JP2020095346A - 情報処理装置、情報処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、有人チャットシステムにおいては、問い合わせを行ったユーザによってオペレータの負担が著しく増大する虞がある。そのような問題を解決する一つの手段が特許文献1に開示されている。
本発明においては、このような状況を鑑み、それぞれのシステムの利点を享受するために、無人チャットシステムと有人チャットシステムを組み合わせつつ、業務効率の改善を図ることを目的とする。
会話内容やユーザについての情報を取得した状態で有人チャットシステムへの切り替えを行うことにより、ユーザからの問い合わせ内容やユーザの性格に対応可能な適切なオペレータが選択される。
総合的に高い対応力を持つオペレータについては、選択される可能性が高くなりすぎるため、従事割合が相対的に高くなってしまうことが予想される。本構成によれば、他のオペレータでも対応可能な問い合わせについては総合的に高い対応力を持つオペレータ以外のオペレータを選択するなどを行う。
ユーザが入力した会話内容に基づいてユーザの感情を判定可能な判定要素を用いることで、ユーザが落ち着いているときの対応が得意なオペレータやユーザの感情が高ぶっているときの対応が得意なオペレータなどが適切に判定される。
ユーザが入力した会話内容に基づいてユーザの論理性の有無を判定可能な判定要素を用いることで、ユーザが論理的な会話を好むユーザであるか否かが適切に判定される。これにより、論理的な会話が得意なオペレータや感情的な会話に適切に対応可能なオペレータが適切に判定される。
ユーザが入力した会話内容に基づいて問い合わせ内容のジャンルや分野を判定可能な判定要素を用いることで、得意分野に応じた適切なオペレータが選択可能とされる。
ユーザが入力した会話内容に基づいて問い合わせ内容についてのユーザの知識量を判定可能な判定要素を用いることで、例えば、初心者向けの説明を丁寧に行うことが可能なオペレータや上級者向けの説明を間違えること無く確実に行うことが可能なオペレータなど、ユーザの知識量に応じた適切なオペレータが選択可能とされる。
オペレータごとに対応可能時間を管理することにより、オペレータが対応可能時間外にユーザからの問い合わせの対応に従事しなくてはならない事態を避けることができる。
オペレータはユーザからの問い合わせに対応していくうちに能力が向上し対応力が向上する可能性がある。本構成によれば、適宜オペレータの対応力が再評価される。
有人チャットシステムに切り替わった後に素早くユーザに対して応答しなければならないオペレータにとって、無人チャットシステムを用いて行ったユーザとの会話内容の大筋を把握するためには、長い時間を要する可能性があると共に、把握する必要の無い雑談のような部分も読まなければならない。本構成によれば、会話内容要約部によって要約されたものがオペレータに提供されるため、会話内容の大筋の理解に要する時間が短縮化され、迅速にユーザに対応することが可能となる。
会話内容やユーザについての情報を取得した状態で有人チャットシステムへの切り替えを行うことにより、ユーザからの問い合わせ内容やユーザの性格に対応可能な適切なオペレータが選択される環境を提供することができる。
<1.管理システムの構成>
無人チャット及び有人チャットが可能なシステムを管理する管理システムMSの構成について、図1を参照して説明する。
管理システムMSは、後述する各種の処理を行う管理端末1を有しており、通信ネットワーク2を介して問い合わせを行うユーザ(問い合わせユーザ、或いは単にユーザと記載)が利用するユーザ端末3と相互に通信可能とされている。
管理システムMSは、管理端末1の他に、1または複数のオペレータ端末4を備えている。
また、通信ネットワーク2の全部又は一部を構成する伝送媒体についても多様な例が想定される。例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、電話線などの有線でも、IrDA(Infrared Data Association)のような赤外線、ブルートゥース(登録商標)、802.11無線、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網などの無線でも利用可能である。
管理端末1は、無人チャットによるユーザ対応を可能とするために各種の構成を備えている。具体的には、ユーザの問い合わせ内容に応じた応答を行うためのDBを生成する構成と、該DBを用いてユーザからの問い合わせに実際に応答する構成である。
