JP2020104979A - クレーン用荷振れ角度測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】迅速且つ正確に低コストでクレーンの荷振れ角度を測定する。【解決手段】クレーン用荷振れ角度測定装置50は、特定の荷振れ方向に沿って配置された3つ以上の音波受信器Mと、吊り荷支持部又は吊り荷支持部に支持された吊り荷で発生した音を各音波受信器Mが受信するタイミングのずれに基づいて、音の発生源から各音波受信器Mまでの距離の差分を算出する距離差算出部51と、各音波受信器Mの位置情報、及び、距離差算出部51により算出された差分に基づいて、特定の荷振れ方向における荷振れ角度を算出する荷振れ角算出部52と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、クレーンに生じた荷振れの角度を測定するためのクレーン用荷振れ角度測定装置に関するものである。
建設現場、工場、港湾等において様々な種類のクレーンが物資の運搬に利用されている。クレーンを用いて荷役を行う場合、巻上げ、巻下げ、旋回等の動作が行われるが、その際に吊り荷に振れ(以下、荷振れという)が生じることがある。荷振れが生じることにより、クレーンの操作が難しくなる。
例えば、ジブクレーンでは吊り荷を吊り下げるワイヤーがジブ先端に取り付けられるが、吊り荷の巻上げ時に、ジブ先端から鉛直(重力方向)に下ろした線上に吊り荷重心が位置していないと、地切りの際に荷振れが生じる。
しかし、オペレータが目視で、ジブ先端と吊り荷重心とを鉛直線上に位置合わせすることは困難であるので、ジブ先端位置と吊り荷重心位置とを結んだ線が鉛直方向となす角度(以下、荷振れ角度という)を測定し、この荷振れ角度を制御する方法が色々提案されている。
クレーンは大型機械であるため、ロータリーエンコーダのような接触センサを用いて荷振れ角度を測定することは困難であるので、従来、例えばCCDカメラのような視覚センサを用いた荷振れ角度の測定が行われてきた。また、GNSS(Global Navigation Satellite System)や電波を用いて吊り荷位置を特定し、荷振れ角度を求めることも検討されてきた。
また、本願発明者らは、天井クレーンを対象とする荷振れ角度の測定方法として、2つのマイクロホンを用いてフックや吊り具で発生した音響信号を受信し、2つの音響信号の到来時間差を求め、この到来時間差と荷振れ角度との関係を非線形方程式で記述し、計算処理によって荷振れ角度を算出する方法を提案している。
Journal of Robotics, Networking and Artificial Life, Vol. 4, No. 4, March 2018, p.322-325
しかし、視覚センサを利用した荷振れ角度測定には、荷振れ角度を画像として取得できる位置に視覚センサを配置しなければならないという制約があるうえに、導入やメンテナンスにもコストがかかってしまうという問題がある。
また、GNSSによる吊り荷位置測定については、GNSSの利用可能地域に関する制約に加えて、都市部のビル等の狭間でクレーンによる作業が行われる場合に衛星測位が不十分となって測定精度が悪くなるという問題がある。また、電波による吊り荷位置測定についても法規制等の問題がある。
また、非特許文献1に記載の方法では、ニュートン法に基づいて非線形方程式を解く必要があるため、計算コストが生じるという問題がある。さらに、この計算処理には「吊り下げワイヤーの支持点から音響信号の発生点までの距離」が既知である必要があるところ、例えば吊り下げワイヤーにたるみが生じていると、「吊り下げワイヤーの支持点から音響信号の発生点までの距離」を吊り下げワイヤーの繰り出し量から求めることができなくなるという問題がある。
前記に鑑み、本発明は、迅速且つ正確に低コストでクレーンの荷振れ角度を測定できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係るクレーン用荷振れ角度測定装置は、吊り荷支持部と、吊り荷支持部を吊り下げる吊り下げ部と、吊り下げ部が取り付けられた支持部とを備えたクレーンに用いられる荷振れ角度測定装置であって、第1の荷振れ方向に沿って配置された3つ以上の第1の音波受信器と、吊り荷支持部又は吊り荷支持部に支持された吊り荷で発生した音を第1の音波受信器のそれぞれが受信するタイミングのずれに基づいて、音の発生源から第1の音波受信器のそれぞれまでの距離の第1の差分を算出する距離差算出部と、第1の音波受信器のそれぞれの位置情報、及び、距離差算出部により算出された第1の差分に基づいて、第1の荷振れ方向における第1の荷振れ角度を算出する荷振れ角算出部と、を備える。
本発明に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によると、吊り荷支持部又は吊り荷で発生した音を、第1の荷振れ方向に沿って配置された3つ以上の第1の音波受信器が受信するタイミングのずれに基づいて、音の発生源から各第1の音波受信器までの距離の第1の差分を算出し、当該第1の差分を用いて、第1の荷振れ方向における第1の荷振れ角度を算出する。
ここで、第1の音波受信器が3つあれば、音の発生源から各第1の音波受信器までの距離に関して第1の差分が2つ得られるので、「ワイヤー等の吊り下げ部の支持点から音の発生源までの距離」が既知でなくても、例えばニュートン法を用いるような複雑な計算を行うことなく、算術的に第1の荷振れ角度を迅速且つ正確に算出することができる。また、第1の音波受信器が4つ以上あれば、故障に対する冗長性が得られるのみならず、4つ以上の第1の音波受信器の中から選択される3つの第1の音波受信器の組み合わせが複数存在するので、各組み合わせ毎に第1の荷振れ角度を算出し、その平均や多数決を取ること等によって、得られる第1の荷振れ角度の精度を向上させることもできる。また、吊り荷支持部又は吊り荷で発生した音を用いて荷振れ角度測定を行うため、地形的制約や法規制等の制約を受けにくく、音波受信器として指向性マイク等を用いれば、騒音等の周囲環境の影響も受けにくくなる。さらに、音波受信器として例えば指向性マイクを用いたとしても、従来の視覚センサを用いた場合と比較して、低コストで荷振れ角度を算出することができる。
以上のように、本発明に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によると、迅速且つ正確に低コストでクレーンの荷振れ角度を算出することができる。
尚、本発明に係るクレーン用荷振れ角度測定装置において、3つ以上の第1の音波受信器は、例えばジブクレーンのジブや本体部等、クレーン自体に取り付けてもよいし、或いは、天井クレーンのような固定クレーンであれば、音波受信器の一部をクレーン外部の所定位置に設置してもよい。また、「第1の荷振れ方向に沿って3つ以上の第1の音波受信器が配置される」とは、ジブクレーンであれば、例えば、クレーンを上から見たときに「ジブ」の延びる方向に沿って3つ以上の第1の音波受信器が配置されることを意味し、必ずしも、全ての第1の音波受信器が3次元における同一直線上に配置されることまでは必要としない。言い換えると、クレーンを上から見たときに「ジブ」の延びる方向に沿って全ての第1の音波受信器が配置されていれば、クレーンを横(「ジブ」の延びる方向に対して垂直な方向)から見たときに各第1の音波受信器が同一直線上に配置されていなくてもよい。
また、本発明に係るクレーン用荷振れ角度測定装置において、音の発生源として、吊り荷支持部に装着された音波発信器をさらに備えてもよい。
