JP2020097527A - 複素環化合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、肺高血圧症および/または肺線維症等の予防および/または治療に有用であり得る化合物に関する。【解決手段】4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;および4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドから選ばれる化合物またはその塩。【選択図】なし
Description
本発明は、肺高血圧症、肺線維症等の予防および/または治療に有用であり得るホスホジエステラーゼ(PDE)阻害作用を有し得る新規な化合物に関する。
(発明の背景)
肺高血圧症は、心筋や、肺血管組織の異常な増殖やリモデリング、収縮などにより肺血管抵抗が上昇し、病気の進行とともに心不全を併発して死に至る、予後がきわめて不良な疾患である。肺高血圧症は、発症機序により、おもに、5つに分類され、第一群には、肺動脈性肺高血圧症、第二群には、左心性心疾患に伴う肺高血圧症、第三群には、肺疾患および/または低酸素血症に伴う肺高血圧症、第四群には、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、第五群には、詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症などがそれぞれ分類される。現在使われている主な治療薬は、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ5阻害剤、プロスタサイクリンアナログ、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤などであるが、一部症状の改善がみられるものの、依然予後が悪い。近年、疾患の病態に複数の分子が関与していることが明らかになり、また、現行の治療薬も単剤での効果が限定的であることから、新しい治療薬の開発が望まれている。とくに、第一群のなかでも結合組織疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症や、第三群の肺高血圧症では、繊維化が進行しており予後が悪く、新たな治療薬の開発が求められている。
間質性肺疾患に代表される肺線維症は、肺胞上皮細胞の障害により、細胞外マトリックス成分の産生が過剰に継続される結果として、肺胞間質の線維化が進行し、呼吸機能が低下する致死性の疾患として知られている。間質性肺疾患は、おもに9つに分類され、1)原因不明の特発性間質性肺炎、2)膠原病および関連疾患の肺病変、3)薬剤誘起性肺疾患、4)腫瘍性肺疾患などが含まれる。
特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF))は、肺胞上皮細胞の障害により、細胞外マトリックス成分の産生が過剰に継続される結果として、肺胞間質の線維化が進行し、呼吸機能が低下する致死性の疾患として知られている。斑状の線維化が見られ、線維芽細胞巣が多数認められ、高分解能断層撮影(HRCT)において、線維化し肥厚した隔壁は蜂巣肺として見られ、牽引性気管支拡張を伴う所見が得られる。症状として、乾性咳嗽や労作時息切れが発生し、呼吸困難をきたす。その初期診断からの予後は非常に悪く、5年後生存率はおよそ50%と言われている。ステロイドや免疫抑制薬では効果が無く、最近になってようやくピルフェニドン(pirfenidone)などの抗線維化薬が臨床で用いられるようになったが、その治療効果は限定的なレベルに止まっており、消化器に対する副作用や光毒性の問題も指摘されている。また、肺線維症患者においては、血管のリモデリングに基づき肺高血圧が併発する。肺線維症患者が肺高血圧を合併すると予後が不良となる。肺線維症に合併する肺高血圧に対してはエンドセリン受容体拮抗薬を初めとする既存の肺血管拡張薬は効果を示さず、新たな治療薬の開発が求められている。
PDE阻害作用を有するピロロピリミジン誘導体として、例えば、特許文献1および特許文献2に記載された化合物等が知られている。
肺高血圧症は、心筋や、肺血管組織の異常な増殖やリモデリング、収縮などにより肺血管抵抗が上昇し、病気の進行とともに心不全を併発して死に至る、予後がきわめて不良な疾患である。肺高血圧症は、発症機序により、おもに、5つに分類され、第一群には、肺動脈性肺高血圧症、第二群には、左心性心疾患に伴う肺高血圧症、第三群には、肺疾患および/または低酸素血症に伴う肺高血圧症、第四群には、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、第五群には、詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症などがそれぞれ分類される。現在使われている主な治療薬は、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ5阻害剤、プロスタサイクリンアナログ、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤などであるが、一部症状の改善がみられるものの、依然予後が悪い。近年、疾患の病態に複数の分子が関与していることが明らかになり、また、現行の治療薬も単剤での効果が限定的であることから、新しい治療薬の開発が望まれている。とくに、第一群のなかでも結合組織疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症や、第三群の肺高血圧症では、繊維化が進行しており予後が悪く、新たな治療薬の開発が求められている。
間質性肺疾患に代表される肺線維症は、肺胞上皮細胞の障害により、細胞外マトリックス成分の産生が過剰に継続される結果として、肺胞間質の線維化が進行し、呼吸機能が低下する致死性の疾患として知られている。間質性肺疾患は、おもに9つに分類され、1)原因不明の特発性間質性肺炎、2)膠原病および関連疾患の肺病変、3)薬剤誘起性肺疾患、4)腫瘍性肺疾患などが含まれる。
特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF))は、肺胞上皮細胞の障害により、細胞外マトリックス成分の産生が過剰に継続される結果として、肺胞間質の線維化が進行し、呼吸機能が低下する致死性の疾患として知られている。斑状の線維化が見られ、線維芽細胞巣が多数認められ、高分解能断層撮影(HRCT)において、線維化し肥厚した隔壁は蜂巣肺として見られ、牽引性気管支拡張を伴う所見が得られる。症状として、乾性咳嗽や労作時息切れが発生し、呼吸困難をきたす。その初期診断からの予後は非常に悪く、5年後生存率はおよそ50%と言われている。ステロイドや免疫抑制薬では効果が無く、最近になってようやくピルフェニドン(pirfenidone)などの抗線維化薬が臨床で用いられるようになったが、その治療効果は限定的なレベルに止まっており、消化器に対する副作用や光毒性の問題も指摘されている。また、肺線維症患者においては、血管のリモデリングに基づき肺高血圧が併発する。肺線維症患者が肺高血圧を合併すると予後が不良となる。肺線維症に合併する肺高血圧に対してはエンドセリン受容体拮抗薬を初めとする既存の肺血管拡張薬は効果を示さず、新たな治療薬の開発が求められている。
PDE阻害作用を有するピロロピリミジン誘導体として、例えば、特許文献1および特許文献2に記載された化合物等が知られている。
肺高血圧症、肺線維症等の予防および/または治療薬として有用であり、かつ、薬効、低毒性、安定性、体内動態等の点で優れた性質を有する化合物の開発が望まれている。
本発明は、公知化合物とは化学構造の異なるPDE(特にPDE4およびPDE5)を阻害する化合物、および当該化合物を含有してなる肺高血圧症、肺線維症等の予防および/または治療薬を提供することを目的とする。
本発明は、公知化合物とは化学構造の異なるPDE(特にPDE4およびPDE5)を阻害する化合物、および当該化合物を含有してなる肺高血圧症、肺線維症等の予防および/または治療薬を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、下記化合物を初めて合成し、この化合物が予想外にも優れたPDE(特にPDE4およびPDE5)阻害作用を有し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;および
4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
から選ばれる化合物またはその塩;
〔2〕4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{trans-4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;および
4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
から選ばれる化合物またはその塩である〔1〕記載の化合物またはその塩;
〔3〕〔1〕記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬;
〔4〕PDE4および/またはPDE5阻害薬である〔3〕記載の医薬;