また、実際の応答を行う構成としては、例えば、形態素解析などを用いて、ユーザによって入力された問い合わせ内容を解析する構成や、解析結果から生成したインデックス情報を用いて先のインデックスデータから応答情報を取得する構成などである。
即ち、管理端末1はユーザからの問い合わせに対応するチャットボットを実現可能な各種構成を備えている。
そのために、管理端末1は、問い合わせDB50やオペレータDB51やユーザDB52に情報を記憶する処理や、それらの各DBから情報を取得する処理などを実行可能とされている。
更に、管理端末1は、チャット内容を形態素解析やAI(Artificial Intelligence)技術を用いた解析が可能とされている。
また、管理システムMSが音声による問い合わせに対応可能とされている場合には、通話機能を備えた情報処理装置や、電話機などであってもよい。
なお、ユーザ端末3は複数あってもよい。例えば、複数のユーザ端末3が同時に管理システムMSに接続可能とされることにより、複数のユーザが同時に問い合わせ可能とされていてもよい。
図2において、コンピュータ装置のCPU(Central Processing Unit)101は、ROM( Read Only Memory)102に記憶されているプログラム、または記憶部108からRAM( Random Access Memory )103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU101、ROM102、およびRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104には、入出力インタフェース105も接続されている。
入出力インタフェース105には、入力部106、出力部107、記憶部108、通信部109が接続されている。
入力部106はキーボード、マウス、タッチパネルなどにより構成される。
出力部107はLCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electroluminescence)パネルなどよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどにより構成される。
記憶部108はHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ装置などにより構成される。
通信部109はネットワーク1を介しての通信処理や機器間通信を行う。
入出力インタフェース105にはまた、必要に応じてメディアドライブ110が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111が適宜装着され、リムーバブルメディア111に対する情報の書込や読出が行われる。
CPU101が各種のプログラムに基づいて処理動作を行うことで、管理端末1、ユーザ端末3、オペレータ端末4、問い合わせDB50、オペレータDB51、ユーザDB52としての必要な情報処理や通信が実行される。
なお、管理端末1、ユーザ端末3、オペレータ端末4、問い合わせDB50、オペレータDB51、ユーザDB52を構成する情報処理装置は、図2のようなコンピュータ装置が単一で構成されることに限らず、複数のコンピュータ装置がシステム化されて構成されてもよい。複数のコンピュータ装置は、LAN等によりシステム化されていてもよいし、インターネット等を利用したVPN等により遠隔地に配置されたものでもよい。複数の情報処理装置には、クラウドコンピューティングサービスによって利用可能なサーバ群(クラウド)としての情報処理装置が含まれてもよい。
管理端末1の機能構成について、図3を参照して説明する。
管理端末1としての各機能は、情報処理装置においてCPU101でプログラムに応じて実行される処理により実現される機能である。但し以下説明する全部又は一部の各構成の処理をハードウェアにより実現してもよい。
また各機能をソフトウェアで実現する場合に、各機能がそれぞれ独立したプログラムで実現される必要はない。1つのプログラムにより複数の機能の処理が実行されてもよいし、1つの機能が複数のプログラムモジュールの連携で実現されてもよい。
また各機能は複数の情報処理装置に分散されていてもよい。さらに機能の1つが、複数の情報処理装置によって実現されてもよい。
