JP2020094671A - ラチェット式のワンウェイクラッチ - Google Patents

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Yosuke Sei
陽介 清
伊織 西谷
Iori Nishitani
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Abstract

【課題】 大容量のトルク伝達を実現できるラチェット式のワンウェイクラッチにおいて、駆動輪と従動輪との間の回転力の伝達を遮断状態(従動輪は空転状態)から許容状態に切り換えるときに、爪とラチェット歯の間で生ずる衝撃を小さくすること。【解決手段】 ラチェット式のワンウェイクラッチ100であって、噛み合い歯21は、爪11との噛み合いの入口側に凹設されて該爪11が摺接可能にされる摺接部21Aと、爪11との噛み合いの最奥部に凹設されて該爪11が係合可能にされるストッパ部との間に、摺接部21Aとストッパ部21Cの双方に連続して凹設されて該爪11が摺接可能にされ、摺接部21Aが爪11に及ぼす摩擦力よりも大きな摩擦力を該爪11に及ぼす緩衝部21Bを備えるもの。【選択図】 図1

Description

本発明はラチェット式のワンウェイクラッチに関する。
エンジン等では、駆動輪から従動輪への一方向の回転力の伝達を許容し、該一方向とは逆方向の回転力の伝達を遮断するワンウェイクラッチとして、スプラグ式又はローラー式のワンウェイクラッチが採用されている。
例えばエンジンの高出力化のために、エンジンの出力によって駆動される機械式スーパーチャージャーでは、エンジンの出力軸に付設した駆動輪とスーパーチャージャーの入力軸に付設した従動輪との間に、スプラグ式又はローラー式のワンウェイクラッチを介装している。即ち、自動車用エンジンの高回転運転状態からの急激な発進時や、ウォータービークル用エンジンの離水運転状態からの着水時に生ずる、エンジン回転の急激な落ち込みが、増速回転中のスーパーチャージャーの機構に過大な負荷が作用することを回避するため、駆動輪と従動輪との間の回転力の伝達を上記ワンウェイクラッチの存在によって遮断するものである。
スプラグ式又はローラー式のワンウェイクラッチは、駆動輪と従動輪との間の回転力の伝達を遮断状態(従動輪は空転状態)から許容状態に切り換えるときに、回転方向の遊びが少なく、その駆動輪から従動輪への回転力の伝達を、主としてスプラグ又はローラーに作用する摩擦により行なうものであるため、衝撃の発生が小さい。
ところが、スプラグ式又はローラー式のワンウェイクラッチは、駆動輪から従動輪への回転力の伝達を、主としてスプラグ又はローラーに作用する摩擦力により行なうものであるため、大容量のトルク伝達時には滑りを生ずるおそれがある。
他方、ワンウェイクラッチとして、駆動輪から従動輪への回転力の伝達を、摩擦によらず、爪と噛み合い歯の機械的な噛み合いによって行なう、特許文献1に記載の如くのラチェット式を用いることにより、大容量のトルク伝達を実現することが考えられる。
特開2012-241541号公報
しかしながら、ラチェット式のワンウェイクラッチは、駆動輪と従動輪との間の回転力の伝達を遮断状態(従動輪は空転状態)から許容状態に切り換えるときに、爪と噛み合い歯の間で生ずる衝撃が大きい。
本発明の課題は、大容量のトルク伝達を実現できるラチェット式のワンウェイクラッチにおいて、駆動輪と従動輪との間の回転力の伝達を遮断状態(従動輪は空転状態)から許容状態に切り換えるときに、爪とラチェット歯の間で生ずる衝撃を小さくすることにある。
