JP2020105931A - 小型真空ポンプ、及びポンプ内蔵型ロボットハンド - Google Patents
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Abstract
【課題】小型軽量でかつ外部のエアー供給源を必要としない小型真空ポンプ、及びその小型真空ポンプを内蔵したポンプ内蔵型ロボットハンドを提供する。【解決手段】ポンプ内蔵型ロボットハンドは、小型真空ポンプと、小型真空ポンプの吸込口に接続されて小型真空ポンプの吸引力によって吸着対象物を吸着する吸着部と、を備える。小型真空ポンプは、外殻を構成するケーシングと、ケーシング内に設けられ吸込口と吐出口とを有するポンプ室と、ポンプ室内に回転可能に設けられたロータと、ロータと一体的に回転可能に設けられロータの回転中心となる回転軸と、回転軸と共に前記ロータを回転させる回転力を発生させるモータと、回転軸を回転可能に支持するベアリングと、大気圧以上の圧力を有する気体をベアリングにおけるロータ側の端部に供給するバイパス路と、を有する。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、小型真空ポンプ、及びポンプ内蔵型ロボットハンドに関する。
従来、産業用ロボットの分野においては、ロボットの作業領域と人の作業領域とを区別することが前提であった。これに対し、近年、人と作業領域を共有し、人との協働を目的とした小型のロボットが多数開発されている。このような小型のロボットが備えるロボットハンドは、多様な把持対象物に対応するために、把持対象物をロボットの指や爪等で挟持するものだけでなく、従来の産業用ロボットと同様、吸引によって吸着把持するような構成も望まれている。
この場合、対象物を吸着把持するロボットハンドの従来の例としては、例えば次のようなものがある。すなわち、ロボットの手先に吸着パッドを設け、その吸着パッドをロボットの外部に設けた真空ポンプに接続する。そして、外部の真空ポンプを駆動させて吸着パッドに吸引力を発生させ、これにより把持対象物を吸着パッドに吸着させる。
また、他の例としては次のようなものがある。すなわち、ロボットの手先に吸着パッド及び真空エジェクタを設け、その真空エジェクタを外部に設けたエアー供給源に接続する。そして、外部のエアー供給源からのエアーを真空エジェクタに供給することで吸着パッドに吸引力を発生させ、これにより把持対象物を吸着パッドに吸着させる。
しかしながら、吸着により対象物を保持する構成の場合、いずれの方式においても、ロボットとは他に、外部の真空ポンプやエアー供給源が必要となり、全体として大掛かりなものとなってしまう。すると、例えばロボットをユーザの好きな場所に気軽に持ち運んで使用したり、商用電源に繋ぐだけで簡単に使用したりできる、といったことが実現し難くなり、ユーザの利便性が乏しくなる。また、ロボットの手先に例えばエジェクタを取り付けることで、角ばった箇所が増えると共に、ロボットの手先の重量が重くなる。すると、ロボットの手先が人に衝突した際に圧力や衝撃が大きくなってしまい、その結果、安全性も低下してしまう。そのため、このようなロボットハンドは、小型軽量であり、かつ、外部の真空ポンプやエアー供給源等を必要としないポンプ組み込み型の構成が望まれる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型軽量でかつ外部の真空ポンプやエアー供給源を必要としない小型真空ポンプ、及びその小型真空ポンプを内蔵したポンプ内蔵型ロボットハンドを提供する。
(請求項1)
請求項1に係る小型真空ポンプは、外殻を構成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられ吸込口と吐出口とを有するポンプ室と、前記ポンプ室内に回転可能に設けられたロータと、前記ロータと一体的に回転可能に設けられ前記ロータの回転中心となる回転軸と、前記回転軸と共に前記ロータを回転させる回転力を発生させるモータと、前記回転軸を回転可能に支持するベアリングと、を備える。
請求項1に係る小型真空ポンプは、外殻を構成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられ吸込口と吐出口とを有するポンプ室と、前記ポンプ室内に回転可能に設けられたロータと、前記ロータと一体的に回転可能に設けられ前記ロータの回転中心となる回転軸と、前記回転軸と共に前記ロータを回転させる回転力を発生させるモータと、前記回転軸を回転可能に支持するベアリングと、を備える。
この構成において、小型真空ポンプは、ロータを回転させて駆動すると、ロータの作用により、ポンプ室内において吸込口側が負圧となり吐出口側が正圧となる。これにより、小型真空ポンプは、吸込口からポンプ室内に外気を吸い込み、圧力を増大させた空気を吐出口から吐出する。ここで、回転軸はベアリングにより回転可能に支持されているが、ベアリングにおけるロータ側の側面つまりポンプ室側の端面は、ロータの作用による負圧となる。すると、ベアリングに対してポンプ室側へ吸引する力が作用し、これによりベアリング内に封入されているグリスが流出してしまうおそれがある。
このような問題に対し、ベアリングにおけるポンプ室側の端面にオイルシールを設けて、ベアリングに対して吸引するような空気の流れを遮断することも考えられる。しかしながら、オイルシールを設けるためには、まず、オイルシールを組み込むためのスペースが必要となる。更に、オイルシールを設けることで、オイルシールによる摺動抵抗が増大する。
この場合、例えば工場等で使用されるような一般的なサイズの真空ポンプ等であれば、オイルシールを組み込むためのスペースやオイルシールによる摺動抵抗の増大は、全体のサイズや出力に対して影響が小さいため、それほど問題とはならない。しかし、真空ポンプを小型化するほど、オイルシールを組み込むためのスペースやオイルシールによる摺動抵抗の増大は、全体のサイズや出力に対する影響が顕著になってくる。このため、オイルシールを設けることは真空ポンプの小型化を阻害する。
