以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の演出用の背景図柄と、各々を識別可能な複数種類の演出用の第1飾り図柄と、各々を識別可能な複数種類の演出用の第2飾り図柄とを可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が設置されている。この実施形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)で構成されている。可変表示装置9における表示領域は、背景図柄を可変表示するための背景図柄表示領域(画面中央の領域)9aと、第1飾り図柄を可変表示するための第1飾り図柄表示領域(画面の左隅の小さな領域)9bと、第2飾り図柄を可変表示するための第2飾り図柄表示領域(画面の右隅の小さな領域)9cと、始動入賞口13,14に入った入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示するためのメモリ表示領域(画面下側の領域)9dとに分けられている。図1に示すように、メモリ表示領域9dには、8個の始動記憶表示エリアが設けられ、最大8個の保留記憶数(始動記憶数)を表示することができる。なお、図1に示す例では、背景図柄表示領域9aとメモリ表示領域9dとは、それらの領域が境界線で区切られていないが、境界線で区切られていてもよい。
第1飾り図柄表示領域9bおよび第2飾り図柄表示領域9cにおいて、それぞれ、例えば「0」〜「9」の数字の飾り図柄が可変表示可能に表示制御される。そして、第1飾り図柄表示領域9bでは、可変表示の第1の有効実行条件が成立(例えば、打球が始動入賞口13に入賞し、かつ、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していないこと)した後に可変表示の第1の開始条件の成立(第1飾り図柄が可変表示中でなく、第1飾り図柄が大当り図柄になったことにもとづく大当り中でもないとき)にもとづいて第1飾り図柄の可変表示を開始し、所定時間経過後に可変表示を停止して表示結果を導出表示する。また、第2飾り図柄表示領域9cでは、可変表示の第2の有効実行条件が成立(例えば、打球が始動入賞口14に入賞し、かつ、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していないこと)した後に可変表示の第2の開始条件の成立(第2飾り図柄が可変表示中でなく、第2飾り図柄が大当り図柄になったことにもとづく大当り中でもないとき)にもとづいて第2飾り図柄の可変表示を開始し、所定時間経過後に可変表示を停止して表示結果を導出表示する。
背景図柄表示領域9aでは、図1に示すように、左・中・右の背景図柄が可変表示可能に表示制御される。この実施の形態では、左・中・右の背景図柄は、それぞれ、「0」〜「9」の数字の図柄とされている。背景図柄は、第1飾り図柄および第2飾り図柄と同様に、第1の有効実行条件の成立および第2の有効実行条件の成立にもとづいて可変表示が実行されるのであるが、背景図柄の可変表示は、第1飾り図柄および第2飾り図柄の可変表示と常に同期して開始されるわけではない。すなわち、第1の開始条件が成立したときに可変表示が開始されるときもあれば、第1の開始条件が成立してからしばらくした後に可変表示が開始されるときもある。同様に、第2の開始条件が成立したときに可変表示が開始されるときもあれば、第2の開始条件が成立してからしばらくした後に可変表示が開始されるときもある。背景図柄の可変表示が開始可能な条件を第3の開始条件という。第3の開始条件については後述する(図39、図42〜図45等参照)。
図1に示すように、背景図柄表示領域9aの面積は、第1飾り図柄表示領域9bおよび第2飾り図柄表示領域9cの面積や、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの面積よりも大きい。従って、背景図柄表示領域9aに表示される背景図柄が、飾り図柄や特別図柄よりも遊技者にとって最も視認しやすい図柄である。よって、遊技者は、背景図柄に最も注目することになる。
メモリ表示領域9dでは、第1の有効実行条件および第2の有効実行条件が成立する毎(つまり、始動入賞口13,14への有効始動入賞がある毎)に、表示色が変化する(例えば青色表示から赤色表示に変化する)始動記憶数表示エリアを1増やす。また、第3の開始条件が成立する毎(つまり、背景図柄の可変表示が開始される毎)に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。このような保留記憶数の表示制御の詳細については後述する。
なお、この実施の形態では、背景図柄の保留記憶数を可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいて表示するように構成しているが、背景図柄の保留記憶数を表示する表示器(背景図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けてもよい。
この実施の形態では、背景図柄の保留記憶数の上限値を8とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が大当り図柄のときに確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄という。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。
可変表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、第1飾り図柄表示領域9bにおいて装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う。すなわち、第1特別図柄の可変表示と第1飾り図柄の可変表示とは同期しており、第1特別図柄の可変表示が開始されるときに第1飾り図柄の可変表示も開始され、第1特別図柄の可変表示が終了するときに第1飾り図柄の可変表示も終了する。また、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、第2飾り図柄表示領域9cにおいて装飾用の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う。すなわち、第2特別図柄の可変表示と第2飾り図柄の可変表示とは同期しており、第2特別図柄の可変表示が開始されるときに第2飾り図柄の可変表示も開始され、第2特別図柄の可変表示が終了するときに第2飾り図柄の可変表示も終了する。
第1特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄の可変表示を行う第2特別図柄表示器8bは、遊技制御基板(主基板)31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される。また、第1飾り図柄および第2飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
第1特別図柄表示器8aの下側には、第1の開始条件の成立していない第1の実行条件の成立数(第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1始動入賞口13に入った有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの下側には、第2の開始条件の成立していない第2の実行条件の成立数(第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数)を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2始動入賞口14に入った有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、保留記憶数を表示する表示器(特別図柄保留記憶表示器)が可変表示装置9とは別個に設けられているが、例えば、可変表示装置9の表示領域の一部を特別図柄保留記憶表示領域にしてもよい。
この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aは第1特別図柄表示器8aの可変表示についての保留記憶数を表示し、第2特別図柄保留記憶表示器18bは第2特別図柄表示器8bの可変表示についての保留記憶数を表示し、さらに、第1特別図柄表示器8aの可変表示および第2特別図柄表示器8bの可変表示についての保留記憶数(上限値を8)を可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいてまとめて表示するように構成されている。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数の上限値を4とし、第2特別図柄保留記憶表示器18bの保留記憶数の上限値を4としているが、上限値をより大きい値にしてもよい。この場合は、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいて表示される背景図柄の保留記憶数の上限値も大きな値(特別図柄の保留記憶数の上限値×2)となる。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態では、可変表示装置9の画面の左隅の小さな領域に第1飾り図柄が表示され、画面の右隅の小さな領域に第2飾り図柄が表示され、画面の下側に保留記憶数が表示され、画面のほぼ中央に背景図柄が表示される。第1飾り図柄が第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄に対応し(両図柄の停止図柄が完全に一致する場合に限らず、両図柄の停止図柄が意味するはずれ、非確変大当り(通常大当り)、確変大当りの内容が一致する場合も含まれる。)、第2飾り図柄が第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄に対応する。そして、背景図柄は、2つの飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄となるときは、はずれとなり(左中右の背景図柄が同一図柄で揃わない状態になり)、2つの飾り図柄の停止図柄のいずれか一方が大当り図柄となるときは、大当りとなり(左中右の背景図柄が同一図柄で揃った状態になり)、2つの飾り図柄の停止図柄のいずれか一方が確変大当り図柄のときは、確変大当りとなる(左中右の背景図柄が同一の確変図柄(例えば777)で揃った状態になる)。このような画面表示によれば、見た目上、1つの図柄(背景図柄)に対して保留記憶数が8つあるように見せることができる。従って、実際は2つの図柄が並行して可変表示されるとしても、遊技者は、単純に1つの図柄に注目すればよいことになり、画面の見た目が煩雑であるような印象や遊技の進行が複雑であるような印象を遊技者に与えてしまうのを回避することができる。
可変表示装置9の下方には、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13の真下には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能となり(あるいは入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14にのみ開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれにも開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。また、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを離れた位置に設けてもよい。例えば、第1始動入賞口13を可変表示装置9の下方左側に設け、第2始動入賞口14を可変表示装置9の下方右側に設けてもよい。その場合も、一方の始動入賞口にのみ可変入賞球装置を設ける構成としてもよい。
第2始動入賞口14の下方には、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置が設けられている。特別可変入賞球装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
可変表示装置9の下方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
なお、この実施の形態では、1つの普通図柄表示器10と1つの可変入賞球装置15が設けられているが、2つの可変入賞球装置を設けた場合(第1始動入賞口13にも可変入賞球装置を設けた場合)に、2つの普通図柄表示器を設けてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1特別図柄の保留記憶数が上限値(4個)に達していないことを条件に第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される保留記憶数が1増やされるとともに、背景図柄の保留記憶数が上限値(8個)に達していないことを条件に可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される保留記憶数が1増やされる(表示色が変化する始動記憶数表示エリアが1増やされる)。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2特別図柄の保留記憶数が上限値(4個)に達していないことを条件に第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示される保留記憶数が1増やされるとともに、背景図柄の保留記憶数が上限値(8個)に達していないことを条件に可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される保留記憶数が1増やされる(表示色が変化する始動記憶数表示エリアが1増やされる)。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定期間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される。大入賞口が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または大入賞口が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、大入賞口の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が通常状態(通常遊技状態ともいう。)および時短状態(特別図柄および飾り図柄の変動時間が短縮される遊技状態である時間短縮状態、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態の一例)よりも高い確変状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態の一例)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に制御された場合すなわち確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される。なお、大入賞口が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または大入賞口が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、大入賞口の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が通常状態および時短状態における確率よりも高い特別遊技状態に制御される。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて大当り遊技状態終了後に特別遊技状態に制御された場合は、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
特別遊技状態としての確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が通常状態および時短状態より高められる。また、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。さらに、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される。その場合には、頻繁に特別図柄の可変表示が実行されるようになる。
なお、確変状態において、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常状態よりも短縮されるようにしてもよい。その場合には、第2始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示回数が増加して第2特別図柄が大当り図柄になる可能性が通常状態よりも高まり、遊技者にとってさらに有利な状態になる。
第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいても大当り図柄が停止表示され、さらに可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて左中右の背景図柄が揃った状態で背景図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおいても大当り図柄が停止表示され、さらに可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて左中右の背景図柄が揃った状態で背景図柄が停止表示される。以下、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて左中右の背景図柄が揃った状態で停止表示されることを、背景図柄の大当り図柄が表示されるというように表現する。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいても確変図柄が停止表示され、さらに可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて確変図柄を想起させるような背景図柄(例えば「7」,「7」,「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおいても確変図柄が停止表示され、さらに可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて確変図柄を想起させるような背景図柄(例えば「7」,「7」,「7」)が停止表示される。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる背景図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に、遊技状態の遷移について説明する。この実施の形態では、通常遊技状態または時短状態のときに確変大当りが発生すると、遊技状態が通常遊技状態または時短状態から確変状態に移行される。確変状態は、確変大当り発生後(確変大当りになると決定された後)からの変動回数が所定回数(例えば50回〜150回の間の回数)になるまで継続される。確変状態が継続可能な所定回数分の変動が行われたとき、その変動回数が特定回数(例えば100回)を超えていれば、確変状態から通常遊技状態に移行される。変動回数が特定回数を超えていなければ、確変状態から時短状態に移行される。時短状態は、確変大当りの終了後からの変動回数が特定回数になるまで継続される。なお、次回の大当りが発生するまで確変状態を継続させる構成であってもよい。また、確変状態が所定回数(例えば50回〜150回)だけ継続する構成とされた場合に、所定回数の変動が行われた後は、次回の大当りが発生するまで時短状態を継続させる構成であってもよい。
ここで、時短状態は、上述したように、大当りが発生する確率は高くならないが、特別図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される遊技状態である。特別図柄の可変表示時間が短縮されることにより、頻繁に特別図柄の可変表示が実行されるようになり、所定時間当たりの大当り発生の可能性が高まる。さらに、時短状態では、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、時短状態において、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮されるようにしてもよい。その場合には、可変入賞球装置15の所定時間当たりの開放回数が高まり、遊技者にとってさらに有利な状態になる。
確変状態のときに確変大当りが発生すると、新たに所定の変動回数(例えば50回〜150回の間の回数)だけ確変状態が継続される。確変状態のときに非確変大当り(通常大当り)が発生すると、確変状態から時短状態に移行される。時短状態は、非確変大当り発生後から所定回数(例えば100回)になるまで継続される。
時短状態のときに非確変大当りが発生すると、時短状態から通常遊技状態に移行される。また、時短状態が継続可能な回数分の変動が終了すると、時短状態から通常遊技状態に移行される。また、通常遊技状態のときに通常大当りが発生しても、遊技状態は通常遊技状態のまま変わらない。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の裏面側には、外枠2A内の機構板の上部に球貯留タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が球貯留タンク38に供給される。球貯留タンク38内の遊技球は、誘導樋39を通って賞球ケース40Aで覆われる球払出装置97(図2では図示せず)に至る。
また、遊技機裏面側には、可変表示装置9等を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100(図5参照)等が搭載された演出制御基板80、および遊技制御用マイクロコンピュータ560(図4参照)等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。さらに、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。
可変表示装置9の可変表示制御を行う表示制御手段は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100やVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109(図5参照)などで実現される。また、遊技機には、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cなどを駆動する回路が搭載されているランプドライバ基板35と、スピーカ27を駆動する回路が搭載されている音声出力基板70とが設置されている。
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910やその他の基板(図示せず)が設けられている。
なお、電気部品制御基板(払出制御基板、演出制御基板)には、それぞれ、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段(払出制御手段、演出制御手段)が搭載されている。払出制御手段および演出制御手段は、遊技制御手段からの指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、可変表示装置9等)を制御する。また、枠側に設けられているランプやLEDなどの発光体およびスピーカ27等の電気部品は、演出制御手段からの制御信号に従って、ランプドライバ基板35および音声出力基板70に搭載されている回路部品によって駆動される。さらに、遊技機には、スイッチを搭載した基板やランプやLEDなどの発光体(以下、ランプ・LEDともいう。)が搭載された基板がある。
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備え、払出制御基板37と接続されたターミナル基板160が設置されている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤(情報出力基板)34が設置されている。このターミナル基板160は遊技機外部の管理コンピュータ等と接続され遊技機に関わるデータ収集に用いられる。
球貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導樋39を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチは遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチも誘導樋39における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。この球切れ検出スイッチが遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
次に、電源基板910の構成を図3のブロック図を参照して説明する。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)が、過電圧保護回路としてのバリスタ918を介して、整流回路912に印加される状態になる。すなわち、遊技機に電力供給がなされる状態になる。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板31および払出制御基板37等)と独立して設置され、遊技機内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のレギュレータIC(図3では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す。)を有し、VSLにもとづいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図3に示すように、AC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A,922B,922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板37に接続される。従って、コネクタ922A,922Bには、VBBも供給されている。そして、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、ランプドライバ基板35に接続される。なお、演出制御基板80および音声出力基板70には、ランプドライバ基板35を経由して各電圧が供給される。また、コネクタ922CにはVBBは供給されない。よって、演出制御基板80に搭載されているRAMは電源バックアップされない。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリアスイッチ信号が出力され、コネクタ922Aおよびコネクタ922Bを介して主基板31および払出制御基板37に送信される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、例えば払出制御基板37などの電源基板910以外の基板やその他の場所に設けられていてもよい。
さらに、電源基板910には、それぞれの電気部品制御基板に搭載されている各マイクロコンピュータに対するシステムリセット信号(リセットレベルではマイクロコンピュータの動作を禁止し、非リセットレベルになるとマイクロコンピュータの動作を可能にする信号)を作成するとともに、電源断信号を出力する電源監視回路920と、電源監視回路920からのリセット信号を増幅してコネクタ922A,922B,922Cに出力するとともに、電源断信号を増幅してコネクタ922Aおよびコネクタ922Bに出力する出力ドライバ回路925が搭載されている。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370に対するシステムリセット信号は主基板31と払出制御基板37に直接伝達されるが、演出制御用マイクロコンピュータ100に対するシステムリセット信号はランプドライバ基板35を経由して演出制御基板80に伝達される。しかし、電源基板910から、演出制御基板80に直接伝達されるようにしてもよい。
電源監視回路920は電源断信号を出力する電源監視手段とシステムリセット信号を生成するリセット信号生成手段とを実現する回路であるが、電源監視回路920として、市販の停電監視リセットモジュールICを使用することができる。電源監視回路920は、遊技機において用いられる所定電圧(例えば+24V)が所定値(例えば+17V)以下になった期間が、あらかじめ決められている時間(例えば56ms)以上継続すると電源断信号を出力する。具体的には、電源断信号をオン状態(ローレベル)にする。また、電源監視回路920は、例えば、VCCが+4.5V以下になると、システムリセット信号をローレベルにすることが可能な状態になる。
電源監視回路920は、遊技機に対する電力供給が停止する際には、電源断信号を出力(ローレベルにする)してから所定期間が経過したときに、システムリセット信号をローレベルにすることになる。また、遊技機に対する電力供給が開始され、VCCが例えば+4.5Vを越えるとシステムリセット信号をハイレベルにするのであるが、その場合に、電源断信号が出力されなくなってから(ハイレベルにしてから)所定期間が経過したことを条件にシステムリセット信号をハイレベルにする。
電源監視回路920からの電源断信号は、払出制御基板37において、入力ポートを介して払出制御用CPUに入力される。従って、払出制御用CPUは、入力ポートの入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
なお、この実施の形態では、電源監視手段が所定電位の電源の出力を監視し、外部から遊技機に供給される電力の供給停止に関わる検出条件として、遊技機の外部からの電圧(この実施の形態ではAC24V)から作成された所定の直流電圧が所定値以下になったことを用いたが、検出条件は、それに限られず、外部からの電力が途絶えたことを検出できるのであれば、他の条件を用いてもよい。例えば、交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をディジタル化した信号を監視して、ディジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことを検出条件としてもよい。
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄や背景図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器8bの表示制御を行う。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御を行う。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の保留記憶数を表示する第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄の保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行うとともに、普通図柄の保留記憶数を表示する普通図柄保留記憶表示器41の表示制御も行う。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図5には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図4に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。なお、可変表示装置の数に対応した数のVDPを演出制御基板80に搭載するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、可変表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図5に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS4)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。また、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS14)。
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
例えば電源断の発生時に特別図柄(2つの特別図柄の一方または双方)が変動中であったときは、ステップS41,S42の処理によって、バックアップされたデータにもとづいて変動の途中から特別図柄の変動が再開される。そして、残り変動時間が経過することにより停止図柄が導出表示される。このとき、電源断の発生前に既に決定されている特別図柄の表示結果が停止図柄として導出表示されることになる。また、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタおよび合算保留記憶数カウンタの値も、ステップS41,S42の処理によって、バックアップされたデータにもとづいて復旧(復元)される。
また、CPU56は、電力供給が復旧したときに演出制御用マイクロコンピュータ100に電力供給復旧時の処理を実行させるための制御コマンドを送信する遊技状態復旧処理を実行し(ステップS43)、ステップS15に移行する。遊技状態復旧処理の内容については後述する(図38参照)。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S14)が完了し、タイマ割込の設定が行われると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。CPU56は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行を終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りにするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図7に示すステップS20〜S35の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第1特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄始動記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3: 特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:確変回数を決定する(回数決定用)
図7に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、(3)のはずれ図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、および(8)の回数決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、可変表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
また、CPU56は、保留記憶処理を行う(ステップS29)。保留記憶処理では、CPU56は、第1特別図柄の保留記憶数(第1保留記憶数)、第2特別図柄の保留記憶数(第2保留記憶数)、および背景図柄の保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数))をカウントして管理する処理を実行する。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS36)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図9は、大当り判定用乱数と大当り判定値との関係の一例を示す説明図である。CPU56は、所定の時期に、大当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9に示す大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。なお、CPU56は、通常状態および時短状態では、大当り判定用乱数値と図9における左欄に記載されている数値とを比較し、確変状態では、大当り判定用乱数値と図9における右欄に記載されている数値とを比較する。図9における左欄に記載されている数値は、通常時大当り判定値としてROM54に設定され、図9における右欄に記載されている数値は確変時大当り判定値としてROM54に設定されている。
図10は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図10に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図10に示す例では、第1飾り図柄用の第1変動パターン#1〜#12の12種類と、第2飾り図柄用の第2変動パターン#1〜#12の12種類とが用いられる。なお、第1変動パターン#1〜#12のそれぞれは、第2変動パターン#1〜#12のそれぞれと同じであるが、演出制御コマンドとして別になっているので、図10において別個に示されている。以下、例えば変動パターン#n(n=1〜12)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
図10に示すように、通常遊技状態(通常状態)のときに変動パターン#1〜#6が用いられ、時短状態のときに変動パターン#7〜#12が用いられる。なお、確変状態のときも時短状態のときの変動パターン#7〜#12が用いられる。
図10に示すように、この実施の形態では、通常遊技状態の変動パターン♯1〜♯6として、リーチを伴わない変動パターンである「通常変動」と、リーチを伴わずかつ通常変動よりも変動時間の短い変動パターンである「短縮変動」と、リーチAを伴う変動パターンである「リーチAを伴う変動」と、リーチBを伴う変動パターンである「リーチBを伴う変動」と、リーチCを伴う変動パターンである「リーチCを伴う変動」と、特殊な態様(例えば、変動中に飾り図柄の仮停止表示(変動の途中で一旦停止表示すること)を複数回実行するような変動態様;図示せず)の変動パターンである「特殊変動」とが設けられている。また、通常遊技状態の場合と同様に、時短状態(確変状態)の変動パターン♯7〜♯12として、リーチを伴わない変動パターンである「通常変動」と、リーチを伴わずかつ通常変動よりも変動時間の短い変動パターンである「短縮変動」と、リーチAを伴う変動パターンである「リーチAを伴う変動」と、リーチBを伴う変動パターンである「リーチBを伴う変動」と、リーチCを伴う変動パターンである「リーチCを伴う変動」と、特殊な態様の変動パターンである「特殊変動」とが設けられている。なお、変動パターン♯3〜♯5,♯9〜♯11は、大当りのときもはずれのときも選択され得るが、変動パターン♯1,♯2,♯6〜♯8,♯12は、はずれのときのみ選択される。
