JP2020101385A - 干渉縞解析装置、干渉縞解析方法、および距離測定装置 - Google Patents

干渉縞解析装置、干渉縞解析方法、および距離測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より高精度かつ高分解能で干渉縞周波数を得ることができる干渉縞解析技術を提供することを目的とする。【解決手段】干渉縞解析装置12は、光検出器11で検出された干渉縞の明暗パターン示す干渉縞信号と周波数frからなるリファレンス信号R1とを混合して第1混合信号Iを生成するミキサ123と、干渉縞信号と、第1基準信号Iに対してπ/2の位相差を有するリファレンス信号R2とを混合して第2混合信号Qを生成するミキサ124と、第1混合信号Iおよび第2混合信号Qのそれぞれに含まれる低周波成分を選択的に通過させるLPF125,126と、LPF125,126を通過した第1混合信号Iと第2混合信号Qとに基づいて干渉縞信号の位相を算出する位相算出部127と、干渉縞信号の位相に基づいて干渉縞の空間周波数を示す干渉縞周波数fを算出する干渉縞周波数算出部128とを備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、干渉縞解析装置、干渉縞解析方法、および距離測定装置に関し、特に物体の表面で反射された干渉する光を解析して測定対象までの対物距離を測定する光干渉計測技術に関する。
従来より、レーザ光等の光の干渉を利用して、測定対象までの対物距離や形状、変位などを非接触で測定する光学的測定装置が知られている。このような光学的測定装置では、干渉縞の空間周波数(以下、「干渉縞周波数」ということがある。)を求め、干渉縞周波数に基づいて対物距離を算出する。
例えば、特許文献1は、レーザ光を測定対象および基準となる参照面に照射して、それらによって反射された反射光が干渉して受光面に生ずる干渉縞の信号を離散フーリエ変換によって解析する技術を開示している。特許文献1では、干渉縞の信号を離散フーリエ変換して求めたパワースペクトルに基づいて干渉縞周波数を求めている。
一方、非特許文献1は、位相補正法を用いて音の周波数をより高精度に測定する技術を開示している。非特許文献1に記載の技術では、ある短い時間間隔(ΔT=T2−T1)でのパワースペクトルを求め、そのパワースペクトルのピーク周波数および各時刻T1,T2での信号の位相を求め、位相の変化に基づいてピーク周波数を補正してより高精度に音の周波数を測定している。
特開平9−196619号公報
井口征士「音楽情報の処理−電算機を用いた自動採譜−、計測と制御」p.314−419 Vol.19 No.3 昭和55年3月
しかし、特許文献1に記載された従来の離散フーリエ変換を用いた干渉縞の解析技術では、干渉縞周波数の分解能が干渉縞の信号の長さの逆数、すなわち、リニアイメージセンサやフォトダイオードアレイなどの光検出器の受光素子の配列方向における長さの逆数で決まってしまう。しかし、受光素子の配列方向の長さは光検出器の設計による制限を受けるため、干渉縞周波数をより高精度に求めることが困難であった。
一方、非特許文献1に記載された従来の位相補正法を干渉縞の空間周波数に適用した場合、位相差を利用することにより、離散フーリエ変換を用いて信号周波数を求めたときの周波数分解能よりも高い分解能を得ることができる。しかし、より短い空間距離の周波数スペクトルを求めるため、各周波数スペクトルのピーク周波数の分解能が低下する。
また、非特許文献1に記載の技術は、対象とする信号の周波数が変化しない定常状態を前提としており、干渉縞の空間周波数を求める方法として適用した場合、光学収差などに起因する波面のゆがみで干渉縞の間隔が変化する場合には、干渉縞周波数を精度よく求めることが困難になる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、より高精度かつ高分解能で干渉縞周波数を得ることができる干渉縞解析技術を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る干渉縞解析装置は、光検出器によって検出された干渉縞の明暗パターン示す干渉縞信号と所定の基準周波数からなる第1基準信号とを混合して第1混合信号を生成する第1ミキサと、前記干渉縞信号と、前記第1基準信号に対してπ/2の位相差を有する第2基準信号とを混合して第2混合信号を生成する第2ミキサと、前記第1混合信号および前記第2混合信号のそれぞれに含まれる低周波成分を選択的に通過させるフィルタと、前記フィルタを通過した前記第1混合信号と前記第2混合信号とに基づいて前記干渉縞信号の位相を算出する位相算出部と、算出された前記干渉縞信号の位相に基づいて前記干渉縞の空間周波数を示す干渉縞周波数を算出する周波数算出部とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る干渉縞解析装置において、前記第1基準信号を生成する基準信号生成部と、前記第1基準信号の位相をπ/2シフトして前記第2基準信号を生成する位相シフタとを備えていてもよい。
また、本発明に係る干渉縞解析装置において、前記基準信号生成部は、前記干渉縞信号のゼロクロス点を検出し、そのゼロクロス点に同期した空間周波数を有する前記第1基準信号を生成してもよい。
また、本発明に係る干渉縞解析装置において、前記干渉縞信号に含まれる直流成分を除去するDCカット部をさらに備えていてもよい。
また、本発明に係る干渉縞解析装置において、前記光検出器は、所定の方向に配列された複数の画素を含む受光面を有し、前記位相算出部は、前記複数の画素のそれぞれの位置での前記干渉縞信号の位相を算出し、前記周波数算出部は、算出された前記位相から前記複数の画素のそれぞれの位置における前記干渉縞周波数と前記基準周波数との差を補正周波数として算出し、前記基準周波数と前記補正周波数とに基づいて、前記干渉縞周波数を求めてもよい。
また、本発明に係る干渉縞解析装置において、前記周波数算出部は、算出した前記複数の画素のそれぞれの位置における前記干渉縞信号の前記干渉縞周波数と、前記光検出器の画素同士の間隔を示す画素ピッチと、前記光検出器の画素数とを用いて前記干渉縞信号の平均周波数を算出してもよい。