〔5〕肺高血圧症および/または肺線維症の予防または治療薬である〔3〕記載の医薬;
などに関する。
〔1〕4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;および
4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
から選ばれる化合物またはその塩;
〔2〕4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{trans-4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;および
4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
から選ばれる化合物またはその塩である〔1〕記載の化合物またはその塩;
〔3〕〔1〕記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬;
〔4〕PDE4および/またはPDE5阻害薬である〔3〕記載の医薬;
〔5〕肺高血圧症および/または肺線維症の予防または治療薬である〔3〕記載の医薬;
などに関する。
本発明化合物は、優れたPDE(特にPDE4および/またはPDE5)阻害作用を有し得、肺高血圧症および/または肺線維症等の予防および/または治療薬等として有用であり得る。
(発明の詳細な説明)
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明化合物は、
4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドまたはその塩;
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドまたはその塩;および
4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドまたはその塩である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明化合物は、
4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドまたはその塩;
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドまたはその塩;および
4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドまたはその塩である。
より具体的には、本発明化合物は、
4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{trans-4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドまたはその塩;
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドまたはその塩;および
4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドまたはその塩である。
4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{trans-4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドまたはその塩;
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドまたはその塩;および
4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミドまたはその塩である。
本発明化合物は、実施例記載の方法により製造される。
本発明化合物における塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩が挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩が挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩が挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
本発明化合物は、PDE(特にPDE4および/またはPDE5)阻害作用を有し得る。
本発明化合物は、低毒性であり得、PDE(特にPDE4および/またはPDE5)阻害作用に基づき、哺乳動物(例、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ等)の肺高血圧症(第1群肺動脈性肺高血圧症 (Pulmonary Arterial Hypertension (PAH)、第1’群、肺静脈閉塞性疾患(PVOD)および/または、肺毛細血管腫症(PCH)、第2群左心性心疾患に伴う肺高血圧症、第3群肺疾患および/または低酸素血症にともなう肺高血圧症、第4群慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)、第五群詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症など)、肺線維症(特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF)、膠原病および関連疾患の肺病変、薬剤誘起性肺疾患、職業性・環境性肺疾患、腫瘍性肺疾患、感染症関連の肺疾患など)の予防および/または治療に安全な医薬として有用であり得る。さらに、PDE4およびPDE5両者に対する阻害作用に基づき、線維化病変を伴う肺高血圧症患者や、肺線維症患者において、線維化改善作用及び肺動脈圧低下作用の両作用に基づき、予後を改善することが期待される。
本発明化合物は、低毒性であり得、PDE(特にPDE4および/またはPDE5)阻害作用に基づき、哺乳動物(例、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ等)の肺高血圧症(第1群肺動脈性肺高血圧症 (Pulmonary Arterial Hypertension (PAH)、第1’群、肺静脈閉塞性疾患(PVOD)および/または、肺毛細血管腫症(PCH)、第2群左心性心疾患に伴う肺高血圧症、第3群肺疾患および/または低酸素血症にともなう肺高血圧症、第4群慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)、第五群詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症など)、肺線維症(特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis (IPF)、膠原病および関連疾患の肺病変、薬剤誘起性肺疾患、職業性・環境性肺疾患、腫瘍性肺疾患、感染症関連の肺疾患など)の予防および/または治療に安全な医薬として有用であり得る。さらに、PDE4およびPDE5両者に対する阻害作用に基づき、線維化病変を伴う肺高血圧症患者や、肺線維症患者において、線維化改善作用及び肺動脈圧低下作用の両作用に基づき、予後を改善することが期待される。
本発明化合物は、毒性が低いことが期待でき(例えば、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性等の点から医薬として、より優れていることが期待できる)、そのまま医薬として、または薬学的に許容される担体等と混合された医薬組成物(本明細書中、「本発明の医薬」と称することがある)として、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ等)に対して、経口的、または非経口的に安全に投与し得る。「非経口投与」としては、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、肺内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、腫瘍内部、腫瘍の近位などへの投与および直接的な病巣への投与が挙げられる。
本発明化合物の投与量は、投与ルート、症状などによって異なり得る。例えば、肺高血圧症および/または肺線維症の患者(成人、体重40〜80kg、例えば60kg)に経口投与する場合、例えば1日約0.001〜約1000mg/kg体重、好ましくは1日約0.01〜約100mg/kg体重、さらに好ましくは1日約0.1〜約10mg/kg体重であり得る。この量を1日1回〜3回に分けて投与してもよい。
本発明の医薬の剤形としては、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例、肛門坐剤、直腸坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等の経口剤または非経口剤が挙げられ、これらはそれぞれ経口的あるいは非経口的に安全に投与し得る。
