JP2020097161A - シートの製造方法 - Google Patents
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Description
そして図1及び図2に示すシートカバー4Sは、シートの外観をなす面材であり、シートパッド4Pの外面に一体化されて配設されている。このシートカバー4Sは、後述するようにシートパッド4Pの外形に倣って所定形状に賦形されたのち、シートパッド4Pの着座部4aや凸状部4bの外面に沿った状態で一体化されている。そしてシートカバー4Sの一部は、凸状部4bの外形形状に倣って上方に凸の湾曲形状に賦形されるのであるが、このときシートカバー4Sが過度に伸長して部分的に薄くなるといった事態は極力回避すべきである。そこで本実施形態においては、後述する構成によって、シートパッド4Pの外面に沿うようにシートカバー4Sを性能良く賦形することとした。以下、シートカバー4Sと製造方法について詳述する。
また図3に示す基材層12は、表皮層11の裏面に沿って設けられている層であり、表皮層11の裏面略全面に設けることができる。この基材層12は、シートカバー4Sの外形形状をなす部分であるとともに、表皮層11及び保護層10とともに撓み変形可能である。そして基材層12の素材として、相対的に伸長性に優れている編物を用いており、この種の編物として、経編や緯編(丸編を含む)を用いることができる。また基材層12に求められる性能に応じて、編物の編組織を適宜設定することができる。例えば緯編の編組織として、基本組織(平編,ゴム編,パール編)やその変化組織を例示でき、経編の編組織として、基本組織(デンビー編,コード編,アトラス編,鎖編)やその変化組織を例示できる。例えば本実施形態では、基材層12として、緯編の一種であるシングルジャージを用いることができる。この緯編の編物は、面方向の伸長性に優れた低モジュラスの素材であるため、後述する賦形時に、シートカバー4Sを適度に伸長させて適切な形状に撓み変形させることができる。さらに基材層12としての編物の構成糸として、後述するように、一般糸Y1と、融着糸Y2とを用いることができる。そして後述するように融着糸Y2にて基材層12の立体形状が維持され、さらにこの基材層12の立体形状によってシートカバー4Sの立体的な外形形状が保持されることとなる。
ここで図3に示す一般糸Y1として、動物系又は植物系の天然繊維、合成繊維又はこれらの混紡繊維の糸を適宜用いることができる。合成繊維として、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、セルロース系繊維又はこれらの混紡繊維のフィラメントを例示でき、これらの合成繊維は、単独で使用することができ、2種以上を併用することもできる。なかでもポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリトリメチレンテレフタレート(PTT),ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリ乳酸など)のフィラメントや、ポリアミド系繊維(ナイロン6,ナイロン66など)のフィラメントは、使用時の耐久性に優れるため一般糸Y1として好適に使用できる。なお一般糸Y1の繊度(太さ)は特に限定しないが、例えば30d〜3000d程度に設定できる。
また図3に示す融着糸Y2は、加熱により溶けたのち固化可能な糸材であり、一般糸Y1の融点より低い融点を有している。この種の融着糸Y2として、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ナイロン系の樹脂からなる融着糸Y2を例示でき、これらの樹脂は、単独で使用することができ、2種以上を併用することもできる。また融着糸Y2は、その一部が溶融固化可能であればよく、この種の融着糸Y2として混繊型や芯鞘型の融着糸Y2を例示できる。なお混繊型の融着糸Y2とは、比較的高融点の繊維と、比較的低融点の繊維(溶融固化部分)が混在する合成繊維の糸である。また芯鞘型の融着糸Y2とは、比較的高融点の芯材部分と、比較的低融点の鞘部分(溶融固化部分)とを有する合成繊維の糸である。なお融着糸Y2の繊度(太さ)も特に限定しないが、例えば30d〜3000d程度に設定できる。
