JP2020107869A - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020107869A
JP2020107869A JP2018248434A JP2018248434A JP2020107869A JP 2020107869 A JP2020107869 A JP 2020107869A JP 2018248434 A JP2018248434 A JP 2018248434A JP 2018248434 A JP2018248434 A JP 2018248434A JP 2020107869 A JP2020107869 A JP 2020107869A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
prepolymer
substituted
chemical formula
hydrocarbon ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018248434A
Other languages
English (en)
Inventor
光則 伊藤
Mitsunori Ito
光則 伊藤
史郎 入佐
Shiro Irisa
史郎 入佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samsung Electronics Co Ltd
Original Assignee
Samsung Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Samsung Electronics Co Ltd filed Critical Samsung Electronics Co Ltd
Priority to JP2018248434A priority Critical patent/JP2020107869A/ja
Publication of JP2020107869A publication Critical patent/JP2020107869A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】塗布法(特にインクジェット印刷法)で作製することができ、発光効率および発光寿命に優れる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。【解決手段】両末端に熱反応性架橋基を有するプレポリマーの架橋体を含む電荷輸送層を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子。【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法に関する。
近年、次世代フラットパネル表示装置として有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、単に「有機EL表示装置」とも称する)が注目されている。この有機EL表示装置は、薄型が可能な自己発光型の表示装置であり、視認性および視野角特性に優れ、低消費電力であるため、需要が高まってきている。
この有機EL表示装置は、一般に、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、単に「有機EL素子」とも称する)を有している。複数の有機EL素子の各々は、基板上に形成された第1電極と、第1電極上に形成された発光層を有する有機層と、有機層上に形成された第2電極とを備えている。そして、電界を印加することにより、有機層において、第1電極より注入された正孔と第2電極より注入された電子とが再結合し、有機層を形成する発光材料が発光する構成となっている。
また、一般に、有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等を備えている。
ここで、有機層に使用される有機エレクトロルミネッセンス材料(以下、単に「有機EL材料」とも称する)は、有機EL素子の発光効率や発光寿命に多大なる影響を与えうる。したがって、有機EL素子の高効率化と長寿命化とを達成可能にする有機EL材料が研究されている。
例えば、特許文献1には、フェニル基をパラ位で連結したジアミンモノマーを重合して得られた正孔輸送性ポリマーに、特定の添加剤を添加し成膜することで積層性の良い正孔輸送層が得られることが記載されている。
米国特許出願公開第2016/0315259号明細書
近年、製造工程の簡素化を図るとともに、製造コストを低下させるために、有機層を形成する方法として、有機EL材料を含む溶液を塗布する塗布法が採用されてきている。塗布法としては、例えば、有機EL材料をトルエンなどの有機溶媒に溶解させた溶液を、スピンコート法、インクジェット印刷法等により塗布する方法が挙げられる。これにより、有機層を形成するというものである。
上記特許文献1で開示される材料は、高分子量のポリマーであり、有機溶媒に溶かして得られる溶液の粘度が高過ぎてしまう。そのため、塗布法、特にインクジェット印刷法への適用に大きな課題があり、実用化に至っていない。
そこで本発明は、塗布法(特にインクジェット印刷法)で作製することができ、発光効率および発光寿命に優れる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、特定の構造を有する高分子を用いることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一実施形態によれば、両末端に熱反応性架橋基を有するプレポリマーの架橋体を含む電荷輸送層を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
また、本発明の他の実施形態によれば、上記有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、塗布法(特にインクジェット印刷法)で作製することができ、発光効率および発光寿命に優れる有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみには限定されない。
本発明は、両末端に熱反応性架橋基を有するプレポリマーの架橋体を含む電荷輸送層を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子である。
かような構成を有する本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、塗布法(特にインクジェット印刷法)で作製することができ、発光効率および発光寿命に優れる。
特許文献1のように、有機EL材料としてポリマーを使用した場合、溶液粘度が高く、塗布法(特にインクジェット印刷法)による成膜に適用できなかった。また、架橋性の低分子材料を使用した場合、架橋点が多すぎることに起因すると思われる電荷移動度の不足が発生する。そのため、著しい高駆動電圧化や短寿命化が起こり、架橋性の低分子材料を有機EL素子に適用することは困難であった。
このような課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を積み重ねた。その結果、両末端に熱反応性架橋基を有するプレポリマーを用いることにより、課題が解決することを見出した。本発明の両末端に熱反応性架橋基を有するプレポリマーは、従来のポリマーと比較して、分子量が小さい。よって、該プレポリマーを1質量%の濃度で含む溶液の25℃の粘度は、5mPa・s以下と低くなる。この粘度は、インクジェット印刷法で用いられるインクに適した粘度となり、インクジェット塗布性に優れる。さらに、該プレポリマーを加熱させることにより得られる架橋体は、その上に有機層形成のためのインクが塗布されたとしても、ほとんど溶解しない。したがって、塗布法による有機EL素子の作製が容易に行うことができる。さらに、該プレポリマーの架橋体を含む電荷輸送層を備える有機EL素子は、発光効率および発光寿命に優れる。
なお、上記メカニズムは推測に基づくものであり、その正誤が本発明の技術的範囲に影響を及ぼすものではない。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、各図面は説明の便宜上誇張されて表現されており、各図面における各構成要素の寸法比率が実際とは異なる場合がある。また、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明した場合では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本明細書において、特記しない限り、操作および物性等の測定は、室温(20℃以上25℃以下)/相対湿度40%RH以上50%RH以下の条件で行う。
[両末端に熱反応性架橋基を有するプレポリマー]
本発明の両末端に熱反応性架橋基を有するプレポリマー(以下、単に「プレポリマー」とも称する)は、濃度が1質量%である溶液の25℃における粘度が5mPa・s以下であることが好ましい。粘度が5mPa・sを超える場合、特にインクジェット印刷法への適用が困難となる場合がある。該粘度は好ましくは4mPa・s以下である。なお、粘度の下限値は0mPa・s超である。粘度は、具体的には、実施例に記載の測定方法で測定することができる。また、該粘度は、プレポリマーの構造、数平均分子量等を適宜調節することにより、制御することができる。
当該プレポリマーはアミン構造を有することが好ましい。アミン構造を有することにより、正孔輸送性がより向上するという点で優れる。
なお、本明細書において、アミン構造とは、1級アミン構造、2級アミン構造、および3級アミン構造を指す。
当該プレポリマーは、両末端に熱反応性架橋基を有する。熱反応性架橋基の例としては、下記の架橋基群から選択される基が好ましく挙げられる。
上記架橋基群中、
10〜R16は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1以上10以下のアルキル基であり、pは、1以上10以下の整数である。
また、熱反応性架橋基として、イソシアネート基(−NCO)と、水酸基(−OH)、第1級アミノ基(−NH)、または第2級アミノ基(−NHR)との組み合わせが挙げられる。この場合の例としては、プレポリマーの一方の末端にイソシアネート基を有し、他方の末端に水酸基、第1級アミノ基、および第2級アミノ基から選択される基を有するプレポリマーを用いる形態が挙げられる。また、両末端がイソシアネート基であるプレポリマーと、両末端が水酸基、第1級アミノ基、および第2級アミノ基から選択される基であるプレポリマーとを組み合わせて用いる形態も挙げられる。
