JP2020098959A - アンテナモジュールおよびそれを搭載した通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の放射素子が配置されるアンテナモジュールにおいて、アンテナ特性の低下を抑制しつつ、放射素子間のアイソレーションを確保する。【解決手段】アンテナモジュール10は、誘電体基板105上に配置された共通の接地電極GNDに接続された第1放射素子110および第2放射素子120を備える。第1放射素子110および第2放射素子120の各々は、電波を放射する放射部111,121と、当該放射部に高周波信号を供給する給電部112,122と、当該放射部と接地電極GNDとを接続する短絡部113,123とを含む。アンテナモジュール10は、第1放射素子110の短絡部111と、第2放射素子120の短絡部121とを電気的に接続する接続部をさらに備える。接続部は、第1放射素子110と第2放射素子120との間の相互結合インピーダンスをキャンセルするように構成される。【選択図】図2
Description
本開示は、アンテナモジュールおよびそれを搭載した通信装置に関し、より特定的には、複数のアンテナ素子が配置されたアンテナモジュールのアンテナ特性を向上させるための技術に関する。
スマートフォンあるいは携帯電話などの携帯無線端末においては、無線通信における通信品質を向上させるため、あるいは、複数の周波数帯域の電波を用いた通信を可能とするために、複数のアンテナ素子(放射素子)を設ける構成が一般的になりつつある。このように、複数のアンテナ素子が設けられる構成においては、所望のアンテナ特性を実現するために、アンテナ素子間のアイソレーションを確保することが重要となる。
特許第5424500号公報(特許文献1)には、異なる周波数帯域で動作する2のアンテナ素子が近接して配置されたアンテナ装置において、当該2つのアンテナ素子間に、アンテナ素子同士の相互結合インピーダンスをキャンセルするための接続回路が設けられる構成が開示されている。特許第5424500号公報(特許文献1)に開示された構成によれば、同一周波数帯域の信号に対しては、2つのアンテナ装置の結合を高めてアンテナ素子間のアイソレーションを確保するとともに、異なる周波数帯域の信号に対しては、遮断回路を用いることで高利得を実現することができる。
しかしながら、特許第5424500号公報(特許文献1)に開示された構成において、各アンテナ素子に高周波信号が給電される給電点間の距離が大きい場合には、アンテナ素子間に設けられた接続回路と各アンテナ素子とを接続するための配線の長さが長くなる。そのため、当該配線のリアクタンス成分の影響により、アンテナ装置の効率が低下したり、アンテナ素子間の相互結合インピーダンスがキャンセルしにくくなる場合が生じ得る。
一方で、各アンテナ素子の給電点間の距離を短くした場合には、給電配線同士が結合しやすくなってしまうため、アンテナ素子間のアイソレーションを十分に確保できなくなる可能性がある。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数のアンテナ素子(放射素子)が配置されるアンテナ装置(アンテナモジュール)において、アンテナ特性の低下を抑制しつつ、アンテナ素子間のアイソレーションを確保することである。
アンテナモジュールは、基板上に配置された共通の接地電極に接続された第1放射素子および第2放射素子を備える。第1放射素子および第2放射素子の各々は、電波を放射する放射部と、当該放射部に高周波信号を供給する給電部と、当該放射部と接地電極とを接続する短絡部とを含む。アンテナモジュールは、第1放射素子の短絡部と、第2放射素子の短絡部とを電気的に接続する接続部をさらに備える。接続部は、第1放射素子と第2放射素子との間の相互結合インピーダンスをキャンセルするように構成される。
本開示によれば、共通の接地電極に接続された2つのアンテナ素子(放射素子)を備えたアンテナモジュールにおいて、アンテナ素子の放射部と接地電極とを接続する短絡部同士が接続部によって接続される。接続部は、アンテナ素子間の相互結合インピーダンスをキャンセルするように構成されているため、アンテナ素子間のアイソレーションが確保される。なお、短絡部はアンテナ素子の整合回路として機能するため、接続部を用いて短絡部同士を結合しても、アンテナ特性への影響は比較的小さい。したがって、本開示の構成とすることによって、アンテナ特性の低下を抑制しつつ、アンテナ素子間のアイソレーションを確保することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