図3に示すパッド層13は、弾性的に厚み方向に伸縮可能な素材で形成されているマット状の部材であり、必要に応じて基材層12の裏側に一体化することができる。この種のパッド層13の素材として、基材層12に比して柔軟で且つ適度な可撓性を備えた素材を用いることができ、スラブウレタンなどの発泡樹脂、綿材、3Dネット体(一般糸を三次元状に編製してなる部材)を例示できる。そして基材層12の裏側にパッド層13を配置したのち、これらを接着や融着や縫合等の手法で一体化でき、例えばフレームラミネーションによって比較的強固に一体化することができる。
図3に示す裏層14は、基材層12側へのシートパッド4P(成形材料)の入り込みを規制する部位であり、必要に応じてシートカバー4Sの裏面に配設することができる。この種の裏層14の素材は特に限定しないが、例えばシート状の樹脂体や、低通気性の発泡樹脂体(通気度:0cc/cm2・sec〜10cc/cm2・sec)や、繊維を密に交絡させたフェルトなどの面材で構成できる。そしてシートカバー4Sの裏側を裏層14にて覆っておくことにより、後述するシートパッド4Pとの一体化の際に、基材層12側へのシートパッド4Pの成形材料の含浸を規制することができる。
ここでシートカバーは、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。例えば図4に示す別例のシートカバー4SSは、基材層12Aと、パッド層13と、裏層14とを積層状態で有し、パッド層13と裏層14は実施形態と概ね同一構成である。そして基材層12Aは、表側の第一組織K1と裏側の第二組織K2を備えた経編や緯編(丸編を含む)の二重編地を備えた編物で構成されている。例えば本別例の基材層12Aは、丸編の一種であるダブルジャージの編物や、経編の一種であるダブルラッセルの編物で構成でき、なかでもダブルジャージは面方向の伸長性に特に優れている。また第一組織K1と第二組織K2は、これら各組織に求められる性能に応じて、それぞれ独立に、各種の編組織で構成することができる。例えば緯編の編組織として、基本組織やその変化組織を例示でき、経編の編組織として、基本組織やその変化組織を例示できる。
そして基材層12Aを形成する場合、専ら第二組織K2の構成糸に融着糸Y2を用いることができる。すなわちダブルジャージの基材層12Aでは、第二組織K2だけをなしている構成糸に融着糸Y2を用いており、こうすることでシートカバー4SSの表側に配置する第一組織K1の伸長性を好適に維持することが可能となる。また基材層12Aの構成糸の一部に融着糸Y2を用いる場合には、融着糸Y2を局所的に配置することもできるが、第二組織K2の面方向に概ね均等に融着糸Y2を配置することが望ましい。そして基材層12Aの単位面積当たりの一般糸Y1に対する融着糸Y2の本数(g/m2)を調整して、融着糸Y2の含有量を、基材層12Aの全質量に対して14質量%〜75質量%の範囲に設定することが望ましい。このように14質量%以上の融着糸Y2が基材層12Aに含まれることで、後述するように固化した融着糸Y2にて第二組織K2の立体形状がより確実に維持されることとなる。なお融着糸Y2の含有量が14質量%未満の場合には、後述する第二組織K2の立体形状が適切に維持されず、シートカバー4SSが型崩れをおこすおそれがある。
本実施形態では、図1及び図2に示すシートカバー4Sを所定形状に賦形したのち、シートパッド4Pの外面に沿って配設する。すなわちシートパッド4Pに対するシートカバー4Sの配設作業に先立って、シートカバー4Sを、着座部4aと各凸状部4bの形状に倣った形状に賦形する。このとき各凸状部4bに対応するシートカバー4S部分を、例えばRのきつい湾曲形状に賦形するのであるが、この種の構成では、当該シートカバー4S部分が過度に伸長して薄くなるといった事態は極力回避すべきである。そこで本実施形態においては、シートカバー4Sを、後述する加熱工程と賦形工程を経て、所定形状に性能良く賦形することとした。