このようにすると、音波発信に指向性を持たせたり、音波発信のタイミングや音波帯域を調整することが可能となる。このため、吊り荷支持部等で自然発生する音、例えば、吊り荷に掛け渡されたロープと当該ロープを支持するフックとの間に生じる「きしみ音」、フックと吊り具との可動接合部に生じる「摩擦音」などを用いる場合と比べて、周囲の騒音の影響を受けにくい状態で荷振れ角度を測定することができる。この場合、音波発信器は、可聴帯域の音波を発信すると、周辺の人間に吊り荷又は吊り荷支持部の接近を知らせて安全性を確保することができる。また、音波発信器は、オン/オフをリモートで制御できると、荷振れ角度測定が必要なときのみ、音波を発信することができるので、騒音対策になる。
また、本発明に係るクレーン用荷振れ角度測定装置において、第1の音波受信器のそれぞれは、指向性を有してもよい。
このようにすると、周囲の騒音の影響を受けにくい状態で荷振れ角度を測定することができる。
また、本発明に係るクレーン用荷振れ角度測定装置において、第1の荷振れ方向に対して垂直な第2の荷振れ方向に沿って配置された3つ以上の第2の音波受信器をさらに備え、距離差算出部は、音を第2の音波受信器のそれぞれが受信するタイミングのずれに基づいて、音の発生源から第2の音波受信器のそれぞれまでの距離の第2の差分を算出し、荷振れ角算出部は、第2の音波受信器のそれぞれの位置情報、及び、距離差算出部により算出された第2の差分に基づいて、第2の荷振れ方向における第2の荷振れ角度を算出してもよい。
このようにすると、吊り荷の正確な位置を立体的に把握することができる。
尚、「第1の荷振れ方向に対して垂直な第2の荷振れ方向に沿って3つ以上の第2の音波受信器が配置される」とは、ジブクレーンであれば、例えば、クレーンを上から見たときに「ジブ」の延びる方向に対して垂直な方向に沿って3つ以上の第2の音波受信器が配置されることを意味し、必ずしも、全ての第2の音波受信器が3次元における同一直線上に配置されることまでは必要としない。言い換えると、クレーンを上から見たときに「ジブ」の延びる方向に対して垂直な方向に沿って全ての第2の音波受信器が配置されていれば、クレーンを正面(「ジブ」の延びる方向)から見たときに各第2の音波受信器が同一直線上に配置されていなくてもよい。
また、「第1の荷振れ方向に沿って配置された3つ以上の第1の音波受信器」のうちの1つの第1の音波受信器と、「第1の荷振れ方向に対して垂直な第2の荷振れ方向に沿って配置された3つ以上の第2の音波受信器」のうちの1つの第2の音波受信器とは、第1の荷振れ方向と第2の荷振れ方向とが交差する箇所に配置された共通の音波受信器であってもよい。
また、本発明に係るクレーン用荷振れ角度測定装置において、クレーンは、支持部であるジブと、ジブを支持する本体部とを備えるジブクレーンであり、第1の音波受信器のそれぞれは、ジブに配置されてもよい。
このようにすると、ジブクレーンにおいて、「ジブ」の延びる方向に沿った第1の荷振れ角度を測定することができる。従って、得られた第1の荷振れ角度に基づいてジブの起伏角を制御することにより、荷振れの発生を防止することができる。例えば、地切りの前に、得られた第1の荷振れ角度に基づいてジブの起伏角を制御することにより、ジブ先端と吊り荷重心とを鉛直線上に位置合わせしておけば、地切りの際に荷振れが発生することを防止することができる。
本発明によると、迅速且つ正確に低コストでクレーンの荷振れ角度を測定することができる。
第1の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。 第1の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置のブロック図である。 第1の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置で用いられる音の発生源の一例を示す図である。 第1の実施形態の変形例に係るクレーン用荷振れ角度測定装置のブロック図である。 第2の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。 第3の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。 第4の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。 第5の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。 第6の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。 第7の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。 第8の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によって水平ジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。図1に示すジブクレーンは、吊り荷1の支持部(吊り荷1と一体的に図示)と、当該支持部を吊り下げるワイヤー2と、ワイヤー2が一端Qに取り付けられたジブ3と、ジブ3の他端Oを支持する本体部10とを備えている。吊り荷1は、位置Pに重心を有する。ワイヤー2は、例えばシーブ(図示省略)を介して巻上げ/巻下げ可能にジブ3の一端Qに取り付けられている。
本実施形態では、ジブ3は起伏角(ジブ3の延びる方向が地平面となす角度)φで持ち上げられており、吊り荷1は、ジブ3の延びる方向に沿って荷振れ角度θで例えば建築用足場等の上に静止して置かれている。ここで、ワイヤー2にはたるみが生じている。荷振れ角度θは、ジブ3の一端Qと吊り荷1の重心位置Pとを結ぶ線が鉛直方向(重力方向)となす角度であり、本実施形態での測定対象である。
以下、簡単のため、本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置で用いられる音の発生源が吊り荷1の重心位置Pにあるものとして説明するが、ジブ3の一端Qと吊り荷1の重心位置Pとを結ぶ線上に音の発生源があれば、得られる荷振れ角度θは同じになる。
図2は、本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置のブロック図である。図2に示すように、クレーン用荷振れ角度測定装置50は、3つの音波受信器M0 、M1 、M2 と、距離差算出部51と、荷振れ角算出部52とを備える。
3つの音波受信器M0 、M1 、M2 は、本実施形態ではジブ3に配置される。具体的には、図1に示すように、ジブ3の一端Qに音波受信器M0 、音波受信器M0 から距離x1 離れた箇所に音波受信器M1 、音波受信器M1 から距離x2 離れた箇所に音波受信器M2 がそれぞれ配置される。音波受信器M0 、M1 、M2 としては、一般的なマイクロホンが使用可能であるが、集音器等の指向性を持つ音波受信器を使用すると、騒音等の周囲環境の影響を受けにくくなる。
距離差算出部51は、吊り荷1又はその支持部で発生した音を、音波受信器M0 、M1 、M2 のそれぞれが受信するタイミングのずれに基づいて、当該音の発生源から音波受信器M0 、M1 、M2 のそれぞれまでの距離の差分を算出する。具体的には、音の発生源が吊り荷1の重心位置Pにあるとした場合、吊り荷1の重心位置Pから音波受信器M0 までの距離をα(未知)とすると、吊り荷1の重心位置Pから音波受信器M1 までの距離と距離αとの差分d1 、及び、吊り荷1の重心位置Pから音波受信器M2 までの距離と距離αとの差分d2 を算出する。距離の差分の算出は、例えば、対象とする2つの音波受信器の受信信号の相関関数に基づいて受信タイミングのずれ(時間差)を計算し、当該時間差に音速を乗じることにより行ってもよい。
荷振れ角算出部52は、音波受信器M0 、M1 、M2 のそれぞれの位置情報(音波受信器M0 と音波受信器M1 との距離x1 、音波受信器M1 と音波受信器M2 との距離x2 )、及び、距離差算出部51により算出された差分d1 、d2 に基づいて、ジブ3の延びる方向に沿った荷振れ角度θを算出する。