(通信装置の基本構成)
図1は、実施の形態1に従うアンテナモジュール10が搭載された通信装置1のブロック図の一例である。通信装置1は、たとえば、携帯電話、スマートフォンあるいはタブレットなどの携帯端末や、通信機能を備えたパーソナルコンピュータのような端末装置である。本実施の形態に係るアンテナモジュール10に用いられる電波の周波数帯域の一例は、たとえばWi−FiまたはBluetooth(登録商標)に用いられる2.4GHz(2400MHz〜2500MHz)付近および5GHz(5150MHz〜5800MHz)付近を中心周波数とする電波であるが、上記以外の周波数帯域の電波についても適用可能である。
(通信装置の基本構成)
図1は、実施の形態1に従うアンテナモジュール10が搭載された通信装置1のブロック図の一例である。通信装置1は、たとえば、携帯電話、スマートフォンあるいはタブレットなどの携帯端末や、通信機能を備えたパーソナルコンピュータのような端末装置である。本実施の形態に係るアンテナモジュール10に用いられる電波の周波数帯域の一例は、たとえばWi−FiまたはBluetooth(登録商標)に用いられる2.4GHz(2400MHz〜2500MHz)付近および5GHz(5150MHz〜5800MHz)付近を中心周波数とする電波であるが、上記以外の周波数帯域の電波についても適用可能である。
図1を参照して、通信装置1は、アンテナモジュール10と、ベースバンド信号処理回路を構成するBBIC50とを備える。アンテナモジュール10は、アンテナ装置100と、給電回路の一例であるRFIC150とを備える。通信装置1は、BBIC50からアンテナモジュール10へ伝達された信号を高周波信号にアップコンバートしてアンテナ装置100から放射するとともに、アンテナ装置100で受信した高周波信号をダウンコンバートしてBBIC50にて信号を処理する。
アンテナ装置100においては、基板上に複数のアンテナ素子(放射素子)が形成される。図1の例においては、2つのアンテナ素子110,120が形成されているが、アンテナ装置100は3つ以上のアンテナ素子を含んでいてもよい。
RFIC150は、スイッチ151A,151B,153A,153B,157と、パワーアンプ152AT,152BTと、ローノイズアンプ152AR,152BRと、減衰器154A,154Bと、信号合成/分波器156と、ミキサ158と、増幅回路159とを備える。
高周波信号を送信する場合には、スイッチ151A,151B,153A,153B,がパワーアンプ152AT,152BT側へ切換えられるとともに、スイッチ157が増幅回路159の送信側アンプに接続される。高周波信号を受信する場合には、スイッチ151A,151B,153A,153Bがローノイズアンプ152AR,152BR側へ切換えられるとともに、スイッチ157が増幅回路159の受信側アンプに接続される。
BBIC50から伝達された信号は、増幅回路159で増幅され、ミキサ158でアップコンバートされる。アップコンバートされた高周波信号である送信信号は、信号合成/分波器156で2分波され、2つの信号経路を通過して、アンテナ素子110,120に給電される。
各アンテナ素子で受信された高周波信号である受信信号は、それぞれ、異なる信号経路を経由し、信号合成/分波器156で合波される。合波された受信信号は、ミキサ158でダウンコンバートされ、増幅回路159で増幅されてBBIC50へ伝達される。
RFIC150は、例えば、上記回路構成を含む1チップの集積回路部品として形成される。あるいは、RFIC150における各アンテナ素子に対応する機器(スイッチ、パワーアンプ、ローノイズアンプ、減衰器)については、対応するアンテナ素子毎に1チップの集積回路部品として形成されてもよい。
(アンテナ装置の構成)
図2は、図1のアンテナ装置100のより詳細な構成を示す図である。図2を参照して、アンテナ装置100は、誘電体基板105の一方の第1主面(表面)上に形成された、接地電極GNDとアンテナ素子110,120とを含む。
図2は、図1のアンテナ装置100のより詳細な構成を示す図である。図2を参照して、アンテナ装置100は、誘電体基板105の一方の第1主面(表面)上に形成された、接地電極GNDとアンテナ素子110,120とを含む。
実施の形態1におけるアンテナ素子110,120は、いわゆる逆F型アンテナと称される線状アンテナである。アンテナ素子110は、放射部111、給電部112、および短絡部113を含む。また、アンテナ素子120は、放射部121、給電部122、および短絡部123を含む。アンテナ素子110とアンテナ素子120とは、互いに同一の構造を有しており、誘電体基板105上において、対称に配置されている。
