JP2020097731A - 吸水性樹脂粒子、これを含む吸収体及び吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸水性樹脂粒子の本来の特性である吸水性能を損なうことなく、繊維状基材との十分な固着性を発揮できる吸水性樹脂粒子、及び前記吸水性樹脂粒子と繊維状基材を固着化した吸収体、前記吸収体を用いた吸収性物品を提供する。【解決手段】水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)、並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)と疎水性物質(c)を含んでなる吸水性樹脂粒子であって、吸水性樹脂粒子の表面にポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル(d)を含有し、(d)の数平均分子量が2000以上である吸水性樹脂粒子。【選択図】なし

Description

本発明は吸水性樹脂粒子、これを含む吸収体及び吸収性物品に関する。
吸収性物品(紙オムツ等)に用いられる、吸水性樹脂粒子を用いた吸収体は、通常、パルプ等のセルロース繊維からなるマトリクス(繊維状基材ともいう)中に吸水性樹脂粒子を均等に保持させ、不織布等の有機合成繊維で被覆して製造される。しかし、実使用においては、身体が動くことによる振動や衝撃で、吸水性樹脂粒子は容易に脱落、移動が起こるため吸収体内での偏在が生じる。その結果、尿等の被吸収物の効率的な拡散が阻害され、例えば、尿漏れやカブレといった問題に繋がる。特に、近年の吸収性物品の薄型化ニーズの高まりに対する、いわゆるパルプ低減(マトリックス低減)の取り組みが進展し、吸収体内で吸水性樹脂粒子を効率的に固定化する技術が要望されている。
吸収体内で吸水性樹脂粒子を固定化する従来技術として、(1)繊維状基材の表面に粘着剤を塗布した後に、吸水性樹脂粒子を接着させる方法、(2)バインダーを溶解させた有機溶媒中に吸水性樹脂粒子を分散させ、これを繊維状基材に塗布または含侵させた後に、加熱乾燥し、有機溶媒を気化させて固定化する方法などが知られている。しかしながら、上記(1)の方法は、吸水性樹脂粒子と繊維状基材との接着に関与しない粘着剤によって繊維状基材どうしが接着されているので、吸水性樹脂粒子が吸水し、膨潤する際に、膨潤自体の妨げとなるため、吸収性能やハンドリング性の悪化を招くなどの問題があった。また(2)の方法は、吸収体特性の悪化だけでなく、有機溶媒を加熱乾燥し、気化するというプロセスが煩雑でありコストがかかる上に、残存有機溶媒の安全性に関して懸念があった。
また、上記課題の解決のための方法として、ポリオレフィン樹脂等の熱融着性樹脂や、ポリオレフィンの疎水性ブロックと親水性ポリマーのブロックを含む熱可塑性樹脂で、吸水性樹脂粒子の表面を予めコーティングし、繊維状基材との固着性を付与した吸水性樹脂粒子が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。しかし、これらの吸水性樹脂粒子の表面コーティングに使用する樹脂は、吸水前から吸水後に渡って、吸水性樹脂粒子の固定化には一定の効果があるものの、疎水性セグメントの結晶構造に由来する高い融点を有するため、本来の特性である吸水性能の悪化をもたらすことがないか否かについては未だ課題がある。
特開平6−245958号公報 国際公開第2015/178481号パンフレット
本発明の目的は、吸水性樹脂粒子の本来の特性である吸水性能を損なうことなく、繊維状基材との十分な固着性を発揮できる吸水性樹脂粒子、及び前記吸水性樹脂粒子を繊維状基材に固着化した吸収体、前記吸収体を用いた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)と疎水性物質(c)とを含んでなる吸水性樹脂粒子であって、吸水性樹脂粒子の表面にポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル(d)を含有し、(d)の数平均分子量が2000以上である吸水性樹脂粒子;繊維状基材に固着化された前記吸水性樹脂粒子を含有してなる吸収体;前記吸収体を用いた吸収性物品である。
本発明の吸水性樹脂粒子は、優れた吸収性能を維持しつつ、吸収体で使用される繊維基材との固着性に優れる。従って、本発明の吸水性樹脂粒子を用いた吸収体及びそれを用いた吸収性物品は、吸収体中での吸水性樹脂粒子の脱落や偏りを防止でき、安定した吸収性能を発揮できる。
DW法による吸収量を測定するための装置を模式的に表した図である。
本発明の吸水性樹脂粒子は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)と疎水性物質(c)を含む。
本発明における水溶性ビニルモノマー(a1)としては特に限定はなく、公知のモノマー、例えば、特許第3648553号公報の0007〜0023段落に開示されている少なくとも1個の水溶性置換基とエチレン性不飽和基とを有するビニルモノマー(例えばアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー)、特開2003−165883号公報の0009〜0024段落に開示されているアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー並びに特開2005−75982号公報の0041〜0051段落に開示されているカルボキシ基、スルホ基、ホスホノ基、水酸基、カルバモイル基、アミノ基及びアンモニオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するビニルモノマーが使用できる。
加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)[以下、加水分解性ビニルモノマー(a2)ともいう。]は特に限定はなく、公知{例えば、特許第3648553号公報の0024〜0025段落に開示されている加水分解により水溶性置換基となる加水分解性置換基を少なくとも1個有するビニルモノマー、特開2005−75982号公報の0052〜0055段落に開示されている少なくとも1個の加水分解性置換基[1,3−オキソ−2−オキサプロピレン(−CO−O−CO−)基、アシル基及びシアノ基等]を有するビニルモノマー}のビニルモノマー等が使用できる。なお、水溶性ビニルモノマーとは、当業者に周知の概念であるが、数量を用いて表すなら、例えば、25℃の水100gに少なくとも100g溶解するビニルモノマーを意味する。また、加水分解性ビニルモノマー(a2)における加水分解性とは、例えば、水及び必要により触媒(酸又は塩基等)の作用により加水分解され、水溶性になる性質を意味する。加水分解性ビニルモノマー(a2)の加水分解は、重合中、重合後及びこれらの両方のいずれで行っても良いが、得られる吸水性樹脂粒子の水性液体の吸収性能の観点から、重合後が好ましい。
これらのうち、吸収性能等の観点から好ましいのは水溶性ビニルモノマー(a1)、より好ましいのは上述の、アニオン性ビニルモノマー、カルボキシ(塩)基、スルホ(塩)基、アミノ基、カルバモイル基、アンモニオ基又はモノ−、ジ−若しくはトリ−アルキルアンモニオ基を有するビニルモノマー、更に好ましいのはカルボキシ(塩)基又はカルバモイル基を有するビニルモノマー、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸(塩)及び(メタ)アクリルアミド、とりわけ好ましいのは(メタ)アクリル酸(塩)、最も好ましいのはアクリル酸(塩)である。
なお、「カルボキシ(塩)基」は「カルボキシ基」又は「カルボキシレート基」を意味し、「スルホ(塩)基」は「スルホ基」又は「スルホネート基」を意味する。また、(メタ)アクリル酸(塩)はアクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸又はメタクリル酸塩を意味し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。また、塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩及びアンモニウム(NH)塩等が挙げられる。これらの塩のうち、吸収性能等の観点から、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、更に好ましいのはアルカリ金属塩、特に好ましいのはナトリウム塩である。
水溶性ビニルモノマー(a1)としてアクリル酸やメタクリル酸等の酸基含有モノマーを用いる場合、吸水性能や残存モノマーの観点から、酸基含有モノマーの一部が塩基で中和されていることが好ましい。中和する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物や、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩を通常使用できる。中和は、吸水性樹脂粒子の製造において、重合前、重合中、重合後及びこれらの両方のいずれで行っても良いが、例えば、重合前に酸基含有モノマーを中和する方法や重合後に酸基含有ポリマーを含水ゲルの状態で中和する等の方法が好ましい例として例示される。
また、前記酸基含有モノマーを用いる場合の酸基の中和度は、50〜80モル%であることが好ましい。中和度が50モル%未満の場合、得られる含水ゲル重合体の粘着性が高くなり、製造時及び使用時の作業性が悪化する場合がある。更に得られる吸水性樹脂粒子の保水量が低下する場合がある。一方、中和度が80%を超える場合、得られた樹脂のpHが高くなり人体の皮膚に対する安全性が懸念される場合がある。
水溶性ビニルモノマー(a1)又は加水分解性ビニルモノマー(a2)のいずれかを構成単位とする場合、それぞれ1種を単独で構成単位としてもよく、また、必要により2種以上を構成単位としても良い。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合も同様である。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合、これらの含有モル比[(a1)/(a2)]は、75/25〜99/1が好ましく、更に好ましくは85/15〜95/5、特に好ましくは90/10〜93/7である。この範囲内であると、吸収性能が更に良好となる。
架橋重合体(A)の構成単位として、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の他に、これらと共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)を構成単位とすることができる。その他のビニルモノマー(a3)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
その他のビニルモノマー(a3)としては特に限定はなく、公知(例えば、特許第3648553号公報の0028〜0029段落に開示されている疎水性ビニルモノマー、特開2003−165883号公報の0025段落及び特開2005−75982号公報の0058段落に開示されているビニルモノマー等)の疎水性ビニルモノマー等が使用でき、具体的には例えば下記の(i)〜(iii)のビニルモノマー等が使用できる。
(i)炭素数8〜30の芳香族エチレン性モノマー
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びヒドロキシスチレン等のスチレン、並びにビニルナフタレン及びジクロルスチレン等のスチレンのハロゲン置換体等。
(ii)炭素数2〜20の脂肪族エチレン性モノマー
アルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等);並びにアルカジエン(ブタジエン及びイソプレン等)等。
(iii)炭素数5〜15の脂環式エチレン性モノマー
モノエチレン性不飽和モノマー(ピネン、リモネン及びインデン等);並びにポリエチレン性ビニルモノマー[シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネン等]等。
その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量(モル%)は、吸収性能等の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位の合計モル数に基づいて、0〜5が好ましく、更に好ましくは0〜3、特に好ましくは0〜2、とりわけ好ましくは0〜1.5であり、吸収性能等の観点から、その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量が0モル%であることが最も好ましい。
