報の第1動的表示または第2動的表示を新たに開始させる場合に、前記入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報を更新する入球情報更新手段を備え、前記主制御手段は、その入球情報更新手段により更新された更新後の前記入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものである。
技術的思想6の遊技機は、技術的思想1から5のいずれかの遊技機において、前記主制御手段は、前記第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に遊技者に第1の遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段と、前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、前記第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値を遊技者に付与する第2遊技価値付与手段とを備えている。
技術的思想7の遊技機は、技術的思想6の遊技機において、前記第1遊技価値付与手段は、前記第1の遊技価値を前記第1動的表示の終了時に遊技者に付与すると共に、前記第2遊技価値付与手段は、前記第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値を前記第2動的表示の終了時に遊技者に付与するものであり、前記主制御手段の動的表示制御手段は、前記入球情報記憶手段に入球に伴う情報が記憶されている場合に、前記未実行の第2動的表示を未実行の第1動的表示に優先して前記周辺制御手段に実行させるものである。
技術的思想8の遊技機は、技術的思想1から7のいずれかの遊技機において、前記周辺制御手段は、前記第1動的表示と第2動的表示とを異なった態様で表示するものである。
<効果>
技術的思想1の遊技機によれば、主制御手段では、第1入球口への遊技媒体の入球または第2入球口への遊技媒体の入球が、第1検出手段または第2検出手段により検出されると、その入球に伴う情報が取得されて入球情報記憶手段に記憶され、その入球情報記憶手段の内容に基づいて、識別情報表示手段において識別情報の第1動的表示または第2動的表示が動的表示制御手段により実行させられる。また、第1入球口または第2入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報が保留数情報取得手段により取得される。そして、その取得された保留数情報が加工されて、その保留数情報に応じた保留数コマンドがコマンド作成手段により作成され、その作成された保留数コマンドが周辺制御手段へコマンド送信手段により送信される。一方、周辺制御手段では、主制御手段から送信された保留数コマンドに応じた処理が行われる。
保留数情報に対応する保留数コマンドを取得するために、例えば、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを主制御手段の記憶手段に記憶しておく構成とすると、テーブル情報の情報量分の記憶領域が消費されてしまう。また、保留数情報は、第1動的表示の数と、第2動的表示の数とをそれぞれ示すので、何れか一方の動的表示の数だけを示す場合よりも、多くの種類の保留数情報が設けられることとなり、その結果、テーブル情報の情報量が多くなるので、記憶領域がより多く消費されることになる。しなしながら、主制御手段では、保留数情報を加工して保留数コマンドを作成するので、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できる。よって、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、主制御手段の記憶領域を有効に使用できるという効果がある。
なお、第1動的表示と第2動的表示の動的表示の態様は、異なった態様でも、同様の態様でも良い。また、保留数情報を加工するとは、例えば、保留数情報そのものを加工することや、保留数情報そのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
技術的思想2の遊技機によれば、技術的思想1の遊技機の奏する効果に加え、周辺制御手段では、主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドがコマンド受信手段により受信され、その受信された保留数コマンドが加工されて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報が保留数情報抽出手段により抽出される。そして、その抽出された保留数情報に応じて、未実行の第1動的表示の数が第1未実行情報表示手段に表示され、未実行の第2動的表示の数が第2未実行情報表示手段に表示される。
保留数コマンドに対応する保留数情報を取得するために、例えば、保留数情報と、その保留数情報に対応する保留数コマンドとを予め対応づけたテーブル情報などを周辺制御手段の記憶手段に記憶しておく構成とすると、テーブル情報の情報量分の記憶領域が消費されてしまう。また、保留数情報は、第1動的表示の数と、第2動的表示の数とをそれぞれ示すので、何れか一方の動的表示の数だけを示す場合よりも、多くの種類の保留数情報が設けられることとなり、その結果、テーブル情報の情報量が多くなるので、記憶領域がより多く消費されることになる。しなしながら、周辺制御手段では、保留数コマンドを加工して保留数情報を抽出するので、テーブル情報などを記憶手段に記憶しておく場合よりも、記憶領域の消費を抑制できる。よって、新たな遊技性を持たせるプログラムを追加することなどが可能となり、周辺制御手段の記憶領域を有効に使用できるという効果がある。
なお、保留数コマンドを加工するとは、例えば、保留数コマンドそのものを加工することや、保留数コマンドそのものに何らかの値を加算、減算、乗算、若しくは、除算したものを加工することが例示される。