アンテナ素子110における放射部111の一方の端部(X軸の負方向の端部)は開放端とされている。放射部111の他方の端部(X軸の正方向の端部)は、給電部112に接続されるとともに、短絡部113を介して接地電極GNDに接続される。
給電部112は、放射部111の延在方向(X軸方向)に直交する方向(Y軸方向)に延在しており、誘電体基板105の第1主面(表面)あるいは第2主面(裏面)に配置されたRFIC150(図2中の破線)に接続される。
なお、給電部112とRFIC150との接続部分、短絡部113と放射部111との接続部分、および、短絡部113と接地電極GNDとの接続部分には、インピーダンスを調整するためのリアクタンス素子115〜117が、必要に応じて適宜配置される。リアクタンス素子は、インダクタおよび/またはキャパシタを含んで構成される。
アンテナ素子120における放射部121の一方の端部(X軸の正方向の端部)は開放端とされている。放射部121の他方の端部(X軸の負方向の端部)は、給電部122に接続されるとともに、短絡部123を介して接地電極GNDに接続される。
給電部122は、放射部121の延在方向(X軸方向)に直交する方向(Y軸方向)に延在しており、誘電体基板105の第1主面(表面)あるいは第2主面(裏面)に配置されたRFIC150(図2中の破線)に接続される。
なお、給電部122とRFIC150との接続部分、短絡部123と放射部111との接続部分、および、短絡部123と接地電極GNDとの接続部分には、インピーダンスを調整するためのリアクタンス素子125〜127が、必要に応じて適宜配置される。リアクタンス素子は、インダクタおよび/またはキャパシタを含んで構成される。
アンテナ素子110,120の、放射部111,121、給電部112,122、および短絡部113,123を形成する電極は、互いに独立した構成となっている。
また、アンテナ素子110における短絡部113と、アンテナ素子120における短絡部123とは、配線部130およびリアクタンス素子132を介して互いに接続されている。リアクタンス素子132は、たとえばインダクタおよび/またはキャパシタを含んで構成されており、アンテナ素子110,120から放射される電波の周波数帯域においてアンテナ素子間の相互結合インピーダンスがキャンセルされるように、インダクタンスあるいはキャパシタンスが設定される。このような構成とすることによって、アンテナ素子110とアンテナ素子120との間のアイソレーションを確保することができる。配線部130およびリアクタンス素子132は、本開示における「接続部」に対応する。
なお、各アンテナ素子の短絡部113,123は、アンテナ素子の整合回路として機能しているため、これらの短絡部同士を接続しても、アンテナ素子からの電波の放射特性(すなわち、アンテナ特性)への影響は比較的小さい。また、アンテナ素子同士を接続する際に、短絡部のみを近接させればよく、特に給電部同士を互いに近接させる必要がないため、アンテナ素子間のアイソレーションがより一層確保しやすくなる。
次に、図3に示すような比較例1のアンテナ装置100#を用いて、本実施の形態1におけるアンテナ装置100の構成の効果について説明する。図3においては、図2のアンテナ装置100におけるアンテナ素子110,120が、それぞれアンテナ素子110#,120#に置き換わったものとなっている。
より具体的には、アンテナ素子110#,120#において、短絡部113#,123#は、それぞれ給電部112,122の中央付近と接地電極GNDとを接続するように構成されており、アンテナ素子110#の放射部111と、アンテナ素子120#の放射部121とが、配線部130およびリアクタンス素子132を介して互いに接続されている。
アンテナ装置100#においては各アンテナ素子の放射部同士が接続されるため、配線部130の長さが長くならないように、図2のアンテナ装置100に比べて各アンテナ素子が誘電体基板105の中央寄りに配置されている。そのため、比較例1のアンテナ装置100#においては、給電部112と給電部122との間の距離が、実施の形態1のアンテナ装置100に比べて短くなっている。
図4は、実施の形態1のアンテナ装置100および比較例1のアンテナ装置100#のアイソレーション特性のシミュレーションの一例を示すグラフである。図4においては、横軸に周波数が示されており、縦軸にアイソレーションが示されている。図4中の実線LN10は実施の形態1を示しており、破線LN11は比較例1を示している。また、図5においては、Wi−Fiに用いられる2.4GHz帯の周波数2400MHz,2442MHz,2484MHzにおける、実施の形態1および比較例1のアイソレーションおよび効率が示されている。
