JP2020098178A - 画像検査装置及び画像形成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷物が再利用可能か否かを判定することができる画像検査装置及び画像形成システム提供する。【解決手段】本発明の画像検査装置は、画像読取部と、マスター画像取得部12と、読取画像取得部11と、1次判定部16と、不良特定部17と、2次判定部23と、を備えている。1次判定部16は、用紙が良品か否かの1次判定を行う。不良特定部17は、検出された不良に関する情報である不良情報を特定する。2次判定部23は、不良特定部17が特定した不良情報に基づいて、良品でないと判定された用紙が再利用可能か否かの2次判定を行う。【選択図】図4

Description

本発明は、画像が形成された用紙を検査する画像検査装置及び画像形成システムに関する。
画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、この画像形成装置に用紙を供給する用紙供給装置とを備えている。そして、画像形成装置では、出力されたジョブ情報に基づいて、用紙に画像を形成する。また、画像形成装置で形成された画像を検査する画像検査装置を設けた画像形成システムが知られている。
従来の、この種の技術としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、原稿画像データ取得手段と、原稿画像データに基づいて画像形成装置により用紙上に形成された印刷結果画像から読み取った検査画像データを取得する手段と、原稿画像データおよび検査画像データに基づいて画像欠陥を検出して、印刷物の品質を複数の品質クラスに分別する品質決定手段と、を有する技術が記載されている。そして、特許文献1に記載された技術では、品質決定手段において、印刷物の品質を良品クラスまたは不良クラスに分別するモードと、印刷物の品質を良品クラスまたは不良クラスまたは中間品質クラスに分別するモードと、が切り替え可能である。
そして、不良クラスと判断された印刷物は、廃棄される。なお、廃棄による損失を軽減するために、中間品質クラスと判断された印刷物を、使用者が目視によって再度確認し、除去・修復可能な印刷物に対しては再利用が行われている。
特開2005−505797号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、画素ごとの差分の大きさの違いに基づいて、良品クラス、不良品クラス、中間品質クラスに分別していたため、手で除去可能な目立つ汚れが付着している場合でも、不良品クラスと判断されていた。その結果、特許文献1に記載された技術では、再利用可能な印刷物であっても不良品クラスとして廃棄される可能性があった。
本発明は、上述のような従来の問題点に鑑み、印刷物が再利用可能か否かを判定することができる画像検査装置及び画像形成システム提供することを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の画像検査装置は、画像読取部と、マスター画像取得部と、読取画像取得部と、1次判定部と、不良特定部と、2次判定部と、を備えている。画像読取部は、用紙に形成された画像を読み取る。マスター画像取得部は、用紙に形成されたマスター画像のマスター画像データを取得する。読取画像取得部は、画像読取部が読み取った読取画像の読取画像データを取得する。1次判定部は、マスター画像データと読取画像データに基づいて不良を検出し、用紙が良品か否かの1次判定を行う。不良特定部は、1次判定部により良品でないと判定された際に、1次判定部が出力した1次判定情報に基づいて、検出された不良に関する情報である不良情報を特定する。2次判定部は、不良特定部が特定した不良情報に基づいて、良品でないと判定された用紙が修正により再利用可能か否かの2次判定を行う。
また、本発明の画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置により画像が形成された用紙を検査する用紙検査装置と、を備えている。用紙検査装置としては、上述した用紙検査装置が適用される。
上記構成の画像検査装置及び画像形成システムによれば、印刷物が再利用可能か否かを判定することができる。
本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムの全体構成を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムのハードウエア構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける各装置間の情報の通信状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける画像検査装置の検査制御部の構成を示すブロック図である。 不良の種別と、その修復手段の一例を示すリストである。 不良発生場所の属性と、その修復手段の一例を示すリストである。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける用紙検査動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける用紙検査動作で画像検査装置が取得する画像データ例を示す説明図である。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける用紙検査動作の2次判定動作の詳細を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける用紙検査動作で作成される不良リストの一例を示すものである。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける判定基準リスト格納部に格納された判定基準リストの一例を示すものである。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムの2次判定動作における許容レベル特定処理を示す説明図であり、属性として「グラフィック」に不良画素が発生した場合を示す。 不良画素と不良周辺が祖の各色の濃度のその平均値を示す表である。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムの2次判定動作における許容レベル特定処理を示す説明図であり、属性として「テキスト」に不良画素が発生した場合を示す。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける2次判定動作が終了した際の不良リストの一例を示すものである。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける用紙検査動作の検査結果の一例を示す表示例である。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける判定基準リスト格納部に格納された判定基準リストの他の例を示すものである。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける用紙検査動作の検査結果の他の例を示す表示例である。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける用紙検査動作の設定画面を示す表示例である。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける用紙検査動作のフィードバック処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける用紙検査動作のフィードバック処理を示す表示例である。
