JP2020106531A - 地震予測装置及び地震予測方法 - Google Patents

地震予測装置及び地震予測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既存の設備で取得可能なデータを利用することによって、低コストで実現可能な地震予測方法を提供すること。【解決手段】地震予測装置10は、地震観測網によって取得される観測データを用いる地震予測装置であって、過去の地震発生時の観測データのうち、複数地点における観測データであって、当該地点における地震発生から所定時間過去に遡った第1の観測データを用いて、前記複数地点における直近の観測データである第2の観測データをスクリーニングするスクリーニング部15と、スクリーニングの結果を用いて、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する予測結果算出部16と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、地震予測装置及び地震予測方法に関する。
日本は、その近海においてプレートが沈み込む箇所が複数存在し、日本の国土自体が4枚のプレートの衝突部に位置すると共に、他国に比較して日本国土内には多くの火山が存在する。これに伴い、日本は古来よりしばしば大地震に見舞われ、その度に甚大な被害が発生してきた。このため、地震を予測する技術が切望されている。
これまでに様々な地震予測技術が研究されてきた。
例えば、特許文献1は、自然界から発生する電磁気信号を受信して異常信号を検出し、異常検出信号を地域毎に収集して分析することにより、地域毎に自然災害の発生の予測を試みる技術を開示している。
また、特許文献2は、測定ポイント周辺に滞留する正エアロゾルのイオン濃度を継続的に測定し、解析センターで測定データ及び測定条件データを集計又は解析することにより、地震前兆とする予測情報データを生成させ、予測情報データから全測定ポイントを含む範囲で発生する怖れのある地震規模、地震の発生日時又は地震の震源地を予測する地震予測方法を開示している。
特開2005−134316号公報 特開2006−194844号公報
しかし、日本国内において発生する地震の予測に用いるデータを取得するためには、当該データの取得設備を日本国中に新たに設置する必要があり、多くのコストが発生する。
例えば、特許文献1に係る技術を実用化する場合には、地中から発生する電磁気信号の検出及び電磁気信号の異常検出機能を有する携帯端末を新規に複数製造し、新規に製造された携帯端末を用いて日本国中で地中から発生する電磁気信号を検出する必要があり、高額の経済的コストだけではなく、多大な人的コストも発生する。
また、特許文献2に係る技術を実用化する場合には、正エアロゾルのイオン濃度を継続的に測定する設備を新たに日本国中に設置する必要があり、特許文献1に係る技術同様、高額の経済的コストだけではなく、多大な人的コストも発生する。
本発明は、既存の設備で取得可能なデータを利用することによって、低コストで実現可能な地震予測方法を提供することを目的とする。
本発明は、地震観測網によって取得される観測データを用いる地震予測装置であって、過去の地震発生時の観測データのうち、複数地点における観測データであって、当該地点における地震発生から所定時間過去に遡った期間内における第1の観測データを用いて、前記複数地点における直近の観測データである第2の観測データをスクリーニングするスクリーニング部と、前記スクリーニングの結果を用いて、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する予測結果算出部と、
を備える地震予測装置に関する。
また、前記地震予測装置において、前記スクリーニング部は、前記第1の観測データとして、前記地震観測網によって取得される観測データから、所定値以上のマグニチュードの地震が発生した際の観測データを抽出することが好ましい。
また、前記地震予測装置において、前記第1の観測データ及び前記第2の観測データの双方が数値データであり、前記スクリーニング部は、前記第1の観測データ及び前記第2の観測データを数値解析することによりスクリーニングすることが好ましい。
また、前記第1の観測データ及び前記第2の観測データの双方が画像データであり、前記スクリーニング部は、前記第1の観測データを用いて前記第2の観測データにパターンマッチングすることによりスクリーニングすることが好ましい。
また、前記予測結果算出部は、前記スクリーニングで実際に用いた前記第1の観測データの観測地点である複数地点の組み合わせに基づいて、前記地震の発生箇所を予測することが好ましい。
また、前記地震観測網は、高感度地震観測網であることが好ましい。
また、前記地震観測網は、広帯域地震観測網であることが好ましい。
また本発明は、地震観測網によって取得される観測データを用いる地震予測装置であって、複数地点における履歴データであって、地震発生から遡ること所定期間内における、前記地震観測網に設置された地震計の出力値の移動平均値と、地震の発生箇所と、地震の大きさとを含む履歴データを生成する履歴データ生成部と、前記複数地点における観測データであって、地震計の出力値の観測データの移動平均値を継続して取得する観測データ取得部と、前記観測データの移動平均値の規定値を、前記履歴データに照合することにより、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する予測結果算出部とを備える地震予測装置に関する。
また本発明は、地震観測網によって取得される観測データを用いる地震予測装置であって、1ヶ所あるいは複数の地点における履歴データであって、地震発生から遡ること所定期間内において、前記地震観測網に設置された地震計の出力値、該出力値の移動平均値、地震波形のいずれかに異常が見られた場合に、地震の発生箇所と、地震の大きさとを含む履歴データを生成する履歴データ生成部と、前記複数地点における観測データであって、地震計の出力値の観測データを継続して取得する観測データ取得部と、前記観測データを、前記履歴データに照合することにより、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する予測結果算出部とを備える地震予測装置に関する。
また本発明は、地震観測網によって取得される観測データを用いた地震予測方法であって、過去の地震発生時の観測データのうち、複数地点における観測データであって、当該地点における地震発生から所定時間過去に遡った第1の観測データを用いて、前記複数地点における直近の観測データである第2の観測データをスクリーニングする第1ステップと、前記スクリーニングの結果を用いて、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する第2ステップと、を有する地震予測方法に関する。
本発明によれば、既存の設備で取得可能なデータを利用することによって、低コストで実現可能な地震予測方法を提供することが可能となる。