図4および図5を参照して、アイソレーションについては、いずれの周波数においても、実施の形態1の数値(平均26.8dB)のほうが比較例1(平均21.6dB)よりも大きくなっており、比較例1に比べて実施の形態1のほうがアンテナ素子間のアイソレーションが改善されていることがわかる。比較例1においても、配線部130およびリアクタンス素子132によって、アンテナ素子間の相互結合インピーダンスは基本的にはキャンセルされてはいるが、実施の形態1のほうが比較例1に比べて給電部同士の間隔が長くなっているため、実施の形態1においては比較例1よりもアイソレーションが改善しているものと考えられる。
また、効率についても、比較例1(平均−6.2dB)に比べて実施の形態1(平均−3.6dB)のほうが効率の低下度合いが約60%に小さくなっている。実施の形態1では、整合回路として機能する短絡部においてアンテナ素子同士が接続されているため、電波の放射に与える影響が大きい放射部同士で接続される比較例1よりも、効率の低下が抑制されている。
以上説明したように、2つの逆F型のアンテナ素子が共通の接地電極に接続されたアンテナモジュールにおいて、2つのアンテナ素子の短絡部同士を、相互結合インピーダンスがキャンセルされるように接続することで、アンテナ特性の低下を抑制しつつ、アンテナ素子間のアイソレーションを確保することが可能となる。
(変形例1)
実施の形態1におけるアンテナ装置100においては、2つのアンテナ素子の延在方向(すなわち、電波の放射方向)が同じである場合について説明したが、2つのアンテナ素子の延在方向は異なっていてもよい。
実施の形態1におけるアンテナ装置100においては、2つのアンテナ素子の延在方向(すなわち、電波の放射方向)が同じである場合について説明したが、2つのアンテナ素子の延在方向は異なっていてもよい。
図6に示される変形例1に従うアンテナ装置100Aにおいては、矩形状の接地電極GNDの角の部分において、2つのアンテナ素子が接地電極GNDの異なる辺にそれぞれ配置されている。より具体的には、変形例1においては、誘電体基板105上に形成された矩形状の接地電極GNDのX軸に平行な辺に沿ってアンテナ素子110が形成されており、接地電極GNDのY軸に平行な辺に沿ってアンテナ素子120が形成されている。このような構成においても、アンテナ素子110の短絡部113とアンテナ素子120の短絡部123とを、配線部130およびリアクタンス素子132で構成される接続部で接続することによって、実施の形態1と同様に、アンテナ特性の低下を抑制しつつ、アンテナ素子間のアイソレーションを確保することが可能となる。
[実施の形態2]
実施の形態1およびその変形例1においては、各アンテナ素子から単独の電波が放射される構成の例について説明した。実施の形態2においては、2つのアンテナ素子のうちの少なくとも一方のアンテナ素子から複数の電波が放射される、いわゆるデュアルバンド型のアンテナ素子である構成について説明する。
実施の形態1およびその変形例1においては、各アンテナ素子から単独の電波が放射される構成の例について説明した。実施の形態2においては、2つのアンテナ素子のうちの少なくとも一方のアンテナ素子から複数の電波が放射される、いわゆるデュアルバンド型のアンテナ素子である構成について説明する。
図7は、実施の形態2に従うアンテナ装置200の構成を示す図である。図7を参照して、アンテナ装置200は、共通の接地電極GNDに接続された、同一構造の2つのアンテナ素子210およびアンテナ素子250を含む。アンテナ素子210,250は、それぞれ、放射部220,260、給電部230,270、および、短絡部240,280を含んでおり、誘電体基板105において対称に配置される。アンテナ素子210の短絡部240は、本開示の「接続部」に対応する、配線部290およびリアクタンス素子295を介して、アンテナ素子250の短絡部280に接続されている。
アンテナ素子210の放射部220は、矩形状の放射電極221を含む。給電部230は、第1経路222を通って放射電極221の短辺に接続されるとともに、第2経路223を通って放射電極221の長辺に接続される。放射電極221の長辺の長さは、RFIC150から供給される2つの高周波信号のうちの相対的に低い周波数帯域(たとえば、2.4GHz帯)の信号の1/2波長に設定され、放射電極221の短辺の長さは、上記の高周波信号のうちの相対的に高い周波数帯域(たとえば、5GHz帯)の信号の1/2波長に設定される。