内部架橋剤(b)としては特に限定はなく公知(例えば、特許第3648553号公報の0031〜0034段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも1個有してかつ少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する架橋剤及び水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個有する架橋剤、特開2003−165883号公報の0028〜0031段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、エチレン性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋剤及び反応性置換基を2個以上有する架橋剤、特開2005−75982号公報の0059段落に開示されている架橋性ビニルモノマー並びに特開2005−95759号公報の0015〜0016段落に開示されている架橋性ビニルモノマー)の架橋剤等が使用できる。これらの内、吸収性能等の観点から、エチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤が好ましく、更に好ましいのは、炭素数2〜40の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル、炭素数2〜40の多価アルコールの(メタ)アクリレート、炭素数2〜40の多価アルコールの(メタ)アクリルアミド、特に好ましいのは炭素数2〜40の多価アルコールのポリアリルエーテル、最も好ましいのはペンタエリスリトールトリアリルエーテルである。内部架橋剤(b)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
内部架橋剤(b)単位の含有量(モル%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位の合計モル数、その他のビニルモノマー(a3)を用いる場合は(a1)〜(a3)の合計モル数、に基づいて、0.001〜5が好ましく、更に好ましくは0.005〜3、特に好ましくは0.01〜1である。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
架橋重合体(A)の重合方法としては、公知の溶液重合(断熱重合、薄膜重合及び噴霧重合法等;特開昭55−133413号公報等)や、公知の逆相懸濁重合(特公昭54−30710号公報、特開昭56−26909号公報及び特開平1−5808号公報等)が挙げられる。
架橋重合体(A)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成成分とする単量体組成物を重合することにより得ることができるが、重合方法として好ましいのは溶液重合法であり、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、特に好ましいのは水溶液重合法であり、保水量が大きく、且つ水可溶性成分量の少ない吸水性樹脂が得られ、重合時の温度コントロールが不要である点から、水溶液断熱重合法が最も好ましい。
水溶液重合を行う場合、水と有機溶媒とを含む混合溶媒を使用することができ、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの2種以上の混合物を挙げられる。
水溶液重合を行う場合、有機溶媒の使用量(重量%)は、水の重量を基準として40以下が好ましく、更に好ましくは30以下である。
重合濃度、即ち、重合液中の水溶性ビニルモノマー(a1)、加水分解性ビニルモノマー(a2)および必要により使用されるその他のビニルモノマー(a3)の仕込濃度は、特に制限されないが、重合液の重量、即ち、水溶性ビニルモノマー(a1)、加水分解性ビニルモノマー(a2)および必要により使用されるその他のビニルモノマー(a3)、溶媒、内部架橋剤(b)および後述の重合触媒、重合コントロール剤の合計重量に基づいて10〜55%が好ましく、20〜45%が更に好ましい。重合濃度がこの範囲より低い場合生産性が低くなり、重合濃度がこの範囲より高い場合、自己架橋等の副反応がおこることにより、得られる吸水性樹脂粒子の保水量が低下する。
重合に触媒を用いる場合、従来公知のラジカル重合用触媒が使用可能であり、例えば、アゾ化合物[アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過酸化物(過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等)、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド及びジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等]及びレドックス触媒(アルカリ金属の亜硫酸塩又は重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム及びアスコルビン酸等の還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素及び有機過酸化物等の酸化剤との組み合わせよりなるもの)等が挙げられる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用しても良い。
ラジカル重合触媒の使用量(重量%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の、その他のビニルモノマー(a3)を用いる場合は(a1)〜(a3)の、合計重量に基づいて、0.0005〜5が好ましく、更に好ましくは0.001〜2である。
重合時には、必要に応じて連鎖移動剤等の重合コントロール剤を併用しても良く、これらの具体例としては、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、アルキルメルカプタン、ハロゲン化アルキル、チオカルボニル化合物等が挙げられる。これらの重合コントロール剤は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用しても良い。
重合コントロール剤の使用量(重量%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の、その他のビニルモノマー(a3)を用いる場合は(a1)〜(a3)の、合計重量に基づいて、0.0005〜5が好ましく、更に好ましくは0.001〜2である。
重合方法として懸濁重合法又は逆相懸濁重合法をとる場合は、必要に応じて、従来公知の分散剤又は界面活性剤の存在下に重合を行っても良い。また、逆相懸濁重合法の場合、従来公知のキシレン、ノルマルヘキサン及びノルマルヘプタン等の炭化水素系溶媒を使用して重合を行うことができる。
重合開始温度は、使用する触媒の種類によって適宜調整することができるが、0〜100℃が好ましく、更に好ましくは2〜80℃である。
重合によって得られる含水ゲルは、乾燥前に必要に応じて細断することができる。細断後のゲルの大きさ(最長径)は50μm〜10cmが好ましく、更に好ましくは100μm〜2cm、特に好ましくは1mm〜1cmである。この範囲であると、乾燥工程での乾燥性が更に良好となる。
細断は、公知の方法で行うことができ、細断装置(例えば、ベックスミル、ラバーチョッパ、ファーマミル、ミンチ機、衝撃式粉砕機及びロール式粉砕機)等を使用して細断できる。
含水ゲルの溶媒(水を含む。)を留去し、乾燥する方法としては、80〜230℃の温度の熱風で留去(乾燥)する方法、100〜230℃に加熱されたドラムドライヤー等による薄膜乾燥法、(加熱)減圧乾燥法、凍結乾燥法、赤外線による乾燥法、デカンテーション及び濾過等が適用できる。
溶媒に水を含む場合、乾燥後の水分(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0〜20が好ましく、更に好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜9、最も好ましくは3〜8である。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。また、溶媒に有機溶媒を含む場合、留去後の有機溶媒の含有量(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0〜10が好ましく、更に好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3、最も好ましくは0〜1である。この範囲であると、吸水性樹脂粒子の吸収性能が更に良好となる。
なお、有機溶媒の含有量及び水分量は、赤外水分測定器[(株)KETT社製JE400等:120±5℃、30分、加熱前の雰囲気湿度50±10%RH、ランプ仕様100V、40W]により加熱したときの測定試料の重量減量から求められる。
架橋重合体(A)は、必要により粉砕、分級することで架橋重合体(A)を含む樹脂粒子を得ることができる。粉砕方法については、特に限定はなく、粉砕装置(例えば、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機及びシェット気流式粉砕機)等が使用できる。粉砕された架橋重合体は、必要によりふるい分け等により粒度調整できる。
架橋重合体(A)を含む樹脂粒子の重量平均粒子径(μm)は、100〜500が好ましく、更に好ましくは150〜480、特に好ましくは200〜450である。この範囲であると、吸水性樹脂粒子の吸収性能が更に良好となる。また、吸収性能の観点から、架橋重合体(A)を含む樹脂粒子の合計重量に占める150μm以下の微粒子の含有率(重量%)は3以下が好ましく、更に好ましくは1以下である。
なお、重量平均粒子径及び150μm以下の微粒子の含有率は、ロータップ試験篩振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンパニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から1000μm、850μm、710μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、125μm、75μm及び45μm、並びに受け皿、の順に組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるい上の粒子の重量分率を求め、この値を対数確率紙[横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率]にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とする。また、微粒子の含有量は、上記の重量平均粒子径を求める際に作成するグラフを用いて求めることができる。
架橋重合体(A)を含む樹脂粒子の形状については特に限定はなく、不定形破砕状、リン片状、パール状及び米粒状等が挙げられる。これらのうち、紙おむつ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から、不定形破砕状が好ましい。
なお、架橋重合体(A)を含む、樹脂粒子は、その性能を損なわない範囲で残留溶媒や残存架橋成分等の他の成分を多少含んでも良い。
本発明の吸水性樹脂粒子は、疎水性物質(c)を含有する。疎水性物質(c)を含有することで、後述する、ポリエーテルによるドライ性の悪化を改善することができる。疎水性物質(c)としては、炭素数8〜30の炭化水素基を含有する疎水性物質(c1)及び/又は有機ポリシロキサンである疎水性物質(c2)が好ましい。
炭素数8〜30の炭化水素基を含有する疎水性物質(c1)としては、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びその塩、長鎖脂肪族アルコール、長鎖脂肪族アミド、HLB10以下の界面活性剤、ワックス及びこれらの2種以上の混合物等が含まれる。
長鎖脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜30の脂肪酸と炭素数1〜12のアルコールとのエステル{たとえば、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、グリセリンラウリン酸モノエステル、グリセリンステアリン酸モノエステル、グリセリンオレイン酸モノエステル、ペンタエリスリットラウリン酸モノエステル、ペンタエリスリットステアリン酸モノエステル、ペンタエリスリットオレイン酸モノエステル、ソルビットラウリン酸モノエステル、ソルビットステアリン酸モノエステル、ソルビットオレイン酸モ、ノエステル、ショ糖パルミチン酸モノエステル、ショ糖パルミチン酸ジエステル、ショ糖パルミチン酸トリエステル、ショ糖ステアリン酸エステル及び牛脂等}が挙げられる。
長鎖脂肪酸及びその塩としては、炭素数8〜30の脂肪酸{たとえば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びベヘニン酸等}が挙げられ、その塩としては亜鉛、カルシウム、マグネシウム又はアルミニウム(以下、Zn、Ca、Mg、Alと略す)との塩{たとえば、パルミチン酸Ca、パルミチン酸Al、ステアリン酸Ca、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Al等}が挙げられる。
長鎖脂肪族アルコールとしては、炭素数8〜30の脂肪族アルコール{たとえば、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等}が挙げられる。吸収性物品の耐モレ性の観点等から、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールが好ましく、さらに好ましくはステアリルアルコールである。
