以下、回路遮断器の一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1を参照しながら、本実施形態における回路遮断器について説明する。図1に示されるように、回路遮断器10は、基台21と、カバー22と、を備えている。基台21とカバー22とが組み合わされることで、ハウジング20が形成されている。回路遮断器10の機能的な部品群は、概ねハウジング20の内部に収容されている。
ハウジング20には、外部配線を繋ぐための座であって、電源側の外部配線を繋ぐ電源側端子座31が3つ設けられている。電源側端子座31は、ハウジング20の外部に露出するように設けられている。
ハウジング20において電源側端子座31が露出している側の側壁部201には、扉部502が一対設けられている。扉部502は、両端に設けられた電源側端子座31にそれぞれ対応するように設けられている。
側壁部201に繋がる取付壁部202は、回路遮断器10を盤に取り付ける際に盤の取付面と当接する部分である。側壁部201と反対側の側面には、側壁部203が形成されている。側壁部203には、図1に明示しない負荷側端子座が設けられている。
取付壁部202と反対側の側面には、操作壁部204が形成されている。操作壁部204には、ハンドル70が設けられている。
側壁部201と側壁部203とを繋ぎ、取付壁部202と操作壁部204とを繋ぐように、側壁部205及び側壁部206が設けられている。側壁部205と側壁部206とは、側壁部201,203を挟んで反対側に位置するように設けられている。
図1においては、説明の便宜上、電源側端子座31が並ぶ方向であって側壁部205から側壁部206に向かう方向にx軸を設定している。x軸と直交し、側壁部201から側壁部203に向かう方向にy軸を設定している。x軸及びy軸に直交するようにz軸を設定している。z軸は、取付壁部202から操作壁部204に向かう方向に設定されている。図2以降においても、このように設定したx軸、y軸、z軸を適宜用いながら説明する。
扉部502は、ハウジング20の内部に発生するアークガスを放出するために設けられている。図2に示されるように、ハウジング20の内部にアークガスが発生すると、扉部502が開く。扉部502が開かれると、排気口501aが開放され、アークガスがハウジング20の外部に放出される。
側壁部205側に設けられている扉部502は、側壁部205側の軸502aを中心として開かれる。側壁部205側に設けられている扉部502が開かれることによって、側壁部205側に設けられている排気口501aから放出されるアークガスは、ハウジング20の中央方向であって側壁部206に向かう方向に方向付けられる。
側壁部206側に設けられている扉部502は、側壁部206側の軸502aを中心として開かれる。側壁部206側に設けられている扉部502が開かれることによって、側壁部206側に設けられている排気口501aから放出されるアークガスは、ハウジング20の中央方向であって側壁部205に向かう方向に方向付けられる。
一対の扉部502が開かれることによって放出されるアークガスは、面PAを含む領域及び面PBを含む領域に向かわないように方向付けられている。アークガスは、面PA及び面PBに向かわないように方向付けられているものの、完全に面PA及び面PBに到達しない態様に限られるものではなく、アークガスの一部が面PAや面PBに到達する場合もある。
面PAは、座部である電源側端子座31からハウジング20の外部に延伸する仮想面である。面PBは、取付壁部202に沿った仮想面である。
続いて、回路遮断器10の内部構成について図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、回路遮断器10の内部を説明するための図であって、電路が導通状態の場合を説明するための図である。図4は、回路遮断器10の内部を説明するための図であって、電路が非導通状態の場合を説明するための図である。
回路遮断器10は、ハウジング20、電源側端子金具30、負荷側端子金具40、可動接触子50、セパレータ60、接点圧スプリング64、ハンドル70、遮蔽部80、及び磁気式引き外し装置90を備えている。
ハウジング20は、基台21と、カバー22と、を備えている。基台21とカバー22とが組み立てられることで、内部空間が設けられたハウジング20が形成される。基台21には、電源側端子金具30、負荷側端子金具40、可動接触子50、セパレータ60、接点圧スプリング64、ハンドル70、遮蔽部80、及び磁気式引き外し装置90が各組付位置に組み付けられている。カバー22は、基台21に組付けられ、基台21に設けられた各種部品を外部環境から保護する。