ここで、炭素数1以上10以下のアルキル基は、特に制限されないが、炭素数1以上10以下の直鎖状または分岐状のアルキル基でありうる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基などが挙げられる。これらのうち、R10〜R16は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上5以下の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であることが好ましい。より好ましくは、水素原子または炭素数1以上3以下の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。また、炭素数1以上10以下のアルキル基に存在し得る置換基は、下記化学式(1)中のAr等における置換基と同様の定義であるため、後で詳述する。
これら熱反応性架橋基のうち、架橋反応性(架橋容易性、成膜容易性)、架橋構造の安定性、電解化学的安定性などを考慮すると、下記構造のベンゾシクロブテン環由来の基(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基)やビニル基(−CH=CH)が好ましい。また、架橋反応性(架橋容易性)などの観点から、エポキシ基、オキセタン基などの環状エーテル基やビニルエーテル基が好ましい。
下記では、プレポリマーの具体的な例を挙げる。
<プレポリマーA>
本発明の好ましい一実施形態によれば、プレポリマーは、下記化学式(1)で表される構成単位(以下、構成単位(A)とも称する)および下記化学式(2)で表される構成単位(以下、構成単位(B)とも称する)を有する。本明細書においては、このプレポリマーを「プレポリマーA」とも称する。
上記化学式(1)中
Ar、Ar、およびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基であり、
ArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の1価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の1価の芳香族複素環基であり、
は、0以上5以下の整数であり
は、1以上50以下の整数である。
上記化学式(2)中
Arは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基であり、
は、0以上25以下の整数である。
本明細書において、「置換もしくは非置換の」とは、置換基等が、水素原子および重水素原子を除き、さらに置換基を有してもよいことを意味する。また、これらの置換基は連結して環を形成してもよい。さらに、本明細書において、「それぞれ独立して」とは、各置換基が同一であってもよいし、異なっていてもよいことを意味する。
上記化学式(1)中のAr、Ar、およびArを構成しうる2価の芳香族炭化水素環基は、特に制限されない。しかしながら、炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素環を1つ以上含む2価の基(芳香族炭化水素環基)であることが好ましい。芳香族炭化水素環基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに縮合していてもよい。また、2以上の環が単結合で直接結合している炭化水素環集合基の形態であってもよい。
2価の芳香族炭化水素環基を構成する芳香族炭化水素は、特に限定されないが、具体的には、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アントラセン、アズレン、ヘプタレン、アセナフタレン、フェナレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、1,3,5−トリフェニルベンゼン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェン、ヘキサフェン、ヘキサセン、ルビセン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン等が挙げられる。
芳香族炭化水素環基に存在する1以上の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。置換基の具体例としては、例えば、置換もしくは非置換の炭素数1以上30以下のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1以上30以下のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1以上30以下の第2級または第3級アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換の炭素数6以上30以下のアリール基、または置換もしくは非置換の環形成原子数3以上30以下のヘテロアリール基が挙げられる。
上記したように、2価の芳香族炭化水素環基は、複数の芳香族炭化水素環が単結合で直接結合している2価の炭化水素環集合基であってもよい。芳香族炭化水素環の例としては、上記と同様である。なお、複数の芳香族炭化水素環は、同じものでもよいし、異なるものであってもよい。また、芳香族炭化水素環に存在する1以上の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。置換基の具体例は、上記と同様である。
2価の炭化水素環集合基の例としては、ビフェニル、o−ターフェニル、m−ターフェニル、p−ターフェニル、クアテルフェニル、キンクフェニル、セキシフェニル、またはセプチフェニル等の炭化水素環集合由来の2価の基が挙げられる。
上記化学式(1)中のAr、Ar、およびArを構成しうる2価の芳香族複素環基は、特に制限されない。しかしながら、1個以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子が炭素原子(C)である環形成原子数3以上30以下の芳香族複素環を1つ以上含む2価の基(芳香族複素環基)であることが好ましい。芳香族複素環基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに縮合していてもよい。また、これら芳香族複素環基に存在する1以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい。
上記へテロ原子の例としては、窒素原子(N)、酸素原子(O)、リン原子(P)、硫黄原子(S)等が挙げられる。好ましくは窒素原子(N)である。
ここで、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)を有する化合物において、環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば環を構成する原子の結合手を終端する水素原子)や、環が置換基によって置換される場合、該置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。例えば、カルバゾリル基は、環形成原子数が13である。
2価の芳香族複素環基を構成する芳香族複素環の具体例としては、例えば、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、ナフチリジン、アクリジン、フェナジン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリン、フェナンスリジン、フェナントロリン、ベンゾキノン、クマリン、アントラキノン、フルオレノン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、カルバゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ピラゾール、インダゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、イミダゾリノン、ベンズイミダゾリノン、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン、イミダゾフェナンスリジン、ベンズイミダゾフェナンスリジン、アザジベンゾフラン、アザカルバゾール、アザジベンゾチオフェン、ジアザジベンゾフラン、ジアザカルバゾール、ジアザジベンゾチオフェン、キサントン、チオキサントン等が挙げられる。
芳香族複素環基に存在する1以上の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。置換基の具体例は、上記と同様である。
上記2価の芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基は、複数の芳香族炭化水素環および/または芳香族複素環が連結基によって連結された基であってもよい。連結基の例としては、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、オキシカルボニル基等が挙げられる。なお、複数の芳香族炭化水素環または芳香族複素環は、同じものでもよいし異なるものであってもよい。また、芳香族炭化水素環または芳香族複素環に存在する1以上の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。置換基の具体例は、上記と同様である。
ArおよびArを構成しうる1価の芳香族炭化水素環基および1価の芳香族複素環基は、上記化学式(1)中のAr等における2価の芳香族炭化水素環基および2価の芳香族複素環基を1価とする以外は、同様の定義である。よって、ここでは説明を省略する。同様に、1価の芳香族炭化水素環基または1価の芳香族複素環基に存在し得る置換基は、上記化学式(1)中のAr等における置換基と同様である。
プレポリマーAは、構成単位(A)1種を含むものであってもよく、または2種以上の構成単位(A)を含むものであってもよい。
また、プレポリマーAは、構成単位(B)を有しうる。上記化学式(2)中、Arは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素環基、または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基である。2価の芳香族炭化水素環基および2価の芳香族複素環基の具体例は、上記と同様であるため、ここでは説明を省略する。同様に、2価の芳香族炭化水素環基または2価の芳香族複素環基に存在し得る置換基は、上記化学式(1)中のAr等における置換基と同様である。
なお、上記化学式(2)中のmは0以上25以下の整数である。すなわち、プレポリマーAは、構成単位(B)を有してもよいし、有しなくてもよい。プレポリマーAが構成単位(B)を有する場合、構成単位(B)1種を含むものであってもよく、または2種以上の構成単位(B)を含むものであってもよい。
構成単位(A)の具体的な例を、下記に示す。
<プレポリマーB>
本発明の他の好ましい一実施形態によれば、該プレポリマーは、下記化学式(3)で表される構成単位(以下、構成単位(C)とも称する)および下記化学式(4)で表される構成単位(以下、構成単位(D)とも称する)を有する。本明細書においては、このプレポリマーを「プレポリマーB」とも称する。