これに対し、本構成の小型真空ポンプは、大気圧以上の圧力を有する気体を前記ベアリングにおける前記ロータ側の端部に供給するバイパス路を備える。これによれば、大気圧以上の圧力を有する気体例えば外気を、バイパス路を通してベアリングにおける前記ロータ側の端部に供給することで、ベアリングの端部周辺の圧力の低下を抑制して負圧による吸引力の発生を抑制することができる。これにより、オイルシールを設けなくてもベアリングからグリスが流れ出してしまうことを抑制できる。
このように、本構成の小型真空ポンプは、オイルシールを組み込むためのスペースが不要となり、また、摺動抵抗の増大によるモータの出力増大も抑制することができる。これにより、オイルシールを組み込むことによる大型化や、モータの出力増大に伴う大型化を抑制することができ、その結果、真空ポンプの小型化を図ることができる。そして、本構成の小型真空ポンプは、駆動源となるモータを内蔵している。これらの結果、小型軽量でかつ外部の真空ポンプやエアー供給源を必要としない小型真空ポンプを実現することができる。
(請求項2)
請求項2に係る小型真空ポンプにおいて、前記バイパス路は、前記ケーシングを貫いて形成されている。これによれば、バイパス路を設けるために新たな部材を追加する必要がない。したがって、バイパス路を設けるために部品点数が増えて真空ポンプが大型化してしまうことを抑制できる。
請求項2に係る小型真空ポンプにおいて、前記バイパス路は、前記ケーシングを貫いて形成されている。これによれば、バイパス路を設けるために新たな部材を追加する必要がない。したがって、バイパス路を設けるために部品点数が増えて真空ポンプが大型化してしまうことを抑制できる。
(請求項3)
請求項3に係る小型真空ポンプにおいて、前記バイパス路は、前記回転軸を当該回転軸の軸方向に沿って設けられた溝によって構成されている。これによっても、バイパス路を設けるために新たな部材を追加する必要がない。したがって、バイパス路を設けるために部品点数が増えて真空ポンプが大型化してしまうことを抑制できる。
請求項3に係る小型真空ポンプにおいて、前記バイパス路は、前記回転軸を当該回転軸の軸方向に沿って設けられた溝によって構成されている。これによっても、バイパス路を設けるために新たな部材を追加する必要がない。したがって、バイパス路を設けるために部品点数が増えて真空ポンプが大型化してしまうことを抑制できる。
(請求項4)
請求項4に係る小型真空ポンプにおいて、前記ベアリングは、前記回転軸において前記ロータの両端の外側にそれぞれ設けられている。また、前記バイパス路は、前記回転軸の全長に亘って設けられている。これによれば、前記ロータの両端の外側に設けられた2つのベアリングに対して、バイパス路を共通化することができる。その結果、バイパス路を形成するための製造工数等の増大を抑制することができる。
請求項4に係る小型真空ポンプにおいて、前記ベアリングは、前記回転軸において前記ロータの両端の外側にそれぞれ設けられている。また、前記バイパス路は、前記回転軸の全長に亘って設けられている。これによれば、前記ロータの両端の外側に設けられた2つのベアリングに対して、バイパス路を共通化することができる。その結果、バイパス路を形成するための製造工数等の増大を抑制することができる。
(請求項5)
ここで、バイパス路の断面積が回転軸の周囲の隙間の断面積よりも小さいと、バイパス路から供給される空気の量よりも、回転軸の周囲の隙間を通じてポンプ室側に引っ張られる空気の量の方が多くなり、その結果、ベアリング周辺が依然として負圧の状態となってしまう。
ここで、バイパス路の断面積が回転軸の周囲の隙間の断面積よりも小さいと、バイパス路から供給される空気の量よりも、回転軸の周囲の隙間を通じてポンプ室側に引っ張られる空気の量の方が多くなり、その結果、ベアリング周辺が依然として負圧の状態となってしまう。
これに対し、請求項5に係る小型真空ポンプにおいて、バイパス路の断面積は、回転軸の周囲の隙間の断面積よりも大きい。これによれば、回転軸の周囲の隙間を通じてポンプ室側に引っ張られる空気の量よりも、バイパス路から供給される空気の量を多くすることができる。これにより、ベアリングの端部周辺が負圧になることをより確実に抑制することができ、その結果、ベアリングからのグリスの流出を効果的に抑制することができる。
(請求項6〜10)
請求項6〜10に係るポンプ内蔵型ロボットハンドは、上記請求項1〜5のいずれかに係る小型真空ポンプと、前記小型真空ポンプの吸込口に接続されて前記小型真空ポンプの吸引力によって吸着対象物を吸着する吸着部と、を備える。すなわち、本構成のポンプ内蔵型ロボットハンドは、上述した小型真空ポンプを内蔵した吸着式のロボットハンドである。これによれば、吸着式のロボットハンドにおいて、小型でありかつ外部の真空ポンプやエアー供給源等を必要としないロボットハンドを実現することができる。
請求項6〜10に係るポンプ内蔵型ロボットハンドは、上記請求項1〜5のいずれかに係る小型真空ポンプと、前記小型真空ポンプの吸込口に接続されて前記小型真空ポンプの吸引力によって吸着対象物を吸着する吸着部と、を備える。すなわち、本構成のポンプ内蔵型ロボットハンドは、上述した小型真空ポンプを内蔵した吸着式のロボットハンドである。これによれば、吸着式のロボットハンドにおいて、小型でありかつ外部の真空ポンプやエアー供給源等を必要としないロボットハンドを実現することができる。
(請求項11)
