本発明にかかる遊技機の実施の形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
B.第2実施形態:
C.第3実施形態:
D.第4実施形態:
E.第5実施形態:
F.第6実施形態:
G.第7実施形態:
H.第8実施形態:
I.変形例:
J.上記実施形態および変形例から抽出される発明群について:
A.第1実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の正面図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット18aが配置されており、開口された窓部18がガラスユニット18aによって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット18aを介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿19と下皿20とが設けられている。上皿19は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球など、払出手段から払い出された遊技用媒体としての遊技球を貯留する。上皿19に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿19から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。
下皿20は、上皿19の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿20は、上皿19で余剰となった遊技球を貯留する。下皿20の底部には、下皿20に貯留された遊技球をドル箱に排出するための排出口が形成されている。排出口の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口を開状態にすると、排出口から遊技球が落下し、遊技球は下皿20から外部に排出される。
上皿19の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサーと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタンと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサーがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図2は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には、遊技球が流下する遊技領域PAが形成されている。また、遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30の遊技領域PAの略中央には、センター役物100が設けられている。センター役物100は、遊技球が内部に入球可能な2つの開口部101a,101bと、当該開口部101a,101bをそれぞれ開閉する開閉手段としての2つの羽根部材102a,102bとを有している。なお、以下では、センター役物100の外部の遊技領域PAを特に役物外遊技領域PA1とも呼び、センター役物100の内部の遊技領域PAを特に役物内遊技領域PA2とも呼ぶ。センター役物100の内部の構成の詳細については、後述する図3において説明する。
役物外遊技領域PA1には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、及び、第2始動口34が設けられている。本実施形態では、第1始動口33は、役物外遊技領域PA1の左右に1つずつ設けられている。
一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入賞すると、所定の個数(例えば、10〜15個)の遊技球が賞球として払出装置から払い出される。
第1始動口33は、上向きに開放された状態で配置されており、遊技球が上側から入球可能となるように構成されている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払出装置から払い出されるとともに、センター役物100の羽根部材102a,102bが開放する契機となる。具体的には、第1始動口33に遊技球が入球すると、センター役物100の羽根部材102a,102bが1回、開放状態となる。羽根部材102a,102bの開放時間は、0.715秒である。なお、羽根部材102a,102bの開放回数や開放時間は、これらに限定されない。また、羽根部材102a,102bの開放回数や開放時間は、第1始動口33に遊技球が入球したことを契機とした内部抽選によって決定される構成であってもよい。さらに、第1始動口33に遊技球が入球した場合における賞球の個数は、3個に限定されず、例えば、2個や4個に設定されていてもよい。また、第1始動口33に遊技球が入球しても賞球が払い出されない構成であってもよい。
第2始動口34は、上向きに開放された状態で配置されており、遊技球が上側から入球可能となるように構成されている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、4個の遊技球が賞球として払出装置から払い出されるとともに、センター役物100の羽根部材102a,102bが開放する契機となる。具体的には、第2始動口34に遊技球が入球すると、センター役物100の羽根部材102a,102bが2回、開放状態となる。羽根部材102a,102bの開放時間は、0.715秒である。なお、羽根部材102a,102bの開放回数や開放時間は、これらに限定されない。また、羽根部材102a,102bの開放回数や開放時間は、第2始動口34に遊技球が入球したことを契機とした内部抽選によって決定される構成であってもよい。さらに、第2始動口34に遊技球が入球した場合における賞球の個数は、4個に限定されず、例えば、3個や5個に設定されていてもよい。また、第2始動口34に遊技球が入球しても賞球が払い出されない構成であってもよい。
センター役物100は、上述したように、2つの開口部101a,101bと、2つの羽根部材102a,102bとを有している。第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球して羽根部材102a,102bがそれぞれ開放状態になると、センター役物100の上部付近を流下中の遊技球は、開口部101a,101bからセンター役物100の内部に入球することが可能となる。
センター役物100の内部に遊技球が入球すると、払出装置によって10個の遊技球が賞球として払い出される。ただし、センター役物100の内部に遊技球が入球した場合における賞球の個数は、10個に限定されず、例えば、15個に設定されていてもよい。
センター役物100の内部には、遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する領域である特定領域(Vゾーン)が設けられている。本実施形態では、3つの特定領域として、第1特定領域VZ1、第2特定領域VZ2および第3特定領域VZ3が設けられている。
遊技球が3つの特定領域VZ1〜VZ3のいずれかを通過すると、パチンコ機10は、特別遊技状態(例えば、大当たり遊技状態)に移行することによって、遊技者に特典を付与する。特別遊技状態とは、遊技者にとって有利な遊技状態であり、例えば、遊技者が多くの賞球を獲得しやすい遊技状態である。
本実施形態では、パチンコ機10が特別遊技状態に移行すると、羽根部材102a,102bが高頻度で開放状態となり、センター役物100の内部に多くの遊技球を入球させることが可能となる。この結果、遊技者は、多くの賞球を獲得することが可能となる。より具体的には、特別遊技状態は、複数回のラウンド遊技によって構成されており、本実施形態では、1回のラウンド遊技は、羽根部材が30秒間開放されたこと、または、10個の遊技球がセンター役物100の内部に入球したことのいずれか一方の条件が満たされた場合に終了し、次のラウンド遊技に移行する。ただし、1回のラウンド遊技の終了条件は、これらに限定されず、他の終了条件が設定された構成であってもよい。
特別遊技状態には、実行されるラウンド遊技の回数や、ラウンド遊技における羽根部材の開放回数、開放時間等の異なる複数の種別を設定することが可能である。本実施形態では、3つの特定領域VZ1〜VZ3毎に異なる種別の特別遊技状態が設定されており、遊技球が第1特定領域VZ1を通過した場合には、パチンコ機10は第1特別遊技状態に移行し、遊技球が第2特定領域VZ2を通過した場合には、パチンコ機10は第2特別遊技状態に移行し、遊技球が第3特定領域VZ3を通過した場合には、パチンコ機10は第3特別遊技状態に移行する。
本実施形態では、第1特別遊技状態は、3回のラウンド遊技によって構成されており、第2特別遊技状態は、7回のラウンド遊技によって構成されており、第3特別遊技状態は、16回のラウンド遊技によって構成されている。すなわち、第3特別遊技状態は、第2特別遊技状態よりも遊技者にとって有利な特典であり、第2特別遊技状態は、第1特別遊技状態よりも遊技者にとって有利な特典である。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34またはセンター役物100に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
また、本実施形態では、遊技盤30の右上方に、表示ユニット45が設けられている。表示ユニット45は、第1保留表示部45aと、第2保留表示部45bと、ラウンド表示部45cとによって構成されている。
第1保留表示部45aは、複数のLEDランプからなる発光表示器によって構成されており、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。同様に、第2保留表示部45bは、複数のLEDランプからなる発光表示器によって構成されており、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
ラウンド表示部45cは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されており、特別遊技状態において発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。
なお、表示ユニット45は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器に限定されず、保留個数やラウンド遊技の回数を示すことが可能な種々の表示装置によって実現することができる。例えば、表示ユニット45は、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器などによって構成されていてもよい。
図3は、センター役物100の構成を模式的に示す説明図である。センター役物100の中央左側には、後述する演出や報知を実行する表示装置91が設けられている。本実施形態では、表示装置91として、液晶表示装置が採用されている。ただし、表示装置91は、有機EL表示装置等の他の表示装置によって構成されていてもよい。
羽根部材102aの右下方には、遊技球を入球検出センサー104aに案内する案内路106aが設けられており、羽根部材102bの左下方には、遊技球を入球検出センサー104bに案内する案内路106bが設けられている。このため、本実施形態では、左側の羽根部材102aの開放中に開口部101aから入球した遊技球は、左側に設けられた入球検出センサー104aを通過する割合が多く、一方、右側の羽根部材102bの開放中に開口部101bから入球した遊技球は、右側に設けられた入球検出センサー104bを通過する割合が多い。本実施形態では、遊技球が入球検出センサー104aまたは入球検出センサー104bを通過すると、10個の遊技球が賞球として払出装置から払い出される。
入球検出センサー104a,104bの下流には、予め定められた遊技球の経路である特別経路SRと、予め定められた遊技球の経路であって特別経路SRとは異なる経路である通常経路NRと、到達した遊技球を特別経路SRまたは通常経路NRに振分ける経路振分機構110とが設けられている。本実施形態では、特別経路SRは、第1特別経路SR1と第2特別経路SR2とによって構成されており、第1特別経路SR1と第2特別経路SR2は途中で合流して1つの特別経路SRとなっている。本実施形態では、合流した特別経路SRに、遊技球の通過を検出する通過検出センサー107が設けられている。
経路振分機構110は、回転軸113を中心として回転する構造を有することにより、到達した遊技球を特別経路SRまたは通常経路NRのいずれかに振分ける機能を有する。本実施形態では、経路振分機構110は、当該経路振分機構110に一の遊技球が到達するのと同時に、または、当該経路振分機構110に一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が当該経路振分機構110に到達した場合には、当該一の遊技球および他の遊技球を特別経路SR(第1特別経路SR1、第2特別経路SR2)に振分ける。一方、経路振分機構110に一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が当該経路振分機構110に到達しなかった場合には、当該一の遊技球を通常経路NRに振分ける。経路振分機構110の構成および経路振分機構110に遊技球が到達した場合の挙動の詳細については後述する。
本実施形態では、特別経路SR(第1特別経路SR1、第2特別経路SR2)は、通常経路NRよりも遊技者にとって有利な経路となるように構成されている。具体的には、特別経路SR(第1特別経路SR1、第2特別経路SR2)に振分けられた遊技球は、後述する円盤状回転体130に確実に到達するように構成されている。一方、通常経路NRに振分けられた遊技球は、選抜機構120に案内され、選抜機構120によって選抜された遊技球のみが円盤状回転体130に到達するように構成されている。
なお、本実施形態では、第1特別経路SR1と第2特別経路SR2とが合流しており、当該合流箇所に至るまでの第1特別経路SR1の経路長と、当該合流箇所に至るまでの第2特別経路SR2の経路長とが異なっている。このため、例えば、2つの遊技球のうちのそれぞれの遊技球が第1特別経路SR1と第2特別経路SR2とに同時に振分けられた場合であっても、2つの遊技球が当該合流箇所に到達するタイミングが異なることになるので、当該2つの遊技球同士が当該合流箇所において衝突してしまうことを抑制することができる。
選抜機構120は、左右に揺動する円筒部材121を備えており、当該円筒部材121には、遊技球が入球可能な入球口122が設けられている。選抜機構120は、パチンコ機10の電源が投入されると、円筒部材121を基準位置に移動させるとともに、当該基準位置を基準とした左右への揺動を開始させる。本実施形態では、左右への揺動の1周期は、5秒である。入球口122に入球した遊技球は、選抜機構120を通過して円盤状回転体130に到達する。本実施形態では、選抜機構120によって選抜され、円盤状回転体130に到達する遊技球の割合は、約15%程度である。
特別経路SRに振分けられた遊技球および選抜機構120を通過した遊技球は、円盤状回転体130に案内される。本実施形態では、円盤状回転体130は、パチンコ機10の電源が投入されると、2秒で1回転する回転速度で回転を開始する。
円盤状回転体130には、確定入球口VHと、2つの外れ入球口OH1,OH2とが設けられている。確定入球口VHは、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球した場合には当該遊技球が3つの特定領域VZ1〜VZ3のいずれかを通過することが確定する。すなわち、遊技球が確定入球口VHに入球すると、特別遊技状態への移行は確定する。外れ入球口OH1,OH2は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球した場合には当該遊技球が外れ球として役物内遊技領域PA2から排出される。本実施形態では、円盤状回転体130には、1つの確定入球口VHと、2つの外れ入球口OH1,2とが設けられているため、円盤状回転体130に到達した遊技球は、3分の1の確率で確定入球口VHに入球する。確定入球口VHの下流には、遊技球の通過を検出するV検出センサー108と、第1特典振分機構140とが設けられている。確定入球口VHに入球した遊技球は、V検出センサー108に検出されるとともに、第1特典振分機構140に導かれる。
第1特典振分機構140には、第1特典入球口VH1と、特典昇格入球口UHとが設けられている。第1特典振分機構140は、到達した遊技球を、第1特典入球口VH1または特典昇格入球口UHのいずれかに振分ける機能を有する。
第1特典入球口VH1の下流には、第1特定領域VZ1が設けられている。第1特典入球口VH1は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球した場合には、当該遊技球が第1特定領域VZ1を通過することが確定する。第1特定領域VZ1の近傍には、遊技球の第1特定領域VZ1の通過を検出する第1検出センサーS1が設けられている。第1検出センサーS1によって遊技球が検出されると、パチンコ機10は、遊技球が第1特定領域VZ1を通過したと判定し、3回のラウンド遊技からなる第1特別遊技状態(3R)に移行する。
特典昇格入球口UHは、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球した場合には、当該遊技球が第2特定領域VZ2または第3特定領域VZ3のいずれかを通過することが確定する。特典昇格入球口UHの下流には、第2特典振分機構160が設けられており、特典昇格入球口UHに入球した遊技球は、第2特典振分機構160に導かれる。
第2特典振分機構160は、到達した遊技球を、2つの特定領域VZ2,VZ3のいずれかの特定領域に振分ける機能を有する。本実施形態では、第2特典振分機構160には、第2特典入球口VH2と、第3特典入球口VH3とが設けられている。
第2特典入球口VH2の下流には、第2特定領域VZ2が設けられている。第2特典入球口VH2は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球した場合には、当該遊技球が第2特定領域VZ2を通過することが確定する。第2特定領域VZ2の近傍には、遊技球の第2特定領域VZ2の通過を検出する第2検出センサーS2が設けられている。第2検出センサーS2によって遊技球が検出されると、パチンコ機10は、遊技球が第2特定領域VZ2を通過したと判定し、7回のラウンド遊技からなる第2特別遊技状態(7R)に移行する。
第3特典入球口VH3の下流には、第3特定領域VZ3が設けられている。第3特典入球口VH3は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球した場合には、当該遊技球が第3特定領域VZ3を通過することが確定する。第3特定領域VZ3の近傍には、遊技球の第3特定領域VZ3の通過を検出する第3検出センサーS3が設けられている。第3検出センサーS3によって遊技球が検出されると、パチンコ機10は、遊技球が第3特定領域VZ3を通過したと判定し、16回のラウンド遊技からなる第3特別遊技状態(16R)に移行する。
第1特典入球口VH1と第1検出センサーS1との間には、第1遅延機構D1が設けられている。第1遅延機構D1は、遊技球が第1特典入球口VH1に入球した後、第1検出センサーS1によって検出される検出位置に到達するのを遅延させる機能を有する。第1遅延機構D1の具体的な構成については後述する。
第2特典入球口VH2と第2検出センサーS2との間には、第2遅延機構D2が設けられている。第2遅延機構D2は、遊技球が第2特典入球口VH2に入球した後、第2検出センサーS2によって検出される検出位置に到達するのを遅延させる機能を有する。第2遅延機構D2の具体的な構成については後述する。
本実施形態では、複数の遊技球が確定入球口VHに入球し、第1特定領域VZ1、第2特定領域VZ2および第3特定領域VZ3の3つの特定領域のうち、異なる2つ以上の特定領域を遊技球が通過した場合には、検出センサーによって遊技球の通過が最も早く検出された特定領域が有効と判定され、当該有効と判定された特定領域に対応した特別遊技状態に移行する。
ここで、確定入球口VHを遊技球が通過してから第1検出センサーS1によって当該遊技球が検出されるまでに要する平均時間を第1検出時間T1と定義する。確定入球口VHを遊技球が通過してから第2検出センサーS2によって当該遊技球が検出されるまでに要する平均時間を第2検出時間T2と定義する。この場合において、本実施形態のパチンコ機10は、第1遅延機構D1を備えることによって、第1検出時間T1が第2検出時間T2よりも長くなるように構成されている。この理由について以下に説明する。
例えば、羽根部材102a、102bの1回の開放中に複数の遊技球がセンター役物100に入球し、複数の遊技球が確定入球口VHに入球した場合において、一の遊技球が第2特典入球口VH2に入球し、他の遊技球が第1特典入球口VH1に入球した場合について説明する。仮に、第1検出時間T1が第2検出時間T2よりも短くなるように構成されていると、第2特典入球口VH2に入球した遊技球が第2特定領域VZ2を通過しそうであるにも関わらず、第1特典入球口VH1に入球した遊技球が先に第1検出センサーS1によって検出されてしまい、第2特典入球口VH2に入球した遊技球が存在するにも関わらず、パチンコ機10が第2特別遊技状態(7R)よりも不利な第1特別遊技状態(3R)に移行してしまうといった事態が発生する場合がある。これに対して、本実施形態では、第1検出時間T1が第2検出時間T2よりも長くなるように構成されているので、第2特典入球口VH2に入球した遊技球が存在するにも関わらず、パチンコ機10が第1特別遊技状態(3R)に移行してしまうといった事態の発生を抑制することができる。この結果、複数の遊技球が確定入球口VHに入球した場合における遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、確定入球口VHを遊技球が通過してから第3検出センサーS3によって当該遊技球が検出されるまでに要する平均時間を第3検出時間T3と定義する。この場合において、本実施形態のパチンコ機10は、第2遅延機構D2を備えることによって、第2検出時間T2が第3検出時間T3よりも長くなるように構成されている。この理由について以下に説明する。
例えば、羽根部材102a、102bの1回の開放中に複数の遊技球がセンター役物100に入球し、複数の遊技球が確定入球口VHに入球した場合において、一の遊技球が第3特典入球口VH3に入球し、他の遊技球が第2特典入球口VH2に入球した場合について説明する。仮に、第2検出時間T2が第3検出時間T3よりも短くなるように構成されていると、第3特典入球口VH3に入球した遊技球が第3特定領域VZ3を通過しそうであるにも関わらず、第2特典入球口VH2に入球した遊技球が先に第2検出センサーS2によって検出されてしまい、第3特典入球口VH3に入球した遊技球が存在するにも関わらず、パチンコ機10が第3特別遊技状態(16R)よりも不利な第2特別遊技状態(7R)に移行してしまうといった事態が発生する場合がある。これに対して、本実施形態では、第2検出時間T2が第3検出時間T3よりも長くなるように構成されているので、第3特典入球口VH3に入球した遊技球が存在するにも関わらず、パチンコ機10が第2特別遊技状態(7R)に移行してしまうといった事態の発生を抑制することができる。この結果、複数の遊技球が確定入球口VHに入球した場合における遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、ここでいう平均時間は、遊技球を確定入球口VHに入球させ、各検出センサーS1,S2,S3によって遊技球が検出されるまでに要する時間を複数回計測して平均を算出することによって求めることができる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置80と、表示制御装置90とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されたMPU62を備えている。
MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。
主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球(入賞)をそれぞれ検出する入賞検出センサー67a〜67gと、遊技球のセンター役物100への入球を検出する入球検出センサー104a、104bと、遊技球の特別経路SRの通過を検出する通過検出センサー107と、遊技球の確定入球口VHへの入球を検出するV検出センサー108と、遊技球の各特定領域の通過を検出する第1〜第3検出センサーS1〜S3と、電源装置70とが接続されている。
各入賞検出センサー67a〜67gは、役物外遊技領域PA1に配置された一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34にそれぞれ設けられており、MPU62は、これらのセンサーからの信号に基づいて、役物外遊技領域PA1を流下する遊技球が各入賞口や始動口に入賞(入球)したか否かの入賞判定を行なう。
入球検出センサー104a、104b、通過検出センサー107、V検出センサー108および第1〜第3検出センサーS1〜S3は、センター役物100の内部の役物内遊技領域PA2に設けられており、MPU62は、これらのセンサーからの信号に基づいて、遊技球が所定の箇所を通過したか否かの判定を行なう。
電源装置70は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や後述する払出制御装置71等が必要な動作電力に変換するとともに、各装置に電力を供給する。具体的には、例えば、電源装置70は、直流安定24Vの電源をMPU62に供給する。
主制御基板61の出力側には、払出制御装置71が接続されている。主制御装置60は、払出制御装置71に対して、入賞判定結果に基づいた賞球コマンドを送信する。
払出制御装置71は、主制御装置60から送信された賞球コマンドを受信するとともに、受信した賞球コマンドに基づいて払出装置72を制御して、賞球の払出を行う。払出制御装置71には、発射制御装置73が接続されている。発射制御装置73は、遊技球発射機構74の発射制御を行う。遊技球発射機構74は、所定の発射条件が整っている場合に駆動され、遊技球を遊技盤30に発射する。
主制御基板61の出力側には、さらに、センター役物100の羽根部材102a、102bを開閉動作させる羽根駆動装置76と、センター役物100内の各種装置を駆動させる駆動装置77と、表示ユニット45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動装置の制御を実行する。具体的には、例えば、第1始動口33または第2始動口34への遊技球の入球が検出されると、MPU62は、羽根部材102a、102bが開閉されるように羽根駆動装置76の制御を実行する。
主制御基板61の出力側には、さらに、音声発光制御装置80が接続されている。主制御装置60は、音声発光制御装置80に対して、各種コマンドを送信する。
音声発光制御装置80は、音声発光制御基板81を備えている。音声発光制御基板81は、複数の機能を有する素子によって構成されたMPU82を備えている。MPU82は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM83と、ROM83内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84とを備えている。音声発光制御装置80は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信するとともに、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。例えば、音声発光制御装置80は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置90の制御を行う。また、音声発光制御装置80には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置90等の制御を行う。
