JP2020105994A - オフセットカム装置 - Google Patents
オフセットカム装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020105994A JP2020105994A JP2018246770A JP2018246770A JP2020105994A JP 2020105994 A JP2020105994 A JP 2020105994A JP 2018246770 A JP2018246770 A JP 2018246770A JP 2018246770 A JP2018246770 A JP 2018246770A JP 2020105994 A JP2020105994 A JP 2020105994A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cam
- offset cam
- offset
- tappet
- low
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
Abstract
【課題】オフセットカム3とタペット2が偏磨耗し難いオフセットカム装置を提供する。【解決手段】カム軸中心軸線1aの軸長方向を横方向として、オフセットカム3は、カム面4の幅員中央部4aがタペット中心軸線2aから横一側にずれ、タペット中心軸線2aと平行な向きに見て、カム軸中心軸線1aと直交し、かつタペット中心軸線2aを通過する仮想境界線4dを想定し、オフセットカム3のカム面4のうち、仮想境界線4dよりも前記ずれ側の面をずれ側面4bとし、残りの面を反ずれ側面4cとした場合に、反ずれ側面4cは、ずれ側面4bよりも低い摩擦係数の低摩擦領域4eを備えている。【選択図】 図1
Description
本発明は、オフセットカム装置に関し、詳しくは、オフセットカムとタペットが偏磨耗し難いオフセットカム装置に関する。
従来、オフセットカムを有するカム軸と、有底円筒形のタペットを備え、カム軸中心軸線の軸長方向を横方向として、オフセットカムは、カム面の幅員中央部がタペット中心軸線から横一側にずれているオフセットカム装置がある(例えば、特許文献1参照)。
この種の装置では、オフセットカムとタペットの接触でタペットに生じる回転で、オフセットカムとタペットの偏磨耗を抑制することができる。
この種の装置では、オフセットカムとタペットの接触でタペットに生じる回転で、オフセットカムとタペットの偏磨耗を抑制することができる。
《問題点》 オフセットカムとタペットが偏磨耗することがある。
特許文献1のエンジンでは、オフセットカムとタペットの接触でタペットに生じる正回転力が逆回転力と拮抗し、タペットの回転が停滞し、オフセットカムとタペットが偏磨耗することがある。
特許文献1のエンジンでは、オフセットカムとタペットの接触でタペットに生じる正回転力が逆回転力と拮抗し、タペットの回転が停滞し、オフセットカムとタペットが偏磨耗することがある。
本発明の課題は、オフセットカムとタペットが偏磨耗し難いオフセットカム装置を提供することにある。
この発明の構成は、次の通りである。
図1(A)(C)(D)に例示するように、オフセットカム(3)を有するカム軸(1)と、有底円筒形のタペット(2)を備え、
図1(A)(D)に例示するように、カム軸中心軸線(1a)の軸長方向を横方向として、オフセットカム(3)は、カム面(4)の幅員中央部(4a)がタペット中心軸線(2a)から横一側にずれ、
図1(A)に例示するように、タペット中心軸線(2a)と平行な向きに見て、カム軸中心軸線(1a)と直交し、かつタペット中心軸線(2a)を通過する仮想境界線(4d)を想定し、
オフセットカム(3)のカム面(4)のうち、仮想境界線(4d)よりも前記ずれ側の面をずれ側面(4b)とし、残りの面を反ずれ側面(4c)とした場合に、
反ずれ側面(4c)は、ずれ側面(4b)よりも低い摩擦係数の低摩擦領域(4e)を備えている、ことを特徴とするオフセットカム装置。
図1(A)(C)(D)に例示するように、オフセットカム(3)を有するカム軸(1)と、有底円筒形のタペット(2)を備え、
図1(A)(D)に例示するように、カム軸中心軸線(1a)の軸長方向を横方向として、オフセットカム(3)は、カム面(4)の幅員中央部(4a)がタペット中心軸線(2a)から横一側にずれ、