請求項11に係るポンプ内蔵型ロボットハンドにおいて、前記バイパス路は、前記ケーシングを貫いて形成されている。この場合、バイパス路の入口が上を向いている期間が長いと、上から落ちてきたホコリやゴミ等がバイパス路の入口周辺に溜まってしまい、そのホコリやゴミ等がバイパス路内に吸い込まれてバイパス路が詰まってしまう可能性がある。すると、バイパス路の機能が発揮できなくなり、その結果、ベアリングからグリスが流れ出てしまう可能性がある。
請求項11に係るポンプ内蔵型ロボットハンドにおいて、前記バイパス路は、前記ケーシングを貫いて形成されている。この場合、バイパス路の入口が上を向いている期間が長いと、上から落ちてきたホコリやゴミ等がバイパス路の入口周辺に溜まってしまい、そのホコリやゴミ等がバイパス路内に吸い込まれてバイパス路が詰まってしまう可能性がある。すると、バイパス路の機能が発揮できなくなり、その結果、ベアリングからグリスが流れ出てしまう可能性がある。
ここで、一般に吸着式のロボットハンドは、把持対象物に対して上方から下方へ向かって接近し把持対象物を吸着把持することが多い。そのため、吸着式のロボットハンドは、その吸着部が下方を向いた姿勢でいる期間が、他の姿勢でいる期間よりも比較的長い。そこで、前記バイパス路の入口の向きは前記吸着部の向きと一致している。
これによれば、バイパス路の入口が下方を向いている期間を長くすることができる。そのため、上方から落ちてきたホコリやゴミなどが、バイパス路の入口付近に溜まってしまうことを極力抑制することができる。これにより、バイパス路内にホコリやゴミが吸い込まれてバイパス路が詰まってしまうことを抑制でき、その結果、バイパス路の機能を維持することができてベアリングからグリスが流出してしまうことを更に効果的に抑制することができる。
(請求項12)
請求項12に係るポンプ内蔵型ロボットハンドは、前記吸着部を露出させた状態で前記ケーシングを囲むカバー部材を更に備える。そして、前記バイパス路の入口は、前記カバー部材の内部に設けられている。これによれば、バイパス路の入口はカバー部材で覆われているため、バイパス路の入口周辺にホコリやゴミ等が集まることを更に効果的に抑制することできる。これにより、バイパス路内にホコリやゴミ等が吸い込まれてバイパス路が詰まってしまうことをより確実に抑制でき、その結果、ベアリングからグリスが流出してしまうことを更に効果的に抑制することができる。
請求項12に係るポンプ内蔵型ロボットハンドは、前記吸着部を露出させた状態で前記ケーシングを囲むカバー部材を更に備える。そして、前記バイパス路の入口は、前記カバー部材の内部に設けられている。これによれば、バイパス路の入口はカバー部材で覆われているため、バイパス路の入口周辺にホコリやゴミ等が集まることを更に効果的に抑制することできる。これにより、バイパス路内にホコリやゴミ等が吸い込まれてバイパス路が詰まってしまうことをより確実に抑制でき、その結果、ベアリングからグリスが流出してしまうことを更に効果的に抑制することができる。
以下、複数の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
図1に示す小型ロボット10は、本実施形態に係る小型真空ポンプ30を内蔵したポンプ内蔵型ロボットハンド20の搭載対象となるロボットの一例である。本実施形態において、小型ロボット10における「小型」とは、例えば人が一人で持ち運ぶことができる程度のサイズ及び重量であることをいう。小型ロボット10は、例えば6つの可動軸を有する多関節のロボットアームである。小型ロボット10は、例えば人との協働を前提としており、その動作環境に安全柵が不要となるように設計されている。小型ロボット10は、例えばコントローラを内蔵しており、全体の重量が約4kg、可搬重量が約500g程度に設定されている。
第1実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
図1に示す小型ロボット10は、本実施形態に係る小型真空ポンプ30を内蔵したポンプ内蔵型ロボットハンド20の搭載対象となるロボットの一例である。本実施形態において、小型ロボット10における「小型」とは、例えば人が一人で持ち運ぶことができる程度のサイズ及び重量であることをいう。小型ロボット10は、例えば6つの可動軸を有する多関節のロボットアームである。小型ロボット10は、例えば人との協働を前提としており、その動作環境に安全柵が不要となるように設計されている。小型ロボット10は、例えばコントローラを内蔵しており、全体の重量が約4kg、可搬重量が約500g程度に設定されている。
本実施形態のポンプ内蔵型ロボットハンド20(以下、ロボットハンド20と称する)は、小型ロボット10の手先に装着可能に構成されている。ロボットハンド20は、例えば人の手の中に収まるサイズである。ロボットハンド20は、把持対象物を吸着によって把持することができる。
ロボットハンド20は、図2及び図3に示すように、ルーツ式の小型真空ポンプ30を内蔵している。これにより、ロボットハンド20は、小型ロボット10の外部の真空ポンプやエアー供給源等を必要とすることなく、把持対象物を把持するための吸着力を発生させることができる。なお、本実施形態において、小型真空ポンプ30はロボットハンド20全体のサイズよりも当然小さい。また、本実施形態において、小型真空ポンプ30における「小型」とは、小型ロボット10の手先に装着可能な程度に小型であることをいい、例えば人の手のひらに収まる程度のサイズをいう。
ロボットハンド20は、図2及び図3に示すように、カバー部材21、吸着部22、取付部23、及び小型真空ポンプ30を備えている。カバー部材21は、例えば樹脂等で構成されており、小型真空ポンプ30の外側を覆ってロボットハンド20の外殻を構成する。吸着部22は、例えば先端部が吸盤状又はパッド状に構成されており、カバー部材21から露出した状態で小型真空ポンプ30に接続されている。吸着部22は、ロボットハンド20が把持対象物を吸着把持する際に、把持対象物と接触する。この場合、吸着部22の材質や特性、すなわち、吸着部22が剛性を有するか柔軟性を有するか等は、把持対象物の材質や特性に応じて適宜選択することができる。