管理端末1は、受付部1a、状況判定部1b、オペレータ情報管理部1c、ユーザ情報管理部1d、切替判定部1e、オペレータ選択部1f、会話内容要約部1gを備えている。なお、これらの各部は管理端末1の一部の機能であり、それ以外の機能についても必要に応じて設けられている。
また、受付部1aは、無人チャットから有人チャットに切り替えられた場合には、無人チャットを終了させる処理を行うと共に、有人チャットを開始させるための処理を行う。
更に、チャットを開始させた後にチャット内容の記録を開始させる処理や、チャットが終了した後に記録を停止させる処理なども受付部1aが行う。
また、受付部1aは、テキストチャットや音声チャットが終了したか否かを判定する処理を行う。
ここで、判定要素について説明する。判定要素とは、オペレータを選択する処理(詳しくは後述する)において選択基準として利用されるものである。それぞれの判定要素は、例えば、数値化されて扱われる。
例えば、ユーザが感情的となっているか否かを表す要素として「ユーザ感情」を例に挙げる。「ユーザ感情」は判定要素の一つである。判定要素としての「ユーザ感情」は、1〜100の数値で表され、数値が高いほど感情が高ぶったユーザであることを示す。即ち、判定要素を利用して、チャット内容やユーザの評価が行われ、オペレータの選択処理で利用される。
判定要素「論理性」はチャット内容が論理的であるか否か、或いはユーザが論理的な内容を好むか否かを表すものである。「論理性」は、例えば、1〜100の数値で表され、数値が高いほど論理的な会話を好むユーザであることを示す。
判定要素「質問の難易」はチャット内容から判定した問い合わせ内容の難易を示すものである。「質問の難易」は、例えば、1〜100の数値で表され、数値が高いほど問い合わせ内容が難しいことを示す。或いは、数値が高いほど問い合わせユーザの知識量が豊富であることを示す。
なお、判定要素ごとの具体的な判定方法は、後述する。
判定要素ごとの対応力とは、オペレータの対応力を数値化したものである。例えば、判定要素「ユーザ感情」が高いユーザの対応が得意なオペレータは、判定要素「ユーザ感情」の対応力が高い数値で表される。
なお、オペレータの対応力は適宜更新されることが望ましい。例えば、1日ごとや1ヶ月ごとのように、定期的に更新されてもよいし、問い合わせに対応した回数が所定回数に達するたびに更新されてもよい。
例えば、該切り替え判定がタイミングを判定するものである場合、無人チャットを用いたユーザとのやりとりが一定時間以上続いたことを検出することにより無人チャットでの対応が難しいと判定し、有人チャットへの切り替えタイミングが到来したと判定してもよい。これにより、切り替えの是非についての判定と、切り替えタイミングの判定の双方を行うことができる。
また、上述した判定要素を用いて切替判定を行ってもよい。例えば、「ユーザ感情」の判定要素を利用し、ユーザが感情的になっていることを検出した場合に有人チャットへの切り替えを行うことを判定してもよい。また、「論理性」の判定要素を利用し、無人チャットでの会話内容が論理的でないと判定した場合に、有人チャットへの切り替えを行うことを判定してもよい。
また、有人チャットを用いてユーザからの問い合わせに対応中のオペレータを別のオペレータに切り替えると判定した場合に、適切なオペレータを選択する処理を行ってもよい。
問い合わせDB50は、ユーザによる問い合わせ内容が記憶されるDBである。問い合わせDB50には、他にも、問い合わせを受け付けた時間情報や、ユーザとのやりとりが終了した時間情報が記憶される。また、有人チャットを用いた対応を行った場合には、対応したオペレータを特定するための情報や有人チャットに切り替えたタイミングを示す時間情報なども記憶される。
また、問い合わせ内容から判定したユーザの情報(後述する判定要素に関する情報)を記憶してもよい。
オペレータDB51には、それ以外にも、ユーザからの問い合わせに対応可能な時間帯を示す「対応可能時間」が記憶されている。対応可能時間は、勤務時間であってもよいし、ユーザからの問い合わせに対応する時間帯として勤務時間の一部が割り当てられたものであってもよい。
なお、例えば、管理システムMSが保険についての問い合わせに関するものなど、ユーザが登録を行った上で利用可能なサービスに関するものである場合には、登録されたユーザの情報が、過去の問い合わせ経験の有無によらず記憶されていてもよい。