上述した課題を解決するために、本発明に係る距離測定装置は、上記の干渉縞解析装置と、光源からの光を測定対象に集光させて照射する照射光学系と、前記測定対象から反射される反射光を入射光として、前記入射光の位相を変えて予め設定された2つの次数の回折光を出射する回折光学素子と、を有する光学系と、前記回折光学素子から出射された前記2つの次数の回折光により生じた干渉縞を検出する光検出器と、前記干渉縞解析装置によって求められた干渉縞の周波数に基づいて、前記光検出器から前記測定対象までの対物距離を算出する距離算出器とを備えることを特徴とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る干渉縞解析方法は、光検出器によって検出された光の干渉縞を示す干渉縞信号と所定の基準周波数からなる第1基準信号とを混合して第1混合信号を生成する第1ステップと、前記干渉縞信号と、前記第1基準信号に対してπ/2の位相差を有する第2基準信号とを混合して第2混合信号を生成する第2ステップと、前記第1混合信号および前記第2混合信号のそれぞれに含まれる低周波成分をフィルタによって選択的に通過させる第3ステップと、前記フィルタを通過した前記第1混合信号と前記第2混合信号とに基づいて前記干渉縞信号の位相を算出する第4ステップと、算出された前記干渉縞信号の位相に基づいて前記干渉縞信号の空間周波数を示す干渉縞周波数を算出する第5ステップとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、干渉縞信号と第1基準信号とを混合した第1混合信号、および干渉縞信号と第1基準信号に対してπ/2の位相差を有する第2基準信号とを混合した第2混合信号とに基づいて干渉縞信号の位相を算出し、その位相から干渉縞信号の周波数を求めるので、より高精度かつ高分解能で干渉縞周波数を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る干渉縞解析装置を備える距離測定装置の機能構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る干渉縞解析装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る干渉縞解析装置を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る光学系の構成を示す模式図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る距離測定の原理を説明する図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る回折光学素子による回折を説明する図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る異なる次数の回折光と光スポット間隔との関係を説明する図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る光スポット間隔と光路差との関係を説明する図である。 図9は、本発明の実施の形態に係る距離測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。 図10は、本発明の実施の形態に係る干渉縞の解析処理を説明するためのフローチャートである。 図11は、本発明の実施の形態に係る検出面に生じた干渉縞を示す画像例である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1から図11を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係る距離測定装置1は、測定対象Tに光を照射して反射させ、その反射光の干渉縞を解析して得られた干渉縞周波数に基づいて測定対象Tまでの対物距離aを測定する装置である。
距離測定装置1は、図1に示すように、光学系10、光検出器11、干渉縞解析装置12、距離算出器13、設定器14、記憶装置15、および表示装置16を備える。距離測定装置1は、例えば、図1には図示しないケーシング内部に収納されていてもよい。
光学系10は、図4に示すように、光源101からの光を集光して測定対象Tに照射する照射光学系と、測定対象Tから反射される反射光を入射光として、入射光の位相を変えて予め設定された2つの次数の回折光を出射する回折光学素子104とを備える。回折光学素子104から出射された2つの次数の回折光により干渉縞が生ずる。なお、光学系10の詳細は後述する。
光検出器11は、複数の受光素子が空間的に配列された検出面110を有し、図4に示すように、光学系10の回折光学素子104を挟んで測定対象Tとは反対側に配置されている。光検出器11は、望ましくは、光学系10の光軸上に、検出面110と光軸とが互いに直交するように配置されて、回折光学素子104から出射された2つの次数の回折光により生じた干渉縞による明暗パターンを検出する。
光検出器11としては、例えば、CCD(Charged Coupled Device)等の撮像素子や、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やフォトダイオードなどの受光素子を空間的に配列したリニアイメージセンサやフォトダイオードアレイなどを用いることができる。
干渉縞解析装置12は、光検出器11によって検出された干渉縞の明暗パターンを示す干渉縞信号から干渉縞の空間周波数、すなわち干渉縞周波数を求める。干渉縞解析装置12の詳細は後述する。
距離算出器13は、干渉縞解析装置12によって求められた干渉縞周波数に基づいて光検出器11から測定対象Tまでの対物距離aを算出する。
設定器14は、光学系10、光検出器11、および表示装置16の動作を制御する。また、設定器14は、干渉縞解析装置12が用いる基準信号の空間周波数(基準周波数)fr、およびLPF125,126のフィルタ係数の設定などを外部からの入力に応じて行う。
記憶装置15は、例えば、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置からなり、光検出器11が検出した干渉縞信号を記憶する。また、記憶装置15は、干渉縞解析装置12によって求められた干渉縞周波数、および距離算出器13によって算出された対物距離aを記憶する。さらに、記憶装置15は、設定器14が光学系10や光検出器11などの駆動制御を行う際の初期設定に関する情報を記憶する。
表示装置16は、液晶画面などのディスプレイで構成され、光検出器11によって検出された干渉縞の波形を表示する。また、表示装置16は、干渉縞解析装置12によって求められた干渉縞周波数を示す情報や、距離算出器13によって算出された対物距離aを示す情報を表示する。
[干渉縞解析装置の構成]
次に、上述した干渉縞解析装置12の構成について図2を参照してより詳細に説明する。
