JP2020110516A - 留置針 - Google Patents

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Abstract

【課題】透析治療等の目的で血管内に挿入された状態で使用される留置針の、血液の排出用流路と復帰用流路を区分する上で、両流路間の液密の確保を容易、且つ確実にする。【解決手段】血管内に挿入され、血管内の血液を血管から血管外へ排出させる中空断面の排出管2と、血管内に挿入され、排出管2に一体的に組み合わせられ、血管から排出された血液を血管内に復帰させる中空断面の復帰管3から留置針1を構成し、排出管2の血管内に位置する部分に流出孔2aを、排出管2の血管外に位置する部分に排出孔2bを形成し、復帰管3の血管内に位置する部分に流入孔3aを、復帰管3の血管外に位置する部分に復帰孔3bを形成する。血管を穿刺する内針が挿通する排出管2と復帰管3のいずれか一方の血管外の側に位置する外側端部の血管外側の端面に、血液の外側端部からの血管外への流出を阻止しながら、内針の挿通を許容する止血弁を密着させる。【選択図】図1

Description

本発明は主に透析治療等の目的で血管内に挿入された状態で使用される留置針に関するものである。
透析治療(血液循環)等の目的で血管内に挿入された状態で使用されるシングルニードル型の留置針は、血管内の血液を体外に排出(脱血)させるための管となる例えば外管と、体外に排出された後、透析装置(濾過装置(ダイアライザー))を通過させられ、浄化された血液を体内に復帰(返血)させるための内管を持つ関係で、基本的に二重管構造をする(特許文献1〜4参照)。
特許文献2の例で言えば、血管に外管を挿入するために血管を穿刺する注射針が挿入可能な、ハブ10の導管20が外管であり、ハブ10の根本部分に接続される二軸流器具80の金属管82が内管である。この例では血管内の血液は導管20と金属管84との間の空隙から導管20内に取り込まれた後、分岐点98を経由し、血液の排出孔である管104から透析装置へ導かれる。浄化された血液は二軸流器具80根本部分の、血液の復帰孔である管94を経て金属管82内を通過し、血管内に戻される。血液の流れ(循環)は他の例(特許文献1、3、4)でも同様である。
特許文献2の分岐点98は外管(導管20)と内管(金属管82)が交わる部分であるから(第7欄第29行〜第32行)、分岐点98において必ず内管が外管を貫通する形になる。この構造は他の特許文献1、3、4でも共通している。このことから、分岐点98においては血管から排出される血液と透析装置から戻される血液が混合されることがないよう、外管の、内管が貫通する部分の周囲には液密(水密)を確保する処理としてのシール材やOリング等の充填材(液密材)の充填等が不可欠になる(特許文献4の段落0030、0047、図2、図4、図6)。
分岐点98は二叉形状をした二軸流器具80のハブ10寄りの部分に形成された空間であり、血液の排出孔(管104)と、血液の復帰孔(管94)から隔てた位置にある。このことから、分岐点98での液密を確保するには、復帰孔の端面より分岐点98寄りの深い位置にまで充填材を挿入しなければならない(特許文献4の段落0030、図4)。この関係で、充填材の外管内への装着(挿入)には、復帰孔から充填材挿入位置(分岐点98)までの距離(ストローク)のあるアーム状の挿入具を使用し、挿入具の往復動を利用しなければならないため、充填材を装着(内蔵)した留置針の構造が複雑化している上、充填材の装着作業が容易ではない。また充填材が決められた位置に確実に充填されているか否かを復帰孔から確認することも難しい。
輸血用の留置針の例では、外管(外針4)内を内管としての内針8が挿通する構造をし、外管の根本側の、輸液が供給される分岐流路に面する位置に内針8が挿通しながら、離脱後に閉塞する栓体6が挿入された例がある(特許文献6)。この例では外管に接続されるチューブ7から供給される輸液を内針8に形成された側孔82を通じて針先81から血管内に導入する形式である。外管は内針8挿入時のガイドと内針8抜き取り後の輸液注入の役目を持つに過ぎず、チューブ7内を通過する液体と内針8内及び外管内を通過する液体が混ざり合う状態にあるため、血管内の血液の排出と復帰をする機能を持たない(段落0031〜0067)。また栓体6は分岐流路を形成するハブ3の根本側の拡径部に軸方向に嵌合してハブ3に装着されるため、栓体6自体の装着作業は特許文献1〜4と根本的な違いはない。
特許文献2のように内管が外管内を挿通(貫通)する形式ではなく、外管(一次管2)内に、先端の針が外管の先端に形成された開口16から出没自在なトロカール(套管針)24を軸方向に往復動自在に挿入すれば、復帰用流路27と排出用流路25が交わる状態、あるいはいずれか一方が他方を貫通する状態は回避される(特許文献5参照)。この例ではトロカールが外管の中心を通る隔壁として外管の内部(筒状の空間)を両面側に区分するように外管内に挿通されることで、外管内部が血液排出用の流路25と、復帰用の流路27に区分される。
特開昭53−93686号公報(公報第3頁上左欄第13行〜第4頁下左欄第7行、第1図〜第4図) 特公昭60−27538号公報(公報第5欄第10行〜第10欄第14行、第2図〜第4図) 英国特許出願公開第2032778号明細書(図2) 特許第6344944号公報(段落0022〜0046、図1〜図5) 米国特許第4180068号明細書(図1〜図8) 特開平10−179734号公報(段落0031〜0069、図1、図2)
但し、特許文献5の外管内に挿入されるトロカールはその外周面が外管の内周面に接触(摺動)しながら往復動するため、排出用流路と復帰用流路を完全に区分するには、外管が排出用流路と復帰用流路とに区分される区間の全長に亘り、トロカールの外周面と外管の内周面との間の液密性を確保することが必要になる。特許文献5では外管の内周面に軸方向に沿った溝30を形成する一方、トロカールの外周面に溝30に嵌合したまま、溝30に沿って摺動する突起(軌条)31を形成している(図3、図4)。