請求項1に係る発明は、駆動輪と従動輪の一方に枢支される爪と、駆動輪と従動輪の他方に設けられ、爪が係脱可能に噛み合いされる噛み合い歯とを有するラチェット式のワンウェイクラッチであって、噛み合い歯は、爪との噛み合いの入口側に凹設されて該爪が摺接可能にされる摺接部と、爪との噛み合いの最奥部に凹設されて該爪が係合可能にされるストッパ部との間に、摺接部とストッパ部の双方に連続して凹設され、摺接部が爪に及ぼす摩擦力よりも大きな摩擦力を該爪に及ぼして該爪に摺接可能にされる緩衝部を備え、駆動輪が従動輪より高速回転するときに、爪が噛み合い歯に噛み合い、当該噛み合い歯における爪との噛み合いの最奥部に凹設されたストッパ部に係合して、駆動輪から従動輪への回転力の伝達を許容し、駆動輪が従動輪より低速回転するときに、爪が噛み合い歯との噛み合いを解除され、当該噛み合い歯における爪との噛み合いの入口側に凹設された摺接部から離脱して、駆動輪と従動輪の間の回転力の伝達を遮断するようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記噛み合い歯の緩衝部が円弧面であって、爪の噛み合い歯との噛み合い接点が該噛み合い歯のストッパ部に近づくにつれて、該爪が該噛み合い歯の緩衝部との噛み合い接点に及ぼす垂直力が該爪の該噛み合い歯に対する回転力伝達線に対してなす接触角を、徐々に小となるような円弧面とされるようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記噛み合い歯の緩衝部が傾斜面であって、爪の噛み合い歯との噛み合い接点が該噛み合い歯のストッパ部に近づくにつれて、該爪が該噛み合い歯の緩衝部との噛み合い接点に及ぼす垂直力が該爪の該噛み合い歯に対する回転力伝達線に対してなす接触角を、徐々に大となるような傾斜面とされるようにしたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに係る発明において更に、前記従動輪と駆動輪の他方に設けられる噛み合い歯の数が、駆動輪と従動輪の一方に枢支される爪の数によって割り切れない数とされるようにしたものである。
(請求項1)
(a)駆動輪が従動輪より高速回転して駆動輪から従動輪への回転力の伝達を許容するとき、爪は噛み合い歯に噛み合い、当該噛み合い歯における爪との噛み合いの最奥部に凹設されたストッパ部に係合する。このとき、駆動輪から従動輪への回転力の伝達が爪と噛み合い歯の機械的な噛み合いによって行なわれるから、大容量のトルク伝達を実現できる。
(b)駆動輪と従動輪との間の回転力の伝達を遮断状態(従動輪は空転状態)から許容状態に切り換えるに際し、爪は噛み合い歯の摺接部との摺接を経て、該噛み合い歯の緩衝部と摺接した後、該噛み合い歯のストッパ部と係合する。このとき、噛み合い歯の緩衝部は、摺接部とストッパ部の双方に連続し、摺接部が爪に及ぼす摩擦力よりも大きな摩擦力を該爪に及ぼす。従って、爪が上記の摺接部から直にストッパ部に係合するものに比して、上記の緩衝部が爪に大きな摩擦力を及ぼして該爪の移動エネルギーを吸収してから、該爪をストッパ部に係合させるものになる。これにより、駆動輪と従動輪との間の回転力の伝達を遮断状態(従動輪は空転状態)から許容状態に切り換えるときに、爪と噛み合い歯の間で生ずる衝撃を小さくするものになる。
(請求項2)
(c)噛み合い歯の緩衝部が円弧面であって、爪の噛み合い歯との噛み合い接点が該噛み合い歯のストッパ部に近づくにつれて、該爪が該噛み合い歯の緩衝部との噛み合い接点に及ぼす垂直力が該爪の該噛み合い歯に対する回転力伝達線に対してなす接触角を、徐々に小となるような円弧面とされる。従って、爪が噛み合い歯の摺接部に摺接する噛み合い初期段階を経て、爪が噛み合い歯のストッパ部に係合する噛み合い最終段階に至る噛み合い中間段階で、緩衝部は爪に対して徐々に大きな摩擦力を及ぼす。即ち、緩衝部は爪が噛み合い歯との噛み合いを進行するに従い、該爪の移動エネルギーを吸収する度合いを徐々に大きくするエネルギー吸収特性を示す。
(請求項3)
(d)噛み合い歯の緩衝部が傾斜面であって、爪の噛み合い歯との噛み合い接点が該噛み合い歯のストッパ部に近づくにつれて、該爪が該噛み合い歯の緩衝部との噛み合い接点に及ぼす垂直力が該爪の該噛み合い歯に対する回転力伝達線に対してなす接触角を、徐々に大となるような傾斜面とされる。従って、爪が噛み合い歯の摺接部に摺接する噛み合い初期段階を経て、爪が噛み合い歯のストッパ部に係合する噛み合い最終段階に至る噛み合い中間段階で、緩衝部は爪に対して、当初大きくその後徐々に小さな摩擦力を及ぼす。即ち、緩衝部は爪が噛み合い歯との噛み合いを進行するに従い、該爪の移動エネルギーを吸収する度合いを当初大きく、その後徐々に小さくするエネルギー吸収特性を示す。