干渉縞解析装置12は、DCカット部120、基準信号生成部121、π/2位相シフタ(位相シフタ)122、ミキサ(第1ミキサ)123,(第2ミキサ)124、LPF(フィルタ)125,126、位相算出部127、および干渉縞周波数算出部(周波数算出部)128を備える。
DCカット部120は、光検出器11によって検出された干渉縞信号に含まれる直流成分を除去する。DCカット部120は、例えば、光検出器11の受光素子(画素)に対応する値(輝度)の平均値を求め、画素ごとにこの平均値と輝度との差分を求めることによって直流成分を除去することができる。DCカット部120によって直流成分が除去された干渉縞信号は、基準信号生成部121、およびミキサ123,124に入力される。DCカット部120を設けることで、干渉縞信号に含まれるノイズを低減することができる。
基準信号生成部121は、直流成分が除去された干渉縞信号のゼロクロス点を検出し、そのゼロクロス点に同期した空間周波数frのリファレンス信号(第1基準信号)R1を生成する。例えば、基準信号生成部121は、直流成分が除去された干渉縞信号のゼロクロス点間の距離の平均値を求め、この平均値をリファレンス信号R1の空間周波数frとすることができる。
なお、リファレンス信号R1を求めるにあたって、本実施の形態においては、光検出器11によって検出された干渉縞信号から直流成分を除去してゼロクロス点を検出するようにしたが、リファレンス信号R1として干渉縞信号の周波数に近い信号を与えることができれば別の構成を採用してもよい。例えば、基準信号生成部121は、干渉縞信号をフーリエ変換してリファレンス信号R1を求めてもよい。また、基準信号生成部121は、光学系10の設計に基づいてリファレンス信号R1を生成してもよい。
なお、基準信号生成部121は、光検出器11によって検出された直流成分を除去する前の干渉縞信号を用いてリファレンス信号R1を生成してもよい。
π/2位相シフタ122は、基準信号生成部121によって生成されたリファレンス信号R1の位相をπ/2シフトしたリファレンス信号(第2基準信号)R2を生成する。
例えば、基準信号生成部121がリファレンス信号R1として、R1=Bcos(2πfr・x)を生成した場合、π/2位相シフタ121が生成するリファレンス信号R2は、リファレンス信号R1の位相をπ/2シフトした、R2=−Bsin(2πfr・x)となる。なお、frは、リファレンス信号R1の空間周波数であり、xは光検出器11の受光素子の配列方向の、例えば、光学系10の光軸からの距離、Bは振幅である。
ミキサ123は、直流成分が除去された干渉縞信号とリファレンス信号R1とを混合した信号(第1混合信号)Iを出力する。より詳細には、ミキサ123は、例えば、乗算回路で構成され、画素ごとに直流成分が除去された干渉縞信号とリファレンス信号R1とを乗算して第1混合信号Iとする。この第1混合信号Iは、干渉縞の空間周波数、すなわち干渉縞周波数fとリファレンス信号R1の空間周波数frとの和の周波数成分(f+fr)および差の周波数成分(f−fr)を含む。
ミキサ124は、直流成分が除去された干渉縞信号とリファレンス信号R2とを混合した信号(第2混合信号)Qを出力する。このミキサ124は、上記ミキサ123と同様の乗算回路によって構成することができる。第2混合信号Qは、干渉縞周波数fとリファレンス信号R2の空間周波数frの和および差の周波数を含み、第1混合信号Iに直交する。
LPF125およびLPF126は、ミキサ123およびミキサ124から出力された第1混合信号Iおよび第2混合信号Qに含まれる低周波成分を選択的に通過させて、それぞれ信号I’および信号Q’を出力する。より詳細には、LPF125およびLPF126は、それぞれ第1混合信号Iおよび第2混合信号Qに含まれる干渉縞周波数fとリファレンス信号R1,R2の空間周波数frとの和の周波数成分(f+fr)を除去し、差の周波数成分(f−fr)を出力する。このようなLPF125,126としては、例えば、FIRフィルタなどを用いることができる。
位相算出部127は、LPF125,126を通過した信号I’および信号Q’とに基づいて干渉縞信号の位相を算出する。より詳細には、位相算出部127は、光検出器11の複数の受光素子(画素)におけるそれぞれの配列位置での干渉縞信号の位相を、例えば、i画素目の位相φ(i)(iは整数)として、信号I’と信号Q’との比であるQ’/I’の逆正接arctan(Q’/I’)から算出する。
干渉縞周波数算出部128は、位相算出部127によって算出された干渉縞信号の各画素の位置における位相に基づいて、干渉縞の空間周波数を求める。より詳細には、干渉縞周波数算出部128は、リファレンス信号R1の空間周波数frと、位相算出部127が算出したi番目およびi+1番目の画素のそれぞれの位置における位相φ(i)およびφ(i+1)の値を用いて、i画素位置での干渉縞周波数f(i)を、次式(1)により算出する。
f(i)=fr+{φ(i+1)−φ(i)}/2πppixel ・・・(1)
上式(1)において、ppixelは光検出器11の受光素子同士の間隔、すなわちピクセルピッチを示す。干渉縞周波数算出部128は、上式(1)によって求めたi画素位置での干渉縞周波数f(i)を用いて、干渉縞信号の平均周波数favgを次式(2)により求める。
Figure 2020101385
上式(2)において、nは光検出器11の画素数を示す。
このように、リニアイメージセンサにおける一定の距離での干渉縞信号の平均周波数を求めることで、光学系10に起因した収差などの影響を抑えた干渉縞周波数を求めることができる。
[干渉縞解析の原理]
次に、本実施の形態に係る干渉縞解析の原理について説明する。
光検出器11によって検出された干渉縞信号V(x)は、次式(3)で表すことができる。
Figure 2020101385
上式(3)において、Aは振幅、Cはバイアス、fは干渉縞周波数、xは光検出器11の受光素子の配列方向の距離、φxは初期位相を表す。バイアスCは、DCカット部120によって直流成分がカットされ、式(3)は、次式(3)’で表される。
Figure 2020101385
上式(3)’の干渉縞信号と乗算されるリファレンス信号R1は、次式(4)で表される。
Figure 2020101385
上式(4)においてfrはリファレンス信号R1の空間周波数を示す。一般的には振幅と初期位相とをそれぞれBとθxとして示すが、簡単のためB=1とする。リファレンス信号R1の空間周波数frは、原理的には任意の値をとることができるが、理想的には対象となる干渉縞信号の空間周波数のピーク周波数に近い値とすることが望ましい。また、リファレンス信号R1の位相をπ/2変化させたリファレンス信号R2は次式(5)で表される。