しかしながら、溝30と突起31の嵌合のみによって排出用流路と復帰用流路間の液密性が確保されるとは限らないため、溝30と突起31のいずれか一方に特許文献4のような充填材を設置することは必要になると考えられる。
本発明は上記背景より、特許文献5での排出用流路と復帰用流路を区分する上で、両流路間の液密の確保を容易、且つ確実にする構造の留置針を提案するものである。
請求項1に記載の留置針は、血管内に挿入され、前記血管内の血液を前記血管から前記血管外へ排出させる中空断面の排出管と、前記血管内に挿入され、前記排出管に一体的に組み合わせられ、一旦、前記血管から排出された血液を前記血管内に復帰させる中空断面の復帰管とを備え、
前記排出管の前記血管内に位置する部分に血液を前記血管外へ流出させる流出孔が形成され、前記排出管の前記血管外に位置する部分に血液を前記排出管外へ排出させる排出孔が形成され、
前記復帰管の前記血管内に位置する部分に血液を前記血管内に流入させる流入孔が形成され、前記復帰管の前記血管外に位置する部分に血液を前記復帰管外から復帰させる復帰孔が形成され、
前記排出管と前記復帰管のいずれか一方の内部が、前記血管を穿刺する内針が挿通自在な断面積を持ち、前記内針が挿通する前記排出管と前記復帰管のいずれか一方の前記血管外の側に位置する外側端部に開口が形成され、この外側端部の前記血管外側の端面に、前記排出管と前記復帰管のいずれか一方の内部に存在する血液の、前記外側端部からの前記血管外への流出を阻止しながら、前記内針の挿通を許容する止血弁が密着した状態で配置されていることを構成要件とする。
「中空断面」は排出管と復帰管が共に中空形状であれば、円筒形か、多角形か、半円筒形か、三日月形(U字形)か等の断面形状を問わない意味である。「排出管に一体的に組み合わせられる復帰管」とは、図1、図3に示すように排出管2と復帰管3のいずれか一方が外管になり、他方が一方(外管)の内部を軸方向に挿通する内管になるように組み合わせられることの他、図11に示すように排出管2と復帰管3が互いに重ね合わせられた状態で組み合わせられることを言う。排出管2は前記した排出用流路に相当し、復帰管3は復帰用流路に相当する。
中空断面が例えば半円筒形状、三日月形状等、曲面を有する形状であれば、血液が排出管2内と復帰管3内を通過するときに、血液に対流を生じさせ易くなるため、排出管2内と復帰管3内の圧力を分散させ易くなり、排出管2と復帰管3の内圧による強度上の弱点が低下し易くなる利点がある。
「いずれか一方が外管になり」とは、排出管2が外管になり、復帰管3が内管になる場合と、復帰管3が外管になり、排出管2が内管になる場合があることを言い、いずれか一方(外管)の内部を他方(内管)が挿通することを言う。図1、図3では排出管2が外管で、復帰管3が内管である場合の例を示しているが、これらの図1等での外管が復帰管3になり、内管が排出管2になることもある。
「一体的に(組み合わせられる)」とは、排出管2と復帰管3が組み合わせられた状態から互いに分離しないよう、例えば重ね合わせられて組み合わせられるような場合に、図11−(a)に示すように排出管2と復帰管3を包囲する環状材、または筒状材等、排出管2と復帰管3に同時に外接して両者を互いに重ねた状態に保持する何らかの保持材4によって一体性を保つことを言う。排出管2と復帰管3が重ね合わせられる場合、排出管2と復帰管3は必ずしも接触している必要はない。
復帰管3と排出管2のいずれか一方(外管)の内部を他方(内管)が挿通する場合、挿通した側の管(内管)が挿通された側の管(外管)に保持され、内管と外管の一体性は確保されるため、排出管2と復帰管3が組み合わせられた状態での分離を防止するための保持材4は必ずしも必要とされない。但し、図1等では内管の挿通(内管と外管の組み合わせ)状態での両者の安定性確保等のために保持材4を外管の血管外側に装着している。「血管外側」は「血管の外部に位置する側」、または「血管から遠い側」を意味する。
内管が外管内を挿通する場合、図1等に示すように挿通した側の管(内管)が挿通された側の管(外管)の、血管側の端部(端面)から突出している場合もある。この場合、挿通した側の管(内管)の血管側の端部と挿通された側の管(外管)の血管側の端部の位置が相違することで、血管内の血液を取り込む排出管2の流出孔2aと、浄化された血液を血管内に復帰させる復帰管3の流入孔3aの位置を異ならせることができるため、浄化されたばかりの血液を排出管2の流出孔2aから排出管2内に取り込むことを回避し易くなる。留置針1の使用時、血管内には排出管2の流出孔2aから復帰管3の流入孔3aまでが挿入される。
内管が外管内を挿通する場合、内管は図3に示すように外管の血管外に位置する根本部分の、血管外側を向いた外側端部22を貫通する状態になるため、外管の外側端部22の少なくとも一部は内管が挿通するために開放し、開口22aが形成される。外側端部22は後述の貯留空間としての移行部21の血管外側の壁、または壁に相当する部位である。「外側端部22の少なくとも一部が開放する」とは、開放により形成される開口22aが外側端部22の中心部分に位置するとは限らないことの意味である。後述のように開口22aには内針6が、または内針6と内管が挿通するため、開口22aは主に円形であるが、開口22aの形状は必ずしも円形には限られない。外側端部22は例えば後述の、排出管2と復帰管3のいずれか、または双方の根本側の端部を保持する保持材4の、血管外側の端部の一部に相当する。
内管が外管内を挿通する場合には、開口22aには内針6と内管が挿通するため、図3、図6に示すように開口22a(外側端部22)は外管に形成される。排出管2と復帰管3が重ね合わせられる場合には、開口22aには内針6が挿通するため、図11に示すように開口22a(外側端部22)は排出管2と復帰管3のいずれかに形成される。