管理端末1が実行する各種の処理について、添付図を参照して説明する。
<5−1.問い合わせ対応処理>
先ず、ユーザからの問い合わせを受け付けた場合に行う「問い合わせ対応処理」について、図4を参照して説明する。
管理端末1はステップS106で、無人チャットが終了したか否かを判定する。この処理は、ユーザによってチャットを終了するための操作子が操作されたことに応じてチャット終了と判定してもよいし、一定時間ユーザからの入力が無いことを検出してチャット終了と判定してもよい。
チャット終了と判定した場合、管理端末1はステップS107で記録停止処理を実行することにより、問い合わせ内容や提示内容の記録を停止させ、図4に示す問い合わせ対応処理を終了させる。
切り替え条件とは、前述したように、無人チャット開始からの経過時間が所定時間に達したことや、有人チャットへの切り替え操作を検出したことなどである。
切り替え条件が成立していない場合、管理端末1はステップS104乃至S106の各処理を実行する。
また、状況判定処理と要約生成処理の実行回数は同じ回数とされているが、異なっていてもよい。
有人チャット開始処理では、ステップS109で選択されたオペレータに対して、対象の無人チャットの問い合わせ内容の要約を提示する処理や、有人チャットに切り替わった旨をユーザに提示する処理などが実行される。また、オペレータに対して問い合わせを行っているユーザの情報を提示してもよい。提示するユーザ情報は、例えば以前に該ユーザが行った問い合わせの内容や、ユーザの属性情報などでもよい。
一方、有人チャットの終了トリガを検出した場合、管理端末1はステップS112で、記録停止処理を実行する。この処理は、ステップS107の処理と同様の処理である。
対応力スコア更新処理は、今回の問い合わせに対応したオペレータの対応力スコアを再評価する処理である。具体的な処理例については、後述する。
なお、対応力スコア更新処理は図4に示すように問い合わせ対応処理を実行するたびに実行する必要はなく、前述のように1日に1回だけ行うように構成されていてもよい。
図4のステップS104で示した状況判定処理について、具体的な処理手順の一例を図5に示す。
管理端末1はステップS201で、未処理のチャットデータを取得する。状況判定処理(ステップS104)は、図4に示したように、一回の問い合わせにおいて複数回実行され得る。ステップS201では、前回実行した状況判定処理から今回実行する状況判定処理の間にユーザや無人チャットシステムにより追加されたチャットデータが取得される。
評価の算出は、1〜100で表現され数値の多寡に応じて度合いの強弱が表されたスコアとして算出してもよいし、質問ジャンルのように、ジャンルを特定可能な整数値が導出されてもよい。ステップS203の処理の具体例は後述する。なお、ステップS203の「チャットデータを解析し、チャット内容の評価及びユーザの評価を算出する処理」は、以降の説明において「評価導出処理」と記載する。
管理端末1はステップS205で、未選択の判定要素があるか否かを判定する。未選択の判定要素がある場合、管理端末1はステップS202の処理を再度実行し、未選択の判定要素のうちの一つを選択し、判定要素についての評価をステップS203で実行する。
一方、未選択の判定要素は無いと判定した場合、管理端末1は図5に示す状況判定処理を終了し、図4のステップS105の処理に移る。
ステップS203の評価導出処理について、いくつかの具体例を説明する。
一つ目の例は、判定要素として「ユーザ感情」が選択された場合の評価導出処理である。具体的に、図6を参照して説明する。
或いは、ユーザが冷静なときに出やすいキーワードをリスト化しDBに記憶しておき、該キーワードのカウント数に応じてユーザの冷静さを示すフラグやスコアを算出してもよい。
管理端末1はステップS311で問い合わせユーザの論理性、或いは、チャット内容の論理性を解析し、ステップS312でスコアの算出を行う。
論理性の解析については、いくつかの手法が考え得る。
これらの解析等には、形態素解析の手法を用いてもよいし、自然言語理解の手法を適用してもよい。
或いは、上記のような解析を行った結果、論理性があると判定されたチャット内容を分析し、出現し易いキーワードを取得することが考えられる。取得したキーワードは論理的な思考回路を持つユーザが好んで使用するキーワードとしてDBに記憶しておき、それらのキーワードの出現数をカウントすることにより、チャット内容の論理性をスコア化してもよい。