以下、距離x1 、x2 、差分d1 、d2 、及び、ジブ3の起伏角φが既知であるとして、荷振れ角度θを算出する方法について説明する(図1参照)。
△M1 0 P、△M2 0 Pに余弦定理を用いると、下記の二式
(α+d1 2 =α2 +x1 2 −2α・x1 ・cos(π/2+θ−φ)
=α2 +x1 2 +2α・x1 ・sin(θ−φ)
(α+d2 2 =α2 +(x1 +x2 2 −2α・(x1 +x2 )・cos(π/2+θ−φ)
=α2 +(x1 +x2 2 +2α・(x1 +x2 ・sin(θ−φ)
が得られる。これらより、距離αに関し、下記の二式
α=(x1 2 −d1 2 )/(2d1 −2x1 ・sin(θ−φ))
α=((x1 +x2 2 −d2 2 )/(2d2 −2(x1 +x2 ・sin(θ−φ))
が得られる。従って、距離αを消去すれば、荷振れ角度θに関し下記の式
sin(θ−φ)=((x1 +x2 2 ・d1 +d1 ・d2 ・(d1 −d2 )−x1 2 ・d2 )/(x1 ・x2 ・(x1 +x2 )−x1 ・d2 2 +(x1 +x2 )・d1 2
が得られるので、逆三角関数を適用して荷振れ角度θ(但し−π/2<θ<π/2)を算出することができる。
荷振れ角度θが得られれば、当該荷振れ角度θに基づいてジブ3の起伏角φを制御することにより、ジブ3の一端Qと吊り荷1の重心位置Pとを鉛直線上に位置合わせすることができるので、荷振れの発生を防止することができる。
以上に説明したように、本実施形態によると、吊り荷1又はその支持部で発生した音を、ジブ3に配置された3つの音波受信器M0 、M1 、M2 が受信するタイミングのずれに基づいて、音の発生源から各音波受信器M0 、M1 、M2 までの距離の差分d1 、d2 を算出し、当該差分d1 、d2 を用いて、ジブ3の延びる方向に沿った荷振れ角度θを算出する。
ここで、3つの音波受信器M0 、M1 、M2 を用いているので、音の発生源から各音波受信器M0 、M1 、M2 までの距離に関して2つの差分d1 、d2 が得られるので、「ワイヤー2の支持点(ジブ3の一端Q)から音の発生源(吊り荷1の重心位置P)までの距離(本実施形態では距離α)」が既知でなくても、例えばニュートン法を用いるような複雑な計算を行うことなく、算術的に荷振れ角度θを迅速且つ正確に算出することができる。また、吊り荷1又はその支持部で発生した音を用いて荷振れ角度測定を行うため、地形的制約や法規制等の制約を受けにくく、音波受信器M0 、M1 、M2 として指向性マイク等を用いれば、騒音等の周囲環境の影響も受けにくくなる。さらに、音波受信器M0 、M1 、M2 として例えば指向性マイクを用いたとしても、従来の視覚センサを用いた場合と比較して、低コストで荷振れ角度θを算出することができる。
以上のように、本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置50によると、迅速且つ正確に低コストでクレーンの荷振れ角度を測定することができる。
図3は、本実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置50で用いられる音の発生源の一例、具体的には、吊り荷1の支持部(以下、吊り荷支持部という)101を示す図である。図3に示すように、吊り荷支持部101は、ワイヤー2の先端(下端)に取り付けられた吊り具102と、吊り具102に可動接合されたフック103と、フック103により支持され且つ吊り荷1に掛け渡されるロープ104とを有する。
例えば、吊り荷支持部101が吊り荷1と共に揺動する場合、音の発生源として、ロープ104とフック103との間に生じる「きしみ音」、又は、フック103と吊り具102との可動接合部に生じる「摩擦音」などの自然発生音を利用してもよい。或いは、吊り荷支持部101の揺動によって能動的に音を発生させる部材、例えば、風鈴、チャイム、金属パイプ等を吊り具102やフック103に装着してもよい。
また、本実施形態のように吊り荷1が静止状態にあるときでも音が発生するように、例えば図3に示すように、音波発信器105を吊り具102に装着してもよい。音波発信器105は、フック103又は吊り荷1に装着してもよい。音波発信器105は、図4に示すように、クレーン用荷振れ角度測定装置50の構成要素の1つとなる。音波発信器105を用いることにより、音波発信に指向性を持たせたり、音波発信のタイミングや音波帯域を調整することが可能となる。このため、吊り荷支持部101で自然発生する音を用いる場合と比べて、周囲の騒音の影響を受けにくい状態で荷振れ角度測定を行うことができる。この場合、音波発信器105が可聴帯域の音波を発信すると、周辺の人間に吊り荷1又は吊り荷支持部101の接近を知らせて安全性を確保することができる。また、音波発信器105のオン/オフをリモートで制御できると、荷振れ角度測定が必要なときのみ、音波を発信することができるので、騒音対策になる。
尚、本実施形態の荷振れ角度θの算出式を用いる場合、以上に述べた各種の音の発生源(音波発信器105を含む)は、ジブ3の一端Qと吊り荷1の重心位置Pとを結ぶ線上に位置させてもよい。このようにすると、荷振れ角度θの精度を向上させることができる。
また、本実施形態において、クレーン用荷振れ角度測定装置50のうち距離差算出部51及び荷振れ角算出部52は、例えば、クレーン(本体部10)の運転室内に制御装置(専用装置又は既存装置の一部)として搭載してもよい。また、当該制御装置は、コンピュータを備えており、当該コンピュータがプログラムを実行することによって、距離差算出部51及び荷振れ角算出部52の各機能が実施される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサ、プログラムの実行に必要なデータ(音波受信器の位置情報や音速等)を記憶するメモリ等を主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わないが、例えば半導体集積回路(IC)又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は複数の電子回路により構成されていてもよい。複数の電子回路は、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは一つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムやデータは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムやデータは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置について、図面を参照しながら説明する。
図5は、第2の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。尚、図5において、図1に示すジブクレーン(第1の実施形態)と同じ構成要素には同じ符号を付す。
本実施形態が図1に示す第1の実施形態と異なっている点は、図5に示すように、ジブ3の一端Qからジブ3の延びる方向に延長部11が設けられ、音波受信器M2 が延長部11の先端S(音波受信器M0 から距離x2 離れている)に配置されていることである。
すなわち、本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置が、第1の実施形態と異なっている点は、音波受信器M2 の取り付け位置、及び、荷振れ角算出部52で用いる後述の荷振れ角度θの算出式である。
以下、距離x1 、x2 、差分d1 、d2 、及び、ジブ3の起伏角φが既知であるとして、荷振れ角度θを算出する方法について説明する(図5参照)。
△M1 0 P、△M2 0 Pに余弦定理を用いると、下記の二式