表示制御装置90は、音声発光制御装置80から送信された各種コマンドを受信するとともに、受信した各種コマンドに基づいて、表示装置91の表示制御を実行する。
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される演出について説明する。
本実施形態では、入球検出センサー104aから経路振分機構110までの距離と、入球検出センサー104bから経路振分機構110までの距離とは同じである(図3)。したがって、一の遊技球が入球検出センサー104aを通過したタイミングと、他の遊技球が入球検出センサー104bを通過したタイミングとの時間的間隔が0.5秒以下である場合に、当該一の遊技球および当該他の遊技球が経路振分機構110によって特別経路SRに振分けられる可能性がある。
そこで、本実施形態のMPU62は、入球検出センサー104aによって遊技球が検出されたタイミングと、入球検出センサー104bによって遊技球が検出されたタイミングとの時間的間隔が0.5秒以下であるか否かを判定するとともに、当該時間的間隔が0.5秒以下であると判定した場合には、演出実行手段としての各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に、遊技者にとって有利な状況となる可能性のあることを示唆する演出を実行させる。本実施形態では、MPU62は、各種ランプ47を点滅させるとともに、「注目!!」といった文字を表示装置91に表示させ、当該文字に対応した音声をスピーカー46に出力させる。ただし、MPU62が演出実行手段に実行させる演出は、他の態様であってもよい。
したがって、本実施形態によれば、遊技球が特別経路SRに振分けられるという有利な状況となる可能性のあることを遊技者に示唆することができ、遊技者の遊技に対する注目度を向上させることができる。
なお、一の遊技球が入球検出センサー104aを通過したタイミングと、他の遊技球が入球検出センサー104bを通過したタイミングとの時間的間隔である0.5秒という時間は、後述する経路振分機構110の特性によって適宜変更することができる。
また、本実施形態のMPU62は、通過検出センサー107によって遊技球が検出された場合、すなわち、遊技球が特別経路SRに振分けられた場合には、遊技者にとって有利な状況となっていることを示唆する演出を、演出実行手段としての各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に実行させる。本実施形態では、MPU62は、各種ランプ47を点滅させるとともに、「期待大!!」といった文字を表示装置91に表示させ、当該文字に対応した音声をスピーカー46に出力させる。ただし、MPU62が演出実行手段に実行させる演出は、他の態様であってもよい。
また、本実施形態のMPU62は、V検出センサー108によって遊技球が検出された場合、すなわち、確定入球口VHに遊技球が入球した場合には、特別遊技状態への移行が確定した旨を示唆する演出を、演出実行手段としての各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に実行させる。本実施形態では、MPU62は、各種ランプ47を点滅させるとともに、「V入賞!!」といった文字や映像を表示装置91に表示させ、当該文字や当該映像に対応した音声をスピーカー46に出力させる。ただし、MPU62が演出実行手段に実行させる演出は、他の態様であってもよい。
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される異常の報知について説明する。
上述したように、本実施形態では、一の遊技球が入球検出センサー104a(図3)を通過したタイミングと、他の遊技球が入球検出センサー104bを通過したタイミングとの時間的間隔が0.5秒以下である場合に、当該一の遊技球および当該他の遊技球が特別経路SRに振分けられ、特別経路SRに設けられた通過検出センサー107によって検出される可能性がある。
しかし、入球検出センサー104a、104bをそれぞれ通過した一の遊技球および他の遊技球の時間的間隔が0.5秒以下ではないにも関わらず通過検出センサー107によって遊技球が検出された場合には、経路振分機構110に不具合が発生している可能性や、遊技者によって不正が行なわれている可能性がある。経路振分機構110の不具合としては、例えば、後述する経路振分機構110の回転軸113の固着等が考えられる。
そこで、本実施形態のMPU62は、入球検出センサー104aによって遊技球が検出されたタイミングと、入球検出センサー104bによって遊技球が検出されたタイミングとの時間的間隔が0.5秒以下であるか否かを判定するとともに、当該時間的間隔が0.5秒以下であると判定した場合には、条件成立フラグを2.5秒間ONにする。
条件成立フラグがONである2.5秒の間に通過検出センサー107によって遊技球が検出された場合には、異常が発生している可能性は低いため、MPU62は、後述する報知は実行しないと判定する。
なお、条件成立フラグをONにする期間が2.5秒に設定されている理由は、本実施形態では、遊技球が入球検出センサー104aを通過してから通過検出センサー107を通過するまでに要する時間は1.5秒程度であり、遊技球が入球検出センサー104bを通過してから通過検出センサー107を通過するまでに要する時間は、2.0秒程度だからである。
一方、条件成立フラグがONではない期間中に通過検出センサー107によって遊技球が検出された場合、すなわち、入球検出センサー104aによって遊技球が検出されたタイミングと、入球検出センサー104bによって遊技球が検出されたタイミングとの時間的間隔が0.5秒以下ではないにも関わらず通過検出センサー107によって遊技球が検出された場合には、異常が発生している可能性があるため、MPU62は、報知手段としての各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に、経路振分機構110に不具合が発生している可能性があることや、遊技者による不正が行なわれている可能性があることを報知させる。本実施形態では、MPU62は、各種ランプ47を点滅させるとともに、「異常検知」といった文字を表示装置91に表示させ、当該文字に対応した音声をスピーカー46に出力させる。ただし、MPU62が報知手段に実行させる報知は、他の態様であってもよい。また、パチンコ機10がホールコンピューターに接続されている場合には、MPU62は、異常が発生していることを示す信号を当該ホールコンピューターに出力する。当該信号を受信したホールコンピューターは、パチンコ機10に異常が発生したことを、当該ホールコンピューターに接続されている報知手段としての表示装置やスピーカー等に報知させる。
したがって、本実施形態によれば、経路振分機構110に不具合が発生している可能性があることや、遊技者によって不正が行なわれている可能性があることを、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91等によって報知するので、健全な遊技を担保することができる。
また、本実施形態では、センター役物100は、V検出センサー108によって遊技球が検出されてから30秒以内に第1〜第3検出センサーS1〜S3のいずれかに遊技球が検出されるように構成されている。このため、V検出センサー108によって遊技球が検出されてから30秒以内に第1〜第3検出センサーS1〜S3のいずれにも遊技球が検出されなかった場合には、V検出センサー108から第1〜第3検出センサーS1〜S3に至る経路のいずれかの箇所で遊技球が詰まる異常が発生している可能性がある。
そこで、本実施形態のMPU62は、V検出センサー108によって遊技球が検出されてから30秒以内に第1〜第3検出センサーS1〜S3のいずれにも遊技球が検出されなかった場合には、報知手段としての各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に、異常が発生している可能性があることを報知させる。本実施形態では、MPU62は、各種ランプ47を点滅させるとともに、「異常検知」といった文字を表示装置91に表示させ、当該文字に対応した音声をスピーカー46に出力させる。ただし、MPU62が報知手段に実行させる報知は、他の態様であってもよい。また、パチンコ機10がホールコンピューターに接続されている場合には、MPU62は、異常が発生していることを示す信号を当該ホールコンピューターに出力する。当該信号を受信したホールコンピューターは、パチンコ機10に異常が発生したことを、当該ホールコンピューターに接続されている報知手段としての表示装置やスピーカー等に報知させる。
図5は、経路振分機構110の構成および挙動を示す説明図である。図5(a)に示すように、経路振分機構110は、線対称な形状(本実施形態では、二等辺三角形)として構成されており、第1振分部111と、第2振分部112と、当該経路振分機構110を回転可能な状態で支持する回転軸113とを備えている。
図5(b)に示すように、第1振分部111に一の遊技球PB1が到達するのと同時に他の遊技球PB2が第2振分部112に到達した場合には、経路振分機構110の回転軸113を中心とした回転が抑制されることによって、第1振分部111は、当該一の遊技球PB1を第1特別経路SR1に振分け、第2振分部112は、当該他の遊技球PB2を第2特別経路SR2に振分ける。
なお、一の遊技球PB1と他の遊技球PB2が到達するタイミングが同時でなくても、第1振分部111に一の遊技球PB1が到達し、経路振分機構110が回転軸113を中心として反時計回りに40度以上回転し、第1振分部111から当該一の遊技球が離れて落下するより前に、他の遊技球PB2が第2振分部112に到達した場合には、経路振分機構110の回転軸113を中心とした40度以上の回転が抑制される。この結果、第1振分部111は、当該一の遊技球PB1を第1特別経路SR1に振分け、第2振分部112は、当該他の遊技球PB2を第2特別経路SR2に振分ける。第2振分部112に一の遊技球PB1が到達し、経路振分機構110が回転軸113を中心として時計回りに40度以上回転し、第2振分部112から当該一の遊技球が離れて落下するより前に、他の遊技球PB2が第1振分部111に到達した場合についても同様である。
なお、本実施形態では、第1振分部111に一の遊技球PB1が到達してから、経路振分機構110が回転軸113を中心として反時計回りに40度まで回転するのに要する時間は、0.5秒である。第2振分部112に一の遊技球PB1が到達してから、経路振分機構110が回転軸113を中心として時計回りに40度まで回転するのに要する時間も、同様に0.5秒である。この0.5秒という時間は、経路振分機構110の重さや、回転軸113の回転抵抗、第1振分部111や第2振分部112の形状等を変更することによって適宜変更することができる。
一方、図5(c)に示すように、第1振分部111に一の遊技球PB1が到達し、経路振分機構110が回転軸113を中心として反時計回りに40度以上回転するより前に、他の遊技球が第2振分部112に到達しなかった場合には、当該一の遊技球PB1の重量または衝撃によって経路振分機構110が回転軸113を中心として40度以上回転し、第1振分部111から当該一の遊技球が離れて通常経路NRに落下する。換言すれば、第1振分部111は、当該一の遊技球PB1を通常経路NRに振分ける。同様に、第2振分部112に一の遊技球PB1が到達し、経路振分機構110が回転軸113を中心として時計回りに40度以上回転するより前に、他の遊技球が第1振分部111に到達しなかった場合には、当該一の遊技球PB1の重量または衝撃によって経路振分機構110が回転軸113を中心として40度以上回転し、第2振分部112から当該一の遊技球が離れて通常経路NRに落下する。換言すれば、第2振分部112は、当該一の遊技球PB1を通常経路NRに振分ける。
なお、本実施形態では、経路振分機構110の回転範囲を規制する規制部材114が設けられており、経路振分機構110の回転は、時計回り及び反時計回りにそれぞれ45度の範囲に規制されている。したがって、経路振分機構110が一回転してしまうことを抑制することができ、例えば、経路振分機構110が180度回転した状態で停止してしまうことを抑制することができる。ただし、規制部材114を省略し、経路振分機構110が一回転可能な構成であってもよい。
このように、本実施形態の経路振分機構110によれば、遊技球を特別経路SRまたは通常経路NRに振分ける機能を、後述する重量センサーやアクチュエーターを用いて実現する構成(第7実施形態)に比べて、簡易な構成によって実現することができる。
図6は、特典振分機構の構成の一例を示す説明図である。図6(a)は、第1特典振分機構140の構成の一例を上方から示す説明図である。第1特典振分機構140は、隔壁142によって4つの領域に分割された回転体141を備えている。本実施形態では、回転体141は、パチンコ機10の電源が投入されると、20秒で1回転する回転速度で回転を開始する。4つの領域のそれぞれは、1つの遊技球のみが入球可能な大きさであり、4つの領域のうちの2つの領域は、第1特典入球口VH1として機能し、残りの2つの領域は、特典昇格入球口UHとして機能する。
図6(a)に示すように、第1特典振分機構140に到達した遊技球は、第1特典入球口VH1と特典昇格入球口UHのいずれかに入球することになる。特典昇格入球口UHに遊技球が入球すると、当該遊技球は、開口部からそのまま下方に落下し、第2特典振分機構160へと続く経路に案内される。一方、第1特典入球口VH1に遊技球が入球すると、当該遊技球は、回転体141の回転に伴って隔壁144の裏側まで移動した後、第1特典入球口VH1の底部に設けられた排出機構146が上昇することによって押し出され、第1特定領域VZ1へと続く経路に案内される。
本実施形態では、第1特典入球口VH1は、一の遊技球が入球した後、当該遊技球が回転体141の回転に伴って隔壁144の裏側に移動するまでの期間、他の遊技球が入球しないように構成されている。したがって、例えば、羽根部材102a、102bの1回の開放中に複数の遊技球がセンター役物100に入球し、当該複数の遊技球のうち2つの遊技球が確定入球口VHに入球して第1特典振分機構140に到達した場合において、当該2つの遊技球の両方が第1特典入球口VH1に入球してしまうといった事態の発生を抑制することができる。この結果、2つの遊技球が第1特典振分機構140に到達した場合に、当該2つの遊技球の両方が有利度の高い特典昇格入球口UHに入球するといった期待感を遊技者に付与しつつ、仮に1つの遊技球が第1特典入球口VH1に入球した場合であっても、もう1つの遊技球はほぼ確実に有利度の高い特典昇格入球口UHに入球するといった期待感を遊技者に付与することができる。
図6(b)は、第2特典振分機構160の構成の一例を上方から示す説明図である。本実施形態では、第2特典振分機構160は、第1特典振分機構140と同様の構成を有している。具体的には、第2特典振分機構160は、隔壁162によって4つの領域に分割された回転体161を備えている。本実施形態では、回転体161は、パチンコ機10の電源が投入されると、20秒で1回転する回転速度で回転を開始する。4つの領域のそれぞれは、1つの遊技球のみが入球可能な大きさであり、4つの領域のうちの2つの領域は、第2特典入球口VH2として機能し、残りの2つの領域は、第3特典入球口VH3として機能する。
図6(b)に示すように、第2特典振分機構160に到達した遊技球は、第2特典入球口VH2と第3特典入球口VH3のいずれかに入球することになる。第3特典入球口VH3に遊技球が入球すると、当該遊技球は、開口部からそのまま下方に落下し、第3特定領域VZ3へと続く経路に案内される。一方、第2特典入球口VH2に遊技球が入球すると、当該遊技球は、回転体161の回転に伴って隔壁164の裏側まで移動した後、第2特典入球口VH2の底部に設けられた排出機構166が上昇することによって押し出され、第2特定領域VZ2へと続く経路に案内される。
本実施形態では、第2特典振分機構160の第2特典入球口VH2は、一の遊技球が入球した後、当該遊技球が回転体161の回転に伴って隔壁164の裏側に移動するまでの期間、他の遊技球が入球しないように構成されている。したがって、例えば、羽根部材102a、102bの1回の開放中に複数の遊技球がセンター役物100に入球し、当該複数の遊技球のうち2つの遊技球が確定入球口VHに入球するとともに、当該2つの遊技球が第1特典振分機構140の特典昇格入球口UHに入球して第2特典振分機構160に到達した場合において、当該2つの遊技球の両方が第2特典入球口VH2に入球してしまうといった事態の発生を抑制することができる。この結果、2つの遊技球が第2特典振分機構160に到達した場合には、少なくとも1つの遊技球が第3特典入球口VH3に入球することがほぼ確定するので、2つ以上の遊技球が特典昇格入球口UHに入球した場合に、非常に高い期待感を遊技者に付与することができる。
このように、本実施形態では、確定入球口VHに2つの遊技球が入球すると、第2特別遊技状態(7R)以上の特別遊技状態に移行することがほぼ確定し、3つ以上の遊技球が入球すると、第3特別遊技状態(16R)に移行することがほぼ確定する。したがって、確定入球口VHに複数の遊技球が入球することに対する遊技者の期待感を好適に向上させることができる。
また、本実施形態では、遊技球が確定入球口VHに入球して特典の付与が確定した後、遊技球が入球する入球口の種別に応じて、付与される特典の種別が段階的に決定される。したがって、段階的に特典の種別が決定されるという遊技を遊技者に対して提供することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
図7は、遅延機構の構成の一例を示す説明図である。図7(a)は、第1遅延機構D1の構成の一例を示す説明図である。第1遅延機構D1は、円筒状の円筒部材171と、当該円筒部材171を回転させる駆動部172とを備えている。円筒部材171の内部には、遊技球を円筒部材171に吸着させる磁性部材173が設けられている。本実施形態では、円筒部材171は、パチンコ機10の電源が投入されると、25秒で1回転する回転速度で回転を開始する。
円筒部材171に到達した遊技球は、円筒部材171の内部の磁性部材173によって円筒部材171に吸着され、円筒部材171の回転とともに移動した後、次の経路に進む。本実施形態では、遊技球が第1遅延機構D1の円筒部材171に到達してから次の経路に進むまでに、20秒程度の時間を要することになる。
図7(b)は、第2遅延機構D2の構成の一例を示す説明図である。第2遅延機構D2は、距離の長い蛇行経路として構成されている。本実施形態では、遊技球が第2遅延機構D2に到達し、蛇行経路を通過し終えて次の経路に進むまでに、10秒程度の時間を要することになる。
本実施形態では、第1特典振分機構140および第2特典振分機構160において遊技球が滞在する平均時間は、それぞれ5秒程度である。したがって、以上のように構成された遅延機構D1、D2によれば、第1検出時間T1は25秒程度、第2検出時間T2は20秒程度、第3検出時間T3は10秒程度となり、T1>T2>T3という条件が満たされることになる。
なお、図7を用いて遅延機構の構成の一例を示したが、遊技球が検出センサーによって検出される位置に到達するのを遅延させる構成であれば、遅延機構の構成は、これらに限定されず、他の構成であってもよい。
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置80において実行される処理について説明する。
主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図8は、主制御装置60のMPU62において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(本実施形態では2msec周期)に起動される。
ステップS101では、各種検出センサーの読み込み処理を実行する。具体的には、主制御装置60に接続されている各種検出センサー67a〜67g、104a、104b、107、108、S1〜S3の状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して遊技球の検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS102に進む。
ステップS102では、第1始動口33及び第2始動口34への入球(入賞)に伴う始動口用の入賞処理を実行する。具体的には、第1始動口33への遊技球の入球を検出した場合には、羽根部材102a、102bを1回開放するための処理を実行する。また、第2始動口34への遊技球の入球を検出した場合には、羽根部材102a、102bを2回開放するための処理を実行する。ステップS102を実行した後、ステップS103に進む。
ステップS103では、第1検出処理を実行する。第1検出処理は、入球検出センサー104a、104b及び通過検出センサー107の検出情報に基づいた処理である。第1検出処理の詳細については後述する。ステップS103を実行した後、ステップS104に進む。
ステップS104では、第2検出処理を実行する。第2検出処理は、V検出センサー108、第1〜第3検出センサーS1〜S3の検出情報に基づいた処理である。第2検出処理の詳細については後述する。ステップS104を実行した後、ステップS105に進む。
ステップS105では、各種タイマカウンタのダウンカウント処理を実行する。具体的には、各種タイマカウンタの値から1を減算するとともに、各種タイマカウンタの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。ステップS105を実行した後、ステップS106に進む。
ステップS106では、入出球数監視処理を実行する。具体的には、センター役物100の内部に入球した遊技球の個数と、センター役物100の内部から出球した遊技球の個数とをカウントし、これらの個数の差が異常値(例えば、10個)に到達した場合には、センター役物100の内部のいずれかの箇所で遊技球が詰まったり、遊技者による不正が行なわれている可能性があるため、異常を報知する処理を実行する。ステップS106を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<第1検出処理>
次に、第1検出処理について説明する。第1検出処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図8:S103)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図9は、第1検出処理を示すフローチャートである。以下、第1検出処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS201では、入球検出センサー104aの検出情報があるか否かを判定する。入球検出センサー104aの検出情報があると判定した場合には(S201:YES)、ステップS202に進み、RAM64の検出AフラグをONにする。検出Aフラグは、入球検出センサー104aによって遊技球が検出された場合にONになるフラグである。ステップS202を実行した後、ステップS203に進む。
ステップS203では、RAM64のタイマカウンタTaに250をセットする。タイマカウンタTaは、入球検出センサー104aによって遊技球が検出されてからの経過時間を計測するためのカウンタであり、上述したステップS105の各種タイマカウントのダウンカウント処理においてダウンカウントされる。本実施形態では、上述したタイマ割込み処理は、2msec毎に起動するので、「250」は、「0.5秒」を意味する。ステップS203を実行した後、ステップS204に進む。
一方、ステップS201において、入球検出センサー104aの検出情報がないと判定した場合には(S201:NO)、ステップS202及びステップS203を実行することなく、ステップS204に進む。
ステップS204では、タイマカウンタTaが0であるか否かを判定する。タイマカウンタTaが0であると判定した場合には(S204:YES)、ステップS205に進み、検出AフラグをOFFにする。ステップS205を実行した後、ステップS206に進む。一方、ステップS204において、タイマカウンタTaが0ではないと判定した場合には(S204:NO)、ステップS205を実行することなく、ステップS206に進む。すなわち、本実施形態では、検出Aフラグは、入球検出センサー104aによって遊技球が検出されるとONになり、検出されてから0.5秒が経過するとOFFになるフラグである。
ステップS206では、入球検出センサー104bの検出情報があるか否かを判定する。入球検出センサー104bの検出情報があると判定した場合には(S206:YES)、ステップS207に進み、RAM64の検出BフラグをONにする。検出Bフラグは、入球検出センサー104bによって遊技球が検出された場合にONになるフラグである。ステップS207を実行した後、ステップS208に進む。
ステップS208では、RAM64のタイマカウンタTbに250をセットする。タイマカウンタTbは、入球検出センサー104bによって遊技球が検出されてからの経過時間を計測するためのカウンタであり、上述したステップS105(図8)の各種タイマカウントのダウンカウント処理においてダウンカウントされる。本実施形態では、上述したタイマ割込み処理は、2msec毎に起動するので、「250」は、「0.5秒」を意味する。ステップS208を実行した後、ステップS209に進む。
一方、ステップS206において、入球検出センサー104bの検出情報がないと判定した場合には(S206:NO)、ステップS207及びステップS208を実行することなく、ステップS209に進む。
ステップS209では、タイマカウンタTbが0であるか否かを判定する。タイマカウンタTbが0であると判定した場合には(S209:YES)、ステップS210に進み、検出BフラグをOFFにする。ステップS210を実行した後、ステップS211に進む。一方、ステップS209において、タイマカウンタTbが0ではないと判定した場合には(S209:NO)、ステップS210を実行することなく、ステップS211に進む。すなわち、本実施形態では、検出Bフラグは、入球検出センサー104bによって遊技球が検出されるとONになり、検出されてから0.5秒が経過するとOFFになるフラグである。
ステップS211では、検出AフラグがONであり、かつ、検出BフラグがONであるか否かを判定する。検出AフラグがONであり、かつ、検出BフラグがONであると判定した場合には(S211:YES)、ステップS212に進み、RAM64の条件成立フラグをONにする。すなわち、条件成立フラグは、入球検出センサー104aによって遊技球が検出されてから0.5秒以内に入球検出センサー104bによって遊技球が検出された場合、又は、入球検出センサー104bによって遊技球が検出されてから0.5秒以内に入球検出センサー104aによって遊技球が検出された場合にONになるフラグである。ステップS212を実行した後、ステップS213に進む。
ステップS213では、RAM64のタイマカウンタTxに1250をセットする。タイマカウンタTxは、条件成立フラグがONになってからの経過時間を計測するためのカウンタであり、上述したステップS105(図8)の各種タイマカウントのダウンカウント処理においてダウンカウントされる。本実施形態では、上述したタイマ割込み処理は、2msec毎に起動するので、「1250」は、「2.5秒」を意味する。ステップS213を実行した後、ステップS214に進む。
ステップS214では、条件成立コマンドを設定する。条件成立コマンドは、入球検出センサー104aによって遊技球が検出されてから0.5秒以内に入球検出センサー104bによって遊技球が検出されたこと、又は、入球検出センサー104bによって遊技球が検出されてから0.5秒以内に入球検出センサー104aによって遊技球が検出されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置80に認識させるための情報を含むコマンドであり、後述する通常処理のコマンド出力処理(図11:ステップS402)によって、音声発光制御装置80に送信される。ステップS214を実行した後、ステップS215に進む。