外管の外側端部22の開口22aには内管が挿通する前の段階で、図6−(a)に示すように血管を穿刺するための内針6も挿通する。この関係で、外管の内部は内管と内針6が挿通可能な断面積を持つ。このことは、外管と内管及び内針6が円筒形状の場合で言えば、「外管の内径は内針6の外径より大きい」とも言える。
排出管2と復帰管3が重ね合わせられる場合には、外管と内管の区別がないため、排出管2と復帰管3のいずれか一方の内部が、内針6が挿通可能な断面積を持ち、内針6が挿通する側の管の外側端部22の少なくとも一部が開放し、開口22aが形成される。請求項1における「排出管と復帰管のいずれか一方の内部は内針が挿通自在な断面積を持ち」の「いずれか一方」は外管と内管が区別される場合の外管を指し、区別されない場合には排出管2と復帰管3のいずれか一方を指す。
内管が外管内を挿通する場合も、排出管2と復帰管3が互いに重ね合わせられる場合も、内針6が挿通する側となる排出管2と復帰管3のいずれか一方の外側端部22の血管外側の端面に、排出管2と復帰管3のいずれか一方の内部に存在する血液の、外側端部22から血管外への流出を阻止する止血弁42が密着した状態で配置される(請求項1)。ここで言う「排出管2と復帰管3のいずれか一方」はいずれか一方が他方の内部を挿通する場合の外管を指し、互いに重ね合わせられる場合のいずれか内針6が挿通する側の管を指す。
図3、図7に示すように内針6が引き抜かれた後に、内管(復帰管3)が外管(排出管2)内を挿通する場合、外側端部22の開口22aには内管が挿通するため、内管が挿通しているときに外管の移行部21内に存在する血液の開口22aからの流出を阻止する目的で外側端部22の血管外側の端面に止血弁42が密着させられる(請求項1)。止血弁42はまた、外管から内針6が引き抜かれた後、外管内に内管が挿通するまでの間の、開口22aからの血液の流出を阻止する働きをする。または排出管2と復帰管3のいずれかから内針6が引き抜かれた後の、開口22aからの血液の流出を阻止する働きをする。図11−(c)に示す例の場合には、後述の切り込み42aが閉塞することにより、図7−(b)〜(e)に示す例の場合には、内針6が挿通する挿通孔42cが内針6の挿通前の状態に復帰(収縮)することにより血液の流出を阻止する。
排出管2と復帰管3のいずれか一方の、内針6が挿通する側の管の、血管外に位置する部分には、血液を浄化のために排出管2外へ排出させる排出孔2bに連通する、または浄化された血液を復帰管3外から復帰させる復帰孔3bに連通する貯留空間としての移行部21が形成される。移行部21(貯留空間)は血液が一時的に存在(貯留)する空間であり、特許文献2の分岐点98に相当する。
一方、この移行部21(貯留空間)の血管外側にある壁である、または壁に相当する外側端部22には内針6が貫通することがあるから、外側端部22に装着される止血弁42には例えば内針6が貫通可能な、図5−(c)、図8−(b)、(c)、図11−(c)に示すような切り込み42aが形成される。または図7−(b)〜(e)に示すように止血弁42には内針6が貫通可能で、上記のように内針6が引き抜かれた後に閉塞可能な、軸方向に一定程度の長さを持つ孔(挿通孔42c)が形成される。この場合の孔(挿通孔42c)は内針6が挿通するときに孔の外周側へ拡張することにより内針6の挿通を許容し、内針6が引き抜かれたときに内針6の挿通前の状態に収縮(復元)することにより閉塞する。
排出管2と復帰管3が重ね合わせられる場合、内針6が引き抜かれた後には、移行部21内に存在する血液の開口22aからの流出を阻止する必要から、止血弁42が内針6の挿通を許容しながら、内針6の引き抜き後に開口22aを閉塞するよう、止血弁42には例えば図5−(c)、図7−(b)〜(e)に示すような切り込み42aが形成される。止血弁42はこのように内針6の開口22aへの貫通時に内針6の挿通を許容しながら、内針6の抜き取り後に、内管の外周面との間の液密性を確保し、または開口22aを完全に閉塞する役目を持つ。
請求項1における「外側端部22の血管外側の端面に止血弁42が密着した状態で配置される」とは、基本的に図3に示すように止血弁42が外側端部22の血管外側(移行部21の反対側)の端面に密着した状態で外側端部22に装着されることを言う。図1〜図10では排出管2が外管である場合の例を示している関係で、排出管2に外側端部22が形成されているが、復帰管3が外管になれば、復帰管3に外側端部が形成される。
止血弁42が外側端部22の血管外側の端面に密着した状態で外側端部22に装着されていれば、装着状態の維持方法は問われない。止血弁42が例えば図3に示すように排出管2と復帰管3のいずれか、もしくは内針6の血管外側に接続された接続具31、61と外側端部22の端面との間に厚さ方向に挟まれて外側端部22に装着された状態を維持する場合(請求項2)には、内管が外管内を挿通する場合と、排出管2と復帰管3が重ね合わせられる場合のいずれにも対応する。接続具31、61は排出管2と復帰管3のいずれか、または双方の血管外側の端部を保持する保持材4に接続される。
この場合、止血弁42は図3、図6−(a)に示すように止血弁42の血管外側に配置され、保持材4に接続される復帰管3の接続具31、または内針6の接続具61と保持材4とに挟まれて保持され、拘束される。図11に示す例の場合には止血弁42は移行部21を構成する外側端部22と内針6の接続具61とに挟まれ、拘束される。止血弁42の確認作業は接続具31、61を外側端部22から分離させることにより行われる。
この場合に、図3、図6に示すように内針6の抜き取り後、留置針1の使用状態で内管(復帰管3)が外管(排出管2)内を挿通する場合には、止血弁42には例えば前記したように図7に示すような、外側端部22の血管外側の端面と内管の外周面に密着し、内管の外周面と開口22aとの間の空隙の発生を阻止する弾性材料からなる筒状(環状)等のシール材(水密材)が使用される。この場合、図5−(c)、図8−(b)、(c)に示すように例えば十字形状やY字形状等の切り込み42aが形成された形態の弾性材料も使用可能である。