図1(A)に例示するように、タペット中心軸線(2a)と平行な向きに見て、カム軸中心軸線(1a)と直交し、かつタペット中心軸線(2a)を通過する仮想境界線(4d)を想定し、
オフセットカム(3)のカム面(4)のうち、仮想境界線(4d)よりも前記ずれ側の面をずれ側面(4b)とし、残りの面を反ずれ側面(4c)とした場合に、
反ずれ側面(4c)は、ずれ側面(4b)よりも低い摩擦係数の低摩擦領域(4e)を備えている、ことを特徴とするオフセットカム装置。
この発明では、低摩擦係数の低摩擦領域(4e)とタペット(2)との接触でタペット(2)に発生する逆回転力(2c)が小さく、ずれ側面(4b)とタペット(2)との接触でタペット(2)に生じる正回転力(2b)が、逆回転力(2c)と拮抗せず、タペット(2)がスムーズに回転し、オフセットカム(3)とタペット(2)が偏磨耗し難い。
図1〜図3は、本発明の実施形態に係るエンジンのオフセットカム装置を説明する図で、この実施形態では、立形の多気筒ディーゼルエンジンのオフセットカム装置について説明する。
図3に示すように、このエンジンは、ピストン(9)を内蔵したシリンダ(10)を有するシリンダブロック(11)と、シリンダブロック(11)の上部に組み付けられたシリンダヘッド(12)と、シリンダヘッド(12)の上部に組み付けられたシリンダヘッドカバー(13)と、動弁装置(14)を備えている。
シリンダヘッド(12)は、吸気ポート(15)と、吸気ポート(15)の弁口(15a)を開閉する吸気弁(16)と、燃料噴射ノズル(17)を臨ませた副室(18)と、副室(18)と吸気ポート(15)と排気ポート(図示せず)の周囲を取り囲むヘッドジャケット(12a)を備えている。副室(18)は渦室である。ヘッドジャケット(12a)はエンジン冷却水を通過させる部屋である。
シリンダヘッド(12)は、吸気ポート(15)と、吸気ポート(15)の弁口(15a)を開閉する吸気弁(16)と、燃料噴射ノズル(17)を臨ませた副室(18)と、副室(18)と吸気ポート(15)と排気ポート(図示せず)の周囲を取り囲むヘッドジャケット(12a)を備えている。副室(18)は渦室である。ヘッドジャケット(12a)はエンジン冷却水を通過させる部屋である。
図3に示すように、動弁装置(14)は、オフセットカム(3)を有するカム軸(1)と、オフセットカム(3)に載せた有底円筒形のタペット(2)と、プッシュロッド(19)と、ロッカアーム(20)と、吸気弁(16)の弁バネ(16a)を備えている。
この動弁装置では、クランク軸(図外)の駆動力が、オフセットカム(3)、タペット(2)、プッシュロッド(19)、ロッカアーム(20)の順に伝達され、ロッカアーム(20)の押圧力と弁バネ(16a)の不勢力との不釣合い力で、吸気弁(16)の開閉がなされる。排気弁(図外)も同様の機構で開閉される。
この動弁装置では、クランク軸(図外)の駆動力が、オフセットカム(3)、タペット(2)、プッシュロッド(19)、ロッカアーム(20)の順に伝達され、ロッカアーム(20)の押圧力と弁バネ(16a)の不勢力との不釣合い力で、吸気弁(16)の開閉がなされる。排気弁(図外)も同様の機構で開閉される。
図3に示すように、カム軸(1)は、シリンダブロック(11)のカム室(21)に収容され、タペット(2)は、シリンダブロック(11)のタペットガイド孔(22)に内嵌され、プッシュロッド(19)は、シリンダブロック(11)からシリンダヘッド(12)に亘って形成されたプッシュロット室(23)に挿通され、ロッカアーム(20)は、シリンダヘッドカバー(13)内に収容され、シリンダヘッド(12)上のロッカアームブラケット(24)にロッカアーム枢軸(25)を介して揺動自在に支持されている。
図3に示すように、シリンダヘッドカバー(13)内は、強制潤滑装置(図示せず)を介してロッカアーム(20)に供給された油(7)のミストや、クランク室(図示せず)から、カム室(21)と、タペット(2)の内底部周壁の孔(2d)と、プッシュロッド室(23)を順に介して流入するブローバイガス(26)に含まれる油(7)のミストで充満され、シリンダヘッドカバー(13)内で凝集した油(7)は、ブローバイガス(26)と逆向きの流れでクランク室(図示せず)に戻り、クランク室下方のオイルパン(図示せず)に溜められる。
ブローバイガス(26)に含まれる油(7)のミストはオフセットカム(3)のカム面(4)で凝集し、或いは、タペット(2)の内底部周壁の孔(2d)からカム室(21)に流出する油(7)は、オフセットカム(3)のカム面(3a)に供給される。