第1経路222と第2経路223との分岐部分には、リアクタンス素子225が配置されている。また、第1経路222と放射電極221との接続部分にはリアクタンス素子226が配置されており、第2経路223と放射電極221との接続部分にはリアクタンス素子227が配置されている。これらのリアクタンス素子225〜227を適切に調整することによって、相対的に低い周波数帯域の信号が第1経路222を通過し、相対的に高い周波数帯域の信号が第2経路223を通過するようにする。
このような構成とすることによって、放射電極221から、X軸方向に相対的に低い周波数帯域(2.4GHz帯)の電波を放射し、Y軸方向に相対的に高い周波数帯域(5GHz帯)の電波を放射する構成とすることができる。
なお、アンテナ素子250についても、アンテナ素子210と同様の構成であるため、その説明は繰り返さない。
次に、図8に示すような比較例2のアンテナ装置200#を用いて、本実施の形態1におけるアンテナ装置200の構成の効果について説明する。図8においては、図7のアンテナ装置200におけるアンテナ素子210,250がアンテナ素子210#,250#に置き換わったものとなっている。
より具体的には、アンテナ素子210#,250#において、短絡部240#,280#のX軸に沿った長さがアンテナ装置200に比べて短くされており、アンテナ素子210#,250#が誘電体基板205の中央寄りに配置されている。これにより、比較例2のアンテナ装置200#においては、給電部230と給電部270との間の距離が、実施の形態2のアンテナ装置200に比べて短くなっている。
図9は、実施の形態2のアンテナ装置200および比較例2のアンテナ装置200#のアイソレーション特性のシミュレーションの一例を示すグラフである。図9においては、横軸に周波数が示されており、縦軸にアイソレーションが示されている。図9中の実線LN20は実施の形態2を示しており、破線LN21は比較例2を示している。また、図10においては、Wi−Fiに用いられる2.4GHz帯の周波数2400MHz,2442MHz,2484MHz、および、5GHz帯の周波数の5150MHz,5500MHz,5850MHzにおける、実施の形態2および比較例2のアイソレーションおよび効率が示されている。
図9および図10を参照して、アイソレーションについては、2.4GHz帯および5GHz帯のいずれの周波数帯域の周波数においても、実施の形態2の数値のほうが比較例2よりも大きくなっており、比較例2に比べて実施の形態2のほうがアンテナ素子間のアイソレーションが改善されていることがわかる。上述のように、実施の形態2においては、比較例2に比べてアンテナ素子間の距離(すなわち、給電部間の距離)が長くなっているため、これによってアンテナ素子間のアイソレーションが改善しているものと考えられる。
効率についても、図10に示されるように、実施の形態2のほうが比較例2に比べて効率の低下度合いが小さくなっている。これは、本構造によりアンテナの給電位置を比較的自由に配置することが可能となったことにより、効率が高くなりやすい位置(基板の端部)に給電位置を配置できたためである。
以上のように、1つのアンテナ素子から2つの異なる周波数帯域の電波が放射可能なデュアルバンド型のアンテナモジュールにおいても、2つのアンテナ素子の短絡部同士を相互結合インピーダンスがキャンセルされるように接続することで、アンテナ特性の低下を抑制しつつ、アンテナ素子間のアイソレーションを確保することが可能となる。
(変形例2)
実施の形態2においては、2つのアンテナ素子の双方がデュアルバンド型のアンテナ素子である場合について説明したが、必ずしも双方がデュアルバンド型のアンテナ素子でなくてもよく、少なくとも一方のアンテナ素子がデュアルバンド型のアンテナ素子であればよい。
実施の形態2においては、2つのアンテナ素子の双方がデュアルバンド型のアンテナ素子である場合について説明したが、必ずしも双方がデュアルバンド型のアンテナ素子でなくてもよく、少なくとも一方のアンテナ素子がデュアルバンド型のアンテナ素子であればよい。
たとえば、図11のアンテナ装置200Aのように、2つのアンテナ素子の一方を、実施の形態2のようなデュアルバンド型のアンテナ素子210とし、他方を実施の形態1のようなシングルバンド型のアンテナ素子120としてもよい。この場合においても、アンテナ素子210の短絡部240と、アンテナ素子120の短絡部123とを、接続部(配線部290およびリアクタンス素子295)を用いて接続する構成とすることによって、アンテナ特性の低下を抑制しつつ、アンテナ素子間のアイソレーションを確保することが可能となる。