この実施の形態では、通常遊技状態のときの通常変動よりも、時短状態(および確変状態)のときの通常変動の方が変動時間は短い。すなわち、変動パターン#1よりも変動パターン#7の方が変動時間は5秒短い。また、通常遊技状態のときのリーチ(リーチA,B,C)を伴う変動よりも、時短状態(および確変状態)のときのリーチを伴う変動の方が変動時間は短い。すなわち、変動パターン#3〜#5よりも変動パターン#9〜#11の方が変動時間は5秒短い。なお、この実施の形態では、リーチを伴う変動パターンは、変動開始後に通常変動が行われ、通常変動の変動時間(通常遊技状態では15秒、時短状態では10秒)の経過後にリーチとなり、その後にリーチ変動(リーチ状態での図柄の変動)が所定時間(リーチAは10秒、リーチBは20秒、リーチCは30秒)行われる。このように、変動パターン#3〜#5と変動パターン#9〜#11とは、それぞれ、リーチ変動の部分の変動時間は同じであるが、通常変動の部分の変動時間は変動パターン#3〜#5よりも変動パターン#9〜#11の方が5秒短い。
また、図10に示すように、変動パターン#6と変動パターン#12とは、変動時間が同じである。なお、変動パターン#6および変動パターン#12は、後述する強制はずれと判定されたときに使用される。また、変動パターン#6および変動パターン#12の変動時間(この例では45秒)は、大当りとするときに使用されうる変動パターン#3〜#5および#9〜#11の変動時間よりも長い。
図11は、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係の一例を示す説明図である。図11に示す例では、停止図柄が偶数の図柄である場合には、はずれとなり、奇数の図柄である場合には、大当りとなり、特別図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行する。さらに、奇数の図柄のうち「3」、「7」である場合には、遊技状態が確変状態に変化する。特別図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行するような図柄を大当り図柄という。また、遊技状態が確変状態に変化するような図柄を確変図柄という。また、確変図柄ではない大当り図柄(「1」、「5」、「9」)を非確変図柄または非確変大当り図柄という。この実施の形態では、特別図柄の大当り図柄を決定することによって確変状態(特別遊技状態)と通常状態とのいずれの遊技状態に制御するかが決定される。
なお、確変図柄と非確変図柄とを区別せず、単に、大当り図柄とはずれ図柄とに分けてもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽選によって決定した図柄に応じて確変状態に移行させるか否か決定するのではなく、乱数等を用いて確変状態に移行させるか否かの抽選を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが発生した場合に、大当り遊技が開始された後(例えば、大当り遊技中や大当り遊技の終了時)に、遊技機に設けられている電気部品によって確変大当りの報知を行うようにしてもよい。そのように構成した場合には、遊技者は停止図柄から遊技状態の変化を把握することができなくなり報知によって初めて遊技状態の変更を把握することができるので遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、飾り図柄(第1飾り図柄、第2飾り図柄)の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係についても、図11に示した内容と同じである。すなわち、停止図柄が偶数の図柄である場合には、はずれとなり、奇数の図柄である場合には、大当りとなり、飾り図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行する。さらに、奇数の図柄のうち「3」、「7」である場合には、遊技状態が確変状態に変化する。そして、飾り図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行するような図柄を大当り図柄といい、遊技状態が確変状態に変化するような図柄を確変図柄といい、確変図柄ではない大当り図柄(「1」、「5」、「9」)を非確変図柄または非確変大当り図柄という。
なお、この実施の形態では、特別図柄の停止図柄と飾り図柄の停止図柄とが常に一致するわけではない。しかし、停止図柄が意味する内容(はずれ、非確変大当り、確変大当り)については、特別図柄の停止図柄と飾り図柄の停止図柄とは同じになるようにする。例えば、特別図柄の停止図柄がはずれを意味する図柄(例えば「2」)のときは、飾り図柄の停止図柄は、はずれを意味する「0」「2」「4」「6」「8」の図柄のいずれかが選択される。また、特別図柄の停止図柄が非確変大当りを意味する図柄(例えば「1」)のときは、飾り図柄の停止図柄は、非確変大当りを意味する「1」「5」「9」の図柄のいずれかが選択される。また、特別図柄の停止図柄が確変大当りを意味する図柄(例えば「7」)のときは、飾り図柄の停止図柄は、確変大当りを意味する「3」「7」の図柄のどちらかが選択される。なお、飾り図柄の停止図柄は、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって表示結果(はずれ、非確変大当り、確変大当り)を示す演出制御コマンドにもとづいて選択される。
なお、図11では、特別図柄(飾り図柄も同様)として、数字の図柄を例示していたが、アルファベット、キャラクタ状の図柄、キャラクタ状の表示物の中に数字等が表示されている図柄、その他どのような図柄であってもよい。
図12および図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置を制御するための処理が実行される。なお、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
なお、上述したように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、この実施の形態では、2つの表示器において大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当りが同時に発生しないような制御が行われる。
また、この実施の形態では、遊技状態として通常状態、確変状態および時短状態がある。そして、所定の移行条件が成立することにより、3つの遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行するように制御される。遊技状態の移行に関する制御は、確変フラグおよび時短フラグのオン/オフ(セット/リセット)にもとづいて行われる。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311のY)、第1保留記憶数が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS312)。
第1保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS312のN)、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS313)。乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS313では、図8に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム4,ランダム8が抽出される。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1始動入賞記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
ステップS311において第1始動口スイッチ13aがオンしていないときは(ステップS311のN)、ステップS312,S313の処理が実行されずにステップS314の処理に移行される。また、ステップS312において第1保留記憶数が上限値に達しているときは(ステップS312のY)、ステップS313の処理が実行されずにステップS314の処理に移行される。
次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値であるか否かを確認する(ステップS314)。第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS314のY)、ステップS315,S316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップS317,S318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、6〜10)である。よって、CPU56のステップS314の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS315では、CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄であったことにもとづく第2大当り遊技(大当りが発生してから終了するまでの処理)の実行中であるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して中断コマンドを送信したか否か確認する。送信済みの場合(例えば、中断コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了するが、まだ送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して中断コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS316)。なお、中断コマンドが送信済みである場合のみならず、第1特別図柄の変動中でないとき、および第2大当り遊技の実行中でないときも、中断コマンドを送信する処理(ステップS316)は実行されない。
また、ステップS317では、CPU56は、中断コマンドを送信した後(例えば、中断コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)にステップS317の処理が実行される場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して再開コマンドを送信した後に、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。なお、CPU56において、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であるか否かは、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS304の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。また、第2大当り遊技が実行中であるか否かも、第2特別図柄プロセスフラグによって判定できる。
演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、中断コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。また、再開コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動を再開する。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):CPU56(遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値に更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):第1特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)と確変大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。また、可変表示後の第1特別図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS302):第1特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、演出制御基板80に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する。
第1遊技状態移行制御処理(ステップS303):遊技状態が確変状態に移行された後であって、遊技状態が確変状態または時短状態に制御されているときに、確変状態に移行されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の開始回数(状態回数)が所定回数になったか否か確認する。そして、状態回数が所定回数になったことを確認すると、そのときの遊技状態が確変状態から時短状態に移行されているか否か確認し、時短状態に移行されているときは遊技状態を時短状態から通常遊技状態に移行させる移行制御を実行する。また、遊技状態が確変状態に移行された後に、確変状態に移行されてから確変状態における第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の開始回数(確変回数)が所定回数になったか否か確認する。そして、確変回数が所定回数になったことを確認すると、既に状態回数が所定回数になっているか否か確認し、状態回数が所定回数になっているときは遊技状態を確変状態から通常遊技状態に移行させる移行制御を実行し、状態回数が所定回数になっていないときは遊技状態を確変状態から時短状態に移行させる移行制御を実行する。
また、確変状態に制御されているときに非確変図柄での大当り(非確変大当りまたは通常大当りという)にすると決定されたことにもとづいて遊技状態が時短状態に移行された後に、時短状態に移行されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の開始回数(時短回数)が所定回数になったか否か確認し、所定回数になったことを確認すると、遊技状態を時短状態から通常遊技状態に移行させる移行制御を実行する。また、大当り判定において大当りにすると決定されたときは、大当りが確変大当りか否かを確認し、確変大当りの場合は、遊技状態を確変状態に移行させる移行制御を実行する。確変大当りでない場合(非確変大当り(通常大当り)の場合)は、そのときの遊技状態が確変状態のときは時短状態に移行させる移行制御を実行し、そのときの遊技状態が時短状態のときは通常遊技状態に移行させる移行制御を実行する。さらに、第1特別図柄の変動を開始させるとともに、第1変動パターン設定処理で決定された変動パターンにもとづいて、第1特別図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を第1変動時間タイマにセットした後、第1変動時間タイマをスタートさせる。その後、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS304):第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS303でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305またはステップS306に応じた値に更新する。なお、特別図柄の表示結果を大当り図柄とすることに決定している場合にステップS306に応じた値に更新し、特別図柄の表示結果を大当り図柄としないことに決定している場合にステップS305に応じた値に更新する。
第1はずれ図柄停止処理(ステップS305):第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。
第1大当り図柄停止処理(ステップS306):第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止コマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値に更新する。なお、演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止コマンド)を受信すると可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄が停止されるように制御するが、変動時間が経過すると独自に第1飾り図柄の可変表示を停止させるように制御してもよい。
第1大当り表示処理(ステップS307):大当りになったことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。つまり、所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間において、可変表示装置9に、大当りの発生を報知するための表示を行う。
第1大入賞口開放前処理(ステップS308):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値に更新する。
第1大入賞口開放中処理(ステップS309):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御やラウンド数をカウントする処理、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したときに、ラウンド数が所定回数(例えば15ラウンド)に達していなければ、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値に更新し、ラウンド数が所定回数に達していれば、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に応じた値に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS310):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。
次に、遊技制御手段から演出制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図14は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図14に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図15に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図15に示された極性と逆極性であってもよい。
図16は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示す例において、コマンド8000(H)〜801B(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bまたは第2飾り図柄表示領域9cにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8000(H)〜801B(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bまたは第2飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。なお、第1変動パターン指定#1〜#12のコマンドを、8000(H)〜800B(H)とし、第2変動パターン指定#1〜#12のコマンドを、8010(H)〜801B(H)とする。
コマンド8500(H)〜8502(H)は第1飾り図柄に関する演出制御コマンドである。コマンド8500(H)は、はずれにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第1はずれ指定コマンド)である。コマンド8501(H)は、通常大当りにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第1通常大当り指定コマンド)である。コマンド8502(H)は、確変大当りにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第1確変大当り指定コマンド)である。
コマンド8600(H)〜8602(H)は第2飾り図柄に関する演出制御コマンドである。コマンド8600(H)は、はずれにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第2はずれ指定コマンド)である。コマンド8601(H)は、通常大当りにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第2通常大当り指定コマンド)である。コマンド8602(H)は、確変大当りにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第2確変大当り指定コマンド)である。
コマンド8500(H)〜8502(H)を、第1表示結果指定コマンドという。また、コマンド8600(H)〜8602(H)を、第2表示結果指定コマンドという。第1表示結果指定コマンドと第2表示結果指定コマンドを、表示結果指定コマンド(あるいは表示結果コマンド)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、表示結果指定コマンドは、確変大当り、通常大当り(非確変大当り)、はずれを特定可能な演出制御コマンドである。よって、演出制御用マイクロコンピュータ100が、受信した表示結果指定コマンドに応じて、飾り図柄の停止図柄を、例えば乱数を用いた抽選によって決定する。しかし、表示結果指定コマンドとして、飾り図柄の停止図柄を指定するような演出制御コマンドを用いてもよい。すなわち、表示結果指定コマンドは、表示結果指定コマンドを受信する演出制御用マイクロコンピュータ100が受信した表示結果指定コマンドにもとづいて表示結果を決定できるものであれば、直接に表示結果(飾り図柄の停止図柄)を指定するコマンドであってもよいし、はずれまたは大当りの種類を指定するコマンドであってもよい。はずれまたは大当りの種類を指定する表示結果指定コマンドを用いる場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、はずれと大当りの種類とのそれぞれに応じてあらかじめ決められている複数種類(1つでもよい)の飾り図柄の停止図柄の中から、例えば乱数を用いた抽選によって表示結果を選択する。
コマンド9000(H)は、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに停電復旧中画面を表示することを指定する演出制御コマンド(停電復旧表示指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド)である。コマンドA100(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド)である。
コマンドA200(H)は、第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンド(第1中断コマンド)であり、コマンドA201(H)は、第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンド(第1再開コマンド)である。
コマンドA300(H)は、第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンド(第2中断コマンド)であり、コマンドA301(H)は、第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンド(第2再開コマンド)である。
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。
コマンドB000(H)は、第1特別図柄(第1飾り図柄)にもとづく大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド)であり、コマンドB001(H)は、第1特別図柄(第1飾り図柄)にもとづく大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、第2特別図柄(第2飾り図柄)にもとづく大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド)であり、コマンドB003(H)は、第2特別図柄(第2飾り図柄)にもとづく大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、XXで示す回数目の大入賞口開放中表示(ラウンド中のラウンド表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放時表示コマンド)である。コマンドB2XX(H)は、XXで示す回数目の大入賞口開放後表示(大入賞口の開放後におけるランド間のインターバル表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、XXで示される数の第1始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞記憶指定コマンド)であり、コマンドC1XX(H)は、XXで示される数の第2始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(第2始動入賞記憶指定コマンド)である。
コマンドD000(H)は、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに客待ちデモンストレーション画面を表示することを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ表示指定コマンド)である。
また、コマンドE400(H)は、遊技状態が通常状態であるときに送信される演出制御コマンド(通常背景表示コマンド)であり、コマンドE401(H)は、遊技状態が高確率状態(確変状態)であるときに送信される演出制御コマンド(高確率背景表示コマンド)である。コマンドE402(H)は、遊技状態が時短状態であるときに送信される演出制御コマンド(時短背景表示コマンド)である。以下、E400(H)〜E402(H)の演出制御コマンドを背景指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した背景指定コマンドに応じて、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに表示する背景の種類を選択する。なお、この実施の形態では、遊技状態を、変動パターンコマンドのEXTデータによって認識することができるので、コマンドE400(H)、コマンドE401(H)およびE402(H)を使用しないようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図16に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図16に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドなども主基板31から演出制御基板80に送信される。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、第1大当り遊技(第1特別図柄が大当り図柄になったことにもとづく大入賞口の所定回の開放が行われる遊技)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0でなければ、RAM55の第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次に、CPU56は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS54)。具体的には、現在の遊技状態が通常遊技状態のときは通常背景表示コマンドを送信し、現在の遊技状態が確変状態(高確率状態)のときは高確率背景表示コマンドを送信し、現在の遊技状態が時短状態のときは時短背景表示コマンドを送信する。
なお、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグのセット状況を確認することによって現在の遊技状態を確認する。確変フラグは、現在の遊技状態が確変状態であること示すデータ(フラグ)であり、確変状態を開始するときにセットされ(図25のステップS204参照)、確変状態を終了するときにリセットされる(図24のステップS193、図25のステップS215参照)。また、時短フラグは、現在の遊技状態が時短状態であることを示すデータ(フラグ)であり、時短状態を開始するときにセットされ(図24のステップS195、図25のステップS216参照)、時短状態を終了するときにリセットされる(図24のステップS177,S181、図25のステップS205,S219参照)。
その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS55)。
図18および図19は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第2大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS60)。第2大当りフラグがセットされていれば、強制はずれフラグをセットした後(ステップS66)、ステップS64に移行する。なお、第2大当りフラグは、第2特別図柄プロセス処理において、大当りとすることに決定した場合にセットされる。すなわち、第2大当りフラグがセットされているということは、第2特別図柄表示器8bの表示結果(停止図柄)を大当り図柄にすると決定したことを意味する。従って、第2大当りフラグがセットされているということは、第2特別図柄表示器8bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことにもとづいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動が実行されているか、または、第2特別図柄表示器8bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことにもとづいて大当り遊技が実行されていることを意味する。
第2大当りフラグがセットされていない場合には、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS81に移行する。なお、ステップS63では、CPU56は、具体的には、大当り判定用乱数値が図9に示す大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。通常状態または時短状態では、大当り判定用乱数値と図9における左欄に記載されている数値とを比較し、確変状態では、大当り判定用乱数値と図9における右欄に記載されている数値とを比較する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aおよび可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS64)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて第1特別図柄のはずれ図柄(この例では偶数図柄)を決定する(ステップS65)。そして、ステップS84に移行する。
ステップS81では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS82)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて第1特別図柄の大当り図柄(この例では奇数図柄)を決定する(ステップS83)。そして、演出制御基板80に、確変大当りとすることに決定された場合(大当り図柄決定用乱数の値が確変図柄を示す値である場合)には確変大当り指定の演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)を送信し、非確変大当りとすることに決定された場合(大当り図柄決定用乱数の値が非確変図柄を示す値である場合)には通常大当り指定の演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)を送信し、大当りとすることに決定されなかった場合(はずれ図柄にすると決定された場合;ステップS60のYまたはステップS63のN)にははずれ指定の演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)を送信する制御を行う(ステップS84)。その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS85)。
図20および図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS101)。そして、これから開始される第1特別図柄の停止図柄を大当り図柄とすることを示す第1大当りフラグがセットされ、かつ、時短フラグがセットされている場合には(ステップS102のY,S103のY)、時短時大当り変動パターンテーブル(図22(A)参照)から変動パターンを選択する(ステップS104)。すなわち、時短時大当り変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時大当り変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。
時短フラグがセットされていない場合には(ステップS103のN)、通常時大当り変動パターンテーブル(図22(B)参照)から変動パターンを選択する(ステップS105)。すなわち、通常時大当り変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時大当り変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。
第1大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS102のN)、CPU56は、強制はずれフラグがセットされているか否か確認する(ステップS106)。強制はずれフラグがセットされている場合(ステップS106のY)にはステップS110に移行する。
強制はずれフラグがセットされていない場合には(ステップS106のN)、時短フラグがセットされているときには(ステップS107のY)、通常変動の代わりに短縮変動の変動パターンが選択されることを示す短縮変動フラグがセットされているか否か確認する(ステップS108a)。なお、短縮変動フラグは、合算保留記憶数カウンタの値(合算保留記憶数)が4以上であるときにセットされた状態となる(ステップS411,S418参照)。短縮変動フラグがセットされていない場合には(ステップS108aのN)、時短時はずれ変動パターンテーブル(図22(C)参照)から変動パターンを選択する(ステップS108b)。すなわち、時短時はずれ変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時はずれ変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。一方、短縮変動フラグがセットされている場合には(ステップS108aのY)、時短時はずれ短縮変動パターンテーブル(図23(G)参照)から変動パターンを選択する(ステップS108c)。すなわち、時短時はずれ短縮変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時はずれ短縮変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。
時短フラグがセットされていない場合にも(ステップS107のN)、短縮変動フラグがセットされているか否か確認する(ステップS109a)。短縮変動フラグがセットされていない場合には(ステップS109aのN)、通常時はずれ変動パターンテーブル(図22(D)参照)から変動パターンを選択する(ステップS109b)。すなわち、通常時はずれ変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時はずれ変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。一方、短縮変動フラグがセットされている場合には(ステップS109aのY)、通常時はずれ短縮変動パターンテーブル(図23(H)参照)から変動パターンを選択する(ステップS109c)。すなわち、通常時はずれ短縮変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時はずれ短縮変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。
ステップS110では、CPU56は、強制はずれフラグをリセットする。そして、時短フラグがセットされている場合には(ステップS111のY)、短縮変動フラグがセットされているか否か確認する(ステップS112a)。短縮変動フラグがセットされていない場合には(ステップS112aのN)、時短時強制はずれ変動パターンテーブル(図22(E)参照)から変動パターンを選択する(ステップS112b)。すなわち、時短時強制はずれ変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時強制はずれ変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。一方、短縮変動フラグがセットされている場合には(ステップS112aのY)、時短時強制はずれ短縮変動パターンテーブル(図23(I)参照)から変動パターンを選択する(ステップS112c)。すなわち、時短時強制はずれ短縮変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時強制はずれ短縮変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。
時短フラグがセットされていない場合にも(ステップS111のN)、短縮変動フラグがセットされているか否か確認する(ステップS113a)。短縮変動フラグがセットされていない場合には(ステップS113aのN)、通常時強制はずれ変動パターンテーブル(図22(F)参照)から変動パターンを選択する(ステップS113b)。すなわち、通常時強制はずれ変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時強制はずれ変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。一方、短縮変動フラグがセットされている場合には(ステップS113aのY)、通常時強制はずれ短縮変動パターンテーブル(図23(J)参照)から変動パターンを選択する(ステップS113c)。すなわち、通常時強制はずれ短縮変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時強制はずれ短縮変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。