一方、ステップS211において、検出Aフラグ及び検出Bフラグの少なくとも一方がOFFであると判定した場合には(S211:NO)、ステップS212〜ステップS214を実行することなく、ステップS215に進む。
ステップS215では、タイマカウンタTxが0であるか否かを判定する。タイマカウンタTxが0であると判定した場合には(S215:YES)、ステップS216に進み、条件成立フラグをOFFにする。その後、ステップS217に進む。一方、ステップS215において、タイマカウンタTxが0ではないと判定した場合には(S215:NO),ステップS216を実行することなく、ステップS217に進む。
ステップS217では、通過検出センサー107の検出情報があるか否かを判定する。通過検出センサー107の検出情報があると判定した場合には(S217:YES)、ステップS218に進み、条件成立フラグがONであるか否かを判定する。条件成立フラグがONであると判定した場合には(S218:YES)、ステップS219に進む。
ステップS219では、通過検出コマンドを設定する。通過検出コマンドは、条件成立フラグがONである期間中に通過検出センサー107によって遊技球が検出されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置80に認識させるための情報を含むコマンドであり、後述する通常処理のコマンド出力処理(図11:ステップS402)によって、音声発光制御装置80に送信される。ステップS219を実行した後、本第1検出処理を終了する。
一方、ステップS218において、条件成立フラグがONではないと判定した場合には(S218:NO)、ステップS220に進む。
ステップS220では、第1異常検知コマンドを設定する。第1異常検知コマンドは、異常が発生した可能性があることをサブ側の制御装置である音声発光制御装置80に認識させるための情報を含むコマンドであり、後述する通常処理のコマンド出力処理(図11:ステップS402)によって、音声発光制御装置80に送信される。ステップS220を実行した後、本第1検出処理を終了する。第1異常検知コマンドを設定する理由は、上述したように、条件成立フラグがONではない期間中に通過検出センサー107によって遊技球が検出された場合、すなわち、入球検出センサー104aによって遊技球が検出されたタイミングと、入球検出センサー104bによって遊技球が検出されたタイミングとの時間的間隔が0.5秒以下ではないにも関わらず通過検出センサー107によって遊技球が検出された場合には、異常が発生している可能性があるからである。
一方、ステップS217において通過検出センサー107の検出情報がないと判定した場合には(S217:NO)、ステップS218からステップS220を実行することなく、本第1検出処理を終了する。
<第2検出処理>
次に、第2検出処理について説明する。第2検出処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図8:S104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図10は、第2検出処理を示すフローチャートである。以下、第2検出処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS301では、V検出センサー108の検出情報があるか否かを判定する。V検出センサー108の検出情報があると判定した場合には(S301:YES)、ステップS302に進み、RAM64のV検出フラグをONにする。V検出フラグは、V検出センサー108によって遊技球が検出された場合にONになるフラグである。ステップS302を実行した後、ステップS303に進む。
ステップS303では、タイマカウンタTvに15000をセットする。タイマカウンタTvは、V検出フラグがONになってからの経過時間を計測するためのカウンタであり、上述したステップS105(図8)の各種タイマカウントのダウンカウント処理においてダウンカウントされる。本実施形態では、上述したタイマ割込み処理は、2msec毎に起動するので、「15000」は、「30.0秒」を意味する。ステップS303を実行した後、ステップS304に進む。
ステップS304では、V検出コマンドを設定する。V検出コマンドは、V検出センサー108によって遊技球が検出されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置80に認識させるための情報を含むコマンドであり、後述する通常処理のコマンド出力処理(図11:ステップS402)によって、音声発光制御装置80に送信される。ステップS304を実行した後、ステップS305に進む。
一方、ステップS301において、V検出センサー108の検出情報がないと判定した場合には(S301:NO)、ステップS302からステップS304を実行することなく、ステップS305に進む。
ステップS305では、V検出フラグがONであるか否かを判定する。V検出フラグがONであると判定した場合には(S305:YES)、ステップS306に進み、タイマカウンタTvが0であるか否かを判定する。タイマカウンタTvが0であると判定した場合には(S306:YES)、ステップS307に進む。
ステップS307では、第2異常検知コマンドを設定する。第2異常検知コマンドは、異常が発生した可能性があることをサブ側の制御装置である音声発光制御装置80に認識させるための情報を含むコマンドであり、後述する通常処理のコマンド出力処理(図11:ステップS402)によって、音声発光制御装置80に送信される。ステップS307を実行した後、ステップS308に進む。第2異常検知コマンドを設定する理由については後述する。
一方、ステップS305において、V検出フラグがONではないと判定した場合(S305:NO)及びステップS306においてタイマカウンタTvが0ではないと判定した場合には(S306:NO)、ステップS307を実行することなく、ステップS308に進む。
ステップS308では、第1検出センサーS1の検出情報があるか否かを判定する。第1検出センサーS1の検出情報があると判定した場合には(S308:YES)、ステップS309に進み、第1〜第3検出フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。第1〜第3検出フラグの全てがOFFであると判定した場合には(S309:NO)、ステップS310に進む。
ステップS310では、RAM64の第1検出フラグをONにする。第1検出フラグは、第1検出センサーS1によって遊技球が検出された場合にONになるフラグである。ステップS310を実行した後、ステップS311に進む。
ステップS311では、第1検出コマンドを設定する。第1検出コマンドは、第1検出センサーS1によって遊技球が検出されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置80に認識させるための情報を含むコマンドであり、後述する通常処理のコマンド出力処理(図11:ステップS402)によって、音声発光制御装置80に送信される。ステップS311を実行した後、ステップS312に進む。
ステップS312では、V検出フラグをOFFにする。すなわち、V検出フラグは、V検出センサー108によって遊技球が検出された場合にONになり、第1検出センサーS1によって遊技球が検出された場合にOFFになるフラグである。また、後述するように、V検出フラグは、第2検出センサーS2によって遊技球が検出された場合及び第3検出センサーS3によって遊技球が検出された場合にもOFFになる。ステップS312を実行した後、ステップS313に進む。
一方、ステップS308において第1検出センサーS1の検出情報がないと判定した場合(S308:NO)及びステップS309において第1〜第3検出フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S309:YES)、ステップS310からステップS312を実行することなく、ステップS313に進む。
ステップS313では、第2検出センサーS2の検出情報があるか否かを判定する。第2検出センサーS2の検出情報があると判定した場合には(S313:YES)、ステップS314に進み、第1〜第3検出フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。第1〜第3検出フラグの全てがOFFであると判定した場合には(S314:NO)、ステップS315に進む。
ステップS315では、RAM64の第2検出フラグをONにする。第2検出フラグは、第2検出センサーS2によって遊技球が検出された場合にONになるフラグである。ステップS315を実行した後、ステップS316に進む。
ステップS316では、第2検出コマンドを設定する。第2検出コマンドは、第2検出センサーS2によって遊技球が検出されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置80に認識させるための情報を含むコマンドであり、後述する通常処理のコマンド出力処理(図11:ステップS402)によって、音声発光制御装置80に送信される。ステップS316を実行した後、ステップS317に進む。
ステップS317では、V検出フラグをOFFにする。上述したように、V検出フラグは、V検出センサー108によって遊技球が検出された場合にONになり、第1〜第3検出センサーS1〜S3のいずれかによって遊技球が検出された場合にOFFになるフラグである。ステップS317を実行した後、ステップS318に進む。
一方、ステップS313において第2検出センサーS2の検出情報がないと判定した場合(S313:NO)及びステップS314において第1〜第3検出フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S314:YES)、ステップS315からステップS317を実行することなく、ステップS318に進む。
ステップS318では、第3検出センサーS3の検出情報があるか否かを判定する。第3検出センサーS3の検出情報があると判定した場合には(S318:YES)、ステップS319に進み、第1〜第3検出フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。第1〜第3検出フラグの全てがOFFであると判定した場合には(S319:NO)、ステップS320に進む。
ステップS320では、RAM64の第3検出フラグをONにする。第3検出フラグは、第3検出センサーS3によって遊技球が検出された場合にONになるフラグである。ステップS320を実行した後、ステップS321に進む。
ステップS321では、第3検出コマンドを設定する。第3検出コマンドは、第3検出センサーS3によって遊技球が検出されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置80に認識させるための情報を含むコマンドであり、後述する通常処理のコマンド出力処理(図11:ステップS402)によって、音声発光制御装置80に送信される。ステップS321を実行した後、ステップS322に進む。
ステップS322では、V検出フラグをOFFにする。上述したように、V検出フラグは、V検出センサー108によって遊技球が検出された場合にONになり、第1〜第3検出センサーS1〜S3のいずれかによって遊技球が検出された場合にOFFになるフラグである。ステップS322を実行した後、本第2検出処理を終了する。
一方、ステップS318において第3検出センサーS3の検出情報がないと判定した場合(S318:NO)及びステップS319において第1〜第3検出フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S319:YES)、ステップS320からステップS322を実行することなく、本第2検出処理を終了する。
ここで、第2検出処理のステップS307において第2異常検知コマンドを設定する理由について説明する。V検出センサー108によって遊技球が検出されてV検出フラグがONになった後30秒が経過しても第1〜第3検出センサーS1〜S3のいずれにも遊技球が検出されずにV検出フラグがOFFにならなかった場合には、V検出センサー108から第1〜第3検出センサーS1〜S3に至る経路のいずれかの箇所で遊技球が詰まる異常が発生している可能性があるからである。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、パチンコ機10の電源投入に伴って主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。
図11は、主制御装置60のMPU62において実行される通常処理を示すフローチャートである。以下、通常処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS401では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定、センター役物100の内部の各種装置の初期動作処理などが実行される。その後、ステップS402に進む。
ステップS402では、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の音声発光制御装置80や払出制御装置71等に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置71に対して送信する。また、V検出コマンド等の演出に関するコマンドや、異常検知コマンド等が設定されている場合には、それらを音声発光制御装置80に対して送信する。ステップS402を実行した後、ステップS403に進む。
ステップS403では、払出制御装置71から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む処理を実行する。その後、ステップS404に進む。
ステップS404では、羽根部材102a、102bを開閉させるための処理を実行する。具体的には、第1始動口33への遊技球の入球を検出した場合には、羽根部材102a、102bを1回開放させるための処理を実行し、第2始動口34への遊技球の入球を検出した場合には、羽根部材102a、102bを2回開放させるための処理を実行するとともに、表示ユニット45の表示制御などを実行する。ステップS404を実行した後、ステップS405に進む。
ステップS405では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。具体的には、第1検出フラグがONの場合には、第1特別遊技状態(3R)に移行させるための処理を実行するとともに、第1検出フラグをOFFにする。第2検出フラグがONの場合には、第2特別遊技状態(7R)に移行させるための処理を実行するとともに、第2検出フラグをOFFにする。第3検出フラグがONの場合には、第3特別遊技状態(16R)に移行させるための処理を実行するとともに、第3検出フラグをOFFにする。ステップS405を実行した後、ステップS402に戻り、ステップS402からステップS405までの各処理を繰り返し実行する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
次に、音声発光制御装置80のMPUによって実行されるタイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行される。
図12は、音声発光制御装置80のMPU82において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS501では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理は、主制御装置60のMPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音声発光制御装置80のRAM84に格納するための処理である。音声発光制御装置80のRAM84には、主制御装置60のMPU62から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主制御装置60のMPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次格納されるとともに、格納された順序に従って順次読み出される。ステップS501を実行した後、ステップS502に進む。
ステップS502では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS502を実行した後、ステップS503に進む。
ステップS503では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS502のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS503を実行した後、ステップS504に進む。
ステップS504では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS502のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS504を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図12:S502)として音声発光制御装置80のMPU82によって実行される。
図13は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主制御装置60のMPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS601では、条件成立コマンドを受信しているか否かを判定する。条件成立コマンドを受信していると判定した場合には(S601:YES)、ステップS602に進み、条件成立コマンド対応処理を実行する。
条件成立コマンド対応処理では、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に、遊技者にとって有利な状況となる可能性のあることを示唆する演出を実行させるための処理を実行する。本実施形態では、「注目!!」といった文字を表示装置91に表示させるためのコマンドを表示制御装置90に送信するとともに、各種ランプ47を点滅させ、「注目!!」といった文字に対応した音声をスピーカー46に出力させるための処理を実行する。ステップS602を実行した後、ステップS603に進む。一方、ステップS601において、条件成立コマンドを受信していないと判定した場合には(S601:NO)、ステップS602を実行することなく、ステップS603に進む。
ステップS603では、通過検出コマンドを受信しているか否かを判定する。通過検出コマンドを受信していると判定した場合には(S603:YES)、ステップS604に進み、通過検出コマンド対応処理を実行する。
通過検出コマンド対応処理では、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に、遊技者にとって有利な状況となっていることを示唆する演出を実行させるための処理を実行する。本実施形態では、「期待大!!」といった文字を表示装置91に表示させるためのコマンドを表示制御装置90に送信するとともに、各種ランプ47を点滅させ、「期待大!!」といった文字に対応した音声をスピーカー46に出力させるための処理を実行する。ステップS604を実行した後、ステップS605に進む。一方、ステップS603において、通過検出コマンドを受信していないと判定した場合には(S603:NO)、ステップS604を実行することなく、ステップS605に進む。
ステップS605では、第1異常検知コマンドを受信しているか否かを判定する。第1異常検知コマンドを受信していると判定した場合には(S605:YES)、ステップS606に進み、第1異常検知コマンド対応処理を実行する。
第1異常検知コマンド対応処理では、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に、経路振分機構110に不具合が発生している可能性があることや、遊技者による不正が行なわれている可能性があることを報知させるための処理を実行する。本実施形態では、「異常検知」といった文字を表示装置91に表示させるためのコマンドを表示制御装置90に送信するとともに、各種ランプ47を点滅させ、「異常検知」といった文字に対応した音声をスピーカー46に出力させるための処理を実行する。また、パチンコ機10がホールコンピューターに接続されている場合には、異常が発生していることを示す信号を当該ホールコンピューターに出力する。ステップS606を実行した後、ステップS607に進む。一方、ステップS605において、第1異常検知コマンドを受信していないと判定した場合には(S605:NO)、ステップS606を実行することなく、ステップS607に進む。
ステップS607では、V検出コマンドを受信しているか否かを判定する。V検出コマンドを受信していると判定した場合には(S607:YES)、ステップS608に進み、V検出コマンド対応処理を実行する。
V検出コマンド対応処理では、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に、特別遊技状態への移行が確定した旨を示唆する演出を実行させるための処理を実行する。本実施形態では、「V入賞!!」といった文字や映像を表示装置91に表示させるためのコマンドを表示制御装置90に送信するとともに、各種ランプ47を点滅させ、「V入賞!!」といった文字や映像に対応した音声をスピーカー46に出力させるための処理を実行する。ステップS608を実行した後、ステップS609に進む。一方、ステップS607において、V検出コマンドを受信していないと判定した場合には(S607:NO)、ステップS608を実行することなく、ステップS609に進む。
ステップS609では、第1〜第3検出コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。第1〜第3検出コマンドのいずれかを受信していると判定した場合には(S609:YES)、ステップS610に進み、第1〜第3検出コマンド対応処理を実行する。
第1〜第3検出コマンド対応処理では、受信した検出コマンドに対応した処理を実行する。例えば、第1検出コマンドを受信した場合には、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に、3ラウンドの特別遊技状態への移行が確定した旨を示唆する演出を実行させるための処理を実行する。本実施形態では、「3ラウンド大当たり!!」といった文字や映像を表示装置91に表示させるためのコマンドを表示制御装置90に送信するとともに、各種ランプ47を点滅させ、「3ラウンド大当たり!!」といった文字や映像に対応した音声をスピーカー46に出力させるための処理を実行する。同様に、第2検出コマンドを受信した場合には、7ラウンドの特別遊技状態への移行が確定した旨を示唆する演出を実行させるための処理を実行し、第3検出コマンドを受信した場合には、16ラウンドの特別遊技状態への移行が確定した旨を示唆する演出を実行させるための処理を実行する。ステップS610を実行した後、ステップS611に進む。一方、ステップS609において、第1〜第3検出コマンドのいずれも受信していないと判定した場合には(S609:NO)、ステップS610を実行することなく、ステップS611に進む。
ステップS611では、第2異常検知コマンドを受信しているか否かを判定する。第2異常検知コマンドを受信していると判定した場合には(S611:YES)、ステップS612に進み、第2異常検知コマンド対応処理を実行する。
第2異常検知コマンド対応処理では、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に、V検出センサー108から第1〜第3検出センサーS1〜S3に至る経路のいずれかの箇所で遊技球が詰まる異常が発生している可能性があることを報知させるための処理を実行する。本実施形態では、「異常検知、球詰まりの可能性」といった文字を表示装置91に表示させるためのコマンドを表示制御装置90に送信するとともに、各種ランプ47を点滅させ、「異常検知、球詰まりの可能性」といった文字に対応した音声をスピーカー46に出力させるための処理を実行する。また、パチンコ機10がホールコンピューターに接続されている場合には、異常が発生していることを示す信号を当該ホールコンピューターに出力する。ステップS612を実行した後、ステップS613に進む。一方、ステップS611において、第2異常検知コマンドを受信していないと判定した場合には(S611:NO)、ステップS612を実行することなく、ステップS613に進む。
ステップS613では、その他の処理を実行する。その他の処理では、例えば、演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを認識させるための演出操作コマンドを表示制御装置90に送信する。ステップS613を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、経路振分機構110に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110に一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110に到達した場合には、当該一の遊技球だけでなく、他の遊技球も特別経路SRに振分けられるので、遊技者に対して、一の遊技球に対する期待感だけでなく、他の遊技球に対する期待感をも付与することができる。したがって、経路振分機構110に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110に一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110に到達して欲しいといった強い期待感を、遊技者に対して付与することができる。
さらに、本実施形態の経路振分機構110(図5)によれば、経路振分機構110に同時または0.5秒以内に複数の遊技球が到達した場合に、当該複数の遊技球を特別経路SRに振分ける機能を、後述する重量センサーやアクチュエーターを用いて実現する構成(第7実施形態)に比べて、簡易な構成によって実現することができる。
さらに、本実施形態では、特別経路SR、通常経路NR、および、経路振分機構110は、センター役物100の内部に設けられているので、センター役物100の内部に遊技球が入球した場合の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、センター役物100は、複数の開口部101a,101bを備え、当該複数の開口部101a,101bをそれぞれ開閉する複数の羽根部材102a,102bを備えるので、複数の遊技球を連続的にセンター役物100の内部に入球させやすくなる。したがって、多くの遊技球が特別経路SRに振分けられる可能性が高くなり、遊技者に対してさらに高い期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、開口部101a,101bは、センター役物100の左右対称の位置にそれぞれ設けられており、経路振分機構110は、センター役物100の左右の略中央位置に設けられている。したがって、センター役物100の左右のそれぞれの開口部101a,101bから遊技球を入球させると、経路振分機構110に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110に一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110に到達する可能性が高くなる。したがって、遊技者に対してさらに高い期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、特別経路SRは、通常経路NRよりも遊技者にとって有利な経路であるので、経路振分機構110に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110に一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110に到達して欲しいといった期待感を遊技者に対して付与することができる。