(請求項4)
(e)従動輪と駆動輪の他方に設けられる噛み合い歯の数が、駆動輪と従動輪の一方に枢支される爪の数によって割り切れない数とされる。これにより、駆動輪と従動輪との間の回転力の伝達を遮断状態(従動輪は空転状態)から許容状態に切り換えるときの、爪と噛み合い歯の遊びを少なくし、これによっても、爪と噛み合い歯との間で生ずる衝撃を小さくするものになる。
図1は第1実施形態に係るラチェット式のワンウェイクラッチを示す模式図である。 図2は第1実施形態における爪と噛み合い歯の間の力の作用を示す模式図である。 図3は第1実施形態における駆動輪から従動輪への回転力の伝達状態を示し、(A)は回転力の伝達許容状態を示す模式正面図、(B)は回転力の伝達遮断状態を示す模式図である。 図4は第1実施形態における爪と噛み合い歯の噛み合い進行状態を示し、(A)は噛み合い初期段階を示す模式図、(B)は噛み合い中間段階を示す模式図、(C)は噛み合い最終段階を示す模式図である。 図5は爪の接触角と摩擦力の関係を示す線図である。 図6は第2実施形態におけるラチェット式のワンウェイクラッチにおける爪と噛み合い歯の間の力の作用を示す模式図である。 図7は第2実施形態における爪と噛み合い歯の噛み合い進行状態を示し、(A)は噛み合い初期段階を示す模式図、(B)は噛み合い中間段階を示す模式図、(C)は噛み合い最終段階を示す模式図である。
(第1実施形態)(図1乃至図5)
図1は、自動車用エンジンの出力によって駆動される機械式スーパーチャージャーに適用される、第1実施形態に係るラチェット式のワンウェイクラッチ100を示すものである。
ワンウェイクラッチ100は、エンジンの出力軸に付設される駆動輪10に枢支される爪11と、スーパーチャージャーの入力軸に付設される従動輪20に設けられ、爪11が係脱可能に噛み合いされる噛み合い歯21とを有する。本実施形態のワンウェイクラッチ100は、複数の爪11と複数の噛み合い歯21を有する。
各爪11は駆動輪10の外周面に沿う周方向複数位置のそれぞれに凹設された各爪格納部12のそれぞれに起伏可能に格納される。
爪11は、図2に示す如く、膨出状の基端部11Kを爪格納部12の一端側に設けた孔状の枢支部12Aに嵌合され、円柱状外周面を一部にもつ基端部11Kの周方向に沿って180度をこえる範囲に渡る円弧面を枢支部12Aの円弧状孔面に沿って回転することで、円弧状の先端部11Lを爪格納部12の内外に対して起伏可能に揺動される。駆動輪10に設けた爪格納部12の枢支部12Aにおける円弧面の円弧の中心が爪11の揺動中心cとなる。また、各爪11は、駆動輪10に埋設されているばね(本実施形態ではコイルばね)13の付勢力を常時受けて、その先端部11Lを爪格納部12の外方に向けて起こすように弾発されている。
各噛み合い歯21は従動輪20の内周面に沿う周方向複数位置のそれぞれに凹設されている。
噛み合い歯21は、図2に示す如く、駆動輪10に枢支された爪11が駆動輪の回転方向で噛み合い開始する、該爪11との噛み合いの入口側に凹設されて該爪11の先端部11Lが摺接可能にされる摺接部21Aと、爪11との噛み合いの最奥部に凹設されて該爪11の先端部11Lが当接し、該爪11の噛み合い進み方向への摺接を制止するように係合可能にされるストッパ部21Cとを備える。本実施形態において、ストッパ部21Cは爪11の円弧状の先端部11Lと同一の円弧状をなす凹状面とされる。
更に、噛み合い歯21は、摺接部21Aとストッパ部21Cとの間に設けられ、それらの摺接部21Aとストッパ部21Cの双方に連続して凹設される緩衝部21Bを備える。緩衝部21Bは、爪11の先端部11Lが摺接可能にされ、摺接部21Aが該爪11の先端部11Lに及ぼす摩擦力よりも大きな摩擦力を該爪11の先端部11Lに及ぼし可能にする。
