JP2020101774A - 画像形成装置 - Google Patents

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友紀 山本
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【課題】 トナーパージを実行する際に感光ドラムの放電劣化を抑制しつつ、帯電ローラのトナー汚れによる画像弊害を抑制する。【解決手段】 回転可能な感光体と、感光体を帯電する帯電部材と、感光体に現像剤を供給する現像剤担持体と、感光体と接触して接触部を形成し感光体を清掃する清掃部材と、帯電電圧印加部と、を有し、画像形成モードと、正規極性に帯電した現像剤を接触部に供給する現像剤供給モードと、を実行するように制御し、現像剤供給モードにおいて、現像剤担持体によって正規極性に帯電した現像剤が供給されて接触部を通過した感光体の領域が帯電部を通過する時に、印加する帯電電圧は、帯電部材と領域との間で放電が生じない大きさの電位差であって、正規極性に帯電した現像剤に帯電部材から感光体に向かう方向の静電気力が作用する向きの電位差が帯電部材と領域との間に形成される電圧である。【選択図】 図5

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置に関するものである。
複写機やレーザビームプリンタなどの画像形成装置は、帯電手段によって均一に帯電された電子写真感光体(感光ドラム)上に、画像データに対応した光を照射して静電像(潜像)を形成する。そして、この静電像に対して、現像装置から記録材料である現像剤のトナーを供給して、トナー像として顕像化する。このトナー像は、転写装置によって感光ドラムから記録紙などの記録材へ転写する。このトナー像を、定着装置で記録材上に定着することで記録画像が形成される。
感光ドラムへの帯電を行う帯電手段には、低オゾン、低電力などの利点を有することから、感光ドラムに当接させた帯電部材に電圧を印加して感光体の帯電を行う接触帯電方式が実用化されている。特に、帯電部材として帯電ローラを用いたローラ帯電方式の装置は、帯電安定性の点から好ましい。
帯電ローラによって帯電された感光ドラムの表面に上記工程を経てトナー像が形成される。画像形成に用いられず感光ドラムに残留したトナーはクリーニング手段によってクリーニングされる。トナーを除去するクリーニング手段としては、高いクリーニング性を有するブレードクリーニング方式が用いられる。しかし、クリーニングブレードと感光ドラム表面の摩擦抵抗が高いとクリーニングブレードが変形し、異音、ブレードめくれ、ブレードの破損が生じるという課題があった。
そこで、クリーニングブレードの感光ドラム面と当接する領域に、トナーを潤滑剤として供給し、感光ドラムとの摩擦抵抗を小さくする。潤滑剤としてのトナーを適宜供給する動作をトナーパージといい、トナーパージを行うことで上記課題の発生を抑制することができる。
しかし、トナーパージを実行する度に、感光ドラムの表面は常に放電する帯電電圧が印加されて帯電されるため、感光ドラムの放電劣化が促進されてしまう。特許文献1には、常に帯電電圧を印加しない状態でトナーパージ動作を行うことで、感光ドラムの放電劣化を抑制する技術が開示されている。
特開2017−76066号公報
しかしながら、特許文献1の方法を用いてトナーパージを行うと、以下のような課題があった。機械的摩耗によるクリーニングブレードのクリーニング性低下や、放電による感光ドラム表面の削れにより、パージされたトナーがクリーニングブレードをすり抜けた場合に、トナーが電気的に帯電ローラに付着することによって画像弊害となる場合があった。この現象は、トナーパージを実行している時には、常に帯電電圧が印加されていないことから、帯電部材と感光ドラムの間に電位差が形成されないからである。
そこで、本発明の目的は、トナーパージを実行する際に感光ドラムの放電劣化を抑制しつつ、帯電ローラのトナー汚れによる画像弊害を抑制することである。
上記目的を達成するため、本出願に係る画像形成装置の発明は、回転可能な感光体と、前記感光体と接触して帯電部を形成し、前記帯電部において前記感光体の表面を帯電する帯電部材と、前記感光体の前記表面に正規極性に帯電した現像剤を供給する現像剤担持体と、前記感光体と接触する接触部を形成し、前記接触部において前記感光体の前記表面を清掃する清掃部材と、前記帯電部材に帯電電圧を印加する電圧印加部と、前記電圧印加部を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、現像剤像を記録材に形成する画像形成モードと、前記正規極性に帯電した現像剤を前記接触部に供給する現像剤供給モードと、を実行するように制御し、前記現像剤供給モードにおいて、前記現像剤担持体によって前記正規極性に帯電した現像剤が供給されて前記接触部を通過した前記感光体の領域が前記帯電部を通過する時に、前記帯電電圧が所定電圧に設定されていて、前記所定電圧は、前記帯電部材と前記領域との間で放電が生じない大きさの電位差であって、前記正規極性に帯電した前記現像剤に前記帯電部材から前記感光体に向かう方向の静電気力が作用する向きの電位差が前記帯電部材と前記領域との間に形成される電圧であることを特徴とする。
本発明によると、トナーパージを実行する際に感光ドラムの放電劣化を抑制しつつ、帯電ローラのトナー汚れによる画像弊害を抑制することが出来る。
実施例1における画像形成装置の構成図である。 実施例1におけるプロセスカートリッジの構成図である。 実施例1における制御ブロック図である。 実施例1におけるトナーパージシーケンスの概略図である。 実施例1における動作時の帯電電圧と現像電圧の関係図である。 実施例1におけるトナーパージ動作のフローチャート図である。 実施例2における画像形成装置の構成図である。 実施例2における高圧電源構成図である。 実施例2における帯電電圧と現像電圧に印加される電圧の関係図である。 実施例2における動作時の帯電電圧と現像電圧の関係図である。 実施例2におけるトナーパージ動作のフローチャート図である。 変形例1における画像形成装置の構成図である。 変形例1における高圧電源構成図である。 変形例1における帯電電圧と現像電圧と現像ブレード電圧の関係図である。 変形例1における現像電圧と現像ブレード電圧の電位差とトナーの電荷量を示した図である。 変形例1における動作時の帯電電圧と現像電圧の関係図である。
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は例示であり、本発明を実施形態の内容に限定するものではない。また、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