また、図には示されていないが、実施の形態2のように2つのアンテナ素子がデュアルバンド型のアンテナ素子の場合において、一方のアンテナ素子から放射される電波の周波数帯域を、他方のアンテナ素子から放射される電波の周波数帯域とは異なる周波数帯域となるようにしてもよい。この場合、アンテナ素子の放射部に含まれる矩形の放射電極の辺の長さを異なる長さとするとともに、給電部から放射電極までの経路に設けられたリアクタンス素子を適当に調整することによって実現することができる。
[実施の形態3]
実施の形態1および実施の形態2おいては、各アンテナ素子が線状アンテナで形成される場合について説明した。実施の形態3においては、各アンテナ素子がマイクロストリップアンテナとして形成される場合について説明する。
実施の形態1および実施の形態2おいては、各アンテナ素子が線状アンテナで形成される場合について説明した。実施の形態3においては、各アンテナ素子がマイクロストリップアンテナとして形成される場合について説明する。
図12は、実施の形態3に従うアンテナ装置300の構成を示す断面図である。また、図13はアンテナ装置300の斜視図である。なお、図13においては、内部の構成を見やすくするために、誘電体基板の一部が省略されている。
図12および図13を参照して、アンテナ装置300は、多層構造を有する誘電体基板305と、アンテナ素子310,320と、接地電極GNDとを含む。なお、以降の説明において、図のZ軸の正方向を上面側、負方向を下面側と称する場合がある。
誘電体基板305は、たとえば、低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)多層基板、エポキシ、ポリイミドなどの樹脂から構成される樹脂層を複数積層して形成された多層樹脂基板、より低い誘電率を有する液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer:LCP)から構成される樹脂層を複数積層して形成された多層樹脂基板、フッ素系樹脂から構成される樹脂層を複数積層して形成された多層樹脂基板、あるいは、LTCC以外のセラミックス多層基板である。
誘電体基板305は矩形の平面形状を有しており、誘電体基板305の内部にアンテナ素子310,320が形成される。アンテナ素子310は、放射部311、短絡部312および給電部313を含む。また、アンテナ素子320は、放射部321、短絡部322および給電部323を含む。
アンテナ素子310,320の放射部311,321は、誘電体基板305の内部の層あるいは上面側の表面306に配置される。放射部311および放射部321は、誘電体基板305の同じ層に形成されてもよいし、異なる層に形成されていてもよい。誘電体基板305において、アンテナ素子よりも下面側の層に接地電極GNDが配置される。誘電体基板305の下面側の裏面307には、はんだバンプ340を介してRFIC150が配置される。
放射部311,321は、X軸方向の一方端が開放端とされ、他方端が短絡部312,322によって接地電極GNDに接続される。短絡部312,322は、複数のビアによって構成される。RFIC150からの高周波信号は、給電部313,323を介して、放射部311の給電点SP1および放射部321の給電点SP2にそれぞれ供給される。このように、アンテナ素子310,320は、マイクロストリップアンテナを形成する。なお、アンテナ素子から放射される電波の波長をλとすると、各アンテナ素子において放射部の開放端から短絡部を通って接地電極GNDに至る長さdはλ/4となるように設定される。
アンテナ素子310およびアンテナ素子320は、短絡部312,322が互いに対向するように配置される。そして、短絡部312と短絡部322とが、接続部(配線部330およびリアクタンス素子335)により互いに接続される。このように、平面形状のパッチアンテナによるマイクロストリップアンテナにおいても、実施の形態1,2で示した線状アンテナの場合と同様に、対向する短絡部同士を接続部によって接続することによって、アンテナ特性の低下を抑制しつつ、アンテナ素子間のアイソレーションを確保することができる。
