JP2020104651A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転舵用車輪から得られた状態に近い、高精度の路面情報を検出可能な車両用ステアリング装置を提供すること。【解決手段】転舵によって車体52に対して相対移動しない部品である固定部品51,54,55,63,74,77と、前記固定部品51,54,55,63,74,77へ伝わった路面LFからの入力を検出する路面情報検出部91と、を備える車両用ステアリング装置10である。この車両用ステアリング装置10は、検出された高精度の路面情報に基づいて、各種の制御を行うことができる。【選択図】図1

Description

本発明は車両用ステアリング装置の改良に関する。
一般的な車両用ステアリング装置としては、操舵トルクに応じた補助トルクをステアリング系に付加する補助トルク付加式電動パワーステアリング装置がある。この種のステアリング装置は、例えば特許文献1によって知られている。特許文献1のステアリング装置では、ステアリングホイールの操舵に伴う操舵トルクが、トーションバーとトルク検出部とからなるトーションバー式トルク検出装置によって検出される。
これに対して近年は、ステアリングホイールと転舵部との間が機械的に分離されているステアバイワイヤ式電動パワーステアリング装置や、ステアリングホイールを有さずに転舵部のみを備えている自動運転車両用ステアリング装置の開発が進められてきた。ステアバイワイヤ式電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに対して操舵反力を付加する反力モータを備える。
特開2016−179760号公報
ところで、上記トーションバー式トルク検出装置によって検出される操舵トルクは、転舵用車輪が走行路面から受ける路面反力に対応する。この路面反力は、転舵用車輪から得られた路面情報の一種である。しかし、トーションバーは、ネジリ剛性が比較的低いので、伝わった路面情報を減衰させ得る。このトーションバーを用いたのでは、例えば高周波数の情報に対応するには、トルク検出装置の検出能力に限界がある。
特に、ステアバイワイヤ式電動パワーステアリング装置や自動運転車両用ステアリング装置では、転舵用車輪から得られた路面情報を検出部により検出し、その検出信号を含む各種の信号に基づいて、制御部がステアリング制御をすることになる。この場合に、車両の挙動の安定性を高めることが求められるので、検出部によって検出される路面情報は、高精度であることが好ましい。
また、仮にステアバイワイヤ式電動パワーステアリング装置や自動運転車両用ステアリング装置の転舵部に、トルク検出装置を設けた場合であっても、トーションバー等のネジリ部材を利用する必要がある。ステアバイワイヤ式電動パワーステアリング装置や自動運転車両用ステアリング装置で、ネジリを発生させるためには、ネジリ部材の一端を固定端とする必要があり、構造的な成立性の課題が残る。
また、近年は、転舵用車輪のタイヤ内に設けられた検出部によって路面情報を検出する技術の開発が進められている。この技術は、検出部から制御部へ向かって無線通信をすることが前提となる。この技術を車両用ステアリング装置に採用することが考えられる。しかし、車両の電動化が促進されており、高電圧のデバイスを多用することが予想される。このため、無線通信システムが高電圧のデバイスからの電気的ノイズの影響を受けないようにする必要がある。
本発明は、転舵用車輪から得られた状態に近い、高精度の路面情報を検出可能な車両用ステアリング装置を提供することを課題とする。
本発明によれば、転舵によって車体に対して相対移動しない部品である固定部品と、前記固定部品へ伝わった路面からの入力を検出する路面情報検出部と、を備える車両用ステアリング装置を提供する。
本発明では、転舵用車輪(タイヤを含む)から得られた路面情報は、減衰性を有している部材の影響を極力受けない状態で、車体側の固定部品に伝わる。この固定部品へ伝わった路面情報(入力)は、路面情報検出部によって検出される。このため、路面情報検出部は、転舵用車輪から得られた状態に近い、高精度の路面情報を検出することができる。この検出された高精度の路面情報に基づいて、車両用ステアリング装置は各種の制御を行うことができる。