Figure 2020101385
ここで、干渉縞信号(式(3)’)とリファレンス信号R1(式(4))とを乗算した第1混合信号Iを同相成分とすると、第1混合信号Iは次式(6)で表される。
Figure 2020101385
上式(6)の第1項で表される周波数の高い信号成分をLPF125で除去した信号I’は次式(7)で表される。
Figure 2020101385
同様に、干渉縞信号(式(3)’)とリファレンス信号R2(式(5))とを乗算した第2混合信号Qを直交成分とすると、第2混合信号Qは次式(8)で表される。
Figure 2020101385
上式(8)の第1項で表される周波数の高い信号成分をLPF126で除去した信号Q’は次式(9)で表される。
Figure 2020101385
以上のようにして、干渉縞信号V(x)に対して画素の位置における互いに直交する2つの信号I’(x)および信号Q’(x)が得られる。光検出器11の複数の受光素子(画素)のそれぞれの配列位置での干渉縞信号の位相φc(x)は、信号I’(x)および信号Q’(x)より、次式(10)により求めることができる。
Figure 2020101385
上式(10)は、干渉縞信号の位相φ(x)と干渉縞周波数f(x)との関係を示しており、画素間における位相φc(x)の変化dφc(x)/dxは、干渉縞周波数fとリファレンス信号R1,R2の空間周波数frとの差fc(x)に比例する。各画素位置間の干渉縞周波数fとリファレンス信号R1の周波数frとの差のfc(以下、「補正周波数fc」という。)は、位相φcの微分から、次式(11)で表される。
Figure 2020101385
上式(11)より、干渉縞周波数fが距離の関係f(x)となり、そのf(x)は、リファレンス信号R1の空間周波数frに補正周波数fcを加えた式(12)により求まる。
Figure 2020101385
[干渉縞解析装置のコンピュータ構成]
上述した構成を有する干渉縞解析装置12を実現するコンピュータ構成について図3を参照して説明する。
図3に示すように、干渉縞解析装置12は、例えば、バス201を介して接続されるCPU202、主記憶装置203、通信インターフェース204、補助記憶装置205、入出力装置206を備えるコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。干渉縞解析装置12は、外部に設けられた光学系10、リニアイメージセンサなどの光検出器11、および表示装置16がそれぞれバス201を介して接続されている。
主記憶装置203には、CPU202が各種制御や演算を行うためのプログラムが予め格納されている。CPU202と主記憶装置203とによって、図2に示した位相算出部127や干渉縞周波数算出部128を含む干渉縞解析装置12の各機能が実現される。
通信インターフェース204は、通信ネットワークNWを介して各種外部電子機器との通信を行うためのインターフェース回路である。
通信インターフェース204としては、例えば、LTE、3G、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの無線データ通信規格に対応した演算インターフェースおよびアンテナを用いることができる。
補助記憶装置205は、読み書き可能な記憶媒体と、その記憶媒体に対してプログラムやデータなどの各種情報を読み書きするための駆動装置とで構成されている。補助記憶装置205には、記憶媒体としてハードディスクやフラッシュメモリなどの半導体メモリを使用することができる。
補助記憶装置205は、光検出器11により検出された干渉縞を示すデータを記憶する記憶領域や、干渉縞解析装置12が干渉縞の解析処理を行うためのプログラムを格納するプログラム格納領域を有する。さらには、例えば、上述したデータやプログラムなどをバックアップするためのバックアップ領域などを有していてもよい。
入出力装置206は、光学系10、光検出器11や表示装置16など外部機器からの信号を入力したり、外部機器へ信号を出力したりするI/O端子により構成される。
ここで、補助記憶装置205のプログラム格納領域に格納されているプログラムは、本明細書で説明する干渉縞の解析処理の順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよく、並列に、あるいは呼び出しが行われたときなどの必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。また、プログラムは、1つのコンピュータにより処理されるものでもよく、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。
また、図1で説明した距離算出器13は、上述の干渉縞解析装置12と同様のコンピュータにより実現することができる。また、図1で説明した距離測定装置1についても、同様のコンピュータによって実現することができる。距離算出器13と干渉縞解析装置12とは、同一のコンピュータで構成されていてもよい。
[光学系の構成]
次に、本実施の形態に係る光学系10について図4を参照して説明する。
光学系10は、光源101、光源レンズ102、ビームスプリッタ103、回折光学素子104、および集光レンズ105を備える。光学系10によって生成された干渉縞は、光検出器11の検出面110で検出され、干渉縞解析装置12に入力される。
光源101と、光源レンズ102と、ビームスプリッタ103とは、光源101から出射される光を測定対象Tに集光して照射する照射光学系を構成する。
光源101は、距離測定に用いる単一波長の光(単色光)を発する装置である。光源101としては、半導体レーザ装置、ナトリウムランプのような単色光や、白色光源と狭帯域バンドパスフィルタにより単一波長化された光を発する装置を用いることができる。
光源レンズ102は、光源101から出射された光を集光してビームスプリッタ103へ出射する。
ビームスプリッタ103は、集光学系の光路O上に配置されて、光源レンズ102で集光された光源101からの光を反射して、光路Oに沿って測定対象Tの光スポットAに照射する。また、ビームスプリッタ103は、光スポットAで拡散反射された反射光のうち、光路O方向に反射された反射光を回折光学素子104に入射させる。
回折光学素子104は、光路O上に配置され、ビームスプリッタ103を透過した測定対象Tからの反射光が入射される。回折光学素子104は、予め設定された回折特性により入射光を制御し、入射光の位相を変えて回折特性に基づく、予め設定された2つの次数の回折光のみを出射する。