前記の「薬学的に許容される担体」としては、製剤素材(starting material)として慣用されている各種の有機あるいは無機担体が挙げられる。例えば、固形製剤においては、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等が挙げられ、液状製剤においては、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の製剤添加物を用い得る。
賦形剤の好適な例としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
溶剤の好適な例としては、注射用水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油が挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムが挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖が挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液が挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、ベンジルアルコールが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸が挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩が挙げられる。
着色剤の好適な例としては、水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号等の食用色素)、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩)、天然色素(例、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラ)が挙げられる。
甘味剤の好適な例としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビアが挙げられる。
本発明の医薬は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば、日本薬局方に記載の方法等により製造し得る。
本発明の医薬中の本発明化合物の含有量は、剤型、投与方法、担体などにより異なるが、例えば、医薬(製剤)全量に対して、約0.01〜約100%(w/w)、好ましくは約0.1〜約95%(w/w)である。本発明の医薬は、本発明化合物を該割合で添加することにより、常法に従って製造し得る。
本発明化合物は、他の活性成分(以下、併用薬物と略記する)と併用して使用してもよい。
併用薬物としては、特発性肺線維症に対して用いられるピルフェニドン、PDE5阻害薬であるシルデナフィル等が挙げられる。
上記併用薬物は、2種以上を適宜の割合で組み合せて用いてもよい。
本発明化合物が併用薬物と組み合せて使用される場合には、お互いの剤の量は、それらの剤の反対効果を考えて安全な範囲内で低減し得る。したがって、これらの剤により引き起こされるであろう反対効果は安全に防止し得る。
本発明化合物が併用薬物と組み合せて使用される場合には、お互いの剤の量は、それらの剤の反対効果を考えて安全な範囲内で低減し得る。したがって、これらの剤により引き起こされるであろう反対効果は安全に防止し得る。
本発明化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、
(1)本発明化合物または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減し得る、
(2)患者の症状(軽症、重症など)に応じて、本発明化合物と併用する薬物を選択し得る、
(3)本発明化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定し得る、
(4)本発明化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図り得る、
(5)本発明化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られ得る、等の優れた効果が期待できる。
(1)本発明化合物または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減し得る、
(2)患者の症状(軽症、重症など)に応じて、本発明化合物と併用する薬物を選択し得る、
(3)本発明化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定し得る、
(4)本発明化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図り得る、
(5)本発明化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られ得る、等の優れた効果が期待できる。
以下、本発明化合物と併用薬物を併用して使用することを「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明化合物またはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明化合物;併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明化合物またはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明化合物;併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
本発明の併用剤は、毒性が低いことが期待でき、例えば、本発明の化合物または(および)上記併用薬物を公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等として、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与し得る。注射剤は、静脈内、筋肉内、皮下または臓器内投与あるいは直接病巣に投与し得る。
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられる。例えば、固形製剤では、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等が挙げられる。液状製剤では、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用い得る。
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられる。例えば、固形製剤では、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等が挙げられる。液状製剤では、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用い得る。
併用薬物の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択し得る。また、本発明の併用剤における本発明化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択し得る。
例えば、本発明の併用剤における本発明化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、例えば、製剤全体に対して約0.01〜約100重量%、好ましくは約0.1〜約50重量%、さらに好ましくは約0.5〜約20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、例えば、製剤全体に対して約0.01〜約100重量%、好ましくは約0.1〜約50重量%、さらに好ましくは約0.5〜約20重量%程度である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、例えば、製剤全体に対して約1〜約99.99重量%、好ましくは約10〜約90重量%程度である。
また、本発明化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
例えば、本発明の併用剤における本発明化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、例えば、製剤全体に対して約0.01〜約100重量%、好ましくは約0.1〜約50重量%、さらに好ましくは約0.5〜約20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、例えば、製剤全体に対して約0.01〜約100重量%、好ましくは約0.1〜約50重量%、さらに好ましくは約0.5〜約20重量%程度である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、例えば、製剤全体に対して約1〜約99.99重量%、好ましくは約10〜約90重量%程度である。
また、本発明化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
