以下、本発明の実施形態に係る遮蔽装置70および冷蔵庫10を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。更に以下の説明では、上下前後左右の各方向を適宜用いるが、左右とは冷蔵庫10を後方から見た場合の左右を示している。更に、以下の説明において、回転方向を時計回りおよび反時計回りと表現するが、これらの回転方向は、冷蔵庫10を後方から見た場合の方向を示している。
図1は、本形態の冷蔵庫10の概略構造を示す正面外観図である。図1に示すように、冷蔵庫10は、本体としての断熱箱体11を備え、この断熱箱体11の内部に食品等を貯蔵する貯蔵室を形成している。この貯蔵室としては、最上段が冷蔵室15、その下段が上段冷凍室18、更にその下段が下段冷凍室19、そして最下段が野菜室20である。尚、上段冷凍室18および下段冷凍室19は、何れも冷凍温度域の貯蔵室であり、以下の説明ではこれらを冷凍室17と総称する場合もある。ここで、上段冷凍室18は、左右に分割され、一方側が製氷室として用いられても良い。
断熱箱体11の前面は開口しており、前記各貯蔵室に対応した開口には、断熱扉21等が開閉自在に設けられている。断熱扉21は、冷蔵室15の前面を左右方向に分割して塞ぐもので、断熱扉21の幅方向における外側上下端部が断熱箱体11に回転自在に取り付けられている。また、断熱扉23,24,25は、各々収納容器と一体的に組み合わされ、冷蔵庫10の前方に引出自在に、断熱箱体11に支持されている。具体的には、断熱扉23は上段冷凍室18を閉鎖し、断熱扉24は下段冷凍室19を閉鎖し、断熱扉25は野菜室20を閉鎖する。
図2は、冷蔵庫10の概略構造を示す側方断面図である。冷蔵庫10の本体である断熱箱体11は、前面が開口する鋼板製の外箱12と、この外箱12内に間隙を持たせて配設され、前面が開口する合成樹脂製の内箱13とから構成されている。外箱12と内箱13との間隙には、発泡ポリウレタン製の断熱材14が充填発泡されている。尚、上記した断熱扉21等も、断熱箱体11と同様の断熱構造を採用している。
冷蔵室15と、その下段に位置する冷凍室17とは、断熱仕切壁42によって仕切られている。また、上段冷凍室18と、その下段に設けられた下段冷凍室19との間は、冷却された空気である冷気が流通自在に連通している。そして、冷凍室17と野菜室20との間は、断熱仕切壁43によって区分けされている。
冷蔵室15の背面には、合成樹脂製の仕切体65で区画され、冷蔵室15へと冷気を供給する供給風路としての冷蔵室供給風路29が形成されている。冷蔵室供給風路29には、冷蔵室15に冷気を流す吹出口33が形成されている。
冷凍室17の奥側には、冷却器45で冷却された冷気を冷凍室17へと流す冷凍室供給風路31が形成されている。冷凍室供給風路31の更に奥側には、冷却室26が形成されており、その内部には、庫内を循環する空気を冷却するための蒸発器である冷却器45が配置されている。冷凍室供給風路31は、前面カバー67と仕切体66とで前後方向から囲まれた空間である。
冷却器45は、圧縮機44、図示しない放熱器、図示しない膨張手段であるキャピラリーチューブに冷媒配管を介して接続されており、蒸気圧縮式の冷凍サイクル回路を構成するものである。
図3は、冷蔵庫10の冷却室26付近の構造を示す側方断面図である。冷却室26は、断熱箱体11の内部で、冷凍室供給風路31の奥側に設けられている。冷却室26と冷凍室17との間は、合成樹脂製の仕切体66によって仕切られている。
冷却室26の前方に形成される冷凍室供給風路31は、冷却室26とその前方に組み付けられる合成樹脂製の前面カバー67との間に形成された空間であり、冷却器45で冷却された冷気を冷凍室17に流す風路となる。前面カバー67には、冷凍室17に冷気を吹き出す開口である吹出口34が形成されている。
下段冷凍室19の下部背面には、冷凍室17から冷却室26へと空気を戻す戻り口38が形成されている。そして、冷却室26の下方には、この戻り口38につながり、各貯蔵室からの帰還冷気を冷却室26の内部へと吸入する、戻り口28が形成されている。戻り口28には、野菜室20の戻り口39(図2参照)および野菜室帰還風路37を経由して帰還する冷気も流入する。
また、冷却器45の下方には、冷却器45に付着した霜を融かして除去する除霜手段として、除霜ヒータ46が設けられている。除霜ヒータ46は、電気抵抗加熱式のヒータである。
冷却室26の上部には、各貯蔵室につながる開口である送風口27が形成されている。送風口27は、冷却器45で冷却された冷気を流す開口であり、冷却室26と、冷蔵室供給風路29および冷凍室供給風路31とを連通させる。送風口27には、前方から、冷凍室17等に向けて冷気を送り出す送風機47が配設されている。
冷却室26の送風口27の外側には、送風口27からつながる風路を適宜塞ぐための遮蔽装置70が設けられている。遮蔽装置70は、前方から前面カバー67で覆われている。
ここで、図3には図示しないが、冷蔵室供給風路29にダンパを介装しても良い。このようにすることで、遮蔽装置70とダンパとで、各貯蔵室に好適に冷気を送風することができる。
図4を参照して、上記した風路を規制する遮蔽装置70が組み付けられる構成を説明する。図4(A)は遮蔽装置70が組み付けられた仕切体66を後方から見た斜視図であり、図4(B)は仕切体66を前方から見た斜視図である。
図4(A)および図4(B)を参照して、仕切体66には、上方部分において、厚み方向に貫通する円形の送風口27が形成されており、送風口27の前方には送風機47および遮蔽装置70が配設されている。ここでは、図4(A)では、遮蔽装置70は仕切体66に隠れている。また、仕切体66の上端側に形成された開口部位59は、図3に示した冷蔵室供給風路29に連通している。
図5は、前面カバー67、遮蔽装置70および仕切体66を示す分解斜視図である。遮蔽装置70は、前面カバー67と仕切体66との間に配設されている。遮蔽装置70は、蓋部材57、回転プレート73および支持基体63から構成されている。蓋部材57は、回転プレート73を前方から塞ぐ部材であり、前面視で略円形状を呈している。回転プレート73は、遮蔽装置70を開閉するために回転する略円板状の部材であり、支持基体63に対して回動可能に取り付けられている。支持基体63は、所定形状に成形された合成樹脂板から成り、遮蔽装置70を構成する各部材が取り付けられる。また、支持基体63は、前面カバー67の上部に形成された開口部35に嵌め込まれている。
図6(A)は、図4(A)の切断面線A−Aに於ける断面図である。上記したように、仕切体66および前面カバー67で囲まれる空間として冷凍室供給風路31が形成されている。冷凍室供給風路31は、後述するように、複数の風路に区分されている。また、仕切体66と前面カバー67との間には、遮蔽装置70および遮蔽壁駆動機構60が配設されている。遮蔽装置70は送風機47を遮蔽し、遮蔽壁駆動機構60は遮蔽装置70を駆動する。遮蔽装置70および遮蔽壁駆動機構60の構成は図7等を参照して後述する。