本発明で用いるHi−netにおける高感度地震計の設置箇所を示す図である。 本発明で用いるHi−netによって取得される地震波形データの例を示す図である。 本発明で用いるF−netにおける広帯域地震計の設置箇所を示す図である。 本発明で用いるF−netによって取得される地震波形データの例を示す図である。 本発明で用いるF−netによって取得される地震波形データの特徴を示す図である。 本発明で用いるF−netによって取得される地震波形データの特徴を示す図である。 本発明で用いるF−netによって取得される地震波形データの特徴を示す図である。 本発明で用いるF−netによって取得される地震波形データの特徴を示す図である。 本発明で用いるF−netによって取得される地震波形データの特徴を示す図である。 本発明で用いるF−netによって取得される地震波形データの特徴を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る地震予測装置の機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る地震予測装置の動作を示すフローチャートである。 地震波形に含まれる各フェイズの例を示す図である。 本発明の第1実施形態での地震予兆現象としてのデータ例を示す図である。 本発明の第1実施形態での地震予兆現象としてのデータ例を示す図である。 本発明の第1実施形態での地震予兆現象としてのデータ例を示す図である。 本発明の第1実施形態での地震予兆現象としてのデータ例を示す図である。 本発明の第1実施形態での地震予兆現象としてのデータ例を示す図である。 本発明の第1実施形態での地震予兆現象としてのデータ例を示す図である。 本発明の第1実施形態での地震予兆現象としてのデータ例を示す図である。 本発明の第1実施形態での地震予兆現象としてのデータ例を示す図である。 本発明の第1実施形態での地震予兆現象としてのデータ例を示す図である。 本発明の第1実施形態での地震予兆現象としてのデータ例を示す図である。 本発明の第1実施形態での地震予兆現象としてのデータ例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る地震予測装置の機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る地震予測装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態での地震予兆現象としてのデータ例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る地震予測装置の動作を示すフローチャートである。
〔1 第1実施形態〕
〔1.1 発明の概要〕
本発明の第1実施形態に係る地震予測方法は、概略、以下の方法によって地震の発生を予測するものである。
まず、地震観測網によって取得された地震波形のデータをデータベースに蓄積しておく。
このデータベースの中に、例えば、A地点の地震波形データであって、Ta時点におけるPaという特徴を有する地震波形データと、B地点の地震波形データであって、Tb時点におけるPbという特徴を有する地震波形データと、C地点の地震波形データであって、Ta及びTbから所定期間内にあるTc時点に所定のマグニチュード以上の地震が発生したことを示す地震波形データが蓄積されていたとする。
このとき新たに、A地点でPaという特徴を有する地震波形データが得られ、B地点でPbという特徴を有する地震波形データが得られた際に、上記のデータベースと照合することにより、C地点で所定のマグニチュード以上の地震が発生することを予測する。
すなわち、本実施形態は、データベースに蓄積された地震波形データを用いて、新たに得られた地震波形データの中から、互いに所定期間内に取得された、A地点でのPaという特徴を有する地震波形データと、B地点でのPbという特徴を有する地震波形データとをスクリーニングし、このスクリーニング結果に基づいて、C地点で所定のマグニチュード以上の地震が発生することを予測する。
〔1.2 地震波形データ〕
〔1.2.1 地震観測網〕
本発明の実施形態に係る地震予測方法で用いる地震波形データとしては、主として、Hi−Net(高感度地震観測網)及びF−net(広帯域地震観測網)によって得られるデータを用いる。
Hi−netは、高感度で地震動を記録できる高感度地震計が、日本全国を約20km間隔で均質に覆う観測網であり、現時点で約800地点に高感度地震計が設置されている観測網である。Hi−netにおいて、高感度地震計は、深さ100m以上の井戸の底に設置されることにより、自動車や工場等による人為的な振動の影響を低減している。高感度地震計で記録された信号は防災科学技術研究所へ常時伝送され、震源情報や観測波形はインターネットにより広く公開されている。
図1は、Hi−netにおける広帯域地震計の設置箇所の一部であって、インターネットから地震波形データを取得できる観測点を示す地図である。図1に示す地図においては、概略北から南へ、斜里北、標津南、浜中、佐呂間、雄武、滝上北、置戸東、和寒、新潟北、清水、大樹、門別東、喜茂別、黒松内、厚沢部、佐井、十和田湖西、田子、九戸、岩泉、川井南、東和、藤沢、河北、鳴子、利府、上山、三春、猪苗代、西会津、いわき西、長沼、馬頭、只見、栗山東、岩瀬、利根、館林、湯沢、中野、名栗、糸魚川、下仁田、武石、富士見、辰野、早川、喬木、和泉、八百津、羽島、多賀、美山、信楽、宮川、篠山、東吉野、山東、此花、夢前、智頭、十津川東、田尻、花園、湯原、日生、大塔、広川、建部、神郷、美星、吉田、貞光、吉舎、石見、新宮、北川、広島、呉、西条、砥部、美川、日吉、美東、津島、北九州、山香、野津原、犀川、宇目西、大刀洗、菊池、富士、日向、矢部、西米良、琴海、芦北、都城北、宮之城の観測点が示される。
図2は、Hi−netによって取得される地震波形データの例を示す。図2に示す画像は、「100トレース連続波形」と呼ばれ、縦軸が上方から下方へと北から南の順となるように、上記の100点の観測点における60分間の地震波形が、横平行に並ぶ画像である。図2の例においては、2018年10月10日の午前8時から午前9時までの60分間の地震波形が示される。
後述のように、本実施形態では、Hi−netの地震波形データを用いて地震予測をする場合、この地震波形の元となっている数値データを用いて数値解析することにより、地震の発生箇所とマグニチュードを予測する。
一方、F−netは、速い振動から遅い振動まで広い周波数範囲に渡って地震動を記録できる広帯域地震計が、全国に約100km間隔で約100点(予定)配備された観測網である。F−netにおいて、広帯域地震計は、奥行き数十mの横坑の奥に設置されることにより、温度変化や気圧変化による地震波形への影響を低減している。F−netにおける観測データは防災科学技術研究所へ常時伝送され、波形の自動解析、蓄積、データ公開が実施されている。
図3は、F−netにおける広帯域地震計の設置箇所の一部であって、インターネットから地震波形データを取得できる観測点を示す地図である。図3に示す地図においては、阿武山、赤泊、奄美大島、青ヶ島、足尾、銚子、富士川、福江、五城目、日高、八丈、本川根、広野、札幌、石垣、今金、中津、徳島、岩槻、山形、厳原、中伊豆、甲府、国頭、紀和、上富田、上杵臼、金山、訓子府、金谷、川崎、気仙沼、釧路、永田、柏崎、神津島、三厩、旭、中川、根室、野上、西興部、成羽、錦、大須賀、大川、鬼石、大鰐、小笠原、西郷、背振、新発田、都留菅野、斜里、紫尾山、清水、白峰、外海、田代、多賀、玉川、高隈、竹田、高岡、砥用、泊、中川、天竜、西土佐、つくば、高遠、館山、遠野山崎、馬路、浦幌、輪島、度会、弥栄、八溝、与那国、吉田、豊田、山崎、座間味の観測点が示される。
図4は、F−netによって取得される地震波形データの例を示す。図4に示す例は、中伊豆で2018年5月13日の午前9時台に取得された地震波形であり、縦軸が上方から下方に向かって時系列で9時0分から9時59分となるように、60秒間の地震波形が横平行に60本並ぶ画像である。