なお、強制はずれフラグがセットされているときと強制はずれフラグがセットされていないとき(すなわちステップS63においてNoと判定されたとき)とで同じはずれ変動パターンテーブルを選択するように構成されていてもよい。すなわち、ステップS106の判定を実行せずに、ステップS102においてNoと判定されたときは、時短フラグおよび短縮変動フラグのセット状況に応じて、時短時はずれ変動パターンテーブル、時短時はずれ短縮変動パターンテーブル、通常時はずれ変動パターンテーブルまたは通常時はずれ短縮変動パターンテーブルのいずれかを選択するように構成されていてもよい。共通のルーチンで変動パターンテーブルを選択する処理を実行することができるため、制御プログラムにおいて強制はずれ用の処理を作成する必要がなくなり、プログラム容量を削減することができる。
ステップS114では、CPU56は、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、具体的には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。その他のコマンド送信処理においても同様の処理が実行される。その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1遊技状態移行制御処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS115)。
なお、図20および図21には示していないが、CPU56は、確変フラグがセットされているときは、時短フラグがセットされているときと同様に、時短時用の変動パターンテーブルを選択し、その変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する。この実施の形態では、確変状態のときの変動パターンと時短状態のときの変動パターンとは同じ変動パターン(変動時間)を使用するようにしているからである。
図22および図23は、第1変動パターン設定処理で使用される変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。変動パターンテーブルは、ROM54に格納されている。図22および図23に示す変動パターンテーブルにおいて、判定値数は、対応する変動パターンを選択することになる判定値の数である。判定値数が多いほど、対応する変動パターンが選択されやすいことを示す。なお、第2特別図柄プロセス処理における第2変動パターン設定処理で使用される変動パターンテーブルも、図22および図23に例示された構成と同様に構成される。ただし、その変動パターンテーブルには、第2変動パターン#1〜#12が設定される。つまり、図22および図23に示す例において、「第1変動パターン」を「第2変動パターン」に置き換えた形式になる。また、第1変動パターン#1〜#12のそれぞれと、第2変動パターン#1〜#12のそれぞれとが同じ変動パターンである場合には、第1変動パターン設定処理で使用される変動パターンテーブルと第2変動パターン設定処理で使用される変動パターンテーブルとを共通のものにしてもよい。
また、図22および図23に示すように、第1変動パターン#6および第1変動パターン#12は、強制はずれフラグがセットされているときに使用される時短時強制はずれ変動パターンテーブル、時短時強制はずれ短縮変動パターンテーブル、通常時強制はずれ変動パターンテーブルおよび通常時強制はずれ短縮変動パターンテーブルのみにおいて設定されている。すなわち、この実施の形態では、強制フラグがセットされているときにのみ、第1変動パターン#6および第1変動パターン#12が選択可能である。
そして、時短時強制はずれ変動パターンテーブル、時短時強制はずれ短縮変動パターンテーブル、通常時強制はずれ変動パターンテーブルおよび通常時強制はずれ短縮変動パターンテーブルにおいて、第1変動パターン#6および第1変動パターン#12が選択される確率は、他の変動パターンが選択される確率よりも高い。
また、この実施の形態では、強制はずれ(無条件で、すなわち抽選による大当り判定を行わず、抽選結果をはずれにすること)時に用いられる変動パターンテーブル(図22(E),(F)、図23(I),(J))と、非強制はずれ(抽選による大当り判定の結果、はずれに決定されたこと)時に用いられる変動パターンテーブル(図22(C),(D)、図23(G),(H))とを別個に設けたが、それらを共通化してもよい。つまり、強制はずれ/非強制はずれに関わらず、はずれ時に共通に用いられる変動パターンテーブルを設けてもよい。その場合には、CPU56は、例えば、非強制はずれ時に第1変動パターン#6または第1変動パターン#12が選択されたときには、他の変動パターンに変更する。さらに、この実施の形態では、変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択しているが、強制はずれ時に用いられる変動パターンを固定的なものにしてもよい。その場合、例えば、第1変動パターン#6を示すデータおよび第1変動パターン#12を示すデータをROM54に格納し、ステップS112b,112cでROM54から第1変動パターン#12を示すデータを読み出し、ステップS113b,113cで第1変動パターン#6を示すデータを読み出すようにする。
図24および図25は、第1遊技状態移行制御処理を示すフローチャートである。第1遊技状態移行制御処理において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS171)。セットされている場合には、ステップS201に移行する。
第1大当りフラグがセットされていない場合すなわちはずれとすることに決定されている場合には、CPU56は、状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS172)。状態フラグは、確変状態を開始するときにセットされ、確変状態に移行されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)になったとき、また所定回数になる前に大当り図柄を非確変図柄にすることが決定されたときにリセットされるデータ(フラグ)である。
状態フラグがセットされているということは、現在の遊技状態が確変状態または時短状態であることを意味する。状態フラグがセットされていれば、CPU56は、状態回数カウンタの値を−1する(ステップS173)。状態回数は、状態フラグがセットされているときに、確変状態または時短状態を継続可能な第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数を示す。状態回数カウンタは、状態回数をカウントするためのカウンタである。具体的には、確変状態を終了させる条件が成立した場合(例えば、確変状態を継続可能な変動回数が終了した場合(ステップS192のY)など)に、状態回数カウンタの値が0でなければ、状態回数カウンタの値が示す回数だけ第1特別図柄および第2特別図柄の変動が実行されるまで時短状態が継続する(ただし、非確変大当りが発生した場合を除く)。この実施の形態では、状態回数として例えば100回が確変状態の開始時にセットされる(ステップ203参照)。
そして、CPU56は、状態回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS174)。状態回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達したことを意味する。CPU56は、状態回数カウンタの値が0であれば、状態フラグをリセットする(ステップS175)。状態回数カウンタの値が0でなければ、ステップS190に移行する。
次いで、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS176)。時短フラグがセットされているということは、遊技状態が確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が100回に達する前に、所定の移行条件が成立したこと(確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が確変回数に達したこと)により、遊技状態が確変状態から時短状態に移行されていることを意味する。そして、状態回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達したことを意味する。この実施の形態では、可変表示の回数が所定回数に達していれば時短状態を終了させるので、時短フラグがセットされていれば、CPU56は、時短フラグをリセットして遊技状態を通常状態に移行させる(ステップS177)。時短フラグがセットされていなければ、ステップS190に移行する。
ステップS178では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされているということは、確変状態に制御されているときに非確変図柄での大当りとなったことによって時短状態に移行され、時短状態が継続している状態であることを意味する。時短フラグがセットされていなければ、ステップS190に移行する。時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、変動回数カウンタの値を−1する(ステップS179)。このとき、変動回数カウンタには、時短状態の場合にその状態を継続可能な残り変動回数が設定されている。
次に、CPU56は、変動回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS180)。変動回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が確変状態から時短状態に移行されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば50回)に達したことを意味する。そこで、変動回数カウンタの値が0であれば、CPU56は、時短フラグをリセットして遊技状態を時短状態から通常状態に移行させる(ステップS181)。そして、ステップS196に移行する。
ステップS190では、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認する。確変フラグがセットされていなければ、ステップS196に移行する。確変フラグがセットされていれば、変動回数カウンタの値を−1し(ステップS191)、変動回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS192)。
確変フラグがセットされ、かつ、変動回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が確変状態を継続可能な確変回数に達したことを意味する。なお、確変回数は、遊技状態が確変状態になっているときに、あと何回の第1特別図柄および第2特別図柄の変動がなされたら確変状態を終了するかを示す回数(可変表示可能回数)、すなわち、確変状態に移行した後に実行可能な第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数である。この実施の形態では、確変回数は所定の範囲の回数(例えば、50回〜150回)から抽選によって決定される(ステップS206参照)。
変動回数カウンタの値が0になった場合、CPU56は、確変フラグをリセットして確変状態を終了させる(ステップS193)。そして、状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS194)。状態フラグがセットされているということは、確変状態に移行してから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達していない場合を意味する。逆に、状態フラグがセットされていないということは、確変状態に移行してから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)以上になっていることを意味する。状態フラグがセットされていれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態を開始させる(ステップS195)。そして、ステップS196に移行する。
ステップS196では、CPU56は、第1特別図柄の変動を開始する(ステップS196)。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマに、変動パターンの変動時間に応じた値をセットする(ステップS197)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS198)。
ステップS201では、CPU56は、ステップS83で決定された停止図柄が確変図柄(例えば「3」「7」)であるか否か判定する。すなわち、確変大当りとするか否か判定する。なお、この実施の形態では、ステップS83で決定された停止図柄によって確変大当りとするか否か決定されることになるが、例えば、乱数を発生させ、発生させた乱数と判定値とを比較することによって確変大当りとするか否か決定してもよい。
確変大当りとしない場合にはステップS211に移行する。確変大当りとする場合には、CPU56は、状態フラグをセットし(ステップS202)、状態回数カウンタに状態回数として100回をセットする(ステップS203)。そして、確変フラグがセットされていない場合には確変フラグをセットし(ステップS204)、時短フラグがセットされている場合は時短フラグをリセットする(ステップS205)。なお、確変フラグおよび時短フラグは、RAM55に形成されている。
また、CPU56は、所定の範囲(例えば50回から150回の範囲)から抽選によって確変回数を選択する処理を実行する(ステップS206)。ステップS206では、乱数バッファ領域から回数決定用乱数(ランダム8)を読み出し、読み出した回数決定用乱数値に対応する回数を確変回数に決定する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変回数を変動回数カウンタにセットする(ステップS207)。なお、上記のような確変回数の抽選によれば、確変回数として150回(最多確変継続回数)が選ばれる割合が低くなってしまうおそれがあるが、あらかじめ150回の確変回数に対応する回数決定用乱数値を多く設定しておくことによって、確変回数として150回が選ばれる割合を高くすることができる。そして、ステップS196に移行する。
ステップS211では、CPU56は、状態フラグがセットされているか否か確認する。状態フラグがセットされている場合には、状態フラグをリセットし(ステップS212)、状態回数カウンタの値をクリアする(ステップS213)。
次いで、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認する(ステップS214)。確変フラグがセットされていない場合にはステップS218に移行する。確変フラグがセットされている場合には、確変フラグをリセットし(ステップS215)、時短フラグをセットする(ステップS216)。これにより、遊技状態が確変状態から時短状態に移行される。そして、CPU56は、変動回数カウンタに時短回数をセットする(ステップS217)。なお、時短回数は、遊技状態が時短状態になっているときに、あと何回の第1特別図柄および第2特別図柄の変動がなされたら時短状態を終了するかを示す回数(可変表示可能回数)、すなわち、時短状態に移行した後に時短状態が継続可能な第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数である。この実施の形態では、時短回数として例えば50回が設定される。その後、ステップS196に移行する。
ステップS218では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS219)。よって、遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。また、変動回数カウンタの値をクリアする(ステップS220)。そして、ステップS196に移行する。
以上のような処理によって、確変状態において非確変大当りとなることに決定されたときに、遊技状態は時短状態に制御され、時短状態において50回の可変表示を実行可能になる(ステップS214〜S217)。時短状態において非確変大当りとなることに決定されたときに、遊技状態は通常状態に制御される(ステップS218〜S220)。
また、確変状態において状態回数カウンタの値が0にならないうちに変動回数カウンタの値が0になったときには、遊技状態は時短状態に制御される(ステップS190〜S195)。確変状態において状態回数カウンタの値が0になった後に、変動回数カウンタの値が0になったときには、遊技状態が通常状態に制御される(ステップS190〜S194)。時短状態において状態回数カウンタの値が0になった後に、変動回数カウンタの値が0になったときには、遊技状態が通常状態に移行される(ステップS178〜S181)。
なお、この実施の形態では、確変大当りに決定された場合、特別図柄の可変表示が開始されるときに確変フラグがセットされて遊技状態が確変状態に移行するが、大当り遊技の終了後に、確変フラグをセットして確変状態に移行させるようにしてもよい。また、確変状態のときに通常大当りに決定された場合、特別図柄の可変表示が開始されるときに確変フラグがリセットされるとともに時短フラグがセットされて遊技状態が確変状態から時短状態に移行するが、大当り遊技の終了後に、確変フラグをリセットするとともに時短フラグをセットして時短状態に移行させるようにしてもよい。そのように制御する場合には、例えば、ステップS201〜S220の処理を、ステップS310の第1大当り終了処理において実行するように構成すればよい。
次に、第1遊技状態移行制御処理におけるフラグのセット時期およびリセット時期を、図26および図27を用いて説明する。
図26には、確変状態に制御されるときに、ステップS202において状態フラグがセットされ、ステップS203において状態回数カウンタに状態回数として100回がセットされ、また、ステップS204において確変フラグがセットされ、ステップS206において確変回数として150回が抽選によって決定され、ステップS207において変動回数カウンタに150回の回数がセットされた例が示されている。
確変状態に制御されると、CPU56は、状態フラグがセットされることによって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動の開始時に、状態回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS172,S173)。また、確変フラグがセットされることによって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動の開始時に、変動回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS190,S191)。なお、図26において、カッコ内の数字は状態回数カウンタのカウント数を示し、カッコ外の数字は変動回数カウンタのカウント数を示す。確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が100回に達した時点、すなわち、確変フラグがセットされてから100回目の変動を開始する時点で、状態フラグがリセットされる(ステップS174,S175)。CPU56は、状態フラグをリセットしたときに、時短フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS176)。図26に示す例では、時短フラグがセットされていないので、時短フラグのリセットは行われない。すなわち、遊技状態の移行制御は行われない。状態フラグがリセットされると、CPU56は、状態回数カウンタによる第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数のカウントを停止する(ステップS172参照)。
その後も、CPU56は、変動回数カウンタで、第1特別図柄および第2特別図柄の変動が開始される度に、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS190,S191)。確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が150回に達した時点、すなわち、確変フラグがセットされてから150回目の変動を開始する時点で、確変フラグがリセットされる(ステップS192,S193)。CPU56は、確変フラグをリセットしたときに、状態フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS194)。図26に示す例では、状態フラグが既にリセットされているので、時短フラグのセットは行われない。すなわち、CPU56は、状態フラグがセットされていないことによって、確変状態に制御されてから100回以上の第1特別図柄および第2特別図柄の変動が行われたことを認識し、時短状態に制御する必要がないと判断し、時短状態に移行する制御を行わない。その結果、遊技状態が確変状態から通常状態に移行される。
図27には、確変状態に制御されるときに、ステップS202において状態フラグがセットされ、ステップS203において状態回数カウンタに状態回数として100回がセットされ、また、ステップS204において確変フラグがセットされ、ステップS206において確変回数として50回が抽選によって決定され、ステップS207おいて変動回数カウンタに50回の回数がセットされた例が示されている。
この場合も、図26に示す例と同様に、状態フラグがセットされることによって、CPU56は、状態回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントし(ステップS172,S173)、また、確変フラグがセットされることによって、変動回数カウンタが第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS190,S191)。その後、確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が50回に達した時点で、すなわち、確変フラグがセットされてから50回目の変動を開始する時点で、変動回数カウンタの値が0になると、確変フラグがリセットされる(ステップS192,S193)。CPU56は、確変フラグをリセットしたときに、状態フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS194)。図27に示す例では、状態フラグがまだセットされているので、時短フラグのセットが行われる(ステップS195)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、状態フラグがセットされていることによって、確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動が100回未満であることを認識し、時短状態に制御する必要があると判断して、時短状態に移行する制御を行う。この結果、遊技状態が確変状態から時短状態に移行される。
その後も、CPU56は、状態フラグがセットされていることにもとづいて、第1特別図柄および第2特別図柄の変動が開始される度に、状態回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS172,S173)。確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が100回に達した時点、すなわち、確変フラグがセットされてから100回目の変動を開始する時点で状態フラグがリセットされる(ステップS174,S175)。CPU56は、状態フラグをリセットしたときに、時短フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS176)。図27に示す例では、時短フラグがセットされているので、時短フラグのリセットが行われる。その結果、遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
図28は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS304)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、第1大当りフラグがセットされている場合には第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り図柄停止処理(ステップS306)に対応した値に更新し(ステップS123,S124)、第1大当り図柄表示時間タイマをセットする(ステップS125)。第1大当りフラグがセットされていない場合には第1特別図柄プロセスフラグの値を第1はずれ図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS126)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図29は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り図柄停止処理(ステップS306)の処理を示すフローチャートである。第1大当り図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄の変動を既に終了させた場合にはステップS143に移行する(ステップS140)。まだ終了させていない場合には、第1特別図柄の変動を終了させる(ステップS141)。また、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS142)。
そして、第1大当り図柄表示時間タイマの値を−1し(ステップS143)、第1大当り図柄表示時間タイマの値が0になった場合には(ステップS144)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS145)。
以上のような第1大当り図柄停止処理によって、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1大当り図柄停止処理に応じた値になっている時間が、ステップS125で設定された値に応じた所定時間(例えば、0.6秒)継続する。また、第2特別図柄プロセス処理が実行されるときにも、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理に応じた値になっている時間が、所定時間(例えば、0.6秒)継続する。なお、そのような所定時間を設けることは必須のことではない。
図30は、第1特別図柄プロセス処理における第1はずれ図柄停止処理(ステップS305)の処理を示すフローチャートである。第1はずれ図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄の変動を終了させる(ステップS151)。また、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS153)。
図31は、以上に説明したような遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)の制御例を示すタイミング図である。CPU56は、第2始動口14に遊技球が入賞したことにもとづいて大当りとするか否か決定する(すなわち、抽選する)ときに、大当りにすることに決定した場合には、第2大当りフラグをセットする(図19のステップS81参照。図19は第1特別図柄プロセス処理における処理であるが、第2特別図柄プロセス処理でも同様の処理が実行される。)。
図31に示すA〜Dのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)のそれぞれにおいて、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理で、大当り判定用乱数にもとづく抽選処理により大当りとするか否か決定するが(ステップS61,S62,S63参照)、第2大当りフラグがセットされているときには、抽選処理を実行しないようにする(ステップS61,S62,S63の処理をスキップする)。図31に示す例では、B,Cのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)で実行される抽選では、無条件で抽選結果をはずれにする。無条件で抽選結果をはずれにすることが強制はずれである。なお、A,Dのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)で実行される抽選では、第2大当りフラグはセットされていないので、抽選結果が大当りとなることもある。
そして、第2飾り図柄および第2特別図柄の変動時間が終了して大当り図柄が導出表示されるときに、第1飾り図柄および第1特別図柄が変動している場合は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動時間の計測が中断される。これにより、第1飾り図柄および第1特別図柄の停止図柄が導出表示されることが防止される。なぜなら、大当り図柄が第2飾り図柄および第2特別図柄の停止図柄として導出表示されるときには第2特別図柄プロセスフラグの値は第2大当り図柄停止処理に応じた値であり(図28のステップS124参照。図28は第1特別図柄プロセス処理における処理であるが、第2特別図柄プロセス処理でも同様の処理が実行される。)、その場合には、図12に示すステップS314の処理によって、図13に示すステップS300〜S310の処理(特に、ステップS304の処理)が実行されず、処理が中断されるからである。つまり、ステップS304の処理が中断されることによって、ステップS121,S122の処理は実行されず、その結果、ステップS141,S142,S151,S152の処理が実行されない。よって、第1特別図柄の変動が停止することはない。また、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されることはない。
なお、第1飾り図柄については、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。そして、ステップS316の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100には中断コマンドが送信され、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101は、中断コマンドを受信すると、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける飾り図柄の変動を中断する。また、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動を中断しているときにその旨を報知する。
また、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動を中断しているときに、例えば、第1飾り図柄をはずれ図柄(図31では「4」)を停止表示させるように制御する(揺れ表示させるように制御してもよい)。なお、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bの第1飾り図柄の変動を続行し、その他の表示(キャラクタ等)のみを止めるように制御してもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する保留記憶処理(ステップS29)について説明する。図32および図33は、保留記憶処理の一例を示すフローチャートである。保留記憶処理において、CPU56は、まず、始動入賞が発生した場合に、その始動入賞が第1始動入賞口13への入賞であるか、第2始動入賞口14への入賞であるかを判定する(ステップS401,S405)。このような始動入賞の種別の判定は、第1始動入賞口スイッチ13aによる入賞検出であったか、第2始動入賞口スイッチ14aによる入賞検出であったかを確認することによって行うことが可能である。
第1始動入賞口13への入賞であったときは(ステップS401のY)、第1保留記憶数カウンタの値(第1保留記憶数)が上限値4であるか否かを判定する(ステップS402)。第1保留記憶数カウンタの値が上限値4に達していない場合は(ステップS402のN)、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を+1し(ステップS403)、第1保留記憶数(第1始動入賞記憶数)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞記憶指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS404)。そして、ステップS409の処理に移行する。一方、第1保留記憶数が上限値に達している場合は(ステップS402のY)、ステップS412の処理に移行する。
第2始動入賞口14への入賞であったときは(ステップS405のY)、第2保留記憶数カウンタの値(第2保留記憶数)が上限値4であるか否かを判定する(ステップS406)。第2保留記憶数カウンタの値が上限値4に達していない場合は(ステップS406のN)、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を+1し(ステップS407)、第2保留記憶数(第2始動入賞記憶数)を指定する演出制御コマンド(第2始動入賞記憶指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS408)。そして、ステップS409の処理に移行する。一方、第2保留記憶数が上限値に達している場合は(ステップS406のY)、ステップS412の処理に移行する。
ステップS409において、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を+1し、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であるか否かを判定する(ステップS410)。そして、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であれば、短縮変動フラグをセットする(ステップS411)。上述したように、短縮変動フラグがセットされると、「短縮変動」の変動パターン♯2,8を含む短縮変動パターンテーブル(図23(G)〜(J))を用いて変動パターンが選択される。なお、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であったときに、既に短縮変動フラグがセットされていたときは、そのままフラグがセットされた状態となる。
ステップS412において、CPU56は、変動開始タイミングであるか否かを判定する。また、変動開始タイミングであるときにその変動が第1特別図柄の変動であるか否かを判定する(ステップS413)。例えば、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1特別図柄停止図柄設定処理を示す値であるときは、第1特別図柄の変動開始タイミングであると判断することができ、同様に、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄停止図柄設定処理を示す値であるときは、第2特別図柄の変動開始タイミングであると判断することができる。なお、特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグ)の値として、特別図柄停止図柄設定処理(第1特別図柄停止図柄設定処理および第2特別図柄停止図柄設定処理)を示す値でなく、別の処理(例えば変動パターン設定処理や特別図柄変動中処理)を示す値を確認することによって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始タイミングを確認するようにしてもよい。
変動開始タイミングでなければ(ステップS412のN)、処理を終了する。第1特別図柄の変動開始タイミングであれば(ステップS413のY)、第1保留記憶数(第1始動入賞記憶数)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞記憶指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS414)。なお、このとき、第1特別図柄通常処理(図17)において、第1特別図柄の変動開始に伴って第1保留記憶数カウンタの値が−1されているので(ステップS53)、1減算された値の第1保留記憶数を示す第1始動入賞記憶指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。
第2特別図柄の変動開始タイミングであれば(ステップS413のN)、第2保留記憶数(第2始動入賞記憶数)を指定する演出制御コマンド(第2始動入賞記憶指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS415)。なお、このとき、第2特別図柄通常処理において、第2特別図柄の変動開始に伴って第2保留記憶数カウンタの値が−1されているので(第1特別図柄通常処理におけるステップS53に相当する第2特別図柄通常処理における処理で実行)、1減算された値の第2保留記憶数を示す第2始動入賞記憶指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を−1する(ステップS416)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が4未満(すなわち3以下)であるか否かを判定し(ステップS417)、4未満であれば、短縮変動フラグをリセットして(ステップS418)、処理を終了する。
なお、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞とが同時に発生する場合(ステップS401およびステップS405がYとなる場合)や、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とが同時に開始される場合(ステップS413のYとNとが同時に起こる場合)も考えられる。このような事態の発生を考慮して、図32および図33に示す保留記憶処理を、第1特別図柄の保留記憶数(第1保留記憶数)および背景図柄の保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数))をカウントして管理する第1保留記憶処理と、第2特別図柄の保留記憶数(第2保留記憶数)および背景図柄の保留記憶数(合算保留記憶数)をカウントして管理する第2保留記憶処理とに分けてもよい。
