JP2020100606A - 発泡性化粧品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 二酸化炭素の経皮吸収性能、防湿性、水溶性及び経済性に優れた、一剤である発泡性化粧品を提供する。【解決手段】 クエン酸、フマル酸、リンゴ酸及びコハク酸の少なくとも1種類の有機酸と炭酸水素ナトリウムと、平均分子量2000以上8000以下であるポリエチレングリコールとを含有する、厚さ5mm以下、硬度3.0KN以上24.0KN以下の成形体であり、有機酸1重量部に対して、炭酸水素ナトリウムを0.7重量部〜1.5重量部かつポリエチレングリコールを0.08重量部〜0.20重量部をそれぞれ含有する発泡性化粧品とした。【選択図】 図1
Description
本発明は、二酸化炭素の経皮吸収性能に優れた発泡性化粧品に関する。
遊離炭酸(HCO3 -[炭酸水素イオン]の状態で、水中に溶解している炭酸ガス成分)を含有する炭酸泉に入浴することにより、当該炭酸泉内の炭酸成分が皮膚下の毛細血管に作用して当該毛細血管を拡張させ、血行が改善されることで、入浴者の疲労回復や健康増進が図られることが広く知られている。この性質を利用するために、有機酸と炭酸水素イオン含有固形剤を入浴時に溶解させ、一般家庭用に開発された人工炭酸泉として使用する試みがなされている(非特許文献1)。
上記効果を適用した化粧品類として、有機酸及び無機酸の少なくとも一方を含む第1剤と、 炭酸塩を含む第2剤と、を備え、上記第1剤と上記第2剤を混合して二酸化炭素を発生させる頭皮マッサージ用化粧料であって、上記第1剤及び上記第2剤の少なくとも一方は、炭素数が10〜30の高級アルコール、及びノニオン界面活性剤を含む乳化物であり、上記第1剤と上記第2剤の混合後におけるpHが4.0〜8.0であり、粘度が3000〜50000mPa・sである、頭皮マッサージ用化粧料が存在している(特許文献1)。
また、重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)に対し1/50から1/5のポリエチレングリコールを添加し、流動層造粒機で造粒した造粒物Aに対し、有機酸とポリエチレングリコールの混合物Bを、1/20から1/3の量比で混合して圧縮成型した錠剤において、錠剤硬度が15KN以上であることを特徴とする錠剤が存在している(特許文献2)。
また、上記と類似の効果を目的とする有機酸と炭酸塩を原材料とするブリケット状の固形浴用剤が存在している(特許文献3)。
萬秀憲等著,人工炭酸泉浴に関する研究(第1報)炭酸泉の有効炭酸濃度について,日本温泉気候物理医学会雑誌 第47巻3・4号,1984年5月
しかし、特許文献1の技術では、第一剤と第二剤の混合液の粘度が3000mPa・S〜5000mPa・Sと高く、当該混合液の流動性が悪いため、炭酸ガスの経皮吸収効率が悪いという問題を有していた。
また、特許文献2に記載の技術では、使用する前に少ない水道水に溶解させて洗顔を試みた場合には、35℃以下(体温以下)の水道水に完全に溶解せず、不溶解物が残ってしまう。そのため、顔の血行を促進しながら洗顔による顔の汚れ(特に古い角質)の除去、及び新陳代謝を促進する事による肌状態の回復を図るという本来の目的を充分に発揮させことができないという問題点を有していた。
また、特許文献3に記載の技術を使用して、ブリケット状の固形浴用剤を製造するためには、複数の原材料を加圧する必要があり、その際には、圧力及び混合材料の摩擦により発熱する。一方、原材料(特に、水溶性原材料及び結晶水を有する物質)は、多少の水分を含水しているため、加圧時には、原材料中の水分により、固体である原材料の一部が液状化し、有機酸と炭酸塩による中和反応が生じてしまい、変質してしまう場合や、ブリケット固形剤の形状を維持できず、ブリケットが崩壊してしまう場合がある。さらには、使用時において、水溶させる際に、有機酸と炭酸塩のバランスが相違し、水溶液に溶解する二酸化炭素量が安定せず、品質についても課題が生じてしまう。
上記の理由により、有機酸と炭酸塩を主成分とする成形体を錠剤等の一剤で形成することが難しいことから、簡易に提供するためには、特許文献1に示されている二剤とせざるを得ないこととなり、包装や保管が煩雑である等の問題点を有していた。また、製造時には、現在量の付着が発生するため、特殊なブリケッタ装置が必要であり、製造コストが高くなってしまうという問題点を有していた。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、二酸化炭素の経皮吸収性能、防湿性、水溶性及び経済性に優れた、一剤である発泡性化粧品を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸及びコハク酸のうちの少なくとも1種類の有機酸と、炭酸水素ナトリウムと、平均分子量2000以上8000以下(好ましくは4000〜6000)であるポリエチレングリコールとを含有する、厚さ5mm以下、硬度3.0KN以上24.0KN以下(好ましくは、5.0KN以上15.0KN未満)の成形体であり、上記有機酸1重量部に対して、上記炭酸水素ナトリウムを0.7重量部〜1.5重量部かつ前記ポリエチレングリコールを0.08重量部〜0.20重量部をそれぞれ含有することを特徴とする発泡性化粧品(以下、「本発泡性化粧品」という場合がある。)を提供するものである。
本発泡性化粧品では、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸及びコハク酸のうちの少なくとも1種類の有機酸を含有する必要がある。この場合において、クエン酸は、有機酸中において、キレート効果が特に高く、炭酸ガスが経皮吸収される際に、皮膚の古い角質を溶解させる効果を著しく良好に奏することから、特に好適である。