内管が外管内を挿通する場合、すなわち復帰管3と排出管2のいずれか一方が内管として、外管としての他方の内部を軸方向に挿通する場合、止血弁42は図7−(a)に示すように外側端部22の開口22aの内周面に密着しながら、外側端部22の端面に密着するフランジ42b付きの筒状に形成されることもある(請求項3)。この場合、止血弁42の内周面、すなわち挿通孔42cの内周面は内管と内針6の双方が挿通可能で、双方の外周面に密着可能である(請求項3)。
この場合の止血弁42はフランジ42bの移行部21寄りの面において外側端部22の端面に密着し、フランジ42b以外の筒状部分の外周面において開口22aの内周面に密着する。この止血弁42のフランジ42b以外の筒状部分の内周面(挿通孔42c)は内針6の挿通時と内管の挿通時にそれぞれの外周面に密着し、弾性変形しながら、中心の外周側へ拡張しようとする。
この場合、内針6の引き抜き時と内管の引き抜き時には図7−(b)〜(e)に示すように中心(軸線)側へ復帰(収縮)し、少なくとも移行部21寄りの板状部分(厚みのある部分)が閉塞し、血液の流出を阻止する。挿通孔42cは外径の相違する内針6と内管のいずれの外周面にも密着する上では、上記のように軸方向に一定程度の長さを持った上で、図7−(b)〜(e)に示すように血管外側から移行部21側へかけて次第に内径が減少する円錐形状に形成されることが適切である。
図11に示すように排出管2、または復帰管3からの内針6の抜き取り後、排出管2と復帰管3が分離した状態で使用される場合、すなわち留置針1の使用状態で内管と外管の区別がない場合には、止血弁42は内針6の抜き取り後に開口22aを完全に閉塞する必要があるため、止血弁42には図11−(c)、(d)に示すように内針6の抜き取り後に閉じる形態の弾性材料が使用される。
図3等に示す例と図11に示す例のいずれの場合にも、止血弁42が、排出管2と復帰管3のいずれかの血管外側に位置する外側端部22の血管外側の端面に密着した状態で外側端部22に装着され、外側端部22の表面に面した位置に配置されることで、止血弁42の外側端部22への装着作業と、装着状態の確認作業が単純化される。特に止血弁42の装着のためにアーム状の挿入具の往復動を利用する必要がないため、特許文献1〜4との対比では止血弁42を含めた留置針の構造が簡素化される上、止血弁42の装着作業が簡略化され、止血弁42の装着状態の確認もし易くなる。
以上のように内針6が挿通する排出管2と復帰管3のいずれか一方の血管外に位置する側の外側端部22の血管外側の端面に、排出管2と復帰管3のいずれか一方の内部に存在する血液の血管外への流出を阻止しながら、内針6の挿通を許容する止血弁42が密着することで、排出管2と復帰管3のいずれか一方の移行部21内に存在する血液が外側端部22から血管外へ流出することが防止される。
外側端部22は排出管2と復帰管3のいずれか一方の血液外側に位置する移行部21の血管外に位置し、内針6が挿通しない状態では外部に露出した壁面であるため、止血弁42の設置(装着)作業を極めて容易に、且つ確実にすることが可能になる。特に止血弁42が外側端部22の血管外の側の面に重なる止血弁である場合には、外側端部22の開口22a内への装着作業も要せず、単純に外側端部22に重ねるだけで設置が済むため、設置作業がより単純化される。
請求項1における「排出管の血管内に位置する部分に血液を血管外へ流出させる流出孔が形成され」とは、排出管2の血管内に位置する区間のいずれかの部分に血液流出用の流出孔2aが形成されることを言い、排出管2の軸方向血管寄りの端面を含む。「血管内に位置する区間のいずれかの部分」であるから、排出管2の一方の端面以外に形成される場合には、端面を除く区間の周面に流出孔2aが形成されることもある。その場合、排出管2の血管寄りの端面は塞がれる。
「排出管の血管外に位置する部分に血液を排出管外へ排出させる排出孔が形成され」とは、排出管2の血管外に位置する区間のいずれかの部分に血液排出用の排出孔2bが形成されることを言い、排出管2の軸方向の端面(外側端部22)を含む。「血管外に位置する区間のいずれかの部分」であるから、排出管2の他方の端面以外に形成される場合には、端面を除く区間の周面に排出孔2bが形成されることもある。前記のように外側端部22の開口22aを内針6が貫通する場合には、排出孔2bは図1等に示すように端面を除く区間に形成される。
同様に「復帰管の血管内に位置する部分に血液を血管内に流入させる流入孔が形成され」とは、復帰管3の血管内に位置する区間のいずれかの部分に浄化された血液の流入用の流入孔3aが形成されることを言い、復帰管3の端面(外側端部22)に形成される場合と端面を除く区間に形成される場合がある。「復帰管の血管外に位置する部分に血液を復帰管外から復帰させる復帰孔が形成され」とは、復帰管3の血管外に位置する区間のいずれかの部分に浄化された血液の血管内への復帰用の復帰孔3bが形成されることを言い、復帰管3の端面に形成される場合と端面を除く区間に形成される場合がある。
排出管2と復帰管3からなる留置針1は、図1等に示すように復帰管3と排出管2のいずれか一方が他方の内部を挿通する場合には、図6に示すように内管が抜かれた状態にある外管内に挿通させられる内針6の先端が血管を穿刺することにより形成された血管の穿孔から血管内に挿入させられる。復帰管3と排出管2が互いに重ね合わせられる場合には、図11に示すようにいずれか一方の管内に内針6が挿通させられる。血管内には排出管2の流出孔2aと復帰管3の流入孔3aが入り込むまで留置針1が挿入させられる。留置針1の血管内への挿入後、内針6は内管の根本側から引き抜かれる。