以下に、本発明の画像検査装置及び画像形成システムを実施するための形態について、図1〜図21を参照しながら説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
1.実施の形態例
1−1.画像形成システムの構成
まず、本発明の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる画像形成システムの全体構成について説明する。図1は、本例の画像形成システム1の概略構成図である。
図1に示すように、画像形成システム1は、制御装置を示すコントローラー10と、画像形成装置20と、画像検査装置30と、用紙積載装置50と、を備えている。コントローラー10、画像形成装置20、画像検査装置30、用紙積載装置50は、それぞれLAN等のネットワークに接続され、ネットワークを介して相互に接続されている。また、画像形成システム1は、用紙Sの搬送経路の上流側から、画像形成装置20、画像検査装置30、用紙積載装置50の順に並べて配置され、直列的に連なって接続されている。
コントローラー10は、例えば、PC(パーソナルコンピューター)により構成されており、画像形成装置20、画像検査装置30及び用紙積載装置50を制御する。また、コントローラー10は、使用者の入力操作に基づいて、文書作成や画像アプリケーションにより画像形成を行う画像データ及び属性データを作成する。
そして、コントローラー10は、作成した画像データや属性データ、用紙Sに対して行う処理内容を示すジョブ情報を画像形成装置20、画像検査装置30や用紙積載装置50に出力する。
画像形成装置20は、出力されたジョブ情報、画像データ及び属性データに基づいて、給紙された用紙Sに対して画像を形成する。また、画像形成装置20は、例えば電子写真方式により用紙Sに画像を形成する装置である。画像形成装置20は、用紙搬送部230と、操作表示パネル240と、画像形成部270と、定着部280と、反転搬送部290とを備えている。
操作表示パネル240は、画像形成装置20の筐体の上部に設置されている。操作表示パネル240は、表示パネルとタッチパネル(操作部)が重ねられた構成をしており、使用者による操作及び情報の表示が可能となっている。
用紙搬送部230は、大容量給紙ユニットの給紙トレイや、画像形成装置20に設けられた給紙トレイから給紙された用紙Sを、画像形成部270、定着部280、反転搬送部290や後述する画像検査装置30に搬送する。
画像形成部270は、例えば、複数色(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック等)の画像形成ユニットを備え、用紙にカラーのトナー画像を形成することができる。画像形成部270の用紙搬送方向の下流側には、トナー画像が形成された用紙が搬送される定着部280が配置されている。
定着部280は、搬送された用紙Sを加圧及び加熱することにより、用紙Sに転写されたトナー画像を用紙Sに定着する。定着部280により定着処理が行われた用紙Sは、用紙搬送部230により、反転搬送部290又は画像検査装置30に搬送される。
反転搬送部290は、用紙Sを反転させる反転部が設けられている。反転部により表裏又は前後が反転された用紙Sは、反転搬送部290を通って画像形成部270の上流側又は定着部280の下流側に搬送される。
画像検査装置30は、画像形成装置20から搬送される用紙Sに形成された画像を読み取る装置である。画像検査装置30は、用紙Sを搬送する用紙搬送部330と、画像を読み取る画像読取部360とを有している。
用紙搬送部330は、画像形成装置20から排出された用紙Sを用紙積載装置50に搬送する。画像読取部360は、用紙搬送部330の用紙搬送経路上に配置されている。そして、画像読取部360は、用紙搬送部330によって搬送された用紙Sを、光学的に走査して用紙Sに形成された情報(画像)を読み取り、読取画像の画像データを作成する。
さらに、画像検査装置30は、読取画像の画像データ(読取画像データ)と、マスター画像の画像データ(マスター画像データ)や、属性データから、画像が形成された用紙Sが良品、不良品又は再利用可能か否かを判定する。そして、画像検査装置30は、判定結果をコントローラー10に出力する。
用紙積載装置50は、画像検査装置30によって検査され、搬送された用紙Sを積載する。用紙積載装置50は、スタック部560と、排紙トレイ580と、2つのサブトレイ590A、590Bと、後処理部570(図2参照)を有している。スタック部560には、画像検査装置30から排出された用紙Sが積載される。後処理部570は、スタック部560に積載された用紙Sに対してステープル処理や、パンチ処理等の後処理を行う。
排紙トレイ580には、後処理部570により後処理が施された印刷物が排出される。また、サブトレイ590A、590Bには、画像検査装置30により不良品又は再利用可能と判定された印刷物が排出される。
1−2.各装置のハードウエア構成
次に、図2及び図3を参照して各装置のハードウエア構成について説明する。
図2は、画像形成システムの各装置のハードウエア構成を示すブロック図である。図3は、各装置間の情報の通信状態を示す説明図である。
まず、コントローラー10のハードウエア構成について説明する。
図2に示すように、コントローラー10は、制御部100と、通信部110と、RIP処理部130と、メモリ150とを備えている。制御部100は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有している。制御部100は、通信部110、RIP処理部130、メモリ150にシステムバスを介して接続され、コントローラー10全体を制御する。
RIP処理部130は、通信部110を介して入力される、もしくは内部作成したPDL(Page Description Language)データをもとに、画像データ(ビットマップデータ)と、画像データの各画素が何の属性を有しているかを示す属性データに変換する。なお、画像形成装置20で識別できる言語(PDL)としては、PCLやPostScript等がある。
属性データの属性としては、例えば、「テキスト」、「イメージ」、「グラフィック」等が挙げられる。
メモリ150は、RAM等の揮発性メモリ又は大容量の不揮性メモリである。メモリ150には、制御部100が実行するプログラム等が格納されており、また制御部100の作業領域として使用される。
通信部110は、画像形成システム1の外部装置(クライアント端末、管理装置サーバ等や、モバイル端末)や、画像形成装置20、画像検査装置30、用紙積載装置50とデータの送信及び受信を行う。また、コントローラー10は、図3に示すように、通信部110を介して、RIP処理部130で作成及び変換された画像データ、属性データ及びジョブ情報を画像形成装置20、画像検査装置30や用紙積載装置50に出力する。
また、コントローラー10は、不図示の表示部を有している。コントローラー10は、後述する画像検査装置30から検査結果を示す各種レポートやフィードバック情報を、通信部110を介して受信し、表示部に各種レポートを表示する。
次に、画像形成装置20のハードウエア構成について説明する。
画像形成装置20は、制御部200と、通信部210と、環境測定部220と、用紙搬送部230、操作表示パネル240、メモリ250、画像処理部260、画像形成部270、定着部280、反転搬送部290を備えている。
制御部200は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有している。制御部200は、通信部210、用紙搬送部230、操作表示パネル240、メモリ250、画像処理部260、画像形成部270、定着部280、反転搬送部290にシステムバスを介して接続され、画像形成装置20全体を制御する。