図34は、表示制御処理(ステップS22)を示すフローチャートである。表示制御処理では、CPU56は、まず、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、および普通図柄保留記憶表示器41に対する駆動信号を停止する(ステップS22a)。
次いで、CPU56は、第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(第1特別図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、第1特別図柄表示器8aに対して駆動信号を出力する(ステップS22b)。
具体的には、表示制御データとして停止図柄指定値が設定されていれば、その内容に応じて、第1特別図柄表示器8aに、今回の可変表示の停止図柄あるいは前回の可変表示の停止図柄を表示するための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして変動状態指定値が設定されていれば、第1特別図柄表示器8aの表示状態を点滅状態にするための駆動信号を出力する。
次いで、CPU56は、ステップS22bの処理と同様に、第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(第2特別図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、第2特別図柄表示器8bに対して駆動信号を出力する(ステップS22c)。
また、CPU56は、普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(普通図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、普通図柄表示器10に対して駆動信号を出力する(ステップS22d)。
具体的には、表示制御データとして停止図柄指定値(普通図柄表示制御処理で設定される。)が設定されていれば、その内容に応じて、普通図柄表示器10に、今回の可変表示の停止図柄あるいは前回の可変表示の停止図柄を表示するための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして変動状態指定値(普通図柄表示制御処理で設定される。)が設定されていれば、普通図柄表示器10の表示状態を左右のランプを交互に点灯させるための駆動信号を出力する。
次いで、CPU56は、第1始動入賞記憶数および第2始動入賞記憶数に応じて、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bに対して、始動入賞記憶数を表示させるための駆動信号を出力する(ステップS22e)。
そして、CPU56は、普通図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファ(普通図柄用始動入賞記憶数バッファ)に設定された普通図柄保留記憶数データ(普通図柄プロセス処理で設定される。)に応じて、普通図柄保留記憶表示器41に対して、現在の普通図柄の保留記憶数を表示させるための駆動信号を出力する(ステップS22f)。
図35は、第1特別図柄表示制御処理(ステップS33の特別図柄表示制御処理のうち第1特別図柄に関する処理)を示すフローチャートである。なお、ステップS33の特別図柄表示制御処理には、第1特別図柄表示制御処理と同様に処理される第2特別図柄表示制御処理も含まれるが、ここではその説明は省略する。CPU56は、第1特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄プロセスフラグが示す値に応じて、第1特別図柄表示器8aに表示すべき第1特別図柄の表示内容を特定する指定値を、第1特別図柄用出力バッファにセットする処理を実行する。ここで第1特別図柄用出力バッファにセットされた指定値に応じて、ステップS22bの処理で駆動信号が出力される。
第1特別図柄表示制御処理において、CPU56は、まず、第1特別図柄プロセスフラグを読み出す(ステップS33a)。読み出した第1特別図柄プロセスフラグがステップS304(第1特別図柄変動中処理)を示す値であれば(ステップS33bのY)、CPU56は、変動状態指定値を選択し(ステップS33c)、選択した変動状態指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS33d)。なお、変動状態指定値は、第1特別図柄の変動期間に応じて選択され、この実施の形態では、ステップS33cの処理で変動表示における変動状態で表示される図柄を示す指定値が選択される。
ステップS33aの処理で読み出した第1特別図柄プロセスフラグが示す値が、第1特別図柄変動中処理に応じた値でなければ、CPU56は、停止図柄指定値を選択し(ステップS33e)、選択した停止図柄指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS33f)。
なお、停止図柄指定値は、第1特別図柄プロセスフラグの状態に応じて選択される。具体的には、第1特別図柄プロセスフラグがステップS300〜ステップS303のいずれかを示す値であれば、ステップS33eで、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。一方、第1特別図柄プロセスフラグがステップS305〜S310に応じた値であれば、ステップS33eで、今回の変動表示の表示結果である停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。なお、第1特別図柄プロセスフラグがステップS303に応じた値である場合に、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値として大当り図柄を示す停止図柄指定値が選択された場合には、はずれ図柄を示す停止図柄指定値に差し替えるようにしてもよい。
図36および図37は、ステップS20の電源断処理を示すフローチャートである。電源断処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS450)。オン状態でなければ、RAM55に形成されるバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS451)。オン状態であれば、RAM55に形成されるバックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS452)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と一致すれば(ステップS453)、ステップS454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理を実行する状態に移行する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、RAM55に形成されるバックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS7では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認するようにしてもよい。
電力供給停止時処理において、CPU56は、パリティデータを作成する(ステップS454〜S463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS458)、ポインタの値を1増やし(ステップS459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS460)。そして、ステップS457〜S460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、CPU56は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければステップS474に戻る。処理数が0であれば、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止(禁止)し(ステップS481)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS482)。電源断信号がオフ状態になった場合には復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(ステップS1のアドレス)を設定してリターン命令を実行する(ステップS483)。すなわち、メイン処理に戻る。具体的には、遊技機に設けられている遊技用の装置を制御(自身で制御することと、他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信することの双方を含む概念)する状態に戻る。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS454〜S481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
この実施の形態では、RAM55の全領域がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAM55の内容が保存されこと)されている。従って、ステップS452〜S479の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAM55の内容にもとづくチェックサムもRAM55に保存される。遊技機への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、遊技制御手段は、RAM55に保存されているデータ(電力供給が停止した直前の遊技制御手段による制御状態である遊技状態を示すデータ(例えば、プロセスフラグの状態、大当り中フラグの状態、確変フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を含む)に従って、遊技状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS10〜S14の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に変動データ記憶手段(この例ではRAM55の全領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、RAM55の全領域が電源バックアップされるのではなく、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータを記憶する領域のみが電源バックアップされるようにしてもよい。
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、ステップS1に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS41〜S43処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に電源監視手段からの検出信号がオフ状態になったときには、遊技の進行を制御する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、遊技制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、遊技制御処理が続行される。
図38は、遊技状態復旧処理(ステップS43)の一例を示すフローチャートである。図38に示す遊技状態復旧処理は、演出制御用マイクロコンピュータ100に停電復旧表示指定コマンド等を送信する処理である。遊技状態復旧処理において、CPU56は、まず、遊技状態を電源断時の状態に復旧させることを通知するための停電復旧表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS501)。
次いで、CPU56は、電源断時に第1特別図柄が可変表示の実行中であったか否かを確認する(ステップS502)。例えば、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1特別図柄変動中処理に応じた値であるか否かを確認する。
第1特別図柄の可変表示中であった場合には(ステップS502のY)、実行中の第1特別図柄の可変表示の表示結果を通知するために、電源断によって中断した第1特別図柄の可変表示の開始時に送信した第1表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する(ステップS503)。
次いで、CPU56は、電源断時に第2特別図柄が可変表示の実行中であったか否かを確認する(ステップS504)。例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理に応じた値であるか否かを確認する。
第2特別図柄の可変表示中であった場合には(ステップS504のY)、実行中の第2特別図柄の可変表示の表示結果を通知するために、電源断によって中断した第2特別図柄の可変表示の開始時に送信した第2表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する(ステップS505)。そして、処理を終了する。
次に、背景図柄の変動(可変表示)の実行タイミング、切替ポイントの概念および保留記憶表示の表示制御などについて説明する。
背景図柄の変動は、第1飾り図柄または第2飾り図柄のどちらかの変動開始と同期して開始される。すなわち、背景図柄の変動が開始可能なとき(背景図柄が変動中でなく、大当り中でもないとき)に第1飾り図柄の変動が開始されると、その第1飾り図柄の変動開始と同時に背景図柄の変動が開始される。また、背景図柄の変動が開始可能なとき(背景図柄が変動中でなく、大当り中でもないとき)に第2飾り図柄の変動が開始されると、その第2飾り図柄の変動開始と同時に背景図柄の変動が開始される。
背景図柄の変動は、原則として、背景図柄の変動開始のときに同期した飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄のどちらか)の変動終了と同期して終了する。すなわち、背景図柄の変動が第1飾り図柄の変動開始と同期して開始されたときは、第1飾り図柄の変動終了と同期して終了する。また、背景図柄の変動が第2飾り図柄の変動開始と同期して開始されたときは、第2飾り図柄の変動終了と同期して終了する。ただし、例外として、背景図柄の変動開始のときに同期した飾り図柄とは別の飾り図柄の変動終了と同期して終了することもある。これについては図44および図45を用いて後で説明する。
図39は、背景図柄の変動中の切替ポイントおよび保留記憶表示の表示制御タイミングを示すタイミング図である。図39に示すように、背景図柄は、第1飾り図柄の変動開始と同期して変動を開始したものとする。また、第1飾り図柄の変動時間は40秒であったものとする。なお、背景図柄の変動開始と同期している第1飾り図柄の変動時間が40秒であるため、背景図柄の変動時間も40秒が選択されている。
第1特別図柄の変動が開始されたときに(第1特別図柄と同期して第1飾り図柄も変動が開始される)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数表示(図39中、メモリ表示と示している)が1つ消去される。また、第1特別図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始されたとき、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示も1つ消去される(例えば始動記憶数表示エリアの赤色の表示色を青色の表示色に1つ変化させる)。
なお、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したのと同時に第1特別図柄および背景図柄の変動が開始されたときは、保留記憶数表示が点灯されずに第1特別図柄および背景図柄の変動が開始されるのが一般的である。しかし、この実施の形態では、説明を解りやすくするために、そのような場合であっても保留記憶数表示の点灯と消去(消灯)とが瞬時に行われるものとして説明する。
第1特別図柄および背景図柄の変動が開始されてから所定時間(例えば5秒)経過後に第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、第2特別図柄の変動が開始されるものとする。このとき、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことにより、第2特別図柄保留記憶表示器18bにおける保留記憶数表示が点灯され、第2特別図柄の変動が開始されたことにより、第2特別図柄保留記憶表示器18bにおける保留記憶数表示が消去される。一方、背景図柄は変動中であり、第2特別図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始されなかったため、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示が1つ点灯される(例えば始動記憶数表示エリアの青色の表示色を赤色の表示色に1つ変化させる)。
本来、背景図柄の変動時間が40秒の場合は、背景図柄の変動開始後に通常変動が10秒間行われ、その後にリーチが発生して30秒のリーチCを伴う変動が行われる。ところが、背景図柄の変動が開始されてから特定時間(例えば10秒)経過するまでに、背景図柄と変動が同期した特別図柄(図39では第1特別図柄)とは別の特別図柄(図39では第2特別図柄)の変動が開始されたときは、図39に示すように、背景図柄の変動が開始されてから特定時間経過後に背景図柄の停止図柄として事前に決定された停止図柄(ステップS517で決定される停止図柄)が仮停止表示され、そして再び通常変動が10秒間行われ、その後にリーチが発生して20秒のリーチBを伴う変動が行われる。すなわち、背景図柄の変動が開始されてから特定時間経過後に背景図柄が仮停止された後に背景図柄の変動パターンが切り替えられる。このように背景図柄の変動パターンを切り替える時点(背景図柄の変動開始後10秒経過した時点)を「切替ポイント」という。
図39に示す例では、背景図柄の変動開始後から切替ポイントまでは、背景図柄の変動は、第1特別図柄(第1飾り図柄)の変動開始にもとづく変動とみなされ、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動開始にもとづく変動とみなされる。従って、切替ポイントにおいて、背景図柄の保留記憶数表示、つまり、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける始動記憶数表示エリアが1つ消去される。また、第1特別図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動と第2特別図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動との切れ目を遊技者に認識させやすくするために、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示させる制御が行われる。
このように、背景図柄の変動開始後から切替ポイントまでに第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動が開始されたときは、切替ポイントにおいて第1特別図柄の変動開始にもとづく変動から第2特別図柄の変動開始にもとづく変動に切り替え、さらに切替ポイントにおいて背景図柄の保留記憶数(第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計)を1つ減少させるように構成したことにより、遊技者に違和感を与えることなく、並行して変動が行われる第1特別図柄(第1飾り図柄)および第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動に対応した背景図柄の変動表示(可変表示)を効率よく実現することができる。その結果、並行して実行される第1特別図柄および第2特別図柄の変動の停止タイミングと、第1特別図柄および第2特別図柄に対応して実行される背景図柄の変動の停止タイミングとのずれを少なくすることができるようになる。
上述したように、図39に示す例では、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2特別図柄の変動開始にもとづく変動であるため、第2特別図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合は、背景図柄の停止図柄もはずれ図柄にすべきである。しかし、図39に示す例では、第1特別図柄(つまり第1飾り図柄)の停止図柄を大当り図柄にすると決定され、第1特別図柄の変動が終了するときに大当り図柄が停止表示(導出表示)されており、また、背景図柄は第1特別図柄の変動終了と同期して変動が終了している。従って、遊技者にとって最も視認しやすい背景図柄の停止図柄が大当り図柄にならないと、背景図柄の停止図柄としてはずれ図柄が停止表示されたにもかかわらず大当り遊技が開始されてしまうことになり、背景図柄の停止図柄と遊技状態との整合がとれないことになってしまう。そこで、この実施の形態では、背景図柄と同期して変動が終了する特別図柄の停止図柄の種別(はずれ、非確変大当り、確変大当り)に応じて、背景図柄の停止図柄の種別を決定し、決定した種別の停止図柄を停止表示(導出表示)する制御が行われる。
図39に示す例では、第1特別図柄および背景図柄の大当り図柄が停止表示される前に、第2特別図柄の変動が開始され、第1特別図柄および背景図柄の大当り図柄が停止表示されたときに、第2特別図柄の変動が継続中である。この場合は、上述したように、第2特別図柄の変動が中断される(ステップS314〜ステップS316参照)。また、第2特別図柄の変動が中断中において、第2特別図柄の変動は一旦中断しているが変動自体は継続中であること(変動が終了していないこと)を報知する制御が行われる。
なお、この実施の形態では、第1飾り図柄は第1特別図柄と完全に同期して変動が実行され、また、第2飾り図柄は第2特別図柄と完全に同期して変動が実行されるので、第1特別図柄が変動開始可能な保留記憶数と第1飾り図柄が変動開始可能な保留記憶数とは一致し、また、第2特別図柄が変動開始可能な保留記憶数と第2飾り図柄が変動開始可能な保留記憶数とは一致する。従って、以下の説明において、第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される第1特別図柄の保留記憶数のことを第1飾り図柄の保留記憶数と表現し、また、第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示される第2特別図柄の保留記憶数のことを第2飾り図柄の保留記憶数と表現している箇所もある。
図40および図41は、図39に示した各図柄の変動実行タイミングにおける表示例を示す説明図である。図40および図41には、可変表示装置9と第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとが示されている。また、可変表示装置9の画面は、背景図柄表示領域9aと第1飾り図柄表示領域9bと第2飾り図柄表示領域9cとメモリ表示領域9dとに分けられている。
図40に示すように、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動の開始と同期して背景図柄の変動が開始される。背景図柄の変動は、変動開始後から所定時間(10秒)経過するまでは通常変動(図柄が高速に変動する高速変動)が行われる。その後、第2飾り図柄の変動が開始されるが、背景図柄は変動中であるため、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動は開始されない。ただし、背景図柄の保留記憶数表示は1つ点灯される。その後、切替ポイントになると、図40に示すように、背景図柄は仮停止表示される。なお、仮停止の図柄は、はずれ図柄(図40では「527」)である。このとき、第1飾り図柄(第1特別図柄)および第2飾り図柄(第2特別図柄)は変動中である。
背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始されているので、背景図柄の変動パターンの切り替えが行われ、切替ポイント以降に再び背景図柄の通常変動(高速変動)が行われる。背景図柄の通常変動の再開時に、背景図柄の保留記憶数表示(第2飾り図柄の保留記憶数に対応する保留記憶数表示)が1つ消去される。
そして、所定時間(10秒)経過後、左右の背景図柄が揃うことによりリーチになる。このとき、第2飾り図柄(第2特別図柄)の変動はすでに終了し停止図柄が表示されている。なお、第2特別図柄と第2飾り図柄の停止図柄は同じ種別の図柄(はずれ図柄、非確変図柄、確変図柄)であればよく、図柄の数字が完全に一致している必要はない。図40に示す例では、第2特別図柄は、はずれ図柄「0」が表示され、第2飾り図柄は、はずれ図柄「8」が表示されている。
その後、リーチを伴う変動が所定時間行われ、第1飾り図柄の変動終了と同期して背景図柄の変動が終了し、第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の停止図柄が導出表示される。このとき、図40に示す例では、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄「7」が導出表示され、第1飾り図柄の停止図柄として大当り図柄「7」が導出表示され、背景図柄の停止図柄として大当り図柄「777」が導出表示されている。
第1特別図柄、第1飾り図柄および背景図柄に大当り図柄が導出表示されたとき、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が中断され、はずれ図柄が停止表示される。これにより、第1特別図柄にもとづく大当り遊技中に第2特別図柄にもとづく大当りが発生してしまうのを防止することができる。なお、図40に示す例では、第2特別図柄の停止図柄としてはずれ図柄「4」が停止表示され、第2飾り図柄の停止図柄としてはずれ図柄「6」が停止表示されている。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されると、大当り遊技が開始されて大当り遊技状態に移行する。具体的には、図41に示すように、大当りが発生したこと(大当り遊技が開始されること)を遊技者に報知するために可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに「大当り!」の文字が表示され、その後に、大入賞口の開放に伴うラウンドの遊技が所定回数実行される。この実施の形態では、大当り遊技中において、第2飾り図柄の変動は中断されているが変動自体は継続中であること(変動が終了していないこと)を報知するために、背景図柄表示領域9aにおける第2飾り図柄表示領域9cの真上に「変動継続中」という文字が表示されている。
図41に示すように、大当り遊技が終了するときに、大当り遊技の終了を報知するために可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに「またね」という文字が表示される。その後、大当り遊技が終了すると、第1特別図柄、第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されるとともに、中断していた第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が再開される。
次に、様々な状況における各図柄の変動(可変表示)の実行タイミング、各図柄に対応した保留記憶表示の消去タイミングおよび背景図柄の変動時間の変更などについて説明する。
図42は、切替ポイントの前後に第2飾り図柄の変動が開始された場合における各図柄の変動の実行タイミングおよび各図柄に対応する保留記憶表示の消去タイミングの一例を示すタイミング図である。
図42に示す例では、図39に示した例と同じように、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数表示(第1特別図柄の保留記憶数表示)が1つ消去されるとともに、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示(背景図柄の保留記憶数表示)も1つ消去される。
第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始されたことによって、第2特別図柄保留記憶表示器18bの保留記憶数表示(第2飾り図柄の保留記憶数表示)が1つ点灯され直ちに消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示が1つ点灯される。切替ポイントになると、背景図柄が仮停止表示され、背景図柄の変動パターンが切り替えられる。
その後に、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、背景図柄の通常変動が再び行われる。第2飾り図柄(第2特別図柄)の変動時間が経過すると、第2飾り図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、すでに第2始動入賞口14に遊技球が入賞していた場合は、第2飾り図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第2飾り図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、第2飾り図柄の変動が開始される。図42に示すように、第2飾り図柄の変動が開始されたときのタイミングは、背景図柄の変動中における切替ポイントの後で背景図柄の変動終了前である。背景図柄の保留記憶数表示は、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいてすでに1つ点灯されているが、第2飾り図柄の変動開始のときに背景図柄が変動中であるため、第2飾り図柄の変動開始にもとづいて消去されない。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化の状態となる。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、すでに第1始動入賞口13に遊技球が入賞していた場合は、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第1飾り図柄および背景図柄の保留記憶数表示がいずれも1つ消去され、第1飾り図柄および背景図柄の変動が同期して開始される。第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は10秒であったものとする。このとき、第1飾り図柄と同期して背景図柄の変動が開始されているので、背景図柄の変動は第1飾り図柄の変動開始にもとづくものである。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化のままとなる。
再び、第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、第1特別図柄の第1保留記憶数が0のときは、第1飾り図柄と同期した背景図柄の変動は行われないが、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化のままとなっているので、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が開始される。なお、背景図柄の変動が開始されるときに、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。これにより、未消化の背景図柄の変動が消化されて、未消化の背景図柄の変動が存在しない状態になる。
なお、図42において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
図43は、切替ポイント後に第2飾り図柄の変動が開始された場合における各図柄の変動の実行タイミングおよび各図柄に対応する保留記憶表示の消去タイミングの一例を示すタイミング図である。
図43に示す例では、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数表示(第1特別図柄の保留記憶数表示)が1つ消去されるとともに、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示(背景図柄の保留記憶数表示)も1つ消去される。
変動が開始されてから切替ポイントに至るまで背景図柄の通常変動が行われ、その後にリーチAを伴う変動が行われる。図43に示す例では、第2飾り図柄の変動が開始されるタイミングは、背景図柄の変動中における切替ポイントの後で背景図柄の変動終了前である。背景図柄の保留記憶数表示は、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいてすでに点灯されているが、第2飾り図柄の変動開始のときに背景図柄が変動中であるため、第2飾り図柄の変動開始にもとづいて消去されない。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化の状態となる。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、すでに第1始動入賞口13に遊技球が入賞していた場合は、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の保留記憶数表示がいずれも1つ消去され、第1飾り図柄および背景図柄の変動が同期して開始される。第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は20秒であったものとする。このとき、第1飾り図柄と同期して背景図柄の変動が開始されているので、背景図柄の変動は第1飾り図柄の変動開始にもとづくものである。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化のままとなる。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されてから所定時間(10秒)経過すると、切替ポイントに至る。このとき、未消化の背景図柄の変動が残っているので、切替ポイントにおいて未消化の背景図柄の変動を消化させるために、背景図柄を仮停止表示し、背景図柄の変動パターンを切り替える制御が行われる。そして、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、背景図柄の通常変動が再び行われる。これにより、未消化の背景図柄の変動が消化されて、未消化の背景図柄の変動が存在しない状態になる。その後、第1飾り図柄および背景図柄の変動時間が経過することにより、第1飾り図柄および背景図柄の変動が同期して終了する。
なお、図43において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
次に、背景図柄の変動時間の変更について説明する。図44は、先に変動開始された背景図柄の変動時間の変更を示すタイミング図である。図44に示す例では、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。
第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始されたことによって、第2飾り図柄の保留記憶数表示が1つ点灯され直ちに消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示が1つ点灯される。ここで、第2飾り図柄の変動時間は20秒であるものとする。切替ポイントになると、背景図柄が仮停止表示され、背景図柄の変動パターンが切り替えられる。その後に、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、背景図柄の通常変動が再び行われる。
上述したように、第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は20秒であり、第2飾り図柄(第2特別図柄)の変動時間も20秒である。また、第1飾り図柄および背景図柄の変動の方が先に開始されているので、第2飾り図柄の変動が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する。このように、第1飾り図柄および背景図柄の変動が先に開始され、また切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始され、また第2飾り図柄の変動の方が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する場合は、先に変動開始された背景図柄の変動時間を延長(変更)して、背景図柄の変動終了タイミングを後に変動開始された第2飾り図柄の変動終了タイミングと同期させる。
なぜなら、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2飾り図柄の変動開始にもとづく変動であるので、第2飾り図柄の変動と同期して背景図柄の変動も終了させるのが好ましい。また、第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるときは、第2飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示したときに背景図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示させる必要があるからである。そこで、図44のような状況が生じた場合には、先に変動開始された背景図柄の変動時間を延長する。ただし、このような場合でも、第1飾り図柄の変動と第1特別図柄の変動とを完全に同期させるようにしているので、先に変動開始された第1飾り図柄の変動時間については延長しない。なお、図44のような状況が生じた場合において、後に変動開始された背景図柄の変動時間(すなわち、第2飾り図柄の変動にもとづく切替ポイント以降の背景図柄の変動時間)を延長するようにしてもよい。
なお、先に変動開始された飾り図柄(図44では第1飾り図柄)の停止図柄が大当り図柄である場合は、その飾り図柄の大当り図柄を導出表示するときに背景図柄の大当り図柄を導出表示する必要がある。従って、そのような場合には、先に開始された背景図柄の変動時間の延長は禁止される。
背景図柄の変動時間の延長は、背景図柄の変動開始後10秒経過した時点に設けられている切替ポイントを後ろにずらし、切替ポイントまでの通常変動(高速変動)の時間を延長することにより行われる。例えば、図44に示す例において、第2飾り図柄の変動が背景図柄(および第1飾り図柄)の変動開始から5秒経過後に開始された場合は、背景図柄の変動終了タイミングと第2飾り図柄の変動終了タイミングとを同期させるために、切替ポイントを背景図柄の変動開始後15秒経過した時点にずらし、切替ポイントまでの通常変動の時間を5秒延長し、切替ポイント以降の変動時間は一定のままにする。これにより、背景図柄の変動時間が5秒延長される。