1.画像形成装置
図1および図2を参照して、画像形成装置100全体の構成について説明する。図1は、本発明の実施例に係る画像形成装置100の一例であるモノクロレーザープリンタを用いて概略構成を断面的に示したものであり、各構成について簡略的に示している。図2は、本発明の実施例に係るプロセスカートリッジ10の模式的断面図である。
はじめに、画像形成プロセスと各部材について説明する。図2を用いて、画像形成プロセスに係わる各部材に関して画像形成プロセスの順番に則して説明する。
画像形成が始まると、感光ドラム11は図2中矢印A方向に150mm/secのプロセススピードで回転し、帯電ローラ12は感光ドラム11の回転に従動して図2中矢印B方向に回転する。
感光体としての感光ドラム11は、OPC(有機光半導体)、アモルファスセレン、アモルファスシリコン等の感光材料を、アルミニウムやニッケルなどで形成された外径φ24mmのシリンダ上のドラム基体上に設けて構成したものである。本実施の形態では、感光材料の厚さは15μmとした。
帯電ローラ12は導電性芯金と導電性ゴム層からなる単層ローラであって、外径φ7.5mm、体積抵抗10〜10Ω・cmである。
そして、第1の電圧印加部で帯電電圧印加部たる帯電高圧71によって帯電ローラ12に、画像形成用である第一帯電電圧V1として−1000Vの電圧を印加することで、感光ドラム11の表面は−460Vに一様に帯電される。帯電ローラ12にVd+VthからなるDC(直流)電圧が印加されるように帯電高圧71は構成されており、放電によって感光ドラム1上を帯電電位Vdで一様に帯電する。この時のVdを暗部電位といい、上記した−460Vの表面電位のことである。Vthは放電開始電圧であり、印加する帯電電圧が小さいときは、感光ドラム1上の表面電位は放電によっては増加しないが、放電開始電圧Vthから放電により表面電位が増加し始める。つまり、本実施例における放電開始電圧Vthは−540Vである。
感光ドラム11の表面が帯電された後、感光ドラム11の表面には露光ユニット3からレーザ光9が照射される。レーザ光9が照射された感光ドラム11の表面は、明部電位であるVlとして−100Vの電位が形成されることで静電潜像が形成される。その時の露光量は、0.3μJ/cmとした。図3に示したように、露光ユニット3には、コントローラ200からインターフェース201を介して制御部202に入力し、画像処理された画像情報の時系列電気デジタル画素信号が入力する。露光ユニット3は、入力する時系列電気デジタル画素信号に対応して変調したレーザ光9を出力するレーザ出力部、回転多面鏡(ポリゴンミラー)、fθレンズ、反射鏡等を有しており、レーザ光9で感光ドラム11表面を主走査露光する。この主走査露光と、感光ドラム11の回転による副走査により、画像情報に対応した静電潜像を形成する。
現像装置20は感光ドラム11の回転開始後に、感光ドラム11から離間していた現像剤担持体としての現像ローラ23が接離手段50により、感光ドラム11と現像部において当接するように移動する。接離手段50は、図3に示した制御部202によって動作を制御される。
続いて、現像ローラ23は図2中矢印C方向に、現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ24は図2中矢印D方向にそれぞれ回転を始める。そして、現像ローラ23用の第3の電圧印加部で現像電圧印加部たる現像高圧72から現像ローラ23に現像電圧として−300Vの固定電圧が印加される。それによって、感光ドラム11上に形成された静電潜像、すなわち、上記のVl部に対して現像ローラ23によって現像剤が供給されて現像される。本実施例において、現像高圧72は固定電圧を出力する電源であるが、出力電圧を可変な構成としても良い。
現像された現像剤像は、転写ローラ4用の第2の電圧印加部で転写電圧印加部たる転写高圧73によって+300Vが印加された転写ローラ4との電位差により、感光ドラム11と転写ローラ4の接触部である転写部において記録媒体としてのシートSに転写される。転写ローラ4は、導電性芯金と感光ドラム11への圧接部分が弾性体であるNBRヒドリンゴムを主成分とした半導電性スポンジを用いており、イオン導電材を用いて抵抗調整を行っている。外径φ12.5mmで、芯金径φ6mmである。また、23℃/50%の常温常湿環境下で2kV印加時の抵抗値は1.0〜3.0×10Ω、32℃/80%の高温高湿環境で0.5×10Ω、15℃/10%の低温低湿環境で8.0×10Ωとなり、環境による抵抗変化がある。
転写部にて現像剤像が転写されたシートSは、定着装置5に搬送されて、加熱かつ加圧される。これにより、シートS上に現像剤像が定着され、その後、シートSは画像形成装置100の外部に排出される。一方、シートSに転写されずに感光ドラム11上に残った現像剤は、清掃部材たるクリーニングブレード14によって掻き取られる。上記プロセスが繰り返されることで、連続的に画像形成が行われる。画像形成終了後は現像ローラ23を感光ドラム11から接離手段50により離間し、後回転動作を行うことで画像形成装置100内の状態をリセットし、次に画像形成を行う際に迅速に印刷することが出来るよう備える。
制御部202は画像形成装置100の動作を制御する手段であり、各種の電気的情報信号の授受をする。また、各種のプロセス機器やセンサから入力する電気的情報信号の処理、各種のプロセス機器への指令信号の処理を行う。図3は、本実施例における画像形成装置100の要部の概略制御態様を示すブロック図である。コントローラ200は、ホスト装置との間で各種の電気的な情報の授受をすると共に、画像形成装置100の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って、インターフェース201を介して制御部202で統括的に制御する。制御部202は、様々な演算処理を行う中心的素子であるCPU155、記憶素子であるROM、RAMなどのメモリ15などを有して構成される。RAMには、センサの検知結果、カウンタのカウント結果、演算結果などが格納され、ROMには制御プログラム、予め実験などにより得られたデータテーブルなどが格納されている。制御部202には、画像形成装置100における各制御対象、センサ、カウンタなどが接続されている。制御部202は、各種の電気的情報信号の授受や、各部の駆動のタイミングなどを制御して、所定の画像形成シーケンスの制御などを行う。例えば、帯電高圧71、現像高圧72、露光ユニット3、転写高圧73、によって印加される電圧や露光量を、制御部202によって制御している。そして、この画像形成装置100は、ホスト装置からコントローラ200に入力される電気的画像信号に基づいて、シートSに画像形成を行う。なお、ホスト装置としては、イメージリーダー、パソコン、ファクシミリ、スマートフォン等が挙げられる。