(α+d1 2 =α2 +x1 2 −2α・x1 ・cos(π/2+θ−φ)
=α2 +x1 2 +2α・x1 ・sin(θ−φ)
(α+d2 2 =α2 +x2 2 −2α・x2 ・cos(π/2−(θ−φ))
=α2 +x2 2 −2α・x2 ・sin(θ−φ)
が得られる。これらより、距離αに関し、下記の二式
α=(x1 2 −d1 2 )/(2d1 −2x1 ・sin(θ−φ))
α=(x2 2 −d2 2 )/(2d2 +2x2 ・sin(θ−φ))
が得られる。従って、距離αを消去すれば、荷振れ角度θに関し下記の式
sin(θ−φ)=(x2 2 ・d1 +d1 ・d2 ・(d1 −d2 )−x1 2 ・d2
/(x1 ・x2 ・(x1 +x2 )−x1 ・d2 2 −x2 ・d1 2
が得られるので、逆三角関数を適用して荷振れ角度θ(但し−π/2<θ<π/2)を算出することができる。ここで、本実施形態では、x1 =x2 =xに設定してもよい。
荷振れ角度θが得られれば、当該荷振れ角度θに基づいてジブ3の起伏角φを制御することにより、ジブ3の一端Qと吊り荷1の重心位置Pとを鉛直線上に位置合わせすることができるので、荷振れの発生を防止することができる。
以上に説明した本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、クレーン用荷振れ角度測定装置の構成要素として音波発信器を吊り荷1又はその支持部に装着してもよい。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置について、図面を参照しながら説明する。
図6は、第3の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。尚、図6において、図1に示すジブクレーン(第1の実施形態)と同じ構成要素には同じ符号を付す。
本実施形態が図1に示す第1の実施形態と異なっている点は、図6に示すように、ジブ3における3つの音波受信器M0 、M1 、M2 の配置箇所である。具体的には、図6に示すように、ジブ3の一端Qから距離x0 離れた箇所に音波受信器M0 、音波受信器M0 から距離x1 離れた箇所に音波受信器M1 、音波受信器M1 から距離x2 離れた箇所に音波受信器M2 がそれぞれ配置される。
すなわち、本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置が第1の実施形態と異なっている点は、音波受信器M0 、M1 、M2 の取り付け位置、及び、荷振れ角算出部52で用いる後述の荷振れ角度θの算出式である。
以下、距離x0 、x1 、x2 、差分d1 、d2 、及び、ジブ3の起伏角φが既知であるとして、荷振れ角度θを算出する方法について説明する(図6参照)。尚、いずれも計算開始時点では未知の値であるが、ジブ3の一端Qから吊り荷1の重心位置Pまでの距離をLとし、音波受信器M0 と吊り荷1の重心位置Pとを結ぶ線が鉛直方向(重力方向)となす角度をθ1 とする。
△M1 0 P、△M2 0 Pに余弦定理を用いると、下記の二式
(α+d1 2 =α2 +x1 2 −2α・x1 ・cos(π/2+θ1 −φ)
=α2 +x1 2 +2α・x1 ・sin(θ1 −φ)
(α+d2 2 =α2 +(x1 +x2 2 −2α・(x1 +x2 )・cos(π/2+θ1 −φ)
=α2 +(x1 +x2 2 +2α・(x1 +x2 ・sin(θ1 −φ)
が得られる。
これらより、距離αに関し、下記の二式
α=(x1 2 −d1 2 )/(2d1 −2x1 ・sin(θ1 −φ))
α=((x1 +x2 2 −d2 2 )/(2d2 −2(x1 +x2 ・sin(θ1 −φ))
が得られる。従って、これら二式より距離αを消去して式を整理すると、sin(θ1 −φ)について下記の式
sin(θ1 −φ)=((x1 +x2 2 ・d1 +d1 ・d2 ・(d1 −d2 )−x1 2 ・d2 )/(x1 ・x2 ・(x1 +x2 )−x1 ・d2 2 +(x1 +x2 )・d1 2
が得られるので、これを上記の距離αに関する式(例えば差分d1 を用いた式)に代入することにより、距離αを算出することができる。
続いて、β=α+d1 (αもd1 も既知なので、βも既知)として、△M0 QP、△M1 QPに余弦定理を用いると、下記の式(1)、(2)
α2 =x0 2 +L2 −2x0 ・L・cos(π/2+θ−φ)
=x0 2 +L2 +2x0 ・L・sin(θ−φ)・・・(1)
β2 =(x0 +x1 2 +L2 −2(x0 +x1 )・L・cos(π/2+θ−φ)
=(x0 +x1 2 +L2 +2(x0 +x1 )・L・sin(θ−φ)・・・(2)
が得られる。式(1)、(2)より、
α2 −β2 =−2x0 ・x1 −x1 2 −2x1 ・L・sin(θ−φ)
となり、これより、下記の式(3)
L・sin(θ−φ)=(α2 −β2 +2x0 ・x1 +x1 2 )/−2x1 ・・・(3)
が得られる。
一方、式(1)を変形した下記の式
2 =α2 −x0 2 −2x0 ・L・sin(θ−φ)
に式(3)を代入すると、
2 =α2 −x0 2 +(x0 /x1 )・(α2 −β2 +2x0 ・x1 +x1 2
となり、これより、下記の式(4)
L=(α2 −x0 2 +(x0 /x1 )・(α2 −β2 +2x0 ・x1 +x1 2 ))0.5 ・・・(4)
が得られる。
さらに、式(3)を変形した下記の式
sin(θ−φ)=(α2 −β2 +2x0 ・x1 +x1 2 )/−2x1 ・L
に式(4)を代入し、逆三角関数を適用すると、荷振れ角度θ(但し−π/2<θ<π/2)を算出することができる。
荷振れ角度θが得られれば、当該荷振れ角度θに基づいてジブ3の起伏角φを制御することにより、ジブ3の一端Qと吊り荷1の重心位置Pとを鉛直線上に位置合わせすることができるので、荷振れの発生を防止することができる。
以上に説明した本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、クレーン用荷振れ角度測定装置の構成要素として音波発信器を吊り荷1又はその支持部に装着してもよい。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置について、図面を参照しながら説明する。
図7は、第4の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。尚、図7において、図1に示すジブクレーン(第1の実施形態)と同じ構成要素には同じ符号を付す。
本実施形態が図1に示す第1の実施形態と異なっている点は、図7に示すように、ジブ構成として、本体部10に一端Oが取り付けられた下段ジブ3Aと、下段ジブ3Aに屈曲角λ(固定角)で接続し且つワイヤー2が一端Qに取り付けられた上段ジブ3Bとの二段構成を採用している点である。
本実施形態では、下段ジブ3Aは起伏角(下段ジブ3Aの延びる方向が地平面となす角度)φで持ち上げられている。この場合、上段ジブ3Bの起伏角(上段ジブ3Bの延びる方向が地平面となす角度)σは、σ=λ+φ−πより算出可能である。また、吊り荷1は、上段ジブ3Bの延びる方向に沿って荷振れ角度θで例えば建築用足場等の上に静止して置かれている。ここで、ワイヤー2にはたるみが生じている。荷振れ角度θは、上段ジブ3Bの一端Qと吊り荷1の重心位置Pとを結ぶ線が鉛直方向(重力方向)となす角度であり、本実施形態での測定対象である。
3つの音波受信器M0 、M1 、M2 は、本実施形態では上段ジブ3Bに配置される。具体的には、図7に示すように、上段ジブ3Bの一端Qに音波受信器M0 、下段ジブ3Aと上段ジブ3Bとの接続点に音波受信器M2 、音波受信器M0 と音波受信器M2 との間に音波受信器M1 が配置される。また、音波受信器M2 から音波受信器M1 までの距離はx1 、音波受信器M0 から音波受信器M1 までの距離はx2 である。