記憶部を示すメモリ250は、RAM等の揮発性メモリ又は大容量の不揮性メモリである。メモリ250には、制御部200が実行するプログラム等が格納されており、また制御部200の作業領域として使用される。
画像処理部260は、外部から入力されたジョブ情報から画像データ及び属性データを取得し、画像処理を行う。画像処理部260は、制御部200の制御のもと、受信した画像データに対し、属性データやジョブ情報に応じて、シェーディング補正、画像濃度調整、画像圧縮等の画像処理を行う。そして、画像処理部260によって処理された画像データは、画像形成部270に送信される。画像形成部270は、画像処理部260によって画像処理された画像データを受け取り、画像データに基づいて用紙Sの上に画像を形成する。
操作表示パネル240は、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイからなるタッチパネルである。この操作表示パネル240は、出力部及び入力部の一例であり、使用者に対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示パネル240は、複数のキーを備え、使用者のキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付けて、入力信号を制御部200に出力する。また、操作表示パネル240は、後述する画像検査装置30の検査結果を示す各種レポートやフィードバック情報等を表示する。
通信部210は、コントローラー10や画像検査装置30等とデータの送信及び受信を行う。そして、通信部210は、受信した画像データや属性データ等の各種データを制御部200に出力する。
環境測定部220は、例えば、温度計や湿度計等からなり温度や湿度等の画像形成装置20が画像形成を行う際の環境状況を測定する。環境測定部220が測定した環境情報は、メモリ250に格納すると共に、図3に示すように通信部210を介して画像検査装置30に出力される。
次に、画像検査装置30のハードウエア構成について説明する。
画像検査装置30は、制御部300と、通信部310と、用紙搬送部330と、メモリ350と、画像読取部360と、レポート制御部370と、検査制御部380と、を備えている。
制御部300は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有している。制御部300は、通信部310、用紙搬送部330、メモリ350、画像読取部360、レポート制御部370、検査制御部380にシステムバスを介して接続され、画像検査装置30全体を制御する。
メモリ350は、RAM等の揮発性メモリ又は大容量の不揮性メモリである。メモリ350には、制御部300が実行するプログラム等が格納されており、また制御部300の作業領域として使用される。
検査制御部380は、画像読取部360が読み取った読取画像データと、コントローラーから出力されたマスター画像データ及び属性データから画像が形成された用紙S(以下、印刷物という)が良品、不良品又は再利用可能か否かを判定する。検査制御部380は、判定結果をレポート制御部370に出力する。なお、検査制御部380の詳細な構成については、後述する。
レポート制御部370は、検査制御部380から出力された検査結果に基づいて、良品レポート、再利用可能レポートや不良品レポート等の各種レポートを作成する。そして、レポート制御部370によって作成された各種レポートは、通信部310を介して、コントローラー10、画像形成装置20や用紙積載装置50に出力される。また、図3に示すように、通信部310は、フィードバック情報をコントローラー10に出力する。
次に、用紙積載装置50のハードウエア構成について説明する。
用紙積載装置50は、制御部500と、通信部510と、用紙搬送部530と、メモリ550と、スタック部560と、後処理部570と、排紙トレイ580と、2つのサブトレイ590A、590Bとを有している。
制御部500は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有している。制御部500は、通信部510、用紙搬送部530、メモリ250、スタック部560、後処理部570、排紙トレイ580、2つのサブトレイ590A、590Bにシステムバスを介して接続され、用紙積載装置50全体を制御する。
メモリ550は、RAM等の揮発性メモリ又は大容量の不揮性メモリである。メモリ550には、制御部500が実行するプログラム等が格納されており、また制御部500の作業領域として使用される。
通信部510は、コントローラー10、画像形成装置20及び画像検査装置30とデータの送信及び受信を行う。
後処理部570は、制御部500の指示に基づいて、スタック部560に積載された印刷物に対して所定の後処理を実施する。用紙搬送部530は、画像検査装置30の検査結果に基づいて、印刷物をスタック部560、又は2つのサブトレイ590A、590Bに搬送する。なお、第1サブトレイ590Aには、再利用可能と判定された印刷物が排出され、第2サブトレイ590Bには、不良品と判定された印刷物が排出される。
なお、本例では、良品、不良品及び再利用可能な印刷物が排出されるトレイとして、排紙トレイ580、第1サブトレイ590A及び第2サブトレイ590Bを設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、良品、不良品及び再利用可能な印刷物を全て同一のトレイに排出してもよい。この場合、用紙搬送部530によって、搬送方向と直交する幅方向に良品、不良品及び再利用可能な印刷物をそれぞれシフトさせて排出することが好ましい。これにより、トレイに排出された印刷部を使用者が容易に良品、不良品又は再利用可能な印刷物であるか否かを判断することができる。
[検査制御部]
次に、図4〜図6を参照して検査制御部380の詳細な構成例について説明する。
図4は、検査制御部380を示すブロック図である。
検査制御部380は、制御部381と、読取画像取得部11と、マスター画像取得部12と、特徴点抽出部13と、比較画像作成部14と、差分比較部15とを有している。また、検査制御部380は、1次判定部16と、不良特定部17と、不良リスト作成部18と、フィードバック制御部21と、判定基準リスト格納部22と、2次判定部23と、結果出力部24とを有している。
制御部381は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有しており、検査制御部380全体を制御する。
読取画像取得部11は、画像読取部360が読み取った読取画像データを取得する。そして、読取画像取得部11は、取得した読取画像データを、特徴点抽出部13、比較画像作成部14、差分比較部15に出力する。
マスター画像取得部12は、コントローラー10から用紙に画像を形成する際の画像データ、すなわちマスター画像データを取得する。また、マスター画像取得部12は、マスター画像の属性を示す属性データも取得する。マスター画像取得部12は、取得したマスター画像データ及び属性データを特徴点抽出部13に出力する。
特徴点抽出部13は、読取画像取得部11から出力された読取画像データや、マスター画像取得部12から出力されたマスター画像データから特徴点を抽出する。特徴点抽出部13は、抽出した特徴点と、マスター画像データを比較画像作成部14に出力する。
比較画像作成部14は、1次判定に用いる比較画像を作成する。そして、比較画像作成部14は、作成した比較画像データを差分比較部15に出力する。差分比較部15は、読取画像取得部11から出力された読取画像データと、比較画像作成部14から出力された比較画像データを比較し、画素毎の差分値を算出する。そして、差分比較部15は、算出した差分値を1次判定部16に出力する。