本実施形態では、Hi−netによって取得された地震波形データのみを用いて地震予測をしてもよく、F−netによって取得された地震波形データのみを用いて地震予測をしてもよく、双方の予測を組み合わせることにより、より精度を高めた地震予測をしてもよい。
〔1.2.2 地震波形の特徴〕
以下、図5A〜図5Fを参照することにより、F−netにより取得された地震波形データの特徴を示す。F−netにより取得される地震波形の特徴としては、以下のタイプA〜タイプFまでの6つの特徴が存在する。
〔1.2.2.1 タイプA〕
図5Aは、タイプAの特徴を示す。タイプAの特徴は、図5Aに示すように1時間60本分の波形の各々の振幅が、所定値より大きくなるという特徴である。
〔1.2.2.2 タイプB〕
図5Bは、タイプBの特徴を示す。タイプBの特徴は、図5Bの矢印(b)で示すように、隣接する波形同士の間隔が所定値を超えるという特徴である。
〔1.2.2.3 タイプC〕
図5Cは、タイプCの特徴を示す。タイプCの特徴は、図5Cの矢印(c)で示すように、地震波形中に、所定値以下の周期と、隣り合う波を超える程度の所定値以上の振幅を第1の所定期間以上に渡って有すると共に、複数のピークを有する波形が、第2の所定期間以上の間隔を置いて散発的に発生する特徴である。
〔1.2.2.4 タイプD〕
図5Dは、タイプDの特徴を示す。タイプDの特徴は、図5Dの矢印(d)で示すように、地震波形をトレンド成分とノイズ成分とに分割した場合、ノイズ成分が所定割合以上存在し、各々の波が細かく微振動しているために、波自体が太く見える特徴である。
〔1.2.2.5 タイプE〕
図5Eは、タイプEの特徴を示す。タイプEの特徴は、図5Eの矢印(e)で示すように、所定値以下の周期と、隣り合う波を超える程度の所定値以上の振幅を有する波形が、所定期間以上の間隔を置いて散発的に発生する波形である。
〔1.2.2.6 タイプF〕
図5Fは、タイプFの特徴を示す。タイプFの特徴は、図5Fの矢印(f)で示すように、所定値以下の周期と、高々隣り合う波に接する程度の所定値以下の振幅を有する波形が、所定期間以上の間隔を置いて散発的に発生する波形である。
〔1.3 発明の構成〕
図6は、本発明に係る地震予測装置の機能ブロック図である。本実施形態に係る地震予測装置10は、通信部11、記憶部12、及び制御部13を備える。
通信部11は、後述のように、データ取得部14が、インターネットを経由して地震観測網によって得られた地震波形データを取得するために用いる通信インタフェースである。
記憶部12は、データ取得部14が取得した地震波形データ、及び当該地震波形データを制御部13により処理したデータ等を記憶する。
制御部13は、CPU、ROM、RAM、CMOSメモリ等を有し、これらはバスを介して相互に通信可能に構成される、当業者にとって公知のものである。
CPUは地震予測装置10を全体的に制御するプロセッサである。当該CPUは、ROMに格納されたシステムプログラム及びアプリケーションプログラムを、バスを介して読み出し、当該システムプログラム及びアプリケーションプログラムに従って地震予測装置10全体を制御することで、図6に示すように制御部13をデータ取得部14、スクリーニング部15、予測結果算出部16、及び表示部17の機能を実現するように構成される。RAMには一時的な計算データや表示データ等の各種データが格納される。CMOSメモリは図示しないバッテリでバックアップされ、地震予測装置10の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。
データ取得部14は、通信インタフェースである通信部11を介して、インターネットから地震観測網によって得られる地震波形データを取得する。更に、データ取得部14は、取得した地震波形データを記憶部12に格納する。
スクリーニング部15は、記憶部12に格納された過去の地震発生時の観測データのうち、複数地点における観測データであって、当該地点における地震発生から所定時間過去に遡った期間内における第1の観測データを用いて、上記の複数地点における直近の観測データである第2の観測データをスクリーニングする。
より詳細には、スクリーニング部15は、記憶部12に格納された過去の地震発生時の観測データのうち、所定値以上のマグニチュードの地震が発生した際の、複数地点における観測データであって、当該地点における地震発生から所定時間過去に遡った期間内における数値データを用いて、上記の複数地点における直近の数値データを、数値解析によってスクリーニングする。
あるいは、スクリーニング部15は、記憶部12に格納された過去の地震発生時の観測データのうち、所定値以上のマグニチュードの地震が発生した際の、複数地点における観測データであって、当該地点における地震発生から所定時間過去に遡った期間内における地震波形の画像データを用いて、上記の複数地点における直近の地震波形の画像データを、パターンマッチングによってスクリーニングする。
スクリーニング部15の動作の詳細については、後述の〔1.4 地震予測方法〕で詳述する。
予測結果算出部16は、スクリーニング部15によるスクリーニングの結果を用いて、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する。
より詳細には、予測結果算出部16は、スクリーニング部15によるスクリーニング結果を用いて、地震の発生箇所及び地震の大きさを予測し、スクリーニングされた地震波形から、地震の発生時点を予測する。
予測結果算出部16の動作の詳細については、後述の〔1.4 地震予測方法〕で詳述する。
表示部17は、予測結果算出部16によって算出された予測結果を、地震予測装置10に接続された表示装置(不図示)に表示する。表示装置としては例えばモニタでもよく、この場合、表示部17はモニタの画面に予測結果を表示する。あるいは、表示装置としては例えばプリンタでもよく、この場合、表示部17は、プリンタを用いて予測結果を印刷する。
〔1.4 地震予測方法〕
〔1.4.1 全体の流れ〕
図7は、本実施形態に係る地震予測装置10の動作である地震予測方法の概略を示すフローチャートである。
ステップS11において、データ取得部14は、インターネットを介して地震観測網によって得られた地震波形データを取得する。
ステップS12において、スクリーニング部15は、過去の地震波形データを用いて、ステップS11で新たに取得された地震波形データをスクリーニングする。
ステップS13において、予測結果算出部16は、スクリーニング部15によるスクリーニングの結果に基づいて、今後発生する地震の発生箇所、及び/又は大きさの予測結果を算出する。
ステップS14において、予測結果算出部16は、ステップS12でスクリーニングされた地震波形データに基づいて、地震の発生時期の予測結果を算出する。
ステップS15において、表示部17は、地震の発生箇所・大きさ・発生時期のうち少なくとも1つ以上の予測結果を表示装置に表示する。
以下、上記のステップのうち、ステップS12〜S14の詳細について説明する。
〔1.4.2 地震の発生箇所及び大きさの予測結果算出方法〕
〔1.4.2.1 Hi−netの地震波形データを用いた予測結果算出方法〕
Hi−netの地震波形データを用いて地震の予測結果を算出する場合には、地震波形データの数値データを用いて数値解析することにより、予測結果を算出する。