より詳細には、回折光学素子104は、凹凸構造が2次元に、かつ周期的に配列された回折格子で構成される。本実施の形態では、回折光学素子104として、透過型の位相回折格子を用いる場合について説明するが、反射型の位相回折格子を用いてもよい。
回折光学素子104は、石英やZnSeなどの光学基板表面に微細な凹凸構造が形成され、凹凸構造による光の回折現象を利用して入射光の強度分布を所望の分布に整形することができる素子である。より具体的には、回折光学素子104は、必要とされる次数の回折光、例えば、±1次の回折光のみを出力し、その他の不要な次数の回折光を出射しないことができる。
回折光学素子104は、凹凸構造が、例えば、正弦波形状の断面形状を有していてもよい。正弦波形状の断面形状を有することにより、回折光学素子104は、±1次の回折光のみを出射し、高次の回折光を除去することができる。
また、本実施の形態に係る回折光学素子104は透過型の位相回折格子であるので、0次の回折光を除去するために、正弦波形状が有する山と谷との段差Dは、光路長で次の式(13)を満たす構成とすることができる。
D=n(m+1/2)λ・cosφ ・・・(13)
上式(13)において、nは回折光学素子104の材質の屈折率、mは整数(m=0,±1,・・・)、λは、光源101から出射される光の波長、φは回折光学素子104における任意の入射角を示す。
一方、回折光学素子104として反射型の位相回折格子を用いる場合、正弦波形状が有する山と谷との段差Dは、光路長で次の式(14)を満たす構成とすることができる。
D=(m+1/2)λ・cosφ/2 ・・・(14)
上式(14)において、mは整数(m=0,±1,・・・)、λは、光源101から出射される光の波長、φは回折光学素子104における任意の入射角を示す。
なお、上式(13)および(14)において、位相では、πとなるような段差Dを設計すればよい。すなわち、回折光学素子104から出射される回折光の位相が互いに逆位相となることにより打ち消し合い、0次の回折光が除去されることになる。
また、回折光学素子104である位相型格子の格子周期dは、光源101の光の波長λに比べて十分に大きく、例えば、d>10λ程度とする。これにより、位相型格子として実用に足る構成とすることができる。
上記の条件のもと、例えば、±1次の回折光を得るためには、所望の次数の出射光の分布を逆フーリエ変換した空間的な光路分布に基づいて回折光学素子104の格子形状を設計すればよいことになる。
集光レンズ105は、回折光学素子104による2つの次数の回折光を集光させる。本実施の形態では、集光レンズ105は、例えば凸レンズからなり、光路O上に配置されて、回折光学素子104から出射される2つの次数の回折光を結像面Fに集光させる。
光検出器11は、回折光学素子104から出射された2つの次数の回折光により発生した干渉縞を検出し、検出結果を出力する。より詳細には、光検出器11は、検出面110を有し、この検出面110において干渉縞を検出する。
[距離測定の原理]
次に、本発明に係る距離測定装置1における距離測定の原理について、図5から図8を参照して説明する。
なお、図5では、光学系10のうち、集光学系のみを要部として示し、投影光学系については省略している。また、図5から図8において、位相回折格子で構成される回折光学素子104における格子の一方の長手方向(紙面垂直方向)をX方向とし、格子の他方の長手方向(紙面上下方向)をY方向とし、格子面に垂直な方向(紙面左右方向)をZ方向とする。
また、本来、レンズには光の入射方向に応じて2つの主点があり、それぞれの位置が異なるが、以下では、数式の複雑化を避けるため、集光レンズ105が薄肉単レンズからなり、主点がレンズ中心に1つだけ存在すると仮定して、各式を導出した。
図5に示すように、測定対象Tから主点Mすなわち集光レンズ105の位置までの対物距離をaとし、主点から結像面Fまでの距離をbとし、集光レンズ105の焦点距離をfとした場合、これらの関係は、結像の公式(レンズの公式)により、次の式(15)で表される。
Figure 2020101385
上式(15)からも分かるように、集光レンズ105から測定対象Tまでの対物距離aの変化に応じて、結像面Fの位置も変化するものとなる。
また、図6に示すように、回折光学素子104に形成された凹凸構造の間隔、すなわち格子周期をdとし、回折次数をk(k=0,±1,±2,・・・)とし、光源101の波長をλとし、各回折光の回折角θkとする。この場合、隣接する回折光間の光路差ΔLは、次の式(16)で表される。
Figure 2020101385
さらに、図7に示すように、回折光学素子104から出射された回折光は、集光レンズ105により、結像面F上のY方向に複数の光スポットを形成する。ここで、異なる2つの次数k,k’の回折光の回折角をθk,θk’とし、これら回折光による光スポットをAk,Ak’とし、光軸と結像面が交わる点A0から光スポットAk,Ak’までのY方向に沿った距離をW1,W2とした場合、これら光スポットAk,Ak’のY方向のずれ幅Wは、次の式(17)で表される。
Figure 2020101385
ここで、上式(17)において、実際の回折光学素子104における凹凸構造の格子周期dは、kλ,k’λに比べて十分大きく、kλ/dおよびk’λ/dが十分小さい値となるため、式(17)は次の式(18)のように近似される。
Figure 2020101385
一方、図8に示すように、結像面F上の光スポットAk,Ak’の光スポット間隔をWとし、光スポットAk,Ak’からの回折光が光検出器11の検出面110に到達した到達点をVとする。また、光スポットAk,Ak’の中間点からZ方向に伸ばした線と光検出器11の検出面110とが交わる点をV0とし、検出面110上でY方向に沿ったV0からVまでの距離をPとする。結像面Fから検出面110までの距離をcとした場合、光スポットAkから到達点Vへの回折光の光路長Lkは三平方の定理により求められる。しかし、距離cに比較して光スポット間隔Wと距離Pとが十分小さいため、次の式(19)のように近似できる。
Figure 2020101385
また、光スポットAkから到達点Vへの回折光の光路長Lk’も、光路長Lkと同様にして、次の式(20)のように近似できる。
Figure 2020101385
したがって、これら光路長Lk,Lk’の光路差ΔLは、次の式(21)で求められる。検出面110上では、この光路差ΔLにより干渉縞が生ずる。より具体的には、光路差ΔLが光の波長λの整数j(jは、0以上の整数)倍となる場合、検出面110において明線が生じる。
Figure 2020101385