しかるに、ワンウェイクラッチ100は、図3(A)に示す如く、駆動輪10(回転数Vx)が従動輪20(回転数Vy)より高速回転(Vx>Vy)するときには、複数の爪11のうちの少なくとも一部の爪11が、いずれかの噛み合い歯21に噛み合い、当該噛み合い歯21における爪11との噛み合いの最奥部に凹設されたストッパ部21Cに衝突してそれらの回転方向に係合し、駆動輪10から従動輪20への回転力の伝達を許容する。以後、駆動輪10と従動輪20は同一回転数(Vx=Vy)で回転するものになる。
また、ワンウェイクラッチ100は、図3(B)に示す如く、高速回転していた駆動輪10が従動輪20より低速回転(Vx<Vy)するに至ると、噛み合い歯21に噛み合っていた爪11が該噛み合い歯21との噛み合いを解除され、当該噛み合い歯21における爪11との噛み合いの入口側に凹設された摺接部21Aからストッパ部21Cの反対側に向けて離脱し、駆動輪10と従動輪20の間の回転力の伝達を遮断する。以後、従動輪20は空転状態となる。
従って、ワンウェイクラッチ100によれば、下記(a)、(b)の作用効果を奏する。
(a)駆動輪10が従動輪20より高速回転して駆動輪10から従動輪20への回転力の伝達を許容するとき、爪11は噛み合い歯21に噛み合い、当該噛み合い歯21における爪11との噛み合いの最奥部に凹設されたストッパ部21Cに係合する。このとき、駆動輪10から従動輪20への回転力の伝達が爪11と噛み合い歯21の機械的な噛み合いによって行なわれるから、大容量のトルク伝達を実現できる。
(b)駆動輪10と従動輪20との間の回転力の伝達を遮断状態(従動輪20は空転状態)から許容状態に切り換えるに際し、爪11は噛み合い歯21の摺接部21Aとの摺接を経て、該噛み合い歯21の緩衝部21Bと摺接した後、該噛み合い歯21のストッパ部21Cと係合して該噛み合い歯21に対する摺接を終了する。このとき、噛み合い歯21の緩衝部21Bは、摺接部21Aとストッパ部21Cの双方に連続し、摺接部21Aが爪11に及ぼす摩擦力よりも大きな摩擦力を該爪11に及ぼす。従って、爪11が上記の摺接部21Aから直にストッパ部21Cに係合するものに比して、上記の緩衝部21Bが爪11に大きな摩擦力を及ぼして該爪11の移動エネルギーを吸収してから、該爪11をストッパ部21Cに係合させるものになる。これにより、駆動輪10と従動輪20との間の回転力の伝達を遮断状態(従動輪20は空転状態)から許容状態に切り換えるときに、爪11と噛み合い歯21の間で生ずる衝撃を小さくするものになる。
更に、ワンウェイクラッチ100は、図2に示す如く、噛み合い歯21の緩衝部21Bが円弧面であって、爪11の噛み合い歯21との噛み合い接点P1が該噛み合い歯21との噛み合いの進行に伴って該噛み合い歯21のストッパ部21Cに近づくにつれ、該爪11が駆動輪10の駆動トルクに起因する回転力Tにより該噛み合い歯21の緩衝部21Bとの噛み合い接点P1に及ぼす垂直力Nが該爪11の該噛み合い歯21に対する回転力伝達線L(回転力伝達線Lは、爪11から噛み合い歯21に伝達される回転力Tが作用する直線であり、爪11の揺動中心cと噛み合い接点P1とを結んだ直線)に対してなす接触角θを、徐々に小となるような円弧面とされる。
ここで、噛み合い歯21が爪11に及ぼす摩擦力は、爪11と噛み合い歯21の噛み合い接点P1における摩擦係数をμとすれば、μN=μTcosθである。