記憶部12に蓄積された地震波形データにおいて、各観測点p,p・・・p100におけるt時点での振幅の値が、v1,1,v1,2・・・,v1,100であるとする。また、各観測点p,p・・・p100におけるt時点での振幅の値が、v2,1,v2,2・・・,v2,100であり、以下同様に、各観測点p,p・・・p100における、tから所定期間Tが経過したt時点での振幅の値が、vn,1,vn,2・・・,vn,100であるとする。
ここで、スクリーニング部15は、各振幅v1,1,v1,2・・・vn,99,vn,100に対し、以下の式(1)で示すように、各振幅の大きさが所定値V以上である場合の値が1、所定値V未満である場合の値が0となるようなフラグf1,1,f1,2,・・・fn,99,fn,100の行列Fを設定する。
更に、スクリーニング部15は、t時点から所定期間T以内に、C地点において、所定の大きさ以上のマグニチュードMの地震が発生した場合に、行列Fとこの地震の発生箇所及び大きさ(マグニチュード)とを紐づける。
ここで、データ取得部14により新たに地震波形データが取得される毎に、スクリーニング部15は、逐次、行列Fを生成し続けると共に、新たに生成した行列Fと、既に蓄積してある行列Fとの一致度が所定値以上である、すなわち行列Fと行列Fとで値が一致する成分の数が所定割合以上である場合に、新たに生成した行列Fをスクリーニングする。
予測結果算出部16は、新たに生成した行列Fと、この行列Fとの一致度が所定値以上の行列FがC地点のマグニチュードMの地震に紐づいていることとに基づいて、C地点でマグニチュードMの地震が発生するという予測結果を算出する。
〔1.4.2.2 F−netの地震波形データを用いた予測結果算出方法〕
F−netの地震波形データを用いて地震の予測結果を算出する場合には、地震波形データの画像データを用いてパターンマッチングすることにより、予測結果を算出する。
スクリーニング部15は、上記の〔1.2.2 地震波形の特徴〕で記載したように、記憶部12に格納されているF−netから、t時点に得られた地震波形データに対し、タイプA〜タイプFまでの6種の特徴が存在するか否か判定する。
更に、スクリーニング部15は、t時点から所定期間T以内に、C地点において、所定の大きさ以上のマグニチュードMの地震が発生したのであれば、t時点に得られた地震波形データの特徴及び観測点の組み合わせと、この地震の発生箇所及び大きさ(マグニチュード)とを紐づける。
ここで、データ取得部14により新たに地震波形データが取得される毎に、スクリーニング部15は、逐次、新たに取得された地震波形データが、タイプA〜タイプFまでの6種の特徴を含むか否か、パターンマッチングによって判定し、マッチングすると判定した場合は、この特徴を含む地震波形データをスクリーニングする。
より詳細には、スクリーニング部15は、記憶部12に蓄積された過去の地震波形データであって、上記のタイプA〜タイプFまでの6種の特徴のいずれかを含むと共に、地震の発生箇所及び大きさと紐づけられた地震波形データから、タイプA〜タイプFまでの特徴に対応するパターンを抽出し、これらのパターンを用いて、新たに取得された地震波形データに対してパターンマッチングすることによりスクリーニングする。
予測結果算出部16は、スクリーニング部15によるスクリーニング結果である地震波形データが有する特徴及び観測点の組み合わせが、仮に、C地点のマグニチュードMの地震に紐づく特徴及び観測点の組み合わせに合致した場合、C地点でマグニチュードMの地震が発生するという予測結果を算出する。
例えば、記憶部12に蓄積された地震波形データ中、t時点において玉川で取得された地震波形データにタイプDの特徴が含まれ、同じくt時点において金谷で取得された地震波形データにタイプEの特徴が含まれるとする。更に、t時点から所定期間T以内に長野でマグニチュード5.6の地震が発生したとする。
このとき、データ取得部14によって新たに取得された地震データ中、玉川で取得された地震波形データにタイプDの特徴が含まれ、金谷で取得された地震波形データにタイプEの特徴が含まれていた場合に、予測結果算出部16は、長野でマグニチュード5.6の地震が発生するという予測結果を算出する。
なお、予測結果算出部16は、上記の〔1.4.2.1 Hi−netの地震波形データを用いた予測結果算出方法〕と、〔1.4.2.2 F−netの地震波形データを用いた予測結果算出方法〕とを組み合わせることにより、より精度を高めた地震の発生箇所及び大きさの予測結果を算出してもよい。
〔1.4.3 地震の発生時期の予測方法〕
図8は、例として、2016年11月22日に福島で地震が発生した際の、36時間に渡る地震波形を示す。地震発生から36時間前の時点から地震波形に動きや所定値以上の振幅が見られるようになり、24時間前の時点から地震波形の動き・振幅が大きくなると共に、地震波形の中央値が山形を描くようになる(この期間を、ここでは「アクティブ・フェイズ(Active Phase)」と呼ぶ)。更に、地震発生から12時間前の時点から地震波形の動き・振幅が小さくなり(この期間を、ここでは「クワイエット・フェイズ(Quiet Phase)」と呼ぶ)、やがて地震が発生する。
すなわち、地震発生から36時間前の時点で、地震波形に動きが発生し、24時間前の時点までは動きが小さいものの、24時間前の時点から12時間前の時点では動きが激しくなり、12時間前から地震発生までは動きが静かになる。
予測結果算出部16は、この動きの変化に基づいて、地震の発生時期を予測する。具体的には、スクリーニング部15が、Hi−netの地震波形データをスクリーニングするにせよ、F−netの地震波形データをスクリーニングするにせよ、予測結果算出部16は、スクリーニングされた地震波形データにおいて、現時点が、図8で例示するどのフェイズにあるのか判定し、この判定結果に基づいて、現時点からどの程度の時間経過の後に、地震が発生するかを予測する予測結果を算出する。
あるいは、予測結果算出部16は、図7のステップS13において地震が発生することが予測された箇所の周辺の観測点で取得された直近の地震波形データにおいて、現時点が、図8で例示するどのフェイズにあるのか判定し、この判定結果に基づいて、現時点からどの程度の時間経過の後に、地震が発生するかを予測する予測結果を算出してもよい。
〔1.5 実施例〕
本実施形態の例として、2018年6月18日に発生した大阪府北部地震の前兆現象としてのデータを示す。
図9A〜図9Bは、Hi−netによって得られた地震波形のデータである。図9Aは、宮川における、概して2018年5月30日から6月19日までの地震計の出力値である。また、図9Bは、西条における、概して2018年5月30日から6月19日までの地震計の出力値である。
図9Aに示すように、宮川で取得された地震波形において、例えば2018年5月30日、2018年6月8日、2018年6月10日、2018年6月12日、2018年6月17日において高い変位の値が示されたこと、及び、図9Bに示すように、西条で取得された地震波形において、例えば2018年5月30日、2018年6月6日、2018年6月8日、2018年6月12日、2018年6月17日において高い変位の値が示されたこと、すなわちこれらのデータの取得場所と異常とに基づいて、大阪府北部地震の発生を予測することが可能である。
図10A〜図10Cは、F−netによって得られた阿武山での地震波形のデータである。より詳細には、図10Aは、2018年6月14日の23時台に得られたデータであり、図10Bは、2018年6月15日の0時台に得られたデータであり、図10Cは、2018年6月15日の1時台に得られたデータである。