本発明の実施例1による車両用ステアリング装置の模式図である。 図1に示される入力軸とラックアンドピニオン機構周りの断面図である。 図1に示されるベルト伝動機構とボールねじ周りの断面図である。 本発明の実施例2による車両用ステアリング装置の模式図である。 図4に示される転舵動力伝達機構周りの断面図である。 本発明の実施例3による車両用ステアリング装置の模式図である。 図6に示される入力軸とラックアンドピニオン機構周りの断面図である。
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。
<実施例1>
図1〜図3を参照しつつ実施例1の車両用ステアリング装置10を説明する。図1に示されるように、車両用ステアリング装置10は、車両のステアリングホイール11の操舵入力が生じる操舵部12と、左右の転舵車輪13,13(タイヤを含む)を転舵する転舵部14と、操舵部12と転舵部14との間に介在しているクラッチ15と、制御部16とを含む。左右の転舵車輪13,13は、転舵部14によって転舵されるものであればよく、前輪、後輪、又は両方を含む。
クラッチ15が開放状態となる通常時には、操舵部12と転舵部14との間が機械的に分離されている。このように、車両用ステアリング装置10は、通常時において、ステアリングホイール11の操舵量に応じて転舵用アクチュエータ39を作動させることにより、左右の転舵車輪13,13を転舵する方式、いわゆるステアバイワイヤ式(steer-by-wire)を採用している。
操舵部12は、運転者が操舵するステアリングホイール11と、このステアリングホイール11に連結されているステアリング軸21と、ステアリングホイール11に対して操舵反力(反力トルク)を付加する反力付加アクチュエータ22と、を含む。
反力付加アクチュエータ22は、運転者が操舵するステアリングホイール11の操舵力に抵抗する操舵反力を発生することによって、運転者に操舵感を与える。この反力付加アクチュエータ22は、操舵反力を発生する反力モータ23と、操舵反力をステアリング軸21に伝達する反力伝達機構24と、を含む。反力モータ23は、例えば電動モータによって構成される。反力伝達機構24は、例えばウォームギア機構によって構成される。このウォームギア機構24(反力伝達機構24)は、反力モータ23のモータ軸23aに設けられたウォーム24aと、ステアリング軸21に設けられたウォームホイール24bとからなる。反力モータ23が発生した操舵反力は、反力伝達機構24によってステアリング軸21に付加される。
転舵部14は、ステアリング軸21に自在軸継手31,31及び連結軸32とによって連結されている入力軸33と、この入力軸33に操作力伝達機構35によって連結されている転舵軸36と、この転舵軸36の両端にタイロッド37,37及びナックル38,38を介して連結されている左右の転舵車輪13,13と、転舵軸36に転舵用動力を付加する転舵用アクチュエータ39と、を含む。
前記クラッチ15は、ステアリング軸21のなかの、反力付加アクチュエータ22から操舵反力を伝達される部位よりも転舵部14側、または、ステアリング軸21と転舵部14の入力軸33との間に介在している。
操作力伝達機構35は、例えばラックアンドピニオン機構によって構成される。このラックアンドピニオン機構35(操作力伝達機構35)は、入力軸33に設けられたピニオン35aと、転舵軸36に設けられたラック35bとからなる。転舵軸36は、軸方向(車幅方向)へ移動可能である。
転舵用アクチュエータ39は、転舵用動力を発生する転舵動力モータ41と、転舵用動力を転舵軸36に伝達する転舵動力伝達機構42とからなる。転舵動力モータ41が発生した転舵用動力は、転舵動力伝達機構42によって転舵軸36に伝達される。この結果、転舵軸36は車幅方向にスライドする。転舵動力モータ41は、例えば電動モータによって構成される。
転舵動力伝達機構42は、ベルト伝動機構43とボールねじ44とからなる。ベルト伝動機構43は、転舵動力モータ41のモータ軸41aに設けられた駆動プーリ45と、ボールねじ44のナット73(図3参照)に設けられた従動プーリ46と、駆動プーリ45と従動プーリ46とに掛けられたベルト47とからなる。ボールねじ44は、回転運動を直線運動に変換する変換機構の一種であって、転舵動力モータ41が発生した駆動力を前記転舵軸36に伝達する。
入力軸33とラックアンドピニオン機構35と転舵軸36と転舵動力伝達機構42とは、ハウジング51に収納されている。このハウジング51は、車幅方向に長い概ねパイプ状の部材であって、車体52に取り付けられている。転舵軸36は、ハウジング51内をスライド可能である。