また、硬度とは、錠剤の硬度試験に準じた方法により計測した値であり、所定形状(直径5mm×最大厚み4mm)に形成された供試体を用い、厚さ方向(供試体の高さ方向)に一軸状態で圧縮力を加え、供試体が圧縮破壊した際における圧縮力(圧縮破壊強度)の値である(単位は、KN)。また、硬度は、一般的な、硬度計(例えば、実施例で使用した高度計ひずみゲージ式ロードセルを用いた硬度計)により計測することができる。
さらに、成形体は、ブリケット状及び錠剤状等、その形状等は問わないが、ブリケット状とすることが硬度及び生産性の点から好適である。
本発泡性化粧品は、有機酸、炭酸水素ナトリウム及適量のポリエチレングリコールを上記混合割合とした上で、成形加工することにより、成形時において原材料を加圧した場合において、加圧体の表層部にポリエチレングリコールが滲出し、当該表層部を被覆することになる。そのため、表面温度が低下しながら固化することで発熱を防止するとともに、有機酸と炭酸塩の摩擦を防止することが可能となり、両者の中和反応を抑制することができる。したがって、防湿性を向上させることができ、保存性に優れた一剤の発泡性化粧品とすることができる。
また、上記配合割合とすることにより、水溶性を有するポリエチレングリコールの作用により、低温時においても容易に、医療療効果のある炭酸泉に相当する1000ppm以上の濃度の水溶液とすることが可能となる。
また、本発泡性化粧品において、上記発泡性化粧品の全体量の100重量部に対し、付着防止剤を0.1重量部〜1.0重量部(より好ましくは、0.3重量部〜0.6重量部)含有することが好適である。
上記付着防止剤は、界面活性剤の中で、取扱容易性(粉砕容易であり、微粒子化が可能であること)を有すること、混合性能が良好であること、発泡性が少ないこと、安全性を有することが必要であることから、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム、n−ヘキサンスルフォン酸ナトリウム、テトラデセンスルフォン酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステルの化合物のうちの少なくとも1種類を単体若しくは複数種類、混合して用いることが好適である。特に、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム及びn−ヘキサンスルフォン酸ナトリウムを用いることが好ましい。
本発泡性化粧品によれば、付着防止剤の作用により、成形時において、成形装置に組成物が付着することを防止することができ、生産性及び経済性を向上させることができる。
また、本発泡性化粧品の配合により、容易に、上記明度(L*)80以上、彩度(C*)が10.0以下とすることが可能となり、表層部がポリエチレングリコールで被覆された凹凸のない成形体とすることができることから、容易に美感を向上させることができるため好適である。
なお、明度(L*)及び彩度(C*)は、「JIS Z8781−4」において定義されるL*a*b*色空間色度図の座標として、定量的に特定される値である。
C*=√{(a*)2+(b*)2}
a*:赤紫と青緑方向の成分である色度
b*:黄と青方向の成分である色度
C*=√{(a*)2+(b*)2}
a*:赤紫と青緑方向の成分である色度
b*:黄と青方向の成分である色度
本発明によれば、二酸化炭素の経皮吸収性能、防湿性、水溶性及び経済性に優れた、一剤である発泡性化粧品を提供することができる。
以下、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明の実施形態は、例示した実施形態に限定されるものでない。
[本発泡性化粧品の基本的な考え方]
遊離炭酸が水に溶解した場合には、下記反応式1に示す平衡反応を有する。
この平衡反応は、pHにより影響を受けることになるが、水溶液がアルカリ性であるほど、遊離炭酸を水溶液中に保持することが可能となる。しかし、遊離炭酸の状態では経皮吸収されにくく、天然炭酸泉と同様の効果を得ることは難しくなる。
遊離炭酸が水に溶解した場合には、下記反応式1に示す平衡反応を有する。
この平衡反応は、pHにより影響を受けることになるが、水溶液がアルカリ性であるほど、遊離炭酸を水溶液中に保持することが可能となる。しかし、遊離炭酸の状態では経皮吸収されにくく、天然炭酸泉と同様の効果を得ることは難しくなる。
[反応式1]
経皮吸収のメカニズムは、酸性(pH7未満)である人間の皮膚におけるバリア層(以下、「皮膚バリア層」という。)の近傍において、遊離炭酸が二酸化炭素に変化し、当該二酸化炭素が吸収されることで実現されることになる(経皮吸収させることができる二酸化炭素は、遊離炭酸が皮膚バリア層の近傍において変化することにより発生した二酸化炭素である。このことは、空気中に存在する二酸化炭素が経皮吸収され難いことに鑑みても、経験的に理解されうる)。
上記前提の下、本発明者は、構成材料の配合割合を変化させて成形体を作成し、その性状変化を確認する実験を繰り返すことにより、成形体とした場合であっても、適切に変質を防止することができる配合割合を見出し、本発泡性化粧品を開発するに至った。
[本発泡性化粧品の構成物質等]
本発泡性化粧品は、有機酸と、炭酸水素ナトリウムと、ポリエチレングリコールと、付着防止剤を主要構成材料(構成物質)として含有することで、上記目的を実現している。以下に、その構成材料等について詳細に説明する。
本発泡性化粧品は、有機酸と、炭酸水素ナトリウムと、ポリエチレングリコールと、付着防止剤を主要構成材料(構成物質)として含有することで、上記目的を実現している。以下に、その構成材料等について詳細に説明する。