なお、上述の説明において、アンテナ素子、電極、およびビア等を構成する導体は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、および、これらの合金を主成分とする金属を用いて形成される。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 通信装置、10 アンテナモジュール、50 BBIC、100,100A,200,200A,300 アンテナ装置、105,305 誘電体基板、110,120,210,250,310,320 アンテナ素子、111,121,220,260,311,321 放射部、112,122,230,270,313,323 給電部、113,123,240,280,312,322 短絡部、115〜117,125〜127,132,225〜227,231〜233,265〜267,271〜273,295,335 リアクタンス素子、130,290,330 配線部、150 RFIC、151A,151B,153A,153B,157 スイッチ、152AR,152BR ローノイズアンプ、152AT,152BT パワーアンプ、154A,154B 減衰器、155A,155B 移相器、156 信号合成/分波器、158 ミキサ、159 増幅回路、221,261 放射電極、340 はんだバンプ、GND 接地電極、SP1,SP2 給電点。
Claims (10)
- 基板上に配置された共通の接地電極に接続された第1放射素子および第2放射素子を備えるアンテナモジュールであって、
前記第1放射素子および前記第2放射素子の各々は、
電波を放射する放射部と、
当該放射部に高周波信号を供給する給電部と、
当該放射部と前記接地電極とを接続する短絡部とを含み、
前記アンテナモジュールは、前記第1放射素子の短絡部と、前記第2放射素子の短絡部とを電気的に接続する接続部をさらに備え、
前記接続部は、前記第1放射素子と前記第2放射素子との間の相互結合インピーダンスをキャンセルするように構成される、アンテナモジュール。 - 前記第1放射素子および前記第2放射素子の少なくとも一方は、放射部と短絡部との間に設けられた第1リアクタンス素子をさらに含む、請求項1に記載のアンテナモジュール。
- 前記第1放射素子および前記第2放射素子の少なくとも一方は、短絡部と前記接地電極との間に設けられた第2リアクタンス素子をさらに含む、請求項1または2に記載のアンテナモジュール。
- 前記第1放射素子および前記第2放射素子の少なくとも一方は、周波数帯域が異なる2つの電波を放射可能に構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
- 前記第1放射素子および前記第2放射素子は、同一の構造を有し、かつ、前記基板上において対称に配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
- 前記第1放射素子および前記第2放射素子は、線状アンテナである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
- 前記第1放射素子および前記第2放射素子は、逆Fアンテナである、請求項6に記載のアンテナモジュール。
- 前記第1放射素子および前記第2放射素子は、マイクロストリップアンテナである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
- 前記第1放射素子および前記第2放射素子に高周波信号を供給するように構成された給電回路をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のアンテナモジュールを搭載した通信装置。
Priority Applications (1)
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JP2018235347A JP2020098959A (ja) | 2018-12-17 | 2018-12-17 | アンテナモジュールおよびそれを搭載した通信装置 |
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JP2018235347A Pending JP2020098959A (ja) | 2018-12-17 | 2018-12-17 | アンテナモジュールおよびそれを搭載した通信装置 |
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- 2018-12-17 JP JP2018235347A patent/JP2020098959A/ja active Pending
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