図2に示されるように、入力軸33は、車体上下方向に延びた略垂直な軸であり、上端部を第1の軸受53によってハウジング51に回転可能に支持され、下端部を第2の軸受54によってハウジング51に回転可能に支持されている。第2の軸受54は、ハウジング51の下端の開口部51aに嵌合されるとともに、この開口部51aにねじ込まれたキャップ状のナット55によって軸方向に位置決めされている。
転舵軸36は、ラック35bが形成された面の背面36aをラックガイド機構60によって押圧されている。このラックガイド機構60は、背面36a側から転舵軸36に当てるラックガイド61、このラックガイド61を圧縮コイルばね62を介して押す調整ボルト63、及び、ハウジング51に対する調整ボルト63の位置決めをするロックナット64からなる。ラックガイド61は、転舵軸36の背面36a側に位置し、背面36aを押し出すとともに、転舵軸36を軸方向への摺動が可能に支持することができる。
このように、ラックガイド機構60によれば、ハウジング51にねじ込まれた調整ボルト63により、圧縮コイルばね62を介してラックガイド61を適切な押圧力で押すことにより、ラックガイド61によって転舵軸36に予圧を与えて、ラック35bをピニオン35aに押し付けることができる。
図3に示されるように、ボールねじ44は、転舵軸36に形成されたネジ部71(雄ネジ71)と、複数のボール72と、ネジ部71に複数のボール72を介して連結されたナット73とからなる。このナット73は、転がり軸受74(以下、単に「軸受74」という。)によってハウジング51に回転可能に支持されるとともに、軸受74に対して軸方向への相対移動を規制されている。軸受74は、ハウジング51のなかの、第1端面51bと第2端面51cとの間に位置する。
軸受74の外輪74aの両側には、一対の環状の支持部75,75が位置している。この一対の支持部75,75同士は、軸受74を挟んで、転舵軸36の軸方向に互いに向かい合っている。このように、ハウジング51内の、第1端面51bと第2端面51cとの間には、軸受74と一対の支持部75,75が位置している。
軸受74の外輪74aの両側の側面は、全周にわたり、一対の環状の支持部75,75によって転舵軸36の軸方向に弾性を有して支持(いわゆる、フローティング支持)されている。この結果、ナット73は、軸受74を介して間接的に、転舵軸36の軸方向に弾性を有して支持されている。
各支持部75,75の構成は次の通りである。支持部75は、環状の弾性体76と、この弾性体76を支持する環状のカラー77とからなる。弾性体76とカラー77とは、転舵軸36の軸方向に互いに組み合わされて、一体化されている。
図1に示されるように、上記制御部16は操舵角センサ81、操舵トルクセンサ82、モータ回転角センサ83、入力軸回転角センサ84、モータ回転角センサ85、車速センサ86、ヨーレートセンサ87、加速度センサ88、その他の各種センサ89からそれぞれ検出信号を受けて、クラッチ15、反力モータ23及び転舵動力モータ41に制御信号を発する。
操舵角センサ81は、ステアリングホイール11の操舵角を検出する。操舵トルクセンサ82は、ステアリング軸21に発生する操舵トルクを検出する。この操舵トルクセンサ82は、ステアリング軸21のなかの、反力伝達機構24よりもステアリングホイール11側に配置してもよい。この配置にすることにより、操舵トルクセンサ82によって操舵トルク(操舵負荷)を検出することができる。モータ回転角センサ83は、反力モータ23の回転角を検出する。入力軸回転角センサ84は、ピニオン35aを有した入力軸33の回転角を検出する。モータ回転角センサ85は、転舵モータ41の回転角を検出する。車速センサ86は、車両の車輪速度を検出する。ヨーレートセンサ87は、車両のヨー角速度(ヨー運動の角速度)を検出する。加速度センサ88は、車両の加速度を検出する。その他の各種センサ89には、転舵動力モータ41の回転角を検出する回転角センサを含む。この回転角センサは、例えば、転舵動力モータ41に備えたレゾルバによって構成される。
図1及び図2に示されるように、ハウジング51は車体52に取り付けられた固定部品の一種である。ここで、「固定部品」とは、ステアリング転舵時に、車体52に対して相対移動をしない部材のことをいう。転舵軸36やタイロッド37のようにステアリング転舵時に、車体52に対して車幅方向へ相対移動をする部材は、摺動部材という。