上記化学式(3)中、
Ar7は、それぞれ独立して、置換または非置換の3価の有機基であり、
ArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の1価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の1価の芳香族複素環基であり、この際、ArおよびArは、互いに連結して環を形成してもよく、
Lは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基であり、
は、0以上5以下の整数であり
は、1以上50以下の整数である。
上記化学式(4)中
Ar10は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基であり、
は、0以上25以下の整数である。
Arを構成しうる3価の有機基としては、3価の芳香族炭化水素環基または3価の芳香族複素環基が挙げられる。3価の芳香族炭化水素環基および3価の芳香族複素環基は、上記化学式(1)中のAr等における2価の芳香族炭化水素環基および2価の芳香族複素環基を3価とする以外は、同様の定義である。よって、ここでは説明を省略する。3価の芳香族炭化水素環基または3価の芳香族複素環基に存在し得る置換基は、上記化学式(1)中のAr等における置換基と同様である。
また、Arを構成しうる他の3価の有機基としては、3価の直鎖状、分岐状、または環状の脂肪族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、例えば、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の直鎖状、分岐状、または環状のアルカンから3個の水素原子を除いた基が挙げられる。3価の脂肪族炭化水素基に存在し得る置換基は、上記化学式(1)中のAr等における置換基と同様である。
ArおよびArを構成しうる1価の芳香族炭化水素環基および1価の芳香族複素環基は、上記化学式(1)中のAr等における2価の芳香族炭化水素環基および2価の芳香族複素環基を1価とする以外は、同様の定義である。よって、ここでは説明を省略する。同様に、1価の芳香族炭化水素環基または1価の芳香族複素環基に存在し得る置換基は、上記化学式(1)中のAr等における置換基と同様である。
なお、ArおよびArは、互いに連結して環を形成してもよい。
Ar10を構成しうる2価の芳香族炭化水素環基および2価の芳香族複素環基は、上記化学式(1)中のAr等における2価の芳香族炭化水素環基および2価の芳香族複素環基と同様の定義である。よって、ここでは説明を省略する。同様に、2価の芳香族炭化水素環基または2価の芳香族複素環基に存在し得る置換基は、上記化学式(1)中のAr等における置換基と同様である。
プレポリマーBは、構成単位(C)1種を含むものであってもよく、または2種以上の構成単位(C)を含むものであってもよい。
また、プレポリマーBは、構成単位(D)を有しうる。上記化学式(4)中、Ar10は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素環基、または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基である。2価の芳香族炭化水素環基および2価の芳香族複素環基の具体例は、上記と同様であるため、ここでは説明を省略する。同様に、2価の芳香族炭化水素環基または2価の芳香族複素環基に存在し得る置換基は、上記化学式(1)中のAr等における置換基と同様である。
なお、上記化学式(4)中のmは0以上25以下の整数である。すなわち、プレポリマーBは、構成単位(D)を有してもよいし、有しなくてもよい。プレポリマーBが構成単位(D)を有する場合、構成単位(D)1種を含むものであってもよく、または2種以上の構成単位(D)を含むものであってもよい。
構成単位(C)は、下記化学式(3−1)で表される構成単位であることが好ましい。
上記化学式(3−1)中、
Arおよびnは、上記化学式(3)と同様の定義であり、
およびLは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基であり、
Ar11およびAr12は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の1価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の1価の芳香族複素環基であり、この際、Ar11およびAr12は、互いに連結するかまたはLと連結して環を形成してもよく、
およびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは非置換の1価の芳香族炭化水素環基、または置換もしくは非置換の1価の芳香族複素環基であり、この際、RおよびRは、互いに連結して環を形成してもよく、
aは、0以上4以下の整数であり、
bは、0以上3以下の整数であり、
Zは、それぞれ独立して、窒素原子または−CH=である。
1価の芳香族炭化水素環基、1価の芳香族複素環基、2価の芳香族炭化水素環基、および2価の芳香族複素環基は、上記と同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。
炭素数1以上20以下のアルキル基は、特に制限されず、炭素数1以上20以下の直鎖状または分岐状のアルキル基でありうる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられる。これらのうち、炭素数1以上8以下の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基が好ましい。
炭素数1以上20以下のアルコキシ基は、特に制限されず、炭素数1以上20以下の直鎖状または分岐状のアルコキシ基でありうる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、tert−ペントキシ基、ネオペントキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、1−イソプロピルプロポキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、n−ヘプチルオキシ基、1,4−ジメチルペンチルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基、2−メチル−1−イソプロピルプロポキシ基、1−エチル−3−メチルブトキシ基、n−オクチル基オキシ、2−エチルヘキシルオキシ基、3−メチル−1−イソプロピルブトキシ基、2−メチル−1−イソプロポキシ基、1−tert−ブチル−2−メチルプロポキシ基、n−ノニルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、イソデシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、1−メチルデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基などが挙げられる。これらのうち、炭素数1以上8以下の直鎖もしくは分岐状のアルコキシ基が好ましい。
構成単位(C)の具体的な例を下記に示す。なお、下記式中、*は、隣接する原子との結合手を表す。また、下記式中、「Alkyl」は、「無置換またはアルキル基で置換された」ことを意味する。
さらに、側鎖にフルオレン構造とアミン構造とを有する、アミノフルオレンプレポリマーも、本発明のプレポリマーとして好適に使用できる。このようなアミノフルオレンプレポリマーが有する構成単位の具体例を以下に示す。なお、以下において、mは、例えば、1以上10以下の整数である。
プレポリマーが2種以上の構成単位から構成される場合、プレポリマーの構造は特に制限されない。プレポリマーは、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
上記のプレポリマーは、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
これらの中でも、プレポリマーAまたはプレポリマーBが好ましい。
より好ましくは、以下に示すプレポリマーである。すなわち、下記の構成単位(A−1)を有し、かつ両末端の熱反応性架橋基が、ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基であるプレポリマーA−1がより好ましい。
また、下記構成単位(A−2)と下記構成単位(B−1)とがランダムに結合した共重合体であって、かつ両末端の熱反応性架橋基が、ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基であるプレポリマーA−2もより好ましい。
さらに、下記構成単位(A−3)と下記構成単位(B−2)とがランダムに結合した共重合体であって、かつ両末端の熱反応性架橋基が、ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基であるプレポリマーA−3もより好ましい。
上記の中でも、プレポリマーA−1がさらに好ましい。
本明細書において、プレポリマーとは、数平均分子量(Mn)が3,000以上である化合物を指す。プレポリマーの数平均分子量(Mn)は、3,000以上25,000以下であることが好ましく、3,500以上23,000以下であることがより好ましい。このような数平均分子量であれば、電荷輸送層(例えば、正孔注入層、正孔輸送層)を形成するための塗布液の粘度を適切に調節することができ、均一な膜厚の層を形成することが可能である。
本明細書において、プレポリマーの数平均分子量(Mn)の測定は、特に制限されず、公知の方法を用いてまたは公知の方法を適宜修飾して適用できる。本明細書では、数平均分子量(Mn)は、下記方法により測定される値を採用する。
(数平均分子量(Mn)の測定)
プレポリマーの数平均分子量(Mn)は、ポリスチレンを標準物質として用いて、SEC(サイズ排除クロマトグラフィー:Size Exclusion Chromatography)により、以下の条件で測定する。
(SEC測定条件)
分析装置(SEC):株式会社島津製作所製、Prominence
カラム:ポリマーラボラトリーズリミテッド社製、PLgel MIXED−B
カラム温度:40℃
流量:1.0mL/min
試料溶液の注入量:20μL(ポリマー濃度:約0.05質量%)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
検出器(UV−VIS検出器):株式会社島津製作所製、SPD−10AV
標準試料:ポリスチレン。