すなわち、本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置が第1の実施形態と異なっている点は、音波受信器M0 、M1 、M2 の取り付け位置、及び、荷振れ角算出部52で用いる後述の荷振れ角度θの算出式である。
以下、距離x0 、x1 、x2 、差分d1 、d2 、及び、上段ジブ3Bの起伏角σが既知であるとして、荷振れ角度θを算出する方法について説明する(図7参照)。
△M2 0 P、△M1 0 Pに余弦定理を用いると、下記の二式
(α+d1 2 =α2 +(x1 +x2 2 −2α・(x1 +x2 )・cos(π/2+θ−σ)
=α2 +(x1 +x2 2 +2α・(x1 +x2 ・sin(θ−σ)
(α+d2 2 =α2 +x2 2 −2α・x2 ・cos(π/2+θ−σ)
=α2 +x2 2 +2α・x2 ・sin(θ−σ)
が得られる。これらより、距離αに関し、下記の二式
α=(x2 2 −d2 2 )/(2d2 −2x2 ・sin(θ−σ))
α=((x1 +x2 2 −d1 2 )/(2d1 −2(x1 +x2 ・sin(θ−σ))
が得られる。従って、距離αを消去すれば、荷振れ角度θに関し下記の式
sin(θ−σ)=((x1 +x2 2 ・d2 −d1 ・d2 ・(d1 −d2 )−x2 2 ・d1 )/(x1 ・x2 ・(x1 +x2 )−x2 ・d1 2 +(x1 +x2 )・d2 2
が得られるので、逆三角関数を適用して荷振れ角度θ(但し−π/2<θ<π/2)を算出することができる。
荷振れ角度θが得られれば、当該荷振れ角度θに基づいて上段ジブ3Bの起伏角σつまり下段ジブ3Aの起伏角φを制御することにより、上段ジブ3Bの一端Qと吊り荷1の重心位置Pとを鉛直線上に位置合わせすることができるので、荷振れの発生を防止することができる。
以上に説明した本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、クレーン用荷振れ角度測定装置の構成要素として音波発信器を吊り荷1又はその支持部に装着してもよい。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置について、図面を参照しながら説明する。
図8は、第5の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。尚、図8において、図1に示すジブクレーン(第1の実施形態)と同じ構成要素には同じ符号を付す。
本実施形態が図1に示す第1の実施形態と異なっている点は、図8に示すように、ジブ構成として、本体部10に一端Oが取り付けられた下段ジブ3Aと、下段ジブ3Aに所定の屈曲角(固定角)で接続し且つワイヤー2が一端Qに取り付けられた上段ジブ3Bとの二段構成を採用している点である。ここで、ジブクレーンを上から見て、下段ジブ3A及び上段ジブ3Bは同じ方向に延びている。
本実施形態では、下段ジブ3Aは起伏角(下段ジブ3Aの延びる方向が地平面となす角度)φで持ち上げられている。この場合、上段ジブ3Bの起伏角(上段ジブ3Bの延びる方向が地平面となす角度)σは、上段ジブ3Bの屈曲角をγとして、σ=γ+φ−πより算出可能である。また、吊り荷1は、上段ジブ3Bの延びる方向に沿って荷振れ角度θで例えば建築用足場等の上に静止して置かれている。ここで、ワイヤー2にはたるみが生じている。荷振れ角度θは、上段ジブ3Bの一端Qと吊り荷1の重心位置Pとを結ぶ線が鉛直方向(重力方向)となす角度であり、本実施形態での測定対象である。
また、本実施形態では、3つの音波受信器M0 、M1 、M2 のうち音波受信器M0 、M1 は上段ジブ3Bに、音波受信器M2 は下段ジブ3Aに配置される。すなわち、音波受信器M0 、M1 、M2 は、クレーンを上から見て下段ジブ3A及び上段ジブ3Bの延びる方向に沿って配置されているが、同一直線上には配置されていない。具体的には、図8に示すように、上段ジブ3Bの一端Qから距離x0 離れた箇所に音波受信器M0 、音波受信器M0 から距離x1 離れた箇所(下段ジブ3Aと上段ジブ3Bとの接続点Rから距離x2 離れた箇所)に音波受信器M1 、下段ジブ3Aと上段ジブ3Bとの接続点Rから距離x3 離れた箇所(音波受信器M0 から距離x4 離れた箇所)に音波受信器M2 がそれぞれ配置される。
すなわち、本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置が第1の実施形態と異なっている点は、音波受信器M0 、M1 、M2 の取り付け位置、及び、荷振れ角算出部52で用いる後述の荷振れ角度θの算出式である。
以下、距離x0 、x1 、x2 、x3 、x4 、差分d1 、d2 、及び、上段ジブ3Bの起伏角σが既知であるとして、荷振れ角度θを算出する方法について説明する(図8参照)。尚、いずれも計算開始時点では未知の値であるが、上段ジブ3Bの一端Qから吊り荷1の重心位置Pまでの距離をL、音波受信器M0 と吊り荷1の重心位置Pとを結ぶ線が鉛直方向(重力方向)となす角度をθ1 とする。
△M1 0 P、△M2 0 Pに余弦定理を用いると、下記の二式
(α+d1 2 =α2 +x1 2 −2α・x1 ・cos(π/2+θ1 −σ)
=α2 +x1 2 +2α・x1 ・sin(θ1 −σ)
(α+d2 2 =α2 +x4 2 −2α・x4 ・cos(π/2+θ1 −σ−λ)
=α2 +x4 2 +2α・x4 ・sin(θ1 −σ−λ)
が得られる。
これらより、αに関し、下記の二式
α=(x1 2 −d1 2 )/(2d1 −2x1 ・sin(θ1 −σ))・・・(5)
α=(x4 2 −d2 2 )/(2d2 −2x4 ・sin(θ1 −σ−λ))
が得られる。従って、αを消去すれば、
0 =x1 2 ・d2 −x4 2 ・d1 −d1 2 ・d2 +d1 ・d2 2
1 =x1 2 ・x4 −d1 2 ・x4
2 =−x4 2 ・x1 +d2 2 ・x1
として、
0 =c1 ・sin(θ1 −σ−λ)+c2 ・sin(θ1 −σ)
=c1 ’・sin(θ1 −σ)+c2 ’・cos(θ1 −σ)・・・(6)
が得られる。但し、
1 ’=c1 ・cos(λ)+c2
2 ’=−c1 ・sin(λ)
であり、sin(λ)、cos(λ)はそれぞれ△M2 0 Rに正弦定理、余弦定理を用いることにより算出可能である。
式(6)に三角関数の合成を適用すると、
0 =(c1 2 +c2 2 0.5 ・sin(θ1 −σ+μ)
が得られる。但し、
sin(μ)=c2 ’/(c1 2 +c2 2 0.5
cos(μ)=c1 ’/(c1 2 +c2 2 0.5
である。従って、角度θ1 (但し−π/2<θ1 <π/2)を下記の式
sin(θ1 −σ+μ)=c0 /(c1 2 +c2 2 0.5
に逆三角関数を適用して算出することができる。
また、角度θ1 が算出されれば、式(5)から距離αを算出可能である。
続いて、β=α+d1 (αもd1 も既知なので、βも既知)として、△M0 QP、△M1 QPに余弦定理を用いると、下記の式(7)、(8)
α2 =x0 2 +L2 −2x0 ・L・cos(π/2+θ−σ)
=x0 2 +L2 +2x0 ・L・sin(θ−σ)・・・(7)
β2 =(x0 +x1 2 +L2 −2(x0 +x1 )・L・cos(π/2+θ−σ)
=(x0 +x1 2 +L2 +2(x0 +x1 )・L・sin(θ−σ)・・・(8)
が得られる。式(7)、(8)より、
α2 −β2 =−2x0 ・x1 −x1 2 −2x1 ・L・sin(θ−σ)
となり、これより、下記の式(9)
L・sin(θ−σ)=(α2 −β2 +2x0 ・x1 +x1 2 )/−2x1 ・・・(9)