このように、切替ポイントまでの通常変動の時間を追加することにより背景図柄の変動時間を延長するようにしているのは、次の理由による。この実施の形態では、切替ポイントまでは常に通常変動が行われるように構成されている。通常変動のように図柄が高速に変動されていると変動している図柄が見えない(見えにくい)ので、変動時間を延長しても遊技者に違和感を与えることがない。また、リーチを伴う変動のように図柄が低速または中速に変動している場合、その変動時間を延長し、かつ、延長された変動時間においてあらかじめ決められている停止図柄を停止表示させる制御が困難であるが、通常変動のように図柄が高速に変動している場合は、延長された変動時間においてあらかじめ決められている停止図柄を停止表示させる制御が比較的容易である。このように、切替ポイントが後ろにずれた場合は、後ろにずれた切替ポイントにおいて、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。
第1飾り図柄の変動が先に終了したときに第1始動入賞にもとづく保留記憶が存在している場合は、第1飾り図柄の変動が背景図柄の変動と同期せずに開始される。このとき、第1飾り図柄の保留記憶数表示は1つ消去されるが、背景図柄の保留記憶数表示は点灯されたままとなる。背景図柄および第2飾り図柄の変動が終了したときに第2始動入賞にもとづく保留記憶が存在している場合は、背景図柄と第2飾り図柄とが同期して変動が開始される。このとき、第2飾り図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。
第2飾り図柄および背景図柄の変動が終了すると、まだ未消化の保留記憶が存在しているので、その保留記憶を消化するために、背景図柄の変動が開始される。そして、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。これにより、未消化の背景図柄の変動が消化されて、未消化の背景図柄の変動が存在しない状態になる。
なお、図44において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
図45は、後に変動開始された背景図柄の変動時間の変更を示すタイミング図である。図45に示す例では、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。
図45に示すように、第2飾り図柄の変動は、第1飾り図柄および背景図柄の変動における切替ポイント(変動開始後10秒経過した時点)以降に開始されている。ここで、第2飾り図柄の変動時間は20秒であるものとする。その後、第1飾り図柄および背景図柄の変動が終了したときに第1始動入賞にもとづく保留記憶が存在している場合は、第1飾り図柄と背景図柄とが同期して変動が開始される。このとき、第1飾り図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。ここで、第1飾り図柄の変動時間が10秒であるものとする。従って、通常は、背景図柄の変動時間として10秒が選択される。また、第1飾り図柄および背景図柄は、第2飾り図柄の変動開始後5秒経過した時点で変動が開始されたものとする。
上述したように、第2飾り図柄の変動時間は20秒であり、第1飾り図柄の変動時間は10秒である。また、第1飾り図柄および背景図柄の変動が第2飾り図柄の変動開始から5秒後に開始されている。従って、第1飾り図柄および背景図柄の変動が第2飾り図柄の変動開始後10秒経過する前に開始され、第2飾り図柄の変動が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する。このように、第1飾り図柄および背景図柄の変動が後に開始され、また第2飾り図柄の変動開始後10秒経過までに第1飾り図柄の変動が開始され、また第2飾り図柄の変動の方が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する場合は、後に変動開始された背景図柄の変動時間を延長(変更)して、背景図柄の変動終了タイミングを先に変動開始された第2飾り図柄の変動終了タイミングと同期させる。
このように背景図柄の変動時間を延長する理由も、図44において説明した理由と同様である。すなわち、背景図柄と同期せずに第2飾り図柄が先に変動開始され、第2飾り図柄の変動開始後10秒経過するまでに第1飾り図柄が背景図柄と同期して変動開始された場合は、背景図柄の変動において効率よく第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動を消化させるために、第2飾り図柄の変動開始後10秒経過した時点(ここが切替ポイントになる)で、背景図柄の変動を第1飾り図柄の変動にもとづく変動から第2飾り図柄の変動にもとづく変動に切り替えるのが好ましい。そして、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2飾り図柄の変動開始にもとづく変動であるので、第2飾り図柄の変動と同期して背景図柄の変動も終了させるのが好ましい。また、第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるときは、第2飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示したときに背景図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示させる必要がある。そこで、図45のような状況が生じた場合には、第2飾り図柄よりも後に第1飾り図柄と同期して変動開始された背景図柄の変動時間を延長する。ただし、このような場合でも、第1飾り図柄の変動と第1特別図柄の変動とを完全に同期させるようにしているので、第2飾り図柄よりも後に変動開始された第1飾り図柄の変動時間については延長しない。
なお、後に変動開始された飾り図柄(図45では第1飾り図柄)の停止図柄が大当り図柄である場合は、その飾り図柄の大当り図柄を導出表示するときに背景図柄の大当り図柄を導出表示する必要がある。従って、そのような場合には、後に開始された背景図柄の変動時間の延長は禁止される。
背景図柄の変動時間の延長は、先に変動開始された第2飾り図柄の変動開始後10秒の時点を背景図柄における切替ポイントとし、切替ポイント以降の変動時間を第2飾り図柄の変動開始後10秒経過した後の変動時間と一致させることにより行われる。例えば、図45に示す例において、背景図柄(および第1飾り図柄)の変動が第2飾り図柄の変動開始から5秒経過後に開始された場合は、第2飾り図柄の変動終了タイミングと背景図柄の変動終了タイミングとを同期させるために、第2飾り図柄の変動開始後10秒の時点(背景図柄の変動開始後5秒の時点)を背景図柄における切替ポイントとし、切替ポイント以降の変動時間を第2飾り図柄の変動開始後10秒を経過した後の残り変動時間(図45では10秒)と一致させる。これにより、背景図柄の変動時間が5秒延長される。
なお、図45に示す例において、先に変動開始される第2飾り図柄の変動時間が30秒であり、後に変動開始される第1飾り図柄の変動時間が20秒である場合は、図44に示した例と同様に、第1飾り図柄の変動開始後10秒の時点の切替ポイントが5秒後ろにずらされることにより、背景図柄の変動時間が5秒延長される。
このように、切替ポイントまでの通常変動の時間を追加することにより背景図柄の変動時間を延長するようにしているのは、図44において説明した理由と同様の理由による。すなわち、通常変動のように図柄が高速に変動されていると変動している図柄が見えない(見えにくい)ので、変動時間を延長しても遊技者に違和感を与えることがなく、また、通常変動のように図柄が高速に変動している場合は、延長された変動時間においてあらかじめ決められている停止図柄を停止表示させる制御が比較的容易である。このように、切替ポイントが後ろにずれた場合(図45の例では切替ポイントが新たに追加された場合)は、後ろにずれた切替ポイントにおいて、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。
第2飾り図柄および背景図柄の変動時間が経過すると、第2飾り図柄および背景図柄の変動が同期して終了する。
なお、図45に示す例において、例えば、第2飾り図柄の変動が開始されてから9.8秒後に第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始される場合、背景図柄の変動開始から切替ポイントまで0.2秒しかないことになる。このような場合、切替ポイントまでの時間が短すぎて通常変動を実質的に実行できないことになる。従って、第2飾り図柄の変動が開始されてから例えば8秒以上経過した後に第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されても、背景図柄の変動時間を延長しないように構成されていてもよい。このような構成によれば、切替ポイントまでの時間として少なくとも2秒の通常変動の時間を確保することができる。
なお、図45において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
図46は、予告演出の実行タイミングを示すタイミング図である。図46に示すように、この実施の形態では、背景図柄の変動中に大当りが発生することやリーチが発生することを予告する予告演出が実行されることがある。例えば、変動開始から10秒以内の通常変動の実行中に、大当りのチャンスがあることを予告する予告演出を実行し、変動開始後10秒から20秒までのリーチAを伴う変動の実行中に、大当りの可能性が高いことを予告する予告演出を実行した後、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を停止表示するような態様が考えられる。
このような変動態様が選択された場合であっても、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えが行われることがある。例えば、図46に示す例では、背景図柄と第1飾り図柄とが同期して変動開始され、そして、通常変動中に予告演出が実行されている。そして、切替ポイントに至る前に第2飾り図柄の変動が開始されたことにより、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えが行われている。この場合、切替ポイントの前にすでに予告演出が実行されているので、切り替え後の変動においても、すでに実行した予告演出の態様に応じた予告演出を実行しなければ、演出の整合性がとれないことになる。そこで、切替ポイントの前に実行した予告演出の有無や演出態様を記憶しておき、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えが行われても、すでに予告演出が実行されていたときはその予告演出の態様に応じた予告演出を切り替え後の変動において実行するように構成されている。
図47は、予告演出の表示例を示す説明図である。図47に示すように、背景図柄と第1飾り図柄(および第1特別図柄)とが同期して変動開始され、その後、通常変動の実行中に予告演出として「もしかして・・」という文字が背景図柄表示領域9aに表示される。そして、切替ポイントに至る前に第2飾り図柄の変動が開始されると、切替ポイントにおいて背景図柄の仮停止表示が行われ、変動パターンの切り替えが行われる。そして、通常変動が再び開始される。この場合、切替ポイントの前にすでに予告演出(「もしかして・・」の表示)が実行されているので、切り替え後の通常変動においても、すでに実行した予告演出の態様に応じた予告演出を実行する。図47に示す例では、「大当りかも?」という文字が背景図柄表示領域9aに表示される。その後、左右の背景図柄が「7」で揃うことによりリーチが発生して、リーチAを伴う変動が実行される。そして、変動時間が経過したときに、背景図柄の停止図柄(図47に示す例でははずれ図柄「767」)が停止表示(導出表示)される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図48は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1飾り図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2飾り図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cの表示制御を実行する。また、背景図柄プロセス処理を行う(ステップS707)。背景図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(背景図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の背景図柄表示領域9aの表示制御を実行する。さらに、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
次に、主基板31からの演出制御コマンド受信処理について説明する。図49は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成にしてもよい。音声制御手段や、ランプ制御手段においても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式にしてもよい。
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用CPU101において割込がかかる。そして、演出制御用CPU101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する。
図50〜図52は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS511)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS512)。
受信した演出制御コマンドが、保留記憶数(始動入賞数)を指定する始動入賞記憶指定コマンド(C0XX(H),C1XX(H))であれば(ステップS513)、演出制御用CPU101は、背景図柄保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS514)。なお、背景図柄保留記憶表示制御処理の具体的な内容については後述する(図55参照)。
また、受信した演出制御コマンドが、飾り図柄の変動パターン(変動時間)を指定する演出制御コマンド(8000(H)〜801B(H))であれば(ステップS515)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS516)、背景図柄の変動を制御するための図柄変動制御処理を実行する(ステップS517)。なお、図柄変動制御処理の具体的な内容については後述する(図56および図57参照)。
また、受信した演出制御コマンドが、飾り図柄の可変表示の表示結果(はずれ、通常大当り、確変大当り)を指定する演出制御コマンド(8500(H)〜8602(H))であれば(ステップS518)、演出制御用CPU101は、第1表示結果コマンド(8500(H)〜8502(H))であるか第2表示結果コマンド(8600(H)〜8602(H))であるかを確認することによって、第1表示結果コマンドを受信したことを示す第1表示結果受信フラグ、または第2表示結果コマンドを受信したことを示す第2表示結果受信フラグをセットする(ステップS519)。そして、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄、第2飾り図柄、背景図柄の停止図柄を決定し格納する処理を実行する(ステップS520)。
具体的には、演出制御用CPU101は、表示結果コマンドを受信すると、表示結果コマンドが第1飾り図柄の可変表示の表示結果を指定する演出制御コマンド(第1表示結果コマンド)であるか、第2飾り図柄の可変表示の表示結果を指定する演出制御コマンド(第2表示結果コマンド)であるかを確認し、また、表示結果の内容が確変大当り、非確変大当り、はずれのいずれであるかを確認する。そして、飾り図柄決定用乱数および背景図柄決定用乱数を抽出し、抽出した乱数の値にもとづいて、第1飾り図柄、第2飾り図柄、背景図柄の停止図柄を決定する。
例えば、第1飾り図柄の表示結果を指定する演出制御コマンドであり、表示結果の内容がはずれであるときは、飾り図柄決定用乱数の値にもとづいて、はずれ図柄である第1飾り図柄の停止図柄を決定するとともに、背景図柄決定用乱数の値にもとづいて、はずれ図柄である背景図柄の停止図柄を決定する。また、第2飾り図柄の表示結果を指定する演出制御コマンドであり、表示結果の内容が確変大当りであるときは、飾り図柄決定用乱数の値にもとづいて、確変図柄である第2飾り図柄の停止図柄を決定するとともに、背景図柄決定用乱数の値にもとづいて、確変図柄である背景図柄の停止図柄を決定する。そして、上記のように決定した第1飾り図柄、第2飾り図柄、背景図柄の停止図柄をそれぞれ第1飾り図柄格納領域、第2飾り図柄格納領域、背景図柄格納領域に格納する。これらの格納領域は演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMに形成されている。
次いで、演出制御用CPU101は、現在の制御状態が停電からの復旧中の状態であるかどうかを確認する(ステップS521)。復旧中の状態であるかどうかは、停電からの復旧中の状態であることを示す復旧中フラグがセットされているか否か(ステップS532参照)によって確認することができる。
現在の制御状態が復旧中の状態であれば(ステップS521のY)、演出制御用CPU101は、第1表示結果受信フラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS522)、第1表示結果受信フラグがセットされている場合は(ステップS522のY)、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄の変動表示を開始させる(ステップS523)。また、演出制御用CPU101は、第2表示結果受信フラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS524)、第2表示結果受信フラグがセットされている場合は(ステップS524のY)、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9bにおいて第2飾り図柄の変動表示を開始させる(ステップS525)。
現在の制御状態が復旧中の状態でなければ(ステップS521のN)、演出制御用CPU101は、表示結果コマンドで指定された表示結果の内容が大当り(確変大当り、非確変大当り)であるか否かを確認し(ステップS526)、表示結果の内容が大当りのときは(ステップS526のY)、背景図柄が変動中であるか否かを確認する(ステップS527)。背景図柄が変動中であるか否かは、背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理を示す値であるときは、背景図柄は変動中ではなく、背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理を示す値でないときは、背景図柄は変動中である。なお、背景図柄プロセスフラグの値が大当り表示処理および大当り遊技中処理を示す値のときは、表示結果コマンドが送信されない(図12のステップS314参照)。
表示結果コマンドで指定された表示結果の内容が大当りであり、かつ、背景図柄が変動中である場合は、停止図柄が大当り図柄になる飾り図柄の変動が背景図柄と同期せずに開始されることになる。この場合は、飾り図柄の変動終了と同期させて背景図柄の変動を終了させるとともに、背景図柄の停止図柄を大当り図柄にする必要がある。例えば、図45において、第2飾り図柄の変動が開始されるときには、背景図柄が変動中であるため、第2飾り図柄は背景図柄と同期せずに変動が開始される。第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄である場合は、第1飾り図柄と同期して変動が開始された背景図柄の停止図柄を大当り図柄に変更する必要があり、また、背景図柄の変動終了タイミングを第2飾り図柄の変動終了タイミングと同期させる必要がある。そこで、図柄強制同期変更フラグをセットする(ステップS528)。この図柄強制同期変更フラグがセットされると、後述するように、背景図柄の変動終了タイミングが停止図柄が大当り図柄になる飾り図柄の変動終了タイミングと同期される。
表示結果コマンドで指定された表示結果の内容が大当りであり、かつ、背景図柄が変動中でない場合は、停止図柄が大当り図柄になる飾り図柄の変動が背景図柄と同期して開始されることになる。この場合においても、飾り図柄の変動終了と同期させて背景図柄の変動を終了させるとともに、背景図柄の停止図柄を大当り図柄にする必要がある。通常は、飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始されたときは、飾り図柄の変動終了と同期して背景図柄の変動も終了するが、図44に示したように、背景図柄の変動時間が延長されて、飾り図柄と背景図柄とが同期して変動終了しないこともある。そこで、変動時間変更禁止フラグをセットする(ステップS529)。この変動時間変更禁止フラグがセットされると、後述するように、背景図柄の変動時間の変更が禁止される。
また、受信した演出制御コマンドが、停電復旧表示を指定する演出制御コマンド(9000(H))であれば(ステップS530)、演出制御用CPU101は、電力供給が再開され停電からの復旧中であることを遊技者に報知する停電復旧中画面を可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに表示する(ステップS531)。そして、停電からの復旧中の状態であることを示す復旧中フラグをセットする(ステップS532)。
また、受信した演出制御コマンドが、飾り図柄の変動の停止を指定する演出制御コマンド(A000(H)またはA100(H))であれば(ステップS540)、演出制御用CPU101は、復旧中フラグがセットされているか否かを確認することによって現在の制御状態が停電からの復旧中の状態であるかどうかを確認する(ステップS541)。現在の制御状態が復旧中の状態でなければ(ステップS541のN)、受信した飾り図柄停止指定コマンドが第1飾り図柄停止指定コマンド(A000(H))であったときは、第1飾り図柄停止指定コマンドを受信したことを示す第1飾り図柄停止フラグをセットし、受信した飾り図柄停止指定コマンドが第2飾り図柄停止指定コマンド(A100(H))であったときは、第2飾り図柄停止指定コマンドを受信したことを示す第2飾り図柄停止フラグをセットする(ステップS542)。一方、現在の制御状態が復旧中の状態であれば(ステップS541のY)、図52のステップS550以降の復旧中の処理に移行する。
ステップS550では、演出制御用CPU101は、受信した飾り図柄停止指定コマンドが第1飾り図柄停止指定コマンドであるかどうかを確認する(ステップS550)。飾り図柄停止指定コマンドが第1飾り図柄停止指定コマンドである場合は(ステップS550のY)、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄停止フラグをセットし(ステップS551)、第1飾り図柄表示領域9bにおいて変動している第1飾り図柄の停止図柄を導出表示する(ステップS552)。なお、このとき導出表示される第1飾り図柄の停止図柄は、停電復旧時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される第1表示結果コマンドにもとづいてステップS520にて既に決定されている第1飾り図柄の停止図柄である。第1飾り図柄の表示結果がはずれであれば、停止図柄ははずれ図柄(「0」「2」「4」「6」「8」)となり、第1飾り図柄の表示結果が通常大当りであれば、停止図柄は通常大当り図柄(非確変図柄「1」「5」「9」)となり、第1飾り図柄の表示結果が確変大当りであれば、停止図柄は確変大当り図柄(「3」「7」)となる。
そして、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS553)。第2飾り図柄が変動中であるか否かは、第2表示結果受信フラグがセットされているか否かと、第2飾り図柄停止フラグがセットされているか否かとによって確認することができる。具体的には、第2表示結果受信フラグがセットされているときは、電源断の発生時(停電発生時)に第2特別図柄が変動中であったと判断できる。なぜなら、電源断の発生時に第2特別図柄が変動中であったときは、遊技状態復旧処理において第2表示結果コマンドが送信され(ステップS504,S505参照)、第2表示結果コマンドの受信にもとづいて第2表示結果受信フラグがセットされ(ステップS519参照)、第2飾り図柄の変動表示が開始されているからである(ステップS524,S525参照)。また、第2飾り図柄停止フラグがセットされているときは、復旧中に第2飾り図柄の変動が行われた後に変動が停止したと判断できる。従って、第2表示結果受信フラグがセットされ、かつ、第2飾り図柄停止フラグがセットされていないときに、第2飾り図柄が変動中であると判断されることになる。
第2飾り図柄が変動中でないときは(ステップS553のN)、電源断の発生時に変動中であった飾り図柄の変動は全て終了していることになる。すなわち、電源断の発生時に第1飾り図柄のみ変動中であり、復旧後に第1飾り図柄の残り変動時間が経過して第1飾り図柄の変動が終了したこと、または、電源断の発生時に第1飾り図柄および第2飾り図柄の双方が変動中であり、復旧後に第2飾り図柄の残り変動時間が経過して第2飾り図柄の変動が終了した後に第1飾り図柄の残り変動時間が経過して第1飾り図柄の変動が終了したことを意味する。この場合、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに第1飾り図柄の停止図柄に対応した背景図柄の停止図柄を表示する(ステップS554)。なお、このとき導出表示される背景図柄の停止図柄は、停電復旧時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される第1表示結果コマンドにもとづいてステップS520にて既に決定されている背景図柄の停止図柄である。第1表示結果コマンドが示す表示結果がはずれのときは背景図柄の停止図柄もはずれ図柄になり、表示結果が通常大当りのときは背景図柄の停止図柄も通常大当り図柄(非確変図柄)になり、表示結果が確変大当りのときは背景図柄の停止図柄も確変大当り図柄(確変図柄)になる。その後、ステップS562の処理に移行する。一方、第2飾り図柄が変動中であるときは(ステップS553のY)、電源断の発生時に変動中であった飾り図柄の変動は全て終了していないことになる。この場合は、ステップS559の処理に移行する。
ステップS550において、飾り図柄停止指定コマンドが第1飾り図柄停止指定コマンドでない場合、すなわち第2飾り図柄停止指定コマンドである場合は(ステップS550のN)、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄停止フラグをセットし(ステップS555)、第2飾り図柄表示領域9cにおいて変動している第2飾り図柄の停止図柄を導出表示する(ステップS556)。なお、このとき導出表示される第2飾り図柄の停止図柄は、停電復旧時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される第2表示結果コマンドにもとづいてステップS520にて既に決定されている第2飾り図柄の停止図柄である。
そして、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS557)。第1飾り図柄が変動中であるか否かは、ステップS553と同じように、第1表示結果受信フラグがセットされているか否かと、第1飾り図柄停止フラグがセットされているか否かとによって確認することができる。
第1飾り図柄が変動中でないときは(ステップS557のN)、電源断の発生時に変動中であった飾り図柄の変動は全て終了していることになる。すなわち、電源断の発生時に第2飾り図柄のみ変動中であり、復旧後に第2飾り図柄の残り変動時間が経過して第2飾り図柄の変動が終了したこと、または、電源断の発生時に第1飾り図柄および第2飾り図柄の双方が変動中であり、復旧後に第1飾り図柄の残り変動時間が経過して第1飾り図柄の変動が終了した後に第2飾り図柄の残り変動時間が経過して第2飾り図柄の変動が終了したことを意味する。この場合、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに第2飾り図柄の停止図柄に対応した背景図柄の停止図柄を表示する(ステップS558)。なお、このとき導出表示される背景図柄の停止図柄は、停電復旧時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される第2表示結果コマンドにもとづいてステップS520にて既に決定されている背景図柄の停止図柄である。その後、ステップS562の処理に移行する。一方、第1飾り図柄が変動中であるときは(ステップS557のY)、電源断の発生時に変動中であった飾り図柄の変動は全て終了していないことになる。この場合は、ステップS559の処理に移行する。
ステップS559では、演出制御用CPU101は、ステップS552またはステップS556において導出表示された第1飾り図柄または第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを確認する。一方の飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるときは、他方の飾り図柄が変動中であったとしても、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を表示し、大当り遊技状態に移行する必要がある。そのため、第1飾り図柄または第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄である場合は(ステップS559のY)、演出制御用CPU101は、背景図柄の停止図柄として大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)を背景図柄表示領域9aに表示し(ステップS560)、飾り図柄プロセスフラグ(第1飾り図柄プロセスフラグまたは第2飾り図柄プロセスフラグ)の値を大当り表示処理(第1大当り表示処理または第2大当り表示処理)を示す値に更新し(ステップS561A)、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理を示す値に更新する(ステップS561B)。これにより、大当り図柄が表示されて、大当り遊技状態に移行されることになる。なお、大当り表示処理を示す値に更新していない飾り図柄プロセスフラグの値は、初期化処理(ステップS701)にて設定された初期値(変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値)のまま更新されない。そして、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止フラグ(第1飾り図柄停止フラグ、第2飾り図柄停止フラグ)をリセットし(ステップS564)、表示結果受信フラグ(第1表示結果受信フラグ、第2表示結果受信フラグ)をリセットし(ステップS565)、復旧中フラグをリセットして(ステップS566)、ステップS511の処理に移行する。
第1飾り図柄または第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄でなくはずれ図柄である場合は(ステップS559のN)、そのままステップS511の処理に移行する。
ステップS562では、演出制御用CPU101は、ステップS554またはステップS558において表示された背景図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを確認する。背景図柄の停止図柄が大当り図柄である場合は(ステップS562のY)、ステップS561A,S561Bの処理に移行する。すなわち、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理を示す値に更新し(ステップS561A)、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理を示す値に更新する(ステップS561B)。そして、ステップS564〜S566の処理を実行し、ステップS511の処理に移行する。
一方、背景図柄の停止図柄が大当り図柄でない場合は(ステップS562のN)、飾り図柄プロセスフラグ(第1飾り図柄プロセスフラグおよび第2飾り図柄プロセスフラグ)の値を変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値(第1変動パターンコマンド受信待ち処理および第2変動パターンコマンド受信待ち処理)に更新し(ステップS563A)、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理を示す値に更新する(ステップS563B)。なお、停電復旧後の飾り図柄プロセスフラグの値は、初期化処理(ステップS701)にて設定された初期値(変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値)であるので、ステップS563Aの処理を実行しないようにしてもよい。同様に、停電復旧後の背景図柄プロセスフラグの値は、初期化処理(ステップS701)にて設定された初期値(背景図柄変動開始待ち処理を示す値)であるので、ステップS563Bの処理を実行しないようにしてもよい。そして、ステップS564〜S566の処理を実行し、ステップS511の処理を移行する。
ステップS512で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には(ステップS540のN)、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS570)。例えば、背景指定コマンドを受信した場合には、背景指定コマンドが示す遊技状態に応じたフラグをセットする。
次に、電力供給が停止された後に復旧したときの復旧中の表示状態について説明する。図53は、電力供給が復旧したときの各演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミングチャートである。また、図54は、電力供給が復旧したときの可変表示装置等の表示状態の例を示すタイミング図である。
図53に示すように、第1特別図柄が変動開始可能な状態になると、その変動が開始される前に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、そのときの遊技状態に応じた背景指定コマンドが送信され(ステップS54)、第1表示結果指定コマンドが送信される(ステップS84)。そして、第1変動パターンコマンドが送信され(ステップS114)、第1始動入賞記憶指定コマンドが送信される(ステップS414)。なお、これらの演出制御コマンドの送信順序は、図53に示した順序に限られるわけではなく、例えば、背景指定コマンド、第1変動パターンコマンド、第1表示結果指定コマンド、第1始動入賞記憶指定コマンドの順に送信されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンドにもとづいて可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて遊技状態に応じた背景画像に表示し、第1表示結果指定コマンドにもとづいて第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄を決定し、第1変動パターンコマンドにもとづいて第1飾り図柄(図53の例では背景図柄)の変動を開始し、背景図柄の保留記憶表示を1つ消去する。
図53には示していないが、第2特別図柄が変動開始可能な状態になったときも、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、背景指定コマンド、第2表示結果指定コマンド、第2変動パターンコマンド、および第2始動入賞記憶指定コマンドが送信される(第2特別図柄プロセス処理におけるステップS54、S84、S114に相当する処理、ステップS415)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンドにもとづいて遊技状態に応じた背景画像を表示し、第2表示結果指定コマンドにもとづいて第2飾り図柄および背景図柄の停止図柄を決定し、第2変動パターンコマンドにもとづいて第2飾り図柄の変動を開始する。なお、図53に示す例では、第2飾り図柄の変動の開始と同期して背景図柄の変動が開始されていないので、背景図柄の変動開始に背景図柄の保留記憶の更新表示(1つ消去)は行われないが、切替ポイントにおいて背景図柄の保留記憶の更新表示(1つ消去)が行われる。
このときの表示状態は、図54(a)に示すように、第1飾り図柄、第2飾り図柄および背景図柄が変動表示されている状態である。なお、第1飾り図柄の変動ははずれ変動(停止図柄がはずれ図柄になる変動)であり、第2飾り図柄の変動ははずれ変動または大当り変動(停止図柄が大当り図柄になる変動)である。また、第2特別図柄の保留記憶数は2個であり、背景図柄の保留記憶数も2個である。
図53に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の変動の途中で電源断が発生すると、電源断の発生が検出され、電力供給停止時処理が実行される(図7のステップS20、図36および図37)。これにより、RAM55の記憶内容が所定期間保持されることになる。その後、電力供給が再開され、所定の復旧条件が成立したときには(ステップS6〜S8)、バックアップRAM55の記憶内容にもとづいて遊技状態を電力供給の停止前の状態に復旧するための処理(ステップS41,S42)が実行される。そして、遊技状態復旧処理(ステップS43、図38)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、停電復旧表示指定コマンドが送信され(ステップS501)、第1表示結果指定コマンドが送信され(ステップS503)、第2表示結果指定コマンドが送信される(ステップS505)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧表示指定コマンドを受信すると(ステップS530のY)、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに停電復旧中画面を表示する(ステップS531)。このときの表示状態は、図54(b)に示すように、第1飾り図柄および第2飾り図柄が変動表示され、背景図柄表示領域9aに「停電復旧中」の文字が表示されている状態である。