長鎖脂肪族アミドとしては、炭素数8〜30の長鎖脂肪族一級アミンと炭素数1〜30の炭化水素基を有するカルボン酸とのアミド化物、アンモニア又は炭素数1〜7の1級アミンと炭素数8〜30の長鎖脂肪酸とのアミド化物、炭素数8〜30の脂肪族鎖を少なくとも1つ有する長鎖脂肪族二級アミンと炭素数1〜30のカルボン酸とのアミド化物及び炭素数1〜7の脂肪族炭化水素基を2個有する二級アミンと炭素数8〜30の長鎖脂肪酸とのアミド化物が挙げられる。
炭素数8〜30の長鎖脂肪族一級アミンと炭素数1〜30の炭化水素基を有するカルボン酸とのアミド化物としては、1級アミンとカルボン酸とが1:1で反応した物と1:2で反応した物に分けられる。1:1で反応した物としては、酢酸N−オクチルアミド、酢酸N−ヘキサコシルアミド、ヘプタコサン酸N−オクチルアミド及びヘプタコサン酸N−ヘキサコシルアミド等が挙げられる。1:2で反応したものとしては、二酢酸N−オクチルアミド、二酢酸N−ヘキサコシルアミド、ジヘプタコサン酸N−オクチルアミド及びジヘプタコサン酸N−ヘキサコシルアミド等が挙げられる。なお、1級アミンとカルボン酸とが1:2で反応した物の場合、使用するカルボン酸は、同一でも異なっていてもよい。
アンモニア又は炭素数1〜7の1級アミンと炭素数8〜30の長鎖脂肪酸とのアミド化物としては、アンモニア又は1級アミンとカルボン酸とが1:1で反応した物と1:2で反応した物に分けられる。1:1で反応した物としては、ノナン酸アミド、ノナン酸メチルアミド、ノナン酸N−ヘプチルアミド、ヘプタコサン酸アミド、ヘプタコサン酸N−メチルアミド、ヘプタコサン酸N−ヘプチルアミド及びヘプタコサン酸N−ヘキサコシルアミド等が挙げられる。1:2で反応したものとしては、ジノナン酸アミド、ジノナン酸N−メチルアミド、ジノナン酸N−ヘプチルアミド、ジオクタデカン酸アミド、ジオクタデカン酸N−エチルアミド、ジオクタデカン酸N−ヘプチルアミド、ジヘプタコサン酸アミド、ジヘプタコサン酸N−メチルアミド、ジヘプタコサン酸N−ヘプチルアミド及びジヘプタコサン酸N−ヘキサコシルアミド等が挙げられる。なお、アンモニア又は1級アミンとカルボン酸とが1:2で反応した物としては、使用するカルボン酸は、同一でも異なっていてもよい。
炭素数8〜30の脂肪族鎖を少なくとも1つ有する長鎖脂肪族二級アミンと炭素数1〜30のカルボン酸とのアミド化物としては、酢酸N−メチルオクチルアミド、酢酸N−メチルヘキサコシルアミド、酢酸N−オクチルヘキサコシルアミド、酢酸N−ジヘキサコシルアミド、ヘプタコサン酸N−メチルオクチルアミド、ヘプタコサン酸N−メチルヘキサコシルアミド、ヘプタコサン酸N−オクチルヘキサコシルアミド及びヘプタコサン酸N−ジヘキサコシルアミド等が挙げられる。
炭素数1〜7の脂肪族炭化水素基を2個有する二級アミンと炭素数8〜30の長鎖脂肪酸とのアミド化物としては、ノナン酸N−ジメチルアミド、ノナン酸N−メチルヘプチルアミド、ノナン酸N−ジヘプチルアミド、ヘプタコサン酸N−ジメチルアミド、ヘプタコサン酸N−メチルヘプチルアミド及びヘプタコサン酸N−ジヘプチルアミド等が挙げられる。
HLB10以下の界面活性剤としては、アルキレンオキサイド(以下、AOと略す)付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤などが挙げられる。
なお、HLB値は、親水性−疎水性バランス(HLB)値を意味し、小田法(界面活性剤入門、212頁、藤本武彦、三洋化成工業株式会社発行、2007年発行)により求められる。
AO付加型非イオン界面活性剤は、高級アルコ−ル、高級脂肪酸又はアルキルアミン等に直接AOを付加させるか、グリコール類にAOを付加させて得られるポリアルキレングリコール類に高級脂肪酸などを反応させるか、あるいは多価アルコールに高級脂肪酸を反応して得られたエステル化物にAOを付加させるか、高級脂肪酸アミドにAOを付加させることにより得られる。
AOとしては、たとえばエチレンオキサイド(以下、EOと略す)、プロピレンオキサイド(以下、POと略す)及びブチレンオキサイド(以下、BOと略す)が挙げられる。これらのうち好ましいものは、EO単独付加物及びEOとPOとのランダム又はブロック付加物である。
AO付加型非イオン界面活性剤の具体例としては、オキシアルキレンアルキルエーテル(例えば、オクチルアルコールEO付加物、ラウリルアルコールEO付加物、ステアリルアルコールEO付加物、オレイルアルコールEO付加物、ラウリルアルコールEO・POブロック付加物など);ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸EO付加物、ラウリン酸EO付加物など);ポリオキシアルキレン多価アルコール高級脂肪酸エステル(例えば、ポリエチレングリコールのラウリン酸ジエステル、ポリエチレングリコールのオレイン酸ジエステル、ポリエチレングリコールのステアリン酸ジエステルなど);ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ノニルフェノールEO付加物、ノニルフェノールEO・POブロック付加物、オクチルフェノールEO付加物、ビスフェノールA・EO付加物、ジノニルフェノールEO付加物、スチレン化フェノールEO付加物など);ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル及び(例えば、ラウリルアミンEO付加物,ステアリルアミンEO付加物など);ポリオキシアルキレンアルキルアルカノールアミド(例えば、ヒドロキシエチルラウリン酸アミドのEO付加物、ヒドロキシプロピルオレイン酸アミドのEO付加物、ジヒドロキシエチルラウリン酸アミドのEO付加物など)が挙げられる。
多価アルコール型非イオン界面活性剤としては、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルAO付加物、多価アルコールアルキルエーテル、多価アルコールアルキルエーテルAO付加物が挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステルの具体例としては、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンジオレート、ショ糖モノステアレートなどが挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステルAO付加物の具体例としては、エチレングリコールモノオレートEO付加物、エチレングリコールモノステアレートEO付加物、トリメチロールプロパンモノステアレートEO・POランダム付加物、ソルビタンモノラウレートEO付加物、ソルビタンモノステアレートEO付加物、ソルビタンジステアレートEO付加物、ソルビタンジラウレートEO・POランダム付加物などが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテルの具体例としては、ペンタエリスリトールモノブチルエーテル、ペンタエリスリトールモノラウリルエーテル、ソルビタンモノメチルエーテル、ソルビタンモノステアリルエーテル、メチルグリコシド、ラウリルグリコシドなどが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテルAO付加物の具体例としては、ソルビタンモノステアリルエーテルEO付加物、メチルグリコシドEO・POランダム付加物、ラウリルグリコシドEO付加物、ステアリルグリコシドEO・POランダム付加物などが挙げられる。
ワックスとしては、融点50〜200℃のワックス{たとえば、パラフィンワックス、ミツロウ、カルナウバワックス及び牛脂等}が挙げられる。
有機ポリシロキサンである疎水性物質(c2)としては、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン{ポリオキシエチレン変性ポリシロキサン及びポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)変性ポリシロキサン等}、カルボキシ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン等及びこれらの混合物等が含まれる。
変性シリコーン{ポリエーテル変性ポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン及びアミノ変性ポリシロキサン等}の有機基(変性基)の位置としては特に限定はしないが、ポリシロキサンの側鎖、ポリシロキサンの両末端、ポリシロキサンの片末端、ポリシロキサンの側鎖と両末端との両方のいずれでもよい。これらのうち、吸収特性の観点等から、ポリシロキサンの側鎖及びポリシロキサンの側鎖と両末端との両方が好ましく、さらに好ましくはポリシロキサンの側鎖と両末端との両方である。
ポリエーテル変性ポリシロキサンの有機基(変性基)としては、ポリオキシエチレン基又はポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)基を含有する基等が含まれる。ポリエーテル変性ポリシロキサンに含まれるオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基の含有量(個)は、ポリエーテル変性ポリシロキサン1分子あたり、2〜40が好ましく、さらに好ましくは5〜30、特に好ましくは7〜20、最も好ましくは10〜15である。この範囲であると、吸収特性がさらに良好となる。また、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基を含む場合、オキシエチレン基の含有量(重量%)は、ポリシロキサンの重量に基づいて、1〜30が好ましく、さらに好ましくは3〜25、特に好ましくは5〜20である。この範囲であると、吸収特性がさらに良好となる。
ポリエーテル変性ポリシロキサンは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品{変性位置、オキシアルキレンの種類}が好ましく例示できる。
・信越化学工業株式会社製
KF−945{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、KF−6020{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、KF−351A{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、X−22−6191{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、X−22−4952{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、X−22−4272{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、X−22−6266{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}
・東レ・ダウコーニング株式会社製
FZ−2110{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2122{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−7006{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2166{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2164{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2154{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2203{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}及びFZ−2207{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}
カルボキシ変性ポリシロキサンの有機基(変性基)としてはカルボキシ基を含有する基等が含まれ、エポキシ変性ポリシロキサンの有機基(変性基)としてはエポキシ基を含有する基等が含まれ、アミノ変性ポリシロキサンの有機基(変性基)としてはアミノ基(1、2,3級アミノ基)を含有する基等が含まれる。これらの変性シリコーンの有機基(変性基)の含有量(g/mol)は、カルボキシ当量、エポキシ当量又はアミノ当量として、200〜11000が好ましく、さらに好ましくは600〜8000、特に好ましくは1000〜4000である。この範囲であると、吸収特性がさらに良好となる。なお、カルボキシ当量は、JIS C2101:1999の「16.全酸価試験」に準拠して測定される。また、エポキシ当量は、JIS K7236:2001に準拠して求められる。また、アミノ当量は、JIS K2501:2003の「8.電位差滴定法(塩基価・塩酸法)」に準拠して測定される。
カルボキシ変性ポリシロキサンは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品{変性位置、カルボキシ当量(g/mol)}が好ましく例示できる。
・信越化学工業株式会社製
X−22−3701E{側鎖、4000}、X−22−162C{両末端、2300}、X−22−3710{片末端、1450}
・東レ・ダウコーニング株式会社製
BY16−880{側鎖、3500}、BY16−750{両末端、750}、BY16−840{側鎖、3500}、SF8418{側鎖、3500}