排出管2の排出孔2bには図4−(a)に示すように排出管2内に取り込んだ血液を透析装置(濾過装置)へ移送させるための移送管5が接続され、復帰管3の復帰孔3bには透析装置を経由して浄化された血液を血管に戻すための供給管7が接続される。移送管5の内部は排出管2の内部に連通し、供給管7の内部は復帰管3の内部に連通する。前記のように排出管2と復帰管3のいずれか一方の、内針6が挿通する側の管の、血管外に位置する部分には移行部21が形成されるため、移送管5の内部、または供給管7の内部は移行部21に連通する。
血管内の血液は移送管5と透析装置との間に接続されるポンプの吸引力により流出孔2aから排出管2内に吸引され、移送管5を経てそのまま透析装置に送られる。透析装置を通過し、浄化された血液はポンプの吐出力により供給管7を経て復帰管3の流入孔3aから血管内に戻される。
内針が挿通する排出管と復帰管のいずれか一方の血管外に位置する側の外側端部に開口を形成し、外側端部の血管外側の端面に、排出管と復帰管のいずれか一方の内部に存在する血液の血管外への流出を阻止しながら、内針の挿通を許容する止血弁を密着させているため、排出管と復帰管のいずれか一方の移行部内に存在する血液が外側端部から血管外へ流出することを防止しながら、止血弁の設置(装着)作業を容易、且つ確実に行うことができる。
(a)は排出管が外管で、復帰管が内管になる場合に、復帰管が排出管の内部を挿通した状態で排出管と復帰管が組み合わせられた留置針の製作例を示した斜視図、(b)は(a)のx−x線断面図である。 (a)は図1に示す排出管を示した斜視図、(b)は図1に示す復帰管を示した斜視図である。 図1に示す形態の具体的な留置針の軸線を含む鉛直面で切断した様子を示した縦断面図である。 (a)は図3の排出管を示した縦断面図、(b)は図3の復帰管を示した縦断面図である。 (a)は図3のx−x線断面図、(b)は図3のy−y線断面図、(c)は図3のz−z線断面図である。 (a)は図3に示す留置針の内、復帰管を排出管から抜いた状態で、排出管内に穿刺用の内針を挿通させた様子を示した縦断面図、(b)は(a)のx−x線矢視図、(c)は(a)の内、排出管を示した縦断面図、(d)は(a)の内、内針を示した縦断面図である。 (a)は外管の外側端部の開口を閉塞する止血弁として筒状のシール材を使用した場合の例を示した縦断面図、(b)は(a)で使用されている止血弁の形状例を示した斜視図、(c)は(b)の軸線を通る縦断面図、(d)は(b)の変形例を示した斜視図、(e)は(d)の軸線を通る縦断面図である。 (a)は図2−(a)に示す排出管の移送管との接続部分となる保持材の具体例として保持材の接続部の端面に止血弁を配置した様子を示した斜視図、(b)は(a)の止血弁の表面側にキャップを接続した様子を示した斜視図、(c)は(b)の側面図である。 図8に示す保持材に供給管を接続するための接続管を接続した様子を示した斜視図である。 (a)は内管となる復帰管が三日月形(U字形)の断面形状をした場合の、外管である排出管との組み合わせ状態を示した斜視図、(b)は(a)の復帰管を示した斜視図、(c)は(a)の排出管を示した斜視図である。 (a)は復帰管と排出管が互いに重ね合わせられる場合の組み合わせ例と、移行部の外側端部の開口に(c)に示す円板形状等の止血弁を挿通させた場合の例を示した縦断面図、(b)は(a)のx−x線断面図、(c)は(a)で使用されている止血弁の形状例を示した斜視図、(d)は(c)の側面図である。
図1は血管内に挿入され、血管内の血液を血管から血管外へ排出させる中空断面の排出管2と、血管内に挿入され、排出管2に一体的に組み合わせられ、一旦、血管から排出された血液を血管内に復帰させる中空断面の復帰管3とを備えた留置針1の製作(構成)例を示す。図2−(a)、(b)は図1に示す製作例のそれぞれ外管になる排出管2と、外管内に挿通させられる内管になる復帰管3を示している。
図1〜図10では排出管2が外管であり、復帰管3が内管である場合の例を示しているが、排出管2が内管になり、復帰管3が外管になることもある。以下では排出管2が外管で、復帰管3が内管である場合の例を説明する。図面ではまた、排出管2(外管)が円形断面形状であり、復帰管3(内管)が半円形、または図10に示すように三日月形(U字形)の断面形状である場合の例を示しているが、排出管2(外管)と復帰管3(内管)の断面形状は中空断面であれば、問われない。排出管2と復帰管3の素材は特に問われないが、主に合成樹脂等から製作される。例えばフッ素樹脂、ポリアミド樹脂等である。
図1、図2に示すように内管が半円筒形状で、外管が円筒形状の場合のように、内管の軸に垂直な断面積が外管の軸に垂直な断面積の半分になるような断面形状の組み合わせである場合には、排出管2の流出孔2aから取り込まれる血液の単位時間当たりの量(血流速度)と、復帰管3の流入孔3aから放出される血液の単位時間当たりの量(血流速度)を等しくすることができる。従って血液を流出孔2aから排出管2内に吸引するときのポンプの吸引力と、復帰管3の流入孔3aから血管内に戻すときのポンプの吐出力を等しくすることができる。
また内管を半円筒形状に形成した場合、この内管が外管内に嵌合するように挿通する円筒形状に外管が形成されていれば、外管の本体部分(筒状部分)の断面形状以外の形態や素材を問わずに内管をその外管に組み合わせることが可能になる。すなわち、内管になる復帰管3単体、または排出管2単体の本体部分が半円筒形状に形成されていれば、本体部分が円筒形状である任意の形態や素材の外管と組み合わせることが可能である。
図3、図4は図1、図2に示す形態の具体的な留置針1の縦断面を示す。図3は排出管2と復帰管3の組み合わせ状態を、図4は排出管2と復帰管3の単体を示す。ここに示すように排出管2の血管内に位置する部分には血液を血管外へ流出させる流出孔2aが形成され、排出管2の血管外に位置する部分には血液を排出管2外へ排出させる排出孔2bが形成される。復帰管3の血管内に位置する部分には血液を血管内に流入させる流入孔3aが形成され、復帰管3の血管外に位置する部分には血液を復帰管3外から復帰させる復帰孔3bが形成されている。