(1)有機酸及び炭酸水素ナトリウム
有機酸は、炭酸水素ナトリウムを中和し、二酸化炭素の発泡を有効に生じさせる役割を担うとともに、水溶した場合において、皮膚の洗浄効果や、皮膚の柔軟性を保持する効果などを発揮させる役割を担うための成分であり、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸及びコハク酸のうちの一種類又は複数種類の物質を用いることができる。
美容効果等は有機酸の種類によって差異があるが、クエン酸は他の有機酸と比較して、著しく大きな反応性を有し、発泡性能が高いため最も好適である。
有機酸は、炭酸水素ナトリウムを中和し、二酸化炭素の発泡を有効に生じさせる役割を担うとともに、水溶した場合において、皮膚の洗浄効果や、皮膚の柔軟性を保持する効果などを発揮させる役割を担うための成分であり、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸及びコハク酸のうちの一種類又は複数種類の物質を用いることができる。
美容効果等は有機酸の種類によって差異があるが、クエン酸は他の有機酸と比較して、著しく大きな反応性を有し、発泡性能が高いため最も好適である。
(2)ポリエチレングリコール
ポリエチレングリコールは、公知のとおり、酸化エチレンを重合して得られる物質であり、水溶性、不揮発性及び粘性を有する物質である。本発泡性化粧品における、同物質の機能は、有機酸及び炭酸水素ナトリウム等の構成材料を結合する結合剤(バインダ)、成形体の表層部の被覆、及び炭酸水素ナトリウムの水への溶解を促進させる作用等の重要な役割を担っている。
ポリエチレングリコールは、公知のとおり、酸化エチレンを重合して得られる物質であり、水溶性、不揮発性及び粘性を有する物質である。本発泡性化粧品における、同物質の機能は、有機酸及び炭酸水素ナトリウム等の構成材料を結合する結合剤(バインダ)、成形体の表層部の被覆、及び炭酸水素ナトリウムの水への溶解を促進させる作用等の重要な役割を担っている。
すなわち、ポリエチレングリコールは、混合時には微粒子であるが、加圧すると一部が液体となり、成形体の表層部に滲出して個体となり、当該表層部に被覆膜を形成し、防湿性を向上させる作用を有する。
また、上記過程において、加圧力と配合量に応じて、一部は成形体の内部で移動しながら、炭酸水素ナトリウムの表層に付着し、有機酸と炭酸水素ナトリウムとが直接的に接触することを防止する作用を有する。このとき、ポリエチレングリコールの分量が多く、炭酸水素ナトリウムとの付着性が高くなる(両物質における付着が点での付着から面的な付着に移行する)ほど、水溶性を有するポリエチレングリコールの作用により、炭酸水素ナトリウムが水溶し易くなる。
上記ポリエチレングリコールは、加圧力と含有量に応じて、上記作用の程度が異なってくる。すなわち、同物質の含有量が少ない場合には、充分に被覆膜を形成できなくなる。しかし、過剰な含有量であり、加圧力が大きい場合(成形体の硬度24.0KN超)には、被覆膜が厚くなりすぎ、使用時の溶解性を阻害し、期待する効果を奏させるために必要となる濃度の水溶液を作成することができなくなる。
また、所望のポリエチレングリコールの含有量を有する場合であっても、加圧力が小さい場合(成形体の硬度が3.0KN未満)には、ポリエチレングリコールの変質が小さいため、流動しないことになる。
また、所望のポリエチレングリコールの含有量を有する場合であっても、加圧力が小さい場合(成形体の硬度が3.0KN未満)には、ポリエチレングリコールの変質が小さいため、流動しないことになる。
上記に鑑み、本発泡性化粧品では、ポリエチレングリコールに関して、所定の効果を発揮させるために過不足ない後記の配合割合とし、成形時に所定圧力(成形体の硬度が3.0KN〜24.0KN(好ましくは、5.0KN〜15.0未満)とすることが必要となる。
さらに、ポリエチレングリコールは、水溶性、結合剤としての機能性、成形時の取扱容易性・装置への付着性(粘性等)を総合的に考慮すると、平均分子量が2000以上(特に好ましくは、4000以上6000以下であることが好適)8000以下の物質を使用することが好ましいものである。
(3)付着防止剤
付着防止剤は、成形時において、混合材料が成形装置に付着することを防止するために添加される材料である。取扱容易性、粉砕性、少発泡性、安全性及び経済性等を総合的に考慮すると、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム、n−ヘキサンスルフォン酸ナトリウム、テトラデセンスルフォン酸ナトリウム及びショ糖脂肪酸エステルの化合物のうちの少なくとも1種類を単体若しくは複数種類、混合して用いることが好適であり、特に、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム及びn−ヘキサンスルフォン酸ナトリウムを用いることが好適である。
付着防止剤は、成形時において、混合材料が成形装置に付着することを防止するために添加される材料である。取扱容易性、粉砕性、少発泡性、安全性及び経済性等を総合的に考慮すると、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム、n−ヘキサンスルフォン酸ナトリウム、テトラデセンスルフォン酸ナトリウム及びショ糖脂肪酸エステルの化合物のうちの少なくとも1種類を単体若しくは複数種類、混合して用いることが好適であり、特に、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム及びn−ヘキサンスルフォン酸ナトリウムを用いることが好適である。
(4)その他の構成材料