ここで、検出面110上に生じた各明線のうち、隣接する明線の間隔が干渉縞ピッチpとなり、式(21)のj=1の場合に相当する。よって、光検出器11の検出面110上に生じた干渉縞の干渉縞ピッチpは、式(21)を変形することにより、次の式(22)で求められる。
Figure 2020101385
この際、光スポット間隔Wは式(18)で求められているため、これを式(22)に代入すれば、式(23)となる。
Figure 2020101385
さらに、回折次数k,k’の次数差をΔkとし、集光レンズ105の主点から結像面Fまでの距離bと、結像面Fから検出面110までの距離cを、集光レンズ105の主点から検出面110までの距離Lで置換する。この場合、式(23)は、次の式(24)となる。
Figure 2020101385
したがって、干渉縞ピッチpは、集光レンズ105の主点から検出面110までの距離Lに依存する関数で求められることが分かる。
この際、集光レンズ105の主点から結像面Fまでの距離bは、前述した式(15)に示したように、測定対象Tから主点Mすなわち集光レンズ105の位置までの対物距離aと、集光レンズ105の焦点距離fとで表される。これより、式(24)は式(25)のように変形できる。
Figure 2020101385
ここで、集光レンズ105の焦点距離f、集光レンズ105の主点から検出面110までの距離L、および回折次数k,k’の次数差Δkは、それぞれ既知の値である。このことから、結果として、干渉縞ピッチpは、測定対象Tから主点Mすなわち集光レンズ105の位置までの対物距離aの関数となることが分かる。そのため、光検出器11の検出面110で検出される干渉縞ピッチpを測定することにより、次の式(26)により、測定対象Tまでの対物距離aを求めることができる。
Figure 2020101385
[距離測定方法]
次に、本実施の形態に係る干渉縞解析装置12を備える距離測定装置1の動作について、図9のフローチャートを参照して説明する。まず、測定対象Tが光学系10の所定の測定領域に配置される。また、設定器14は、外部からの入力により、光源101の光量や露光時間などの初期調整を行う。
その後、光源101から出射された光は、光源レンズ102によって集光されて、ビームスプリッタ103により測定対象Tに向けて照射される(ステップS1)。次に、測定対象Tの表面で反射された光は、ビームスプリッタ103を透過して、回折光学素子104に入射する。回折光学素子104は、予め設定された回折特性により入射光を制御し、入射光の位相を変えてその回折特性に基づく、予め設定された2つの次数の回折光のみを出射する(ステップS2)。
次に、回折光学素子104から出射された2つの次数の回折光は、集光レンズ105によって集光される。そして、2つの次数の回折光により生ずる干渉縞は、光検出器11によって検出される(ステップS3)。
その後、光検出器11は、検出した干渉縞の明暗パターンを示す干渉縞信号を干渉縞解析装置12に入力する。そして、干渉縞解析装置12は、上述した干渉縞の解析の原理に基づく演算を行い、干渉縞を解析して干渉縞周波数を求める(ステップS5)。
次に、距離算出器13は、干渉縞解析装置12によって求められた干渉縞周波数を用いて、上述した距離測定の原理に基づく演算を行い、集光レンズ105から測定対象Tまでの対物距離aを算出する(ステップS6)。
[干渉縞解析方法]
次に、干渉縞解析装置12による干渉縞の解析処理(図9のステップS5)について、図10のフローチャートを参照して説明する。まず、光検出器11によって検出された、例えば、図11に示す干渉縞の明暗パターンは、干渉縞信号として干渉縞解析装置12に入力される。図11に示す干渉縞は、横軸が干渉縞に直行するY方向に沿った画像のピクセル位置[pic]を示し、縦軸が各ピクセル位置における光強度(無単位)である。光検出器11によって検出された干渉縞信号は、ほぼ正弦波形状をなしており、そのピーク位置が明線に相当している。
まず、DCカット部120は、光検出器11によって検出された干渉縞信号の直流成分を除去する(ステップS50)。DCカット部120によって直流成分が除去された干渉縞信号は、ミキサ123,124、および基準信号生成部121にそれぞれ入力される。
次に、基準信号生成部121は、ステップS50で直流成分が除去された干渉縞信号に基づいて、リファレンス信号R1を生成する(ステップS51)。例えば、基準信号生成部121は、干渉縞信号のゼロクロス点に同期した空間周波数frのリファレンス信号R1を生成する。なお、基準信号生成部121は、ステップS50において直流成分が除去される前の干渉縞信号を用いてリファレンス信号R1を生成してもよい。基準信号生成部121によって生成されたリファレンス信号R1はミキサ123、およびπ/2位相シフタ122に入力される。
次に、π/2位相シフタ122は、リファレンス信号R1の位相シフトを行い、π/2位相が変化したリファレンス信号R2を出力する(ステップS52)。その後、ミキサ123,124は、干渉縞信号とリファレンス信号R1,R2との乗算をそれぞれ行う(ステップS53)。
より詳細には、ミキサ123は、直流成分が除去された干渉縞信号と、基準信号生成部121によって生成されたリファレンス信号R1とを乗算して同相成分の第1混合信号Iを出力する。一方、ミキサ124は、直流成分が除去された干渉縞信号と、π/2位相シフタ122によってリファレンス信号R1の位相をπ/2変化させたリファレンス信号R2とを乗算し、直交成分の第2混合信号Qを出力する。第1混合信号Iおよび第2混合信号Qは、ともに干渉縞周波数fとリファレンス信号R1,R2の空間周波数frとの和の周波数成分(f+fr)、および差の周波数成分(f−fr)を含んでいる。
その後、ミキサ123,124のそれぞれによって2つの信号が掛け合わされた第1混合信号Iおよび第2混合信号Qは、LPF125,126にかけられる。LPF125,126は、第1混合信号Iおよび第2混合信号Qに含まれる低周波成分を選択的に通過させた信号I’,Q’を出力する(ステップS54)。より詳細には、LPF125,126のそれぞれは、第1混合信号Iおよび第2混合信号Qのそれぞれから、干渉縞周波数fとリファレンス信号R1,R2の空間周波数frとの和の周波数成分を除去し、差の周波数成分を通過させる。
次に、位相算出部127は、LPF125,126から入力される信号I’,Q’に基づいて、干渉縞信号の位相を求める(ステップS55)。より詳細には、位相算出部127は、上述した式(10)を用いてQ’/I’の逆正接をとり、光検出器11の検出面110に配列されたi画素位置での干渉縞信号の位相φ(i)を算出する。