図6(B)は、仕切体66を前方から見た平面図である。仕切体66には、上記した吹出口34として、吹出口341ないし吹出口346が形成されている。吹出口341および吹出口342は、仕切体66の上端部に形成される。吹出口343および吹出口344は、仕切体66の上下方向中央部に形成される。吹出口345および吹出口346は、仕切体66の下端部に形成される。
また、仕切体66には、前方に向かって延びるリブ状の風路区画壁56が形成されている。風路区画壁56の前端は、前面カバー67に当接している。風路区画壁56により、上記した冷凍室供給風路31が複数の風路に細分化されている。
図7を参照して、遮蔽装置70の構成を説明する。図7(A)は遮蔽装置70の分解斜視図であり、図7(B)はカム61を示す斜視図である。
図7(A)を参照して、遮蔽装置70は、支持基体63と、回転プレート73と、蓋部材57と、遮蔽壁駆動機構60と、を具備している。
遮蔽装置70は送風機47で送風された冷気の風路を遮蔽する装置である。遮蔽装置70を開状態とすることで冷却室26と各貯蔵室とをつなぐ風路を連通させ、遮蔽装置70を閉状態とすることで風路を遮断する。
送風機47は、ビスなどの締結手段を介して、支持基体63の後面中心部に配設されている。送風機47は、例えば、ターボファンなどの遠心ファンと、この遠心ファンを回転させる送風モータとを具備しており、半径方向外側に向かって冷気を送風する。
回動遮蔽壁71は、矩形状の合成樹脂からなる板状部材であり、回転プレート73の外縁の接線方向に沿う長辺を有している。回動遮蔽壁71は、支持基体63の周縁部付近に、後方に向かって回動可能に取り付けられている。回動遮蔽壁71は、複数(本実施形態では4)が配設されている。回動遮蔽壁71は、送風機47で送風される冷気が流通する経路に配置され、風路を適宜遮蔽する。
回動遮蔽壁71の回動中心である基端部には、起立状態において回動遮蔽壁71を外囲する枠状部83が隣接されている。枠状部83は枠状に成形された合成樹脂から成り、送風機47を取り囲むように、支持基体63の後面に配置されている。枠状部83は各回動遮蔽壁71に対応して配置され、回動遮蔽壁71が枠状部83の開口を塞ぐことで、風路が閉鎖される。
回転プレート73は、後方から見て略円盤形状の形状を呈し、支持基体63の前面側に回転自在に配設されている。回転プレート73には、回動遮蔽壁71を回動させるためのスライド溝80が形成されている。スライド溝80は、回転プレート73の後面に、リブで囲まれる有底溝として形成されている。回転プレート73の周縁部にはトルクを伝達するためのギア溝49が形成されている。後述するように、駆動モータを駆動し、回転プレート73を回転させることで、回動遮蔽壁71が開閉動作する。
蓋部材57は、回転プレート73を前方から覆う板状の部材であり、回転プレート73よりも若干大きく形成され、前方から見て略円形を呈している。
上記した回動遮蔽壁71の開閉動作を行う遮蔽壁駆動機構60は、回転プレート73と、カム61と、回転プレート73を回転させる駆動モータ74(図10(A)参照)を有している。
図7(B)を参照して、カム61は、合成樹脂から成る扁平な直方体形状の部材である。カム61の左方端を後方に向かって突出させることで、回動連結部48が形成されている。回動連結部48には、後述するピン69を挿通可能な孔部が形成されている。また、カム61の右端側の前面から略円柱状に突出する移動軸76が形成されている。移動軸76は、上記した回転プレート73のスライド溝80に係合し、使用状況下に於いてスライド溝80と摺動する。この摺動を可能にするため、移動軸76の直径は、スライド溝80の半径方向の幅と同程度か若干短く設定されている。
図8を参照して、回動遮蔽壁71、支持基体63およびカム61の関連構成を説明する。図8(A)は、回動遮蔽壁71、支持基体63およびカム61を左側後方から見た分解斜視図であり、図8(B)は、回動連結部68およびカム61を左側前方から見た分解斜視図である。
図8(A)を参照して、回動遮蔽壁71は、回動遮蔽壁71の基端部から傾斜して突出する回動連結部68が形成されている。回動連結部68には、ピン69を挿通することが可能な孔部が形成されている。また、回動遮蔽壁71の上下両側面の前端部には、略円柱状に突出する回動連結部64が形成されている。回動連結部64は、枠状部83の内壁に形成された筒状の凹状部85に挿入される。係る構成により、回動遮蔽壁71は、回動可能な状態で支持基体63に備えられる。
支持基体63を矩形状に貫通することで貫通孔86が形成されている。貫通孔86には、後方から回動遮蔽壁71の回動連結部68が挿入される。カム61の回動連結部48も、前方から貫通孔86に挿入される。回動遮蔽壁71の回動連結部68の孔部、および、カム61の回動連結部48の孔部には、ピン69が挿入される。係る構成により、支持基体63を挟んで、回動遮蔽壁71とカム61とは回動可能に接続される。
図8(B)を参照して、支持基体63の前面には、カム収納部62が形成されている。カム収納部62はリブで囲まれる矩形状の領域であり、カム収納部62の内部に上記した貫通孔86が形成されている。カム61は、カム収納部62の内部に収納されてスライドする。カム収納部62の内部でカム61がスライドする方向は、ここでは左右方向であり、換言すると図7(A)に示した回転プレート73の半径方向である。
上記のように構成することにより、駆動モータ74を駆動して回転プレート73を回転させることにより、移動軸76がスライド溝80内を摺動する。これによってカム61はカム収納部62内をスライドする。カム61をスライドさせることで、回動遮蔽壁71をピン69周りに回動させることが出来る。具体的には、カム61を回転プレート73の周縁部側にスライドさせると、回動遮蔽壁71は回動連結部64を回動中心として、起立状態となるように回動し、回動遮蔽壁71は支持基体63の主面に対して直交した状態となる。一方、カム61を回転プレート73の中心側にスライドさせると、回動遮蔽壁71は回動連結部64を回動中心として、横臥状態となるように回動し、回動遮蔽壁71は支持基体63の主面に対して略平行な状態となる。
したがって、スライド溝80を回転プレート73の周縁部側に形成すれば、回動遮蔽壁71を閉状態とすることができる。反対にスライド溝80を回転プレート73の中心側に形成すれば、回動遮蔽壁71を開状態とすることができる。この原理を利用して、スライド溝80の形状を選択すれば、回動遮蔽壁71の開閉状態を任意に設定することができる。これによって、複雑な構成を採用せずに、回動遮蔽壁71を全開状態としたり、全閉状態としたりできる。
図9(A)は遮蔽装置70の回動遮蔽壁711等を後方から見て示す図である。遮蔽装置70は、上記した回動遮蔽壁71として、回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714を有している。回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714は、上記した回転プレート73の接線方向に対して略平行な長辺を有する長方形形状を呈している。また、回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714は、図7(A)に示した支持基体63の周縁部に回動可能に取り付けられている。