本発明は、更に以下の実施例、実験例および製剤例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約35℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
実施例のカラムクロマトグラフィーにおける溶出は、特に言及しない限り、TLC(Thin Layer Chromatography,薄層クロマトグラフィー)による観察下に行った。TLC観察においては、TLCプレートとしてメルク(Merck)社製の60 F254を用い、展開溶媒として、カラムクロマトグラフィーで溶出溶媒として用いた溶媒を用いた。また、検出にはUV検出器を採用した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいて、NHと記載した場合はアミノプロピルシラン結合シリカゲルを、Diolと記載した場合は3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)プロピルシラン結合シリカゲルを用いた。分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)において、C18と記載した場合はオクタデシル結合シリカゲルを用いた。溶出溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。
1H NMRの解析にはACD/SpecManager(商品名)ソフトウエアなどを用いた。水酸基やアミノ基などのプロトンピークが非常に緩やかなピークについては記載していないことがある。
MSは、LC/MSにより測定した。イオン化法としては、ESI法、または、APCI法を用いた。データは実測値(found)を示す。通常、分子イオンピークが観測されるがフラグメントイオンとして観測されることがある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピークもしくはフラグメントイオンピークが観測される。
以下の実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約35℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
実施例のカラムクロマトグラフィーにおける溶出は、特に言及しない限り、TLC(Thin Layer Chromatography,薄層クロマトグラフィー)による観察下に行った。TLC観察においては、TLCプレートとしてメルク(Merck)社製の60 F254を用い、展開溶媒として、カラムクロマトグラフィーで溶出溶媒として用いた溶媒を用いた。また、検出にはUV検出器を採用した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいて、NHと記載した場合はアミノプロピルシラン結合シリカゲルを、Diolと記載した場合は3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)プロピルシラン結合シリカゲルを用いた。分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)において、C18と記載した場合はオクタデシル結合シリカゲルを用いた。溶出溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。
1H NMRの解析にはACD/SpecManager(商品名)ソフトウエアなどを用いた。水酸基やアミノ基などのプロトンピークが非常に緩やかなピークについては記載していないことがある。
MSは、LC/MSにより測定した。イオン化法としては、ESI法、または、APCI法を用いた。データは実測値(found)を示す。通常、分子イオンピークが観測されるがフラグメントイオンとして観測されることがある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピークもしくはフラグメントイオンピークが観測される。
以下の実施例においては下記の略号を使用する。
MS:マススペクトル
CDCl3:重クロロホルム
DMSO-d6:重ジメチルスルホキシド
1H NMR:プロトン核磁気共鳴
ESI:electrospray ionization、エレクトロスプレーイオン化
APCI:atomospheric pressure chemical ionization、大気圧化学イオン化
TFA:トリフルオロ酢酸
IPE:ジイソプロピルエーテル
n-BuLi:ブチルリチウム
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
HOBt:1H-ベンゾトリアゾール-1-オール
THF:テトラヒドロフラン
WSC:N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N'-エチルカルボジイミド
WSC・HCl:N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N'-エチルカルボジイミド 塩酸塩
DMSO:ジメチルスルホキシド
DAST:三フッ化ジエチルアミノ硫黄
MS:マススペクトル
CDCl3:重クロロホルム
DMSO-d6:重ジメチルスルホキシド
1H NMR:プロトン核磁気共鳴
ESI:electrospray ionization、エレクトロスプレーイオン化
APCI:atomospheric pressure chemical ionization、大気圧化学イオン化
TFA:トリフルオロ酢酸
IPE:ジイソプロピルエーテル
n-BuLi:ブチルリチウム
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
HOBt:1H-ベンゾトリアゾール-1-オール
THF:テトラヒドロフラン
WSC:N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N'-エチルカルボジイミド
WSC・HCl:N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N'-エチルカルボジイミド 塩酸塩
DMSO:ジメチルスルホキシド
DAST:三フッ化ジエチルアミノ硫黄
実施例1
4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{trans-4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{trans-4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
4-(2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル)-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボン酸 (7.0 g)、N-(trans-4-アミノシクロヘキシル)-N',N'-ジメチルグリシンアミド (8.32 g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (9.8 mL) とDMF (70 mL) の混合物にWSC (5.39 g)とHOBt (2.53 g)を室温で加え、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (5.2 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.24-0.29 (2H, m), 0.37-0.41 (2H, m), 0.94-0.99 (1H, m), 1.36-1.49 (4H, m), 1.77-1.84 (2H, m), 1.99-2.05 (2H, m), 2.22 (6H, s), 2.79 (3H, s), 2.86 (2H, s), 3.66-3.68 (1H, m), 3.80-3.82 (1H, m), 3.96 (2H, d, J = 6.8 Hz), 6.95-7.23 (1H, m), 7.31 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.56 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.74 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.83 (1H, d, J = 1.0 Hz), 8.65 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.99 (1H, s), 11.85 (1H, s).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.24-0.29 (2H, m), 0.37-0.41 (2H, m), 0.94-0.99 (1H, m), 1.36-1.49 (4H, m), 1.77-1.84 (2H, m), 1.99-2.05 (2H, m), 2.22 (6H, s), 2.79 (3H, s), 2.86 (2H, s), 3.66-3.68 (1H, m), 3.80-3.82 (1H, m), 3.96 (2H, d, J = 6.8 Hz), 6.95-7.23 (1H, m), 7.31 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.56 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.74 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.83 (1H, d, J = 1.0 Hz), 8.65 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.99 (1H, s), 11.85 (1H, s).