さらに、本実施形態では、入球検出センサー104aによって遊技球が検出されたタイミングと、入球検出センサー104bによって遊技球が検出されたタイミングとの時間的間隔が0.5秒以下である場合には、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に、遊技者にとって有利な状況となる可能性のあることを示唆する演出を実行させるので、遊技球が特別経路SRに振分けられる可能性のあることを遊技者に示唆することができ、遊技者の遊技に対する注目度を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、入球検出センサー104aによって遊技球が検出されたタイミングと、入球検出センサー104bによって遊技球が検出されたタイミングとの時間的間隔が0.5秒以下ではないにも関わらず通過検出センサー107によって遊技球が検出された場合には、経路振分機構110に不具合が発生している可能性があることや、遊技者によって不正が行なわれている可能性があることを、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91等によって報知するので、健全な遊技を担保することができる。
さらに、本実施形態では、第1検出時間T1が第2検出時間T2よりも長くなるように構成されているので、第2特典入球口VH2に入球した遊技球が存在するにも関わらず、第1特典入球口VH1に入球した遊技球が先に第1検出センサーS1によって検出されてしまい、パチンコ機10が第1特別遊技状態(3R)に移行してしまうといった事態の発生を抑制することができる。また、本実施形態では、第2検出時間T2が第3検出時間T3よりも長くなるように構成されているので、第3特典入球口VH3に入球した遊技球が存在するにも関わらず、第2特典入球口VH2に入球した遊技球が先に第2検出センサーS2によって検出されてしまい、パチンコ機10が第2特別遊技状態(7R)に移行してしまうといった事態の発生を抑制することができる。この結果、複数の遊技球が確定入球口VHに入球した場合における遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、第1特典振分機構140の第1特典入球口VH1は、一の遊技球が入球した後は、所定の期間、他の遊技球が入球しないように構成されているので、例えば、2つの遊技球が確定入球口VHに入球して第1特典振分機構140に到達した場合において、当該2つの遊技球の両方が第1特典入球口VH1に入球してしまうといった事態の発生を抑制することができる。この結果、2つの遊技球が第1特典振分機構140に到達した場合に、当該2つの遊技球の両方が有利度の高い特典昇格入球口UHに入球するといった期待感を遊技者に付与しつつ、仮に1つの遊技球が第1特典入球口VH1に入球した場合であっても、もう1つの遊技球はほぼ確実に有利度の高い特典昇格入球口UHに入球するといった期待感を遊技者に付与することができる。
さらに、本実施形態では、第2特典振分機構160の第2特典入球口VH2は、一の遊技球が入球した後は、所定の期間、他の遊技球が入球しないように構成されているので、例えば、2つの遊技球が特典昇格入球口UHに入球して第2特典振分機構160に到達した場合において、当該2つの遊技球の両方が第2特典入球口VH2に入球してしまうといった事態の発生を抑制することができる。この結果、2つの遊技球が第2特典振分機構160に到達した場合には、少なくとも1つの遊技球が第3特典入球口VH3に入球することがほぼ確定するので、2つ以上の遊技球が特典昇格入球口UHに入球した場合に、非常に高い期待感を遊技者に付与することができる。
さらに、本実施形態では、確定入球口VHに2つの遊技球が入球すると、第2特別遊技状態(7R))以上の特別遊技状態に移行することがほぼ確定し、3つ以上の遊技球が入球すると、第3特別遊技状態(16R))に移行することがほぼ確定する。したがって、確定入球口VHに複数の遊技球が入球することに対する遊技者の期待感を好適に向上させることができる。
B.第2実施形態:
図14は、第2実施形態のパチンコ機が備える経路振分機構110bの構成および挙動を示す説明図である。図5に示した経路振分機構110との違いは、経路振分機構110bの本体形状が半円形である点と、経路振分機構110bの回転範囲を規制する規制部材が省略されている点である。図14(a)に示すように、経路振分機構110bは、第1実施形態の経路振分機構110と同様に、第1振分部111bと、第2振分部112bと、当該経路振分機構110bを回転可能な状態で支持する回転軸113bとを備えている。本実施形態では、第1振分部111bおよび第2振分部112bは、連続した円弧の一部分として構成されている。
図14(b)および図14(c)に示すように、経路振分機構110bに遊技球が到達した場合の挙動は、図5(b)および図5(c)に示した経路振分機構110の挙動と同様である。
このように、本実施形態の経路振分機構110bによれば、遊技球を特別経路SRまたは通常経路NRに振分ける機能を、後述する重量センサーやアクチュエーターを用いて実現する構成(第7実施形態)に比べて、簡易な構成によって実現することができる。
なお、経路振分機構の本体形状は、二等辺三角形や半円形以外の線対称な他の形状であってもよい。例えば、経路振分機構の本体形状は、正三角形や、菱形、円形等であってもよい。
また、経路振分機構の本体形状は、線対称ではない形状であってもよい。この場合には、遊技球が左側の案内路106aを経由して経路振分機構に到達した場合と、右側の案内路106bを経由して経路振分機構に到達した場合とで、経路振分機構の回転の挙動が異なるので、遊技に戦略性を付与することができる。
C.第3実施形態:
図15は、第3実施形態のパチンコ機が備える経路振分機構110cの構成および挙動を示す説明図である。この図15に示した例では、特別経路SRは、経路振分機構110bの右側に設けられており、通常経路NRは、経路振分機構110bの左側に設けられている。
図15(a)に示すように、本実施形態の経路振分機構110cは、一端が固定された棒状の部材であって、遊技球の重量または衝撃によって撓み、他端が下方に変位することが可能な可撓性部材によって構成されている。本実施形態では、経路振分機構110cは、可撓性を有する棒状のゴム部材によって構成されている。
図15(b)に示すように、経路振分機構110cに一の遊技球PB1が到達するのと同時に、他の遊技球PB2が経路振分機構110cに到達した場合には、経路振分機構110cは、当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2の重量または衝撃によって撓み、他端が下方に変位することによって、当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2を右側の特別経路SRに振分ける。当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2が特別経路SRに振分けられた後は、経路振分機構110cは、弾性力によって元の形状に戻る。
なお、一の遊技球PB1と他の遊技球PB2が到達するタイミングが同時でなくても、経路振分機構110cに一の遊技球PB1が到達し、経路振分機構110cによって当該一の遊技球PB1が通常経路NRに振分けられるよりも前に、他の遊技球PB2が経路振分機構110cに到達した場合には、経路振分機構110cは、当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2の重量または衝撃によって撓み、他端が下方に変位することによって、当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2を右側の特別経路SRに振分ける。なお、本実施形態では、経路振分機構110cに一の遊技球PB1が到達し、当該一の遊技球PB1が通常経路NRに振分けられるまでに要する時間は、0.5秒である。この0.5秒という時間は、経路振分機構110cの弾性力や形状等を変更することによって適宜変更することができる。
一方、図15(c)に示すように、経路振分機構110cに一の遊技球PB1が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110cに到達しなかった場合には、経路振分機構110cの他端は、図15(b)に示した場合の変位よりも少ない量だけ下方に変位し、当該一の遊技球PB1を左側の通常経路NRに振分ける。当該一の遊技球PB1が通常経路NRに振分けられた後は、経路振分機構110cは、弾性力によって元の形状に戻る。一の遊技球PB1が右側の入球検出センサー104bを通過して経路振分機構110cに到達した場合も同様である。なお、経路振分機構110cは、一の遊技球PB1が到達しただけでは他端が下方に変位しない部材によって構成されていてもよい。
このように、本実施形態によれば、経路振分機構110cに一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110cに一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110cに到達した場合には、当該一の遊技球だけでなく、他の遊技球も特別経路SRに振分けられるので、遊技者に対して、一の遊技球に対する期待感だけでなく、他の遊技球に対する期待感をも付与することができる。したがって、経路振分機構110cに一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110cに一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110cに到達して欲しいといった強い期待感を、遊技者に対して付与することができる。
さらに、本実施形態によれば、経路振分機構110cに同時または0.5秒以内に複数の遊技球が到達した場合に、当該複数の遊技球を特別経路SRに振分ける機能を、後述する重量センサーやアクチュエーターを用いて実現する構成(第7実施形態)に比べて、簡易な構成によって実現することができる。
D.第4実施形態:
図16は、第4実施形態のパチンコ機が備える経路振分機構110dの構成および挙動を示す説明図である。この図16に示した例では、特別経路SRは、経路振分機構110bの右側に設けられており、通常経路NRは、経路振分機構110bの左側に設けられている。
図16(a)に示すように、本実施形態の経路振分機構110dは、棒状部材111dと、当該棒状部材111dを回転可能な状態で支持する回転軸113dと、棒状部材111dの下面に設けられた錘115dと、棒状部材111dの回転範囲を規制する2つの規制部材117dとを備えており、回転軸113dを中心とした回転によって棒状部材111dの端部が変位可能である。棒状部材111dの遊技球が到達する部分とは回転軸113dを挟んだ反対側には、錘115dが設けられている。錘115dは、1つの遊技球が経路振分機構110dに到達した場合には、棒状部材111dが回転せず、複数の遊技球が同時または0.5秒以内に経路振分機構110dに到達した場合には、棒状部材111dが回転する重量に設定されている。
図16(b)に示すように、経路振分機構110dに一の遊技球PB1が到達するのと同時に、他の遊技球PB2が経路振分機構110dに到達した場合には、棒状部材111dは、当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2の重量または衝撃によって回転し、右端が下方に変位することによって、当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2を右側の特別経路SRに振分ける。当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2が特別経路SRに振分けられた後は、棒状部材111dは、錘115dの重量によって回転し、元の位置に戻る。
なお、一の遊技球PB1と他の遊技球PB2が到達するタイミングが同時でなくても、経路振分機構110dによって当該一の遊技球PB1が通常経路NRに振分けられるよりも前に、他の遊技球PB2が経路振分機構110dに到達した場合には、棒状部材111dは、当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2の重量または衝撃によって回転し、右端が下方に変位することによって、当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2を右側の特別経路SRに振分ける。なお、本実施形態では、経路振分機構110dに一の遊技球PB1が到達し、当該一の遊技球PB1が通常経路NRに振分けられるまでに要する時間は、0.5秒である。この0.5秒という時間は、経路振分機構110dの形状や錘115dの重量等を変更することによって適宜変更することができる。
一方、図16(c)に示すように、経路振分機構110dに一の遊技球PB1が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110dに到達しなかった場合には、経路振分機構110dは、一の遊技球PB1の重量または衝撃のみでは回転せず、当該一の遊技球PB1を左側の通常経路NRに振分ける。一の遊技球PB1が右側の入球検出センサー104bを通過して経路振分機構110dに到達した場合も同様である。
このように、本実施形態によれば、経路振分機構110dに一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110dに一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110dに到達した場合には、当該一の遊技球だけでなく、他の遊技球も特別経路SRに振分けられるので、遊技者に対して、一の遊技球に対する期待感だけでなく、他の遊技球に対する期待感をも付与することができる。したがって、経路振分機構110dに一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110dに一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110dに到達して欲しいといった強い期待感を、遊技者に対して付与することができる。
さらに、本実施形態によれば、経路振分機構110dに同時または0.5秒以内に複数の遊技球が到達した場合に、当該複数の遊技球を特別経路SRに振分ける機能を、後述する重量センサーやアクチュエーターを用いて実現する構成(第7実施形態)に比べて、簡易な構成によって実現することができる。
さらに、本実施形態によれば、経路振分機構110dは、回転軸113dを中心とした回転によって変位することができるので、経路振分機構の本体が可撓性によって変形して(撓んで)変位する構成と比較して、耐久性を向上させることができる。
E.第5実施形態:
図17は、第5実施形態のパチンコ機が備える経路振分機構110eの構成および挙動を示す説明図である。この図17に示した例では、特別経路SRは、第1実施形態と同様に、第1特別経路SR1と、第2特別経路SR2とによって構成されている。
図17(a)に示すように、本実施形態の経路振分機構110eは、第1振分部材111eと、第2振分部材112eとを備えている。第1振分部材111eは、左端が固定された棒状の部材であって、遊技球の重量または衝撃によって撓み、右端が下方に変位することが可能な可撓性部材によって構成されている。第2振分部材112eは、右端が固定された棒状の部材であって、遊技球の重量または衝撃によって撓み、左端が下方に変位することが可能な可撓性部材によって構成されている。本実施形態では、第1振分部材111eおよび第2振分部材112eは、可撓性を有する棒状のゴム部材によって構成されている。
また、本実施形態では、第1振分部材111eの右端には、拡大部材113eが設けられており、第2振分部材112eの左端には、拡大部材114eが設けられている。なお、拡大部材113eは、第1振分部材111eの一部分として構成されていてもよく、また、省略してもよい。同様に、拡大部材114eは、第2振分部材112eの一部分として構成されていてもよく、また、省略してもよい。
図17(b)に示すように、第1振分部材111eに一の遊技球PB1が到達するのと同時に、他の遊技球PB2が第2振分部材112eに到達した場合には、第1振分部材111eは、当該一の遊技球PB1の重量または衝撃によって撓んで右端が下方に変位し、第2振分部材112eは、当該他の遊技球PB2の重量または衝撃によって撓んで左端が下方に変位する。
すると、変位した第1振分部材111eの右端の拡大部材113eと、変位した第2振分部材112eの左端の拡大部材114eとが干渉することによって、通常経路NRが閉鎖され、当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2が通常経路NRに振分けられるのが抑制される。
そして、第1振分部材111eは、当該一の遊技球PB1を第1特別経路SR1に振分け、第2振分部材112eは、当該他の遊技球PB2を第2特別経路SR2に振分ける。当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2がそれぞれ第1特別経路SR1および第2特別経路SR2に振分けられた後は、第1振分部材111eおよび第2振分部材112eは、弾性力によって元の形状に戻る。
なお、一の遊技球PB1と他の遊技球PB2が到達するタイミングが同時でなくても、一の遊技球PB1が第1振分部材111eに到達した後に他の遊技球PB2が第2振分部材112eに到達して、変位した第1振分部材111eの右端の拡大部材113eと、変位した第2振分部材112eの左端の拡大部材114eとが干渉する場合には、通常経路NRが閉鎖され、第1振分部材111eは、当該一の遊技球PB1を第1特別経路SR1に振分け、第2振分部材112eは、当該他の遊技球PB2を第2特別経路SR2に振分ける。第2振分部材112eに一の遊技球PB1が到達した後に他の遊技球PB2が第1振分部材111eに到達して、変位した第1振分部材111eの右端の拡大部材113eと、変位した第2振分部材112eの左端の拡大部材114eとが干渉する場合についても同様である。
なお、本実施形態では、一の遊技球PB1が第1振分部材111eに到達してから0.5秒以内に他の遊技球PB2が第2振分部材112eに到達すれば、変位した第1振分部材111eの右端の拡大部材113eと、変位した第2振分部材112eの左端の拡大部材114eとが干渉する。この0.5秒という時間は、第1振分部材111eおよび第2振分部材112eの弾性力や、先端の拡大部材113e,114eの形状等を変更することによって適宜変更することができる。例えば、拡大部材113e,114eの形状を大きくすれば、この0.5秒という時間よりも長い時間に設定することができる。
一方、図17(c)に示すように、第1振分部材111eに一の遊技球PB1が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が第2振分部材112eに到達しなかった場合には、第1振分部材111eは、当該一の遊技球PB1の重量または衝撃によって撓んで右端が下方に変位する。しかし、第2振分部材112eは撓んでいないため、第1振分部材111eの右端の拡大部材113eは、第2振分部材112eの左端の拡大部材114eと干渉せず、通常経路NRを閉鎖しない。この結果、第1振分部材111eは、当該一の遊技球PB1を通常経路NRに振分ける。第2振分部材112eに一の遊技球PB1が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が第1振分部材111eに到達しなかった場合においても同様である。
このように、本実施形態によれば、経路振分機構110eに一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110eに一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110eに到達した場合には、当該一の遊技球だけでなく、他の遊技球も特別経路SRに振分けられるので、遊技者に対して、一の遊技球に対する期待感だけでなく、他の遊技球に対する期待感をも付与することができる。したがって、経路振分機構110eに一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110eに一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110eに到達して欲しいといった強い期待感を、遊技者に対して付与することができる。
さらに、本実施形態によれば、経路振分機構110eに同時または0.5秒以内に複数の遊技球が到達した場合に、当該複数の遊技球を特別経路SRに振分ける機能を、後述する重量センサーやアクチュエーターを用いて実現する構成(第7実施形態)に比べて、簡易な構成によって実現することができる。
F.第6実施形態:
図18は、第6実施形態のパチンコ機が備える経路振分機構110fの構成および挙動を示す説明図である。この図18に示した例では、特別経路SRは、第1実施形態と同様に、第1特別経路SR1と、第2特別経路SR2とによって構成されている。
図18(a)に示すように、本実施形態の経路振分機構110fは、第1振分部材111fと、第2振分部材112fとを備えている。第1振分部材111fは、当該第1振分部材111fを回転可能な状態で支持する第1回転軸113fを備え、第1回転軸113fを中心とした回転によって右端が変位可能である。第1振分部材111fの第1回転軸113fよりも左側には、第1振分部材111fを元の回転位置に戻すための錘115fが設けられている。錘115fの近傍には、第1振分部材111fの回転範囲を規制する規制部材119f1が設けられている。
第2振分部材112fは、当該第2振分部材112fを回転可能な状態で支持する第2回転軸114fを備え、第2回転軸114fを中心とした回転によって左端が変位可能である。第2振分部材112fの第2回転軸114fよりも右側には、第2振分部材112fを元の回転位置に戻すための錘116fが設けられている。錘116fの近傍には、第2振分部材112fの回転範囲を規制する規制部材119f2が設けられている。
また、本実施形態では、第1振分部材111fの右端には、拡大部材117fが設けられており、第2振分部材112eの左端には、拡大部材118fが設けられている。なお、拡大部材117fは、第1振分部材111fと一体の部材として構成されていてもよく、また、省略してもよい。同様に、拡大部材118fは、第2振分部材112fと一体の部材として構成されていてもよく、また、省略してもよい。
図18(b)に示すように、第1振分部材111fに一の遊技球PB1が到達するのと同時に、他の遊技球PB2が第2振分部材112fに到達した場合には、第1振分部材111fは、当該一の遊技球PB1の重量または衝撃によって回転して右端が下方に変位し、第2振分部材112fは、当該他の遊技球PB2の重量または衝撃によって回転して左端が下方に変位する。
すると、変位した第1振分部材111fの右端の拡大部材117fと、変位した第2振分部材112fの左端の拡大部材118fとが干渉することによって、通常経路NRが閉鎖され、当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2が通常経路NRに振分けられるのが抑制される。
そして、第1振分部材111fは、当該一の遊技球PB1を第1特別経路SR1に振分け、第2振分部材112fは、当該他の遊技球PB2を第2特別経路SR2に振分ける。当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2がそれぞれ第1特別経路SR1および第2特別経路SR2に振分けられた後は、第1振分部材111fおよび第2振分部材112fは、錘115fおよび錘116fによって元の回転位置に戻る。
なお、一の遊技球PB1と他の遊技球PB2が到達するタイミングが同時でなくても、一の遊技球PB1が第1振分部材111fに到達した後に他の遊技球PB2が第2振分部材112fに到達して、変位した第1振分部材111fの右端の拡大部材117fと、変位した第2振分部材112fの左端の拡大部材118fとが干渉する場合には、通常経路NRが閉鎖され、第1振分部材111fは、当該一の遊技球PB1を第1特別経路SR1に振分け、第2振分部材112fは、当該他の遊技球PB2を第2特別経路SR2に振分ける。第2振分部材112fに一の遊技球PB1が到達した後に他の遊技球PB2が第1振分部材111fに到達して、変位した第1振分部材111fの右端の拡大部材117fと、変位した第2振分部材112fの左端の拡大部材118fとが干渉する場合についても同様である。
なお、本実施形態では、一の遊技球PB1が第1振分部材111fに到達してから0.5秒以内に他の遊技球PB2が第2振分部材112fに到達すれば、変位した第1振分部材111fの右端の拡大部材117fと、変位した第2振分部材112fの左端の拡大部材118fとが干渉する。この0.5秒という時間は、第1振分部材111fおよび第2振分部材112fの形状や、第1回転軸113fおよび第2回転軸114fの回転抵抗、錘115fおよび錘116fの重量、先端の拡大部材117f,118fの形状等を変更することによって適宜変更することができる。例えば、拡大部材113e,114eの形状を大きくすれば、この0.5秒という時間よりも長い時間に設定することができる。
一方、図18(c)に示すように、第1振分部材111fに一の遊技球PB1が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が第2振分部材112fに到達しなかった場合には、第1振分部材111fは、当該一の遊技球PB1の重量または衝撃によって回転して右端が下方に変位する。しかし、第2振分部材112fは回転していないため、第1振分部材111fの右端の拡大部材117fは、第2振分部材112fの左端の拡大部材118fと干渉せず、通常経路NRを閉鎖しない。この結果、第1振分部材111fは、当該一の遊技球PB1を通常経路NRに振分ける。第2振分部材112fに一の遊技球PB1が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が第1振分部材111fに到達しなかった場合においても同様である。
このように、本実施形態によれば、経路振分機構110fに一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110fに一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110fに到達した場合には、当該一の遊技球だけでなく、他の遊技球も特別経路SRに振分けられるので、遊技者に対して、一の遊技球に対する期待感だけでなく、他の遊技球に対する期待感をも付与することができる。したがって、経路振分機構110fに一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110fに一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110fに到達して欲しいといった強い期待感を、遊技者に対して付与することができる。
さらに、本実施形態によれば、経路振分機構110fに同時または0.5秒以内に複数の遊技球が到達した場合に、当該複数の遊技球を特別経路SRに振分ける機能を、後述する重量センサーやアクチュエーターを用いて実現する構成(第7実施形態)に比べて、簡易な構成によって実現することができる。
さらに、本実施形態によれば、第1振分部材111fおよび第2振分部材112fは、それぞれ回転軸113f,114fを中心とした回転によって変位することができるので、振分部材自身が変形して(撓んで)変位する構成と比較して、耐久性を向上させることができる。
G.第7実施形態:
図19は、第7実施形態のパチンコ機が備える経路振分機構110gの構成および挙動を示す説明図である。この図19に示した例では、特別経路SRは、経路振分機構110gの右側に設けられており、通常経路NRは、経路振分機構110gの左側に設けられている。
本実施形態の経路振分機構110gは、到達した遊技球を一時的に貯留する貯留部112gと、貯留部112gに一時的に貯留されている遊技球の重量を測定する重量センサー114gと、貯留部112gを右側または左側に傾けるアクチュエーター116gとを備えている。そして、主制御装置60のMPU62は、重量センサー114gからの信号に基づいてアクチュエーター116gを制御する。