取付部23は、ロボットハンド20を小型ロボット10の手先に取り付けるためのものである。取付部23は、例えば円筒形状の部材の内側に雌ねじが設けられた構成であり、小型真空ポンプ30の端部に設けられている。そして、小型ロボット10の手先には取付部23の雌ねじに螺合する雄ねじが形成されている。ロボットハンド20は、取付部23の雌ねじを、小型ロボット10の手先に設けられた雄ねじにねじ込むことで、小型ロボット10の手先に装着される。なお、取付部23は上述した構成に限られず、例えば磁力等によって小型ロボット10の手先に装着する構成であっても良い。
小型真空ポンプ30は、外部からの電力供給を受けて駆動し、把持対象物を吸着把持するための吸引力を発生させることができる。本実施形態の小型真空ポンプ30は、吸引力の発生に小型ロボット10外部の真空ポンプやエアー供給源を必要としない。小型真空ポンプ30は、ロータ31、回転軸32、ギヤ33、モータ34、ベアリング35、及びケーシング40を有している。
ケーシング40は、小型真空ポンプ30の外殻を構成するものである。本実施形態の場合、ケーシング40は、ロータ31、回転軸32、ベアリング35、及びギヤ33を内部に収容している。ケーシング40は、ケーシング本体50、シリンダ部材60、及びギヤカバー70を有している。この場合、小型ロボット10の手先側をロボットハンド20の基端側とし、吸着部22側をロボットハンド20の先端側とする。取付部23は、ケーシング本体50において吸着部22とは反対側つまりケーシング本体50の基端側に取り付けられている。また、シリンダ部材60及びギヤカバー70も、ケーシング本体50に取り付けられている。
シリンダ部材60は、図2及び図3に示すように、ポンプ室61、吸込口62、及び吐出口63を有し、ケーシング本体50に取り付けられている。ポンプ室61は、シリンダ部材60とケーシング本体50とで囲まれた空間である。吸込口62及び吐出口63は、ポンプ室61の内部と外部とを連通している。吸込口62は、吸着部22に接続されている。この場合、吸込口62は、吸着部22内を貫いて形成された吸込経路221を介して小型真空ポンプ30の外部、この場合、外殻を構成するケーシング40の外部に連通している。また、吐出口63は、小型真空ポンプ30の外部、この場合、外殻を構成するケーシング40の内部空間に開放されている。
ロータ31は、2つで1組を構成し、シリンダ部材60のポンプ室61内に回転可能に設けられている。2つのロータ31は、相互に90°位相をずらして取付けられており、互いに反対方向に回転する。すると、2つのロータ31の相反する方向への回転によって、シリンダ部材60とロータ31との間に閉じ込められた一定容量の気体この場合空気が圧縮される。すると、吸込口62からポンプ室61内に吸い込まれた空気が、吐出口63側に行くにつれた圧力が高められて吐出口63から吐出される。これにより、吸着部22に吸着力が生じ、吸着部22は把持対象物を吸着することができる。この小型真空ポンプ30は、ポンプの分類としては回転送風機の中の2葉式ルーツブロワに分類される。
回転軸32は、2つのロータ31のそれぞれに対応して設けられている。回転軸32は、ロータ31の中心を貫いてロータ31と一体的に回転可能に設けられており、ロータ31の回転中心となる。回転軸32は、ケーシング本体50及びシリンダ部材60を貫くように設けられている。
ギヤ33は、モータ34の回転を回転軸32に伝達してロータ31を回転させるための伝達機構である。本実施形態の場合、小型真空ポンプ30は、複数のギヤ33を備えている。各ギヤ33は、それぞれ、回転軸32の一方の端部と、ケーシング本体50と、モータ34の回転軸とに設けられており、ギヤカバー70によって覆われている。すなわち、各ギヤ33は、ケーシング本体50とギヤカバー70とで囲まれた空間となるギヤ収容部71内に収容されている。
モータ34の回転力は、各ギヤ33を介して2つの回転軸32のそれぞれに伝わり、これにより、2つのロータ31が同期した状態でそれぞれ回転する。この場合、各ギヤ33のギヤ比は、モータ34の定格回転数や小型真空ポンプ30の吐出圧力等に応じて適宜変更することができる。また、モータ34は、ケーシング40に取り付けられており、ロボットハンド20の外部からの電力供給及び制御信号を受けて駆動する。
ベアリング35は、回転軸32を回転可能に支持しており、ケーシング40の内部に設けられている。本実施形態の場合、小型真空ポンプ30は、1つの回転軸32に対して2つのベアリング35を備えている。すなわち、本実施形態の場合、小型真空ポンプ30は、2つの回転軸32を備えており、この2つの回転軸32に対してそれぞれ2つずつ、合計で4つのベアリング35を備えている。ベアリング35は、図3に示すように、ロータ31を挟んで両側、つまりロータ31の両端外側にそれぞれ設けられている。ベアリング35は、例えばボールベアリングであり、摺動部分に潤滑用のグリスが塗布されている。
ケーシング本体50は、図3〜図5に示すように、第1ベアリング収容部51及び第1バイパス路52を有している。第1ベアリング収容部51は、ケーシング本体50を回転軸32の軸方向に沿って掘り込むようにして形成された円筒状で段付きの穴である。第1ベアリング収容部51は、回転軸32の両端側に設けられた2つのベアリング35のうち一方を収容する。この場合、ケーシング本体50は、2つのロータ31に対応して2つの第1ベアリング収容部51を有している。