本発泡性化粧品の機能を阻害しない範囲で、化粧品に広く使用されている、増粘剤(ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン類及びグリセリン等)、抗酸化剤(L−アスコルビン酸の他、L−アスコルビン酸塩、L−アスコルビン酸誘導体、エリソルビン酸、エリソルビン酸塩、L−イソアスコルビン酸及びL−イソアスコルビン酸塩)その他の各種添加剤、香料、顔料等を添加することができる。
本発泡性化粧品の機能を阻害しない範囲で、化粧品に広く使用されている、増粘剤(ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン類及びグリセリン等)、抗酸化剤(L−アスコルビン酸の他、L−アスコルビン酸塩、L−アスコルビン酸誘導体、エリソルビン酸、エリソルビン酸塩、L−イソアスコルビン酸及びL−イソアスコルビン酸塩)その他の各種添加剤、香料、顔料等を添加することができる。
(5)混合割合等
本発泡性化粧品は、厚さ5mm以下であり、かつ、硬度3.0KN以上24.0KN以下(好ましくは、5.0KN以上15.0KN未満)であるブリケット状又は錠剤状等の成形体とすることが必要となる(硬度については、課題を解決するための手段の記載参照)。これは、成形体の硬度を3.0KN以上24.0KN以下とするために必要となる、厚さ5mm以下である成形体に作用する成形時の圧力から変換された熱エネルギー量と、上記のとおり溶融するポリエチレングリコール量との最適な割合を検証した結果、下記の配合割合を検出することに成功して定めたものである。
本発泡性化粧品は、厚さ5mm以下であり、かつ、硬度3.0KN以上24.0KN以下(好ましくは、5.0KN以上15.0KN未満)であるブリケット状又は錠剤状等の成形体とすることが必要となる(硬度については、課題を解決するための手段の記載参照)。これは、成形体の硬度を3.0KN以上24.0KN以下とするために必要となる、厚さ5mm以下である成形体に作用する成形時の圧力から変換された熱エネルギー量と、上記のとおり溶融するポリエチレングリコール量との最適な割合を検証した結果、下記の配合割合を検出することに成功して定めたものである。
本発泡性化粧品の効果を得るためには、有機酸1重量部に対して、上記炭酸水素ナトリウムを0.7重量部〜1.5重量部かつ上記ポリエチレングリコールを0.08重量部〜0.20重量部となるような配合割合とすることが必要となる。
また、発泡性化粧品の全体量の100重量部に対し、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム、n−ヘキサンスルフォン酸ナトリウム、テトラデセンスルフォン酸ナトリウム及びショ糖脂肪酸エステルの内の少なくとも1種類を0.1重量部〜1.0重量部含有させることが必要となる。
上記配合割合とした場合には、全炭酸量(炭酸水素イオン、炭酸イオン及び遊離二酸化炭素の総量)を、医療効果のある炭酸泉に相当する1000ppm以上の濃度とすることが可能となる。
なお、本発泡性化粧品は、水溶時に、pH=5.0〜pH=6.8(好ましくは、pH=5.5〜pH=6.5)となるように、公知のpH調整剤等を添加することにより調整する必要があるが、pH調整剤は、炭酸ナトリウム(無水炭酸ナトリウム)を使用することが好適である。
なお、本発泡性化粧品は、水溶時に、pH=5.0〜pH=6.8(好ましくは、pH=5.5〜pH=6.5)となるように、公知のpH調整剤等を添加することにより調整する必要があるが、pH調整剤は、炭酸ナトリウム(無水炭酸ナトリウム)を使用することが好適である。
(6)明度及び彩度
上記配合割合の場合には、明度指標(L*)が80以上100以下、彩度指標(C*)が10.0以下となり、他の着色剤等により着色しない場合には、黄色及び青色が強い色合いとなる(明度及び彩度については、課題を解決するための手段の記載参照)。
上記配合割合の場合には、明度指標(L*)が80以上100以下、彩度指標(C*)が10.0以下となり、他の着色剤等により着色しない場合には、黄色及び青色が強い色合いとなる(明度及び彩度については、課題を解決するための手段の記載参照)。
図1(a)は、本発泡性化粧品の成形体(クエン酸1重量部に対して、上記炭酸水素ナトリウムを1.2重量部、ポリエチレングリコールを0.12重量部含有させ、硬度を6.5KNとしたもの)(以下、「対象成形体」という。)の一例を示す図面代用写真であり、同図(b)に示す比較例の発泡性化粧品の成形体(対象成形体の配合からポリエチレングリコールのみを除いたもの)と比較して、表層部の光沢を視認することができる。
このように、本発泡性化粧品によれば、表層部がポリエチレングリコールで被覆された凹凸のない成形体となる。
このように、本発泡性化粧品によれば、表層部がポリエチレングリコールで被覆された凹凸のない成形体となる。
[本発泡性化粧品の製造方法]
本発泡性化粧品は、上記の構成材料を混合し、公知の混合装置及び成形装置(ブリケッタ装置)等により、所望形状、厚さ及び上記硬度に整形することにより製造することができる。
本発泡性化粧品は、上記の構成材料を混合し、公知の混合装置及び成形装置(ブリケッタ装置)等により、所望形状、厚さ及び上記硬度に整形することにより製造することができる。
例えば、横型ドラムの中に、回動可能であるすき状のショベルが配設されている混合装置と、各々が回動自在である一対のロール機構を備え、当該ロール機構の間に、混合装置から混合材料を供給することにより、混合材料を加圧して、所定形状となるようにブリケット状に成形する成形装置を使用することができる。