その後、第1特別図柄における停電復旧後の残り変動時間が経過したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に第1飾り図柄停止指定コマンドが送信される(ステップS152)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、復旧中に第1飾り図柄停止指定コマンドを受信すると(ステップS540のY、S541のY、S550のY)、第1飾り図柄の停止図柄を表示する(ステップS552)。そして、このとき、第2飾り図柄が変動中であり(ステップS553のY)、第1飾り図柄の停止図柄が大当り図柄でないので(ステップS559のN)、ステップS511の処理に移行する。このときの表示状態は、図54(c)に示すように、第1飾り図柄(および第1特別図柄)の停止図柄としてはずれ図柄「2」が表示され、第2飾り図柄(および第2特別図柄)が変動表示され、背景図柄表示領域9aに「停電復旧中」の文字が表示されている状態である。
その後、第2特別図柄における停電復旧後の残り変動時間が経過したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に第2飾り図柄停止指定コマンドが送信される(第2はずれ図柄停止処理におけるステップS152に相当する処理)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、復旧中に第2飾り図柄停止指定コマンドを受信すると(ステップS540のY、S541のY、S550のN)、第2飾り図柄の停止図柄を表示する(ステップS556)。そして、このとき、第1飾り図柄が変動中でないので(ステップS557のN)、背景図柄の停止図柄も表示する(ステップS558)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄の停止図柄が大当り図柄であれば(ステップS562のY)、第2飾り図柄プロセスフラグの値を第2大当り表示処理を示す値に更新し、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理を示す値に更新して、大当り遊技を開始させる(ステップS561A,561B)。一方、背景図柄の停止図柄がはずれ図柄であれば(ステップS562のN)、第2飾り図柄プロセスフラグの値を第2飾り図柄変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値に更新し、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理を示す値に更新して、変動開始待ちの状態にする(ステップS563A,S563B)。
このときの表示状態は、図54(d)に示すように、背景図柄表示領域9aにはずれ図柄「351」が表示され、第1飾り図柄(および第1特別図柄)の停止図柄としてはずれ図柄「2」が表示され、第2飾り図柄(および第2特別図柄)の停止図柄としてはずれ図柄「4」が表示されている状態である。なお、図54に示す例では、背景図柄の停止図柄がはずれ図柄であるので、変動開始待ちの状態に移行される。
第2特別図柄が変動開始可能な状態になると、第2特別図柄の保留記憶にもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、背景指定コマンド、第2表示結果指定コマンド、第2変動パターンコマンド、および第2始動入賞記憶指定コマンドが送信される(第2特別図柄プロセス処理におけるステップS54、S84、S114に相当する処理、ステップS415)。そして、第2特別図柄の変動が開始されるとともに、第2特別図柄の変動と同期して第2飾り図柄および背景図柄の変動も開始される。
図54(b)〜(d)に示すように、停電復旧後に直ちにメモリ表示領域9dにおいて背景図柄の保留記憶が表示されず、図54(e)に示すように、停電復旧後における背景図柄の保留記憶数の更新タイミングになったときに背景図柄の保留記憶が表示される。具体的には、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100が、停電復旧後に遊技制御用マイクロコンピュータ560からの始動入賞記憶指定コマンド(第2始動入賞記憶指定コマンド)を初めて受信すると(ステップS513のY)、そのコマンドにもとづいて背景図柄の保留記憶数を更新表示する(ステップS514、図55のステップS631〜635参照)。
図55は、背景図柄保留記憶表示制御処理(ステップS514)を示すフローチャートである。背景図柄保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドが第1始動入賞記憶指定コマンド(C0XX(H))であるか第2始動入賞記憶指定コマンド(C1XX(H))であるかを確認する(ステップS631)。
第1始動入賞記憶指定コマンドであれば(ステップS631のY)、第1飾り図柄の保留記憶数(第1特別図柄の保留記憶数と同じ)をカウントする第1保留記憶表示数カウンタの値よりも第1始動入賞記憶指定コマンドが示す値の方が大きいか否かを判定する(ステップS632)。すなわち、第1保留記憶表示数カウンタの値が加算更新(+1)されるか否かを判定する。例えば、第1保留記憶表示数カウンタの値がnであり、第1始動入賞記憶指定コマンドが示す値がn+1のときは、第1保留記憶表示数カウンタの値が加算更新(+1)されると判断し、第1保留記憶表示数カウンタの値がnであり、第1始動入賞記憶指定コマンドが示す値がn−1のときは、第1保留記憶表示数カウンタの値が減算更新(−1)されると判断する。第1保留記憶表示数カウンタの値が加算更新されるときは(ステップS632のY)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示数カウンタに第1始動入賞記憶指定コマンドが示す値を代入して加算更新(+1)する(ステップS633)。そして、第1保留記憶表示数カウンタの値と第2保留記憶表示数カウンタの値とを合算(合計)した値をカウントする合算保留記憶表示数カウンタ(可変表示装置9のメモリ表示領域9dに実際に表示されている背景図柄保留記憶表示の数をカウントするカウンタ)の値を加算更新(+1)し(ステップS636)、メモリ表示領域9dに背景図柄保留記憶表示を1つ点灯する制御を実行する(ステップS637)。
また、第2始動入賞記憶指定コマンドであれば(ステップS631のN)、第2飾り図柄の保留記憶数(第2特別図柄の保留記憶数と同じ)をカウントする第2保留記憶表示数カウンタの値よりも第2始動入賞記憶指定コマンドが示す値の方が大きいか否かを判定する(ステップS634)。すなわち、第2保留記憶表示数カウンタの値が加算更新(+1)されるか否かを判定する。例えば、第2保留記憶表示数カウンタの値がnであり、第2始動入賞記憶指定コマンドが示す値がn+1のときは、第2保留記憶表示数カウンタの値が加算更新(+1)されると判断し、第2保留記憶表示数カウンタの値がnであり、第2始動入賞記憶指定コマンドが示す値がn−1のときは、第2保留記憶表示数カウンタの値が減算更新(−1)されると判断する。第2保留記憶表示数カウンタの値が加算更新されるときは(ステップS634のY)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示数カウンタに第2始動入賞記憶指定コマンドが示す値を代入して加算更新(+1)する(ステップS635)。そして、合算保留記憶表示数カウンタの値を加算更新(+1)し(ステップS636)、メモリ表示領域9dに背景図柄保留記憶表示を1つ点灯する制御を実行する(ステップS637)。
第1保留記憶表示数カウンタの値が減算更新されるとき(ステップS632のN)、および第2保留記憶表示数カウンタの値が減算更新されるときは(ステップS634のN)、背景図柄は必ずしも飾り図柄の変動と同期して変動開始されるわけではないので、そのまま処理を終了する。この場合は、背景図柄の変動が開始されるとき(ステップS914,S915)、または背景図柄の変動中の切替ポイントになったときに(ステップS972,S974)、合算保留記憶表示数カウンタの値が減算更新(−1)され、背景図柄保留記憶表示を1つ消去する制御が実行される。
電力供給が停止された後に電力供給が再開され、停電状態から復旧した場合は、初期化処理(ステップS701)において、第1保留記憶表示数カウンタ、第2保留記憶表示数カウンタおよび合算保留記憶表示数カウンタの初期値として0が設定される。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100が、停電復旧後に初めて始動入賞記憶指定コマンド(第1始動入賞記憶指定コマンド、第2始動入賞記憶指定コマンド)を受信すると(ステップS513のY)、常に、第1保留記憶表示数カウンタの値よりも第1始動入賞記憶指定コマンドが示す値の方が大きくなり(ステップS632のY)、また、第2保留記憶表示数カウンタの値よりも第2始動入賞記憶指定コマンドが示す値の方が大きくなる(ステップS634のY)。その結果、第1保留記憶表示数カウンタまたは第2保留記憶表示数カウンタが加算更新(0のままの場合もある)され(ステップS633,S635)、合算保留記憶表示数カウンタの値も加算更新されて(ステップS636)、合算保留記憶表示数カウンタの示す値の背景図柄の保留記憶数が更新表示されることになる(ステップS637)。これにより、図54(e)に示したように、背景図柄の保留記憶表示が表示されることになる。
図56および図57は、図柄変動制御処理(ステップS517)を示すフローチャートである。図柄変動制御処理において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドが第1変動パターンコマンドであるか否かを確認する(ステップS641)。第1変動パターンコマンドでないときは(ステップS641のN)、第2変動パターンコマンドを受信したときの処理であるステップS662以降の処理に移行する。
第1変動パターンコマンドを受信したときは(ステップS641のY)、演出制御用CPU101は、第1変動パターンを受信したことを示す第1変動パターン受信フラグをセットする(ステップS642)。そして、背景図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS643)。なお、背景図柄が変動中であるか否かは、ステップS527と同様に、背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。背景図柄が変動中でないということは(ステップS643のN)、第1飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始可能であることを意味しているので、背景図柄の変動が開始可能であることを示す背景図柄変動開始フラグをセットする(ステップS644)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS645)。なお、第2飾り図柄が変動中であるか否かは、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるときは、第2飾り図柄は変動中ではなく、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値でないときは、第2飾り図柄は変動中である。なお、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2大当り表示処理および第2大当り遊技中処理を示す値のときは、第1変動パターンコマンドが送信されない(図12のステップS314参照)。
第2飾り図柄が変動中でないときは、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄が変動中であるときは、演出制御用CPU101は、変動中の第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS646)。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であるということは、その後に変動開始される背景図柄の切替ポイントにおいて変動パターンが切り替えられる可能性があることを意味する。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンドを受信したタイミングが第2飾り図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS647)。第2飾り図柄の変動開始後10秒以内でないときは、図45に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われることがないので、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄の変動開始後10秒以内であれば、図45に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われるようにするために、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS648)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄よりも先に第1飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS649)、第2飾り図柄よりも先に第1飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS649のY)、変動時間変更Aフラグをセットする(ステップS650)。変動時間変更Aフラグがセットされると、図45に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
ステップS643において、背景図柄が変動中であるということは(ステップS643のY)、第1飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動を開始することができないことを意味している。この場合、すでに第1始動入賞記憶指定コマンドを受信したことにより背景図柄保留記憶表示が点灯されており(ステップS637参照)、また、直ちに第1特別図柄(および第1飾り図柄)の変動が開始されることにより第1特別図柄保留記憶表示が1つ消去される(第1保留記憶数カウンタの値が1減算される:ステップS53参照)ので、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶表示の数の合計と背景図柄の保留記憶表示の数との差が生じることになる。従って、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値を+1する(ステップS651)。
なお、差数カウンタは、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶表示の数の合計と、背景図柄の保留記憶表示の数との差をカウントするカウンタである。つまり、第1保留記憶数カウンタのカウント値と第2保留記憶数カウンタのカウント値の合計と、背景図柄の保留記憶表示として実際に表示されている表示数との差をカウントするカウンタである。
次いで、演出制御用CPU101は、変動中の背景図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS652)。背景図柄の変動時間が20秒以上であるということは、変動中の背景図柄において切替ポイントが存在していることを意味する。背景図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンドを受信したタイミングが背景図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS653)。背景図柄の変動開始後10秒以内でないということは、切替ポイントの後に第1飾り図柄の変動が開始されることを意味する。この場合は、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動開始後10秒以内であれば、切替ポイントの前に第1飾り図柄の変動が開始されるので、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS654)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンドで指定された第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS655)。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、図44に示したような背景図柄の変動時間を変更する必要性が生じないからである。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、変動中の背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動開始されたか(つまり、現在、背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動中であるか)どうかを確認する(ステップS656)。背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動開始されたか否かは、例えば、背景図柄の変動時間を計測する背景変動時間タイマの値と第2飾り図柄の変動時間を計測する第2変動時間タイマの値とが同じ値であるかどうかを確認することにより行われる。
背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動開始されたということは、図44に示すように、第2飾り図柄(図44では第1飾り図柄)と背景図柄とが同期して変動開始され、その変動開始後10秒以内に第1飾り図柄(図44では第2飾り図柄)の変動が開始されたことを意味する。このような場合は、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄(および背景図柄)よりも後に第1飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS657)、第2飾り図柄よりも後に第1飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS657のY)、変動時間変更Bフラグをセットする(ステップS658)。変動時間変更Bフラグがセットされると、図44に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
ステップS641において、第1変動パターンコマンドではなく第2変動パターンコマンドであると判定されたときは(ステップS641のN)、演出制御用CPU101は、図56に示したステップS642〜S658の処理と同内容の第2変動パターンコマンドを受信した場合の処理を実行する。すなわち、演出制御用CPU101は、第2変動パターンを受信したことを示す第2変動パターン受信フラグをセットする(ステップS662)。そして、背景図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS663)。背景図柄が変動中でないということは(ステップS663のN)、第2飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始可能であることを意味しているので、背景図柄の変動が開始可能であることを示す背景図柄変動開始フラグをセットする(ステップS664)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS665)。なお、第1飾り図柄が変動中であるか否かは、第1飾り図柄プロセスフラグの値が第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。第1飾り図柄プロセスフラグの値が第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるときは、第1飾り図柄は変動中ではなく、第1飾り図柄プロセスフラグの値が第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値でないときは、第1飾り図柄は変動中である。
第1飾り図柄が変動中でないときは、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄が変動中であるときは、演出制御用CPU101は、変動中の第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS666)。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であるということは、その後に変動開始される背景図柄の切替ポイントにおいて変動パターンが切り替えられる可能性があることを意味する。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、第2変動パターンコマンドを受信したタイミングが第1飾り図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS667)。第1飾り図柄の変動開始後10秒以内でないときは、図45に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われることがないので、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄の変動開始後10秒以内であれば、図45に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われるようにするために、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS668)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄よりも先に第2飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS669)、第1飾り図柄よりも先に第2飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS669のY)、変動時間変更Aフラグをセットする(ステップS670)。変動時間変更Aフラグがセットされると、図45に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
ステップS663において、背景図柄が変動中であるということは(ステップS663のY)、第2飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動を開始することができないことを意味している。この場合、すでに第2始動入賞記憶指定コマンドを受信したことにより背景図柄保留記憶表示が点灯されており(ステップS637参照)、また、直ちに第2特別図柄(および第2飾り図柄)の変動が開始されることにより第2特別図柄保留記憶表示が1つ消去される(第2保留記憶数カウンタの値が1減算される)ので、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶表示の数の合計と背景図柄の保留記憶表示の数との差が生じることになる。従って、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値を+1する(ステップS671)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動中の背景図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS672)。背景図柄の変動時間が20秒以上であるということは、変動中の背景図柄において切替ポイントが存在していることを意味する。背景図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、第2変動パターンコマンドを受信したタイミングが背景図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS673)。背景図柄の変動開始後10秒以内でないということは、切替ポイントの後に第1飾り図柄の変動が開始されることを意味する。この場合は、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動開始後10秒以内であれば、切替ポイントの前に第2飾り図柄の変動が開始されるので、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS674)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2変動パターンコマンドで指定された第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS675)。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、図44に示したような背景図柄の変動時間を変更する必要性が生じないからである。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、変動中の背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動開始されたか(つまり、現在、背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動中であるか)どうかを確認する(ステップS676)。背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動開始されたか否かは、例えば、背景図柄の変動時間を計測する背景変動時間タイマの値と第1飾り図柄の変動時間を計測する第1変動時間タイマの値とが同じ値であるかどうかを確認することにより行われる。
背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動開始されたということは、図44に示すように、第1飾り図柄と背景図柄とが同期して変動開始され、その変動開始後10秒以内に第2飾り図柄の変動が開始されたことを意味する。このような場合は、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄(および背景図柄)よりも後に第2飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS677)、第1飾り図柄よりも後に第2飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS677のY)、変動時間変更Bフラグをセットする(ステップS678)。変動時間変更Bフラグがセットされると、図44に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
図58は、図48に示されたメイン処理における第1飾り図柄プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。第1飾り図柄プロセス処理では、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S805のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、第2飾り図柄プロセス処理(ステップS706)も、制御対象が可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cで可変表示される第2飾り図柄であるという違いはあるが、第1飾り図柄プロセス処理と同様に構成される。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(第1変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、第1変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(第1変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。第1変動パターン受信フラグは、ステップS642の処理にてセットされる。第1変動パターンコマンドを受信した場合には、第1変動パターンコマンドで指定された第1飾り図柄の変動時間を確認して決定する。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801):第1飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンに応じて決められている第1飾り図柄の変動時間の終了を監視する。変動時間が終了したら、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄停止処理(ステップS803):第1飾り図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
第1大当り表示処理(ステップS804):大当り表示の制御を行う。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
第1大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放時表示や大入賞口開放後表示(大入賞口閉鎖中表示)の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。大当り遊技が終了したら、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図59は、第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。第1変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、第1変動パターン受信フラグがセットされたか否かを確認し(ステップS811)、そのフラグがセットされたときは、第1変動パターン受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、第1変動パターンコマンドで指定された内容にもとづいて第1飾り図柄の変動時間を決定し(ステップS813)、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動開始処理を示す値に更新する(ステップS814)。なお、変動停止時に導出表示される第1飾り図柄の停止図柄は、ステップS520の処理にて既に決定され格納されている。演出制御用CPU101は、このように設定された第1飾り図柄の停止図柄と変動時間とにもとづいて、第1飾り図柄の変動する制御を開始することになる。
図60は、第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の変動表示を開始する(ステップS815)。そして、ステップS813にて決定した第1飾り図柄の変動時間を第1変動時間タイマにセットしてスタートさせる(ステップS816)。その後、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理を示す値に更新する(ステップS817)。
図61は、第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、第1変動中断フラグがセットされているか否か確認し(ステップS821)、変動中断フラグがセットされていなければ、中断コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS822)。中断コマンドを受信していなければ、演出制御用CPU101は、第1変動時間タイマの値を−1し(ステップS823)、第1飾り図柄の変動表示を継続して実行する(ステップS824)。また、演出制御用CPU101は、第1変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認し(ステップS825)、タイムアウトしたときは、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS826)。
中断コマンドを受信していれば、演出制御用CPU101は、第1変動中断フラグをセットし(ステップS827)、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにはずれ図柄を停止表示する(ステップS828)。また、第1飾り図柄の変動が継続中であることを報知する表示を第1飾り図柄表示領域9bにおいて行うように構成されていてもよい(ステップS829)。なお、図41に示した例では、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて飾り図柄(図41では第2飾り図柄)の変動が継続中であることを報知する表示が行われている。なお、ステップS828の処理で飾り図柄を停止表示させる場合に、演出制御用CPU101は、飾り図柄を完全に停止させるのではなく、飾り図柄をゆれ変動(例えば、上下方向に移動したり戻ったりするような変動が繰り返されること)させるようにしてもよい。
また、ステップS821で変動中断フラグがセットされていることを確認したら(ステップS821のY)、演出制御用CPU101は、再開コマンドを受信したか否か確認する(ステップS830)。再開コマンドを受信していれば、第1変動中断フラグをリセットするとともに(ステップS831)、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄の変動を再開させる(ステップS832)。そして、ステップS823〜S826の処理を実行する。再開コマンドを受信していなければ(ステップS830のN)、第1飾り図柄変動中処理を終了する。
以上のように、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cに大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、中断コマンドを受信したことにもとづいて第1変動中断フラグをセットするとともに変動中断処理を行う。そして、再開コマンドを受信するまでステップS823〜S826の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1飾り図柄の変動を行わない制御がなされる。
図62は、図48に示されたメイン処理における背景図柄プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。背景図柄プロセス処理では、演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値に応じてステップS900〜S907のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
なお、第1特別図柄または第2特別図柄の保留記憶が残っている場合(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタの値が0でない場合)も考えられる。具体的には、第1始動入賞または第2始動入賞が発生し、第1特別図柄または第2特別図柄の保留記憶(始動入賞記憶)が複数個溜まった状態で、電源断が発生したような場合である。この場合、電源断から復旧すると、第1特別図柄または第2特別図柄の保留記憶が復元され、復旧中の状態のとき(電源断から復旧してから電源断時に変動中であった特別図柄の変動が全て終了するまで)に、新たに第1特別図柄または第2特別図柄の変動が開始され、変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。しかし、復旧中の状態のときに、変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されると、変動パターンコマンドにもとづいて第1飾り図柄または第2飾り図柄の変動が開始され、それに応じて背景図柄の変動も開始される結果、図53および図54に示した停電復旧中の表示を行うことができなくなってしまうおそれもある。そこで、復旧中の状態のとき、すなわち、復旧中フラグがセットされているときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄プロセス処理(ステップS707)を実行しないように構成されている。具体的には、背景図柄プロセス処理の各処理を実行する前に、復旧中フラグがセットされているか否かを確認し、復旧中フラグがセットされているときは、各処理を実行せずに処理を終了する(各処理を禁止する制御を実行する)。
背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900):背景図柄の変動開始条件(第3の開始条件)が成立したかどうかを確認する。具体的には、ステップS644またはステップS664において背景図柄変動開始フラグがセットされたときは、第1飾り図柄または第2飾り図柄と同期して背景図柄の変動が開始できると判断する。また、背景図柄変動開始フラグがセットされていない場合でも、差数カウンタの値が1以上であれば、未消化の変動を開始しなければならないと判断する。背景図柄の変動開始条件が成立した場合には、背景図柄の変動時間および変動態様(変動期間中の背景図柄の変動速度や、背景、キャラクタの種類、キャラクタの表示開始時期など)を決定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS901)に対応した値に更新する。
予告選択処理(ステップS901):予告演出を実行するか否かと、実行する場合の予告演出の演出態様を決定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始処理(ステップS902)に対応した値に更新する。
背景図柄変動開始処理(ステップS902):左中右の背景図柄の変動が開始されるように制御する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動中処理(ステップS903)に対応した値に更新する。なお、背景図柄の変動開始時に変動時間の変更を行う必要がある場合には、背景図柄の変動時間を変更する処理も行う。
背景図柄変動中処理(ステップS903):背景図柄の変動表示の制御を実行する。また、予告演出を実行すると決定された場合には、所定のタイミングで予告演出を実行する。また、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行う必要がある場合には、変動パターンの切り替えを行う。変動パターンの切り替えを行ったときは、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄切替後変動中処理(ステップS904)に対応した値に更新する。また、背景図柄の変動時間の終了を監視する。背景図柄の変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理(ステップS905)に対応した値に更新する。なお、背景図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御も行う。