ハウジング20は、側壁部201と、取付壁部202と、側壁部203と、操作壁部204と、を備えている。ハウジング20は、図1及び図2に示されるように側壁部205及び側壁部206も備えているが、図3及び図4では明示されていない。側壁部201と側壁部203とは、互いに対向するように配置されている。取付壁部202操作壁部204とは、互いに対向するように配置されている。
回路遮断器10が分電盤のベース板といった取り付け部分に取り付けられた場合に、側壁部201は電路の電源側に配置され、側壁部203は電路の負荷側に配置され、取付壁部202はベース板側に配置される。取付壁部202及び操作壁部204は、側壁部201と側壁部203とを繋ぐように設けられている。
電源側端子金具30は、電路の電源側配線(不図示)が繋がれる端子金具である。負荷側端子金具40は、電路の負荷側配線(不図示)が繋がれる端子金具である。電源側端子金具30及び負荷側端子金具40は、それぞれハウジング20の電源側端部及び負荷側端部において露出するように設けられている。
電源側端子金具30は、電源側端子座31と、固定接触子32と、接続部分33と、を備えている。電源側端子座31は、電源側配線と繋がる座部分を構成している。固定接触子32は、可動接触子50との接点となる固定接触子部分を構成する。接続部分33は、電源側端子座31と固定接触子32とを接続する部分である。固定接触子32は、基台21の取り付け部211に取り付けられている。電源側端子座31、固定接触子32、及び接続部分33は、例えば導電性の板状の金属部材により一体的に形成されている。
電源側端子金具30は、ハウジング20の側壁部201からハウジング20の内部に向かうように配置されている。固定接触子32には、固定接点321が設けられている。
負荷側端子金具40は、負荷側端子座41を有する。負荷側端子金具40は、ハウジング20の側壁部203からハウジング20の内部に向かうように配置される。負荷側端子座41は、側壁部203において外部に露出するように、負荷側端子金具40の一端部に設けられている。負荷側端子座41には負荷側配線(不図示)が接続される。
回路遮断器10は、電源側端子座31と負荷側端子座41とが、電気的に接続されている状態と、電気的に遮断されている状態とを切り替えることにより、電源側配線と負荷側配線との電気的な接続を切り替えることの可能な装置である。
可動接触子50は、可動接点51と突出部52とを有する。可動接触子50は、後述するセパレータ60によって保持された状態で、回路遮断器10内部に配置される。可動接点51は、固定接点321と対向することができるように設けられている、可動接点51は、可動接触子50の電源側端子座31側に設けられている。突出部52は、可動接触子50が取り付け部211と対向する面から取り付け部211へ向かうように設けられる。突出部52は、電源側端子座31よりは負荷側端子座41側に位置するように設けられる。
セパレータ60は、先端部61、軸部62、及び内壁面63を有する。セパレータ60は、回路遮断器10の内部に組み付けられている。先端部61は、後述する押圧部材71と当接するように形成されている。軸部62は、セパレータ60がハウジング20に支持されるように、セパレータ60の一端部に設けられる。セパレータ60は、軸部62の中心軸である回転軸mを中心に回転可能なように設けられている。内壁面63は、可動接触子50と当接するように形成されている。
接点圧スプリング64が、取り付け部211と可動接触子50との間に配置されている。接点圧スプリング64は、突出部52に対して嵌め合わされている。接点圧スプリング64は圧縮された状態に保たれている。接点圧スプリング64が可動接触子50を内壁面63に対して押し付けることで、可動接触子50はセパレータ60に保持される。本実施形態では、セパレータ60及び接点圧スプリング64が機構部に相当する。
ハンドル70は、ハウジング20の操作壁部204から突出するように設けられる。押圧部材71は、先端部61に当接するように配置されている。ハンドル70の移動によって、ハウジング20内部のリンク機構(不図示)が押圧部材71を駆動する。押圧部材71は、セパレータ60を押し付けつつ移動することで、可動接触子50を駆動する。押圧部材71は、非導通状態から導通状態へ遷移した場合、ハウジング20内部のリンク機構によって、移動が制限されたロック状態となる。