この成形装置を用い、全量の炭酸水素ナトリウムと、全量に対して、30重量%〜40重量%のポリエチレングリコールを混合部に入れ、当該材料に、遠心拡散及び渦流作用を起こさせ、三次元流動させるようにして充分に混合撹拌する。次に、その混合物に、全量の有機酸と、ポリエチレングリコールの残量と、付着防止剤を除いたその他原材料を添加し、上記と同様の方法により充分に混合する。最後に、付着防止剤を添加して、充分に混合する。
続いて、混合材料を成形装置のロール機構に送り、所望の形状に成形する。混合装置から成形装置(ロール機構)への混合材料の供給速度及びロール機構の回転速度の少なくとも一方を調節することにより、所望の厚さ、形状及び硬度の成形体を形成することができる。
[本発明の作用効果]
本発泡性化粧品によれば、有機酸及び炭酸水素ナトリウムに、上記適量のポリエチレングリコールを添加することにより、成形時において構成材料を加圧した場合において、圧縮エネルギーに起因した発熱によりポリエチレングリコールが溶融し、加圧体の表層部に当該ポリエチレングリコールが滲出し、当該表層部を被覆することになる(被覆膜が形成される)。これにより、有機酸と炭酸水素ナトリウムの摩擦を防止することが可能となり、両者の中和反応を抑制することができるとともに、表面温度が低下しながら固化することにより発熱を防止することができる。したがって、防湿性を向上させることができ、一剤で保存性に優れたる発泡性化粧品とすることができる。
本発泡性化粧品によれば、有機酸及び炭酸水素ナトリウムに、上記適量のポリエチレングリコールを添加することにより、成形時において構成材料を加圧した場合において、圧縮エネルギーに起因した発熱によりポリエチレングリコールが溶融し、加圧体の表層部に当該ポリエチレングリコールが滲出し、当該表層部を被覆することになる(被覆膜が形成される)。これにより、有機酸と炭酸水素ナトリウムの摩擦を防止することが可能となり、両者の中和反応を抑制することができるとともに、表面温度が低下しながら固化することにより発熱を防止することができる。したがって、防湿性を向上させることができ、一剤で保存性に優れたる発泡性化粧品とすることができる。
また、本発泡性化粧品によれば、特に、体温36℃以上の湯に用いることがより効果が高いが、水溶性を有する上記適量のポリエチレングリコールを添加することにより、低温時の水溶性をも向上させることができる。そのため、低温時においても、医療療効果のある炭酸泉に相当する1000ppm以上の濃度の水溶液とすることができる。
また、本発泡性化粧品の硬度を3.0KN(好ましくは、5.0KN〜15.0KN未満)以上24.0KN以下にすることにより、成形体の溶解時に生じる有機酸と炭酸水素ナトリウムの中和反応速度が適切にコントロールされることになり、血流向上効果が効果的に発揮される遊離炭素濃度とすることができる。
さらに、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム、n−ヘキサンスルフォン酸ナトリウム、テトラデセンスルフォン酸ナトリウム及びショ糖脂肪酸エステルの化合物の少なくとも一種類を含む付着防止剤を混合しているため、成形時において、成形装置に組成物が付着することを防止することができ、生産性及び経済性を向上させることができる。
また、本発泡性化粧品の配合により、明度指標(L*)80以上、彩度指標(C*)10.0以下であり、表層部がポリエチレングリコールで被覆された凹凸のない成形体とすることができることから、容易に美感を向上させることができる。
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能であり、本発泡性化粧品の機能を阻害しない範囲で、化粧品に広く使用されている他の各種添加剤等を含むものとすることができる。また、本発泡性化粧品の形状についても制限はない。さらに、製造方法についても成形装置の種類を問うものではなく、適宜の他の工程を含むものとすることもできる。
以下、さらに、実施例を示しながら、本発泡性化粧品の効果を検証する。なお、下記説明において、同一試験体には同一番号、同一物資には同一名称を付し、重複した説明は省略する。
<試験体の作成(各実施例で共通)>
詳細な説明の前に、各実施例で使用する試験体の作成方法について説明する。
詳細な説明の前に、各実施例で使用する試験体の作成方法について説明する。
(1)工程1
混合装置(株式会社マツボー製 レーディゲミキサーレディゲミキサーVT1200型)に、炭酸水素ナトリウム200kg及びポリエチレングリコール(平均分子量6000)12kgを添加し、回転数115rpmで10分間、攪拌混合する。
混合装置(株式会社マツボー製 レーディゲミキサーレディゲミキサーVT1200型)に、炭酸水素ナトリウム200kg及びポリエチレングリコール(平均分子量6000)12kgを添加し、回転数115rpmで10分間、攪拌混合する。
(2)工程2
工程1の終了後、無水クエン酸200kg、無水炭酸ナトリウム17kg及びポリエチレングリコール11kgを添加し、回転数115rpmで10分間、攪拌混合する。
工程1の終了後、無水クエン酸200kg、無水炭酸ナトリウム17kg及びポリエチレングリコール11kgを添加し、回転数115rpmで10分間、攪拌混合する。
(3)工程3
工程2の終了後、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム2kgを添加し、回数数115rpmで2分間、攪拌混合し、混合材料を作成する。
工程2の終了後、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム2kgを添加し、回数数115rpmで2分間、攪拌混合し、混合材料を作成する。
(4)工程4