なお、ブローバイガス(26)は、シリンダヘッドカバー(13)のブリーザ室(13a)で油(7)が分離され、吸気経路(図外)から燃焼室(27)に還流される。
ブローバイガス(26)に含まれる油(7)のミストはオフセットカム(3)のカム面(4)で凝集し、或いは、タペット(2)の内底部周壁の孔(2d)からカム室(21)に流出する油(7)は、オフセットカム(3)のカム面(3a)に供給される。
なお、ブローバイガス(26)は、シリンダヘッドカバー(13)のブリーザ室(13a)で油(7)が分離され、吸気経路(図外)から燃焼室(27)に還流される。
動弁装置(14)を構成するオフセットカム装置の構成は、次の通りである。
図1(A)(C)(D)に示すように、オフセットカム装置は、オフセットカム(3)を有するカム軸(1)と、有底円筒形のタペット(2)を備えている。
図1(A)(D)に示すように、カム軸中心軸線(1a)の軸長方向を横方向として、オフセットカム(3)は、カム面(4)の幅員中央部(4a)がタペット中心軸線(2a)から横一側(図面の右側)にずれている。
図1(A)に示すように、タペット(2)の底壁(2e)上からタペット中心軸線(2a)と平行な向きに見て、カム軸中心軸線(1a)と直交し、かつタペット中心軸線(2a)を通過する仮想境界線(4d)を想定し、オフセットカム(3)のカム面(4)のうち、仮想境界線(4d)よりも前記ずれ側の面をずれ側面(4b)とし、残りの面を反ずれ側面(4c)とした場合に、反ずれ側面(4c)は、ずれ側面(4b)よりも低い摩擦係数の低摩擦領域(4e)を備えている。
図1(A)(C)(D)に示すように、オフセットカム装置は、オフセットカム(3)を有するカム軸(1)と、有底円筒形のタペット(2)を備えている。
図1(A)(D)に示すように、カム軸中心軸線(1a)の軸長方向を横方向として、オフセットカム(3)は、カム面(4)の幅員中央部(4a)がタペット中心軸線(2a)から横一側(図面の右側)にずれている。
図1(A)に示すように、タペット(2)の底壁(2e)上からタペット中心軸線(2a)と平行な向きに見て、カム軸中心軸線(1a)と直交し、かつタペット中心軸線(2a)を通過する仮想境界線(4d)を想定し、オフセットカム(3)のカム面(4)のうち、仮想境界線(4d)よりも前記ずれ側の面をずれ側面(4b)とし、残りの面を反ずれ側面(4c)とした場合に、反ずれ側面(4c)は、ずれ側面(4b)よりも低い摩擦係数の低摩擦領域(4e)を備えている。
上記構成によれば、低摩擦係数の低摩擦領域(4e)とタペット(2)との接触でタペット(2)に発生する逆回転力(2c)が小さく、ずれ側面(4b)とタペット(2)との接触でタペット(2)に生じる正回転力(2b)が、逆回転力(2c)と拮抗せず、タペット(2)がスムーズに回転し、オフセットカム(3)とタペット(2)が偏磨耗し難い。
低摩擦領域(4e)は、反ずれ側面(4c)の全域に形成されている。
低摩擦領域(4e)は、反ずれ側面(4c)の全域ではなく、反ずれ側面(4c)の一部、例えば、図1(C)(D)に示すカムノーズ(3b)の部分にのみ形成してもよい。
低摩擦領域(4e)は、反ずれ側面(4c)の全域ではなく、反ずれ側面(4c)の一部、例えば、図1(C)(D)に示すカムノーズ(3b)の部分にのみ形成してもよい。
図1(A)(B)に示す低摩擦領域(4e)は、ずれ側面(4b)よりも摩擦係数が低い低摩擦皮膜(5)を備えている。
低摩擦皮膜(5)は、固体潤滑剤を含む樹脂、フッ素樹脂、ダイヤモンドライクカーボン、二硫化モリブデン、グラファイト、リン酸マンガン塩、クロムから選択される素材の皮膜で形成されている。
このため、表面処理加工で低摩擦皮膜(5)を簡単に形成することができる。
低摩擦皮膜(5)は、固体潤滑剤を含む樹脂、フッ素樹脂、ダイヤモンドライクカーボン、二硫化モリブデン、グラファイト、リン酸マンガン塩、クロムから選択される素材の皮膜で形成されている。
このため、表面処理加工で低摩擦皮膜(5)を簡単に形成することができる。
固体潤滑剤には、遷移金属酸化物、グラファイト等の無機固体潤滑剤を挙げることができる。
樹脂には、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることができる。