遮蔽部80は、斜延伸部81と取り付け部82とを有している。遮蔽部80は、絶縁性を有する材料からなる。遮蔽部80は、取り付け部211とセパレータ60とに挟まれて、取り付け部211上に配置される。
斜延伸部81は、固定接点321側の端部811を有している。斜延伸部81は、端部811が高くなり、取り付け部82側が低くなるように傾斜して配置されている。取り付け部82は、遮蔽部80の負荷側端子座41側に設けられている。取り付け部82において、遮蔽部80は、セパレータ60と取り付け部211とに挟まれる。遮蔽部80は、弾性変形を行い、主に斜延伸部81の姿勢が変化する。
磁気式引き外し装置90は、電磁コイル91、可動磁気片92、オイルダッシュポット93、継鉄94、スプリング95、及び掛合片96を有する。磁気式引き外し装置90は、ハウジング20内部に収容される。
電磁コイル91は、可動接触子50と負荷側端子座41との間に配置されている。電磁コイル91は、配線(不図示)を通して、可動接触子50と電気的に接続されている。電磁コイル91は、可動接触子50から負荷側端子座41に流れる電流に基づいて磁気を形成する。
可動磁気片92は、一辺920及び他辺921を有する。可動磁気片92は、後述する継鉄94によって、ハウジング20内部に保持される。一辺920は、電磁コイル91と操作壁部204との間に配置される。一辺920と他辺921とは角部922によって、機械的に接続されている。他辺921は角部922から、側壁部201に沿って基台21側へ延びている。
オイルダッシュポット93は端面930を有する。オイルダッシュポット93は、電磁コイル91の内側面に沿うように、電磁コイル91の内側に挿入される。オイルダッシュポット93は、後述する継鉄94によって、ハウジング20に固定されている。オイルダッシュポット93内部には、オイルと、オイルダッシュポット93内部を移動可能な鉄心とが収容されている。オイルダッシュポット93の端面930は、一辺920に対向している。
継鉄94は、一端がハウジング20の操作壁部204側の内壁面に取り付けられている。継鉄94は、この取り付け位置からオイルダッシュポット93に沿って、ハウジング20の内部に延びている。継鉄94は、可動磁気片92を、角部922を軸として回転運動が可能な状態に支持している。継鉄94の他端部は、負荷側端子座41側に折り曲げられている。継鉄94は、他端部において、オイルダッシュポット93を保持する。
スプリング95は、他辺921と操作壁部204との間に配置される。スプリング95は、一辺920が端面930から離れるように、他辺921に弾性力を加える。また、スプリング95は、他辺921を掛合片96から離れた位置で保持している。
掛合片96は、可動磁気片92と押圧部材71の間に配置されている。掛合片96は、他辺921によって押されることで変位可能である。掛合片96が変位すると、押圧部材71がロック状態にある場合、ロック状態を解除することができる。
続いて、図3及び図4を参照して、回路遮断器10の動作について説明する。図4を参照しながら、非導通状態及び非導通状態から導通状態への遷移について説明する。図4に示されるように、非導通状態では、セパレータ60が、固定接点321と可動接点51とが接触しないように、可動接触子50を保持している。セパレータ60には、接点圧スプリング64による弾性力によって、矢印c2で示される方向の力が働いている。
ハンドル70が操作されることによって、押圧部材71が基台21側に変位する。押圧部材71の変位により、先端部61が基台21側に押圧される。接点圧スプリング64の弾性力に抗するように先端部61が押圧されることで、セパレータ60は、矢印c1で示される方向に、回転軸mを中心に回転運動を行う。
セパレータ60の回転運動により、可動接触子50は、可動接点51が固定接点321に接触するように回転運動を行う。接点圧スプリング64は、可動接触子50の回転運動によって、圧縮される。
可動接触子50が接点圧スプリング64を圧縮するように回転運動すると、可動接触子50は遮蔽部80に接近し、遮蔽部80と接触しながら移動する。可動接触子50は、端部811を押圧するように移動する。端部811が押圧されると、遮蔽部80が弾性変形を行う。遮蔽部80の弾性変形によって、斜延伸部81の姿勢は、取り付け部211に対して平行に近い姿勢となるように変化する。斜延伸部81は、可動接触子50の移動に応じて姿勢を変化するため、可動接点51と固定接点321との接触を妨げることがない。
可動接点51が固定接点321に接触することで、回路遮断器10は非導通状態から導通状態へ遷移する。