工程3で作成した混合材料を、成形装置(新東工業(株)製 ロール式高圧造粒機 ブリケッタBSS−IH)に供給し、直径5mm、厚さ4mm、重量1.0gの錠剤形状である所定硬度であるブリケット状の試験体として形成する。
工程3で作成した混合材料を、成形装置(新東工業(株)製 ロール式高圧造粒機 ブリケッタBSS−IH)に供給し、直径5mm、厚さ4mm、重量1.0gの錠剤形状である所定硬度であるブリケット状の試験体として形成する。
なお、硬度を変数としない標準的な試験体(下記No1−1及び実施例2〜実施例7の各試験体)は、硬度を6.5KNと定めた。
硬度は、室温23℃±3℃、相対湿度40%の環境下において、硬度計(岡田精工(株)社製DC−200)を用い、10個の試験体の厚み方向の破壊硬度を計測し、最大値及び最小値を除去した8個の試験体の算術平均を求めた値である。
硬度は、室温23℃±3℃、相対湿度40%の環境下において、硬度計(岡田精工(株)社製DC−200)を用い、10個の試験体の厚み方向の破壊硬度を計測し、最大値及び最小値を除去した8個の試験体の算術平均を求めた値である。
また、下記基準試験体(No1−1)における水溶液は、15個を1リットルの水道水(25℃)に溶解させた場合の水溶液のpHは、5.60である。
<第1実施例> [防湿性能確認試験]
本発泡性化粧品の一効能である防湿性能を確認するために防湿性能確認試験を行なった。
すなわち、クエン酸に対する炭酸水素ナトリウム量、ポリエチレングリコール量及び硬度が異なる試験体を作成し、市販のアルミ製袋に各試験体15個を入れて密封した。そして、40℃の恒温槽に入れ、密封直後と密封後1週間経過時の各試験体の体積変化率を計測した。また、試験体の明度(L*)及び彩度(C*)を、測色計(X−rite社製 M200QC)で計測した。
本発泡性化粧品の一効能である防湿性能を確認するために防湿性能確認試験を行なった。
すなわち、クエン酸に対する炭酸水素ナトリウム量、ポリエチレングリコール量及び硬度が異なる試験体を作成し、市販のアルミ製袋に各試験体15個を入れて密封した。そして、40℃の恒温槽に入れ、密封直後と密封後1週間経過時の各試験体の体積変化率を計測した。また、試験体の明度(L*)及び彩度(C*)を、測色計(X−rite社製 M200QC)で計測した。
[体積変化率]
体積変化率(%)=(密封後1週間経過時の体積−密封直後の体積)
×100/密封直後の体積
体積変化率(%)=(密封後1週間経過時の体積−密封直後の体積)
×100/密封直後の体積
本結果(表1)によれば、本発泡性化粧品の対象外の試験体では、体積変化が見られるが、本発泡性化粧品を満たす配合割合の試験体(以下、「本発泡性化粧品の試験体」という。)(表中において、○で表示)では、体積変化が全く生じなかった(0%)。体積変化は、クエン酸と炭酸水素ナトリウムの中和反応に起因することから、本発泡性化粧品の試験体では、中和反応が生じることなく、保存性能が良好であることが確認された。
また、本発泡性化粧品の試験体は、硬度が3KN以上となるように成形することにより、明度(L*)が80以上、彩度(C*)が10以下となった。成形時には、成形圧力の作用に起因して、混合材料中のポリエチレングリコールが成形体中で溶融し、表層部に排出されて固形化し、被覆膜が形成されることにより、明度と彩度の変化が見られるとともに、表層部がポリエチレングリコールで被覆された凹凸のない外形形状が形成されることが確認された。
一方、クエン酸とポリエチレングリコールの割合が、本発泡性化粧品の配合又は硬度を満たさない場合には、当該ポリエチレングリコールが効果的に作用しないことも明らかとなった。
<第2実施例> [溶解性能確認試験]
本発泡性化粧品の一効能である溶解性能を確認するために溶解性能確認試験を行なった。
すなわち、クエン酸に対する炭酸水素ナトリウム及びポリエチレングリコール量を変化させた試験体を作成し、作成した各試験体15個を1リットルの水道水(水温20℃)に溶解させるために必要な時間(以下、「溶解時間」という。)を計測した。
本発泡性化粧品の一効能である溶解性能を確認するために溶解性能確認試験を行なった。
すなわち、クエン酸に対する炭酸水素ナトリウム及びポリエチレングリコール量を変化させた試験体を作成し、作成した各試験体15個を1リットルの水道水(水温20℃)に溶解させるために必要な時間(以下、「溶解時間」という。)を計測した。
本結果(表2)によれば、有機酸に対するポリエチレングリコールの配合割合が本発泡性化粧品発明の対象外である試験体では、水道水への溶解に長時間(283秒以上)を要し、水道水に迅速(180秒以内)に溶解させるためには、有機酸と炭酸水素ナトリウムの配合割合が本発泡性化粧品の範囲内にあることの必要性が確認された。
特に、クエン酸1重量部に対するポリエチレングリコールの混合割合が、0.8以下と少量になると絶対量が不足することにより、また、0,20を超えた場合にも被覆膜が厚くなるため、ともに水道水への溶解時間が長時間となることが確認された。
特に、クエン酸1重量部に対するポリエチレングリコールの混合割合が、0.8以下と少量になると絶対量が不足することにより、また、0,20を超えた場合にも被覆膜が厚くなるため、ともに水道水への溶解時間が長時間となることが確認された。
<第3実施例> [血行等改善効果確認試験]
本発泡性化粧品の一効能である入浴による血行等改善効果を確認するために血行等改善効果確認試験を行なった。
すなわち、クエン酸に対する炭酸水素ナトリウム及びポリエチレングリコール量を変化させた試験体を作成し、作成した各試験体45個を溶解させた160リットルの温水(水温40℃)に被験者を入浴させ、二酸化炭素による血行等の改善状況を測定した。
本発泡性化粧品の一効能である入浴による血行等改善効果を確認するために血行等改善効果確認試験を行なった。