回動遮蔽壁711の基端部は、移動軸761が形成されたカム611に回動可能に接続されている。同様に、回動遮蔽壁712の半径方向内側端部は、移動軸762が形成されたカム612に回動可能に接続されている。回動遮蔽壁713の半径方向内側端部は、移動軸763が形成されたカム613に回動可能に連結されている。また、回動遮蔽壁714の半径方向内側端部は、移動軸764が形成されたカム614に回動可能に連結されている。
ここで、カム611がスライドする方向は、回動遮蔽壁711の長手方向に対して直交している。このようにすることで、回動遮蔽壁711を開閉する際に、カム611がスライドするべき距離を短く出来る。このような構成は、他の回動遮蔽壁712等に関しても同様である。
図9(B)を参照して、回転プレート73は、略円板状に成型された鋼板または合成樹脂板であり、上記した回動遮蔽壁711等の開閉動作を司るためのスライド溝80が形成されている。
回転プレート73の周縁部の大部分にはギア溝49が形成されており、図10(A)を参照して後述するギア30とギア溝49とが歯合することで、図10(A)に示す駆動モータ74のトルクで回転プレート73が回転する。また、ギア溝49は回転プレート73の全周に渡って形成されても良いが、ここでは、回転プレート73の外周の一部にはギア溝49は形成されていない。すなわちギア溝49は両端部を有している。ギア溝49が端部を有することで、後述するギア30がギア溝49の端部まで回転することで、回転プレート73の回転方向に於ける位置検出を容易に行うことができる。
スライド溝80は、回転プレート73の外周縁部近傍に略円環状に形成されている。更に、後方から回転プレート73を見た場合のスライド溝80の形状は、真円形状ではなく、回転プレート73の円周方向に沿って蛇行する蛇行形状を呈している。具体的には、スライド溝80は、時計回りに沿って、スライド溝801,802,803,804,805,806,807,808,8010,8011およびスライド溝8012から構成される。スライド溝801は、時計回りに沿って半径方向外側に向かって湾曲している。スライド溝802は、円周方向に対して略平行に延在している。スライド溝803は、時計回りに沿って半径方向内側に向かって湾曲している。スライド溝804は、時計回りに沿って半径方向外側に向かって湾曲している。スライド溝805は、時計回りに沿って半径方向内側に向かって湾曲している。スライド溝806は、時計回りに沿って半径方向外側に向かって湾曲している。スライド溝807は、時計回りに沿って半径方向内側に向かって湾曲している。スライド溝808は、時計回りに沿って半径方向外側に向かって湾曲している。スライド溝809は、時計回りに沿って半径方向内側に向かって湾曲している。スライド溝8010は、時計回りに沿って半径方向外側に向かって湾曲している。スライド溝8011は、円周方向に対して略平行に延在している。スライド溝8012は、時計回りに沿って半径方向内側に向かって湾曲している。
スライド溝80では、溝の湾曲形状が変化する変化点が設定されている。具体的には、スライド溝801とスライド溝802との間に変化点812が設定され、スライド溝802とスライド溝803との間に変化点813が設定される。また、スライド溝803とスライド溝804との間に変化点814が設定され、スライド溝804とスライド溝805との間に変化点815が設定される。また、スライド溝805とスライド溝806との間に変化点816が設定され、スライド溝806とスライド溝807との間に変化点817が設定される。また、スライド溝807とスライド溝808との間に変化点818が設定され、スライド溝808とスライド溝809との間に変化点819が設定されている。また、スライド溝809とスライド溝8010との間に変化点8110が設定され、スライド溝8010とスライド溝8011との間に変化点8111が設定されている。また、スライド溝8011とスライド溝8012との間に変化点8112が設定され、スライド溝8012とスライド溝801との間に変化点811が設定されている。
上記した、変化点812、変化点813、変化点815、変化点817、変化点819、変化点8111および変化点812は、回転プレート73の半径方向外側に配置される。一方、変化点811、変化点814、変化点816、変化点818および変化点8110は、回転プレート73の半径方向内側に配置される。
図10に全閉状態における遮蔽装置70の構成を示す。図10(A)は全閉状態の遮蔽装置70を後方から見た図であり、図10(B)は全閉状態における回転プレート73等を後方から見た図であり、図10(C)は全閉状態における遮蔽装置70の切断斜視図である。
図10(A)を参照して、遮蔽装置70は、全閉状態では送風機47から外部への空気の流出を防止する。即ち、全閉状態では、全ての遮蔽装置70である回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714が起立状態である。よって、冷気を供給する風路との連通は遮断され、上記した冷凍室17には冷気が供給されない。また、図1に示した冷却器45を除霜する除霜行程でも、遮蔽装置70が全閉状態となることで、暖気が冷却室26から冷蔵室15および冷凍室17に流入しない。
図10(B)を参照して、遮蔽装置70を全閉状態とする際には、先ず、図10(A)に示す駆動モータ74を駆動することでギア30を介して回転プレート73を回転させる。ここでは、回転プレート73を回転させることで、移動軸761等をスライド溝80内で摺動させ、半径方向外側に移動する。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点813に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点815に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点817に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点819に配置される。
図10(C)を参照して、この結果、カム611は、半径方向外側に向かって移動する。そして、カム611と回転可能に連結されている回動遮蔽壁711は、回動連結部68近傍を回動中心として回動し、支持基体63の主面に対して略直角に起立する閉状態となる。この結果、枠状部83の開口は回動遮蔽壁711で塞がれ、風路が遮蔽される。係る構成は、他の回動遮蔽壁712等でも同様である。
図11に全開状態における遮蔽装置70の構成を示す。図11(A)は全開状態の遮蔽装置70を後方から見た図であり、図11(B)は全開状態における回転プレート73等を後方から見た図であり、図11(C)は全開状態における遮蔽装置70の切断斜視図である。