2.現像装置
次に、本発明に係る現像装置20について、現像プロセスに係わる部分の構成について図2を用いて詳細に説明する。
現像装置20は、感光ドラム11との対向位置に開口部を有する現像容器21を備えており、この現像容器21には現像剤としてのトナー22が収納されている。また、現像装置20は、現像剤担持体としての現像ローラ23と、現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ24と、を備えている。現像ローラ23は、感光ドラム11上の静電潜像までトナー22を担持しながら搬送する役割を担っている。トナー供給ローラ24は、現像ローラ23の表面を摺擦する発泡層を有しており、現像ローラ23に現像容器21内のトナー22を供給する役割を担っている。なお、トナー供給ローラ24は現像ローラ23と導通しており電位を等しくしている。また、現像装置20は、現像ローラ23に供給したトナー22を規制するトナー規制部材たる現像ブレード25を備えている。現像ブレード25は、厚さ80μmのSUS板が厚さ1mmの支持板金に支持され一体となっている。現像ブレード25のSUS板の先端は、25〜35g/cmの圧力で現像ローラ23と当接しており、当接の方向は、当接部に対して自由端側の先端が現像ローラ23の回転方向上流側に位置するカウンタ方向となっている。材質、形状、当接圧はこれに限るものではない。また、トナー22は、非磁性一成分の重合トナーであり、表面に外添剤として粒径30nmの疎水性Siを1.5wt%外添している。外添量や外添する物質はこれに限るものではない。トナー22表面を外添剤で被膜することで、負帯電性能を向上し、かつトナー22間に微小な間隙を設けることができ、流動性を向上させている。
ここで、以降の説明においては、電位や印加電圧に関し、負極性側に絶対値が大きい(例えば−460Vに対して−1000V)ことを電位が高いと称し、負極性側に絶対値が小さい(例えば−460Vに対して−300V)ことを電位が低いと称する。これは、本実施例における負帯電性を持つトナー22を基準として考えるためである。
また、本実施例での電圧は、アース電位(0V)との電位差として表現される。したがって、現像電圧=−300Vは、アース電位に対して、現像ローラ23の芯金に印加された現像電圧によって、−300Vの電位差を有したと解釈される。これは、帯電電圧や転写電圧などに関しても同様である。
3.帯電およびクリーニング装置
次に、本発明に係る帯電およびクリーニング装置について、現像プロセスに係わる部分の構成について図1および図2を用いて説明する。
帯電ローラ12は、感光ドラム11と当接するように配置され、感光ドラム11の回転に対して従動回転する構成である。帯電ローラ12には、図1に記載の帯電高圧71により所望の印加電圧が供給される。
クリーニング容器15には、感光ドラム11上に残留したトナー22を除去するためのクリーニングブレード14を備えている。このクリーニングブレード14は、厚さ3mmのウレタンゴムが厚さ2mmの支持板金に支持され一体となっている。クリーニングブレード14のウレタンゴムの先端は、60〜80g/cmの圧力で感光ドラム11と当接しており、当接の方向は、当接部に対して自由端側の先端が感光ドラム11の回転方向上流側に位置するカウンタ方向となっている。材質、形状、当接圧はこれに限るものではなく適宜設定されるべきである。
画像形成時に感光ドラム11へ現像されたトナー像は、転写ローラ4と感光ドラム11の当接部である転写部を通過した際に、被転写部材であるシートSに転写される。この時、転写しきれなかった残留トナーは、クリーニングブレード14と感光ドラム11との当接部である接触部にて掻き取られ、クリーニング容器15に回収される。このクリーニングブレード14は、安定したクリーニング能力を発揮するために、接触部に潤滑剤が存在しており、本構成ではトナー22がその潤滑剤の役割を担っている。この潤滑剤としてのトナー22は、感光ドラム11が回転駆動するにつれて徐々に減少していく。通常の画像形成で生じる残留トナーは極微量であるため、潤滑効果が得られなくなる前に、定期的に後述するトナーパージ動作を行い、クリーニングブレード14の潤滑性を維持する。
4.トナーパージ動作
次に、本発明に係るトナーパージ動作について説明する。
先に述べたように、クリーニングブレード14の潤滑性を得るために、任意のタイミングにて感光ドラム11上にトナー22を供給するトナーパージ動作を行う。本実施例では、200枚印刷するごとにトナーパージ動作を行う。トナーパージに至るまでの動作を、図4を用いて説明する。図4は印字動作における動作フローの一例を示した図である。
はじめに、ホストコンピュータ(不図示)からプリント出力する画像データが電気信号として、CPU155に送られてくる。CPU155のプリント信号の受け取りにより、印字動作を開始するための前回転動作が実行される。前回転動作時に、各高圧から電圧を出力し、現像ローラ23を感光ドラム11に当接させることで印字動作が開始される。CPU155でこの画像データを1走査ラインごとのビデオ信号に変換し、ビデオ信号に応じてレーザ駆動信号を作成する。そして、露光ユニット3の発光/消灯を制御することにより感光ドラム11の表面をレーザ光9により照射して、現像ローラ23からトナー22を供給し、画像形成を行う。連続してプリント信号が送られる場合には、印字動作を続けて実行する。印字動作終了後に後回転動作としてトナーパージを実行し、トナーパージ終了後、プリント信号が送られて来なければ画像形成装置100は停止状態となる。トナーパージ動作に関しては後で詳細に説明する。
続いて、本実施例における印字動作時とトナーパージ時に印加される電圧に関して、図5を用いて説明する。図5は、トナーパージ動作中の各電源の出力バイアスを表した図である。画像形成中において、帯電高圧71により第一帯電電圧V1として−1000Vを帯電ローラ12に印加し、感光ドラム11の表面電位を−460Vに設定し、現像高圧72により現像電圧として−300Vを現像ローラ23に印加する。そして、露光ユニット3により感光ドラム11の任意の位置に露光することで感光ドラム11上に明部電位Vlとなるように−100Vの感光ドラム11の表面電位を形成し、現像部にて感光ドラム11の明部電位部に対して現像する。一方、画像形成を行わない非画像形成中においては、任意の潜像を形成する必要がないため、必ずしも感光ドラム11を帯電させる必要は無い。感光ドラム11は放電により劣化するため必要がないときは放電しないことが望ましい。そこで、本実施例におけるトナーパージ動作時には第二帯電電圧V2として、感光ドラム11への放電が開始される電圧より低い−450Vを帯電ローラ12に印加することを特徴とする。