すなわち、クエン酸に対する炭酸水素ナトリウム及びポリエチレングリコール量を変化させた試験体を作成し、作成した各試験体45個を溶解させた160リットルの温水(水温40℃)に被験者を入浴させ、二酸化炭素による血行等の改善状況を測定した。
本試験では、被験者10人(平均年齢40.5歳、25歳から60歳の女性)を対象として、(1)入浴直前(TB)、(2)入浴直後(TA)及び(3)入浴1時間後(TA’)の右足甲の表皮温度を計測し、入浴直後温度変化量と1時間経過後温度変化量を算出した。そして、被験者の入浴直後温度変化量及び1時間経過後温度変化量の平均値を算出し、入浴直後の温度変化の評価指標[入浴直後温度変化値(T1)]及び1時間経過後の温度変化の評価指標[1時間経過後温度変化値(T2)]とした。
入浴時間は20分とし、被験者は、入浴後、25℃に保持された室内で、休息状態で過ごした。また、表皮温度の計測は、(非接触赤外線体温計(株)ドリテック製 T0−400)を用いて行った。
[温度変化値]
T1=Σi{TA(i)−TB(i)}/10
T2=Σi{TA’(i)−TA(i)}/10
T1:入浴直後温度変化値(℃)
T2:1時間経過後温度変化値(℃)
TB(i):被験者iの入浴直前の右足甲の表皮温度(℃)
TA(i):被験者iの入浴直後の右足甲の表皮温度(℃)
TA’(i):被験者iの入浴1時間経過後の右足甲の表皮温度(℃)
Σi:被験者10名(i=1〜10)の算術和を求めることを示す
T1=Σi{TA(i)−TB(i)}/10
T2=Σi{TA’(i)−TA(i)}/10
T1:入浴直後温度変化値(℃)
T2:1時間経過後温度変化値(℃)
TB(i):被験者iの入浴直前の右足甲の表皮温度(℃)
TA(i):被験者iの入浴直後の右足甲の表皮温度(℃)
TA’(i):被験者iの入浴1時間経過後の右足甲の表皮温度(℃)
Σi:被験者10名(i=1〜10)の算術和を求めることを示す
本結果(表3)によれば、本発泡性化粧品の試験体(表中において、○で表示)は、入浴後には体温が1.0℃以上、上昇するという体温上昇効果が生じるとともに、入浴後1時間経過しても体温の低下が0.3℃以下であるという保温効果を維持することが認められる。一方、本発泡性化粧品を満たさない配合の試験体は、入浴後であっても体温の上昇が0.7℃以下と低く、入浴後1時間経過後に0.6℃以上の体温の低下が認められる。このように、本発泡性化粧品は、二酸化炭素の経皮吸収により、血流が向上し、体温が上昇する効果が生じることが確認された。
<第4実施例> [美白効果確認試験]
本発泡性化粧品の一効能である美白効果を確認するために美白効果確認試験を行なった。
すなわち、クエン酸に対する炭酸水素ナトリウム及びポリエチレングリコール量を変化させた試験体を作成し、作成した各試験体15個を溶解させた1リットルの水道水(水温20℃)(以下、「洗顔水」という。)を使用して、被験者に洗顔させた場合における皮膚状態を測定した。
本発泡性化粧品の一効能である美白効果を確認するために美白効果確認試験を行なった。
すなわち、クエン酸に対する炭酸水素ナトリウム及びポリエチレングリコール量を変化させた試験体を作成し、作成した各試験体15個を溶解させた1リットルの水道水(水温20℃)(以下、「洗顔水」という。)を使用して、被験者に洗顔させた場合における皮膚状態を測定した。
本試験では、第3実施例と同じ被験者10人(平均年齢40.5歳、25歳から60歳の女性)を対象として、毎朝、上記洗顔水を用いて両手で20回洗顔することを20日間継続して行い、最終洗顔直後に皮膚状態を計測した。
皮膚状態は、スマートフォンに取り付け、皮膚状態のキメ・シミを高画質撮影できるレンズ(マクセルスマートコミュニケーションズ(株)製,肌レンズ「Memoret[ミモレ]」)を使用して皮膚状態の撮影を行い、撮影画像を数値解析することにより透明である皮膚面積を計測し、下式に基づき、透明度(%)を算出した。
透明度(%)=(くすみがない透明な皮膚面積/全体の皮膚面積)×100
皮膚状態は、スマートフォンに取り付け、皮膚状態のキメ・シミを高画質撮影できるレンズ(マクセルスマートコミュニケーションズ(株)製,肌レンズ「Memoret[ミモレ]」)を使用して皮膚状態の撮影を行い、撮影画像を数値解析することにより透明である皮膚面積を計測し、下式に基づき、透明度(%)を算出した。
透明度(%)=(くすみがない透明な皮膚面積/全体の皮膚面積)×100
そして、算出された透明度を用いて、下記5段階の評価基準に基づき美白度(最低評価1〜最高評価5)を定義し、評価3以上の場合に、所定の効能(美白効果)を有するものと判定した。
本結果(表5)によれば、本発泡性化粧品の試験体(表中において、○で表示)を溶解させた洗顔水を使用して、洗顔を行うことにより。美白効果(評価3以上)があることが明らかとなった。このことから、本発泡性化粧品の試験体の溶解時に発生した二酸化炭素が経皮吸収されて血流が向上し、肌の新陳代謝を促進した結果であることが確認された。
<第5実施例> 「有機酸の種類の相違による美白効果確認試験」
有機酸の種類の相違による本発泡性化粧品の美白効果を実証するために、有機酸として、クエン酸(No1−1)、フマル酸(No5−1)、リンゴ酸(No5−2)、コハク酸(No5−3)をそれぞれ使用して、4種類の試験体を作成し、第4実施例と同様の美白度効果確認試験を行った。
有機酸の種類の相違による本発泡性化粧品の美白効果を実証するために、有機酸として、クエン酸(No1−1)、フマル酸(No5−1)、リンゴ酸(No5−2)、コハク酸(No5−3)をそれぞれ使用して、4種類の試験体を作成し、第4実施例と同様の美白度効果確認試験を行った。