ここで本実施形態では、図5〜図8を参照して、シートカバー4Sの賦形用の設備として、保持部材20と、加熱部材30と、成形型40とを用意することができる。図5に示す保持部材20は、上方視で概ね矩形の枠状部材であり、シートカバー4Sを面方向に広げた状態で保持することができる。この保持部材20は、第一保持部位21と、第二保持部位22と、左右一対の保持柱23,24とを有している。第一保持部位21と第二保持部位22とは、それぞれ左右方向に長尺な角柱状の部材であり、シートカバー4Sを間に配置可能なように前後に適宜の間隔をあけて配置されている。そして第一保持部位21は、保持部材20の前側に配置されているとともに、左右に延びる回転軸AMを介して板状の前側係止部21aが取付けられている。この前側係止部21aは、回転軸AMを中心に上下に回転可能とされており、後述するようにシートカバー4Sの前縁側の部分を係止して保持することができる。また第二保持部位22は、保持部材20の後側に配置されているとともに、左右に延びる回転軸AMを介して板状の後側係止部22aが取付けられている。この後側係止部22aも、回転軸AMを中心に上下に回転可能とされており、後述するようにシートカバー4Sの後縁側の部分を係止して保持することができる。
後述の各工程に先立って、図5に示すように保持部材20内にシートカバー4Sを面状に広げた状態で配置しつつ、このシートカバー4Sの周縁側の部分を対応する係止部21a〜24aを介して保持部材20に保持しておく。例えば第一保持部位21には、前側係止部21aが下方回転することで、シートカバー4Sの前縁側の部分が係止されて保持される。また第二保持部位22には、後側係止部22aが下方回転することで、シートカバー4Sの後縁側の部分が係止されて保持される。そして本実施形態では、シートカバー4Sの前縁側の部分が、本発明のシートカバーの周縁側の一部に相当し、シートカバー4Sの後縁側の部分が、本発明のシートカバーの周縁側の他部に相当する。さらにシートカバー4Sの左縁側の部分(右縁側の部分)は、対応する支持柱23(24)の中央部分23x(24x)に設けた側方係止部23a(24a)に係止されて保持される。なおシートカバー4Sは、前後左右に若干の弛みを持たせた状態で保持部材20に保持しておくことができ、この状態のシートカバー4Sは、中央に向かうにつれて次第に下方に凹んだ状態となっている。
加熱工程では、図6に示す加熱部材30を用いてシートカバー4Sを加熱することにより、シートカバー4S中の融着糸Y2を軟化させた状態としておく。ここで加熱部材30は、搬送部材25の後側に設けられているとともに、上下一対の加熱部(上側加熱部31,下側加熱部32)を有している。そして上側加熱部31と下側加熱部32は、上下に適宜の間隔をあけて対向配置されており、各加熱部31,32の間には、各案内レール26a等の後部側が配設されている。これら各加熱部31,32は、それぞれシートカバー4Sを所定温度まで加熱可能な加熱機構HMを有し、本実施形態では遠赤外線ヒータや温風ヒータなどの非接触型の加熱機構HMを用いているが、接触式の加熱機構を用いることも可能である。そして加熱工程では、搬送部材25を介して加熱部材30に保持部材20を搬送し、この保持部材20に保持されたシートカバー4Sを各加熱部31,32の間に配置する。この状態で各加熱部31,32にてシートカバー4Sを上下から加熱することにより、シートカバー4S中の融着糸Y2を加熱して軟化させておくことができる。
つぎに図7に示す加熱状態のシートカバー4Sを、保持部材20で保持しつつ、搬送部材25によって加熱部材30から前方に移動させて後述の成形型40まで搬送する。そして本実施形態では、図5に示す第一ネジ軸27aと第二ネジ軸27bとを回転させることで保持部材20の各保持部位21,22を前方に搬送するのであるが、この搬送の際に、保持部材20によってシートカバー4Sを適度に弛ませておくことができる。すなわち加熱部材30から成形型40に至るまでの間に、第一ネジ軸27aの回転数を調整して第一保持部位21の前方への移動量を相対的に抑えることで、第一保持部位21が、第二保持部位22側に近づきながら前方に搬送されていく。こうして第一保持部位21を第二保持部位22側に相対移動させて、これら両保持部位21,22の前後の隙を狭めることにより、図7の二点破線を参照して、シートカバー4Sが前後に弛んだ状態となる(なお図7では、便宜上、シートカバーの弛んだ状態を単純化して示している)。なおシートカバー4Sの弛みの程度は、後述する図8の成形型40の下側成形面41aの形状に応じて適宜設定され、本実施形態ではシートカバー4Sの前部と後部にそれぞれ同程度の弛みを持たせた状態としている。