続いて、本実施例におけるトナーパージ動作を、図6を用いて説明する。図6はトナーパージ動作のフローチャートの一例である。トナーパージ動作は、一連の画像形成プロセスにおいて、感光ドラム11への画像形成が終わった後に実行を開始する(S1)。放電以外の方法で感光ドラム11上の表面電位を安定させるべく、トナーパージ動作開始時に感光ドラム11の表面を露光して、感光ドラム11上の電荷を除電し、感光ドラム11上の表面電位を安定させる。露光ユニット3によって、0.5μJ/cmの光量で感光ドラム11を1周分露光して、感光ドラム11表面上の電荷を除去することで、感光ドラム11上の表面電位を−50Vとする(S2)。S2の工程後に、帯電電圧−450V、現像電圧−300Vをそれぞれ帯電ローラ12、現像ローラ23に印加する(S3)。この時の帯電電圧を第二帯電電圧V2とする。S3の工程により、第二帯電電圧V2が印加された帯電ローラ12との当接部である帯電部を通過した感光ドラム11の表面が現像部に到達した後に、接離手段50によって現像装置20を感光ドラム11に当接させる(S4)。S4の工程時、現像ローラ23の電位−300Vに対して感光ドラム11の表面電位−50Vが形成されているため、負極性に帯電しているトナー22は感光ドラム11の方に引き寄せられやすい。そのため、トナー22は感光ドラム11上へと現像される。現像されたトナー22は、クリーニングブレード14と感光ドラム11との接触位置である接触部へ潤滑剤として供給されて、トナーパージが実行される。この時、トナー22が転写部を通過させることになるが、転写ローラ4に負極性の電圧を印加させることで転写ローラ4へのトナー22の付着を抑制することが出来る。その時に印加する転写電圧は、感光ドラム11の表面電位である−50Vよりも高い電圧である必要がある。もしくは、転写ローラ4と感光ドラム11を当接離間機構によって離間させてもよい。トナーパージが実行されている状態において、現像ローラ23の1周分のトナーを現像させ(S5)た後、接離手段50によって現像装置20を感光ドラム11から離間させる(S6)。S6の工程後、帯電バイアスをOFFにして、感光ドラム11の及び現像ローラ23の駆動を停止し、現像バイアスをOFFにする(S7)ことでトナーパージ動作を終了する(S8)。
本実施例においては、トナーパージを実行する際に露光した後の感光ドラム11の表面電位を画像形成時の明部電位Vl部と異なる設定としたが、これに限らず同じでもよい。つまり、画像形成時とトナーパージ動作時で露光量を変えなくてもよい。
また、本実施例においては、トナーパージ実行時にあらかじめ感光ドラム11の表面電位を低くするために露光ユニット3によって露光を行ったが、転写電圧を変更してもよい。画像形成時に印加する転写電圧は500Vであり、転写部通過後で帯電部通過前の感光ドラム11の領域の表面電位(転写後電位とする)は凡そ−200Vとなっている。トナーパージ開始前に転写バイアスを500Vよりプラス側に高くして感光ドラム11の転写後電位を−50Vより高く−200Vよりも低く設定するように制御部202を制御してもよい。さらに、本実施例においては、転写ローラ4によって、直接、記録材Sにトナー22を転写する方式を用いたが、中間転写体を用いる転写方式を用いてもよい。
また、除電部材を、転写部の下流側で帯電部の上流側の感光ドラム11の領域の表面を除電するように設け、あらかじめ感光ドラム11の表面電位を低くしてもよい。具体的には、前露光ユニットや除電ローラ、除電ブラシを設けてもよい。
5.帯電ローラ汚れ
しかし、トナーパージ動作を行うと、通常の画像形成時に比べ多量のトナー22が接触部に供給されるため、感光ドラム11の劣化状態、及び、使用している環境により、トナー22や外添剤がクリーニングされずにすり抜けてしまう場合がある。ここで、トナーパージ実行中に帯電ローラ12に帯電電圧が印加されていない場合、帯電ローラ12の表面上の電位は0であり、感光ドラム11の表面電位が−50Vであるため、すり抜けた外添剤やトナー22が帯電ローラ12に付着してしまう場合がある。特に、トナーパージされたトナー22は負極性に帯電しているため、帯電ローラ12の表面上の電位が0である場合に、感光ドラム11から帯電ローラ12に静電的に移動する。帯電ローラ12へトナー22や外添剤が付着してしまうと、付着している部分と付着していない部分と、で帯電性能が変化してしまうため、帯電ムラが生じ、スジや帯といった画像弊害となって現れる。そこで、本実施例では、帯電ローラ12にはトナー22や外添剤と同極性で高い帯電電圧を印加することで、帯電ローラ12から感光ドラム11へと静電的な力を発生させて、トナー22や外添剤の付着を抑制する。そこで、第二帯電電圧V2として帯電ローラ12に−450V印加する。第二帯電電圧V2を印加することによって、負極性に帯電しているトナー22および外添剤の付着を電気的に抑制することが出来る。すり抜けたトナー22は帯電部を通過した後、1周して再度接触部に到達し、クリーニングブレード14にて回収される。
本実施例においては、200枚印刷するごとに、トナーパージ動作を行うようにしているが、例えば、感光ドラム11の回転数がある閾値を超えた場合に行うようにしても、同様に本発明を適用可能である。
本実施例においては、クリーニングブレード14の潤滑性を維持するために、トナーパージ動作を行っている。しかし、現像ローラ23上のトナー22をリフレッシュする目的で行ってもよく、その場合、画像形成前に、現像ローラ23の少なくとも1周分のトナー22を感光ドラム11上へと現像させればよい。その場合には、本実施例に示した構成のように、トナー22をクリーニングブレード14に回収させてもよいし、クリーニングブレードが無い構成に適用させて現像容器21に回収させてもよい。
クリーニングブレードが無い構成であるクリーナーレスシステムに関して説明する。クリーナーレスシステムとは、画像形成時に転写されず、感光ドラム11に残存したトナーを回収するクリーニング装置を配置しない画像形成システムを指す。このシステムにおいて、パージされたトナー22の回収方法について説明する。クリーナーレスシステムでは、クリーニングブレード14が無いので、そのままではトナー22を回収する場所が無い。そこで、代わりに現像容器21に回収させる。方法としては、帯電ローラ12に第一帯電電圧V1を印加することによって、トナー22が現像された感光ドラム11の表面を放電させて感光ドラム11の表面電位を暗部電位Vdにする。この時、感光ドラム11上に現像されたトナー22は正規極性の電荷を帯びているので、そのままの極性を維持したままトナー22は帯電部を通過する。その後、帯電部を通過した感光ドラム11の表面が現像部に到達し、現像ローラ23と感光ドラム11の電位差によって現像ローラ23に回収させる。この時の現像ローラ23に印加する電圧は、画像形成時の現像電圧(本実施例においては−300V)に設定しておくことが好ましい。ただし、感光ドラム11に形成された暗部電位Vdよりも低い現像電圧であれば、トナー22を現像ローラ23に回収することが可能となるため、現像電圧の設定値はその条件を満たせばよい。