樹脂には、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることができる。
図1(B)に示す低摩擦領域(4e)の基本例について説明する。
低摩擦領域(4e)は、ずれ側面(4b)よりも摩擦係数が低い複数の低摩擦皮膜(5)(5)と、隣り合う低摩擦皮膜(5)(5)の間に形成される皮膜間油溝(6)を備えている。
このため、低摩擦皮膜(5)の表面と皮膜間油溝(6)内の油(7)で低摩擦領域(4e)の摩擦係数を低くすることができる。
低摩擦領域(4e)は、ずれ側面(4b)よりも摩擦係数が低い複数の低摩擦皮膜(5)(5)と、隣り合う低摩擦皮膜(5)(5)の間に形成される皮膜間油溝(6)を備えている。
このため、低摩擦皮膜(5)の表面と皮膜間油溝(6)内の油(7)で低摩擦領域(4e)の摩擦係数を低くすることができる。
図1(B)に示すように、複数の低摩擦皮膜(5)(5)は斑点状に分散して配置され、皮膜間油溝(6)は網目状に形成されている。
このため、網目状の皮膜間油溝(6)で油(7)が低摩擦領域(4e)にきめ細かく供給され、皮膜間油溝(6)で簡単に低摩擦領域(4e)の低摩擦係数が得られる。
このため、網目状の皮膜間油溝(6)で油(7)が低摩擦領域(4e)にきめ細かく供給され、皮膜間油溝(6)で簡単に低摩擦領域(4e)の低摩擦係数が得られる。
図1(B)に示すように、複数の低摩擦皮膜(5)(5)は、いずれも正六角形状に形成され、カム軸中心軸線(1a)に沿う向きに配置された複数の低摩擦皮膜(5)(5)の列がカム回転方向(3a)に沿って複数列配置されている。カム回転方向(3a)で隣り合う各列では、低摩擦皮膜(5)がカム軸中心軸線(1a)に沿う向きに半ピッチずつずらされている。
複数の低摩擦皮膜(5)(5)は、正六角形状に限らず、各種多角形状、円形状であってもよい。
複数の低摩擦皮膜(5)(5)は、正六角形状に限らず、各種多角形状、円形状であってもよい。
図1(B)に示すように、皮膜間油溝(6)は六角格子の網目状に形成されている。
皮膜間油溝(6)の網目形状は、低摩擦皮膜(5)の形状に応じて異なり、低摩擦皮膜(5)が多角形である場合には、多角形格子の網目形状、円形である場合には円形の網目形状となるる。
皮膜間油溝(6)の網目形状は、低摩擦皮膜(5)の形状に応じて異なり、低摩擦皮膜(5)が多角形である場合には、多角形格子の網目形状、円形である場合には円形の網目形状となるる。
図1(B)に示すように、皮膜間油溝(6)は、皮膜間誘導溝部分(6a)を備えている。
皮膜間誘導溝部分(6a)は、タペット中心軸線(2a)と平行な向きに見て、カム軸中心軸線(1a)と交差する向きとされ、皮膜間誘導溝部分(6a)の油出口(6b)は、カム回転方向(3a)の上手側に配置された低摩擦皮膜(5)に向けて開口されている。
このため、皮膜間誘導溝部分(6a)内の油(7)が、オフセットカム(3)の回転で、カム回転方向(3a)の上手側に配置された低摩擦皮膜(5)に向けて誘導され、この低摩擦皮膜(5)に乗り上げた油(7)の油圧でタペット(2)が浮き、低摩擦皮膜(5)の磨耗が抑制される。
皮膜間誘導溝部分(6a)は、タペット中心軸線(2a)と平行な向きに見て、カム軸中心軸線(1a)と交差する向きとされ、皮膜間誘導溝部分(6a)の油出口(6b)は、カム回転方向(3a)の上手側に配置された低摩擦皮膜(5)に向けて開口されている。
このため、皮膜間誘導溝部分(6a)内の油(7)が、オフセットカム(3)の回転で、カム回転方向(3a)の上手側に配置された低摩擦皮膜(5)に向けて誘導され、この低摩擦皮膜(5)に乗り上げた油(7)の油圧でタペット(2)が浮き、低摩擦皮膜(5)の磨耗が抑制される。
図1(B)に示すように、皮膜間油溝(6)の皮膜間誘導溝部分(6a)の形状は、カム回転方向(3a)の上手側に向かうV字形の狭窄部(6c)と、狭窄部(6c)の狭窄終点からカム回転方向(3a)の上手側に真っ直ぐに向かう直線部(6d)を備えたY字形に形成され、直線部(6d)のカム回転方向(3a)の上手側端部が油出口(6b)となっている。
この皮膜間誘導溝部分(6a)の形状は、低摩擦皮膜(5)の形状に応じて異なる。
この皮膜間誘導溝部分(6a)の形状は、低摩擦皮膜(5)の形状に応じて異なる。
次に、図2(A)に示す低摩擦領域(4e)の第1変形例について説明する。