賦形工程では、図8に示す成形型40を用いて、加熱されたシートカバー4Sをシートパッドの外形に倣った所定形状に賦形する。ここで成形型40は、下側に配置された第一型41と、上側に配置された第二型42とを有し、これら両型41,42の間に、各案内レール26a等の前部側が配設されている。ここで第二型42は、図2及び図8を参照して、上側の駆動機構43に昇降可能に設置されているとともに、第二型42の下側には、シートパッド4Pの下側の形状に倣った上側成形面42aが設けられている。そして第二型42は、後述の第一型41に対して閉じ合わせ可能な位置に配置されており、上方視においては、図5に示す保持部材20の各保持部位21,22と各保持柱23,24で形成される枠の内部に配置されている。
以下、本実施形態を試験例に基づいて説明するが、本発明は試験例に限定されない。下記の[表1]は、各実施例と各比較例のシートカバーの加熱工程と賦形工程の条件を示す表である。また[表2]は、各実施例と各比較例のシートカバーの性能評価を示す表である。そして図11には、実施例1と比較例1と比較例3の展開率と送り込み率と追従率を図示し、図12には、実施例2と比較例2と比較例4の展開率と送り込み率と追従率を図示する。
実施例1では、合皮製のシートカバーを作成した。このとき表皮層は、シボ付けされたポリウレタン系の熱可塑性樹脂で形成し、表皮層の厚み寸法(膜厚)を200〜350μmの範囲に設定した。また保護層は、透明なポリウレタン系の熱可塑性樹脂で形成し、保護層の膜厚を5〜15μmの範囲に設定した。また基材層は、ジャージの編物(密度:ウェール/コース=42/40(本/2.54cm))を用いて形成した。また基材層の一般糸として、ポリエステル製のフィラメント糸(繊度150d,融点250℃)を使用し、融着糸として、ポリエステルフィラメント糸(繊度100d)と熱融着糸(繊度100d,融点130℃)を使用した。また実施例1では、基材層の単位面積当たりの一般糸に対する融着糸の本数(g/m2)を調整して、融着糸の含有量を、基材層の全質量に対して28質量%に設定した。またパッド層として、ウレタンラミ(密度:20g/cm2、厚み:0.5mm)を使用し、裏層として、シート状の樹脂体(ポリエステル製)を使用した。
また実施例2では、実施例1と同一構成のシートカバーを、向きを変えた以外は同条件で賦形した。そして賦形後の実施例2のシートカバーを用いて、後述の性能評価方法でタテ方向(コース方向、車両前後方向)の性能を測定した。
比較例1(比較例2)では、実施例1(2)と同一構成のシートカバーを用いたが、[表1]に示すように賦形工程において「吸引」だけを行った点が各実施例と異なっている。そして以下に示す性能評価方法で、賦形後の比較例1のシートカバーのヨコ方向の性能を測定し、賦形後の比較例2のシートカバーのタテ方向の性能を測定した。また比較例3(比較例4)では、実施例1(2)と同一構成のシートカバーを用いたが、賦形工程において「吸引」及び「第二型のアシスト」だけを行った点が各実施例と異なっている。そして以下に示す性能評価方法で、賦形後の比較例3のシートカバーのヨコ方向の性能を測定し、賦形後の比較例4のシートカバーのタテ方向の性能を測定した。
シートカバーの性能評価に際しては、図10に示す成形面を備えた試験用成形型60を使用した。この成形面は、縦長な窪み状に形成されており、成形面の一端側には、対向する周縁60a,60b同士が並列して配置されている。そして対向する周縁60a,60b同士を最短距離で直線的に結ぶ直線部61(長さ:100mm)と、この直線部61を通るように成形面に沿って延びる曲線部62(周長:200mm)とを設定した。また各シートカバーには、賦形前の状態において10mm角のグリット(方眼)をつけておいた。そして性能評価方法として、各シートカバーにつき、展開率と送り込み率と追従率と戻り率を算出して、これらの値から各シートカバーの性能を評価した。ここで展開率は、賦形前のシートカバーの寸法を1とした場合に、湾曲部に配置された賦形後のシートカバーの伸び率であり、後述の計算式1で算出した。また送り込み率は、湾曲部に配置された賦形後のシートカバーの周長のうち、シートカバーの伸び率(送り込まれたシートカバー量の割合)であり、後述の計算式2で算出した。また追従率は、展開率と送り込み率の和であり、後述の計算式3で算出した。そして戻り率は、湾曲部の周長を1とした場合に、湾曲部に配置された賦形後のシートカバーの縮み率であり、後述の計算式4で算出した。