6.感光ドラムの放電による画像弊害
画像形成装置100は、画像形成前に、現像装置20や感光ドラム11などを画像形成に適した状態となるように準備するために、前処理動作(所謂前回転動作)を行うのが一般的である。また、画像形成後に各所に残ったトナー22を適切な場所へ移動させ、すぐに良好な画像形成ができる状態にリセットするために、後処理動作(所謂後回転動作)を行うのが一般的である。前回転動作および後回転動作の際は、現像ローラ23を感光ドラム11から離間することで、意図しないトナー22の消費(所謂かぶり)を抑制することができる。
しかし、前回転動作や後回転動作において画像形成時と同様の帯電電圧を印加した場合、感光ドラム11へ連続的に放電を行うため、感光ドラム11の表層の摩耗や放電生成物の付着による劣化が進んでしまう。感光ドラム11の表面に放電生成物が付着すると、空気中の水分と反応して画像流れが発生する可能性がある。また、感光ドラム11表面の摩擦係数が上昇し、感光ドラム11と当接する部材、特にクリーニングブレード14のビビリ振動によって異音が発生する場合もある。クリーニングブレード14の異音が発生し、そこからさらに摩擦係数が上昇するとクリーニングブレード14が感光ドラム11との安定な当接状態を維持することが出来ず、クリーニングブレード14が捲れあがってしまう現象が生じる。
感光ドラム11の放電量は、帯電電圧と感光ドラム11の転写後電位の電位差により決定される。感光ドラム11の転写後電位は、正極性の転写電圧を受けたことで帯電後の暗部電位Vdに対して減衰される。転写後電位は、帯電後の暗部電位Vdの値によらずそれほど大きく変わらないため、放電量はほぼ帯電電圧に依存する。したがって、帯電電圧を高くするほど放電の影響が大きくなるということである。
7.トナーパージにおける効果
次に、トナーパージを実行するにあたり、帯電電圧を変更した際の効果確認を行った。各帯電電圧値に設定した際の感光ドラム11への放電劣化と帯電ローラ12の汚れの抑制効果を表1に示す。
比較例1として、トナーパージ実行時に印加する帯電電圧を0Vとした場合、比較例2として、トナーパージ実行時に印加する帯電電圧を画像形成時と同じ−1000Vとした場合に関して、同様に効果を確認した。効果確認は、画像形成装置100を用いて、2枚間欠動作によって、印字率1%の画像を50000枚印字したときの、感光ドラム11への放電の影響と帯電ローラ12の汚れのレベルを確認することによって行った。通常のトナーパージは200枚ごとに行うのに対して、本検討では20枚ごとに行うことで、より厳しい状態で評価を行った。いずれの帯電電圧においても、トナーパージは円滑に行うことが出来た。しかし、表1に示したように、感光ドラム11の放電の影響と帯電ローラ12の汚れの発生状況に差があった。
Figure 2020101774
表1に示したレベルは、○:放電無し、帯電ローラクリーニング後の帯電ローラ汚れの発生無し、×:放電あり、帯電ローラクリーニング後の帯電ローラ汚れ発生あり、とした。
比較例1では、感光ドラム11への放電は行われず感光ドラム11の放電劣化を抑制することが出来る。しかし、帯電電圧が0Vであるため、クリーニングブレード14に回収しきれなかったトナー22が帯電ローラ12に電気的に付着してしまい、画像弊害が発生してしまった。これは、感光ドラム11の表面電位に対して、帯電ローラ12に印加された電圧が低いことにより、正規極性に帯電したトナー22が帯電部に発生している電界によって、帯電ローラ12側に引き寄せられるためである。
一方、比較例2のように、帯電電圧を画像形成時の第一帯電電圧V1=−1000Vとすると、帯電部に形成される電界の影響により、帯電ローラ12にトナー22は電気的に付着しないため、帯電ローラ12の汚れの発生は抑制される。しかし、画像形成時と同様に感光ドラム11への放電が行われるため、感光ドラム11の放電劣化が進んでしまう。
そこで、本実施例のように、帯電電圧を第二帯電電圧V2=−450Vにすると、感光ドラム11への放電は行われず感光ドラム11の放電劣化を抑制することが出来る上に、帯電ローラ12にトナー22が付着することを抑制することができる。
なお、本実施例において第二帯電電圧V2を−450Vとしたが、第二帯電電圧V2はこれに限らず、第一帯電電圧である−1000Vよりも低く、かつ、露光により形成される明部電位Vlよりも高い値であればよい。つまり、本実施例の構成においては、−50Vより−1000Vより低ければ第二帯電電圧V2として選択可能である。しかし、第二帯電電圧V2を放電開始電圧よりも高くすると、上記のように感光ドラム11との放電が少なからず発生してしまうので、感光ドラム11の放電劣化を促進させてしまう。したがって、第二帯電電圧V2は、露光により形成される明部電位Vlよりも高く放電開始前電圧よりも低い電圧であればさらによい。さらに、感光ドラム11と帯電ローラ12との電位差が大きい方が帯電ローラ12へのトナー22及び外添剤の付着を抑制することが出来るため、印加する第二帯電電圧V2は放電開始電圧に近い電圧のように放電はしない範囲で高い電圧が望ましい。つまり、帯電部での電位差を極力大きくし、放電が起こらないようにする設定であればよい。例えば、本実施例の放電開始電圧である−540Vになるべく近い帯電電圧を第二帯電電圧V2としてもよい。
まとめると、本実施例の画像形成装置100は、以下の構成を有する。回転可能な感光ドラム11と、感光ドラム11の表面を帯電する帯電ローラ12と、を有して、感光ドラム11の表面電位を形成する。その際に、帯電電圧を印加する帯電高圧71によって、帯電ローラ12に帯電電圧を印加することで感光ドラム11を放電させる。そして、現像ローラ23にトナー22を担持させて感光ドラム11の表面にトナー22を供給してトナー像を現像する。制御部202が、帯電高圧71を制御し、トナー像を記録材Sに形成する画像形成モードと、トナー22を感光ドラム11に供給する現像剤供給モードであるトナーパージモードと、を実行するように制御する。現像剤供給モードにおいて、以下、第1と第2の条件を満たした所定電圧を帯電ローラ12に印加することを特徴とする。第1に、帯電ローラ12と、正規極性のトナー22が供給されてクリーニングブレード14を通過した感光ドラム11の領域と、の間で放電が生じない大きさの電位差を形成する帯電電圧を帯電ローラ12に印加する。第2に、正規極性に帯電したトナー22に帯電ローラ12から感光ドラム11に向かう方向の静電気力が作用する向きの電位差を形成する帯電電圧を帯電ローラ12に印加する。第1と第2の条件を同時に満たす所定電圧となる帯電電圧を帯電ローラ12に印加された帯電部を、感光ドラム11の領域が通過するように現像剤供給モードを実行する。