1次判定部16は、差分比較部15から出力された画素毎の差分値から印刷物が良品か不良品かの判定(1次判定)を行う。1次判定部16は、判定した1次判定情報を、不良特定部17及び結果出力部24に出力する。なお、1次判定情報には、良品か不良品かの判定情報と共に、不良の形状及び濃度に関する情報が含まれる。
不良特定部17は、1次判定部16からの1次判定情報である不良の形状に基づいて、不良の情報(不良情報)を特定する。不良特定部17が特定する不良情報としては、種別、不良の発生場所(座標)、その場所の属性、及び不良レベルである。不良レベルは、不良の種別ごとに設定されている。不良特定部17が特定する不良の種別としては、例えば、図5に示すようなものが挙げられる。
図5は、不良の種別と、その修復手段の一例を示すリストである。
図5に示すように、不良の種別としては、例えば、「ゴミ付着」、「トナー飛散」、「汚れ」、「スジ」、「ホタル」、「異常画像」及び「傾き」等が挙げられる。また、不良の種別に応じて、「ゴム付着」、「トナー飛散」、「汚れ」、「スジ」のように修復可能な不良と、「ホタル」、「異常画像」、「傾き」のように修復不可能な不良に分けられる。
不良特定部17が検出する不良の発生した場所の属性としては、例えば、図6に示すようなものが挙げられる。
図6は、不良の発生した場所の属性と、その修復手段の一例を示すリストである。
図6に示すように、不良の発生場所の属性としては、例えば、「白紙」、「グラフィック」、「イメージ」、「テキスト」、「バリアブル情報」等が挙げられる。ここで、不良の発生場所の属性が「白紙」、「グラフィック」、「テキスト」上であれば、修復可能である。しかしながら、不良の発生場所の属性が「イメージ」、「バリアブル情報」上であれば、修復が不可能である。
そして、不良特定部17は、特定した不良の種別、場所、不良レベル、属性等からなる不良情報を不良リスト作成部18及び2次判定部23に出力する。
不良リスト作成部18は、不良特定部17から出力された不良情報に基づいて、不良リスト(図10参照)を作成及び登録し、2次判定部23に出力する。
フィードバック制御部21は、レポート制御部370からフィードバック情報を受信する。そして、フィードバック制御部21は、受信したフィードバック情報を判定基準リスト格納部22に出力する。
判定基準リスト格納部22には、再利用可能か否かを判定するための判定基準リスト(図11参照)が予め格納されている。また、判定基準リスト格納部22は、フィードバック制御部21から送信されたフィードバック情報に基づいて格納された判定基準リストの許容レベルを更新する。なお、判定基準リストの詳細については、後述する。
2次判定部23は、不良リスト作成部18から出力された不良リストと、判定基準リスト格納部22に格納された判定基準リストに基づいて、印刷部が再利用可能か不良品かの判定(2次判定)を行う。そして、2次判定部23は、判定した2次判定情報を結果出力部24に出力する。
結果出力部24は、1次判定部16からの1次判定情報と、2次判定部23からの2次判定情報をレポート制御部370に出力する。そして、レポート制御部370は、結果出力部24から出力された検査結果に基づいて、良品レポート、再利用可能レポートや不良品レポート等の各種レポートを作成する。
2.動作例
次に、上述した構成を有する画像形成システム1における用紙検査の動作例について図7〜図16を参照して説明する。
図7は、用紙検査動作を示すフローチャート、図8は、画像検査装置30が取得するマスター画像、読取画像等を示す説明図である。
2−1.検査動作
まず、画像検査装置30のマスター画像取得部12は、コントローラー10から図8Aに示すようなマスター画像データを取得する(ステップS11)。ステップS11の処理では、マスター画像取得部12は、マスター画像の属性を示す属性データも取得する。
なお、ステップS11の処理において、マスター画像取得部12が取得するマスター画像データは、コントローラー10から出力された画像データに限定されるものではない。例えば、装置の校正処理を行うプルーフ印刷時に画像読取部360が読み取った画像データや、基準となる用紙Sを画像読取部360が読み取り、この画像データをマスター画像データとして、マスター画像取得部12が取得してもよい。この場合、属性データは、コントローラー10から出力してもよく、または、画像読取部360が読み取った画像データに対してOCR(Optical character recognition)解析を行うことで属性データを取得してもよい。
次に、画像形成装置20から印刷物が搬送されると、画像検査装置30は、画像読取部360によって印刷部に形成された画像を読み取る。そして、読取画像取得部11は、画像読取部360が読み取った図8Bに示すような読取画像データを取得する(ステップS12)。
次に、マスター画像取得部12は、取得したマスター画像データを特徴点抽出部13に出力し、同様に、読取画像取得部11は、取得した読取画像データを特徴点抽出部13に出力する。そして、特徴点抽出部13は、マスター画像及び読取画像の特徴点を抽出する。特徴点抽出部13は、例えば、文字や画像のエッジを特徴点として抽出する(ステップS13)。そして、特徴点抽出部13は、抽出した特徴点と、マスター画像データを比較画像作成部14に出力する。
比較画像作成部14は、特徴点抽出部13が抽出した特徴点に基づいて、マスター画像から比較画像を作成する(ステップS14)。ここで、画像形成装置20によって形成された画像は、用紙の搬送位置や、定着部280による定着処理によって、マスター画像に対して画像の倍率や画像が形成される位置が微少に変更している。そのため、ステップS14の処理において、比較画像作成部14は、特徴点抽出部13が抽出した特徴点を基準点として、マスター画像データを読取画像データに合わせて、倍率の変更及び位置合わせを行い、比較画像データを作成する。なお、比較画像作成部14は、マスター画像の属性データに対しても比較画像データに合わせて倍率の変更及び位置合わせを行う。
次に、差分比較部15は、比較画像作成部14が作成した比較画像データと、読取画像取得部11から出力された読取画像データを比較し、全ての画素毎の差分値を算出する(ステップS15)。そして、差分比較部15は、算出した差分値を1次判定部16に出力する。
次に、1次判定部16は、差分比較部15から出力された全ての画素の差分が、予め設定された基準値以下であるか否かを判断する(ステップS16)。すなわち、ステップS16の処理において、印刷物に対する1次判定を行う。
ステップS16の処理において、1次判定部16は、全ての画素の差分が基準値以下であると判断した場合(ステップS16のYES判定)、検査制御部380の制御部381は、印刷物を良品として処理する(ステップS22)。すなわち、1次判定部16は、1次判定情報を結果出力部24に出力し、結果出力部24は、1次判定情報をレポート制御部370や通信部310に出力する。
また、レポート制御部370は、結果出力部24から出力された1次判定情報に基づいて、良品レポートを作成する(ステップS23)。ステップS23で作成された良品レポートは、コントローラー10、画像形成装置20や用紙積載装置50に通信部310を介して送信される(ステップS28)。
これにより、コントローラー10の表示部や、画像形成装置20の操作表示パネル240には、印刷物が良品である旨の表示がなされる。また、用紙積載装置50は、良品であると判定された印刷物に対して、後処理を行い、排紙トレイ580に排出する。
これに対して、ステップS16の処理において、差分値が基準値を超えた画素があると1次判定部16が判断した場合(ステップS16のNO判定)、1次判定部16は、1次判定情報を不良特定部17に出力する。そして、不良特定部17は、1次判定情報に基づいて、不良情報を特定する。不良特定部17は、特定した不良情報を不良リスト作成部18に出力する。不良リスト作成部18は、不良特定部17から出力された不良情報を、不良リストに反映する(ステップS17)。
次に、不良特定部17は、全ての不良の特定が終わったか否かを判断する(ステップS18)。ステップS18の処理において、特定がされていない不良があると不良特定部17が判断した場合(ステップS18のNO判定)、ステップS17の処理に戻り、不良特定部17は、不良の特定処理を継続させる。
また、ステップS18の処理において、全ての不良の特定が終わったと不良特定部17が判断した場合(ステップS18のYES判定)、不良リスト作成部18は、作成した不良リストを2次判定部23に出力する。次に、2次判定部23は、判定基準リスト格納部22に格納された判定基準リストを呼び出す。そして、2次判定部23は、判定基準リストを元に特定した不良の2次判定を行う(ステップS19)。
次に、2次判定部23は、全ての不良の2次判定が終わったか否かを判断する(ステップS20)。ステップS20の処理において、2次判定が終わっていない不良があると2次判定部23が判断した場合(ステップS20のNO判定)、ステップS19の処理に戻り、2次判定部23は、2次判定処理を継続させる。
また、ステップS20の処理において、全ての不良の2次判定が終わったと2次判定部23が判断した場合(ステップS20のYES判定)、2次判定部23は、不良箇所の全ての2次判定がOKであるか否かを判断する(ステップS21)。ステップS21の処理において、不良箇所の全ての2次判定がOKであると2次判定部23が判断した場合(ステップS21のYES判定)、検査制御部380の制御部381は、印刷物を再利用可能品として処理する(ステップS24)、すなわち、2次判定部23は、2次判定情報を結果出力部24に出力し、結果出力部24は、2次判定情報をレポート制御部370や通信部310に出力する。
また、レポート制御部370は、結果出力部24から出力された2次判定情報に基づいて、再利用可能レポートを作成する(ステップS25)。ステップS25で作成された再利用可能レポートは、コントローラー10、画像形成装置20や用紙積載装置50に通信部310を介して送信される(ステップS28)。
これにより、コントローラー10の表示部や、画像形成装置20の操作表示パネル240には、印刷物が再利用可能品である旨の表示がなされる。また、用紙積載装置50は、再利用可能品であると判定された印刷物を良品が排出される排紙トレイ580とは異なる第1サブトレイ590Aに排出する。
これに対して、ステップS21の処理において、不良箇所の2次判定にNGがあると2次判定部23が判断した場合(ステップS21のNO判定)、検査制御部380の制御部381は、印刷物を不良品として処理する(ステップS26)、すなわち、2次判定部23は、2次判定情報を結果出力部24に出力し、結果出力部24は、2次判定情報をレポート制御部370や通信部310に出力する。
また、レポート制御部370は、結果出力部24から出力された2次判定情報に基づいて、不良品レポートを作成する(ステップS27)。ステップS27で作成された不良品レポートは、コントローラー10、画像形成装置20や用紙積載装置50に通信部310を介して送信される(ステップS28)。
これにより、コントローラー10の表示部や、画像形成装置20の操作表示パネル240には、印刷物が不良品である旨の表示がなされる。また、用紙積載装置50は、再利用可能品であると判定された印刷物を、良品が排出される排紙トレイ580や再利用品が排出される第1サブトレイ590Aとは異なる第2サブトレイ590Bに排出する。これにより、画像形成システム1における用紙検査の動作が完了する。
2−2.2次判定動作
次に、上述したステップS17〜ステップS21の処理における2次判定動作の詳細な内容について図9〜図11を参照して説明する。図10は、不良リストの一例を示すものである。
図7に示すステップS16の処理において、差分値が基準値を超えた画素があると1次判定部16が判断した場合、図9に示すように、不良特定部17は、1次判定情報から差分が基準値以上の不良画素を取得する(ステップS31)。これにより、図8Cに示すように、不良箇所を抽出することができる。
次に、不良特定部17は、ステップS31の処理で取得した不良の種別を特定する(ステップS32)。なお、不良の種別は、例えば、不良画素の形状や濃度から特定される。この不良の種別の特定方法は、不良画素の形状や濃度によって特定される方法に限定されるものではなく、その他各種の方法を適用できるものである。
さらに、不良特定部17は、種別を特定した不良の発生場所(座標)、不良レベルを特定し、不良の発生場所の属性を検出する。不良レベルは、不良の種別毎に設定されており、画素のサイズや濃度差等から例えば10段階で判定される。なお、本例では、「10」から「1」に数字が小さくなるほど軽微な不良とする。
また、属性の検出方法としては、図8Cに示す不良箇所を抽出したデータに、属性データを重ね合わせる。これにより、図8Dに示すような、不良箇所と属性データが重ね合わされたデータを取得することができる。そして、不良特定部17は、図8Dに示すデータから、不良が発生した箇所の属性データを検出する。
次に、不良特定部17は、特定した不良の種別、座標、不良レベル、所属する属性からなる不良情報を不良リスト作成部18に出力する。そして、不良リスト作成部18は、不良特定部17から出力された不良情報を不良リストに登録する(ステップS33)。
次に、不良特定部17は、印刷物の1page内の全ての不良画素の特定処理が終わったか否かを判断する(ステップS34)。なお、ステップS34の処理は、検査制御部380の制御部381が判断してもよい。そして、ステップS34の処理において、特定されていない不良画素があると不良特定部17が判断した場合(ステップS34のNO判定)、ステップS31の処理に戻り不良の特定処理を継続させる。
ステップS34の処理において、全ての不良画素の特定処理が終了したと不良特定部17が判断した場合(ステップS34のYES判定)、不良リスト作成部18は、例えば、図10に示すような不良リストを作成することができる。
図10に示すように、不良リストには、各不良箇所に「ナンバー」が付与されて、「不良の種別」、「座標」、「不良レベル」及び「属性」が設定される。またナンバー1に示すように、複数の属性にまたがって発生した不良には、複数の属性が設定される。
次に、2次判定部23は、不良リスト作成部18が作成した不良リストの「不良の種別」と「属性」から、判定基準リスト格納部22に格納された判定基準リストの該当箇所を特定する(ステップS35)。
図11は、判定基準リスト格納部22に格納された判定基準リストの一例を示すものである。
図11に示すように、判定基準リストには、「不良の種別」、「属性」毎に許容レベルが設定されている。この許容レベルは、「1」から「10」に10段階に設定されている。そして、許容レベルは、数字が小さくなるほど許容範囲が厳しく設定される。さらに、判定基準リストの項目には、「不良の種別」や「属性」に応じて「詳細」な判定条件が設けられている。「詳細」な判定条件は、例えば、不良箇所のトナー濃度や、不良箇所の周囲のトナーの濃度に応じて設定される。
また、「属性」が「白紙」は、他の属性よりも許容レベルの値が大きく、許容範囲が甘く設定されている。さらに、ゴミの付着は、図5に示すように手で撫でるだけで除去することができる。そのため、図11に示すように、「不良の種別」が「ゴミ」である場合、「属性」に関係なく許容レベルの値が最大値の「10」であり、許容範囲が最も甘く設定されている。
そして、2次判定部23は、特定した判定基準リストに詳細条件があるか否かを判断する(ステップS36)。ステップS36の処理において、2次判定部23は特定した判定基準リストの項目に詳細条件がないと判断した場合(ステップS36のNO判定)、後述するステップS38の処理を行う。これに対して、ステップS36の処理において、2次判定部23は特定した判定基準リストの項目に詳細条件があると判断した場合(ステップS36のYES判定)、ステップS37の処理を行う。
ステップS37の処理では、2次判定部23は、不良の周辺画素情報を取得し、計算を実施する。そして、計算結果に基づいて、2次判定部23は、判定基準リストの詳細条件の該当箇所を特定する。
ここで、詳細条件の特定例について図12〜図14を参照して説明する。
図12は、許容レベル特定処理を示す説明図であり、属性として「グラフィック」に不良画素が発生した場合の詳細条件の特定方法を示す説明図である。
不良画素の発生箇所の属性が「グラフィック」である場合、2次判定部23は、図12Aに示す読取画像データと図12Bに示すマスター画像データから不良画素を特定する。次に、2次判定部23は、不良画素A〜Eと、不良画素A〜Eの縦、横、斜めの周辺1画素1〜16におけるイエローY、マゼンダM、シアンC、ブラックKそれぞれの濃度を取得する。
次に、2次判定部23は、不良画素A〜Eと、不良周辺画素1〜16の濃度の平均値を計算する。なお、イエローYは、一般的に目立ちにくい色であるため、他の色よりも重み付けを軽くして平均値を計算する。
図13は、不良画素と、不良周辺画素の各色Y、M、C、Kの濃度と、その平均値を示す表である。
これにより、2次判定部23は、図13に示す表を作成することができる。次に、2次判定部23は、図13に示す表から不良画素A〜Eと、不良周辺画素1〜16から各色Y、M、C、Kの最大濃度を割り出す。図13に示す例では、イエローの最大濃度Yは「10」、マゼンダMの最大濃度は「7」、シアンCの最大濃度は「7」、ブラックKの最大濃度は「8」が取得される。
さらに、2次判定部23は、各画素A〜E、1〜16の濃度の平均値から、最小値と、最大値を検索する。そして、2次判定部23は、最小値と最大値の差分値を計算し、濃度変動の最大値を算出する。図13に示す例では、濃度の平均値の最小値は「1.75」であり、最大値は「6.75」である。そのため、濃度変動の最大値は、「5」となる。
そして、2次判定部23は、算出した各色Y、M、C、Kの最大濃度と、濃度変動の最大値と、図11に示す判定基準リストの属性「グラフィック」の「詳細」の項目と照らし合わせる。そして、2次判定部23は、該当する詳細条件を特定し、その許容レベルを取得する。
なお、図13に示す例では、図11の判定基準リストにおける属性「グラフィック」、詳細「マスター画像濃度:Y20以下、CMK10以下、濃度変動:10以下」の項目が選択される。そのため、不良の種別が「スジ」の場合、許容レベルは、「2」が取得され、不良の種別が「トナー飛散」の場合、許容レベルは、「3」が取得される。
なお、本例では、不良周辺画素として、不良発生画素の周囲1画素の濃度を取得した例を説明したが、これに限定されるものではなく、周囲2画素や、3画素以上の濃度を取得してもよい。
次に、図14A〜図14Cを参照して不良画素の発生箇所の属性が「テキスト」である場合について説明する。
図14A〜図14Cは、許容レベル特定処理を示す説明図であり、属性として「テキスト」に不良画素が発生した場合の詳細条件の特定方法を示す説明図である。
まず、2次判定部23は、図14Aに示す読取画像データと図14Bに示すマスター画像データから不良画素を特定する。次に、図14Cに示すように、2次判定部23は、不良発生画素の周囲3画素の濃度情報を取得する。そして、2次判定部23は、各色Y、M、C、Kの濃度が0であるか否かを確認する。いずれの画素も濃度が0であると判断した場合、2次判定部23は、周囲3画素にはトナーが付着していないと判断する。さらに、2次判定部23は、不良発生画素の周囲3画素の画素数をカウントする。
そして、2次判定部23は、図11に示す判定基準リストの属性「テキスト」の「詳細」の項目と照らし合わし、該当する詳細条件を特定し、その許容レベルを取得する。
なお、上述した判例では、トナーの濃度を0に設定した例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、トナーの濃度が一定値以下としてもよい。
上述した例により、ステップS37の処理により、判定基準リストの詳細条件の該当箇所を特定することができる。次に、2次判定部23は、ステップS38の処理を行う。
ステップS38の処理では、2次判定部23は、ステップS36やステップS37の処理で特定した判定基準リストの該当箇所から、許容レベルを取得する。なお、図11に示すナンバー1に示すように、複数の属性を有する不良の場合、各属性の許容レベルの中で1番厳しい許容レベル、すなわち値が小さい許容レベルが適用される。そして、許容レベルと、ステップS33の処理で登録した不良リストから「不良レベル」とを比較する。
次に、2次判定部23は、「不良レベル」は、許容レベルよりも低いか否かを判断する(ステップS39)。ステップS39の処理において、2次判定部23は、「不良レベル」が許容レベルよりも低いと判断した場合(ステップS39のYES判定)、2次判定部23は、不良リストの判定結果にOKを登録する(ステップS40)。そして、2次判定部ステップS42の処理を行う。
これに対して、ステップS39の処理において、「不良レベル」が許容レベルよりも高いと判断した場合(ステップS39のNO判定)、2次判定部23は、不良リストの判定結果にNGを登録する(ステップS41)。
次に、ステップS42の処理において、2次判定部23は、全ての不良箇所に対する不良判定、すなわち2次判定が終わったか否かを判断する。ステップS42の処理において、2次判定部23は、2次判定が終わっていない不良箇所があると判断した場合(ステップS42のNO判定)、ステップS35の処理に戻り、2次判定部23は、2次判定処理を継続させる。
また、ステップS42の処理において、全ての不良箇所の2次判定が終わったと2次判定部23が判断した場合(ステップS42のYES判定)、2次判定部23は、2次判定処理を終了させる。
図15は、2次判定処理の終了した際の不良リストの一例を示すものである。
図9に示す動作を行うことで、図15に示すように、各不良箇所に2次判定、すなわち修復可能判定を登録した不良リストを作成することができる。この不良リストは、図8に示すステップS21の再利用可能判定処理に用いられる。なお、図15に示すように、修復可能判定にNGと登録された不良箇所がある場合、ステップS21の再利用可能判定処理において、不良品であると判定される。
このように、本例の画像形成システム1及び画像検査装置30によれば、1次判定を行い、良品と判定されなかった印刷物に対して、1次判定とは異なる判定基準で2次判定を行っている。2次判定では、不良特定部17により不良の種別と発生した箇所の属性を特定し、予め設定された判定基準リストの許容レベルに基づいて、印刷物が再利用可能か否かを判定している。これにより、修復可能な印刷物を再利用可能品と判定することができる。その結果、使用者が行う確認作業を省くことができ、作業性の効率を向上させることができる。
2−3.判定結果の表示例
次に、用紙検査動作の検査結果の表示例について図16を参照して説明する。
図16は、検査結果の一例を示す表示例である。なお、図16では、画像形成装置20の操作表示パネル240の表示画面241を示しており、検査結果として「再利用可能」の例を示す。
図7に示す検査動作のステップS23、ステップS24、ステップS25の処理において、レポート制御部370は、結果出力部24の出力結果に応じて、「良品レポート」、「再利用可能品レポート」、又は「不良品レポート」を作成する。レポート制御部370が作成した各種レポートは、通信部310を介して、コントローラー10、画像形成装置20や用紙積載装置50に出力される。そして、コントローラー10の表示部や、画像形成装置20の操作表示パネル240等の表示画面には、レポート制御部370が作成した各種レポートが表示される。
図16に示すように、表示画面241には、不良リスト表示エリア242と、サムネイル243と、タイトル・検査結果表示エリア245と、ジョブ内容表示エリア246が設けられている。不良リスト表示エリア242には、不良リスト作成部18が作成した不良リストが表示される。これにより、使用者に対して不良の種別と、不良レベルを報知することができる。
サムネイル243には、画像読取部360が読み取った読取画像が表示される。また、読取画像と共に、不良の位置を示し、各不良に対して不良リストと対応するナンバーを付してもよい。これにより、使用者は、不良が発生した箇所と、その種別及び不良レベルを確認することができる。
タイトル・検査結果表示エリア245には、画像検査装置30によって検査された検査結果や、処理のタイトル等が表示される。また、ジョブ内容表示エリア246には、コントローラー10によって出力されたジョブ情報と、検査を行った印刷物に関する情報が表示される。
なお、検査結果の表示例としては、上述した表示例に限定されるものではない。
3.他の検査結果表示例
次に、他の検査結果の表示例について図17及び図18を参照して説明する。
図17は、判定基準リストの他の例を示すものであり、図18は、検査結果の他の例を示す表示例である。
図17に示すように、判定基準リスト格納部22に格納される判定基準リストには、許容レベルと共に、不良の内容に対応する「推奨修正方法」も格納してもよい。「推奨修正方法」の内容としては、例えば「砂ケシ」、「消しゴム」、「修正液」等が挙げられる。この「推奨修正方法」の内容は、図5及び図6に示す不良の種別や不良が発生した箇所の属性に応じた修復内容が設定される。
また、「推奨修正方法」の内容は、上述した例に限定されるものではなく、「手で払う」等その他各種の修正方法が適用されるものである。
2次判定部23は、判定基準リストから許容レベルを取得する際に、「推奨修正方法」も取得する。そして、不良リストには、各不良に対する2次判定の結果と共に、「推奨修正方法」が登録される。
図18に示すように、検査結果の表示画面241の不良リスト表示エリア242Aには、各不良の「ナンバー」、「不良の種別」、「不良レベル」と共に、2次判定動作で2次判定部23が取得した「推奨修正方法」が表示される。これにより、使用者に対して、印刷物が再利用可能か否かの通知と共に、修正方法も通知することができる。
なお、上述した判定基準リストでは、「不良の種別」、「属性」、「トナーの濃度」に応じて許容レベルを設定した例を説明したが、これに限定されるものではなく、検査を行う印刷物の紙種によって許容レベルをさらに細分化して設定してもよい。
例えば、コート紙のような印刷面に塗料が塗布されている用紙を使用する場合、砂ケシで不良の除去を行うと、塗料を削ることになる。そのため、通常紙よりもコート紙では修復した箇所が目立つ。そのため、コート紙の許容レベルと、通常紙よりも厳しく(上述した例では値を小さく)設定することで、より程度の低い不良のみを再利用可能であると判定することができる。これにより、コート紙のように修復時の跡が通常紙よりも目立つ用紙に対しても、適切な許容レベルを設定することができる。
4.判定基準リストの設定例
上述した実施の形態例では、判定基準リストを予め設定し、判定基準リスト格納部22に格納した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、コントローラー10にジョブ情報を入力する際に使用者が個別に許容レベルを設定してもよい。
図19は、用紙検査動作の設定画面を示す表示例である。
図19に示すように、コントローラー10にジョブ情報を入力する際に使用者が個別に許容レベルを設定してもよい。サムネイル243には、画像形成を行うマスター画像データが表示される。サムネイル243に表示された画像データには、文字や画像毎に、領域A、Bが表示される。
また、表示画面241には、許容レベル設定エリア247が表示される。許容レベル設定エリア247には、ページ設定エリア247Aと、個別設定エリア247Bが設けられている。ページ設定エリア247Aには、画像形成を行うページ全体の許容レベルを「デフォルト」、「高」、「中」、「低」から選択可能な入力ボタンが表示される。このページ設定エリア247Aを使用者が操作することで、判定基準リストの許容レベルを一括して変更することができる。
個別設定エリア247Bには、サムネイル243に表示された領域A、B毎に許容レベルを設定可能な入力ボタンが表示される。個別設定エリア247Bを使用者が操作することで、領域A、B毎に許容レベルを変更することができる。
そして、該当ジョブの該当ページの検査を行う際、2次判定部23は、図19に示す設定画面によって許容レベルが変更された判定基準リストに基づいて、2次判定動作を行う。
なお、判定基準リストの設定変更方法は、上述した例に限定されるものではなく、例えば、「不良の種別」、「属性」のように様々なカテゴリ毎に、一括して許容レベルを変更してもよく、項目毎に細かく許容レベルを変更してもよい。
5.フィードバック処理
上述したように、判定基準リストの許容レベルは、使用者によって変更してもよく、あるいは検査結果に基づいて、フィードバック処理を行ってもよい。
次に、図20及び図21を参照してフィードバック処理動作について説明する。
図20は、フィードバック処理を示すフローチャート、図21は、フィードバック処理の表示例である。
図20に示すように、使用者は、操作表示パネル240やコントローラー10の表示部等からレポート制御部370が作成した検査結果を示す印刷レポートを取得する(ステップS51)。
次に、使用者は、第1サブトレイ590Aに排紙された印刷物、すなわち再利用可能品として分別された印刷物を実物確認する(ステップS52)。次に、使用者は、印刷レポートの再利用可能レポートの通りに、再利用可能品として分別された印刷物を再利用できたか否か、又は再利用したか否かを確認する(ステップS53)。
図21に示すように、表示画面241には、使用者判定入力部249が表示される。そして、ステップS53において、再利用できた、又は再利用した場合(ステップS53のYES判定)、使用者は、図21に示す使用者判定入力部249の「OK」を入力する(ステップS54)。この場合、判定基準リストの許容レベルは、更新されない。これにより、フィードバック処理が終了する。
これに対して、ステップS53において、再利用できなかった、又は再利用しなかった場合(ステップS53のNO判定)、使用者は、図21に示す使用者判定入力部249の「NG」を入力する(ステップS55)。さらに、使用者は、不良リスト表示エリア242Bに表示された不良リストの中からNGとなった原因を入力する(ステップS56)。なお、図21に示す例では、ナンバー2の不良が原因であると入力されている。
そして、レポート制御部370は、通信部310を介してコントローラー10や画像形成装置20からフィードバック情報を受信し、フィードバック情報をフィードバック制御部21に出力する。次に、フィードバック制御部21は、フィードバック情報に基づいて、不良リストでNGであると入力された項目と一致する判定基準リストの項目を検索する。そして、フィードバック制御部21は、検索した判定基準リストの項目の許容レベルを高く(図11に示す例では値を小さく)設定する(ステップS57)。これにより、判定基準リストの許容レベルが更新され、フィードバック処理が終了する。