が得られる。
一方、式(7)を変形した下記の式
2 =α2 −x0 2 −2x0 ・L・sin(θ−σ)
に式(9)を代入すると、
2 =α2 −x0 2 +(x0 /x1 )・(α2 −β2 +2x0 ・x1 +x1 2
となり、これより、下記の式(10)
L=(α2 −x0 2 +(x0 /x1 )・(α2 −β2 +2x0 ・x1 +x1 2 ))0.5 ・・・(10)
が得られる。
さらに、式(9)を変形した下記の式
sin(θ−σ)=(α2 −β2 +2x0 ・x1 +x1 2 )/−2x1 ・L
に式(10)を代入し、逆三角関数を適用すると、荷振れ角度θ(但し−π/2<θ<π/2)を算出することができる。
荷振れ角度θが得られれば、当該荷振れ角度θに基づいて上段ジブ3Bの起伏角σつまり下段ジブ3Aの起伏角φを制御することにより、上段ジブ3Bの一端Qと吊り荷1の重心位置Pとを鉛直線上に位置合わせすることができるので、荷振れの発生を防止することができる。
以上に説明した本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、クレーン用荷振れ角度測定装置の構成要素として音波発信器を吊り荷1又はその支持部に装着してもよい。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置について、図面を参照しながら説明する。
図9は、第6の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子をジブクレーンの上から見た図である。尚、図9において、図1に示すジブクレーン(第1の実施形態)と同じ構成要素には同じ符号を付す。
本実施形態が図1に示す第1の実施形態と異なっている点は、図9に示すように、3つの音波受信器M0 、M1 、M2 が、クレーンの上から見てジブ3の延びる方向に対して垂直な方向に沿って配置されていることである。具体的には、ジブ3の先端部中央Q(ワイヤー2の取付箇所)に音波受信器M0 、ジブ3の先端部の一コーナーに音波受信器M1 、ジブ3の先端部の他コーナーに音波受信器M2 がそれぞれ配置される。ここで、音波受信器M0 から音波受信器M1 、M2 のそれぞれまでの距離は共に同じ距離xである。
すなわち、本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置が第1の実施形態と異なっている点は、音波受信器M0 、M1 、M2 の取り付け位置、及び、荷振れ角算出部52で用いる後述の荷振れ角度ηの算出式である。ここで、本実施形態の荷振れ角算出部52においては、ジブ3の延びる方向に対してクレーンの上から見て垂直な方向に沿った荷振れ角度ηを算出する。荷振れ角度ηは、図9において、吊り荷1の重心位置Pとジブ3の先端部中央Q(音波受信器M0 )とを結ぶ線が、ジブ3の延びる方向(直線OQ)となす角度として表される。
以下、距離x、差分d1 、d2 が既知であるとして、荷振れ角度ηを算出する方法について説明する(図9参照)。
△M1 0 P、△M2 0 Pに余弦定理を用いると、下記の二式
(α+d1 2 =α2 +x2 −2α・x・cos(π/2−η)
=α2 +x2 −2α・x・sin(η)・・・(11)
(α+d2 2 =α2 +x2 −2α・x・cos(π/2+η)
=α2 +x2 +2α・x・sin(η)・・・(12)
が得られる。式(11)、(12)より、距離αについて
α=(2x2 −d1 2 −d2 2 )/2(d1 +d2 )・・・(13)
が得られる。
一方、式(11)、(12)から得られる下記の式
sin(η)=(−d1 2 +d2 2 −2α(d1 −d2 ))/4α・x
に式(13)を代入して逆三角関数を適用すれば、荷振れ角度η(但し−π/2<η<π/2)を算出することができる。
荷振れ角度ηが得られれば、当該荷振れ角度ηに基づいて、クレーンの本体部10(上部旋回体)の旋回角を制御することにより、ジブ3の延びる方向に対してクレーンの上から見て垂直な方向における荷振れの発生を防止することができる。
以上に説明した本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、クレーン用荷振れ角度測定装置の構成要素として音波発信器を吊り荷1又はその支持部に装着してもよい。
尚、本実施形態において、3つの音波受信器M0 、M1 、M2 は、ジブ3の延びる方向に対してクレーンの上から見て垂直な方向に沿って配置されていれば、必ずしも、3次元における同一直線上に配置されていなくてもよい。言い換えると、ジブクレーンを上から見たときに、ジブ3の延びる方向に対して垂直な方向に沿って3つの音波受信器M0 、M1 、M2 が配置されていれば、ジブクレーンを正面(ジブ3の延びる方向)から見たときに、3つの音波受信器M0 、M1 、M2 が同一直線上に配置されていなくてもよい。
また、本実施形態と、第1〜第5の実施形態のいずれかとを組み合わせることにより、ジブ3の延びる方向に沿った荷振れ角度θ、及び、ジブ3の延びる方向に対して垂直な方向に沿った荷振れ角度ηの両方を測定してもよい。このようにすると、吊り荷1の正確な位置を立体的に把握することができる。また、この場合は、ジブ3の延びる方向に沿って複数配置された音波受信器のうちの1つと、ジブ3の延びる方向に対して垂直な方向に沿って複数配置された音波受信器のうちの1つとは、両方向が交差する箇所に配置された共通の音波受信器であってもよい。
(第7の実施形態)
以下、第7の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置について、図面を参照しながら説明する。
図10は、第7の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子をジブクレーンの上から見た図である。尚、図10において、図1に示すジブクレーン(第1の実施形態)と同じ構成要素に同じ符号を付す。
本実施形態が図1に示す第1の実施形態と異なっている点は、図10に示すように、3つの音波受信器M0 、M1 、M2 が、ジブ3の延びる方向に対してクレーンの上から見て垂直な方向に沿って配置されていることである。具体的には、ジブ3の先端部におけるワイヤー2の取付箇所Qに音波受信器M0 、ジブ3の先端部の一コーナーに音波受信器M1 、ジブ3の先端部の他コーナーに音波受信器M2 がそれぞれ配置される。ここで、音波受信器M0 から音波受信器M1 までの距離はx1 、音波受信器M0 から音波受信器M2 までの距離はx2 (x1 ≠x2 )である。
すなわち、本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置が第1の実施形態と異なっている点は、音波受信器M0 、M1 、M2 の取り付け位置、及び、荷振れ角算出部52で用いる後述の荷振れ角度ηの算出式である。ここで、本実施形態の荷振れ角算出部52においては、ジブ3の延びる方向に対してクレーンの上から見て垂直な方向に沿った荷振れ角度ηを算出する。荷振れ角度ηは、図10において、吊り荷1の重心位置Pと、ジブ3の先端部におけるワイヤー2の取付箇所Q(音波受信器M0 )とを結ぶ線が、ジブ3の延びる方向(直線OQ)となす角度として表される。
以下、距離x1 、x2 、差分d1 、d2 が既知であるとして、荷振れ角度ηを算出する方法について説明する(図10参照)。
△M1 0 P、△M2 0 Pに余弦定理を用いると、下記の二式
(α+d1 2 =α2 +x1 2 −2α・x1 ・cos(π/2−η)
=α2 +x1 2 −2α・x1 ・sin(η)・・・(14)
(α+d2 2 =α2 +x2 2 −2α・x2 ・cos(π/2+η)
=α2 +x2 2 +2α・x2 ・sin(η)・・・(15)
