以下、本発明の炊飯器および水位検知装置に係る好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。なお、各実施例において、同様の構成については同一の符号を付し、共通する説明は重複を避けるため極力省略する。
始めに図1及び図2を参照して、各実施例に共通する炊飯器の概略構成を説明する。これらの各図において、1は上面が開口された本体、2は本体1の上面を開閉自在に覆う蓋であり、本体1と蓋2により炊飯器全体の外郭が構成される。本体1は上面を開口した内釜収容部3を有し、蓋2を開けたときに、被炊飯物である米や水を収容する有底凹状の内釜4が、内釜収容部3に着脱自在に収容される構成となっている。内釜4は、その内面側部がR状に湾曲し、且つ上端開口よりも中央胴部が広い面積を有するいわゆる上すぼみ形状に形成される。
本体1は、その上部と上側面部を構成する上枠6と、側底面部を構成する外枠7とを主な構成要素とする。また、凹状の内釜収容部3の上部から側部にかけては、上枠6と一体化で形成されており、内枠収容部3の底部は、上枠6と別部材の内枠(図示せず)で形成してある。本体1の内部には、内釜4を電磁誘導で加熱する加熱手段として、図示しない加熱コイルが配設される。加熱コイルは、内枠収容部3に内釜4を収容したときに、内釜4の外面の側面下部から底部にかけて対向する位置に設けられており、炊飯時や保温時に加熱コイルに高周波電流が供給されると、加熱コイルから発生する交番磁界によって内釜4が発熱し、内釜4内に収容した被炊飯物が加熱される構成となっている。
内枠収容部3の底部中央部には、内釜温度検知手段としての内釜温度センサ11が、内釜4の外面底部に当接して設けられる。内釜温度センサ11は、炊飯時や保温時に内釜4の温度を検知するもので、その検知信号を受けた加熱制御手段(図示せず)が、加熱コイルによる内釜4の底部の加熱温度を主に温度管理するようになっている。
蓋2の前方上面には、蓋開操作体となるフックボタン12が露出状態で配設されており、フックボタン12を押すと、本体1と蓋2との係合が解除され、本体1の上部後方に設けたヒンジ部13を回転中心として、蓋2が自動的に開く構成となっている。また、蓋2の後方上面には、内釜4内の被炊飯物から発生する蒸気を、蓋2の蒸気通路14を通して炊飯器の外部に排出する蒸気口15が着脱可能に装着される。
蓋2は、その外郭上面をなす外観部品としての外蓋16と、蓋2の下面を形成する放熱板17と、外蓋16および放熱板17を結合させて、蓋2の骨格を形成する蓋ベース材としての外蓋カバー18を、主な構成要素としている。蓋2の内部にあって、放熱板17の上面には、蓋加熱手段としての蓋ヒータ(図示せず)が設けられる。この蓋ヒータ(図示せず)は、コードヒータなどの電熱式ヒータや、電磁誘導加熱式による加熱コイルでもよい。
放熱板17の下側には、蓋2の下部部材としてのユニット化された内蓋組立体21が着脱可能に設けられる。内蓋組立体21は、内釜4の上方開口部と略同径で円盤状を有する金属製の内蓋22と、内釜4と内蓋22との間をシールするための弾性部材からなる環状の蓋パッキン23と、蓋パッキン23を内蓋22の外側全周に装着するための内蓋リング24と、をそれぞれ備えている。蓋パッキン23は、蓋2を閉じた時に内釜4の上面に当接して、内釜4と内蓋22との隙間を塞ぎ、内釜4から発生する蒸気を密閉するものである。また、蓋2を閉じた時に、内釜4の上方開口部を直接塞ぐ内蓋22には、蒸気出口となる第1孔25と、真空吸気口となる第2孔26がそれぞれ設けられる。
放熱板17には、蓋2の特に内蓋22の温度を検知する蓋温度検知手段として、前述の加熱制御手段が蓋ヒータによる温度管理を行なうための蓋温度センサ28が設けられる。また放熱板17には、内蓋組立体21を蓋2の下面側に装着したときに、内蓋22の第1孔25に連通する蒸気通路14の入口29と、内蓋22の第2孔26に連通する真空吸気口30がそれぞれ設けられる。蓋2には、減圧手段の駆動源となる電動の真空ポンプ31が内蔵され、炊飯時や保温時に内釜4の内部を大気圧よりも低く減圧するために、加熱制御手段からの制御信号により真空ポンプ31が作動すると、内釜4内の空気が内蓋22の第2孔26から放熱板17の真空吸気口30を通して真空ポンプ31に吸込まれ、蓋2の下側に設けた真空排気口32から、炊飯器の外部に排出される構成となっている。
蓋2の上面には、炊飯器の表示操作ユニットとして、LCD表示器やLEDランプにより構成される表示部35と、押動操作が可能な複数のキーからなる操作部36と、を含む操作パネル37が設けられる。その他、38は炊飯器を持ち運ぶのに使用される回動自在なハンドル、39は炊飯器への給電用の電源プラグ付きコードである。
そして、上記構成の炊飯器では、電源プラグ付きコード39を家庭用のコンセント(図示せず)に差し込み、所定量の被炊飯物と水が入れられた内釜4を内釜収容部3に収容セットして、蓋2を閉じた後、必要に応じて操作部36の設定キーを操作すると、米と炊き方の種類を組み合わせた複数の炊飯コースの中から、特定の希望する炊飯コースが設定される。その次に、操作部36の炊飯キーを操作すると、加熱制御手段による炊飯が開始し、設定された特定の炊飯コースに従って、加熱コイルや蓋ヒータから内釜4の内部への加熱量が制御され、炊飯終了時に内釜4内の被炊飯物が炊き上がるようになっている。
次に、本発明の第1実施例の炊飯器について、図3〜図19を参照して詳しく説明する。本実施例の炊飯器は、従来の水位線に代わり、若しくは従来の水位線に加えて、内釜4に入れる水量を調整する際に、被炊飯物の分量に応じた水位合わせの目安を、見易い形状で記号化して表わす水位アイコン41を、内釜4の内面に設けている。図3は、水位アイコン41の様々な形状バリエーションを示しているが、それぞれの水位アイコン41a〜41hの内部には、内釜4に入れられる被炊飯物の分量を、例えば「1」という数字(カップ数)で表わす数字部42a〜42hがそれぞれ設けられる。
図3に示す水位アイコン41a〜41hは、何れも多角形状で3つ以上の頂点を有し、視認性を向上させるために、内釜4の内面の表面色とは異なる色に印刷形成される。同様の目的で、水位アイコン41a〜41hと数字部42a〜42hも異なる色に形成されるが、内釜4の内面と数字部42は同じ色であっても、異なる色であっても構わない。水位アイコン41aは、2つの左右に延びる平行な辺と2つの上下に延びる平行な辺からなる矩形状の四角形である。水位アイコン41bは、2つの左右に延びる平行な辺の中間に、同じ方向に尖った2つの頂点があり、この2つの頂点を結ぶ線も、2つの左右に延びる辺と平行に左右に延びる凹六角形である。水位アイコン41cは、2つの左右に延びる平行な辺の中間に、1つの尖った頂点がある凸五角形である。水位アイコン41dは、上下に延びる対角線と左右に延びる対角線が垂直に交わる菱形状の四角形である。水位アイコン41eは、2つの左右に延びる平行な辺の中間に、異なる方向に尖った2つの頂点があり、この2つの頂点を結ぶ線も、2つの左右に延びる辺と平行に左右に延びる凸六角形である。水位アイコン41fは、2つの左右に延びる平行な辺の中間に、上下に並ぶ2つの頂点が左右にそれぞれあり、上側の左右2つの頂点を結ぶ線と、下側の左右2つの頂点を結ぶ線が、2つの左右に延びる辺と平行に、何れも左右に延びる凸八角形である。水位アイコン41gは、前述した矩形状の四角形と菱形とを重ね合わせた星型八角形である。水位アイコン41hは、一つの頂点が真上を向いた三角形と、一つの頂点が真下を向いた三角形を重ね合わせた星型六角形である。
なお、ここに示す水位アイコン41の形状はあくまでも一例であり、それ以外の多角形状の水位アイコン41や、多角形状以外の図や絵柄による記号化した水位アイコン41であってもよい。
図4は、図3に示す水位アイコン41のなかで、特に星型六角形の水位アイコン41hを用いた水位表示部40の一例を示している。内釜4の内面に印刷形成される水位表示部40は、内釜4に入れられる被炊飯物の分量を、数字(カップ数)として表わした分量表示部としての数字部42と、被炊飯物の分量に応じた水量の目安を記号で表した水位アイコン41と、により構成される。
ここでの数字部42は、被炊飯物の分量が「1」カップであることを示す第1数字部42h1と、被炊飯物の分量が「2」カップであることを示す第2数字部42h2と、被炊飯物の分量が「3」カップであることを示す第3数字部42h3と、被炊飯物の分量が「4」カップであることを示す第4数字部42h4と、被炊飯物の分量が「5」カップであることを示す第5数字部42h5と、被炊飯物の分量が「5.5」カップであることを示す第6数字部42h6と、からなる。また水位アイコン41は、第1数字部42h1を内部に配置し、被炊飯物が「1」カップの分量に応じた水量の目安を示す第1水位アイコン41h1と、第2数字部42h2を内部に配置し、被炊飯物が「2」カップの分量に応じた水量の目安を示す第2水位アイコン41h2と、第3数字部42h3を内部に配置し、被炊飯物が「3」カップの分量に応じた水量の目安を示す第3水位アイコン41h3と、第4数字部42h4を内部に配置し、被炊飯物が「4」カップの分量に応じた水量の目安を示す第4水位アイコン41h4と、第5数字部42h5を内部に配置し、被炊飯物が「5」カップの分量に応じた水量の目安を示す第3水位アイコン41h5と、第6数字部42h6を内部に配置し、被炊飯物が「5.5」カップの分量に応じた水量の目安を示す第6水位アイコン41h6と、からなる。これらの水位アイコン41h1〜41h6は、内釜4の内面の上下方向(深さ方向)に直線状にではなく、斜めにランダムに並べて配置される。
図5は、本実施例における星印の水位アイコン41hと水位の位置関係とを、従来の水位表示部100と比較して示したものである。同図左側に示す本実施例の水位表示部40は、水位アイコン41として前述した第1水位アイコン41h1〜第5水位アイコン41h5と、数字部42として前述した第1数字部42h1〜42h5とにより構成される。同図右側に示す従来の水位表示部100は、本実施例の水位表示部40との間で水位の比較に関係する白米水位表示部100Aと、白米すし水位表示部100Cと、麦・玄米水位表示部100Hだけを全て図示している。符号Xは、最大炊飯容量が1.0L(約0.5合〜5.5合炊き)の炊飯器において、内釜4,101の内側底面ラインを示している。
図中の[凡例]に示す第3水位アイコン41h3は、頂点が真上を向いた第1三角形と、頂点が真下を向いた第2三角形とを重ね合わせた12個の頂点を有する星型六角形で外形が形成される。ここで、内釜4に入れられる水量ひいては水位合わせの目安となる第3水位アイコン41h3の特徴部として、第1三角形の真上を向いた最上部の頂点を第1頂点44h1とし、第1三角形のそれ以外の頂点を第2頂点44h2および第3頂点44h3とする一方で、第2三角形の真下を向いた最下部の頂点を第4頂点44h4とし、第2三角形のそれ以外の頂点を第5頂点44h5および第6頂点44h6とし、さらに星型六角形の上下中間に位置し、第1三角形の一辺と第2三角形の一辺が交わる2つの頂点を第7頂点44h7および第8頂点44h8とすると、第3数字部42h3の数字「3」に関連した水位合わせの目安として、第7頂点44h7および第8頂点44h8は、白米を3カップの分量でご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安となり、第1頂点44h1は、白米を3.5カップの分量でご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安となり、第4頂点44h4は、白米を2.5カップの分量でご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安となる。また、白米炊きとは別な被炊飯物の種類や炊き方として、第2頂点44h2および第3頂点44h3は、白米を3カップの分量ですし飯に炊き上げるときの水位合わせの目安となり、第5頂点44h5および第6頂点44h6は、玄米を3カップの分量で玄米ご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安となる。これは、第3水位アイコン41h3と同形状の他の水位アイコン41h1,41h2,41h4,41h5でも、同じことが言える。
つまり、本実施例の水位表示部40は、水位アイコン41の外形形状をなす特徴部として、一乃至複数の頂点44h1〜44h8を内釜4に入れられる水位合わせの目盛となるように配置している。これにより、ユーザーは水位アイコン41の何れかの頂点44h1〜44h8に水位を一致させるだけで、内釜4に入れる水量を正しく調整できる。
また、水位アイコン41hの外形をなす複数の頂点44h1〜44h8のなかで、例えば最上部に位置する第1頂点44h1と、中間部に位置する第7頂点44h7および第8頂点44h8と、最下部に位置する第4頂点44h4とを、同一の被炊飯物の種類と炊き方(白米からご飯を炊く)で、異なる被炊飯物の分量(第3水位アイコン41h3では、3.5カップ、3カップ、2.5カップ)に対応した水位合わせの目安となるように、それぞれ割り当てて配置している。これにより、一つの共通する水位アイコン41h3で、被炊飯物の種類と炊き方が共通する複数の被炊飯物の分量に対応した水位合わせを行なうことが可能となり、同じ被炊飯物の種類と炊き方で、水位アイコン41がむやみに増えることによるユーザーのストレスを解消できる。
さらに、水位アイコン41の外形をなす複数の頂点44h1〜44h8のなかで、前述の中間部に位置する第7頂点44h7および第8頂点44h8の他に、その上下に位置する第5頂点44h5および第6頂点44h6と、第2頂点44h2および第3頂点44h3とを、異なる被炊飯物の種類と炊き方(玄米から玄米ご飯を炊く、白米からご飯を炊く、白米からすし飯を炊く、)で、同一の被炊飯物の分量(3カップ)に対応した水位合わせの目安となるように、それぞれ割り当てて配置している。これにより、一つの共通する水位アイコン41h3で、被炊飯物の種類と炊き方が異なる同一の被炊飯物の分量に対応した水位合わせを行なうことが可能となり、同じ被炊飯物の分量で、水位アイコン41がむやみに増えることによるユーザーのストレスを解消できる。
図5で示した各水位アイコン41h1〜41h5と水位の位置関係はあくまでも一例であり、各頂点44h1〜44h8を別な被炊飯物の種類や炊き方の、別な被炊飯物の分量に対応した水位合わせの目安に割り当ててもよい。
図6は、本実施例の水位表示部40における様々なカラーバリエーションを例示したものである。図中(a)の例は、内釜4の内面と全ての数字部42h1〜42h5を、何れも同色の黒色とする一方で、星印の各水位アイコン41h1〜41h5を、全て白色としたものである。この場合、水位アイコン41h1〜41h5は、白色系の顔料を含んだ塗料を内釜4の内表面に印刷して形成され、数字部42h1〜42h5は、黒色系の顔料を含んだ塗料を水位アイコン41h1〜41h5の表面に印刷して形成される。また、図6(b)の例は、内釜4の内面と全ての数字部42h1〜42h5を、何れも同色の黒色とする一方で、星印の各水位アイコン41h1〜41h5を、全て黄色としたもので、水位アイコン41h1〜41h5は、黄色系の顔料を含んだ塗料を内釜4の内表面に印刷して形成され、数字部42h1〜42h5は、黒色系の顔料を含んだ塗料を水位アイコン41h1〜41h5の表面に印刷して形成される。これらの各例では、数字部42h1〜42h5を内釜4の内面と同じ色に形成する一方で、水位アイコン41h1〜41h5を、内釜4の内面や数字部42h1〜42h5と異なる色に形成することで、各水位アイコン41h1〜41h5の位置と、その中にある数字部42h1〜42h5を目視で確認し易くしている。
図6(c)の例は、内釜4の内面が黒色であるのに対し、水位アイコン41h1〜41h5を、全て図6(b)の例よりも暗い黄色とし、数字部42h1〜42h5を、全て白色としている。このように、内釜4の内面と、水位アイコン41h1〜41h5と、数字部42h1〜42h5とを、それぞれ異なる色に形成することで、各水位アイコン41h1〜41h5の位置と、その中にある数字部42h1〜42h5を目視で確認し易くしている。
図6(d)の例は、図6(a)の例と比較すると、「2」カップの分量に応じた第2水位アイコン41h2と、「4」カップの分量に応じた第4水位アイコン41h4の色を、他の白色の第1水位アイコン41h1や、第3水位アイコン41h3や、第5水位アイコン41h5とは異なる黄色としている。このように、複数の水位アイコン41h1〜41h5の色を全て同じにするのではなく、一つずつ交互に代えることで、それぞれの水位アイコン41h1〜41h5の位置関係を、色の違いで確認することが可能となり、別な水位アイコン41h1〜41h5で水位合わせが行われるのを極力防止できる。
図6(e)の例は、図6(a)の例と比較すると、被炊飯物の分量が「2」カップであることを示す第2数字部42h2と、被炊飯物の分量が「4」カップであることを示す第4数字部42h4の色を、他の黒色の第1数字部42h1や、第3数字部42h3や、第5数字部42h5とは異なるオレンジ色としている。このように、複数の数字部42h1〜42h5の色を全て同じにするのではなく、一つずつ交互に代えることで、それぞれの数字部42h1〜42h5の位置関係を、色の違いで確認することが可能となり、別な数字部42h1〜42h5で水位合わせが行われるのを極力防止できる。
図6(a)〜(e)で示した水位表示部40のカラーバリエーションはあくまでも一例であり、例えば内釜4の内面の色に合せて、水位アイコン41h1〜41h5や数字部42h1〜42h5に別な色を割り当ててもよい。
図7は、図6(a)に示す水位表示部40について、その全体構成を示している。水位表示部40は、内釜4の内面一側に配設される第1主水位表示部40−1と、内釜4の内面他側に配設される第2主水位表示部40−2の他に、これらの主水位表示部40−1,40−2の使い方をユーザーに視認させるために、内釜4の内面にあって、第1主水位表示部40−1または第2主水位表示部40−2の近傍に配設される凡例表示部40−3を含んで構成される。
主水位表示部40−1,40−2は同一構成で、何れも内釜4に入れられる被炊飯物の分量を表わす5つの数字部42h1〜42h5と、各数字部42h1〜42h5に応じた水位合わせの目安を、それぞれ星型六角形で表わす水位アイコン41h1〜41h5と、を含んでいる。また凡例表示部40−3は、前述の[凡例]で説明したように、主水位表示部40−1,40−2の中で、代表的な「3」カップの数字部42h3に対応する水位アイコン41h3について、これらの数字部42h3や水位アイコン41h3と共に、各頂点44h1〜44h8の意味を表した説明部46h3を含んで構成される。
ここでの説明部46h3は、白米を3.5カップの分量でご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安として、第1頂点44h1が配置され、玄米を3カップの分量で玄米ご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安として、第5頂点44h5および第6頂点44h6が配置され、白米を3カップの分量でご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安として、第7頂点44h7および第8頂点44h8が配置され、白米を3カップの分量ですし飯に炊き上げるときの水位合わせの目安として、第2頂点44h2および第3頂点44h3が配置され、白米を2.5カップの分量でご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安として、第4頂点44h4が配置されることを、ユーザーが一目で視認できるように、数字や文字と矢印との組み合わせで各々表わしている。
図8は、図7の水位表示部40を内釜4に全て配置した状態を示している。同図において、主水位表示部40−1,40−2は、内釜4の内側面の対角にそれぞれ印刷形成される。また凡例表示部40−3は、ユーザーが内釜4の開口部から覗き込んだ時に見やすいように、内釜4の内面の第2主水位表示部40−2よりも上方に配置される。最初にユーザーが凡例表示部40−3を視認することで、主水位表示部40−1,40−2を利用した水位合わせを迷いなく行なえる。
こうした内釜4を有する炊飯器では、炊飯を開始する前の準備として、計量した米を内釜4に入れ、必要に応じて米を洗った後に、水位表示部40を利用して、米の分量に応じた水量の目視による確認と調整が行われる。具体的には、例えば2.5カップの白米を内釜4に入れた場合は、必要に応じて凡例表示部40−3を目視で参照しつつ、第1主水位表示部40−1または第2主水位表示部40−2の何れかを利用して、複数の水位アイコン41h1〜41h5の中から、白米の投入分量に近い例えば「3」の第3数字部42h3に対応した第3水位アイコン41h3を選択する。そして、この第3水位アイコン41h3において、白米を2.5カップの分量でご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安となる第4頂点44h4に、できるだけ水位が一致するように、内釜4に入れる水の量を目視で確認しながら加減する。この後、内釜4を炊飯器の本体(図示せず)にセットし、希望する炊飯コースを設定して炊飯の開始を指示すれば、米の分量に見合う規定の水量で、被炊飯物を美味しく炊き上げることが可能になる。
図9は、図6(b)に示す水位表示部40について、その全体構成を示している。ここでも水位表示部40は、内釜4の内面一側に配設される第1主水位表示部40−1と、内釜4の内面他側に配設される第2主水位表示部40−2の他に、内釜4の内面にあって、第1主水位表示部40−1または第2主水位表示部40−2の近傍に配設される凡例表示部40−3を含んで構成される。また凡例表示部40−3は、「3」カップの数字部42h3に対応する水位アイコン41h3について、数字部42h3や水位アイコン41h3と共に、各頂点44h1〜44h8の意味を表した説明部46h3を含んで構成される。
図10は、図9の水位表示部40を内釜4に全て配置した状態を示している。同図において、主水位表示部40−1,40−2は、内釜4の内側面の対角にそれぞれ印刷形成される。また凡例表示部40−3は、ユーザーが内釜4の開口部から覗き込んだ時に見やすいように、内釜4の内面の第2主水位表示部40−2よりも上方に配置される。この内釜4を有する炊飯器でご飯を炊き上げるまでの手順は、前述した通りである。
図11は、図6(a)に示す水位表示部40の第1変形例について、その全体構成を示している。本例でも水位表示部40は、内釜4の内面一側に配設される第1主水位表示部40−1と、内釜4の内面他側に配設される第2主水位表示部40−2の他に、内釜4の内面にあって、第1主水位表示部40−1または第2主水位表示部40−2の近傍に配設される凡例表示部40−3を含んで構成されるが、各水位アイコン41h1〜41h5には、第7頂点44h7と第8頂点44h8とを結んで左右に延びる直線状の目盛となる横線47h1〜47h5がさらに設けられる。この横線47h1〜47h5は、その一端と多端が上下に揃って整列されており、従来例で示した白米でご飯を炊くときの水量調整に使用する白米水位表示部100Aの水位線112Aに相当するものである。
凡例表示部40−3は、「3」カップの数字部42h3に対応する水位アイコン41h3について、数字部42h3や水位アイコン41h3や横線47h3と共に、各頂点44h1〜44h8と横線47h3の意味を表した説明部46h3を含んで構成される。
図12は、図11の水位表示部40を内釜4に全て配置した状態を示している。同図において、主水位表示部40−1,40−2は、内釜4の内側面の対角にそれぞれ印刷形成される。また凡例表示部40−3は、ユーザーが内釜4の開口部から覗き込んだ時に見やすいように、内釜4の内面の第2主水位表示部40−2よりも上方に配置される。この内釜4を有する炊飯器でご飯を炊き上げるまでの手順は、前述した通りであるが、水位アイコン41h1〜41h5に水位線となる横線47h1〜47h5を併設することで、水位合わせをより正確に行なうことが可能になる。
図13は、図6(a)に示す水位表示部40の第2変形例について、その全体構成を示している。本例では、直線状の横線47h1〜47h5が、上下に整列することなく、各水位アイコン41h1〜41h5の第7頂点44h7と第8頂点44h8からそれぞれ同じ長さで左右に延びている以外は、第1変形例の水位表示部40と共通する。ここでも横線47h1〜47h5は、白米水位表示部100Aの水位線112Aに相当する。
図14は、図13の水位表示部40を内釜4に全て配置した状態を示している。同図において、主水位表示部40−1,40−2は、内釜4の内側面の対角にそれぞれ印刷形成される。また説明部46h3は、ユーザーが内釜4の開口部から覗き込んだ時に見やすいように、内釜4の内面の第2主水位表示部40−2よりも上方に配置される。この内釜4を有する炊飯器でご飯を炊き上げるまでの手順は、前述した通りであるが、水位アイコン41h1〜41h5に水位線となる横線47h1〜47h5を併設することで、水位合わせをより正確に行なうことが可能になる。
また、図11〜図14に示す横線47h1〜47h5は、いずれも対応する水位アイコン41h1〜41h5の特徴点と繋がって、そこから直線状に延びて配置されているが、特徴点と繋がらなくても、特徴点と同じ水平位置で直線状に延びて配置されていてもよい。これにより、水位アイコン41h1〜41h5の特徴点に水位を無理に合せようとしなくても、同じ水平位置にある横線47h1〜47h5を利用して、そこに水位を合せるようにすれば、内釜4に入れる水量を誤りなく簡単に調整できる。
図15は、図6(a)に示す水位表示部40の第2変形例について、その全体構成を示している。本例の水位表示部40は、第1変形例や第2変形例の横線47h1〜47h5に代わり、各水位アイコン41h1〜41h5の複数個所から一方向(右方向)に延びる直線状の目盛となる流れ星線48h1〜48h5を含んで構成され、それ以外は第1変形例や第2変形例の水位表示部40と共通する。それぞれの水位アイコン41h1〜41h5において、第1頂点44h1や、第8頂点44h8や、第4頂点44h4から延びる流れ星線48h1〜48h5は、何れも白米水位表示部100Aの水位線112Aに相当し、第6頂点44h6から延びる流れ星線48h1〜48h5は、麦・玄米水位表示部100Hの水位線112Hに相当し、第3頂点44h3から延びる流れ星線48h1〜48h5は、白米すし水位表示部100Cの水位線112Cに相当する。水位アイコン41h1〜41h5に、被炊飯物の種類や炊き方に応じた複数の水位線となる流れ星線48h1〜48h5を併設することで、水位合わせをより正確に行なうことが可能になる。
図16は、図15の水位表示部40を内釜4に全て配置した状態を示している。同図において、主水位表示部40−1,40−2は、内釜4の内側面の対角にそれぞれ印刷形成される。また説明部46h3は、ユーザーが内釜4の開口部から覗き込んだ時に見やすいように、内釜4の内面の第2主水位表示部40−2よりも上方に配置される。この内釜4を有する炊飯器でご飯を炊き上げるまでの手順は、前述した通りであるが、水位アイコン41h1〜41h5に、被炊飯物の種類や炊き方に応じた複数の水位線となる流れ星線48h1〜48h5を併設することで、水位合わせをさらに正確に行なうことが可能になる。
また、本例の流れ星線48h1〜48h5は、いずれも対応する水位アイコン41h1〜41h5の特徴点と繋がって、そこから直線状に延びて配置されているが、特徴点と繋がらなくても、特徴点と同じ水平位置で直線状に延びて配置されていてもよい。これにより、水位アイコン41h1〜41h5の特徴点に水位を無理に合せようとしなくても、同じ水平位置にある流れ星線48h1〜48h5を利用して、そこに水位を合せるようにすれば、内釜4に入れる水量を誤りなく簡単に調整できる。
なお、内釜4の内面一側に配設される第1主水位表示部40−1と、内釜4の内面他側に配設される第2主水位表示部40−2は、異なる色彩や形状のものであってもよい。例えば、内釜4の内面一側には、図7(a)、図9(a)、図11(a)、または図13(a)に示す第1主水位表示部40−1の何れかを配設し、内釜4の内面他側には、図7(b)、図9(b)、図11(b)、または図13(b)に示す第2主水位表示部40−2の何れかを配設してもよい。その場合、選択した主水位表示部40−1,40−2に対応して、それぞれの主水位表示部40−1,40−2の近傍に、図7(c)、図9(c)、図11(c)、または図13(c)に示す凡例表示部40−3の何れかを配置するのが好ましい。
図17は、本実施例で適用する別な指差し印の水位アイコン41iと水位の位置関係とを、従来の水位表示部100と比較して示したものである。ここでの水位アイコン41iは、図3で示した多角形状ではなく、人が指を差したときのシルエット形状に形成されるが、その他の記号化された非多角形状であっても構わない。
図17の左側に示す本実施例の水位表示部40は、水位アイコン41として何れも同形状の第1水位アイコン41i1〜第5水位アイコン41i5と、数字部42として「1」〜「5」のカップ数をそれぞれ表わす第1数字部42i1〜第5数字部42i5とにより構成される。水位アイコン41i1〜41i5は、内釜4の内面の上下方向に直線状にではなく、斜めにランダムに並べて配置される。また、同図右側に示す従来の水位表示部100は、本実施例の水位表示部40との間で水位の比較に関係する白米水位表示部100Aと、白米すし水位表示部100Cと、麦・玄米水位表示部100Hだけを全て図示している。符号Xは、最大炊飯容量が1.0L(約0.5合〜5.5合炊き)の炊飯器において、内釜4,101の内側底面ラインを示している。
図中の[凡例]は、指差し形状の水位アイコン41iの中で、代表的な第3水位アイコン41i3を示している。ここで、第3水位アイコン41i3の特徴部として、第3水位アイコン41i3の上端となる親指の上面を第1特徴部45i1とし、第3水位アイコン41i3の下端となる小指の下面を第2特徴部45i2とし、第3水位アイコン41i3の上下中間に位置する人差し指の先端部を第3特徴部45i3とし、さらに第1特徴部45i1と第3特徴部45i3の間に位置する親指の下面を第4特徴部45i4とし、第3特徴部45i3と第2特徴部45i2との間に位置する中指の先端部を第5特徴部45i5とすると、第3数字部42h3の数字「3」に関連した水位合わせの目安として、第3特徴部45i3は、白米を3カップの分量でご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安となり、第1特徴部45i1は、白米を3.5カップの分量でご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安となり、第2特徴部45i2は、白米を2.5カップの分量でご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安となる。また、白米炊きとは別な被炊飯物の種類や炊き方として、第5特徴部45i5は、白米を3カップの分量ですし飯に炊き上げるときの水位合わせの目安となり、第4特徴部45i4は、玄米を3カップの分量で玄米ご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安となる。これは、第3水位アイコン41i3と同形状の他の水位アイコン41i1,41i2,41i4,41h5でも、同じことが言える。
つまり、本実施例の水位表示部40は、水位アイコン41の外形形状をなす一乃至複数の特徴部45i1〜45i5を、内釜4に入れられる水位合わせの目盛となるように配置している。これにより、ユーザーは水位アイコン41の何れかの特徴部45i1〜45i5に水位を一致させるだけで、内釜4に入れる水量を正しく調整できる。
また、水位アイコン41の外形をなす複数の特徴部45i1〜45i5のなかで、例えば最上部に位置する第1特徴部45i1と、中間部に位置する第3特徴部45i3と、最下部に位置する第2特徴部45i2とを、同一の被炊飯物の種類と炊き方(白米からご飯を炊く)で、異なる被炊飯物の分量(3.5カップ、3カップ、2.5カップ)に対応した水位合わせの目安となるように、それぞれ割り当てて配置している。これにより、同じ被炊飯物の種類と炊き方で、水位アイコン41がむやみに増えることによるユーザーのストレスを解消できる。
さらに、複数の特徴部45i1〜45i5のなかで、前述の第3特徴部45i3の他に、その上下に位置する第4特徴部45i4と第5特徴部45i5とを、異なる被炊飯物の種類と炊き方(白米からご飯を炊く、白米からすし飯を炊く、玄米から玄米ご飯を炊く)で、同一の被炊飯物の分量(3カップ)に対応した水位合わせの目安となるように、それぞれ割り当てて配置している。これにより、同じ被炊飯物の分量で、水位アイコン41がむやみに増えることによるユーザーのストレスを解消できる。
図17で示した各水位アイコン41h1〜41h5と水位の位置関係はあくまでも一例であり、各頂点44h1〜44h8を別な被炊飯物の種類や炊き方の、別な被炊飯物の分量に対応した水位合わせの目安に割り当ててもよい。
その他、本実施例の水位アイコン41を含む水位表示部40を、図18や図19にそれぞれ例示する。これらの各図に示す水位表示部40は、水位アイコン41として何れも同じ一側と他側の中央部が尖った菱餅形状の第1水位アイコン41j1〜第11水位アイコン41j11と、各水位アイコン41j1〜41j11の内部にそれぞれ配置され、数字部42として「0.5」〜「5.5」までの0.5刻みのカップ数を各々表わす第1数字部42j1〜第11数字部42j11と、水位合わせの対象となる被炊飯物の種類を、「白米」という文字で表わす文字部49jとにより構成される。図18に示す水位アイコン41j1〜41j11は、内釜4の内面の上下方向に、直線状に揃って並んだ状態で配置されるのに対し、図19に示す水位アイコン41j1〜41j11は、内釜4の内面の上下方向に、斜めジグザグに並んだ状態で配置される。
各水位アイコン41j1〜41j11は多角形状で、その上下中間部には、左右一対の水平方向に凹んだ特徴部50j1、50j2が設けられる。水位アイコン41j1〜41j11の特徴部50j1,50j2は、文字部49jに示す「白米」を、数字部42j1〜第11数字部42j11に示すカップ数の分量でご飯に炊き上げるときの水位合わせの目盛となるものである。ユーザーは水位アイコン41j1〜41j11の何れかの特徴部50j1,50j2に水位を一致させるだけで、内釜4に入れる水量を正しく調整できる。
以上のように本実施例では、被炊飯物を収容する内釜4の内面に、当該内釜4に入れられる水量を調整するための水位表示部40を設けた炊飯器において、この水位表示部40は、図3〜図19で示したように、水位合わせの目安となる記号化されたアイコン表示部としての水位アイコン41を、少なくとも含んだ構成となっている。
この場合、ユーザーにとって内釜4の内面は、奥に入り込んで見えづらい部分ではあるが、ここに見易い形状の記号化した水位アイコン41を設けておけば、ユーザーは水位アイコン41を目印として容易に水位合わせを行なえる。したがって、内釜4に入れられる水量の調整で、ユーザーのストレスを極力解消することが可能な炊飯器を提供できる。
また、本実施例の図3〜図19で示したように、水位アイコン41の内部に、そのアイコン表示部41で水位合わせが可能となる被炊飯物の分量を表わした分量表示部としての数字部42が設けられている。
このように、水位アイコン41の内部に分量表示部となる数字部42を併設することで、その水位アイコン41で水位合わせが可能な被炊飯物の分量を予め視認することができ、ユーザーは被炊飯物の分量に応じた適切な水位アイコン41を目印として、水位合わせを誤りなく行なうことが可能となる。
また、本実施例の図4〜図17、図19で示したように、複数の水位アイコン41を、内釜4の内面の深さ方向に斜めに並べて配置している。
この場合、ユーザーへの視認性を考慮して、個々の水位アイコン41をある程度の大きさに形成しても、隣り合う水位アイコン41が干渉することなく、内釜4の内面の深さ方向に複数の水位アイコン41を整然と配置することが可能となる。
また本実施例では、水位アイコン41の外形に、水位合わせの目安として水位を一致させるための特徴部が設けられている。特徴部は、前述した星型六角形の水位アイコン41hの頂点44h1〜44h8や、指差し形状の水位アイコン41iの特徴部45i1〜45i5や、菱餅形状の第1水位アイコン41jの特徴部50j1、50j2などが相当する。
この場合、水位アイコン41の外形形状をなす特徴部を利用して、ユーザーがこの特徴部に水位を一致させるだけで、内釜4に入れる水量を正しく調整できる。
また、本実施例の一つの水位アイコン41には、異なる深さ方向の位置に複数の特徴部が設けられている。例えば、星型六角形の水位アイコン41hでは、異なる深さ方向の位置に複数の特徴点として、第1頂点44h1と、第5頂点44h5および第6頂点44h6と、第7頂点44h7および第8頂点44h8と、第2頂点44h2および第3頂点44h3と、第4頂点44h4を設けている。同様に、指差し形状の水位アイコン41iでも、それぞれ異なる深さ方向に位置する複数の特徴部として、第1特徴部45i1、第2特徴部45i2、第3特徴部45i3、第4特徴部45i4、第5特徴部45i5を設けている。
この場合、一つの共通する水位アイコン41で、複数の水位合わせを行なうことが可能となり、内釜4の内面で水位アイコン41がむやみに増えることによるユーザーのストレスを解消できる。
また本実施例では、一つの水位アイコン41に設けられる複数の特徴部は、同一の被炊飯物の種類と炊き方で、異なる被炊飯物の分量に対応した水位合わせの目安となるように、それぞれが割り当てて配置されている。例えば、星型六角形の水位アイコン41hでは、同じ被炊飯物の種類と炊き方となる白米でご飯を炊く炊飯コースで、異なる被炊飯物の分量(数字部42hに示すカップ数+0.5カップ、数字部42hに示すカップ数、数字部42hに示すカップ数−0.5カップ)に対応した水位合わせとなるように、第1頂点44h1と、第7頂点44h7および第8頂点44h8と、第4頂点44h4の各特徴部を、異なる深さ方向に割り当てて配置している。同様に、指差し形状の水位アイコン41iでも、第1特徴部45i1、第2特徴部45i2、第3特徴部45i3が、これに相当する。
この場合、一つの共通する水位アイコン41で、被炊飯物の種類と炊き方が共通する複数の被炊飯物の分量に対応した水位合わせを行なうことが可能となり、同じ被炊飯物の種類と炊き方で、水位アイコン41がむやみに増えることによるユーザーのストレスを解消できる。
また本実施例では、一つの水位アイコン41に設けられる複数の特徴部は、異なる被炊飯物の種類と炊き方で、同一の被炊飯物の分量に対応した水位合わせの目安となるように、それぞれが割り当てて配置されている。例えば、星型六角形の水位アイコン41hでは、異なる被炊飯物の種類と炊き方となる玄米から玄米ご飯を炊く炊飯コースと、白米からご飯を炊く炊飯コースと、白米からすし飯を炊く炊飯コースで、同じ被炊飯物の分量(数字部42hに示すカップ数)に対応した水位合わせとなるように、第5頂点44h5および第6頂点44h6と、第7頂点44h7および第8頂点44h8と、第2頂点44h2および第3頂点44h3の各特徴部を、異なる深さ方向に割り当てて配置している。同様に、指差し形状の水位アイコン41iでも、第4特徴部45i4、第3特徴部45i3、第5特徴部45i5が、これに相当する。
この場合、一つの共通する水位アイコン41で、被炊飯物の種類と炊き方が異なる同一の被炊飯物の分量に対応した水位合わせを行なうことが可能となり、同じ被炊飯物の分量で、水位アイコン41がむやみに増えることによるユーザーのストレスを解消できる。
また、本実施例の図6(a)や図6(b)で示したように、分量表示部となる数字部42h1〜42h5を内釜4の内面と同色に形成する一方で、水位アイコン41h1〜41h5を内釜4の内面および数字部42h1〜42h5と異なる色に形成している。
この場合、内釜4の内面における水位アイコン41h1〜41h5の位置と、その水位アイコン41h1〜41h5に設けられている数字部42h1〜42h5を、何れも目視で容易に確認することが可能になる。
代わりに、本実施例の図6(c)で示したように、内釜4の内面と、水位アイコン41h1〜41h5と、数字部42h1〜42h5を、それぞれ異なる色に形成してもよい。
この場合も、内釜4の内面における水位アイコン41h1〜41h5の位置と、その水位アイコン41h1〜41h5に設けられている数字部42h1〜42h5を、何れも目視で容易に確認することが可能になる。
また、本実施例の図6(d)で示したように、内釜4の内面に並べて配置した複数の水位アイコン41h1〜41h5の色を、例えば白色と黄色で一つずつ交互に代えた構成としてもよい。
この場合、内釜4の内面に設けたそれぞれの水位アイコン41h1〜41h5の位置関係を、色の違いで確認することが可能となり、意図しない別な水位アイコン41h1〜41h5で水位合わせが行われるのを極力防止できる。
また、本実施例の図6(e)で示したように、内釜4の内面に並べて配置した複数の数字部42h1〜42h5の色を、例えば黒色とオレンジ色で一つずつ交互に代えた構成としてもよい。
この場合、内釜4の内面に設けたそれぞれの数字部42h1〜42h5の位置関係を、色の違いで確認することが可能となり、意図しない別な数字部42h1〜42h5に対応する水位アイコン41h1〜41h5で水位合わせが行われるのを極力防止できる。
また、本実施例の図7〜図17で示したように、水位アイコン41を含む水位表示部40には、当該水位表示部40の使い方を視認させるための凡例表示部40−3がさらに設けられている。
この場合、ユーザーが内釜4の内面に設けられた凡例表示部40−3を目視で参照することで、水位表示部40を利用した水位合わせを、始めてであっても迷いなく行うことが可能になる。
また、本実施例の水位表示部40には、水位アイコン41と共に水位合わせの目安となる水位線がさらに設けられている。水位線は、図11や図13で示した横線47h1〜47h5や、図15で示した流れ星線48h1〜48h5などが相当する。
この場合、水位アイコン41のみならず水位線を利用することで、水位合わせをより正確に行なうことが可能になる。
また、本実施例の水位表示部40には、前述のように水位合わせの目安として水位を一致させるための特徴部が設けられており、この特徴部と同じ水平位置に直線状に延びて水位線が配置されている。例えば図15に示した例では、各水位アイコン41h1〜41h5の特徴点である第1頂点44h1と、第6頂点44h6と、第8頂点44h8と、第3頂点44h3と、第4頂点44h4と同じ水平位置に直線状に延びる水位線として、流れ星線48h1〜48h5が配置される。
これにより、水位アイコン41h1〜41h5の特徴点に水位を無理に合せようとしなくても、同じ水平位置にある水位線を利用して、そこに水位を合せるようにすれば、内釜4に入れる水量を誤りなく簡単に調整できる。
次に、本発明の第2実施例の炊飯器について、図20〜図29を参照して詳しく説明する。本実施例の炊飯器は、内釜に入れる水量を調整する際に、被炊飯物の分量に応じた水位合わせの目安として、従来の数字部の片側から水平方向に延びる水位線に代わって、数字部の両側に延びる水位線51を、内釜4の内面に設けている。図20(a)は、本実施例で内釜4の内面に設けられた水位表示部40を示しており、図20(b)は本実施例との比較として、図44と同じ従来の内釜101の内面に設けられた水位表示部100の一部を示している。
図20(a)に示すいわゆる定規式の水位表示部40は、内釜4に入れられる被炊飯物の分量を、「0.5」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「5.5」という数字(カップ数)で各々表わす第1数字部42k1〜第7数字部42k7と、複数の数字部42k1〜42k7の中で、特に整数である「1」、「2」、「3」、「4」、「5」のカップ数を表わす第2数字部42k2〜第6数字部42k6の両側から水平に延びて配置される複数の直線状の主水位線51kと、主水位線51kの上下にあって、主水位線51kと同じく水平に延びて配置される複数の直線状の副水位線52kと、を含んで構成される。
数字部42k1〜42k7は、水位表示部40の左右中央に位置して、上下方向に揃った状態で並んで設けられ、ここでは5本の主水位線51kと6本の副水位線52kとにより、内釜4に入れる水量を調整する際に、被炊飯物の分量に応じた水位合わせの目安を、水平方向の線で各々表わす水位線が構成される。主水位線51kは、被炊飯物の分量が整数のカップ数に対応した水位合わせの目安を示すのに対し、福水位線52kは、被炊飯物の分量が非整数のカップ数に対応した水位合わせの目安を示しており、これらの主水位線51kと副水位線52kとを利用して、被炊飯物の分量が0.5カップから5.5カップまで0.5カップずつの水位合わせを可能にしている。また、複数の水位線が狭い間隔で何本も並んで配設されることによる見難さを極力改善するために、数字部42k1〜42k7の一側で、主水位線51kと副水位線52kの先端は上下に揃っているものの、主水位線51kは副水位線52kよりも長く、主水位線51kの基端は副水位線52kの基端よりも数字部42k1〜42k7の近傍にまで延びており、互い違いに並ぶ主水位線51kと副水位線52kとの間で長さの変化を付けている。
図21〜図23は、図20(a)の水位表示部40を内釜4に全て配置した状態を示している。同図において、水位表示部40は、内釜4の内側面の対角に、すなわち内釜4の内面一側と内面他側にそれぞれ印刷形成される。また、内釜4の内面一側には、水位表示部40と共に、従来の白米すし水位表示部100Cと、おこわ水位表示部100Eと、全がゆ水位表示部100Fが並んで設けられ、内釜4の内面他側には、水位表示部40と共に、従来の麦・玄米水位表示部100Hと、分づき米・雑穀米・発芽玄米水位表示部100Iが並んで設けられる。
こうした内釜4を有する炊飯器では、炊飯を開始する前の準備として、米の分量に応じた水量の目視による確認と調整が、水位表示部40を利用して行われる。例えば2.5カップの白米を内釜4に入れた場合は、「2」の第2数字部42k2と「3」の第3数字部42k3との間に配置され、2.5カップの分量でご飯に炊き上げるときの水位合わせの目安となる副水位線52kに、できるだけ水位が一致するように、内釜4に入れる水の量を目視で確認しながら加減する。この後、内釜4を炊飯器の本体(図示せず)にセットし、希望する炊飯コースを設定して炊飯の開始を指示すれば、米の分量に見合う規定の水量で、被炊飯物を美味しく炊き上げることが可能になる。
図24〜図29は、本実施例の炊飯器に適用する様々な水位表示部40を例示している。第1変形例として、図24に示す温度計式の水位表示部40は、前述の第1数字部42k1〜第7数字部42k7と同一の第1数字部42m1〜第7数字部42m7と、主水位線51kと同一の主水位線51mと、副水位線52kと同一の副水位線52mの他に、水位合わせが可能な被炊飯物の種類を、「白米」という文字で表わす文字部49mと、主水位線51mおよび副水位線52mの一側先端に、こうした主水位線51mや副水位線52mの線幅(線の太さ)よりも大きな直径を有する円形の目印54mと、を含んで構成される。
ここでの目印54mは、ユーザーが内釜4の開口部から内面を覗き込んだ時に、それぞれの主水位線51mや副水位線52mがどの位置にあるのかを視認しやすくするものである。図示しないが、例えば主水位線51mおよび副水位線52mの一側先端だけでなく他側先端にも、同様の目印54mを設けてもよいし、主水位線51mまたは副水位線52mの何れかにのみ、その一側先端および/または他側先端に目印54mを設けてもよい。目印54mを円形とする代わりに、主水位線51mとは異なる色で目立たせた目印54mを、主水位線51mの先端に同形状で設けてもよい。また、図24に示す水位表示部40は、白米でご飯を炊くときの水量調整に使用することを、「白米」なる文字の文字部49mでユーザーに視認させており、図21〜図23で示したように、他の被炊飯物の種類や炊き方に応じた水位表示部と共に、内釜4の内面一側や内面他側にそれぞれ配設される。この内釜4を有する炊飯器でご飯を炊き上げるまでの手順は、前述した通りである。
図25は、第2変形例となる温度計式の水位表示部40を示している。同図において、ここでの水位表示部40は、内釜4に入れられる被炊飯物の分量を、「0.5」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「5.5」という数字(カップ数)で各々表わす第1数字部42n1〜第7数字部42n7と、複数の数字部42n1〜第7数字部42n7の中で、特に整数のカップ数を表わす第2数字部42n2〜第6数字部42n6の下方にあって、第2数字部42n2〜第6数字部42n6の両側から水平に延びて配置される複数の主水位線51nと、主水位線51nの上下にあって、主水位線51nと同じく水平に延びて配置される複数の副水位線52nと、水位合わせが可能な被炊飯物の種類を、「白米」という文字で表わす文字部49nと、を含んで構成される。
第2数字部42n2〜第6数字部42n6は、水位表示部40の他側寄りに位置して、上下方向に揃った状態で並んで設けられるのに対し、第1数字部42n1は第2数字部42n2の斜め中央寄り下方に、また第7数字部42n7は第6数字部42n6の斜め中央寄り上方に設けられる。これにより、整数のカップ数を表わす第2数字部42n2〜第6数字部42n6と、非整数のカップ数を表わす第1数字部42n1および第7数字部42n7との違いを、視認し易く工夫している。
5本の主水位線51nと6本の副水位線52nは、内釜4に入れる水量を調整する際に、被炊飯物の分量に応じた水位合わせの目安を、水平方向の線で各々表わす水位線として構成される。主水位線51nは、被炊飯物の分量が整数のカップ数に対応した水位合わせの目安を示すのに対し、副水位線52nは、被炊飯物の分量が非整数のカップ数に対応した水位合わせの目安を示しており、これらの主水位線51nと副水位線52nとを利用して、被炊飯物の分量が0.5カップから5.5カップまで0.5カップずつの水位合わせを可能にしている。また、複数の水位線が狭い間隔で何本も並んで配設されることによる見難さを極力改善するために、数字部42n1〜42n7の一側で、主水位線51nと副水位線52nの先端は上下に揃っているものの、主水位線51nは副水位線52nよりも長く、主水位線51kの他端は数字部42n1〜42n7の下側を横切って反対の他側にまで延びており、互い違いに並ぶ主水位線51nと副水位線52nとの間で長さの変化を付けている。
図25に示す水位表示部40は、白米でご飯を炊くときの水量調整に使用することを、「白米」なる文字の文字部49nでユーザーに視認させており、他の被炊飯物の種類や炊き方に応じた水位表示部と共に、内釜4の内面一側や内面他側にそれぞれ配設される。この内釜4を有する炊飯器でご飯を炊き上げるまでの手順は、前述した通りである。
図26は、第3変形例となるリニア式の水位表示部40を示している。同図において、ここでの水位表示部40は、第1数字部42k1〜第7数字部42k7と同様の第1数字部42p1〜第7数字部42p7と、主水位線51kと同一の主水位線51pと、文字部49mと同様の文字部49pの他に、主水位線51pの上下にあって、前述した副水位線52kなどよりも多くの本数で、主水位線51nと同じく水平に延びて配置される複数の副水位線52pと、を含んで構成される。
5本の主水位線51pと16本の副水位線52pは、内釜4に入れる水量を調整する際に、被炊飯物の分量に応じた水位合わせの目安を、水平方向の線で各々表わす水位線として構成される。主水位線51pは、被炊飯物の分量が整数のカップ数に対応した水位合わせの目安を示すのに対し、副水位線52pは、被炊飯物の分量が非整数のカップ数に対応した水位合わせの目安を示しており、一の主水位線51pと他の主水位線51pとの間には、上下3本の副水位線52pが等間隔で配置される。したがって本例では、これらの主水位線51pと副水位線52pとを利用して、被炊飯物の分量が0.5カップから5.5カップまで0.25カップずつの水位合わせを可能にしている。
また、複数の水位線が狭い間隔で何本も並んで配設されることによる見難さを極力改善するために、数字部42p1〜42p7の両側で、主水位線51pと副水位線52pの先端は上下に揃っているものの、主水位線51nは副水位線52pよりも長く、一の主水位線51pとその下にある複数本の副水位線52pとの基端どうしを結ぶ線が、数字部42p1〜42p7から次第に離れて斜め直線状となるように、主水位線51pと副水位線52pがそれぞれ配置されており、主水位線51kと副水位線52pとの間でリニアに長さの変化を付けている。
図26に示す水位表示部40は、白米でご飯を炊くときの水量調整に使用することを、「白米」なる文字の文字部49pでユーザーに視認させており、他の被炊飯物の種類や炊き方に応じた水位表示部と共に、内釜4の内面一側や内面他側にそれぞれ配設される。この内釜4を有する炊飯器でご飯を炊き上げるまでの手順は、前述した通りである。
図27は、第4変形例となるリニア式の水位表示部40を示している。同図において、ここでの水位表示部40は、第1数字部42k1〜第7数字部42k7と同様の第1数字部42q1〜第7数字部42q7と、主水位線51kと同様の主水位線51qと、文字部49mと同様の文字部49qの他に、主水位線51qの上下にあって、その一部は主水位線51qと同じ長さを有し、主水位線51nと同じく水平に延びて配置される複数の副水位線52qと、主水位線51qと副水位線52qの先端どうしを結んで上下方向に延びる縦線55qと、一の主水位線51qとその下にある副水位線52qの基端どうしを結び、そこから次の主水位線51qの先端を結ぶまで延びる直線状の斜め線56qと、副水位線52qと縦線55qと斜め線56qとの間に囲まれ、三角形状に塗り潰された複数の目印54qと、を含んで構成される。
5本の主水位線51qと6本の副水位線52qは、内釜4に入れる水量を調整する際に、被炊飯物の分量に応じた水位合わせの目安を、水平方向の線で各々表わす水位線として構成される。主水位線51qは、被炊飯物の分量が整数のカップ数に対応した水位合わせの目安を示すのに対し、副水位線52qは、被炊飯物の分量が非整数のカップ数に対応した水位合わせの目安を示しており、これらの主水位線51qと副水位線52qとを利用して、被炊飯物の分量が0.5カップから5.5カップまで0.5カップずつの水位合わせを可能にしている。また、複数の水位線が狭い間隔で何本も並んで配設されることによる見難さを極力改善するために、数字部42q1〜42q7の両側で、主水位線51qと副水位線52qの先端は上下に揃っていて、お互いに縦線55qで結ばれているものの、主水位線51qは副水位線52qよりも長く、一の主水位線51qとその下にある複数本の副水位線52qとの基端どうしを結ぶ斜め線56qが、数字部42q1〜42q7から次第に離れて斜め直線状に形成されるように、主水位線51qと副水位線52qがそれぞれ配置されており、主水位線51qと副水位線52qとの間でリニアに長さの変化を付けている。
目印54qは、ユーザーが内釜4の開口部から覗き込んだ時に、それぞれの主水位線51mや副水位線52mがどの位置にあるのかを視認しやすくするものである。ここでは、数字部42p1〜42p7の両側に目印54qをそれぞれ設けているが、数字部42p1〜42p7の一側または他側にのみ、目印54qを設けてもよい。また、図27に示す水位表示部40は、白米でご飯を炊くときの水量調整に使用することを、「白米」なる文字の文字部49qでユーザーに視認させており、他の被炊飯物の種類や炊き方に応じた水位表示部と共に、内釜4の内面一側や内面他側にそれぞれ配設される。この内釜4を有する炊飯器でご飯を炊き上げるまでの手順は、前述した通りである。
図28は、第5変形例となるリニア式の水位表示部40を示している。同図において、ここでの水位表示部40は、第1数字部42k1〜第7数字部42k7と同様の第1数字部42r1〜第7数字部42r7と、主水位線51kと同様に、第2数字部42r2〜第6数字部r6の両側から水平に延びて配置される主水位線51rと、文字部49mと同様の文字部49rの他に、第1数字部42r1と第7数字部42r7の両側から延びており、主水位線51nと同じく水平に延びて配置される2本の副水位線52rと、一側と他側の中央部が尖った菱餅形状の水位アイコン41r1〜41r7と、を含んで構成される。
第1数字部42r1を内部に配置する第1水位アイコン41r1は、被炊飯物が「0.5」カップの分量に応じた水量の目安を示すもので、主水位線51rが延びる一側と両側の尖った中央凸部が、第1実施例で説明した特徴部となる。この特徴部から第1水位アイコン41r1の上面および下面に至るまでの間には、直線状の傾斜辺58rが形成される。その他、第2数字部42r2〜第7数字部42r7をそれぞれ内部に配置する第2水位アイコン41r2〜第7水位アイコン41r7も、被炊飯物が「1」カップ〜「5.5」の分量に応じた水量の目安を各々示すもので、主水位線51rが延びる一側と両側の尖った中央部が特徴部となり、同様の直線状の傾斜辺58rが形成される。水位アイコン41r1〜41r7は、水位表示部40の左右中央に位置して、上下方向に揃った状態で並んで設けられており、最下部に位置する第1水位アイコン41rと、最上部に位置する第7水位アイコン41r7を除いて、その他の上下に隣り合う水位アイコン41r2〜41r6の間には、0.5カップずつの水位合わせの目安となる直線状の隙間59rが形成される。
そして、図28に示す水位表示部40は、白米でご飯を炊くときの水量調整に使用することを、「白米」なる文字の文字部49rでユーザーに視認させており、他の被炊飯物の種類や炊き方に応じた水位表示部と共に、内釜4の内面一側や内面他側にそれぞれ配設される。この内釜4を有する炊飯器でご飯を炊き上げるまでの手順は、前述した通りである。
図29は、第6変形例となるリニア式の水位表示部40を示している。同図において、ここでの水位表示部40は、第1数字部42k1〜第7数字部42k7と同様の第1数字部42s1〜第7数字部42s7を、水位表示部40の左右中央に配置して、第1数字部42s1〜第7数字部42s7の一側に、白米でご飯を炊くときの水量調整に使用する白米水位表示部40Aを配設し、第1数字部42s1〜第7数字部42s7の他側に、無洗米でご飯を炊くときの水量調整に使用する無洗米水位表示部40Bを配設して構成される。
「白米」での炊飯に対応した白米水位表示部40Aは、第1数字部42s1〜第7数字部42s7の他に、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」のカップ数を表わす第2数字部42s2〜第6数字部42s6の一側から水平に延びて配置される複数の主水位線51sAと、「0.5」のカップ数を表わす第1数字部42s1の一側と、「5.5」のカップ数を表わす第7数字部42s7の一側から、主水位線51sAと同じく水平に延びて配置される複数の副水位線52sAと、これらの主水位線51sAおよび副水位線52sAのそれぞれ先端側に設けられ、三角形状に塗り潰された複数の目印54sAと、水位合わせが可能な被炊飯物の種類を、「白米」という文字で表わす文字部49sAと、を含んで構成される。
また、「無洗米」での炊飯に対応した無洗米水位表示部40Bは、白米水位表示部40Aと共通する第1数字部42s1〜第7数字部42s7の他に、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」のカップ数を表わす第2数字部42s2〜第6数字部42s6の一側から水平に延びて配置される複数の主水位線51sBと、「0.5」のカップ数を表わす第1数字部42s1の一側と、「5.5」のカップ数を表わす第7数字部42s7の一側から、主水位線51sAと同じく水平に延びて配置される複数の副水位線52sBと、これらの主水位線51sBおよび副水位線52sBのそれぞれ先端側に設けられ、三角形状に塗り潰された複数の目印54sBと、水位合わせが可能な被炊飯物の種類を、「無洗米」という文字で表わす文字部49sBと、を含んで構成される。
本実施例では、白米水位表示部40Aと無洗米水位表示部40Bとの間で、水位合わせの条件となる被炊飯物の種類が異なる関係で、白米水位表示部40Aの水位線51sAおよび副水位線52sAと、無洗米水位表示部40Bの水位線51sBおよび副水位線52sBは、それぞれ異なる高さに配置される。これにより、一つの水位表示部40で、第1数字部42s1〜第7数字部42s7を共通にして、2種類の異なる被炊飯物に関する水位合わせを行なうことが可能になり、内釜4の内面に水位表示部40をコンパクトに配置できる。
白米水位表示部50Aは、5本の主水位線51sAと2本の副水位線52sAを、内釜4に入れる水量を調整する際に、被炊飯物となる「白米」の分量に応じた水位合わせの目安を、水平方向の線で各々表わす水位線として構成している。主水位線51sAは、「白米」の分量が整数のカップ数に対応した水位合わせの目安を示すのに対し、副水位線52sAは、「白米」の分量が非整数のカップ数に対応した水位合わせの目安を示しており、これらの主水位線51sAと副水位線52sAとを利用して、被炊飯物の分量が0.5カップと、1カップから5カップと、5.5カップの水位合わせを可能にしている。また、複数の水位線が狭い間隔で何本も並んで配設されることによる見難さを極力改善するために、第1水位部42s1から延びる主水位線51sAの下側と、第7水位部42s7から延びる主水位線51sAの上側にのみ、副水位線52sAをそれぞれ設けている。
同様に、無洗米水位表示部50Bは、5本の主水位線51sBと2本の副水位線52sBを、内釜4に入れる水量を調整する際に、被炊飯物となる「無洗米」の分量に応じた水位合わせの目安を、水平方向の線で各々表わす水位線として構成している。主水位線51sBは、「無洗米」の分量が整数のカップ数に対応した水位合わせの目安を示すのに対し、副水位線52sBは、「無洗米」の分量が非整数のカップ数に対応した水位合わせの目安を示しており、これらの主水位線51sBと副水位線52sBとを利用して、被炊飯物の分量が0.5カップと、1カップから5カップと、5.5カップの水位合わせを可能にしている。また、複数の水位線が狭い間隔で何本も並んで配設されることによる見難さを極力改善するために、第1水位部42s1から延びる主水位線51sBの下側と、第7水位部42s7から延びる主水位線51sBの上側にのみ、副水位線52sBをそれぞれ設けている。
白米水位表示部50Aと無洗米水位表示部50Bにそれぞれ設けた目印54qは、ユーザーが内釜4の開口部から覗き込んだ時に、それぞれの主水位線51sA,51sBや副水位線52sA,52sBがどの位置にあるのかを視認しやすくするものである。ここでは、白米水位表示部50Aと無洗米水位表示部50Bのそれぞれに目印54qを設けているが、どちらか一方にのみ目印54qを設けてもよい。また白米水位表示部50Aは、特に白米でご飯を炊くときの水量調整に使用することを、「白米」なる文字の文字部49sAでユーザーに視認させ、無洗米水位表示部50Bは、特に無線米でご飯を炊くときの水量調整に使用することを、「無洗米」なる文字の文字部49sBでユーザーに視認させており、他の被炊飯物の種類や炊き方に応じた水位表示部と共に、内釜4の内面一側や内面他側にそれぞれ配設される。この内釜4を有する炊飯器でご飯を炊き上げるまでの手順は、前述した通りである。
以上のように本実施例では、被炊飯物を収容する内釜4の内面に、当該内釜4に入れられる水量を調整するための水位表示部40を設けた炊飯器において、この水位表示部40は、図20〜図29で示したように、被炊飯物の分量を表わした分量表示部となる数字部42と、水位合わせの目安となる水位線51,52とを含んで構成され、その中で特に被炊飯物の分量として整数のカップ数を表わす数字部42の両側から水平に延びて、直線状の水位線となる主水位線51を配置している。
この場合、ユーザーにとって内釜4の内面は、奥に入り込んで見えづらい部分ではあるが、ここに数字部42の片側にではなく、数字部42の水平方向両側に主水位線51を設けておけば、ユーザーは主水位線51を目印として容易に水位合わせを行なえる。したがって、内釜4に入れられる水量の調整で、ユーザーのストレスを極力解消することが可能な炊飯器を提供できる。
また、本実施例の図20〜図27で示したように、水位表示部40に設けられる水位線は、整数のカップ数を表わす数字部42の両側から水平に延びて配置される直線状の主水位線51と、この主水位線51の上下に位置して、主水位線51と同じく水平に延びて配置される直線状の副水位線52とを含んで構成され、主水位線51と副水位線52の長さが異なって形成される。例えば、図20に示す水位表示部40は、水位線として5本の主水位線51kと6本の副水位線52kとを含んでいるが、主水位線51kは副水位線52kよりも長く形成されている。
このように、互い違いに並ぶ主水位線51と副水位線52との間で長さの変化を付けることで、複数の水位線51,52が狭い間隔で何本も並んで配設されることによるユーザーへの見難さを、極力改善することが可能になる。
また、本実施例の水位表示部40には、図24、図27、図29で示したように、水位線51,52の先端側に、この水位線51,52とは異なる形状の目印54がさらに設けられる。目印54は、水位線51,52と異なる形状ではなく色で目立たせてもよい。
これにより、ユーザーが内釜4の内面を覗き込んだ時に、目印54を手掛かりにして、各水位線51,52がどの位置にあるのかを容易に視認することができる。
また、本実施例の水位表示部40には、図28で示したように、水位線51,52と共に水位合わせの目安となる記号化されたアイコン表示部となる水位アイコン41がさらに設けられる。
この場合、ユーザーは水位線51,52のみならず水位アイコン41を利用することで、水位合わせをより正確に行なうことが可能になる。
次に、本発明の第3実施例の水位検知装置について、図30〜図43を参照して詳しく説明する。本実施例の水位検知装置は、先人が羽釜でご飯を炊いていた頃と同じように、「我が家の美味しさ」として、被炊飯物であるお米の上の水の高さを測ることを目的としたもので、毎回同じ水の高さに合せれば、毎回同じ炊き上がりを得ることができる。
図30は、水位検知装置60による水位合わせの使用状態を示している。同図において、水平な床面Fに載せられた内釜4の内部には、ご飯を炊き上げるために被炊飯物となる米Rと水Wが入れられており、水Wの量を調整するための水位検知装置60は、内釜4の内部で米Rの上面に載せて使用される。内釜4の内側面に設けられる従来の水位表示部100は、被炊飯物の種類と炊き方に応じて、異なる高さに水位線112が配置される。ここでは一例として、「白米」を普通のかたさで炊き上げる場合の水位合わせに使用する白米水位表示部100Aが示されているが、本実施例の水位検知装置60に設けられる水位表示部61は、従来の水位表示部100とは異なり、被炊飯物の種類や炊き方に関係なく、内釜4に入れられた米Wの上面を基準とした水Wの目安となるものである。したがって、普段から内釜4に入れた米Wの量に対して、水Wをどの程度の高さにすればどのように炊き上がるのかが経験上わかっている場合には、炊飯器側で希望する炊飯コースをその都度設定しなくても、水位検知装置60の水位表示部61を利用して、「我が家の美味しさ」を毎回得ることができる。
次に、水位検知装置60の本体構成について、図30の他に図31〜図38を参照しながら詳しく説明する。水位検知装置60は、前述の水位表示部61を備えた表示板62と、内釜4の内部で米Wの上面に載置可能な基台63と、基台63に対して表示板62を回動可能に取付けるヒンジ64とにより、装置本体65の外郭を構成している。基台63は有底箱状で、その内部には磁石66と、一対のピン電極67A,67Bと、電源となるボタン型の電池68と、光源となるLED69と、FET70を実装したプリント回路基板(PC板)71が各々液密状態に収容配設される。こうした装置本体65の他に、収納用のケース72(図39を参照)を備えて、本実施例の水位検知装置60が構成される。
表示板62は、3枚のプレート75A,75B,75Cを重ね合わせて構成される。表示板62の裏面部を形成する第1プレート75Aと、表示板62の表面部を形成する第3プレート75Cは、共に平板シート状であるのに対し、第1プレート75Aと第3プレート75Cの中間に配置される第2プレート75Bは枠状で、これらのプレート75A,75B,75Cを積層して接合したときに、表示板62の内部には空気層を形成する密閉空間76が設けられる。このとき、密閉空間76の一側となる表示板62の表側には第3プレート75Cが配置され、密閉空間76の他側となる表示板62の裏側には、第3プレート75Cと対向して第1プレート75Aが配置される。
表示板62を構成するプレート75A,75B,75Cは、何れも空気よりも屈折率が大きく、光透過性を有する透明部材で構成される。このような透明部材としては、アクリルやポリエステルのような合成樹脂、ガラスなどが好ましい。本実施例では、中間層となる第2プレート75Bを介して、第1プレート75Aと第3プレート75Cの周囲部を接着剤や溶着などにより液密に接合することで、表示板62の内部に空気層が介在する密閉空間76が形成される。
水位表示部61は、米Wの上面を基準とした水Wの高さ(水位高さ)の程度を、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」という数字で各々表わす数字部78と、米Wの上面を基準とした水Wの高さの目安を、水平方向の線で各々表わす目盛となる水位線79と、により構成される。図36に示す例では、水位表示部61を構成する数字部78と水位線79の全てが、第1プレート75Aの密閉空間76に臨む内側面に印刷形成され、対向する第3プレート75Cには水位表示部61を何も形成しない。代わりに、水位表示部61の別な配置例として、図37に示すように、水位表示部61の一部を構成する数字部78を、第1プレート75Aの内側面に印刷形成し、水位表示部61の残りの一部を構成する水位線79を、第3プレート75Cの密閉空間76とは反対側に臨む外側面に印刷形成してもよい。図33と図34は、水位板62に対する水位表示部61の配置が異なるだけで、他の構成はお互いに共通する。
なお、本実施例の水位表示部61を、第1実施例や第2実施例で説明した水位表示部40の形態で水位板62に配設してもよい。また、こうした水位表示部40を内面に配設した内釜4と、本実施例の水位検知装置60とを組み合わせた炊飯器の構成としてもよい。
基台63は、表示板62と同様に何れも光透過性を有する4つのケース体81A,81B,81C,81Dを組み合わせた透明部材で構成される。基台63の底面部を形成する平板状の第1ケース体81Aと、これに対向して設けられ、基台63の上面部を形成する平板状の第3ケース体81Cの間には、基台63の左右側面部と後面部を形成する第2ケース体81Bと、基台63の前面部を形成する第4ケース体81Dがそれぞれ配設される。また、これらのケース体81A,81B,81C,81Dは、基台63の内部に水Wなどの液体が侵入しないように、全体が箱型形状となるようにお互いに液密に接合される。基台63の左右側面前方には、ヒンジ64を取付けるための軸82が、それぞれ外方に突出して第2ケース体81Bと一体的に形成される。
ヒンジ64は、表示板62の基端側左右側面にそれぞれ接合して取付け固定される一対のヒンジ片83A,83Bで構成される。ヒンジ片83A,83Bには何れも孔84が開口形成されており、基台63の左右両側に取付け固定された軸82を、ヒンジ片83A,83Bの孔84に挿通して軸支することで、ヒンジ64を含む表示板62が、基台63に対して軸82を中心として折り畳み開閉可能に連結される。これにより図34に示すように、基台63に対して表示部62を閉じた状態では、表示板62の裏面が基台63の上面に突き当たって、表示板62が基台63に折り畳まれる。また図35に示すように、基台63に対して表示部62を開いた状態では、表示板62の裏面が基台63の前面に突き当たって、基台63の載置面となる底面に対して、水位表示部61を含む表示板62が、所定の角度α=70°で斜め上向きに保持される。
基台63の内部において、磁石66は水位検知装置60の装置本体65を水没させたときの重りとなるもので、装置本体65を保管するときの吸着用部材を兼用する。また光源となるLED69は、点灯時に水位表示部61だけでなく、装置本体65ひいては水位検知装置60の周辺を照明できる位置に配設される。基台63の底面部を形成する第1ケース体81Aには、ピン電極67A,67Bが密着して挿通する孔85が設けられ、ピン電極67A,67Bの先端が基台63の底面より外方に露出する構成となっている。
図38は、上述した装置本体65の回路図を示したものである。同図において、直流電源となる3個の電池68は直列に接続され、その両端間にLED69とFET70の直列回路が接続される。また、電池68の正極側端子にはピン電極67Aが接続され、スイッチ素子となるFET70のゲートには、別なピン電極67Bが接続される。これにより、ピン電極67A、67B間が開放した状態で、FET70のゲートに所定の電圧が印加されなければ、FET70のゲート・ソース間は導通せず、これに繋がるLED69は電池68からの電流が供給されずに消灯するが、基台63が水没してピン電極67A、67Bに水が浸ったり、ピン電極67A、67Bの間に導電体が接触したりして、ピン電極67A、67Bの間が短絡した状態になると、FET70のゲートに電池68の電圧が印加され、FET70のゲート・ソース間が導通して、LED69は電池68から供給される電流により点灯する構成となっている。
次に、水位検知装置60の本体となる装置本体50を収納するケース72について、図39を参照して詳しく説明する。同図において、(a)は表示板62を基台63に折り畳んだ状態で、装置本体65をケース72に収納した状態を示し、(b)は表示板62を基台63に折り畳まない状態で、装置本体65をケース72に収納した状態を示している。ここで示したように、ケース72は一側に開口87を有して袋状に形成され、その開口87を通して、基台63に対して表示板62を閉じて折り畳んだ状態の基台63と表示板62だけでなく、基台63に対して表示板62を開けた状態の基台63を、ケース72の内部に挿抜できる構成になっている。またケース72は、基台63の内部でLED69から発した光を、水位検知装置60の周辺に万遍なく拡散させる光拡散部材で構成される。
ケース72の内面には、基台63をケース72に挿入して収納したときに、LED69の点灯スイッチとなるピン電極67A、67Bが当接する位置に、短絡用の導電シート88が貼着される。導電シート88は、ケース72の内面上下一側にのみ設けられており、図39(a)に示すように、導電シート88と基台63の上面側の第3ケース体81Cが向い合うように、基台63をケース72に挿入した場合には、導電シート88がピン電極67A、67Bに接触せず、LED69は消灯する。したがって、水位検知装置60の保管時には、表示板62を基台63に折り畳んだ状態の装置本体65を、LED69が消灯するようにケース72に収納することが可能になる。
一方、図39(b)に示すように、導電シート88と基台63の下面側の第1ケース体81Aが向い合うように、基台63をケース72に挿入した場合には、導電シート88がピン電極67A、67Bに接触して、その間が短絡した状態となり、基台63の内部でLED69が点灯して、LED69からの光がケース72により水位検知装置60の周辺に広く拡散されるランタンモードとなる。このとき、基台63は表示板62を折り畳むか否かに拘らず、重りとなる磁石66により、ピン電極67A,67Bを導電シート88に押し付ける方向に自重が働くので、LED69を確実に点灯させて、水位検知装置60の周辺に光を安定的に拡散することが可能になる。
そして、上記構成の水位検知装置60を、図39(a)に示す保管状態から図30に示す水位合わせのために使用するには、ケース72から装置本体65を取り出し、基台63に重ね合わせて折り畳まれた表示板62を、ヒンジ64により軸82を中心として基台63の前側に手動で起こす。基台63はその裏面が基台63の前面に当接すると、それ以上起立させることができなくなり、図31に示すように、水位表示部61を含む表示板62は、基台63の底面に対して所定の角度αで斜め上向きに保持される。
一方、内釜4は図30に示すように、水平な床面Fに載せられていて、その内部には、米Rと水Wが偏りなく均一に入れられている。ここに前述の表示板62を斜め上向きに起こした水位検知装置60の装置本体65を、基台63の底面が米Rの上面に載るように収容すると、表示板62は米Rの上面に対して、所定の角度αで斜め上向きに配置される。
このような状態において、表示板62の表面側に向けて入射角Θ1で内釜4の内部の水Wに光Lが入射すると、光Lは図40に示すように、水面上のO点、水Wと表面板62の第3プレート75Cとの境界面のP点でそれぞれ屈折し、さらに第3プレート75Cを透過して、当該第3プレート75Cから空気層である密閉空間76に入射しようとする。しかし、第3プレート75Cが空気よりも大きな屈折率の部材であれば、入射角Θ1が一定値以下になると、第3プレート75Cと密閉空間76との境界面のQ点で、光Lが密閉空間76を通り抜けることなく全反射する。
すなわち、空気の屈折率n1=1、第3プレート75Cの屈折率n2(>n1)、水Wの屈折率n3=1.333であるとき、Q点で全反射する条件は、第3プレート75Cから空気層の密閉空間76への入射角をΘqとすると、次の式を満たす。
また、P点での屈折は、水Wから第3プレート75Cへの入射角をΘpとすると、次の式を満たす。
上記の各式を整理すると、次の式が得られる。
したがって、密閉空間76からの光Lが出てこられなくなるP点での入射角すなわち臨界角Θpは、以下の式のようになる。
この臨界角Θpに対応するP点での水Wから空気(外気)への入射角Θoは、垂直面Zに対する第3プレート75Cの傾き角度をα’(=90°−α)としたときに、次の式で算出できる。
P点において、上式で得られた入射角Θoと、空気から水Wへの入射角Θ1との関係は、次の式で表わせる。
上式を書き直すと、次の式が得られる。
ここに空気の屈折率n1=1と、水Wの屈折率n3=1.333と、入射角Θo=21.4°をそれぞれ当てはめると、P点における空気から水Wへの入射角Θ1が、次の式で算出される値よりも小さい範囲では、第3プレート75Cと密閉空間76との境界面のQ点で全反射が生じることになる。
こうして本実施例では、水位検知装置60の装置本体65を、内釜4の上方から入射角Θ1以下の角度で見下ろしたときに、内釜4の内部で水面から上の部分は、ほぼ垂直の角度で覗き込んだとしても、所定の角度αで斜め上向きに置かれた水位表示部61が無理なく視認できる一方で、水面から下の部分は、水位表示部61が全反射により見えなくなり、水位表示部61の途中で水面の位置に応じた境界線が明瞭に確認できる。したがって、この境界線から内釜4内の水位を誤りなくはっきりと読み取ることができ、内釜4に収容すべき水量を能率的に計量することができる。
なお、図40では便宜的に、第3プレート75Cの屈折率n2と水Wの屈折率n3が恰も同じであるかのように、P点の前後で光Lを直線状に描いているが、第3プレート75cの材質により屈折率n2,n3に違いが有れば、P点で光Lは屈折する。
また、図36に示す表示板62の構成では、水位表示部61を構成する数字部78と水位線79の全てが、透明な表示板62の第1プレート75Aに設けられているので、第3プレート75cの屈折率n2が水Wの屈折率n3と違いがあるか否かに関係なく、ユーザーが内釜4の内部を入射角Θ1以下の角度で覗き込めば、空気層となる密閉空間76と第1プレート75Aとの境界面のQ点で光Lを全反射させて、水位表示部61の水没した部分の全てを見えないようすることができる。一方、別な図37に示す表示板62の構成では、ユーザーが内釜4の内部を入射角Θ1以下の角度で覗き込めば、同様に密閉空間76と第1プレート75Aとの境界面のQ点で光Lを全反射させて、水位表示部61の一部となる第1プレート75Aに設けられた数字部78を、水没した部分で見えないようにすることができるが、水位表示部61の残りの一部となる水位線79は、第1プレート75Aにではなく第3プレート75Cに設けられており、第3プレート75Cの屈折率n2が水Wの屈折率n3よりも大きければ、水位線79よりも手前側のP点で全反射が起こらず、ユーザーが内釜4の内部を入射角Θ1以下の角度で覗き込んでも、水位表示部61が水没しているか否かに拘らず、水位線79を視認することができる。したがって、図37の例で水位線79だけを確実に視認させるには、n2>n3となる材質で第3プレート75Cを形成する。
図41は、基台63に対して表示板62を開いた状態の装置本体65を示し、図42は、その装置本体65を米Rと水Wを収容した内釜4の内部に入れたときの様子を示している。ここでは、水位表示部61の全てが第1プレート75Aに設けられているので、水位表示部61の水面よりも下の部分は、上述した全反射現象により数字部78と水位線79が消えて見えなくなる。一方、水位表示部61の一部を第1プレート75Aに設け、残りの一部を第3プレート75Cに設けた場合は、水位表示部61の水面よりも下の部分で、水位表示部61の一部だけを全反射で見えないようにし、残りの一部を視認させることが可能になる。
つぎに、水位検知装置60の照明機能について説明する。図43は、図41に示す装置本体65を、米Rと水Wを収容した内釜4の内部に入れて、LED69を点灯させた状態を示している。図38に示す回路構成を組み込んだLEDタイプの水位検知装置60では、基台63に対して表示板62を開いた状態の装置本体65を内釜4の内部に入れて、基台63の底面に露出するピン電極67A、67Bに水Wが触れると、LED69に電流が供給されて点灯し、水位表示部61が印刷形成された透明な表示板62を背面から明るく照明する。そのため、水位合わせの際に内釜4の内部で基台63が水Wに浸されると、LED69が点灯して水位表示部61を見やすく照明できる。また水位合わせが終わって、装置本体65を内釜4の内部から取り出せば、ピン電極67A、67Bの間は水Wに触れずに非導通の状態となり、LED69を自動的に消灯させて、無駄な電池68の消費を防ぐことが可能となる。
こうした水位合わせの際の水位表示部61への照明とは別に、本実施例の水位検知装置60は、例えば屋外キャンプでの飯盒時や、災害時、停電時などに、周辺を明るく照らすランタンとしても有効に利用できる。図39(b)に示すように、水位検知装置60をランタンとして使用する場合は、ケース72の内面に設けた導電シート88と、基台63のピン電極67A,67Bが露出する底面が向い合うように、ケース72の開口から基台63を挿入する。このとき基台63に対して表示板62を折り畳まずに、基台63だけをケース72に挿入してもよいし、基台63と表示板62を折り畳んで、これらを共にケース72に挿入してもよい。いずれの場合も、導電シート88がピン電極67A、67Bに接触して、その間が短絡状態になると、基台63の内部でLED69が点灯して、LED69からの光が、光拡散部材となるケース72により水位検知装置60の周辺に広く拡散される。
また、水位検知装置60を水位合わせやランタンとして使用しない場合は、基台63と表示板62を折り畳んで、これらの装置本体65を導電シート88がピン電極67A、67Bと接触しない方向でケース72に挿入すれば、LED69を消灯させて装置本体65をケース72にコンパクトな状態で保管することが可能になる。
以上のように、本実施例の炊飯器に付属する水位検知装置60は、被炊飯物である米Rを収容する内釜4の内部に収容可能であって、この内釜4に入れられる水Wの量を調整するための水位表示部61を設けている。ここでは特に、内釜4の内部で略水平に均された米Rの上面に載置可能な基台63と、基台63に取付けられ、水位表示部61を有する表示板62と、を備え、基台63を米Rの上面に載置したときに、水位表示部61が斜め上向きに配置されるように、水位検知装置60を構成している。
そのため、内釜4の内部で米Rの上面に基台63を載せるだけで、基台63に取付けられた表示板62と共に、水位表示部61を安定した状態で使用できる。また、この状態では水位表示部61が斜め上向きに配置されるので、ユーザーが内釜4を真上から見たときに、水位表示部61のどの位置に水位があるのかを容易に視認できる。したがって、内釜4に入れられる水Wの量の調整で、ユーザーのストレスを極力解消することが可能な水位検知装置60を提供できる。
また、本実施例の水位検知装置60は、基台63に対して表示板62を開閉可能に取付けるヒンジ64が設けられ、このヒンジ64により、表示板62を閉じた状態では、表示板62が基台63に折り畳まれ、表示板62を開いた状態では、基台63を米Rの上面に載置したときに、水位表示部61が斜め上向きに配置されるように構成される。
そのため、水位検知装置60の使用時には表示板62を開けるだけで、内釜4の内部で水位表示部61を斜め上向きに配置することができ、水位検知装置60の不使用時には表示板62を閉じて基台63に折り畳むことにより、水位検知装置60をコンパクトな状態で取り扱うことができる。
また、本実施例の水位検知装置60は、水位表示部61を照明する光源として、基台63の内部にLED69をさらに備えている。
そのため、例えばピン電極67A、67Bを短絡するなどして、光源となるLED69を点灯状態とすることで、水位合わせの際に水位表示部61を見やすく照明することができる。
また、本実施例の水位検知装置60は、基台63の底部に電極体となるピン電極67A、67Bが露出して設けられ、ピン電極67A、67Bが内釜4の内部に収容した水Wに触れると、光源となるLED69が点灯する構成となっている。
そのため、水位合わせの際に内釜4の内部で基台63が水Wに接して浸されると、LED69が点灯して水位表示部61を見やすく照明することができる。
また、本実施例の水位検知装置60は、表示板62を基台63に折り畳んだ状態で、その一側の開口87から挿抜可能に収納するケース72をさらに備え、このケース72は、LED69からの光を広範囲に拡散するポリカーボネート樹脂部材などの光拡散部材で構成される。
そのため、ケース72は単に表示板62を基台63に折り畳んだときの収納部材としてだけでなく、水位検知装置60をランタンとして使用するときに、LED69からの光を水位検知装置60の周辺に拡散するシェードとして兼用させることができる。
また本実施例の水位検知装置60は、基台63の底部に電極体となるピン電極67A、67Bが露出して設けられ、ケース72には導電体となる導電シート88が設けられ、表示板62を折り畳むか否かに拘らず、基台63をケース72に挿入すると、導電シート88にピン電極67A、67Bが接触してLED69が点灯する構成となっている。
そのため、水位検知装置60をランタンとして使用するときに、基台63をケース72に挿入するだけで、LED69を点灯させて水位検知装置60の周辺に光を拡散させることが可能となる。
また、本実施例の表示板62は、空気層を形成する密閉空間76を内部に有し、空気よりも屈折率の大きな透明部材で構成され、この透明部材は、密閉空間76の一側に形成される表面部としての第3プレート75Cと、密閉空間76の他側に形成される裏面部としての第1プレート75Aが対向して配置され、図36に示すように、水位表示部61の全てを第1プレート75Aに設けている。
つまり、水位表示部61の全てが、空気よりも屈折率の大きな第3プレート75Cと、空気層である密閉空間76を介して対向しているため、米Rや水Wを入れた内釜4の内部に、水位検知装置60を収容した状態で、図40に示すように、ユーザーが内釜4の内部を所定の角度となる入射角Θ1以下の角度で上方から覗き込むと、密閉空間76と第3プレート75Cとの境界面で光Lを全反射させて、水位表示部61の水没した部分の全てを見えないようすることができる。これにより、水位表示部61に水面に応じた境界が明瞭に現れ、水位を誤りなく読み取ることができる。
代わりに、図37に示すように、水位表示部61の一部となる例えば数字部78を、第1プレート75Aに設ける一方で、水位表示部61の残りの一部となる例えば水位線79を、第3プレート75Cに設けてもよい。
この場合も、ユーザーが内釜4の内部を所定の角度となる入射角Θ1以下の角度で上方から覗き込むと、水位表示部61に水面に応じた境界が明瞭に現れ、水位を誤りなく読み取ることができる。その一方で、第3プレート75Cに設けた水位表示部61の残りの一部となる水位線79は、水位表示部61が水没しているか否かに拘らず視認できる。そのため、水位表示部61として必要な情報を、内釜に入れられる水量に拘らず常に目視で確認できる。
本発明は上述した各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の各実施例で示した水位表示部40を適宜組み合わせて、内釜4の内面に設けてもよい。また、LED69以外の光源を用いたり、ピン電極67A、67Bに代わって、手動の操作スイッチを用いたりしてもよい。ケース72に設けられる導電シート88は、水と同程度の導電率を有する導電体であっても構わない。