図10Aのデータは、上記のタイプAの特徴を含む。図10Bのデータは、上記のタイプAの特徴を含む。図10Cのデータは、上記のタイプAの特徴を含む。
また、図11A〜図11Fは、F−netによって得られた大川での地震波形のデータである。より詳細には、図11Aは、2018年6月14日の20時台に得られたデータであり、図11Bは、2018年6月14日の21時台に得られたデータであり、図11Cは、2018年6月14日の22時台に得られたデータであり、図11Dは、2018年6月14日の23時台に得られたデータであり、図11Eは、2018年6月15日の0時台に得られたデータであり、図11Fは、2018年6月15日の1時台に得られたデータである。
図11Aのデータは、上記のタイプDの特徴を含む。図11Bのデータは、上記のタイプDの特徴を含む。図11Cのデータは、上記のタイプDの特徴を含む。図11Dのデータは、上記のタイプDの特徴を含む。図11Eのデータは、上記のタイプDの特徴を含む。図11Fのデータは、上記のタイプDの特徴を含む。
図10Aに示すように、阿武山で取得された地震波形において、2018年6月14日の23時台にタイプAの特徴が含まれ、図10Bに示すように、2018年6月15日の0時台にタイプAの特徴が含まれ、図10Cに示すように、2018年6月15日の1時台にタイプAの特徴が含まれること、及び、大川で取得された地震波形において、図11Aに示すように、2018年6月14日の20時台にタイプDの特徴が含まれ、図11Bに示すように、2018年6月14日の21時台にタイプDの特徴が含まれ、図11Cに示すように、2018年6月14日の22時台にタイプDの特徴が含まれ、図11Dに示すように、2018年6月14日の23時台にタイプDの特徴が含まれ、図11Eに示すように、2018年6月15日の0時台にタイプDの特徴が含まれ、図11Fに示すように、2018年6月15日の1時台にタイプDの特徴が含まれること、すなわちこれらのデータの取得場所と各特徴とに基づいて、大阪府北部地震の発生を予測することが可能である。
〔1.6 第1実施形態が奏する効果〕
本発明の第1実施形態に係る地震予測装置10は、地震観測網によって取得される観測データを用いる地震予測装置であって、過去の地震発生時の観測データのうち、複数地点における観測データであって、当該地点における地震発生から所定時間過去に遡った第1の観測データを用いて、上記の複数地点における直近の観測データである第2の観測データをスクリーニングするスクリーニング部15と、スクリーニングの結果を用いて、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する予測結果算出部16とを備える。
これにより、既存の設備で取得可能なデータを利用することによって、低コストで実現可能な地震予測方法を提供することが可能となる。
また、スクリーニング部15は、第1の観測データとして、地震観測網によって取得される観測データから、所定値以上のマグニチュードの地震が発生した際の観測データを抽出する。
第1の観測データを絞ることにより、予測結果算出部16が、予測結果を算出するために必要となる計算量を節約することが可能となる。
また、第1の観測データ及び第2の観測データの双方が数値データである場合、スクリーニング部15は、第1の観測データ及び第2の観測データを数値解析することによりスクリーニングする。
これにより、スクリーニング部15は、数値データを画像化する手続きを省略して、スクリーニングすることが可能となる。
また、第1の観測データ及び第2の観測データの双方が画像データである場合、スクリーニング部15は、第2の観測データにパターンマッチングすることによりスクリーニングする。
これにより、パターンマッチングで用いるパターンとして複数のパターンを備える場合には、複数の特徴に対応して観測データをスクリーニングすることが可能となる。
また、予測結果算出部16は、スクリーニングで実際に用いた第1の観測データの観測地点である複数地点の組み合わせに基づいて、地震の発生箇所を予測する。
例えば、A地点で発生する地震の予測にA地点の地震波形データのみを用いるのではなく、複数の地点の地震波形データを組み合わせると共に、この組み合わせの種類に基づいて、地震発生箇所を予測することにより、複雑なプレートテクトニクスを踏まえた地震の予測結果を算出することが可能となる。
また、地震観測網は、高感度地震観測網(Hi−net)、及び/又は広帯域地震観測網(F−net)である。
これにより、容易に入手可能な地震波形データを用いて、地震の予測結果を算出することが可能となる。
〔2 第2実施形態〕
〔2.1 発明の概要〕
本発明の第2実施形態に係る地震予測方法は、概略、以下の方法によって地震の発生を予測するものである。
例えば気象庁等により発表されてきた地震カタログのデータに基づいて、これまでに発生してきた地震の発生から遡ること所定期間における、Hi−net及びF−netにおける各観測点の地震計の出力値を取得する。また、当該期間の各地点のデータ内での、移動平均値aを算出する。更には、各移動平均値aが規定値(σ)を超えた時点が、地震発生のどれだけ前かを示す値と、地震の発生地域と、地震のマグニチュードとを履歴データとしてデータベース化する。
なお、ここで、「移動平均値a」とは、上記の所定期間における時系列データの移動平均をとったものである。
その上で、本実施形態においては、新たに取得されたHi−net及びF−netにおける地震計の出力値から、ある測定場所において、連続するデータ群における、移動平均値bの算出を継続している中、当該移動平均値bにおいて規定値(σ)を超えるデータを観測した時、上記の履歴データのデータベースと照合することにより、地震の発生時期、発生地域、及びマグニチュードを予測する。
なお、ここで、「移動平均値b」とは、上記のHi−net及びF−netにおける地震計の、ある測定場所における連続するデータ群の、継続する時系列データの移動平均をとったものである。
例えば、A地点において、Hi−net又はF−netにおける地震計の継続する出力値から算出した移動平均値bが規定値を超えた場合に、履歴データを参照する。この履歴データにおいて、A地点における移動平均値aが規定値(σ)を超えてから、B日後に、C地点で、マグニチュードDの地震が発生している場合には、現時点から、B日後に、C地点で、マグニチュードDの地震が発生することを予測する。
〔2.2 発明の構成〕
図12は、本実施形態に係る地震予測システムの機能ブロック図である。本実施形態に係る地震予測システム1Aは、地震予測装置10Aと、第1サーバ30Aと、第2サーバ30Bと備える。
地震予測装置10Aは、第1サーバ30Aに格納された地震カタログのデータであるカタログデータ、及び、Hi−net及びF−netから取得された地震発生前の地震計の出力値から上記の履歴データを生成し、第2サーバ30Bに格納する。
また、地震予測装置10Aは、Hi−net及びF−netから取得された、地震計の出力値である観測データに基づいて、連続するデータ群の移動平均値bを継続して算出し、この移動平均値bを、第2サーバ30Bに格納された履歴データと照合することにより、地震の予測を実行する。
図12に示されるように、地震予測装置10Aと第1サーバ30A及び第2サーバ30Bとは、互いに通信可能に接続される。なお、図示はしないが、地震予測装置10Aと、第1サーバ30Aと、第2サーバ30Bとは、互いにネットワークを介して接続してもよい。