管理端末1はステップS321でチャット内容を解析することにより、問い合わせ内容のジャンルを特定する処理を行う。続いて、管理端末1はステップS322でスコアを算出する。このとき算出するスコアは、ステップS321で解析したジャンル情報を特定可能な数値とされ、数値の多寡に意味を持たせなくてよい。
管理端末1はステップS331でチャット内容を解析することにより、問い合わせ内容の難易情報を取得する処理を行う。次に、管理端末1はステップS332で、問い合わせ内容の難易(或いはユーザの知識量)を表すスコアの算出を行う。
また、難易情報の取得には、チャット内容に含まれるキーワードを解析することにより行ってもよい。その場合には、機械学習などを利用することによりチャット内容に含まれるキーワードと問い合わせ対応に要する時間長の関係性を明らかにし、該関係性を利用してチャット内容から難易情報を取得してもよい。
このように、チャット内容から取得した難易情報に基づいてユーザの知識量が推定される。
図4のステップS109で示したオペレータ選択処理について、具体的な処理手順の一例を図10に示す。
オペレータ選択処理は、無人チャットから有人チャットに切り替える際に、適切なオペレータを選択する処理である。
ステップS402の除外処理を行うことにより、このような事態を回避することができる。
具体的には、判定要素ごとの判定結果(図6などで説明した評価導出処理によって得られたスコアやフラグ等)により、ユーザの特性やユーザによって入力されたチャット内容の特性が特定される。更に、特定された特性と、オペレータごとの得意分野(対応力スコア)に応じて、今回のユーザからの問い合わせの対応に適切なオペレータが選択される。
また、単に現在ユーザの感情が高ぶっているか否かを判定し、それに適応可能なオペレータを選択するだけではなく、感情が高ぶった状態と高ぶっていない状態の変化を前述の評価導出処理によって検出することにより、感情の起伏の激しさを数値化し、そのようなユーザへの対応力スコア高いオペレータを選択するように構成してもよい。
例えば、判定要素「質問の難易」のスコアが高い(即ち問い合わせ内容が難しい)場合には、質問の難易が「難」である場合の対応力スコアが高いオペレータが選択される。また、判定要素「質問の難易」のスコアが低い(即ち問い合わせ内容が易しく初歩的な)場合には、質問の難易が「易」である場合の対応力スコアが高いオペレータが選択される。
オペレータ選択処理について、上述した例とは別の例を説明する(図11)。
オペレータ選択処理の別例では、一人のオペレータに問い合わせ対応業務が偏ってしまうことを防止するものである。
例えば、判定結果に応じて今回の問い合わせ対応に適したオペレータを候補とし、その中から従事割合が最も小さいオペレータ、即ち、ユーザ対応をまだ余りしていないオペレータを選択する。
これによって、一部のオペレータに問い合わせ対応業務が集中してしまうことが防止され、オペレータのパフォーマンスを最大限引き出すことが可能となる。
図4のステップS113で説明した対応力スコア更新処理について、図12を参照して説明する。
管理端末1はステップS501で、判定要素を一つ選択し、ステップS502で該判定要素についてのスコアを更新する処理を行う。この処理にはいくつかの例が考えられる。詳しくは後述する。
管理端末1はステップS503で、未選択の判定要素の有無を判定する。未選択の判定要素が無くなるまで、管理端末1はステップS501及びステップS502の各処理を行う。これにより、各判定要素についての対応力スコアが更新される。
未選択の判定要素が無くなった場合、管理端末1は図12に示す対応力スコア更新処理を終了する。
一つ目の例を図13に示す。本例は、ステップS501で選択された判定要素が「ユーザ感情」とされている。管理端末1はステップS601で、問い合わせユーザの感情を解析する処理を行う。この処理は、例えば、ユーザの図6のステップS301の処理と同様の処理である。即ち、無人チャットから有人チャットへ切り替えられた際のユーザ感情をキーワードの数などから判定する。或いは、有人チャットに切り替えられた後にユーザの感情が高ぶった場合は、そのタイミングを検出する。
他にも、問い合わせを行ったユーザに対して、チャット終了後に満足度に関するアンケートを実施し、該アンケートから得られた満足度から対応結果を抽出してもよい。即ち、ユーザに高い満足度を与える良質な対応ができた場合には、この後に算出する対応力スコアが高くなるようにしてもよい。