本実施形態のプレポリマーは、公知の有機合成方法を用いることで合成することが可能である。本実施形態のプレポリマーの具体的な合成方法は、後述する実施例を参照した当業者であれば、容易に理解することが可能である。なお、プレポリマーの重合に用いられるモノマーは、公知の合成反応を適宜組み合わせて合成することができ、その構造も、公知の方法(例えば、NMR、LC−MS等)により確認することができる。
上記の実施形態に係るプレポリマーは、溶媒への高い溶解性を示し、湿式の塗布法により容易に成膜(薄膜化)でき、特にインクジェット印刷法に適する。また、上記プレポリマーを架橋させた架橋体を含有する電荷輸送層を備えた有機EL素子は、発光効率および発光寿命に優れる。
<低分子化合物>
本発明に係る電荷輸送層は上記プレポリマーの架橋体とともに、分子量3,000未満の低分子化合物を含んでもよい。当該低分子化合物は、正孔輸送性に優れるため、上記電荷輸送層が正孔輸送層である場合、好適に使用することができる。
[低分子化合物]
本発明に係る分子量3,000未満の低分子化合物(以下、単に「低分子化合物」とも称する)としては、下記式(J1)〜(J3)で表される化合物の少なくとも1種であることが好ましい。
上記式(J1)中、ArおよびArは、それぞれ独立して、置換または非置換の1価の芳香族炭化水素環基または1価の芳香族複素環基である。好ましくは、ArおよびArは、置換または非置換のフェニル基またはm−ターフェニル基である。ArおよびArとしての1価の芳香族炭化水素環基または1価の芳香族複素環基に導入されうる置換基は、上記Ar等で例示した置換基と同様である。また、ArおよびArは、隣接する芳香環と結合して環を形成してもよい。
上記式(J1)中、Jは、=C(R)−または=N−であり、好ましくは=C(R)−である。この際、Rは、水素原子、アルキル基、シアノ基、1価の芳香族炭化水素環基、1価の芳香族複素環基、アルキルシリル基、アルコキシ基またはハロゲン基である。複数のRは互いに連結して環を形成してもよい。
上記化学式(J1)で表される化合物としては、下記化学式(J1−1)で表される化合物が好ましい。
上記化学式(J1−1)中、Ara’およびArb’は、下記グループ1からなる群より選択される基である。なお、下記グループ1の各基は、置換されていてもよい。この際、導入されうる置換基は、上記Ar等で例示した置換基と同様である。また、下記グループ1中、*は、上記化学式(J1−1)のベンゼン環炭素との結合部位を表す。また、上記式(J1−1)中、Rは、それぞれ独立して、好ましくは炭素数1以上12以下の直鎖状アルキル基であり、より好ましくは炭素数3以上8以下の直鎖状アルキル基である。
上記式(J1)で表される低分子化合物の具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記化学式(J2)中、Ar、Ar、およびArは、それぞれ独立して、置換または非置換の1価の芳香族炭化水素環基または1価の芳香族複素環基である。好ましくは、Ar、Ar、およびArは、それぞれ独立して、置換または非置換のフェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基またはジベンゾフラニル基である。Ar、Ar、およびArとしての1価の芳香族炭化水素環基または1価の芳香族複素環基に導入されうる置換基は、上記Ar等で例示した置換基と同様である。Ar、Ar、およびArは同一であっても異なっていてもよいが、Ar、Ar、およびArのうち少なくとも2つは同一であることが好ましい。
上記化学式(J2)で表される低分子化合物の具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記化学式(J3)中、Ar、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立して、置換または非置換の1価の芳香族炭化水素環基または1価の芳香族複素環基である。好ましくは、Ar、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立して、置換または非置換のフェニル基、ビフェニル基またはフルオレニル基である。Ar、Ar、ArおよびArとしての1価の芳香族炭化水素環基または1価の芳香族複素環基に導入されうる置換基は、上記Ar等で例示した置換基と同様である。また、Ar、Ar、ArおよびArは、互いに連結して環を形成してもよい。
上記化学式(J3)中、Arは、置換または非置換の2価の芳香族炭化水素環基または2価の芳香族複素環基である。好ましくは、Arはフェニレン基である。Arとしての2価の芳香族炭化水素環基または2価の芳香族複素環基に導入されうる置換基は、上記Ar等で例示した置換基と同様である。また、Arは、Ar、Ar、ArおよびArと結合して環を形成してもよい。
上記化学式(J3)中、qは、1以上10以下の整数であり、好ましくは2以上5以下の整数である。
上記化学式(J3)で表される低分子化合物の具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る電荷輸送層中において、プレポリマーの架橋体と上記低分子化合物の質量比(架橋体:低分子化合物)は、20:80以上80:20以下であることが好ましい。
[有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)]
以下では、図1を参照しながら、本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る有機EL素子を示す模式図である。しかしながら、本実施形態に係る有機EL素子の構造は、図1に示す形態に限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態に係る有機EL素子100は、基板110と、基板110上に配置された第1電極120と、第1電極120上に配置された正孔注入層130と、正孔注入層130上に配置された正孔輸送層140と、正孔輸送層140上に配置された発光層150と、発光層150上に配置された電子輸送層160と、電子輸送層160上に配置された電子注入層170と、電子注入層170上に配置された第2電極180と、を備える。
本実施形態の電荷輸送層は、プレポリマーと溶媒とを含む電荷輸送層形成用組成物を塗布した後加熱乾燥することにより形成される。塗布法としては、インクジェット印刷法が好ましい。すなわち、本発明の好ましい一実施形態によれば、両末端に熱反応性架橋基を有するプレポリマーを含む溶液をインクジェット法により塗布し塗膜を得る工程と、前記塗膜を加熱乾燥し、前記プレポリマーの架橋体を含む電荷輸送層を形成する工程と、を有する、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供する。
上記プレポリマーの濃度が1質量%である溶液の25℃における粘度は、5mPa・s以下であることが好ましい。
ここで、本実施形態のプレポリマーの架橋体は、例えば、第1電極120と第2電極180との間に配置されたいずれかの電荷輸送層中に含まれる。具体的には、プレポリマーの架橋体は、正孔注入材料として正孔注入層130または正孔輸送材料として正孔輸送層140に含まれることが好ましい。プレポリマーの架橋体は、正孔輸送材料として正孔輸送層140に含まれることがより好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態では、プレポリマーの架橋体を含む電荷輸送層が、正孔輸送層または正孔注入層である。本発明のより好ましい形態では、プレポリマーの架橋体を含む電荷輸送層が、正孔輸送層である。
<電荷輸送層形成用組成物>
本実施形態に係る電荷輸送層形成用組成物は、有機EL素子の電荷輸送層(特に正孔注入層または正孔輸送層)を溶液塗布法(塗布法)により形成するために用いられることが好ましい。このような電荷輸送層形成用組成物は、本発明に係るプレポリマーと、溶媒と、を含み、必要に応じて上記低分子化合物を含む。
(溶媒)
本発明に係る電荷輸送層形成用組成物に使用可能な溶媒は、使用する材料が溶解するものであれば、特に限定はされない。しかしながら、芳香族化合物、芳香族エーテル、芳香族エステル、および芳香族ケトンからなる群より選択される少なくとも1種の溶媒を含むことが好ましい。それらの中でも、芳香族エーテル、芳香族エステル、および芳香族ケトンからなる群より選択される少なくとも1種の溶媒を含むことがより好ましい。
前記芳香族エーテルとしては、特に制限されないが、下記化学式(S1)で表されるものが好ましい。
上記化学式(S1)において、Xは炭素数1以上6以下のアルキル基であり、Xは水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を表す。
具体的な芳香族エーテルとしては、アニソール、4−メトキシトルエン、p−エチルアニソール、p−プロピルアニソール、p−ブチルアニソール、フェネトール、1−プロピル−4−メトキシベンゼン、イソプロピルフェニルエーテル、フェニルプロピルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル等が挙げられる。
前記芳香族エステルとしては、特に制限されないが、下記化学式(S2)で表されるものであることが好ましい。
上記化学式(S2)において、Yは炭素数1以上3以下のアルキル基であり、Yは水素原子、メチル基またはエチル基を表す。
具体的な芳香族エステルとしては、安息香酸メチル、4−メチル安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸イソプロピル等が挙げられる。
前記芳香族ケトンとしては、特に制限されないが、下記化学式(S3)で表されるものであることが好ましい。
上記化学式(S3)中、Zは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、Zは水素原子、メチル基、またはエチル基を表す。
具体的な芳香族ケトンとしては、アセトフェノン、4’−メチルアセトフェノン、プロピオフェノン、4’−メチルプロピオフェノン、ブチロフェノン、4’−メチルブチロフェノン等が挙げられる。
上述の溶媒のうち、発光効率が高く、特にインクジェット吐出安定性が高いという観点から、芳香族エーテルおよび/または芳香族エステルを含むことが好ましい。塗膜に残存した際、発光ホスト材料の電荷輸送を阻害する極性基、すなわちカルボニル基を有しないため、より高い発光効率が得られる観点から芳香族エーテルであることがより好ましい。
上述の溶媒の20℃における水への溶解度は、1%以下であることが好ましく、0.9%以下であることがさらに好ましく、0.7%以下であることが特に好ましい。溶媒の20℃における水への溶解度が1%以下であれば、有機EL素子のダークスポットが抑制され、ショートや耐久性の劣化を防止することができる。
上述の溶媒の粘度は、1.0mPa・s以上3.5mPa・s以下であることが好ましい。該溶媒の粘度は、1.2mPa・s以上3.0mPa・s以下であることがより好ましく、1.5mPa・s以上2.5mPa・s以下であることがさらに好ましい。粘度が上記範囲であれば、一般的には分子量が大きく蒸気圧も小さいため、インクジェットヘッドのノズルが詰まり難い傾向にある。一方、溶媒の粘度が3.5mPa・s以下であれば、得られる電荷輸送層形成用組成物の粘度が高くならず、組成物の微小液滴をインクジェットヘッドから吐出することが容易になる。