図1等は流出孔2aが排出管2の軸方向血管側の端面に形成された場合の例を示しているが、流出孔2aは端面以外の区間の周面に形成されることもある。その場合、排出管2の血管側の端面は流出孔2aから取り込んだ血液の端面からの流出を防止するために閉塞される。流出孔2aは排出管2の内部の空間に連通する。
図1に示す例では復帰管3の軸方向血管側の端部を含む区間が排出管2の血管側の端面から突出している関係で、流出孔2aである排出管2の軸方向端面が完全に開放していても、排出管2内を流れる血液と復帰管3内を流れる血液が交わることはないが、流出孔2aは排出管2の端面の一部に形成されることもある。
図1に示す例の場合、血管内には少なくとも排出管2の流出孔2aから復帰管3の流入孔3aまでの区間が挿入される。血管内に挿入される流入孔3a、及び流出孔2aの断面形状は問われない。流入孔3aと流出孔2aは図6−(a)、(b)に示す内針6のように排出管2と復帰管3の軸方向に交差する平面や曲面で切断された形状に形成されることもあるが、外径自体が小さければ、必ずしもその必要はない。
排出孔2bは図3、図4−(a)に示すように排出管2の血管外に位置する側の端部であり、血液が一時的に貯留される貯留空間となる移行部21に、排出管2の内部の空間に連通して形成される。排出孔2bには排出管2内に取り込んだ血液を透析装置(濾過装置)へ移送させるための移送管5が接続される。
移送管5の排出管2からの離脱が生じないようにする上では、排出管2の排出孔2bの形成部分である移行部21に、図示するように排出孔2bに接続された移送管5を排出管2に保持させるための筒状の保持材4が移行部21に外接する形で装着されることが適切である。保持材4は排出管2の血管外側の端部を保持する役目を持つが、排出管2(外管)内を挿通する復帰管3(内管)、または血管を穿刺するための内針6を排出管2に接続するためにも利用される。移送管5は例えばポリウレタン、ポリ塩化ビニル等から製作される。
排出管2が外管である図示する例の場合、保持材4は移送管5を保持し、復帰管3と内針6の接続を可能にする形状をしていれば、形態を問わないが、図3等では排出孔2bが形成された移行部21を外周側から包囲する保持部4aと、保持部4aを被覆し、保護する外皮4bから保持材4を構成している。保持材4の素材も問われないが、例えばポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン(ポリアセタール樹脂)、ポリプロピレン等から製作される。
図3、図4の例では保持部4aは例えば予め複数個に分割されて成型されたブロックを移行部21の部分を包囲するように組み立てることにより移行部21の周囲に装着される。この例では外皮4bに排出管2を直接、保持する役目を持たせている。この例ではまた、排出管2内に取り込んだ血液が移行部21の内部に一時的に貯留できるよう、移行部21の形成部分の軸に垂直な断面積をそれ以外の区間の断面積より拡大し、移行部21の容積を増しているが、必ずしもその必要はない。
保持材4(保持部4a)の血管外側(血管の反対側)の端面寄りには、復帰管3の血管外寄りの外周側に装着(接続)される図4−(b)に示す接続具31と、内針6の血管外寄りの外周側に装着(接続)される図6−(d)に示す接続具61のいずれもが螺合等により分離自在に接続されるための雄ねじ等の接続部41が形成されている。接続部41が雄ねじである場合、接続具31と接続具61の接続部41側の内周面には雌ねじが形成される。
図6−(a)は外管としての排出管2の内部に、内管としての復帰管3の挿通前の時点で内針6が挿通している様子を示している。この例では図6−(a)、(d)に示すように内針6の接続具61の血管外側に配置された保持具62が内針6を接続具61に保持させ、保持具62の血管側側に配置されたキャップ63が内針6の根本側の孔を閉塞している。この例ではキャップ63が外されれば、内針6を通じた採血が可能になっている。
保持材4の外周にはまた、接続部41と例えば図1に示す接続具31が軸回りの回転により保持材4に接続されたときに、接続具31が容易に保持材4からに分離しないよう、突起41aが形成される。接続部41には図6に示す接続具61も接続される。または供給管7が連結される、図9に示す連結管8の保持材4側に形成された接続部81も接続部41には接続される。一方、接続具31や接続具61、または接続部81の、突起41aに対応した位置には軸回りの回転により突起41aが入り込む溝31a、61a、81aが周方向に形成される。接続具31は保持材4と同様の素材(合成樹脂)から製作される。供給管7は移送管5と同様、例えばポリウレタン、ポリ塩化ビニル等から製作される。
溝31a、61a、81aには図2−(b)に示すように接続具61の軸方向にも溝31b、61b、81bが連続して形成される。接続具31、61、または接続部81は接続部41への接続時に軸方向の溝31b、61b、81b内に突起41aが入り込み、そのまま接続具31、61、または接続部81が軸回りに回転させられることにより周方向の溝31a、61a、81a内に突起41aが入り込み、接続具31、61、または接続部81が接続部41から抜け止めされる。
上記した移行部21を構成し、保持材4の接続具31、61側(血管の反対側)の端面を形成する外側端部22の一部は図4−(a)、図6−(c)に示すように復帰管3、または内針6が接続されたときに、復帰管3、または内針6が挿通するよう、開放し、外側端部22に開口22aが形成されている。復帰管3、または内針6は開口22aと移行部21を挿通する。開口22aの形状は任意であり、円形には限られない。