また、ユーザからの問い合わせを解決できたか否かを対応結果としてもよいし、オペレータに問い合わせ対応についての自己採点を入力させることにより対応結果としてもよい。
管理端末1はステップS611でチャット内容の論理性や問い合わせユーザの論理性を解析する処理を行う。この処理は、例えば図7のステップS311と同様の処理で実現可能である。
対応結果の取得は、図13のステップS602と同様の処理であり、対応力スコアの算出は図13のステップS603と同様の処理で実現可能である。
管理端末1はステップS621でチャット内容から質問ジャンルを取得する処理を行う。この処理は、例えば図8のステップS321と同様の処理で実現可能である。
対応結果の取得は、図13のステップS602と同様の処理であり、対応力スコアの算出は図13のステップS603と同様の処理で実現可能である。
管理端末1はステップS631のチャット内容を解析することにより問い合わせ内容の難易を判定する。この処理は、例えば、図9のステップS331と同様の処理で実現可能である。
対応結果の取得は、図13のステップS602と同様の処理であり、対応力スコアの算出は図13のステップS603と同様の処理で実現可能である。
図4に示した問い合わせ対応処理の別例について、図17を参照して説明する。
問い合わせ対応処理の別例では、適切なオペレータを選択して有人チャットを開始した後に、状況の変化によって最適なオペレータに変化がないか確認する処理を実行する。
有人チャットを開始させた後、状況の変化を検出するために、管理端末1はステップS104の状況判定処理を再度行う。次に、管理端末1はステップS105で要約生成処理を行う。ステップS104及びステップS105の各処理は、チャットが終了するまで定期的に実行される。
また、ステップS111以降の各処理も図4と同様の処理であるため、記載及び説明を省く。
管理端末1は、最適なオペレータを選択した後、ステップS122で有人チャットを再開させる処理を実行する。ステップS121、ステップS109、ステップS122を実行する間は、問い合わせユーザに対してオペレータを変更する旨を提示することにより待機してもらってもよい。
上述した各例で説明したように、管理システムMSの管理端末1は、無人チャットシステムを利用するユーザが入力した会話内容から判定要素ごとの判定を行う状況判定部1bと、判定要素ごとの対応力を数値化した対応力スコアをオペレータごとに管理するオペレータ情報管理部1cと、無人チャットシステムから有人チャットシステムへの切り替えについての判定を行う切替判定部1eと、判定要素ごとの判定の結果と対応力スコアに応じてオペレータを選択するオペレータ選択部1fと、を備えている。
ユーザからの問い合わせに用いられるチャットシステムにおいて、無人チャットシステムで解決できるような問い合わせもあれば、オペレータによる有人チャットシステムでないと解決できないような問い合わせもある。本構成によれば、ユーザが入力したテキスト情報や音声情報から会話内容を抽出し、判定要素ごとの判定を行う。判定要素は、該問い合わせをオペレータに繋ぐ場合に適切なオペレータを選択可能とするための指標である。
会話内容を判定要素ごとに判定することにより、ユーザからの問い合わせの内容や分野、或いはユーザの性格などを把握することができる。
また、会話内容やユーザについての情報を取得した状態で有人チャットシステムへの切り替えを行うことにより、ユーザからの問い合わせ内容やユーザの性格に対応可能な適切なオペレータが選択され、業務効率の向上が図られる。
更に、無人チャットシステムから有人チャットシステムへ切り替えを行うか否かを判定することにより、或いは、切り替えタイミングの到来を判定することにより、無人チャットシステムで対応可能な問い合わせについては対応するオペレータの業務量が削減され業務効率の改善が図られると共に、無人チャットシステムで対応できない問い合わせについては有人チャットシステムへの切り替えが行われることで適切な対応がなされ、問い合わせに対する顧客満足度を向上させることができる。
加えて、本構成によれば、ユーザからの問い合わせの対応の一部について無人チャットシステムが用いられることにより、オペレータの稼働率を低下させることができるため、人員コストの削減に寄与することができる。
また、本構成によれば、最適なオペレータが選択されることにより、ユーザの問い合わせ内容がスムーズにオペレータに理解されるため、無駄なチャットのやりとりが省かれ、通信量の削減やそれによる通信トラフィックの有効利用を促進することができる。