上記溶媒の表面張力は、20mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。該表面張力は、25mN/m以上43mN/m以下であることがより好ましく、28mN/m以上40mN/m以下であることがさらに好ましい。上記溶媒の表面張力が20mN/m以上であると、組成物のノズル表面上における濡れ性が高過ぎず、組成物がノズルの周囲に付着し難く、液滴の飛翔方向が曲がり難くなる。一方、溶媒の表面張力が45mN/m以下であると、ノズル先端におけるメニスカスの形状が安定し、組成物の吐出量や吐出タイミングの制御が容易になる。
また、インクジェットヘッドのノズルにおける組成物の乾燥を抑制できる観点から、溶媒の25℃における蒸気圧は133Pa(1mmHg)以下であることが好ましい。該蒸気圧は、66.7Pa(0.5mmHg)以下であることがより好ましく、1.33Pa(0.01mmHg)以上66.7Pa(0.5mmHg)以下であることがさらに好ましい。蒸気圧がこの範囲であれば、乾燥後でも塗膜中に溶媒が残存し難く、有機EL素子の発光効率および耐久性(発光寿命)を向上させる。
なお、上述の溶媒は単独でも、または2種以上を組み合わせても用いることができる。
本発明の一実施形態において、インクジェット吐出物の乾燥時の平滑性を改善させるため、またはプレポリマー等の有機EL材料の溶解性を改善させるために、その他の溶媒をさらに含んでもよい。
その他の溶媒としては、有機EL材料を溶解可能な溶媒であればよく、具体例としては、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等の炭素数6以上の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族系溶媒が挙げられる。
なお、その他の溶媒は単独でも、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(添加剤)
電荷輸送層形成用組成物は、インクジェット吐出性を改善させる目的、またはインクジェット吐出物乾燥時の平滑性を改善させる目的で、必要に応じてレベリング剤、粘度調整剤等の添加剤が含有されていてもよい。
レベリング剤
レベリング剤としては、特に制限されないが、シリコーン系化合物、フッ素系化合物、シロキサン系化合物、非イオン系界面活性剤、イオン系界面活性剤、チタネートカップリング剤等を用いることができる。これらのうち、シリコーン系化合物、フッ素系化合物が好ましい。
前記シリコーン系化合物としては、特に制限されないが、ジメチルシリコーン、メチルシリコーン、フェニルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。これらのうち、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーンが好ましい。
前記フッ素系化合物としては、特に制限されないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、フルオロアルキルメタクリレート、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエチレンオキシド等が挙げられる。これらのうち、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
前記シロキサン系化合物としては、特に制限されないが、ジメチルシロキサン化合物(商品名:KF96L−1、KF96L−5、KF96L−10、KF96L−100、以上、信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
上述のレベリング剤のうち、シリコーン系化合物、フッ素系化合物、シロキサン系化合物を用いることが好ましく、シロキサン系化合物を用いることがより好ましい。
なお、上述のレベリング剤は単独でも、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
レベリング剤の添加量は、所望とする性能によっても異なるが、組成物の全質量に対して、0.001質量%以上5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.001質量%以上1質量%以下である。レベリング剤の添加量が0.001質量%以上であると、塗膜の平滑性を改善できることから好ましい。一方、レベリング剤の添加量が5質量%以下であると、発光効率を向上できることから好ましい。
粘度調整剤
粘度調整剤としては、特に制限されないが、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ポリメチルメタクリレート、メタクリル・スチレン共重合体、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を用いることができる。これらのうち、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ポリメチルメタクリレートが好ましい。
上述の粘度調整剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘度調整剤の添加量は、所望とする性能によっても異なるが、組成物の全質量に対して、0.001質量%以上5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.01質量%以上1質量%以下である。粘度調整剤の添加量が0.001質量%以上であると、発光材料の凝集を抑制し、発光効率を向上できることから好ましい。一方、粘度調整剤の添加率が5質量%以下であると、インクジェット液滴の飛翔形状を改善できることから好ましい。
溶媒の使用量は、特に制限されない。しかしながら、塗布容易性等の観点から、プレポリマーの濃度が、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下となる量である。
溶液塗布法の具体例としては、スピンコート(spin coat)法、キャスティング(casting)法、マイクログラビアコート(micro gravure coat)法、グラビアコート(gravure coat)法、バーコート(bar coat)法、ロールコート(roll coat)法、ワイアーバーコート(wire bar coat)法、ディップコート(dip coat)法、スプレーコート(spry coat)法、スクリーン(screen)印刷法、フレキソ(flexographic)印刷法、オフセット(offset)印刷法、インクジェット(ink jet)印刷法等が挙げられる。
なお、上記したように、本発明に係る両末端に熱反応性架橋基を有するプレポリマーの濃度が1質量%である溶液の25℃における粘度は、好ましくは5mPa・s以下である。このような粘度範囲となる本発明のプレポリマーは、特にインクジェット印刷法に好適に用いられる。
電荷輸送層形成用組成物を塗布し塗膜を形成した後、該塗膜を加熱乾燥する。これにより、プレポリマーが架橋し、電荷輸送層が形成される。
加熱乾燥の温度は特に制限されないが、使用溶媒の沸点、使用材料のガラス転移温度(Tg)、分解温度等から決定される。通常は、水分の沸点を考慮して、100℃以上300℃以下であることが好ましく、105℃以上280℃以下であることがより好ましい。また、加熱乾燥の時間も特に制限されないが、0秒(乾燥なし)以上120分以下であることが好ましく、0秒(乾燥なし)以上60分以下であることがより好ましい。加熱乾燥の手段も特に制限されない。かような加熱乾燥を行うことにより、プレポリマーの架橋体を得ることができる。また、乾燥なしの場合、UV照射等の他の手法により、架橋反応を実施し架橋体を得ることができる。また、それら複数の手法を組み合わせて、架橋体を得ることもできる。該プレポリマーの架橋体を含む電荷輸送層を備えた有機EL素子は、発光効率および発光寿命に優れる。
なお、本発明のプレポリマーの架橋体を含む層以外の層の成膜方法については、特に限定されない。このような層は、例えば、真空蒸着法によって成膜されてもよく、溶液塗布法によって成膜されてもよい。
基板110は、一般的な有機EL素子で使用される基板を使用することができる。例えば、基板110は、ガラス(glass)基板、シリコン(silicon)基板等の半導体基板、または透明なプラスチック(plastic)基板等であってもよい。
基板110上には、第1電極120が形成される。第1電極120は、具体的には、陽極であり、金属、合金、または導電性化合物等のうち仕事関数が大きいものによって形成される。例えば、第1電極120は、透明性および導電性に優れる酸化インジウムスズ(In−SnO:ITO)、酸化インジウム亜鉛(In−ZnO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等によって透過型電極として形成されてもよい。また、第1電極120は、上記透明導電膜に対して、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)等を積層することによって反射型電極として形成されてもよい。
第1電極120上には、正孔注入層130が形成される。正孔注入層130は、第1電極120からの正孔の注入を容易にする層であり、具体的には10nm以上1000nm以下、より具体的には10nm以上100nm以下の厚さで形成されてもよい。
本発明のプレポリマーの架橋体に代えてまたはプレポリマーの架橋体に加えて、正孔注入層130は、公知の正孔注入材料を含むことができる。公知の正孔注入材料としては、例えば、トリフェニルアミン含有ポリエーテルケトン(poly(ether ketone)−containg triphenylamine:TPAPEK)、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(4−isopropyl−4’−methyldiphenyliodonium tetrakis(pentafluorophenyl)borate:PPBI)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(N,N'−diphenyl−N,N'−bis−[4−(phenyl−m−tolyl−amino)−phenyl]−biphenyl−4,4’−diamine:DNTPD)、銅フタロシアニン(copper phthalocyanine)、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylamine:m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(N,N’−di(1−naphthyl)−N,N’−diphenylbenzidine:NPB)、4,4’,4”−トリス(ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(diphenylamino)triphenylamine:TDATA)、4,4’,4”−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(N,N−2−naphthylphenylamino)triphenylamine:2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(polyaniline/dodecylbenzenesulphonic acid)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(poly(3,4−ethylenedioxythiophene)/poly(4−styrenesulfonate)、PEDOT−PSS)、およびポリアニリン/10−カンファースルホン酸(polyaniline/10−camphorsulfonic acid)等を挙げることができる。