実施例2
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
A) (1-{[2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)フェノキシ]メチル}シクロプロピル)メタノール
2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-フルオロベンゼン (19.18 g)とDMSO (192 ml)の混合物にシクロプロパン-1,1-ジイルジメタノール (16.35 ml)と炭酸セシウム (41.7 g)を室温で加えた。混合物を76-78 ℃で22時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、室温で水を加えた。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (20.26 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.64-0.76 (4H, m), 2.18 (1H, t, J = 5.9 Hz), 3.69 (2H, d, J = 5.9 Hz), 4.03 (2H, s), 6.34-6.79 (1H, m), 6.90 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.40 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.67-7.75 (1H, m).
2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-フルオロベンゼン (19.18 g)とDMSO (192 ml)の混合物にシクロプロパン-1,1-ジイルジメタノール (16.35 ml)と炭酸セシウム (41.7 g)を室温で加えた。混合物を76-78 ℃で22時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、室温で水を加えた。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (20.26 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.64-0.76 (4H, m), 2.18 (1H, t, J = 5.9 Hz), 3.69 (2H, d, J = 5.9 Hz), 4.03 (2H, s), 6.34-6.79 (1H, m), 6.90 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.40 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.67-7.75 (1H, m).
B) 1-{[2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルバルデヒド
(1-{[2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)フェノキシ]メチル}シクロプロピル)メタノール(13.31 g)とアセトニトリル (133 ml)の混合物にデス-マーチンペルヨージナン (19.30 g)を0 ℃で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に室温で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と炭酸ナトリウム (7.19 g) を加え、室温で1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮し、標題化合物 (12.53 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.32-1.40 (2H, m), 1.41-1.49 (2H, m), 4.36 (2H, s), 6.34-6.79 (1H, m), 6.99 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.41 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.69 (1H, s), 8.94 (1H, s).
(1-{[2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)フェノキシ]メチル}シクロプロピル)メタノール(13.31 g)とアセトニトリル (133 ml)の混合物にデス-マーチンペルヨージナン (19.30 g)を0 ℃で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に室温で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と炭酸ナトリウム (7.19 g) を加え、室温で1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮し、標題化合物 (12.53 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.32-1.40 (2H, m), 1.41-1.49 (2H, m), 4.36 (2H, s), 6.34-6.79 (1H, m), 6.99 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.41 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.69 (1H, s), 8.94 (1H, s).
C) 2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}ベンゼン
1-{[2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルバルデヒド (12.52 g)とトルエン (125 ml)の混合物にDAST (11.39 ml)を1.5-2.5 ℃で加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応液を4-10 ℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に滴下し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (11.87 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.78-0.88 (2H, m), 0.97-1.06 (2H, m), 4.09 (2H, s), 5.83-6.29 (1H, m), 6.34-6.80 (1H, m), 6.89 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.41 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.70 (1H, s).
1-{[2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルバルデヒド (12.52 g)とトルエン (125 ml)の混合物にDAST (11.39 ml)を1.5-2.5 ℃で加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応液を4-10 ℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に滴下し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (11.87 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.78-0.88 (2H, m), 0.97-1.06 (2H, m), 4.09 (2H, s), 5.83-6.29 (1H, m), 6.34-6.80 (1H, m), 6.89 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.41 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.70 (1H, s).