低摩擦皮膜(5)は、カム軸中心軸線(1a)に沿って並べた一対の正三角形の頂点同士を対向させて融合させた蝶形に形成され、皮膜間油溝(6)は蝶形格子の網目状に形成され、皮膜間油溝(6)の皮膜間誘導溝部分(6a)の形状は、カム回転方向(3a)の上手側に真っ直ぐに向かう直線部と、カム回転方向(3a)の上手側に向かうV字形の狭窄部を備え、直線部のカム回転方向(3a)の上手側端部と狭窄部の狭窄終点が合流する箇所が油出口(6b)となる矢印形に形成されている。
低摩擦皮膜(5)の配置や、皮膜間油溝(6)の機能は、図1(B)の基本例と同じである。
低摩擦皮膜(5)は、カム軸中心軸線(1a)に沿って並べた一対の正三角形の頂点同士を対向させて融合させた蝶形に形成され、皮膜間油溝(6)は蝶形格子の網目状に形成され、皮膜間油溝(6)の皮膜間誘導溝部分(6a)の形状は、カム回転方向(3a)の上手側に真っ直ぐに向かう直線部と、カム回転方向(3a)の上手側に向かうV字形の狭窄部を備え、直線部のカム回転方向(3a)の上手側端部と狭窄部の狭窄終点が合流する箇所が油出口(6b)となる矢印形に形成されている。
低摩擦皮膜(5)の配置や、皮膜間油溝(6)の機能は、図1(B)の基本例と同じである。
次に、図2(B)に示す低摩擦領域(4e)の第2変形例について説明する。
この第2変形例では、低摩擦領域(4e)は、低摩擦皮膜(5)や皮膜間油溝(6)に代えて、カム面(4)に刻設された刻設油溝(8)を備え、刻設油溝(8)内の油(7)の潤滑で低摩擦係数を備えている。
このため、溝加工で低い摩擦係数の低摩擦領域(4e)を簡単に得ることができる。
この第2変形例では、低摩擦領域(4e)は、低摩擦皮膜(5)や皮膜間油溝(6)に代えて、カム面(4)に刻設された刻設油溝(8)を備え、刻設油溝(8)内の油(7)の潤滑で低摩擦係数を備えている。
このため、溝加工で低い摩擦係数の低摩擦領域(4e)を簡単に得ることができる。
図2(B)に示すように、刻設油溝(8)は、カム回転方向(3a)の上手側に向けて狭搾するV字形に形成され、カム軸中心軸線(1a)に沿う向きに配置された複数の刻設油溝(8)(8)の列がカム回転方向(3a)に沿って複数列配置された、いわゆるヘリングボーン模様を呈している。
複数の刻設油溝(8)は、V字形のものに限らず、U字形のものや、図1(A)の基本例や図2(A)の第1変形例の皮膜間誘導油溝(6a)のようなY字形や矢印形のものであってもよい。
複数の刻設油溝(8)は、V字形のものに限らず、U字形のものや、図1(A)の基本例や図2(A)の第1変形例の皮膜間誘導油溝(6a)のようなY字形や矢印形のものであってもよい。
図2(B)に示すように、刻設油溝(8)は、刻設誘導溝部分(8a)(8a)を備えている。
刻設誘導溝部分(8a)(8a)は、タペット中心軸線(2a)と平行な向きに見て、カム軸中心軸線(1a)と交差する向きとされている。
このため、刻設誘導溝部分(8a)(8a)内の油(7)が、オフセットカム(3)の回転で、カム回転方向(3a)の上手側に誘導され、上手側に乗り上げた油(7)の油膜の潤滑で簡単に低摩擦領域(4e)の摩擦係数を低くすることができる。
また、カム回転方向(3a)の上手側に誘導され、上手側に乗り上げた油(7)の油圧でタペット(2)が浮き、低摩擦領域(4e)の磨耗が抑制される。
刻設誘導溝部分(8a)(8a)は、タペット中心軸線(2a)と平行な向きに見て、カム軸中心軸線(1a)と交差する向きとされている。
このため、刻設誘導溝部分(8a)(8a)内の油(7)が、オフセットカム(3)の回転で、カム回転方向(3a)の上手側に誘導され、上手側に乗り上げた油(7)の油膜の潤滑で簡単に低摩擦領域(4e)の摩擦係数を低くすることができる。
また、カム回転方向(3a)の上手側に誘導され、上手側に乗り上げた油(7)の油圧でタペット(2)が浮き、低摩擦領域(4e)の磨耗が抑制される。
タペット中心軸線(2a)と平行な向きに見て、カム軸中心軸線(1a)に対し、斜め向き交差する向きに設けられた一対の刻設誘導溝部分(8a)(8a)をV字形に組み合わせて、刻設油溝(8)が構成されている。
図3に示すように、このオフセットカム装置は、エンジンの動弁装置に用いられている。
このため、動弁装置のオフセットカム(3)とタペット(2)の偏磨耗の抑制により、高い吸排気効率の維持、ランブリングノイズの低減、ロス馬力の低減を図ることができ、高出力、低騒音、低燃費のエンジンが得られる。