が得られる。式(14)、(15)より、αを消去すると、
sin(η)=(−x1 2 ・d2 +d1 2 ・d2 +x2 2 ・d1 −d1 ・d2 2
/(−x1 ・x2 2 −x1 2 ・x2 +x2 ・d1 2 +x1 ・d2 2 )・・・(16)
が得られる。式(16)に逆三角関数を適用すれば、荷振れ角度θη(但し−π/2<θη<π/2)を算出することができる。また、式(16)を(14)、(15)に代入すると、距離αも計算できる。
荷振れ角度ηが得られれば、当該荷振れ角度ηに基づいて、クレーンの本体部10(上部旋回体)の旋回角を制御することにより、ジブ3の延びる方向に対してクレーンの上から見て垂直な方向における荷振れの発生を防止することができる。
以上に説明した本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。ここで、音波受信器M0 から音波受信器M1 までの距離x1 、音波受信器M0 から音波受信器M2 までの距離x2 については、図9に示す第6の実施形態のように、x1 =x2 に設定した方が測定精度を向上させることができる。
また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、クレーン用荷振れ角度測定装置の構成要素として音波発信器を吊り荷1又はその支持部に装着してもよい。
尚、本実施形態において、3つの音波受信器M0 、M1 、M2 は、ジブ3の延びる方向に対してクレーンの上から見て垂直な方向に沿って配置されていれば、必ずしも、3次元における同一直線上に配置されていなくてもよい。言い換えると、ジブクレーンを上から見たときに、ジブ3の延びる方向に対して垂直な方向に沿って3つの音波受信器M0 、M1 、M2 が配置されていれば、ジブクレーンを正面(ジブ3の延びる方向)から見たときに、3つの音波受信器M0 、M1 、M2 が同一直線上に配置されていなくてもよい。
また、第1〜第5の実施形態のいずれかと本実施形態とを組み合わせることにより、ジブ3の延びる方向に沿った荷振れ角度θ、及び、ジブ3の延びる方向に対して垂直な方向に沿った荷振れ角度ηの両方を測定してもよい。このようにすると、吊り荷1の正確な位置を立体的に把握することができる。また、この場合は、ジブ3の延びる方向に沿って複数配置された音波受信器のうちの1つと、ジブ3の延びる方向に対してクレーンの上から見て垂直な方向に沿って複数配置された音波受信器のうちの1つとは、両方向が交差する箇所に配置された共通の音波受信器であってもよい。
(第8の実施形態)
以下、第8の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置について、図面を参照しながら説明する。
図11は、第8の実施形態に係るクレーン用荷振れ角度測定装置によってジブクレーンの荷振れ角度を測定している様子の一例を示す図である。尚、図11において、図1に示すジブクレーン(第1の実施形態)と同じ構成要素には同じ符号を付す。
本実施形態が図1に示す第1の実施形態と異なっている点は、図11に示すように、ジブ3が、地平面に対して水平に支柱15によって固定されている点である。また、ワイヤー2は、ジブ3に沿って移動可能なトロリー4に巻上げ/巻下げ可能に取り付けられている。さらに、ジブ3におけるトロリー4が配置されていない側には、カウンタウェイト16が設けられていると共に、支柱15の上部には、ジブ3の両側を支持するアーム17が設けられている
本実施形態では、吊り荷1は、ジブ3の延びる方向に沿って荷振れ角度θで例えば建築用足場等の上に静止して置かれている。ここで、ワイヤー2にはたるみが生じている。荷振れ角度θは、トロリー4(ジブ3の位置Qに停止)と吊り荷1の重心位置Pとを結ぶ線が鉛直方向(重力方向)となす角度であり、本実施形態での測定対象である。
また、本実施形態では、3つの音波受信器M0 、M1 、M2 のうち音波受信器M0 はジブ3に、音波受信器M1 、M2 は支柱15に配置される。すなわち、音波受信器M0 、M1 、M2 は、クレーンを上から見てジブ3の延びる方向に沿って配置されているが、3次元における同一直線上には配置されていない。具体的には、図11に示すように、ジブ3における支柱15による支持点Oから距離x0 離れた箇所(トロリー4から距離x離れた箇所)に音波受信器M0 、ジブ3における支持点Oから距離x1 離れた箇所(音波受信器M0 から距離x3 離れた箇所)に音波受信器M1 、支柱15における音波受信器M1 から距離x2 離れた箇所(音波受信器M0 から距離x4 離れた箇所)に音波受信器M2 がそれぞれ配置される。
すなわち、本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置が第1の実施形態と異なっている点は、音波受信器M0 、M1 、M2 の取り付け位置、及び、荷振れ角算出部52で用いる後述の荷振れ角度θの算出式である。
以下、距離x、x0 、x1 、x2 、x3 、x4 、差分d1 、d2 、及び、音波受信器M0 と音波受信器M1 とを結ぶ線が、音波受信器M0 と音波受信器M2 とを結ぶ線となす角度λがそれぞれ既知であるとして、荷振れ角度θを算出する方法について説明する(図11参照)。尚、いずれも計算開始時点では未知の値であるが、トロリー4の位置Qから吊り荷1の重心位置Pまでの距離をL、ジブ3における支持点Oから吊り荷1の重心位置Pまでの距離をy、音波受信器M0 と吊り荷1の重心位置Pとを結ぶ線が、音波受信器M0 と音波受信器M2 とを結ぶ線となす角度をμ、ジブ3における支持点Oと吊り荷1の重心位置Pとを結ぶ線が、支柱15が延びる方向(鉛直方向つまり重力方向)となす角度をσとする。
△M1 0 P、△M2 0 Pに余弦定理を用いると、下記の二式
(α+d1 2 =α2 +x3 2 −2α・x3 ・cos(μ+λ)
(α+d2 2 =α2 +x4 2 −2α・x4 ・cos(μ)
が得られる。
これらより、αに関し、下記の二式
α=(x3 2 −d1 2 )/(2d1 +2x3 ・cos(μ+λ))
α=(x4 2 −d2 2 )/(2d2 +2x4 ・cos(μ))・・・(17)
が得られる。従って、これら二式よりαを消去すれば、
0 =x3 2 ・d2 −d1 2 ・d2 −x4 2 ・d1 +d1 ・d2 2
1 =−x3 2 ・x4 +d1 2 ・x4
2 =x3 ・x4 2 −x3 ・d2 2
として、
0 =c1 ・cos(μ)+c2 ・cos(μ+λ)
=c1 ’・ cos(μ)+c2 ’・sin(μ)・・・(18)
が得られる。但し、
1 ’=c1 +c2 ・cos(λ)
2 ’=−c2 ・sin(λ)
であり、λは既知である。
式(18)に三角関数の合成を適用すると、
0 =(c1 2 +c2 2 0.5 ・sin(μ+δ)
が得られる。但し、
sin(δ)=c1 ’/(c1 2 +c2 2 0.5
cos(δ)=c2 ’/(c1 2 +c2 2 0.5
である。従って、角度μ (但しμ>0)を下記の式
sin(μ+δ)=c0 /(c1 2 +c2 2 0.5
に逆三角関数を適用して算出することができる。
また、角度μが算出されれば、式(17)から距離αを算出可能である。
続いて、△M1 OP、△M2 OPに余弦定理を用いると、下記の二式
(α+d1 2 =x1 2 +y2 −2x1 ・y・cos(σ)・・・(19)
(α+d2 2 =(x1 +x2 2 +y2 −2・(x1 +x2 )・y・cos(σ)
が得られる。これより、下記の二式
α2 +2α・d1 +d1 2 =x1 2 +y2 −2x1 ・y・cos(σ)・・・(20)
α2 +2α・d2 +d2 2 =x1 2 +2x1 ・x2 +x2 2 +y2
−2・(x1 +x2 )・y・cos(σ)・・・(21)
が得られる。
式(20)から式(21)を減じて整理すると、y・cos(σ)について下記の式