背景図柄切替後変動中処理(ステップS904):変動パターンの切り替え後における背景図柄の変動表示の制御を実行する。また、予告演出を実行する必要がある場合には、所定のタイミングで所定の演出態様の予告演出を実行する。また、背景図柄の変動時間の終了を監視する。背景図柄の変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理(ステップS905)に対応した値に更新する。なお、背景図柄切替後変動中処理においても、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御を行う。
背景図柄停止処理(ステップS905):背景図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、停止図柄がはずれ図柄であれば、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に対応した値に更新し、停止図柄が大当り図柄であれば、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS906)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS906):大当り表示の制御を行う。そして、背景図柄プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS907)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS907):大当り遊技中の制御を行う。例えば、ラウンド数の表示制御やラウンド間のインターバル表示制御等を行う。大当り遊技が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に対応した値に更新する。
図63は、背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始待ち処理において、演出制御用CPU101は、まず、図柄強制同期フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS910A)。図柄強制同期フラグは、例えば、第1飾り図柄と背景図柄が同期して変動しているときに、大当りとなる第2飾り図柄の変動が開始される時点でセットされる(ステップS528参照)。図柄強制同期フラグがセットされていれば(ステップS910AのY)、演出制御用CPU101は、大当りになる飾り図柄の残り変動時間にもとづいて変動パターンを決定する(ステップS910B)。例えば、第1飾り図柄と背景図柄の変動における切替ポイントの経過後に、大当りになる第2飾り図柄の変動が開始され、その第2飾り図柄の変動時間が30秒であった場合に、第1飾り図柄と背景図柄の変動が終了した後に、新たに第1飾り図柄と背景図柄が同期して変動が開始される。このとき、ステップS910AにおいてYとなり、ステップS910Bにおいて第2飾り図柄の残り変動時間(例えば25秒)に応じた変動パターンが決定される。その後、背景図柄プロセスフラグの値を予告選択処理を示す値に更新する(ステップS916)。
図柄強制同期フラグがセットされていないときは(ステップS910AのN)、演出制御用CPU101は、背景図柄変動開始フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS911)。背景図柄変動開始フラグがセットされているということは、第1飾り図柄または第2飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始可能であることを意味する。背景図柄変動開始フラグがセットされているときは(ステップS911のY)、背景図柄変動開始フラグをリセットする(ステップS912)。そして、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド(背景図柄と同期して変動が開始される飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド)の内容にもとづいて背景図柄の変動パターンを決定する(ステップS913)。
なお、背景図柄と同期して変動が開始される飾り図柄が第1飾り図柄であるか第2飾り図柄であるかは、例えば、背景図柄変動開始フラグを第1背景図柄変動開始フラグ(ステップS644でセットされるフラグ)と第2背景図柄変動開始フラグ(ステップS664でセットされるフラグ)とに分けて、いずれのフラグがセットされたかによって識別するようにしてもよい。
なお、ステップS913において、差数カウンタの値が所定値(例えば3)以上であるかどうかを判定して、所定値以上であるときは、変動時間(CPU56からの変動パターンコマンドにもとづく変動時間:例えば10秒)内に2回停止して3回の変動が実行されたように見せる特別な変動パターンを選択するように構成されていてもよい。この場合は、それぞれの背景図柄の停止時に背景図柄の保留記憶表示を消去するとともに、保留記憶表示数カウンタの値を−1し、また差数カウンタの値を−1するように構成される。
そして、演出制御用CPU101は、保留記憶表示数カウンタ(第1保留記憶表示数カウンタまたは第2保留記憶表示数カウンタ、合算保留記憶表示数カウンタ)の値を−1し(ステップS914)、背景図柄保留記憶表示を1つ消去する(ステップS915)。その後、背景図柄プロセスフラグの値を予告選択処理を示す値に更新する(ステップS916)。
ステップS911において、背景図柄変動開始フラグがセットされていないときは(ステップS911のN)、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(ステップS917)。差数カウンタの値が1以上であるということは、未消化の背景図柄の変動が存在しているため、背景図柄の変動を行う必要があることを意味する。この場合は、差数カウンタの値を−1するとともに(ステップS918)、なるべく早く未消化の変動を消化させるために、変動時間が最も短い変動パターン(通常遊技状態のときは10秒の変動パターン、時短状態のときは5秒の変動パターン)を決定する(ステップS919)。そして、上述したステップS914〜ステップS916の処理を実行する。
図64は、予告選択処理(ステップS901)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、これから変動を開始する変動パターンがリーチを伴う変動パターンであるか否かを確認する(ステップS921)。リーチを伴う変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、予告決定用乱数を抽出し(ステップS922)、予告決定用乱数と予告決定テーブルとにもとづいて、予告演出を行うか否かと、行う場合の予告演出の演出態様を決定する(ステップS923)。
図65は、予告決定テーブルの一例を示す説明図である。図65に示す例では、予告決定用乱数(この例では、0〜7のいずれか)の値が0、1、3であれば、予告演出Aという演出態様の予告演出を行うことに決定される。また、予告決定用乱数の値が5であれば、予告演出Bという演出態様の予告演出を行うことに決定される。また、予告決定用乱数の値が7であれば、予告演出Cという演出態様の予告演出を行うことに決定される。そして、予告決定用乱数の値が2または4であれば、予告演出を行わないことに決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS923にて予告演出を実行することに決定されたときは(ステップS924)、決定された予告態様をRAMにおける所定の記憶領域(例えば予告態様記憶領域)に記憶する(ステップS925)。そして、予告演出の実行タイミングを計測する予告実行タイマをスタートさせ、予告演出を実行することを示す予告実行フラグをセットする(ステップS926、S927)。その後、演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始処理を示す値に更新する(ステップS928)。
図66は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で背景図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図66に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じた変動態様のそれぞれに応じて用意されている。なお、この実施の形態では、背景図柄の変動中に予告演出の実行タイミングになると、複数種類の予告演出の中から選択された所定の演出態様の予告演出が可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにて実行されるが、演出制御用CPU101は、背景図柄表示領域9aに表示されている画像に予告演出用の文字やキャラクタなどの画像を合成して表示し、また変動音よりも優先して予告音を音声出力することにより予告演出を実行する。なお、予告演出の実行の有無や演出態様に応じて異なるプロセステーブルを用意しておき、予告演出を実行するときは、演出制御用CPU101が予告演出を実行するプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルにもとづいて予告演出を所定のタイミングで実行するように構成されていてもよい。
図67は、背景図柄変動開始処理(ステップS902)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS931)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS932)。また、演出制御用CPU101は、使用する背景図柄の変動パターンに応じた変動時間を背景図柄変動時間タイマに設定してスタートさせる(ステップS933)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間変更禁止フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS934)。変動時間変更禁止フラグがセットされているということは、これから開始する変動において大当りになることを示している。変動時間変更禁止フラグがセットされていれば、ステップS935A〜S935Eの処理を実行せずに、ステップS936の処理に移行する。
変動時間変更禁止フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、変動時間変更Aフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS935A)。変動時間変更Aフラグがセットされていなければ、ステップS935B〜S935Eの処理を実行せずに、ステップS936の処理に移行する。変動時間変更Aフラグがセットされていれば、図45に示した状況(一方の飾り図柄の変動中に他方の飾り図柄の変動が開始され、他方の飾り図柄の変動と同期して背景図柄の変動が開始される状況)であることを示している。この場合、演出制御用CPU101は、変動時間変更Aフラグをリセットする(ステップS935B)。そして、延長すべき背景図柄の変動時間(延長分の変動時間)を算出する(ステップS935C)。
具体的には、図45に示す例では、背景図柄の変動を開始する時点において、第2飾り図柄の残り変動時間は15秒であり、第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は10秒である。図45で説明したように、背景図柄の変動終了タイミングを第2飾り図柄の変動終了タイミングと一致させるようにするので、背景図柄の変動時間は15秒に延長される。すなわち、背景図柄の変動時間が5秒だけ延長される。
演出制御用CPU101は、算出した延長分の変動時間をプロセスタイマに加算し(ステップS935D)、また、延長分の変動時間を背景変動時間タイマに加算する(ステップS935E)。これにより、変動開始から切替ポイントまでの通常変動の変動時間が延長されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップ936)。例えば、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動中処理(ステップS903)を示す値に更新する(ステップS937)。
図68および図69は、背景図柄変動中処理(ステップS903)を示すフローチャートである。背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、予告実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS941)。予告実行フラグがセットされていれば、予告実行タイマの値を−1し(ステップS942)、予告実行タイマがタイムアウトしたかどうかを判定する(ステップS943)。予告実行タイマがタイムアウトしていれば、予め決められている態様の予告演出を実行する(ステップS944)。例えば、図47に示したような予告演出(「もしかして・・」という文字の表示)を実行する。そして、演出制御用CPU101は、予告実行フラグをリセットし(ステップS945)、予告実行済フラグをセットする(ステップS946)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、ランプ/LED、スピーカ27)を制御する(ステップS947)。そして、プロセスデータの値を−1とし(ステップS948)、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS949)。プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS950)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS951)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間変更禁止フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS952)。変動時間変更禁止フラグがセットされていれば、ステップS953〜S957の処理を実行せずにステップS958の処理に移行する。変動時間変更禁止フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、変動時間変更Bフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS953)。変動時間変更Bフラグがセットされていなければ、ステップS954〜S957の処理を実行せずにステップS958の処理に移行する。変動時間変更Bフラグがセットされていれば、図44に示した状況(一方の飾り図柄が背景図柄と同期して変動している最中に他方の飾り図柄の変動が開始される状況)であることを示している。この場合、演出制御用CPU101は、変動時間変更Bフラグをリセットする(ステップS955)。そして、延長すべき背景図柄の変動時間(延長分の変動時間)を算出する(ステップS956)。
具体的には、図44に示す例では、第2飾り図柄の変動を開始する時点において、第1飾り図柄および背景図柄の残り変動時間は15秒であり、第2飾り図柄の変動時間は20秒である。図44で説明したように、背景図柄の変動終了タイミングを第2飾り図柄の変動終了タイミングと一致させるようにするので、背景図柄の残り変動時間は20秒に延長される。すなわち、背景図柄の変動時間が5秒だけ延長される。
演出制御用CPU101は、算出した延長分の変動時間をプロセスタイマに加算し(ステップS956)、また、延長分の変動時間を背景変動時間タイマに加算する(ステップS957)。これにより、変動開始から切替ポイントまでの通常変動の変動時間が延長されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、背景変動時間タイマの値を−1する(ステップS958)。そして、演出制御用CPU101は、図柄強制同期フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS959)。図柄強制同期フラグは、例えば、第1飾り図柄と背景図柄が同期して変動しているときに、大当りとなる第2飾り図柄の変動が開始される時点でセットされる(ステップS528参照)。図柄強制同期フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、大当りになる飾り図柄の変動時間にもとづいて新たに背景図柄の変動パターンを決定する(ステップS960A)。例えば、大当りになる第2飾り図柄の変動時間が30秒であれば、30秒の変動時間の変動パターンを決定する。ステップS960Aの処理を実行する時点では、背景図柄は通常変動(高速変動)されているので、新たに変動パターンを決定し、その変動パターンにもとづく背景図柄の変動を実行しても、遊技者に違和感を与えるおそれはない。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS960Aにて決定した変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS960B)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS960C)。また、演出制御用CPU101は、ステップS960Aにて決定した変動パターンの変動時間を背景変動時間タイマに設定してスタートさせる(ステップS960D)。
なお、このように新たに設定された変動パターンにもとづく背景図柄の変動が実行される場合は、背景図柄の停止図柄も大当り図柄に変更される。例えば、背景図柄の変動を開始するときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの表示結果コマンドにもとづいて背景図柄の停止図柄(はずれ図柄)を決定し、決定した停止図柄を背景図柄格納領域に格納する(ステップS520参照)。その後、背景図柄の変動が開始された後に、大当りを指定する表示結果コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されたときは、背景図柄の停止図柄(大当り図柄)を決定し、決定した停止図柄を背景図柄格納領域(既に格納されているはずれ図柄とは別の領域)に格納するとともに(ステップS520参照)、図柄強制同期フラグをセットする(ステップS526〜S528参照)。そして、背景図柄停止処理において、図柄強制同期フラグがセットされたと判定したときは、変動停止時に導出表示する背景図柄の停止図柄として背景図柄格納領域に格納されているはずれ図柄を大当り図柄に変更する。
次いで、演出制御用CPU101は、背景変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS961)。タイムアウトしたときは、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS962)。
タイムアウトしていなければ、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(ステップS963A)。差数カウンタの値が1以上であるときは、ステップS964の処理に移行する。差数カウンタの値が1以上でない(0である)ときは、切替フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS963B)。このとき、切替フラグがセットされているということは、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを実行する必要があることを示している。
なお、この実施の形態では、切替フラグがセットされている場合は、常に差数カウンタの値が1以上であると考えられるので、ステップS963Bの処理は設けられていなくてもよい。
切替フラグがセットされていれば、切替ポイントに達したか否かを判定する(ステップS964)。切替ポイントは、変動時間が延長されていなければ、変動開始後10秒が経過した時点であり、変動時間が変更されていれば、変動開始後10秒に延長分の時間を加えた時間が経過した時点(図45に示すように、延長前の変動時間が10秒の場合は、変動が開始されてから延長分の時間が経過した時点)である。従って、切替ポイントに達したかどうかは、例えば、背景変動時間タイマの値にもとづいて、上記の時点に達したかどうかを確認することにより行うことができる。
切替ポイントに達していれば(ステップS964のY)、演出制御用CPU101は、残り変動時間に応じた変動パターンを決定する(ステップS965)。例えば、残り変動時間が10秒のときは、10秒の変動時間の変動パターンの中から所定の変動パターンを決定し、残り変動時間が20秒のときは、20秒の変動時間の変動パターンの中から所定の変動パターンを決定する。なお、図40等に示したように、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示するために、ステップS965にて決定される変動パターンの先頭(つまり、新たに通常変動が開始される前)に背景図柄を仮停止表示する変動態様が設定されている必要がある。
演出制御用CPU101は、ステップS965にて決定した変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS966)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS967)。そして、演出制御用CPU101は、予告実行済フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS968)、予告実行済フラグがセットされていれば、予告実行タイマをスタートさせる(ステップS969)。
なお、予告実行済フラグがセットされている場合に、必ず予告演出を実行する構成に限られるわけではなく、予告実行済フラグがセットされている場合であっても、一定の割合で変動パターンの切替後に予告演出を実行しないように構成されていてもよい。この場合、変動パターンの切替後の変動において大当り図柄が導出表示されるときは、予告演出が実行される確率が高くなるように構成されているのが好ましい。具体的には、予告の実行の有無を決定するテーブルとして大当りになるときのテーブルと大当りにならないときのテーブルとに分けて用意しておく。そして、大当りにならないときのテーブルにおける予告有りに設定される判定値の数よりも大当りになるときのテーブルにおける予告有りに設定される判定値の数を多くする。このような構成によれば、切替後の変動において大当りになるときは、大当りにならないときよりも、予告演出が実行される確率が高くなる。なお、予告演出の態様も、図47に示した態様に限られるわけではなく、切替前に出現させたキャラクタを再び切替後に出現させるような予告演出や、切替前後で段階的に発展させていくような予告演出などであってもよい。
そして、演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄切替後変動中処理を示す値に更新する(ステップS970)。
なお、図柄強制同期フラグがセットされている場合において、ステップS961において背景変動時間タイマがタイムアウトしていないとき(ステップS961のN)、ステップS963A〜S969の処理が実行されずに、ステップS970の処理に移行される。
図70は、背景図柄切替後変動中処理(ステップS904)を示すフローチャートである。背景図柄切替後変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、差数カウンタの値が1以上かどうかを確認する(ステップS971)。差数カウンタの値が1以上であるということは、未消化の変動を実行する必要があることを示している。差数カウンタの値が1以上であれば、演出制御用CPU101は、保留記憶表示数カウンタ(第1保留記憶表示数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタ、合算保留記憶数カウンタ)の値を−1とし(ステップS972)、差数カウンタの値を−1とし(ステップS973)、背景図柄保留記憶表示を1つ消去する(ステップS974)。
なお、この実施の形態では、背景図柄切替後変動中処理が実行される場合は、常に差数カウンタの値が1以上であると考えられるので、ステップS971の処理は設けられていなくてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、予告実行済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS975)。予告実行済フラグがセットされていなければ、ステップS976〜S980の処理を実行せずにステップS981の処理に移行する。予告実行済フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、予告実行タイマの値を−1し(ステップS976)、予告実行タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS977)。
予告実行タイマがタイムアウトしたときは、演出制御用CPU101は、予告態様記憶領域に記憶されている実行済の予告演出の態様を確認する(ステップS978)。そして、演出制御用CPU101は、実行済の予告演出の態様に応じた予告演出を実行する(ステップS979)。例えば、図47に示したように、切替ポイントの前に「もしかして・・」という文字が表示されたときは、切替ポイントの後に「大当りかも?」という文字を表示する予告演出を実行する。そして、演出制御用CPU101は、予告実行済フラグをリセットする(ステップS980)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置を制御する(ステップS981)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を−1し(ステップS982)、プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS983)。プロセスタイマがタイムアウトしたときは、プロセスデータの切替を行う(ステップS984)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS985)。
また、演出制御用CPU101は、背景変動時間タイマの値を−1し(ステップS986)、変動時間タイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS987)。背景変動時間タイマがタイムアウトしたときは、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS988)。
以上のように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、表示結果がはずれとなる第1特別図柄(または第2特別図柄)の可変表示の実行中で、表示結果がはずれまたは大当りとなる第2特別図柄(または第1特別図柄)の実行中であって、第1特別図柄(または第2特別図柄)の残り可変表示時間が第2特別図柄(または第1特別図柄)の残り可変表示時間よりも短い場合において、遊技機への電力供給が停止し、その後に遊技機への電力供給が開始されたときに、所定の復旧条件が成立したことにもとづいて、遊技状態復旧処理において、停電復旧表示指定コマンドと、第1表示結果コマンドと、第2表示結果コマンドとを送信し(ステップS501,S503,S505)、演出制御用マイクロコンピュータ100が、停電復旧表示指定コマンドを受信したことにもとづいて可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに停電復旧中画面を表示し(ステップS530,S531)、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1特別図柄の残り可変表示時間が経過したときに第1飾り図柄停止指定コマンドを送信し(ステップS152)、第2特別図柄の残り可変表示時間が経過したときに第2飾り図柄停止指定コマンドを送信し(第2はずれ図柄停止処理におけるステップS152に相当する処理または第2大当り図柄停止処理におけるステップS142に相当する処理)、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1飾り図柄停止指定コマンドを受信した後に第2飾り図柄停止指定コマンドを受信したときに(ステップS553のY、S559のN、S557のN)、第2表示結果コマンドで指定された表示結果に対応つけた表示結果を可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに導出表示する(ステップS558)ように構成されている。このような構成によれば、停電復旧時における遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンド数を削減し、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。また、停電から復旧したことを遊技者に容易に認識させることができるとともに、停電発生時に可変表示中の特別図柄の表示結果を可変表示時間の経過時に導出表示することができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1保留記憶数を示す第1始動入賞記憶指定コマンドと、第2保留記憶数を示す第2始動入賞記憶指定コマンドとを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1始動入賞記憶指定コマンドおよび第2始動入賞記憶指定コマンドを受信したことにもとづいて背景図柄の保留記憶の表示制御を実行することにより、通常の状態のみならず、停電から復旧したときも、演出制御用マイクロコンピュータ100が停電発生時の背景図柄の保留記憶数を表示させることができ、停電から復旧したことを遊技者に容易に認識させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、停電から復旧した場合も、遊技状態復旧処理において第1始動入賞記憶指定コマンドと第2始動入賞記憶指定コマンドとを送信せずに、保留記憶数の更新タイミングなったことにもとづいて保留記憶処理において第1始動入賞記憶指定コマンドと第2始動入賞記憶指定コマンドとを送信するので、復旧中における送信コマンド数を削減することができ、復旧中における遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータは、第2大当りフラグがセットされ、かつ、第2特別図柄が変動中であるときには、第1特別図柄の停止図柄を強制的にはずれにする制御(ステップS60,S66)を実行するとともに、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄になったことにもとづいて大当り遊技が実行されているときに第1特別図柄の変動制御(第1特別図柄プロセス処理)を停止させる(ステップS314〜S316)ことにより、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されることと、第2特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されることとが同時に発生しないようにすることができる。また、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄になると決定された場合でも、2つの特別図柄の変動が同時に実行されるので、2つの特別図柄の変動が同時に実行されているか否かにより、大当りになるかはずれになるかが遊技者に悟られてしまうことはない。
また、第2大当りフラグがセットされているときは、大当りの判定(抽選処理)を行わないように構成されているので、大当りの判定処理がソフトウェアによって実現されている場合に、大当り判定のプログラムをスキップするだけで強制的にはずれにする制御を実現することができ、プログラム容量を増大させないようにすることができる。
また、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理に対応した値になったときに第1特別図柄の変動が停止されるように構成されているので(ステップS314)、簡便な処理によって、早めに第1特別図柄の変動を停止させることができる。
また、特別図柄の変動が停止されているときに(変動時間の計測が中断されているときに)、第1特別図柄(第1飾り図柄)の変動が継続している旨を遊技者に報知することにより(図41参照)、遊技者に不信感を与えなくすることができる。
また、特別図柄の変動が停止されているときに(変動時間の計測が中断されているときに)、はずれ図柄を停止表示することにより(図40、図41参照)、2つの図柄が同時に大当り図柄になったと勘違いされないようにすることができる。
また、第1保留記憶数カウンタでカウントされる第1特別図柄の保留記憶数と第2保留記憶数カウンタでカウントされる第2特別図柄の保留記憶数とを合算(合計)した合算保留記憶数を、可変表示装置9のメモリ表示領域9dに背景図柄の保留記憶表示として表示しているので、別々にカウントされる保留記憶数を一つの合算保留記憶数として遊技者に認識させることができる。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数カウンタの値が所定値(本例では4)以上であるか否かを判定し、所定値以上であると判定されると、第1特別図柄(第1飾り図柄)および第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動時間を短縮するとともに、第1特別図柄(第1飾り図柄)または第2特別図柄(第2飾り図柄)に対応して変動する背景図柄の変動時間を短縮するようにしている。そのため、合算保留記憶数が所定値以上であるにもかかわらず、第1特別図柄(第1飾り図柄)または第2特別図柄(第2飾り図柄)のいずれか一方の可変表示時には短縮変動が行われるが、他方の可変表示時には短縮変動が行われない事態が発生することを防止することができる。従って、背景図柄の保留記憶数に対応して背景図の短縮変動を行うことができる。
さらに、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるときに、所定の移行条件が成立したことを条件に、遊技状態が特別遊技状態(確変状態、時短状態)であるか否かを示す状態データを所定のデータに設定する(セット・リセットする)ように構成されているので、一方の特別図柄の表示結果に応じて遊技状態を変更する必要が生じたときに、直ちに状態データを所定のデータに設定することにより、変更された遊技状態を他方の特別図柄の変動における遊技制御に直ちに反映させることができ、その結果、公平な遊技機を提供することができる。
また、背景図柄の変動開始後所定時間経過した時点に切替ポイントを設け、背景図柄の変動開始から切替ポイントまでに飾り図柄(特別図柄)の変動が開始されたときは、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計を示す背景図柄の保留記憶表示数を1つ消去するように構成されているので、背景図柄の変動の開始タイミングと背景図柄の保留記憶表示数の消去のタイミングとを一致させることができ、遊技者に違和感を与えなくすることができる。
また、背景図柄の切替ポイント以降に飾り図柄(特別図柄)の変動が開始されたときは、差数カウンタにて未消化の背景図柄の変動を記憶しておき、その後に背景図柄の切替ポイントになったときに、背景図柄の保留記憶数表示を消去するように構成されているので、背景図柄の変動の開始タイミングと背景図柄の保留記憶表示数の消去のタイミングとを一致させることができ、遊技者に違和感を与えなくすることができる。
また、背景図柄の切替ポイントまでに予告演出が実行されたときは、予告演出が実行されたことと予告演出の態様とを記憶しておき、切替ポイント以降に実行済みの予告演出の態様に応じた予告演出を実行するように構成されているので、整合性のある連続的な予告演出の実行することができるとともに、予告演出のバリエーションを増やすことができる。
また、一方の飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始された場合に背景図柄の切替ポイントまでに他方の飾り図柄の変動が開始された場合、または他方の飾り図柄の変動が開始されてから所定時間経過するまでに一方の飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始された場合に、背景図柄の変動終了タイミングよりも他方の飾り図柄の変動終了タイミングの方が後であるときは、他方の飾り図柄の変動終了タイミングに合わせて背景図柄の変動が終了するように背景図柄の変動時間を変更するように構成されているので(図44、図45参照)、他方の飾り図柄の変動終了タイミングと背景図柄の変動終了タイミングとを一致させることができ、効率よく2つの飾り図柄の変動を1つの背景図柄の変動で消化することができるとともに、遊技者に違和感を与えることなく飾り図柄の変動と背景図柄の変動とを同期させることができる。
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、停電からの復旧中において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧表示指定コマンドの受信にもとづいて背景図柄表示領域9aに停電復旧中画面を表示し、第1飾り図柄停止指定コマンドおよび第2飾り図柄停止指定コマンドのいずれも受信したときに背景図柄表示領域9aに第2表示結果コマンドで指定された表示結果を表示するように構成されていた(図53および図54参照)。しかし、この実施の形態2では、停電からの復旧中において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧表示指定コマンドの受信にもとづいて背景図柄表示領域9aに停電復旧中画面を表示し、第1飾り図柄停止指定コマンドを受信したときに背景図柄表示領域9aに第1表示結果コマンドで指定された表示結果を所定期間表示し、所定期間経過後に再び停電復旧中画面を表示し、第2飾り図柄停止指定コマンドを受信したときに背景図柄表示領域9aに第2表示結果コマンドで指定された表示結果を表示するように構成されている。
図71および図72は、実施の形態2におけるコマンド解析処理を示すフローチャートである。なお、実施の形態1では、図50〜図52に示す構成でコマンド解析処理が実現されていたが、この実施の形態2では、図71、図51および図72に示す構成でコマンド解析処理が実現されている。すなわち、図71は図50に相当する構成が示され、図72には図52に相当する構成が示され、図51は実施の形態1と同様の構成である。