計算式1:展開率(%)=((B’−C)/A)×100
計算式2:送り込み率(%)=((C−A)/A)×100
計算式3:追従率(%)=((B’−A)/A)×100
計算式4:戻り率(%)=((B’−B)/B)×100
[表2]、図11及び図12を参照して、比較例1及び比較例2のシートカバーでは、展開率が過度に大きく且つ送り込み率が過度に小さくなっていたため、シートカバーが過度に伸長して賦形されたことがわかった。また比較例3及び比較例4のシートカバーにおいても、展開率が大きく且つ送り込み率が小さくなっていたため、シートカバーが過度に伸長して賦形されたことがわかった。
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4F シートフレーム
4P シートパッド
4a 着座部
4b 凸状部
4ba 天板サイド部
4bb カマチ部
4S シートカバー
10 保護層
11 表皮層
11a 塗装層
12 基材層(本発明の編物)
13 パッド層
14 裏層
Y1 一般糸
Y2 融着糸
4SS 別例のシートカバー
12A 変形例の基材層(本発明の編物)
K1 第一組織
K2 第二組織
20 保持部材
21 第一保持部位
21a 前側係止部
22 第二保持部位
22a 後側係止部
AM 回転軸
N ナット
23 左側保持柱
23x 左側保持柱の中央部分
23y 左側保持柱の前部
23z 左側保持柱の後部
24 右側保持柱
24x 右側保持柱の中央部分
23a,24a 側方係止部
25 搬送部材
26a,26b 案内レール
27a 第一ネジ軸
27b 第二ネジ軸
30 加熱部材
31 上側加熱部
32 下側加熱部
HM 加熱機構
40 成形型
41 第一型
41a 下側成形面(本発明の成形面)
41b 平坦部
41c 前側の凹状部
41d 後側の凹状部
41H 吸引孔
42 第二型
42a 上側成形面
43,44 駆動機構
50 キャビティ
Claims (7)
- シートの外観をなすシートカバーを所定形状に賦形したのち、人体を弾性的に支持するシートパッドの外面に沿って配設するためのシートの製造方法において、
前記シートカバーを、加熱して軟化させたのちに、前記シートパッドの外形に倣った成形面を有する成形型で賦形する際に、
前記シートカバーを、その面方向に弛ませて前記成形型内に送り込みつつ、前記成形面に吸引して配置するシートの製造方法。 - 前記シートカバーを面方向に広げた状態で保持する保持部材を用いるとともに、
前記保持部材は、前記シートカバーの周縁側の一部を保持する第一保持部位と、前記一部とは異なる前記シートカバーの周縁側の他部を保持する第二保持部位とを有し、前記第一保持部位と前記第二保持部位とを互いに近づく向きに相対移動させることにより前記シートカバーを弛ませる構成となっている請求項1に記載のシートの製造方法。 - 前記第一保持部位と前記第二保持部位とは、前記シートカバーの賦形が終了するまで対応する周縁側の部分を保持している請求項2に記載のシートの製造方法。
- 前記成形面には、前記シートパッドの盛り上がり箇所である凸状部に倣った凹状部が設けられており、前記シートカバーの賦形の際に、前記シートカバーを、その面方向に弛ませて前記成形型内に送り込みつつ、前記凹状部を含む前記成形面に沿わせて配置する請求項1〜3のいずれか一項に記載のシートの製造方法。
- 前記成形型は、前記成形面を備えた第一型と、前記第一型に閉じ合わせ可能な第二型とを有し、前記シートカバーの賦形の際に、前記第一型と前記第二型とを対向配置して両型の間にキャビティを形成するとともに、前記第一型と前記第二型の間に、前記シートカバーの前記キャビティへの送り込みを許容する隙を設けておく請求項1〜4のいずれか一項に記載のシートの製造方法。
- 前記シートカバーは、その外形形状をなす合皮又は編物を有するとともに、前記合皮又は編物の構成糸の少なくとも一部に融着糸が用いられている請求項1〜5のいずれか一項に記載のシートの製造方法。
- 前記シートカバーは、前記シートパッドの盛り上がり箇所である凸状部を被覆可能な一枚物の面材である請求項6に記載のシートの製造方法。
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