このため、動弁装置のオフセットカム(3)とタペット(2)の偏磨耗の抑制により、高い吸排気効率の維持、ランブリングノイズの低減、ロス馬力の低減を図ることができ、高出力、低騒音、低燃費のエンジンが得られる。
この発明の実施形態の内容は以上の通りであるが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、このオフセットカム装置は、エンジンの動弁カム装置に限らず、各種機器のカム装置に用いることができる。
(1)…カム軸、(1a)…カム軸中心軸線、(2)…タペット、(2a)…タペット中心軸線、(3)…オフセットカム、(4)…カム面、(4a)…横幅中央部、(4b)…ずれ側面、(4c)…反ずれ側面、 (4d)…仮想境界線、 (4e)…低摩擦領域、(5)…低摩擦皮膜、(6)…皮膜間油溝、(6a)…皮膜間誘導溝部分、(6b)…油出口、(7)…油、(8)…刻設油溝、(8a)…刻設誘導溝部分。
Claims (8)
- オフセットカム(3)を有するカム軸(1)と、有底円筒形のタペット(2)を備え、
カム軸中心軸線(1a)の軸長方向を横方向として、オフセットカム(3)は、カム面(4)の幅員中央部(4a)がタペット中心軸線(2a)から横一側にずれ、
タペット中心軸線(2a)と平行な向きに見て、カム軸中心軸線(1a)と直交し、かつタペット中心軸線(2a)を通過する仮想境界線(4d)を想定し、
オフセットカム(3)のカム面(4)のうち、仮想境界線(4d)よりも前記ずれ側の面をずれ側面(4b)とし、残りの面を反ずれ側面(4c)とした場合に、
反ずれ側面(4c)は、ずれ側面(4b)よりも低い摩擦係数の低摩擦領域(4e)を備えている、ことを特徴とするオフセットカム装置。 - 請求項1に記載されたオフセットカム装置において、
低摩擦領域(4e)は、ずれ側面(4b)よりも摩擦係数が低い低摩擦皮膜(5)を備え、
低摩擦皮膜(5)は、固体潤滑剤を含む樹脂、フッ素樹脂、ダイヤモンドライクカーボン、二硫化モリブデン、グラファイト、リン酸マンガン塩、クロムから選択される素材の皮膜で形成されている、ことを特徴とするオフセットカム装置。 - 請求項1または請求項2に記載されたオフセットカム装置において、
低摩擦領域(4e)は、ずれ側面(4b)よりも摩擦係数が低い複数の低摩擦皮膜(5)(5)と、隣り合う低摩擦皮膜(5)(5)の間に形成される皮膜間油溝(6)を備えている、ことを特徴とするオフセットカム装置。 - 請求項3に記載されたオフセットカム装置において、
複数の低摩擦皮膜(5)(5)は斑点状に分散して配置され、皮膜間油溝(6)は網目状に形成されている、ことを特徴とするオフセットカム装置。 - 請求項4に記載されたオフセットカム装置において、
皮膜間油溝(6)は、皮膜間誘導溝部分(6a)を備え、
皮膜間誘導溝部分(6a)は、タペット中心軸線(2a)と平行な向きに見て、カム軸中心軸線(1a)と交差する向きとされ、皮膜間誘導溝部分(6a)の油出口(6b)は、カム回転方向(3a)の上手側に配置された低摩擦皮膜(5)に向けて開口されている、ことを特徴とするオフセットカム装置。 - 請求項1に記載されたオフセットカム装置において、
低摩擦領域(4e)は、カム面(4)に刻設された刻設油溝(8)を備え、刻設油溝(8)内の油(7)の潤滑で低摩擦係数を備える、ことを特徴とするオフセットカム装置。 - 請求項6に記載されたオフセットカム装置において、
刻設油溝(8)は、刻設誘導溝部分(8a)(8a)を備え、
刻設誘導溝部分(8a)(8a)は、タペット中心軸線(2a)と平行な向きに見て、カム軸中心軸線(1a)と交差する向きとされている、ことを特徴とするオフセットカム装置。 - 請求項1から請求項7に記載されたオフセットカム装置において、
エンジンの動弁装置に用いられている、ことを特徴とするオフセットカム装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018246770A JP6993317B2 (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | オフセットカム装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018246770A JP6993317B2 (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | オフセットカム装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020105994A true JP2020105994A (ja) | 2020-07-09 |