技術的思想3の遊技機によれば、技術的思想1または2の遊技機の奏する効果に加え、保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、保留数情報のうち未実行の第1動的表示の数に対応する値と未実行の第2動的表示の数に対応する値とを示す保留数情報部とを有して構成されている。そして、主制御手段のコマンド作成手段では、保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、特定の情報を付加したものを保留数情報部の値としている。よって、主制御手段のコマンド作成手段により保留数コマンドを作成した場合や、周辺制御手段のコマンド受信手段により保留数コマンドを受信した場合などに、その保留数コマンドの保留数情報部に特定の情報が付加されていなければ、遊技機において何らかのエラーが生じていると判別できるという効果がある。
なお、「特定の情報を付加」とは、保留数情報と特定の値とを加算、減算、乗算または除算することなどをいう。
技術的思想4の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、主制御手段では、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、入球情報記憶手段、保留数情報取得手段、コマンド作成手段、コマンド送信手段が実行され、その結果、保留数コマンドが周辺制御手段へ送信される。よって、第1入球口または第2入球口に遊技媒体が入球して、未実行の第1動的表示の数または未実行の第2動的表示の数が増加した場合に、その旨を迅速に周辺制御手段へ通知できるので、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数についての最新の状態を示すことができるという効果がある。
技術的思想5の遊技機によれば、技術的思想1から4のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、主制御手段では、識別情報の第1動的表示または第2動的表示を新たに開始させる場合に、入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報が入球情報更新手段により更新される。そして、その更新後の入球情報記憶手段の内容に基づいて、保留数情報取得手段、コマンド作成手段、コマンド送信手段が実行され、その結果、保留数コマンドが周辺制御手段へ送信される。よって、未実行の第1動的表示または第2動的表示が新たに開始されて、未実行の第1動的表示の数または未実行の第2動的表示の数が減少した場合には、その旨を迅速に周辺制御手段へ通知できるので、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数についての最新の状態を示すことができるという効果がある。
技術的思想6の遊技機によれば、技術的思想1から5のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、主制御手段では、第1検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、遊技者に第1の遊技価値が第1遊技価値付与手段により付与され、第2検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値が遊技者に第2遊技価値付与手段により付与される。よって、第1入球口および第2入球口のうち、遊技媒体が入球した入球口に応じて、異なる遊技価値を遊技者に付与することができるので、遊技者は、遊技媒体が入球する入球口に応じて一喜一憂することになる。従って、遊技者に高い興趣性遊技を提供できるという効果がある。
技術的思想7の遊技機によれば、技術的思想6の遊技機の奏する効果に加え、第1の遊技価値は、第1遊技価値付与手段により第1動的表示の終了時に遊技者に付与される一方、第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値は、第2遊技価値付与手段により第2動的表示の終了時に遊技者に付与される。そして、主制御手段では、入球に伴う情報が入球情報記憶手段に記憶されていると、動的表示制御手段によって未実行の第2動的表示が未実行の第1動的表示より優先されて周辺制御手段で実行させられる。よって、第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値を優先して遊技者に付与できるので、遊技全体の遊技価値を向上させることができ、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるという効果がある。
技術的思想8の遊技機によれば、技術的思想1から7のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、周辺制御手段では、第1動的表示と第2動的表示とが異なった態様で表示されるので、遊技媒体が第1入球口に入球したのか、又は、第2入球口に入球したのかを遊技者に認識させることができるという効果がある。
10 パチンコ遊技機(遊技機の一例)
64 第1入球口A(第1入球口の一例)
81 第3図柄表示装置(識別情報表示手段の一例)
85A 特図A保留ランプ(第1未実行情報表示手段の一例)
85B 特図B保留ランプ(第2未実行情報表示手段の一例)
110 主制御装置(主制御手段の一例)
113 音声ランプ制御装置(周辺制御手段の一例)
114 表示制御装置(周辺制御手段の一例)
203a 保留球A格納エリア(入球情報記憶手段の一部)
203b 保留球B格納エリア(入球情報記憶手段の一部)
203d 特図A保留球カウンタ(入球情報記憶手段の一部)
203e 特図B保留球カウンタ(入球情報記憶手段の一部)
208a 第1入球口Aスイッチ(第1検出手段の一例)
208b 第1入球口Bスイッチ(第2検出手段の一例)
640 第1入球口B(第2入球口の一例)
S201 コマンド送信手段の一
S351〜S359 動的表示制御手段の一例
S372,S374 保留数情報取得手段の一例