エポキシ変性ポリシロキサンは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品{変性位置、エポキシ当量}が好ましく例示できる。
・信越化学工業株式会社製
X−22−343{側鎖、525}、KF−101{側鎖、350}、KF−1001{側鎖、3500}、X−22−2000{側鎖、620}、X−22−2046{側鎖、600}、KF−102{側鎖、3600}、X−22−4741{側鎖、2500}、KF−1002{側鎖、4300}、X−22−3000T{側鎖、250}、X−22−163{両末端、200}、KF−105{両末端、490}、X−22−163A{両末端、1000}、X−22−163B{両末端、1750}、X−22−163C{両末端、2700}、X−22−169AS{両末端、500}、X−22−169B{両末端、1700}、X−22−173DX{片末端、4500}、X−22−9002{側鎖・両末端、5000}
・東レ・ダウコーニング株式会社製
FZ−3720{側鎖、1200}、BY16−839{側鎖、3700}、SF8411{側鎖、3200}、SF8413{側鎖、3800}、SF8421{側鎖、11000}、BY16−876{側鎖、2800}、FZ−3736{側鎖、5000}、BY16−855D{側鎖、180}、BY16−8{側鎖、3700}
アミノ変性シリコーンは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品{変性位置、アミノ当量}が好ましく例示できる。
・信越化学工業株式会社製
KF−865{側鎖、5000}、KF−864{側鎖、3800}、KF−859{側鎖、6000}、KF−393{側鎖、350}、KF−860{側鎖、7600}、KF−880{側鎖、1800}、KF−8004{側鎖、1500}、KF−8002{側鎖、1700}、KF−8005{側鎖、11000}、KF−867{側鎖、1700}、X−22−3820W{側鎖、55000}、KF−869{側鎖、8800}、KF−861{側鎖、2000}、X−22−3939A{側鎖、1500}、KF−877{側鎖、5200}、PAM−E{両末端、130}、KF−8010{両末端、430}、X−22−161A{両末端、800}、X−22−161B{両末端、1500}、KF−8012{両末端、2200}、KF−8008{両末端、5700}、X−22−1660B−3{両末端、2200}、KF−857{側鎖、2200}、KF−8001{側鎖、1900}、KF−862{側鎖、1900}、X−22−9192{側鎖、6500}
・東レ・ダウコーニング株式会社製
FZ−3707{側鎖、1500}、FZ−3504{側鎖、1000}、BY16−205{側鎖、4000}、FZ−3760{側鎖、1500}、FZ−3705{側鎖、4000}、BY16−209{側鎖、1800}、FZ−3710{側鎖、1800}、SF8417{側鎖、1800}、BY16−849{側鎖、600}、BY16−850{側鎖、3300}、BY16−879B{側鎖、8000}、BY16−892{側鎖、2000}、FZ−3501{側鎖、3000}、FZ−3785{側鎖、6000}、BY16−872{側鎖、1800}、BY16−213{側鎖、2700}、BY16−203{側鎖、1900}、BY16−898{側鎖、2900}、BY16−890{側鎖、1900}、BY16−893{側鎖、4000}、FZ−3789{側鎖、1900}、BY16−871{両末端、130}、BY16−853C{両末端、360}、BY16−853U{両末端、450}
これらの混合物としては、ポリジメチルシロキサンとカルボキシル変性ポリシロキサンとの混合物、及びポリエーテル変性ポリシロキサンとアミノ変性ポリシロキサンとの混合物等が挙げられる。
有機ポリシロキサンである疎水性物質の粘度(mPa・s、25℃)は、10〜5000が好ましく、さらに好ましくは15〜3000、特に好ましくは20〜1500である。この範囲であると、吸収特性がさらに良好となる。なお、粘度は、JIS Z8803−1991「液体の粘度」9.円すい及び円すい−平板形回転粘度計による粘度測定法に準拠して測定される{たとえば、25.0±0.5℃に温度調節したE型粘度計(東機産業株式会社製RE80L、半径7mm、角度5.24×10−2radの円すい型コーン)を用いて測定される。}
これらの疎水性物質(c)のうち、吸収性物品のドライ性の観点から、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸塩、長鎖脂肪酸族アルコール、第四級アンモニウム塩型界面活性剤、ポリシロキサン構造をもつ疎水性物質が好ましく、さらに好ましくはグリセリンステアリン酸モノエステル、グリセリンステアリン酸ジエステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ステアリルアルコール、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、アミノ変性ポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン特に好ましくはグリセリンステアリン酸ジエステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ステアリルアルコール、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、カルボキシ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサンである。
疎水性物質(c)の含有量(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.001〜5.0が好ましく、さらに好ましくは0.008〜1.0、特に好ましくは0.01〜0.16である。この範囲であると、吸収性物品のドライ性に優れるため好ましい。
疎水性物質(c)を添加する方法としては、重合工程、ゲル粉砕工程、後述する表面架橋工程等、いずれの工程で添加しても良いが、吸収特性の観点より疎水性物質は吸水性樹脂粒子の内部に存在することが好ましく、架橋重合体(A)の重合工程開始後であって重合工程完了前において重合液に、又は、重合工程完了後の含水ゲルの乾燥工程の完了する前のいずれかの時点において架橋重合体(A)の含水ゲルに、疎水性物質(c)を混合することが好ましい。
疎水性物質(c)は、水及び/又は揮発性溶媒に、溶解及び/又は分散した形態でも使用できる。
本発明の吸水性樹脂粒子は、架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子が少なくとも1種の表面架橋剤により表面架橋された構造を有することが好ましい。樹脂粒子の表面を架橋することにより吸水性樹脂粒子のゲル強度を向上させることができ、吸水性樹脂粒子の望ましい保水量と荷重下における吸収量とを満足させることができる。表面架橋剤としては、公知(特開昭59−189103号公報に記載の多価グリシジル化合物、多価アミン、多価アジリジン化合物及び多価イソシアネート化合物等、特開昭58−180233号公報及び特開昭61−16903号公報の多価アルコール、特開昭61−211305号公報及び特開昭61−252212号公報に記載のシランカップリング剤、特表平5−508425号公報に記載のアルキレンカーボネート、特開平11−240959号公報に記載の多価オキサゾリン化合物並びに特開昭51−136588号公報及び特開昭61−257235号公報に記載の多価金属等)の表面架橋剤等が使用できる。これらの表面架橋剤のうち、経済性及び吸収特性の観点から、多価グリシジル化合物、多価アルコール及び多価アミンが好ましく、更に好ましいのは多価グリシジル化合物及び多価アルコール、特に好ましいのは多価グリシジル化合物、最も好ましいのはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。表面架橋剤は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
表面架橋剤の使用量(重量%)は、表面架橋剤の種類、架橋させる条件、目標とする性能等により種々変化させることができるため特に限定はないが、吸収特性の観点等から、架橋重合体(A)を含有する吸水性樹脂粒子の重量に基づいて、0.001〜3が好ましく、さらに好ましくは0.005〜2、特に好ましくは0.01〜1である。
表面架橋剤により表面処理をする方法は、公知{たとえば、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、特開2005−95759号公報}の方法が適用できる。
表面架橋剤により表面処理する工程を行った後、更に篩別して粒度調整しても良い。
本発明の吸水性樹脂粒子は、吸水性樹脂粒子の表面にポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル(d)(単にポリエーテル(d)ともいう)を含有する。吸水性樹脂粒子の表面にポリエーテル(d)を含有することで、吸収体中の繊維状基材に対する固着性を発揮する。
ポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル(d)としては、活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加したものが挙げられる。ポリエーテル(d)の有する末端の片方又は両方は水酸基であっても良く、水酸基が炭素数1〜32の1価の脂肪族カルボン酸とのエステルであってもよい。
活性水素化合物としては水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基及びイミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、水並びにアンモニア等が挙げられる。これらは1種類でもよいし2種類以上を併用してもよい。
水酸基を有する化合物としては1価アルコール、2価アルコール、3価アルコール、4〜8価アルコール、1価フェノール及び多価フェノール等が挙げられる。1価アルコールとしては、炭素数1〜24脂肪族1価アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、セチルアルコール及びオレイルアルコール等)等が挙げられる。2価アルコールとしては、炭素数2〜20の脂肪族2価アルコールが挙げられる。炭素数2〜20の脂肪族2価アルコールとしては、炭素数2〜8の直鎖脂肪族2価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等)、炭素数2〜8の分岐脂肪族2価アルコール(1,2−プロピレングリコール、1,2−、1,3−又は2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等)、炭素数6〜10の脂環式2価アルコール[1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等]並びに炭素数8〜20の芳香環含有2価アルコール[m−又はp−キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン及びビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン]等が挙げられる。3価アルコールとしては、炭素数3〜24の3価アルコール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)等が挙げられる。4〜8価アルコールとしては、炭素数5〜24の4〜8価アルコール(ペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、ショ糖及びそれらの部分エステル化物等)等が挙げられる。1価フェノール及び多価フェノールとしては、炭素数6〜24の1価フェノール(フェノール、クレゾール及びナフトール等)、炭素数6〜100の2価のフェノール[カテコール、ヒドロキノン及びビスフェノール(ビスフェノールH、ビスフェノールS及びビスフェノールF)等]及び炭素数6〜100の3価以上のフェノール(ピロガロール、ヘキサヒドロキシベンゼン及びノボラック樹脂等)等が挙げられる。
アミノ基を含有する化合物としては、1価アミン、2価アミン及び3価以上のアミンが挙げられる。1価アミンとしては、炭素数1〜20の脂肪族モノアミン(メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン及びジブチルアミン等)及び炭素数6〜24の芳香族モノアミン(アニリン、ナフチルアミン及び2,4,6−トリメチルアニリン等)等が挙げられる。2価アミンとしては、炭素数2〜24の脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等)並びに炭素数2〜24の芳香族ジアミン(アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリン、ジフェニルエーテルジアミン、ナフタレンジアミン及びアントラセンジアミン等)等が挙げられる。3価以上のアミンとしては、炭素数2〜24のトリ、ヘキサ又はペンタアミンが挙げられ、脂肪族3〜5価の脂肪族アミン(ジエチレントリアミン及びヘキサメチレンテトラミン等)及び炭素数6〜24の芳香族アミン(アニリン、4−メチルアニリン、1,4−フェニレンジアミン及び4,4’−ジアミノビフェニル)等が挙げられる。アミノ基を含有する化合物としては、これらの他に複素環式ポリアミン(ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等)、ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン、ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1−シアノグアニジン等)及びジシアンジアミド等が挙げられる。