なお、図17の問い合わせ対応処理の別例のように、一度最適なオペレータを選択した後であっても、定期的に最適なオペレータを選択し直すことにより、ユーザの問い合わせ内容が変化したとしても常に最適なオペレータが対応可能とされるため、通信量を更に削減することやそれによる通信トラフィックの有効利用を更に促進することができる。
判定要素ごとの対応力スコアをオペレータごとに算出することにより、オペレータの得意な問い合わせが明確となり、問い合わせごとに最適なオペレータが選択される。しかし、総合的に高い対応力を持つオペレータについては、選択される可能性が高くなりすぎるため、従事割合が相対的に高くなってしまうことが予想される。本構成によれば、他のオペレータでも対応可能な問い合わせについては総合的に高い対応力を持つオペレータ以外のオペレータを選択するなどを行うことにより、オペレータごとの対応案件数の均一化や従事割合の平坦化が図られる。これによって、問い合わせが特定のオペレータに集中しすぎることによる該オペレータの能率低下などを防止することができ、より全体的な効率化が図られる。
ユーザが入力した会話内容に基づいてユーザの感情を判定可能な判定要素を用いることで、ユーザが落ち着いているときの対応が得意なオペレータやユーザがいら立っているときの対応が得意なオペレータなどが適切に判定され、ユーザの感情に応じた適切なオペレータを選択することが可能となる。これにより、ユーザからの問い合わせの対応に要する時間が長時間化することが防止され、業務効率の改善が図られる。
ユーザが入力した会話内容に基づいてユーザの論理性の有無を判定可能な判定要素を用いることで、ユーザが論理的な会話を好むユーザであるか否かが適切に判定される。これにより、論理的な会話が得意なオペレータや感情的な会話に適切に対応可能なオペレータが適切に判定され、ユーザの論理性に応じた適切なオペレータを選択することが可能となる。これにより、ユーザからの問い合わせの対応に要する時間が長時間化することが防止され、業務効率の改善が図られる。
ユーザが入力した会話内容に基づいて問い合わせ内容のジャンルや分野を判定可能な判定要素を用いることで、得意分野に応じた適切なオペレータが選択可能とされる。
これによって、ユーザからの問い合わせの対応に要する時間が長時間化することが防止され、業務効率の改善が図られる。
ユーザが入力した会話内容に基づいて問い合わせ内容についてのユーザの知識量を判定可能な判定要素を用いることで、例えば、初心者向けの説明を丁寧に行うことが可能なオペレータや上級者向けの説明を間違えること無く確実に行うことが可能なオペレータなど、ユーザの知識量に応じた適切なオペレータが選択可能とされる。
これによって、ユーザからの問い合わせの対応に要する時間が長時間化することが防止され、業務効率の改善が図られる。
オペレータごとに対応可能時間を管理することにより、オペレータが対応可能時間外にユーザからの問い合わせの対応に従事しなくてはならない事態を避けることができ、
オペレータの労務軽減及び労務管理の適正化が図られる。
オペレータはユーザからの問い合わせに対応していくうちに能力が向上し対応力が向上する可能性がある。本構成によれば、適宜オペレータの対応力が再評価されることにより、ユーザからの問い合わせに適切なオペレータを選択することができ、問い合わせの対応に要する時間が長時間化することが防止され、業務効率の改善が図られる。
また、1回の問い合わせについての対応業務を行うごとに対応力スコアを更新してもよく、これにより、対応力が少し向上した分野などに関する問い合わせが該オペレータに集中することにより、短期間で当該分野についての該オペレータの対応力を著しく向上させることが可能となる。
有人チャットシステムに切り替わった後に素早くユーザに対して応答しなければならないオペレータにとって、無人チャットシステムを用いて行ったユーザとの会話内容の大筋を把握するためには、長い時間を要する可能性があると共に、把握する必要の無い雑談のような部分も読まなければならない。本構成によれば、会話内容要約部によって要約されたものがオペレータに提供されるため、会話内容の大筋の理解に要する時間が短縮化され、迅速にユーザに対応することが可能となる。
即ち、業務効率の改善が図られると共に、ユーザの顧客満足度を向上させることが可能となる。