上述したフィードバック処理を繰り返すことで、画像検査装置30における2次判定部23の判定結果を使用者の判定に近づけることができ、判定の精度を向上させることができる。
以上、実施の形態例について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、上述の実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、画像検査装置30は、通信部310を介して、コントローラー10からトナー濃度や属性に関する画像データ情報や、印刷枚数等のジョブ情報、画像形成装置20の環境測定部220が測定した、気温、湿度、時刻等の環境情報を取得し、メモリ350に格納してもよい。このとき、画像検査装置30の制御部300は、画像データ情報、ジョブ情報、環境情報、画像形成装置20の稼働時間や累積印刷枚数等の各種情報と共に、1次判定部16が判定した1次判定情報や、2次判定部23が判定した2次判定情報を対応づけてメモリ350に格納する。
このように、各種情報をメモリ350に格納して蓄積させることで、制御部300は、不良品や再利用可能品となる不良が発生する場所や、傾向を分析し、不良の多発や画像形成装置20に故障が発生しそうな原因や発生タイミングを予想することができる。そして、制御部300は、通信部310を介してコントローラー10や画像形成装置20に、問題が発生しそうな部品や予想したタイミングを出力する。
これにより、使用者に対して、問題が発生しそうな部品や予想したタイミングを通知することができる。その結果、問題が発生する前に部品の交換やメンテナンスを行い、画像形成装置20が故障する等によって作業が停止するダウンタイムを抑制することができる。
また、1次情報や、2次情報、さらにフィードバック制御部21が行ったフィードバック情報を用いることで、特に廃棄に繋がる不良品や、再利用可能品が多発するタイミングを予想することができる。これにより、無駄な部品交換や過剰なメンテナンスを抑制することができる。
上述した実施の形態例では、4組の画像形成ユニットを用いてカラー画像を形成する構成としたが、本発明にかかる画像形成装置としては、1つの画像形成ユニットを用いて単色画像を形成する構成としてもよい。
また、上記の各構成要素、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路の設計などによりハードウエアで実現してもよい。また、上記の各構成要素、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウエアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
1…画像形成システム、 10…コントローラー、 11…読取画像取得部、 12…マスター画像取得部、 13…特徴点抽出部、 14…比較画像作成部、 15…差分比較部、 16…1次判定部、 17…不良特定部、 18…不良リスト作成部、 20…画像形成装置、 21…フィードバック制御部、 22…判定基準リスト格納部、 23…2次判定部、 24…結果出力部、 30…画像検査装置、 50…用紙積載装置、 100…制御部、 110…通信部、 130…RIP処理部、 150…メモリ、 220…環境測定部、 240…操作表示パネル(表示部)、 241…表示画面、 260…画像処理部、 270…画像形成部、 300…制御部、 310…通信部、 330…用紙搬送部、 350…メモリ(記憶部)、 360…画像読取部、 370…レポート制御部、 380…検査制御部、 381…制御部、 560…スタック部、 570…後処理部、 580…排紙トレイ、 590A、590B…サブトレイ

Claims (11)

  1. 用紙に形成された画像を読み取る画像読取部と、
    前記用紙に形成されたマスター画像のマスター画像データを取得するマスター画像取得部と、
    前記画像読取部が読み取った読取画像の読取画像データを取得する読取画像取得部と、
    前記マスター画像データと前記読取画像データに基づいて不良を検出し、前記用紙が良品か否かの1次判定を行う1次判定部と、
    前記1次判定部により良品でないと判定された際に、前記1次判定部が出力した1次判定情報に基づいて、検出された不良に関する情報である不良情報を特定する不良特定部と、
    前記不良特定部が特定した前記不良情報に基づいて、前記良品でないと判定された用紙が修正により再利用可能か否かの2次判定を行う2次判定部と、
    を備えた画像検査装置。
  2. 前記不良情報ごとに許容レベルが予め設定された判定基準リストを格納する判定基準リスト格納部をさらに備え、
    前記不良特定部は、前記不良情報と共に検出された不良の程度を示す不良レベルを設定し、
    前記2次判定部は、前記判定基準リストから前記不良情報に対応する前記許容レベルを取得し、特定した許容レベルと前記不良レベルに基づいて前記2次判定を行う
    請求項1に記載の画像検査装置。
  3. 前記不良特定部が特定する前記不良情報は、不良の種別、不良が発生した場所、及び文字又は画像を示す属性のうち少なくとも1つである
    請求項2に記載の画像検査装置。
  4. 前記不良情報には、前記属性が含まれ、
    前記マスター画像取得部は、マスター画像データと共に属性データを取得する
    請求項3に記載の画像検査装置。
  5. 前記不良特定部が特定した不良が発生した場所は、複数の属性を有する場合、前記2次判定部は、前記判定基準リストから前記複数の属性それぞれの前記許容レベルを取得する
    請求項4に記載の画像検査装置。
  6. 前記判定基準リストには、前記用紙に形成される画像の濃度情報が含まれる
    請求項2に記載の画像検査装置。
  7. 前記判定基準リストは、前記許容レベルと共に不良に修復方法が設定されている
    請求項2に記載の画像検査装置。
  8. 前記許容レベルは、使用者により設定変更可能である
    請求項2に記載の画像検査装置。
  9. 使用者からのフィードバック情報を受信し、前記判定基準リストの前記許容レベルを変更するフィードバック制御部をさらに備えた
    請求項2に記載の画像検査装置。
  10. 用紙に画像を形成する画像形成装置と、
    前記画像形成装置により画像が形成された用紙を検査する用紙検査装置と、を備え、
    前記用紙検査装置は、
    前記用紙に形成された画像を読み取る画像読取部と、
    前記用紙に形成されたマスター画像のマスター画像データを取得するマスター画像取得部と、
    前記画像読取部が読み取った読取画像の読取画像データを取得する読取画像取得部と、
    前記マスター画像データと前記読取画像データに基づいて不良を検出し、前記用紙が良品か否かの1次判定を行う1次判定部と、
    前記1次判定部により良品でないと判定された際に、前記1次判定部が出力した1次判定情報に基づいて、検出された不良に関する情報である不良情報を特定する不良特定部と、
    前記不良特定部が特定した前記不良情報に基づいて、前記良品でないと判定された用紙が修正により再利用可能か否かの2次判定を行う2次判定部と、
    を備えた画像形成システム。
  11. 前記画像形成装置に画像を形成するための画像データ及びジョブ情報を出力するコントローラーをさらに備え、
    前記マスター画像取得部は、前記コントローラーから前記マスター画像データを取得する
    請求項10に記載の画像形成システム。
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