正孔注入層130上には、正孔輸送層140が形成される。正孔輸送層140は、正孔を輸送する機能を備えた層であり、例えば、10nm以上150nm以下の厚さで形成されてもよい。
本発明のプレポリマーの架橋体に代えてまたはプレポリマーの架橋体に加えて、正孔輸送層140は、公知の正孔輸送材料を含むことができる。公知の正孔輸送材料としては、例えば、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(1,1−bis[(di−4−tolylamino)phenyl]cyclohexane:TAPC)、N−フェニルカルバゾール(N−phenylcarbazole)およびポリビニルカルバゾール(polyvinylcarbazole)等のカルバゾール(carbazole)誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(N,N’−bis(3−methylphenyl)−N,N’−diphenyl−[1,1−biphenyl]−4,4’−diamine:TPD)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(N−carbazolyl)triphenylamine:TCTA)、ならびにN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(N,N’−di(1−naphthyl)−N,N’−diphenylbenzidine:NPB)等を挙げることができる。
また、国際公開第2011/159872号、米国特許出願公開第2016/0315259号明細書等に記載の正孔輸送材料も用いることもできる。
正孔輸送層140上には、発光層150が形成される。発光層150は、蛍光、燐光等によって光を発する層である。発光層150は、例えば、10nm以上60nm以下の厚さで形成されてもよい。
発光層150は、正孔輸送性化合物(HT−Host)、電子輸送性化合物(ET−Host)、ワイドギャップ化合物(WG−Host)等のホスト化合物を含みうる。そのようなホスト化合物の例としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(tris(8−quinolinato)aluminium:Alq)、4,4'−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(4,4'−bis(carbazol−9−yl)biphenyl:CBP)、ポリ(n−ビニルカルバゾール)(poly(n−vinyl carbazole):PVK)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(9,10−di(naphthalene)anthracene:ADN)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアン(4,4’,4”−tris(N−carbazolyl)triphenylamine:TCTA)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(1,3,5−tris(N−phenyl−benzimidazol−2−yl)benzene:TPBI)、3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(3−tert−butyl−9,10−di(naphth−2−yl)anthracene:TBADN)、ジスチリルアリーレン(distyrylarylene:DSA)、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(4,4’−bis(9−carbazole)2,2’−dimethylbipheny:dmCBP)等が挙げられる。また、後述の実施例に記載のET−Host1、HT−Host1、およびWG−Host1も、ホスト化合物として用いることができる。
発光層150は、ドーパント材料として、蛍光発光性化合物または燐光発光性化合物を含むことが好ましい。蛍光発光性化合物の具体例としては、例えば、ペリレン(perlene)およびその誘導体、ルブレン(rubrene)およびその誘導体、クマリン(coumarin)およびその誘導体、ピレン(pyrene)およびその誘導体、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(4−dicyanomethylene−2−(p−dimethylaminostyryl)−6−methyl−4H−pyran:DCM)およびその誘導体等が挙げられる。また、燐光発光性化合物の具体例としては、例えば、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジネート]ピコリネートイリジウム(III)(bis[2−(4,6−difluorophenyl)pyridinate]picolinate iridium(III):FIrPic)、ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(bis(1−phenylisoquinoline)(acetylacetonate)iridium(III):Ir(piq)(acac))、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(tris(2−phenylpyridine)iridium(III):Ir(ppy))、トリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジン イリジウム(III)(tris(2−(3−p−xylyl)phenyl)pyridine iridium(III)、TEG)等のイリジウム(Ir)錯体、オスミウム(Os)錯体、白金(Pt)錯体等が挙げられる。
また、発光層150は、発光材料として、量子ドット等の半導体ナノ粒子を含んでもよい。量子ドットは、I−VI族系列の半導体、III−V族系列の半導体またはIV−IV族系列の半導体等で構成されるナノ粒子である。上記半導体としては、例えば、CdS、CdSe、CdTe、ZnSe、ZnS、PbS、PbSe、HgS、HgSe、HgTe、CdHgTe、CdSeTe1−X、GaAs、InAsおよびInP等が挙げられる。ただし、上記半導体は、これらに限定されるものではない。量子ドットの直径は、特に限定されないが、1nm以上20nm以下であることが好ましい。該量子ドットは、単一のコア構造を有していてもよいし、コアの表面上にシェルが被覆された、いわゆるコア−シェル構造を有していてもよい。
発光層150上には、電子輸送層160が形成される。電子輸送層160は、電子を輸送する機能を備えた層であり、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット印刷法等を用いて形成される。電子輸送層160は、例えば、15nm以上50nm以下の厚さで形成されてもよい。
電子輸送層160は、公知の電子輸送材料を用いて形成されてもよい。公知の電子輸送材料としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(tris(8−quinolinato)aluminium:Alq)、(8−ヒドロキシキノリノラト)リチウム(リチウムキノレート、(8−hydroxyquinolinato)lithium:Liq)、および含窒素芳香環を有する化合物等を挙げることができる。含窒素芳香環を有する化合物の具体例としては、例えば、1,3,5−トリ[(3−ピリジル)−フェン−3−イル]ベンゼン(1,3,5−tri[(3−pyridyl)−phen−3−yl]benzene)のようなピリジン(pyridine)環を含む化合物、2,4,6−トリス(3’−(ピリジン−3−イル)ビフェニル−3−イル)−1,3,5−トリアジン(2,4,6−tris(3’−(pyridin−3−yl)biphenyl−3−yl)−1,3,5−triazine)のようなトリアジン(triazine)環を含む化合物、2−(4−(N−フェニルベンゾイニダゾリル−1−イル−フェニル)−9,10−ジナフチルアントラセン(2−(4−(N−phenylbenzoimidazolyl−1−yl−phenyl)−9,10−dinaphthylanthracene)のようなイミダゾール(imidazole)環を含む化合物、KLET−01、KLET−02、KLET−03、KLET−10、KLET−M1(以上、ケミプロ化成株式会社製)等を挙げることができる。
電子輸送層160上には、電子注入層170が形成される。電子注入層170は、第2電極180からの電子の注入を容易にする機能を備えた層であり、真空蒸着法等を用いて形成される。電子注入層170は、例えば、0.3nm以上9nm以下の厚さで形成されてもよい。電子注入層170は、電子注入層170を形成する材料として公知の材料ならば、いずれも使用することができる。例えば、電子注入層170は、(8−ヒドロキシキノリノラト)リチウム((8−hydroxyquinolinato)lithium:Liq)およびフッ化リチウム(LiF)等のリチウム(lithium)化合物、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化セシウム(CsF)、酸化リチウム(LiO)、または酸化バリウム(BaO)等にて形成されてもよい。