カルボシキル基を有する化合物としては、1価カルボン酸、2価カルボン酸及び3価以上のカルボン酸等が挙げられる。1価カルボン酸としては、炭素数1〜24の1価カルボン酸(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、ラウリン酸、オレイン酸及びリノール酸等)等が挙げられる。2価カルボン酸としては、炭素数4〜24の2価カルボン酸(マレイン酸、コハク産、アジピン酸及びフタル酸等)等が挙げられる。3価以上のカルボン酸としては、炭素数6〜24の3価以上のカルボン酸(トリカルバリル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びアクリル酸の3〜8量体等)等が挙げられる。
チオール基を有する化合物としては、炭素数1〜24の1価チオール(メタンチオール、1−プロパンチオール、フェニルメタンチオール及びチオフェノール等)及び炭素数1〜24の2価以上のチオール(1,2−エタンジチオール及び1,4−ブタンジチオール)等が挙げられる。
イミノ基を有する化合物としては、モノカルボン酸アミド(オレイン酸アミド等)及び不飽和モノカルボン酸アミドの2〜5量体(モノカルボン酸アミドとしてはアクリルアミド及びメタクリルアミド等)等が挙げられる。
水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基及びイミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物としては、水酸基とアミノ基とを有する化合物が挙げられる。水酸基とアミノ基とを有する化合物としては、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等)等が挙げられる。
これらの活性水素化合物のうち、吸水特性の観点から、1価アルコール、2価アルコールが好ましく、更に好ましくは炭素数2〜8の脂肪族の1価アルコール及び2価アルコールであり、特に好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコールである。
なお、活性水素化合物としては、前記の水酸基を有する化合物、アミノ基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物、チオール基を有する化合物及びイミノ基を有する化合物の他、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基及びイミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する高分子化合物である高分子活性水素化合物を用いることもできる。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、炭素数3又は4のアルキレンオキサイド並びに炭素数5〜8のアルキレンオキサイド等が挙げられる。
炭素数3又は4のアルキレンオキサイドとしては、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−又は2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン及びスチレンオキサイド等が挙げられる。炭素数5〜8のアルキレンオキサイドとしては1,2−ペンチレンオキサイド及びスチレンオキサイド等が挙げられる。アルキレンオキサイドは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合はブロック形式(チップ型、バランス型及び活性セカンダリー型等)で付加していてもよく、ランダム形式で付加していてもよく、ブロック形式及びランダム形式が混合していてもよい。アルキレンオキサイドを2種以上併用した場合の付加形式がランダム形式であるか、ブロック形式であるかについては、Without−NOE測定を適用した各種NMR解析(H、13C、DEPT、HMQC)、及び質量分析(イオン化法:ESI−MS)から解析する事ができる。
本発明におけるポリエーテル(d)に含まれるポリオキシアルキレン鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリテトラメチレン鎖、及びこれらの共重合鎖等が挙げられる。
これらポリオキシアルキレン鎖のうち、吸水特性及び固着性の観点から、ポリオキシエチレン鎖及びポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンの共重合鎖が好ましく、ポリオキシエチレン鎖が更に好ましい。
ポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル(d)としては、例えば、1種のアルキレンオキサイドを用いたポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキセタン、ポリテトラメチレングリコール及びポリスチレングリコールが挙げられ、2種のアルキレンオキサイドを併用したポリエーテルとしては、2種類のアルキレンオキサイドを用いてブロック形式又はランダム形式に付加したポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレン・ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキセタン、ポリオキシエチレン・ポリスチレングリコール、ポリオキシプロピレン・ポリスチレングリコール、ポリオキセタン・ポリスチレングリコール、ポリオキシテトラメチレン・ポリスチレングリコール等が挙げられる。
これらのポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル(d)のうち、吸水特性及び固着性の観点から、ポリオキシエチレン鎖を有するポリエーテルが好ましく、更に好ましくはポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールのブロック共重合体、特に好ましくはポリエチレングリコールである。
ポリエーテル(d)の数平均分子量(以下、Mnと略記)は、2000以上であり、好ましくは5000〜10万であり、さらに好ましくは6000〜2万である。Mnが2000未満だと融点が低く吸水性樹脂の固着性及び吸収性能が低下し、また、べたつきによりハンドリング性が悪化する。一方、上限に制限がないが、Mnが10万よりも大きいと親水性が低下し、吸収特性が低下する場合がある。
ポリエーテル(d)のMnはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記)を用いて例えば以下の条件で測定することができる。
・装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
・カラム:「Guardcolumn Super H−L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
・溶液注入量:10μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリエチレングリコール
本発明におけるポリエーテル(d)は、水溶性であることが好ましい。水溶性であることで、吸水性樹脂粒子の本来の吸水特性を低下させず、固着性を付与することができる。なお、本発明において「水溶性のポリエーテル」とは、25℃の水に対する溶解度が水100gに対して5g以上のものをいう。
ポリエーテル(d)の融点(以下、Tmと略記)は、好ましくは50〜150℃であり、更に好ましくは50〜100℃である。Tmが50℃未満だと室温付近で溶融し固着性が低下する懸念があり、Tmが150℃よりも大きいと、実際に製造されるおむつの高速ライン中においてポリエーテルを溶融させるために必要な温度に到達しない懸念がある。
ポリエーテルの融点は、示差走査熱量測定[セイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580]を用いて、−20℃から昇温速度20℃/分で200℃まで、昇温したときの吸熱ピーク[℃]を測定して、求められる。
ポリエーテル(d)の含有量(重量%)は、吸水性樹脂粒子の重量に基づいて、0.5〜5.0が好ましく、さらに好ましくは0.8〜4.0、特に好ましくは1.0〜3.0である。ポリエーテル(d)の含有量が0.5未満だと吸水性樹脂の固着性が低下し、5.0よりも大きいと吸収性能が低下して、好ましくない。
本発明の吸水性樹脂粒子は、架橋重合体(A)と疎水性物質(c)を含む樹脂粒子と、ポリエーテル(d)とを混合することにより得ることができる。混合する装置としては、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、V型混合機、ミンチ混合機、リボン型混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、コニカルブレンダー及びロールミキサー等の公知の混合装置を用いて均一混合する方法が挙げられる。
樹脂粒子とポリエーテル(d)との混合は、表面への均一処理性の観点から、撹拌下の樹脂粒子にポリエーテル(d)を添加することが好ましい。添加するポリエーテル(d)は、必要により水及び/又は溶剤と同時に添加しても良い。ポリエーテル(d)を水及び/又は溶剤と同時に添加する場合、ポリエーテル(d)を水及び/若しくは溶剤に溶解した溶液、又は水及び/若しくは溶剤に分散した分散体を添加することが好ましい。溶液又は分散体を添加する場合、噴霧又は滴下して添加することもできる。
ポリエーテル(d)の溶液又は分散体を添加する場合、ポリエーテル(d)の濃度は、5〜70重量%が好ましく、更に好ましくは10〜60重量%である。
樹脂粒子とポリエーテル(d)を混合する際の温度は特に限定されないが、10〜150℃が好ましく、更に好ましくは20〜100℃、特に好ましくは25〜80℃である。
樹脂粒子とポリエーテル(d)を混合した後、更に加熱処理を行ってもよい。加熱温度は好ましくは25〜180℃、更に好ましくは30〜175℃、特に好ましくは35〜170℃である。180℃以下の加熱であれば蒸気を利用した間接加熱が可能であり設備上有利である。また、加熱を行わない場合、併用する水及び溶剤が吸水性樹脂中に過剰に残存することとなり、吸収性能が悪くなる場合がある。加熱処理を行う場合、加熱時間は加熱温度により適宜設定することができるが、吸収特性の観点から、好ましくは5〜60分、更に好ましくは10〜40分である。
本発明の吸水性樹脂粒子は、粒子の表面に更にカチオン性ポリマー、無機微粒子、多価金属塩等の表面処理剤を含有してもよい。
カチオン性ポリマーとしては、特に限定されないが、国際公開2017−57709号に例示のある公知のカチオン性ポリマーが使用できる。カチオン性有機ポリマーの具体例としては、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリ(N−アルキルアリルアミン)、ポリ(アルキルジアリルアミン)、モノアリルアミン−ジアリルアミン共重合体、N−アルキルアリルアミン−モノアリルアミン共重合体、モノアリルアミン−ジアルキルジアリルアンモニウム塩・共重合体、ジアリルアミン−ジアルキルジアリルアンモニウム塩・共重合体、ポリアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、アルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩の単独重合体、アルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩−アクリルアミド・共重合体、直鎖状ポリエチレンイミン、分岐鎖状ポリエチレンイミン、ポリエチレンポリアミン、ポリプロピレンポリアミン、ポリアミドポリアミン、ポリエーテルポリアミン、ポリビニルアミン、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂及びポリアミジン等が挙げられる。また、ポリアクリルアミド又はポリメタクリルアミドに、ホルムアルデヒドとジエチルアミンとを反応させてなるアミノ化された変性体等も挙げられる。これらのうち、入手の容易性および吸水特性、特に、通液性、及び膨潤時の吸水性樹脂粒子の形状保持性の観点から、ポリアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩の単独重合体、アルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩−アクリルアミド・共重合体が好ましい。