本結果(表6)によれば、有期酸としてクエン酸を使用した試験体(No1−1)において、美白度は最高評価5となり、フマル酸(No5−1)及びリンゴ酸(No5−2)の評価4、コハク酸(No5−3)の評価3と比較して、非常に効果が高いことが明らかとなった。
このことから、クエン酸は皮膚の古い角質を溶解除去する効果が高く、より多くの二酸化炭素が経皮吸収されることにより、その血流向上効果及び保温持続効果があることが実証された。
このことから、クエン酸は皮膚の古い角質を溶解除去する効果が高く、より多くの二酸化炭素が経皮吸収されることにより、その血流向上効果及び保温持続効果があることが実証された。
<第6実施例> 「付着防止剤による成形率に与える影響確認試験」
付着防止剤の添加の有無、及び付着防止剤の対象物質の相違による成形時における成形装置への混合材料の付着防止効果を実証するために、付着防止剤として、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム(No1−1)、n−ヘキサンスルフォン酸ナトリウム(No6−1)、テトラデセンスルフォン酸ナトリウム(No6−2)及びショ糖脂肪酸エステル(No6−3)と、付着防止剤を添加しない場合(No6−4)、に関する試験体を作成し、本確認試験を行った。
付着防止剤の添加の有無、及び付着防止剤の対象物質の相違による成形時における成形装置への混合材料の付着防止効果を実証するために、付着防止剤として、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム(No1−1)、n−ヘキサンスルフォン酸ナトリウム(No6−1)、テトラデセンスルフォン酸ナトリウム(No6−2)及びショ糖脂肪酸エステル(No6−3)と、付着防止剤を添加しない場合(No6−4)、に関する試験体を作成し、本確認試験を行った。
すなわち、上記成形装置(工程4参照)を24時間、連続して稼働させ、各試験体を作成した場合において、供給した混合材料の総重量に対する試験体の総重量を成形率として算出した(成形率が低い場合には、成形装置に混合材料が付着した量が多いということになる)。
成形率(%)= 試験体の総重量 ×100 /供給した混合材料の総重量
成形率(%)= 試験体の総重量 ×100 /供給した混合材料の総重量
本結果(表7)によれば、付着防止剤を添加した各試験体(No1−1,No6−1〜No6−3)は成形率97%以上となり、付着防止剤を添加しない試験体(No6−4)の成形率95%以上と比較して、付着防止効果に優れていることが確認された。
なお、データは示していないが、付着防止剤のかわりに、カオリン及びベントナイトをそれぞれ添加した試験体を使用して、同様の試験を行なったところ、付着量が約90%となり、付着防止剤を添加しない場合と比較しても、付着量が増加する結果となった。
なお、データは示していないが、付着防止剤のかわりに、カオリン及びベントナイトをそれぞれ添加した試験体を使用して、同様の試験を行なったところ、付着量が約90%となり、付着防止剤を添加しない場合と比較しても、付着量が増加する結果となった。
また、付着防止剤の中では、n−オクタンスルフォン酸ナトリウムを使用した場合には、成形率は100%であり、他の3種類の付着防止剤を使用した場合の成形率97%以上を上回る結果となった。本実施例により、n−オクタンスルフォン酸ナトリウムの付着防止効果が優れていることが確認された。
<第7実施例> 「溶解後水溶液のpHの相違による美白効果確認試験」
溶解後における水溶液のpHの相違による本発泡性化粧品の美白効果を実証するために、クエン酸と無水炭酸ナトリウム(pH調整剤)の量を本発泡性化粧品の配合割合を満たすように調整して、7種類の試験体を作成し(表8)、第4実施例と同様の美白度効果確認試験を行った。
溶解後における水溶液のpHの相違による本発泡性化粧品の美白効果を実証するために、クエン酸と無水炭酸ナトリウム(pH調整剤)の量を本発泡性化粧品の配合割合を満たすように調整して、7種類の試験体を作成し(表8)、第4実施例と同様の美白度効果確認試験を行った。
本結果(表8)によれば、pHが5.0〜6.8である試験体(No1−1,No7−2〜No7−5)において、美白度が4位以上の評価となり、効果が高いことが明らかになった。特に、pHが5.5〜6.5である試験体(No1−1,No7−3,No7−4)は最高評価5となり、非常に効果が高いことが明らかとなった。
Claims (3)
- クエン酸、フマル酸、リンゴ酸及びコハク酸の少なくとも1種類の有機酸と、炭酸水素ナトリウムと、平均分子量2000以上8000以下であるポリエチレングリコールとを含有する、厚さ5mm以下、硬度3.0KN以上24.0KN以下の成形体であり、
前記有機酸1重量部に対して、前記炭酸水素ナトリウムを0.7重量部〜1.5重量部かつ前記ポリエチレングリコールを0.08重量部〜0.20重量部をそれぞれ含有することを特徴とする発泡性化粧品。 - 前記発泡性化粧品の全体量の100重量部に対して、0.1重量部〜1.0重量部の付着防止剤を含有するものであり、
前記付着防止剤は、n−オクタンスルフォン酸ナトリウム、n−ヘキサンスルフォン酸ナトリウム、テトラデセンスルフォン酸ナトリウム及びショ糖脂肪酸エステルの少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項1に記載の発泡性化粧品。 - 明度が80以上、彩度が10.0以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発泡性化粧品。
Priority Applications (1)
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