つまり、制御部202は、現像剤供給モードにおいて、帯電ローラ12と感光ドラム11の間で放電が発生しない帯電電圧であって、トナー22を感光ドラム11に供給する時の現像部における感光ドラム11の表面電位よりも絶対値が大きい帯電電圧を印加する。
画像形成モードにおいては、露光ユニット3によって感光ドラム11の表面にトナー像を形成するために第1の露光量で露光している。一方、現像剤供給モードにおいては、感光ドラム11の表面を第1の露光量以上の第2の露光量で露光することでトナーパージを行ってもよい。その際には、制御部202は、現像剤供給モードにおいて、帯電ローラ12と感光ドラム11の間で放電が発生しない帯電電圧であって第2の露光量で露光して形成された感光ドラム11の表面電位よりも絶対値が大きい帯電電圧を帯電ローラ12に印加する。そして、感光ドラム11の表面電位よりも絶対値が大きい現像電圧を現像ローラ23に印加するように制御する。
したがって、上記のように、トナーパージを実行する際に、帯電ローラ12に印加する第二帯電電圧V2を適切に制御することによって、帯電ローラ12へのトナー22の付着を抑制しつつ、感光ドラム11の劣化を抑制することが出来る。
なお、本実施例においては、トナーパージ実行中に印加する帯電電圧を常に第二帯電電圧V2に設定したが、タイミングに応じて適宜変更してもよい。具体的には、実際に感光ドラム11の表面にトナーをパージした領域が帯電部に到達したタイミングのみ第二帯電電圧V2に設定してもよい。それは、トナーパージを行った感光ドラム11の領域がクリーニングブレード14に到達した際に、パージトナーがすり抜ける可能性が高いからである。言い換えると、トナーパージを行った領域のトナー22が、その領域の上で接触部をすり抜けて帯電ローラ12に到達することが最も多いと考えられるということである。しかし、接触部に供給されたトナー22は一度クリーニングされて、感光ドラム11の回転に応じてすり抜ける可能性もあるため、本実施例では、トナーパージ実行中は常に第二帯電電圧V2を印加している。
本実施例における画像形成装置200については、実施例1の画像形成装置100と異なる点のみ述べ、同一部材には同一符号を付し、同様の部分は説明を省略する。
図7は、本発明の実施例に係る画像形成装置200の概略構成を断面的に示したものであり、各構成について簡略的に示している。
1.高圧電源構成
画像形成装置200は図7に示す共通高圧電源74を有している。共通高圧74の具体的な態様を図8に示す。図8に示した共通高圧74は、帯電高圧74aに、抵抗R1、ツェナーダイオードZD1が接続されている。帯電高圧74aは帯電ローラ12と接続され、現像高圧74bは現像ローラ23と接続されている。帯電高圧74a、現像高圧74bの2つの電源を共通とすることで、小サイズ化、低コスト化を行っている。
図9を用いて、共通電源74の電圧出力特性について説明する。図9には、共通高圧74において、帯電電圧を変化させた時の現像電圧の変化を示した。本実施例における共通高圧74において、ツェナーダイオードZD1は、帯電電圧が−990Vよりも高い時に所望の電圧をクランプすることが出来、現像電圧は−300Vを保つことができる。帯電電圧が−220Vから−990Vの範囲では、ツェナーダイオードZD1へ流れる電流が減少し、現像電圧が低くなる。帯電電圧が−220Vより低い範囲では、現像電圧は印加されず0Vとなる。
2.トナーパージ動作
実施例1と同様に、クリーニングブレード14の潤滑性を得るために、任意のタイミングにて感光ドラム11上にトナー22を供給するトナーパージ動作を行う。図10に、本実施例における印字動作と後回転動作時に実行されるトナーパージ動作時の電位の関係を示した。図10に示したように、画像形成時には、第一帯電電圧V1として−1000Vが印加されるため、感光ドラム11の暗部電位Vdは−460Vとなり、共通高圧74から分圧される現像電圧は−300Vとなる。
続いて、本実施例におけるトナーパージ動作を、図11を用いて説明する。図11はトナーパージ動作のフローチャートの一例である。トナーパージ動作は、一連の画像形成プロセスにおいて、感光ドラム11への画像形成が終わった後に実行を開始する(S11)。放電以外の方法で感光ドラム11上の表面電位を安定させるべく、トナーパージ動作開始時に感光ドラム11の表面を露光して、感光ドラム11上の電荷を除電し、感光ドラム11上の表面電位を安定させる。露光ユニット3によって、0.5μJ/cmの光量で感光ドラム11を1周分露光して、感光ドラム11表面上の電荷を除去することで、感光ドラム11上の表面電位を−50Vとする(S12)。S12の工程後、この感光ドラム11表面上へトナー22を現像するために、少なくとも感光ドラム11の表面電位より大きい現像電圧が現像ローラ23に印加される必要がある。しかし、本実施例のように、帯電高圧74aと現像高圧74cが共通電源高圧74から構成されている場合、現像ローラ23に電圧を印加するためには帯電電圧を印加しなければならない。そこで、帯電電圧が感光ドラム11への放電が開始される電圧より低く、かつ、現像電圧が感光ドラムの表面電位である−50Vより高くなるように電圧を設定しなければならない。本実施例では、図9の結果から、第二帯電電圧V2として−450Vを帯電ローラ12に印加する(S13)。その時、前述の共通高圧電源74により、現像電圧は帯電電圧に連動した電圧が出力され−90Vが印加される。そして、S13の工程により、第二帯電電圧V2が印加された帯電ローラ12との当接部である帯電部を通過した感光ドラム11の表面が現像部に到達した後に、接離手段50によって現像装置20を感光ドラム11に当接させる(S14)。S14の工程時、現像ローラ23の電位−90Vに対して感光ドラム11の表面電位−50Vが形成されているため、負極性に帯電しているトナー22は感光ドラム11の方に電気的に引き寄せられやすい。そのため、トナー22は感光ドラム11上へと現像される。現像されたトナー22は、クリーニングブレード14と感光ドラム11との接触位置である接触部へ潤滑剤として供給されることでトナーパージが実行される。トナーパージが実行されている状態において、現像ローラ23の1周分のトナーを現像させ(S15)た後、接離手段50によって現像装置20を感光ドラム11から離間させる(S16)。S16の工程後、感光ドラム11の及び現像ローラ23の駆動を停止し、共通高圧74の出力をOFFにする(S17)ことで帯電電圧と現像電圧をOFFとし、トナーパージ動作を終了する(S18)。