また、位相算出部127は、ステップS55において隣接画素の位相差に基づいて位相接続を行う。Q’/I’の逆正接は、信号I’,Q’の正負を加味しても2π周期で不連続となり、i画素位置での干渉縞信号の位相φ(i)は−π〜πの間に畳み込まれた値となる。そのため、位相算出部127は、隣接画素間の位相の値に2πの位相とびがある場合に、2πの整数倍を加減して位相接続を行う。例えば、隣接画素間の位相差を求め、その位相差が予め設定されている位相のしきい値を超えている場合に、位相接続を行う構成としてもよい。このように、位相算出部127は、位相接続された位相分布における干渉縞信号の位相φ(i)を求める。
次に、干渉縞周波数算出部128は、位相算出部127によって算出された位相に基づいて干渉縞信号の平均周波数を求める(ステップS56)。より詳細には、干渉縞周波数算出部128は、上述した式(1)によりi画素位置での補正された干渉縞周波数f(i)を算出する。さらに、干渉縞周波数算出部128は、式(2)を用いて干渉縞信号の平均周波数を求める。
このように、干渉縞信号の画素の位置間での位相変化により求めた補正周波数fc(i)をリファレンス信号R1,R2の周波数frに加算することにより、より高精度な干渉縞周波数を得ることができる。また、干渉縞周波数の平均周波数を求めることにより、収差による影響が低減された干渉縞周波数を得ることができる。
その後、処理は図9のステップS6に戻り、距離算出器13によって干渉縞信号の平均周波数に基づいた対物距離aが算出される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、干渉縞解析装置12は、干渉縞信号と、リファレンス信号R1,R2とをそれぞれ混合し、LPF125,126によってこれら2つの信号の周波数の和の周波数成分を除去した同相成分の信号I’と直交成分の信号Q’を用いて、i画素およびi+1画素の位置での位相を求める。さらに、干渉縞解析装置12は、各画素位置での位相を空間で微分することで、干渉縞信号の補正周波数を求める。そのため、リニアイメージセンサなどの受光素子の配列における設計上の制限を受けずに、より高精度かつ高分解能な干渉縞周波数を得ることができる。
また、本実施の形態に係る干渉縞解析装置12によれば、互いに直交するリファレンス信号R1,R2を用いて干渉縞信号の位相を求めるので、干渉縞解析装置12の構成をより簡略化することができる。
また、本実施の形態に係る距離測定装置1によれば、高精度かつ高分解能な干渉縞周波数を用いるので、対物距離aの測定精度を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る距離測定装置1によれば、測定対象Tから反射される反射光を入射光として、入射光の位相を変えて予め設定された2つの次数の回折光のみを出射する回折光学素子104を有するので、スペイシアルフィルタを不要とし、より簡素化された光学系10を用いて対物距離aを測定することができる。
また、回折光学素子104は、予め設定された2つの次数の回折光のみを出射するため、従来の振幅型の回折格子を用いた技術では必要とされた、フーリエ変換を行うためのレンズも不要となる。そのため、距離測定装置1は、フーリエ変換面の位置にスペイシアルフィルタを設置するためなどの光学系における精密な位置調整を行うことなく、対物距離aを測定することができる。
また、本実施の形態に係る距離測定装置1は、回折光学素子104において、入射光の一部を遮断することなく回折光を出射する。そのため、振幅型の回折格子を用いた場合と比較して、本実施の形態に係る距離測定装置1は、所望の次数の回折光に対してより高い回折効率が得られる。その結果として、より信号強度の強い光を用いて距離測定を行うことができる。
なお、説明した実施の形態では、レーザ光などの光の反射光によって生ずる干渉縞の周波数を求める場合について説明したが、X線など、可視光、紫外線、および赤外線以外の電磁波の干渉計測を行うこともできる。この場合、光学系10はミラーなどを有する反射光学系で構成することができる。また、光検出器11は、例えば、シンチレータなどを用いて構成することができる。
また、説明した実施の形態では、位相算出部127がi画素位置における位相φ(i)を算出し、干渉縞周波数算出部128が位相変化、すなわち位相の微分を行って干渉縞信号を補正した干渉縞周波数f(i)を求める場合について説明した(式(1))。このとき、位相算出部127は、例えば、算出したi画素位置での位相φ(i)について、光学系10に起因した収差による干渉縞の影響を補正してもよい。
また、説明した実施の形態では、対物距離aを測定する場合について説明したが、干渉縞解析装置12によって算出された干渉縞周波数に基づいて、測定対象Tの形状や変位を測定してもよい。
また、説明した実施の形態では、距離測定装置1は、集光レンズ105を備え、収束光を構成する場合について説明した。しかし、距離測定装置1は、結像面Fにおいてフーリエ変換面を構成する必要はないため、集光レンズ105の代わりに、平行光や発散光を生成するレンズを用いてもよい。
また、集光レンズ105を用いずに、回折光学素子104から出射される2つの次数の回折光により発生する干渉縞を、直接的に、光検出器11で検出する構成を採用してもよい。この場合、距離測定装置1は、対物距離aとして、光検出器11の検出面110から測定対象Tまでの距離を測定する。
また、説明した実施の形態に係る距離測定装置1において、回折光学素子104と光検出器11との間の光路O上に、回折光学素子104の回折方向と光軸に直交する方向に2つの次数の回折光を集光する手段を設けてもよい。集光手段としては、例えば、光の屈折を利用したシリンドリカルレンズや、反射鏡などが挙げられる。また、回折光学素子104自体にレンズの機能を設け、集光手段を構成してもよい。このような集光手段をさらに備えることで、距離測定装置1において、回折光の信号強度をより大きくさせることが可能となる。
また、説明した実施の形態に係る距離測定装置1は、位相回折格子で構成される回折光学素子104を備える場合について説明した。しかし、回折光学素子104は、位相回折格子に限られず、例えば、空間光変調器を用いることができる。
空間光変調器は、例えば、液晶層と、その液晶層の表面に沿って配置された複数の電極を有し、複数の電極のそれぞれから液晶層に個別に電圧を印加して、液晶層を入射する入射光に対して位相変調を行い、予め設定された2つの次数の回折光のみを出射する。空間光変調器を用いることにより、出射する2つの回折光の次数を用途に応じて可変とすることができる。