図11(A)を参照して、遮蔽装置70は、全開状態では送風機47から外部への空気の流れを妨げない。全開状態では、全ての回動遮蔽壁711等は周囲に向かって開いた状態となっている。即ち、全開状態では、遮蔽装置70が送風機47から送風される冷気は、回動遮蔽壁71に干渉されることなく、冷蔵室15および冷凍室17に送風される。
図11(B)を参照して、遮蔽装置70を全開状態とする際には、先ず、図10(A)に示す駆動モータ74を駆動することでギア30を介して回転プレート73を回転させる。ここでは、回転プレート73を回転させることで、移動軸761等をスライド溝80内で摺動させ、半径方向内側に移動する。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点814に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点816に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点818に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点8110に配置される。
図11(C)を参照して、この結果、カム611は、半径方向内側に向かって移動する。そして、カム611と回転可能に連結されている回動遮蔽壁711は、回動連結部68近傍を回動中心として回動し、支持基体63の主面に対して略平行に倒れた開状態となる。この結果、枠状部83の開口は回動遮蔽壁711で塞がれず、風路の流路抵抗を小さくし、送風機47の送風量を増大することができる。係る構成は、他の回動遮蔽壁712等でも同様である。
本実施形態では、図7を参照して、回転プレート73の回転により、回動遮蔽壁71の開閉動作を行っているので、上記した背景技術と比較して、遮蔽装置70の薄型化を実現することができる。よって、図2を参照して、遮蔽装置70の前方に形成される冷凍室17の容積を増大させることができる。
更に、本実施形態によれば、図9(B)に示したように、遮蔽装置70にスライド溝80を略円環状に形成し、スライド溝80に複数の移動軸762ないし移動軸764を係合させている。そして、回転プレート73を回転させることで、移動軸762ないし移動軸764がスライド溝80を摺動し、回転プレート73の半径方向に沿ってスライドする。移動軸762ないし移動軸764がスライドすると、カム611ないしカム614もスライドし、この結果、回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714が開閉される。
よって、1つのスライド溝80に複数の移動軸761ないし移動軸764が係合して摺動することから、移動軸761ないし移動軸764がスライド可能なスライド溝80の距離を長くすることができる。従って、円周方向に沿ってスライド溝80を滑らかに曲折形成でき、移動軸761ないし移動軸764がスライド溝80を摺動する際に発生する圧力が小さくなり、回動遮蔽壁711の開閉動作をスムーズに行うことができる。
以下、図12から図35を参照して、遮蔽装置70の回転プレート73を30度単位で時計回りに回転させることで、回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714を開閉し、風路の開閉および切替えを行う動作を説明する。以下の説明では、回転プレート73の半径方向および円周方向を、単に、半径方向および円周方向と称する。更に、以下の説明では、回転プレート73を30度単位で時計回りに回転させることで、回動遮蔽壁711等の開閉状態を、パターン1からパターン12まで遷移させている。即ち、本実施形態では、回転プレート73の割付角を30度とし、30度単位で回転プレート73を回転することで、回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714の開閉を制御している。ここで、割付角は、360度の約数とされており、例えば60度や120度でも良い。
図12および図13に、全ての回動遮蔽壁71等を開状態とするパターン1を示す。図12(A)はこの状態に於ける遮蔽装置70を後方から見た図であり、図12(B)はこの状態に於ける回転プレート73を後方から見た図であり、図13はこの状態に於ける風路の状況を後方から見た図である。
図12(A)を参照して、パターン1では、回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714の全ては開状態である。係る開閉状態とすることで、送風機47で冷蔵室15および冷凍室17に冷気を送風することができる。
図12(B)を参照して、この状態では、移動軸761等は半径方向内側に配置されている。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点814に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点816に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点818に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点8110に配置される。これにより、回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714が開状態と成る。
図13を参照して、遮蔽装置70が図12に示した状態となると、遮蔽装置70で冷気が遮られることはなく、吹出口341ないし吹出口346に向かって冷気が送風され、吹出口341ないし吹出口346から冷凍室17の全域に冷気が吹き出される。
図14および図15に、全ての回動遮蔽壁711等を閉状態とするパターン2を示す。パターン2は、パターン1から回転プレート73を時計回りに30度回転させた状態である。図14(A)はこの状態に於ける遮蔽装置70を後方から見た図であり、図14(B)はこの状態に於ける回転プレート73を後方から見た図であり、図15にはこの状態に於ける風路の状況を後方から見た図である。
図14(A)を参照して、パターン2では、回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714の全ては閉状態である。係る開閉状態とすることで、送風機47で冷凍室17への送風を遮断することができる。また、除霜時に於いて暖気が冷凍室17に進入することを防止できる。
図14(B)を参照して、この状態では、移動軸761等は半径方向外側に配置されている。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点813に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点815に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点817に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点819に配置される。これにより、回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714の全てが閉状態と成る。