MPU62は、経路振分機構110gの貯留部112gに一の遊技球PB1が到達するのと同時に、または、経路振分機構110gの貯留部112gに一の遊技球PB1が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球PB2が経路振分機構110の貯留部112gに到達したか否かを、重量センサー114gからの信号に基づいて判定する。
より具体的には、MPU62は、一の遊技球PB1が貯留部112gに到達したことを重量センサー114gからの信号に基づいて把握するとともにタイマーを起動する。そして、MPU62は、0.5秒経過後に重量センサー114gから取得した重量の値が所定値以上である場合には、経路振分機構110gの貯留部112gに一の遊技球PB1が到達するのと同時に、または、経路振分機構110gの貯留部112gに一の遊技球PB1が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球PB2が経路振分機構110の貯留部112gに到達したと判定する。一方、0.5秒経過後に重量センサー114gから取得した重量の値が所定値未満である場合には、経路振分機構110gの貯留部112gに一の遊技球PB1が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110gの貯留部112gに到達しなかったと判定する。本実施形態では、この閾値となる所定値は、遊技球の1.5個分の重量に設定されている。
図19(b)に示すように、経路振分機構110gの貯留部112gに一の遊技球PB1が到達するのと同時に、または、経路振分機構110gの貯留部112gに一の遊技球PB1が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球PB2が経路振分機構110gの貯留部112gに到達したと判定した場合には、MPU62は、アクチュエーター116gを駆動して貯留部112gを右側に傾け、当該一の遊技球PB1および他の遊技球PB2を特別経路SRに振分ける。
一方、図19(c)に示すように、経路振分機構110gの貯留部112gに一の遊技球PB1が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110gの貯留部112gに到達しなかったと判定した場合には、MPU62は、アクチュエーター116gを駆動して貯留部112gを左側に傾け、当該一の遊技球PB1を通常経路NRに振分ける。
本実施形態によれば、経路振分機構110gに一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110gに一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110gに到達した場合には、当該一の遊技球だけでなく、他の遊技球も特別経路SRに振分けられるので、遊技者に対して、一の遊技球に対する期待感だけでなく、他の遊技球に対する期待感をも付与することができる。したがって、経路振分機構110gに一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110gに一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110gに到達して欲しいといった強い期待感を、遊技者に対して付与することができる。
なお、MPU62は、経路振分機構110gの貯留部112gに一の遊技球PB1が到達するのと同時に、または、経路振分機構110gの貯留部112gに一の遊技球PB1が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球PB2が経路振分機構110の貯留部112gに到達したか否かを、重量センサー114gからの信号の代わりに、入球検出センサー104a,104bからの信号に基づいて判定してもよい。この場合には、重量センサー114gを省略することができる。
H.第8実施形態:
図20は、第8実施形態のパチンコ機10が備える遊技盤30の正面図である。図2に示した第1実施形態との違いは、2つの第1始動口33の上流の位置に、遊技球が入球可能な第1遊技球機構200がそれぞれ設けられている点である。
第1遊技球機構200は、遊技球が入球可能な入球部201と、入球した遊技球が出球する出球部203とを備えている。本実施形態では、第1遊技球機構200は、出球部203から出球した遊技球が第1始動口33に入球する位置に設けられている。入球部201と出球部203との間には、出球部203から出球する遊技球の時間的間隔を調整する調整機構210が設けられている。
以下では、左側の第1始動口33の上流側に設けられた第1遊技球機構200の構成や挙動について説明し、右側の第1始動口33の上流側に設けられた第1遊技球機構200の構成や挙動についての説明は省略するが、右側の第1始動口33の上流側に設けられた第1遊技球機構200の構成や挙動は、左右が反転している点を除き、左側の第1始動口33の上流側に設けられた第1遊技球機構200の構成や挙動と同じである。
図21は、第1遊技球機構200の構成を示す説明図である。第1遊技球機構200の調整機構210は、入球部201に入球した遊技球を案内する経路である第1案内路211と、入球部201に入球した遊技球を案内する経路である第2案内路212と、入球部201に入球した遊技球を第1案内路211および第2案内路212のいずれか一方に振分ける振分機構214と、振分機構214よりも下流において第1案内路211と第2案内路212とが合流した経路であって、遊技球を出球部203に案内する合流案内路216とを備えている。
本実施形態では、第2案内路212の経路長は、第1案内路211の経路長よりも長くなっている。また、本実施形態では、第1遊技球機構200の内部における遊技球の挙動が遊技者に視認可能となるように、入球部201から出球部203に至るまでの案内路は、透明の樹脂によって形成されている。
振分機構214は、第1片214aと第2片214bとがL字型に構成された回転部材214cと、当該回転部材214cを回転可能な状態で支持する回転軸214dと、回転した回転部材214cを元の位置に復位させるバネ機構(図示省略)とを備えている。
図22は、第1遊技球機構200に入球した遊技球の挙動を示す説明図である。図22(a)に示すように、一の遊技球PB1が入球部201に入球し、当該一の遊技球PB1が振分機構214に到達すると、第1片214aが当該一の遊技球PB1によって下方に押され、回転部材214cは、図22(b)に示すように、回転軸214dを中心として時計回りに約90度回転する。この結果、当該一の遊技球PB1は、第1案内路211に振分けられる。振分機構214が時計回りに約90度回転した状態では、第2片214bが第1案内路211への入口を封鎖した状態となる。
図22(c)に示すように、当該一の遊技球PB1が第1片214aの長さ分よりも下方に移動(落下)すると、回転部材214cは、バネ機構によって回転軸214dを中心として反時計回りに回転し、元の位置に復位する。回転部材214cが元の位置に復位した後に、他の遊技球が振分機構214に到達した場合には、上述した一の遊技球PB1が振分機構214に到達した場合と同様に、当該他の遊技球は、第1案内路211に振分けられる。
一方、図22(d)に示すように、回転部材214cが元の位置に復位する前、すなわち、第2片214bが第1案内路211への入口を封鎖している期間中に、他の遊技球PB2が振分機構214に到達した場合には、当該他の遊技球PB2は、第2片214bによって第2案内路212に振分けられる。当該他の遊技球PB2が第2案内路212に振分けられた後は、回転部材214cは、バネ機構によって回転軸214dを中心として反時計回りに回転し、元の位置に復位する。
本実施形態の振分機構214は、上述した構成を備えることによって、当該振分機構214に到達した一の遊技球を第1案内路211に振分けるとともに、当該一の遊技球が到達してから0.5秒以内に他の遊技球が当該振分機構214に到達した場合には、当該他の遊技球を第2案内路212に振分けることになる。一方、一の遊技球が到達してから0.5秒経過後に他の遊技球が当該振分機構214に到達した場合には、当該他の遊技球を第1案内路211に振分けることになる。なお、この0.5秒という時間は、回転部材214cの形状や、バネ機構のバネの弾性力を変更することによって、適宜変更することができる。
ここで、本実施形態では、上述したように、第2案内路212の経路長は、第1案内路211の経路長よりも長くなっている。このため、当該他の遊技球が入球部201に入球してから第2案内路212を経由して出球部203から出球するまでに要する平均時間Ta2は、当該一の遊技球が入球部201に入球してから第1案内路211を経由して出球部203から出球するまでに要する平均時間Ta1よりも長くなっている。
したがって、本実施形態では、入球部201に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に、他の遊技球が入球部201に入球した場合には、当該一の遊技球の入球部201への入球から、当該他の遊技球の入球部201への入球までの時間的間隔よりも、当該一の遊技球の出球部203からの出球から、当該他の遊技球の出球部203からの出球までの時間的間隔の方が大きくなるように調整される。
一方、入球部201に一の遊技球が入球してから0.5秒経過後に他の遊技球が入球部201に入球した場合には、調整機構210による上述した調整が行なわれない。換言すれば、入球部201に一の遊技球が入球してから0.5秒経過後に他の遊技球が入球部201に入球した場合には、当該一の遊技球の出球部203からの出球から、当該他の遊技球の出球部203からの出球までの時間的間隔は、当該一の遊技球の入球部201への入球から、当該他の遊技球の入球部201への入球までの時間的間隔と同じとなる。
ここで、第1始動口33への遊技球の入球は、上述したように、センター役物100の羽根部材102a、102bの開放の契機として設定されているとともに、遊技球の入球の保留個数には上限(本実施形態では4個)が設定されている。保留個数が上限の4個に達している期間中に遊技球が第1始動口33に入球しても、当該入球は無効となる。このため、遊技者は、第1始動口33の保留個数が上限の4個に達すると、保留が消化されるまで、遊技球の発射操作を一時的に中断する場合がある。しかし、保留個数が上限の4個に達した後に遊技球の発射操作を中断しても、遊技盤30には既にいくつかの遊技球が発射されており、保留個数が上限の4個に達した後に遊技球が第1始動口33に入球してしまう場合があり、遊技者に喪失感を与えてしまう場合がある。
そこで、本実施形態では、第1遊技球機構200が、第1始動口33の上流側に設けられており、第1遊技球機構200の出球部203から出球した遊技球が、第1始動口33に入球するように構成されている。以下、第1遊技球機構200が設けられていることによる効果を説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10の遊技者は、第1遊技球機構200の入球部201に遊技球が入球するように、操作ハンドル25を操作して、遊技球を発射させる。
本実施形態によれば、第1遊技球機構200の入球部201に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に他の遊技球が入球部201に入球した場合において、例えば、第1遊技球機構200の出球部203から出球した当該一の遊技球が第1始動口33に入球し、遊技球の保留個数が上限の4個に達した場合であっても、第1遊技球機構200によって、第1遊技球機構200の出球部203から当該一の遊技球が出球してから当該他の遊技球が出球するまでの時間的間隔が大きくなるので、当該他の遊技球が出球して第1始動口33に入球するまでの間に保留が消化され、当該他の遊技球の第1始動口33への入球が有効となる可能性が高くなる。
すなわち、本実施形態によれば、第1遊技球機構200の出球部203から出球した一の遊技球が第1始動口33に入球して保留個数が上限に達した場合であっても、第1遊技球機構200の出球部203から出球した他の遊技球の第1始動口33への入球が有効になる可能性があるという期待感を遊技者に与えることができ、興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、入球部201から出球部203に至るまでの案内路は、透明の樹脂によって形成されているので、案内路の内部における遊技球の挙動を遊技者に視認させることができ、遊技者に遊技球の挙動に対する期待感を与えることができる。
図23は、第8実施形態のパチンコ機10が備えるセンター役物100の一部分を模式的に示す説明図である。図3に示した第1実施形態との違いは、経路振分機構110の上流の位置に、遊技球が入球可能な第2遊技球機構300が設けられている点である。
第2遊技球機構300は、遊技球が入球可能な入球部301と、入球した遊技球が出球する2つの出球部303a、303bとを備えている。本実施形態では、第2遊技球機構300は、センター役物100の開口部101a、101bから入球した遊技球が入球部301に入球する位置に設けられている。また、第2遊技球機構300は、第1出球部303aから出球した遊技球が経路振分機構110の第1振分部111に到達し、第2出球部303bから出球した遊技球が経路振分機構110の第2振分部112に到達する位置に設けられている。入球部301と出球部303a、303bとの間には、出球部303a、303bから出球する遊技球の時間的間隔を調整する調整機構310が設けられている。また、入球部301には、遊技球を検出する入球検出センサー104cが設けられている。
図24は、第2遊技球機構300の構成を示す説明図である。第2遊技球機構300の調整機構310は、入球部301に入球した遊技球を第1出球部303aに案内する第1案内路311と、入球部301に入球した遊技球を第2出球部303bに案内する第2案内路312と、入球部301に入球した遊技球を第1案内路311および第2案内路312のいずれか一方に振分ける振分機構314とを備えている。
本実施形態では、第2案内路312の経路長は、第1案内路311の経路長よりも短くなっている。また、本実施形態では、第2遊技球機構300の内部における遊技球の挙動が遊技者に視認可能となるように、入球部301から出球部303a、303bに至るまでの案内路は、透明の樹脂によって形成されている。
振分機構314は、第1片314aと第2片314bとがL字型に構成された回転部材314cと、当該回転部材314cを回転可能な状態で支持する回転軸314dと、回転した回転部材314cを元の位置に復位させるバネ機構(図示省略)とを備えている。
図25は、第2遊技球機構300に入球した遊技球の挙動を示す説明図である。図25(a)に示すように、一の遊技球PB1が入球部301に入球し、当該一の遊技球PB1が振分機構314に到達すると、第1片314aが当該一の遊技球PB1によって下方に押され、回転部材314cは、図25(b)に示すように、回転軸314dを中心として時計回りに約90度回転する。この結果、当該一の遊技球PB1は、第1案内路311に振分けられる。振分機構314が時計回りに約90度回転した状態では、第2片314bが第1案内路311への入口を封鎖した状態となる。
図25(c)に示すように、当該一の遊技球PB1が第1片314aの長さ分よりも下方に移動(落下)すると、回転部材314cは、バネ機構によって回転軸314dを中心として反時計回りに回転し、元の位置に復位する。回転部材314cが元の位置に復位した後に、他の遊技球が振分機構314に到達した場合には、上述した一の遊技球PB1が振分機構314に到達した場合と同様に、当該他の遊技球は、第1案内路311に振分けられる。
一方、図25(d)に示すように、回転部材314cが元の位置に復位する前、すなわち、第2片314bが第1案内路311への入口を封鎖している期間中に、他の遊技球PB2が振分機構314に到達した場合には、当該他の遊技球PB2は、第2片314bによって第2案内路312に振分けられる。当該他の遊技球PB2が第2案内路312に振分けられた後は、回転部材314cは、バネ機構によって回転軸314dを中心として反時計回りに回転し、元の位置に復位する。
本実施形態の振分機構314は、上述した構成を備えることによって、当該振分機構314に到達した一の遊技球を第1案内路311に振分けるとともに、当該一の遊技球が到達してから0.5秒以内に他の遊技球が当該振分機構314に到達した場合には、当該他の遊技球を第2案内路312に振分けることになる。一方、一の遊技球が到達してから0.5秒経過後に他の遊技球が当該振分機構314に到達した場合には、当該他の遊技球を第1案内路311に振分けることになる。なお、この0.5秒という時間は、回転部材314cの形状や、バネ機構のバネの弾性力を変更することによって、適宜変更することができる。
したがって、入球部301に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に、他の遊技球が入球部301に入球した場合には、当該一の遊技球は、第1出球部303aから出球するとともに、当該他の遊技球は、第2出球部303bから出球する。
ここで、本実施形態では、上述したように、第2案内路312の経路長は、第1案内路311の経路長よりも短くなっている。このため、当該他の遊技球が入球部301に入球してから第2案内路312を経由して第2出球部303bから出球するまでに要する平均時間Tb2は、当該一の遊技球が入球部301に入球してから第1案内路311を経由して第1出球部303aから出球するまでに要する平均時間Tb1よりも短くなっている。より具体的には、本実施形態では、入球部301に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に他の遊技球が入球部301に入球した場合に、当該一の遊技球が第1出球部303aから出球するタイミングと、当該他の遊技球が第2出球部303bから出球するタイミングとが同時となるように、第1案内路311および第2案内路312の経路長が設定されている。
一方、入球部301に一の遊技球が入球してから0.5秒経過後に他の遊技球が入球部301に入球した場合には、当該一の遊技球および当該他の遊技球は、第1出球部303aから出球するとともに、調整機構310による上述した調整が行なわれない。換言すれば、入球部301に一の遊技球が入球してから0.5秒経過後に他の遊技球が入球部301に入球した場合には、当該一の遊技球の第1出球部303aからの出球から、当該他の遊技球の第1出球部303aからの出球までの時間的間隔は、当該一の遊技球の入球部201への入球から、当該他の遊技球の入球部201への入球までの時間的間隔と同じとなる。
ここで、第2遊技球機構300が設けられていることによる効果を、上述した第1実施形態と比較して以下に説明する。
上記第1実施形態では、羽根部材102a、102bの1回の開放中に、一の遊技球が左側の開口部101aから入球し、他の遊技球が右側の開口部101bから入球した場合には、当該一の遊技球は左側の入球検出センサー104aを通過するとともに、当該他の遊技球は右側の入球検出センサー104bを通過する。そして、当該一の遊技球は、経路振分機構110の第1振分部111に到達し、当該他の遊技球は、経路振分機構110の第2振分部112に到達する。この場合において、当該2つの遊技球が経路振分機構110に到達した時間的間隔が0.5秒以内である場合には、経路振分機構110によって、当該2つの遊技球は、遊技者にとって有利な特別経路SRに振分けられることになる。
しかしながら、上記第1実施形態では、羽根部材102a、102bの1回の開放中に、例えば、左側の開口部101aから2つの遊技球が連続して入球した場合には、当該2つの遊技球は、左側の入球検出センサー104aを通過するとともに、経路振分機構110の第1振分部111に連続して到達することになる。この場合には、当該2つの遊技球は、0.5秒以内の時間的間隔で連続して経路振分機構110に到達しているにも関わらず、経路振分機構110の構造上、通常経路NRに振分けられることになる。
これに対して、本実施形態では、左右の開口部101a、101bから入球した遊技球が、第2遊技球機構300の入球部301に入球するように構成されているので、例えば、一方の開口部から連続して2つの遊技球が入球した場合であっても、当該2つの遊技球は、第2遊技球機構300の入球部301に入球することになる。
そして、第2遊技球機構300の入球部301に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に、他の遊技球が入球部301に入球した場合には、当該一の遊技球および当該他の遊技球は、第1出球部303aおよび第2出球部303bから同時に出球するので、当該一の遊技球および当該他の遊技球は、経路振分機構110の第1振分部111および第2振分部112に同時に到達することになる。
上述したように、経路振分機構110の第1振分部111に一の遊技球が到達するのと同時に、他の遊技球が第2振分部112に到達すると、当該一の遊技球および当該他の遊技球は、遊技者にとって有利な特別経路SRに振分けられる。
したがって、本実施形態によれば、センター役物100の一方の開口部から複数の遊技球が連続して入球した場合であっても、当該複数の遊技球が特別経路SRに振分けられる可能性を向上させることができ、遊技者の期待感を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、入球部301から出球部303a、303bに至るまでの経路は、透明の樹脂によって形成されているので、案内路の内部における遊技球の挙動を遊技者に視認させることができ、遊技者に遊技球の挙動に対する期待感を与えることができる。
また、本実施形態では、入球検出センサー104cによって検出された複数の遊技球の時間的間隔が0.5秒以下である場合には、MPU62は、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に、遊技者にとって有利な状況となる可能性のあることを示唆する演出を実行させる。したがって、遊技球が特別経路SRに振分けられる可能性のあることを遊技者に示唆することができ、遊技者の遊技に対する注目度を向上させることができる。
図26は、第1遊技球機構の他の一例の構成を示す説明図である。第1遊技球機構220は、遊技球が入球可能な入球部221と、入球した遊技球が出球する出球部223と、入球部221に入球した遊技球を出球部223に案内する案内路224と、出球部223から出球する遊技球の時間的間隔を調整する調整機構230とを備えることにより、図21に示した第1遊技球機構200と同様の機能を有している。すなわち、第1遊技球機構220は、入球部221に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に他の遊技球が入球部221に入球した場合には、当該一の遊技球の入球部221への入球から、当該他の遊技球の入球部221への入球までの時間的間隔よりも、当該一の遊技球の出球部223からの出球から、当該他の遊技球の出球部223からの出球までの時間的間隔の方が大きくなるように調整する機能を有している。
第1遊技球機構220の調整機構230は、第1片231及び第2片232によって構成された回転部材233と、第1片231と第2片232との間に設けられ、回転部材233を回転可能な状態で支持する回転軸234と、第2片232に取り付けられた波状の波状部235とを備えている。本実施形態では、第2片232は、第1片231よりも長く構成されている。
図27は、第1遊技球機構220に遊技球が入球した場合における調整機構230の挙動を示す説明図である。図27(a)に示すように、一の遊技球PB1が入球部221に入球し、当該一の遊技球PB1が回転部材233の第1片231に到達すると、第1片231が当該一の遊技球PB1によって下方に押され、回転部材233は、図27(b)に示すように、回転軸234を中心として時計回りに約15度回転する。この結果、第2片232に取り付けられた波状部235が案内路224の内部に迫り出し、案内路224の通路幅が狭められた状態となる。
図27(c)に示すように、当該一の遊技球PB1が第1片231の長さ分よりも下方に移動(落下)すると、回転部材233は、第2片232及び波状部235の自重によって回転軸234を中心として反時計回りに回転し、元の位置に復位する。回転部材233が元の位置に復位した後に、他の遊技球が第1片231に到達した場合には、上述した一の遊技球PB1が第1片231に到達した場合と同様となる。なお、本実施形態では、波状部235が案内路224の内部に迫り出した状態から回転部材233が元の位置に復位するまでに要する時間は、遊技球が第1片231に到達してから波状部235が案内路224の内部に迫り出した状態になるまでに要する時間よりも長くなるように構成されている。
一方、図27(d)に示すように、回転部材214cが元の位置に復位する前、すなわち、波状部235が案内路224の内部に迫り出し、案内路224の通路幅が狭められた状態となっている期間中に、他の遊技球PB2が調整機構230に到達した場合には、当該他の遊技球PB2は、波状部235に接触し、左右に振動しながら落下することになる。このため、当該他の遊技球の落下速度が低下し、入球部221から出球部223に至るまでの時間が長くなる。当該他の遊技球PB2が第1片231の長さ分よりも下方に移動(落下)した後は、回転部材233は、第2片232及び波状部235の自重によって回転軸234を中心として反時計回りに回転し、元の位置に復位する。
以上説明したように、第1遊技球機構220によれば、入球部221に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に他の遊技球が入球部221に入球した場合には、当該一の遊技球の入球部221への入球から、当該他の遊技球の入球部221への入球までの時間的間隔よりも、当該一の遊技球の出球部223からの出球から、当該他の遊技球の出球部223からの出球までの時間的間隔の方が大きくなるように調整される。なお、この0.5秒という時間は、回転部材233の形状等を変更することによって、適宜変更することができる。
一方、入球部221に一の遊技球が入球してから0.5秒経過後に他の遊技球が入球部221に入球した場合には、調整機構230による上述した調整が行なわれない。換言すれば、入球部221に一の遊技球が入球してから0.5秒経過後に他の遊技球が入球部221に入球した場合には、当該一の遊技球の出球部223からの出球から、当該他の遊技球の出球部223からの出球までの時間的間隔は、当該一の遊技球の入球部221への入球から、当該他の遊技球の入球部221への入球までの時間的間隔と同じとなる。
このように、第1遊技球機構200の他の一例である第1遊技球機構220によっても、第1遊技球機構220の出球部223から出球した一の遊技球が第1始動口33に入球して保留個数が上限に達した場合に、第1遊技球機構220の出球部223から出球した他の遊技球の第1始動口33への入球が有効になる可能性があるという期待感を遊技者に与えることができ、興趣向上を図ることができる。
なお、波状部235は、磁性を帯びた部材によって構成されていてもよい。このようにすれば、波状部235が案内路224の内部に迫り出した状態において遊技球が波状部235の前を通過すると、波状部235と遊技球とが磁力によって引き合い、波状部235の元の位置への復位が抑制され、波状部235が案内路224の内部に迫り出した状態の期間が長くなる。この結果、遊技球の落下速度をさらに低下させることができ、遊技球が出球部223に至るまでに要する時間をさらに長くすることができる。なお、遊技球の挙動によって波状部235等の可動役物の挙動が変化し、さらに、当該可動役物の挙動の変化によって、遊技球の挙動が変化する構成であれば、他の構成を採用してもよい。
I.変形例:
なお、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
I1.変形例1:
上記実施形態では、特別経路SR、通常経路NR、および、経路振分機構110は、センター役物100の内部に設けられてるが、特別経路SR、通常経路NR、および、経路振分機構110は、センター役物100の内部の役物内遊技領域PA2に限らず、遊技球が流下する遊技領域PAのいずれかの箇所に設けられていればよい。例えば、特別経路SR、通常経路NR、および、経路振分機構110は、センター役物を有さないタイプのパチンコ機に搭載されていてもよい。このようにしても、遊技の興趣向上を図ることができる。
I2.変形例2:
上記実施形態では、センター役物100は、2つの開口部101a,101bを備え、当該2つの開口部101a,101bをそれぞれ開閉する2つの羽根部材102a,102bを備えるが、センター役物100が備える開口部および羽根部材は、それぞれ1つずつであってもよく、3つ以上であってもよい。
I3.変形例3:
上記実施形態では、センター役物100の開口部101a,101bは、センター役物100の左右対称の位置にそれぞれ設けられており、経路振分機構110は、センター役物100の左右の略中央位置に設けられているが、センター役物100の開口部101a,101bや、経路振分機構110は、これらの位置に限定されず、他の位置に設けられていてもよい。
I4.変形例4:
上記実施形態では、特別経路SRは、通常経路NRよりも遊技者にとって有利な経路として設定されているが、特別経路SRは、通常経路NRよりも遊技者にとって不利な経路として設定されていてもよい。この場合には、経路振分機構110に一の遊技球が到達してから0.5秒以内に、他の遊技球が経路振分機構110に到達しないで欲しいといった緊張感を遊技者に対して付与することができる。このように、経路振分機構110を備えるパチンコ機10によれば、遊技者に対して様々な期待感や緊張感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
I5.変形例5:
上記実施形態では、パチンコ機10は、第1遅延機構D1を備えることによって、第1の検出時間が第2の検出時間よりも長くなるように構成されているが、特別な遅延機構を備えることなく、第1の検出時間が第2の検出時間よりも長くなるように構成されていてもよい。同様に、上記実施形態では、パチンコ機10は、第2遅延機構D2を備えることによって、第2の検出時間が第3の検出時間よりも長くなるように構成されているが、特別な遅延機構を備えることなく、第2の検出時間が第3の検出時間よりも長くなるように構成されていてもよい。
I6.変形例6:
上記実施形態では、第1の検出時間、第2の検出時間、および第3の検出時間を算出する場合の基準位置として、確定入球口VHの位置を採用しているが、遊技球が射出される遊技領域PAにおける他の位置を基準位置として採用してもよい。例えば、センター役物100の開口部101a,101bの位置を基準位置として採用してもよい。
I7.変形例7:
上記実施形態では、第1特典振分機構140の第1特典入球口VH1は、一の遊技球が入球した後は、所定の期間、他の遊技球が入球しないように構成されているが、第1特典入球口VH1は、複数の遊技球が連続して入球可能なように構成されていてもよい。同様に、上記実施形態では、第2特典振分機構160の第2特典入球口VH2は、一の遊技球が入球した後は、所定の期間、他の遊技球が入球しないように構成されているが、第2特典入球口VH2は、複数の遊技球が連続して入球可能なように構成されていてもよい。
I8.変形例8:
上記実施形態において、1つの特典振分機構に、3つの特定領域にそれぞれ対応した3つの特典入球口が設けられている構成を採用してもよい。また、特典入球口および特定領域の数(種別)は、3つに限らず、例えば、1つや2つであってもよく、4つ以上であってもよい。また、特定領域が1つだけ設けられている構成を採用し、遊技球が当該特定領域を通過したことを契機として、移行する特別遊技状態の種別を内部抽選によって決定する構成を採用してもよい。
I9.変形例9:
上記実施形態において、経路振分機構110に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分機構110に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分機構110に到達した場合に、当該一の遊技球および他の遊技球が振分けられる経路を、特別経路SR(第1の経路)と定義し、一方、経路振分機構110に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分機構110に到達しなかった場合に、当該一の遊技球が振分けられる経路を通常経路NR(第2の経路)と定義してもよい。
I10.変形例10:
上記実施形態において、入球検出センサー104aと入球検出センサー104bとの間に、隔壁が設けられていてもよい。このようにすれば、左側の開口部101aから入球した遊技球は確実に左側の入球検出センサー104aに入球するようになり、右側の開口部101bから入球した遊技球は確実に右側の入球検出センサー104bに入球するようになる。
また、隔壁が経路振分機構110側に延びた形状であれば、入球検出センサー104aから入球した遊技球は、確実に経路振分機構110の第1振分部111に到達し、入球検出センサー104bから入球した遊技球は、確実に経路振分機構110の第2振分部112に到達するようになる。このような構成によれば、遊技球が特別経路SRに振分けられる可能性を向上させることができ、遊技の注目度を向上させることができる。
I11.変形例11:
上記実施形態では、左側の案内路106aと右側の案内路106bは、左右対称の構造であるが、左側の案内路106aと右側の案内路106bの傾斜や長さが異なっていてもよい。例えば、上記第3実施形態および第4実施形態において、右側の案内路106bの傾斜を大きくし、入球検出センサー104bの位置を経路振分機構110c、110dに近づいた構成を採用してもよい。このような構成によれば、左右の開口部101a、101bの有利度に差異を設けることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
I12.変形例12:
上記実施形態において、第1遅延機構D1に一の遊技球が到達してから5秒以内に他の遊技球が第1遅延機構D1に到達した場合には、円筒部材171の回転速度を大きくし、遊技球の遅延時間を短くする構成であってもよい。このようにすれば、第1特典入球口VH1に遊技球が連続して入球して欲しくないといった緊張感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、確定入球口VHに入球した遊技球が2つであり、当該2つの遊技球が第1特典入球口VH1に入球した場合には、遊技球の不要な遅延を抑制することができる。
また、遅延機構として、遊技球が一時的に滞留する球状の空間が設けられていてもよい。球状の空間としては、例えば、遊技球が1つ入る程度の大きさであり、当該空間の下方に開口部が設けられている構成を採用することができる。
このような球状の空間に遊技球が入球すると、遊技球は微小振動し、一時的に当該空間内に滞留する。そして、微小振動が終了すると、遊技球は開口部から落下して次の経路に進む。なお、一の遊技球が球状の空間内に滞留中に他の遊技球が当該球状の空間に入球した場合には、滞留中の一の遊技球が当該他の遊技球によって押し出されて開口部から落下し、遊技球の遅延が解除される構成であってもよい。このような構成によっても、遊技者に緊張感を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、上述したように、遊技球の不要な遅延を抑制することができる場合がある。
I13.変形例13:
上記実施形態では、MPU62は、入球検出センサー104a、104bによって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定時間以下であるか否かを判定し、当該時間的間隔が所定時間以下である場合に、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に演出を実行させるが、この代わりに、MPU62は、検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定の範囲に含まれるか否かを判定し、当該時間的間隔が所定の範囲に含まれる場合に、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に演出を実行させる構成であってもよい。
また、MPU62は、実行する演出の種別を、検出された遊技球の時間的間隔に応じて選択する構成であってもよい。
I14.変形例14:
上記実施形態では、通過検出センサー107は、第1特別経路SR1と第2特別経路SR2とが合流した特別経路に設けられているが、通過検出センサー107は、第1特別経路SR1および第2特別経路SR2の少なくとも一方に設けられていてもよい。このような構成であっても、経路振分機構110に不具合が発生している可能性があることや、遊技者によって不正が行なわれている可能性があることを報知することができるので、健全な遊技を担保することができる。
また、上記実施形態では、MPU62は、入球検出センサー104a、104bによって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定時間以下であるか否かを判定することによって、異常の報知を実行するか否かの判定を行なっているが、この代わりに、MPU62は、入球検出センサー104a、104bによって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定の範囲に含まれるか否かを判定することによって、報知を実行するか否かの判定を行なってもよい。
また、通過検出センサー107を、特別経路SRの代わりに、通常経路NRに設けてもよい。この場合には、MPU62は、入球検出センサー104a、104bによって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定時間以下ではないにも関わらず、通常経路NRに設けられた通過検出センサー107によって遊技球が検出されない場合に、各種ランプ47や、スピーカー46、表示装置91に異常の報知を実行させる構成であればよい。
I15.変形例15:
上記実施形態では、MPU62は、2つの入球検出センサー104a、104bから受信した信号と、通過検出センサー107から受信した信号とを用いて異常の報知を実行するか否かを判定しているが、この代わりに、通過検出センサー107から受信した信号のみを用いて報知を実行するか否かの判定を行なってもよい。
具体的には、上記実施形態では、経路振分機構110によって2つの遊技球が正常に特別経路SRに振分けられた場合には、当該2つの遊技球は、通過検出センサー107によって0.5秒以内の時間的間隔で検出される。したがって、MPU62は、一の遊技球が通過検出センサー107によって検出されてから0.5秒以内に他の遊技球が通過検出センサー107によって検出された場合には、当該報知を実行しないと判定する。一方、一の遊技球が通過検出センサー107によって検出されてから0.5秒以内に他の遊技球が通過検出センサー107によって検出されなかった場合には、経路振分機構110に不具合が発生している可能性や、遊技者による不正が行なわれている可能性があるため、MPU62は、報知を実行すると判定する。このような構成であっても、経路振分機構110に不具合が発生している可能性があることや、遊技者によって不正が行なわれている可能性があることを報知することができるので、健全な遊技を担保することができる。
I16.変形例16:
上記第8実施形態では、第1遊技球機構200は、出球部203から出球した遊技球が第1始動口33に入球する位置に設けられているが、第1遊技球機構200は、遊技領域PAの他の位置に設けられていてもよい。
例えば、第1遊技球機構200は、出球部203から出球した遊技球が第2始動口34に入球する位置に設けられていてもよい。
また、例えば、第1遊技球機構200は、出球部203から出球した遊技球が第1始動口33や第2始動口34に入球する位置以外の箇所に設けられていてもよい。このようにしても、第1遊技球機構200の入球部201に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に他の遊技球が入球部201に入球した場合には、遊技球の入球の時間的間隔よりも、遊技球の出球の時間的間隔を大きくすることができるので、遊技球の挙動に抑揚を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、第1遊技球機構200の入球部201に複数の遊技球が入球すると、遊技球の出球時の時間的間隔が入球時の時間的間隔よりも大きくなる調整が行なわれる場合と、当該調整が行なわれない場合とが生じるので、出球部203から出球する遊技球の時間的間隔に抑揚を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
I17.変形例17:
上記第8実施形態では、第1遊技球機構200の第2案内路212の経路長は、第1案内路211の経路長よりも長く構成されているが、第1案内路211および第2案内路212は、この構成に限定されない。例えば、第2案内路212の経路長は、第1案内路211の経路長よりも短く構成されているが、第2案内路212の途中に、遊技球を遅延させる遅延機構が設けられていてもよい。
このようにしても、第1遊技球機構200の入球部201に遊技球が入球してから第2案内路212を経由して当該遊技球が出球部203から出球するまでに要する平均時間Ta2を、入球部201に遊技球が入球してから第1案内路211を経由して当該遊技球が出球部203から出球するまでに要する平均時間Ta1よりも長くすることができる。
この結果、第1遊技球機構200の入球部201に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に他の遊技球が入球部201に入球した場合に、当該一の遊技球の入球部201への入球から当該他の遊技球の入球部201への入球までの時間的間隔よりも、当該一の遊技球の出球部203からの出球から当該他の遊技球の出球部203からの出球までの時間的間隔を大きくすることができる。
I18.変形例18:
上記第8実施形態では、第2遊技球機構300は、出球部303a、303bから出球した遊技球が経路振分機構110に到達する位置に設けられているが、第2遊技球機構300は、遊技領域PAの他の位置に設けられていてもよい。
また、上記第8実施形態では、第2遊技球機構300の調整機構310は、入球部301に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に、他の遊技球が入球部301に入球した場合には、当該一の遊技球が第1出球部303aから出球するタイミングと、当該他の遊技球が第2出球部303bから出球するタイミングとが同時となるように調整するが、当該一の遊技球と当該他の遊技球の出球のタイミングは、同時でなくてもよい。
例えば、第2遊技球機構300の調整機構310は、入球部301に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に、他の遊技球が入球部301に入球した場合には、当該一の遊技球の入球部301への入球から当該他の遊技球の入球部301への入球までの時間的間隔よりも、当該一の遊技球の第1出球部303aからの出球から当該他の遊技球の第2出球部303bからの出球までの時間的間隔の方が小さくなるように調整する機能を有していればよい。このような構成であっても、遊技球の挙動に抑揚を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、調整機構310は、入球部301に一の遊技球が入球してから0.5秒経過後に、他の遊技球が入球部301に入球した場合には、上述した調整を行なわないので、遊技球の出球時の時間的間隔が入球時の時間的間隔よりも小さくなる調整が行なわれる場合と、当該調整が行なわれない場合とが生じるので、出球部303a、303bから出球する遊技球の時間的間隔に抑揚を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、例えば、第2遊技球機構300の下流側に、到達する複数の遊技球の時間的間隔が小さいほど遊技者にとって有利な結果となる可能性のある入球部や役物等が配置されている場合には、第2遊技球機構300によって遊技球の出球の時間的間隔が小さくなるので、有利な結果が得られるのではないかといった期待感を遊技者に対して付与することができる。
I19.変形例19:
上記第8実施形態では、第2遊技球機構300は、2つの出球部303a、303bを備えているが、出球部を1つ備える構成であってもよい。このような構成であっても、第2遊技球機構300の入球部301に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に他の遊技球が入球部301に入球した場合には、役物に到達する遊技球の時間的間隔を、第2遊技球機構300に入球した遊技球の時間的間隔よりも小さくすることができるので、遊技球の挙動に抑揚を与えることができ、興趣向上を図ることができる。
ただし、上記第8実施形態のように、2つの出球部303a、303bを備える構成によれば、入球部301に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に他の遊技球が入球部301に入球した場合には、当該一の遊技球と当該他の遊技球とを別々の出球部303a、303bから出球させることができるので、第2遊技球機構300に入球した遊技球を分散させることができる。したがって、分散した遊技球の挙動に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、当該他の遊技球が第1出球部303aから出球する場合と、当該他の遊技球が第2出球部303bから出球する場合とが生じるので、遊技球の挙動に抑揚を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、第2遊技球機構300は、3つ以上の出球部を備える構成であってもよい。この場合には、第2遊技球機構300に入球した遊技球をさらに分散させることができる。
I20.変形例20:
上記第8実施形態では、第2遊技球機構300の出球部303a、303bから出球した遊技球が到達する位置に、経路振分機構110が設けられているが、経路振分機構110の代わりに、上記の他の実施形態における経路振分機構が設けられていてもよい。
また、第2遊技球機構300の出球部303a、303bから出球した遊技球が到達する位置には、到達する複数の遊技球の時間的間隔に応じて当該到達した複数の遊技球の挙動に変化を与えるその他の役物が設けられていてもよい。
このような構成であっても、第2遊技球機構300の入球部301に一の遊技球が入球してから0.5秒以内に他の遊技球が入球部301に入球した場合には、役物に到達する遊技球の時間的間隔を、第2遊技球機構300に入球した遊技球の時間的間隔よりも小さくすることができるので、役物から受ける遊技球の挙動の変化に抑揚を与えることができ、興趣向上を図ることができる。
I21.変形例21:
上記第8実施形態では、第1遊技球機構200および第2遊技球機構300における案内路は、透明の樹脂によって形成されているが、これらの案内路は、透明ではない部材によって形成されていてもよい。
I22.変形例22:
上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば、始動口に遊技球が入球したことに基づいて大当たり抽選を行なうパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機等、遊技用媒体としての遊技球が払い出される払出手段を備えるパチンコ機にも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
J.上記実施形態および変形例から抽出される発明群について:
以下、上述した実施形態および変形例から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
従来、遊技結果に応じて遊技者に特典を付与する遊技機が知られている。遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、遊技領域に射出された遊技球が通過した特定領域に基づいて、遊技結果を判定するものが存在する。
このような遊技機において、遊技への遊技者の注目度をさらに高めるために、好適に遊技の興趣向上を図る必要がある。なお、このような課題は、遊技球を用いる遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴A1]
遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路と、
前記遊技領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路とは異なる経路である第2種経路と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を前記第1種経路または前記第2種経路に振分ける経路振分手段と、
を備える遊技機であって、
前記経路振分手段は、当該経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、当該経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が当該経路振分手段に到達した場合には、当該一の遊技球および他の遊技球を前記第1種経路に振分けるものであることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達した場合に、当該一の遊技球および他の遊技球が第1種経路に振分けられる。
ここで、第1種経路が第2種経路よりも遊技者にとって有利な経路である場合には、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達して欲しいといった期待感を、遊技者に対して付与することができる。また、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達した場合には、当該一の遊技球だけでなく、他の遊技球も第1種経路に振分けられるので、遊技者に対して、一の遊技球に対する期待感だけでなく、他の遊技球に対する期待感をも付与することができる。
一方、第1種経路が第2種経路よりも遊技者にとって不利な経路である場合には、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達しないで欲しいといった緊張感を遊技者に対して付与することができる。
このように、特徴A1によれば、遊技者に対して様々な期待感や緊張感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴A2]
特徴A1に記載の遊技機であって、
前記経路振分手段は、当該経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が当該経路振分手段に到達しなかった場合には、当該一の遊技球を前記第2種経路に振分けるものであることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達しなかった場合には、当該一の遊技球が前記第2種経路に振分けられる。
ここで、第2種経路が第1種経路よりも遊技者にとって不利な経路である場合には、一の遊技球が第2種経路に振分けられてしまわないように、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達して欲しいといった期待感を、遊技者に対して付与することができる。
一方、第2種経路が第1種経路よりも遊技者にとって有利な経路である場合には、一の遊技球が第2種経路に振分けられるように、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達しないで欲しいといった緊張感を遊技者に対して付与することができる。
このように、特徴A2によれば、遊技者に対して様々な期待感や緊張感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴A3]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記第1種経路は、第1の第1種経路と、第2の第1種経路とを備え、
前記経路振分手段は、第1の振分部と、第2の振分部と、当該経路振分手段を回転可能な状態で支持する回転軸とを備え、
前記第1の振分部に一の遊技球が到達するのと同時に、または、前記第1の振分部に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が前記第2の振分部に到達した場合には、
前記経路振分手段の前記回転軸を中心とした回転が抑制されることによって、
前記第1の振分部は、当該一の遊技球を前記第1の第1種経路に振分け、
前記第2の振分部は、当該他の遊技球を前記第2の第1種経路に振分け、
前記第1の振分部に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が前記第2の振分部に到達しなかった場合には、
前記経路振分手段が前記回転軸を中心として回転することによって、
前記第1の振分部は、当該一の遊技球を前記第2種経路に振分けるものであることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、遊技球を振分ける経路振分手段を、簡易な構成によって実現することができる。
[特徴A4]
特徴A1から特徴A3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技領域には、遊技球が内部に入球可能な役物機構が設けられており、
前記第1種経路、前記第2種経路、および、前記経路振分手段は、前記役物機構の内部に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A4によれば、役物機構の内部に遊技球が入球した場合の興趣向上を図ることができる。
[特徴A5]
特徴A4に記載の遊技機であって、
前記役物機構は、
遊技球が当該役物機構の内部に入球可能な複数の開口部と、
前記複数の開口部をそれぞれ開閉する複数の開閉手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、役物機構が複数の開口部及び開閉手段を備えるので、複数の遊技球を連続的に役物機構の内部に入球させやすくなる。したがって、多くの遊技球が第1種経路に振分けられる可能性が高くなり、遊技者に対してさらに高い期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴A6]
特徴A5に記載の遊技機であって、
前記開口部は、前記役物機構の左右対称の位置にそれぞれ設けられており、
前記経路振分手段は、前記役物機構の左右の略中央位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A6によれば、役物機構の左右のそれぞれの開口部から遊技球を入球させると、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達する可能性が高くなる。したがって、遊技者に対してさらに高い期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴A7]
特徴A1から特徴A6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1種経路は、前記第2種経路よりも遊技者にとって有利な経路であることを特徴とする遊技機。
特徴A7によれば、第1種経路は、第2種経路よりも遊技者にとって有利な経路であるので、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達して欲しいといった期待感を遊技者に対して付与することができる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
従来、遊技結果に応じて遊技者に特典を付与する遊技機が知られている。遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、遊技領域に射出された遊技球が通過した特定領域に基づいて、遊技結果を判定するものが存在する。
このような遊技機において、遊技への遊技者の注目度をさらに高めるために、好適に遊技の興趣向上を図る必要がある。なお、このような課題は、遊技球を用いる遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴B1]
遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が内部に入球可能な役物機構と、
前記役物機構の内部に設けられ、遊技球が通過した場合に第1の特典を遊技者に付与する領域である第1の特定領域と、
遊技球の前記第1の特定領域の通過を検出する第1の検出手段と、
前記役物機構の内部に設けられ、遊技球が通過した場合に前記第1の特典よりも有利な第2の特典を遊技者に付与する領域である第2の特定領域と、
遊技球の前記第2の特定領域の通過を検出する第2の検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記役物機構の内部の所定の基準位置を遊技球が通過してから前記第1の検出手段によって当該遊技球が検出されるまでに要する平均時間である第1の検出時間は、前記基準位置を遊技球が通過してから前記第2の検出手段によって当該遊技球が検出されるまでに要する平均時間である第2の検出時間よりも長くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1の検出時間が第2の検出時間よりも長くなるように構成されているので、複数の遊技球が役物機構の内部に入球した場合において、一の遊技球が第2の特定領域を通過しそうであるにも関わらず、他の遊技球が先に第1の特定領域を通過してしまい、第2の特典よりも不利な第1の特典が遊技者に付与されてしまうといった事態の発生を抑制することができる。この結果、複数の遊技球が役物機構の内部に入球した場合における遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴B2]
特徴B1に記載の遊技機であって、
遊技球が前記第1の検出手段によって検出される検出位置に到達するのを遅延させる遅延手段を備えることによって、前記第1の検出時間が前記第2の検出時間よりも長くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、遊技機が遅延手段を備えるので、第1の検出時間を第2の検出時間よりも長くすることができる。
[特徴B3]
特徴B1または特徴B2に記載の遊技機であって、
前記役物機構の内部には、遊技球が入球可能な入球口であって、遊技球が入球した場合には当該遊技球がいずれかの特定領域を通過することが確定する確定入球口が設けられており、
前記基準位置は、前記確定入球口の位置であることを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、確定入球口の位置を基準位置とするので、複数の遊技球が確定入球口に入球した場合において、一の遊技球が第2の特定領域を通過しそうであるにも関わらず、他の遊技球が先に第1の検出手段によって検出されてしまい、第2の特典よりも不利な第1の特典が遊技者に付与されてしまうといった事態の発生を抑制することができる。この結果、複数の遊技球が確定入球口に入球した場合における遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴B4]
特徴B3に記載の遊技機であって、
前記役物機構の内部のうち前記確定入球口の下流には、遊技球が入球可能な入球口であって、遊技球が入球した場合には当該遊技球が前記第1の特定領域を通過することが確定する第1の特典入球口が設けられており、
前記第1の特典入球口は、一の遊技球が入球した後は、所定の期間、他の遊技球が入球しないように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B4によれば、第1の特典入球口に一の遊技球が入球した後は、所定の期間、他の遊技球が入球しないので、複数の遊技球が確定入球口に入球した場合において、第1の特典よりも有利な第2の特典が付与されるという期待感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴B5]
特徴B3または特徴B4に記載の遊技機であって、
前記役物機構の内部には、さらに、
遊技球が通過した場合に前記第2の特典よりも有利な第3の特典を遊技者に付与する領域である第3の特定領域と、
遊技球の前記第3の特定領域の通過を検出する第3の検出手段と、
が設けられており、
前記役物機構の内部のうち前記確定入球口の下流には、遊技球を振分けることによって遊技者に付与する特典を振分ける第1の特典振分機構が設けられており、
前記第1の特典振分機構には、少なくとも、
当該第1の特典振分機構が振分けた遊技球が入球可能な入球口であって、遊技球が入球した場合には当該遊技球が前記第1の特定領域を通過することが確定する第1の特典入球口と、
当該第1の特典振分機構が振分けた遊技球が入球可能な入球口であって、遊技球が入球した場合には前記第1の特典よりも有利な特典が付与されることが確定する特典昇格入球口と、
が設けられており、
前記特典昇格入球口の下流には、遊技球を振分けることによって遊技者に付与する特典を振分ける第2の特典振分機構が設けられており、
前記第2の特典振分機構には、少なくとも、
当該第2の特典振分機構が振分けた遊技球が入球可能な入球口であって、遊技球が入球した場合には当該遊技球が前記第2の特定領域を通過することが確定する第2の特典入球口と、
当該第2の特典振分機構が振分けた遊技球が入球可能な入球口であって、遊技球が入球した場合には当該遊技球が前記第3の特定領域を通過することが確定する第3の特典入球口と、
が設けられており、
前記確定入球口を遊技球が通過してから前記第3の検出手段によって当該遊技球が検出されるまでに要する平均時間である第3の検出時間は、前記第1の検出時間および前記第2の検出時間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B5によれば、第3の検出時間が第1の検出時間および第2の検出時間よりも短くなるように構成されているので、複数の遊技球が役物機構の内部に入球した場合において、一の遊技球が第3の特定領域を通過しそうであるにも関わらず、他の遊技球が先に第1の特定領域または第2の特定領域を通過してしまい、第3の特典よりも不利な第1の特典または第2特典が遊技者に付与されてしまうといった事態の発生を抑制することができる。この結果、複数の遊技球が役物機構の内部に入球した場合における遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、特徴B5によれば、遊技球が確定入球口に入球して特典の付与が確定した後、遊技球が入球する入球口の種別に応じて、付与される特典の種別が段階的に決定される。したがって、段階的に特典の種別が決定されるという遊技を遊技者に対して提供することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴B6]
特徴B5に記載の遊技機であって、
前記第2の特典入球口は、一の遊技球が入球した後は、所定の期間、他の遊技球が入球しないように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B6によれば、第2の特典入球口に一の遊技球が入球した後は、所定の期間、他の遊技球が入球しないので、複数の遊技球が特典昇格入球口に入球した場合において、第2の特典よりも有利な第3の特典が付与されるという期待感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
従来、遊技結果に応じて遊技者に特典を付与する遊技機が知られている。遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、遊技領域に射出された遊技球が通過した特定領域に基づいて、遊技結果を判定するものが存在する。
このような遊技機において、遊技への遊技者の注目度をさらに高めるために、好適に遊技の興趣向上を図る必要がある。なお、このような課題は、遊技球を用いる遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴C1]
遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路と、
前記遊技領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路とは異なる経路である第2種経路と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を前記第1種経路または前記第2種経路に振分ける経路振分手段と、
を備える遊技機であって、
前記経路振分手段は、
遊技球の重量または衝撃によって変位することが可能であり、
当該経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、当該経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が当該経路振分手段に到達した第1の場合には、当該一の遊技球および他の遊技球の重量または衝撃によって変位することによって、当該一の遊技球および他の遊技球を前記第1種経路に振分け、
当該経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が当該経路振分手段に到達しなかった第2の場合には、前記第1の場合の変位よりも少ない量だけ変位すること、または変位しないことによって、当該一の遊技球を前記第2種経路に振分けることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達した場合に、当該一の遊技球および他の遊技球が第1種経路に振分けられる。
ここで、第1種経路が第2種経路よりも遊技者にとって有利な経路である場合には、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達して欲しいといった期待感を、遊技者に対して付与することができる。また、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達した場合には、当該一の遊技球だけでなく、他の遊技球も第1種経路に振分けられるので、遊技者に対して、一の遊技球に対する期待感だけでなく、他の遊技球に対する期待感をも付与することができる。
一方、第1種経路が第2種経路よりも遊技者にとって不利な経路である場合には、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達しないで欲しいといった緊張感を遊技者に対して付与することができる。
このように、特徴C1によれば、遊技者に対して様々な期待感や緊張感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴C1によれば、遊技球を振分ける経路振分手段を、簡易な構成によって実現することができる。
[特徴C2]
特徴C1に記載の遊技機であって、
前記経路振分手段は、
当該経路振分手段を回転可能な状態で支持する回転軸を備え、
前記回転軸を中心とした回転によって変位可能であることを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、経路振分手段は、回転軸を中心とした回転によって変位することができるので、経路振分手段自身が変形して変位する構成と比較して、耐久性を向上させることができる。
[特徴C3]
特徴C1または特徴C2に記載の遊技機であって、
前記遊技領域には、遊技球が内部に入球可能な役物機構が設けられており、
前記第1種経路、前記第2種経路、および、前記経路振分手段は、前記役物機構の内部に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴C3によれば、役物機構の内部に遊技球が入球した場合の興趣向上を図ることができる。
[特徴C4]
特徴C3に記載の遊技機であって、
前記役物機構は、
遊技球が当該役物機構の内部に入球可能な複数の開口部と、
前記複数の開口部をそれぞれ開閉する複数の開閉手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴C4によれば、役物機構が複数の開口部及び開閉手段を備えるので、複数の遊技球を連続的に役物機構の内部に入球させやすくなる。したがって、多くの遊技球が第1種経路に振分けられる可能性が高くなり、遊技者に対してさらに高い期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴C5]
特徴C4に記載の遊技機であって、
前記開口部は、前記役物機構の左右対称の位置にそれぞれ設けられており、
前記経路振分手段は、前記役物機構の左右の略中央位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴C5によれば、役物機構の左右のそれぞれの開口部から遊技球を入球させると、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達する可能性が高くなる。したがって、遊技者に対してさらに高い期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴C6]
特徴C1から特徴C5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1種経路は、前記第2種経路よりも遊技者にとって有利な経路であることを特徴とする遊技機。
特徴C6によれば、第1種経路は、第2種経路よりも遊技者にとって有利な経路であるので、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達して欲しいといった期待感を遊技者に対して付与することができる。
<特徴D群>
以下の特徴D群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
従来、遊技結果に応じて遊技者に特典を付与する遊技機が知られている。遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、遊技領域に射出された遊技球が通過した特定領域に基づいて、遊技結果を判定するものが存在する。
このような遊技機において、遊技への遊技者の注目度をさらに高めるために、好適に遊技の興趣向上を図る必要がある。なお、このような課題は、遊技球を用いる遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴D1]
遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路と、
前記遊技領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路とは異なる経路である第2種経路と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を前記第1種経路または前記第2種経路に振分ける経路振分手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1種経路は、第1の第1種経路と、第2の第1種経路とを備え、
前記経路振分手段は、第1の振分部材と、第2の振分部材とを備え、
前記第1の振分部材に一の遊技球が到達するのと同時に、または、前記第1の振分部材に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が前記第2の振分部材に到達した場合には、
前記第1の振分部材は、当該一の遊技球の重量または衝撃によって変位し、
前記第2の振分部材は、当該他の遊技球の重量または衝撃によって変位し、
変位した前記第1の振分部材と変位した前記第2の振分部材とが干渉することによって、当該一の遊技球および他の遊技球が前記第2種経路に振分けられるのを抑制するとともに、
前記第1の振分部材は、当該一の遊技球を前記第1の第1種経路に振分け、
前記第2の振分部材は、当該他の遊技球を前記第2の第1種経路に振分け、
前記第1の振分部材に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が前記第2の振分部材に到達しなかった場合には、
前記第1の振分部材は、当該一の遊技球の重量または衝撃によって変位し、当該一の遊技球を前記第2種経路に振分けることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達した場合に、当該一の遊技球および他の遊技球が第1種経路に振分けられる。
ここで、第1種経路が第2種経路よりも遊技者にとって有利な経路である場合には、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達して欲しいといった期待感を、遊技者に対して付与することができる。また、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達した場合には、当該一の遊技球だけでなく、他の遊技球も第1種経路に振分けられるので、遊技者に対して、一の遊技球に対する期待感だけでなく、他の遊技球に対する期待感をも付与することができる。
一方、第1種経路が第2種経路よりも遊技者にとって不利な経路である場合には、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達しないで欲しいといった緊張感を遊技者に対して付与することができる。
このように、特徴D1によれば、遊技者に対して様々な期待感や緊張感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴D1によれば、遊技球を振分ける経路振分手段を、簡易な構成によって実現することができる。
[特徴D2]
特徴D1に記載の遊技機であって、
前記第1の振分部材は、
当該第1の振分部材を回転可能な状態で支持する第1の回転軸を備え、
前記第1の回転軸を中心とした回転によって変位可能であり、
前記第2の振分部材は、
当該第2の振分部材を回転可能な状態で支持する第2の回転軸を備え、
前記第2の回転軸を中心とした回転によって変位可能であることを特徴とする遊技機。
特徴D2によれば、第1の振分部材および第2の振分部材は、回転軸を中心とした回転によって変位することができるので、振分部材自身が変形して変位する構成と比較して、耐久性を向上させることができる。
[特徴D3]
特徴D1または特徴D2に記載の遊技機であって、
前記遊技領域には、遊技球が内部に入球可能な役物機構が設けられており、
前記第1種経路、前記第2種経路、および、前記経路振分手段は、前記役物機構の内部に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴D3によれば、役物機構の内部に遊技球が入球した場合の興趣向上を図ることができる。
[特徴D4]
特徴D3に記載の遊技機であって、
前記役物機構は、
遊技球が当該役物機構の内部に入球可能な複数の開口部と、
前記複数の開口部をそれぞれ開閉する複数の開閉手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴D4によれば、役物機構が複数の開口部及び開閉手段を備えるので、複数の遊技球を連続的に役物機構の内部に入球させやすくなる。したがって、多くの遊技球が第1種経路に振分けられる可能性が高くなり、遊技者に対してさらに高い期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴D5]
特徴D4に記載の遊技機であって、
前記開口部は、前記役物機構の左右対称の位置にそれぞれ設けられており、
前記経路振分手段は、前記役物機構の左右の略中央位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴D5によれば、役物機構の左右のそれぞれの開口部から遊技球を入球させると、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達する可能性が高くなる。したがって、遊技者に対してさらに高い期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴D6]
特徴D1から特徴D5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1種経路は、前記第2種経路よりも遊技者にとって有利な経路であることを特徴とする遊技機。
特徴D6によれば、第1種経路は、第2種経路よりも遊技者にとって有利な経路であるので、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達して欲しいといった期待感を遊技者に対して付与することができる。
<特徴E群>
以下の特徴E群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
従来、遊技結果に応じて遊技者に特典を付与する遊技機が知られている。遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、遊技領域に射出された遊技球が通過した特定領域に基づいて、遊技結果を判定するものが存在する。
このような遊技機において、遊技への遊技者の注目度をさらに高めるために、好適に遊技の興趣向上を図る必要がある。なお、このような課題は、遊技球を用いる遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴E1]
遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路と、
前記遊技領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路とは異なる経路である第2種経路と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を前記第1種経路または前記第2種経路に振分ける経路振分手段と、
を備える遊技機であって、
前記経路振分手段は、
当該経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、当該経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が当該経路振分手段に到達したか否かを判定する判定手段を備え、
当該経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、当該経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が当該経路振分手段に到達したと前記判定手段によって判定された場合には、当該一の遊技球および他の遊技球を前記第1種経路に振分け、
当該経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が当該経路振分手段に到達しなかったと前記判定手段によって判定された場合には、当該一の遊技球を前記第2種経路に振分けることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達した場合に、当該一の遊技球および他の遊技球が第1種経路に振分けられる。
ここで、第1種経路が第2種経路よりも遊技者にとって有利な経路である場合には、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達して欲しいといった期待感を、遊技者に対して付与することができる。また、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達した場合には、当該一の遊技球だけでなく、他の遊技球も第1種経路に振分けられるので、遊技者に対して、一の遊技球に対する期待感だけでなく、他の遊技球に対する期待感をも付与することができる。
一方、第1種経路が第2種経路よりも遊技者にとって不利な経路である場合には、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達しないで欲しいといった緊張感を遊技者に対して付与することができる。
このように、特徴E1によれば、遊技者に対して様々な期待感や緊張感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴E2]
特徴E1に記載の遊技機であって、
前記遊技領域には、遊技球が内部に入球可能な役物機構が設けられており、
前記第1種経路、前記第2種経路、および、前記経路振分手段は、前記役物機構の内部に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴E2によれば、役物機構の内部に遊技球が入球した場合の興趣向上を図ることができる。
[特徴E3]
特徴E2に記載の遊技機であって、
前記役物機構は、
遊技球が当該役物機構の内部に入球可能な複数の開口部と、
前記複数の開口部をそれぞれ開閉する複数の開閉手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴E3によれば、役物機構が複数の開口部及び開閉手段を備えるので、複数の遊技球を連続的に役物機構の内部に入球させやすくなる。したがって、多くの遊技球が第1種経路に振分けられる可能性が高くなり、遊技者に対してさらに高い期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴E4]
特徴E3に記載の遊技機であって、
前記開口部は、前記役物機構の左右対称の位置にそれぞれ設けられており、
前記経路振分手段は、前記役物機構の左右の略中央位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴E4によれば、役物機構の左右のそれぞれの開口部から遊技球を入球させると、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達する可能性が高くなる。したがって、遊技者に対してさらに高い期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴E5]
特徴E1から特徴E4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1種経路は、前記第2種経路よりも遊技者にとって有利な経路であることを特徴とする遊技機。
特徴E5によれば、第1種経路は、第2種経路よりも遊技者にとって有利な経路であるので、経路振分手段に一の遊技球が到達するのと同時に、または、経路振分手段に一の遊技球が到達してから所定時間以内に、他の遊技球が経路振分手段に到達して欲しいといった期待感を遊技者に対して付与することができる。
<特徴F群>
以下の特徴F群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
従来、遊技結果に応じて遊技者に特典を付与する遊技機が知られている。遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、遊技領域に射出された遊技球が通過した特定領域に基づいて、遊技結果を判定するものが存在する。
このような遊技機において、遊技への遊技者の注目度をさらに高めるために、好適に遊技の興趣向上を図る必要がある。なお、このような課題は、遊技球を用いる遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴F1]
遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な遊技球機構と、
を備える遊技機であって、
前記遊技球機構は、
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部から当該遊技球機構に入球した遊技球が当該遊技球機構から出球する出球部と、
前記入球部に一の遊技球が入球してから所定時間以内に、当該一の遊技球の次に入球する他の遊技球が前記入球部に入球した場合には、前記一の遊技球の前記入球部への入球から前記他の遊技球の前記入球部への入球までの時間的間隔よりも、前記一の遊技球の前記出球部からの出球から前記他の遊技球の前記出球部からの出球までの時間的間隔の方が大きくなるように調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、遊技球機構の入球部に一の遊技球が入球してから所定時間以内に他の遊技球が入球部に入球した場合には、遊技球の入球の時間的間隔よりも、遊技球の出球の時間的間隔を大きくすることができるので、遊技球の挙動に抑揚を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、例えば、遊技球機構の下流側に、到達する複数の遊技球の時間的間隔が小さいと遊技者にとって不利な結果となる可能性のある入球部や役物等が配置されている場合には、特徴F1の遊技球機構によって遊技球の出球の時間的間隔が大きくなるので、不利な結果となることを回避できるのではないかといった期待感を遊技者に対して付与することができる。
[特徴F2]
特徴F1に記載の遊技機であって、
前記調整手段は、
前記入球部に前記一の遊技球が入球してから所定時間経過後に前記他の遊技球が前記入球部に入球した場合には、前記調整を行なわないものであることを特徴とする遊技機。
特徴F2によれば、遊技球の出球時の時間的間隔が入球時の時間的間隔よりも大きくなる調整が行なわれる場合と、当該調整が行なわれない場合とが生じるので、出球部から出球する遊技球の時間的間隔に抑揚を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴F3]
特徴F1または特徴F2に記載の遊技機であって、
前記調整手段は、
前記入球部に入球した遊技球を案内する経路である第1の案内路と、
前記入球部に入球した遊技球を案内する経路であって、前記第1の案内路とは異なる第2の案内路と、
前記入球部に入球した前記一の遊技球および前記他の遊技球を前記第1の案内路および前記第2の案内路のいずれか一方に振分ける振分手段と、
前記振分手段よりも下流において前記第1の案内路と前記第2の案内路とが合流した経路であって、遊技球を前記出球部に案内する合流案内路と、
を備え、
前記振分手段は、
当該振分手段に到達した前記一の遊技球を前記第1の案内路に振分けるとともに、
前記一の遊技球が到達してから所定時間以内に前記他の遊技球が当該振分手段に到達した場合には、前記他の遊技球を前記第2の案内路に振分け、
前記一の遊技球が到達してから所定時間経過後に前記他の遊技球が当該振分手段に到達した場合には、前記他の遊技球を前記第1の案内路に振分け、
前記第1の案内路および前記第2の案内路は、
前記入球部に遊技球が入球してから前記第2の案内路を経由して当該遊技球が前記出球部から出球するまでに要する平均時間が、前記入球部に遊技球が入球してから前記第1の案内路を経由して当該遊技球が前記出球部から出球するまでに要する平均時間よりも長くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F3によれば、入球部に一の遊技球が入球してから所定時間以内に他の遊技球が入球部に入球した場合に、当該一の遊技球の入球部への入球から当該他の遊技球の入球部への入球までの時間的間隔よりも、当該一の遊技球の出球部からの出球から当該他の遊技球の出球部からの出球までの時間的間隔を大きくすることができる。
[特徴F4]
特徴F1から特徴F3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技領域には、遊技球が入球可能な始動入球部が設けられており、
前記始動入球部への遊技球の入球は、他の役物の開放の契機として設定されているとともに、遊技球の入球の保留個数には上限が設定されており、
前記遊技球機構は、前記出球部から出球した遊技球が前記始動入球部に入球する位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴F4によれば、出球部から出球した遊技球を始動入球部に入球させることができる。
また、特徴F4によれば、遊技球機構の入球部に一の遊技球が入球してから所定時間以内に他の遊技球が入球部に入球した場合において、例えば、遊技球機構の出球部から出球した一の遊技球が始動入球部に入球し、遊技球の入球の保留個数が上限に達した場合であっても、遊技球機構の出球部から一の遊技球が出球してから他の遊技球が出球するまでの時間的間隔が大きくなっているので、他の遊技球が出球して始動入球部に入球するまでの間に保留が消化され、他の遊技球の始動入球部への入球が有効となる可能性が高くなる。
したがって、遊技球機構の出球部から出球した一の遊技球が始動入球部に入球して保留個数が上限に達した場合であっても、遊技球機構の出球部から出球した他の遊技球の始動入球部への入球が有効になる可能性があるという期待感を遊技者に与えることができ、興趣向上を図ることができる。
[特徴F5]
特徴F1から特徴F4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技球機構は、当該遊技球機構における遊技球の挙動が遊技者に視認可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F5によれば、遊技球機構における遊技球の挙動を遊技者に視認させることができるので、遊技者に遊技球の挙動に対する期待感を与えることができ、興趣向上を図ることができる。
<特徴G群>
以下の特徴G群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
従来、遊技結果に応じて遊技者に特典を付与する遊技機が知られている。遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、遊技領域に射出された遊技球が通過した特定領域に基づいて、遊技結果を判定するものが存在する。
このような遊技機において、遊技への遊技者の注目度をさらに高めるために、好適に遊技の興趣向上を図る必要がある。なお、このような課題は、遊技球を用いる遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴G1]
遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な遊技球機構と、
を備える遊技機であって、
前記遊技球機構は、
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部から当該遊技球機構に入球した遊技球が当該遊技球機構から出球する出球部と、
前記入球部に一の遊技球が入球してから所定時間以内に、当該一の遊技球の次に入球する他の遊技球が前記入球部に入球した場合には、前記一の遊技球の前記入球部への入球から前記他の遊技球の前記入球部への入球までの時間的間隔よりも、前記一の遊技球の前記出球部からの出球から前記他の遊技球の前記出球部からの出球までの時間的間隔の方が小さくなるように調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、遊技球機構の入球部に一の遊技球が入球してから所定時間以内に他の遊技球が入球部に入球した場合には、遊技球の入球の時間的間隔よりも、遊技球の出球の時間的間隔を小さくすることができるので、遊技球の挙動に抑揚を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、例えば、遊技球機構の下流側に、到達する複数の遊技球の時間的間隔が小さいほど遊技者にとって有利な結果となる可能性のある入球部や役物等が配置されている場合には、特徴G1の遊技球機構によって遊技球の出球の時間的間隔が小さくなるので、有利な結果が得られるのではないかといった期待感を遊技者に対して付与することができる。
[特徴G2]
特徴G1に記載の遊技機であって、
前記調整手段は、
前記入球部に前記一の遊技球が入球してから所定時間経過後に前記他の遊技球が前記入球部に入球した場合には、前記調整を行なわないものであることを特徴とする遊技機。
特徴G2によれば、遊技球の出球時の時間的間隔が入球時の時間的間隔よりも小さくなる調整が行なわれる場合と、当該調整が行なわれない場合とが生じるので、出球部から出球する遊技球の時間的間隔に抑揚を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴G3]
特徴G1または特徴G2に記載の遊技機であって、
前記遊技球機構は、
前記出球部として、第1の出球部と、第2の出球部とを含む少なくとも2つの出球部を備えており、
前記調整手段は、
前記入球部に前記一の遊技球が入球してから所定時間以内に前記他の遊技球が前記入球部に入球した場合には、
前記一の遊技球を前記第1の出球部から出球させるとともに、前記他の遊技球を前記第2の出球部から出球させ、
前記一の遊技球の前記入球部への入球から前記他の遊技球の前記入球部への入球までの時間的間隔よりも、前記一の遊技球の前記第1の出球部からの出球から前記他の遊技球の前記第2の出球部からの出球までの時間的間隔の方が小さくなるように調整するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G3によれば、入球部に一の遊技球が入球してから所定時間以内に他の遊技球が入球部に入球した場合には、当該一の遊技球と当該他の遊技球とを別々の出球部から出球させることができるので、遊技球機構に入球した遊技球を分散させることができる。したがって、分散した遊技球の挙動に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴G4]
特徴G3に記載の遊技機であって、
前記調整手段は、
前記入球部に前記一の遊技球が入球してから所定時間経過後に前記他の遊技球が前記入球部に入球した場合には、
前記一の遊技球および前記他の遊技球を前記第1の出球部から出球させるとともに、前記調整を行なわないものであることを特徴とする遊技機。
特徴G4によれば、他の遊技球が第1の出球部から出球する場合と、他の遊技球が第2の出球部から出球する場合とが生じるので、遊技球の挙動に抑揚を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴G5]
特徴G3または特徴G4に記載の遊技機であって、
前記調整手段は、
前記入球部に前記一の遊技球が入球してから所定時間以内に前記他の遊技球が前記入球部に入球した場合には、
前記一の遊技球が前記第1の出球部から出球するタイミングと、前記他の遊技球が前記第2の出球部から出球するタイミングとが同時となるように調整することを特徴とする遊技機。
特徴G5によれば、入球部に一の遊技球が入球してから所定時間以内に他の遊技球が入球部に入球した場合に、当該一の遊技球と当該他の遊技球とを別々の出球部から同時に出球させることができる。
また、例えば、遊技球機構の下流側に、到達する複数の遊技球の時間的間隔が小さいほど遊技者にとって有利な結果となる可能性のある入球部や役物等が配置されている場合には、特徴G5の遊技球機構によって別々の出球部から遊技球が同時に出球されるので、有利な結果が得られるのではないかといった強い期待感を遊技者に対して付与することができる。
[特徴G6]
特徴G3から特徴G5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記調整手段は、
前記入球部に入球した遊技球を前記第1の出球部に案内する経路である第1の案内路と、
前記入球部に入球した遊技球を前記第2の出球部に案内する経路である第2の案内路と、
前記入球部に入球した前記一の遊技球および前記他の遊技球を前記第1の案内路および前記第2の案内路のいずれか一方に振分ける振分手段と、
を備え、
前記振分手段は、
当該振分手段に到達した前記一の遊技球を前記第1の案内路に振分けるとともに、
前記一の遊技球が到達してから所定時間以内に前記他の遊技球が当該振分手段に到達した場合には、前記他の遊技球を前記第2の案内路に振分け、
前記一の遊技球が到達してから所定時間経過後に前記他の遊技球が当該振分手段に到達した場合には、前記他の遊技球を前記第1の案内路に振分け、
前記第1の案内路および前記第2の案内路は、
前記入球部に遊技球が入球してから前記第2の案内路を経由して当該遊技球が前記第2の出球部から出球するまでに要する平均時間が、前記入球部に遊技球が入球してから前記第1の案内路を経由して当該遊技球が前記第1の出球部から出球するまでに要する平均時間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴G6によれば、入球部に一の遊技球が入球してから所定時間以内に他の遊技球が入球部に入球した場合に、当該一の遊技球の入球部への入球から当該他の遊技球の入球部への入球までの時間的間隔よりも、当該一の遊技球の出球部からの出球から当該他の遊技球の出球部からの出球までの時間的間隔を小さくすることができる。
[特徴G7]
特徴G1から特徴G6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技盤には、到達する複数の遊技球の時間的間隔に応じて、当該到達した複数の遊技球の挙動に変化を与える役物が設けられており、
前記遊技球機構は、前記出球部から出球した遊技球が前記役物に到達する位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴G7によれば、出球部から出球した遊技球を役物に到達させることができる。
また、特徴G7によれば、遊技球機構の入球部に一の遊技球が入球してから所定時間以内に他の遊技球が入球部に入球した場合には、役物に到達する遊技球の時間的間隔を、遊技球機構に入球した遊技球の時間的間隔よりも小さくすることができるので、役物から受ける遊技球の挙動の変化に抑揚を与えることができ、興趣向上を図ることができる。
[特徴G8]
特徴G1から特徴G7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技球機構は、当該遊技球機構における遊技球の挙動が遊技者に視認可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴G8によれば、遊技球機構における遊技球の挙動を遊技者に視認させることができるので、遊技者に遊技球の挙動に対する期待感を与えることができ、興趣向上を図ることができる。
<特徴H群>
以下の特徴H群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
従来、遊技結果に応じて遊技者に特典を付与する遊技機が知られている。遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、遊技領域に射出された遊技球が通過した特定領域に基づいて、遊技結果を判定するものが存在する。
このような遊技機において、遊技への遊技者の注目度をさらに高めるために、好適に遊技の興趣向上を図る必要がある。なお、このような課題は、遊技球を用いる遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴H1]
遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な遊技球機構と、
を備える遊技機であって、
前記遊技球機構は、
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部から当該遊技球機構に入球した遊技球が当該遊技球機構から出球する出球部と、
前記入球部に一の遊技球が入球してから所定時間以内に、当該一の遊技球の次に入球する他の遊技球が前記入球部に入球した場合には、前記一の遊技球の前記出球部からの出球から前記他の遊技球の前記出球部からの出球までの時間的間隔が、前記一の遊技球の前記入球部への入球から前記他の遊技球の前記入球部への入球までの時間的間隔と異なるように調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、遊技球機構の入球部に一の遊技球が入球してから所定時間以内に他の遊技球が入球部に入球した場合には、遊技球の出球の時間的間隔が、遊技球の入球の時間的間隔と異なるようにすることができるので、遊技球の挙動に抑揚を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴I群>
以下の特徴I群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
従来、遊技結果に応じて遊技者に特典を付与する遊技機が知られている。遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、遊技領域に射出された遊技球が通過した特定領域に基づいて、遊技結果を判定するものが存在する。
このような遊技機において、遊技への遊技者の注目度をさらに高めるために、好適に遊技の興趣向上を図る必要がある。なお、このような課題は、遊技球を用いる遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴I1]
遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記所定の条件が満たされたと判定された場合に所定の演出を実行する演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定の条件を満たした場合に所定の演出を実行するので、例えば、検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定の条件を満たした場合に遊技者にとって有利な状況となる可能性のある遊技機において、有利な状況となる可能性のあることを所定の演出を介して遊技者に示唆することができ、遊技者の遊技に対する注目度を向上させることができる。
[特徴I2]
特徴I1に記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定時間以下である場合に、当該時間的間隔が前記所定の条件を満たすと判定するものであることを特徴とする遊技機。
特徴I2によれば、例えば、検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定時間以下である場合に遊技者にとって有利な状況となる可能性のある遊技機において、遊技者の遊技に対する注目度を向上させることができる。
[特徴I3]
特徴I1または特徴I2に記載の遊技機であって、
前記検出手段を複数備え、
前記判定手段は、前記複数の検出手段のうちの一の検出手段によって遊技球が検出されたタイミングと、前記複数の検出手段のうちの他の検出手段によって遊技球が検出されたタイミングとの時間的間隔が前記所定の条件を満たすか否かを判定するものであることを特徴とする遊技機。
特徴I3によれば、検出手段を複数備える遊技機において、遊技者の遊技に対する注目度を向上させることができる。
[特徴I4]
特徴I1から特徴I3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の演出は、遊技者にとって有利な状況となる可能性があることを示唆する演出であることを特徴とする遊技機。
特徴I4によれば、検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定の条件を満たした場合に遊技者にとって有利な状況となる可能性のある遊技機において、有利な状況となる可能性のあることを遊技者に示唆することができ、遊技者の遊技に対する注目度を向上させることができる。
<特徴J群>
以下の特徴J群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
従来、遊技結果に応じて遊技者に特典を付与する遊技機が知られている。遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、遊技領域に射出された遊技球が通過した特定領域に基づいて、遊技結果を判定するものが存在する。
このような遊技機において、遊技の健全性を向上させるために、遊技機に生じる異常や不具合等を速やかに検知できることが好ましい。なお、このような課題は、遊技球を用いる遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴J1]
遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出される複数の遊技球の時間的間隔に基づいて報知をする報知手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、例えば、遊技機の遊技領域に設けられている可動式の役物に不具合が発生している可能性がある場合や遊技者によって不正が行なわれている可能性がある場合に検出手段によって検出される複数の遊技球の時間的間隔に変化が生じる遊技機において、当該不具合の発生の可能性があることや、当該不正が行なわれている可能性があることを報知することができる。
[特徴J2]
特徴J1に記載の遊技機であって、
前記検出手段は、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段よりも下流において遊技球を検出する第2の検出手段と、
を含み、
前記遊技機は、さらに、
前記第1の検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定の条件を満たすか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段による前記判定の結果と、前記第2の検出手段による遊技球の検出結果と、に基づいて報知条件が満たされるか否かを判定する第2の判定手段と、
を備え、
前記報知手段は、前記第2の判定手段によって前記報知条件が満たされたと判定された場合に報知をするものであることを特徴とする遊技機。
特徴J2によれば、遊技領域を流下する遊技球の挙動を第1の検出手段および第2の検出手段によって検出することができるとともに、第1の判定手段および第2の判定手段によって、遊技機の遊技領域に設けられている可動式の役物に不具合が発生している可能性があることや、遊技者によって不正が行なわれている可能性があることを報知することができる。
例えば、第1の検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定の条件を満たすか否かの判定の結果と、第2の検出手段による遊技球の検出結果との組合せに基づいて、遊技機の遊技領域に設けられている可動式の役物に不具合が発生している可能性があるか否かや、遊技者によって不正が行なわれている可能性があるか否かを検出し、報知することができる。
[特徴J3]
特徴J2に記載の遊技機であって、
前記第1の判定手段は、前記第1の検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定時間以下である場合に、当該時間的間隔が前記所定の条件を満たすと判定するものであることを特徴とする遊技機。
特徴J3によれば、遊技機の遊技領域に設けられている可動式の役物に不具合が発生している可能性がある場合や、遊技者によって不正が行なわれている可能性がある場合に、第1の検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定時間以下であるか否かの判定の結果と、第2の検出手段による遊技球の検出結果との組合せに基づいて、当該不具合の発生の可能性があることや、当該不正が行なわれている可能性があることを報知することができる。この結果、健全な遊技を担保することができる。
[特徴J4]
特徴J2または特徴J3に記載の遊技機であって、
前記第2の判定手段は、前記第1の判定手段によって前記所定の条件が満たされたと判定されていないにも関わらず、前記第2の検出手段によって遊技球が検出された場合に、前記報知条件が満たされたと判定するものであることを特徴とする遊技機。
第1の検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定の条件を満たした場合に第2の検出手段によって遊技球が検出される可能性のある遊技機において、第1の検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定の条件を満たしていないにも関わらず第2の検出手段によって遊技球が検出された場合には、当該遊技機の遊技領域に設けられている可動式の役物に不具合が発生している可能性や、遊技者によって不正が行なわれている可能性がある。
特徴J4によれば、第1の検出手段によって検出された複数の遊技球の時間的間隔が所定の条件を満たしていないにも関わらず第2の検出手段によって遊技球が検出された場合に、当該遊技機の遊技領域に設けられている可動式の役物に不具合が発生している可能性があることや、遊技者によって不正が行なわれている可能性があることを報知することができる。この結果、健全な遊技を担保することができる。
[特徴J5]
特徴J2から特徴J4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の検出手段を複数備え、
前記第1の判定手段は、前記複数の第1の検出手段のうちの一の検出手段によって遊技球が検出されたタイミングと、前記複数の第1の検出手段のうちの他の検出手段によって遊技球が検出されたタイミングとの時間的間隔が所定の条件を満たすか否かを判定するものであることを特徴とする遊技機。
特徴J5によれば、第1の検出手段を複数備える遊技機において、当該遊技機の遊技領域に設けられている可動式の役物に不具合が発生している可能性があることや、遊技者によって不正が行なわれている可能性があることを報知することができる。この結果、健全な遊技を担保することができる。
[特徴J6]
特徴J1に記載の遊技機であって、さらに、
前記検出手段によって検出される複数の遊技球の時間的間隔が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段を備え、
前記報知手段は、前記判定手段によって前記所定の条件が満たされないと判定された場合に報知をするものであることを特徴とする遊技機。
特徴J6によれば、例えば、遊技機の遊技領域に設けられている可動式の役物に不具合が発生している可能性がある場合や遊技者によって不正が行なわれている可能性がある場合に検出手段によって検出される複数の遊技球の時間的間隔が所定の条件を満たさないことになる遊技機において、当該不具合の発生の可能性があることや、当該不正が行なわれている可能性があることを報知することができる。
[特徴J7]
特徴J6に記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記検出手段によって一の遊技球が検出されてから所定時間以内に他の遊技球が検出された場合に、当該時間的間隔が前記所定の条件を満たすと判定するものであることを特徴とする遊技機。
特徴J7によれば、遊技機の遊技領域に設けられている可動式の役物に不具合が発生している可能性がある場合や、遊技者によって不正が行なわれている可能性がある場合に、検出手段によって一の遊技球が検出されてから所定時間以内に他の遊技球が検出されたか否かに基づいて、当該不具合の発生の可能性があることや、当該不正が行なわれている可能性があることを報知することができる。この結果、健全な遊技を担保することができる。
以下に、上記の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機(羽根物タイプ):
遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、
開口部を有し、当該開口部から遊技球が内部に入球可能な役物機構と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、前記役物機構の前記開口部を開放状態とする開放手段と、
前記役物機構の内部に設けられた特定領域の遊技球の通過を検出する検出手段と、
前記検出手段が遊技球の通過を検出した場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
パチンコ遊技機(デジパチタイプ):
遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する特別情報記憶手段と、
前記特別情報記憶手段に記憶された前記特別情報に基づいて、遊技者に特典を付与するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記特典を付与すると判定した場合に、当該特典を遊技者に付与する特典付与手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。