図71に示すように、演出制御用CPU101は、まず、復旧中フラグがセットされているか否かを確認することによって現在の制御状態が停電からの復旧中の状態であるかどうかを確認する(ステップS510A)。現在の制御状態が復旧中の状態でなければ(ステップS510AのN)、ステップS510B〜S510Dの処理を実行せずにステップS511の処理に移行する。現在の制御状態が復旧中の状態であれば(ステップS510AのY)、演出制御用CPU101は、飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)に対応した背景図柄の停止図柄を停止表示させる所定時間を計測する停止表示時間タイマの値を−1し(ステップS510B)、停止表示時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS510C)。停止表示時間タイマがタイムアウトしたときは(ステップS510CのY)、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに停電復旧中画面を再度表示する(ステップS510D)。その後、ステップS511の処理に移行する。
なお、ステップS511〜S517の処理は、図50に示した実施の形態1の処理と同様であるため、重複する説明を省略する。また、図51の処理も実施の形態1で説明したものと同様であるため、重複する説明を省略する。
図51のステップS540において飾り図柄停止指定コマンドを受信したと判定され(ステップS540のY)、ステップS541において復旧中であると判定されたときは(ステップS541のY)、図72に示すように、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄および第2飾り図柄が変動中であるか否かを判定する(ステップS571)。第1飾り図柄および第2飾り図柄が変動中であるか否かは、例えば、第1表示結果受信フラグおよび第2表示結果受信フラグのいずれもセットされ、第1飾り図柄停止フラグおよび第2飾り図柄停止フラグのいずれもセットされていない状態であるか否かによって判定される。
第1飾り図柄および第2飾り図柄のいずれも変動中である場合は(ステップS571のY)、受信した飾り図柄停止指定コマンドが第1飾り図柄停止指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS572)。第1飾り図柄停止指定コマンドを受信していたときは(ステップS572のY)、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄停止フラグをセットし(ステップS573)、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bに第1飾り図柄の停止図柄を導出表示し(ステップS574)、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに第1飾り図柄の停止図柄に対応した背景図柄の停止図柄を表示する(ステップS575)。なお、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄は、図51のステップS520にて既に決定されている停止図柄である。そして、演出制御用CPU101は、停止表示時間タイマに所定時間に相当する値をセットしてスタートさせる(ステップS576)。
第1飾り図柄停止指定コマンドを受信していなかったとき(第2飾り図柄停止指定コマンドを受信していたとき)は(ステップS572のN)、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄停止フラグをセットし(ステップS577)、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cに第2飾り図柄の停止図柄を導出表示し(ステップS578)、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに第2飾り図柄の停止図柄に対応した背景図柄の停止図柄を表示する(ステップS579)。なお、第2飾り図柄および背景図柄の停止図柄は、図51のステップS520にて既に決定されている停止図柄である。そして、演出制御用CPU101は、停止表示時間タイマに所定時間に相当する値をセットしてスタートさせる(ステップS576)。
ステップS576で停止表示時間タイマがスタートされると、上述したように、停止表示時間タイマがタイムアウトするまで背景図柄表示領域9aに背景図柄の停止図柄が表示される(ステップS510A〜S510C)。
なお、ステップS576の処理を実行する前に、ステップS575またはステップS579において表示された背景図柄の停止図柄(ステップS574において表示された第1飾り図柄またはステップS578において表示された第2飾り図柄でもよい)が大当り図柄であるか否かを判定し、大当り図柄であるときは、図52のステップS561A,S561Bの処理(飾り図柄プロセスフラグおよび背景図柄プロセスフラグの更新処理)を実行するように構成されていてもよい。
第1飾り図柄および第2飾り図柄のいずれか一方のみが変動中である場合は(ステップS571のN)、演出制御用CPU101は、受信した飾り図柄停止指定コマンドが第1飾り図柄停止指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS580)。第1飾り図柄停止指定コマンドを受信していたときは(ステップS580のY)、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄停止フラグをセットし(ステップS581)、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bに第1飾り図柄の停止図柄を導出表示し(ステップS582)、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに第1飾り図柄の停止図柄に対応した背景図柄の停止図柄を表示する(ステップS583)。そして、ステップS587の処理に移行する。
第1飾り図柄停止指定コマンドを受信していなかったとき(第2飾り図柄停止指定コマンドを受信していたとき)は(ステップS580のN)、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄停止フラグをセットし(ステップS584)、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cに第2飾り図柄の停止図柄を導出表示し(ステップS585)、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに第2飾り図柄の停止図柄に対応した背景図柄の停止図柄を表示する(ステップS586)。そして、ステップS587の処理に移行する。
ステップS587において、演出制御用CPU101は、背景図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを確認する。背景図柄の停止図柄が大当り図柄でなくはずれ図柄である場合は(ステップS587のN)、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理を示す値に更新する(ステップS588)。なお、図72には示していないが、このとき、飾り図柄プロセスフラグ(第1飾り図柄プロセスフラグおよび第2飾り図柄プロセスフラグ)の値を変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値に更新する処理も実行される。そして、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止フラグをリセットし(ステップS590)、表示結果停止フラグをリセットし(ステップS591)、復旧中フラグをリセットする(ステップS592)。
背景図柄の停止図柄が大当り図柄である場合は(ステップS587のY)、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理を示す値に更新する(ステップS589)。なお、図72には示していないが、このとき、飾り図柄プロセスフラグ(第1飾り図柄プロセスフラグまたは第2飾り図柄プロセスフラグ)の値を大当り表示処理を示す値に更新する処理も実行される。そして、演出制御用CPU101は、ステップS590〜S592の処理を実行する。
次に、電力供給が停止された後に復旧したときの復旧中の表示状態について説明する。図73は、実施の形態2における電力供給が復旧したときの各演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミングチャートである。また、図74は、実施の形態2における電力供給が復旧したときの可変表示装置等の表示状態の例を示すタイミング図である。
図73に示すように、第1特別図柄が変動開始可能な状態になると、その変動が開始される前に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、そのときの遊技状態に応じた背景指定コマンドが送信され(ステップS54)、第1表示結果指定コマンドが送信される(ステップS84)。そして、第1変動パターンコマンドが送信され(ステップS114)、第1始動入賞記憶指定コマンドが送信される(ステップS414)。なお、これらの演出制御コマンドの送信順序は、図73に示した順序に限られるわけではなく、例えば、背景指定コマンド、第1変動パターンコマンド、第1表示結果指定コマンド、第1始動入賞記憶指定コマンドの順に送信されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンドにもとづいて可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて遊技状態に応じた背景画像を表示し、第1表示結果指定コマンドにもとづいて第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄を決定し、第1変動パターンコマンドにもとづいて第1飾り図柄(および図73の例では背景図柄)の変動を開始し、背景図柄の保留記憶表示を1つ消去する。
図73には示していないが、第2特別図柄が変動開始可能な状態になったときも、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、背景指定コマンド、第2表示結果指定コマンド、第2変動パターンコマンド、および第2始動入賞記憶指定コマンドが送信される(第2特別図柄プロセス処理におけるステップS54、S84、S114に相当する処理、ステップS415)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンドにもとづいて遊技状態に応じた背景画像を表示し、第2表示結果指定コマンドにもとづいて第2飾り図柄および背景図柄の停止図柄を決定し、第2変動パターンコマンドにもとづいて第2飾り図柄の変動を開始する。
このときの表示状態は、図74(a)に示すように、第1飾り図柄、第2飾り図柄および背景図柄が変動表示されている状態である。なお、第1飾り図柄の変動ははずれ変動(停止図柄がはずれ図柄になる変動)であり、第2飾り図柄の変動ははずれ変動または大当り変動(停止図柄が大当り図柄になる変動)である。また、第2特別図柄の保留記憶数は2個であり、背景図柄の保留記憶数も2個である。
図73に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の変動の途中で電源断が発生すると、電源断の発生が検出され、電力供給停止時処理が実行される(図7のステップS20、図36および図37)。これにより、RAM55の記憶内容が所定期間保持されることになる。その後、電力供給が再開され、所定の復旧条件が成立したときには(ステップS6〜S8)、バックアップRAM55の記憶内容にもとづいて遊技状態を電力供給の停止前の状態に復旧するための処理(ステップS41,S42)が実行される。そして、遊技状態復旧処理(ステップS43、図38)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、停電復旧表示指定コマンドが送信され(ステップS501)、第1表示結果指定コマンドが送信され(ステップS503)、第2表示結果指定コマンドが送信される(ステップS505)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧表示指定コマンドを受信すると(ステップS530のY)、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに停電復旧中画面を表示する(ステップS531)。このときの表示状態は、図74(b)に示すように、第1飾り図柄および第2飾り図柄が変動表示され、背景図柄表示領域9aに「停電復旧中」の文字が表示されている状態である。
その後、第1特別図柄における停電復旧後の残り変動時間が経過したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に第1飾り図柄停止指定コマンドが送信される(ステップS152)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、復旧中に第1飾り図柄停止指定コマンドを受信すると(ステップS540のY、S541のY、S571のY、S572のY)、第1飾り図柄の停止図柄を表示し(ステップS574)、背景図柄の停止図柄を表示する(ステップS575)。そして、停止表示時間タイマをスタートする(ステップS576)。このときの表示状態は、図74(c)に示すように、第1飾り図柄(および第1特別図柄)の停止図柄としてはずれ図柄「2」が表示され、第2飾り図柄(および第2特別図柄)が変動表示され、背景図柄の停止図柄としてはずれ図柄「247」が表示されている状態である。
停止表示時間タイマがスタートされると、図74(c)に示すように、停止表示時間タイマがタイムアウトするまで背景図柄表示領域9aに背景図柄の停止図柄が表示される(ステップS510A〜S510C)。停止表示時間タイマがタイムアウトすると(ステップS510CのY)、演出制御用CPU101は、背景図柄表示領域9aに停電復旧中画面を再表示する(ステップS510D)。このときの表示状態は、図74(d)に示すように、第1飾り図柄(および第1特別図柄)の停止図柄としてはずれ図柄「2」が表示され、第2飾り図柄(および第2特別図柄)が変動表示され、背景図柄表示領域9aに「停電復旧中」の文字が表示されている状態である。
その後、第2特別図柄における停電復旧後の残り変動時間が経過したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に第2飾り図柄停止指定コマンドが送信される(第2はずれ図柄停止処理におけるステップS152に相当する処理)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、復旧中に第2飾り図柄停止指定コマンドを受信すると(ステップS540のY、S541のY、S571のN、S580のN)、第2飾り図柄の停止図柄を表示し(ステップS585)、背景図柄の停止図柄を表示する(ステップS586)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄の停止図柄が大当り図柄であれば(ステップS587のY)、第2飾り図柄プロセスフラグの値を第2大当り表示処理を示す値に更新し、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理を示す値に更新して、大当り遊技を開始させる(ステップS589)。一方、背景図柄の停止図柄がはずれ図柄であれば(ステップS587のN)、第2飾り図柄プロセスフラグの値を第2飾り図柄変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値に更新し、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理を示す値に更新して、変動開始待ちの状態にする(ステップS588)。
このときの表示状態は、図74(e)に示すように、背景図柄表示領域9aにはずれ図柄「351」が表示され、第1飾り図柄(および第1特別図柄)の停止図柄としてはずれ図柄「2」が表示され、第2飾り図柄(および第2特別図柄)の停止図柄としてはずれ図柄「4」が表示されている状態である。なお、図74に示す例では、背景図柄の停止図柄がはずれ図柄であるので、変動開始待ちの状態に移行される。
第2特別図柄が変動開始可能な状態になると、第2特別図柄の保留記憶にもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、背景指定コマンド、第2表示結果指定コマンド、第2変動パターンコマンド、および第2始動入賞記憶指定コマンドが送信される(第2特別図柄プロセス処理におけるステップS54、S84、S114に相当する処理、ステップS415)。そして、第2特別図柄の変動が開始されるとともに、第2特別図柄の変動と同期して第2飾り図柄および背景図柄の変動も開始される。このときの表示状態が図74(f)に示す状態である。
図74(b)〜(e)に示すように、停電復旧後に直ちにメモリ表示領域9dにおいて背景図柄の保留記憶が表示されず、図74(f)に示すように、停電復旧後における背景図柄の保留記憶数の更新タイミングになったときに背景図柄の保留記憶が表示される。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、停電復旧後に遊技制御用マイクロコンピュータ560からの始動入賞記憶指定コマンド(図74の例では第2始動入賞記憶指定コマンド)を初めて受信すると(ステップS513のY)、そのコマンドにもとづいて背景図柄の保留記憶数を更新表示する(ステップS514、図55のステップS631〜635参照)。
以上のように、この実施の形態2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、表示結果がはずれとなる第1特別図柄(または第2特別図柄)の可変表示の実行中で、表示結果がはずれまたは大当りとなる第2特別図柄(または第1特別図柄)の実行中であって、第1特別図柄(または第2特別図柄)の残り可変表示時間が第2特別図柄(または第1特別図柄)の残り可変表示時間よりも短い場合において、遊技機への電力供給が停止し、その後に遊技機への電力供給が開始されたときに、所定の復旧条件が成立したことにもとづいて、遊技状態復旧処理において、停電復旧表示指定コマンドと、第1表示結果コマンドと、第2表示結果コマンドとを送信し(ステップS501,S503,S505)、演出制御用マイクロコンピュータ100が、停電復旧表示指定コマンドを受信したことにもとづいて可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに停電復旧中画面を表示し(ステップS530,S531)、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1特別図柄の残り可変表示時間が経過したときに第1飾り図柄停止指定コマンドを送信し(ステップS152)、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1飾り図柄停止指定コマンドを受信したときに(ステップS572のY)、第1表示結果コマンドで指定された表示結果に対応つけた表示結果を可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに所定時間表示し(ステップS575,S576,S510A〜S510C)、所定時間が経過すると(ステップS510CのY)、停電復旧中画面を再表示し(ステップS510D)、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第2特別図柄の残り可変表示時間が経過したときに第2飾り図柄停止指定コマンドを送信し(第2はずれ図柄停止処理におけるステップS152に相当する処理または第2大当り図柄停止処理におけるステップS142に相当する処理)、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第2飾り図柄停止指定コマンドを受信したときに(ステップS580のN)、第2表示結果コマンドで指定された表示結果に対応つけた表示結果を可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに導出表示する(ステップS586)ように構成されている。このような構成によれば、停電復旧時における遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンド数を削減し、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。また、停電から復旧したことを遊技者に容易に認識させることができるとともに、停電発生時に可変表示中の特別図柄の表示結果を可変表示時間の経過時に導出表示することができる。
なお、上記の実施の形態2では、第1飾り図柄停止指定コマンドまたは第2飾り図柄停止指定コマンドを受信したタイミングで停止表示時間タイマをスタートさせて飾り図柄の停止図柄の表示時間を計測していたが、このような構成に限られるわけではなく、停電復旧表示指定コマンドなどを受信したタイミングで停止表示時間タイマをスタートさせるように構成されていてもよい。
実施の形態3.
上記の実施の形態1,2では、保留記憶処理(図32および図33)において第1保留記憶数を指定する第1始動入賞記憶指定コマンドと第2保留記憶数を指定する第2始動入賞記憶指定コマンドとを別々に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信していた。この実施の形態3では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合算した合算保留記憶数を指定する合算始動入賞記憶指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
図75および図76は、実施の形態3における保留記憶処理の一例を示すフローチャートである。図75において、ステップS401〜S403およびS405〜S407の処理は、図32に示した処理と同様である。一方、図75では、図32における第1始動入賞記憶指定コマンドを送信する処理(ステップS404)および第2始動入賞記憶指定コマンドを送信する処理(ステップS408)の代わりに、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合算した合算保留記憶数を指定する合算始動入賞記憶指定コマンドを送信する処理が設けられている(ステップS409A)。また、図76では、図33における第1始動入賞記憶指定コマンドを送信する処理(ステップS414)および第2始動入賞記憶指定コマンドを送信する処理(ステップS415)の代わりに、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合算した合算保留記憶数を指定する合算始動入賞記憶指定コマンドを送信する処理が設けられている(ステップS416A)。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、合算始動入賞記憶指定コマンドを受信すると(図50のステップS513のY)、背景図柄保留記憶表示制御処理(ステップS514)において、合算保留記憶表示数カウンタの値よりも合算始動入賞記憶指定コマンドが示す値の方が大きいか否かを判定し(図55のステップS631〜S635の代わりの処理)、大きい場合にステップS636,S637の処理を実行する。
このような構成によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が演出制御用マイクロコンピュータ100に対して合算保留記憶数を確実に通知することができ、演出制御用マイクロコンピュータ100に背景図柄の保留記憶表示の制御を実行させることができる。従って、停電から復旧したときも、演出制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御用マイクロコンピュータ560からの合算始動入賞記憶指定コマンドにもとづいて停電発生時の合算保留記憶数を背景図柄の保留記憶数として表示させることができ、停電から復旧したことを遊技者に容易に認識させることができる。また、第1始動入賞記憶指定コマンドと第2始動入賞記憶指定コマンドとが別々に送信されるのではなく、まとめて合算始動入賞記憶指定コマンドとして送信されるので、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するコマンド数を削減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担が軽減される。
実施の形態4.
上記の実施の形態1〜3では、遊技状態復旧処理(図38)において、始動入賞記憶指定コマンドを送信する制御を行っていなかった(保留記憶処理においてのみ始動入賞記憶指定コマンドを送信する制御を行っていた)が、この実施の形態4では、遊技状態復旧処理において、始動入賞記憶指定コマンドを送信する制御を実行する。
図77は、実施の形態4における保留記憶処理の一例を示すフローチャートである。図77において、ステップS501〜S505の処理は図38に示した処理と同様であるため、重複する説明を省略する。ステップS503において、第1表示結果指定コマンドを送信した後に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1保留記憶数カウンタの値が0でないか否かを確認する(ステップS506)。第1保留記憶数カウンタの値が0でないときは(ステップS506のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1保留記憶数カウンタの値を示す第1始動入賞記憶指定コマンドを送信する(ステップS507)。また、ステップS505において、第2表示結果指定コマンドを送信した後に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2保留記憶数カウンタの値が0でないか否かを確認する(ステップS508)。第2保留記憶数カウンタの値が0でないときは(ステップS508のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2保留記憶数カウンタの値を示す第2始動入賞記憶指定コマンドを送信する(ステップS509)。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、始動入賞記憶指定コマンドを受信すると(ステップS513のY)、背景図柄保留記憶表示制御処理(ステップS514)において、背景図柄の保留記憶表示の制御を実行する(図55参照)。
以上のような構成によれば、図78(b)〜(d)に示すように、停電から復旧した直後から背景図柄の保留記憶表示が表示されることになる。このため、背景図柄の保留記憶が正確に復旧したか否かについて遊技者に不信感を与えてしまうことが防止される。
なお、遊技状態復旧処理において、第1始動入賞記憶指定コマンドと第2始動入賞記憶指定コマンドとを別々に送信するのではなく、合算保留記憶数カウンタの値が0でないか否かを確認し、0でないときに合算始動入賞記憶指定コマンドを送信するように構成されていてもよい。
なお、上記の実施の形態では、次のような構成も開示されている。第1可変表示実行手段は、第1の可変表示部において第1識別情報の可変表示が実行される可変表示時間を計測する計測手段と、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されているときに計測手段の計測を中断させる計測中断手段とを含む。このような構成によって、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されるまでは第1の可変表示部における可変表示を継続でき、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示される前に第1の可変表示部における可変表示を中断する場合に比べて、早めに第1の可変表示部における可変表示を終了させることができる。よって、可変表示の終了までの時間を長引かせて遊技者に不利益を与えることを防止できる。
また、遊技制御基板に、中継基板からの信号の入力を阻止する第1の信号方向規制手段が設けられ、中継基板に、演出制御基板からの信号の入力を阻止する第2の信号方向規制手段が設けられている。このような構成によって、遊技制御基板以外の基板から周辺基板への信号線を利用して周辺基板を経由して遊技制御基板に不正信号が送り込まれることを防止できる。
次に、本願発明の変形例について説明する。上述した実施の形態では、切替ポイントは、背景図柄の変動が開始されてから10秒経過した時点にのみ設けられていたが、例えば40秒の変動時間の中に3つの切替ポイントが設けられてもよい。すなわち、背景図柄の変動開始後10秒の時点に第1の切替ポイントが設けられ、背景図柄の変動開始後20秒の時点に第2の切替ポイントが設けられ、背景図柄の変動開始後30秒の時点に第3の切替ポイントが設けられてもよい。このような構成によれば、背景図柄の変動が開始されてから10秒までに飾り図柄の変動が開始され、10秒から20秒までに新たに飾り図柄の変動が開始され、20秒から30秒までに新たに飾り図柄の変動が開始されるような場合であっても、背景図柄の変動中における3つの切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示し、変動パターンを切り替え、さらに背景図柄の保留記憶表示を消去していくことができるので、より一層効率よく背景図柄の変動を消化していくことができるようになる。その結果、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタでカウントされている保留記憶数の合計と背景図柄の保留記憶表示として表示されている保留記憶数とのずれが大きくなるのを防止することができる。
また、上述した実施の形態では、背景図柄の変動が開始されてから10秒経過した時点を切替ポイントとしていたが、背景図柄の変動が開始されてから例えば5秒経過した時点を切替ポイントとしてもよい。
また、第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動が全て終了しているのに、背景図柄の変動が長く(複数回)継続されてしまうような事態が生じた場合には、短縮された変動パターン(変動時間が例えば5秒の変動パターン)の変動を複数回実行して早く変動を消化させるようにしてもよい。また、差数カウンタの値が所定数(例えば3)以上であるか否かを判定して、所定数以上のときは短縮された変動パターンの変動を複数回実行して早く変動を消化させるように構成されていてもよい。そのような構成の場合は、それぞれの背景図柄の停止時に背景図柄の保留記憶表示を消去するとともに、保留記憶表示数カウンタの値を−1し、また差数カウンタの値を−1するように構成される。
なお、上記の実施の形態では、強制はずれフラグを用いて、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときには第1特別図柄表示器8aの第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当り図柄にしないように制御したが、第1特別図柄表示器8aの第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当り図柄にしないようにするための手段は、そのようなものに限られない。例えば、CPU56は、特別図柄の変動開始時に大当りとするか否かの判定を常に行い、第2大当りフラグがセットされ、かつ、第2特別図柄が大当り変動(停止図柄を大当り図柄とする変動)中であるときには、第1の判定結果が大当りである場合には判定結果をはずれに変更するようにしてもよい。また、CPU56は、第2大当りフラグがセットされ、かつ、第2特別図柄が変動中であるときには、第1の大当り判定の処理を実行する前に、乱数バッファに格納されている大当り判定用乱数の値をはずれに相当する値に変更するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、時短状態は、確変状態の終了後にのみ移行されるように構成されているが、そのような構成に限られず、例えば大当り図柄のうち時短状態になる大当り図柄(時短図柄)を定め、時短状態になる大当り図柄で大当りとなった後に時短状態に制御されるように構成されていてもよい。そのように構成されている場合には、時短状態が、通常遊技状態よりも高い割合で第1事前決定手段および第2事前決定手段により特定表示結果とする旨が決定される特別遊技状態に相当する。また、大当り図柄の全てを時短図柄(すなわち、「1」「3」「5」「7」「9」の全ての図柄を時短図柄)にしてもよい。さらに、確変図柄と時短図柄とは区別されていても重複していてもよい。確変図柄と時短図柄とが重複しているときは、そのような図柄で大当りとなると、確変状態でかつ時短状態に制御されることになる。
また、上記の実施の形態では、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄であったことにもとづく第2大当り遊技の実行中であるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して中断コマンドを送信して、第1飾り図柄の変動時間の計測を中断したが、他の時点においても、第1飾り図柄の変動時間の計測を中断するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、一方の特別図柄の停止図柄が大当り図柄になると決定された時点から大当り図柄が導出表示されるまでに開始される他方の特別図柄の停止図柄を強制的にはずれ図柄とするように制御されるとともに、一方の特別図柄の停止図柄が大当り図柄になったことにもとづいて大当り遊技が開始されるときに他方の特別図柄の変動が停止され、大当り遊技が終了したときに他方の特別図柄の変動が再開されるように構成されていたが、大当り遊技が開始されたとき(または大当り遊技の途中や終了時)に他方の特別図柄の変動を終了させるように構成されていてもよい。この場合は、大当り遊技の終了後にあらためて2つの特別図柄の変動が開始されることになる。
なお、上記の実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄は、「0」〜「9」の数字の図柄とされていたが、このような図柄に限られるわけではなく、数字以外の図柄(例えば星や三角などの図形)であってもよい。また、図柄である必要もなく、大当りかはずれかを識別できる情報であれば、ランプやLEDの点灯/消灯などの情報であってもよい。また、一方の識別情報を図柄とし、他方の識別情報をランプとしてもよい。第1飾り図柄および第2飾り図柄についても同様である。
また、上記の実施の形態では、保留記憶数を表示する方法として、特別図柄の保留記憶数は、点灯する表示器の数を増やしたり減らしたりすることにより表示し、また、背景図柄の保留記憶数は、メモリ表示領域9dに表示される保留記憶表示の表示色の数を増やしたり減らしたりすることにより表示していた。しかし、このような構成に限られず、例えば、7セグメントLEDにより数字で保留記憶数を表示する(例えば、保留記憶数が3のときは数字の「3」を表示する)ような構成であってもよい。また、表示器や表示色の数ではなく、キャラクタの数によって保留記憶数を表示するような構成であってもよい。
また、上記の実施の形態では、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタがカウント可能な保留記憶数はいずれも4であったが、4以上であっても4以下であってもよい。また、第1保留記憶数カウンタがカウント可能な保留記憶数と第2保留記憶数カウンタがカウント可能な保留記憶数とが異なる値であってもよい。
また、上記の実施の形態では、図38に示した遊技状態復旧処理において、停電復旧表示指定コマンドを送信した後に、表示結果指定コマンドを送信するように構成されていたが、これらのコマンドの送信順序は逆であってもよい。また、図77に示した遊技状態復旧処理において、停電復旧表示指定コマンドを送信した後に、表示結果指定コマンドと始動入賞記憶指定コマンドを送信するように構成されていたが、これらのコマンドの送信順序も任意の順序であってもよい。
また、上記に示した各実施の形態では、電源断を検出するための電源監視手段として交流電源(AC24V)を直接監視して、監視している直流電源が所定の電圧以下になったことを検出すると電源断信号を出力するものを例示したが、これに限らず、交流電源(AC24V)を整流、平滑した直流電源(DC30V)を監視して、監視している直流電源が所定の電圧以下になったことを検出すると電源断信号を出力するものであってもよいし、交流電源(AC24V)を直流に変換する途中における全波整流波形の有無を監視し、波形が所定期間検出できなかったときに電源断信号を出力するものであってもよい。つまり、監視する対象は電圧に限らず、全波整流波形でも半波整流波形でもよく、遊技機への供給電力が低下していることを検出できるものであればよい。
また、上記に示した各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートから電源断信号を入力し、電源断信号がオンである旨の判定がされたときに電源断処理を実行するものを例示したが、これに限らず、電源断信号をNMI端子に入力し、ノンマスカブル割込処理にて電源断処理を実行するものでもよい。また、電源断信号をNMI端子に入力し、電源断信号の入力に応じて電源断フラグをセットし、タイマ割込処理あるいはメイン処理にて電源断フラグの状態を監視して、オンであれば電源断処理を実行するものであってもよい。
また、上記に示した各実施の形態において、電源断処理におけるチェックサムデータを作成する処理やバックアップフラグをセットする処理、出力ポートをクリアする処理の順番は、この実施の形態で示したものに限定されるものではない。
また、上記に示した各実施の形態では、電源断時にCPU56の動作を停止させるためにシステムリセット信号をオフする手段として、所定の電源を監視して、電源の状態が所定の状態(電圧低下、整流波形の有無)となったことを検出したときにシステムリセット信号をオフするものを例示したが、これに限らず、電源断の検出タイミングに起因して、CRタイマ等を用いて時間を計時し、その所定期間経過後にシステムリセット信号をオフするような手段であってもよい。
なお、第1飾り図柄表示領域9bおよび第2飾り図柄表示領域9cを可変表示装置9の一部の表示領域として設けるのではなく、例えば、可変表示装置9とは別に設けられた0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現してもよい。また、例えば、第1飾り図柄表示領域9bおよび第2飾り図柄表示領域9cを、可変表示装置9とは別に設けられた液晶表示装置(LCD)で実現してもよい。また、第1飾り図柄表示領域9bおよび第2飾り図柄表示領域9cは、ランプやLEDのような表示器で構成されていてもよい。
なお、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。