以上、本発明の情報処理装置の実施の形態としての管理端末1を説明してきたが、実施の形態のプログラムは、管理システムMSにおける管理端末1の処理を情報処理装置(CPU等)に実行させるプログラムである。
また、判定要素ごとの対応力を数値化した対応力スコアをオペレータごとに管理する処理を情報処理装置に実行させる。
更に、無人チャットシステムから有人チャットシステムへの切り替えについての判定を行う処理を情報処理装置に実行させる。
更にまた、判定要素ごとの判定の結果と対応力スコアに応じてオペレータを選択する処理を情報処理装置に実行させる。
即ちこのプログラムは、管理端末1に対して図4から図17の各図で説明した処理を実行させるプログラムである。
そしてこのようなプログラムはコンピュータ装置等の機器に内蔵されている記憶媒体としてのHDDや、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROM等に予め記憶しておくことができる。あるいはまた、半導体メモリ、メモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどのリムーバブル記憶媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記憶)しておくことができる。またこのようなリムーバブル記憶媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記憶媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
Claims (10)
- 無人チャットシステムを利用するユーザが入力した会話内容から判定要素ごとの判定を行う状況判定部と、
判定要素ごとの対応力を数値化した対応力スコアをオペレータごとに管理するオペレータ情報管理部と、
前記無人チャットシステムから有人チャットシステムへの切り替えについての判定を行う切替判定部と、
前記判定要素ごとの判定の結果と前記対応力スコアに応じてオペレータを選択するオペレータ選択部と、
を備えた情報処理装置。 - 前記オペレータ情報管理部は、オペレータごとに前記有人チャットシステムを用いたユーザ対応に従事可能な対応可能時間に対する実際の対応時間の割合を表す従事割合を算出し、
前記オペレータ選択部は、オペレータごとの前記従事割合を用いて前記選択を行う
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記状況判定部は、ユーザの感情を表す判定要素についての判定を行う
請求項1から請求項2の何れかに記載の情報処理装置。 - 前記状況判定部は、ユーザの論理性を表す判定要素についての判定を行う
請求項1から請求項3の何れかに記載の情報処理装置。 - 前記状況判定部は、前記会話内容のジャンルを表す判定要素についての判定を行う
請求項1から請求項4の何れかに記載の情報処理装置。 - 前記状況判定部は、ユーザの知識量を表す判定要素についての判定を行う
請求項1から請求項5の何れかに記載の情報処理装置。 - 前記オペレータ情報管理部は、オペレータごとに前記有人チャットシステムを用いたユーザ対応に従事可能な対応可能時間を管理し、
前記オペレータ選択部は、オペレータごとの前記対応可能時間を用いて前記選択を行う
請求項1から請求項7の何れかに記載の情報処理装置。 - 前記オペレータ情報管理部は、前記対応力スコアの更新を行う
請求項1から請求項8の何れかに記載の情報処理装置。 - 前記無人チャットシステムの利用中にユーザが入力した会話内容を要約する会話内容要約部を備え、
前記切替判定部が前記切り替えについての判定を行った場合に、前記会話内容要約部は会話内容の要約をオペレータに提供する
請求項1から請求項9の何れかに記載の情報処理装置。 - 無人チャットシステムを利用するユーザが入力した会話内容から判定要素ごとの判定を行う状況判定ステップと、
判定要素ごとの対応力を数値化した対応力スコアをオペレータごとに管理するオペレータ情報管理ステップと、
前記無人チャットシステムから有人チャットシステムへの切り替えについての判定を行う切替判定ステップと、
前記判定要素ごとの判定の結果と前記対応力スコアに応じてオペレータを選択するオペレータ選択ステップと、
を情報処理装置が実行する情報処理方法。
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