y・cos(σ)=(2α・d1 +d1 2 −2α・d2 −d2 2 +2x1 ・x2 +x2 2 )/2x2
が得られ、これを、式(19)を変形した下記の式
2 =α2 +2α・d1 +d1 2 −x1 2 +2x1 ・y・cos(σ)
に代入することにより、yについて下記の式
y=(α2 +2α・d1 +d1 2 +x1 2
1 ・((2α・d1 +d1 2 −2α・d2 −d2 2 +x2 2 )/x2 ))0.5
が得られる。
続いて、△PQM0 、△PQOに余弦定理を用いると、下記の式(22)、(23)
α2 =x2 +L2 −2x・L・cos(π/2+θ)・・・(22)
2 =(x+x0 2 +L2 −2(x+x0 )・L・cos(π/2+θ)・・・(23)
が得られる。
式(22)から式(23)を減じて整理すると、L・cos(π/2+θ)について下記の式
L・cos(π/2+θ)=(α2 −y2 +2x・x0 +x0 2 )/2x0
が得られ、これを、式(22)を変形した下記の式
2 =α2 −x2 +2x・L・cos(π/2+θ)・・・(24)
に代入することにより、Lについて下記の式
L=(α2 +x2 +x・(α2 −y2 +x0 2 )/x0 0.5 ・・・(25)
が得られる。
また、式(24)から、下記の式
2 =α2 −x2 −2x・L・sin(θ)
が得られるので、これを変形した下記の式
sin(θ)=(α2 −x2 −L2 )/2x・L
に式(25)を代入し、逆三角関数を適用すると、荷振れ角度θ(但し−π/2<θ<π/2)を算出することができる。
荷振れ角度θが得られれば、当該荷振れ角度θに基づいてトロリー4の位置を制御することにより、トロリー4(ワイヤー2の取付箇所)と吊り荷1の重心位置Pとを鉛直線上に位置合わせすることができるので、荷振れの発生を防止することができる。
以上に説明した本実施形態のクレーン用荷振れ角度測定装置においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、クレーン用荷振れ角度測定装置の構成要素として音波発信器を吊り荷1又はその支持部に装着してもよい。
尚、本実施形態において、3つの音波受信器M0 、M1 、M2 は、クレーンの上から見てジブ3の延びる方向に沿って配置されていれば、各配置場所は特に限定されない。例えば、音波受信器の1つをトロリー4に取り付けてもよい。
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は前述の実施形態のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。すなわち、前述の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
例えば、実施形態では、ジブクレーン(水平ジブクレーンを含む)を例として本発明について説明したが、吊り荷支持部と、吊り荷支持部を吊り下げる吊り下げ部と、吊り下げ部が取り付けられた支持部とを備えた他のタイプのクレーン、例えば天井クレーン、橋形クレーン等にも本発明は広く適用可能である。
また、実施形態では、所定の荷振れ方向に沿った音波受信器の設置数を3つとしたが、4つ以上にしてもよい。このようにすると、故障に対する冗長性が得られるのみならず、4つ以上の音波受信器の中から選択される3つの音波受信器の組み合わせが複数存在するので、各組み合わせ毎に荷振れ角度を算出し、その平均や多数決を取ること等によって、得られる荷振れ角度の精度を向上させることもできる。
また、実施形態(第8の実施形態を除く)では、全ての音波受信器をジブに設けたが、所定の荷振れ方向に沿った設置位置であれば、少なくとも一部の音波受信器を例えばクレーンの本体部等に設置してもよい。また、天井クレーンのような固定タイプのクレーンであれば、音波受信器の少なくとも一部をクレーンの外部に設置してもよい。
また、実施形態では、吊り荷支持部として、フック及び吊り具を例示したが、吊り荷を支持できれば、吊り荷支持部の種類は特に限定されない。また、吊り下げ部として、ワイヤーを例示したが、吊り荷を吊り下げられれば、吊り下げ部の種類は特に限定されず、例えば、ロープやチェーン等であってもよい。
また、実施形態では、吊り荷が建築用足場等の上に静止して置かれている場合を例示したが、本発明は、吊り荷がワイヤー等によって吊り上げられ動いている場合にも適用可能である。このような場合、ワイヤー等にはたるみは生じないと考えられる。
また、本発明のクレーン用荷振れ角度測定装置で用いられる音、つまり、吊り荷支持部又は吊り荷で発生した音(吊り荷支持部又は吊り荷に装着された音波発信器が発生する音を含む)は、可聴音であってもよいし、或いは、超音波等の非可聴音であってもよい。
1 吊り荷
2 ワイヤー
3 ジブ
3A 下段ジブ
3B 上段ジブ
4 トロリー
10 本体部
11 延長部
15 支柱
16 カウンタウェイト
17 アーム
50 クレーン用荷振れ角度測定装置
51 距離差算出部
52 荷振れ角算出部
101 吊り荷支持部
102 吊り具
103 フック
104 ロープ
105 音波発信器
0 、M1 、M2 音波受信器

Claims (7)

  1. 吊り荷支持部と、前記吊り荷支持部を吊り下げる吊り下げ部と、前記吊り下げ部が取り付けられた支持部とを備えたクレーンに用いられる荷振れ角度測定装置であって、
    第1の荷振れ方向に沿って配置された3つ以上の第1の音波受信器と、
    前記吊り荷支持部又は前記吊り荷支持部に支持された吊り荷で発生した音を前記第1の音波受信器のそれぞれが受信するタイミングのずれに基づいて、前記音の発生源から前記第1の音波受信器のそれぞれまでの距離の第1の差分を算出する距離差算出部と、
    前記第1の音波受信器のそれぞれの位置情報、及び、前記距離差算出部により算出された前記第1の差分に基づいて、前記第1の荷振れ方向における第1の荷振れ角度を算出する荷振れ角算出部と、
    を備える、クレーン用荷振れ角度測定装置。
  2. 前記音の発生源として、前記吊り荷支持部に装着された音波発信器をさらに備える、請求項1に記載のクレーン用荷振れ角度測定装置。
  3. 前記音波発信器は、可聴帯域の音波を発信する、請求項2に記載のクレーン用荷振れ角度測定装置。
  4. 前記音波発信器は、オン/オフをリモートで制御できる、請求項2又は3に記載のクレーン用荷振れ角度測定装置。
  5. 前記第1の音波受信器のそれぞれは、指向性を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクレーン用荷振れ角度測定装置。
  6. 前記第1の荷振れ方向に対して垂直な第2の荷振れ方向に沿って配置された3つ以上の第2の音波受信器をさらに備え、
    前記距離差算出部は、前記音を前記第2の音波受信器のそれぞれが受信するタイミングのずれに基づいて、前記音の発生源から前記第2の音波受信器のそれぞれまでの距離の第2の差分を算出し、
    前記荷振れ角算出部は、前記第2の音波受信器のそれぞれの位置情報、及び、前記距離差算出部により算出された前記第2の差分に基づいて、前記第2の荷振れ方向における第2の荷振れ角度を算出する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクレーン用荷振れ角度測定装置。
  7. 前記クレーンは、前記支持部であるジブと、前記ジブを支持する本体部とを備えるジブクレーンであり、
    前記第1の音波受信器のそれぞれは、前記ジブに配置される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のクレーン用荷振れ角度測定装置。
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