図3を参照しながら、導通状態について説明する。ハンドル70が図3に示される位置まで操作されると、押圧部材71が図3に示される位置に保持される。押圧部材71はロック状態となる。これにより、導通状態が保持される。すなわち、電源側端子座31及び負荷側端子座41の間の電路が接続された状態となる。
接点圧スプリング64は、可動接触子50による圧縮状態が保持されている。圧縮された接点圧スプリング64は、可動接点51を固定接点321に押し付ける接点圧を発生させる。
斜延伸部81は、可動接点51と固定接点321との接触を妨げない位置にある。斜延伸部81は、端部811にて、可動接触子50を押圧している。
導通状態から非導通状態へ遷移する動作について説明する。ここでは、配線の短絡によって回路遮断器10に大電流である短絡電流が流れる場合を想定する。短絡電流が流れると、電路を遮断するように、磁気式引き外し装置90が作動する。
短絡による過電流が流れた場合、電磁コイル91が強い磁界を瞬時に発生する。電磁コイル91が強い磁界を生じさせることで、オイルダッシュポット93の端面930に磁力が発生する。端面930が生じる磁力によって、可動磁気片92の一辺920が端面930へ吸引される。
一辺920が端面930へ近づくと、可動磁気片92が角部922を軸として回転運動を行う。回転運動によって、他辺921が掛合片96へと移動する。他辺921の移動によって、他辺921が掛合片96と接触する。掛合片96は他辺921によって押圧され、変位する。掛合片96が変位すると、押圧部材71のロック状態が解除される。ロック状態が解除された押圧部材71は、操作壁部204側へ移動可能となる。
押圧部材71が移動可能となるため、セパレータ60が、接点圧スプリング64による弾性力を受けて、回転運動を行う。セパレータ60は、固定接点321と可動接点51を引き離すように可動接触子50を駆動する。
固定接点321と可動接点51が引き離されるとき、固定接点321と可動接点51との間の空気がアーク放電を行い、アークガスが発生する。
斜延伸部81は、遮蔽部80の弾性変形に起因する復元力を受けている。斜延伸部81は、可動接触子50が固定接点321と可動接点51を引き離すように駆動されると、可動接点51の移動に追従して姿勢を変化する。斜延伸部81は、固定接点321と可動接点51が離れた時、すなわち、アークガスの発生開始時から姿勢変化を開始する。
斜延伸部81の姿勢は、取り付け部211に対して平行に近い姿勢から、取り付け部211に対する傾斜が増加するように変化する。このように変化することで、姿勢変化の過程において、斜延伸部81は、固定接点321と接点圧スプリング64との間に介在しつつ姿勢を変化する。
アークガスはハウジング20の内部に放射状に拡散する。発生したアークガスのうち、接点圧スプリング64の方に向かうものは、固定接点321と接点圧スプリング64との間に介在する斜延伸部81によって遮られる。したがって、接点圧スプリング64に到達するアークガスが減少する。
本実施形態では、発生したアークガスをハウジング20の外部に放出するように、側壁部201に繋がる放出通路501が設けられている。放出通路501が側壁部201に臨む端部には、排気口501aが形成されている。
通常の状態では、排気口501aを塞ぐように扉部502が設けられている。図1及び図2を参照しながら説明したように、アークガスの発生によって扉部502が開かれ、アークガスがハウジング20の外部に放出される。
回路が遮断されると、電磁コイル91に電流が流れなくなるため、電磁コイル91によって発生した磁力も消失する。磁力の消失によって、可動磁気片92、オイルダッシュポット93、スプリング95、及び掛合片96は図4に示す状態となる。
押圧部材71が、図4に示される位置まで移動し、操作壁部204側への移動が停止すると、セパレータ60、可動接触子50、遮蔽部80の移動もしくは姿勢変化が停止する。導通状態から非導通状態へ遷移した後のセパレータ60、可動接触子50、及び遮蔽部80は図4に示す状態になる。また、ハンドル70は、ロック状態が解除されて、図4に示す状態になる。
上記説明した扉部502は、片開き態様のものであったが、図5に示される回路遮断器10Aのように両開き態様のものとしてもよい。図5に示される扉部502Aは、1つの排気口501aを両開き態様の2枚の扉で閉塞し、開放するように構成されている。