また、第2の軸受54及びナット55は、ハウジング51に間接的に支持されるとともに、転舵軸36と噛み合う入力軸33を支持していることで、ハウジング51に取り付けられていると、みなす。調整ボルト63は、ハウジング51に間接的に支持されるとともに、転舵軸36を支持していることで、ハウジング51に取り付けられていると、みなす。従って、これらの第2の軸受54、ナット55及び調整ボルト63は、車体52に取り付けられた固定部品の一種である。また、図3に示されるように、転がり軸受74、各支持部75,75のカラー77,77は、ハウジング51に嵌合されているので、これも車体52に取り付けられた固定部品の一種である。以下、ハウジング51、第2の軸受54、ナット55、調整ボルト63、転がり軸受74、各支持部75,75のカラー77,77のことを、適宜「車体52側の固定部品51,54,55,63,74,77,77」と言い換えることにする。
図2及び図3に示されるように、これらの固定部品51,54,55,63,74,77,77の少なくともいずれか1つ(好ましくは、いずれか複数又は全て)には、路面情報検出部91が設けられている。
図1に示されるように、車両を走行させた場合や車両用ステアリング装置10を操舵した場合には、走行路面LFから転舵用車輪13,13に路面LFの情報(状況)が伝わる。転舵用車輪13,13から得られた路面情報は、図2及び図3に示される固定部品51,54,55,63,74,77,77に直接又は間接的に伝わる。路面情報検出部91は、固定部品51,54,55,63,74,77,77へ伝わった路面情報を検出し、検出信号を制御部16に発する。制御部16は、検出された路面情報に基づいて、各種の制御を行う。
ここで、路面LFの情報(路面情報)及び路面情報検出部91について詳しく説明する。走行路面LFから転舵用車輪13,13に伝わる「路面LFの状況」としては、例えば降雨、降雪、凍結、砂利道等による、走行路面LFと転舵用車輪13,13との間の摩擦係数の変化や、轍、うねり、石畳路等の凹凸変化が挙げられる。このような路面情報は、走行路面LFから転舵用車輪13,13へ、例えば振動の変化、荷重(圧力)の変化、歪み量の変化として伝わる。
転舵用車輪13,13へ伝わった路面情報は、ナックル38,38及びタイロッド37、37を介して、転舵軸36へ伝わり、さらに、ラックアンドピニオン機構35を介して入力軸33へも伝わる。入力軸33及び転舵軸36へ伝わった路面情報は、図2に示される固定部品51,54,55,63に直接又は間接的に伝わる。また、転舵軸36へ伝わった路面情報は、図3に示されるボールねじ44に伝わり、さらに固定部品51,74,77,77にも直接又は間接的に伝わる。
路面情報検出部91は、固定部品51,54,55,63,74,77,77に直接又は間接的に伝わった路面情報を、精度良く検出して検出信号に変換可能であって、しかも、路面情報に伴う外力に対して強度、耐久性、変形タフネスを有している構成である。路面情報検出部91としては、例えば、歪み量の変化を検出する歪みゲージ等の検出部、荷重(圧力)の変化によって電気抵抗値の変化を出力するセンサシート等の検出部、荷重(圧力)の変化によって発電する圧電体セラミックス等の検出部がある。この路面情報検出部91は、入力軸33の軸方向に設けられてもよい。その場合には、路面情報(路面入力)は、入力軸33の軸方向(車体52の上下方向)に影響が及ぶため、より効果的に路面情報を検出することができる。
上記実施例1の説明をまとめると次の通りである。図1〜図3に示されるように、車両用ステアリング装置10は、転舵によって車体52に対して相対移動しない部品である固定部品(例えば符号51,54,55,63,74,77,77の部品を含む。以下同じ。)と、前記固定部品51,54,55,63,74,77の少なくともいずれか1つ(好ましくは、いずれか複数又は全て)へ伝わった路面LFからの入力を検出する路面情報検出部91と、を備えている。
このため、転舵用車輪13,13から得られた路面情報は、減衰性を有している部材の影響を極力受けない状態で、車体52側の固定部品51,54,55,63,74,77,77に伝わる。この固定部品51,54,55,63,74,77,77へ伝わった路面情報は、路面情報検出部91によって検出される。このため、路面情報検出部91は、転舵用車輪13,13から得られた状態に近い、高精度の路面情報を検出することができる。この検出された高精度の路面情報に基づいて、車両用ステアリング装置10は各種の制御を行うことができる。