以上、説明した様に、帯電電圧と現像電圧を共通高圧電源から供給し、帯電電圧を放電開始前電圧より低い電圧に設定した場合でも、帯電電圧を適宜設定することにより、帯電ローラ12へのトナー付着を抑制しつつ、感光ドラム11の劣化を抑制することが出来る。
[変形例1]
図12は本発明の変形例に係る画像形成装置300の概略構成を断面的に示したものであり、各構成について簡略的に示している。
1.高圧電源構成
画像形成装置300は図12に示す共通高圧電源75を有している。共通高圧75の具体的な態様を図13に示す。共通高圧75は、帯電高圧75aに、抵抗R2、ツェナーダイオードZD2、ツェナーダイオードZD3が接続されている。帯電高圧75aは帯電ローラ12と接続され、現像剤規制電圧たる現像ブレード高圧75bは現像ブレード25と接続され、現像高圧75cは現像ローラ23と接続されている。帯電高圧75a、現像ブレード高圧75b、現像高圧75cの3つの電源を共通とすることで、実施例2に記載した共通電源74よりも更なる小サイズ化、低コスト化を行っている。
図14を用いて、共通電源75の電圧出力特性について説明する。図14には、共通高圧75において、帯電電圧を変化させた時の現像ブレード電圧と現像電圧の変化を示した。本変形例における共通高圧75において、ツェナーダイオードZD2とツェナーダイオードZD3は、帯電電圧が−990Vよりも高い時に所望の電圧をクランプすることが出来、現像ブレード電圧は−500V、現像電圧は−300Vを保つことができる。これは、現像ブレード25と現像ローラ23の間には、高抵抗であるトナー22が介在するため電流はほとんど流れず、ツェナーダイオードZD2が所望のツェナー電圧を保てていることが寄与している。帯電電圧が−220Vから−990Vの範囲では、ツェナーダイオードZD3へ流れる電流が減少し、現像電圧が低くなる。この時、現像ブレード電圧も同様に低くなるが、ツェナーダイオードZD2の電圧は保たれるため、現像ブレード電圧は現像電圧に対して200V高い状態を保つことができる。そして、帯電電圧が−220Vの時、現像電圧は凡そ0Vとなり、現像ブレード電圧は−200Vとなる。
2.現像剤ボタ落ち
図2に示すように、現像容器21は、弾性を有するトナー封止部材たるシール部材26が現像ローラ23と当接することでトナー22を内部に封止している。そのため、薄層化されたトナー22の摩擦電荷が不十分である場合、現像ローラ23との鏡映力よりもシール部材26との摩擦力が勝り、トナー22を掻き落とすことでトナー22が現像ローラ23から落下する。この現象をボタ落ちという。したがって、現像ローラ23と現像ブレード25の摺擦による摩擦電荷によってボタ落ちのレベルが異なるということである。ボタ落ちが発生すると、感光ドラム11や記録材Sにトナー22が落下し、画像弊害が発生する。
ここで、本変形例における現像電圧と現像ブレード電圧の電位差Δとトナー22に付与される負帯電付与能の関係性を図15に示す。横軸に現像電圧と現像ブレード電圧の電位差Δをとり、縦軸にトナー22の負帯電付与能を示す値である、トナー22の電荷量を示している。
トナー22の電荷量の測定は、画像形成装置300の画像形成動作を途中で強制終了し、現像ローラ23表面にコートされたトナー22のうち、現像ブレード25を通過後かつ感光ドラム11に現像する前のトナー22を測定する。電荷量の測定器は、ファラデーケージ内にトナー22を堰き止めるフィルター付きの吸引器を設置した機器を用い、吸引したトナーの重量と電荷量を測定することで算出した。このトナー22の電荷量測定を、ツェナーダイオードZD3のツェナー電圧を変化させながら測定した。
図15より、現像電圧と現像ブレード電圧に電位差Δを僅かでも設けることで、トナー22の帯電量が増加していることが分かる。これは、現像ローラ23と現像ブレード25の間に電界が形成されることで、現像ブレード25とトナー22が接触した際に、トナー22へ負電荷が移動することによる。また、現像電圧と現像ブレード電圧の電位差Δに対するトナー22の帯電量の増加は、電位差が100Vを越えたあたりで傾きが落ち、所定値に向けて飽和していく。
表2に、現像ローラ23上のトナー22の帯電量とボタ落ちの関係を示す。ボタ落ちは、図15に示した結果を測定した時と同様に、ツェナーダイオードZD3のツェナー電圧を変化させることでトナー22の帯電量を変化させ、ボタ落ちの度合いを評価した。
Figure 2020101774
表2に示したレベルは、○:記録材S上にトナー22の汚れの発生無し、×:記録材S上にトナー22汚れが発生、とした。
上記検討結果より、本変形例の構成においては、トナー22の帯電量が20μC/g以上あれば、トナー22と現像ローラ23との鏡映力が十分に確保でき、ボタ落ちが発生しないことが分かった。したがって、図15と表2の結果から、現像ブレード電圧と現像電圧の電位差Δは、50V以上とすることでトナー22の帯電量が20μC/gとなるためにボタ落ちを好適に抑制することが出来る。
3.トナーパージ動作
実施例1、2と同様に、クリーニングブレード14の潤滑性を得るために、任意のタイミングにて感光ドラム11上にトナー22を供給するトナーパージ動作を行う。図16に、本変形例における印字動作と後回転動作時に実行されるトナーパージ動作時の電位の関係を示した。図16に示したように、画像形成時には、第一帯電電圧V1として−1000V印加されるため、共通高圧75から分圧される現像ブレード電圧は−500V、現像電圧は−300Vとなる。したがって、現像電圧に対する現像ブレード電圧の電位差Δを200Vとしている。この時、現像ブレード電圧は現像電圧に対して200V高いため、現像ブレード25からトナー22への負帯電付与性が得られる。これは、現像ローラ23上のトナー22がボタ落ちしないために、現像ローラ23に対して現像ブレード25が負極性側に電位差を形成するためである。
本変形例におけるトナーパージ動作は、実施例2で説明した図11に示したフローチャートと同様である。しかし、本変形例のように、帯電高圧75aと現像高圧75cと現像ブレード高圧75bが共通電源高圧75から構成されている場合、現像ローラ23と現像ブレード25に電圧を印加し、かつ、電位差Δを設けるためには帯電電圧を印加しなければならない。
そのための条件としては、以下の三点が挙げられる。一点目が、帯電電圧が感光ドラム11への放電が開始される電圧より低いということである。これは、帯電部での放電を抑制するためである。二点目が、−50Vよりも高い現像電圧が印加されることである。これは、感光ドラム11の表面電位より高い現像電圧が印加されないと、感光ドラム11の表面上に正規極性のトナー22をパージする事が出来ないからである。三点目が、現像電圧と現像ブレード電圧の電位差Δを50Vより高くすることである。これは、上述したように、現像容器21に設けられたシール部材26からのボタ落ちを抑制するためである。