また、カチオン性ポリマーは、強酸の共役塩基であるアニオンとの塩の形態であってよい。上記強酸としては、無機酸、有機酸が挙げられ、好適な強酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸等が挙げられる。なお、カチオン性基の塩を形成させる方法としては、例えば、アミノ基又はアンモニオ基を酸性化合物で中和しても良いし、アミノ基と求電子試薬{有機ハロゲン化物(塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル及び臭化エチル等)、ジアルキルカーボネート(ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネート等)及び硫酸エステル(ジメチル硫酸及びジエチル硫酸等)等}と反応させても良い。
前記無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、タルク等が挙げられる。これらのうち、好ましくはシリカ、アルミナである。これらは1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記多価金属塩としては、特に限定はされないが、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、アルミニウム及びチタニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と無機酸又は有機酸、例えば、上述の無機酸又は有機酸、との塩等が挙げられる。これらのうち、入手の容易性や溶解性の観点から、アルミニウムの無機酸塩及びチタニウムの無機酸塩が好ましく、更に好ましいのは硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム及び硫酸ナトリウムアルミニウムである。これらは1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
カチオン性ポリマー、無機微粒子、多価金属塩等の表面処理剤で吸水性樹脂粒子の表面処理する場合、前記表面処理剤と混合する工程は、特に制限はないが、ポリエーテルが樹脂粒子の最表面に存在することが固着性の観点から好ましく、前述したポリエーテルを添加する工程前又は工程と同時に行うことが好ましい。
本発明の吸水性樹脂粒子には、他の添加剤{たとえば、公知(特開2003−225565号、特開2006−131767号等)の防腐剤、防かび剤、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、芳香剤、消臭剤及び有機質繊維状物等}を含むこともできる。これらの添加剤を含有させる場合、添加剤の含有量(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.001〜10が好ましく、さらに好ましくは0.01〜5、特に好ましくは0.05〜1、最も好ましくは0.1〜0.5である。
本発明の吸水性樹脂粒子の形状については、不定形破砕状、リン片状、パール状及び米粒状等が挙げられる。これらのうち、紙おむつ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から、不定形破砕状が好ましい。
本発明の吸水性樹脂粒子の見掛け密度(g/ml)は、0.52〜0.67が好ましく、さらに好ましくは0.55〜0.65、特に好ましくは0.57〜0.63である。この範囲であると、吸収性物品の吸収特性がさらに良好となる。なお、見掛け密度は、JIS K7365:1999に準拠して、25℃で測定される。
本発明の吸水性樹脂粒子の重量平均粒子径(μm)は、200〜420が好ましく、さらに好ましくは250〜410、特に好ましくは300〜400、最も好ましくは350〜390である。この範囲より大きいと、後述のDW法における吸収速度の低下が生じ、この範囲より小さいと、スポット吸収やゲルブロッキングを生じやすくなる。なお、重量平均粒子径は前述と同様にして測定できる。
本発明の吸水性樹脂粒子の微粒子の含有量は少ない方が吸収性能がよく、全粒子に占める106μm以下の微粒子の含有量は3重量%以下が好ましく、さらに好ましくは全粒子に占める150μm以下の微粒子の含有量が3重量%以下である。なお、微粒子の含有量は前述と同様にして測定できる。
本発明の吸水性樹脂粒子のDemand Wettability試験法(DW法)による吸収量(M)(ml/g)は、吸収性物品のドライ性の観点から、30秒後の吸収量(M1)は3〜8が好ましく、さらに好ましくは3〜7である。また、10分後の吸収量(M2)は39〜47であり、好ましくは41〜47である。この範囲であると吸収性物品の表面ドライ性が良好になる。DW法による吸収パターン、すなわち前期吸収量(M1を示す)と後期吸収量(M2を示す)は、吸水性樹脂粒子の表面の親水性疎水性のバランスを調整することで、好ましい範囲に調整できる。本発明においては吸水性樹脂粒子への固着性付与のため、吸水性樹脂粒子の表面にポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル(d)を必須成分としているため、粒子表面の親水性が高く、前期吸収量(M1)が高くなる傾向にある。一方、後期吸収量(M2)については、表面の親水性が高いために、吸収初期にゲルブロッキングが生じて液拡散性が悪化し、低くなる場合がある。DW法による吸収パターンを上記範囲とするためには、前述した疎水性物質(c)の種類および含有量で制御することができる。
DW30秒後の吸収量(M1)が3未満の場合、初期の吸収量が不足してドライ性が悪化し、8よりも高い場合は、初期の吸収量が高すぎ、吸収体とした時に吸収の偏りができ、ドライ性が悪化する場合がある。10分後の吸収量が39未満の場合、吸収量が不足しているためドライ性が悪化、47よりも高い場合は、吸収体中の吸収量の偏りができ、ドライ性が悪化する場合がある。ドライ性の評価は、後述するSDME法による表面ドライ性試験により評価することができる。
<DW法による吸収量の測定方法>
DW(Demand Wettability)法は、25±2℃、湿度50±10%の室内で、図1に示す装置を用いて行う測定方法である。図1に示した測定装置は、ビュレット部(2){目盛容量50ml、長さ86cm、内径1.05cm、}と導管{内径7mm}、測定台(6)からなっている。ビュレット部(2)は、上部にゴム栓(1)、下部に吸気導入管(9){先端内径3mm}とコック(7)が連結されており、さらに、吸気導入管(9)の上部はコック(8)がある。ビュレット部(2)から測定台(6)までは、導管が取り付けられている。測定台(6)の中央部には、生理食塩水供給部として直径3ミリの穴があいており、導管が連結されている。
この構成の測定装置を使用して、まずビュレット部(2)のコック(7)と空気導入管(9)のコック(8)を閉め、25℃に調節された所定量の生理食塩水(食塩濃度0.9重量%)をビュレット部(2)上部から入れ、ゴム栓(1)でビュレット上部の栓をした後、ビュレット部(2)のコック(7)および空気導入管(9)のコック(8)を開ける。次に、測定台(6)に溢れ出た生理食塩水を拭き取ってから、測定台(6)の上面と、測定台(6)中心部の導管口から出てくる生理食塩水の水面とが同じ高さになるように測定台(6)の高さの調整を行う。生理食塩水供給部から生理食塩水を拭き取りながら、ビュレット部(2)内の生理食塩水の水面をビュレット部(2)目盛の一番上(0mlライン)に調整する。
引き続き、ビュレット部(2)のコック(7)と空気導入管(9)のコック(8)を閉め、測定台(6)上に、生理食塩水供給部が中心になるように平織りナイロンメッシュ(5)(目開き63μm、5cm×5cm)をのせ、さらにこの平織りナイロンメッシュ(5)の上に、測定台(6)の生理食塩水供給部を中心に直径2.7cmの範囲に0.50gの吸水性樹脂粒子(4)を均一に散布する。その後、ビュレット部(2)のコック(7)および空気導入管(9)のコック(8)を開ける。
吸水性樹脂粒子(4)が吸水し始め、空気導入管(9)から導入された一つ目の泡がビュレット部(2)内の生理食塩水の水面に到達した時点(ビュレット部(2)内の生理食塩水の水面が下がった時点)を測定開始時間とし、継続的に、ビュレット部(2)内の生理食塩水(3)の減少量(吸水性樹脂粒子(4)が吸水した生理食塩水量)M(ml)を読み取る。吸水開始から所定時間経過後における吸水性樹脂粒子(4)の吸収量を、以下の式により求める。
DW法による吸収量(ml/g)=M÷0.50
本発明の吸水性樹脂粒子は、生理食塩水の保水量(g/g)が25〜45であることが好ましく、30〜43がより好ましい。この範囲であると、吸収体として十分な吸収量を確保できる。保水量が25以下であると、繰り返し使用時に漏れが生じやすく好ましくない。また、45を超えるとブロッキングしやすくなるため好ましくない。生理食塩水の保水量は、内部架橋剤(b)及び表面架橋剤の種類と量で適宜調整することができる。従って、例えば、生理食塩水の保水量を上げる必要がある場合、内部架橋剤(b)及び表面架橋剤の使用量を上げることで容易に実現することができる。なお、生理食塩水の保水量は以下の方法により測定される。
<生理食塩水の保水量の測定方法>
目開き63μm(JIS Z8801−1:2006)のナイロン網で作成したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に測定試料1.00gを入れ、生理食塩水(食塩濃度0.9重量%)1,000ml中に無撹拌下、1時間浸漬した後、15分間吊るして水切りする。その後、ティーバッグごと、遠心分離器にいれ、150Gで90秒間遠心脱水して余剰の生理食塩水を取り除き、ティーバックを含めた重量(h1)を測定し次式から保水量を求める。
保水量(g/g)=(h1)−(h2)
なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃とする。測定試料を用いない以外は上記と同様にして、遠心脱水後のティーバックの重量を測定し(h2)とする。
本発明の吸水性樹脂粒子は、生理食塩水の荷重下吸収量が15〜30g/gであることが好ましい。この範囲であると、吸収体が荷重下に置かれても十分に液を吸収することができる。15未満であると、繰り返し使用時に漏れが生じやすく好ましくない。また、上限値は高いほど好ましく特に制限されないが、他物性との性能バランスや生産性の観点から、より好ましくは27以下、さらに好ましくは25以下である。荷重下吸収量は、内部架橋剤(b)及び表面架橋剤の種類と量で適宜調整することができる。従って、例えば、荷重下吸収量を上げる必要がある場合、内部架橋剤(b)及び表面架橋剤の使用量を上げることで容易に実現することができる。なお、生理食塩水の荷重下吸収量は以下の方法により測定される。
<荷重下吸収量の測定方法>
目開き63μm(JIS Z8801−1:2006)のナイロン網を底面に貼った円筒型プラスチックチューブ(内径:25mm、高さ:34mm)内に、標準ふるいを用いて250〜500μmの範囲にふるい分けした測定試料0.16gを秤量し、円筒型プラスチックチューブを垂直にしてナイロン網上に測定試料がほぼ均一厚さになるように整えた後、この測定試料の上に分銅(重量:210.6g、外径:24.5mm、)を乗せる。この円筒型プラスチックチューブ全体の重量(h3)を計量した後、生理食塩水(食塩濃度0.9%)60mlの入ったシャーレ(直径:12cm)の中に測定試料及び分銅の入った円筒型プラスチックチューブを垂直に立ててナイロン網側を下面にして浸し、60分静置する。60分後に、円筒型プラスチックチューブをシャーレから引き上げ、これを斜めに傾けて底部に付着した水を一箇所に集めて水滴として垂らすことで余分な水を除去した後、測定試料及び分銅の入った円筒型プラスチックチューブ全体の重量(h4)を計量し、次式から荷重下吸収量を求める。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃とする。
荷重下吸収量(g/g)={(h4)−(h3)}/0.16
本発明の吸収体は、繊維状基材に固着化された前述の吸水性樹脂粒子を含有してなる。
上記繊維状基材としては、好ましくは、セルロース系繊維、有機系合成繊維、および有機系合成繊維とセルロース系繊維との混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。セルロース系繊維としては、例えばフラッフパルプなどの天然繊維、ビスコースレーヨン、アセテート、キュプラなどのセルロース系化学繊維が挙げられる。このセルロース系天然繊維の原料(針葉樹、広葉樹など)、製造方法(ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、メカニカルパルプ、CTMPなど)、漂白方法などについては特に限定されない。有機系合成繊維としては、例えばポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリウレタン系繊維、熱融着性複合繊維(例えば、融点の異なる上記繊維の少なくとも2種を鞘芯型、偏芯型、並列型などに複合化された繊維、上記繊維の少なくとも2種をブレンドした繊維、上記繊維の表層を改質した繊維など)が挙げられる。これらの繊維状基材の内で吸水性樹脂粒子との固着性の観点から、好ましいものは、セルロース系天然繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリエステル系繊維、熱融着性複合繊維およびこれらの混合繊維であり、さらに好ましくは、フラッフパルプ、熱融着性複合繊維およびこれらの混合物である。
上記繊維状基材の長さ、太さについては特に限定されず、通常、長さは1〜200mm、太さは0.1〜100デニールの範囲であれば好適に使用することができる。形状についても繊維状であれば特に限定されず、細い円筒状、スプリットヤーン状、ステープル状、フィラメント状、ウェブ状などが例示される。