外側端部22に開口22aが形成される関係で、保持材4(排出管2)に復帰管3、または内針6が接続されているときに排出管2内に取り込まれ、移行部21内に存在している血液が保持材4の端面から外側端部22の外側へ流出しないよう、保持材4(外側端部22)の端面や開口22aには止血弁42が配置される。止血弁42は復帰管3、または内針6の挿通状態で、また内針6の抜き取り後に保持材4の端面(外側端部22の開口22a)を閉塞する。止血弁42は外側端部22の血管外側の端面に密着した状態で配置される。
図1〜図6に示す例のように保持材4(排出管2)の開口22aを内針6が挿通しているときに止血弁42が内針6の挿通を許容し、内針6が抜き取られた後に開口22aを復帰管3が挿通する場合には、止血弁42としては例えば図5−(c)に示すような内針6や復帰管3が挿通する位置から外周側へ向けて切り込み42aが入れられた、例えば板(円板)状の弾性体(シール材)が使用される。止血弁42の切り込み42a部分は内針6等が切り込み42aを挿通するときに、内針6等の外周面に密着しながら、切り込み42aの周辺部分(切り込み42a以外の部分)が内針6等の挿通の向きにめくれ、内針6等が抜けたときに元の状態に復帰し、完全に閉じた状態になる。
但し、図1〜図6に示す例の場合にも、止血弁42としては例えば図3、図4−(a)、図6−(c)に示すように図7−(b)、(d)に示す例のフランジ42bのない、板状弾性体の厚さ方向に切り込み42aが入れられた形状のシール材を使用することも可能である。その場合、止血弁42の挿通孔42cには内針6と復帰管3(内管)が挿通するから、切り込み42aは内針6の外周面と復帰管3の外周面が密着する程度の大きさに設定(調整)される。内針6と復帰管3(内管)が切り込み42aから引き抜かれたとき、切り込み42aは閉塞し、止血弁42は移行部21内の血液の流出を阻止する。
止血弁42は図3、図4−(a)に示すように外側端部22に形成された溝に嵌合するよう、移行部21側に段差の付いた形状に形成されることが適切である。止血弁42は外側端部22の溝に納まった状態での離脱に対する安定性を高めるために、溝に接着されることもある。
図6に示すように保持材4の開口22aを内針6が挿通し、図3に示すように内針6の抜き取り後に復帰管3(内管)が開口22aを挿通する場合には、留置針1の使用状態では止血弁42を復帰管3が挿通していることから、止血弁42は復帰管3の外周面に密着し、復帰管3の外周面からの血液の流出を阻止できればよい。このため、止血弁42には復帰管3の外周面に密着可能な、図7−(b)、(d)に示すようなフランジ42b付きの筒状のシール材の使用も可能である。この場合、止血弁42は例えば図7−(a)に示すようにフランジ42bの保持材4側の面が外側端部22の血管外側の端面に密着しながら、フランジ42b以外の筒状部分の外周面が開口22aの内周面に密着した状態で外側端部22(保持材4)に装着される。止血弁42の外側端部22への密着面は接着されることもある。
図7−(b)〜(e)では止血弁42の、内針6と復帰管3(内管)が挿通する挿通孔42cを形成する内周面を軸方向に円錐形状に形成することで、内針6の外径と復帰管3の外径が相違する場合にも、いずれの管の外周面にも密着状態を維持可能にしている。内針6の外径と復帰管3の外径の相違には、挿通孔42cを形成する内周面を段差のある形状に、あるいは凹凸のある(蛇腹)形状に形成することによっても対応可能である。挿通孔42cがいずれの形状をする場合も、挿通孔42cから内針6が引き抜かれたとき、または復帰管3(内管)が引き抜かれたときには、筒状部分の少なくとも移行部21寄りの板状部分(厚みのある部分)は閉塞することで、移行部21内の血液の流出を阻止する。
図7−(b)〜(e)に示す例では内針6の挿通時と復帰管3(内管)の挿通時に挿通孔42aが軸方向に直交する方向に拡張することで、内針6と復帰管3の外周面に密着した状態を維持し、図11−(c)に示す例のようにめくれることがないため、血液の流出阻止効果が高い。
図7−(d)、(e)は特に、フランジ42b以外の本体部分がフランジ42b寄りの部分に関して外周側へ拡張しようと弾性変形するときに、本体部分の軸方向先端部分が移行部21内のいずれかの部分に接触することによる変形の阻害が生じないよう、外周部分も挿通孔42cの円錐形状に沿って円錐台形状に形成した場合の例を示す。この場合、本体部分の厚さ(肉厚)が軸方向に一様に、またはほぼ一様になるため、拡張(弾性)変形が軸方向のいずれかの部分においても生じ易くなる利点もある。図7−(d)、(e)の例では本体部分のフランジ42b寄りの外周面において外側端部22の開口22aの内周面に密着する。
図8−(a)〜(c)は保持材4の接続具31(61)側の外周部分に、接続具31(61)との接続(連結)用の接続部41を形成した場合の具体例を示す。接続部41は移行部21の外側端部22の外周部分に形成される。図8−(a)〜(c)は接続部41の接続具31(61)側の端面に図11−(c)に示すような切り込み42aが入れられた止血弁42が密着した様子を示している。図8では止血弁42の表面側に止血弁42の外周部分を覆うキャップ43を配置し、止血弁42の接続部41への密着状態を保護している。キャップ43は接続部41には例えば螺合や嵌合により接続される。(a)はキャップ43の中央部等に復帰管3(内管)が挿通するための開口が形成されている様子を示している。
図11−(c)では血管外側から移行部21側へかけて次第に内径が減少する円錐形状に挿通孔42cを形成すると共に、挿通孔42cの移行部21側に、挿通孔42cの軸方向に厚みを有する板状部分を形成し、この板状部分に切り込み42aを入れているが、この板状部分と切り込み42aは必ずしも必要ではない。挿通孔42cが少なくとも止血弁42の軸方向に貫通して形成されることで、内針6や内管の挿通時に挿通孔42c内を内針6や内管が挿通(貫通)可能で、挿通孔42c内に内針6や内管が挿通していない状態では挿通孔42cの移行部21側が完全に閉塞する状態に復帰できれば、止血弁42の形態は問われない。