地震予測装置10Aは、通信部11Aと、制御部13Aとを備える。
通信部11Aは、後述のカタログデータ取得部18が、第1サーバ30Aから、カタログデータを取得するために用いる通信インタフェースである。また、通信部11Aは、後述の履歴データ生成部19が、第2サーバ30Bに、履歴データを格納するために用いる通信インタフェースでもある。また、通信部11Aは、後述の観測データ取得部20が、インターネットを経由して、Hi−net及びF−net等の地震観測網によって得られた地震数値データを取得するために用いる通信インタフェースでもある。また、通信部11Aは、後述の予測結果算出部16Aが、地震の予測結果を算出するために、第2サーバ30Bから履歴データを参照するために用いる通信データベースでもある。
制御部13Aは、CPU、ROM、RAM、CMOSメモリ等を有し、これらはバスを介して相互に通信可能に構成される、当業者にとって公知のものである。
CPUは地震予測装置10Aを全体的に制御するプロセッサである。当該CPUは、ROMに格納されたシステムプログラム及びアプリケーションプログラムを、バスを介して読み出し、当該システムプログラム及びアプリケーションプログラムに従って地震予測装置10A全体を制御することで、図6に示すように制御部13Aをカタログデータ取得部18、履歴データ生成部19、観測データ取得部20、予測結果算出部16A、及び表示部17の機能を実現するように構成される。RAMには一時的な計算データや表示データ等の各種データが格納される。CMOSメモリは図示しないバッテリでバックアップされ、地震予測装置10Aの電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。
カタログデータ取得部18は、通信インタフェースである通信部11Aを介して、第1サーバ30Aからカタログデータを取得する。
なお、このカタログデータは、少なくとも、各地震の発生した時期、発生地域、マグニチュードを含むが、地震発生前の地震計の出力値を含んでもよい。
また、カタログデータ取得部18は、地震予測装置10Aのユーザによって入力される発生期間の値に基づいて、地震の発生期間を絞り込んだ上で、第1サーバ30Aからカタログデータを取得してもよい。
また、カタログデータ取得部18は、地震予測装置10Aのユーザによって入力される発生地域に基づいて、地震の発生地域を絞り込んだ上で、第1サーバ30Aからカタログデータを取得してもよい。ユーザは、地震の発生地域を、例えば全世界とすることも可能であり、地震が発生した国とすることも可能であり、緯度経度によって指定される四角形の範囲とすることも可能であり、その他の方法によって発生地域を指定することも可能である。
また、カタログデータ取得部18は、地震予測装置10Aのユーザによって入力されるマグニチュードの範囲に基づいて、地震のマグニチュードを絞り込んだ上で、第1サーバ30Aからカタログデータを取得してもよい。ユーザは、地震のマグニチュードとして、4.0以上9.5未満の値を用いてマグニチュードの範囲を絞り込むことが可能である。
履歴データ生成部19は、カタログデータ取得部18によって取得されたカタログデータ、及び、通信部11Aを介してHi−net及びF−netから取得された地震発生前の地震計の出力値を用いて、履歴データを生成する。ここで、履歴データとは、地震発生から遡ること所定期間における、Hi−net及びF−netから取得された地震計の出力値から算出される移動平均値aと、当該移動平均値aが規定値σを超えた時点が地震発生のどれだけ前かを示す値と、地震の発生地域と、地震のマグニチュードとを含むデータである。また、上記の所定期間とは、例えば、地震発生前14日間、地震発生前7日間、地震発生前3日間とすることが可能である。
なお、上記のようにカタログデータに、地震発生前の地震計の出力値が含まれる場合には、履歴データ生成部19が、通信部11Aを介してHi−net及びF−netから取得された地震発生前の地震計の出力値を用いるのではなく、元々カタログデータに含まれていた地震計の出力値を用いてもよい。
また、履歴データにおいては、地震のマグニチュードは、例えば4.0以上4.5未満、4.5以上5.0未満、5.0以上5.5未満・・・といったように、0.5刻みでカテゴライズされる。
更に、履歴データ生成部19は、生成した履歴データを、第2サーバ30Bに格納する。
観測データ取得部20は、通信インタフェースである通信部11Aを介して、インターネットから地震観測網によって得られた地震計の出力値を取得する。
予測結果算出部16Aは、新たに取得されたHi−net及びF−netにおける地震計の出力値から、連続するデータ群の移動平均値bの算出を継続し、当該移動平均値bを、上記の履歴データのデータベースと照合することにより、地震の発生時期、発生地域、及びマグニチュードを予測する。
表示部17は、第1実施形態における表示部17と同一であるため、その機能の説明を省略する。
第1サーバ30Aは、通信部31Aと記憶部32Aとを備える。
通信部31Aは、例えばインターネットを通じて、カタログデータ33を取得するために用いる通信インタフェースである。また通信部31Aは、地震予測装置10Aに対してカタログデータを送信するために用いる通信インタフェースでもある。
記憶部32Aは、カタログデータ33を記憶する装置である。
第2サーバ30Bは、通信部31Bと記憶部32Bとを備える。
通信部31Bは、地震予測装置10Aとの間で、履歴データ34を送受信するために用いる通信インタフェースである。
記憶部32Bは、履歴データ34を記憶する装置である。
〔2.3 地震予測方法〕
図13は、本実施形態に係る地震予測装置10Aの動作である地震予測方法の概略を示すフローチャートである。
ステップS21において、カタログデータ取得部18は、第1サーバ30Aからカタログデータを取得する。
ステップS22において、履歴データ生成部19は、カタログデータ33を用いて履歴データを生成する。
ステップS23において、履歴データ生成部19は、履歴データ34を第2サーバ30Bに格納する。
ステップS24において、観測データ取得部20は、例えばインターネットを介して、地震観測網から地震計の出力値である観測データを取得する。
ステップS25において、予測結果算出部16Aは、観測データを用いて上記の移動平均値bを算出する。
ステップS26において、予測結果算出部16Aは、移動平均値aと規定値を比較する。移動平均値bが規定値を超える場合(S26:YES)には、処理はステップS27に移行する。移動平均値bが規定値以下の場合(S26:NO)には、処理を終了する。
ステップS27において、予測結果算出部16Aは、履歴データを参照する。
ステップS28において、予測結果算出部16Aは、参照結果に基づいて、地震の発生箇所、発生時期、地震の大きさ(マグニチュード)のうち少なくとも1つを算出する。
ステップS29において、表示部17は、地震の発生箇所・大きさ・発生時期のうち少なくとも1つ以上の予測結果を表示装置に表示する。
〔2.4 実施例〕
本実施形態の例として、2016年4月16日に発生した熊本地震の前兆現象としてのデータを示す。図14は、地震発生前の2016年3月16日から地震発生時の2016年4月16日までの、呉において取得された地震計の出力値から算出される、上記の移動平均値bの変遷を示すグラフである。