図15を参照して、遮蔽装置70が図14に示した状態となると、遮蔽装置70で冷気が遮られ、吹出口341ないし吹出口346に向かって冷気は送風されず、吹出口341ないし吹出口346から冷凍室17の全域に冷気は吹き出されない。
図16および図17に、右方に配置される回動遮蔽壁711のみを閉状態とするパターン3を示す。パターン3は、パターン2から回転プレート73を時計回りに30度回転させた状態である。図16(A)はこの状態に於ける遮蔽装置70を後方から見た図であり、図16(B)はこの状態に於ける回転プレート73を後方から見た図であり、図17はこの状態に於ける風路の状況を後方から見た図である。
図16(A)を参照して、パターン3では、回動遮蔽壁711は閉状態とされ、回動遮蔽壁712、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は開状態とされている。係る開閉状態とすることで、送風機47で冷凍室17への送風を部分的に遮断することができる。
図16(B)を参照して、この状態では、移動軸761は半径方向外側に配置され、移動軸762、移動軸763および移動軸764は半径方向内側に配置される。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点812に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点814に配置される。移動軸763はスライド溝80の変化点816に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点818に配置される。これにより、回動遮蔽壁711は閉状態とされ、回動遮蔽壁712、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は開状態と成る。
図17を参照して、遮蔽装置70が図16に示した状態となると、回動遮蔽壁711が冷気を遮る一方、回動遮蔽壁712、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は冷気を遮らない。よって、冷気は左方および下方に向かって送風され、具体的には、吹出口341、吹出口343、吹出口344、吹出口345、および吹出口346に向かって送風された後に、冷凍室17に吹き出される。
図18および図19に、右方に配置される回動遮蔽壁711のみを開状態とするパターン4を示す。パターン4は、パターン3から回転プレート73を時計回りに30度回転させた状態である。図18(A)はこの状態に於ける遮蔽装置70を後方から見た図であり、図18(B)はこの状態に於ける回転プレート73を後方から見た図であり、図19はこの状態に於ける風路の状況を後方から見た図である。
図18(A)を参照して、パターン4では、回動遮蔽壁711は開状態とされ、回動遮蔽壁712、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は閉状態とされている。係る開閉状態とすることで、送風機47による冷凍室17への送風を、右方のみに限定することができる。
図18(B)を参照して、この状態では、移動軸761は半径方向内側に配置され、移動軸762、移動軸763および移動軸764は半径方向外側に配置される。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点811に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点813に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点815に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点817に配置される。これにより、回動遮蔽壁711は開状態とされ、回動遮蔽壁712、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は閉状態と成る。
図19を参照して、遮蔽装置70が図18に示した状態となると、回動遮蔽壁711が冷気を遮らない一方、回動遮蔽壁712、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は冷気を遮る。よって、冷気は右方に向かって送風され、具体的には、吹出口342に向かって送風された後に、冷凍室17に吹き出される。
図20および図21に、右方に配置される回動遮蔽壁711等を閉状態とするパターン5を示す。パターン5は、パターン4から回転プレート73を時計回りに30度回転させた状態である。図20(A)はこの状態に於ける遮蔽装置70を後方から見た図であり、図20(B)はこの状態に於ける回転プレート73を後方から見た図であり、図21はこの状態に於ける風路の状況を後方から見た図である。
図20(A)を参照して、パターン5では、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁712は閉状態とされ、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は開状態とされている。係る開閉状態とすることで、送風機47で冷凍室17の左方部分に冷気を送風することができる。
図20(B)を参照して、この状態では、移動軸761および移動軸762は半径方向外側に配置され、移動軸763および移動軸764は半径方向内側に配置される。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点8112に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点812に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点814に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点816に配置される。これにより、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁712は閉状態とされ、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は開状態とされる。
図21を参照して、遮蔽装置70が図20に示した状態となると、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁712が冷気を遮る一方、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は冷気を遮らない。よって、冷気は左方に向かって送風され、具体的には、吹出口341、吹出口343および吹出口345に向かって送風された後に、冷凍室17に吹き出される。