本実施形態の回路遮断器10,10Aは、電路を構成する外部配線と繋がる座部としての電源側端子座31と、座部としての電源側端子座31に電気的に繋がれた固定接触子32と、固定接触子32と接触及び離隔することにより電路の導通及び遮断を切り替える可動接触子50と、固定接触子32及び可動接触子50が納められたハウジング20と、を備えている。ハウジング20の側壁部には、可動接触子50が固定接触子32から離れる際に発生するアークガスをハウジング20の内部から外部に排出するための排気口501aが形成され、排気口501aを閉塞する扉部502,502Aが設けられている。扉部502,502Aは、アークガスが発生する際に開放され、排気口501aから排出されるアークガスを座部としての電源側端子座31からハウジング20の外部に延伸する面PAを含む領域以外に向かうように方向付ける。
ハウジング20の側壁部201に設けられる排気口501aに扉部502,502Aが設けられているので、扉部502,502Aが排気口501aを閉塞することでハウジング20内部への異物の侵入を抑制することができる。排気口501aはアークガスを排出することができるように設けられ、アークガスが発生すると扉部502,502Aは開放されるので、アークガスを外部に円滑に排出することができる。扉部502,502Aは、排気口501aからアークガスを排出するにあたって、アークガスを座部としての電源側端子座31には極力向かわないように、座部から延伸する領域以外に主として向かうように方向付けるので、アークガスによって座部や座部に繋がる外部配線が影響を受けることを抑制することができる。
尚、本実施形態では電源側端子座31が設けられている側に排気口501a及び扉部502を設けたけれども、負荷側端子座41が設けられている側に排気口及び扉部を設けてもよい。負荷側端子座41が設けられている側に排気口及び扉部を設ける場合、固定接触子が負荷側端子座41に繋がるようにしてもよい。
本実施形態において、ハウジング20は、盤に沿って取り付けられるように形成された取付壁部202を有している。扉部502,502Aは、排気口501aから排出されるアークガスを取付壁部202に沿った面PBを含む領域以外に向かうように方向付けている。
扉部502,502Aは、排気口501aからアークガスを排出するにあたって座部及び外部配線に与える影響を抑制するように方向付けることに加え、取付壁部202に沿った面PBを含む領域以外に向かうようにも方向づけるので、取付壁部202が取り付けられる盤にアークガスの影響を与えることを抑制することができる。
本実施形態において、扉部502,502Aは、アークガスが発生すると、座部としての電源側端子座31から取付壁部202に向かう軸502aを中心として排気口501aを開放する動作を行っている。
軸502aと交わる方向に主にアークガスが向かうように方向付けることができるので、排気口501aからアークガスを排出するにあたって、軸502aが延びる方向に存在する座部及び外部配線や盤に与える影響の低減をより確実に行うことができる。
本実施形態において、扉部502は、軸502aを中心として、ハウジング20の中央側が開くように排気口501aを開放する動作を行っている。
扉部502はハウジング20の中央側が開くように構成されているので、アークガスはハウジング20の中央側に向けて方向付けられる。回路遮断器10に他の機器が隣接配置されても、アークガスが他の機器から離れるように放出されるので、他の機器に与える影響を低減することができる。
本実施形態において、扉部502,502Aは、排気口501aを開放してアークガスを排出し、アークガスを排出した後に排気口501aを閉塞するように構成されている。
アークガスを放出後に排気口501aを再閉塞するので、アークガスの放出は確実に行いつつ、アークガス放出後における異物の混入も抑制することができる。尚、扉部502,502Aが、アークガスを放出後に排気口501aを再閉塞する態様は、様々なものが採用されうる。扉部502,502Aの軸502a周りにばね機構を設け、ばね力によって扉部502,502Aを閉じるようにすることもできる。
本実施形態において、扉部502,502Aは、自らの弾性変形によって排気口501aの開閉動作を行うことも好ましい。
扉部自体の弾性変形によって再閉塞するので、他の部材を用いることなくアークガス放出後における異物の混入を抑制することができる。
本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、およびその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。