図14のグラフにおいて、地震発生前の2016年3月16日から2016年4月16日における移動平均値がマイナス3.0以上の高い値を示すことがほとんどであり、これを地震発生の予兆現象とすることが可能である。
〔2.5 第2実施形態が奏する効果〕
本発明の第2実施形態に係る地震予測装置10Aは、地震観測網によって取得される観測データを用いる地震予測装置であって、複数地点における履歴データであって、地震発生から所定時間過去に遡った期間内における、地震観測網に設置された地震計の出力値の偏差に対応する値と、地震の発生箇所と、地震の大きさとを含む履歴データを生成する履歴データ生成部19と、複数地点における観測データであって、地震計の出力値の観測データの移動平均値を継続して取得する観測データ取得部20と、観測データを履歴データに照合することにより、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する予測結果算出部16Aと、を備える。
これにより、第1実施形態に係る地震予測装置10と同様に、既存の設備で取得可能なデータを利用することによって、低コストで実現可能な地震予測方法を提供することが可能となる。
〔3 第3実施形態〕
〔3.1 発明の概要〕
本発明の第3実施形態に係る地震予測方法は、概略、以下の方法によって地震の発生を予測するものである。
第2実施形態においては、上記のように、地震カタログのデータに基づいて、これまでに発生してきた地震の発生から遡ること所定期間における、Hi−net及びF−netにおける各観測点の地震計の出力値を取得していた。また、当該期間の各地点のデータ内での、移動平均値aを算出していた。更には、各移動平均値aが規定値(σ)を超えた時点が、地震発生のどれだけ前かを示す値と、地震の発生地域と、地震のマグニチュードとを履歴データとしてデータベース化していた。
更に、第2実施形態においては、新たに取得されたHi−net及びF−netにおける地震計の出力値から、ある測定場所において、連続するデータ群における、移動平均値bの算出を継続している中、当該移動平均値bにおいて規定値(σ)を超えるデータを観測した時、上記の履歴データのデータベースと照合することにより、地震の発生時期、発生地域、及びマグニチュードを予測していた。
一方、本実施形態においては、マグニチュード4.0以上の地震の発生から遡ること所定期間における、各観測点の地震計の出力値のデータ、当該データの移動平均値a、地震波形のうち1つ以上に、規定値を超えたり、上記のタイプA〜タイプFまでの波形が見られる等の異常が見られた場合に、当該地震につき、観測点毎に、地震発生までの期間、地震の発生時刻、地震の発生箇所、及び地震の大きさを履歴データのデータベースとする。
ここで、新たに取得されたHi−net及びF−netにおける地震計の観測データのうち、1ヶ所あるいは複数の観測点において、上記の異常が見られた場合に、履歴データのデータベースから、上記の観測点毎に、地震発生までの期間、地震の発生時刻、地震の発生箇所、及び地震の大きさの情報を抽出する。
1ヶ所あるいは複数の観測点において、地震発生までの期間、地震の発生時刻、地震の発生箇所、及び地震の大きさの情報が抽出されるが、これら複数の地震に係る情報のうち、重複する情報があった場合には、重複度が高い情報を、予測した地震として表示する。
なお、新たに取得されたHi−net及びF−netにおける地震計の観測データのうち、観測点において、上記の異常が見られなかったにも拘わらず、地震が発生した場合には、当該地震の発生日時、地震の発生箇所、及び地震の大きさの情報を、上記の履歴データのデータベースに格納する。
〔3.2 発明の構成〕
第3実施形態に係る地震予測システム1Bの機能ブロック図は、第2の実施形態に係る地震予測システム1Aと同様であるため、その図示を省略する。
なお、第3実施形態に係る地震予測システム1Bにおいて、履歴データ生成部19Bは、マグニチュード4.0以上の地震の発生から遡ること所定期間における、各観測点の地震計の出力値のデータ、当該データの移動平均値a、地震波形のうち1つ以上に、規定値を超えたり、上記のタイプA〜タイプFまでの波形が見られる等の異常が見られた場合に、当該地震につき、観測点毎に、地震発生までの期間、地震の発生時刻、地震の発生箇所、及び地震の大きさを、履歴データとして生成し、第2サーバ30Bに格納する。
また、予測結果算出部16Bは、観測データ取得部20によって取得された観測データのうち、1ヶ所あるいは複数の観測点において、上記の異常が見られた場合に、履歴データ34のデータベースから、上記の観測点毎に、地震発生までの期間、地震の発生時刻、地震の発生箇所、及び地震の大きさの情報を抽出し、複数の観測点に係る複数の地震に係る情報のうち、重複する情報があった場合には、重複度の高い情報を、予測した地震として算出し、表示部17に出力する。
〔3.3 地震予測方法〕
図15は、本実施形態に係る地震予測装置10Bの動作である地震予測方法の概略を示すフローチャートである。
ステップS31において、カタログデータ取得部18は、第1サーバ30Aからカタログデータを取得する。
ステップS32において、履歴データ生成部19は、カタログデータ33を用いて履歴データを生成する。
ステップS33において、履歴データ生成部19は、履歴データ34を第2サーバ30Bに格納する。
ステップS34において、観測データ取得部20は、例えばインターネットを介して、地震観測網から地震計の出力値である観測データを取得する。
ステップS35において、観測データに異常がある場合(S35:YES)には、処理はステップS36に移行する。観測データに異常がない場合(S35:NO)には、処理は処理を終了する。
ステップS36において、予測結果算出部16Bは、観測データ取得部20によって取得された観測データのうち、1ヶ所あるいは複数の観測点において、上記の異常が見られた場合に、履歴データ34から、上記の観測点毎に、地震発生までの期間、地震の発生時刻、地震の発生箇所、及び地震の大きさの情報を抽出する。
ステップS37において、予測結果算出部16Bは、1ヶ所あるいは複数のの観測点に係る複数の地震に係る情報のうち、重複する情報があった場合には、重複度の高い情報を、予測した地震として算出する。
ステップS38において、表示部17は、予測結果算出部16Bによって算出された予測結果を表示装置に表示する。
〔3.4 第3実施形態が奏する効果〕
本発明の第3実施形態に係る地震予測装置10Bは、地震観測網によって取得される観測データを用いる地震予測装置であって、複数地点における履歴データであって、地震発生から遡ること所定期間内において、地震観測網に設置された地震計の出力値、該出力値の移動平均値、地震波形のいずれかに異常が見られた場合に、地震の発生箇所と、地震の大きさとを含む履歴データを生成する履歴データ生成部19Bと、複数地点における観測データであって、地震計の出力値の観測データを継続して取得する観測データ取得部20と、観測データを、履歴データに照合することにより、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する予測結果算出部16Bとを備える。
これにより、第1実施形態に係る地震予測装置10、及び第2実施形態に係る地震予測装置10Aと同様に、既存の設備で取得可能なデータを利用することによって、低コストで実現可能な地震予測方法を提供することが可能となる。
〔4 変形例〕
〔4.1 変形例1〕