即ち、ワンウェイクラッチ100にあっては、噛み合い歯21の緩衝部21Bが円弧面であって、爪11の噛み合い接点P1が該噛み合い歯21のストッパ部21Cに近づくにつれて、図4(A)乃至(C)に示す如くに、該爪11が該噛み合い歯21の緩衝部21Bとの噛み合い接点P1に及ぼす垂直力N(Ni、Nm、Ne)が該爪11の回転力伝達線Lに対してなす接触角θi(θi≒90度)、θm、θe(θe≒0度)を、徐々に小となるような円弧面とされる。従って、爪11が噛み合い歯21の摺接部21Aに摺接する噛み合い初期段階(図4(A))を経て、爪11が噛み合い歯21のストッパ部21Cに係合する噛み合い最終段階(図4(C))に至る噛み合い中間段階(図4(B))で、駆動輪10と従動輪20との間の回転力Tを概ね一様とするとき、噛み合い歯21の緩衝部21Bが爪11に及ぼす摩擦力(μN=μTcosθ)は、図5に示す如く、μNi=μTcosθi、μNm=μTcosθm、μNe=μTcosθeの如くにcosθが0から1に近づくことに伴って徐々に大きな摩擦力になる。即ち、緩衝部21Bは爪11が噛み合い歯21との噛み合いを進行するに従い、該爪11の移動エネルギーを吸収する度合いを徐々に大きくするエネルギー吸収特性を示す。
また、ワンウェイクラッチ100は、駆動輪10の周方向にk個の各爪11を一定角度間隔で等配し、従動輪20に設けられる噛み合い歯21の数zを上記の爪11の数kによって割り切れない数とされる。例えば、k=6個、z=27個である。これにより、駆動輪10と従動輪20との間の回転力の伝達を遮断状態(従動輪20は空転状態)から許容状態に切り換えるときの、爪11と噛み合い歯21の遊びを少なくし、これによっても、爪11と噛み合い歯21との間で生ずる衝撃を小さくするものになる。
また、ワンウェイクラッチ100は、従動輪20に設けられる噛み合い歯21の数z(例えば上記の27個)を、3の倍数とし、必ず駆動輪10の周方向に3等配された3個の爪11のそれぞれが互いに1組(図3(A)において、実線枠で囲まれた1組の爪11と、破線枠で囲まれた他の1組の爪11)となって対応するいずれかの噛み合い歯21に同時に噛み合い、駆動輪10及び従動輪20の周方向における回転力の伝達バランスの均等化を図るものとしている。このとき、上記の爪11の数k(例えば上記の6個)も3の倍数になる。
(第2実施形態)(図6、図7)
第2実施形態のワンウェイクラッチ100が第1実施形態のワンウェイクラッチ100と異なる点は、図6に示す如く、噛み合い歯21の緩衝部21Bが平面状の傾斜面であって、爪11の噛み合い歯21との噛み合い接点P1が該噛み合い歯21との噛み合いの進行に伴って該噛み合い歯21のストッパ部21Cに近づくにつれ、該爪11が駆動輪10の駆動トルクに起因する回転力Tにより該噛み合い歯21の緩衝部21Bとの噛み合い接点P1に及ぼす垂直力Nが該爪11の該噛み合い歯21に対する回転力伝達線L(回転力伝達線Lは、爪11から噛み合い歯21に伝達される回転力Tが作用する直線であり、爪11の揺動中心cと噛み合い接点P1とを結んだ直線)に対してなす接触角qを、徐々に大となるような傾斜面とされる。
ここで、噛み合い歯21が爪11に及ぼす摩擦力は、爪11と噛み合い歯21の噛み合い接点P1における摩擦係数をμとすれば、μN=μTcosqである。
即ち、第2実施形態のワンウェイクラッチ100にあっては、噛み合い歯21の緩衝部21Bが傾斜面であって、爪11の噛み合い接点P1が該噛み合い歯21のストッパ部21Cに近づくにつれて、図7(A)乃至(C)に示す如くに、該爪11が該噛み合い歯21の緩衝部21Bとの噛み合い接点P1に及ぼす垂直力N(Ni、Nm、Ne)が該爪11の回転力伝達線Lに対してなす接触角qi、qm(qm>qi)、qe(qe>qm)を、徐々に大となるような傾斜面とされる。従って、爪11が噛み合い歯21の摺接部21Aに摺接する噛み合い初期段階(図7(A))を経て、爪11が噛み合い歯21のストッパ部21Cに係合する噛み合い最終段階(図7(C))に至る噛み合い中間段階(図7(B))で、駆動輪10と従動輪20との間の回転力Tを概ね一様とするとき、噛み合い歯21の緩衝部21Bが爪11に及ぼす摩擦力(μN=μTcosq)は、μNi=μTcosqi、μNm=μTcosqm、μNe=μTcosqeの如くにcosqが徐々に小になるに伴って徐々に小さな摩擦力になる。即ち、緩衝部21Bは爪11が噛み合い歯21との噛み合いを進行するに従い、該爪11の移動エネルギーを吸収する度合いを徐々に小さくするエネルギー吸収特性を示す。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、噛み合い歯の緩衝部は第1実施形態の円弧面、第2実施形態の傾斜面に限らず、他のいかなる形状(例えば噛み合い歯の噛み合い進行方向で連結される、複数の曲線の組み合わせ、複数の直線の組み合わせ、又は直線と曲線の組み合わせ等)からなるものでも良い。これにより、緩衝部は、その形状により、爪のエネルギーを吸収する度合いを該爪の噛み合いの進行に伴い多様に変化させた所望のエネルギー吸収特性を提供することができる。