吸水性樹脂粒子と繊維状基材との比は、吸水性樹脂粒子:繊維状基材が重量比で、好ましくは(20:80)〜(95:5)、より好ましくは(30:70)〜(90:10)、さらに好ましくは(35:65)〜(80:20)である。吸水性樹脂粒子の比が20未満では得られる吸収体の吸収性能が十分発現せず、95を超えると吸水性樹脂粒子の固着性が低下する場合がある。
吸水性樹脂粒子を繊維状基材に固着化する方法としては、用いる繊維状基材の性質に応じて公知の適宜の手法を採用することができる。この場合において、上記有機系合成繊維は、鞘芯型のもの、偏芯型のものおよび並列型のものから選ばれる少なくとも1種で、融点の異なる複数(2又はそれ以上)成分を含み、低融点成分の融点が50〜180℃の熱融着性複合繊維が、固着を実現するために、加熱するという簡単な方法を採用することができ、好ましい。
吸収体の製造方法としては、(1)吸水性樹脂粒子を繊維状基材と混合あるいは繊維状基材に散布し、次いで、吸水性樹脂粒子の表面に含有するポリエーテル(d)の融点以上の温度で処理する方法、(2)吸水性樹脂粒子を繊維状基材と(d)の融点以上の温度で混合し、混合と同時に吸水性樹脂粒子を繊維状基材に部分的に固着させる方法、(3)あらかじめ吸水性樹脂粒子を(d)の融点以上の温度に保って繊維状基材に散粒、塗布または接着させる方法、(4)吸水性樹脂粒子を、(d)の融点以上の温度に保った繊維状基材に散布あるいは混合する方法、等を挙げることができる。
吸水性樹脂粒子と繊維状基材とを混合する装置としては通常の混合装置でよく、例えばコニカルブレンダー、ナウターミキサー、V型混合機、流動層式混合機、気流型混合装置、粉粒状物の吹き付けノズルを備えた気流型混合装置、粉粒状物の吹き付けノズルを備えた繊維状物の開砕装置などが挙げられる。(d)の融点以上の温度で処理する装置としては、例えば熱風加熱機、ナウター式加熱機、流動層式加熱機、気流型加熱機、加熱型カレンダーロール、赤外線加熱機、高周波加熱装置などが挙げられる。
本発明において、必ずしも吸水性樹脂粒子のすべてが繊維状基材に固着されている必要はなく、吸水性樹脂粒子が部分的に、例えばその60重量%以上が繊維状基材に固着されていればよい。好ましい条件の選択により固着された吸水性樹脂粒子の割合は80重量%以上となる。固着率が60重量%未満では、紙おむつ、生理用品などの吸収性物品へ適用した場合、これら商品の保存、輸送などの過程で吸水性樹脂粒子の移動、遍在、分離もしくは脱落を生じることがある。なお、本発明の吸収体において、上記固着率は、振動試験後の値であることが好ましい。固着率の詳細な試験方法については、後述する。
本発明の吸収体は、必要により開砕、積層、圧縮、コールドカレンディング、ヒートカレンディング、ニードルパンチ、延伸、抄造など、通常繊維状物に施される処理を加えることができる。
本発明の吸収体に、添加剤として有機質粉体(例えばパルプ粉末、セルロース誘導体、天然多糖類など)、無機質粉末(例えばゼオライト、シリカ、アルミナ、ベントナイト、活性炭など)、ガラス繊維、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、界面活性剤、着色剤、香料などを必要により配合することができ、これらの量は吸収体の重量に対して通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
本発明の吸収性物品は、本発明の吸収体を用いたものである。上記吸収性物品としては、例えば、紙おむつ、生理用品、産褥マット、医療用アンダーパッドなどの各種衛生材料や吸収性物品を挙げることができる。特に、吸水性樹脂/繊維(パルプおよび/または熱有着性繊維)の比率が大きい薄型紙おむつや薄型生理用品に有用である。さらに、青果物の鮮度保持材、ドリップ吸収材、水分あるいは湿度調節シート、結露防止材、水稲用の育苗シート、コンクリート養生シート、通信ケーブルおよび光ファイバーケーブルの止水材などのシート状あるいはテープ状吸水材料を製造する際にも有用である。これらの吸収性物品の構成、構造は、当業者によく知られている。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に定めない限り、部は重量部、%は重量%を示す。
<製造例1>
アクリル酸(a1−1){三菱化学株式会社製、純度100%}270部、内部架橋剤(b−1){ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ−株式会社製}0.98部(アクリル酸に基づいて0.10モル%)及びイオン交換水712部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液1.1部、2%アスコルビン酸水溶液2.0部及び2%の2,2’−アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液13.5部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が80℃に達した後、80±2℃で約5時間熟成することにより含水ゲルを得た。
次にこの含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR−400K)で細断しながら、49%水酸化ナトリウム水溶液220部を添加して混合・中和し、引き続き疎水性物質(c)としてショ糖ステアリン酸エステル0.12部を添加して中和ゲルを得た。更に、中和した含水ゲルを通気型乾燥機(井上金属製)上に静置し、温度150℃、風速1.5m/秒の条件下で含水率が4%となるまで通気乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、篩分けして、目開き710〜150μmの粒子径範囲に調整して、架橋重合体380部を含む樹脂粒子(A−1)を得た。
ついで、得られた樹脂粒子(A−1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに表面架橋剤としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.12部、プロピレングリコール1.0部、イオン交換水1.7部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、135℃で30分加熱して、表面架橋された樹脂粒子(A−2)を得た。
<製造例2>
製造例1において、疎水性物質(c)としてショ糖ステアリン酸エステルをポリエーテル変性ポリシロキサン(商品名:KF−6020、側鎖:オキシエチレン及びオキシプロピレン、信越化学工業株式会社製)に変更した以外は同様の操作を行い、表面架橋された樹脂粒子(A−3)を得た。
<製造例3>
アクリル酸(a1−1){三菱化学株式会社製、純度100%}270部、内部架橋剤(b−1){ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ−株式会社製}0.98部(アクリル酸に基づいて0.10モル%)及びイオン交換水712部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液1.1部、2%アスコルビン酸水溶液2.0部及び2%の2,2’−アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液13.5部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が80℃に達した後、80±2℃で約5時間熟成することにより含水ゲルを得た。
次にこの含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR−400K)で細断しながら、49%水酸化ナトリウム水溶液220部を添加して混合・中和し、中和ゲルを得た。更に、中和した含水ゲルを通気型乾燥機(井上金属製)上に静置し、温度150℃、風速1.5m/秒の条件下で含水率が4%となるまで通気乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、篩分けして、目開き710〜150μmの粒子径範囲に調整して、架橋重合体380部を含む樹脂粒子(A−4)を得た。
ついで、得られた樹脂粒子(A−4)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに表面架橋剤としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.12部、プロピレングリコール1.0部、イオン交換水1.7部、疎水性物質(c)としてカルボキシ変性ポリシロキサン(型番 X−22−3701E 信越化学工業株式会社製)0.02部およびポリエーテル変性ポリシロキサン(型番 KF−351A 信越化学工業株式会社製)0.002部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、135℃で30分加熱して、表面架橋された樹脂粒子(A−5)を得た。
<製造例4>
アクリル酸(a1−1){三菱化学株式会社製、純度100%}270部、内部架橋剤(b−1){ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ−株式会社製}0.68部(アクリル酸に基づいて0.07モル%)及びイオン交換水712部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液1.1部、2%アスコルビン酸水溶液2.0部及び2%の2,2’−アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液13.5部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が80℃に達した後、80±2℃で約5時間熟成することにより含水ゲルを得た。
次にこの含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR−400K)で細断しながら、49%水酸化ナトリウム水溶液220部を添加して混合・中和し、引き続き疎水性物質(c)としてショ糖ステアリン酸エステル0.6部を添加して中和ゲルを得た。更に、中和した含水ゲルを通気型乾燥機(井上金属製)上に静置し、温度150℃、風速1.5m/秒の条件下で含水率が4%となるまで通気乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、篩分けして、目開き710〜150μmの粒子径範囲に調整して、架橋重合体380部を含む樹脂粒子(A−6)を得た。
ついで、得られた樹脂粒子(A−6)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに表面架橋剤としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.06部、プロピレングリコール1.0部、イオン交換水1.7部を混合した混合液を添加し、均一混合した後、135℃で30分加熱して、表面架橋された樹脂粒子(A−7)を得た。
<製造例5>
アクリル酸(a1−1){三菱化学株式会社製、純度100%}270部、内部架橋剤(b−1){ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ−株式会社製}0.98部(アクリル酸に基づいて0.07モル%)及びイオン交換水712部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液1.1部、2%アスコルビン酸水溶液2.0部及び2%の2,2’−アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液13.5部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が80℃に達した後、80±2℃で約5時間熟成することにより含水ゲルを得た。
次にこの含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR−400K)で細断しながら、49%水酸化ナトリウム水溶液220部を添加して混合・中和し、引き続き疎水性物質(c)としてショ糖ステアリン酸エステル0.45部を添加して中和ゲルを得た。更に、中和した含水ゲルを通気型乾燥機(井上金属製)上に静置し、温度150℃、風速1.5m/秒の条件下で含水率が4%となるまで通気乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、篩分けして、目開き710〜150μmの粒子径範囲に調整して、架橋重合体380部を含む樹脂粒子(A−8)を得た。
ついで、得られた樹脂粒子(A−8)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これに表面架橋剤としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.12部、プロピレングリコール1.0部、イオン交換水1.7部、ポリエーテル変性ポリシロキサン0.03部をを混合した混合液を添加し、均一混合した後、135℃で30分加熱して、表面架橋された樹脂粒子(A−9)を得た。
<製造例6>