第1バイパス路52は、例えば外気など大気圧以上の圧力を有する気体を第1ベアリング収容部51に収容されているベアリング35のロータ31側の端部に供給するためのバイパス路である。本実施形態の場合、第1バイパス路52は、外気を第1ベアリング収容部51内に導入する。第1バイパス路52は、ケーシング40の外部と第1ベアリング収容部51の内部とを連通している。第1バイパス路52は、ケーシング本体50を例えば円筒状に貫いて形成されている。第1バイパス路52は、ロボットハンド20の先端側から基端側へ向かって、つまり吸着部22側から第1ベアリング収容部51へ向かって直線状に延びている。この場合、第1バイパス路52の入口521は外部に開放されており、第1バイパス路52の出口522は第1ベアリング収容部51に接続されている。
第1バイパス路52の入口521の向きは、吸着部22の向きと一致している。すなわち、第1バイパス路52の入口521は、ロボットハンド20の先端側へ向かって開口している。また、第1バイパス路52の出口522は、第1ベアリング収容部51の周囲を構成する側部511の一部を貫いて、第1ベアリング収容部51に接続されている。この場合、第1バイパス路52の出口522は、第1ベアリング収容部51の深さ方向の中心に対してロータ31側寄りつまりポンプ室61側寄りに接続されている。本実施形態において、第1バイパス路52の出口522は、図5に示すように、第1ベアリング収容部51の側部511、及びロータ31側の端部つまり第1ベアリング収容部51の底部512の一部を含む位置に接続されている。換言すれば、第1バイパス路52の出口522は、第1ベアリング収容部51の底部512を回転軸32の軸方向に沿って跨るようにして第1ベアリング収容部51に接続されている。つまり、第1バイパス路52の出口522は、第1ベアリング収容部51に嵌め込まれたベアリング35のポンプ室61側の端部を跨ぐ位置に設けられている。
シリンダ部材60は、図3、図6、及び図7に示すように、第2ベアリング収容部64及び第2バイパス路65を有している。第2ベアリング収容部64及び第2バイパス路65は、シリンダ部材60に設けられている点以外は、上述した第1ベアリング収容部51及び第1バイパス路52と同様の構成である。すなわち、第2ベアリング収容部64は、シリンダ部材60を回転軸32の軸方向に沿って掘り込むようにして形成された円筒状で段付き穴である。第2ベアリング収容部64は、回転軸32の両端側に設けられた2つのベアリング35のうち他方を収容する。この場合、シリンダ部材60は、2つのロータ31に対応して2つの第2ベアリング収容部64を有している。
第2バイパス路65は、例えば外気など大気圧以上の圧力を有する気体を第2ベアリング収容部64に収容されているベアリング35のロータ31側の端部に供給するためのバイパス路である。本実施形態の場合、第2バイパス路65は、外気を第2ベアリング収容部64内に導入する。第2バイパス路65は、ケーシング40の外部と第2ベアリング収容部64の内部とを連通している。第2バイパス路65は、シリンダ部材60を例えば円筒状に貫いて形成されている。第2バイパス路65は、ロボットハンド20の先端側から基端側へ向かって、つまり吸着部22側から第2ベアリング収容部64へ向かって直線状に形成されている。この場合、第2バイパス路65は、第1バイパス路52と平行に延びている。また、第2バイパス路65の入口651は外部に開放されており、第2バイパス路65の出口652は第2ベアリング収容部64に接続されている。
第2バイパス路65の入口651の向きは、吸着部22の向きと一致している。すなわち、第2バイパス路65の入口651は、ロボットハンド20の先端側へ向かって開口している。また、第2バイパス路65の出口652は、第2ベアリング収容部64の周囲を構成する側部641の一部を貫いて、第2ベアリング収容部64に接続されている。この場合、第2バイパス路65の出口652は、第2ベアリング収容部64の深さ方向の中心に対してロータ31側寄りつまりポンプ室61側寄りに接続されている。本実施形態において、第2バイパス路65の出口652は、図7に示すように、第2ベアリング収容部64の側部641、及びロータ31側の端部つまり第2ベアリング収容部64の底部642の一部を含む位置に接続されている。換言すれば、第2バイパス路65の出口652は、第2ベアリング収容部64の底部642を回転軸32の軸方向に沿って跨るようにして第2ベアリング収容部64に接続されている。つまり、第2バイパス路65の出口652は、第2ベアリング収容部64に嵌め込まれたベアリング35のポンプ室61側の端部を跨ぐ位置に設けられている。
この場合、第1バイパス路52の出口522からポンプ室61に至るまでの間には、回転軸32及びロータ31が位置している。そのため、第1バイパス路52は、ロータ31の端面とケーシング本体50との間のごく僅かな隙間を除き直接的にはポンプ室61と連通していない。同様に、第2バイパス路65の出口652からポンプ室61に至るまでの間には、回転軸32及びロータ31が位置している。そのため、第2バイパス路65は、ロータ31の端面とシリンダ部材60との間のごく僅かな隙間を除き直接的にはポンプ室61と連通していない。
また、図8に示すように、回転軸32の周囲、つまり回転軸32とケーシング本体50との間、及び回転軸32とシリンダ部材60との間には、回転軸32の回転を確保するための僅かな隙間Gが設けられている。この場合、第1バイパス路52及び第2バイパス路65のそれぞれの断面積は、隙間Gの断面積よりも大きい。
以上説明した実施形態によれば、ロボットハンド20は小型真空ポンプ30を内蔵している。小型真空ポンプ30は、ケーシング40と、ポンプ室61と、ロータ31と、回転軸32と、モータ34と、ベアリング35と、を備える。ケーシング40は、小型真空ポンプ30の外殻を構成する。ポンプ室61は、ケーシング40内に設けられており、吸込口62と吐出口63とを有する。ロータ31は、ポンプ室61内に回転可能に設けられている。回転軸32は、ロータ31と一体的に回転可能に設けられており、ロータ31の回転中心となる。モータ34は、回転軸32と共にロータ31を回転させる回転力を発生させる。ベアリング35は、回転軸32を回転可能に支持する。