図22および図23に、右方に配置される回動遮蔽壁712のみを開状態とするパターン6を示す。パターン6は、パターン5から回転プレート73を時計回りに30度回転させた状態である。図22(A)はこの状態に於ける遮蔽装置70を後方から見た図であり、図22(B)はこの状態に於ける回転プレート73を後方から見た図であり、図23にはこの状態に於ける風路の状況を後方から見た図である。
図22(A)を参照して、パターン6では、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は閉状態とされ、回動遮蔽壁712のみが開状態とされている。係る開閉状態とすることで、送風機47で冷凍室17の右側下部分に冷気を送風することができる。
図22(B)を参照して、この状態では、移動軸761、移動軸763および移動軸764は半径方向外側に配置され、移動軸762は半径方向内側に配置される。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点8111に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点811に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点813に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点815に配置される。これにより、回動遮蔽壁712のみが開状態とされ、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は閉状態とされる。
図23を参照して、遮蔽装置70がパターン6になると、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は冷気を遮る一方、回動遮蔽壁712は冷気を遮らない。よって、冷気は右側下方に向かって送風され、具体的には、吹出口344および吹出口346に向かって送風された後に、冷凍室17に吹き出される。
図24および図25に、上方に配置される回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁714を開状態とするパターン7を示す。パターン7は、パターン6から回転プレート73を時計回りに30度回転させた状態である。図24(A)はこの状態に於ける遮蔽装置70を後方から見た図であり、図24(B)はこの状態に於ける回転プレート73を後方から見た図であり、図25はこの状態に於ける風路の状況を後方から見た図である。
図24(A)を参照して、パターン7では、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁714を開状態とし、回動遮蔽壁712および回動遮蔽壁713を閉状態としている。係る開閉状態とすることで、送風機47で冷凍室17の上部に冷気を送風することができる。
図24(B)を参照して、この状態では、移動軸761および移動軸764が半径方向内側に配置され、移動軸762および移動軸763が半径方向外側に配置される。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点8110に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点8112に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点812に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点814に配置される。これにより、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁714は開状態とされ、回動遮蔽壁712および回動遮蔽壁713は閉状態となる。
図25を参照して、遮蔽装置70がパターン7になると、回動遮蔽壁712および回動遮蔽壁713は冷気を遮る一方、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁714は冷気を遮らない。よって、冷気は上方に向かって送風され、具体的には、吹出口341および吹出口342に向かって送風された後に、冷凍室17に吹き出される。
図26および図27に、回動遮蔽壁713のみを開状態とするパターン8を示す。パターン8は、パターン7から回転プレート73を時計回りに30度回転させた状態である。図26(A)はこの状態に於ける遮蔽装置70を後方から見た図であり、図26(B)はこの状態に於ける回転プレート73を後方から見た図であり、図27はこの状態に於ける風路の状況を後方から見た図である。
図26(A)を参照して、パターン8では、回動遮蔽壁713のみを開状態とし、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁712および回動遮蔽壁714を閉状態としている。係る開閉状態とすることで、送風機47で冷凍室17の下側左方に冷気を送風することができる。
図26(B)を参照して、この状態では、移動軸763が半径方向内側に配置され、移動軸761、移動軸762および移動軸764は半径方向外側に配置される。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点819に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点8111に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点811に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点813に配置される。これにより、回動遮蔽壁713は開状態とされ、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁712および回動遮蔽壁714は閉状態とされる。
図27を参照して、遮蔽装置70がパターン8になると、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁712および回動遮蔽壁714は冷気を遮る一方、回動遮蔽壁713は冷気を遮らない。よって、冷気は左側下方に向かって送風され、具体的には、吹出口343および吹出口345に向かって送風された後に、冷凍室17に吹き出される。
図28および図29に、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁712のみを開状態とするパターン9を示す。パターン9は、パターン8から回転プレート73を時計回りに30度回転させた状態である。図28(A)はこの状態に於ける遮蔽装置70を後方から見た図であり、図28(B)はこの状態に於ける回転プレート73を後方から見た図であり、図29はこの状態に於ける風路の状況を後方から見た図である。
図28(A)を参照して、パターン9では、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁712を開状態とし、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714を閉状態としている。係る開閉状態とすることで、送風機47で冷凍室17の右方部分に冷気を送風することができる。
図28(B)を参照して、この状態では、移動軸761および移動軸762が半径方向内側に配置され、移動軸763および移動軸764が半径方向外側に配置される。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点818に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点8110に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点8112に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点812に配置される。これにより、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁712が開状態とされ、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714が閉状態とされる。
図29を参照して、遮蔽装置70がパターン9になると、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁712は冷気を遮らない一方、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714は冷気を遮る。よって、冷気は右方に向かって送風され、具体的には、吹出口342、吹出口344および吹出口346に送風された後に、冷凍室17に吹き出される。
図30および図31に、回動遮蔽壁714のみを開状態とするパターン10を示す。パターン10は、パターン9から回転プレート73を時計回りに30度回転させた状態である。図30(A)はこの状態に於ける遮蔽装置70を後方から見た図であり、図30(B)はこの状態に於ける回転プレート73を後方から見た図であり、図31はこの状態に於ける風路の状況を後方から見た図である。
図30(A)を参照して、パターン10では、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁712および回動遮蔽壁713を閉状態とし、回動遮蔽壁714を開状態とする。係る開閉状態とすることで、送風機47で冷凍室17の左側上部分に冷気を送風することができる。
図30(B)を参照して、この状態では、移動軸761、移動軸762および移動軸763が半径方向外側に配置され、移動軸764が半径方向内側に配置される。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点817に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点819に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点8111に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点811に配置される。これにより、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁712および回動遮蔽壁713が閉状態とされ、回動遮蔽壁714が開状態とされる。
図31を参照して、遮蔽装置70がパターン10になると、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁712および回動遮蔽壁713は冷気を遮る一方、回動遮蔽壁714は冷気を遮らない。よって、冷気は左側上方に向かって送風され、具体的には、吹出口341に送風された後に、冷凍室17に吹き出される。
図32および図33に、回動遮蔽壁714のみを閉状態とするパターン11を示す。パターン11は、パターン10から回転プレート73を時計回りに30度回転させた状態である。図32(A)はこの状態に於ける遮蔽装置70を後方から見た図であり、図32(B)はこの状態に於ける回転プレート73を後方から見た図であり、図33はこの状態に於ける風路の状況を後方から見た図である。
図32(A)を参照して、パターン11では、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁712および回動遮蔽壁713を開状態とし、回動遮蔽壁714を閉状態とする。係る開閉状態とすることで、送風機47で冷凍室17の右方部分および下方部分に冷気を送風することができる。
図32(B)を参照して、この状態では、移動軸761、移動軸762および移動軸763が半径方向内側に配置され、移動軸764が半径方向外側に配置される。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点816に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点818に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点8110に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点8112に配置される。これにより、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁712および回動遮蔽壁713が開状態とされ、回動遮蔽壁714が閉状態とされる。
図33を参照して、遮蔽装置70がパターン11になると、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁712および回動遮蔽壁713は冷気を遮らない一方、回動遮蔽壁714は冷気を遮る。よって、冷気は右方および下方に向かって送風され、具体的には、吹出口342、吹出口344、吹出口346および吹出口345に送風された後に、冷凍室17に吹き出される。
図34および図35に、全ての回動遮蔽壁714等を閉状態とするパターン12を示す。パターン12は、パターン11から回転プレート73を時計回りに30度回転させた状態である。図34(A)はこの状態に於ける遮蔽装置70を後方から見た図であり、図34(B)はこの状態に於ける回転プレート73を後方から見た図であり、図35はこの状態に於ける風路の状況を後方から見た図である。