S373,S375〜S378 コマンド作成手段の一例
S504、S505 入球情報記憶手段の一

Claims (8)

  1. 識別情報を表示する識別情報表示手段と、遊技媒体が入球する第1入球口と、その第1入球口への遊技媒体の入球を検出する第1検出手段と、前記第1入球口とは別に設けられ遊技媒体が入球する第2入球口と、その第2入球口への遊技媒体の入球を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第1動的表示を行わせると共に前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に前記識別情報表示手段に識別情報の第2動的表示を行わせる周辺制御手段と、その周辺制御手段を制御すると共に遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えた遊技機において、
    前記主制御手段は、
    前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う情報を取得し記憶する入球情報記憶手段と、
    その入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記識別情報表示手段に識別情報の前記第1動的表示または第2動的表示を実行させる動的表示制御手段と、
    前記第1入球口または第2入球口への遊技媒体の入球に基づいて、未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報を取得する保留数情報取得手段と、
    その保留数情報取得手段により取得された保留数情報を加工して、その保留数情報に応じた保留数コマンドを作成するコマンド作成手段と、
    そのコマンド作成手段により作成される保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するコマンド送信手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記周辺制御手段は、
    前記主制御手段のコマンド送信手段により送信される保留数コマンドを受信するコマンド受信手段と、
    そのコマンド受信手段により受信された保留数コマンドを加工して未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報を抽出する保留数情報抽出手段と、
    その保留数情報抽出手段により抽出された保留数情報に応じて、未実行の第1動的表示の数を表示する第1未実行情報表示手段と、未実行の第2動的表示の数を表示する第2未実行情報表示手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記保留数コマンドは、コマンドの命令種別を示す種別部と、前記保留数情報のうち未実行の第1動的表示の数に対応する値と未実行の第2動的表示の数に対応する値とを示す保留数情報部とを有して構成され、
    前記主制御手段のコマンド作成手段は、
    前記保留数情報取得手段により取得された未実行の第1動的表示の数および未実行の第2動的表示の数をそれぞれ示す保留数情報に、特定の情報を付加したものを前記保留数情報部の値とするものであることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 前記主制御手段は、
    前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の新たな入球が検出される毎に、前記入球情報記憶手段、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 前記主制御手段は、
    前記識別情報の第1動的表示または第2動的表示を新たに開始させる場合に、前記入球情報記憶手段に記憶される入球に伴う情報を更新する入球情報更新手段を備え、
    前記主制御手段は、その入球情報更新手段により更新された更新後の前記入球情報記憶手段の内容に基づいて、前記保留数情報取得手段、前記コマンド作成手段、前記コマンド送信手段を実行して、保留数コマンドを前記周辺制御手段へ送信するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
  6. 前記主制御手段は、
    前記第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に遊技者に第1の遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段と、
    前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、前記第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値を遊技者に付与する第2遊技価値付与手段とを備えていること特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
  7. 前記第1遊技価値付与手段は、前記第1の遊技価値を前記第1動的表示の終了時に遊技者に付与すると共に、
    前記第2遊技価値付与手段は、前記第1の遊技価値より遊技者にとって有利な第2の遊技価値を前記第2動的表示の終了時に遊技者に付与するものであり、
    前記主制御手段の動的表示制御手段は、
    前記入球情報記憶手段に入球に伴う情報が記憶されている場合に、前記未実行の第2動的表示を未実行の第1動的表示に優先して前記周辺制御手段に実行させるものであることを特徴とする請求項6記載の遊技機。
  8. 前記周辺制御手段は、前記第1動的表示と第2動的表示とを異なった態様で表示するものであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の遊技機。
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