そこで、本変形例では第二帯電電圧V2として−450Vを帯電ローラ12に印加する。そのとき、前述の共通高圧電源75により、現像ブレード電圧および現像電圧は、帯電電圧に連動した電圧が出力され、現像ブレード電圧は−290V、現像電圧は−90Vが印加される。それによって、トナーパージ動作時におけるボタ落ちの発生を抑制することが出来る。
このように、帯電電圧と現像ブレード電圧と現像電圧を共通高圧電源75から供給する場合において、帯電電圧を調整し、現像ローラ23と現像ブレード25の電位差Δを適宜設定する必要がある。すると、帯電ローラ12へのトナー付着を抑制しつつ、感光ドラム11の劣化を抑制することが出来る。
3 露光ユニット
11 感光ドラム
12 帯電ローラ
14 クリーニングブレード
21 現像容器
22 トナー
23 現像ローラ

Claims (11)

  1. 回転可能な感光体と、
    前記感光体と接触して帯電部を形成し、前記帯電部において前記感光体の表面を帯電する帯電部材と、
    前記感光体の前記表面に正規極性に帯電した現像剤を供給する現像剤担持体と、
    前記感光体と接触する接触部を形成し、前記接触部において前記感光体の前記表面を清掃する清掃部材と、
    前記帯電部材に帯電電圧を印加する電圧印加部と、
    前記電圧印加部を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、現像剤像を記録材に形成する画像形成モードと、前記正規極性に帯電した現像剤を前記接触部に供給する現像剤供給モードと、を実行するように制御し、
    前記現像剤供給モードにおいて、前記現像剤担持体によって前記正規極性に帯電した現像剤が供給されて前記接触部を通過した前記感光体の領域が前記帯電部を通過する時に、前記帯電電圧が所定電圧に設定されていて、
    前記所定電圧は、前記帯電部材と前記領域との間で放電が生じない大きさの電位差であって、前記正規極性に帯電した前記現像剤に前記帯電部材から前記感光体に向かう方向の静電気力が作用する向きの電位差が前記帯電部材と前記領域との間に形成される電圧であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記帯電部材によって帯電された前記感光体の前記表面を露光する露光ユニットを有し、
    前記制御部は、前記現像剤供給モードにおいて、前記感光体の前記表面を前記露光ユニットによって露光することで前記感光体に現像させた前記正規極性に帯電した現像剤を前記接触部に供給することを特徴とする請求項1の記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記現像剤供給モードにおいて前記感光体の前記表面を露光する露光量が、前記画像形成モードにおいて前記感光体の前記表面を露光する露光量以上となるように、前記露光ユニットを制御することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記現像剤供給モードにおいて、前記感光体の前記表面に前記正規極性に帯電した現像剤を前記感光体の前記表面に供給する前に前記感光体の前記領域が前記帯電部を通過するときに前記帯電部材に印加する前記帯電電圧は前記所定電圧であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記感光体と接触して転写部を形成し、前記転写部において前記感光体の表面に形成された前記現像剤像を記録材に転写する転写部材と、
    前記電圧印加部を第1の電圧印加部とし、前記転写部材に転写電圧を印加する第2の電圧印加部と、を有し、
    前記制御部は、前記現像剤供給モードにおいて、前記正規極性に帯電した現像剤が現像される前記感光体の前記領域が前記転写部を通過する時に、前記画像形成モードにおいて印加する転写電圧よりも大きい転写電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記感光体と接触して接触部を形成し、前記接触部において前記現像剤像が転写される中間転写体と、
    前記感光体の表面に形成された前記現像剤像を前記中間転写体に転写する転写部材と、
    前記電圧印加部を第1の電圧印加部とし、前記転写部材に転写電圧を印加する第2の電圧印加部と、を有し、
    前記制御部は、前記現像剤供給モードにおいて、前記正規極性に帯電した現像剤が現像される前記感光体の前記領域が前記接触部を通過する時に、前記画像形成モードにおいて印加する転写電圧よりも大きい転写電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記感光体の回転方向において、前記現像剤担持体により前記感光体の前記表面に前記現像剤を現像する現像部よりも下流側で、且つ前記帯電部よりも上流側の前記感光体の表面を露光する前露光ユニットを有し、
    前記制御部は、前記現像剤供給モードにおいて、前記感光体の前記表面を前記前露光ユニットによって露光することで前記感光体に現像させた前記正規極性に帯電した現像剤を前記接触部に供給することを特徴とする請求項1の記載の画像形成装置。
  8. 前記電圧印加部を第1の電圧印加部とし、前記現像剤担持体に現像電圧を印加する第3の電圧印加部を有する画像形成装置において、
    前記第1の電圧印加部と前記第3の電圧印加部と、によって印加される電圧は共通の電源高圧から出力される電圧によって生成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記現像剤担持体の表面の前記現像剤を規制する規制部材を有し、
    前記共通の電源高圧から出力される電圧によって前記規制部材に規制電圧を印加することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記現像剤供給モードにおいて、前記規制部材に印加される前記規制電圧の絶対値よりも大きい前記帯電電圧を前記帯電部材に印加することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記現像剤供給モードにおいて、前記規制部材に印加される前記規制電圧の絶対値よりも小さい前記現像電圧を前記現像剤担持体に印加することを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
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