D) エチル4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキシラート
2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}ベンゼン (10.01 g)とTHF (100 ml)の混合物にトリイソプロピル ボラート (7.29 ml)とn-BuLi (1.6 M THF溶液、19.86 ml)を-78 ℃で加えた。混合物を-78 ℃で30分間撹拌後、室温までゆっくり昇温し、室温で3時間撹拌した。反応液に2 M炭酸ナトリウム水溶液 (58.8 ml)とエチル 4-クロロ-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキシラート (5.64 g)を室温で加えた。窒素雰囲気下で、混合物にビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド (0.826 g) 加え、混合物を窒素雰囲気下、41時間還流した。混合物を酢酸エチルで希釈し、室温で水と飽和食塩水を加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。あわせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル)で精製した。残渣をIPEに懸濁し、生じた沈殿物をろ取した。得られた固体をIPEで洗浄し、標題化合物(7.75 g)を得た。
MS: [M+H]+452.2.
2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-1-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}ベンゼン (10.01 g)とTHF (100 ml)の混合物にトリイソプロピル ボラート (7.29 ml)とn-BuLi (1.6 M THF溶液、19.86 ml)を-78 ℃で加えた。混合物を-78 ℃で30分間撹拌後、室温までゆっくり昇温し、室温で3時間撹拌した。反応液に2 M炭酸ナトリウム水溶液 (58.8 ml)とエチル 4-クロロ-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキシラート (5.64 g)を室温で加えた。窒素雰囲気下で、混合物にビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド (0.826 g) 加え、混合物を窒素雰囲気下、41時間還流した。混合物を酢酸エチルで希釈し、室温で水と飽和食塩水を加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。あわせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル)で精製した。残渣をIPEに懸濁し、生じた沈殿物をろ取した。得られた固体をIPEで洗浄し、標題化合物(7.75 g)を得た。
MS: [M+H]+452.2.
E) 4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボン酸
エチル 4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキシラート (15.00 g)とtert-ブタノール (150 ml)と水 (1.5 ml)の混合物にカリウム tert-ブトキシド (18.64 g)を室温で加えた。混合物を85 ℃で14時間撹拌した。混合物に30-32 ℃で水 (300 ml) を加えた。混合物に活性炭 (1.40 g) を加え、28-32 ℃で1時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を2 Mクエン酸水溶液 (66.46 ml)で酸性 (pH = 3-4) にし、混合物を26 ℃で1時間撹拌した。生じた固体をろ取し、水で洗浄し、標題化合物 (13.84 g)を得た。
MS: [M+H]+424.1.
エチル 4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキシラート (15.00 g)とtert-ブタノール (150 ml)と水 (1.5 ml)の混合物にカリウム tert-ブトキシド (18.64 g)を室温で加えた。混合物を85 ℃で14時間撹拌した。混合物に30-32 ℃で水 (300 ml) を加えた。混合物に活性炭 (1.40 g) を加え、28-32 ℃で1時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を2 Mクエン酸水溶液 (66.46 ml)で酸性 (pH = 3-4) にし、混合物を26 ℃で1時間撹拌した。生じた固体をろ取し、水で洗浄し、標題化合物 (13.84 g)を得た。
MS: [M+H]+424.1.
F) 4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボン酸 (13.50 g)とDMF (135 ml)の混合物にN-(trans-4-アミノシクロヘキシル)プロパンアミド 塩酸塩 (8.57 g)と1H-ベンゾトリアゾール-1-オール 1水和物 (7.32 g)とWSC・HCl (9.17 g)とトリエチルアミン (13.33 ml)を27-37 ℃で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、室温で水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。あわせた有機層を水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を酢酸イソプロピルに懸濁し、生じた沈殿物をろ取した。得られた固体を酢酸イソプロピルで洗浄し、標題化合物 (18.31 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.62 (2H, brs), 0.79-0.90 (2H, m), 1.12-1.19 (3H, m), 1.28-1.42 (2H, m), 1.46-1.68 (2H, m), 2.06-2.25 (6H, m), 2.91 (3H, s), 3.77-4.08 (2H, m), 4.20 (2H, s), 5.21-5.65 (2H, m), 6.50-6.91 (1H, m), 7.21 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.70 (1H, d, J = 9.8 Hz), 8.13 (1H, s), 8.91 (1H, d, J = 7.6 Hz), 9.07 (2H, s).