JP6993317B2 JP6993317B2 (ja) | 2022-01-13 |
Family
ID=71448642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018246770A Active JP6993317B2 (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | オフセットカム装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6993317B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022000109A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2022000108A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2022000105A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2022000106A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2022000107A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5863304U (ja) * | 1981-10-26 | 1983-04-28 | いすゞ自動車株式会社 | タペツト |
JPS5870403U (ja) * | 1981-11-05 | 1983-05-13 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の動弁カム |
JPS60258426A (ja) * | 1984-06-01 | 1985-12-20 | Toyota Motor Corp | 再溶融硬化カムシヤフト |
JP2006226213A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | Otics Corp | 直打式動弁機構、カム、及びバルブリフタの回転方法。 |
JP2018150831A (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-27 | 三菱自動車工業株式会社 | エンジンの動弁機構 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8537496B2 (en) | 2010-07-27 | 2013-09-17 | HGST Netherlands B.V. | Perpendicular magnetic write head having a trailing wrap-around magnetic shield magnetically biased in a cross track direction |
JP5870403B2 (ja) | 2011-04-28 | 2016-03-01 | 株式会社タカゾノテクノロジー | 薬剤分包装置 |
-
2018
- 2018-12-28 JP JP2018246770A patent/JP6993317B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5863304U (ja) * | 1981-10-26 | 1983-04-28 | いすゞ自動車株式会社 | タペツト |
JPS5870403U (ja) * | 1981-11-05 | 1983-05-13 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の動弁カム |
JPS60258426A (ja) * | 1984-06-01 | 1985-12-20 | Toyota Motor Corp | 再溶融硬化カムシヤフト |
JP2006226213A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | Otics Corp | 直打式動弁機構、カム、及びバルブリフタの回転方法。 |