電子注入層170上には、第2電極180が形成される。第2電極180は、具体的には、陰極であり、金属、合金、または導電性化合物等のうち仕事関数が小さいものによって形成される。例えば、第2電極180は、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)等の金属、またはアルミニウム−リチウム(Al−Li)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)等の合金で反射型電極として形成されてもよい。また、第2電極180は、上記金属材料の20nm以下の薄膜、酸化インジウムスズ(In−SnO)および酸化インジウム亜鉛(In−ZnO)等の透明導電性膜によって透過型電極として形成されてもよい。
なお、本実施形態による有機EL素子100の積層構造は、上記例示に限定されない。本形態による有機EL素子100は、他の公知の積層構造にて形成されてもよい。例えば、有機EL素子100は、正孔注入層130、正孔輸送層140、電子輸送層160、および電子注入層170のうちの1層以上が省略されてもよく、また、追加で他の層を備えていてもよい。また、有機EL素子100の各層は、それぞれ単層で形成されてもよく、複数層で形成されてもよい。
例えば、有機EL素子100は、励起子または正孔が電子輸送層160に拡散することを防止するために、正孔輸送層140と発光層150との間に正孔阻止層をさらに備えていてもよい。正孔阻止層は、例えば、オキサジアゾール(oxadiazole)誘導体、トリアゾール(triazole)誘導体、またはフェナントロリン(phenanthroline)誘導体等によって形成することができる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(ポリマーP−1、プレポリマーA−1の合成)
国際公開第2011/159872号に記載のConpound Tの製法に準拠して、下記化学式で表されるポリマーP−1を合成した。SECにより測定したポリマーP−1の数平均分子量(Mn)は141,000であり、重量平均分子量(Mw)は511,000であった。
また、下記化学式で表されるモノマーA−1 60mol%と、末端停止剤である4−ブロモベンゾシクロブテンを40mol%とを、国際公開第2011/159872号に記載のConpound Tの製法に準拠して重合反応を行い、プレポリマーA−1を合成した。SECにより測定したプレポリマーA−1の数平均分子量(Mn)は、16,000であった。このMnの測定データから、プレポリマーA−1は、化学式(1)中のnが13.7である化合物であることがわかった。
上記P−1、モノマーA−1、およびプレポリマーA−1について、オストワルド粘度計を使用し、シクロヘキシルベンゼン1質量%溶液の25℃粘度を測定し、溶液のインクジェット印刷法への適用性を確認した。粘度が5mPa・s以下であれば、好適に使用できる。
また、それぞれの化合物について、4質量%のアニソール溶液を作製し、石英ガラス板上に2000rpmでスピンコートし、ホットプレート上で240℃、30分間加熱して、有機膜(膜厚:125nm)を形成した。この有機膜を安息香酸メチル(MBA)でリンスし、リンス前後の薄膜の吸光度の比より薄膜の残存率(残膜率)を求めた。評価結果を下記表1に示す。
上記表1から明らかなように、本発明のプレポリマーA−1は、1質量%溶液の粘度が5mPa・s以下となり、インクジェット印刷法に適することがわかった。また、加熱乾燥後の残膜率も優れたものであった。モノマーAは、粘度は低いものの、残膜率が0%であった。P−1は、溶液の粘度が高く、インクジェット印刷法に適さない。
<有機エレクトロルミネッセンス素子の作製>
(実施例1)
米国特許出願公開第2016/0315259号明細書に記載のFA−14(下記化学式参照)を、定法により合成した。
第1電極(陽極)として、ストライプ状の酸化インジウムスズ(ITO)が膜厚150nmで成膜されたガラス基板を準備した。ガラス基板上に、PEDOT−PSS(Sigma−Aldrich社製)を、乾燥膜厚が15nmになるようにスピンコート法にて塗布し乾燥して、正孔注入層を形成した。
次に、上記で合成したプレポリマーA−1とFA−14とをアニソール(溶媒)に溶解し、正孔輸送層用塗布液(電荷輸送層形成用組成物)を調製した。FA−14の含有量は、正孔輸送層の総質量に対して20質量%となる量とした。上記で形成した正孔注入層上に、正孔輸送層用塗布液をスピンコート法により塗布し乾燥して、乾燥膜厚125nmの正孔輸送層を形成した。
次いで、ホスト材料であるET−Host1、HT−Host1、およびWG−Host1(下記化学式参照、混合質量比1:1:1)と、ドーパント材料であるおよびドーパント材料であるトリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジン イリジウム(III)(TEG、下記化学式参照)とを安息香酸メチルに溶解し、固形分含量4質量%の発光層用塗布液を調製した。この際、ドーパント材料のドープ量は、発光層の総質量に対して10質量%になるようにした。
上記で形成した正孔輸送層上に、発光層用塗布液をスピンコート法により塗布し、240℃、30分間の条件で乾燥して、乾燥膜厚55nmの発光層を形成した。
上記で形成した発光層上に、真空蒸着法により、(8−ヒドロキシキノリノラト)リチウム(Liq)およびKLET−03(ケミプロ化成株式会社製)が、1:1の質量比になるように共蒸着させて、厚さが20nmの電子輸送層を形成した。次に、この電子輸送層上にフッ化リチウム(LiF)を真空蒸着法により蒸着させて、厚さ3.5nmの電子注入層を形成した。
形成した電子注入層上に、アルミニウム(Al)を真空蒸着法にて蒸着させて、厚さ100nmの第2電極(陰極)を形成した。このようにして、有機EL素子を作製した。
(実施例2)
下記のモノマーA−2 30mol%、下記のモノマーB−1 30mol%、および末端停止剤である4−ブロモベンゾシクロブテン 40mol%を、国際公開第2011/159872号に記載のConpound Tの製法に準拠して重合反応を行い、プレポリマーA−2を合成した。
プレポリマーA−2は、下記構成単位(A−2)と、下記構成単位(B−1)とがランダムに結合した共重合体であり、かつ両末端の熱反応性架橋基がビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基である。SECで測定したプレポリマーA−2の数平均分子量(Mn)8,000であった。重合液中に残存した未反応モノマーが検出されなかったことから、仕込み比通りのランダム共重合体であるプレポリマーA−2が得られたことが分かった。
さらに、オストワルド粘度計を使用して測定した、プレポリマーA−2のシクロヘキシルベンゼン1質量%溶液の25℃での粘度は、3.48mPa・sであった。
プレポリマーA−1の代わりに、上記で得られたプレポリマーA−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(実施例3)
下記のモノマーA−3 30mol%、下記のモノマーB−2 30mol%、および末端停止剤である4−ブロモベンゾシクロブテン 40mol%を、国際公開第2011/159872号に記載のConpound Tの製法に準拠して重合反応を行い、プレポリマーA−3を合成した。
プレポリマーA−3は、下記構成単位(A−3)と、下記構成単位(B−2)とがランダムに結合した共重合体であり、かつ両末端の熱反応性架橋基がビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基である。SECで測定したプレポリマーA−3の数平均分子量(Mn)は9,600であった。重合液中に残存した未反応モノマーが検出されなかったことから、仕込み比通りのランダム共重合体であるプレポリマーA−3が得られたことが分かった。
さらに、オストワルド粘度計を使用して測定した、プレポリマーA−3のシクロヘキシルベンゼン1質量%溶液の25℃での粘度は、3.32mPa・sであった。
プレポリマーA−1の代わりに、上記で得られたプレポリマーA−3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(比較例1)
プレポリマーA−1の代わりに、VNPB(LUMTEC社製、LT−157、下記化学式参照)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。オストワルド粘度計を使用して測定した、VNPBのシクロヘキシルベンゼン1質量%溶液の25℃での粘度は、3.27mPa・sであった。
[評価]
作製した有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率および発光寿命を、以下の方法にて評価した。なお、発光効率は電流効率(cd/A)で評価した。
直流定電圧電源(株式会社キーエンス製、ソースメータ(source meter))を用いて、各有機エレクトロルミネッセンス素子に対して所定の電圧を加え、有機エレクトロルミネッセンス素子を発光させた。有機エレクトロルミネッセンス素子の発光を輝度測定装置(株式会社トプコン製、SR−3)にて測定しつつ、徐々に電流を増加させ、輝度が6000nit(cd/m)になったところで電流を一定にし、放置した。ここで、有機エレクトロルミネッセンス素子の面積から単位面積あたりの電流値(電流密度)を計算し、輝度(cd/m)を電流密度(A/m)にて除することで、「電流効率(cd/A)」を算出した。また、輝度測定装置で測定した輝度の値が徐々に低下し、初期輝度の95%になるまでの時間を「LT95寿命(hrs)」とした。
評価結果を下記表2に示す。なお、各値は比較例1を100とした場合の比率で表している。
上記表2より、本実施形態に係るプレポリマーを用いた実施例の有機EL素子は、比較例の有機EL素子に対して、電流効率(発光効率)および発光寿命が大幅に向上していることが分かった。また、実施例の有機EL素子は、良好なインクジェット塗布性および成膜性を示すことが示唆された。したがって、本発明に係るプレポリマーが、特にインクジェット印刷法のための有機EL材料として有用であることが分かった。
また、実施例で用いたプレポリマーは、塗布法(特にインクジェット印刷法)により有機EL素子の電荷輸送層を形成できるため、大量生産の観点から好ましい。
以上、本発明について実施形態および実施例を挙げて説明したが、本発明は特定の実施形態、実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
100 有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)、
110 基板、
120 第1電極、
130 正孔注入層、
140 正孔輸送層、
150 発光層、
160 電子輸送層、
170 電子注入層、
180 第2電極。

Claims (8)