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボン酸 (13.50 g)とDMF (135 ml)の混合物にN-(trans-4-アミノシクロヘキシル)プロパンアミド 塩酸塩 (8.57 g)と1H-ベンゾトリアゾール-1-オール 1水和物 (7.32 g)とWSC・HCl (9.17 g)とトリエチルアミン (13.33 ml)を27-37 ℃で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、室温で水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。あわせた有機層を水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を酢酸イソプロピルに懸濁し、生じた沈殿物をろ取した。得られた固体を酢酸イソプロピルで洗浄し、標題化合物 (18.31 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.62 (2H, brs), 0.79-0.90 (2H, m), 1.12-1.19 (3H, m), 1.28-1.42 (2H, m), 1.46-1.68 (2H, m), 2.06-2.25 (6H, m), 2.91 (3H, s), 3.77-4.08 (2H, m), 4.20 (2H, s), 5.21-5.65 (2H, m), 6.50-6.91 (1H, m), 7.21 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.70 (1H, d, J = 9.8 Hz), 8.13 (1H, s), 8.91 (1H, d, J = 7.6 Hz), 9.07 (2H, s).
実施例3
4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
A) 4-[2-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド (3.0 g)とTFA (20 ml)の混合物を80 ℃で終夜撹拌した。反応液を濃縮し、得られた残渣をIPEで洗浄し、標題化合物 (3.18 g)を得た。
MS: [M+H]+490.3.
4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド (3.0 g)とTFA (20 ml)の混合物を80 ℃で終夜撹拌した。反応液を濃縮し、得られた残渣をIPEで洗浄し、標題化合物 (3.18 g)を得た。
MS: [M+H]+490.3.
B) 4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
4-[2-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド (2.75 g)とTHF (75 ml)の混合物に(3-フルオロピリジン-2-イル)メタノール(2.142 g)およびトリフェニルホスフィン (5.89 g)とジアゼンジカルボン酸ジ-tert-ブチル (5.17 g)を室温で加えた。混合物を窒素雰囲気下、60 ℃で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた固体をエタノール/ヘキサンから結晶化し、標題化合物 (2.42 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.17 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.30-1.44 (2H, m), 1.50-1.56 (1H, m), 1.60 (1H, brs), 2.06-2.25 (6H, m), 2.91 (3H, s), 3.77-3.95 (1H, m), 3.97-4.11 (1H, m), 5.28 (1H, d, J = 7.9 Hz), 5.61 (2H, s), 6.87 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.42-7.51 (1H, m), 7.58 (1H, dd, J = 9.2, 2.4 Hz), 7.62-7.70 (1H, m), 8.17 (1H, d, J = 1.7 Hz), 8.52 (1H, d, J = 4.7 Hz), 8.92 (1H, d, J = 7.7 Hz), 9.08 (1H, s), 12.43 (1H, brs).
4-[2-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド (2.75 g)とTHF (75 ml)の混合物に(3-フルオロピリジン-2-イル)メタノール(2.142 g)およびトリフェニルホスフィン (5.89 g)とジアゼンジカルボン酸ジ-tert-ブチル (5.17 g)を室温で加えた。混合物を窒素雰囲気下、60 ℃で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた固体をエタノール/ヘキサンから結晶化し、標題化合物 (2.42 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.17 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.30-1.44 (2H, m), 1.50-1.56 (1H, m), 1.60 (1H, brs), 2.06-2.25 (6H, m), 2.91 (3H, s), 3.77-3.95 (1H, m), 3.97-4.11 (1H, m), 5.28 (1H, d, J = 7.9 Hz), 5.61 (2H, s), 6.87 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.42-7.51 (1H, m), 7.58 (1H, dd, J = 9.2, 2.4 Hz), 7.62-7.70 (1H, m), 8.17 (1H, d, J = 1.7 Hz), 8.52 (1H, d, J = 4.7 Hz), 8.92 (1H, d, J = 7.7 Hz), 9.08 (1H, s), 12.43 (1H, brs).
実施例化合物を以下の表1に示す。表中のMSは実測値を示す。
製剤例
本発明化合物を有効成分として含有する製剤は、たとえば、次の様な処方によって製造することができる。
1.カプセル剤
(1)実施例1の化合物 10mg
(2)ラクトース 90mg
(3)微結晶セルロース 70mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
2.錠剤
(1)実施例1の化合物 10mg
(2)ラクトース 35mg
(3)コーンスターチ 150mg
(4)微結晶セルロース 30mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 5mg
1錠 230mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
3.注射剤
(1)実施例1の化合物 10mg
(2)イノシット 100mg
(3)ベンジルアルコール 20mg
1アンプル 130mg