JP2018150831A (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-27 | 三菱自動車工業株式会社 | エンジンの動弁機構 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022000109A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2022000108A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2022000105A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2022000106A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2022000107A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6993317B2 (ja) | 2022-01-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2020105994A (ja) | オフセットカム装置 | |
US7104240B1 (en) | Internal combustion engine with localized lubrication control of combustion cylinders | |
JP6380681B2 (ja) | 内燃機関のピストンクランク機構におけるアッパピンの潤滑構造および潤滑方法 | |
JP2009062852A (ja) | 潤滑装置 | |
WO2016157575A1 (ja) | 連接棒およびこれを備えたクロスヘッド型エンジン | |
KR100872640B1 (ko) | 캠 샤프트 마찰 저감을 위한 오일 공급 통로 | |
JP2016205236A (ja) | エンジンのピストン | |
US7377246B2 (en) | Vertically oriented camshaft cap oil diverter | |
US5325826A (en) | Journal bearing oil diverter | |
JP4900222B2 (ja) | 内燃機関のピストン | |
US20030041824A1 (en) | Camshaft drive mechanism | |
KR101745273B1 (ko) | 밸브트레인 시스템의 mla 태핏 윤활 증대 구조 | |
US7293539B2 (en) | Rocker arm assembly | |
JP7107020B2 (ja) | 内燃機関 | |
JP5381896B2 (ja) | ロッカアーム | |
JPH0748963Y2 (ja) | カム潤滑装置 | |
CN208106513U (zh) | 发动机凸轮轴的轴向间隙控制装置 | |
KR101573546B1 (ko) | 엔진 밸브 트레인의 볼핀 장치 | |
JP4355633B2 (ja) | 頭上弁エンジン | |
JPH074809U (ja) | 動弁装置の潤滑構造 | |
KR100521210B1 (ko) | 엔진 밸브의 밸브 팁부 구조 | |
JP6281235B2 (ja) | エンジンの動弁装置 | |
KR100427079B1 (ko) | 실린더 헤드 미들덱으로 공급되는 오일량을 증대하기 위한캠 샤프트 구조 | |
JP6461640B2 (ja) | ローラー式ロッカーアーム | |
JP6327055B2 (ja) | エンジンの潤滑オイル供給構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211201 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211209 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6993317 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |