JP2020102833A - 通信装置、通信方法、ロボット装置、生産装置、物品の製造方法、送信装置、制御プログラム及び記録媒体 - Google Patents

通信装置、通信方法、ロボット装置、生産装置、物品の製造方法、送信装置、制御プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 無線通信が途切れてしまう場合でも、誤動作の発生やリアルタイム性の損失を低減することができるロボット装置を提供することを目的とする。【解決手段】 装置の動作データを送信する送信装置と、動作データを受信する受信装置と、送信装置と受信装置とを互いに無線で通信可能にする無線通信手段と、送信装置と受信装置とを接続するケーブルと、を備えた通信装置であって、送信装置は、ケーブルにより、動作データの実行タイミングを示す同期信号を受信装置に送信すると共に、無線通信手段を用いて、所定の期間の装置の動作に対応する動作データを受信装置に送信することを特徴とする通信装置を採用した。【選択図】 図8

Description

本発明は、通信装置に関する。
近年、製品を製造する生産ラインにおいて、生産装置として多関節のロボットアームを備えたロボット装置が用いられている。この種のロボットアームは、エンドエフェクタとして先端に、例えば把持装置としてのロボットハンドや、その他の工具などのツールを設けてワークを操作し、工業製品やその部品などの物品の製造を行う。
エンドエフェクタとして機能するロボットハンドには、ワークを把持するための指部が設けられており、ロボットハンドに内蔵されたモータの回転力をギアにより直線動作へ変換して指部に伝えワークを把持する。
エンドエフェクタに内蔵されるモータとして例えばACサーボモータ、ステッピングモータ、DCモータ等が用いられる。従来ではエンドエフェクタに内蔵されたモータの制御を行うための制御信号を、モータに送信する場合、ロボットアーム内に通信ケーブルを引き回し、通信ケーブルを介して行うことが一般的であった。
しかしながら、ロボットアームは常に動いているため、ロボットアーム内部で使用する通信ケーブルには耐屈曲性が要求される。またロボットハンドの制御においては、指部の数や搭載するセンサの数により様々な信号を送るため、通信ケーブルの本数が多くなってしまう。そのため通信ケーブルの耐屈曲性がさらに落ちる上に、通信ケーブルのためのスペースを確保するためにロボットアームを太くしなければならなくなるという課題があった。このような配線に関する課題はロボット装置だけでなく種々の生産装置においても存在している。
上記のような課題に対し、生産装置におけるワイヤレス化を目指し、様々な無線通信方法を生産装置に用いることが提案されている。
例えば、従来のCAN、RS485に加え高速通信が可能なEtherCAT、CC−LinkIE、PROFIBUS−DP、Mechatrolink−III等のプロトコルを使用する方法である。
さらに特許文献1には、種々の電子装置において、通信ケーブルを削減するために、有線伝送の困難な高速データやバスラインのような多重化の必要なデータは無線で送り、高速大量データ転送を要しないデータは有線で送る方法が提案されている。これにより、多重化の必要なデータを送信する分の通信ケーブルを削減することができる。
特開2005−217799号公報
しかしながら、ロボットアームは実行させる作業によって種々の姿勢を取ることがある。そのためロボットアームの姿勢によっては、制御装置とエンドエフェクタとの間に遮蔽物が入り電波が反射されてしまったり、通信可能な領域からエンドエフェクタが外れてしまうことで無線通信が途切れてしまい誤動作やリアルタイム性を損なう可能性がある。また通信対象を移動させる移動機構を備えた生産装置などでも、上記のように無線通信が途切れてしまう場合がある。
特許文献1の方法は、ラップトップPCのように送信対象と受信対象とに間に遮蔽物が入ることが無く、通信可能な領域から送信対象と受信対象が外れてしまうことも無く、無線通信が安定している電子装置を想定している。そのため通信対象が移動する場合に生じる、上記のような無線通信の途切れに対応できない。
以上の課題を鑑み、本発明では、無線通信が途切れてしまう場合でも、誤動作の発生やリアルタイム性の損失を低減することができる通信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明においては、
装置の動作データを送信する送信装置と、
前記動作データを受信する受信装置と、前記送信装置と前記受信装置とを互いに無線で通信可能にする無線通信手段と、前記送信装置と前記受信装置とを接続するケーブルと、を備えた通信装置であって、前記送信装置は、前記ケーブルにより、前記動作データの実行タイミングを示す同期信号を前記受信装置に送信すると共に、前記無線通信手段を用いて、所定の期間の前記装置の動作に対応する前記動作データを前記受信装置に送信することを特徴とする通信装置を採用した。
本発明によれば、予めエンドエフェクタへロボットアーム全体を制御するための動作データをある程度の期間分、無線で送り、動作データの同期を取るための同期信号を有線で送っている。これにより無線通信が一時的に途切れた場合でも、途切れた期間の動作データを補間することが出来るので、誤動作の発生やリアルタイム性の損失を低減することができる。
実施形態におけるロボット装置100の概略図である。 実施形態におけるロボットハンド本体300の制御ブロック図である。 実施形態における電源ケーブル1に重畳して送信される同期信号と、無線信号12によって送信される動作データを表した概略図である。 実施形態におけるバースト同期信号14を作成する回路の概略図である。 実施形態における制御装置400におけるブロック図である。 実施形態におけるハンド用モータドライバ301におけるブロック図である。 実施形態における無線通信が維持されている場合の電源ケーブル1に重畳して送信される同期信号と、無線信号12によって送信される動作データを表した概略図である。 実施形態における無線通信が切断されている場合の電源ケーブル1に重畳して送信される同期信号と、無線信号12によって送信される動作データを表した概略図である。 実施形態における無線通信が切断されている場合の電源ケーブル1に重畳して送信される同期信号と、無線信号12によって送信される動作データを表した概略図である。 実施形態におけるロボット装置100の概略図である。 実施形態におけるロボットアーム本体200の制御ブロック図である。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す構成はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態におけるロボット装置100を、XYZ座標系の任意の方向から見た平面図である。なお以下の図面において、図中の矢印X、Y、Zはロボット装置100全体の座標系を示す。一般に、ロボット装置を用いたロボットシステムでは、XYZ3次元座標系は、設置環境全体のグローバル座標系の他に、制御の都合などによって、ロボットハンド、指部などに関して適宜ローカル座標系を用いる場合がある。本実施形態ではロボット装置100全体の座標系をXYZ、ローカル座標系をxyzで表すものとする。
図1に示すように、ロボット装置100は、多関節のロボットアーム本体200、ロボットハンド本体300、ロボット装置全体の動作を制御する制御部としての制御装置400を備えている。
また、制御装置400に教示データを送信する教示装置としての外部入力装置500を備えている。外部入力装置500の一例としてティーチングペンダントが挙げられ、作業者がロボットアーム本体200やロボットハンド本体300の位置を指定するのに用いる。
本実施形態では、エンドエフェクタとしてロボットアーム本体200の先端部に設けられるものが、ロボットハンドである場合について説明するが、これに限定するものではなく、ツール等であってもよい。
ロボットアーム本体200の基端となるリンク201は、基台210に設けられている。
ロボットハンド本体300は、部品やツール等の対象物を把持するものである。本実施形態のロボットハンド本体300は不図示の駆動機構およびモータ311により2本の指部を開閉し、ワークの把持ないし開放を行う。ワークをロボットアーム本体200に対して相対的に変位させないように把持できれば良い。
またロボットハンド本体30には、モータ311の駆動を制御するためのハンド用モータドライバ301が内蔵されている。
ロボットハンド本体300はリンク204に接続され、リンク204が回転することで、ロボットハンド本体300も回転させることができる。
ロボットアーム本体200は、複数の関節、例えば4つの関節(4軸)を有している。ロボットアーム本体200は、各関節J〜Jを各回転軸まわりにそれぞれ回転駆動させる複数(4つ)のサーボモータ211〜214を有している。
ロボットアーム本体200は、複数のリンク201〜204が各関節J〜Jで回転可能に連結されている。ここで、ロボットアーム本体200の基端側から先端側に向かって、リンク201〜204が順に直列に連結されている。
同図より、ロボットアーム本体200の基台210とリンク201はX軸周りで回転する関節Jで接続されている。
ロボットアーム本体200のリンク201とリンク202は関節Jで接続されている。関節Jの回転軸は、図示の状態ではY軸方向に一致している。
ロボットアーム本体200のリンク202とリンク203は関節Jで接続されている。この関節Jの回転軸は、図示の状態ではY軸方向に一致している。
ロボットアーム本体200のリンク203とリンク204とは、関節Jで接続されている。この関節Jの回転軸は、図示の状態ではY軸方向に一致している。
以上によりロボットアーム本体200は、可動範囲の中であれば、任意の3次元位置で任意の3方向の姿勢に、ロボットアーム本体200のエンドエフェクタ(ロボットハンド本体300)を向けることができる。
ここで、ロボットアーム本体200の手先とは、本実施形態では、ロボットハンド本体300のことである。ロボットハンド本体300が物体を把持している場合は、ロボットハンド本体300と把持している物体(例えば部品やツール等)とを含めてロボットアーム本体200の手先という。
つまり、ロボットハンド本体300が物体を把持している状態であるか物体を把持していない状態であるかにかかわらず、エンドエフェクタであるロボットハンド本体300を手先という。
以上の構成により、ロボットアーム本体200によりロボットハンド本体300を任意の位置に動作させ、所望の作業を行わせることができる。所望の作業とは例えば、ワークを把持し、所定のワークに組み付け、物品の製造を行う等の作業である。
なおロボットハンド本体300は、例えば空気圧駆動のエアハンドなどのエンドエフェクタ等であっても良い。
またロボットハンド本体300は、リンク204に対してビス止めなどの半固定的な手段によって装着されるか、あるいは、ラッチ止めなどの着脱手段によって装着可能であるものとする。
特に、ロボットハンド本体300が着脱可能である場合は、ロボットアーム本体200を制御して、ロボットアーム本体200自身の動作によって供給位置に配置された複数種類のロボットハンド本体300を着脱ないし交換する方式も考えられる。
また、制御装置400と、ロボットハンド本体300に内蔵されたハンド用モータドライバ301との無線通信を送受信可能なように行うために、無線通信を行うためのアンテナ13が、制御装置400とロボットハンド本体300にそれぞれ設けられている。
本実施形態では、アンテナ13により、一般的に使用される無線伝送方式(例えばWiFiIEEE802.1、4G、5G)を用いるものとする。
このアンテナ13による無線通信により、ロボットハンド本体300を動作させる動作データを制御装置400からハンド用モータドライバ301へ、無線通信経路12を介して送信するものとする。以上のアンテナ13により無線通信可能とすることができる。
また本実施形態の制御装置400は、ロボット装置100に電力を供給するための電源装置としての機能も併せ持っている。
モータ311への電力は、電源ケーブル1を介して、制御装置400からモータ311に供給されるものとする。
また、この電源ケーブル1により、ロボットハンド本体300を動作させる動作データの実行タイミングを含む同期信号も重畳させて、ハンド用モータドライバ301に送信するものとする。
図2は、ロボットハンド本体300の制御ブロック図を簡略化して示したブロック図である。
図2より、制御装置400は、作業者が外部入力装置500を用いて入力する指令値に応じてハンド用モータドライバ301へ動作データおよび同期信号を送る。
ハンド用モータドライバ301は、制御装置400からの動作データおよび同期信号を受け、モータ311を目的の方向に必要な角度、必要な速度で回転させる。
制御装置400はモータ311の回転角を認識する必要があるため、モータエンコーダ321を設けており、モータエンコーダ321が制御装置400へモータ311の回転角の情報を送る。
この際、モータエンコーダ321の情報は、アンテナ13による無線通信経路12により制御装置400に送信されるものとする。
モータエンコーダ321の方式には磁気式エンコーダ、光学式エンコーダ等がある。また、回転検出方式にはアブソリュート方式とインクリメント方式がある。
インクリメント方式は1回転におけるモータの角度を検出するものだが、アブソリュート方式は多回転したモータの回転数までカウントできる。
そのため、ロボット装置に用いる場合はモータが多回転する場合が多いのでアブソリュート方式を用いることが多い。
本実施形態では、制御装置400はロボット装置の外部にあるものとし、ハンド用モータドライバ301は、ロボットハンド本体300に内蔵されているものとする。
以上の構成により、ロボットハンド本体300に設けられている指部の位置をモータエンコーダ321により検出し、制御装置400にフィードバックすることで、ロボットハンド本体300の指部の位置制御を行うことができる。
次に図3を用いて、ハンド用モータドライバ301が、制御装置400より送信される動作データと同期信号によりどのようにロボットハンド本体300を制御するのか詳述する。
図3は、制御装置400から、電源ケーブル1に重畳して送信されるバースト同期信号14と、無線通信経路12を介して送信される動作データ20を表した概略図である。図3(a)が電源ケーブル1を介して送信される同期信号、図3(b)が無線通信経路12を介して送信される動作データの概略図である。
図3(a)より、電源ケーブル1に重畳される同期信号は、バースト同期信号14として重畳して送信される。
バースト同期信号14は例えば図4のようにインダクタ22とキャパシタ23とを組み合わせた回路により送信される。
例えば100kHzのサイン波形を同期信号の期間、コンデンサ23でカップリングする。
受信側はコンデンサカップリングでこの信号を取り出し、フィルタリングした後、同期信号として使用する。
本実施形態では上述した方法により、バースト同期信号14を送信したが、他の回路によりバースト同期信号14を送信しても良い。
図3(b)より、無線通信経路12を介して送信される無線信号20は、動作データ数mとして、動作データ1、動作データ2・・・動作データmというm個のデータ列を有している。
さらに、複数ある各動作データにおいて、どの動作データを実行するのかを示す、実行動作データ指示信号15からなる。
動作データ数がm個の場合は、紙面に向かって左側に示す1番目の無線信号20−1のデータ列は、1〜m番目までの個数の動作データが格納されて送信される。
紙面に向かって右側の2番目の無線信号20−2のデータ列は、2〜m+1番目までの個数の動作データを送る。
動作データ1、動作データ2はリアルタイムな時間に対する、ロボットハンド本体300の動作に関する指令値等のデータであり、1秒分の動作につき1個の動作データが無線信号20により送信されるものとする。
つまり動作データ数mとは、動作データ1が送信されたタイミングから、およそm−1秒後に対応するロボットハンド本体300の動作データとなる。
よってこの動作データ数mは、ロボットハンド本体300の所定の時間までの動作を担う動作データの個数を表している。
動作データ数mが大きくなるほど、1つの無線信号20が有する動作データの個数が多くなる。つまり、上記の所定の時間が長くなる。
また、実行動作データ指示信号15にも、1番目、2番目・・・の区別がつけられている。紙面に向かって左側の無線信号20−1の実行動作データ指示信号15−1は1番目の実行動作データ指示信号であり、紙面に向かって右側の無線信号20−2の実行動作データ指示信号15−2は2番目の実行動作データ指示信号である。
つまり、1番目の実行動作データ指示信号15−1を受信したら、1番目の動作データを実行し、2番目の実行動作データ指示信号15−2を受信したら、2番目の動作データを実行する。
同様に図3(a)より、バースト同期信号14にも1番目、2番目の区別がつけられている。紙面に向かって左側のバースト同期信号14−1が1番目のバースト同期信号であり、紙面に向かって右側のバースト同期信号14−2が2番目のバースト同期信号である。
つまり、1番目のバースト同期信号14−1が受信されたら、1番目の動作データを実行し、2番目のバースト信号14−2を受信したら、2番目の動作データを実行する。
以上により、実行動作データ指示信号15またはバースト同期信号14を、動作データの実行タイミングの基準とすることができる。
バースト同期信号14と、実行動作データ指示信号15は、時間的に対応付けられて送信されており、1番目のバースト同期信号14−1と同時刻となるように、1番目の実行動作データ指示信号15−1が送信される。
なお、動作データの実行タイミングに余裕がある場合は、実行動作データ指示信号15と同期信号14との送信時に、ある程度幅を持たせてよい。例えば、実行動作データ15−1を先に送り、その後、バースト同期信号14−1を送信しても良い。
以下ブロック図を用いて無線信号20と、バースト同期信号14の送信方法について詳しく説明する。
図5は無線信号20の送信装置となる制御装置400の内部の処理部をブロックで表したブロック図である。
図5より、受信部24は、外部入力装置500から、ロボットハンド本体300を制御するための動作データを受信する。
受信した動作データはいったん送信メモリ部25に保存し、図3(b)で説明したm個の動作データが溜まるまで送信メモリ部25に保存する。
動作データが溜まったら、送信データ生成部26でm個の動作データを統合後、無線信号20とし、変調部27で変調し送信する。
また各無線信号20に対応する実行動作データ指示信号15は送信データ生成部26で統合し、変調部27で変調後、送信部28に送り、アンテナ13によりハンド用モータドライバ301へ送信する。
また、送信メモリ部25に、1個分の無線信号20を作成できるほどの動作データが格納されたのを確認したら、電源ケーブル1に重畳させるバースト同期信号14を、バースト同期信号生成部29で生成する。生成の方法は図4で説明した通りである。
そして、無線信号20と同様に、バースト同期信号変調部30により変調後、バースト同期信号出力部31に出力する。
そして電源ケーブル1を介して、各無線信号20の各実行動作データ指示信号15と時間的に対応するように、バースト同期信号14をハンド用モータドライバ301に送信する。
次に無線信号20の受信装置となるハンド用モータドライバ301の内部の処理部についてブロック図を用いて説明する。図6はハンド用モータドライバ301の内部の処理部をブロックで表したブロック図である。
図6より、受信部32で受けた無線信号20は、一度受信メモリ部33へ格納される。
一方、電源ケーブル1に重畳したバースト同期信号14は同期分離部35で受信され、電源信号から、バースト同期信号14を分離する。
そして、無線信号20とバースト同期信号14は、時間調整部34に入力され、実行動作データ指示信号15とバースト同期信号14とのタイミングを合わせる。
そして無線信号20とバースト同期信号14が、図3で説明したように、実行動作データ指示信号15とバースト同期信号14とのタイミングが合った状態でサーボ部36に入力される。
そしてサーボ部36で、実行動作データ指示信号15およびバースト同期信号14に基づいて、同期信号に対応する動作データを使用し、モータ311を制御する。
図7は、アンテナ13による無線通信が維持されている間に送信される信号の概略図である。
図7より、紙面に向かって左側の1番目の無線信号20−1が送信されると、ハンド用モータドライバ301は、1番目の実行動作データ指示信号15−1に基づき、対応する動作データ1を用いてモータ311を制御する。
また、紙面に向かって右側の2番目の動作データ20−2が送信されると、ハンドモータ用ドライバ301は、2番目の実行動作データ指示信号15−2に基づき、対応する動作データ2を用いてモータ311を制御する。
つまり、無線通信が維持されている場合は、無線信号20−1に含まれる動作データ2から動作データmは使用しない。
1番目の動作データを実行中に、2番目の無線信号20−2を受信した場合は、1番目の動作データが終わり次第、2番目の動作データを実行させる。
以上により、ロボットハンド本体300の制御を無線通信により継続して行うことができる。
次に、ロボットアーム本体200の動作により、1番目の無線信号20−1が送信された直後に、無線通信が途切れ、2番目の無線信号20−2が送信されなかった場合を考える。図8はアンテナ13による無線通信が切断された場合の信号の概略図である。
図8より、ハンド用モータドライバ301は、無線通信の切断により、2番目の実行動作データ指示信号15−2が確認できない場合、制御の基準となる信号を、実行動作データ指示信号15から電源ケーブル1に重畳したバースト同期信号14に切り換える。
そしてバースト同期信号14に基づき、受信メモリ部33に記憶されている、紙面に向かって左側の1番目の無線信号20−1の中から、2番目のバースト同期信号14−2と対応する動作データ2を選択し、モータ311を動作させる。
無線通信が途切れる直前までに送信された無線信号20−1には、およそm−1秒後までの動作データである動作データmが格納されており、メモリに記憶されているため、バースト同期信号14によりおよそm−1秒後までの動作を継続させることができる。
その間に、無線通信が回復され、紙面に向かって左側のm+1番目の無線信号20−(m+1)が送信されたら、実行動作データ指示信号15−(m+1)に切り換え、再度ロボットハンド本体300の動作を継続させることができる。
図8では、m+1番目の無線信号20−(m+1)で説明したが、もっと早く無線通信が回復され、m番目の無線信号20−m、m−1番目の無線信号20−(m−1)等、先送りした動作データに対応する無線信号20が送信されたら順次切り換えて良い。
以上本実施形態では、無線通信が切断された場合でも、前もっておよそm秒先の期間の動作データが送られている。そのため電源ケーブルに重畳した同期信号を基に、前もって送信された動作データにより動作させることにより、誤動作の発生を低減しつつ、リアルタイム性を維持した制御をロボットハンド本体300に行うことができる。
なお、動作データ数mに関しては、無線通信の切断の頻度に合わせて適宜変更して良い。5Gを用いた無線通信手段などでは、大量のデータを送信することができるので、動作データ数mの個数を大きくすることができ、動作の担保を長く行うことができる。
また、通信ケーブル等の有線により、モータ311に動作データ20を送る場合、制御配線や、モータエンコーダ配線などが搭載されるモータの数だけ必要となる。
通信ケーブル等の有線により送信される制御信号はパラレルまたはシリアル信号が用いられるが、パラレル信号の場合、例えば10ビット程度(10本の通信ケーブルが)必要になる。
またパラレル信号の場合もシリアル信号の場合もロボットアーム本体200を動作させるアーム用のモータのノイズ影響を避けるため、通信ケーブルにシールドが必要になる。
シールド配線の場合、配線径が太くなり、また耐屈曲性が悪くなる。このようにロボットアーム本体200の先端で、ロボットハンド本体300を動作させるためにロボットアーム本体200内に配線を通す場合、シールドを施した数本から10本程度の配線が必要になる。
しかしながら本実施形態では、ロボットハンド本体300の動作を担う動作データは無線により送信しているため、上記のシールドを施した数本から10本程度の配線が不要となる。
したがって、ロボットアーム本体200の各リンクが太くなることを低減し、また、ロボットアーム本体200内部に引き回す配線を減らすことができるので、配線耐久の向上の図ることができる。
なお、本実施形態では、1秒単位の動作データを例に取り説明したが、これに限られない。例えば、無線通信の送信キャパに余裕がある場合は、ロボット装置100の動作における1つの工程分の動作データを複数送信し、無線通信が途切れた場合は、バースト同期信号14により各工程を実行するタイミングを決めてよい。
また、送信する動作データは、ロボット装置100の動作を定義するプログラミング言語であっても良い。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、アンテナ13による無線通信が維持されている場合、実行動作データ指示信号15により、実行する動作データを決定していた。
しかしながら、バースト同期信号14は有線の電源ケーブル1により送信されているため、バースト同期信号14が途切れる可能性は低い。
そこで、アンテナ13による無線通信が途切れているか否かに関わらず、バースト同期信号14で、実行する動作データを決定してもよい。
以下では、第1の実施形態とは異なるハードウェアや制御系の構成の部分について図示し説明する。また、第1の実施形態と同様の部分については上記と同様の構成ならびに作用が可能であるものとし、その詳細な説明は省略するものとする。
図9は、本変形例における送信される無線信号20とバースト同期信号14の概略図である。
図9より、紙面に向かって左側の1番目の無線信号20−1が送信されると、ハンド用モータドライバ301は、1番目のバースト信号14−1に基づき、対応する動作データ1を用いてモータ311を制御する。
また、紙面に向かって右側の2番目のバースト信号14−2が送信されると、ハンドモータ用ドライバ301は、2番目のバースト信号14−2に基づき、対応する動作データ2を用いてモータ311を制御する。
このようにして、およそm−1秒後までの動作データである動作データmが格納されて1番目の無線信号20−1と、バースト同期信号14によりおよそm−1秒後までの動作を、無線通信が途切れているか否かに関わらず継続させることができる。
そして、紙面に向かって右側のm+1番目の無線信号20−(m+1)が送信されれば、同様にモータ311の制御を継続させることができる。
以上、本変形例によれば、電源ケーブルに重畳した同期信号を基に、前もって送信された動作データにより動作させることにより、誤動作の発生を低減しつつ、リアルタイム性を維持した制御をロボットハンド本体300に行うことができる。
また、本実施形態では、第1の実施形態よりも、実行動作データ指示信号15を削減できる。
さらに、実行動作データ指示信号15を削減できるため、バースト同期信号14と実行動作データ指示信号15とを時間的に対応付ける必要が無くなるため、ハンドモータ制御装置301の制御的な負荷を低減させることができる。
(第3の実施形態)
上記第1の実施形態では、ロボットアーム本体200にエンドエフェクタとして設けられたロボットハンド本体300による通信を例に説明したが、これに限られない。
例えばアンテナ13を、ロボットアーム本体200の各関節に設置することで、ロボットアーム本体200の関節を駆動するモータの制御を無線で行う場合でも本実施形態を適用することができる。
以下では、第1の実施形態、第2の実施形態とは異なるハードウェアや制御系の構成の部分について図示し説明する。また、第1の実施形態と同様の部分については上記と同様の構成ならびに作用が可能であるものとし、その詳細な説明は省略するものとする。
図10は本実施形態におけるロボット装置100を示した概略図である。第1の実施形態と異なる点は、ロボットアーム本体200の各関節J〜Jにアンテナ13設けている点である。
また各関節J〜Jに設けられるモータ211〜214には、各モータの制御を行うためのアーム用モータドライバ50が配置されている。
アーム用モータドライバ50には、図6で説明した処理部を備えているものとする。
また、各モータ211〜214への電力を電源ケーブル1により供給している。電源ケーブル1は、各モータ211〜214へ電力を供給するために分岐されている。
図11は、本実施形態におけるロボットアーム本体200の関節Jの制御ブロック図を簡略化して示したブロック図である。
図11より、制御装置400は、作業者が外部入力装置500を用いて入力する指令値に応じてアーム用モータドライバ50へ動作データおよび同期信号を送る。
アーム用モータドライバ50は、制御装置400からの制御信号を受け、モータ212を目的の方向に必要な角度、必要な速度で回転させる。
モータ212の回転軸49はプーリ42とベルト46を介して、減速機47に連結されている。
モータ212の回転軸49の回転が減速機47に入力され、減速機47により回転数が減速され、トルクが大きくなった回転がリンク202に伝達することで、リンク202が駆動される。
制御装置50は、モータ212の回転角を認識する必要があるため、モータ212にはモータエンコーダ44を設けており、制御装置400に対しモータ212の回転角を送る。
モータエンコーダ44には磁気式エンコーダ、光学式エンコーダがある。またエンコーダの機能としてはアブソリュートエンコーダ機能とインクリメントエンコーダ機能がある。
インクリメントエンコーダは1回転におけるモータの角度を検出するものだが、アブソリュートエンコーダは多回転したモータの回転数までカウントできる。
ロボットアームの関節に設けられる場合、モータ212が多回転するのでアブソリュートエンコーダを用いる。
モータエンコーダ44で検出したモータ212の角度情報は、アンテナ13による無線通信を介して制御装置400へ送られる。
本実施形態では、アーム用モータドライバ50を各関節に配置するノード制御方式を取っている。
ノード制御方式は、各関節に設けられたアーム用モータドライバ50に電源と制御信号を送り、動作するため、PWMノイズが出にくく、ノイズによる影響が少ない。
そして制御装置400から、無線通信と、電源ケーブル1とを用いて各アームモータ用ドライバ50に動作データを送信する際、第1の実施形態の図8、もしくは第2の実施形態の図9で説明した方法と同様の方法を用いて、動作データを送信する。
これにより、ロボットアーム本体200の各関節部分におけるモータの制御を無線通信で行う際でも、誤動作の発生を低減しつつ、リアルタイム性を維持した制御を行うことができる。
なお本実施形態により、ロボットアーム本体200の各関節に配線する分の通信ケーブルを不要とすることができるので、さらにロボットアーム本体200の各リンクが太くなることを低減し、配線耐久の向上を図ることができる。
上述した第1の実施形態、第2の実施形態の処理手順は具体的には制御装置400により実行されるものとして説明した。しかし、上述した機能を実行可能なソフトウェアの制御プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体を外部入力装置500に搭載させて実施しても良い。
従って上述した機能を実行可能なソフトウェアの制御プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体、通信装置は本発明を構成することになる。
また、上記実施形態では、コンピュータで読み取り可能な記録媒体がROM或いはRAMであり、ROM或いはRAMに制御プログラムが格納される場合について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。
本発明を実施するための制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。例えば、制御プログラムを供給するための記録媒体としては、HDD、外部記憶装置、記録ディスク等を用いてもよい。
(その他の実施形態)
上述した種々の実施形態では制御装置400上にアンテナ13を設け、制御信号12を送信し制御を行ったが、制御装置400以外の場所にアンテナ13を設置し、制御信号12を送信してもよい。
また上述した種々の実施形態では、バースト同期信号を送信するケーブルを、電源ケーブルを用いて説明したが、これに限られない。例えば、情報端末をネットワークに接続するLAN(Local Area Network)ケーブルや、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等、種々のケーブルを使用してよい。
また上述した種々の実施形態では、アンテナ13を用いて無線通信を行っていたが、これに限られない。例えば、Wi−Fi等の無線通信機能を有するスマートフォン等の情報端末や、PCを制御装置400として使用し、ロボット装置100と無線で通信するように構成しても構わない。
また上述した種々の実施形態では、ロボット装置100が複数の関節を有する多関節ロボットアームを用いた場合を説明したが、関節の数はこれに限定されるものではない。ロボット装置の形式として、垂直多軸構成を示したが、パラレルリンク型など異なる形式の関節においても上記と同等の構成を実施することができる。
また上述した種々の実施形態では、ロボット装置100の構成例を各実施形態の例図により示したが、これに限定されるものではなく、当業者において任意に設計変更が可能である。また、ロボット装置100に設けられる各モータは、上述の構成に限定されるものではなく、各関節を駆動する駆動源は例えば人工筋肉のようなデバイス等であってもよい。
また上述した種々の実施形態は、ロボット装置を例に取り説明したがこれに限られない。例えば、種々の移動機構によって移動される部分にハンドやツールなどを設けた生産装置においても実施可能である。具体的にはリニアガイドを移動機構として備えた生産装置や、ベルトコンベアを移動装置として備えた生産装置等でも実施することができる。
また上述した種々の実施形態は、制御装置に設けられる記憶装置の情報に基づき、伸縮、屈伸、上下移動、左右移動もしくは旋回の動作またはこれらの複合動作を自動的に行うことができる機械に適用可能である。
1 電源ケーブル
12 無線通信経路
13 アンテナ
14 バースト同期信号
15 無線同期信号
20 無線信号
22 インダクタ
23 キャパシタ
24、32 受信部
25 送信メモリ部
26 送信データ生成部
27 変調部
28 送信部
29 バースト同期信号
30 バースト同期信号変調部
31 バースト同期信号出力部
33 受信メモリ部
34 時間調整部
35 同期分離部
36 サーボ部
50 アーム用モータドライバ
100 ロボット装置
200 ロボットアーム本体
201、202、203、204 リンク
210 基台
211、212、213、214、311 モータ
300 ロボットハンド本体
301 ハンド用モータドライバ
321 モータエンコーダ
400 制御装置
500 外部入力装置

Claims (17)

  1. 装置の動作データを送信する送信装置と、
    前記動作データを受信する受信装置と、
    前記送信装置と前記受信装置とを互いに無線で通信可能にする無線通信手段と、
    前記送信装置と前記受信装置とを接続するケーブルと、を備えた通信装置であって、
    前記送信装置は、
    前記ケーブルにより、前記動作データの実行タイミングを示す同期信号を前記受信装置に送信すると共に、
    前記無線通信手段を用いて、所定の期間の前記装置の動作に対応する前記動作データを前記受信装置に送信することを特徴とする通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置において、
    前記受信装置は、
    前記同期信号に基づいて、前記動作データの中から、実行する動作データを選択することを特徴とする通信装置。
  3. 請求項1または2に記載の通信装置において、
    前記受信装置は、
    前記無線通信手段による通信が切断された際、前記同期信号に基づいて、前記動作データの中から、実行する動作データを選択することを特徴とする通信装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記送信装置は、前記動作データと、前記動作データの中から実行する動作データを指定する情報と、を送信することを特徴とする通信装置。
  5. 請求項4に記載の通信装置において、
    前記受信装置は、
    前記無線通信手段による無線での通信が維持されている場合は、前記情報に基づいて、前記動作データを実行し、
    前記無線通信手段による無線での通信が切断された場合は、前記同期信号に基づいて前記動作データの中から、実行する動作データを選択することを特徴とする通信装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記ケーブルは、前記装置へ電力を供給するケーブルであることを特徴とする通信装置。
  7. 請求項6に記載の通信装置において、
    前記受信装置は、
    前記ケーブルの電力の信号から、前記同期信号を分離する同期分離部を備えていることを特徴とする通信装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記所定の期間の前記装置の動作に対応する前記動作データは、所定の時間の間の前記装置の動作に対応する動作データであることを特徴とする通信装置。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の通信装置において、
    前記所定の期間の前記装置の動作に対応する前記動作データは、所定の工程における前記装置の動作に対応する動作データであることを特徴とする通信装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の通信装置と、
    移動機構と前記移動機構により移動する駆動源とを備えた装置と、を備えた生産装置。
  11. 請求項1から9のいずれか1項に記載の通信装置と、
    エンドエフェクタを備えたロボットアームと、を備えたロボット装置。
  12. 装置の動作データを送信する送信装置と、
    前記装置の動作データを受信する受信装置と、
    前記送信装置と前記受信装置とを互いに無線で通信可能にする無線通信手段と、
    前記送信装置と前記受信装置とを接続するケーブルと、を備えた通信装置の通信方法であって、
    前記送信装置は、
    前記ケーブルにより、前記動作データの実行タイミングを示す同期信号を前記受信装置に送信すると共に、
    前記無線通信手段を用いて、所定の期間の前記装置の動作に対応する前記動作データを前記受信装置に送信することを特徴とする通信方法。
  13. ケーブルと制御部とを備えた所定の装置に前記装置の動作データを無線で送信する送信装置であって、
    前記送信装置は、
    前記ケーブルにより、前記動作データの実行タイミングを示す同期信号を前記制御部に送信すると共に、
    前記無線での通信により、所定の期間の前記装置の動作に対応する前記動作データを前記制御部に送信することを特徴とする送信装置。
  14. 請求項10に記載の生産装置を用いて物品の製造を行うことを特徴とする物品の製造方法。
  15. 請求項11に記載のロボット装置を用いて物品の製造を行うことを特徴とする物品の製造方法。
  16. 請求項12に記載の通信方法、または請求項14に記載の物品の製造方法を実行可能な制御プログラム。
  17. 請求項16に記載の制御プログラムを格納した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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