  1. 両末端に熱反応性架橋基を有するプレポリマーの架橋体を含む電荷輸送層を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記プレポリマーはアミン構造を有する、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記プレポリマーは、下記化学式(1)および下記化学式(2)で表される構造単位を有するプレポリマー、または下記化学式(3)および下記化学式(4)で表される構造単位を有するプレポリマーである、請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子:

    上記化学式(1)中、
    Ar、Ar、およびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基であり、
    ArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の1価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の1価の芳香族複素環基であり、
    は、0以上5以下の整数であり
    は、1以上50以下の整数である:

    上記化学式(2)中、
    Arは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基であり、
    は、0以上25以下の整数である:

    上記化学式(3)中、
    Arは、それぞれ独立して、置換または非置換の3価の有機基であり、
    ArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の1価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の1価の芳香族複素環基であり、この際、ArおよびArは、互いに連結して環を形成してもよく、
    Lは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基であり、
    は、0以上5以下の整数であり
    は、1以上50以下の整数である:

    上記化学式(4)中、
    Ar10は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素環基または置換もしくは非置換の2価の芳香族複素環基であり、
    は、0以上25以下の整数である。
  4. 前記熱反応性架橋基は、下記の架橋基群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子:

    上記架橋基群中、
    10〜R16は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1以上10以下のアルキル基であり、
    pは、それぞれ独立して、1以上10以下の整数である。
  5. 前記プレポリマーの数平均分子量は3,000以上20,000以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 蛍光発光性化合物または燐光発光性化合物を含む発光層を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 両末端に熱反応性架橋基を有するプレポリマーを含む溶液をインクジェット印刷法により塗布し塗膜を得る工程と、
    前記塗膜を加熱乾燥し、前記プレポリマーの架橋体を含む電荷輸送層を形成する工程と、
    を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  8. 前記プレポリマーの濃度が1質量%である溶液の25℃における粘度が5mPa・s以下である、請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
JP2018248434A 2018-12-28 2018-12-28 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Pending JP2020107869A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018248434A JP2020107869A (ja) 2018-12-28 2018-12-28 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018248434A JP2020107869A (ja) 2018-12-28 2018-12-28 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020107869A true JP2020107869A (ja) 2020-07-09

Family

ID=71449577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018248434A Pending JP2020107869A (ja) 2018-12-28 2018-12-28 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020107869A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021075183A1 (ja) * 2019-10-15 2021-04-22 住友化学株式会社 組成物及びそれを含有する発光素子
WO2023113475A1 (ko) * 2021-12-16 2023-06-22 주식회사 엘지화학 중합체 및 이를 이용한 유기 발광 소자

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021075183A1 (ja) * 2019-10-15 2021-04-22 住友化学株式会社 組成物及びそれを含有する発光素子
WO2023113475A1 (ko) * 2021-12-16 2023-06-22 주식회사 엘지화학 중합체 및 이를 이용한 유기 발광 소자

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10522766B2 (en) Organic optoelectronic device and display device
JP7299020B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法
CN108290837B (zh) 咔唑衍生物和使用其的有机发光器件
US10319912B2 (en) Charge-transporting material and organic light-emitting device including the same
TWI753925B (zh) 雜環化合物以及使用此雜環化合物的有機發光裝置
US9139602B2 (en) Fused ring compound and organic light-emitting device including the same
US8865322B2 (en) Dendrimer and organic light-emitting device using the same
US10336772B2 (en) Bicarbazole compound, material for organic light-emitting device including bicarbazole compound, and organic light-emitting device including bicarbazole compound
US20190112324A1 (en) Organometallic compound and organic light-emitting device including the same
US20160329505A1 (en) Compound, material for organic electroluminescent elements, ink composition, organic electroluminescent element and electronic device
US20140051826A1 (en) Novel compound for carrier transport, element and electronic device using the same
US8900725B2 (en) Dendrimer and organic light-emitting device using the same
US9666809B2 (en) Compound and organic light-emitting device including the same
US20160028024A1 (en) Organometallic compound and organic light-emitting device including the same
JP2020107869A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法
JP2020105155A (ja) 化合物、組成物、液状組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、および有機エレクトロルミネッセンス素子
TWI750198B (zh) 雜環化合物以及使用此雜環化合物的有機發光裝置
US11884836B2 (en) Polymer, coating composition comprising same, and organic light emitting element using same
CN114375506A (zh) 有机薄膜和有机薄膜的制造方法、有机电致发光元件、显示装置、照明装置、有机薄膜太阳能电池、光电转换元件、薄膜晶体管、涂料组合物、有机电致发光元件用材料
WO2021045179A1 (ja) 有機薄膜および有機薄膜の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置、有機薄膜太陽電池、薄膜トランジスタ、光電変換素子、塗料組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料
JP7403912B2 (ja) フルオレン系化合物、これを用いた有機発光素子、およびこれの製造方法
KR20200089674A (ko) 유기 박막의 제조 방법, 유기 박막 및 그의 이용
US11557737B2 (en) Compound, coating composition comprising same, organic light-emitting element using same, and manufacturing method therefor
KR102561772B1 (ko) 신규한 고분자 및 이를 이용한 유기 발광 소자
KR102561759B1 (ko) 신규한 고분자 및 이를 포함하는 유기 발광 소자