図9は図8に示す保持材4の接続部41に供給管7を連結するための連結管8を接続した様子を示す。この例では連結管8の保持材4側に、接続部41に接続される、溝81a、81bが形成された上記した接続部81を一体化させている。図1等に示す供給管7は連結管8の開放側(保持材4の反対側)の端部に接続される。ここでは接続部81(連結管8)に内管としての復帰管3を接続した場合の例を示している。
図10−(a)は内管となる復帰管3の断面形状を三日月形(U字形)に形成した場合の、外管である排出管2との組み合わせ例を示す。(b)、(c)はそれぞれ復帰管3と排出管2の単体を示す。この例では排出管2と復帰管3の内周面全体が曲面になるため、排出管2内と復帰管3内を移動する血液にそれぞれの内部で対流を生じさせながら、円滑に流動させ易くなる。
図11−(a)、(b)は排出管2と復帰管3が互いに重ね合わせられる場合の組み合わせ例を示す。この例では復帰管3と排出管2のいずれかの内部に内針6が挿通させられ、内針6による血管への穿孔の形成後、内針6は引き抜かれる。図11では内針6が復帰管3内を挿通しているが、内針6は排出管2内を挿通することもある。図11−(a)に示す例では内針6が復帰管3内を挿通している関係で、復帰孔3bに連通する位置に移行部21が形成されるため、内針6の接続具61は移行部21を構成する外側端部22の外周部分に螺合等する。内針6が排出管2内を挿通する場合には、移行部21は排出管2の排出孔2bに連通する位置に形成され、その移行部21を構成する外側端部22に接続具61が接続される。
復帰管3と排出管2の内、内針6が挿通する側の外側端部22に内針6が挿通する開口22aが形成される。この例では内針6の引き抜き後に、外側端部22に面する移行部21内の血液が開口22aから流出することを阻止するために、開口22aは止血弁42によって閉塞させられる必要がある。この関係で、図11−(a)の例では外側端部22の表面側の端面に(c)、(d)に示すような中心部分から切り込み42aが入れられた円板状等の止血弁42が使用される。止血弁の外形の形状は開口22aの形状、または外側端部22の形状に従うため、円形状には限られない。図11−(c)に示す止血弁42の移行部21側の面は外側端部22に形成された溝に嵌合し得るよう、外周部分を除き、(d)に示すように移行部21側へ突出している。
この場合、止血弁42は内針6がないときに外側端部22に形成された開口22aを閉塞するように外側端部22の表面側に接着や嵌合等により固定され、内針6がないときには切り込み42a以外の部分は完全に閉じる。切り込み42a以外の部分が閉じたときに、移行部21内の血液の、開口22aからの流出阻止の安全性を高める上では、止血弁42の肉厚(板厚)は大きい方がよい。
切り込み42aに止血弁42の表面側から内針6が復帰管3内に差し込まれるとき、切り込み42aの周辺部分が開口22a内に入り込み、内針6の開口22aへの挿通を許容する。内針6が引き抜かれたとき、切り込み42aの周辺部分は図11−(c)の状態に復帰し、開口22aを完全に閉塞し、移行部21内にある血液の流出を阻止する。
1……留置針、
2……排出管、2a……流出孔、2b……排出孔、21……移行部(貯留空間)、22……外側端部、22a……開口、
3……復帰管、3a……流入孔、3b……復帰孔、31……接続具、31a……溝、31b……溝、
4……保持材、4a……保持部、4b……外皮、41……接続部、41a……突起、42……止血弁、42a……切り込み、42b……フランジ、42c……挿通孔、43……キャップ、
5……移送管、
6……内針、61……接続具、61a……溝、61b……溝、62……保持具、63……キャップ、
7……供給管、
8……連結管、81……接続部、81a……溝、81b……溝。

Claims (3)

  1. 血管内に挿入され、前記血管内の血液を前記血管から前記血管外へ排出させる中空断面の排出管と、前記血管内に挿入され、前記排出管に一体的に組み合わせられ、一旦、前記血管から排出された血液を前記血管内に復帰させる中空断面の復帰管とを備え、
    前記排出管の前記血管内に位置する部分に血液を前記血管外へ流出させる流出孔が形成され、前記排出管の前記血管外に位置する部分に血液を前記排出管外へ排出させる排出孔が形成され、
    前記復帰管の前記血管内に位置する部分に血液を前記血管内に流入させる流入孔が形成され、前記復帰管の前記血管外に位置する部分に血液を前記復帰管外から復帰させる復帰孔が形成され、
    前記排出管と前記復帰管のいずれか一方の内部は、前記血管を穿刺する内針が挿通自在な断面積を持ち、前記内針が挿通する前記排出管と前記復帰管のいずれか一方の前記血管外側に位置する外側端部に開口が形成され、この外側端部の前記血管外側の端面に、前記排出管と前記復帰管のいずれか一方の内部に存在する血液の、前記外側端部からの前記血管外への流出を阻止しながら、前記内針の挿通を許容する止血弁が密着した状態で配置されていることを特徴とする留置針。
  2. 前記排出管と前記復帰管のいずれか、もしくは前記内針の前記血管外側に、前記排出管と前記復帰管のいずれか、または双方を保持する保持材に接続される接続具が接続され、前記止血弁は前記外側端部の前記端面と、前記接続具との間に厚さ方向に挟まれて前記外側端部に装着された状態を維持していることを特徴とする請求項1に記載の留置針。
  3. 前記復帰管と前記排出管のいずれか一方が内管として、外管としての他方の内部を軸方向に挿通し、前記止血弁は前記外側端部の前記開口の内周面に密着しながら、前記外側端部の前記端面に密着するフランジ付きの筒状をし、前記止血弁の内周面は前記内管と前記内針の双方が挿通可能で、双方の外周面に密着可能であることを特徴とする請求項1に記載の留置針。
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