この構成において、小型真空ポンプ30は、ロータ31を回転させて駆動すると、ロータ31の作用により、ポンプ室61内において吸込口62側が負圧となり吐出口63側が正圧となる。これにより、小型真空ポンプ30は、吸込口62からポンプ室61内に外気を吸い込み、圧力を増大させた空気を吐出口63から吐出する。ここで、回転軸32はベアリング35により回転可能に支持されているが、ベアリング35におけるロータ31側の側面つまりポンプ室61側の端面は、ロータ31の作用による負圧となる。すると、ベアリング35に対してポンプ室61側へ吸引する力が作用し、これによりベアリング35内に封入されているグリスが流出してしまうおそれがある。
このような問題に対し、ベアリング35におけるポンプ室61側の端面にオイルシールを設けて、ベアリング35に対して吸引するような空気の流れを遮断することも考えられる。しかしながら、オイルシールを設けるためには、まず、オイルシールを組み込むためのスペースが必要となる。更に、オイルシールを設けることで、オイルシールによる摺動抵抗が増大する。
この場合、例えば工場等で使用されるような一般的なサイズの真空ポンプ等であれば、オイルシールを組み込むためのスペースやオイルシールによる摺動抵抗の増大は、全体のサイズや出力に対して影響が小さいため、それほど問題とはならない。しかし、真空ポンプを小型化するほど、オイルシールを組み込むためのスペースやオイルシールによる摺動抵抗の増大は、全体のサイズや出力に対する影響が顕著になってくる。このため、オイルシールを設けることは真空ポンプの小型化を阻害する。
これに対し、本実施形態の小型真空ポンプ30は、バイパス路52、65を備える。バイパス路52、65は、大気圧以上の圧力を有する気体、例えば大気圧である外気をベアリング35におけるロータ31側の端部に供給する。これによれば、大気圧以上の圧力を有する気体、例えば外気をバイパス路52、65を通してベアリング35におけるロータ31側の端部に供給することで、ベアリング35の端部周辺の圧力の低下を抑制して負圧による吸引力の発生を抑制することができる。これにより、オイルシールを設けなくてもベアリング35からグリスが流れ出してしまうことを抑制できる。
このように、本実施形態によれば、小型真空ポンプ30は、オイルシールを組み込むためのスペースが不要となり、また、摺動抵抗の増大によるモータ34の出力増大も抑制することができる。これにより、オイルシールを組み込むことによる大型化や、モータ34の出力増大に伴う大型化を抑制することができ、その結果、小型真空ポンプ30の小型化を図ることができ、ひいてはロボットハンド20の小型化を図ることができる。そして、本実施形態の小型真空ポンプ30は、駆動源となるモータ34を内蔵している。これらの結果、小型軽量でかつ外部の真空ポンプやエアー供給源を必要としない小型真空ポンプ30を実現することができる。
また、小型真空ポンプ30において、第1バイパス路52は、ケーシング40を構成するケーシング本体50を貫いて形成されている。また、第2バイパス路65は、ケーシング40を構成するシリンダ部材60を貫いて形成されている。これによれば、バイパス路52、65を設けるために新たな部材を追加する必要がない。したがって、バイパス路52、65を設けるために部品点数が増えて真空ポンプ30が大型化してしまうことを抑制できる。
ここで、バイパス路52、65の断面積が回転軸32の周囲の隙間Gの断面積よりも小さいと、バイパス路52、65から供給される空気の量よりも、回転軸32の周囲の隙間Gを通じてポンプ室61側に引っ張られる空気の量の方が多くなり、その結果、ベアリング35周辺が依然として負圧の状態となってしまう。
これに対し、本実施形態の小型真空ポンプ30において、バイパス路52、65の断面積は、それぞれ回転軸32の周囲の隙間Gの断面積よりも大きい。これによれば、回転軸32の周囲の隙間Gを通じてポンプ室61側に引っ張られる空気の量よりも、バイパス路52、65から供給される空気の量を多くすることができる。これにより、ベアリング35の端部周辺が負圧の状態となることをより確実に抑制することができ、その結果、ベアリング35からのグリスの流出を効果的に抑制することができる。
ちなみに、バイパス路52、65を設けてベアリング35の周囲に外気等を導入することによって、その外気がポンプ室61内に僅かに流入してポンプ室61内の真空到達度が多少下がってしまい、その結果、小型真空ポンプ30の吐出能力が低下することが懸念される。しかしながら、バイパス路52、65の流入量は、小型真空ポンプ30の吐出量に対して十分に少ない。したがって、このようなバイパス路52、65によって生じた吐出能力の低下は、モータ34の回転数つまりロータ31の回転数を上げることで十分に補うことができる。
また、本実施形態のポンプ内蔵型ロボットハンド20は、上述した小型真空ポンプ30と、吸着部22と、を備える。吸着部22は、小型真空ポンプ30の吸込口62に接続されており、小型真空ポンプ30の吸引力によって吸着対象物を吸着することができる。すなわち、本実施形態のポンプ内蔵型ロボットハンド20は、上述した小型真空ポンプ30を内蔵した吸着式のロボットハンドである。これによれば、吸着式のロボットハンド20において、小型でありかつ外部の真空ポンプやエアー供給源等を必要としないロボットハンドを実現することができる。
この場合、バイパス路52、65は、上述したようにケーシング40を貫いて形成されている。この場合、バイパス路52、65の入口521、651が上を向いている期間が長いと、上から落ちてきたホコリやゴミ等がバイパス路52、65の入口521、651周辺に溜まってしまい、そのホコリやゴミ等がバイパス路52、65内に吸い込まれてバイパス路52、65が詰まってしまう可能性がある。すると、バイパス路52、65の機能が発揮できなくなり、その結果、ベアリング35からグリスが流れ出てしまう可能性がある。