図34(A)を参照して、パターン12では、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁712、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714を閉状態とする。係る開閉状態とすることで、送風機47からの送風径路を閉鎖し、図3に示す冷却室26と冷凍室17とを区画することができる。
図34(B)を参照して、この状態では、移動軸761、移動軸762、移動軸763および移動軸764が半径方向外側に配置される。具体的には、移動軸761はスライド溝80の変化点815に配置され、移動軸762はスライド溝80の変化点817に配置される。また、移動軸763はスライド溝80の変化点819に配置され、移動軸764はスライド溝80の変化点8111に配置される。これにより、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁712、回動遮蔽壁713、回動遮蔽壁714が閉状態とされる。
図35を参照して、遮蔽装置70がパターン11になると、回動遮蔽壁711、回動遮蔽壁712、回動遮蔽壁713とよび回動遮蔽壁714は冷気を遮る。よって、吹出口342等に冷気は送風されない。
以上が遮蔽装置70の動作に関する説明である。
本実施の形態に係る遮蔽装置70によれば、遮蔽装置70を所定角度回転させる簡易な制御動作により、回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714の開閉パターンを多様に実現することができる。具体的には、30度単位で、12種類の開閉パターンを実現することができる。よって、多数の冷気の送風形態を実現でき、冷凍室17の内部の冷却状況に応じて、冷気を好適に送風することができる。
また、上記したように、1つのスライド溝80で、4つの回動遮蔽壁711等の移動軸761等を摺動させているので、スライド溝80の湾曲する度合いを緩和することができ、係る摺動動作をスムーズに行うことができる。
更に、複数のカム611等で、スライド溝80の摺動する範囲が重なり合っている。具体的には、図36を参照して、カム611(第1カム)の移動軸761がスライド溝80を摺動する範囲である第1摺動範囲と、カム612(第2カム)の移動軸762がスライド溝80を摺動する範囲である第2摺動範囲と、が円周方向に於いて重なり合っている。即ち、上記したパターン1からパターン12まで移行する際に、回転プレート73は330度回転する。よって、スライド溝80の略全体が、第1摺動範囲であり且つ第2摺動範囲である。よって、スライド溝80の略全体を、複数のカム611等で共用でき、遮蔽装置70の構成を簡素化できる。
図37(A)および図37(B)に、遮蔽装置70の変形例を示す。図37(A)および図37(B)は、変形例に係る遮蔽装置70を後方から見た図である。ここでは、回転プレート73に、複数のスライド溝80として、スライド溝8015およびスライド溝8016が形成されている。
図37(A)を参照して、回転プレート73には、スライド溝8015とスライド溝8016が形成されており、両者は円周方向に於いて離間して形成されている。換言すると、移動軸764と移動軸763は、円周方向にずらして配置されている。また、スライド溝8015およびスライド溝8016は、円周方向に沿って蛇行形成されている。更に、スライド溝8015およびスライド溝8016は、非完全環状に形成されている。これにより、例えば、移動軸761がスライド溝8016の端部に当接するまで、回転プレート73を回転することで、回転プレート73の回転方向の位置を検出することができる。
スライド溝8015には、移動軸764および移動軸763が係合している。また、8016には、移動軸761および移動軸762が係合している。ここでは、移動軸761および移動軸762が半径方向外側に配置されることで、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁712は閉状態となっている。また、移動軸763および移動軸764が半径方向内側にあることで、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714が開状態と成っている。
図37(B)に、図37(A)の状態から遮蔽装置70を反時計回りに約30度回転させた状態を示している。係る状態とすることで、移動軸761および移動軸762が半径方向内側に配置されることで、回動遮蔽壁711および回動遮蔽壁712は開状態となっている。また、移動軸763および移動軸764が半径方向外側にあることで、回動遮蔽壁713および回動遮蔽壁714が閉状態と成っている。
上記のような変形例であっても、一つのスライド溝8015に二つの移動軸763および移動軸764が係合している。よって、回動遮蔽壁714等の開閉パターンを多く実現することができる。また、スライド溝8015の湾曲の度合いを和らげ、移動軸763および移動軸764の摺動動作をスムーズに行うことができる。
図38に、遮蔽装置70の更なる変形例を示す。図38は、変形例に係る遮蔽装置70の後面図である。
ここに示す遮蔽装置70は、回動遮蔽壁715を有している。回動遮蔽壁715は、上記した冷蔵室15に供給される風路を開閉する。回動遮蔽壁715を開状態とすることで、冷蔵室15に冷気を送風することができる。一方、回動遮蔽壁715を閉状態とすることで、冷蔵室15に冷気を送風しない。回動遮蔽壁715は、他の回動遮蔽壁711と同様の構成を有し、カム615に対して回動可能に接続されている。カム615には移動軸765が形成され、移動軸765は後述するスライド溝8018に係合している。係る構成とすることで、図2に示した冷蔵室供給風路29にダンパを介装する必要がなく、冷蔵庫10の全体構成を簡素化することができる。
回転プレート73には、スライド溝8017(第1スライド溝)とスライド溝8018(第2スライド溝)が形成されている。スライド溝8017とスライド溝8018は、半径方向にずらして配置される。即ち、スライド溝8018は、スライド溝8017の内側に形成されている。ここでは、内側のスライド溝8017は不完全環状に形成され、外側のスライド溝8018は環形状に形成されている。スライド溝8017およびスライド溝8018は、カム611等を半径方向に沿ってスライドさせるために、円周方向に沿って蛇行形成されている。
スライド溝8017には、移動軸761ないし移動軸764が係合して摺動する。スライド溝8018には、移動軸765が係合して摺動する。
使用状況下では、回転プレート73が回動すると、移動軸761ないし移動軸764がスライド溝8017を摺動することで、回動遮蔽壁711ないし回動遮蔽壁714が開閉する。また、移動軸765がスライド溝8018を摺動することで、回動遮蔽壁715が開閉する。
上記のように、回転プレート73に複数のスライド溝8017およびスライド溝8018を形成し、スライド溝8017とスライド溝8018とを半径方向にずらして形成することで、より多くの回動遮蔽壁711等の開閉制御をスムーズに実現することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。