第1実施形態では、スクリーニングの対象となった地震波形データ、又は、地震の発生が予測される箇所周辺の観測点の地震波形データが、「アクティブ・フェイズ(Active Phase)」又は「クワイエット・フェイズ(Quiet Phase)」のどのフェイズにあるかに基づいて、地震の発生時期を予測するが、これには限定されない。
例えば、上記〔1.4.2.1 Hi−netの地震波形データを用いた予測結果算出方法〕において、t時点から所定期間T以内に、C地点において、所定の大きさ以上のマグニチュードMの地震が発生したと共に、行列Fとこの地震の発生箇所及び大きさ(マグニチュード)とを紐づけた場合、予測結果算出部16は、行列Fの元となる地震波形データの取得時点からT以内に地震が発生するという予測結果を算出してもよい。
あるいは、上記〔1.4.2.2 F−netの地震波形データを用いた予測結果算出方法〕において、スクリーニング部15が、t時点での地震波形データに含まれる各々の特徴及び観測点の組み合わせと、t時点から所定期間T以内にC地点において発生したマグニチュードMの地震の発生箇所及び大きさとを紐づけた場合、予測結果算出部16は、スクリーニング結果である地震波形データが有する特徴及び観測点の組み合わせが、上記の組み合わせに合致した際、この地震波形データの取得時点からT以内に地震が発生することを予測する予測結果を算出してもよい。
〔4.2 変形例2〕
第2実施形態では、地震予測装置10Aと、第1サーバ30Aと、第2サーバ30Bとが別体となっているが、これには限定されない。
例えば、地震予測装置10Aが記憶部を備え、当該記憶部が、カタログデータ、及び/又は履歴データを記憶する構成としてもよい。すなわち、この態様においては、第1サーバ30A、及び/又は第2サーバ30Bを必須の構成要素としなくてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
地震予測装置10又は10Aによる地震予測方法は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアによって実現される場合には、このソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ(地震予測装置10又は10A)にインストールされる。また、これらのプログラムは、リムーバブルメディアに記録されてユーザに配布されてもよいし、ネットワークを介してユーザのコンピュータにダウンロードされることにより配布されてもよい。更に、これらのプログラムは、ダウンロードされることなくネットワークを介したWebサービスとしてユーザのコンピュータ(地震予測装置10又は10A)に提供されてもよい。
1A 地震予測システム
10 10A 地震予測装置
11 11A 31A 31B 通信部
12 32A 32B 記憶部
13 13A 制御部
14 データ取得部
15 スクリーニング部
16 16A 予算結果算出部
17 表示部
18 カタログデータ取得部
19 履歴データ生成部
20 観測データ取得部
30A 30B サーバ

Claims (10)

  1. 地震観測網によって取得される観測データを用いる地震予測装置であって、
    過去の地震発生時の観測データのうち、複数地点における観測データであって、当該地点における地震発生から所定時間過去に遡った期間内における第1の観測データを用いて、前記複数地点における直近の観測データである第2の観測データをスクリーニングするスクリーニング部と、
    前記スクリーニングの結果を用いて、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する予測結果算出部と、
    を備える地震予測装置。
  2. 前記スクリーニング部は、前記第1の観測データとして、前記地震観測網によって取得される観測データから、所定値以上のマグニチュードの地震が発生した際の観測データを抽出する、請求項1に記載の地震予測装置。
  3. 前記第1の観測データ及び前記第2の観測データの双方が数値データであり、
    前記スクリーニング部は、前記第1の観測データ及び前記第2の観測データを数値解析することによりスクリーニングする、請求項1又は2に記載の地震予測装置。
  4. 前記第1の観測データ及び前記第2の観測データの双方が画像データであり、
    前記スクリーニング部は、前記第1の観測データを用いて前記第2の観測データにパターンマッチングすることによりスクリーニングする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の地震予測装置。
  5. 前記予測結果算出部は、前記スクリーニングで実際に用いた前記第1の観測データの観測地点である複数地点の組み合わせに基づいて、前記地震の発生箇所を予測する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の地震予測装置。
  6. 前記地震観測網は、高感度地震観測網である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の地震予測装置。
  7. 前記地震観測網は、広帯域地震観測網である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の地震予測装置。
  8. 地震観測網によって取得される観測データを用いる地震予測装置であって、
    複数地点における履歴データであって、地震発生から遡ること所定期間内における、前記地震観測網に設置された地震計の出力値の移動平均値と、地震の発生箇所と、地震の大きさとを含む履歴データを生成する履歴データ生成部と、前記複数地点における観測データであって、地震計の出力値の観測データの移動平均値を継続して取得する観測データ取得部と、
    前記観測データの移動平均値の規定値を、前記履歴データに照合することにより、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する予測結果算出部とを備える地震予測装置。
  9. 地震観測網によって取得される観測データを用いる地震予測装置であって、
    1ヶ所あるいは複数の地点における履歴データであって、地震発生から遡ること所定期間内において、前記地震観測網に設置された地震計の出力値、該出力値の移動平均値、地震波形のいずれかに異常が見られた場合に、地震の発生箇所と、地震の大きさとを含む履歴データを生成する履歴データ生成部と、前記複数地点における観測データであって、地震計の出力値の観測データを継続して取得する観測データ取得部と、
    前記観測データを、前記履歴データに照合することにより、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する予測結果算出部とを備える地震予測装置。
  10. 地震観測網によって取得される観測データを用いた地震予測方法であって、
    過去の地震発生時の観測データのうち、複数地点における観測データであって、当該地点における地震発生から所定時間過去に遡った期間内における第1の観測データを用いて、前記複数地点における直近の観測データである第2の観測データをスクリーニングする第1ステップと、
    前記スクリーニングの結果を用いて、地震の発生時点、地震の発生箇所、及び地震の大きさのうち少なくとも1つ以上の予測結果を算出する第2ステップと、
    を有する地震予測方法。
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