ここで、一般に吸着式のロボットハンドは、把持対象物に対して上方から下方へ向かって接近し把持対象物を吸着把持することが多い。そのため、吸着式のロボットハンドは、吸着部が下方を向いた姿勢でいる期間が、他の姿勢でいる期間よりも比較的長い。そこで、本実施形態において、バイパス路52、65の入口521、651の向きは、吸着部22の向きと一致している。
これによれば、バイパス路52、65の入口521、651が下方を向いている期間を長くすることができる。そのため、上方から落ちてきたホコリやゴミなどが、バイパス路52、65の入口521、651付近に溜まってしまうことを極力抑制することができる。これにより、バイパス路52、65内にホコリやゴミが吸い込まれてバイパス路52、65が詰まってしまうことを抑制でき、その結果、バイパス路52、65の機能を維持することができてベアリング35からグリスが流出してしまうことを更に効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のポンプ内蔵型ロボットハンド20は、吸着部22を露出させた状態でケーシング40を囲むカバー部材21を更に備える。そして、バイパス路52、65の入口521、651は、カバー部材21の内部に設けられている。これによれば、バイパス路52、65の入口521、651はカバー部材21で覆われているため、バイパス路52、65の入口521、651周辺にホコリやゴミ等が集まることを更に効果的に抑制することできる。これにより、バイパス路52、65内にホコリやゴミ等が吸い込まれてバイパス路52、65が詰まってしまうことをより確実に抑制でき、その結果、ベアリング35からのグリスが流出してしまうことを更に効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図9及び図10を参照して説明する。
第2実施形態は、第2バイパス路65の位置が上記第1実施形態と異なる。すなわち、本実施形態において、第2バイパス路65は、第1バイパス路52とは異なる方向へ延びている。つまり、第1バイパス路52の入口521は、ポンプ室61に対して吸着部22側つまりロボットハンド20の先端側に設けられている。一方、第2バイパス路65の入口651は、ポンプ室61に対して吸着部22と反対側つまりロボットハンド20の基端側に設けられている。これによっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
次に、第2実施形態について図9及び図10を参照して説明する。
第2実施形態は、第2バイパス路65の位置が上記第1実施形態と異なる。すなわち、本実施形態において、第2バイパス路65は、第1バイパス路52とは異なる方向へ延びている。つまり、第1バイパス路52の入口521は、ポンプ室61に対して吸着部22側つまりロボットハンド20の先端側に設けられている。一方、第2バイパス路65の入口651は、ポンプ室61に対して吸着部22と反対側つまりロボットハンド20の基端側に設けられている。これによっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図11及び図12を参照して説明する。
第3実施形態の小型真空ポンプ30は、上記実施形態における第1バイパス路52及び第2バイパス路65に換えて、第3バイパス路321を備えている。第3バイパス路321は、回転軸32を当該回転軸32の軸方向に沿って設けられた溝によって構成されている。この第3バイパス路321も、上述した第1バイパス路52及び第2バイパス路65と同様に、例えば外気等の大気圧以上の圧力を有する気体をベアリング35におけるロータ31側の端部に供給するためのものである。
次に、第3実施形態について図11及び図12を参照して説明する。
第3実施形態の小型真空ポンプ30は、上記実施形態における第1バイパス路52及び第2バイパス路65に換えて、第3バイパス路321を備えている。第3バイパス路321は、回転軸32を当該回転軸32の軸方向に沿って設けられた溝によって構成されている。この第3バイパス路321も、上述した第1バイパス路52及び第2バイパス路65と同様に、例えば外気等の大気圧以上の圧力を有する気体をベアリング35におけるロータ31側の端部に供給するためのものである。
第3バイパス路321は、回転軸32の全長に亘って設けられている。また、本実施形態の場合、回転軸32は、複数、例えば4つの第3バイパス路321を有している。この場合、4つの第3バイパス路321の断面積の合計は、回転軸32の周囲の隙間Gの断面積よりも大きい。
本実施形態によれば、上記各実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、本実施形態の第3バイパス路321は、回転軸32を当該回転軸32の軸方向に沿って設けられた溝によって構成されている。そのため、第3バイパス路321を設けるために新たな部材を追加する必要がない。したがって、第3バイパス路321を設けるために部品点数が増えて真空ポンプ30が大型化し、ひいてはロボットハンド20が大型化してしまうことを抑制できる。
また、本実施形態の第3バイパス路321は、回転軸32を当該回転軸32の軸方向に沿って設けられた溝によって構成されている。そのため、第3バイパス路321を設けるために新たな部材を追加する必要がない。したがって、第3バイパス路321を設けるために部品点数が増えて真空ポンプ30が大型化し、ひいてはロボットハンド20が大型化してしまうことを抑制できる。