しかも、走行路面LFに対して、転舵部14は操舵部12よりも操舵下流側(近い位置)にある。このため、転舵用車輪13,13から得られた路面情報は、操舵部12の影響を極力受けない状態で、転舵部14側の固定部品51,54,55,63,74,77,77に伝わる。全ての路面情報検出部91は、転舵部14側の固定部品51,54,55,63,74,77,77からのみ、高精度の路面情報を検出することができる。
より具体的には、ステアバイワイヤ式ステアリング装置10では、車両の走行状態や操舵装置の状況に応じて、反力付加アクチュエータ22が操舵反力を発生することにより、運転者に、より一層の適切な操舵感を与えることができる。また、車両の挙動を一層安定化するように、車両用ステアリング装置10を制御することができる。
<実施例2>
図4及び図5を参照しつつ、実施例2の車両用ステアリング装置100を説明する。図4は上記図1に対応させて表してある。実施例2の車両用ステアリング装置100は、図1〜図3に示される上記実施例1の車両用ステアリング装置10の転舵用アクチュエータ39を、図4及び図5に示される転舵用アクチュエータ139に変更したことを特徴とし、他の構成は実施例1と同じなので、説明を省略する。
実施例2の転舵用アクチュエータ139は、転舵用動力を発生する転舵動力モータ141と、転舵用動力を転舵軸36に伝達する転舵動力伝達機構142とからなる。転舵動力モータ141が発生した転舵用動力は、転舵動力伝達機構142によって転舵軸36に伝達される。この結果、転舵軸36は車幅方向にスライドする。転舵動力モータ141は、例えば電動モータによって構成される。
転舵動力伝達機構142は、ウォームギア機構143とラックアンドピニオン機構144とからなる。ウォームギア機構143は、転舵動力モータ141のモータ軸141aに設けられたウォーム143aと、ピニオン軸143bに設けられたウォームホイール143cとからなる。ラックアンドピニオン機構144は、ピニオン軸143bに設けられたピニオン144aと、転舵軸36に設けられたラック144bとからなる。
図5に示されるように、ピニオン軸143bは、車体上下方向に延びた略垂直な軸であり、上端部を第1の軸受153によってハウジング51に回転可能に支持され、下端部を第2の軸受154によってハウジング51に回転可能に支持されている。
転舵軸36は、ラック144bが形成された面の背面36bをラックガイド機構160によって押圧されている。このラックガイド機構160は、背面36b側から転舵軸36に当てるラックガイド161、このラックガイド161を圧縮コイルばね162を介して押す調整ボルト163、及び、ハウジング51に対する調整ボルト163の位置決めをするロックナット164からなる。ラックガイド161は、転舵軸36の背面36b側に位置し、この背面36bを押し出すとともに、転舵軸36を軸方向への摺動が可能に支持することができる。
このように、ラックガイド機構160によれば、ハウジング51にねじ込まれた調整ボルト163により、圧縮コイルばね162を介してラックガイド161を適切な押圧力で押すことにより、ラックガイド161により転舵軸36に予圧を与えて、ラック144bをピニオン144aに押し付けることができる。
第1の軸受153及び第2の軸受154は、ハウジング51に間接的に支持されるとともに、転舵軸36と噛み合うピニオン軸143bを支持していることで、ハウジング51に取り付けられていると、みなす。調整ボルト163は、ハウジング51に間接的に支持されるとともに、転舵軸36を支持していることで、ハウジング51に取り付けられていると、みなす。従って、これらの第1の軸受153、第2の軸受154及び調整ボルト163は、車体52に取り付けられた固定部品の一種である。以下、第1の軸受153、第2の軸受154及び調整ボルト163のことを、適宜「車体52側の固定部品153、154,163」と言い換えることにする。これらの固定部品153,154,163と、上記図2に示される実施例1の固定部品51,54,55,63の、少なくともいずれか1つ(好ましくは、いずれか複数又は全て)には、路面情報検出部91が設けられている。この路面情報検出部91は、入力軸33及びピニオン軸143bの軸方向に設けられてもよい。その場合には路面情報(路面入力)は、入力軸33及びピニオン軸143bの軸方向(車体52の上下方向)に影響が及ぶため、より効果的に路面情報を検出することができる。
このような構成の実施例2は、上記図1〜3に示される実施例1と同様の作用、効果を発揮することができる。