なお、ここで開示された実施の形態に関連して記述された機能ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、GPU、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、FPGAあるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートあるいはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、または上述した機能を実現するために設計された上記いずれかの組み合わせを用いて実行されうる。
汎用プロセッサとしてマイクロプロセッサを用いることが可能であるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、あるいは状態機器を用いることも可能である。プロセッサは、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに接続された1つ以上のマイクロプロセッサ、またはこのような任意の構成である計算デバイスの組み合わせとして実現することも可能である。
以上、本発明の干渉縞解析装置、干渉縞解析方法、および距離測定装置における実施の形態について説明したが、本発明は説明した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に記載した発明の範囲において当業者が想定し得る各種の変形を行うことが可能である。
1…距離測定装置、10…光学系、11…光検出器、12…干渉縞解析装置、13…距離算出器、14…設定器、15…記憶装置、16…表示装置、101…光源、102…光源レンズ、103…ビームスプリッタ、104…回折光学素子、105…集光レンズ、110…検出面、120…DCカット部、121…基準信号生成部、122…π/2位相シフタ、123,124…ミキサ、125,126…LPF、127…位相算出部、128…干渉縞周波数算出部、201…バス、202…CPU、203…主記憶装置、204…通信インターフェース、205…補助記憶装置、206…入出力装置、NW…通信ネットワーク、T…測定対象、F…結像面、a…対物距離、p…干渉縞ピッチ。

Claims (8)

  1. 光検出器によって検出された干渉縞の明暗パターン示す干渉縞信号と所定の基準周波数からなる第1基準信号とを混合して第1混合信号を生成する第1ミキサと、
    前記干渉縞信号と、前記第1基準信号に対してπ/2の位相差を有する第2基準信号とを混合して第2混合信号を生成する第2ミキサと、
    前記第1混合信号および前記第2混合信号のそれぞれに含まれる低周波成分を選択的に通過させるフィルタと、
    前記フィルタを通過した前記第1混合信号と前記第2混合信号とに基づいて前記干渉縞信号の位相を算出する位相算出部と、
    算出された前記干渉縞信号の位相に基づいて前記干渉縞の空間周波数を示す干渉縞周波数を算出する周波数算出部と
    を備えることを特徴とする干渉縞解析装置。
  2. 請求項1に記載の干渉縞解析装置において、
    前記第1基準信号を生成する基準信号生成部と、
    前記第1基準信号の位相をπ/2シフトして前記第2基準信号を生成する位相シフタと
    をさらに備えることを特徴とする干渉縞解析装置。
  3. 請求項2に記載の干渉縞解析装置において、
    前記基準信号生成部は、前記干渉縞信号のゼロクロス点を検出し、そのゼロクロス点に同期した空間周波数を有する前記第1基準信号を生成することを特徴とする干渉縞解析装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の干渉縞解析装置において、
    前記干渉縞信号に含まれる直流成分を除去するDCカット部をさらに備えることを特徴とする干渉縞解析装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の干渉縞解析装置において、
    前記光検出器は、所定の方向に配列された複数の画素を含む受光面を有し、
    前記位相算出部は、前記複数の画素のそれぞれの位置での前記干渉縞信号の位相を算出し、
    前記周波数算出部は、算出された前記位相から前記複数の画素のそれぞれの位置における前記干渉縞周波数と前記基準周波数との差を補正周波数として算出し、前記基準周波数と前記補正周波数とに基づいて、前記干渉縞周波数を求める
    ことを特徴とする干渉縞解析装置。
  6. 請求項5に記載の干渉縞解析装置において、
    前記周波数算出部は、算出した前記複数の画素のそれぞれの位置における前記干渉縞信号の前記干渉縞周波数と、前記光検出器の画素同士の間隔を示す画素ピッチと、前記光検出器の画素数とを用いて前記干渉縞信号の平均周波数を算出する
    ことを特徴とする干渉縞解析装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の干渉縞解析装置と、
    光源からの光を測定対象に集光させて照射する照射光学系と、
    前記測定対象から反射される反射光を入射光として、前記入射光の位相を変えて予め設定された2つの次数の回折光を出射する回折光学素子と、
    を有する光学系と、
    前記回折光学素子から出射された前記2つの次数の回折光により生じた干渉縞を検出する光検出器と、
    前記干渉縞解析装置によって求められた干渉縞周波数に基づいて、前記光検出器から前記測定対象までの対物距離を算出する距離算出器と
    を備えることを特徴とする距離測定装置。
  8. 光検出器によって検出された光の干渉縞を示す干渉縞信号と所定の基準周波数からなる第1基準信号とを混合して第1混合信号を生成する第1ステップと、
    前記干渉縞信号と、前記第1基準信号に対してπ/2の位相差を有する第2基準信号とを混合して第2混合信号を生成する第2ステップと、
    前記第1混合信号および前記第2混合信号のそれぞれに含まれる低周波成分をフィルタによって選択的に通過させる第3ステップと、
    前記フィルタを通過した前記第1混合信号と前記第2混合信号とに基づいて前記干渉縞信号の位相を算出する第4ステップと、
    算出された前記干渉縞信号の位相に基づいて前記干渉縞信号の空間周波数を示す干渉縞周波数を算出する第5ステップと
    を備えることを特徴とする干渉縞解析方法。
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