製造例5においてポリエーテル変性ポリシロキサン0.03部を0.002部に変更し、カルボキシ変性ポリシロキサン0.02部添加すること以外は同様の操作を行い、表面架橋された樹脂粒子(A−10)を得た。
<製造例7>
製造例1において、疎水性物質(c)としてショ糖ステアリン酸エステルを使用しない以外は同様の操作を行い、表面架橋された樹脂粒子(A−11)を得た。
<製造例8>
国際公開第2015/178481号パンフレットに記載された製造例2を参考に同様の操作を行い、ブロックポリマー(B)を得た。(B)のMnは、28,000であった。また、このMnとH−NMR分析より求めた(B)の平均繰り返し数Nnは3.4であった。
<実施例1>
製造例1で得られた表面架橋された樹脂粒子(A−2)100部を高速攪拌(ホソカワミクロン株式会社製高速攪拌タービュライザー、回転数2000rpm)しながら、ポリエチレングリコール20000(商品名:PEG−20000、三洋化成工業社製、Mn=20000)を1.0部、及びイオン交換水4.0部を均一に混合した。その後80℃で30分間加熱して、本発明の吸水性樹脂粒子(P−1)を得た。
<実施例2>
実施例1のポリエチレングリコール20000をポリエチレングリコール2000(商品名:PEG−2000、三洋化成工業社製、Mn=2000)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の吸水性樹脂粒子(P−2)を得た。
<実施例3>
実施例1のポリエチレングリコール20000の添加量を1.0部から、3.0部に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の吸水性樹脂粒子(P−3)を得た。
<実施例4>
ポリエチレングリコール20000をポリエチレングリコール111000(商品名:Polyethylene glycol 111000、aldrich社製、Mn=96500)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の吸水性樹脂粒子(P−4)を得た。
<実施例5>
実施例1のポリエチレングリコール20000をポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールのブロック共重合体(商品名:ニューポールPE−68、三洋化成工業社製、Mn=8000)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の吸水性樹脂粒子(P−5)を得た。
<実施例6>
実施例1の表面架橋された樹脂粒子(A−2)を表面架橋された樹脂粒子(A−3)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の吸水性樹脂粒子(P−6)を得た。
<実施例7>
実施例1の表面架橋された樹脂粒子(A−2)を表面架橋された樹脂粒子(A−5)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の吸水性樹脂粒子(P−7)を得た。
<実施例8>
実施例1の表面架橋された樹脂粒子(A−2)を表面架橋された樹脂粒子(A−7)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の吸水性樹脂粒子(P−8)を得た。
<実施例9>
実施例1の表面架橋された樹脂粒子(A−2)を表面架橋された樹脂粒子(A−9)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の吸水性樹脂粒子(P−9)を得た。
<実施例10>
実施例1の表面架橋された樹脂粒子(A−2)を表面架橋された樹脂粒子(A−10)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の吸水性樹脂粒子(P−10)を得た。
<実施例11>
実施例1の表面架橋された樹脂粒子(A−2)を表面架橋された樹脂粒子(A−10)に、ポリエチレングリコール20000をニューポールPE−128(商品名:ニューポールPE−128、三洋化成工業社製、Mn=31000)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の吸水性樹脂粒子(P−11)を得た。
<比較例1>
実施例1のポリエチレングリコール20000をポリエチレングリコール1000(商品名:PEG−1000、三洋化成工業社製、Mn=1000)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用の吸水性樹脂粒子(R−1)を得た。
<比較例2>
実施例1の表面架橋された樹脂粒子(A−2)を樹脂粒子(A−4)に変更した以外は実施例と同様の操作を行い、比較用の吸水性樹脂粒子(R−2)を得た。
<比較例3>
実施例1において、表面架橋された樹脂粒子(A−2)を樹脂粒子(A−4)に変更したこと、ポリエチレングリコール20000を使用しないこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用の吸水性樹脂粒子(R−3)を得た。
<比較例4>
実施例1のポリエチレングリコール20000を製造例8で得られたブロックポリマー(B)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用の吸水性樹脂粒子(R−4)を得た。
実施例1〜11および比較例1〜4で得た吸水性樹脂粒子を用いて、上述の方法により、保水量(g/g)、荷重下吸収量(g/g)、DW法による吸収量(30秒後、10分後)(ml/g)を測定した。結果を表1に示す。引き続き、実施例1〜11および比較例1〜4で得た吸水性樹脂粒子を用いて、以下のようにして、吸収体の固着率評価と吸収性物品の表面ドライ性を評価した。
<吸収体の固着率評価>
フラッフパルプ100部と評価試料{各実施例及び比較例の吸水性樹脂粒子}100部とを気流型混合装置{株式会社オーテック社製パッドフォーマー}で混合して、混合物を得た後、この混合物を坪量約500g/mとなるように均一にアクリル板(厚み4mm)上に積層し、5kg/cmの圧力で30秒間プレスし、吸収体を得た。この吸収体の10cm×10cmの試験片を細断した後、試験片の重量(m1)を測定した。次いで、これを金属製のバット上に置き、80℃に設定・温調済の循風乾燥機内で10分間静置した後室温まで放冷して、吸水性樹脂粒子がフラッフパルプに固着した吸収体を得た。ただし、比較例4で得た吸水性樹脂粒子(R−4)で作成した吸収体については、循風乾燥機の設定温度を80℃から150℃に変更して実施した。その後、固着した吸収体をJIS標準ふるいの目開き4mmの金網の上に置いた。この金網をロータップ試験篩振とう機(ロータップ型、(株)飯田製作所製)に入れて、5分間振振動を与えた後、最後にこの試験片の上下を反転させて、フラッフパルプに固着していない吸水性樹脂粒子を脱離させた後、金網上に残った試験片の重量(m2)を測定し、以下の式で固着率を算出した。ただし、10cm×10cmの試験片に含まれる吸水性樹脂粒子の重量を2.5gとして、算出した。
(固着率[%])={2.5[g]−(m1[g]−m2[g])}/2.5[g]×100
<吸収性物品(紙おむつ)の調製>
前述した吸水性樹脂がフラッフパルプに固着した吸収体を10cm×40cmの長方形に裁断し、各々の上下に吸収体と同じ大きさの吸水紙(坪量15.5g/m、アドバンテック社製、フィルターペーパー2番)を配置し、さらにポリエチレンシート(タマポリ社製ポリエチレンフィルムUB−1)を裏面に、不織布(坪量20g/m、旭化成社製エルタスガード)を表面に配置することにより紙おむつを調製した。吸水性樹脂粒子と繊維の重量比率(吸水性樹脂粒子の重量/繊維の重量)は50/50であった。
<SDME法による表面ドライ性評価>
SDME(Surface Dryness Measurement Equipment)試験器(WK system社製)の検出器を十分に湿らした紙おむつ{人工尿(塩化カリウム0.03重量%、硫酸マグネシウム0.08重量%、塩化ナトリウム0.8重量%及び脱イオン水99.09重量%)の中に紙おむつを浸し、60分放置して調製した。}の上に置き、0%ドライネス値を設定し、次に、SDME試験器の検出器を乾いた紙おむつ{紙おむつを80℃、2時間加熱乾燥して調製した。}の上に置き100%ドライネス値を設定し、SDME試験器の校正を行った。次に、測定する紙おむつの中央に金属リング(内径70mm、長さ50mm)をセットし、人工尿80mlを注入し、人工尿を吸収し終えたら{人工尿による光沢が確認できなくなったら}、直ちに金属リングを取り去り、紙おむつの中央及びその左右{紙おむつ40cmの端から10cmの等間隔に3箇所}にSDME検出器を3つ載せて、表面ドライネス値(単位:%)の測定を開始し、測定開始から5分後の値を、3つのSDME検出器のうち、中央の検出器のドライネス値を表面ドライネス値(SD1−1){中央}、残りの2つのSDME検出器のドライネス値を表面ドライネス値(SD1−2){左}、表面ドライネス値(SD1−3){右}とした。なお、人工尿、測定雰囲気及び放置雰囲気は、25±5℃、65±10%RHで行った。
各実施例及び比較例で得た吸水性樹脂粒子についての各特性値、及びこれらの吸水性樹脂粒子を用いて作成した吸収体の固着性評価及び表面ドライ性評価結果を表1に示す。
Figure 2020097731
表1に示す結果から明らかなように、本発明の吸水性樹脂粒子は、比較例の吸水性樹脂粒子と比べて吸収体の固着性に優れ、かつ吸収性物品の表面ドライ性に優れる。特に、吸収性物品の表面ドライ性評価結果について詳細に比較例を確認すると、比較例1のように、ポリエーテルは分子量が小さい場合、吸収体の固着率が低下するだけでなく、DW法の初期吸収量(DW法30秒値)が大きくなり、またDW法の後期吸収量(DW法10分値)が小さくなっている。結果として、吸収性物品のドライ性評価において、注液部の中央での吸水量が増え、中央部の表面ドライ性が悪化することが分かる。また比較例2では、特定の分子量を有するポリエーテルを用いることで吸収体の固着率は向上するが、疎水性物質を使用していないため、DW法の初期吸収量が大きく、比較例1と同様に中央部の表面ドライ性が低下している。なお、比較例4でブロックポリマーを使用した場合、適切な固着温度により吸収体の固着率は良好になるものの、ブロックポリマーの疎水部分が強く影響し、DW法の初期及び後期吸収量のいずれもが低下し、吸収性物品のドライ性が全体的に低下していることが分かる。
本発明の吸水性樹脂粒子は、吸水性樹脂粒子と不織布を含有してなる吸収体のみならず、吸水性樹脂粒子と繊維状物とを含有してなる吸収体に適用でき、この吸収体を備えてなる吸収性物品{紙おむつ、生理用ナプキンおよび医療用保血剤等}に有用である。また、ペット尿吸収剤、携帯トイレ用尿ゲル化剤、青果物用鮮度保持剤、肉類・魚介類用ドリップ吸収剤、保冷剤、使い捨てカイロ、電池用ゲル化剤、植物・土壌用保水剤、結露防止剤、止水剤、パッキング剤および人口雪等の種々の用途にも使用できる。
1 ゴム栓
2 ビュレット部
3 生理食塩水
4 吸水性樹脂粒子
5 平織りナイロンメッシュ
6 測定台
7 コック
8 コック
9 空気導入管

Claims (10)

  1. 水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)と疎水性物質(c)とを含んでなる吸水性樹脂粒子であって、吸水性樹脂粒子の表面にポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル(d)を含有し、(d)の数平均分子量が2000以上である吸水性樹脂粒子。
  2. ポリエーテル(d)の数平均分子量が5000〜10万である請求項1に記載の吸水性樹脂粒子。
  3. ポリエーテル(d)が水溶性である請求項1又は2に記載の吸水性樹脂粒子。
  4. ポリエーテル(d)はポリオキシエチレン鎖を有するポリエーテルである請求項1〜3のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子。
  5. ポリエーテル(d)がポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールのブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子。
  6. ポリエーテル(d)の含有量が吸水性樹脂粒子の重量に基づいて0.5〜5.0重量%である請求項1〜5のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子。
  7. 疎水性物質(c)が炭素数8〜30の炭化水素基を含有する疎水性物質(c1)及び/又は有機ポリシロキサンである疎水性物質(c2)である請求項1〜6のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子。
  8. Demand Wettability試験法(DW法)による30秒後吸収量が3〜8ml/gである請求項1〜7のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子。
  9. 繊維状基材に固着化された請求項1〜8のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子を含有してなる吸収体。
  10. 請求項9に記載の吸収体を用いた吸収性物品。

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