また、噛み合い歯は、緩衝部が爪に及ぼす摩擦力が、摺接部が爪に及ぼす摩擦力よりも大きくなるように、爪が摺接する緩衝部の摩擦面の性状を調整しても良く、更には、その摩擦面の性状によって爪のエネルギーを吸収する度合いを該爪の噛み合いの進行に伴い多様に変化させた所望のエネルギー吸収特性を提供するようにしても良い。
本発明によれば、大容量のトルク伝達を実現できるラチェット式のワンウェイクラッチにおいて、駆動輪と従動輪との間の回転力の伝達を遮断状態(従動輪は空転状態)から許容状態に切り換えるときに、爪とラチェット歯の間で生ずる衝撃を小さくすることができる。
100 ワンウェイクラッチ
10 駆動輪
11 爪
20 従動輪
21 噛み合い歯
21A 摺接部
21B 緩衝部
21C ストッパ部

Claims (4)

  1. 駆動輪と従動輪の一方に枢支される爪と、
    駆動輪と従動輪の他方に設けられ、爪が係脱可能に噛み合いされる噛み合い歯とを有するラチェット式のワンウェイクラッチであって、
    噛み合い歯は、爪との噛み合いの入口側に凹設されて該爪が摺接可能にされる摺接部と、爪との噛み合いの最奥部に凹設されて該爪が係合可能にされるストッパ部との間に、摺接部とストッパ部の双方に連続して凹設されて該爪が摺接可能にされ、摺接部が爪に及ぼす摩擦力よりも大きな摩擦力を該爪に及ぼす緩衝部を備え、
    駆動輪が従動輪より高速回転するときに、爪が噛み合い歯に噛み合い、当該噛み合い歯における爪との噛み合いの最奥部に凹設されたストッパ部に係合して、駆動輪から従動輪への回転力の伝達を許容し、
    駆動輪が従動輪より低速回転するときに、爪が噛み合い歯との噛み合いを解除され、当該噛み合い歯における爪との噛み合いの入口側に凹設された摺接部から離脱して、駆動輪と従動輪の間の回転力の伝達を遮断するラチェット式のワンウェイクラッチ。
  2. 前記噛み合い歯の緩衝部が円弧面であって、爪の噛み合い歯との噛み合い接点が該噛み合い歯のストッパ部に近づくにつれて、該爪が該噛み合い歯の緩衝部との噛み合い接点に及ぼす垂直力が該爪の該噛み合い歯に対する回転力伝達線に対してなす接触角を、徐々に小となるような円弧面とされる請求項1に記載のラチェット式のワンウェイクラッチ。
  3. 前記噛み合い歯の緩衝部が傾斜面であって、爪の噛み合い歯との噛み合い接点が該噛み合い歯のストッパ部に近づくにつれて、該爪が該噛み合い歯の緩衝部との噛み合い接点に及ぼす垂直力が該爪の該噛み合い歯に対する回転力伝達線に対してなす接触角を、徐々に大となるような傾斜面とされる請求項1に記載のラチェット式のワンウェイクラッチ。
  4. 前記従動輪と駆動輪の他方に設けられる噛み合い歯の数が、駆動輪と従動輪の一方に枢支される爪の数によって割り切れない数とされる請求項1乃至3のいずれかに記載のラチェット式のワンウェイクラッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012082732A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Aisin Seiki Co Ltd 内燃機関の始動装置
JP2016176590A (ja) * 2015-03-23 2016-10-06 トヨタ自動車株式会社 セレクタブルワンウエイクラッチ

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