(1)、(2)、(3)を全量2mlになるように、注射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
本発明化合物を有効成分として含有する製剤は、たとえば、次の様な処方によって製造することができる。
1.カプセル剤
(1)実施例1の化合物 10mg
(2)ラクトース 90mg
(3)微結晶セルロース 70mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
2.錠剤
(1)実施例1の化合物 10mg
(2)ラクトース 35mg
(3)コーンスターチ 150mg
(4)微結晶セルロース 30mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 5mg
1錠 230mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
3.注射剤
(1)実施例1の化合物 10mg
(2)イノシット 100mg
(3)ベンジルアルコール 20mg
1アンプル 130mg
(1)、(2)、(3)を全量2mlになるように、注射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
実験例1
Sf9細胞で産生したPDE4B、PDE4D及びPDE5Aタンパク(BPS Bioscience)を使用し阻害活性評価を実施した。各PDEを実施例1、実施例2及び実施例3の化合物(10-12-10-5M)または溶媒を含むアッセイバッファー(50 mM Tris-HCl, 8.3 mM MgCl2, 1.7 mM EGTA, 0.1% BSA)で30分間インキュベートした後、[3H]でラベルしたcAMPまたはcGMP(パーキンエルマー)を60分間添加し、シンチレーションカウンター(パーキンエルマー)を使用して放射活性としてPDE4及び5阻害活性を評価した。各濃度における阻害活性をもとに50%阻害濃度(IC50)値(M)を算出した。各実施例のPDE4B、PDE4D及びPDE5Aに対するIC50値を、表2に示す。
Sf9細胞で産生したPDE4B、PDE4D及びPDE5Aタンパク(BPS Bioscience)を使用し阻害活性評価を実施した。各PDEを実施例1、実施例2及び実施例3の化合物(10-12-10-5M)または溶媒を含むアッセイバッファー(50 mM Tris-HCl, 8.3 mM MgCl2, 1.7 mM EGTA, 0.1% BSA)で30分間インキュベートした後、[3H]でラベルしたcAMPまたはcGMP(パーキンエルマー)を60分間添加し、シンチレーションカウンター(パーキンエルマー)を使用して放射活性としてPDE4及び5阻害活性を評価した。各濃度における阻害活性をもとに50%阻害濃度(IC50)値(M)を算出した。各実施例のPDE4B、PDE4D及びPDE5Aに対するIC50値を、表2に示す。
実験例2
WI-38ヒト由来線維芽細胞を、24 wellプレートに0.5×105cell/wellの密度で播種し、24時間培養した。その後、TGFβ (3 ng/mL) 及びcAMP産生を促進するホルスコリン (1 μM) 存在下で、実施例1、実施例2および実施例3の化合物を0.001〜10μMで処置し、24時間後にmRNAを抽出しTGF-βにより誘導される線維化マーカーであるタイプ1コラーゲン(Col1a1)の遺伝子発現に及ぼす作用を評価した。
実施例1、実施例2および実施例3の化合物は、TGFβで誘導されるコラーゲン遺伝子発現を用量依存的に抑制した(図1)。
WI-38ヒト由来線維芽細胞を、24 wellプレートに0.5×105cell/wellの密度で播種し、24時間培養した。その後、TGFβ (3 ng/mL) 及びcAMP産生を促進するホルスコリン (1 μM) 存在下で、実施例1、実施例2および実施例3の化合物を0.001〜10μMで処置し、24時間後にmRNAを抽出しTGF-βにより誘導される線維化マーカーであるタイプ1コラーゲン(Col1a1)の遺伝子発現に及ぼす作用を評価した。
実施例1、実施例2および実施例3の化合物は、TGFβで誘導されるコラーゲン遺伝子発現を用量依存的に抑制した(図1)。
実験例3
Wistar rat(日本クレア)に対し、モノクロタリンを60 mg/kg皮下投与し肺高血圧モデルを作成した。病態誘導1週間より、実施例1の化合物、実施例2の化合物および実施例3の化合物を2週間の期間強制経口投与した。その後肺動脈圧改善に基づく右心室肥大の改善作用の指標として、左心室および中隔に対する右心室の重量比(LV/RV+S)を算出した。モノクロタリンモデルで誘導される右心室肥大を、実施例1、実施例2および実施例3の化合物は3 mg/kgの用量で抑制した(図2)。
Wistar rat(日本クレア)に対し、モノクロタリンを60 mg/kg皮下投与し肺高血圧モデルを作成した。病態誘導1週間より、実施例1の化合物、実施例2の化合物および実施例3の化合物を2週間の期間強制経口投与した。その後肺動脈圧改善に基づく右心室肥大の改善作用の指標として、左心室および中隔に対する右心室の重量比(LV/RV+S)を算出した。モノクロタリンモデルで誘導される右心室肥大を、実施例1、実施例2および実施例3の化合物は3 mg/kgの用量で抑制した(図2)。
本発明によれば、優れたPDE(特にPDE4および/またはPDE5)阻害作用を有し得、肺高血圧症および/または肺線維症等の予防および/または治療薬等として有用であり得る化合物が提供される。
Claims (5)
- 4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;および
4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
から選ばれる化合物またはその塩。 - 4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-N-{trans-4-[(N,N-ジメチルグリシル)アミノ]シクロヘキシル}-6-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;
4-(5-(ジフルオロメチル)-2-{[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]メトキシ}フェニル)-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;および
4-{2-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メトキシ]-5-(トリフルオロメチル)フェニル}-6-メチル-N-[trans-4-(プロピオニルアミノ)シクロヘキシル]-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
から選ばれる化合物またはその塩である請求項1記載の化合物またはその塩。 - 請求項1記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬。
- PDE4/5阻害薬である請求項3記載の医薬。
- 肺高血圧症および/または肺線維症の予防または治療薬である請求項3記載の医薬。
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