<実施例3>
図6及び図7を参照しつつ、実施例3の車両用ステアリング装置200を説明する。図6は上記図4に対応させて表してある。実施例3の車両用ステアリング装置200は、図4に示される上記実施例2のステアバイワイヤ式の車両用ステアリング装置100を、補助トルク付加式電動パワーステアリング装置に変更したことを特徴とし、クラッチ15及び反力付加アクチュエータ22を廃止し、他の構成は実施例2と同じなので、説明を省略する。操舵角センサ81及び操舵トルクセンサ82は、転舵部14の入力軸33側に配置されている。
図7に示されるように、入力軸33は、第1軸33aと、この第1軸33aに対して相対回転が可能な第2軸33bと、これらの第1軸33aと第2軸33bとを連結するトーションバー33cと、からなる。
トーションバー33cは、文字通りトルクに対して正確にねじれ角が発生するメンバーであって、第1軸33aと第2軸33bととの間での相対ねじり変位を発生する。第1軸33aと第2軸33bとトーションバー33cとは、同心上に位置している。
実施例3の車両用ステアリング装置200は、上記図5に示される固定部品153,154,163と、図7に示される固定部品51,54,55,63の、少なくともいずれか1つ(好ましくは、いずれか複数又は全て)には、路面情報検出部91が設けられている。この路面情報検出部91は、第2軸33b及びピニオン軸143bの軸方向に設けられる。路面情報(路面入力)は、第2軸33b及びピニオン軸143bの軸方向(車体52の上下方向)に影響が及ぶため、より効果的に路面情報を検出することができる。
このような構成の実施例3は、上記図1〜3に示される実施例1と同様の作用、効果を発揮することができる。
なお、本発明による車両用ステアリング装置10,100,200は、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、実施例に限定されるものではない。
また、図1〜図5に示される、実施例1及び実施例2の車両用ステアリング装置10,100は、操舵部12と転舵部14との間を機械的に完全に分離したステアバイワイヤ式の構成とすることができる。この構成にした場合には、クラッチ15、自在軸継手31,31、連結軸32、入力軸33、操作力伝達機構35及び入力軸回転角センサ84は不要である。この構成であっても、上記実施例1〜2と同様の作用、効果を発揮することができる。
また、図1〜図5に示される、実施例1及び実施例2の車両用ステアリング装置10,100は、ステアリングホイール11を含む操舵部12全体を有さずに、転舵部14のみを備えている自動運転車両用ステアリング装置の構成とすることができる。この構成にした場合には、クラッチ15、自在軸継手31,31、連結軸32、入力軸33、操作力伝達機構35及び入力軸回転角センサ84は不要である。この構成であっても、上記実施例1〜3と同様の作用、効果を発揮することができる。
また、図1〜図5に示される、実施例1及び実施例2の車両用ステアリング装置10,100は、転舵部14に転舵軸36を有せずに、左右の転舵用車輪13,13をそれぞれの転舵用アクチュエータ(図示せず)によって個別に転舵する構成とすることができる。その場合であっても、左右の転舵用車輪13,13から得られた路面情報が、車体側の固定部品に伝わり、この固定部品へ伝わった路面情報を路面情報検出部91によって検出する構成とすることができる。
また、図3に示される、実施例1の各支持部75,75の有無は任意である。例えば、各支持部75,75を廃止し、軸受74をハウジング51によってリジッドに支持してもよい。
本発明の車両用ステアリング装置10,100,200は、自動車に搭載するのに好適である。
10,100,200 車両用ステアリング装置
11 ステアリングホイール
13 転舵車輪
16 制御部
51 ハウジング(固定部品)
52 車体
54 入力軸の下端部を支持する第2の軸受(固定部品)
55 ナット(固定部品)
63 ラックガイド機構の調整ボルト(固定部品)
74 ボールねじの軸受(固定部品)
77 カラー(固定部品)
91 路面情報検出部
LF 走行路面

Claims (1)

  1. 転舵によって車体に対して相対移動しない部品である固定部品と、前記固定部品へ伝わった路面からの入力を検出する路面情報検出部と、を備える車両用ステアリング装置。
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