また、第3バイパス路321は、回転軸32の全長に亘って設けられている。これによれば、ロータ31の両端の外側に設けられた2つのベアリング35に対して、第3バイパス路321を共通化することができる。その結果、第3バイパス路321を形成するための製造工数等の増大を抑制することができる。
なお、上記各実施形態は相互に組み合わせることができる。この場合、1つのベアリング35に対応したバイパス路52、65、321の断面積の合計を、回転軸32の周囲の隙間Gの断面積よりも大きくすることが好ましい。
また、バイパス路52、65、321からベアリング35に供給される気体は大気圧の外気に限られない。例えば吐出口63の一部をバイパス路52、65、321に繋げる。そして、吐出口63から吐出された圧縮空気の一部を、バイパス路52、65、321を介してベアリング35の端部周囲に供給する構成としても良い。
また、上記各実施形態で説明したポンプ内蔵型ロボットハンド20は、例えば直交型のロボットや水平型多関節ロボット等、図1に示すような小型多関節ロボット10以外にも当然適用することができる。
また、バイパス路52、65、321からベアリング35に供給される気体は大気圧の外気に限られない。例えば吐出口63の一部をバイパス路52、65、321に繋げる。そして、吐出口63から吐出された圧縮空気の一部を、バイパス路52、65、321を介してベアリング35の端部周囲に供給する構成としても良い。
また、上記各実施形態で説明したポンプ内蔵型ロボットハンド20は、例えば直交型のロボットや水平型多関節ロボット等、図1に示すような小型多関節ロボット10以外にも当然適用することができる。
上記説明した各実施形態は、上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
図面中、10は小型ロボット、20はロボットハンド、21はカバー部材、22は吸着部、30は小型真空ポンプ、31はロータ、32は回転軸、321は第3バイパス路(バイパス路)、35はベアリング、40はケーシング、50はケーシング本体(ケーシング)、52は第1バイパス路(バイパス路)、60はシリンダ部材(ケーシング)、61はポンプ室、62は吸込口、63は吐出口、65は第2バイパス路(バイパス路)、を示す。
Claims (12)
- 外殻を構成するケーシングと、
前記ケーシング内に設けられ吸込口と吐出口とを有するポンプ室と、
前記ポンプ室内に回転可能に設けられたロータと、
前記ロータと一体的に回転可能に設けられ前記ロータの回転中心となる回転軸と、
前記回転軸と共に前記ロータを回転させる回転力を発生させるモータと、
前記回転軸を回転可能に支持するベアリングと、
大気圧以上の圧力を有する気体を前記ベアリングにおける前記ロータ側の端部に供給するバイパス路と、
を備える小型真空ポンプ。 - 前記バイパス路は、前記ケーシングを貫いて形成されている、
請求項1に記載の小型真空ポンプ。 - 前記バイパス路は、前記回転軸を当該回転軸の軸方向に沿って設けられた溝によって構成されている、
請求項1に記載の小型真空ポンプ。 - 前記ベアリングは、前記回転軸において前記ロータの両端外側にそれぞれ設けられており、
前記バイパス路は、前記回転軸の全長に亘って設けられている、
請求項3に記載の小型真空ポンプ。 - 前記バイパス路の断面積は、前記回転軸の周囲の隙間の断面積よりも大きい、
請求項1から4のいずれか一項に記載の小型真空ポンプ。 - 小型真空ポンプと、
前記小型真空ポンプの吸込口に接続されて前記小型真空ポンプの吸引力によって吸着対象物を吸着する吸着部と、
を備え、
前記小型真空ポンプは、
外殻を構成するケーシングと、
前記ケーシング内に設けられ吸込口と吐出口とを有するポンプ室と、
前記ポンプ室内に回転可能に設けられたロータと、
前記ロータと一体的に回転可能に設けられ前記ロータの回転中心となる回転軸と、
前記回転軸と共に前記ロータを回転させる回転力を発生させるモータと、
前記回転軸を回転可能に支持するベアリングと、
大気圧以上の圧力を有する気体を前記ベアリングにおける前記ロータ側の端部に供給するバイパス路と、を有する、
ポンプ内蔵型ロボットハンド。 - 前記バイパス路は、前記ケーシングを貫いて形成されている、
請求項6に記載のポンプ内蔵型ロボットハンド。 - 前記バイパス路は、前記回転軸を当該回転軸の軸方向に沿って設けられた溝によって構成されている、
請求項6に記載のポンプ内蔵型ロボットハンド。 - 前記ベアリングは、前記回転軸において前記ロータの両端外側にそれぞれ設けられており、
前記バイパス路は、前記回転軸の全長に亘って設けられている、
請求項8に記載のポンプ内蔵型ロボットハンド。 - 前記バイパス路の断面積は、前記回転軸の周囲の隙間の断面積よりも大きい、
請求項6から9のいずれか一項に記載のポンプ内蔵型ロボットハンド。 - 前記バイパス路の入口の向きは前記吸着部の向きと一致している、
請求項7に記載のポンプ内蔵型ロボットハンド。 - 前記吸着部を露出させた状態で前記ケーシングを囲むカバー部材を更に備え、
前記バイパス路の入口は、前記カバー部材の内部に設けられている、
請求項6から11のいずれか一項に記載のポンプ内蔵型ロボットハンド。
Priority Applications (1)
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JP2018242739A JP2020105931A (ja) | 2018-12-26 | 2018-12-26 | 小型真空ポンプ、及びポンプ内蔵型ロボットハンド |
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- 2018-12-26 JP JP2018242739A patent/JP2020105931A/ja active Pending
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